JP2008014981A - クリーニングブレード、およびこれを用いた画像形成装置ならびに画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潜像担持体表面に弾性部材を当接させて、該潜像担持体表面の付着物を除去するクリーニングブレードにおいて、少なくとも該クリーニングブレードの両端域に溝部を設けたことを特徴とするクリーニングブレード。
【選択図】図1
Description
このような電子写真プロセスでは、感光体の表面がトナー像形成のために繰り返し使用されるため、記録媒体へのトナー像の転写後に、記録媒体に転写されずに感光体上に残った残留トナーを除去する必要がある。
電子写真方式を利用した画像形成装置においては、例えば、感光体の表面に当接するよう設けられたブレードを適正な押圧力で感光体に圧接させることによって残留トナーを除去するブレードクリーニング方式が一般的である。特に、プロセスカートリッジ式の構成を有する画像形成装置では、構成が簡単であり、またコストが安い等の利点から弾性材料からなるブレードを感光体の移動方向に対し、カウンター方向に感光体表面に当接して残留トナーを掻き落とす方法が広く実用化されている。
クリーニングブレードに用いられる弾性材料としては、密着度が高く、機械的耐久性、化学的安定性、トナー等の掻き取り力などに卓越しているウレタンゴムが一般的である。
クリーニングブレードは、現像領域内のトナーを確実に除去する必要から、先端エッジが感光体の軸方向全域にわたって当接された状態にあり、ブレード本体が有する密着性ゆえに感光体との間の摩擦抵抗は避けられない。
上述した画像形成装置においては、画像形成枚数の増加に伴って感光体表面とブレードとの当接部、つまりエッジ部近傍に残留トナーが介在し、これが潤滑剤として作用することで摩擦力が低減する。ところが、これらの残留トナーが感光体とブレードとの当接部に介在しない状態、特に画像形成装置の使用開始時または現像領域外においては、トナーによる潤滑機能が得られないため、感光体とブレードとの間に働く摩擦力が最も高く、感光体の駆動トルク上昇によってブレードが微振動し、その振動が周辺の部材と共鳴して一種の高周波音が発生するブレード鳴き等の異音の発生や、ブレードが感光体の回転方向下流側につられて反転するブレードめくれの発生頻度が高くなる。
また、特許文献3(特開平08−95258号公報)、特許文献4(特開平11−2910号公報)には、感光体端部を粗面化することが開示されている。これは、クリーニング部材との接触面積を減少させることにより、中央部よりもブレードの反転や振動が生じやすい端部の摩擦力を軽減し、感光体の表面に残留するトナーや感光体の表面に付着したコロナ生成物を感光体の表面から安定して除去するものである。
しかしながら、固形潤滑剤はブレードとの密着性が悪いために剥離しやすく、また感光体端部を粗面化する方法は画像形成が進むにつれて感光体表面は削れていくために、これらの方法はいずれも長期的な観点でみると上記課題を解決する効果を維持できない。
上記重合法で調製された球形トナーを用いると、トナー粒径が揃っているために帯電を均一に揃えやすく、感光体からの転写効率が大幅に向上し、画像の再現性が高い。このことから、最近では、特に高精細画像が要求されるフルカラー複写機等に重合法で製造されたトナーが使用される例が多い。
また、画像形成プロセスで使用される上記トナーにおいては、帯電性、現像性、転写性等の特性向上のために表面改質剤としての添加剤が付加されており、例えば、平均粒径が500nm以下のシリカ、アルミナ、チタニア等の無機酸化物や、ポリメチルメタクリレート、テフロン(登録商標)、シリコーン樹脂等をトナー粒子に外添した外添剤と呼ばれる微粒子を単独または併用している。
ところが、小粒径かつ球形トナーは、粉砕トナーに比べて感光体との接触面積が大きいために摩擦力が作用して滑りにくく、逆に転がりやすい。その結果、球形トナーは、感光体とクリーニングブレードとの間に潜り込んで隙間を転がり抜けてしまうために必然的にブレードクリーニングが困難となる。
係るクリーニングブレードの当接による不具合を解消するために、特許文献5(特開平6−318022号公報)には、粉砕トナー使用時よりも感光体へのブレード当接圧を高くすることが開示されているが、このように単にクリーニングブレードの圧接力を増してもブレードエッジ部が歪みやすいために、クリーニング性を向上させる効果は小さく、逆に、感光体およびブレードへの負荷から逆に寿命を低減させてしまう等の不具合の方が多い。
また、クリーニングブレードの性能を向上させることを目的として、例えば、特許文献6(特開平10−214009号公報)、特許文献7(特開2005−181434号公報)に開示されているように、感光体との当接部とそれ以外の部位との機能を分離させ、それぞれの機能に適した複数の材料にてクリーニングブレードを構成する試みがなされているが、その構造上クリーニングブレード全体として要求される特性のバランスを保つことは困難である。
また、クリーニングブレードに振動抑制効果を有する部材を設ける技術が開示されているが、安定した接合が達成されにくいために、逆にブレードの振動が不安定になりやすい。
その他に、画像形成終了後にクリーニングブレードのエッジに挟み込まれている異物への圧力を解除することにより異物の除去を促進しようとする技術が提案されているが、圧力制御やクリーニングブレードを離して摩擦熱の影響を抑えるという構成等により、装置が複雑化してしまい、大型化や大幅なコストアップを招いてしまう。
従来、電子写真方式に用いられる感光体の光導電体として、種々の無機及び有機光導電体が知られているが、一般に、有機の光導電体を用いた有機感光体はセレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電体に比べ、感光波長域の自由度、成膜性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面等において利点を持つため、現在では有機感光体が主流となっている。
有機感光体には、ポリビニルカルバゾ−ル(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生層と電荷輸送層とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が感度、耐久性、安定性など様々な特性において優れており注目されている。
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じた電界に沿って電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に可視部、近赤外部に吸収を持たず高い移動度を有する電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持ち高い量子効率を有する電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、かつ有用である。
ところが、この有機感光体に用いられる電荷輸送物質においては、その多くが低分子化合物として開発されており、低分子化合物は単独で成膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いられる。機能分離型積層感光体の場合、このような低分子電荷輸送物質と不活性高分子から構成される電荷輸送層は一般に摩耗しやすく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合に現像システムやクリーニングシステムによる機械的な感光体表面への負荷により膜削れが生じやすいという耐摩耗性の低さが欠点であった。
接触帯電装置は、潜像担持体に、ローラ型、ファーブラシ型、磁気ブラシ型又はブレード型等の導電性の帯電部材を接触させ、この帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して、潜像担持体を所定の極性・電位に帯電させるものであり、なかでもローラ帯電方式は帯電の安定性と言う点で好ましく、広く用いられている。
また、接触帯電方式を用いたシステムでは、帯電ムラを防止するため、DC成分にAC成分を重畳する技術が有効であることが知られているが、この際、AC成分の周波数あるいはpeak to peak間の電圧差が大きいほど、感光体への帯電によるストレスが大きくなる。この結果、帯電における感光体表面と帯電部材表面間での繰り返し行なわれる電子の授受により、例えば、バインダー樹脂の主鎖切断等、感光体表面の化学的劣化が促進され、摩耗量が大幅に増加してしまうことが問題になっている。
従って、十分な耐久性を有する感光層が形成されるような結着樹脂、電荷輸送材料等の表面層材料の開発が望まれている。
しかしながら、感光体表面の機械的強度は向上するが、その反面、感光体表面が削られにくいという特性から、帯電時に発生するオゾンや窒素酸化物によって生成する帯電生成物の付着量増加に伴う弊害や、トナーの転写効率の低下、感光体表面と接触する部材との摩擦係数の上昇といった現象が現れる傾向にある。つまり、従来の感光体は耐摩耗性が低く、感光体表面に堆積した付着物が摩耗によって除去されていたために、これらの問題は顕在化されにくい傾向にあった。
感光体とクリーニングブレードとの摩擦によって生じる問題として、上記小粒径トナーおよび外添剤が摩擦熱や圧接力によって溶融し、感光体上に固着するフィルミング層の形成がある。感光体表面に強固に付着したフィルミング層は、一旦形成されるとブレードでは容易に掻き落せないために、画像形成プロセスを繰り返すうちに次第に成長し、感光体の回転方向に黒スジ状の画像欠陥を生じる。省エネルギーを目的とした低温定着トナーを用いる画像形成装置や、高速化に伴って機内の昇温などが激しくなると、この傾向はより顕著になる。
このように、特にカラー化、高精細化に対応するトナーを用いた画像形成装置、更に耐刷枚数が大きい高耐久感光体を用いた画像形成装置においては、感光体へのフィルミングは起こりやすく、その抑制はきわめて重要な課題である。
係る問題に対して、特許文献11(特開平9−230767号公報)では、接触帯電装置を有する画像形成装置において、オゾンまたはNOx付着物を掻き取る部材を設けるものが提案されている。また、特許文献12(特開平10−111629号公報)には、研磨剤付クリーニングローラによって感光体表面のフィルミングを適宜除去する技術が提案されている。しかしながら、研磨擦部材で像担持体表面のフィルミング層を除去する場合、装置の構成が複雑になる上、感光体をも研磨することから感光体の耐久寿命が著しく低下してしまう。したがって、感光体の更なる高耐久化を実現する上では、これらの方法はフィルミング抑制手段として有効であるとは言い難い。
また、感光体とクリーニングブレードとの摩擦抵抗の上昇は、ブレードが感光体の移動に追随して変形するためにブレードエッジに局部的な捻れや圧力が掛かり、ブレードのエッジと感光体との間の機械的な圧力バランスが崩れて、クリーニングブレードは感光体に均等に当接されなくなり、感光体との間に生じた隙間がクリーニング不良を引き起こす。画像形成プロセスの繰り返しによって、局部的に強く押し付けられた部位では、感光体表面に摺擦傷が生じやすく、ブレードエッジは感光体上の数ミクロンの突起物によっても局部的に歪みを生じて変形し、異常摩耗や欠けなどの損傷に至り、ブレードの早期交換を余儀なくされる。
更に、感光体とブレードエッジとの間に微小な隙間が生じると、この隙間に潜り込んだトナーは帯電装置側に抜け出て、帯電部材を汚染する。汚染された帯電ローラは、汚染された部分の電気抵抗が増加し、帯電ローラ全域に一定電圧を印加しても汚染部分の帯電電圧値が他のそれよりも低下してしまう。そのため帯電ローラと圧接した感光体への帯電にもムラが生じ、帯電ローラ汚染部分で帯電させた部分は他の部分に比べて帯電電圧の絶対値が低下する結果、最終的な転写紙上に帯画像ができてしまう不具合が生じていた。
本発明の第一の目的は、使用環境によらず優れたクリーニング性を維持し、ブレードおよび感光体の耐久性を高水準で達成することが可能なクリーニングブレード、及びこれを用いた画像形成装置ならびに画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、簡易なクリーニング構成であるクリーニングブレードを用いた場合でも、長期に亘って細線再現性、階調性に優れた安定した画像品質が得られ、かつ、潜像担持体表面へのトナーフィルミングを抑制できるクリーニングブレード、及びこれを用いた画像形成装置ならびに画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
(1)「潜像担持体表面に弾性部材を当接させて、該潜像担持体表面の付着物を除去するクリーニングブレードにおいて、少なくとも該クリーニングブレードの両端域に溝部を設けたことを特徴とするクリーニングブレード」、
(2)「前記クリーニングブレードの両端域の溝部が、前記潜像担持体表面の画像形成領域以外の領域に対応する部分に設けられたことを特徴とする前記第(1)項に記載のクリーニングブレード」、
(3)「前記クリーニングブレードが潜像担持体の移動方向に対してカウンター方式に当接、配置されていることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のクリーニングブレード」、
(4)「前記溝部が、潜像担持体の移動方向上流側に設けられたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載のクリーニングブレード」、
(5)「潜像担持体と、該潜像担持体表面を一様に帯電する帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、クリーニング手段を備えた画像形成装置において、該クリーニング手段が前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載のクリーニングブレードを備えたものであることを特徴とする画像形成装置」、
(6)「前記潜像担持体が、導電性支持体上に直接または下引き層を介して、電荷発生層、フィラーを含有する電荷輸送層を順次積層した感光層を形成したものであることを特徴とする前記第(5)項に記載の画像形成装置」、
(7)「前記潜像担持体が、導電性支持体上に直接または下引き層を介して、電荷発生層、電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層を順次積層した感光層を形成したものであることを特徴とする前記第(5)項に記載の画像形成装置」、
(8)「前記潜像担持体に含有されるフィラーの平均粒径が30nm以上300nm以下であることを特徴とする前記第(6)項又は第(7)項に記載の画像形成装置」、
(9)「前記帯電手段は、前記潜像担持体に接触配置されるものであることを特徴とする前記第(5)項乃至第(8)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(10)「前記帯電手段は、前記潜像担持体に近接配置されるものであることを特徴とする前記第(5)項乃至第(8)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(11)「少なくとも前記第(5)項乃至第(10)項の何れかに記載の画像形成装置本体に対して着脱自在に装着し得るプロセスカートリッジであって、少なくとも潜像担持体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段をカートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ」。
また、このようなクリーニングブレードを組み込んだ画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジによれば、細線再現性、階調性に優れた小粒径の球形トナーに対しても、長期に亘って安定したクリーニング性能を発揮することが可能となり、さらには潜像担持体とクリーニングブレード双方の長寿命化・高安定化が達成される。
本発明に用いられるクリーニングブレードは、複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置や印刷機などの画像形成装置に装備されているクリーニング装置内に収納されており、画像形成装置内で、感光体の移動方向(MD方向;Machine Direction)に関して転写装置の下流に位置する。すなわち、帯電と画像露光で感光体に形成された静電潜像を、現像剤で現像して得られたトナー像を、コピー用紙などの被転写体に転写した後に残留するトナーや紙粉などの残留粉体を感光体上から除去するための部材である。クリーニング装置内にはクリーニングブレードの他にクリーニングブラシが併設される場合がある。
したがって、広範な温湿度の使用条件下において、クリーニング性能を確保、維持するためには、感光体表面から球形トナーを除去するクリーニングブレードの構成を見直す必要性がある。
クリーニングブレードの適正な当接条件は、極めて精度の高い諸特性の上に成り立つものであるが、使用初期の状態において適正な条件に設定されていても長期にわたる使用過程の中でその条件を維持できなくなり、クリーニング不良の原因となる。
特にブレードのマシン移動方向(所謂MD方向:Machine Direction)の先端域は自由端となっているために中央部よりもめくれやすく、更に非画像部領域は、画像領域に比べてブレードと感光体との摩擦抵抗を軽減するトナー量が少ないためにブレードめくれのきっかけになりやすく、一旦ブレードめくれが発生するとクリーニング機能が喪失されることになる。
また、溝部が応力を分散させる機能を担い、ブレードにかかるせん断応力の集中が回避されるために、感光体に対するブレードのTD方向の当接圧は均一に保たれ、常時同じ位置でブレード変形が起こることによる恒常的なトナーのすり抜けを防止できる。更に感光体への当接圧を低く設定することが可能となるために感光体の回転トルクだけでなく摩耗量の低減が図れ、偏摩耗の発生をも効果的に防止できる。
その結果、ブレードエッジ部に生じる、例えば異常摩耗や欠けといった経時的損傷を防止し、ブレードと感光体との隙間からトナーが帯電装置側に抜けて帯電部材の汚染による濃度ムラや帯状画像等の異常画像の発生を抑制できる。
更に、ブレード特性を厳密に管理しなくても、感光体の表面形状に対してブレードが柔軟に追従することによりブレードと感光体との摩擦抵抗は小さく、摩擦熱の発生が抑制され、加えてブレードにかかるせん断応力の集中を防止する効果が大きいので、ブレード長手方向(説明の便宜上、「長手方向」ともいうが、本発明のブレードはTD方向に長い長方形であることを必須とするものではない)について、不均一な局所的衝撃力によるエッジ部変形を生じることなく安定した当接圧を維持できる。
また、室温等の環境変動あるいは画像形成装置の機内温度の上昇等によって弾性ブレードが膨張又は収縮を生じても、本発明に係るクリーニングブレードでは、溝部およびその周辺で歪み応力を可及的に吸収する構成となっているので、温度変化に対しても安定している。
その結果、ブレードが感光体表面を摺擦する際の摩擦熱や圧接力などによってトナーおよび外添剤が溶融するフィルミング層の形成が抑制される。また、駆動中に感光体に対して均一な線接触が維持されているので、感光体表面への引っかき傷(スクラッチ)の発生や、エッジ部の欠損等の不具合を解消して、ブレードと感光体双方の長寿命化・高安定化に対して優れた効果を奏する。
したがって、本発明における「溝部」は、クリーニングブレードと同じ材質部分でありながら、可変形能管応力の吸収及び分散により、クリーニングブレードのエッジ部における過大応力及び熱の負荷を減少する「可変形性の負荷減少部」とも換言すべきものである。
支持板(20)には感光体(1)との摺接によっても振動しにくい適当な厚みを有する材料が使用される。材質としては鉄板やアルミ、ステンレスなどの金属又は金属合金が使用され、厚みは材質によって異なるが、約2〜5mm程度の肉厚のものが使用できる。なお、必要に応じて制振部材を支持体の側面に使用することができる。
本発明で使用するクリーニング用ブレードの材質には、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレインゴム、ブタジエンゴム等が挙げられ、これらの中でも、耐オゾン性に優れ、機械的耐久性が高く、硬度などの経時変化が少なく、クリーニング性に優れる等のいくつかの優れた特性を有するウレタンゴムが好適である。クリーニング部材として使用されるウレタンゴムの肉厚は、機械的耐久性、感光体に対する押圧強度、感光体にトナーが挟まれる面積(小さいほど好ましい)等によって決定される。
クリーニングブレードの製造工程は、例えば、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物を反応させてイソシアネートプレポリマー又はイソシアネート擬似プレポリマーを製造するプレポリマー製造工程、イソシアネートプレポリマー又は擬似プレポリマーと硬化剤成分とを混合して反応性組成物とする混合工程、反応性組成物を成形する成形工程を有する。成形工程は所定のクリーニングブレードの成形キャビティーを有する金型を使用し、該成形キャビティーに反応性組成物を注入して反応硬化させて所定形状のクリーニングブレードとする工程であってもよく、平板状や円筒状の金型を使用してシート状成形体とするシート成形工程及び該シート状成形体を所定形状のクリーニングブレードに裁断する裁断工程を含む工程であってもよい。
クリーニングブレード(21)はスプリングを使用して感光体にブレードエッジを押し当てるスプリング方式と、固定方式の2通りの方式があるが、固定方式の方が好ましい。
スプリング方式の場合は、ブレードエッジが摩耗しても感光体面に追随して当接圧はほぼ一定にすることができるが、ブレードが振動しやすいため、トナーのブレード下に対する潜り込み、やクリーニングブレードでのトナー阻止力に少し弱い傾向がある。一方、固定方式の場合、ブレードエッジが摩耗すると、当接圧が変わる可能性があるが、振動しにくいため、トナーの潜り込みに対する阻止効果には強い傾向があり、クリーニング性能の維持には有利である。固定方式の場合、取り付けユニットの強度が弱いと、性能が十分に発揮されないので、好ましくはブレード(21)も含めて感光体の回転に伴う摺擦に際して、微動し難いようにすることが望ましい。すなわち、クリーニングブレード(21)の取り付け部は十分な強度にしておく。トナーの阻止力が高いと、ブレードのみならず、感光体の摩耗も少なくなるため、耐久性的には固定式の方が有利である。
ここで、JIS−A硬度及び反発弾性率ともJIS K6301の加硫ゴム物理試験方法に基づき測定することができる。
クリーニングブレードの厚みは、像担持体表面の凹凸に対して柔軟に追従することができるよう、0.5〜3mm、好ましくは1mm〜2mmに設定され、ブレードの自由長は3〜20mm、好ましくは5mm〜15mmである。ここでいうブレードの自由長とは、支持板等により拘束されない部分の長さである。
10g/cm未満になると、感光体の平滑性や円真度や揺れ等特性が重要になり、ブレードエッジの感光体に対する密着性にムラが生じ、密着性が不十分な領域では帯状にクリーニング不良が起こる可能性が高くなる。
一方、荷重が高くなると前記した不具合が生じるが、60g/cmを超えると、感光体とクリーニングブレード間の摩擦抵抗が大きく関与するようになるため、例えば、ブレードエッジの捲れやブレード鳴き等が発生し、それに応じて感光層の摩耗が促進されるという不具合が生じる。従って、トナーのクリーニング性のみならず、感光体やクリーニングブレードの耐久性に対しても良好なバランスが維持できるような当接圧に設定することが必要である。
本発明に係るクリーニングブレード(21)は、TD方向の画像形成領域外の両端部域に溝部(24)を形成するものであり、ブレードに柔軟性をもたせ、クリーニングブレード(21)および感光体への機械的・熱的ストレスを緩和する技術である。
ブレード(21)のエッジ部(25)を感光体の移動方向(MD方向)とカウンター方向に当接させるクリーニング方式において、感光体と当接するエッジ部(25)よりも感光体の移動方向上流側に溝部(24)を設ける方が、本発明の効果をより一層高める。溝部(24)を感光体と当接するエッジ部(25)に設けた場合、感光体表面を傷つけてしまう事態を必然的に招き、感光体の耐久性向上を達成することが困難になる場合が考えられる。
ブレードに形成される溝部(24)の寸法は、特に制限されるものではなく目的に応じて適宜選択することができる。
クリーニングブレードのMD方向の自由長(ブレードの自由端から支持板(20)等により固定される箇所までの間の長さ)部分への溝部(24)の形成領域の長さは、ブレードの該自由長に対して1/10〜4/5であり、より好ましくは、1/5〜3/5である。溝部(24)が自由長の4/5未満、または1/10を超えて形成されると、感光体に対する安定した追従性および当接圧の確保が困難となる。
また、ブレードに設けられる溝部(24)は、ブレードのTD方向の両側端部の端面に対して平行でも、非平行でも構わない(ブレードのエッジラインに対して垂直なものであっても、垂直でないものであっても構わない)。感光体の回転方向に対して平行である0°の傾きを含めてブレード中央方向または端部方向に0°〜80°の角度、より好ましくは0°〜60°の角度で形成される。
溝の深さは、ブレードの自由長方向で同じ寸法であっても、底部へと狭くなるもの、広くなるもの、あるいは傾斜を有するものであっても良く、底部の深さは、ブレードの厚みに対して1/20〜4/5であり、より好ましくは、1/10〜1/2で形成される。1/20よりも小さいと、応力を緩和することができなくなり、ブレードエッジ部に傷を生じやすい。また、4/5を超えるとブレードの変形量が大きくなりトナーのすり抜け量が増大する。
溝の幅(溝の深さ方向に直角な幅)、すなわちブレード長手方向の溝部の開口部幅としては、感光体に接触する自由端側から支持板に固定された固定端側にわたって同一の幅であっても、徐々に狭くなっているものでも良い。自由端側の開口部幅としては0.01〜20mm、より好ましくは0.05〜15mmである。0.01mm未満では、溝部の形成自体が困難となり、20mmを超えるとブレードにかかる機械的負荷を低減させる効果が小さくなる。
また、以上の構成において、この実施の形態に係るクリーニング装置の場合には、次のようにして、部品コストの上昇、あるいは組み立てコストや加工コストの増加を招くことなく、クリーニング不良やクリーニングブレードの捲れ、あるいは像担持体の回転トルクの増大などを招くことを防止することが可能となっている。
同図において、感光体(1)には帯電装置(2)が対向配置される。
図5に示す画像形成装置における帯電装置(2)は、ローラ式の帯電装置を用いる接触帯電方式であるが、本発明では帯電装置(2)にはコロナ帯電装置、接触帯電装置、近接帯電装置(非接触帯電装置)などのいずれの帯電装置も用いることができる。しかし本発明においてはコロナ帯電装置に比べ、設置スペースが小さく、オゾンの生成が0.1〜0.3ppmと少なく、高圧電源をより小型にでき、省エネルギー、省資源、環境性に優れた接触帯電法、近接帯電法が好ましい。
接触帯電法は感光体に接触して帯電する方式である。一方、近接帯電法では帯電部材と感光体間を数十μm離して帯電する手段である。両者とも放電を伴う帯電方式であるため、オゾンの生成はあるが、前記したようにオゾン生成は極めて少なく、環境に配慮した帯電方式である。
接触帯電法は帯電部材のトナー汚染や、放電破壊に対する余裕度が、非接触帯電法に比べて少なくなるが、Gapが0μmであることによって、印加電圧を低めに設定できる。従って、オゾンやNOxなどのコロナ生成物の生成量が少なくなる。
近接帯電法の場合、感光体から帯電部材が離れているため、帯電部材によって生じていた摩耗が低減し、また、クリーニングブレードからのトナー抜けがある場合、帯電部材におけるトナー汚れが少なくなり、放電破壊に対する余裕度が高くなる。
非接触帯電部材では最表層面を105〜108(Ω・cm)に、接触帯電部材の場合は1012〜1014(Ω・cm)に設定される。これは帯電部材と感光体間に空隙があることによって、帯電開始電圧(Vth)が高い方にずれ、帯電性に違いが生じるためで、均一帯電を行なうためには帯電部材の体積抵抗は低くする必要がある。但し、あまり下げすぎると、放電破壊の要因になるため、105Ω・cm以上あることが望ましい。
一方、重合トナーを製造する手段として懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法、マイクロカプセル重合法、スプレードライ等がある。例えば、懸濁重合法の場合、バインダー樹脂に着色剤や帯電制御剤等の添加剤を均一化処理し、分散媒、分散剤を添加し重合して製造される。重合法は工程が簡素化されているため、粉砕法に比べ製造コストが安い。また、粒径が比較的良く揃っており、殆どがほぼ球形(平均円形度0.95〜0.995)であり、粒径もほぼ揃っている。
したがって、帯電を均一に揃えやすく、潜像にほぼ忠実に現像され、また転写効率が高くなるため、シャープ性、高解像度に優れた画像が再現可能である。使用されるトナーの平均粒径は4〜8μm程度である。しかしその反面、形状が球形又は球形に近い為、粉砕トナーに比べ、クリーニング性能が劣るという欠点がある。
このため、球形トナーを使用する場合にはクリーニング性が重要になってくる。
トナーとキャリアはトナー濃度で3〜8重量%になるように混合される。
トナー像を転写した後の感光体(1)は本発明のクリーニングブレード(21)を配設したクリーニング装置(7)により清掃され、除電装置により感光体の残留電荷が除電され複写プロセスは終了する。
クリーニングブラシはクリーニングブレード(21)の補助的役目を果たすもので、感光体(1)上にトナー量が多い場合に有効である。40枚程度以上のトナーの排出量が多い高速の画像形成装置には有効であり、また、クリーニング部が感光体の上部に配置された装置の場合に有効である。クリーニングブラシは通常ブラシが基体に密に植毛された部材が使用されるが、トナーやキャリアが繊維の間に詰まって目詰まりを起こし、クリーニング性能や、感光体を傷つけたり、摩耗を促進させたりする可能性を有する。したがって、ブラシはローラ全面に亘って密にするのではなく、感光体の長手方向に繊維(カットパイルブラシ)の列を形成し、繊維の列間は2〜5(mm)程度開ける様にするのが望ましく、前記する不具合は改善される。ブラシの感光体(1)への食い込み量は0.5〜1.5mm程度に設定するのが好適である。
クリーニングブラシに使用されるブラシの材質には、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、カーボン繊維等があり、繊維メーカーはユニチカ、東レ、カネボウ、クラレ、三菱レーヨンなどがある。たとえば、ループ状のクリーニングブラシを使用する場合、ブラシに使用される繊維の繊維径は10〜20(デニール=D:デニールD=糸の重さ(g)×9000÷糸の長さ(m))、密度は24〜48フィラメント/450ループ、ループの長さ(繊維長さ)は2〜5mmである。
図6に示す4連タンデムの画像形成装置は、フルカラーの原稿をG(グリーン)、R(レッド)、B(ブルー)に相当する光に色分解し、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色の現像剤で感光体に形成された静電潜像を現像し、中間転写ベルトに4色のトナーを重ね転写した後、被転写体(コピー用紙)に一括転写して熱定着し、ハードコピーとする。複写スピードは従来のフルカラー画像形成装置の4倍である。
フルカラーの画像形成装置では色の再現性が特に重要である。したがって、感光層の摩耗や、混色により色の再現性が低下するようなことが無いようにトナーのクリーニング性の低下や、クリーニングブレードによる摩耗促進、スクラッチ発生は起こりにくくする必要がある。したがって、クリーニングブレード(21)と感光体間の摩擦抵抗の増大に伴うブレードの振動、ブレードエッジの歪み、クリーニングブレード下へのトナーやキャリアの潜り込みは十分に阻止する必要がある。すなわちクリーニングブレード(21)が感光体(1)とスムーズに摺擦することが必要になる。
また、感光体表面に潤滑剤を塗布する工程を設けることも有効である。感光体への潤滑剤を供給する方法としては、固形潤滑剤を直接またはブラシ等の部材を介して潤滑剤皮膜を形成する方法やトナーの外添剤として潤滑剤を用いることにより感光体表面上に供給する方法がある。
クリーニングブレードの機能は図5に記載の画像形成装置に搭載したときと全く同じである。
プロセスカートリッジに本発明のクリーニングブレードを搭載することは極めて有効である。トナークリーニング性が高くなることによって、感光体や帯電部材の耐久性が高くなり、画像品質も維持されるため、プロセスカートリッジの信頼性が高まり、交換頻度が少なくなり、コスト低減につながる。図7は感光体(1)を中心に、帯電部材(帯電ローラ)(2)、現像装置(4)、クリーニングブレード(21)を配設したクリーニング装置(7)からなるプロセスカートリッジである。また、図7では、クリーニング装置(7)はクリーニングブレード(21)のみを配設した形式であるが、クリーニングブラシを併設したクリーニング装置も使用可能である。
これらの部材を一体構成とし、画像形成装置に着雑可能なプロセスカートリッジとすることにより、これらの部材に関連した異常が生じた場合に、プロセスカートリッジを交換することにより、直ちに故障を回復させることができる。またメンテナンスを行なう場合には、時間の節約ができ、コスト的に有利となる。
本発明の画像形成装置に用いられる感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層が順次形成された積層型感光体であり、感光体の耐久性、画像品質の維持性能を向上させるために、クリーニングブレード、現像剤が直接触れる感光層表面にフィラーを分散させた、フィラー分散電荷輸送層を表面層として形成する。
また、電荷輸送層上にフィラーを分散した電荷輸送層を形成した積層型の電荷輸送層の構成も好ましく用いられる。このとき、フィラー分散電荷輸送層は全電荷輸送層の5.0〜80%の膜厚を占めるように構成する。また、このような2層からなる電荷輸送層の両層間には明確な界面が存在しないように構成されることも可能である。これらの電荷輸送層、すなわちフィラー分散電荷輸送層、フィラー非分散電荷輸送層ともに、低分子電荷輸送物質に結着樹脂、必要に応じて高分子電荷輸送物質、酸化防止剤、分散剤等を適当量分散した層、若しくは高分子電荷輸送物質から構成され、感光体の要求される品質に応じて、膜厚や層構成を設定することができる。
このような樹脂粉体または微粒子を含有させる方法に対して、例えば表面層にシリコーンオイル等を含有させようとした場合、表面層形成過程で表面近傍に移行するため、感光体の未使用時には表面改質がなされるが、繰り返し使用による表面層の摩耗によって早期にその効果が失われてしまう不具合が生じる。一方、感光体表面層に樹脂粉体または微粒子を分散させて感光体表面の摩擦係数低減を図った場合、上記シリコーンオイル添加の場合に比べると、表面層の摩耗により徐々に感光体表面に表出させることができるために効果の持続性が向上する。
したがって、樹脂粉体或いは微粒子を分散させる方法は耐摩耗性を維持する効果においてを極めて有効である。
これらのフィラーは分散性および凝集性に問題があるが、少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることにより残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥等の発生を引き起こすことなく耐摩耗性が向上する。
以上のように本発明の画像形成装置に用いられる感光体の表面層は、球形度の高いトナーのクリーニング性を向上させるのみならず、感光体とクリーニング機構の設計自由度を大きくすることができる。
一旦形成されたフィルミング層は、除去されない状態で画像形成プロセスが繰り返されるうちに次第に成長し、ブレードで容易に掻き落せなくなる。次いでこの生成したフィルミング層が感光体とブレードとの間の摩擦係数を増大させ、ブレードの巻き込みやめくれが発生して、最悪の場合はブレードのエッジの損傷や感光体表面の損傷を引き起こすという悪循環を繰り返す。
この傾向は、特に表面層の改良により耐久寿命が長期化された感光体の場合に顕著に現われ、感光体が削れ難くなったことがフィルミング層の除去をより困難にしている。
また、近年の複写機の高速化による感光体の周速上昇で摩擦が増大することは免れず、ブレード自身の温度上昇をも引き起こし、本来ブレード自身が有するクリーニング特性を損なう可能性も考えられる。
その他、クリーニングブレードと感光体との間の摩擦抵抗が軽減し、クリーニングブレードが感光体の移動方向に引っ張られる力が減少するために、クリーニング時のブレードの巻き込み現象やスティックスリップ現象と呼ばれるクリーニングブレードの往復運動が低減されることとなる。
仮に摩擦熱で極部的にブレードの温度が上がった場合でも、フィラーにより摩擦熱が分散されるのでブレードTD方向におけるブレードエッジ部の局部的な歪みによる変形が抑制され、クリーニングブレードのめくれやエッジ部の損傷、鳴き、クリーニング不良を防止した安定したクリーニング性能を長期にわたって維持することができる。
このことは、転写されずに感光体表面に残留した、例えばトナー外添剤等が感光体とブレードとの間に挟まった場合に、感光体の特定の箇所が深く傷つけられる事態を回避する。つまり、感光体の表面への極端な凸凹の形成および拡大を抑制し、これによりクリーニングブレードを傷から保護できるので、長期にわたるクリーニング性能の確保が可能となる。
フィラー含有層表面が適宜限削り取られることにより、脱離したフィラーは感光体とブレード当接部に介在し、研磨することにより繰り返し使用により劣化した感光体表面表層を更新していくと同時に、当接部において残留トナーを塞き止める機能を担うためにトナーを滑らせて良好なクリーニングを維持する。
帯電に起因する静電的付着力と、ファンデルワールス力、液架橋力、分子間力等に起因した非静電的付着力によって付着しているトナーを感光体表面から除去するためには、ポリウレタン等の弾性ブレードを感光体に圧接させてトナーを感光体表面に沿って滑らせ、掻き取ることが重要である。
クリーニングブレードのエッジと感光体との間の機械的な圧力バランスが崩れて、クリーニングブレードが感光体に均等に当接されなくなり、感光体との間に隙間が形成されてトナーのすり抜けが起こるが、感光体とブレードとの当接部に介在するフィラーが隙間を埋めることによって、未転写残留トナーを塞き止め、帯電部材側へのトナー抜けを防止する。
つまり、感光体表面に表出したフィラーもしくは脱離したフィラーが、トナーの粉体流動性を低下させ、感光体表面とブレードとの当接部においてトナーのすり抜け阻止領域を形成する。同時に、弾性を有するクリーニングブレードが感光体表面のフィラーと接触することによってクリーニングブレードからの自発的な力が働くようになり、結果として、より効果的にトナーを弾き飛ばし、除去することが可能となる。
上記フィラーは過剰な凝集をせず、適度な流動性や潤滑性を有していることが好ましく、これにより、ブレードのエッジ部が感光体に引きずられて歪を生じることなく、感光体に対して均一な線接触が維持されるので、当接部への過剰なトナー侵入を防止することができる。
したがって、本発明のクリーニングブレードを用いることによって、ブレードエッジが安定的に当接され、更に感光体表面に含有されるフィラーがシールド(遮蔽)の機能を担うことによって、良好なクリーニングが行なわれる。
<導電性支持体>
導電性支持体(11)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などの表面処理した管などを使用することができる。アルミ素管についてはJIS3003系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金を、EI法、ED法、DI法、II法など一般的な方法により管状に成形を行なったもの、さらにはダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等を行なったものを用いることができる。
また、フレキシブルにレイアウトできることから装置の小型化が図れるエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等を導電性支持体(11)として有効に用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉などが挙げられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、2−ブタノン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(11)として良好に用いることができる。
次に、感光層について説明する。
本発明における感光層は、電荷発生物質を含んだ電荷発生層上に、フィラーを分散させた電荷輸送層とから構成される。また、電荷発生層上に電荷輸送層およびフィラーを分散した電荷輸送層を順次形成した積層型の電荷輸送層の構成も好ましく用いられる。
はじめに電荷発生層(12)について説明する。
電荷発生層(12)は、画像露光により潜像電荷を発生分離させることを目的とし、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファスセレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコン等が挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系染料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いてもよい。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
高分子電荷輸送物質として、以下のような公知の材料が使用できる。
たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開平8−269183号公報、特開平9−151248号公報、特開平9−71642号公報、特開平9−104746号、特開平9−328539号公報、特開平9−272735号公報、特開平9−241369号公報、特開平11−29634号公報、特開平11−5836号公報、特開平11−71453号公報、特開平9−221544号公報、特開平9−227669号公報、特開平9−157378号公報、特開平9−302084号公報、特開平9−302085号公報、特開平9−268226号公報、特開平9−235367号公報、特開平9−87376号公報、特開平9−110976号公報、特開2000−38442号公報に例示される芳香族ポリカーボネートが挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(12)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤や増感剤、分散剤等の各種添加剤を添加することができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂とともに、例えばテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶剤を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層(12)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層(13)は、帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層(12)で発生した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的と達成するためには、誘電率が小さくかつ電荷移動性が良いことが要求される。これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(12)上に塗布、乾燥することにより形成できる。
また、電荷輸送層(13)の表面部分にフィラーを含有する構成、詳しくはフィラー非分散電荷輸送層の上に適当量のフィラーを添加したフィラー分散電荷輸送層を形成した構成も良好に使用される。このようにフィラー非分散電荷輸送層およびフィラー分散電荷輸送層から構成される場合、両電荷輸送層間に明確な界面が形成されないように構成されることが好ましい。明確な界面を形成しないようにすることによって、画像露光により発生した電荷が界面近傍で捕獲されずに、表層に移動し帯電で付与された電荷をロスなく、打ち消すことが可能になる。すなわち、光減衰特性の劣化や残留電位の上昇を招くことなく、高精細な画像品質の再現が可能となる。
感光体表面の摩耗や傷などの機械的負荷に対する耐久性と繰り返し使用による残留電位の蓄積や帯電性低下などの静電特性上の耐久性に大別され、機械的耐久性に劣ることが感光体の寿命を決定する要因となっていた。更に、近年ではこれらの耐久性以外に、感光体表層は、接触若しくは近接配置された帯電装置によって行なわれる帯電時に生ずるオゾンや窒素酸化物によって生成する低抵抗物質の付着、あるいは小粒径の球形トナーのクリーニング不良によるフィルミングといった画像劣化により感光体の寿命が短くなる傾向にあり、感光体を交換するためのメンテナンス回数が増大によるランニングコストアップを引き起こす。そのため、機械的耐久性とともに感光体寿命を左右する感光体表面への各種付着物に対する離型性も求められる。
これらの要求を満たすために、感光体の最表層には1012〜1014(Ω・cm)程度の固有抵抗および撥水性を有し、その機能が持続されるフィラーを分散する方法は極めて有効である。
また、これらの材料の他に、公知の材料の使用も可能であり、上記フィラーを単独もしくは2種類以上を混合して用いることも可能である。更にこれらの粒子は、分散性向上、表面性改質等の理由から少なくとも1種の無機物、有機物で表面処理させることが好ましい。
含有量が0.1重量%未満であると、耐摩耗性、耐フィルミング性の点で好ましくない。また、50重量%を超えると膜の不透明化による解像度の低下、感度低下による画像濃度低下など画像劣化が発生する。また、粒子の体積平均粒径は0.03〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.8μmが好ましい。粒径が0.03μmより小さいと分散が困難となり、粒径が1.0μmより大きいと粒子が感光体表面に頭出し、クリーニングブレードの損傷によりクリーニング不良が発生する場合がある。
本発明におけるフィラーの平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径を示す。ガラスポットにフィラー、分散剤、溶媒を添加後、適当な分散処理を行なった後、得られたフィラー分散液を溶媒で希釈後、超音波分散を行ない、粒度分布測定用の測定液を調整した。測定は、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)を用いて、光透過型沈降粒度分布測定法により測定、粒度分布を得るとともに、装置保有の解析モードにより平均粒径値を得た。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。
フィラーを含有する表面部分は、例えばフィラーを有機溶剤と合わせた後、上記従来方法を用いて分散した後、バインダー樹脂、電荷輸送材料を加え塗工することにより設けられる。電荷輸送層(13)全層にフィラーを含有する場合は、電荷発生層(12)上に直接塗工し、また電荷輸送層(13)の表面部分の場合は、フィラー非分散電荷輸送層の上にフィラー分散電荷輸送層が塗工される。
感光層の膜厚を薄くすれば、電荷移動の歪みが小さくなるため、高品位画像の再現が可能となる。一方、厚くするほど、静電容量が小さくなるため、高い帯電々位は確保できるが、電荷が移動する際、光の入力の際に歪められて、解像度が低下する傾向が認められる。
感光層の膜厚を10μm程度にすると、帯電電位はおよそ−450V前後しか帯電しない。しかし、残留電位を−50V〜−100V程度に押さえ、現像バイアス電位を−350Vに設定すれば、コントラスト電位は250V〜300V程度確保できるため、実用的には問題のない画像形成が可能である。
また、スプレー塗工においては、塗工液を供給するポンプの送液が一定であることが重要となる。すなわち、液の供給が一定でなく脈動を持っていたりすると、それがダイレクトに液の吐出量に影響を与えるため、付着量にムラが生じることになる。そのため、スプレーに液を供給するポンプとしては、脈動を抑えた多連式プランジャーポンプや、シリンジ型の超精密吐出装置などを用いることが好ましい。
電荷輸送層(13)に必要に応じて添加されるレベリング剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
また、必要に応じて、例えばハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等やポリエステル等の重合体および共重合体等を可塑剤として添加することも可能であり、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
これらの添加剤はフィラー分散処理前、途中及び分散後に添加しても良い。
本発明の感光体においては、導電性支持体(11)と感光層との間に下引き層(14)を設けることができる。
次に、下引き層(14)について説明する。
導電性支持体(11)と感光層との間には、必要に応じて、下引き層(14)が設けられる。下引き層の形態は、光源に使用される波長域によって変わることがある。例えば、650〜780nmの長波長領域に発振波長を有するLD素子やLEDアレイ等の光源に用いた場合は、アルミニウムからの光の反射に起因したモアレが発生するため、下引き層若しくはそれに類似の反射防止薄膜の形成は必要不可欠であるが、発振波長が400〜420nm程度のLD素子を使用した場合には、表層近傍での吸収が多くなるため、本発明の具体例に記載するような下引き層は必ずしも必要でなく、アルミナのような1μm以下の薄膜や、ホールの注入を阻止するような半導体膜であっても良い。以下は長波長領域(赤外領域)に発振波長を有する光源を使用した場合の説明である。
一般に下引き層には樹脂を主成分とし、単位時間内に電位減衰を起こしにくい程度に高抵抗化した薄膜が形成される。下引き層(14)は、その上に溶剤を用いて感光層を塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
乾燥温度は、10℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃の範囲で5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間の送風乾燥または静止乾燥により行なうことができる。
更に下引き層(14)として、シランカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属化合物も有用である。
この他に、本発明の下引き層(14)としてはAl2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン=ユニオンカーバイト社の商品名)等の有機物や、SnO2,TiO2,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けた1010〜1013(Ω・cm)オーダーの電気抵抗を持つ薄膜が良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜40μmが適当であり、好ましくは1〜20μm、更に好ましくは、3〜10μmが適当である。
本発明の感光体においては、導電性支持体(11)と下引き層(14)、または下引き層(14)と電荷発生層(12)との間に中間層を設けることも可能である。
一般的に、低分子電荷輸送物質と不活性高分子から構成される電荷輸送層は、電子写真プロセスにおける繰返し使用により、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な感光体表面への負荷による摩耗のために、膜厚減少を引き起こす。また、帯電部材を感光体に接触させて感光体表面を帯電させる接触帯電装置は、電源の低圧化が図れ、オゾン発生量が少ない等の長所を有する反面、従来用いられてきたコロナチャージャーよりも、摩耗を促進させる。この膜厚減少は、電界強度の上昇を招き、下引き層が導電性支持体からの電荷注入を十分にブロックすることができないために、本来、画像を印字しない白地領域に無数の黒点が発生する現象、すなわち地汚れの発生を誘発させ、画像品質は著しくする。
中間層には、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物の他に、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子等を含有する有機金属化合物等を用いて形成される。これらの化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物或いは重縮合物として用いることができる。なかでも、有機金属化合物を含むものは、残留電位が低くなり環境による電位変化が少なく、また、繰り返し使用による電位の変化が少ないこと等の性能上において優れている。
中間層の形成には、上記金属有機化合物の外にも、シランカップリング剤を混合して用いてもよい。
中間層を形成する塗工法としては、浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工等が挙げられ、乾燥温度は10℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃の範囲で5分〜6時間、好ましくは10分〜2時間の送風乾燥または静止乾燥により行なうことができる。なお、中間層の塗膜の熱硬化は、中間層塗布後直ちに行なってもよいが、下引き層(14)または電荷発生層(12)を形成する際の加熱によって行なってもよい。
中間層の膜厚は、残留電位の上昇や感度低下を引き起こすことなく、電気的なブロッッキング機能を有する3μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.05〜2μm程度が適当である。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0〜10重量%である。
まず、本発明のクリーニングブレードの作製例について説明する。
クリーニングブレードに下記溝部を形成できる金型を用い、この金型内にブレード成形材料を注入し、硬化成形して、長さ、幅、厚みがそれぞれ、325×12×2(mm)、JIS−A硬度78度のポリウレタンゴム製[クリーニングブレード1]を作製した。JIS−A硬度の測定はJIS K 6301に準じて作製されたテクロック社製GS−701Nを使用した。測定条件は、25℃、50%RHである。
上記金型は、溝部がブレードのTD方向両端域の2箇所に形成され、それぞれの開口部中央が端部から10mmの位置になるように作製されたものである。
ブレードに形成された溝部の形状は下記の通りである。
断面形状:V字型
長さ(ブレード自由長方向):3mm
開口幅(ブレードTD方向):5mm
深さ:0.5mm
溝部形状を下記のものに変更した以外は、クリーニングブレード作製例1と同様に[クリーニングブレード2]を作製した。
断面形状:V字型
長さ(ブレード自由長方向):6mm
開口幅(ブレードTD方向):5mm
深さ:0.2mm
JIS−A硬度85度のポリウレタンゴム製クリーニングブレードに変更し、溝部寸法を下記のように変更した以外は、クリーニングブレード作製例1と同様に[クリーニングブレード3]を作製した。
断面形状:V字型
長さ(ブレード自由長方向):3mm
開口幅(ブレードTD方向):5mm
深さ:1.0mm
ブレードの厚みを3.5mmに変更し、溝部寸法を下記のように変更した以外は、クリーニングブレード作製例1と同様に[クリーニングブレード4]を作製した。
断面形状:U字型
長さ(ブレード自由長方向):3mm
開口幅(ブレードTD方向):10mm
深さ:0.5mm
溝部をブレード端部域1箇所のみに形成した以外は、クリーニングブレード作製例1と同様に[クリーニングブレード5]を作製した。
金型として、溝部がブレードTD方向両端域の2箇所に形成され、それぞれの開口部中央が端部から10mmの位置になるように作製されたものに変更した以外は、クリーニングブレード作製例1と同様に[クリーニングブレード6]を作製した。
ブレードに形成された溝部の形状は下記の通りである。
断面形状:U字型
長さ(ブレード自由長方向):4mm
開口幅(ブレードTD方向):1mm
深さ:0.2mm
JIS−A硬度65度のポリウレタンゴム製クリーニングブレードに変更し、溝部形状を下記のように変更した以外は、クリーニングブレード作製例1と同様に[クリーニングブレード7]を作製した。
断面形状:矩形
長さ(ブレード自由長方向):4mm
開口幅(ブレードTD方向):1mm
深さ:0.5mm
ブレードの厚みを1.5mmに変更し、溝部寸法を下記のように変更した以外は、クリーニングブレード作製例7と同様に[クリーニングブレード8]を作製した。
断面形状:矩形
長さ(ブレード自由長方向):4mm
開口幅(ブレードTD方向):1mm
深さ:0.1mm
金型として、溝部がブレードのTD方向両端域および中央の3箇所に形成され、それぞれの開口部中央が端部から10mmおよびブレードTD方向に対して中央の位置になるように作製されたものに変更した以外は、クリーニングブレード作製例6と同様に[クリーニングブレード9]を作製した。
ブレードに溝部を設けない以外は、クリーニングブレード作製例1と同様に[クリーニングブレード10]を作製した。
得られたクリーニングブレードを表1に示す。
上記製造方法によれば、加工時間が成形時間だけであるので複雑な工程を必要とせず、短時間でクリーニングブレードを作製できる。また、上記の方法では、ブレード部材と支持部材とを接着させてクリーニング部材を作製したが、例えば、クリーニングブレード用金型内に支持部材を配置した後、金型内にブレード成形材料を注入し硬化させることにより、ブレードと支持部材が一体化したクリーニングブレードを作製することもできる。
なお、ここでは自由長の一例として、7.5mmの例を挙げたが、固定式のクリーニングブレードの場合、感光体に対する当接圧は自由長を変えることで変更することが可能であり、ブレードの接着位置を変えればよい。
(感光体作製例1)
導電性円筒状支持体として、直径30mm、長さ340mm(肉厚:0.75mm)に加工されたJIS3003系アルミニウム合金ドラムを用意した。
この上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、感光体1を得た。
下記組成からなる混合物をボールミルで72時間分散し、下引き層用塗工液を作成した。この下引き層用塗工液を、上記アルミニウム合金ドラム上に浸漬塗布した後、120℃で25分間乾燥し、3.5μmの下引き層を形成した。
アルキッド樹脂 6重量部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業(株)製)
メラミン樹脂 4重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業(株)製)
酸化チタン(CR−EL、石原産業(株)製) 40重量部
メチルエチルケトン 200重量部
下記組成の電荷発生層用塗工液を前記下引き層上に浸漬塗布した後、130℃で20分間加熱乾燥して、0.2μmの電荷発生層を形成した。
下記構造式で表されるビスアゾ顔料 2.5部
下記組成の電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗布した後、135℃で20分間加熱乾燥して、30μmの電荷輸送層を形成した。
下記構造式で表わされる低分子電荷輸送物質(D−1) 70部
(パンライトTS−2050:帝人化成(株)製)
ポリテトラフルオロエチレン 10部
(ルブロンL−2:ダイキン工業(株)製)
クシ型フッ素系グラフトポリマー 1部
(GF300:東亜合成(株)製)
シリコーンオイル 0.002部
(KF−50、信越化学工業(株)製)
テトラヒドロフラン 100部
感光体作製例1における電荷発生層上に、下記組成の電荷輸送層およびフィラー分散電荷輸送層を順次形成した以外は、感光体作製例1と同様に感光体2を作製した。
下記組成の電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗布した後、135℃で20分間加熱乾燥して、20μmの電荷輸送層を形成した。
低分子電荷輸送物質 70部
(感光体作製例1記載の低分子電荷輸送物質:D−1)
ビスフェノールZポリカーボネート 100部
(パンライトTS−2050:帝人化成(株)製)
1%シリコーンオイル 1部
(KF50−100CS:信越化学工業(株)製)テトラヒドロフラン溶液
テトラヒドロフラン 100部
φ2mmジルコニアボールを用いて2時間の振動ミル分散を施し、下記組成のフィラー分散電荷輸送層用塗工液を調製した。こうして得られたフィラー分散電荷輸送層用塗工液を電荷輸送層上にスプレー塗工法によって塗工し、その後150℃で20分間乾燥して5μmのフィラー分散電荷輸送層を形成し、感光体2を作製した。
α−アルミナ粒子(平均一次粒径:0.3μm) 2部
(スミコランダムAA−03:住友化学(株)製)
ポリカルボン酸化合物 0.02部
(BYK−P104:ビックケミー・ジャパン(株)製)
ビスフェノールZポリカーボネート 4部
(パンライトTS−2050:帝人化成(株)製)
低分子電荷輸送物質 3部
(電荷輸送層記載の低分子電荷輸送物質D−1)
シクロヘキサノン 60部
テトラヒドロフラン 200部
スプレーガン:明治機械性A100−P08(MTSD)
塗出量:14ml/min
塗出圧:1.5kgf/cm2
感光体回転速度:360rpm
塗工速度:24mm/sec
スプレーヘッドと感光体との距離:8cm
塗工回数:4回
感光体作製例2におけるフィラー分散電荷輸送層用を設けずに、電荷輸送層の膜厚を30μmに変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体3を作製した。
本実施例および比較例における画像品質は二成分現像剤とし、本発明のクリーニング性能を評価した。
二成分現像剤に用いられるキャリアとしては、シリコーン樹脂により平均膜厚0.5μmのコーティングを施した平均粒径35μmのフェライトキャリアを用いた。
芯材として、Mnフェライト粒子(重量平均粒径:35μm)5000部、被覆材としてトルエン450部、シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、不揮発分50%)450部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)10部、及びカーボンブラック10部をスターラーで10分間攪拌して調製されたコート液を用いて、流動床内において回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行なうコーティング装置に、上記の芯材とコート液とを投入し、当該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間の条件下で焼成し、上記キャリアを得た。
<トナー作製例>
(添加用ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸230部を常圧下、210℃で10時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていないポリエステル(a)(重量平均分子量Mw:85000)を得た。
(プレポリマーの製造例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物800部、イソフタル酸160部、テレフタル酸60部、およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧において230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行ないイソシアネート基含有プレポリマー(Mw:35000)を得た。
(ケチミン化合物の製造例)
攪拌棒および温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応し、ケチミン化合物を得た。
ビーカー内に上記のプレポリマー14.3部、ポリエステル(a)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、離型剤であるライスWAX(融点83℃)10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、40℃にてTK式ホモミキサーを用いて12000rpmで20分攪拌した後、ビーズミルで40分間20℃において粉砕処理した。これをトナー材料油性分散液とする。
ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記トナー材料油性分散液及びケチミン化合物2.7部を加え、攪拌を続けながらウレアー反応させた。
反応後の分散液(粘度:3500mP・s)を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体粒子(1)を得た。
次に、得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行ない、合計の処理時間を10分間とした。
更に、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.7部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行なった。
以上のようにして、シアントナーを得た。この顔料系着色材平均分散粒径は5μm、トナーの円形度は0.960であった。
上記のキャリアおよびトナーを用いて、トナー濃度7wt%の状態に調整した現像剤を作製した。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「コールターカウンターTAII」;ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定した。これらの結果から(重量平均粒径(D4)/個数平均粒径(Dn))を算出した。
トナー製造例で得られたトナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度を評価した。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000により平均円形度として計測することができ、具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加え、試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
初期及び3万の画像出力後での膜厚差より摩耗量の評価を行なった。摩耗量は渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)における膜厚差により測定した。
ブレードめくれ、異音の発生について、以下の基準で評価した。
◎・・・良好
○・・・ごく稀に発生するが、実用上問題ないレベル
×・・・連続的に発生し、実用上問題となる
以下にクリーニング性の評価方法を説明する。
クリーニング性は、上記画像形成装置を用いて3万枚の試験終了後に、感光体を取り出して、感光体表面上の転写工程後のトナー(転写残留トナー)をスコッチテープ(住友3M(株)製)で白い紙に転写させて、マクベス反射濃度計RD514型を用いて、ブランク(白い紙にスコッチテープだけを貼ったもの)との差を算出した。
ΔID=ID(3万枚通紙試験後)−ID(初期)
ΔIDが0.01以下のものを良好とし、ΔIDの許容範囲は0.05以下である。
フィルミングの評価は、3万枚の画像出力をした後に感光体を取り出して、感光体上のフィルミングの程度を目視にて評価基準と照らし合わせ、目視にて程度を5段階にランク分けし、程度の良い方をランク5、悪い方をランク1とした。結果を表1に示す。
3万枚の試験終了後に、感光体と取り出して、クリーニングブレードの通過部分の感光体表面を顕微鏡で観察した。
3万枚の試験終了後に、感光体と取り出して、クリーニングブレードの通過部分の感光体表面を顕微鏡で観察した。
画像解像度は、画像評価用標準S−3テストチャートの細線の分解能を拡大鏡にて観察し、1〜5のランク評価を行なった。数値が大きいほど細線の分解能が高く高解像度となる。
クリーニングブレード作製例1,3,6,7,10、感光体作製例1〜3、および上記現像剤を反転現像方式のIPSiO Color8000(リコー製 フルカラーレーザープリンター)の改造機に搭載し、常温常湿(23℃、55%RH)の環境下で、A4版、画素密度が600dpi×600dpiで画像面積率が6%となる原稿を用いて、連続5枚ずつ印刷する条件で、リコー社製TYPE6000に複写印刷する通算3万枚の耐久性試験を行なった。
帯電手段は感光体に近接配置された帯電ローラを用いた。
帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.5kV、周波数0.9kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が−700Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行なった。また、現像バイアスは−500Vとした。なお、この装置において、除電手段は設けていない。また、クリーニング手段は実施例および比較例に記載のブレードを用いた。線速条件は125mm/sec、試験環境は、24℃/54%RHであった。
なお、本実施例および比較例では4色の現像部に同一の現像剤を入れ、単色モードで評価を行なった。
評価の手順としては、評価の手順としては、3万枚の耐久性試験後に、再度、画像を出力して解像度を評価し、次いで、クリーニングブレードと感光体を取り出して摩耗量、クリーニング性、感光体の表面観察を行なった。
評価結果を表2に示す。
評価の手順としては、初期および3万枚の耐久性試験後について、ブレードめくれ、異音の発生の有無を評価し、3万枚の通紙試験後に、再度、画像を出力して解像度を評価し、次いで、感光体を取り出し、クリーニング性、フィルミングの評価を行なった。
結果を表3、表4に示す。
2 帯電手段
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 分離手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 給紙トレイ
11 導電性支持体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 下引き層
20 支持板
21 クリーニングブレード
22 補強部材
23 取付部材
24 溝部
25 エッジ部
Claims (11)
- 潜像担持体表面に弾性部材を当接させて、該潜像担持体表面の付着物を除去するクリーニングブレードにおいて、少なくとも該クリーニングブレードの両端域に溝部を設けたことを特徴とするクリーニングブレード。
- 前記クリーニングブレードの両端域の溝部が、前記潜像担持体表面の画像形成領域以外の領域に対応する部分に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のクリーニングブレード。
- 前記クリーニングブレードが潜像担持体の移動方向に対してカウンター方式に当接、配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニングブレード。
- 前記溝部が、潜像担持体の移動方向上流側に設けられたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のクリーニングブレード。
- 潜像担持体と、該潜像担持体表面を一様に帯電する帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、クリーニング手段を備えた画像形成装置において、該クリーニング手段が請求項1乃至4の何れかに記載のクリーニングブレードを備えたものであることを特徴とする画像形成装置。
- 前記潜像担持体が、導電性支持体上に直接または下引き層を介して、電荷発生層、フィラーを含有する電荷輸送層を順次積層した感光層を形成したものであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体が、導電性支持体上に直接または下引き層を介して、電荷発生層、電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層を順次積層した感光層を形成したものであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体に含有されるフィラーの平均粒径が30nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段は、前記潜像担持体に接触配置されるものであることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段は、前記潜像担持体に近接配置されるものであることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の画像形成装置。
- 少なくとも請求項5乃至10の何れかに記載の画像形成装置本体に対して着脱自在に装着し得るプロセスカートリッジであって、少なくとも潜像担持体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段をカートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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