JP2005134791A - 画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電不良を起こしにくく、しかも転写性が良好な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 感光体の表面に、潤滑剤微粒子を含有した表面層を形成する。これにより、非接触の帯電方式によって発生する放電物質が感光体の表面を変質させても、感光体の表面上の潤滑剤微粒子によって、感光体の摩擦係数が上昇するのを抑制することができる。この結果、転写紙等への転写性が向上して、良好な画像を得ることができる。特に、転写ベルト等、平滑な面への転写性を良好に維持することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、画像形成装置、またはこの画像形成装置に対して着脱可能に構成したプロセスカートリッジに関するものである。
従来、画像形成装置には、感光体表面を一様に帯電させる帯電手段としての帯電ローラ、像担持体としての感光体、感光体表面に静電潜像を形成する露光手段を備えている。また、この画像形成装置には、この静電潜像にトナーを付着させて感光体表面にトナー像を形成する現像手段等を備えるものが知られている。さらに、この画像形成装置は、このトナー像を転写紙や中間転写ベルト等の転写体に転写する転写手段を備えている。そして、転写手段によって転写されずに感光体に付着したトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブラシやクリーニングブレード等も備えている。
近年の高画質化に伴い、トナーの小粒径化や球形化が進んでいる。このような小粒径で球形のトナーを用いた画像形成装置では、ブラシローラやクリーニングブレード等のクリーニング装置では、クリーニングしきれなかった。このクリーニング装置で除去しきれなかったトナーが感光体表面に接触している帯電ローラに付着し、感光体への帯電不良等が起こる場合があった。そこで、特許文献1には、感光体に対して帯電ローラを所定ギャップ離した非接触の帯電方式とすることで、帯電ローラへのトナーの付着を低減し、感光体への帯電不良を抑えるものが記載されている。
特開2001−109235号公報
しかしながら、上述の非接触の帯電方式は、感光体の近傍で高エネルギーの放電が発生するため、オゾンなどの放電生成物が感光体表面に接触している帯電方式に比べて多く発生してしまう。そして、この放電生成物が感光体表面の性質を変質させて摩擦係数を上昇させる。このように、感光体表面の摩擦係数が上昇してしまうと、一度、転写体に静電転写したトナーが、感光体の摩擦力によって再び感光体表面に付着してしまい、転写不良が発生し易くなる。特に、転写ベルトような転写する転写面が平滑な場合、感光体表面の摩擦係数の上昇による転写不良が顕著に現れてしまう。
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、その目的は、帯電不良を起こしにくく、しかも転写性が良好な画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の画像形成装置は、トナー像を担持する像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、該像担持体上のトナー像を転写体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電手段は、前記像担持体と所定ギャップをもって近接配置されており、前記像担持体は、その表面に潤滑剤を含有した表面層を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の画像形成装置は、請求項1の画像形成装置において、前記転写体は、中間転写体であることを特徴とするものである。
また、請求項3の画像形成装置は、請求項1または2の画像形成装置において、前記像担持体の表面層表面の摩擦係数が前記転写体の摩擦係数と同等、または低いことを特徴とするものである。
また、請求項4の画像形成装置は、請求項1、2または3の画像形成装置において、前記像担持体の表面層表面の摩擦係数が、0.10以上0.30以下であることを特徴とするものである。
また、請求項5の画像形成装置は、請求項2、3または4の画像形成装置において、前記転写体表面の摩擦係数が0.55以下であることを特徴とするものである。
また、請求項6の画像形成装置は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、前記像担持体の表面層の厚さが4μm以上、10μm以下であり、表面層に含まれる潤滑剤の量が表面層の全重量に対して30重量%以上、80重量%以下であることを特徴とするものである。
また、請求項7の画像形成装置は、請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、前記潤滑剤は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂の微粒子であることを特徴とするものである。
また、請求項8の画像形成装置は、請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、前記像担持体の表面層全表面に対して、前記潤滑剤が占める面積率が10%以上であることを特徴とするものである。
また、請求項9の画像形成装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像形成装置において、表面層に含まれる潤滑剤の全体積が表面層の全体積に対して20%以上であることを特徴とするものである。
また、請求項10の画像形成装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、前記像担持体を複数設けることを特徴とするものである。
また、請求項11の画像形成装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、前記トナーは、体積平均粒径が3μm以上7μm以下で、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00以上1.40以下であり、形状係数SF−1が100以上180以下、形状係数SF−2が100以上180以下であることを特徴とするものである。
また、請求項12の画像形成装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋および、または伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とするものである。
また、請求項13の画像形成装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、前記帯電手段にACバイアスとDCバイアスとを重畳した帯電バイアスを印加するとともに、前記ACバイアスは、帯電手段と像担持体との間の放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有しており、前記帯電手段と像担持体とのギャップが10μm以上、80μm以下であり、前記印加するACバイアスの周波数[Hz]が像担持体の線速[mm/s]の7倍以上、12倍以下であることを特徴とするものである。
また、請求項14の画像形成装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、前記帯電手段の帯電部材は、導電性樹脂材料で構成されており、前記帯電部材には、絶縁性樹脂部材が取り付けられており、該絶縁性樹脂部材が、上記像担持体の画像形成領域外と接触することで、上記像担持体表面における画像形成領域に対して所定のギャップを形成していることを特徴とするものである。
また、請求項15のプロセスカートリッジは、像担持体と、帯電手段、露光手段、クリーニング手段、現像手段の画像形成プロセス手段のうち少なくともひとつとを一体化して画像形成装置に対して着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14に記載の画像形成装置に対して着脱可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項16のプロセスカートリッジは、請求項15のプロセスカートリッジにおいて、前記他の画像形成プロセス手段の少なくともひとつは、請求項1、13または14に記載の帯電手段であることを特徴とするものである。
また、請求項17のプロセスカートリッジは、請求項15または16のプロセスカートリッジにおいて、前記他の画像形成プロセス手段の少なくともひとつは、クリーニング手段としてのクリーニングブレードであり、工場出荷時において、該クリーニングブレード表面に紛体が塗布されていない状態でプロセスカートリッジにセットされていることを特徴とするものである。
請求項1乃至14の発明によれば、帯電手段と像担持体とを非接触にしている。これにより、クリーニング装置で除去しきれなかったトナーが帯電手段に付着し、像担持体の帯電不良を抑えることができる。また、像担持体表面の摩擦係数が像担持体の表面の表面層によって、予め低くされている。このため、非接触の帯電方式によって発生する放電物質が像担持体を変質させて、像担持体の摩擦係数を上昇させても、転写不良となるような摩擦係数に達することを抑えることができる。この結果、転写紙等への転写性が向上して、良好な画像を得ることができる。特に、転写ベルト等、平滑な面への転写性を良好に維持することができる。
以下、本発明を適用した本発明を適用した画像形成装置として、タンデム直接転写方式のフルカラープリンタに適用した例を示す。
図1は本発明をタンデム直接転写方式のフルカラープリンタに適用した例を示す全体構成図である。装置本体1内には、像担持体である感光体5を含む4個の感光体ユニット2M、2C、2Yおよび2Bを、装置本体に対してそれぞれ着脱可能に装着している。感光体ユニット2M、2C、2Yおよび2Bは、同一の構成をしたユニットであり、感光体ユニット2Mはマゼンタ(M)色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Cはシアン(C)色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Yはイエロー(Y)色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Bはブラック(B)色に対応する画像を形成する。
装置本体の略中央に転写ベルト3を複数のローラ間に矢示A方向に回動可能に装着した転写ユニットを配置している。転写ベルトの内側には4つの転写ブラシ57が4個の感光体に対応してそれぞれ設けられている。その転写ベルトの上側の面は、各感光体ユニットの感光体に接触可能に配置している。感光体ユニット2M、2C、2Yおよび2Bに対応させて、それぞれ使用するトナーの色が異なる現像装置10M、10C、10Yおよび10Bを配置している。各色の現像装置は、構成が同一のものであり、それらは使用するトナーの色のみが異なる二成分現像方式の現像装置である。その各色の現像装置内には、トナーとキャリアからなる現像剤が収容されている。
現像装置は感光体5に対向した現像ローラ、現像剤を搬送・撹拌するスクリュー、トナー濃度センサ等から構成される。現像ローラは外側の回転自在のスリーブと内側に固定された磁石から構成されている。トナー濃度センサの出力に応じて、図示しないトナー補給装置より必要量のトナーが補給される。
また、感光体ユニットの上方には書込みユニット6を、転写ベルトの下方には両面ユニット7をそれぞれ配置している。このプリンタは、装置本体の左方に、画像形成後の転写紙Pを反転させて排出したり、両面ユニットへ搬送したりする反転ユニット8を装着している。
書込みユニット6は、各色毎に用意されたレーザダイオード(LD)方式の4つの光源と、6面のポリゴンミラーとポリゴンモータから構成される1組のポリゴンスキャナと、各光源の光路に配置されたfθレンズ、長尺WTL等のレンズやミラーから構成されている。レーザダイオードから射出されたレーザ光はポリゴンスキャナにより偏向走査され感光体上に照射される。
両面ユニット7は、対をなす搬送ガイド板45a、45bと、対をなす4組の搬送ローラ46とからなり、転写紙の両面に画像を形成する両面画像形成モード時には、片面に画像が形成された後に反転ユニット8の反転搬送路54に搬送されてスイッチバック搬送された転写紙Pを受入れて、それを給紙部に向けて搬送する。
反転ユニット8は、それぞれ対をなす複数の搬送ローラと、対をなす複数の搬送ガイド板とからなり、上述したように両面画像形成する際の転写紙Pを表裏反転させて両面ユニット7へ搬出したり、画像形成後の転写紙Pをそのままの向きで機外に排出したり、表裏を反転させて機外に排出したりする働きをする。給紙カセット11、12が設けられている給紙部には、転写紙Pを1枚ずつ分離して給紙する分離給紙部55、56が、それぞれ設けられている。
転写ベルト3と反転ユニット8との間には、転写紙に転写された画像を定着する定着装置9が設けられている。その定着装置9の転写紙搬送方向下流側には、反転排紙路20を分岐させて形成し、そこに搬送した転写紙Pを排紙ローラ対25により排紙トレイ26上に排出可能にしている。
また、装置本体の下部には、上下2段にサイズの異なる転写紙Pを収納可能な給紙カセット11と12を、それぞれ配設している。さらに、装置本体の右側面には、手差しトレイ13を矢示B方向に開閉可能に設け、その手差しトレイを開放することにより、そこから手差し給紙ができるようにしている。
まず、このフルカラープリンタのフルカラー画像形成時の動作を説明する。このフルカラープリンタがフルカラーの画像データを受け取ると、各感光体が図1で時計回り方向にそれぞれ回転する。そして、その各感光体5の表面が帯電ローラにより一様に帯電される。そして、各色の感光体ユニット2M、2C、2Yおよび2Bの感光体5に、書込みユニット6により各色の画像に対応するレーザ光がそれぞれ照射され、各色の画像データに対応した潜像がそれぞれ形成される。各潜像は、感光体5が回転することにより現像装置の位置に達すると、M、C、Y及びB色トナーにそれぞれ現像されて、トナー像を形成する。
一方、給紙カセット11、12から転写紙Pが分離給紙部55、56により給紙され、それが転写ベルト3の直前に設けられているレジストローラ対59により、各感光体5上に形成されているトナー像と一致するタイミングで搬送される。転写紙Pは、転写ベルト3の入口付近に配設している紙吸着ローラ58によりプラスの極性に帯電され、それにより転写ベルトの表面に静電的に吸着される。そして、転写紙Pは、転写ベルト3に吸着した状態で搬送されながら、M、C、Y及びB色の各トナー像が順次転写されていき、4色重ね合わせのフルカラーのトナー画像が形成される。
その転写紙Pは、定着装置9で熱と圧力が加えられることによりトナー像が溶融定着され、その後は指定されたモードに応じた排紙系を通って、装置本体上部の排紙トレイ26に反転排紙される。また、定着装置9から直進して反転ユニット8内を通ってストレート排紙される。あるいは、両面画像形成モードが選択されているときには、前述した反転ユニット8内の反転搬送路に送り込まれた後にスイッチバックされて両面ユニット7に搬送され、そこから再給紙されて感光体ユニット2M、2C、2Yおよび2Bが設けられている作像部で、裏面に画像が形成された後に排出される。以降、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した作像プロセスが繰り返される。
次に、このフルカラープリンタの白黒画像形成時の動作を説明する。このフルカラープリンタが白黒の画像データを受け取ると、吸着ローラ58に対向して転写ベルト3を支持している従動ローラが下方に移動し、転写ベルトがM、C、Yの感光体5から離間する。Bの感光体が図1の時計回り方向に回転し、B感光体5の表面が帯電ローラにより一様に帯電される。そして、さらに感光体ユニット2Bの感光体5にはBの画像に対応するレーザ光が照射され、潜像が形成される。潜像は、現像装置10Bの位置に達すると、Bのトナーにより現像されてトナー像となる。この際、B以外の3色の感光体ユニット、現像装置は停止しており、感光体や現像剤の不要な消耗を防止する。
一方、給紙カセット11、12から転写紙Pが分離給紙部55、56により給紙され、それが転写ベルト3の直前に設けられているレジストローラ対59により、B感光体上に形成されているトナー像と一致するタイミングで搬送される。転写紙Pは、転写ベルトの入口付近に配設している紙吸着ローラ58により帯電され、それにより転写ベルト3の表面に静電的に吸着される。そして、転写紙Pは、転写ベルト3に静電吸着した状態で搬送されるので、転写ベルト3がM、C、Yの感光体から離間していても転写紙はBの感光体まで搬送され、Bのトナー像が転写される。その転写紙Pは、フルカラー画像の場合と同様に定着装置9で定着され、指定されたモードに応じた排紙系を通って処理される。以降、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した作像プロセスが繰り返される。
転写紙を安定して静電吸着搬送するために転写ベルト3は少なくとも表層が高抵抗の材料で構成されている必要がある。転写ベルトの材質としてはポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料をシームレスベルトに成型し使用することができる。これらの材料はそのまま用いたり、カーボンブラック等の導電材により抵抗調整したりすることが可能である。また、これらの樹脂を基層として、スプレーやディッピング等の方法により表層を形成し、積層構造にしても良い。
本実施形態においては、転写ベルト3に定められたパターンのトナー像を直接形成して、このトナー像を付着量センサ31によって検知する。そして、その結果に基づいて帯電条件や、露光条件、現像条件等の画像形成条件を制御している。
本実施形態においては、転写ベルトをポリフッ化ビニデンやポリエチレンテレフタレート等の透明あるいは半透明な転写ベルトを使用し、転写ベルトの表面に発光素子と受光素子からなる付着量センサ31を設ける。転写ベルトの裏面に反射部材32を配置して、転写ベルト3のトナー像を検知するようにしている。
まず、図2に示すように、転写ベルト3上にM、Y、C、Bの基準パターンのトナー像を形成する。付着量センサ31の発光素子から発する光は、検知位置で、反射部材32によって正反射および乱反射する。この正反射、または乱反射した光のいずれかまたは両方を受光素子で検知し、この光量に基づいてトナー付着量を検知する。検知位置に転写ベルト上に形成した基準パターンが通過したときは、トナー量の増加に応じてトナー層の光透過率が低下するため、付着量センサの発光素子から転写ベルトを透過して反射部材32に照射される光や、反射部材32からの反射光の光量が少なくなる。一方、転写ベルト上にトナーが存在しないときは、付着量センサ31の発光素子から発光される光が転写ベルト3を透過して反射部材32に照射され、その光を反射効率の高い反射部材32が反射し、光強度の強い反射光が付着量センサ31の受光素子に入力される。このため、転写ベルト上にトナーが存在しないときは、付着量センサ31の出力が高くなる。この結果、転写ベルト上にトナーが存在しないときと、トナーが存在するときとでは、付着量センサ31の出力の差が大きくなるため、高いS/N比が得ることができ、トナー付着量の検知能力が向上することができる。反射部材32は、反射部材32の表面加工を容易にでき、高い反射率を得るために、反射面を平面としている。また、このように、反射部材32の反射面を平面とすることで、付着量センサ31の発光素子から反射部材への光の入射位置が多少ずれても反射部材32からの反射光の反射方向のずれを小さくすることができる。また、反射部材32は、無端の転写ベルト3の裏面を支持しているので、転写ベルト3の走行面が安定し、この安定した位置で付着量センサ31の光を照射することが可能となるので、S/N比を高めることができる。さらに、反射型の付着量センサ31を用いることにより、発光素子と受光素子とを一つの支持部材で支持することができ、反射部材32との相対位置を定めて行う組立作業も透過型の付着量センサに比して容易に行なうことができる。
そして、転写ベルト上のトナー像を検知した後は、転写ベルト上のトナー像を図示しないクリーニング装置より除去する。一方、付着量検知結果に応じて、各色の画像形成条件を制御して、通常の画像印刷を実行する。
上記の、トナー付着量検知手段は、各色のトナー量を検知して、画像形成条件を制御するだけでなく、各色のトナー画像の位置ずれを検知する位置ずれ検知センサとしても用いることができる。
一般的に転写ベルト3は、平滑性が高くトナーの離型性にも優れた材料が使用されるため、感光体上のトナー像を転写ベルト3に転写する転写性が悪い。また、帯電装置の放電時に発生する放電生成物が感光体表面を化学的変質させ、感光体の摩擦係数を上昇させる。すると、転写不良が発生しやすくなり、転写ベルトへの転写性をさらに悪化させる。このように、転写性の悪い状態で、転写ベルト上に図2のような基準パターンを形成すると、基準パターンに白抜けなどが発生してしまう。この白抜き状態の基準パターンがあると、各色のトナー画像の位置ずれを検知する位置ずれ検知センサが正確に検知することができずに、画像の位置ずれ等の画像劣化を引き起こす場合があった。そこで、本実施形態では、感光体5の表面に潤滑剤を含む表面層を形成して、感光体の摩擦係数の上昇を抑えることで、トナー像を転写ベルト3に転写する転写性を良好に保つようにしている。この結果、転写不良による基準パターンの白抜けなどが発生しなくなり、各色のトナー画像の位置ずれを正確に検知することができるようになった。また、感光体の摩擦係数を望ましくは、0.10〜0.30の範囲、特に0.15〜0.25の範囲としている。感光体の摩擦係数が0.30より大きくすると転写性を改善する効果が小さい。摩擦係数を0.1以下に維持するには大量の潤滑剤が必要となり好ましくない。
また、感光体の摩擦係数を低く維持することで、感光体のクリーニング性が向上する。
さらに、本実施形態では、転写ベルトの摩擦係数を感光体の摩擦係数より大きくなるように設定している。これにより、転写ベルトへの転写性が良好になり、各色のトナー画像の位置ずれを正確に検知することができる。また、従来、転写紙は、その表面に微小な凹凸があり、感光体の摩擦係数より高い場合が多い。一方、転写ベルト3は、平滑性が高く、感光体の摩擦係数より低い場合が多い。このように、摩擦係数が違うと、転写性に差が生じてしまう。このように、転写性に差があると、転写ベルトに付着するトナーの量と、転写紙に付着するトナーの量とが異なってくるため、転写ベルトに付着したトナー量を検知した結果が実際の画像形成時の結果に反映されない。その結果、転写ベルトに付着したトナーの量を検知し、画像形成条件を制御して、画像形成を行なうと、濃度の濃い画像や、薄い画像が現れてしまっていた。しかし、本実施形態では、転写ベルトの摩擦係数を感光体の摩擦係数より大きくしているので、転写紙との摩擦係数の差が小さくなる。その結果、転写紙と転写ベルトとの転写性の差を少なくすることができる。しかし、転写ベルトの摩擦係数を高くし過ぎてしまうと、図示しない転写ベルトのクリーニング手段としてのクリーニングブレードに巻き込みが発生してしまい、転写ベルト上のトナーを除去できない恐れがある。そこで、本発明者は、以下に示す実験によって、転写ベルトの最適な摩擦係数について検討した。
感光体の摩擦係数を0.20〜0.25範囲に維持し、転写ベルトの摩擦係数を種々変更して、感光体の摩擦係数と転写ベルトの摩擦係数との関係を調べた。潤滑剤としてのPFA粒子を55重量%含有した厚さ5μmの表面層を形成した感光体と、PI(ポリイミド)からなる単層の転写ベルトとをリコー製フルカラー複写機ImagioColor5100に組み込んで実験を行った。転写ベルトの摩擦係数を変化させるために、転写ベルト上に潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)を塗布するブラシローラを設けている。ブラシローラには、固形潤滑剤が圧力をもって接触しており、ブラシローラが回転することで固形潤滑剤が削り取られ、この削られた潤滑剤が転写ベルトに塗布される。そして、固形潤滑剤からブラシローラにかかる圧力を変化させることで、転写ベルトに塗布される潤滑剤の量を調整し、転写ベルトの摩擦係数を変化させた。新品時、転写ベルトの摩擦係数は、0.48であった。このとき、上述の実験機で複写を行ったところ、画像に問題はなかった。そして、徐々に転写ベルトに塗布する潤滑剤の量を多くして、転写ベルトの摩擦係数を徐々に下げていったところ、転写ベルトの摩擦係数が0.35より低くなったところで文字やライン部での中抜け画像が確認された。さらに、摩擦係数を下げていき、感光体の摩擦係数とほぼ同等の0.25以下となると、中抜け画像が顕著に発生してしまった。次に、転写ベルトを新品に取り替え、通紙を行い、徐々に転写ベルトの摩擦係数を高くしていった。通紙を行うことで、転写ベルトに紙紛やトナーなどが付着していき、転写ベルトの摩擦係数を増加させると考えられる。このように、通紙を行い続け、約1000枚通紙したところで、転写ベルトをクリーニングするクリーニングブレードに巻き込みが発生してしまった。このときの転写ベルトの摩擦係数は、0.6であった。
上述の実験により、転写ベルトの摩擦係数は、0.55以下、望ましくは0.5以下とするのが好ましいとわかる。転写ベルトの摩擦係数が0.55を越えてしまうと、転写ベルトをクリーニングするクリーニングブレードに巻き込みが発生してしまう。また、転写ベルトの摩擦係数は、感光体の摩擦係数に対して、0.1以上高いことが望ましいことがわかる。転写ベルトの摩擦係数が、感光体の摩擦係数に対して、0.1未満となると、中抜け画像が発生するなど、転写性が悪化してしまう。
ここで、本実施形態における摩擦係数は、オイラーベルト方式により算出した静止摩擦係数を意味し、次の方法で算出する。測定用の感光体を台座に固定し、幅30mm、長さ297mmにカットした上質紙(リコーType6200)をベルトとして感光体の上に乗せ、ベルト端部の一方に100gの分銅を取り付け、もう一方の端部はデジタルフォースゲージに取り付ける。デジタルフォースゲージを一定速度で移動させ、ベルトの移動開始時の荷重から次の式で静止摩擦係数を算出する。
μs=2/π×ln(F/W)
ここでμs:静止摩擦係数、F:読みとり荷重、W:分銅の重さ、π:円周率、である。本測定方法はオイラーの式から導かれる計算式である。
転写ベルトのように、そのままでは円筒形状を保てないものの摩擦係数に関しては、感光体素管のような円筒形状のものに巻き付けて固定した状態で上記の方法により摩擦係数の測定をおこなうことができる。
図3は、本実施形態に用いる感光体ユニットを示している。感光体ユニットは、同一の構成をしたユニットであるので、ここでは、感光体ユニット2Mについてのみ説明する。この感光体ユニット2Mは、感光体5と、この感光体5を均一に帯電する帯電ローラ14と、感光体5の表面をクリーニングするブラシローラ15とクリーニングブレード47とを備えている。帯電ローラ14の両端部には、ギャップ保持部14cが設けられており、感光体5の非画像領域に当接している。これにより、感光体5と帯電ローラ14の帯電部材14bとは、感光体5の画像領域で微小ギャップを有するようになる。このように、帯電部材14bと感光体5とが接触しないので、帯電ローラ14を硬い樹脂材料とした場合でも感光体の画像領域の感光層に傷が付いたりすることがない。また、上記、ギャップが広がりすぎると異常放電が発生し均一に帯電できなくなるため、最大ギャップは80μm以下に抑える必要がある。そのため、感光体5、帯電ローラ14とも高精度が必要であり、真直度を20μm以下にすることが望ましい。
また、帯電ローラ14の端部には、図示しないギヤが取り付けられており、感光体5のフランジに形成されたギヤとかみ合っている。そして、図示しない感光体駆動モータにより感光体が回転すると帯電ローラも感光体とほぼ等しい線速で連れ回り方向に回転するようになっている。また、帯電ローラ14の図中上部には、帯電ローラ14の表面をクリーニングするクリーニングローラ49が設けられている。このクリーニングローラ49は、金属製芯金を有しており、この芯金の表面には、導電性繊維が静電植毛されている。このクリーニングローラ49は、自重で帯電ローラと当接しており、帯電ローラの回転に伴いつれ周りするようになっている。このように、クリーニングローラ49が帯電ローラ14と伴に回ることで、帯電ローラ14に付着したトナー等の汚れを除去する。
上述のように、感光体5、帯電ローラの真直度を上げても、感光体5と帯電ローラ14の回転に伴いギャップは一定範囲の中で変動してしまう。このような状況下でも感光体を均一に帯電するために、帯電部材14bに印加する帯電バイアスに、DC電圧に加え帯電部材14bと感光体5間との放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有するACバイアスを重畳させる。ここで、印加するACバイアスの周波数が低いとストライプ状の帯電ムラが目立つため、少なくとも感光体線速v[mm/s]の7倍以上の周波数f[Hz]に設定することが望ましい。また、印加するACバイアスの周波数が高すぎる場合には過剰な放電が発生し、感光体の摩耗量を増大させる。また、感光体にトナーやトナー外添剤のフィルミングが発生しやすくなるため、感光体線速v[mm/s]の12倍以下の周波数f[Hz]に設定することが望ましい。なお、この実施例では、感光体の線速vは、125mm/sであり、ACバイアスの周波数fは、900Hzとしている。
感光体表面をクリーニングするため、ブラシローラ15、および、ポリウレタンゴムからなるクリーニングブレード47を設ける。このクリーニングブレード47には、従来、帯電装置側に捲れるのを抑制するために、紛体を塗布して、感光体とクリーニングブレードとの摩擦係数を下げていた。しかし、本実施形態においては、感光体5の表面に潤滑剤の層を形成して、感光体の摩擦係数を下げているので、クリーニングブレードに紛体を塗布しなくとも、捲れを抑制することができる。これにより、振動等によって、クリーニングブレードの紛体が飛散して、帯電ローラ等に付着した結果、帯電不良などを引き起こすことがなくなる。
そして、クリーニングブレード47や、ブラシローラ15によって掻き取られた感光体表面のトナーは、トナー搬送オーガ48側に移動させられる。そして、トナー搬送オーガ48を回転することで、回収した廃トナーを図1に示す廃トナー回収部18搬送する。
この実施形態では、感光体5の径はφ30mmであり、図3中の矢印C方向に線速125mm/Secで回転している。ブラシローラ15も感光体5の回転に同期して、図中時計周りに回転する。
また、この感光体ユニット2Mは、装置本体から着脱可能となっている。そして、装置本体に正確に装着できるように、位置決め主基準部51を設けると共に、ブラケット50に、感光体ユニット2Mの手前側に手前側位置決め従基準52と、感光体ユニット2Mの奥側に手前側位置決め従基準53とを設けている。感光体ユニット2Mを装置に装着する際、これらの基準部によって、正確に装着位置に装着することができる。
また、感光体ユニット2Mをユーザでも交換が容易なプロセスカートリッジ化して、感光体5、ブラシローラ15、帯電ローラ14を一体として装置から着脱可能とすることもできる。このようにすれば、感光体ユニット2M内で感光体と帯電ローラの位置が決まるので、感光体と帯電ローラ間に微少なギャップを容易に形成することができる。また、感光体と同時に交換すれば、装着の度にギャップの調整を行う必要はないのでユーザでも交換が容易である。本実施形態においては、感光体、帯電装置、クリーニング装置を含む感光体ユニットをプロセスカートリッジとしたが、さらに、現像装置も一体としてプロセスカートリッジ化することもできる。
次に、感光体ユニットで用いる感光体5について、以下詳述する。
感光体5は、例えば図4(a)または(b)に示すように、導電性支持体501の上に感光層502を形成し、その感光層502の上に表面層505を設けて構成する。感光層502は、電荷発生層503と電荷輸送層504とでつくるが、図4(a)のように電荷発生層503の上に電荷輸送層504を設けてもよいし、逆に図4(b)のように電荷輸送層504の上に電荷発生層503を設けてもよい。
導電性支持体501は、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状または円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板またはそれらを素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管等からなるものである。
電荷発生層503は、電荷発生材料を主成分とする層である。電荷発生材料には、無機または有機材料が用いられ、代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、アモルファス・シリコン等が挙げられる。これら電荷発生材料は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層503は、電荷発生材料を適宜バインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、2−ブタノン、ジクロルエタン等の溶媒を用いて、ボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法等により行う。
適宜用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン、アクリル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリル等の樹脂を挙げることができる。バインダー樹脂の量は、重量基準で電荷発生材料1部に対して0〜2部が適当である。
電荷発生層503は、公知の真空薄膜作製法によっても形成することができる。電荷発生層503の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層504は、電荷輸送材料およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
電荷輸送材料のうち、低分子電荷輸送材料には、電子輸送材料と正孔輸送材料とがある。電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2、4、7−トリニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロキサントン、2、4、8−トリニトロチオキサントン、2、6、8−トリニトロー4Hーインデノ〔1、2−b〕チオフェン−4オン、1、3、7−トリニトロジベンゾチオフェン−5、5−ジオキサイド等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送材料としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1、1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ワェニルビドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
また、電荷輸送材料として高分子電荷輸送材料を用いる場合、適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥して電荷輸送層504を形成してもよい。高分子電荷輸送材料は、上記低分子電荷輸送材料に電荷輸送性置換基を主鎖または側鎖に有した材料であればよい。さらに必要により、高分子電荷輸送材料にバインダー樹脂、低分子電荷輸送材料、可塑剤、レベリング剤、潤滑剤等を適量添加することもできる。
電荷輸送材料と共に電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ、ポリカーボネート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル、シリコーン、エポキシ、メラミン、ウレタン、フェノール、アルキッド等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、2−ブタノン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレン等が挙げられる。
電荷輸送層504の厚さは、10〜30μmの範囲で所望の感光体特性に応じて適宜選択すればよい。
感光層502に含有される電荷輸送材量の含有量は、電荷輸送層504の40重量%以上とするのが好ましい。40重量%未満では、像担持体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られず好ましくない。
感光体5における電荷輸送層移動度は、2.5×10〜5.5×10V/cmの範囲の電荷輸送層電界強度の条件下で、3×10−5cm/V・s以上であることが好ましく、7×10−5cm/V・s以上であることがより好ましい。この移動度は、各使用条件下でこれを達成するように構成を適宜調整できる。この移動度は、従来公知のTOF法により求めればよい。
感光体5には、導電性支持体501と感光層502との間に下引き層を形成することができる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層502を溶剤を用いて塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン、アルキッド−メラミン、エポキシ等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末を加えてもよい。
この下引き層は、上記の感光層と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。さらに、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層を用いることも有用である。この他に、下引き層には、Alを陽極酸化したものにより形成したもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO、TiO、ITO、Ce0等の無機物を真空薄膜作製法により形成したものも有効である。下引き層の膜厚は、0〜5μmが適当である。
また、本実施形態の感光体5の最外層には、感光層の保護および、感光体の摩擦係数の低減を目的に潤滑剤粒子を含有する表面層505が形成されている。電荷輸送層504に潤滑剤を分散させて感光体の摩擦係数の低減を図ることも考えられるが、上述のように、電荷輸送層の厚みは10μm以上であるので、感光体表面の摩擦係数を低減させるためには、大量に潤滑剤を電荷輸送層に分散させる必要がある。このように、電荷輸送層に大量の潤滑剤を分散させると、感光体の静電特性が劣化しやすくなってしまうため、好ましくない。
この表面層505に使用される材料としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル、フェノール、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ等の樹脂が挙げられる。
これらの樹脂に感光体の摩擦係数を低下させる目的でフッ素樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等の潤滑剤を添加する。これらの潤滑剤は、単独で用いても良いし、2以上組み合わせて用いても良い。フッ素樹脂粒子の具体例としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル及びパーフルオロアルキルビニルエーテルなどの重合体、及びそれらの共重合体が用いられる。ポリオレフィン樹脂粒子の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィンの単独重合体、異種オレフィンとの共重合体、またはそれらの熱変性物の粒子であり、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリヘキセン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキセン共重合体などが挙げられる。シリコーン樹脂粒子の具体例としては、シロキサン結合が三次元で結合し、網目構造をとり、珪素原子にアルキル基、アリル基、アミノ置換アルキル基、ジアルキルシリコーンなど置換されたもので有機溶媒に不溶なものが挙げられる。上記、シロキサン三次元網目構造は、テトラエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリヒドロキシメチルシランの三官能シラン化合物の縮合反応から得られ、共重合種としてアミノプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、トリメトキシ長鎖アルキルシラン、末端シラノールシリコーンオイル、これらの縮合体は異なった物性を示し任意選択し使用する。これら三次元網目構造体は球状のもの、あるいは不定形で得られ、有機溶媒に不溶である。
次に、表面層の潤滑剤微粒子の粒径について調べた。基体樹脂であるポリカーボネートの基体樹脂とPFA(フッ素樹脂)粒子をテトラヒドロフラン中に分散し、このときの分散液中のPFA粒子の平均粒径と表面層の表面粗さ、摩擦係数の関係を調べた。PFAの平均粒径は、超遠心式自動粒度分布測定装置を用いて測定した。PFAの平均粒径は、一次粒子の凝集した二次粒子の粒径を含むものである。上述の基体樹脂、潤滑剤微粒子、溶剤からなるを分散液を感光体にスプレー法で塗布、乾燥して表面層を形成した。これらの感光体を複写機に装着して、クリーニング性を調べた。その結果を以下に示す。
Figure 2005134791
上記、表からわかるように、平均粒径0.4μm、1.0μmの潤滑剤微粒子を分散したものについては、大きな差異は、見られないが、潤滑剤微粒子の平均粒径3.6μmの感光体は、表面粗さが上昇することがわかる。このように、表面粗さが増した結果、摩擦係数が上昇しており、潤滑剤微粒子の効果が十分発揮されないことがわかる。また、表面粗さが粗くなった結果、小粒径のトナーがクリーニングブレードによって除去しきれず、感光体表面に付着していた。このことから、潤滑剤微粒子の平均粒径は、3μm以下が好ましいとわかる。
次に、表面層の膜厚について調べた。上述同様、ポリカーボネートを溶解させたテトラヒドロフラン中に55重量%のPFA粒子を平均粒径が1.0μmになるように分散し、これを感光体にスプレー法で塗布、乾燥して表面層を形成した。感光体は、直径30mmのアルミニウムの基体上に、3.5μmの下引き層、0.15μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層と上記の表面層を有している。下引き層、電荷発生層、電荷輸送層は、浸漬塗工法により形成した。そして、表面層の厚みを5μm、9μm、15μmの表面層を形成した感光体、および表面層を形成していない感光体をそれぞれリコー製カラープリンタIpsioColor8100に搭載して、帯電電位、露光後の電位を調べた。測定条件は、プロセス速度:125mm/s、帯電バイアス:AC(周波数f=900Hz)+DC(−700V)、書き込み密度:600dpi、光源:波長655nmのLD、感光体表面のLDパワー:0.23mWである。以下に、その結果を示す。
Figure 2005134791
表2からわかるように、表面層の膜厚が厚くなるほど、帯電電位が低く、露光後の電位が高い傾向があることがわかる。露光後の電位が高い場合は、必要な現像ポテンシャルを得るため、帯電電位を高く設定する必要があり、感光層にかかる電界強度が大きくなるため、感光体の静電的な劣化が進行しやすく寿命の面で不利となる。膜厚が13μmの感光体は、帯電電位と露光後の電位との差が500V以下となっており、帯電電位をかなり高く設定する必要があり好ましくない。また、表面層の膜厚が薄い場合にも表面層が摩耗により早期に消失してしまい、やはり寿命の面で不利となる。十分な寿命を確保するため、少なくとも4μm以上の表面層の膜厚が必要である。
感光体の表面には、常にある程度の潤滑剤微粒子が存在するように、表面層の全固形分に対して30重量%以上の潤滑剤微粒子を配合するのが好ましい。潤滑剤微粒子が表面層の全固形分に対して30重量%未満の場合、感光体表面の潤滑剤の存在量が少なくなり摩擦係数を低減する効果が小さくなってしまう。また、潤滑剤微粒子が80重量%を越えると、表面層の膜質が脆くなってしまう。表面層がポリカーボネートの基体樹脂(比重1.2)にPFA(比重2.1)の潤滑剤微粒子を分散したものである場合、少なくとも、その表面には、10%以上の潤滑剤微粒子が存在する必要がある。また、表面層が摩耗しても、絶えず表面層に10%以上の潤滑剤微粒子が存在させるために、潤滑剤微粒子は、表面層の全固形分に対して、体積率で20%以上分散させる必要がある。
また、表面層の耐摩耗性を向上する目的でアルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム等の金属酸化物粒子を添加してもよい。表面層505に添加される金属酸化物粒子の量は、表面層の全固形分に対して、5〜20重量%が好ましい。金属酸化物粒子の量が5%未満では、耐摩耗性の向上が小さく、20%を越えると逆に耐摩耗性が大きくなりすぎるため、潤滑剤による摩擦係数低減の効果が現れにくくなってしまう。表面層に添加する金属酸化物粒子の粒径としては0.1〜0.8μmが適当である。金属酸化物粒子の粒径が大きすぎる場合には保護層表面の凹凸が大きくなりクリーニング性が低下する上、露光光が保護層で散乱されやすく解像力が低下し画像品質が劣る。金属酸化物微粒子の粒径が小さすぎると耐摩耗性が劣ってしまう。
さらに、表面層505には、潤滑剤粒子の分散性を向上させるために分散助剤を添加することができる。添加される分散助剤は塗料等に使用されるものが適宜利用できその量は重量基準で通常は含有する潤滑剤微粒子の量に対して0.5〜4%、好ましくは、1〜2%である。
また、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、必要に応じて各層に酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、上述の低分子電荷輸送物質およびレベリング剤等を添加することができる。
各層に添加できる酸化防止剤としては、例えば、次のものが挙げられる。
(a)フェノール系化合物
2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2、6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−ブチルフェノール)、2、2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1、1、3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3、3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類等
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N、N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N、N−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N、N−ジメチル−N、N−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等
(c)ハイドロキノン類
2、5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2、6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3、3−チオジプロピオネート、ジステアリル−3、3−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3、3−チオジプロピオネート等
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2、4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等
各層に添加できる可塑剤としては、例えば、次のものが挙げられる。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル等
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル等
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチル等
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチル等
(e)脂肪酸エステル誘導体系可塑剤
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリン等
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル等
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシル等
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート等
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチル等
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステル等
(k)スルホン酸誘導体系可塑剤
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミド等
(l)クエン酸誘導体系可塑剤
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシル等
(m)その他、
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチル等
各層に添加できる紫外線吸収剤として、次のものが挙げられる。
(a)ベンゾフェノン系紫外線吸収剤
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2、2、4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2、2、4、4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノン等
(b)サルシレート系紫外線吸収剤
フェニルサルシレート、2、4ジ−t−ブチルフェニル3、5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエート等
(c)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ3−ターシャリブチル5−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール等
(d)シアノアクリレート系紫外線吸収剤
エチル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレート等
(e)クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤
ニッケル(2、2チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート等
(f)HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤
ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2、2、6、6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7、7、9、9−テトラメチル−3−オクチル−1、3、8−トリアザスピロ〔4、5〕ウンデカン−2、4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン等
等が挙げられる。
各層に添加できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが挙げられる
次に、本実施形態に用いる帯電ローラについて説明する。図5は、帯電ローラの断面図である。この帯電ローラ14は、導電性支持体である芯金14aと、帯電部材としての樹脂層14bと、ギャップ保持部材14cから構成されている。芯金14aは、ステンレス等の金属が用いられ、その直径は、6〜12mm程度に形成されている。直径が6mmよりも小さいと、帯電部材の切削加工時や、感光体に加圧されたときのたわみの影響が無視できなくなり、必要なギャップ精度が得られにくい。また、直径が12mmよりも大きいと、帯電ローラが大型化したり、質量が重くなったりする問題がある。
帯電ローラの樹脂層14bは、10〜10Ωcmの体積抵抗を持つ材料で形成することが好ましい。抵抗が10Ωcmよりも低いと、感光体5にピンホールなどの欠陥があった場合、帯電バイアスのリークが発生しやすくなる。一方、10Ωcmよりも大きな抵抗であると放電が十分に発生せず均一な帯電電位を得ることができない。上記樹脂層は、基材となる樹脂に導電性材料を配合することで、所望の抵抗を得るようにしている。基材樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。これらの基材樹脂は、成形性が良いので容易に成形加工することができる。
導電性材料としては四級アンモニウム塩基を有する高分子化合物のようなイオン導電性材料が好ましい。四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィンの例としては、四級アンモニウム塩基を有するポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレンーエチルアクリレート共重合、エチレン−メチルアクリレート共重合、エチレンー酢酸サンビニル共重合、エチレン−プロピレン共重合、エチレン−ヘキセン共重合等のポリオレフィンである。これらの四級アンモニウム塩基を有する高分子化合物は、既に市販されているものもある。本実施の形態においては、四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィンについて例示したが、四級アンモニウム塩基を有するポリオレフィン以外の高分子化合物であっても構わない。従来では、さらに、抵抗調整剤として、カーボンブラックのような電子導電性材料をさらに配合するが、本実施形態のように、感光体5と非接触の帯電ローラの場合、異常放電による帯電ムラが発生するため、本実施形態に用いる帯電ローラには、配合しない。
ギャップ保持部材14cの材質としては、樹脂層14bの基材樹脂と同様にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。ただし、感光層にギャップ保持部材を当接させるので感光層が損傷するのを防止するために、帯電部材より硬度の低いグレードを用いることが望ましい。また、摺動性に優れ感光層に損傷を与えにくい樹脂材料として、ポリアセタール、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の樹脂を用いることもできる。また、ギャップ保持部材としては不要な放電による感光体の劣化を防止するために1010Ωcm以上の絶縁性樹脂とすることが好ましい。
帯電ローラは、次のようにして成形される。まず、上述のイオン導電性材料を二軸混練機、ニーダー等の手段を用いて、基材樹脂に均一に配合させる。次に、この基材を芯金14aに射出成形、あるいは押出成形することで、ローラ形状に成形する。イオン導電性材料と基材樹脂の配合量は、基材樹脂100重量部に対して30〜80重量部配合するのが望ましい。樹脂層14bの厚さは、樹脂層が厚すぎると帯電ローラが大型化するうえに樹脂層の実際の抵抗が大きくなり帯電効率が低下するため0.5〜3mmが望ましい。
樹脂層を形成した後、樹脂層の両端にギャップ保持部材14cを圧入や接着、またはその両方によって固定する。そして、ギャップ保持部材14cを基準にして帯電ローラ14の外径を研削加工や切削加工を施して、帯電部材とギャップ保持部材のフレの位相を揃えて、帯電ギャップの変動を低減する。帯電部材としての樹脂層14bの両端にギャップ保持部材14cを固定する方法は、上述の方法に限られず、2色成形により、芯金に帯電部材とギャップ保持部材を同時に成型することもできる。
帯電部材14bを樹脂材料とすることで、従来のゴム材料に比べ切削加工が容易で高精度に加工しやすい。また、樹脂材料は従来のゴム材料に比べて外形や硬度の環境変動も小さいため、帯電ギャップの環境変動も小さく抑えることができる。
また、樹脂層やギャップ保持部材にはコーティング等により、トナー等が付着しにくい表層を数10μm程度の厚さで形成することもできる。
次に、本発明の画像形成装置に好適に使用されるトナーについて説明する。
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜7μmが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌汚れの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
また、トナーの形状係数SF−1及びSF−2を規定することが望ましい。図6は形状係数SF−1の説明図、図7は形状係数SF−2の説明図である。
まず、形状係数SF−1について説明する。形状係数SF−1とは、図6に示すように、球形物質の形状の丸さの割合を示す値であり、球形物質を2次元平面上に投影して出来る楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じたときの値で表される。つまり、形状係数SF−1は、次の数1に示す式で定義される。
<数1>
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)
この形状係数SF−1の値が100の場合には、物質の形状が真球状となり、SF−1の値が大きくなるほど、物質の形状は不定形となる。
一方、形状係数SF−2は、図7に示すように、物質の形状の凹凸の割合を示す数値である。物質を2次元平面上に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで割って、100/4πを乗じたときの値で表される。つまり、形状係数SF−2は、次の数2に示す式で定義される。
<数2>
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π)
このSF−2の値が100の場合には、物質の表面に凹凸が存在しないことになり、SF−2の値が大きくなるほど、物質の表面の凹凸は顕著となる。
なお、上記形状係数は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、トナー像を100回無作為にサンプリングし、その画像情報は、ニレコ社製画像解析装置(LUSEX3)に導入して解析を行い、上記数式より算出した。
本発明者らの検討によれば、形状係数SF−1及びSF−2がともに100に近づいて、トナーの形状が球形に限りなく近づくと、転写効率が高くなることが判った。これは、形状効果によりトナー粒子と該トナー粒子と接触するもの(トナー粒子同士、感光体等)との間では点接触することになる。この結果、トナー流動性が高まったり、像担持体等に対する吸着力(鏡映力)が弱まったりして、転写電界の影響を受けやすくなるためと考えられる。形状係数SF−1及びSF−2のいずれかが180を越えてしまうと、転写効率が低下してしまい、好ましくない。
本実施形態に係るトナーは、通常の粉砕法によって製造することも可能だが、上述のような、小粒径で球形に近いトナーを製造するのは効率が悪く、コスト高になってしまう。このように、小粒径で球形に近いトナーを製造する方法として、少なくとも窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を水系溶媒中で架橋および、または伸長反応させて製造する方法が好ましい。以下にトナー構成材料および製造方法について説明する。
トナーは、結着樹脂に着色剤、荷電制御剤及び、離型剤等の他の材料を含有させた母体粒子に、更に添加剤等を外添させたものを用いている。
本実施形態のトナーは、結着樹脂としてポリエステルを用いる。より詳しくは、未変性ポリエステル、ウレア変性ポリエステル、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含んだもの等が挙げられる。
未変性ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物としては、2価アルコールおよび3価以上の多価アルコールが挙げられ、2価アルコール単独、または2価アルコールと少量の3価以上の多価アルコールとの混合物が好ましい。また、多価カルボン酸としては、2価カルボン酸および3価以上の多価カルボン酸が挙げられ、2価カルボン酸単独、および2価カルボン酸と少量の3価以上の多価カルボン酸との混合物が好ましい。
2価アルコールとしては、次のものが挙げられる。
(a)アルキレングリコール
エチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオールなど
(b)アルキレンエーテルグリコール
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど
(c)脂環式ジオール
1、4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど
(d)ビスフェノール類
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど
(e)上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど
(f)付加物
上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
また、3価以上の多価アルコールとしては、次のものが挙げられる。
(a)3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど
(b)3価以上のフェノール類
トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど
(c)付加物
上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物など
2価カルボン酸としては、次のものが挙げられる。
(a)アルキレンジカルボン酸
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など
(b)アルケニレンジカルボン酸
マレイン酸、フマール酸など
(c)芳香族ジカルボン酸
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上の多価カルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコールと反応させてもよい。
次に、多価アルコールと多価カルボン酸の重縮合反応について説明する。多価アルコールと多価カルボン酸の比率を、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1として、重縮合反応を行なう。重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい。さらに、記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対して悪化する傾向がある。また、重量平均分子量の適正範囲は、1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では耐オフセット性が悪化するため好ましくなく、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
結着樹脂は、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルに、ウレア変性のポリエステルを含有するのが好ましい。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られた未変性ポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と、多価イソシアネート化合物とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋および、または伸長されて得られるものである。
上述の多価イソシアネート化合物としては、次のものが挙げられる。
(a)脂肪族多価イソシアネート
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2、6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど
(b)脂環式ポリイソシアネート
イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど
(c)芳香族ジイソシアネート
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど
(d)芳香脂肪族ジイソシアネート
α、α、α’、α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど
(e)イソシアネート類
前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの
上述の多価イソシアネート化合物は、一種類で用いてもよく、また2種類以上併用して用いてももよい。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーと反応させるアミン類としては、2価アミン化合物、3価以上の多価アミン化合物、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、および上記にアミン類のアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。
2価アミン化合物としては、次のものが挙げられる。
(a)芳香族ジアミン
フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4、4’−ジアミノジフェニルメタンなど
(b)脂環式ジアミン
4、4’−ジアミノ−3、3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど
(c)脂肪族ジアミン
エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど
3価以上の多価アミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。アミン類のアミノ基をブロックしたものとしては、前記のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
これらのアミン化合物のうち、好適なのは、2価アミン化合物、および2価アミン化合物と少量の3価以上の多価アミン化合物の混合物である。
ウレア変性ポリエステルは、上述の化合物を用いて、ワンショット法などにより製造される。まず、上述の方法と同様に、未変性ポリエステルを製造する。具体的には、多価アルコールと多価カルボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有する未変性ポリエステルを得る。
次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネートを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを得る。このとき、多価イソシアネート化合物の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有する未変性ポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1とする。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。また、[NCO]のモル比が1未満のウレア変性ポリエステルは、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中の多価イソシアネート化合物構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
そして、上述のイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーにアミン類を0〜140℃にて反応させ、分子鎖が架橋および、または伸長させてウレア変性ポリエステルを得る。このとき、アミン類の比率を、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2とする。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。また、ポリエステルプレポリマーとアミン類との架橋および、または伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
多価イソシアネートを反応させる際、およびポリエステルプレポリマーとアミン類を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネートに対して不活性なものが挙げられる。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルと用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。トナーの結着樹脂として、ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000とする。数平均分子量が20000を超えた結着樹脂を用いたトナーは、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。トナーの結着樹脂として、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
また、トナーの結着樹脂として、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用する場合、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7とする。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含む結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃とする。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
次に、トナーに含有する着色剤としては、従来から公知の染料や顔料を使用することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー、バルカンファストイエロー、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
また、着色剤は結着樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
次に、トナーに含有する荷電制御剤について説明する。荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等が使用できる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きくなりすぎてしまい、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
次に、離型剤について説明する。離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
上述の荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、結着樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
次に、トナーの母体粒子に、外添させる外添剤について説明する。トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
上述の無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、トナー粒子の流動性を付与する流動性付与剤として、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上する。これにより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、トナーの凝集体などが発生しない良好な画像品質が得られ、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性が悪化する傾向にあるので、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。以下に示す製造方法は、好ましい一例であり、これに限られるものではない。
まず、着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1、2−ジクロロエタン、1、1、2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1、2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
次に、トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N、N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
また、上述の樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm等がある。
さらに、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
次に、上記乳化液の作製と同時に、アミン類を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとの反応を同時に行わせる。この反応は、分子鎖の架橋および、または伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造とアミン類との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
そして、上記反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子、必要に応じて潤滑剤粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、および外添剤の添加は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
以上のような製造方法により、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
このようにして製造したトナーはトナー容器に充填され画像形成装置に装着される。また、キャリアと混合して現像剤となり、現像装置に充填される。
キャリアは芯材それ自体からなるか、芯材上に被覆層を設けたものが一般に使用される。本発明では樹脂被覆キャリアの芯材としては、フェライト、マグネタイト等の磁性体を用いる。この芯物質の粒径は20〜70μm程度が適当である。キャリア粒径が小さいほど高精細な画像が得られるが、キャリア粒径が小さすぎるとキャリア付着が発生しやすくなるため、出力画像上にキャリアが付着して、逆に画像品質を低下させてしまう。キャリア被覆層形成に使用される材料としては、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ素原子を置換してなるビニルエーテル、フッ素原子を置換してなるビニルケトン等がある。被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリア芯材粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の手段で樹脂を塗布すればよい。
図8に、上記現像装置を回転型のリボルバ現像ユニット430で構成した画像形成装置の一例を示す。図8において、リボルバ現像ユニット430は、Bトナーを用いるB現像器431、Yトナーを用いるY現像器432、Cトナーを用いるC現像器233、Mトナーを用いるM現像器434を備えている。このリボルバ現像ユニット430は、図示しない現像リボルバ駆動部によって、全体が半時計回りに回転するように構成されている。リボルバ現像ユニット430の各現像器は、現像スリーブ12と、現像剤を汲み上げて攪拌するために回転する現像剤パドル、及び現像スリーブ12の駆動部等で構成されている。
待機状態でのリボルバ現像ユニット430は、B現像器431が現像位置に位置するホームポジションで停止している。コピースタートキーが押されると、原稿画像データの読み取りが開始され、そのカラー画像データに基づいて、レーザ光Lによる光書き込み、すなわち静電潜像形成が始まる。以下、B画像データによる静電潜像を「B静電潜像」という。Y、C、Mについても同様である。
このB静電潜像の先端部から現像可能にするため、B現像位置に静電潜像の先端部が到達する前に、B現像器431の現像スリーブ12の回転を開始して、B静電潜像をBトナーで現像する。これ以降、B静電潜像の現像動作を続けるが、B静電潜像の後端部がB現像位置を通過した時点で、速やかに次の色の現像器が現像位置に回転するまで、リボルバ現像ユニット430が回転する。この回転は、少なくとも、次の画像データによる静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了される。
図8において、画像形成動作が開始されると、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に感光体ドラム100、及び中間転写ベルト319が同期回転する。これにより、中間転写ベルト319上に、感光体ドラム100上に順次形成されるB、Y、C、Mのトナー像が、同一面に順次位置合わせされて一次転写される。この画像形成動作が開始される時期に、転写紙が給紙バンク403の転写紙カセット又は手差しトレイ等の給紙部から給送され、レジストローラのニップで待機している。そして、中間転写ベルト319上のトナー像の先端が所定の位置にさしかかるタイミングで、転写搬送ベルトユニットが中間転写ベルト319に接触する。その後、転写紙の先端が上記トナー像の先端に一致するようにレジストローラが駆動され、転写紙とトナー像とのレジスト合わせが行われる。そして、転写紙が中間転写ベルト319上のトナー像と重ねられて二次転写部を通過する際に、二次転写ローラ323により、中間転写ベルト319上の4色重ねトナー像が転写紙上に一括転写される。この転写紙は、転写搬送ベルト322から剥離して定着装置328に向けて送られる。そして、転写紙上のトナーが定着装置328の一対の定着ローラのニップ部で溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に転写紙が送り出される。
一方、一次転写後の感光体ドラム100の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニングユニット310によりクリーニングされる。また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト319の表面に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニングユニット321によってクリーニングされる。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナ301の動作及び感光体ドラム100への画像形成は、1枚目の4色目(M)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(B)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト319の方は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、表面のベルトクリーニングユニット321でクリーニングされた領域に、2枚目のBトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。
以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット430の所定色の現像器のみを現像動作状態にして、ベルトクリーニングユニット321を中間転写ベルト319に押圧させた状態のままの位置にしてコピー動作を行う。
上述の感光体ドラム100は、その表面層に、潤滑剤微粒子を含有した感光体である。これにより、感光体ドラムの摩擦係数の上昇を防止して、中間転写ベルト319への転写性を良好に保っている。また、中間転写ベルト319の摩擦係数を感光体ドラム100の摩擦係数同等、または高くなるように設定している。
図9に、上記各現像装置及び感光体ドラム100などからなる画像形成ユニットを複数個備えたタンデム型の画像形成装置の一例を示す。なお、この画像形成装置において、図8に示した画像形成装置の各構成要素と同等の構成及び機能を有するものには、同図に示した各構成要素に付した符号と同符号を付してその説明を省略する。
支持ローラ514と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写ベルト319上には、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4つの画像形成手段518を横に並べて配置してタンデム画像形成部520gだ構成されている。画像形成手段518は、Bトナーを用いるB現像器521、Yトナーを用いるY現像器522、Cトナーを用いるC現像器523、Mトナーを用いるM現像器524を備えている。
図9において、画像形成動作が開始されると、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に各感光体ドラム100、及び中間転写ベルト319が同期回転する。これにより、各感光体ドラム100上に、B、Y、C、Mのトナー像が、それぞれ形成される。各感光体ドラム100上のB、Y、C、Mのトナー像は、中間転写ベルト319上に、各一次転写ローラ320により順次位置合わせされて一次転写される。この画像形成動作が開始される時期に、転写紙が給紙バンク403の転写紙カセット又は手差しトレイ等の給紙部から給送され、レジストローラのニップで待機している。そして、中間転写ベルト319上のトナー像の先端が所定の位置にさしかかるタイミングで、転写搬送ベルトユニットが中間転写ベルト319に接触する。その後、転写紙の先端が上記トナー像の先端に一致するようにレジストローラが駆動され、転写紙とトナー像とのレジスト合わせが行われる。そして、転写紙が中間転写ベルト319上のトナー像と重ねられて二次転写部を通過する際に、二次転写ローラ323により、中間転写ベルト319上の4色重ねトナー像が転写紙上に一括転写される。この転写紙は、転写搬送ベルト322から剥離して定着装置328に向けて送られる。そして、転写紙上のトナーが定着装置328の一対の定着ローラのニップ部で溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に転写紙が送り出される。
一方、一次転写後の感光体ドラム100の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニングユニットによりクリーニングされる。また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト319の表面に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニングユニットによってクリーニングされる。
上述のタンデム型画像形成装置においても、各感光体100の表面層に、潤滑剤微粒子を含有している。そして、中間転写ベルト319の摩擦係数を感光体100の摩擦係数同等、または高くなるように設定している。
以上、本実施の画像形成装置によれば、感光体の表面に、潤滑剤微粒子を含有した表面層を形成している。これにより、非接触の帯電方式によって発生する放電物質が感光体の表面を変質させても、感光体の表面上の潤滑剤微粒子によって、感光体の摩擦係数が上昇するのを抑制することができる。この結果、転写紙等への転写性が向上して、良好な画像を得ることができる。特に、転写ベルト等、平滑な面への転写性を良好に維持することができる。また、帯電部材14bと感光体5とを所定のギャップを設けて帯電部材14bを非接触にしている。これにより、クリーニング装置で除去しきれなかったトナーが帯電部材14bに付着し、感光体5への帯電不良等が起こりにくい。
また、本実施形態の画像形成装置においては、転写ベルト3と対向する位置に反射型センサ31を配置して、転写ベルトに直接形成した基準パターンのトナー像の位置やトナーの付着量を検知して、その検知結果に基づいて作像条件を制御時に起こる不具合も解消することができる。従来、転写ベルト3は、平滑性が高くトナーの離型性にも優れた材料が使用されるため、感光体上のトナー像を転写ベルトへ転写する転写性が悪かった。また、感光体5の表面は、上述の放電生成物によって、感光体の摩擦係数が上昇してしまい、転写ベルトへの転写性をさらに悪化させていた。このように、転写性の悪い状態で転写ベルト上に基準パターンを形成すると、基準パターンに白抜けなどが発生してしまう。この白抜き状態の基準パターンがあると、各色のトナー画像の位置ずれを検知する位置ずれ検知センサが正確に検知することができず、画像の位置ずれ等の画像劣化を引き起こす場合があった。しかし、本実施形態では、感光体5表面を表面層として、感光体の摩擦係数の上昇を抑えているので、転写ベルト3に転写する転写性が良好である。従って、転写不良による基準パターンの白抜けなどが発生しなくなり、各色のトナー画像の位置ずれを正確に検知することができる。
また、本実施形態の画像形成装置によれば、転写ベルトの摩擦係数を感光体の摩擦係数と同等、または大きくなるように設定している。これにより、転写ベルトへの転写性が良好になり、各色のトナー画像の位置ずれを正確に検知することができる。また、従来、転写ベルト3は、平滑で感光体に比べて摩擦係数が低い。一方、転写紙は、表面に微小の凹凸があり、感光体に比べて摩擦係数が高い。この摩擦係数の違いが両者の転写性に大きな差を生じさせていた。そして、このように転写性に大きな差があると、転写ベルトに付着するトナーの量と、転写紙に付着するトナー量が異なってくるため、転写ベルトに付着したトナーの量検知した結果が、実際の画像形成時の結果に反映されず、画像の乱れを生じていた。しかし、転写ベルトの摩擦係数を感光体の摩擦係数と同等、または大きくなるように設定することで、転写紙との摩擦係数の差が少なくなり、転写紙との転写性の差をほとんどなくすことができる。この結果、転写ベルトに付着したトナー量を検知した結果が、実際の画像形成時の結果に正確に反映されるようになり、高精度の画質を得ることができる。
また、本実施形態の画像形成装置においては、感光体の摩擦係数を0.10〜0.30の範囲としている。感光体の摩擦係数をこの範囲に維持することにより、転写不良が抑制される。さらに、転写ベルトの摩擦係数を0.55以下としている。これにより、転写ベルトに転写されたトナーが転写ベルトのクリーニング手段によって、良好に除去することができる。
また、本実施形態の画像形成装置において、感光体の表面層に含有される潤滑剤の微粒子は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂としている。これらの樹脂は、潤滑性を有するとともに、表面層に大量に分散させても、感光体の静電特性を劣化させることがない。
また、本実施形態の画像形成装置において、感光体の表面層505に添加される潤滑剤微粒子の量を、重量基準で30〜80%としている。これにより、感光体の表面層505の厚みを4〜10μmとしている。これにより、感光体の表面の摩擦係数を良好に維持することができ、表面層が脆くなることがない。また、感光体の静電特性を損なうことなく、感光体の寿命を維持することができる。
また、本実施形態の画像形成装置において、感光体表面の潤滑剤微粒子の存在率を10%以上としている。これにより、感光体の表面の摩擦係数を良好な範囲にすることができる。
また、本実施形態の画像形成装置において、潤滑剤微粒子は表面層の体積率に対して20%以上としている。これにより、摩耗によって表面層が削られていっても常に感光体の表面には、一定の潤滑剤微粒子が存在することとなる。この結果、感光体の表面の摩擦係数を良好な範囲に維持することができる。
また、本実施形態の画像形成装置によれば、トナーの形状係数SF−1、SF−2がともに100以上、180以下、かつ、トナーの体積平均粒径(Dv)3〜7μm、トナーの体積平均粒径(Dv)に対する個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)が、1.00以上、1.40以下である。トナーが上記範囲にあると、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌汚れの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
また、本実施形態の画像形成装置では、トナーを少なくとも窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を水系溶媒中で架橋および、または伸長反応させて製造している。これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。
また、本実施形態の画像形成装置では、感光体5の表面層に金属酸化物微粒子を含有したしている。これにより、耐磨耗性に優れた感光体とすることができる。
また、本実施形態では、帯電ローラ14に印加するACバイアスの周波数が感光体線速v[mm/s]の7倍以上、感光体線速v[mm/s]の12倍以下としている。これにより、ストライプ状の帯電ムラや、感光体にトナーのフィルミングが発生しない。
さらに、本実施形態では、帯電ローラ14の帯電部材14bを樹脂材料とし、ギャップ保持部材14cを絶縁性樹脂材料としている。これにより、従来のゴム材料に比べ切削加工が容易で高精度に加工しやすい。また、従来のゴム材料に比べて、外形や硬度の環境変動も小さいため、帯電ギャップの環境変動も小さく抑えることができる。
また、本実施形態によれば、感光体5と、この感光体5を均一に帯電する帯電ローラ14とを少なくとも備えたプロセスカートリッジとしている。これにより、帯電ローラ14と感光体5の微小ギャップを容易に調整することができる。
また、本実施形態によれば、クリーニングブレード表面に紛体を塗布していない。従来、クリーニングブレードの巻き込みを防止するために、クリーニングブレードに粉体を塗布して、感光体とクリーニングブレードとの摩擦を下げることで巻き込みを防止していた。しかし、本実施形態においては、感光体の表面層に潤滑剤を含有して、感光体の摩擦係数を下げているので、クリーニングブレードに粉体を塗布して摩擦係数を下げなくても、クリーニングブレードが巻き込まれることがない。この結果、クリーニングブレード、感光体、帯電装置等を備えたプロセスカートリッジを輸送するときに、振動などによって、クリーニングブレードに塗布した紛体が飛散して、帯電装置に付着して帯電不良による異常画像が発生することがなくなる。
本実施形態に係る画像形成装置をタンデム直接転写方式のフルカラープリンタに適用した例を示す全体構成図。 上記タンデム直接転写方式のフルカラープリンタによって形成される基準パターン像を示す模式図。 上記タンデム直接転写方式のフルカラープリンタの感光体ユニットを示す模式図。 (a)、(b)は、実施形態に係る像担持体の部分断面構成図。 実施形態に係る帯電ローラの部分断面構成図。 形状係数SF−1の説明図。 形状係数SF−2の説明図。 実施形態に係る画像形成装置をリボルバ型現像装置を備えたフルカラープリンタに適用した例を示す全体構成図。 実施形態に係る画像形成装置をタンデム中間転写方式のフルカラープリンタに適用した例を示す全体構成図。
符号の説明
1 装置本体
2M、2C、2Y、2B 感光体ユニット
3 転写ベルト
5 感光体
14 帯電ローラ
15 ブラシローラ
31 付着量センサ
32 反射部材
47 クリーニングブレード
48 トナー搬送オーガ
100 感光体ドラム
14a 芯金
14b 帯電部材
14c ギャップ保持部
319 中間転写ベルト
322 転写搬送ベルト
430 リボルバ現像ユニット
505 表面層
520 タンデム画像形成部

Claims (17)

  1. トナー像を担持する像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、該像担持体上のトナー像を転写体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電手段は、前記像担持体と所定ギャップをもって近接配置されており、前記像担持体は、その表面に潤滑剤を含有した表面層を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、前記転写体は、中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の画像形成装置において、前記像担持体の表面層表面の摩擦係数が前記転写体の摩擦係数と同等、または低いことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1、2または3の画像形成装置において、前記像担持体の表面層表面の摩擦係数が、0.10以上0.30以下であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2、3または4の画像形成装置において、前記転写体表面の摩擦係数が0.55以下であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、前記像担持体の表面層の厚さが4μm以上、10μm以下であり、表面層に含まれる潤滑剤の量が表面層の全重量に対して30重量%以上、80重量%以下であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、前記潤滑剤は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂の微粒子であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、前記像担持体の表面層全表面に対して、前記潤滑剤が占める面積率が10%以上であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像形成装置において、表面層に含まれる潤滑剤の全体積が表面層の全体積に対して20%以上であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、前記像担持体を複数設けることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、前記トナーは、体積平均粒径が3μm以上7μm以下で、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00以上1.40以下であり、形状係数SF−1が100以上180以下、形状係数SF−2が100以上180以下であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋および、または伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、前記帯電手段にACバイアスとDCバイアスとを重畳した帯電バイアスを印加するとともに、前記ACバイアスは、帯電手段と像担持体との間の放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有しており、前記帯電手段と像担持体とのギャップが10μm以上、80μm以下であり、前記印加するACバイアスの周波数[Hz]が像担持体の線速[mm/s]の7倍以上、12倍以下であることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、前記帯電手段の帯電部材は、導電性樹脂材料で構成されており、前記帯電部材には、絶縁性樹脂部材が取り付けられており、該絶縁性樹脂部材が、上記像担持体の画像形成領域外と接触することで、上記像担持体表面における画像形成領域に対して所定のギャップを形成していることを特徴とする画像形成装置。
  15. 像担持体と、帯電手段、露光手段、クリーニング手段、現像手段の画像形成プロセス手段のうち少なくともひとつとを一体化して画像形成装置に対して着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14に記載の画像形成装置に対して着脱可能に構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  16. 請求項15のプロセスカートリッジにおいて、前記他の画像形成プロセス手段の少なくともひとつは、請求項1、13または14に記載の帯電手段であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  17. 請求項15または16のプロセスカートリッジにおいて、前記他の画像形成プロセス手段の少なくともひとつは、クリーニング手段としてのクリーニングブレードであり、工場出荷時において、該クリーニングブレード表面に紛体が塗布されていない状態でプロセスカートリッジにセットされていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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