JP2004279518A - 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体1の表面粗さ、その摩擦抵抗、クリーニングブレード10のエッジ10aの表面粗さに関して、感光体1の表面の10点平均粗さRzJISを0.1μm≦RzJIS≦1.0μmとし、かつ、所定の条件で測定された感光体1のポリウレタンゴムベルトとの摩擦抵抗Rfを45gf<Rf<200gfとし、かつ、感光体1にカウンター当接するクリーニングブレード10のエッジ10aの表面粗さを70μm以下として、各々最適値に規定することにより、平均円形度が大きな球形トナーの場合であっても、良好なるクリーニング性を維持することができ、高品位画像を長期に亘って提供できるようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを利用した複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置、画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジ、及び、画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成を行うための装置として近年広く普及しているファクシミリ、プリンタ、複写機などといった、電子写真プロセスを用いたデジタル方式の画像形成装置は、一般に、感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、分離装置、クリーニング装置、除電装置及び定着装置等を含んで構成される。
【0003】
これらの画像形成装置に使用される感光体には、従来、酸化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、a−Se、a−As2Se3などのアモルファスセレン類、a−Si:H、a−Si:Ge:Hなどのアモルファスシリコン類、ポリビニルカルバゾール等の感光材料が使用されてきた。しかし、公害問題や、製造コストが高いなど現代にはマッチしない不具合が生じたため、省エネルギー、省資源、製造容易性、高感度設計が可能、低コスト、無公害等の多くのメリットを有する有機感光体(OPC)への転換が図られている。
【0004】
有機感光体の感光層構成には、電荷輸送層と電荷発生層との2層から構成される機能分離型感光体と、電荷発生材料と電荷輸送材料とが混合された感光層構成の感光体とがあるが、市場に流通している感光体の層構成は一部を除いて殆どが前者の機能分離型の感光体である。
【0005】
また、現在、画像形成装置はアナログ方式からデジタル方式への転換が図られ、それに見合った感光体の開発も行われている。
【0006】
デジタル方式用の感光体の基本的な層構成は、アルミニウム等の導電性支持体上に1μm〜20μmの下引き層、0.1μm〜5μmの電荷発生層、10μ〜50μmの電荷輸送層を順に積層することにより構成される。
【0007】
電荷輸送層を感光体の最上層に構成することにより、機械的耐久性に対する設計の自由度が広がるというメリットがある。電荷輸送層のバインダー樹脂にはポリカーボネート樹脂(A型、C型、Z型など)が一般的に使用され、感光体としたときの耐久枚数はA4サイズ用紙換算で5万枚〜8万枚程度である。
【0008】
また、感光体に、より一層の高耐久性が必要な場合には、電荷輸送層に高分子材料を使用する方法、電荷輸送層の上にプラズマCVD法や真空蒸着法などを用いてアモルファスカーボン膜、アモルファスシリコン膜などの耐摩耗性の保護層を0.5μm〜5μm程度形成する方法、浸漬塗工法やスプレー塗工法などを用いて、αアルミナ、酸化チタン、酸化スズなどの高硬度微粒子(フィラー)を1重量%〜60重量%添加した樹脂層、又は感光層を電荷輸送層上に1μm〜10μm程度形成する方法等が知られている。
【0009】
前述したような有機感光体を使用して画像形成を行うために使用される帯電方法には、感光体から電極を5mm〜10mm程度離して帯電を行うコロナ放電方法、感光体に帯電部材を接触させて帯電する接触帯電方法、感光体から帯電部材を30μm〜100μm程度離して帯電を行う非接触帯電方法(又は、近接帯電方法)がある。コロナ帯電装置、接触帯電装置では、通常、直流電圧が印加されるが、非接触帯電装置や特に帯電安定性が求められる帯電の場合には、電圧が800V〜2000V程度、周波数が600Hz〜2500Hzとする交流電圧を直流電圧(450V〜850V)に重畳した電圧が帯電部材に印加される。機能分離型の感光体の場合、通常マイナス帯電で、表面電圧は−400V〜−1200V程度である。
【0010】
帯電後、画像露光によって感光体に形成された静電潜像を顕像化する手段として、噴霧現像法やカスケード現像法などもあるが簡便性に欠けるため、現在では小型化が容易、静電潜像に対する現像追随性、高解像度が得られやすく、地肌汚れに対しての比較的良好なSN比が得られやすいなどのメリットを有する磁気ブラシ現像法が一般的である。
【0011】
磁気ブラシ現像法に用いられるトナーには、粉砕法で製造される平均円形度が0.90〜0.95程度、平均粒径が4μm〜10μm程度の粉砕トナーが多く使用されている。粉砕トナーは突起が多く異形状であるため、クリーニングブレードを使用してもクリーニング性は比較的良好である。
【0012】
しかし、粒径分布が広く(例えば、±5μm)、破砕トナーも多く含まれているため、保持する電荷が揃いにくく、静電潜像への現像性が忠実で無くシャープなエッジが得られにくい。そのため、高解像度を得るに限度がある。また、トナーの持っている電荷が不均一であるため、被転写体への転写が十分でなく、転写残トナーが多く、0.5μm〜2μm程度の超微細トナーはクリーニング不良になるなどの問題がある。
【0013】
平均円形度は、例えば、シスメックス社製のFPIA−1000型測定装置を使用し、
平均円形度=Σ(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長÷粒子投影像の周囲長)÷測定粒子数
なる演算式に従い算出する。なお、測定粒子数は1000粒子以上とし、5μm以上の粒子径のものを選定し、トナー像を投影して周囲長を算出する。
【0014】
また、粉砕法とは、重合法によって製造されたバインダーポリマー中に、着色剤、帯電制御剤などの添加剤を、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミルなどを使用して混合し、溶融させて得られる塊りを粗粉砕、微粉砕して、篩いなどで粒径毎に分級して製造する方法である。
【0015】
トナーはキャリアと呼ばれる平均粒径が40μm〜80μm程度の鉄、フェライト、ニッケル等の磁性粉と3重量%〜8重量%の割合で混合されシェークすることにより摩擦帯電させ現像剤として使用される。
【0016】
被転写体(OHP用紙やコピー用紙)に転写後の、感光体上のトナーや紙粉などの残留粉体をクリーニングする手段には、従来、兎毛や豚毛、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などからなるファーブラシ方式が多く使用されてきたが、現在では小型、ハンドリング、製造コストなどの面で有利なブレードクリーニング方式が主流となっている。
【0017】
ブレードクリーニング方式のブレードにはネオプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、アクリルゴムなどの弾性部材があるが、感光体に化学的ダメージを与えず、耐久性、耐オゾン性、耐油性等、優れた特性を有するポリウレタンゴム(又はウレタンゴム)が一般的である。
【0018】
クリーニング装置に使用されるブレードクリーニング方式のクリーニング部材はゴムブレードと支持基体からなり、肉厚が1.5mm〜5mmで短冊状(板状)のクリーニングブレードが殆どである。
【0019】
クリーニング部材は、鉄板やアルミ板の様な支持基体に、短冊状にカットしたポリウレタンゴムをホットメルトや両面テープなどを使用して、金属支持体端からブレードの先端迄の自由長が2mm〜10mmになるように固定されたものである。
【0020】
クリーニング部材は、ブレードのエッジが感光体に対して、トレーリング方向又はカウンター方向になるように、何れかの方法で設置されるが、現在ではクリーニング性、クリーニング維持性という面で優れたカウンター方式が一般的に採用されている。
【0021】
クリーニング部材は、感光体にブレードエッジが線接触するように取り付けられ、スプリングなどを利用して、10g/cm〜40g/cm程度の一定の荷重(当接圧)が掛けられる。線接触とするのは、感光体とクリーニングブレードとの間の摩擦抵抗が過剰になるのを避け、エッジでの掻き取り効果を最大限に生かして、良好にクリーニングを行うためである。実際には線接触させても潰れて0.5mm〜1mm位の幅で接触するが、接触面積が大きくなると、トナーや紙粉などの感光体への押し付けが生じるようになり、好ましくないため、クリーニング性に関しては、できるだけ線接触を維持するようにすることが望ましい。
【0022】
荷重を掛けるのはクリーニングブレードエッジを感光体に密着させ、感光体が回転中に隙間ができるのを防止するためで、感光体上に載っている或いは付着している異物、さらには突起、感光体に生じた微小なスクラッチや摺擦傷の影響を回避して、残留粉体のクリーニング性を維持するためである。
【0023】
クリーニングブレードをカウンター当接させることによって、ブレードのエッジは感光体に食い込むように作用する。従って、感光体とクリーニングブレードのエッジとの間の密着性が高まり、トレーリング方式に比べ遙かにクリーニング性の向上を図ることができる。但し、荷重がかかりすぎるとブレードのエッジがつぶされて面接触になる。面接触になることで感光体との摩擦抵抗が大きくなり、ブレードエッジが感光体の回転方向に引きずられては戻る、いわゆるスティックスリップ現象が起こりやすくなり、感光体、クリーニングブレード双方のダメージが大きくなりやすい。
【0024】
ところで、近年、カラー画像或いはモノクロ画像の高品位化、高解像性などの高画像品質の要求に伴って、プリンタや電子写真複写機では、重合トナーの使用が増えている。重合トナーはほぼ球形である上に、良くコントロールされた製造方法では、粒度分布を±0.5μm程度に揃えることができるため、帯電均一性が良好であり、静電潜像に対する忠実現像性や転写性、重ね合わせたときの色再現性などに優れている。
【0025】
しかしながら、粉砕トナー使用ではクリーニング性が良好であったカウンター当接のクリーニング方式であっても、平均円形度が大きいほぼ球形のトナーを使用した場合、1枚目からクリーニングできないという問題が生じている。
【0026】
また、初期においてクリーニングが100%できたとしても複写の途中で突然クリーニング不良が生じるという問題もあり、大量複写を行う周速の速い画像装置では、気づかない内に多数枚コピーされることもある。
【0027】
円形度が大きく球形に近いトナーは感光体上で回転するような形で、ブレードに突入するため、少しの隙間にも潜り込みクリーニング不良を起こし易い。
【0028】
また、感光体に帯電する際に、帯電装置から多量のコロナ生成物(オゾンやNOx、SOxなど)が生成され感光体に付着する。また、現像時にはトナー、転写時には紙粉の付着がある。感光体に付着したこれらのコロナ生成物及びトナー、紙粉の構成物質からなる汚染物質がクリーニングブレードや帯電部材などの当接部材で押さえ付けられると、感光体表面に前述の汚染物質の被膜が形成(例えば、トナーフィルミング)され、摩擦抵抗が高くなるという現象が生じる。
【0029】
クリーニングブレードには、一般に、ポリウレタンゴムが使用され、ブレードエッジが感光体と線接触するように当接されているが、摩擦抵抗が高くなるとクリーニングブレードとの間で摩擦熱が発生して、感光体表面のフィルミング膜を溶かしたり、或いは、ブレードの付着しているトナーを融着させたりして、滑り性が悪くなり、クリーニングブレードのエッジと感光体との間の機械的な圧力バランスが崩れて、クリーニングブレードは感光体に均等に当接されなくなり、感光体の回転に伴って微振動を起こし、感光体との間に隙間を作り易くなる。
【0030】
また、ブレードエッジは感光体の回転方向に引きずられては戻るというスティックスリップ現象を起こし、ブレードエッジが最大限に引きずられた時に、さらに大きな隙間を形成する。スティックスリップ現象は感光体の摩擦抵抗の上昇と共にひどくなる。
【0031】
ブレードエッジの感光体に対する摩擦力が高まるため、感光体には摺擦傷が生じやすくなるが、局部的に強く押し付けられた部位では、目視でも判る位の引っ掻き筋(スクラッチ)が生じる。即ち、表面粗さが大きくなる。
【0032】
特に、アルミナや酸化錫のように高硬度で微粒子(1次粒径が0.1μm〜0.7μm程度の粒径が使用されることが多い)のフィラーを最表層に含有させた感光体では、クリーニングブレードの摺擦により、ブレードエッジが傷つきやすい。また、削り取られたフィラーの凝集体がクリーニングブレードで感光体に押し付けられることによって、感光体に深いスクラッチ、ブレードエッジに欠損を形成することになり、この傾向はフィラーの含有量が多い場合や、含有フィラーの粒径が大きくなるにつれ悪くなる。
【0033】
さらに、感光層が摩耗しにくいため、フィルミング膜が形成されやすく、均一に削り取れない。従って、感光体の摩擦抵抗が大きく上昇し、ブレードエッジの歪みや、スティックスリップ現象を起こし易くなる。
【0034】
深いスクラッチが生じた場合にはブレードエッジに局部的な捻れや圧力が掛かるため、ブレードエッジの欠損につながる。
【0035】
感光体のスクラッチ及びブレードエッジの欠損が大きくなる程、トナーのクリーニング不良が起こりやすくなる。
【0036】
感光体の摩擦抵抗が増大すると、ブレードエッジには強い圧力が掛かるため、局部的に歪みを生じて変形したり欠損に到る。欠損は大きくなると120μm〜200μmに及ぶこともある。
【0037】
このように欠損が大きい場合には、当接圧を強くしても、感光体とクリーニングブレード間の隙間を塞ぎきれないため、クリーニング不良が生じ、ブレード欠損の大きいところで初期には点線状の、次第に帯状のクリーニング不良となり、感光体の表面粗さが大きいところでは、薄く広がったクリーニング不良が起こるようになる。
【0038】
円形度の大きい重合トナーを、ブレードクリーニング法を使用してクリーニング不良を改善する手段として、次のような従来技術がある。
【0039】
例えば、特許文献1には、形状係数SF−1が100〜140、SF−2が100〜120のトナーを使用し、クリーニングブレードの線圧を20g/cm以上、60g/cm未満に設定して、感光体表面(10%〜50%のフッ素樹脂を含有する)の削れ屑(フッ素樹脂などの凝集体)をブレードの所に集めて円形度の大きい球形トナーでも良好にクリーニングを行うことが記載されている。これは、クリーニングブレードの当接圧を高めに設定することによって、感光体とブレードとの間に隙間が形成されるのを防止し、さらにフッ素樹脂を多く含有させることによって、摩擦係数を下げると共に、フッ素樹脂を削れやすくし、削れたフッ素樹脂をブレードクリーニングの所に凝集させることによって、フッ素樹脂による堰を形成して、ブレードへのトナーの侵入を防止し、クリーニング不良を阻止しようとするものである。
【0040】
また、特許文献2には、形状係数SF−1が100〜140のトナー、硬度が60度〜80度のクリーニングブレードを、線圧55g/cm〜105g/cmに設定して、潤滑剤を塗布しながら、画像形成を行うことが記載されている。
【0041】
また、特許文献3には、像担持体(感光体)表面に10重量%〜50重量%のフッ素樹脂を含有させ、感光体の表面粗さRzをRz<5.0μmとなし、像担持体(感光体)とクリーニングブレード間の動摩擦係数μを0.5≦μ≦2.5とし、線圧Aは200×10−3N/cm<A<600×10−3N/cmとすることによって、略球形のトナーでもクリーニング不良が防止できることが記載されている。
【0042】
特許文献4には、光受容部材表面の摩擦抵抗を0.1gf〜150gfの範囲であるシリコン原子を母体とする層構成とすることにより摩擦で発生するブレードのビビリが少なく、ブレードの劣化を抑えることができる。このことにより優れたクリーニング性、使用できるトナーの種類も格段に広げることができると記載されている。摩擦抵抗の測定手段としては、HEIDON社製の動歪み測定器を用い、スチレンを主成分とする平均粒径6.5μmの現像剤を介し、幅5cmでJIS硬度が70°以上、80°以下の弾性ゴムブレードを20g/cmの押圧で圧接した状態で、光受容部材を400mm/secのスピードで移動させることによって測定される。
【0043】
特許文献5には、感光体に接触させたブラシローラーを介して、固体潤滑剤を感光体に塗布しながらクリーニングブレードでトナークリーニングを行うことが記載されている。
【0044】
【特許文献1】
特開2001−312191公報(特許請求の範囲、段落[0012]〜[0014],[0067]〜[0074],[0118])
【特許文献2】
特開2000−75752公報(特許請求の範囲、段落[0009],[0026])
【特許文献3】
特開2002−149031公報(特許請求の範囲、段落[0025]〜[0030],[0054]〜[0065])
【特許文献4】
特開平11−249328号公報(特許請求の範囲、段落[0006]、図1)
【特許文献5】
特開2001−5359公報(段落[0040])
【0045】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の実施例1には、感光体表層にフッ素樹脂を30重量%添加して、ブレードの当接圧(線圧)を33g/cmに設定し、画像形成が行われることが記載されている。しかしながら、フッ素樹脂の多量添加により、感光体の摩擦係数は低レベルで維持されるが、膜質は脆くなっている。従って、33g/cmと通常より高い当接圧にした場合、フッ素樹脂層は摩耗しやすくなっており、感光体の耐久性はフッ素樹脂層の形成されていない感光体の1/2程度の耐久性になることが確認されている。また、フッ素樹脂を多量に添加することにより、表面粗さ(10点平均粗さRzJIS)は初期より2μm〜3μmと大きく、画像形成で使用することにより、表面粗さは増加傾向を示す。
【0046】
表面粗さの増加に伴い、帯電で生じたコロナ生成物が感光体表面の谷の部分に入り込むため、局部的にブレードエッジが歪みやすくなり、それと相前後してスティックスリップ現象も徐々にではあるが起こりやすくなる。ブレードクリーニングのエッジには削れたフッ素樹脂が凝集しているが、球形トナーはフッ素樹脂凝集体をくぐり抜けやすいため、ブレードエッジの変形に伴って起こるクリーニング不良に対する不安要素を有している。
【0047】
また、特許文献2の場合、球形トナーを使用した場合には、円形度の低い(形状係数が小さい)粉砕トナーなどを使用する場合に比べて、クリーニングブレードの線圧は高くした方が有効であるが、通常の2倍〜4倍と異常に高いため、感光体及びクリーニングブレードに対する負担が極めて大きくなる。従って、感光体及びクリーニングブレードのエッジが破損し、また、ブレードエッジの歪みや、スティックスリップ現象により早期にクリーニング不良になることは必定である。
【0048】
特許文献3の場合、特許文献1と同じように、感光体にフッ素樹脂を多量に含有させることによって、動摩擦係数を低下させ、クリーニングブレードと当接圧を高めに設定することで、球形トナーのクリーニング性を改善するものである(フッ素樹脂を多く含有させることによって、感光体の表面粗さは必然的に大きくなるため、Rz<5.0μmという値に設定にしたものと思われる)。確かに、フッ素樹脂(例えば、テフロン:登録商標)を多量に添加することで、動摩擦係数を下げることができる。従って、クリーニングブレードエッジが歪むことは少なくなり、クリーニング不良が起こる確率は減少するが、感光層の摩耗が異常に多くなり、感光体の耐久性が大幅に低下するばかりか、元々表面粗さの大きい感光体の表面粗さは益々大きくなるため、トナーのクリーニング不良が早期に起こるようになる。このクリーニング不良を改善する手段として、ブレードの当接圧(又は、線圧)を上げると、感光体及びクリーニングブレードエッジは劣化の一途を辿り、クリーニング不良は改善できないレベルになる。
【0049】
特に、感光体の表層を動摩擦係数が2.5と大きいレベルに維持されるフッ素樹脂含有量では、確実にブレードエッジの歪みやスティックスリップ現象が生じ易くなり、コロナ生成物の付着などにより、感光体の動摩擦係数は大きくなり、クリーニング不良は恒常的に起こる。
【0050】
また、特許文献4の場合、感光層に使用される材料(シリコン原子を母体とし、水素原子及び炭素原子を含む非単結晶又は非単結晶水素化炭素膜)によって良好なクリーニングを行うものである。このような感光体は有機感光体と違って高硬度であり、極めて緻密であり、表面粗さは0.1以下と平滑性が高い。従って、感光層の摩耗は極めて少なく、長期に亘っても表面粗さの影響を受けることは皆無であり、A4コピー用紙換算で100万枚以上の耐久性を有する。このため、感光体の表面粗さに起因してクリーニング不良が発生したり、ブレードエッジが大きく欠損することによってクリーニング不良に到ることは殆ど無い。また、初期における摩擦抵抗も低い。
【0051】
しかし、感光体は最表層に水素原子及び炭素原子を含む非単結晶質又は非単結晶質水素化炭素膜を形成しているとはいえ、感光体は高硬度である上に、帯電時に生成されるオゾンやNOxなどのコロナ生成物が付着し易く摩耗し難いため、コロナ生成物は摩耗されず次第に蓄積し、摩擦抵抗は次第に上昇する傾向にある。その結果、ブレードエッジは歪んだり、ブレードエッジの細かい振動やスティックスリップ現象によりクリーニング不良を起こしたりしやすくなる。
【0052】
特許文献4に記載の感光体はコロナ生成物が付着して表面物性が変化しても、フッ素樹脂のような粉体状の潤滑剤の外添効果は得られない。これは、感光層が硬い上に、有機感光体のように感光層の中に塗り込むことができないためである。即ち、感光体表面の摩擦抵抗を下げることは難しく、潤滑剤で摩擦抵抗を下げることで、クリーニング不良を改善することはできない。
【0053】
なお、感光層表面の摩擦抵抗の数値範囲を記載してあるが、摩擦抵抗は測定手段によって大きく異なり、当該感光体の場合、有機感光体とは表面物性が異なるため有機感光体にその数値をそのまま適用することはできない。
【0054】
特許文献5中の実施例によれば、平均粒径7.5μmのトナーを使用して作像を行ったところ、23000枚程度の作像後クリーニング不良が発生し、25000枚終了後ブレードエッジを確認したところ、クリーニングブレードのエッジには深さが10μm〜30μm、幅が10μm〜120μmの欠け(欠損)が確認されたことが記載されている。ただ、この内容では確認された結果だけであって、ブレードの深さや幅とクリーニング不良との関係については言及されていない。
【0055】
つまり、潤滑剤としては固体潤滑剤を使用しているが、摩擦抵抗又は摩擦係数の数値に関しての記載はない。ブレードエッジの欠損の大きさはクリーニング不良の重要な因子の一つであるが、摩擦抵抗によって大きく左右されるものであり、併せて、摩擦抵抗の規定も必要である。
【0056】
ブレードエッジの深さが10μm〜30μmでクリーニング不良が発生したことが記載されているが、摩擦抵抗が極めて大きいことが予想され、考察が不十分である。
【0057】
結局、円形度の大きい球形トナーを良好にクリーニングするには、クリーニング不良を起こす要因を作らないことが重要である。感光体の表面粗さ、摩擦抵抗及び、クリーニングブレードのブレードエッジの表面粗さが、殊の外、重要な因子である。即ち、クリーニングブレードと感光体との間にトナーの抜けるような隙間が少しでも形成されないようにすることである。
【0058】
そこで、本発明の目的は、例えば重合法で製造された平均円形度の大きい重合トナーであっても、クリーニングブレードの線圧を異常に高くしなくても、クリーニング不良を効果的に抑止し、長期に亘って地肌汚れのない画像品質で画像を形成できる画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供することである。
【0059】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、少なくとも導電性支持体、下引き層及び感光層から構成される感光体と、この感光体に電荷を付与する帯電装置と、前記感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置と、前記感光体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写装置と、転写後の前記感光体上のトナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置とを備えて電子写真プロセスに従い画像形成を行う画像形成装置において、前記感光体の10点平均粗さRzJISが、0.1μm≦RzJIS≦1.0μmであり、かつ、JIS−A硬度が略83°で、幅5mm、長さ325mm、厚さ2mm、自重4.58gのポリウレタン平型ベルトを前記感光体の円周方向に垂らし、一端に100gの荷重を掛けて、前記感光体に対する接触長さを3mm(接触面積15mm2)とし、他端側にデジタルフォースゲージを設置し、前記ポリウレタン平型ベルトが移動開始するときの前記デジタルフォースゲージの読取り値から荷重100gを引いた値を摩擦抵抗Rfとする条件で測定された前記感光体のポリウレタンゴムベルトとの摩擦抵抗Rfが、45gf<Rf<200gfであり、かつ、前記感光体にカウンター当接する前記クリーニングブレードが、70μm以下の表面粗さのエッジを有する。
【0060】
平均円形度の大きいほぼ球形の重合トナーを良好にクリーニングするためには、感光体とクリーニングブレードとの間の密着性を十分に図り、隙間が形成されないような条件を維持することが重要である。このためには、感光体においては、クリーニングブレードを使用したときに、クリーニングブレードのエッジが歪みにくく、トナー抜けを起こさない程度に小さな表面粗さを有することが必要である。また、感光体においては、感光体上のトナーなどの残留粉体をクリーニングするときに、クリーニングブレードが局部的に歪んだり、スティックスリップ現象を起こしたり、振動したりすることがないような低い摩擦抵抗でなければならない。一方、クリーニングブレードにおいては、感光体にダメージを与えない程度の硬度、当接圧を有し、前述の感光体を使用したときにトナーがくぐり抜けない程度に小さな表面粗さのエッジを持つクリーニングブレードでなければならない。特に、円形度が大きい球形トナーでは小粒径ほど、また真球(球形度=1.0)に近いほど、クリーニングブレードと感光体との間の僅かな隙間に潜り込む性質を有するため、少しの隙間も起こることは許されない。クリーニングブレードの負担を軽くして、クリーニングブレードのダメージを軽減するためには、クリーニングブレードのエッジ部に突入するトナーは可能な限り少ない方が望ましく、摩擦抵抗を低く抑えることによって、クリーニングブレードのエッジの歪みを無くすことが重要である。この点、本発明においては、感光体の表面粗さ(10点平均粗さ)、摩擦抵抗、クリーニングブレードのエッジの表面粗さを最適値に規定することにより、平均円形度が大きな球形トナーの場合であっても、良好なるクリーニング性を維持することができ、高品位画像を長期に亘って提供することができる。
【0061】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記摩擦抵抗Rfの測定環境は、温度15℃〜22℃、湿度55%RH〜65%RHである。
【0062】
従って、摩擦抵抗は測定環境によって変わるが、この摩擦抵抗の値を規定するための測定環境に関しても好適な測定環境を規定することにより、摩擦抵抗の範囲を適正に規定することができる。
【0063】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記クリーニングブレードの前記エッジの表面粗さが、10μm以上、70μm以下である。
【0064】
従って、クリーニングブレードのエッジの表面粗さは感光体との密着性の関係から小さいほど望ましいが、余り小さいと、両者の摩擦抵抗の関係から密着度が高まりクリーニングブレードの動作がスムーズでなくなってしまうが、クリーニングブレードのエッジの表面粗さの下限を10μmに規定することにより、実用範囲でクリーニング性の維持及びトナー抜け防止を図れる。
【0065】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の画像形成装置において、前記感光体に当接する前記クリーニングブレードの前記エッジ部分の硬度が、JIS−A硬度で70°〜90°である。
【0066】
従って、クリーニングブレードの硬度が高い程、感光体上の摩擦抵抗や異物に対する抵抗力があるため、スティックスリップ現象は起こりにくくなるが、余り高いと感光体に摺擦傷を付けるため、上限としては90°以下であることが望ましく、また、余り柔らかいと、感光体の表面抵抗との兼ね合いもあるが、スティックスリップ現象が起こりやすく、感光体上のスクラッチなどによっても歪みを生じやすくなるので、下限としては70°以上であることが望ましく、このような範囲に規定することにより、感光体とクリーニングブレードとの密着性を十分に図ることができ、クリーニング性を長期に亘って安定維持することができる。
【0067】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置において、前記クリーニングブレードは、10g/cm〜40g/cmの当接圧で前記感光体にカウンター当接する。請求項6記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置において、前記クリーニングブレードは、10g/cm〜25g/cmの当接圧で前記感光体にカウンター当接する。
【0068】
クリーニングブレードの当接圧が高くなるほど感光体を傷付けやすくなり、クリーニングブレードのエッジ劣化、さらにクリーニング不良へとつながる。クリーニングブレードの当接圧を適正に設定することによって、好適なクリーニングを行うことができる。当接圧が10g/cmよりも軽くなると、感光体とクリーニングブレードとの間は少しの力でも隙間を作りやすくなり、クリーニング不良を起こしやすく、反面、40g/cmよりも重くなると、感光体に傷つけやすくなり、ブレードエッジの歪みやスティックスリップ現象を起こし易くなり、隙間からのトナー抜けを起こす。感光体のスクラッチを少なくして、クリーニング性を維持するためには、当接圧は低い方が望ましく、好適には10g/cm〜25g/cmとなる。よって、請求項5又は6記載の発明によれば、感光体への摺擦傷の形成を抑えながら、円形度の大きいトナーの場合であってもそのクリーニング性を良好に維持することが可能となる。
【0069】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の画像形成装置において、前記感光体に当接する前記クリーニングブレードの前記エッジ部分に潤滑剤が塗布されている。
【0070】
潤滑剤の添加層を有する感光体以外の感光体では、表面の摩擦抵抗は通常250gfや350gf以上の摩擦抵抗を有するのが殆どであり、このような感光体を画像形成装置にセットして作像しようとしても、感光体が回転しないか、回転してもクリーニングブレードが反転し、感光体が著しく傷つき、画像品質の低下を起こし、同時にクリーニング不良を起こすことになるので、画像形成においては感光体及びクリーニングブレードに潤滑剤を塗布することは重要であり、本発明のように、クリーニングブレードのエッジ部分に潤滑剤が塗布されていることにより、スクラッチのような摺擦傷を形成しないため、初期よりクリーニング不良が起こるのを防止し、良好な画像品質を維持することが可能となる。
【0071】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一記載の画像形成装置において、前記トナーは、その平均円形度が0.96以上、0.998以下の形状のトナーである。
【0072】
従って、平均円形度が0.96以上、0.998以下の真球に近いトナーの場合でも良好なるクリーニング性が維持されるので、シャープ性、均一性、コントラスト良好な高品位な画像を提供することが可能となり、併せて、転写性が良好なため、残トナーが減り、クリーニングブレードへの負担が軽くなるため、クリーニングブレードの耐久性が伸びるというメリットも得ることができる。
【0073】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一記載の画像形成装置において、前記クリーニング装置は、前記クリーニングブレードに加えて、このクリーニングブレードよりも前記感光体回転方向上流側に配設されて導電性を有するループ状繊維からなるクリーニングブラシを備える。
【0074】
従って、クリーニングブラシによりクリーニングブレードへのトナーの搬送量を減らすことができ、クリーニングブレードの負担を軽減させることができるので、クリーニングブレード単体ではクリーニングしにくい平均円形度が真球に近い球形トナーの場合でも、良好にクリーニングすることが可能となる。併せて、感光体上に異物が付着するのを抑制したり、異物付着に伴う摩擦抵抗の上昇も抑制することができる。また、ループ状繊維構造のクリーニングブラシを用いることにより、感光体に摺接傷を与えにくく、クリーニング性に優れている上に、導電性も有するので、ブラシが帯電しても放電しやすく、付着したトナーの電荷も放電させることができる。
【0075】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の画像形成装置において、前記クリーニングブラシは、当該クリーニングブラシに電圧を供給する電源、又は、当該クリーニングブラシを接地する電気回路に接続されている。
【0076】
従って、クリーニングブラシ及び感光体からのトナー離れが良くなるため、感光体へのトナーの再付着、及び、クリーニングブレードへのトナーの突入量を少なくすることができ、よって、ほぼ球形のトナーであっても良好にクリーニングすることが可能となる
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか一記載の画像形成装置において、前記摩擦抵抗Rfを45gf<Rf<200gfの範囲内に維持するために前記感光体の摩擦抵抗を低減化させる摩擦抵抗低減化手段を備える。
【0077】
従って、潤滑剤の添加層を有する感光体以外の感光体では、表面の摩擦抵抗は通常250gfや350gf以上の摩擦抵抗を有するのが殆どであるが、感光体の摩擦抵抗を低減化させる摩擦抵抗低減化手段を備えることにより、感光体表面の摩擦抵抗を容易に、要求される摩擦抵抗の範囲45gf<Rf<200gfに設定することができる。
【0078】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の画像形成装置において、前記摩擦抵抗低減化手段は、前記感光体の表層に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段よりなる。
【0079】
従って、摩擦抵抗低減化手段を、感光体の表層に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段として構成することにより、請求項11記載の発明を容易に実現することができる。
【0080】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の画像形成装置において、前記潤滑剤付与手段は、前記感光体の表層に潤滑剤を不均一に塗布する。
【0081】
従って、潤滑剤の層が連続的な膜として感光体の表層に形成されると、摩擦抵抗が低下しすぎとなり、帯電時のコロナ生成物が削り取られ難くなり、益々感光体表面の表面抵抗率の低抵抗化が進み画像品質が悪化することとなるので、潤滑剤を感光体に付与する場合には、均一に塗布するよりも不均一に塗布する方が画像流れなどの異常現象には有効となる。
【0082】
請求項14記載の発明は、請求項12又は13記載の画像形成装置において、前記潤滑剤が、ステアリン酸亜鉛又はフッ素系樹脂である。
【0083】
従って、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛又はフッ素系樹脂を用いれば、感光体の表層の画像品質低下、耐久性等に影響を及ぼさず、好適となる。
【0084】
請求項15記載の発明は、請求項1ないし14の何れか一記載の画像形成装置において、前記感光体の電荷輸送層は、有機感光層である。
【0085】
従って、有機感光体はクリーニングブレードや現像剤の摺擦で削れやすく、また、帯電にはオゾンやNOxなどの汚染物質を生成する帯電部材が使用されているために、感光体表面に付着することによって、画像品質の低下が生じるために一定の摩耗が必要であるが、請求項1ないし14の何れか一記載の発明を適用することにより、良好な画像品質の維持が可能となる。
【0086】
請求項16記載の発明は、請求項1ないし14の何れか一記載の画像形成装置において、前記感光体の電荷輸送層は、フィラーを含有しない電荷輸送層と、フィラーを含有したフィラー含有電荷輸送層との2層から構成されている。
【0087】
従って、感光体の表層に高硬度の微粒フィラーを均一分散した感光層であるフィラー含有電荷輸送層を形成することによって、感光体の光感度を低下させずに感光体の耐久化が図ることが可能となり、良好なクリーニング性を維持しつつ画像品質の安定化を達成することができる。
【0088】
請求項17記載の発明は、請求項16記載の画像形成装置において、前記フィラー含有電荷輸送層を構成するフィラーの重量平均粒径が0.2μm〜0.7μmであり、フィラーの含有量が当該フィラー含有電荷輸送層全重量の10重量%〜30重量%である。
【0089】
従って、請求項16記載の発明を実施する上で、フィラー含有電荷輸送層の適正構成が明らかとなる。
【0090】
請求項18記載の発明は、請求項1ないし17の何れか一記載の画像形成装置において、前記帯電装置は、当該帯電装置が有する帯電部材に直流電圧、又は、交流電圧を重畳した直流電圧が印加されて、静電潜像形成前の帯電電位を400V〜800Vに設定して画像形成を行う。
【0091】
従って、帯電装置による帯電条件を規定することにより、安定した帯電特性及び画像形成に必要かつ十分な静電潜像が形成できるため、クリーニング性も良好であり、長期に亘ってSN比が良好な画像品質を提供することができる。
【0092】
これらの発明による作用は、請求項19ないし33記載のプロセスカートリッジの発明又は請求項34記載の画像形成方法の発明によっても、同様に奏することができる。
【0093】
即ち、
請求項19記載の発明のプロセスカートリッジは、少なくとも導電性支持体、下引き層及び感光層から構成される感光体と、この感光体に電荷を付与する帯電装置と、前記感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置と、転写後の前記感光体上のトナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置との電子写真プロセス部材のうち、前記感光体の10点平均粗さRzJISが、0.1μm≦RzJIS≦1.0μmであり、かつ、JIS−A硬度が略83°で、幅5mm、長さ325mm、厚さ2mm、自重4.58gのポリウレタン平型ベルトを前記感光体の円周方向に垂らし、一端に100gの荷重を掛けて、前記感光体に対する接触長さを3mm(接触面積15mm2)とし、他端側にデジタルフォースゲージを設置し、前記ポリウレタン平型ベルトが移動開始するときの前記デジタルフォースゲージの読取り値から荷重100gを引いた値を摩擦抵抗Rfとする条件で測定された前記感光体のポリウレタンゴムベルトとの摩擦抵抗Rfが、45gf<Rf<200gfであり、かつ、前記感光体にカウンター当接する前記クリーニングブレードが、70μm以下の表面粗さのエッジを有し、少なくとも前記感光体と前記クリーニング装置とをカートリッジケース内に一体に収納し、画像形成装置内に着脱自在に装着される。
【0094】
請求項20記載の発明は、請求項19記載のプロセスカートリッジにおいて、前記摩擦抵抗Rfの測定環境は、温度15℃〜22℃、湿度55%RH〜65%RHである。
【0095】
請求項21記載の発明は、請求項19又は20記載のプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニングブレードの前記エッジの表面粗さが、10μm以上、70μm以下である。
【0096】
請求項22記載の発明は、請求項19ないし21の何れか一記載のプロセスカートリッジにおいて、前記感光体に当接する前記クリーニングブレードの前記エッジ部分の硬度が、JIS−A硬度で70°〜90°である。
【0097】
請求項23記載の発明は、請求項19ないし22の何れか一記載のプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニングブレードは、10g/cm〜40g/cmの当接圧で前記感光体にカウンター当接する。
【0098】
請求項24記載の発明は、請求項19ないし22の何れか一記載のプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニングブレードは、10g/cm〜25g/cmの当接圧で前記感光体にカウンター当接する。
【0099】
請求項25記載の発明は、請求項19ないし24の何れか一記載のプロセスカートリッジにおいて、前記感光体に当接する前記クリーニングブレードの前記エッジ部分に潤滑剤が塗布されている。
【0100】
請求項26記載の発明は、請求項19ないし25の何れか一記載のプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニング装置は、前記クリーニングブレードに加えて、このクリーニングブレードよりも前記感光体回転方向上流側に配設されて導電性を有するループ状繊維からなるクリーニングブラシを備える。
【0101】
請求項27記載の発明は、請求項19ないし26の何れか一記載のプロセスカートリッジにおいて、前記摩擦抵抗Rfを45gf<Rf<200gfの範囲内に維持するために前記感光体の摩擦抵抗を低減化させる摩擦抵抗低減化手段を備える。
【0102】
請求項28記載の発明は、請求項27記載のプロセスカートリッジにおいて、前記摩擦抵抗低減化手段は、前記感光体の表層に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段よりなる。
【0103】
請求項29記載の発明は、請求項28記載のプロセスカートリッジにおいて、前記潤滑剤付与手段は、前記感光体の表層に潤滑剤を不均一に塗布する。
【0104】
請求項30記載の発明は、請求項28又は29記載のプロセスカートリッジにおいて、前記潤滑剤が、ステアリン酸亜鉛又はフッ素系樹脂である。
【0105】
請求項31記載の発明は、請求項19ないし30の何れか一記載のプロセスカートリッジにおいて、前記感光体の電荷輸送層は、有機感光層である。
【0106】
請求項32記載の発明は、請求項19ないし30の何れか一記載のプロセスカートリッジにおいて、前記感光体の電荷輸送層は、フィラーを含有しない電荷輸送層と、フィラーを含有したフィラー含有電荷輸送層との2層から構成されている。
【0107】
請求項33記載の発明は、請求項32記載のプロセスカートリッジにおいて、前記フィラー含有電荷輸送層を構成するフィラーの重量平均粒径が0.2μm〜0.7μmであり、フィラーの含有量が当該フィラー含有電荷輸送層全重量の10重量%〜30重量%である。
【0108】
請求項34記載の発明は、少なくとも導電性支持体、下引き層及び感光層から構成される感光体と、この感光体に電荷を付与する帯電装置と、前記感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置と、前記感光体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写装置と、転写後の前記感光体上のトナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置とを備え電子写真プロセスに従い画像形成を行う画像形成方法において、前記感光体の10点平均粗さRzJISを、0.1μm≦RzJIS≦1.0μmとし、かつ、JIS−A硬度が略83°で、幅5mm、長さ325mm、厚さ2mm、自重4.58gのポリウレタン平型ベルトを前記感光体の円周方向に垂らし、一端に100gの荷重を掛けて、前記感光体に対する接触長さを3mm(接触面積15mm2)とし、他端側にデジタルフォースゲージを設置し、前記ポリウレタン平型ベルトが移動開始するときの前記デジタルフォースゲージの読取り値から荷重100gを引いた値を摩擦抵抗Rfとする条件で測定された前記感光体のポリウレタンゴムベルトとの摩擦抵抗Rfを、45gf<Rf<200gfとし、かつ、前記感光体にカウンター当接する前記クリーニングブレードのエッジの表面粗さを、70μm以下とする、条件下で画像を形成するようにした。
【0109】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態の画像形成装置は、電子写真プロセスを利用したプリンタへの適用例を示し、図1は当該プリンタにおけるその電子写真プロセスの基本構成を示す概略側面図である。まず、電子写真プロセスの主体となる、例えばドラム状の感光体1が回転自在に設けられている。この感光体1の周囲には、電子写真プロセスに従い、帯電装置2、画像露光装置3、現像装置4、転写装置5、分離装置6、クリーニング装置7、除電装置8等の電子写真プロセス部材が順に配設されている。
【0110】
帯電装置2は、感光体1の表面を画像形成に必要な帯電電位にするためのもので、接触帯電又は非接触帯電装置のうち何れかが用いられている。図示例では、帯電部材として感光体1に接触させた帯電ローラ14が用いられている。また、帯電ローラ(帯電部材)14には、直流電圧又は交流電圧を重畳した直流電圧を印加するための帯電用高圧電源15が接続されている。画像露光装置3は、原稿画像をスキャナのCCD(電荷結合素子)で読取り、ドットパターンに画像処理した画像データ又はパソコン等からの画像データに基づき感光体1の表面を露光することにより静電潜像(静電コントラスト)を形成するためのもので、半導体レーザ素子或いはLEDアレイ等を光源として構成されている。現像装置4は、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を内在して感光体1上の静電潜像を磁気ブラシ方式で現像するためのものである。転写装置5は、現像された感光体1上のトナー像を転写紙やOHPシート、場合によっては中間転写体などの被転写体9に転写するためのものである。分離装置6は、感光体1から被転写体9を静電的に引き離すためのものである。クリーニング装置7は、転写工程後の感光体1上の残留トナー等の残留粉体を清掃するためのもので、クリーニングブレード10単独構成、又は、さらにループ状繊維によるクリーニングブラシ11併用構成とされている。また、転写・分離位置よりも搬送方向下流側にはトナー像を被転写体9上に定着させるための熱定着装置12が設けられている。
【0111】
以下、感光体1及びクリーニング装置7を中心に、その構成等について詳細に説明する。
【0112】
[感光体]
本実施の形態で使用される感光体1の断面層構成を図2に示す。感光体1は導電性支持体21、下引き層22、電荷発生層23及び電荷輸送層24から構成される。高耐久性を必要とする場合には、さらに電荷輸送層上に高耐摩耗化された感光層(例えば、図3中のフィラー含有電荷輸送層25)が形成されることもある。
【0113】
感光体1に使用される導電性支持体21は、106Ω・cm以下の導電性を示すものはほとんど使用可能であるが、好適には肉厚が0.6mm〜3mm、外径が25mm〜100mmの、JIS規定3003系アルミニウム合金製ドラムが好適に用いられる。
【0114】
下引き層22は、残留電位が増大しないような材料が用いられ、画像形成に必要な帯電電位、静電コントラスト及び均一画像(モアレ防止、ドットパターンの再現など)を確保するために形成される。膜厚は1μm〜10μm程度で、好適には3μm〜5μmである。
【0115】
下引き層22に使用される樹脂には、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、或いは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を分散し含有させてもよい。これらの下引き層22は、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。さらに、本実施の形態の下引き層22として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
【0116】
電荷発生層23は、画像露光により画像形成に必要な電子と正孔を生成する層で、電荷発生層23は画像露光装置3の書込み光によって生成された正孔が、感光体1の表層に移動して表面電荷と容易に結合できるような状態にあることが望ましい。即ち、電荷発生層23と電荷輸送層24との界面には正孔が飛び越えられないような高い障壁が形成されない材料を使用することが好ましく、この条件を満たすものであれば、本実施の形態の感光体1には無機系、有機系材料を問わず、何れの材料も使用できる。
【0117】
無機系材料の電荷発生材としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどがある。
【0118】
また、有機系の電荷発生材には、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などがある。
【0119】
電荷発生層23に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて低分子電荷輸送物質(電子輸送物質又は正孔輸送物質)を添加してもよい。
【0120】
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0121】
正孔輸送物質としては、以下に示される電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0122】
電荷発生層23は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするものから形成されるが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
【0123】
電荷発生層23を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが代表例として挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、キャスティング法によって電荷発生層23を設けるには、上述した無機系若しくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレー塗工法、ビードコート法などを用いて行うことができる。
【0124】
以上のようにして設けられる電荷発生層23の膜厚は、0.01μm〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05μm〜2μmである。通常は0.1μm〜0.3μmの厚さに塗布される。膜厚が薄すぎると、感度不良が生じるが、厚すぎると、空間電荷による光減衰劣化、残留電位上昇が生じ、画像濃度低下、解像度低下などの画像品質低下につながる。
【0125】
電荷輸送層24は、十分な帯電電位と、画像形成に必要な十分なコントラスト電位を確保するために形成される。電荷輸送層24には、一般的に極性依存性が少なく、1014Ω・cm〜1018Ω・cm程度の体積抵抗率を有するポリカーボネート樹脂(A型、C型、Z型など)や、スチレン樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂などがバインダー樹脂として使用され、さらにドナー、酸化防止剤、レベリング材などが添加される。
【0126】
電荷輸送層24を構成する低分子電荷輸送物質には、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、α−フェニールスチルベン誘導体、トニフェニールメタン誘導体、アントラセン誘導体などを使用することができる。
【0127】
一方、高分子電荷輸送物質としては、以下に示す公知の高分子電荷輸送材料を用いることができる。例えば、
1) 主鎖及び/又は側鎖にカルバゾール環を有する重合体には、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−183719号公報に記載の化合物等がある。
2) 主鎖及び/又は側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体には、例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−50555号公報に記載の化合物等がある。
3) ポリシリレン重合体には、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−19497号公報、特開平5−70595号公報に記載の化合物等がある。
4) 主鎖及び/又は側鎖に第3級アミン構造を有する重合体には、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−105260号公報、特開平2−167335号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−40350号公報に記載の化合物等がある。
5) その他の重合体には、例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報に記載の化合物等がある。
【0128】
本実施の形態に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スタ−ポリマ−や、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
【0129】
また、本実施の形態における高分子電荷輸送物質として、主鎖及び/又は側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが有効に使用される。
【0130】
一方、バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールCタイプ、ビスフェノールZタイプ或いはこれらの共重合体)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独又は2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
【0131】
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができるが、環境破壊を考慮してハロゲン系の溶媒の使用は避けた方が望ましい。
【0132】
なお、本実施の形態では、耐環境性の改善のため、及び、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層23、電荷輸送層24、下引き層22、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質を添加することができる。
【0133】
電荷輸送層24の膜厚は10μm〜30μm程度に設定する。膜厚が10μm以下では、画像形成に必要な表面電位を確保することができなくなるためである。画像形成にはコントラスト電位として、少なくとも250V以上が必要であるが、10μm以下ではコントラスト電位が小さくなり、膜厚のムラが顕著になり、SN比が良好な画像品質が保証できないためである。一方、電荷輸送層24の膜厚を厚くすることによって、十分な表面電位が確保されるため、SN比良好な画像品質が得るための余裕度が生じる。しかし、厚くなるに従い感光層中には構造欠陥が増加するため、残像などの好ましくない現象が生じやすくなる他、膜質の均一性低下、製造コストアップなどが生じる。通常、画像形成に必要なコントラスト電位は500Vもあれば十分で、そのときの感光体の表面電位は800V程度である。800V帯電させるための感光層膜厚は30μmあれば十分で、それ以上の厚さでは、前述した現象が生じ好ましくない。
【0134】
感光体1の表面粗さは、10点平均粗さRzJIS(JIS B 0601)で0.1μm以上、1.0μm以下であることが好ましい。これはシャープな画像品質を得るためであり、クリーニングブレード10が当接したとき、ブレードエッジに歪みが生じて、クリーニング不良に陥らないためである。
【0135】
円形度が高い球形トナーを使用したときには、プリンタ(画像形成装置)の稼働時、クリーニングブレード10のエッジに少しでも歪みを生じると、トナーの潜り込み現象が起こりやすくなるためで、球形トナーを使用する際には、クリーニング不良を生じるような要因(欠陥)を少しでも減らすことが重要である。
【0136】
[感光体の高耐久化]
前述した有機感光体1は電荷輸送層24が直接クリーニングブレード10や現像剤と接触するため、感光体1としての耐久性はA4用紙換算で5万枚〜8万枚程度であり、一般的な使用ではほぼ十分な耐久性を有している。
【0137】
しかし、複写枚数が多量な程、感光体1(又は、後述するプロセスカートリッジ)の交換頻度が高くなるため、さらに高耐久化しておくことが望ましい。感光体1を高耐久化するためには、電子写真特性を確保しながら感光体1の耐摩耗性を向上させる必要である。このための手段として、本実施の形態では、感光層中に感度が犠牲にならずに、帯電能が確保され、残留電位の異常な蓄積が生ぜず、耐摩耗性が達成されるような透光性良好な高硬度フィラーを添加する方法で実現する。
【0138】
即ち、電子写真特性を確保して、コントラスト電位を十分得る手段として、バインダー樹脂にフィラー及び特性改善剤としての添加剤を適当に配合した塗工液を電荷輸送層24上に1μm〜10μm形成する。
【0139】
感光層上に溶剤を使用した新たな薄膜を形成するには、使用される溶剤に制約があるが、添加するフィラーの種類や添加量に応じた耐摩耗性が設定でき、電荷輸送層24上にフィラーを添加した別の感光層を形成しても、両層の界面に障壁が形成されにくいという点で優れており、繰返し使用に対しても十分耐え得る電子写真特性が得られる。また、樹脂を使用しているため、クリーニングブレード10などの接触部材で表面層が適度に削れる。従って、前述の保護層を有する感光体に比べ、画像流れなどに代表される電子写真特性の劣化を低く抑えることが可能である。また、スプレー塗工法が使用できるため、前述した方式に比べて容易に作製でき、低コスト化が可能であるという点で有利である。
【0140】
フィラーを分散した感光層(フィラー含有電荷輸送層25と称する)を有する感光体1の断面層構成を図3に示す。
【0141】
図2に示す層構成の感光体1に、バインダー樹脂に適当量のフィラーと分散助剤やドナーなどと共に均一分散された樹脂液をスプレー法、浸漬塗工法などを使用して塗工し形成される。添加するフィラーの粒径や量は要求される耐久性や、帯電特性、感度、画像品質等電子写真特性を損なわない範囲で設定される。
【0142】
添加されるフィラーは体積抵抗率が1×1012Ω・cm以上、1×1015Ω・cm以下、平均1次粒径が0.01μm〜1.0μm、好適には0.2μm〜0.5μmのアルミナ(α−Al2O3)や酸化チタンなどの無機フィラーで、電荷輸送層24のバインダー樹脂と同じ樹脂中にドナーや分散助剤などと共に、フィラーを10重量%〜40重量%、好ましくは15重量%〜30重量%分散され、フィラー含有電荷輸送層25が形成される。
【0143】
フィラー含有電荷輸送層25の膜厚は分散するフィラーや、要求される耐久性によって異なるが、通常2μm〜10μm、好ましくは3μm〜8μmとし、電荷輸送層24aとフィラー含有電荷輸送層25との総膜厚を10μm〜30μmに設定する。即ち、フィラー含有電荷輸送層25は電荷輸送層24の一部であるという考えに基づくものである。従って、フィラーを分散しても機械的な強度以外の電子写真特性は同等な特性を持つようにすることが望ましい。電荷輸送層24aとフィラー含有電荷輸送層25との間には正孔の移動を阻害するような障壁が形成されないようにすることが重要である。即ち、両層24a,25に使用されるバインダー樹脂、ドナー、溶媒等は同じ材料を使用することが望ましい。
【0144】
フィラー含有電荷輸送層25を積層後の感光体1の表面抵抗率は1×1015Ω〜1×1017Ωで、体積抵抗率は1×1013Ω・cm〜1×1015Ω・cm程度にすることが望ましい。このようにして作製された感光体1の耐久性は、A4用紙換算で10万枚〜30万枚程度であり、弱いハザードで画像形成を行う場合にはそれ以上の耐久性が保証される。
【0145】
感光体1の表面粗さは、フィラーの分散状態や塗工条件等で左右される。高品位画像を得るためには、フィラー含有電荷輸送層25に使用されるフィラーの重量平均粒径には、0.2μm〜0.7μmのフィラーが好適に使用され、感光層上に塗工して熱乾燥後(使用前)の表面粗さは10点平均粗さRzJISで0.1μm〜0.5μm程度となるように塗工される。
【0146】
10点平均粗さRzjisは複写が進むと削られて大きくなるが、余り大きくなり過ぎると、シャープ性などの画像品質に影響を与えるようになり、転写後の残留粉体のクリーニング性にも影響を与える。
【0147】
クリーニング不良は感光体1の表面抵抗及びクリーニングブレード10のエッジの表面粗さ(欠損)に依存するが、感光体1の表面粗さが大きいと、円形度が大きい重合トナーにはクリーニングブレード10のエッジの少しの歪みや、スティックスリップ現象も影響してくるため、できるだけ大きくならないようなシステム条件にすることが必要である。
【0148】
一方、余り小さい(0.1μm以下)と感光体1とクリーニングブレード10との間の密着性が良くなりすぎて、クリーニングブレード10の接触面積が増加し、クリーニングブレード10がスティックスリップ現象、歪みなどを起こしやすくなり、また、感光体1の回転性に支障がでることがあるため、少なくとも0.1μm以上になるようにすることが望ましい。
【0149】
従って、感光体1の表面粗さは一定の範囲に維持されるようにすることが重要である。表面粗さが大きいと、クリーニングブレード10の少しの歪みをクリーニング不良につながり、また、クリーニングブレード10の摩耗促進やエッジの欠けなどを起こしやすくなる。
【0150】
[クリーニング装置]
クリーニング装置7は、基本的にはクリーニングブレード10のみで構成されるが、円形度が0.98或いはそれ以上に大きい球形トナーを使用する場合には、クリーニングブラシ11を併用する方が好結果を得られやすい。クリーニングブレード10は使用していく内に感光体1に接触しているエッジ10a部分が劣化して欠損を生じ、クリーニング不良が生じやすくなるが、クリーニングブラシ11で、予めプレクリーニングを行い、クリーニングブレード10に流れ込むトナーやトナーの塊り、削れたフィラーなどをできるだけ少なくすることで、クリーニングブレード10の負担を軽くして、エッジ10aの欠損を少なくし、耐久性を図ることができる。
【0151】
本実施の形態に使用されるクリーニングブレード10について説明する。クリーニングブレード10は図4に示すように、ブレード全体がJIS−A硬度で70°〜90°のポリウレタンゴム31を使用するか、他の弾性部材、例えば、クロロプレンゴムにJIS−A硬度が70°〜90°のウレタンゴム32を貼り合せて、図5や図6に示すような構成とすることも可能である。自由長は2mm〜10mmであれば十分で、通常は3mm〜8mmに設定する。なお、自由長というのはクリーニング部材を構成する支持基体33の先端部から感光体1に当接するエッジ10a先端部までの支持基体33に固定されていない領域をいう(図7及び図8参照)。
【0152】
平均円形度が0.97〜1.0と大きな球形トナーを使用する場合、硬度は少し高め(80°〜90°)に設定した方が望ましい傾向にある。ゴム硬度が低すぎると、感光体1の摩擦抵抗の影響を受けやすく、少しの特性値の違いでも歪みやすくなる。一方、余り高いと感光体1の表面性への追随性がなくなり、また、感光体1に摺擦傷を付けやすい。他の弾性部材32への貼り合せの場合、ポリウレタンゴムの肉厚は、1mm〜1.5mmあれば十分である。
【0153】
なお、クリーニングブレード10の反発弾性率(JIS K 6301、リュプケ方式)は30%〜70%のものが使用でき、通常は30%〜50%程度のものを使用する。図7及び図8にクリーニングブレード10を感光体1にθ2の角度でカウンター当接させた例を示すが、感光体1に当接するクリーニングブレード10のエッジ10aは短冊状にカットした平型形状(図7参照)でも、ナイフエッジ状(図8参照)でもあっても良い。θ2は10°〜40°で感光体1に対する食込み量は0.5mm〜2mm、通常は1mmである。当接圧は10g/cm〜40g/cmであるが、好適には10g/cm〜25g/cmとする。
【0154】
感光体1に対するクリーニングブレード10の当接圧が大きくなる程、クリーニングブレード10、感光体1共圧力が加わるため、感光体1では深い摺擦傷、クリーニングブレード10ではエッジ10a欠損が生じやすくなる。当接圧は40g/cmあれば十分なクリーニング性が達成できるが、常時40g/cm或いはそれ以上の当接圧が感光体に加えられていると、感光体1の摩耗が進行し、また、摺擦傷も増加するため、当接圧は可能な限り低く設定することが望ましい。
【0155】
一方、当接圧が低すぎると、トナーがクリーニングブレード10と感光体1との間に潜りやすくなり、クリーニング不良を起こしやすくなる。10g/cm以下に低くすると、クリーニングブレード10でのトナーの抑止力が無くなり、クリーニング性が維持できない。従って、望ましい当接圧は10g/cm〜40g/cm、好ましくは10g/cm〜25g/cmである。
【0156】
クリーニングブレード10のエッジ10aの表面粗さは、トナーのクリーニング性を維持する上で重要である。このエッジ10aが欠損し、表面粗さが大きくなった場合にはトナーは筋状にクリーニング不良を起こす。
【0157】
図9に感光体1の摩擦抵抗(後述する)をパラメータとし、クリーニングブレード10のエッジ10aの表面粗さ(欠損深さ)とクリーニング性(地肌汚れランクで表示)との関係を示す。評価装置にはリコー社製のイマジオMF2200機を使用し、クリーニング装置はクリーニングブレード10のみが設置された形式で、クリーニングブレード10の当接圧は23g/cmとした。現像剤には富士ゼロックス社製のC1616用重合トナー(重量平均粒径は約6μm)とキャリア(RB021)をトナー濃度7重量%に混合されたものを使用した。表面粗さはキーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK8500を使用して、コピー上の地汚れの生じた箇所に対応したブレードエッジの欠損深さを測定したものである。
【0158】
縦軸の地肌汚れランクは数字が大きいほど良好なことを示しており、ランク5は地汚れの無い状態を示す。画像品質を維持するためには、ランク5であることが必要である。
【0159】
地肌汚れは感光体1の摩擦抵抗が小さい程良好になることを示しており、ブレードエッジ10aの欠損が小さいほど良くなることが判る。例えば、ランク5の画像品質では、クリーニングブレード10だけでも、感光体1の摩擦抵抗が45gf〜62gfの時、ブレードエッジ10aの欠損は約70μmまで許容でき、約200gfでは約35μm程度の大きさまで欠損が広がっても地汚れのない画像品質が得られる。即ち、クリーニング性は感光体1の摩擦抵抗及びクリーニングブレード10のエッジ10aの表面粗さ(欠損深さ)で左右されることが判る。
【0160】
クリーニングブレード10の感光体1と当接するエッジ10aには予め潤滑性を発現するような物質が塗布されていることが望ましい。これはスタート時においては、感光体1とクリーニングブレード10との摩擦抵抗が極めて高いために、感光体1が無理に回転したときに、感光体1には摺擦傷若しくはスクラッチが入り、クリーニングブレード10の方には欠損が生じ、1枚目からクリーニング不良が起こるのを未然に防止するためである。クリーニングブレード10に欠損ができたり、感光体1に摺擦傷が形成させると、両者の傷は益々増加するだけで、画像品質的には問題が多い。クリーニングブレード10のエッジ10aに塗布する潤滑剤としては、平均粒径が0.01μm〜0.5μm程度のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなフッ素系の微粒フッ素樹脂が望ましい。また、場合によっては現像剤に使用したトナーでも、潤滑性には劣るが有効である。潤滑剤はクリーニングブレード10以外に感光体1上に塗布する。感光体1及びクリーニングブレード10への塗布は粉体の状態で不織布やガーゼなどで軽く摺擦しながら塗しても良い。また、エチルアルコールのような溶剤に入れ、ブレード先端に刷毛塗りしても良い。
【0161】
このような手段を講ずることにより、感光体1の回転はスムーズに行われるばかりでなく、感光体1及びクリーニングブレード10の初期劣化を未然に防止することが可能である。
【0162】
なお、クリーニングブレード10に潤滑剤を塗布するのは、摩擦抵抗が高い場合であって、感光体1の表層にフッ素樹脂やシリコーンオイル、フッ素オイルを含有させた場合には、摩擦抵抗は低減するためこの処理は必ずしも必要ではない。
【0163】
クリーニングブレード10のエッジ10aの表面粗さは、感光体1との密着性の関係から小さいほど望ましいが、余り小さいと、感光体1及びクリーニングブレード10の摩擦抵抗の関係から、密着度が高まりクリーニングブレード10の動作がスムーズではなくなる。実際には10μm以下であれば、クリーニング性は元より、トナーが抜けるような隙間を形成することはない。また、図9に示す特性は、クリーニングブレード10のみのクリーニングで行った場合であるが、クリーニングブレード10のエッジ10aの表面粗さは最大70μmまで許容できることが判る。即ち、クリーニングブレード10のエッジ10aの表面粗さ(欠損)は70μm以下、5μm以上の範囲であれば、5μm〜6μm程度以上の球形トナーを使用してもクリーニングブレード10単体であっても、ほぼ良好なクリーニング性が達成可能である。
【0164】
次に、クリーニングブラシ11について説明する。クリーニングブラシ11は図1に示すように、クリーニング装置7において、クリーニングブレード10よりも感光体回転方向の上流側位置に併設される。クリーニングブラシ11を配設する目的は、クリーニングブレード10の補助的手段(プレクリーニング)、即ち、クリーニングブレード10に大量の残留粉体がなだれ込まないように、予め残留粉体をクリーニングブレード10前で排除して、残留粉体により与えられるダメージを極力減らすことである。また、クリーニングブレード10やクリーニングブラシ11の摺擦力によって、感光体1表面に付着するコロナ生成物、紙粉、トナー構成物などによる汚染物を削り取ることによって、画像品質に与える弊害(解像度低下など)を抑制することも行う。
【0165】
クリーニングブレード10、感光体1にトナーのクリーニング性を十分に行う条件が揃っていれば、クリーニングブラシ11の併設は不要であるが、長期に亘って、画像形成が行われる場合には、設置した方が望ましい。
【0166】
作像を長時間に亘って行うと、クリーニングブレード10のエッジ10aには次第にトナーの固着が起こり、固着したトナーが感光体1とクリーニングブレード10のエッジ10aとの間に挟まれ、クリーニングブレード10や感光体1を傷つけたり、また、トナーなどの残留粉体のクリーニング性が低下するようになる。この固着現象はクリーニングブレード10へのトナーの搬送量が多いほど頻繁に起こる。即ち、クリーニングブラシ11によって、クリーニングブレード10へのトナーの搬送量を減らすことによって、クリーニングブレード10の負担を軽減するものであり、他の目的は感光体1上の異物付着抑制及び異物付着に伴う摩擦抵抗の上昇抑制である。
【0167】
クリーニング装置7用のクリーニングブラシ11には、直毛ブラシ(カットパイルブラシ)とループブラシの2種類があり、殆どの画像形成装置では直毛ブラシが使用される。直毛ブラシの場合、穂先で感光体表面を摺擦するために、鋭利に摺擦傷が入るために、感光体の寿命が短くなるという欠点を有するが、ループ繊維のブラシでは、繊維の腹(又は背)の面で摺擦するため、感光体に摺擦傷を与えにくく、クリーニング性に優れているという利点がある。
【0168】
ループブラシには絶縁性のブラシと導電性を持たせたブラシがあるが、本実施の形態では、クリーニングブラシ11としては、導電性を有する繊維ブラシが有効である。絶縁性ブラシはブラシ自体が帯電しても放電に時間を要するため、トナーや紙粉等が付着してもブラシからの離れが悪くなるため、トナーが装置内に溜まりやすくなり、クリーニング効率の低下や、コピー画像品質の地肌汚れの原因となりやすい。しかし、導電処理されたブラシは、ブラシが帯電しても放電し易く、付着したトナーの電荷も放電するため、絶縁性ブラシで指摘したようなトナー、紙粉付着が緩和され、クリーニングブラシ11によるコピー画像品質低下に対する余裕度が大きくなる。
【0169】
クリーニングブラシ11は感光体1に対して均等に面接触(当接)するように設置される。感光体1への食込み量は1mm〜2mmを好適とする。不均一な設置は感光層のみならず、ブラシ11に偏摩耗を起こさせる。回転方向はカウンター方向、トレーリング方向何れでも良い。摩耗の大きい感光体を使用する場合にはトレーリング方向に、フィラーを添加して耐摩耗性を向上させた感光体を使用する場合には、カウンター方向にすることが望ましい。これはカウンター配設とトレーリング配設とで感光体に対するハザードが異なり、トレーリング方向で配設した方が摩耗力が少なく、カウンター方向の方が摩耗力が高めになるためである。クリーニングブラシ11の回転数は通常150rpm〜300rpmの間で設定される。
【0170】
クリーニング用に供されるループブラシの材質にはナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、カーボン繊維等がある。クリーニングブラシ11に使用される繊維の繊維径は10D〜20D、密度は24〜48フィラメント/450ループ、ループの長さ(繊維長さ)は2mm〜5mmである。Dはデニールで、糸の重さ(g)×9000÷糸の長さ(m)で表され、数値が小さいほど糸径は小さくなる。
【0171】
クリーニングブラシ11はひも状にカットしたループブラシを、芯金上に螺旋状に隙間なく巻付け、ずれがないように固定する。固定する手段には接着剤や両面粘着テープ、熱融着などが使用される。このような製法を取ることにより、ずれなく、安定した、ムラのないクリーニング性を維持できる。このような製法は簡単であり、短時間で作業が可能である。両面粘着テープを使用すれば、芯金の再使用が容易である。
【0172】
ループブラシは直毛のカットパイルブラシに比べて、感光体1に摺擦傷を与え難い。一般に、硬度の低い感光体1ではクリーニングブレード10やクリーニングブラシ11、現像剤で摺擦されることによって、感光体1表面には大なり小なり摺擦傷が生じるが、直毛のカットパイルブラシを使用した場合、100rpm〜250rpm程度の回転数で回転する繊維先端部のカット面が感光体に当たるため、ループブラシに比べてスクラッチ(細かい傷)が入り易く、長期に於いては異常画像(白ポチ、黒ポチ)になりやすく、感光体寿命を低下させる。ループブラシの場合には繊維の腹若しくは背の部分で摺擦するために、深いスクラッチを発生させることが少なく、浅い均一な摺擦傷になる場合が殆どである。
【0173】
本実施の形態に好適に使用できるループブラシには、アクリル系繊維として、SA−7(東レ社製)、ナイロン系ベルトロン([ナイロン系繊維、カネボウ社製、タイプ931,961など]、ポリエステル系ベルトロン[ポリエステル系繊維、カネボウ社製、タイプB31など])がある。
【0174】
前述したように、クリーニングブラシ11は感光体1との摺擦により、摩擦帯電が起こり、トナーが付着しやすくなり、次第にクリーニング性が低下する現象が見られる。従って、クリーニングブラシ11は導電処理されていることが望ましい。導電処理は、繊維の製造の段階で行われ、導電性カーボンを繊維内に充填する方法、樹脂が溶融状態時に、導電性カーボンや、錫、金、チタン等の金属微粒子を入れて繊維化される。また、繊維とされた後、導電性繊維と前記繊維を混織しても良い。
【0175】
但し、抵抗が余り低いと、感光体1からの放電が有り、異常画像の原因になるため、抵抗は105Ω・cm〜1010Ω・cm程度の中〜高抵抗であることが望ましい。
【0176】
SA−7やベルトロンは何れも導電性が付与されており、帯電しても自己放電能力を備えているため、トナーが静電的に吸着されても、複写終了後はブラシより離脱させることができる。ベルトロンの場合は内部にカーボンなどの導電性微粒子を内蔵しており、SA−7ではカーボンが分散されている。除電能力はベルトロンの方がSA−7より高い傾向が見られる。但し、電荷が充分に放電するには数秒から数十秒必要である。
【0177】
クリーニングブラシ11の使用に際しては、ブラシと芯材(金属、若しくは導電処理された樹脂など)を電気的に結合させ、その芯材を筐体にアース(接地)するか、トナー及び感光体1の保有する電荷を除電する電圧を印加するのが望ましい。転写後の残留粉体の保有する電荷の極性は均一ではない(プラスにもマイナスにも帯電したものが混在する)ため、状況を十分に把握し電圧条件を決定する必要があり、システム条件によっては接地にした方がクリーニングは良好に行われることもある。
【0178】
重合法で作製された球形トナーの場合は、転写後でも、残留電荷の極性は比較的揃っており、直流電圧を印加しても差し支えないが、トナーの帯電のバラツキを考慮して、図1中に示す電気回路としてのブラシ用電源13のように交流電圧単独若しくはプラス電圧を重畳した交流電圧を印加するのが望ましいが、状況によっては電圧を印加せず接地(0V)にした方が良い場合もある。電圧の条件例は、交流電圧は50Hz〜2000Hz、300V〜1000V、プラス電圧は50V〜500V程度の範囲で設定される。電圧が過剰な場合には異常帯電が起こり、画像ノイズになる場合があるため、可能な限り低めに設定することが望ましい。
【0179】
[摩擦抵抗]
クリーニング不良を起こす感光体1の表面粗さ以外の別の要因としては、感光体1の摩擦抵抗がある。以下に、摩擦抵抗について説明する。
【0180】
有機感光体にポリウレタンゴムを面接触させると完全に密着し、剥がすのに大きな力を必要とする。このことは摩擦抵抗が極めて高いことを物語る。ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード10のエッジ10aは感光体1に一定の荷重が掛かるようにカウンター当接されるが、球形トナーでのクリーニング不良を解消するために、過大な荷重を掛けた場合にはブレードエッジ10aが潰れて面接触となる。エッジ10aの面接触面積が大きくなるほど摩擦抵抗も大きくなるため、感光体1には大きな負荷が掛かり、感光体1には深い溝の摺擦傷が、ブレードエッジ10aには欠損が起こり、クリーニング不良が発生し始め、早急に症状がひどくなる。
【0181】
感光体1の摩擦抵抗が大きくなると、ゴムブレード10は剛性ではないためブレードエッジ10a部分は感光体1の回転方向に引きずられては戻る現象、いわゆるスティックスリップ現象を生じるようになるが、この引きずられる度合いはクリーニングブレード10の硬度、伸び率、感光体1とクリーニングブレード10との間の摩擦抵抗の大きさ等に左右される。クリーニングブレード10が感光体1の回転方向に引きずられ戻る際に、感光体1とクリーニングブレード10との間に隙間が生じると、その隙間の大きさに応じたクリーニング不良が発生する。スティックスリップ現象は感光体1の摩擦抵抗が低くなる程緩和される傾向にあり、それと共に高円形度のトナーのクリーニング不良が減少する傾向にあることから、感光体1の摩擦抵抗はできるだけ低く維持されることが重要である。
【0182】
図10に本実施の形態の感光体1の摩擦抵抗の値を規定するための測定装置の概略図を示す。幅5mmにカットされてクリーニングブレード10に使用するのと同じポリウレタン平型ベルト41を、固定した感光体1の円周方向に一定の角度で垂らし、感光体1との接触長さが1mm〜10mmの間で接触するように設定し、一端にはポリウレタン平型ベルト41を感光体1に密着させるための100gの荷重(例えば、分銅42)を掛け、他端には、ポリウレタン平型ベルト41を引っ張った時の荷重を読取るためのデジタルフォースゲージ43を取付ける。
【0183】
本実施の形態では、摩擦抵抗はデジタルフォースゲージ43を引っ張り、ポリウレタン平型ベルト41が動いたときの読取り値(F)から分銅の荷重(W=100g)を引いた値(F−W)を感光体1の摩擦抵抗Rfと規定する。即ち、
Rf=F−W(gf)
である。
【0184】
ポリウレタン平型ベルト41と感光体1との接触長さ若しくは接触面積が大きいほど引っ張るときの荷重が大きくなり、測定誤差も大きくなる。従って、摩擦抵抗を測定するときには接触面積を余り大きくすることは好ましくなく、5mm幅のポリウレタン平型ベルト41を使用した場合、接触面積は40mm2程度が限度で、好ましくは10mm2〜15mm2程度である。
【0185】
以下に具体的な測定例を示す。JIS−A硬度が83°、幅5mm、長さ325mm、厚さ2mm、自重4.58gのポリウレタン平型ベルト41に100gの荷重を掛けて、引っ張り上げる角度θを40°に設定するとき、感光体1に対するウレタン平型ベルト41の円周方向の接触長さは3mm(=接触面積15mm2)となる。
【0186】
上記条件では荷重は100g程度が好適で、軽いと感光体1との接触が不均一になり、重いと感光体1に対する押圧が増加するため、摩擦抵抗に暴れが大きくなり、測定上の信頼性が失われる。引っ張り速度は5mm/s〜15mm/s程度である。JIS−A硬度は70°〜85°あれば良く、85°以上では次第に柔軟性に乏しくなり、感光体1への均一な密着性が低下し、70°以下では、感光体1に対する負荷が大きくなるため、測定上バラツキが生じやすい。
【0187】
図11に感光体1の表面の10点平均粗さをパラメータとして、感光体1の摩擦抵抗Rfに対するクリーニング性(地肌汚れランクで表している)のグラフを示す。使用したトナーは富士ゼロックス社製の重合トナー(C1616用、重量平均粒径約6μm)で、縦軸の地肌汚れランクは数字が少なくなるに従い、クリーニング不良になることを意味しており、ランク5が地汚れの無い最も良い状態を示す。ランク4は点状に微かに地肌汚れが見える程度であり、ランク1ははっきりした帯状の地肌汚れが現れた状態である。実用的には5以外は不可である。
【0188】
感光体1の表面の10点粗さ平均が小さいほど地肌汚れランクは良好であり、摩擦抵抗が低いほど地肌汚れランクは良好であることが判る。例えば、感光体1の10点平均粗さが1.0μmの時には、摩擦抵抗Rfは100gf〜200gfの間であればよい。また、10点平均粗さが0.5μm以下では200gf以下の摩擦抵抗にあればよいことが判る。摩擦抵抗が低くなると、クリーニング性に対する許容度がアップするが、余り下がりすぎると、クリーニングブレード10並びに現像剤がスリップを起こし、尾を引いた文字画像になり、また、感光体1上に付着したコロナ生成物が削除されにくくなるため、画像品質の低下を招く。即ち、摩擦抵抗Rfの下限値は約45gfより大きいことが確認されている。従って、摩擦抵抗Rfの好適な範囲は、45gf<Rf<200gfである。
【0189】
ただし、摩擦抵抗Rfは測定環境によって変わる。温度が高いと摩擦抵抗Rfは高くなる傾向がある。このことから、上述の摩擦抵抗Rfの好適な測定環境は温度15℃〜22℃、相対湿度55%RH〜65%RHである。
【0190】
[摩擦抵抗低減化手段]
感光体1の摩擦抵抗はクリーニング性不良の主要因となる。そこで、感光体1の摩擦抵抗を低減させるための摩擦抵抗低減化手段について説明する。
【0191】
感光体1の表面の摩擦抵抗Rfは、初期値(作像前)は比較的低い値(150gf〜350gf)を示すが、印刷を行う毎に上昇し、ついには800gfを超えるような高い値になる。摩擦抵抗Rfは200gfを超えると、球形トナーのクリーニング不良が発生しやすくなるため、上述した範囲の上限値200gf以下、望ましくは150gf以下に維持されることが望ましい。
【0192】
摩擦抵抗低減化手段としては、潤滑剤を感光体1の表層に付与する潤滑剤付与手段を用いる方法が最も確実に行える。潤滑剤付与手段としては、感光層の最表層1μm〜10μm程度の厚さに亘って潤滑剤を含有させる方法(内添法)、例えば、図12に示すようにクリーニングブラシや専用のブラシなどの回転ブラシ51を用い、この回転ブラシ51に押し付けられた潤滑剤52を間接的に付与する方法、又は、例えば図13に示すように、潤滑剤53を粉末の状態(又は、フィルムの状態)で、弾性部材54を利用して感光体1の表層に直接付与する方法(55は潤滑剤塗布部材である)、或いは、エアー状の潤滑剤を感光体表面に吹き付ける方法(外添法)、現像装置4の現像剤中に添加する方法などがあり、本実施の形態では何れの方法の潤滑剤付与手段でも使用できる。
【0193】
潤滑剤の付与目的には、摩擦抵抗Rfを減ずること以外に、感光体1の表面粗さ、クリーニングブレード10のエッジ10aの表面粗さを維持(劣化防止)することも含まれている。
【0194】
潤滑剤は感光体1の表層の画像品質低下、耐久性等の影響を及ぼさないものであれば、殆どの潤滑剤が使用可能であるが、特にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ステアリン酸亜鉛が有効である。これは少しの付与量でも簡単に摩擦抵抗Rfを低減化できる作用を有するためで、同じフッ素系樹脂でもPVdF(ポリフッ化ビニリデン)、PFA(四フッ化エチレン−フロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、ETFE(四フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂)などでは感光体1の表面に塗布しても、摩擦抵抗の低減性は不十分で、通常は200gf以上である。但し、感光体1の初期回転性を与える材料としては十分使用可能である。
【0195】
潤滑剤を感光体1に付与する場合には、均一に塗布するよりも不均一に塗布する方が画像流れなどの異常現象には有効である。潤滑剤の層が連続的な膜として感光体1の表層に形成されると、摩擦抵抗が低下しすぎとなり、帯電時のコロナ生成物が削り取られ難くなり、益々感光体1の表面の表面抵抗率の低抵抗化が進み画像品質が悪化する。
【0196】
潤滑剤を不均一に付与させるようにする、或いは不連続になるように維持されることによってコロナ生成物の連続膜を断ち切り、コロナ生成物を削り取りやすくすることができる。不均一に付与する手段としては、特に図示しないが、潤滑剤の付与量をコントロールしたり、クリーニングブレード10の当接圧の好適化、付与手段の適正化などによって行う。付与手段としては、潤滑剤のブラシに当接する力をコントロールして、ブラシを介して潤滑剤を感光体1に付与する方法、現像剤に潤滑剤を適当量添加して、感光体1に付与する。
【0197】
[現像剤]
次に、本実施の形態で使用する円形度の高い球形トナーについて説明する。トナーの製造法には主として粉砕法と重合法があるが、円形度の高い球形トナーは重合法で作製される。重合法には懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法、マイクロカプセル重合法、スプレードライ等がある。例えば、懸濁重合法の場合、バインダー樹脂に着色剤や帯電制御剤等の添加剤を均一化処理し、分散媒、分散剤を添加し重合して製造される。重合法は工程が簡素化されているため、粉砕法に比べ製造コストが安い。また、粒径が比較的良く揃っており、大小の粒径のトナーが選択的に製造可能であり、異形状の粒子が殆ど製造されない(殆どが球形トナーである)というメリットがある。
【0198】
重合法によって違いはあるが、総じてバラツキの少ない(例えば、±0.5μm)粒径のトナーが作製できる。従って、粒径がほぼ揃っているため、帯電を均一に揃えやすい。従って、潜像にほぼ忠実に現像され、高解像度を得られやすく、画像の再現性が高い。
【0199】
また、帯電性が比較的揃っているため、感光体1から被転写体9への転写効率は98%以上と高く画像品質特性が安定している。重合トナーの製造条件により異なった円形度のトナーが製造できるが、プリンタ(画像形成装置)にはほぼ球形(円形度が0.96〜0.99)のトナーが使用される。これは画像品質の高画質化に有利なためである。
【0200】
重合法で作製されたトナーは粉砕法で作製されたトナーに使用されるキャリアと同じものを使用することができる。キャリアの重量平均粒径は40μm〜80μm程度で、トナーとキャリアの混合割合はトナーが3重量%〜8重量%になるように混合して使用する。
【0201】
電子写真用の重合トナーは結着樹脂、着色剤、電荷制御剤を主成分とし、さらに離型剤を加えて製造される。
【0202】
重合法で作製されるトナーの製造法に使用される一般的な結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤、外添剤の例を示す。
【0203】
(1)結着樹脂
スチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン、ビニルヘキシルケトン、プロピオン酸ビニル、イソブチレン、クロロスチレンなどの重合体若しくは共重合体
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリプロピレン、スチレン−無水マレイン酸、ポリウレタン、エポキシ樹脂、変性ロジン等の公知の材料が使用できる。
【0204】
(2)着色剤
カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナー中、通常、1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0205】
本実施の形態のトナーには、必要に応じてトナーバインダー、着色剤とともに離型剤(ワックス)を含有させることができる。このワックスには従来公知の各種のものが使用できる。このようなものとしては、例えば、ポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);及びジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10cps〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は、通常0重量%〜40重量%であり、好ましくは3重量%〜30重量%である。
【0206】
(3)帯電制御剤
本実施の形態のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤としては公知の各種のものが使用できる。このようなものには、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物等が挙げられる。
【0207】
本実施の形態における帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2重量部〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0208】
(4)離型剤
脂肪族炭化水素、脂肪族金属塩類、脂肪酸エステル類、シリコーンオイル、各種ワックス類などの公知材料を使用することができる。
【0209】
離型剤は定着用樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部の割合で添加する。
【0210】
(5)外添剤
本実施の形態で得られた着色剤含有トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の1次粒子径は、5μm〜2μmであることが好ましく、特に5μm〜500μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20m2/g〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01重量%〜5重量%であることが好ましく、特に0.01重量%〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
【0211】
この他、高分子系微粒子を用いることができる。このようなものとしては、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0212】
このような外添剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においてもその流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルを好ましいものとして挙げることができる。
【0213】
なお、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。
【0214】
なお、上述した実施の形態の説明例では、プリンタへの適用例として説明したが、電子写真プロセスを利用して画像を形成する画像形成装置であればよく、例えば、図14に示すように、感光体1を中心とする前述したようなプリンタエンジン61に加えて、原稿の画像を読み取るためのスキャナ62を一体に備えるデジタル複写機(或いは、複合機ないしはファクシミリ装置)の場合にも同様に適用することができる。なお、図14において、スキャナ62は露光ランプ63、複数のミラー64〜66、結像レンズ67、CCD68等を備えて構成されている。また、69は原稿をコンタクトガラス70上に自動搬送させるADFである。
【0215】
また、プリンタエンジン61に関する構成も、図1に示した基本的構成例とは若干異なる例で図示しているが、本質的な違いはなく、相当する箇所は同一符号を用いて示すものとし、感光体1やクリーニング装置7等に関しては、前述した構成例が適用されている。
【0216】
また、プリンタ、複写機等の何れの場合であっても、感光体1は単一構成の場合に限らず、フルカラー用として複数個併用する構成の場合にも同様に適用することができる。
【0217】
さらに、プリンタ、複写機等の何れの場合であっても、感光体1周りの構成として、例えば、図15に示すように、感光体1と帯電装置2とクリーニング装置7と除電装置8とをカートリッジケース71内に一体に収納してプロセスカートリッジ72とし、このプロセスカートリッジ72をプリンタ(又は、複写機本体)内に着脱自在とした構成の場合にも同様に適用することができる。なお、プロセスカートリッジ72の構成例としては、図示例に限らず、例えば現像装置4もカートリッジケース71内に一体に含む構成であってもよい。要は、前述したような構成の感光体1とクリーニング装置7とが含まれていればよく、帯電装置2、現像装置4、除電装置8をカートリッジケース71内に一体に含むか否かは任意でよい。
【0218】
何れにしても、感光体1やクリーニング装置7を含めてプロセスカートリッジ72としてカートリッジ化することは、メンテナンスの面で有利であり、上述したような感光体1等の部品又は装置に起因した故障を起こした場合、プロセスカートリッジ72を交換するだけで、早期に現状回復させることができるため、サービス時間の短縮が行え、使用者の信頼性確保という大きなメリットがある。
【0219】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0220】
[有機感光体]
後述する各実施例、比較例の評価に使用する有機感光体を以下の手段で作製した。
【0221】
(1) タイプA有機感光体
φ30mm、長さ340mm、肉厚0.75mmに加工されたJIS規定3003系アルミニウム合金ドラムを導電性支持体として、下記仕様の下引き層(UL)用塗工液で浸漬塗工した後、120℃20分乾燥し約3.5μmの下引き層を形成した。次に、化1に記載の電荷発生材を用いた電荷発生層(CGL)用塗工液で浸漬塗工した後、120℃20分間加熱乾燥して、0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに、化2に記載の電荷輸送材を使用した電荷輸送層(CTL)用塗工液に浸積し、引き上げ速度条件を変化させ、電荷輸送層を塗工した後、130℃20分の加熱乾燥を行い、平均膜厚15μm、23μm、28μm、35μmと膜厚を変えた4種類の有機感光体を作製した。この3層構成の有機感光体をタイプA有機感光体とする。
【0222】
感光層の平均膜厚はフィッシャー社製の渦電流式膜厚計(タイプmms)を使用し、端部より50mmを起点として、20mm間隔で13ポイント測定した平均値である。下記記載の「部」は何れも重量部である。
【0223】
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業社製) 6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業社製) 4部
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40部
メチルエチルケトン 200部
〔電荷発生層用塗工液B〕
下記構造のビスアゾ顔料 10部
【0224】
【化1】
【0225】
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(帝人化成社製:Zポリカ Mv5万)10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 8部
【0226】
【化2】
【0227】
テトラヒドラフラン 200部
(2)タイプB有機感光体
次に、上記方法で作製した15μmと23μmのタイプA有機感光体の電荷輸送層(CTL)上に、下記仕様によるαアルミナフィラーを分散した電荷輸送層(フィラー分散電荷輸送層)を積層した有機感光体を作製した。
【0228】
バインダー樹脂(ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂)、低分子電荷輸送物質(ドナー)、添加剤及び1次粒径が0.3μmの下記無機フィラーを用意し、無機フィラーと分散助剤及び溶剤をガラスポットに入れ、ボールミルで24時間分散させて塗工液を作り、スプレー法を用いて2〜3回往復させ、フィラー分散電荷輸送層を塗工した。その後、150℃20分間加熱乾燥させて、3μm〜5μmのフィラー分散電荷輸送層を有する20μm及び28μmの有機感光体を作製した。これらの4層構成の感光体をタイプB有機感光体とする。
【0229】
[フィラー分散電荷輸送層塗工液]
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(帝人化成社製:Zポリカ Mv5万)10部
下記構造式化3の電荷輸送物質 7部
【0230】
【化3】
【0231】
アルミナフィラー(住友化学工業社製AA−03 α型、平均1次粒径:0.3μm) 5.7部
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
分散助剤:(BYK−P104 ビックケミージャパン製) 0.08部
作製した感光体の一覧を表1に示す。なお、有機感光体の表面粗さ(10点平均粗さRzJIS)は評価前の初期値を示し、測定器には東京精密社製のサーフコム1400D(ピックアップ:E−DT−S02A)を用いた。掃引幅は2.5mmである。
【0232】
【表1】
【0233】
[クリーニング部材]
(1) クリーニングブレード
クリーニングブレードはJIS−A硬度が各々77°、83°、及び89°で、厚みが2mmのポリウレタンゴム板を用意し、板厚1mmの鉄製支持基体にホットメルト接着剤で取り付けられたものである。支持基体の先端部から感光体に当接する先端部までの長さ(自由長)は7mmである。
【0234】
2種類のクリーニングブレードは評価機用の装置イマジオMF2200用、及びイプシオカラー8000用(何れもリコー社製)である。
【0235】
(2) クリーニングブラシ(ループブラシ)
繊維径15デニール、48フィラメント/450ループ、ループ長さ3mmのナイロン繊維製のベルトロン(久保田織物社製)、アクリル系繊維製のSA−7(東レ社製)を幅10mmのひも状にカットし、φ5mmの真鍮製ロッド棒に巻き付け接着剤を用いて貼り付け固定されたループクリーニングブラシを使用した。
【0236】
(3) 帯電部材
▲1▼ 接触帯電用の帯電部材
接触帯電用の帯電部材として、6mmの真鍮製ロット棒にカーボンを均一分散し、電気抵抗を6×105Ω・cm(100VDC印加時)に調整したエピクロルヒドリンゴムを3mmの厚さになるように塗布して研磨し、その層上にエピクロルヒドリンゴムにカーボン、シリカ、フッ素樹脂を分散し電気抵抗が(3〜5)×108Ω・cm(100VDC印加時)になるように調合したエピクロルヒドリンゴムを厚さ1mmに均一塗布して、φ14mm×314mm(有効帯電幅:312mm)の寸法形状にしたものである。
【0237】
▲2▼ 非接触帯電用の帯電部材
8mmの真鍮製ロット棒に電気抵抗が5.8×105Ω・cm(100VDC印加時)となるカーボン、シリカ、フッ素樹脂を分散したエピクロルヒドリンゴムを、厚さが1.5mmとなるように塗布したφ11mm×327mm(有効帯電幅:308mm)の帯電部材を作製した。この帯電部材の両端部から1.5mm内側に、厚さ49μm、幅8mm、長さ31mmの菱形にカットしたPET(ポリエチレンテレフタレート)を貼り付けスペーサーとした非接触帯電部材を作製した。感光体と帯電部材間の距離は約58μmであった。
【0238】
[実施例1〜3]
評価用の画像形成装置としてプロセスカートリッジ方式のイマジオMF2200機(リコー社製)、評価用の感光体として、10点平均粗さRzJISが0.143μmのサンプルNo.1(実施例1)のタイプA有機感光体、0.433μmのサンプルNo.4(実施例2)、及び、0.781μmのサンプルNo.6(実施例3)のタイプB有機感光体を各々用意した。
【0239】
感光体及びブレードエッジには、感光体の初期回転ロックを防止するために、現像剤として使用する球形トナーを感光体表層及びクリーニングブレードのエッジに十分に塗布した後、プロセスカートリッジに装着し、感光体が手で簡単に回転するようにした。その後、帯電部材の作製例に示す接触帯電用の帯電部材をセットしたプロセスカートリッジを評価機に装着した。
【0240】
静電潜像を現像するための現像剤には、乳化重合法を用いて作製された重量平均粒径が約6.3μm、平均円形度が0.972の球形トナー(リコー社製)に感光体の摩擦抵抗を減ずるステアリン酸亜鉛(SZ2000 堺化学社製)を0.018%添加したトナーと、重量平均粒径が約52μmのシリコーン樹脂を被膜したキャリア(リコー社製)をトナー濃度で6重量%になるように混合されたものを使用した。
【0241】
クリーニングブレードには、ブレードエッジの10点平均粗さRzJISが10μm以下で、JIS−A硬度が83°のポリウレタンブレードを自由長7mmとなるように支持基体に取り付けられた部材を使用し、当接圧は23gに設定した。
【0242】
評価方法は、帯電部材に約−1150Vの電圧を印加して、10サイクルチェック後、感光体の帯電電位Vdの設定値を約−650V(静電潜像形成前の帯電電位)にし、画像露光後の画像部の電位Vlを−110Vになるように画像露光用のLD素子の出力調整を行った。また、現像バイアス電位は−500Vとした。このような条件で所定の6%テストチャートを用い、2万枚の通紙(A4サイズ用紙)ランニングを実施した。画像評価にはコダック製図票A(JIS Z 6008)を4ヶ所に貼り付けたA3サイズの評価用テストチャートを使用し、A3サイズで作像性を評価した。
【0243】
結果を表2に示す。タイプA有機感光体、フィラーを添加した感光層を積層したサンプルNo.4及びサンプルNo.6のタイプB有機感光体は何れも2万枚の評価終了後、地肌汚れの発生は無くクリーニング性良好で、感光体及びブレードの表面粗さは何れも規定内に入っていることが確認され、良好な結果であった。また、表2には記載していないが、実施例1に記載の感光体では2万枚での摩耗量は約3μmの摩耗であったが、実施例2及び実施例3の感光体では、各々約1.1μm、0.8μmであり、感光体の機械的耐久性も確認された。
【0244】
【表2】
【0245】
なお、表の判定結果は以下の通りである。○:全くノイズ無く、画像品質共々良好、△:僅かに点状の線が見えるが、よく見ないと判らない程度、解像度等の劣化は殆ど無く、実用限度内。×:幅0.5〜2mm程度の黒筋が見える程度、解像度の画像品質低下は僅かに生じる程度で、実用外。××:2mm以上の黒帯がはっきりと見える状態(以下の評価についても同じとする)。
【0246】
[実施例4〜7]
10点平均粗さRzJISが0.139のサンプルNo.1(実施例4)のタイプA有機感光体、0.361のサンプルNo.3(実施例5)、0.588のサンプルNo.5(実施例6)及び0.878のサンプルNo.7(実施例7)のタイプB有機感光体、トナーにはステアリン酸亜鉛を0.025重量%添加した乳化重合法で作製された重量平均粒径が約6.3μm、平均円形度が0.972の球形トナー(リコー社製)を使用した。また、クリーニングブレードにはJIS−A硬度が89°のポリウレタンブレードを使用した。さらに、感光体の帯電電位は膜厚の薄いサンプルNo.3に合わせて、全て帯電電位を−550V(静電潜像形成前の帯電電位)とし、現像バイアスを−450Vに設定した。それ以外の条件については実施例1〜3に同じとした。
【0247】
結果を表3に示す。トナー中のステアリン酸亜鉛の添加量を上げることによって、感光体の摩擦抵抗が下がり、ブレードエッジの欠損量及び深さが減少し、クリーニングブレードに硬度が89°という高いブレードを使用しても、感光体の摺擦傷の発生度は少なく、コピー上にはクリーニング不良(トナー抜け)に伴う筋状模様も発生せず、解像度良好な画像が得られた。但し、実施例7に示す感光体だけは通紙ランニング後の感光体及びブレードエッジの表面粗さが大きくなった為に、2万枚程度ではまだ実用領域にあるが、微かにクリーニング不良を生じた。
【0248】
【表3】
【0249】
[比較例1〜3]
評価用の感光体には実施例1と同等のサンプルNo.1(比較例1)のタイプA有機感光体及びサンプルNo.4(比較例2)、サンプルNo.6(比較例3)のタイプB有機感光体を使用した。また、トナーにステアリン酸亜鉛無添加の球形トナーを用い、キャリアに対して6重量%混合した現像剤を用いた。感光体の初期回転をスムーズにするトナー塗布をはじめ、上記した以外の条件は実施例1〜3と同じとし評価を実施した。
【0250】
結果を表4に示す。現像剤にステアリン酸亜鉛を添加していないため、感光体の摩擦抵抗低減化が行われないため、初期10枚程度でクリーニング不良が少し起こり始めた。10枚複写後、感光体の摩擦抵抗を測定したところ300gf前後の値を示しており、既に許容値を越していた。このため、感光体とクリーニングブレードの摺擦でクリーニングブレードとの鳴き(高周波音)も発生した。このため50枚で評価を中止した。感光体の摺擦傷及びクリーニングブレードの表面粗さは増加していたが、評価枚数が少ないため劣化が進行するまでには到らなかった。
【0251】
【表4】
【0252】
[実施例8〜11]
評価機をイプシオカラー8000機(タンデム方式複写機、クリーニングブレード、クリーニングブラシ使用、リコー製)に代えて評価を実施した。感光体はマゼンタステーション及び、シアンステーションに各々搭載し、他の2ヶ所のステーションにはダミーの感光体を搭載した。
【0253】
イプシオカラー8000機用の帯電部材には非接触帯電部材を使用した。感光体と帯電部材間の隙間は53μm〜58μmであった。この帯電部材に直流電圧−680V、交流電圧1500V/1350Hzの交流電圧を重畳した直流電圧を印加し、感光体の表面電位を−600V(静電潜像形成前の帯電電位)に設定した。
【0254】
評価に使用する感光体には、サンプルNo.4(実施例8,9)及びサンプルNo.5(実施例10,11)に同等のタイプB有機感光体を使用した。
【0255】
クリーニングブラシはアクリル繊維系のSA−7(東レ社製)で作製されたものを使用し、クリーニングブラシを接地(実施例8,10)、又は800V/1000Hzの交流電圧(実施例9,11)印加とした。クリーニングブレードは別の実験で5000枚程度使用したもので、JIS−A硬度が77°のポリウレタンゴム部材を使用し、クリーニング部材の当接圧を25g/cmとした。
【0256】
トナーには重量平均粒径が0.523で、平均円形度が0.988の球形トナー(リコー社製)を使用し、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛(SZ2000、堺化学工業社製)をトナーに対して0.025重量%添加した。
【0257】
画像評価はパソコンから文字画像やライン等からなる画像信号を入力して行った。画像品質は解像度でなく1ドット再現性で評価した。
【0258】
結果を表5に示す。実施例8〜11に記載した作像条件ではクリーニングブラシに交流電圧を印加した方が、接地した場合より表面粗さ、摩擦抵抗などの特性値は悪い結果であったが、平均円形度が0.988と真球に近いほぼ球形のトナーであっても、良好なクリーニング性が達成でき、筋状模様も観測されなかった。また、1200dpiの1dot再現性も良好で、ムラはほとんど感じられなかった。
【0259】
【表5】
【0260】
[比較例4〜7]
評価用の画像形成装置としてプロセスカートリッジ方式のイマジオMF2200機(リコー社製)、評価用の感光体として、一度使用して表面粗さが大きい10点平均粗さRzJISが0.485μmのサンプルNo.1(比較例4)のタイプA有機感光体、0.98μmのサンプルNo.4(比較例5)及び0.688μmのサンプルNo.6(比較例6)のタイプB有機感光体を各々用意した。
【0261】
クリーニングブレードはJIS−A硬度が77°のポリウレタンブレードを自由長7mmとなるように支持基体に取り付けられた部材であり、2000枚〜5000枚程度使用されたブレードエッジの表面粗さ(欠損深さ)が68μm(比較例4)、48μm(比較例5)及び39μm(比較例6)のクリーニングブレードを当接圧は23gに設定した。
【0262】
前記した感光体表面及びブレードエッジには感光体の初期回転ロックを防止するために、現像剤として使用する球形トナーを感光体表層及び、クリーニングブレードのエッジに十分に塗布した後、プロセスカートリッジに装着し、感光体が手で簡単に回転するようにした。その後帯電部材の作製例に示す接触帯電用の帯電部材をセットしたプロセスカートリッジを評価機に装着した。
【0263】
現像剤には、乳化重合法を用いて作製された重量平均粒径が約6.3μm、平均円形度が0.968の球形トナー(リコー社製)に感光体の摩擦抵抗を減ずるステアリン酸亜鉛(SZ2000 堺化学社製)を0.015重量%添加したトナーと、重量平均粒径が約52μmのシリコーン樹脂を被膜したキャリア(リコー社製)をトナー濃度で7重量%になるように混合されたものを使用した。評価方法は実施例1〜3に記載の方法と同じとした。
【0264】
結果を表6に示す。感光体及びクリーニングブレードの初期に於ける表面粗さは共に規定内であったが、通紙ランニングと共に表面粗さが大きくなり、規定値を大幅に越えた。このため、球形トナーのクリーニング性不良を起こす条件が拡大したため、大幅なクリーニング不良が生じた。
【0265】
【表6】
【0266】
[実施例12〜13]
評価用の画像形成装置としてイプシオカラー8000機(クリーニングブレード、クリーニングブラシ使用、リコー社製)、評価用の感光体として、10点平均粗さRzJISが0.151μmのサンプルNo.1(実施例12)と同等のタイプA有機感光体、0.463μmのサンプルNo.4(実施例13)と同等のタイプB有機感光体を各々用意した。帯電部材は非接触帯電用で、接地したときの感光体との隙間は約58μm程度である。
【0267】
タイプA有機感光体はマゼンタステーション(実施例12)に、タイプB有機感光体はシアンステーション(実施例13)に各々セットした。
【0268】
感光体及びブレードエッジには、感光体の初期回転ロックを防止するために、予めPTFEの粉末(ルブロンL−5 ダイキン工業社製)を感光体に不織布(ハイゼガーゼ 旭化成社製)を軽く均一に塗布し、摩擦抵抗を50gf程度に低減化し、また、クリーニングブレードのエッジにも塗布した。
【0269】
静電潜像を現像するための現像剤には、乳化重合法を用いて作製された重量平均粒径が約5.2μm、平均円形度が0.991の球形トナー(リコー社製)に感光体の摩擦抵抗を減ずるステアリン酸亜鉛(SZ2000 堺化学社製)を0.02重量%添加したと、重量平均粒径が約52μmのシリコーン樹脂を被膜したキャリア(リコー社製)をトナー濃度で5重量%になるように混合されたものを使用した。
【0270】
クリーニングブレードには、ブレードエッジの10点平均粗さRzJISが10μm以下で、JIS−A硬度が77°のポリウレタンブレードを自由長7mmとなるように支持基体に取り付けられた部材を使用し、当接圧は20gに設定した。
【0271】
また、クリーニングブラシにはアクリル繊維系のSA−7(東レ社製)で作製されたものを使用し、クリーニングブラシは接地とした。
【0272】
評価方法は、帯電部材に−780Vの直流電圧に1200V/980Hzの交流電圧を重畳した電圧を印加して、10サイクルチェック後の感光体の帯電電位Vdの設定値を約−600V(静電潜像形成前の帯電電位)にし、画像露光後の画像部の電位Vlを−100Vになるように画像露光用のLD素子の出力調整を行った。また、現像バイアス電位は−500Vとした。画像評価はパソコンから文字画像やライン等からなる画像信号を入力して行った。評価枚数は5万枚である。
【0273】
結果を表7に示す。真球に近い高円形度のトナーを使用した場合でも、クリーニングブラシを使用することにより、実用上問題ないレベルでクリーニングが行われた。ただし、フィラーを添加した感光体ではブレードエッジの欠損が大きくなったために、平均円形度は0.991のトナーでは微かではあるが点線状のクリーニング不良の痕跡が見出された。しかし、このクリーニング不良は不均一な発生であり、5万枚は実用レベルと推測される。
【0274】
【表7】
【0275】
【発明の効果】
請求項1,19,34記載の発明によれば、感光体の10点平均粗さRzJISが、0.1μm≦RzJIS≦1.0μmであり、かつ、JIS−A硬度が略83°で、幅5mm、長さ325mm、厚さ2mm、自重4.58gのポリウレタン平型ベルトを感光体の円周方向に垂らし、一端に100gの荷重を掛けて、感光体に対する接触長さを3mm(接触面積15mm2)とし、他端側にデジタルフォースゲージを設置し、ポリウレタン平型ベルトが移動開始するときのデジタルフォースゲージの読取り値から荷重100gを引いた値を摩擦抵抗Rfとする条件で測定された感光体のポリウレタンゴムベルトとの摩擦抵抗Rfが、45gf<Rf<200gfであり、かつ、感光体にカウンター当接するクリーニングブレードのエッジの表面粗さが、70μm以下であり、感光体の表面粗さ(10点平均粗さ)、その摩擦抵抗、クリーニングブレードのエッジの表面粗さを最適値に規定したので、平均円形度が大きな球形トナーの場合であっても、良好なるクリーニング性を維持することができ、高品位画像を長期に亘って提供することができる。
【0276】
請求項2,20記載の発明によれば、摩擦抵抗は測定環境によって変わるが、この摩擦抵抗の値を規定するための測定環境に関しても好適な測定環境を規定することにより、摩擦抵抗の範囲を適正に規定することができる。
【0277】
請求項3,21記載の発明によれば、クリーニングブレードのエッジの表面粗さは感光体との密着性の関係から小さいほど望ましいが、余り小さいと、両者の摩擦抵抗の関係から密着度が高まりクリーニングブレードの動作がスムーズでなくなってしまうことから、クリーニングブレードのエッジの表面粗さの下限を10μmに規定することにより、実用範囲でクリーニング性の維持及びトナー抜け防止を図ることができる。
【0278】
請求項4,22記載の発明によれば、クリーニングブレードの硬度が高い程、感光体上の摩擦抵抗や異物に対する抵抗力があるため、スティックスリップ現象は起こりにくくなるが、余り高いと感光体に摺擦傷を付けるため、上限としては90°以下であることが望ましく、また、余り柔らかいと、感光体の表面抵抗との兼ね合いもあるが、スティックスリップ現象が起こりやすく、感光体上のスクラッチなどによっても歪みを生じやすくなるので、下限としては70°以上であることが望ましく、このような範囲に規定したので、感光体とクリーニングブレードとの密着性を十分に図ることができ、クリーニング性を長期に亘って安定維持することができる。
【0279】
請求項5,6,23,24記載の発明によれば、クリーニングブレードの当接圧が高くなるほど感光体を傷付けやすくなり、クリーニングブレードのエッジ劣化、さらにクリーニング不良へとつながるが、クリーニングブレードの当接圧を適正に設定することによって、好適なクリーニングを行うことができる。即ち、当接圧が10g/cmよりも軽くなると、感光体とクリーニングブレードとの間は少しの力でも隙間を作りやすくなり、クリーニング不良を起こしやすく、反面、40g/cmよりも重くなると、感光体に傷つけやすくなり、ブレードエッジの歪みやスティックスリップ現象を起こし易くなり、隙間からのトナー抜けを起こすことから、感光体のスクラッチを少なくして、クリーニング性を維持するためには、当接圧は低い方が望ましく、好適には10g/cm〜25g/cmとなり、よって、感光体への摺擦傷の形成を抑えながら、円形度の大きいトナーの場合であってもそのクリーニング性を良好に維持することができる。
【0280】
請求項7,25記載の発明によれば、潤滑剤の添加層を有する感光体以外の感光体では、表面の摩擦抵抗は通常250gfや350gf以上の摩擦抵抗を有するのが殆どであり、このような感光体を画像形成装置にセットして作像しようとしても、感光体が回転しないか、回転してもクリーニングブレードが反転し、感光体が著しく傷つき、画像品質の低下を起こし、同時にクリーニング不良を起こすことになるので、画像形成においては感光体及びクリーニングブレードに潤滑剤を塗布することは重要であり、本発明のように、クリーニングブレードのエッジ部分に潤滑剤が塗布されていることにより、スクラッチのような摺擦傷を形成しないため、初期よりクリーニング不良が起こるのを防止し、良好な画像品質を維持することができる。
【0281】
請求項8記載の発明によれば、平均円形度が0.96以上、0.998以下の真球に近いトナーの場合でも良好なるクリーニング性が維持されるので、シャープ性、均一性、コントラスト良好な高品位な画像を提供することが可能となり、併せて、転写性が良好なため、残トナーが減り、クリーニングブレードへの負担が軽くなるため、クリーニングブレードの耐久性が伸びるというメリットも得ることができる。
【0282】
請求項9,26記載の発明によれば、クリーニングブラシによりクリーニングブレードへのトナーの搬送量を減らすことができ、クリーニングブレードの負担を軽減させることができるので、クリーニングブレード単体ではクリーニングしにくい平均円形度が真球に近い球形トナーの場合でも、良好にクリーニングすることが可能となる。併せて、感光体上に異物が付着するのを抑制したり、異物付着に伴う摩擦抵抗の上昇も抑制することができる。また、ループ状繊維構造のクリーニングブラシを用いることにより、感光体に摺接傷を与えにくく、クリーニング性に優れている上に、導電性も有するので、ブラシが帯電しても放電しやすく、付着したトナーの電荷も放電させることができる。
【0283】
請求項10記載の発明によれば、クリーニングブラシ及び感光体からのトナー離れが良くなるため、感光体へのトナーの再付着、及び、クリーニングブレードへのトナーの突入量を少なくすることができ、よって、ほぼ球形のトナーであっても良好にクリーニングすることができる。
【0284】
請求項11,27記載の発明によれば、潤滑剤の添加層を有する感光体以外の感光体では、表面の摩擦抵抗は通常250gfや350gf以上の摩擦抵抗を有するのが殆どであるが、感光体の摩擦抵抗を低減化させる摩擦抵抗低減化手段を備えるので、感光体表面の摩擦抵抗を容易に、要求される摩擦抵抗の範囲45gf<Rf<200gfに設定することができる。
【0285】
請求項12,28記載の発明によれば、摩擦抵抗低減化手段を、感光体の表層に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段として構成することにより、請求項11,27記載の発明を容易に実現することができる。
【0286】
請求項13,29記載の発明によれば、潤滑剤の層が連続的な膜として感光体の表層に形成されると、摩擦抵抗が低下しすぎとなり、帯電時のコロナ生成物が削り取られ難くなり、益々感光体表面の表面抵抗率の低抵抗化が進み画像品質が悪化することとなるので、潤滑剤を感光体に付与する場合には、均一に塗布するよりも不均一に塗布する方が画像流れなどの異常現象に対して有効にすることができる。
【0287】
請求項14,30記載の発明によれば、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛又はフッ素系樹脂を用いることにより、感光体の表層の画像品質低下、耐久性等に影響を及ぼさず、好適となる。
【0288】
請求項15,31記載の発明によれば、有機感光体はクリーニングブレードや現像剤の摺擦で削れやすく、また、帯電にはオゾンやNOxなどの汚染物質を生成する帯電部材が使用されているために、感光体表面に付着することによって、画像品質の低下が生じるために一定の摩耗が必要であるが、請求項1ないし14,19ないし30の何れか一記載の発明を適用することにより、良好な画像品質の維持が可能となる。
【0289】
請求項16,32記載の発明によれば、感光体の表層に高硬度の微粒フィラーを均一分散した感光層であるフィラー含有電荷輸送層を形成したので、感光体の光感度を低下させずに感光体の耐久化が図ることが可能となり、良好なクリーニング性を維持しつつ画像品質の安定化を達成することができる。
【0290】
請求項17,33記載の発明によれば、請求項16,32記載の発明を実施する上で、フィラー含有電荷輸送層の適正構成が明らかとなる。
【0291】
請求項18記載の発明によれば、帯電装置による帯電条件を規定することにより、安定した帯電特性及び画像形成に必要かつ十分な静電潜像が形成できるため、クリーニング性も良好であり、長期に亘ってSN比が良好な画像品質を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のプリンタにおけるその電子写真プロセスの基本構成を示す概略側面図である。
【図2】感光体の断面層構成を示す断面図である。
【図3】フィラー含有電荷輸送層を有する感光体の断面層構成を示す断面図である。
【図4】クリーニングブレード構成例を示す側面図である。
【図5】他のクリーニングブレード構成例を示す側面図である。
【図6】さらに他のクリーニングブレード構成例を示す側面図である。
【図7】平型形状のクリーニングブレードをカウンター当接させた例を示す側面図である。
【図8】ナイフエッジ形状のクリーニングブレードをカウンター当接させた例を示す側面図である。
【図9】摩擦抵抗をパラメータとしてクリーニングブレードのエッジの表面粗さとクリーニング性との関係を示す特性図である。
【図10】摩擦抵抗の値を規定するための測定装置の構成例を示す概略図である。
【図11】感光体表面の10点平均粗さをパラメータとして摩擦抵抗に対するクリーニング性を示す特性図である。
【図12】潤滑剤付与手段の一例を示す側面図である。
【図13】潤滑剤付与手段の他例を示す側面図である。
【図14】複写機構成例を示す概略的な縦断正面図である。
【図15】プロセスカートリッジ構成例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電装置
4 現像装置
5 転写装置
7 クリーニング装置
9 被転写体
10 クリーニングブレード
10a エッジ
11 クリーニングブラシ
14 帯電部材
21 導電性支持体
22 下引き層
24 電荷輸送層
25 フィラー含有電荷輸送層
41 ポリウレタン型平型ベルト
43 デジタルフォースゲージ
71 カートリッジケース
Claims (34)
- 少なくとも導電性支持体、下引き層及び感光層から構成される感光体と、この感光体に電荷を付与する帯電装置と、前記感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置と、前記感光体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写装置と、転写後の前記感光体上のトナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置とを備えて電子写真プロセスに従い画像形成を行う画像形成装置において、
前記感光体の10点平均粗さRzJISが、0.1μm≦RzJIS≦1.0μmであり、
かつ、JIS−A硬度が略83°で、幅5mm、長さ325mm、厚さ2mm、自重4.58gのポリウレタン平型ベルトを前記感光体の円周方向に垂らし、一端に100gの荷重を掛けて、前記感光体に対する接触長さを3mm(接触面積15mm2)とし、他端側にデジタルフォースゲージを設置し、前記ポリウレタン平型ベルトが移動開始するときの前記デジタルフォースゲージの読取り値から荷重100gを引いた値を摩擦抵抗Rfとする条件で測定された前記感光体のポリウレタンゴムベルトとの摩擦抵抗Rfが、45gf<Rf<200gfであり、
かつ、前記感光体にカウンター当接する前記クリーニングブレードが、70μm以下の表面粗さのエッジを有する、ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記摩擦抵抗Rfの測定環境は、温度15℃〜22℃、湿度55%RH〜65%RHであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブレードの前記エッジの表面粗さが、10μm以上、70μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記感光体に当接する前記クリーニングブレードの前記エッジ部分の硬度が、JIS−A硬度で70°〜90°であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブレードは、10g/cm〜40g/cmの当接圧で前記感光体にカウンター当接することを特徴とする請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブレードは、10g/cm〜25g/cmの当接圧で前記感光体にカウンター当接することを特徴とする請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記感光体に当接する前記クリーニングブレードの前記エッジ部分に潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記トナーは、その平均円形度が0.96以上、0.998以下の形状のトナーであることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング装置は、前記クリーニングブレードに加えて、このクリーニングブレードよりも前記感光体回転方向上流側に配設されて導電性を有するループ状繊維からなるクリーニングブラシを備えることを特徴とする請求項1ないし8の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブラシは、当該クリーニングブラシに電圧を供給する電源、又は、当該クリーニングブラシを接地する電気回路に接続されていることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
- 前記摩擦抵抗Rfを45gf<Rf<200gfの範囲内に維持するために前記感光体の摩擦抵抗を低減化させる摩擦抵抗低減化手段を備える請求項1ないし10の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記摩擦抵抗低減化手段は、前記感光体の表層に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段よりなることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
- 前記潤滑剤付与手段は、前記感光体の表層に潤滑剤を不均一に塗布することを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
- 前記潤滑剤が、ステアリン酸亜鉛又はフッ素系樹脂であることを特徴とする請求項12又は13記載の画像形成装置。
- 前記感光体の電荷輸送層は、有機感光層であることを特徴とする請求項1ないし14の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記感光体の電荷輸送層は、フィラーを含有しない電荷輸送層と、フィラーを含有したフィラー含有電荷輸送層との2層から構成されていることを特徴とする請求項1ないし14の何れか一記載の画像形成装置。
- 前記フィラー含有電荷輸送層を構成するフィラーの重量平均粒径が0.2μm〜0.7μmであり、フィラーの含有量が当該フィラー含有電荷輸送層全重量の10重量%〜30重量%であることを特徴とする請求項16記載の画像形成装置。
- 前記帯電装置は、当該帯電装置が有する帯電部材に直流電圧、又は、交流電圧を重畳した直流電圧が印加されて、静電潜像形成前の帯電電位を400V〜800Vに設定して画像形成を行うことを特徴とする請求項1ないし17の何れか一記載の画像形成装置。
- 少なくとも導電性支持体、下引き層及び感光層から構成される感光体と、この感光体に電荷を付与する帯電装置と、前記感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置と、転写後の前記感光体上のトナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置との電子写真プロセス部材のうち、
前記感光体の10点平均粗さRzJISが、0.1μm≦RzJIS≦1.0μmであり、
かつ、JIS−A硬度が略83°で、幅5mm、長さ325mm、厚さ2mm、自重4.58gのポリウレタン平型ベルトを前記感光体の円周方向に垂らし、一端に100gの荷重を掛けて、前記感光体に対する接触長さを3mm(接触面積15mm2)とし、他端側にデジタルフォースゲージを設置し、前記ポリウレタン平型ベルトが移動開始するときの前記デジタルフォースゲージの読取り値から荷重100gを引いた値を摩擦抵抗Rfとする条件で測定された前記感光体のポリウレタンゴムベルトとの摩擦抵抗Rfが、45gf<Rf<200gfであり、
かつ、前記感光体にカウンター当接する前記クリーニングブレードが、70μm以下の表面粗さのエッジを有し、
少なくとも前記感光体と前記クリーニング装置とをカートリッジケース内に一体に収納し、画像形成装置内に着脱自在に装着されることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 前記摩擦抵抗Rfの測定環境は、温度15℃〜22℃、湿度55%RH〜65%RHであることを特徴とする請求項19記載のプロセスカートリッジ。
- 前記クリーニングブレードの前記エッジの表面粗さが、10μm以上、70μm以下であることを特徴とする請求項19又は20記載のプロセスカートリッジ。
- 前記感光体に当接する前記クリーニングブレードの前記エッジ部分の硬度が、JIS−A硬度で70°〜90°であることを特徴とする請求項19ないし21の何れか一記載のプロセスカートリッジ。
- 前記クリーニングブレードは、10g/cm〜40g/cmの当接圧で前記感光体にカウンター当接することを特徴とする請求項19ないし22の何れか一記載のプロセスカートリッジ。
- 前記クリーニングブレードは、10g/cm〜25g/cmの当接圧で前記感光体にカウンター当接することを特徴とする請求項19ないし22の何れか一記載のプロセスカートリッジ。
- 前記感光体に当接する前記クリーニングブレードの前記エッジ部分に潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項19ないし24の何れか一記載のプロセスカートリッジ。
- 前記クリーニング装置は、前記クリーニングブレードに加えて、このクリーニングブレードよりも前記感光体回転方向上流側に配設されて導電性を有するループ状繊維からなるクリーニングブラシを備えることを特徴とする請求項19ないし25の何れか一記載のプロセスカートリッジ。
- 前記摩擦抵抗Rfを45gf<Rf<200gfの範囲内に維持するために前記感光体の摩擦抵抗を低減化させる摩擦抵抗低減化手段を備える請求項19ないし26の何れか一記載のプロセスカートリッジ。
- 前記摩擦抵抗低減化手段は、前記感光体の表層に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段よりなることを特徴とする請求項27記載のプロセスカートリッジ。
- 前記潤滑剤付与手段は、前記感光体の表層に潤滑剤を不均一に塗布することを特徴とする請求項28記載のプロセスカートリッジ。
- 前記潤滑剤が、ステアリン酸亜鉛又はフッ素系樹脂であることを特徴とする請求項28又は29記載のプロセスカートリッジ。
- 前記感光体の電荷輸送層は、有機感光層であることを特徴とする請求項19ないし30の何れか一記載のプロセスカートリッジ。
- 前記感光体の電荷輸送層は、フィラーを含有しない電荷輸送層と、フィラーを含有したフィラー含有電荷輸送層との2層から構成されていることを特徴とする請求項19ないし30の何れか一記載のプロセスカートリッジ。
- 前記フィラー含有電荷輸送層を構成するフィラーの重量平均粒径が0.2μm〜0.7μmであり、フィラーの含有量が当該フィラー含有電荷輸送層全重量の10重量%〜30重量%であることを特徴とする請求項32記載のプロセスカートリッジ。
- 少なくとも導電性支持体、下引き層及び感光層から構成される感光体と、この感光体に電荷を付与する帯電装置と、前記感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置と、前記感光体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写装置と、転写後の前記感光体上のトナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置とを備え電子写真プロセスに従い画像形成を行う画像形成方法において、
前記感光体の10点平均粗さRzJISを、0.1μm≦RzJIS≦1.0μmとし、
かつ、JIS−A硬度が略83°で、幅5mm、長さ325mm、厚さ2mm、自重4.58gのポリウレタン平型ベルトを前記感光体の円周方向に垂らし、一端に100gの荷重を掛けて、前記感光体に対する接触長さを3mm(接触面積15mm2)とし、他端側にデジタルフォースゲージを設置し、前記ポリウレタン平型ベルトが移動開始するときの前記デジタルフォースゲージの読取り値から荷重100gを引いた値を摩擦抵抗Rfとする条件で測定された前記感光体のポリウレタンゴムベルトとの摩擦抵抗Rfを、45gf<Rf<200gfとし、
かつ、前記感光体にカウンター当接する前記クリーニングブレードのエッジの表面粗さを、70μm以下とする、条件下で画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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