JP2003021920A - 電子写真感光体並びにそれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体並びにそれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003021920A
JP2003021920A JP2001208694A JP2001208694A JP2003021920A JP 2003021920 A JP2003021920 A JP 2003021920A JP 2001208694 A JP2001208694 A JP 2001208694A JP 2001208694 A JP2001208694 A JP 2001208694A JP 2003021920 A JP2003021920 A JP 2003021920A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単色ハーフトーン画像においては濃淡ムラ
が、フルカラー画像においては、色調ムラがそれぞれ発
生せず、良好な画像が得られる電子写真感光体、画像形
成装置、プロセスカートリッジを提供すること 【解決手段】導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
電荷輸送層とを該導電性支持体側から順次積層してなる
電子写真感光体において、該電荷輸送層の近隣の凹凸部
の膜厚差を1.8μm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体及
びそれを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジに
関する。
【0002】
【従来技術】従来、電子写真感光体用の光導電性素材と
して、Se、CdS、ZnO等の無機材料が用いられて
きたが、光感度、熱安定性、毒性等の問題があることか
ら、近年では有機光導電性材料を用いた電子写真感光体
の開発が盛んに行われており、電荷発生材料および電荷
輸送材料を含有する感光層を有する有機電子写真感光体
がすでに実用化されるに到っている。
【0003】ところで、有機電子写真感光体は、感光層
を電荷発生材料と電荷輸送材料とを含む単一の層から構
成してもよいが、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層
(CTL)とを積層したタイプの方が感光材料の選択性
の幅が拡がり、また機能分離型であることから、効率よ
く電荷の発生・移動が行われるためにより望ましいもの
とされている。
【0004】一方、画像形成装置においては、レーザー
プリンター、デジタル複写機等の半導体レーザーを光源
とする電子写真装置の出現、さらに高画質、高解像度の
観点から、より短波長、小ビームスポットのレーザー光
露光、多段階光量露光による小径静電潜像形成が実用化
されてきている。
【0005】また、電子写真装置では、市場からの要求
に伴い、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーの
ものが多くなってきている。カラー電子写真装置は、複
数色のトナーを順次重ね合わせることでフルカラー画像
を形成するため、単色ではあまり目立たない異常画像で
あっても、それらが重ね合わされることによってより顕
著に表れる傾向が強い。特に濃度ムラは重ね合わされる
ことでムラの部分が色調のムラとしても認識されるた
め、特に要求が厳しい。
【0006】しかし、このような機能分離型の有機電子
写真感光体を用い、レーザー光で潜像形成を行うデジタ
ル方式の画像形成装置において、網点によるハーフトー
ン画像を出力した際に、ハーフトーン濃度ムラが発生す
る現象がしばしば見られていた。このような異常画像
は、可干渉光を用いて書き込みが行われた際に、書き込
み光の散乱が不十分な場合に見られる干渉縞(モアレ)
画像が知られている。従来より干渉縞画像を抑制するた
めに、下引き層に微粒子を含有させたり導電性支持体表
面を粗面化して反射光を散乱させる方法や、感光体表面
を研磨したり、微粒子を含有させたりして粗面化する方
法が行われているが、これらの方法によっても解消され
ない濃度ムラも発生していた。この濃度ムラはモアレに
みられる縞模様とは明らかに異なるもので、解像度が高
く、形成される網点が小さいほどより濃淡差がはっきり
するものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記実情に
鑑みてなされたもので、デジタル方式の画像形成装置に
おいても、ハーフトーン画像の濃淡ムラが発生すること
がない画像形成装置、プロセスカートリッジを提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために研究を重ねた結果、導電性支持体上に
少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を支持体側からこの
順に順次積層してなる電子写真感光体において、該電荷
輸送層の近隣の凹凸部の膜厚差を1.8μm以下とする
ことにより、上記目的が達成されることを見出して、本
件発明を完成させたものである。
【0009】すなわち、本件発明は次の態様からなるも
のである。 (1)導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有
する層と電荷輸送物質を含有する層を順次積層した電子
写真感光体と、レーザー光を用いた露光手段と、該レー
ザー光露光によって形成される静電潜像部にトナー像を
形成する反転現像手段を有する画像形成装置において、
該画像形成装置が静電潜像の面積階調を用いて中間調画
像を表現するデジタル方式の画像形成装置であって、前
記電子写真感光体の電荷輸送物質を含有する層の近隣の
凹凸部の膜厚差を1.8μm以下としたことを特徴とす
る画像形成装置。 (2)前記電子写真感光体の最表層に少なくともシリコ
ーンオイル系レベリング剤を含有することを特徴とする
上記(1)に記載の画像形成装置。 (3)前記電子写真感光体の電荷輸送物質を含有する層
が、少なくとも結着樹脂と電荷輸送物質とからなる電荷
輸送層と、少なくとも結着樹脂と電荷輸送物質とフィラ
ーを含有する保護層とからなることを特徴とする上記
(1)又は(2)に記載の電子写真感光体。 (4)前記電子写真感光体の表面層の摩耗率(最表層の
摩耗量/感光体走行距離)が1.50×10-11以下で
あることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の画像
形成装置。 (5)前記画像形成装置が複数色のトナー画像を順次重
ね合わせてカラー画像を形成するカラー画像形成装置で
あることを特徴とする上記(1)〜(4)に記載の画像
形成装置。 (6)画像形成装置が複数の電子写真感光体を具備して
なり、それぞれの電子写真感光体上に現像された単色の
トナー画像を順次重ね合わせてカラー画像を形成するこ
とを特徴とする上記(4)又は(5)に記載の画像形成
装置。 (7)前記画像形成装置が、電子写真感光体上に現像さ
れたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該
中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中
間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のト
ナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像
を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写す
ることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の画像
形成装置。 (8)前記中間転写体がシームレスベルト状でかつ、ベ
ルトの全層又はベルトの一部を弾性部材にした弾性ベル
トであることを特徴とする上記(7)に記載の画像形成
装置。 (9)上記(4)〜(8)のいずれかに記載の画像形成
装置に用いられるプロセスカートリッジ。
【0010】以下、本発明の構成及び効果について詳細
に説明する。本発明の発明者らは、前記ハーフトーン画
像における濃淡ムラの原因について検討を重ねた結果、
電荷輸送物質を含有する層の膜厚差が大きいと、その膜
厚の大きい部位と小さい部位において、濃度差が生じ、
濃淡ムラとなって認識されることを見出した。すなわ
ち、電荷輸送層の膜厚が大きい部分はハーフトーン画像
の濃度は濃く、逆に膜厚の小さいところはハーフトーン
画像の濃度は薄くなっていた。また、濃淡ムラが顕著に
認識されるのは、比較的近隣に前記濃淡ムラが表れる場
合であり、ある程度離れた部位において濃度差があって
もそれは濃淡ムラとしては認識されず、また、前記膜厚
の差が小さいと濃度差も小さく、やはり濃淡ムラとして
認識されないことも明らかになった。ここで、電荷輸送
物質を含有する層の膜厚が大きい部分は濃度が濃くな
り、膜厚が小さい部分は濃度が薄くなる理由は明確には
わかっていないが、以下のようなことが原因ではないか
と考えられる。
【0011】一般に積層型電子写真感光体は、帯電を行
ったときの表面電位と表面電荷量は原点を通る直線関係
にあるので、平版コンデンサーモデルを適用して感光体
の見かけの静電容量C=Q/V(C:静電容量、Q:電
荷量、V:表面電位)、C=εε0/d(ε:比誘電
率、ε0:真空誘電率、d:感光層膜厚)が得られる。
静電容量は感光層の膜厚dと反比例の関係にあることか
ら、膜厚dが大きい部位は静電容量が小さく、逆に膜厚
dが小さい部位は静電容量が大きい。ここで表面電位が
同じ場合(V=一定)、静電容量が大きい部位(膜厚の
小さい部位)は表面電荷量が大きく、静電容量が小さい
部位(膜厚の大きい部位)は表面電荷量が小さい。その
ため、静電容量の大きい部位と静電容量の小さい部位で
は露光量あたりの減衰電位量、いわゆる感度が異なる。
つまり、わずかではあるが静電容量の大きい部位では感
度は高くなり、静電容量の小さい部位では感度は低くな
る。
【0012】ところで、デジタル方式の中間調再現法と
しては、面積階調によるものが用いられることが多い。
また、階調性を上げるためにはマトリックスの中のドッ
ト数を多くすることが行われているが、これを達成する
ために画像露光光源に半導体レーザーを用い、半導体レ
ーザーの光出力は一定にしてパルス幅を変調し、1ドッ
トを多値化する方法がとられている。パルス幅変調はレ
ーザー出力の発振時間を制御することによって階調を出
すもので、安定性に優れている。
【0013】ところが、このような半導体レーザーの光
エネルギーはレーザースポットの中心が一番高く、周辺
に行くに従って低くなるという分布を持っている。その
ため、感光体表面にレーザー光によって書き込みがなさ
れた際に、スポットの周辺は中央に比べて光エネルギー
が小さい。ここで、前記感光体の感度の高い部位と感度
の低い部位とでは、その差がわずかであっても、前記周
辺部の光エネルギーの小さい部分の表面電位の減衰量に
差が生じるため、レーザースポット面積に占める、表面
電位が現像バイアス以下まで減衰する面積の割合が異な
ってくる。具体的には、感度の高い部位ではレーザース
ポット周辺の比較的光エネルギーの弱い部分も現像バイ
アス以下まで電位が低下するため、レーザースポット中
の現像バイアス以下の電位を持つ面積は大きく、逆に感
度が低い部位では、レーザースポット周辺の光エネルギ
ーの小さい部分は現像バイアス以下まで表面電位が低下
しないため、その分面積は小さくなる。さらに解像度が
高くなると、感光体表面面積あたりのスポット数が増
え、一つ一つのスポットの面積が小さくなる。その結
果、パルス幅変調方式では、パルス幅を短くすることが
必要になり、そのような場合、光エネルギーのピーク値
が下がり、レーザースポット中の光エネルギーの弱い部
分の占める割合が大きくなる。そのため、前記の面積の
差がより顕著になると考えられる。
【0014】そこで、本発明におけるように、導電性支
持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する層と電荷輸
送物質を含有する層を順次積層した電子写真感光体と、
レーザー光を用いた露光手段と、該レーザー光露光によ
って形成される静電潜像部にトナー像を形成する反転現
像手段を有する画像形成装置において、該画像形成装置
が静電潜像の面積階調を用いて中間調画像を表現するデ
ジタル方式の画像形成装置であって、前記電子写真感光
体の電荷輸送物質を含有する層の近隣の凹凸部の膜厚差
を1.8μm以下とすることにより、前記濃淡ムラを抑
え、良好な画像を得ることができた。
【0015】前述のような理由で濃淡ムラが発生してい
るとすると、前記電荷輸送層の近隣の凹凸部の膜厚差を
0μmとすることができれば、理論的には濃淡ムラは発
生しないことになる。しかし、現実的には塗工設備の能
力や精度の限界、塗工環境の変動、塗工液の処方等の影
響などによって、膜厚差を0μmとするのは非常に難し
く、濃淡ムラの異常画像が発生しない程度の膜厚差であ
れば良品とする方が実用的である。従って、凹凸部の膜
厚差の範囲としては、0μm〜1.8μm、より好まし
くは0.2μm〜1.0μmであることが望ましい。
【0016】ここで、電荷輸送物質を含有する層の近隣
の凹凸部の膜厚差について、その定義と測定方法につい
て説明する。 「近隣の凹凸部の膜厚差」について 前述したとおり、膜厚差によってハーフトーン画像に濃
度差が生じるが、その濃度差をムラとして認識するため
には、濃度差が比較的狭い範囲で急激に変化している必
要がある。発明者らが、濃度差が認識される条件につい
て検討を重ねた結果、5〜50mmの範囲に濃度の高い
部分と低い部分とが存在すると濃淡ムラとして認識され
ることがわかった。すなわち、ここで言う近隣の凹凸と
は、5〜50mmの範囲に含まれる膜厚の大きい部位と
小さい部位を表す。
【0017】「電荷輸送層の膜厚測定法」について 次に近隣の凹凸部の膜厚の測定方法について説明する。
膜厚の測定は適当な計測器を用いて、有効画像形成範囲
全体を一定の測定間隔で測定する。測定間隔としては、
0.5〜5mm程度が好ましく、後述の規定長さの1/
5〜1/10程度とする。測定点の規定長さ内での最大
値と最小値の差を算出し、以下、測定点を1点ずつずら
しながら、同様にして最大値と最小値の差を算出する。
規定長さとしては、前述の濃淡ムラが認識される範囲を
設定することが望ましく、すなわち、5〜50mmとす
ることが好ましい。
【0018】膜厚を測定する計測器としては、公知のも
のを用いることができる。例えば、渦電流膜厚計、表面
粗さ計、段差計、光干渉式膜厚計や、光学顕微鏡、電子
顕微鏡で断面を観察する方法なども用いることが出来
る。なかでも、渦電流式膜厚計は非破壊測定が可能で、
測定点の調整も容易であることから、好ましく用いるこ
とができる。
【0019】以下、図面に沿って本発明をさらに詳細に
説明する。第1図は本発明の電子写真用感光体の模式断
面図であり、導電性基体上に電荷発生層、電荷輸送層を
積層して構成される機能分離型の感光層を有するもので
ある。第2図は、導電性支持体と、電荷発生層及び電荷
輸送層からなる感光層の間に下引き層を有するものであ
る。第3図は、第1図に示された電子写真感光体の電荷
輸送層の上に保護層を積層したものである。
【0020】以下では、本発明の電子写真用感光体を構
成する各要素について説明する。導電性支持体について 支持体としては、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性
を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロ
ム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化ス
ズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはス
パッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラ
スチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板
およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管
化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管など
を使用することができる。また、特開昭52−3601
6号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エン
ドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いるこ
とができる。
【0021】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明
の導電性支持体31として用いることができる。この導
電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、
銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、
ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。
【0022】また、同時に用いられる結着樹脂には、ポ
リスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン
酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
カーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース
樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、
アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹
脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が
挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉
体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラ
ン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンな
どに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)
などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チュー
ブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電
性支持体として良好に用いることができる。
【0023】電荷発生層について 電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要
に応じてバインダ−樹脂を用いることもある。電荷発生
物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることが
できる。無機系材料としては、結晶セレン、アモルファ
ス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲ
ン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等
が挙げられる。アモルファス・シリコンとしては、ダン
グリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でタ−ミネ−
トしたものや、ホウ素原子、リン原子等をド−プしたも
のが良好に用いられる。
【0024】一方、有機系材料としては、公知の材料を
用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバ
ゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
【0025】電荷発生層に必要に応じて用いられる結着
樹脂(バインダー樹脂)としては、ポリアミド、ポリウ
レタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカ−ボネ−
ト、ポリアリレート、シリコ−ン樹脂、アクリル樹脂、
ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポリビ
ニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾ
−ル、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらの
バインダ−樹脂は、単独または2種以上の混合物として
用いることが出来る。また、必要に応じて低分子電荷輸
送物質を添加してもよい。
【0026】電荷発生層に併用できる電荷輸送物質には
電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。電子輸送物質と
しては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラ
シアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,
7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−
テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキ
サントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ
〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−ト
リニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドな
どの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物
質は、単独または2種以上の混合物として用いることが
できる。正孔輸送物質としては、以下に表される電子供
与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえば、オ
キサゾ−ル誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、イミダゾ
−ル誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジ
エチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−
(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリル
アントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾ
ン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ−ル誘導
体、トリアゾ−ル誘導体、フェナジン誘導体、アクリジ
ン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾ−ル誘
導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正
孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用い
ることが出来る。
【0027】電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結
着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散
剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤
が含まれていても良い。
【0028】電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜
作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく
挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロ−放電
分解法、イオンプレ−ティング法、スパッタリング法、
反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上
述した無機系材料、有機系材料が良好に形成出来る。ま
た、キャスティング法によって電荷発生層を設けるに
は、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要
ならばバインダ−樹脂と共にテトラヒドロフラン、シク
ロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン
などの溶媒を用いてボ−ルミル、アトライタ−、サンド
ミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布す
ることにより、形成出来る。塗布は、浸漬塗工法やスプ
レ−コ−ト法、ビ−ドコ−ト法などを用いて行なうこと
が出来る。以上のようにして設けられる電荷発生層の膜
厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは
0.05〜2μmである。
【0029】電荷輸送層について 電荷輸送層は、電荷輸送成分と結着樹脂としてのバイン
ダ−成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な
溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することに
より形成出来る。電荷輸送層の膜厚は、10〜100μ
m程度が適当であり、解像力が要求される場合、10〜
30μm程度が適当である。
【0030】本発明において、バインダー成分として用
いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリ
スチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチ
レン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸
共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル
/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸
セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエ
ン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
の高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、
また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができ
る。
【0031】電荷輸送物質として用いることのできる材
料としては、上述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送
物質が挙げられる。電荷輸送物質の使用量は高分子化合
物100重量部に対して20〜200重量部、好ましく
は50〜100重量部程度である。
【0032】電荷輸送層塗工液を調製する際に使用でき
る分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、ア
セトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチル
セロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなど
の芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハ
ロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等
を挙げることができる。
【0033】更に、電荷輸送層が感光体の最表面層にな
る場合には、電荷輸送層の表面部位にフィラ−材料を含
有してもよい。フィラー材料としては、有機性フィラー
材料と無機性フィラー材料とがあり、有機性フィラ−材
料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ
素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カ−ボン粉末等
が挙げられ、無機性フィラ−材料としては、銅、スズ、
アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸
化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウ
ム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、
アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化イ
ンジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウ
ム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カ
リウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これら
のフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を
用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。特に、
シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。ま
た、これらのフィラ−材料は単独もしくは2種類以上を
混合して用いられる。
【0034】これらのフィラ−材料は、電荷輸送物質や
結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることに
より分散できる。また、フィラ−の一次粒径の平均は、
0.01〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.5μ
mであることが電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から
好ましい。また、これらのフィラーを電荷輸送層全体に
含有させることも可能であるが、露光部電位が高くなる
ような場合があるため、電荷輸送層の最表面側が最もフ
ィラー含有率が高く、支持体側が低くなるようにフィラ
ー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、支
持体側から表面側に向かい、フィラー濃度が順次高くし
たりするような構成にすることが好ましい。
【0035】さらに、本発明における電荷輸送層の膜厚
の凹凸を低減するための方法としては、例えば、レベリ
ング剤を添加する方法などが有効である。レベリング剤
としては、公知の材料を用いることができるが、微量で
高い平滑性を付与することができ、静電特性に対する影
響が小さい、シリコーンオイル系のレベリング剤がとく
に好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチル
シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、
メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポ
リシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエ
ーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコー
ンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シ
リコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エ
ポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコ
ーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂
肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。
【0036】また、塗工時の条件等によっても凹凸を低
減することは可能である。例えば浸漬塗工において、感
光体を引き上げた後、塗膜表面がまだウェットな状態の
時に、フードで覆って風の流れなどで表面を乱されない
ようにすることで凹凸が低減される。また、塗膜表面付
近の溶媒が急激に揮発すると表面だけが硬化して塗膜の
内部が流動性を持った状態になり、この内部の塗膜がた
れて凹凸が形成されることもあるので、ウェットな状態
の時に感光体の周りに溶媒の蒸気層を形成し、溶媒を穏
やかに揮発させることでレベリングが進行し、凹凸が低
減される。
【0037】また、スプレー塗工においては、エアスプ
レーによって塗膜を形成する場合、エアの圧力や、エア
流量を適量にコントロールすることで、塗膜が流動的な
状態での表面の乱れを抑えて凹凸を抑制することが必要
である。ここで、エア圧、エア流量が大きすぎるとエア
の流れで塗膜の表面が乱れ、逆に小さすぎると、塗工液
の液滴が均一にならなかったり、微粒化が不十分になっ
たりして、塗膜の均一性が低下する原因となってしま
う。
【0038】また、電荷輸送層を形成後、回転させつつ
溶媒を揮発させるが、このときの回転速度が大きすぎる
と、まだ溶媒を含み流動性をもっている塗膜に遠心力が
かかり、凹凸が強調されてしまう。また逆に回転速度が
小さすぎると、回転によるレベリングより重力によるた
れの影響が勝り、凹凸が発生する原因となってしまう。
そのため、塗膜がウェットな状態での感光体の回転速度
を適正な値に設定することが必要である。また、スプレ
ー塗工においては、塗工液を供給するポンプの送液が一
定であることが重要となる。すなわち、液の供給が一定
でなく脈動を持っていたりすると、それがダイレクトに
液の吐出量に影響を与えるため、付着量にムラが生じる
ことになる。そのため、スプレーに液を供給するポンプ
としては、脈動を抑えた多連式プランジャーポンプや、
シリンジ型の超精密吐出装置などを用いることが好まし
い。
【0039】これらの方法は単独で用いても良いが、複
数組み合わせることで、より効果的にレベリングがなさ
れ、凹凸が低減された電荷輸送層が形成される。さら
に、レベリングが不十分であった場合、電荷輸送層の凸
部を摩耗してならすことも凹凸を小さくする方法として
可能である。たとえば、膜厚計で凸部を検出し、その部
分を研磨加工して凸部をなくすという方法が考えられ
る。こうして形成される電荷輸送層の平均膜厚は、5〜
50μmであり、近隣の凹凸部の膜厚差が1.8μm以
下である。また、高画質化、高解像度化のために、電荷
輸送層の膜厚は薄膜化する傾向がある。ここで、薄膜化
をすると、近隣の凹凸部の膜厚差による画像濃度差はよ
り強調される傾向になるため、電荷輸送層の平均膜厚が
20μm以下のような薄膜の場合、近隣の凹凸部の膜厚
差は1.0μm以下程度に抑えることが好ましい。
【0040】下引き層について 導電性支持体と感光層との間には、必要に応じて、下引
き層を設けてもよい。設けられる下引き層は、接着性を
向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良
する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下
引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は
その上に感光層を、溶剤を用いて塗布することを考える
と、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂である
ことが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニル
アルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の
水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロ
ン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミ
ン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、
三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられ
る。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコ
ニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属
酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末
を分散し含有させてもよい。これらの下引き層は、適当
な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0041】更に本発明の下引き層として、シランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリン
グ剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成し
た金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の下引
き層には Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリ
パラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO2
TiO2,ITO,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法
にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は
0.1〜20μmが適当であり、好ましくは1〜10μ
mである。
【0042】保護層について 本発明の感光体においては、保護層が感光層の上に設け
られることもある。保護層に使用される材料としてはA
BS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共
重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチ
レン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメ
チルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、A
S樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹
脂等の樹脂が挙げられる。
【0043】また、保護層を用いる場合、該保護層中に
フィラ−材料を添加する。フィラー材料としては、前述
のものを用いることが出来、また、これらのフィラ−材
料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。こ
れらのフィラ−材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒
等とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超
音波などの従来方法を用いて分散することができる。フ
ィラ−の一次粒径の平均は、0.01〜0.8μmであ
ることが保護層等の透過率や耐摩耗性の点から好まし
い。また、保護層に電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質を
添加することは、画質向上に対して有効な手段である。
【0044】保護層の形成法としては、浸漬塗工法、ス
プレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナー
コート、リングコート等の従来方法を用いることができ
る。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当で
ある。ここで、電荷輸送層上に保護層を形成した場合、
帯電時の表面電荷は保護層上に存在していると考えられ
るので、本発明における近隣の凹凸の膜厚差は、電荷輸
送層と保護層を合わせた膜厚差といえる。そのため、保
護層形成時においても前述の電荷輸送層と同様に凹凸を
低減する方法が適用される。また、このように保護層を
設け、耐摩耗性を高くすることは、感光体形成時の電荷
輸送物質を含有する層の凹凸の履歴が長期間にわたって
維持されることを意味する。すなわち、耐摩耗性が比較
的小さい電子写真感光体においては、長期間画像を出力
することで表面が摩耗するが、部分的な摩耗量の差で凹
凸が発生してしまうことも考えられる。従って、本発明
のように、使用前から凹凸の膜厚差を小さくし、さらに
保護層を設けるなどして耐摩耗性を高くして感光体一本
内の摩耗量の差による凹凸の発生を抑えることは、長期
間にわたって、良好な画像を得るための非常に有効な手
段となる。耐摩耗性の高い電子写真感光体とは、表面層
の摩耗率(最表層の摩耗量/感光体走行距離)が1.5
0×10-11以下となるような高い耐摩耗性を有する電
子写真感光体を指し、前述のような保護層を形成したも
のや、最表層に高分子電荷輸送物質を含有し、低分子電
荷輸送物質の含有量を小さくしたものなどが挙げられ
る。
【0045】中間層について 本発明の感光体においては、感光層と保護層との間に中
間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバ
インダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂として
は、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポ
リビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法として
は、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用され
る。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当
である。
【0046】添加剤について 本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、
感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生
層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に
酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷
輸送物質を添加することが出来る。以下に、各種添加剤
の具体例を紹介する。
【0047】(酸化防止剤)各層に添加することができ
る酸化防止剤としては例えば下記のものが挙げられるが
これらに限定されるものではない。 (a)フェノ−ル系化合物 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒ
ドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノ−ル、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ
-3',5'-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'−メチレン
−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、
2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブ
チルフェノ−ル)、4,4'−チオビス−(3−メチル
−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−ブチリデン
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メ
チレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,
3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニ
ル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフ
ェロ−ル類など。 (b) パラフェニレンジアミン類 N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−
フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p
−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−
ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。 (c) ハイドロキノン類 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジ
ドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t
−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オ
クタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。 (d)有機硫黄化合物類 ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジステ
アリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデ
シル−3,3'−チオジプロピオネ−トなど。 (e)有機燐化合物類 トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリク
レジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキ
シ)ホスフィンなど。
【0048】(可塑剤)各層に添加することができる可
塑剤としては例えば下記のものが挙げられるがこれらに
限定されるものではない。 (a)リン酸エステル系可塑剤 リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
オクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロ
ルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチ
ル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェ
ニルなど。 (b)フタル酸エステル系可塑剤 フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソ
ブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸
ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシク
ロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチル
ラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチル
デシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。 (c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤 トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n
−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。 (d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤 アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−
オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼラ
イン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、
セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸
ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオ
クチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸
ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルな
ど。 (e)脂肪酸エステル誘導体 オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステ
ル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトー
ルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、
トリアセチン、トリブチリンなど。 (f)オキシ酸エステル系可塑剤 アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブ
チル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルク
エン酸トリブチルなど。 (g)エポキシ可塑剤 エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステ
アリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキ
システアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジ
ル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキ
シヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。 (h)二価アルコールエステル系可塑剤 ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレング
リコールジ−2−エチルブチラートなど。 (i)含塩素可塑剤 塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メ
チル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。 (j)ポリエステル系可塑剤 ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケー
ト、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。 (k)スルホン酸誘導体 p-トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミ
ド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエン
スルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチル
アミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルア
ミドなど。 (l)クエン酸誘導体 クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、ク
エン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセ
チルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエ
ン酸−n−オクチルデシルなど。 (m)その他 ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2
−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン
酸メチルなど。
【0049】(滑剤)各層に添加することができる滑剤
としては例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定
されるものではない。 (a)炭化水素系化合物 流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワック
ス、低重合ポリエチレンなど。 (b)脂肪酸系化合物 ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。 (c)脂肪酸アミド系化合物 ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミ
ド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステア
ロアミドなど。 (d)エステル系化合物 脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。 (e)アルコール系化合物 セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール
など。 (f)金属石けん ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン
酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。 (g)天然ワックス カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボ
タロウ、モンタンロウなど。 (h)その他 シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0050】(紫外線吸収剤)各層に添加することがで
きる紫外線吸収剤としては例えば下記のものが挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。 (a)ベンゾフェノン系 2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾ
フェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾ
フェノンなど。 (b)サルシレート系 フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル
3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートな
ど。 (c)ベンゾトリアゾール系 (2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブ
チル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾ
ール (d)シアノアクリレート系 エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アク
リレートなど。 (e)クエンチャー(金属錯塩系) ニッケル(2,2'チオビス(4−t-オクチル)フェノ
レート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチ
オカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメー
ト、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートな
ど。 (f)HALS(ヒンダードアミン) ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、
8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オ
クチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデ
カン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0051】画像形成装置について 図4は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図
であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属する
ものである。図4において、感光体1としては本発明に
係る電子写真感光体が設けられている。感光体1はドラ
ム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベル
ト状のものであっても良い。帯電チャージャ3、転写前
チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ1
1、クリーニング前チャージャ13としては、コロトロ
ン、スコロトロンなどのコロナ帯電器、帯電ローラを始
めとする公知の手段が用いられる。なかでも非接触のコ
ロナ帯電や帯電ローラを用いて少なくとも画像領域部で
は帯電ローラと感光体との間に空間的微小ギャップを持
たせて非接触とした帯電方法(NCローラー帯電)は、
感光体の摩耗を大きく低減でき、感光体の長寿命化とい
う点で有効である。さらに、NCローラー帯電はコロナ
帯電と比較してオゾン等の酸化性ガスの発生も著しく低
減されるので好ましい。また、磁気ブラシを用いて感光
体表面に直接電荷を注入する注入帯電方式もオゾン等の
酸化性ガスの発生量を抑えられるという点で好ましい帯
電手段である。転写手段には、一般に上記の帯電器が使
用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分
離チャージャーを併用したものが効果的である。
【0052】また、画像露光部5の光源としては、前述
の通り、半導体レーザー(LD)を用い、除電ランプ2
等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲン
ランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LE
D)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセ
ンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャ
ープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外
カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フ
ィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルター
を用いることもできる。かかる光源等は、図5に示され
る工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、ク
リーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けるこ
とにより、感光体に光が照射される。
【0053】さて、現像ユニット6により感光体1上に
現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が
転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナー
も生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およ
びクリーニングブレード15により、感光体より除去さ
れる。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行わ
れることもあり、クリーニングブラシにはファーブラ
シ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いら
れる。
【0054】かかる現像手段には、公知の方法が適用さ
れるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0055】図5には、本発明による画像形成装置の別
のプロセスの例を示す。感光体16は本発明にて製造さ
れた可撓性エンドレスベルト状電子写真感光体を有して
おり、駆動ローラ17で駆動され、テンションローラ1
8、従動ローラ23によってたるみ、すべり等が起こる
ことなく滑らかに回転する。この感光体16は帯電チャ
ージャ24による帯電、像露光源19による像露光、現
像(図示せず)、転写チャージャ20を用いる転写、ク
リーニングブラシ21によるクリーニング、除電光源2
2による除電が繰返し行われる。
【0056】これらの図で示した画像形成装置は、本発
明における実施形態を例示するものであって、もちろん
他の実施形態も可能である。例えば、図5において転写
工程とクリーニング工程の間にクリーニング前露光を行
ってもよい。一方、光照射工程は、像露光、除電露光が
図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露
光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に
光照射を行うこともできる。
【0057】図13、図14はタンデム型のカラー画像
形成装置を示すものである。カラー電子写真装置には、
1つの感光体のまわりに複数色の現像装置を備え、それ
らの現像装置でトナーを付着して感光体上に合成トナー
画像を形成し、そのトナー画像を転写してシートにカラ
ー画像を記録する、いわゆる1ドラム型のものと、並べ
て備える複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備
え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、そ
れらの単色トナー画像を順次転写してシートに合成カラ
ー画像を記録する、いわゆるタンデム型のものとがあ
る。
【0058】1ドラム型とタンデム型とを比較すると、
前者には、感光体が1つであるから、比較的小型化で
き、コストも低減できる利点はあるものの、1つの感光
体を用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返してフ
ルカラー画像を形成するから、画像形成の高速化には困
難である欠点があり、後者には、逆に大型化し、コスト
高となる欠点はあるものの、画像形成の高速化が容易で
ある利点がある。最近は、フルカラーもモノクロ並みの
スピードが望まれることから、タンデム型が注目されて
きている。しかし、タンデム型では複数の感光体によっ
てフルカラー画像を形成するという構成上、各感光体そ
れぞれに濃淡ムラが発生してしまうと、それが色調ムラ
となってしまうため、近隣の凹凸を抑え、濃淡ムラを低
減した本願の感光体は好ましく使用できる。特に保護層
を有するタイプは部分的な摩耗量の差による凹凸の発生
も起こりにくいので特に好ましい。
【0059】タンデム型の電子写真装置には、図14に
示すように、各感光体1上の画像を転写装置2により、
シート搬送ベルト3で搬送するシートsに順次転写する
直接転写方式のものと、図13に示すように、各感光体
1上の画像を1次転写装置2によりいったん中間転写体
4に順次転写して後、その中間転写体4上の画像を2次
転写装置5によりシートsに一括転写する間接転写方式
のものとがある。転写装置5は転写搬送ベルトである
が,ローラ形状も方式もある。
【0060】直接転写方式のものと,間接転写方式のも
のとを比較すると、前者は、感光体1を並べたタンデム
型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定
着装置7を配置しなければならず、シート搬送方向に大
型化する欠点がある。これに対し、後者は、2次転写位
置を比較的自由に設置することができ、給紙装置6,お
よび定着装置7をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配
置することができるため、小型化が可能となる利点があ
る。
【0061】また、前者は、シート搬送方向に大型化し
ないためには,定着装置7をタンデム型画像形成装置T
に接近して配置することとなる。そのため,シートsが
たわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配
置することができず、シートsの先端が定着装置7に進
入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や,
定着装置7を通過するときのシート搬送速度と,転写搬
送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着
装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点が
ある。これに対し、後者は、シートsがたわむことがで
きる十分な余裕をもって定着装置7を配置することがで
きるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼ
さないようにすることができる。
【0062】以上のようなことから、最近は、タンデム
型電子写真装置の中の、特に間接転写方式のものが注目
されてきている。そして、この種のカラー電子写真装置
では、図13に示すように、1次転写後に感光体1上に
残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置8で
除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形
成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体4上に
残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置
9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度
の画像形成に備えていた。
【0063】図6は、タンデム型間接転写方式のカラー
画像形成装置である。図中符号100は複写装置本体、
200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置
本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにそ
の上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間
転写体10を設ける。そして、図6に示すとおり、図示
例では3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して
図中時計回りに回転搬送可能とする。
【0064】この図示例では、3つの中で第2の支持ロ
ーラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留
する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置
17を設ける。また、3つの中で第1の支持ローラ14
と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10
上には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロー・
マゼンタ・シアンの4つの画像形成手段18を横に並べ
て配置してタンデム画像形成装置20を構成する。その
タンデム画像形成装置20の上には、図6に示すよう
に、さらに露光装置21を設ける。
【0065】一方、中間転写体10を挟んでタンデム画
像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備
える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ
23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け
渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ロー
ラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像を
シートに転写する。2次転写装置22の横には、シート
上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装
置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ロー
ラ27を押し当てて構成する。
【0066】上述した2次転写装置22には、画像転写
後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送
機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22とし
て、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよ
く、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備
えることは難しくなる。なお、図示例では、このような
2次転写装置22および定着装置25の下に、上述した
タンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画
像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を
備える。
【0067】さて、いまこのカラー電子写真装置を用い
てコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿
台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装
置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス3
2上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じ
てそれで押さえる。そして、不図示のスタートスイッチ
を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした
ときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移
動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセット
したときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行
体33および第2走行体34を走行する。そして、第1
走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面から
の反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2
走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して
読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0068】また、不図示のスタートスイッチを押す
と、不図示の駆動モータで支持ローラ14・15・16
の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転
し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画
像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体4
0上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シア
ンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬
送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写
体10上に合成カラー画像を形成する。
【0069】一方、不図示のスタートスイッチを押す
と、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択
回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセッ
ト44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で
1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で
搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジ
ストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ロー
ラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出
し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路5
3に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止め
る。そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイ
ミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転
写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込
み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像
を記録する。
【0070】画像転写後のシートは、2次転写装置22
で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で
熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55
で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57
上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシ
ート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置
へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56
で排紙トレイ57上に排出する。一方、画像転写後の中
間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、
画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを
除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形
成に備える。
【0071】ここで、レジストローラ49は一般的には
接地されて使用されることが多いが,シートの紙粉除去
のためにバイアスを印加することも可能である。一般的
に中間転写方式は紙粉が感光体にまで移動しづらいた
め,紙粉転写を考慮する必要が少なくアースになってい
ても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加
されているが、これはシートをより均一帯電させるため
DCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。このよ
うにバイアスを印加したレジストローラ49を通過した
後の紙表面は,若干マイナス側に帯電している。よっ
て、中間転写体10からシートへの転写では、レジスト
ローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条
件が変わり転写条件を変更する場合がある。
【0072】さて、上述したタンデム画像形成装置20
において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例え
ば図7に示すように、ドラム状の感光体40のまわり
に、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、
感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備え
てなる。
【0073】中間転写ベルトとしては,従来から弗素系
樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリイミド樹脂等が使用
されてきていたが,近年ベルトの全層や,ベルトの一部
を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0074】樹脂ベルトについて 樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写は以下の課題があ
る。カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。
1枚のカラー画像には,1層から4層までのトナー層が
形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間
転写ベルトへの転写)や,2次転写(中間転写ベルトか
らシートへの転写)を通過することで圧力を受け,トナ
ー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高く
なると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が
発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に
応じて変形しないため,トナー層を圧縮させやすく文字
の中抜け現象が発生しやすくなる。また,最近はフルカ
ラー画像を様々な用紙,例えば和紙や意図的に凹凸を付
けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってき
ている。しかし,平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと
空隙が発生しやすく,転写抜けが発生しやすくなる。密
着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると,ト
ナー層の凝縮力を高めることになり,上述したような文
字の中抜けを発生させることになる。
【0075】弾性ベルトについて 弾性ベルトは次の狙いで使用される。弾性ベルトは樹脂
ベルトより硬度が低いため,転写部でトナー層,平滑性
の悪い用紙に対応して変形する。つまり,局部的な凹凸
に追従して弾性ベルトは変形するため,過度にトナー層
に対して転写圧を高めることなく,良好な密着性が得ら
れ文字の中抜けの無い,平面性の悪い用紙に対しても均
一性の優れた転写画像を得ることが出来る。
【0076】弾性ベルトの樹脂はポリカーボネート,フ
ッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、ク
ロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合
体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体
(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及び
スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン
−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン
置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸
メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチ
ル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シ
リコーン変性アクリル樹脂,塩化ビニル樹脂変性アクリ
ル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹
脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、
エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂
及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性
ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれ
る1種類あるいは2種類以上を使用することができる。
ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然
である
【0077】弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチ
ルゴム,フッ素系ゴム,アクリルゴム,EPDM,NB
R,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然
ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブ
タジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−
プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタン
ゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エ
ピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、
多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴ
ム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポ
リオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、
ポリアミド系、ポリウレア,ポリエステル系、フッ素樹
脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類
以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定
されるものではないことは当然である
【0078】抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、
例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウ
ムやニッケル等の金属粉末、酸化錫,酸化チタン,酸化
アンチモン,酸化インジウム,チタン酸カリウム,酸化
アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO),酸化インジ
ウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化
物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム,ケイ酸マグネ
シウム,炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したも
のでもよい。上記導電剤に限定されるものではないこと
は当然である
【0079】表層材料には制限はないが、転写ベルト表
面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高める
ものが要求される。例えば、ポリウレタン,ポリエステ
ル,エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用
し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料,たと
えばフッ素樹脂,フッ素化合物,フッ化炭素,2酸化チ
タン,シリコンカーバイト等の粉体,粒子を1種類ある
いは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ
使用することができる。またフッ素系ゴム材料のように
熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ
表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもで
きる
【0080】ベルトの製造方法としては例えば次のよう
な方法が適用できるが、これらに限定されるものではな
い。 ・回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成す
る遠心成形法。 ・表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工法。 ・円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディ
ッピング法。 ・内型,外型の中に注入する注型法。 ・円筒形の型にコンパウンドを巻き付け,加硫研磨を行
う方法。 また、上記の製法の複数を組み合わせてベルトを製造す
ることができることは当然である。
【0081】弾性ベルトの伸びを防止する方法として,
上記実施例のように伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を
形成する方法,芯体層に伸びを防止する材料を入れる方
法等があるが,特に製法に関わるものではない。伸びを
防止する芯体層を構成する材料は、例えば,綿、絹、な
どの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アク
リル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール
繊維,ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、
ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエ
チレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊
維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、
銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種ある
いは2種以上を用い織布状あるいは糸状のものができ
る。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0082】糸は1本または複数のフィラメントを撚っ
たもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方で
あってもよい。また、例えば上記材料群から選択された
材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電
処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリ
ヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であ
り、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処
理を施すこともできる。
【0083】芯体層を設ける製造方法は特に限定される
ものではない、例えば筒状に織った織布を金型等に被
せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を
液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆
層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に
巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げること
ができる。
【0084】弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよる
が、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発
生しやすくなる。又,伸縮量が大きくなることから画像
に伸びちじみが大きくなること等から厚すぎることは好
ましくない(およそ1mm以上)。弾性層の硬度の適正
範囲は10≦HS≦65゜(JIS-A)である。ベルトの層厚
によって最適硬度の調整は必要となる。硬度10゜JIS-
Aより下のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難
である。これは成型時に収縮・膨張を受け易い事に起因
する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含
有させる事が一般的な方法であるが、加圧状態で連続作
動させるとオイル成分が滲みだして来るという欠点を有
しており、これにより中間転写体表面に接触する感光体
を汚染し横帯状ムラを発生させることが分かった。
【0085】一般的に離型性向上のために表層を設けて
いるが,完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層
は耐久品質等要求品質の高いものになり,材料の選定,
特性等の確保が困難になってくる。これに対して硬度6
5゜JIS-A以上のものは硬度が上がった分精度良く成形
できるのと、オイル含有量を含まない,または少なく抑
えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低
減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得
られなくなり,ローラへの張架が困難となる。
【0086】図示を省略するが、少なくとも感光体40
を設け、画像形成手段18を構成する部分の全部または
一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体10
0に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向
上するようにしてもよい。なお、プロセスカートリッジ
とは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像
手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ
1つの装置(部品)である。
【0087】画像形成手段18を構成する部分のうち、
帯電装置60は、図示例ではローラ状につくり、感光体
40に接触して電圧を印加することによりその感光体4
0の帯電を行う。勿論,非接触のスコロトロンチャージ
ャで帯電を行うことも出来る。現像装置61は、一成分
現像剤を使用してもよいが、図示例では、磁性キャリア
cと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。
そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像
スリーブ65に二成分現像剤を供給付着させる攪拌部6
6と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤の
うちのトナーを感光体40に転移する現像部67とで構
成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とす
る。
【0088】攪拌部66には、平行な2本のスクリュ6
8を設ける。2本のスクリュ68の間は、両端部を除い
て仕切り板69で仕切る(図10参照)。また、現像ケ
ース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。一方、
現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体
40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、そ
の現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設け
る。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドク
タブレード73を設ける。
【0089】そして、2成分現像剤を2本のスクリュ6
8で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給
する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネ
ット72により汲み上げて保持され、現像スリーブ65
上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリー
ブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適
正な量に穂切りされる。切り落とされた現像剤は、攪拌
部66に戻される。他方、現像スリーブ65上の現像剤
のうちトナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイ
アス電圧により感光体40に転移してその感光体40上
の静電潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ
65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がない
ところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻
る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が
薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪
拌部66にトナーが補給される。
【0090】次に、1次転写装置62は、ローラ状と
し、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設
ける。別に、ローラ状に限らず、導電性のブラシ形状,
非接触のコロナチャージャなどであってもよい。
【0091】感光体クリーニング装置63は、先端を感
光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のク
リーニングブレード75を備える。クリーニング性を高
めるために外周を感光体40に接触ブラシを併用する。
本説明図では外周を感光体40に接触導電性のファーブ
ラシ76を矢印方向に回転自在に備える。また、ファー
ブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77
を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にス
クレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したト
ナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0092】そして、感光体40に対してカウンタ方向
に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留ト
ナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナー
は、ファーブラシ76に対してカウンタ方向に接触して
回転するバイアスを印加された電界ローラ77に取り除
かれる。電界ローラ77に付着されたトナーは、スクレ
ーパ78でクリーニングされる。感光体クリーニング装
置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体
クリーニング装置63の片側に寄せ、詳しくは後述する
トナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再
利用する。
【0093】除電装置64は、例えばランプであり、光
を照射して感光体40の表面電位を初期化する。そし
て、感光体40の回転とともに、まず帯電装置60で感
光体40の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ300
の読取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザ
やLED等による書込み光Lを照射して感光体40上に
静電潜像を形成する。
【0094】その後、現像装置61によりトナーが付着
され静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置
62で中間転写体10上に転写する。画像転写後の感光
体40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留ト
ナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の
画像形成に備える。
【0095】図8は、図6に示すカラー複写機の要部拡
大図である。同図においては、タンデム画像形成装置2
0の各画像形成手段18、その画像形成手段18の各感
光体40、各現像装置61、各感光体クリーニング装置
63、および各画像形成手段18の感光体40にそれぞ
れ対向して設ける各1次転写装置62の各符号の後に、
それぞれブラックの場合はBKを、イエローの場合はY
を、マゼンタの場合はMを、シアンの場合はCを付して
示す。
【0096】なお、図8中符号74は、図6および図7
では図示省略するが、各1次転写装置62間において、
中間転写体10のベース層11側に接触して設ける導電
性ローラである。この導電性ローラ74は、転写時に各
1次転写装置62により印加するバイアスが、中抵抗の
ベース層11を介して隣接する各画像形成手段18に流
れ込むことを阻止するものである。
【0097】次に、図9および図10には、トナーリサ
イクル装置80を示す。図7に示すとおり、感光体クリ
ーニング装置63の回収スクリュ79には、一端に、ピ
ン81を有するローラ部82を設ける。そして、そのロ
ーラ部82に、トナーリサイクル装置80のベルト状回
収トナー搬送部材83の一側を掛け、その回収トナー搬
送部材83の長孔84にピン81を入れる。回収トナー
搬送部材83の外周には一定間隔置きに羽根85を設け
てなり、その他側は、回転軸86のローラ部87に掛け
る。
【0098】回収トナー搬送部材83は、回転軸86と
ともに、図10に示す搬送路ケース88内に入れる。搬
送路ケース88は、カートリッジケース89と一体につ
くり、その現像装置61側の端部に、現像装置61の前
述した2本のスクリュ68の1本を入れてなる。そし
て、外部から駆動力を伝達して回収スクリュ79を回転
するとともに、回収トナー搬送部材83を回転搬送し、
感光体クリーニング装置63で回収したトナーを搬送路
ケース88内を通して現像装置61へと搬送し、スクリ
ュ68の回転で現像装置61内に入れる。その後、上述
したとおり、2本のスクリュ68ですでに現像装置61
内にある現像剤とともに攪拌しながら搬送循環し、現像
スリーブ65に供給してドクタブレード73により穂切
りして後、感光体40に転移してその感光体40上の潜
像を現像する。
【0099】現像スリーブ65は、非磁性の回転可能な
スリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネット7
2を配設している。マグネット72は、固定されている
ために現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用
させられるようになっている。図示例では、現像スリー
ブ65の直径をφ18とし、表面はサンドブラストまた
は1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を
行いRZが10〜30μmの範囲に入るように形成され
ている。
【0100】マグネット72は、例えば,ドクタブレー
ド73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1
1、N2、S2、S3の5磁極を有する。現像剤は、マグ
ネット72により磁気ブラシを形成され、現像スリーブ
65上に担持される。現像スリーブ65は、現像剤の磁
気ブラシを形成した、マグネット72のS1側の領域
に、感光体40に対向して配設されている。
【0101】ところで、図示例では、図8に示すよう
に、クリーニング装置17に、クリーニング部材として
2つのファーブラシ90・91を設ける。それぞれのフ
ァーブラシ90・91には、不図示の電源から各々異な
る極性のバイアスを印加する。そのようなファーブラシ
90・91には、それぞれ金属ローラ92・93を接触
して順または逆方向に回転するように設ける。そして、
この例では、中間転写体10の回転方向上流側の金属ロ
ーラ92に電源94から(−)電圧を印加し、下流側の
金属ローラ93に電源95から(+)電圧を印加する。
それらの金属ローラ92・93には、それぞれブレード
96・97の先端を押し当てる。
【0102】そして、中間転写体10の矢示方向への回
転とともに、はじめ上流側のファーブラシ90を用いて
例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体10表面
のクリーニングを行う。仮に、金属ローラ92に−70
0V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとな
り、中間転写体10上の(+)トナーをファーブラシ9
0側に転移する。除去したトナーをさらに電位差により
ファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレー
ド96により掻き落とす。
【0103】さて、ファーブラシ90で中間転写体10
上のトナーを除去するが、中間転写体10上にはまだ多
くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブ
ラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)
に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電
されるものと考えられる。しかし、次いで下流側のファ
ーブラシ91を用いて今度は(+)のバイアスを印加し
てクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除
去することができる。除去したトナーは、電位差により
ファーブラシ91から金属ローラ93に転移し、ブレー
ド97により掻き落とす。ブレード96・97で掻き落
としたトナーは、不図示のタンクに回収する。さて、フ
ァーブラシ91でクリーニングされた後は、ほとんどの
トナーが除去されるが、中間転写体10上にはまだ少し
のトナーが残っている。
【0104】それらの中間転写体10上に残ったトナー
は、上述したようにファーブラシ91に印加される
(+)のバイアスにより、(+)に帯電される。(+)
に帯電されたトナーは,1次転写位置で印加される転写
電界により感光体40側に転写され,感光体クリーニン
グ装置63で回収することができる。最初の1次転写部
で最も感光体側へトナーは転写される。画像を形成する
色の順番は,限定されるものではなく,画像形成装置の
持つ狙いや特性によって異なってくる。
【0105】
【実施例】以下では、本発明を実施例を挙げてさらに具
体的に説明するが、これにより本発明の態様が限定され
るものではない。なお以下、本文中で示す「部」はいず
れも重量基準である。
【0106】<実施例1>下引層の形成 アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日
本インキ化学工業社製))15重量部、メラミン樹脂(スー
パーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業
社製))10重量部をメチルエチルケトン150重量部
に溶解し、これに酸化チタン粉末(タイペールCR−E
L(石原産業社製))90重量部を加えボールミルで1
2時間分散し、下引層用塗工液を作製した。これをφ1
00mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法によって
塗工し130℃20分間乾燥し厚み3.5μmの下引き
層を形成した。
【0107】電荷発生層の形成 次に、ポリビニールブチラール樹脂(エスレックHL−
S(積水化学工業社製))4重量部をシクロヘキサノン1
50重量部に溶解し、これを下記構造式(1)に示すト
リスアゾ顔料10重量部に加え、ボールミルで48時間
分散後、さらにシクロヘキサノン210重量部を加えて
3時間分散を行った。
【0108】
【化1】
【0109】これを容器に取り出し固形分が1.5重量
%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。こうして
得られた電荷発生層用塗工液を前記下引き層上に浸漬塗
工法によって塗工し130℃20分間乾燥し厚み0.2
μmの電荷発生層を形成した。
【0110】電荷輸送層の形成 次に、テトラヒドロフラン180部に、ビスフェノール
A型ポリカーボネート樹脂10部、メチルフェニルシリ
コーンオイル(KF−50(信越化学工業社製))0.
01部、メチルフェニルポリシロキサン(KF56(信
越化学工業社製))0.005部を溶解し、これに下記
構造式(2)の電荷輸送物質8部を加えて電荷輸送層用
塗工液を作製した。
【0111】
【化2】
【0112】こうして得られた電荷輸送層用塗工液を電
荷発生層上にスプレー塗工法を用いて塗工した。この
時、スプレーに塗工液を供給するポンプとして、塗料超
精密吐出装置SP95-25(タクボエンジリアニング(株)
社製)を用い、塗工液が高い精度で一定に供給されるよ
うにした。その後110℃20分間乾燥し、厚み25μ
mの電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写真感光体を
作製した。
【0113】<実施例2>電荷輸送層を浸漬塗工によっ
て形成する際に、引き上げた感光体の指触乾燥が終了す
るまでφ122mm、長さ400mm、厚さ200μm
のPETフィルム製フードで覆った以外は実施例1と同
様にして実施例2の電子写真感光体を作製した。 <実施例3>電荷輸送層の膜厚を18μmとした以外は
実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製
した。
【0114】<比較例1>メチルフェニルシリコーンオ
イル(KF−50(信越化学工業社製))0.01部、
メチルフェニルポリシロキサン(KF56(信越化学工
業社製))0.005部を加えず、スプレーに塗工液を
供給するポンプとして、ギアポンプを用いた以外は実施
例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製し
た。
【0115】<比較例2>メチルフェニルシリコーンオ
イル(KF−50(信越化学工業社製))0.01部、
メチルフェニルポリシロキサン(KF56(信越化学工
業社製))0.005部を加えなかった以外は実施例1
と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。
【0116】<評価(その1)> 画像の評価 上記のようにして得られた各感光体を、デジタル複写機
Imagio MF6550(リコー製)を用いて、ハ
ーフトーン網点画像(600dpi相当)をA3サイズ
の紙全面に出力し、画像評価を行った。また、1200
dpi、2400dpi相当のハーフトーン網点画像が
出力できるデジタル複写機Imagio MF6550
(リコー製)の改造機を用いて1200dpi相当、2
400dpi相当のハーフトーン網点画像をA3サイズ
の紙全面に出力し、画像評価を行った。
【0117】近隣の凹凸部の膜厚差の測定 それぞれの電子写真感光体について、渦電流式膜厚計フ
ィッシャースコープMMS(フィッシャー社製)を用い
て、以下の方法で、近隣の凹凸の膜厚差を測定した。電
子写真感光体の周方向0°、90°、180°、270
°の4方向について、軸方向に画像領域全体を横断する
ように直線をとり、その直線上の膜厚を2mm間隔で測
定した。これらの測定点における膜厚について、規定長
さ30mmとして規定長さ内の膜厚の最大値と最小値の
差を算出し、規定長さの膜厚差とした。こうして得られ
る規定長さの膜厚差を測定点を1点ずつずらしながら順
次算出し、その中で最大の膜厚差となった値を、その感
光体の近隣の凹凸部の膜厚差とした。こうして得られた
画像評価と近隣の凹凸部の膜厚差の結果を表.1に示
す。
【0118】
【表1】
【0119】<実施例4>テトラヒドロフラン80重量
部とシクロヘキサノン280重量部の混合溶媒に、ビス
フェノールZ型ポリカーボネート樹脂 4重量部、上記
構造式(2)の電荷輸送物質3重量部を溶解し、α−ア
ルミナ(スミコランダムAA−03:住友化学工業社
製)0.7重量部、ジメチルポリシロキサン(SH20
0(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製))0.0
02重量部を加えて、ボールミルで2時間分散し、保護
層用塗工液を作製した。こうして得られた保護層用塗工
液を、実施例2と同様にして作製した電子写真感光体上
に塗料超精密吐出装置SP95-25(タクボエンジリアニン
グ(株)社製)を用いたスプレー塗工法によって塗工し
(60rpm)、その後110℃20分間乾燥し、厚み
5μmの保護層を形成し、実施例4の電子写真感光体を
作製した。
【0120】<比較例3>ジメチルポリシロキサンを加
えない以外は実施例4と同様にして作製した保護層用塗
工液を、比較例1と同様にして作製した電子写真感光体
上にスプレー塗工法によって塗工し、(60rpm)、
その後110℃20分間乾燥し、厚み5μmの保護層を
形成し、比較例3の電子写真感光体を作製した。評価 これら、実施例4、比較例1および比較例3の感光体を
1200dpi、2400dpi相当のハーフトーン網
点画像が出力できるデジタル複写機Imagio MF
6550(リコー製)の改造機に搭載して、A4横10
万枚に画像濃度6%の斜線チャート画像出力を行った
後、実施例1と同様にして、画像評価、および、近隣の
凹凸部の膜厚差を測定した。これらの結果を表.2に示
す。
【0121】
【表2】
【0122】<実施例5>下引層の形成 アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日
本インキ化学工業社製))15重量部、メラミン樹脂(スー
パーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業
社製))10重量部をメチルエチルケトン150重量部
に溶解し、これにルチル型酸化チタン粉末(タイペーク
CR−EL(石原産業社製))80重量部、アルミナで
表面処理された酸化チタン(タイペークCR−67(石
原産業社製))10部を加えボールミルで24時間分散
し、下引層用塗工液を作製した。これをφ30mm のア
ルミニウム基体に浸漬塗工法によって塗工し130℃2
0分間乾燥して、厚み2μmの下引き層を形成した。電荷発生層の形成 次にポリビニールブチラール樹脂(エスレックHL−S
(積水化学工業社製))4重量部をシクロヘキサノン15
0重量部に溶解し、これを下記構造式(3)に示すビス
アゾ顔料10重量部に加え、ボールミルで48時間分散
後、さらにシクロヘキサノン210重量部を加えて3時
間分散を行った。
【0123】
【化3】
【0124】これを容器に取り出し固形分が1.5重量
%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。こうして
得られた電荷発生層用塗工液を前記下引き層上に浸漬塗
工法によって塗工し130℃20分間乾燥し厚み0.2
μmの電荷発生層を形成した。
【0125】電荷輸送層の形成 次に、テトラヒドロフラン100重量部に、ビスフェノ
ールZ型ポリカーボネート樹脂10重量部、α−(3−
メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(サ
イラプレーンFM0725(チッソ社製))0.002
重量部を溶解し、これに下記構造式(4)の電荷輸送物
質8重量部を加えて電荷輸送層用塗工液を作製した。
【0126】
【化4】
【0127】こうして得られた電荷輸送層用塗工液を電
荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、その後110
℃20分間乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0128】保護層の形成 次に、テトラヒドロフラン 80重量部とシクロヘキサ
ノン280重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポ
リカーボネート樹脂4重量部、上記構造式(4)の電荷
輸送物質3重量部を溶解し、α−アルミナ(スミコラン
ダムAA−03:住友化学工業社製)0.7重量部、ジ
メチルポリシロキサン(SH200(東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン社製))0.002重量部を加えて、
ボールミルで2時間分散し、保護層用塗工液を作製し
た。こうして得られた保護層用塗工液を電荷輸送層上に
塗料超精密吐出装置SP95-25(タクボエンジリアニング
(株)社製)を用いたスプレー塗工法によって塗工し
(60rpm)、その後110℃20分間乾燥し、厚み
5μmの保護層を形成し、実施例5の電子写真感光体を
作製した。
【0129】評価 同様にして4本の電子写真感光体を作製し、図5の画像
形成装置(中間転写体として、カーボンを分散したPV
DF樹脂ベルトを用いた)に搭載して600dpi相当
のブラック単色ハーフトーン画像、600dpi相当、
1200dpi相当のフルカラーハーフトーン画像をA
3サイズの紙全面に出力し、画像評価を行った。また、
近隣の凹凸部の膜厚の測定は、渦電流式膜厚測定器(フ
ィッシャースコープMMS(フィッシャー社製))を用
いた。
【0130】なお、近隣の凹凸の膜厚差は以下のような
方法で測定した。4本の感光体それぞれにおいて周方向
0°、90°、180°270°の4方向について、軸
方向に画像領域全体を横断するように直線をとり、その
直線上の膜厚を2mm間隔で測定した。これらの測定点
における膜厚について、規定長さ30mmとして規定長
さ内の膜厚の最大値と最小値の差を算出し、規定長さの
膜厚差とした。こうして得られる規定長さの膜厚差を測
定点を1点ずつずらしながら順次算出し、その中で最大
の膜厚差となった値を、その感光体の近隣の凹凸部の膜
厚差とした。膜厚の最大値と最小値の差を求め、その中
で最大の膜厚差となった値を、その感光体の近隣の凹凸
部の膜厚差とした。
【0131】<実施例6>電荷輸送層を浸漬塗工によっ
て形成する際に、引き上げた感光体の指触乾燥が終了す
るまでφ60mm、長さ400mm、厚さ200μmの
PETフィルム製フードで覆った以外は実施例5と同様
にして実施例6の電子写真感光体を作製し、画像評価と
近隣の凹凸部の膜厚差測定を行った。
【0132】<実施例7>スプレー塗工法によって保護
層を形成する際に、塗工液の塗布が終了すると同時に、
感光体の回転速度を30rpmに落としてレベリングを
促した以外は実施例5と同様にして実施例7の電子写真
感光体を作製し、画像評価と近隣の凹凸部の膜厚差測定
を行った。
【0133】<比較例4>電荷輸送層にα−(3−メタ
クリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(サイラ
プレーンFM0725(チッソ社製))0.002重量
部を、保護層にジメチルポリシロキサン(SH200
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製))0.00
2重量部を加えなかった以外は実施例5と同様にして比
較例4の電子写真感光体を作製し、画像評価と近隣の凹
凸部の膜厚差測定を行った。
【0134】次に、以下の実施例8〜10において使用
する弾性ベルトの製造例を示す。弾性ベルトの製造例 PVDF 100重量部 カーボンブラック 18重量部 分散剤 3重量部 トルエン 400重量部 以上の成分を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸
けて、10mm/secで静かに引き上げ、室温にて乾
燥させ、75μmのPVDFの均一な膜を形成した。7
5μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件で溶
液に円筒形の型を浸けて、10mm/secで静かに引
き上げ、室温乾燥させ150μmのPVDFベルトを形
成した。
【0135】これに, ポリウレタンプレポリマー 100重量部 硬化剤(イソシアネート) 3重量部 カーボンブラック 20重量部 分散剤 3重量部 MEK 500重量部 の各成分を均一分散させた分散液に上記150μmPV
DFが形成されている円筒形型を浸けて、30mm/s
ecで引き上げを行い自然乾燥を行った.乾燥後に上記
の操作を繰り返して150μmのウレタンポリマー層を
形成させた。
【0136】さらに表層形成用に次の成分からなる均一
分散液を調製した。 ポリウレタンプレポリマー 100重量部 硬化剤(イソシアネート) 3重量部 PTFE微粉末粉体 50重量部 分散剤 4重量部 MEK 500重量部
【0137】次いで、この分散液に、上記150μmの
ウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸漬
し、30mm/secで引き上げを行い自然乾燥を行っ
た。乾燥後同様の操作を繰り返して5μmのPTFEが
均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させ
た。室温で乾燥後130℃,2時間の架橋を行い、樹脂
層;150μm,弾性層;150μm,表層;5μmの
3層構成の転写ベルトを得た。
【0138】<実施例8〜10>実施例5〜7、比較例
4の画像形成装置において、中間転写ベルトを上記弾性
ベルトに置き換えて同様の画像評価を行った。こうして
得られた画像評価、近隣の凹凸部膜厚差の測定結果を表
3にまとめた。
【0139】
【表3】
【0140】
【発明の効果】実施例より明らかなように、本発明によ
れば、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸
送層を支持体側から順次積層してなる電子写真感光体に
おいて、該電荷輸送層の近隣の凹凸部の膜厚差を1.8
μm以下とすることで、単色ハーフトーン画像において
は濃淡ムラが、また、フルカラー画像においては、色調
ムラがそれぞれ発生せず、良好な画像が得られる電子写
真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の層構成を例示する
断面図である。
【図2】 本発明の電子写真感光体の別の層構成を例示
する断面図である。
【図3】 本発明の電子写真感光体の別の層構成を例示
する断面図である。
【図4】 本発明の画像形成装置を例示する概略図であ
る。
【図5】 本発明の画像形成装置の別のプロセスを例示
する概略図である。
【図6】 本発明のカラー画像形成装置を例示する概略
図である。
【図7】 図6の感光体周辺の拡大図である。
【図8】 図6の画像形成部の拡大図である。
【図9】 本発明の画像形成装置に用いられるトナーリ
サイクル装置の概略図である。
【図10】 本発明の画像形成装置に用いられる現像装
置の概略図である。
【図11】 本発明の画像形成装置に用いられる中間転
写ベルトのクリーニングを例示する概略図である。
【図12】 本発明の画像形成装置に用いられる中間転
写ベルトのクリーニングを例示する概略図である。
【図13】 本発明の中間転写タンデムプロセスを例示
する概略である。
【図14】 本発明の直接転写タンデムプロセスを例示
する概略図である。
【符号の説明】図4、5について 1,16:感光体 2 除電ランプ 3,24 帯電チャージャ 4 イレーサ 5 画像露光部 6 現像ユニット 7 転写前チャージャ 8 レジストローラ 9 転写紙 10,20 転写チャージャ 11 分離チャージャ 12 分離爪 13 クリーニング前チャージャ 14 ファーブラシ 15 クリーニングブレード 17 駆動ローラ 18 テンションローラ 19 像露光源 20 転写チャージャ 21 クリーニングブラシ 22 除電光源 23 従動ローラ図6〜14について s シート T、20 タンデム型画像形成装置 1、40 感光体 2、62 (1次)転写装置 3 シート搬送ベルト 4 中間転写体 5、22 2次転写装置 6 給紙装置 7、25 定着装置 8、63 感光体クリーニング装置 9、17 中間転写体クリーニング装置 10 中間転写体 14 第1の支持ローラ 15 第2の支持ローラ 16 第3の支持ローラ 17 中間転写体クリーニング装置 18 画像形成手段 21 露光装置 23 ローラ 24 2次転写ベルト 26 定着ベルト 27 加圧ローラ 28 シート反転装置 30 原稿台 32 コンタクトガラス 33 第1走行体 34 第2走行体 35 結像レンズ 36 読取りセンサ 42、50 給紙ローラ 43 ペーパーバンク 44 給紙カセット 45、52 分離ローラ 46、48、53 給紙路 47 搬送ローラ 49 レジストローラ 51 手差しトレイ 55 切換爪 56 排出ローラ 57 排紙トレイ 60 帯電装置 61 現像装置 64 除電装置 100 複写装置本体、 200 給紙テーブル、 300 スキャナ、 400 原稿自動搬送装置(ADF)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 G03G 15/16 (72)発明者 木村 美知夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加幡 利幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 中森 英雄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA04 AA08 AA09 AA14 AA18 AA21 AA29 AA33 AA35 BB34 FA27 FA30 FB07 FB11 2H200 GA12 GA23 GA24 GA34 GA47 GA49 GA61 GB02 GB12 GB13 GB22 GB25 HA11 HA12 HA28 HB03 HB12 HB17 HB26 HB28 JA02 JA29 JB06 JB16 JB20 JC04 JC07 JC12 JC15 JC16 JC17 KA02 KA07 KA14 LB02 LB03 LB08 LB12 LB17 LB18 LB38 LC02 LC03 LC10 MA03 MA04 MA12 MA14 MA20 MB01 MC02 NA02 PA05 PA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物
    質を含有する層と電荷輸送物質を含有する層を順次積層
    した電子写真感光体と、レーザー光を用いた露光手段
    と、該レーザー光露光によって形成される静電潜像部に
    トナー像を形成する反転現像手段を有する画像形成装置
    において、該画像形成装置が静電潜像の面積階調を用い
    て中間調画像を表現するデジタル方式の画像形成装置で
    あって、前記電子写真感光体の電荷輸送物質を含有する
    層の近隣の凹凸部の膜厚差を1.8μm以下としたこと
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記電子写真感光体の最表層に少なくと
    もシリコーンオイル系レベリング剤を含有することを特
    徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記電子写真感光体の電荷輸送物質を含
    有する層が、少なくとも結着樹脂と電荷輸送物質とから
    なる電荷輸送層と、少なくとも結着樹脂と電荷輸送物質
    とフィラーを含有する保護層とからなることを特徴とす
    る請求項1乃至2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記電子写真感光体の表面層の摩耗率
    (最表層の摩耗量/感光体走行距離)が1.50×10
    -11以下であることを特徴とする請求項1乃至3に記載
    の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記画像形成装置が複数色のトナー画像
    を順次重ね合わせてカラー画像を形成するカラー画像形
    成装置であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の
    画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記画像形成装置が複数の電子写真感光
    体を具備してなり、それぞれの電子写真感光体上に現像
    された単色のトナー画像を順次重ね合わせてカラー画像
    を形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記画像形成装置が、電子写真感光体上
    に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写した
    のち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転
    写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複
    数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカ
    ラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二
    次転写することを特徴とする請求項5又は6に記載の画
    像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記中間転写体がシームレスベルト状で
    かつ、ベルトの全層又はベルトの一部を弾性部材にした
    弾性ベルトであることを特徴とする請求項7に記載の画
    像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項4乃至8のいずれかに記載の画像
    形成装置に用いられるプロセスカートリッジ。
JP2001208694A 2001-07-10 2001-07-10 画像形成装置 Expired - Lifetime JP4206207B2 (ja)

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US7267916B2 (en) 2003-07-17 2007-09-11 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, and image forming method, image forming apparatus and process cartridge therefor using the electrophotographic photoreceptor
JP2009003249A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Fuji Xerox Co Ltd 総層厚検出装置、帯電装置、画像形成装置、総層厚検出方法及び総層厚検出プログラム

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