JP4068893B2 - 電子写真用感光体及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方法で画像形成を行う画像形成装置に使用される電子写真用感光体に係り、特に制振部材を内蔵した電子写真用感光体、及び、その電子写真用感光体を配設した画像形成装置に関するものであり、より詳しくは、電子写真用感光体で生じる振動音を抑制するための制振技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンター、レーザービームプロッターなどの電子写真方法を用いた画像形成装置では、電子写真用感光体(以下、単に感光体と称する)の回りに、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング及び除電(感光体によっては必ずしも必要ではない)の各装置が配設され、画像形成が行われる。
画像形成にあたって、感光体には帯電装置により、−400〜−800V(ホール移動度の有機感光体の場合、極性はマイナス)の帯電(電荷付与)が行われる。
【0003】
現在一般的に採用されている帯電方法には、円筒状あるいはコの字型の金属製シールドケース内に、直径40〜80μmのタングステン線、ニッケル線などの金属線、あるいは鋸歯状に加工した0.1〜0.2mmの厚みのステンレス板を感光体の長手方向に沿って感光体より5〜10mm程度離して帳架した帯電装置を用いて、−4500〜−6500Vの高電圧を印加し、感光体を帯電するコロナ帯電方法や、10〜1012Ω・cmの体積抵抗を有するローラー形状、ブラシ形状(繊維ブラシ、磁気ブラシなど)、あるいはシート形状の何れかの帯電部材で構成される帯電装置を感光体に当接し、帯電部材に−1000〜−2000Vの直流電圧、もしくは−600〜−1000Vの直流電圧に(1000〜2000V)/(500Hz〜4500Hz)の交流電圧を重畳させた電圧を印加する接触帯電方法があり、さらに前記帯電部材を感光体から30〜250μmの距離離して電圧を印加し、感光体を帯電する非接触帯電方法などが知られている。交流は一般的には正弦波が使用されるが、三角波もしくは鋸歯状波で有っても同様な効果が得られる。
【0004】
コロナ帯電方法や接触帯電方法は放電を伴う帯電方法であるため、電荷以外にオゾンや窒素酸化物などの感光体に対して汚染物質となるコロナ生成物が生成される。例えば、コロナ帯電法では帯電部材に高電圧が印加されるため、10ppm前後の高濃度のオゾンが発生するが、接触帯電方法や非接触帯電方法では印加電圧が低く設定できるため、オゾンの発生はコロナ帯電装置の1/100〜1/30と少ない。オゾンは強酸化作用があり、人体に大きな影響をもたらす他、画像形成上でも有害物質であるため、オゾンの機外への排出を極力減らすため椰子殻活性炭や、活性炭素繊維からなるフィルターを設けたり、近年ではオゾンの発生が極めて少ない接触帯電方法や非接触帯電方法に、さらに前記フィルターを併用する方式が多くなっている。
【0005】
接触帯電方法や非接触帯電方法では、直流電圧だけでも十分な帯電が可能であるが、感光層と帯電部材間の空隙が不均一であったり、急激な環境変動が有った場合に、帯電が不安定になり、画像濃度が不十分になることがある。この現象を補償するには、交流の均一化性質を利用して、帯電装置に交流電圧を重畳した直流電圧を印加するのが有効な手段である。
しかしながら、感光体に交流電圧を重畳した直流電圧を印加すると、直流電圧では問題とならなかったキーンと云う連続的な騒音(帯電音)が発生するという問題が起こった。
【0006】
この現象は帯電部材に交流成分を印加したために起こる現象で、振動電流に因って感光体が叩かれ、感光体が振動することに因って発せられる現象であり、帯電部材の振動が観測される。また、帯電部材に印加される交流電圧の周波数を高くすると高速追随性が良くなる。
しかし、帯電部材に印加される交流電圧の周波数が余り高いと、感光体へのダメージも大きくなるので、通常は、感光体の線速に応じて、安定した帯電が保証できる周波数で、また、周波数による帯電ピッチが発生しない周波数で、必要且つ十分な周波数帯域500〜4500Hzに設定される。単位時間当たりのコピー枚数が20〜50cpm(コピー/分)程度の複写スピードでは、一般に700〜2000Hzの周波数帯域が使用される。例えば、1000Hzの周波数に設定した場合は、1000Hzの他に倍の2000Hzの周波数も発生するので、騒音対策を行う場合には、周波数に対して幅広く適用できる対策を講じる必要がある。帯電に使用される周波数帯域は人間の耳には非常に敏感な周波数帯域であるため、機外にはっきりと聞こえ不快感(騒音問題)を与えるので、十分な対策が必要である。
【0007】
この騒音(本発明では帯電音やクリーニングブレードの摺擦音の総称)を改善する手段として、▲1▼感光体の支持体を厚くする、▲2▼ドラム状感光体の内部に制振部材(充填材)を挿入する、▲3▼帯電部材から発生する帯電音の対策を行う方法等が提案されている。
例えば、ドラム状感光体の内部に制振部材を挿入して、帯電音の発生を改善する方法としては、以下に示す開示例が有る。
特開2001−194954号公報には、再生を容易とし、感光体を帯電する際、クリーニングブレードが感光体を摺擦する際の振動音を抑制するために、アルミニウムのような丸棒の一端にテーパーを設けた充填部材を感光体内に挿入し、テーパーの隙間を埋めるような形で、スリットを有し、テーパー加工された円筒状の固定部材(例示ではアルミニウム)を挿入して充填部材を固定することが記載されている。
また、特開平5−197321号公報には、帯電時の帯電音(振動)を防止するために、感光体の全重量/全体積が0.65g/cm以上であり、その感光体の内部に密度2.0g/cm以上の剛体を挿入することが記載されている。また、円柱状の剛体(アルミニウム、真鍮、セメント、石膏、セラミック、天然ゴムなど)を感光体内に挿入し、感光体との密着性を上げるために1〜5(mm)程度のウレタンゴムやクロロプレンゴム等の弾性体で充填材を被覆したり、装着後必要に応じて、シアノアクリレート、エポキシ系などの接着剤を使用し固定することが記載されている。
さらに、特開平11−184308号公報には、2つ以上の弾性体(Oリング)と円柱状部材(比重1.5以上のプラスチック(ガラス繊維を20%以上含有するポリブチレンテレフタレート樹脂))から構成される部材を感光体へ挿入し、課題を達成することが記載されている。
さらにまた、特開2000−321929号公報には、金属製バネを内蔵した樹脂製円筒状部材を挿入し、感光体内壁に押圧力で固定する方法に因って課題を解決することが記載されている。
具体的には、切り欠きの有る樹脂製円筒材(詳細不明)の内側に、例えば0.5mmのステンレス板からなる金属製バネを装着し、その部材を感光体内に挿入し、感光体内壁に圧着することによって行うことが記載されている。
【0008】
一方、感光体基体の肉厚を厚くして、制振効果を高める方法としては、以下に示すような開示例がある。
特開2000−19761号公報には、感光体の基体の両端部にインロー加工を施し、インロー以外の肉厚を1.9mm以上とする支持体を用いることが記載されている。
また、特開2000−155500号公報には、感光体の体積密度を0.6g/cm以上、2.0g/cm以下とすることで制振効果を得ることが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した開示例は帯電音を抑制するのに有効な手段であるが、まだ幾つかの問題点を有している。
特開2001−194954号公報記載の技術では、帯電部材と感光体間で生じた振動は感光体を剛体化にすることによって抑制することが可能であるが、振動を十分に抑制するためには、感光体の内壁と充填部材間にできるだけ空隙を作らないことが重要であり、テーパー加工された円筒状の固定部材で感光体内に固定しても、アルミニウムのような剛体では嵌合した面の先端部に隙間を作りやすく、また取り出しやすいように加工した充填部材だと、どうしても感光体支持体間に隙間を生じやすいため、感光体は剛体化し難くなり、十分な制振(防振)効果が得にくい。また、挿入や取り出しを容易にするためにスリットを設けた固定部材を使用すると、感光体の支持体がスリットに沿った形で変形してしまい、真円度や真直度が保証されなくなり、正常な画像が得られにくくなる可能性がある。また、例示されているようなアルミニウムを使用した場合、充填材が動かないように固定すると、食い込みが生じ、取り出しが思うようにできず、ハンドリングの面での不具合が生じる。
【0010】
特開平5−197321号公報記載の技術では、重量の大きい充填材料を使用し、密着性は弾性体や接着剤を使用することで達成している。帯電音を抑制するためには充填材の重量と、感光体内壁への密着が重要である。
真鍮やセラミック、天然ゴムなどは比較的制振効果が高い材料であり、質量の大きい材料である。しかし、それらを固定する場合にゴムのような摩擦係数の高い弾性体を使用した場合、挿入及び取り出しが困難であり、部材の再使用の面で非常に不利となる。また、接着剤を使用した場合は取り出しや再生が困難となる。また、質量の大きい真鍮や銅等の金属ロットを内蔵させた場合、重量が極めて大きくなるため、感光体の樹脂製フランジ、駆動ギヤが摩滅し、回転が不安定になる可能性が大きい。
【0011】
特開平11−184308号公報記載の技術では、Oリングで充填材を感光体中に保持し、Oリングによる感光体への押しつけと、重量アップにより、帯電音を抑制するという方法で課題を達成するものである。この方法は充填材の重量、Oリングの管壁への押しつけにより、帯電音は抑制可能となる。しかし、重量がアップした分、抑制効果が働くが、Oリングが接触した部分では感光体内壁と密着状態にあるが、それ以外の部分は中空になるため、制振効果が不十分となり、予想通りの結果が得られにくい。
【0012】
特開2000−321929号公報記載の技術では、樹脂材は感光体内壁に圧着されても比較的振動しやすいために、帯電音の吸収が不十分であり、思ったほどの効果は得られない。
また、樹脂は厚みが厚くなると反発性が弱くなるので、必然的に薄い板厚のものを使う必要があるが、薄くなるほど制振効果が弱くなり、思ったほどの効果は得られない。金属製バネは0.5mm程度の板厚のものを使用することによって押圧効果が高く感光体内壁に十分に密着させることができるが、反発力が大きいため、丸め方(筒状化)によっては感光体の真円度が悪くなる可能性がある。
【0013】
一方、特開2000−19764号公報及び特開2000−155500号公報の2例は、両切りの感光体支持体のフランジを装着する部分より、中央部の厚みを厚くすることによって帯電音を抑制するという方法で課題を解決するものであるが、支持体材料に使用されるアルミニウムは音の伝搬が良好な材質であるため非常に響きやすい。支持体の厚みを厚くすると、剛体化するため響きは抑制され、層中での音波が吸収され響きが減少する。しかしながら、アルミニウムは元々音の伝搬速度が速い方で、吸収係数が低いために響き易い性質を有しているが、厚くすることに因って、制振効果が高くなることは事実である。但し、3mm程度に厚くしても、僅かに抑制されるだけで殆ど改善効果は得られないことが本発明者等によって確認されている。すなわち、感光体の支持体の加工だけでは制振効果が十分ではない。
【0014】
帯電音は感光体側に対策を打つのが適切であるが、感光体の支持体材料、厚み、内部に詰める材料種、単体部材、複合部材、それらの部材の感光体内壁に対する密着度、感光体の両端に固定するフランジの材料、厚み、固定の仕方等により大きく左右される。また、帯電部材への交流電圧の周波数、電圧の波高値によっても感じ方が大きく異なる。
制振部材を感光体内部に挿入する場合、十分な制振効果を有する制振部材であっても、ただ挿入しただけでは温度が低下し制振部材に収縮が生じた場合、制振部材と感光体内壁間に空隙が生じるため、感光体の制振効果が十分に働き難くなる。したがって、一般には接着剤で制振部材を固定することが行われる。制振効果は接着剤等を使用して感光体内壁に隙間無く接着することによって、制振部材と感光体が一体化し大きな制振効果を得ることができる。ただし、局所的な接着にとどめた場合や、密着不十分な場合には、空隙が生じるため期待した制振効果は得られにくくなる。
【0015】
接着剤を感光体に使用すると、制振効果を高めることが可能になるが、制振部材と感光体との分離が困難となる。また、仮に分離できたとしても、感光体の内壁には接着剤が付着しているため、再生し難くなり、また、制振部材自体の再使用も困難である。
今日、省エネルギー、省資源が極めて重要視されている中、制振部材の再使用や感光体の再生が強く望まれている。したがって、制振部材を接着剤などを使用せずに感光体内に容易に装着できるようにすることが重要である。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、帯電部材に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して感光体を帯電する際に発生する帯電音及び、クリーニングブレードが感光体を擦るときに発する摺擦音から成る騒音を抑制する特定の制振部材を装着固定した感光体、及びその感光体を搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。具体的には、接着剤などを使用せずに感光体内に容易に装着することができ、また、簡単に取り出しができ、リサイクル(再使用)が可能な制振効果の高い特定の制振部材を用い、その制振部材を装着することにより静粛性を高めると共に高耐久化をも図った電子写真用感光体、及び、その電子写真用感光体を搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するための手段として、本発明では以下に示すような構成を採用した。
(1).ドラム状の導電性支持体上に感光層が形成されてなる電子写真用感光体であり、接触もしくは近接配置された帯電装置の帯電部材に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して画像形成に必要な表面電位を帯電し、光書き込みによって静電潜像を形成するための電子写真用感光体であって、前記帯電部材に交流電圧重畳の直流電圧を印加して画像形成に必要な帯電を行う際に発生する振動を抑制するために、前記導電性支持体内に内蔵される取り外し容易でリサイクル可能な制振部材を備えた電子写真用感光体において前記制振部材は、長さ方向に外径が小となるテーパー状の円柱状弾性体A(以下、弾性体Aと記す)と、外径が長さ方向で一定の直径を有し、長さ方向に内径が小となる円筒状弾性体B(以下、弾性体Bと記す)とから構成され、前記弾性体Bを前記導電性支持体内に挿入した後、前記弾性体Bに前記弾性体Aを挿入して一体化される構成であり、前記導電性支持体内に内蔵される一体化された弾性体A及び弾性体Bは、前記導電性支持体の両端に装着されるフランジによって押圧され固定されている構成とする。
(2).(1)に記載の電子写真用感光体において、前記制振部材は、前記弾性体Aの片側に凹み、もしくは長手方向に貫通した穴が形成され、弾性体Aを弾性体Bに装着した時に、同じ長さになる様に加工されている構成とする。
(3).(1)または(2)に記載の電子写真用感光体において、前記制振部材の前記弾性体A及び弾性体Bの損失正接tanδが0.5以上である構成とする。
(4).(1),(2)または(3)に記載の電子写真用感光体において、前記制振部材の前記弾性体A及び弾性体Bがゴム状部材である構成とする。
(5).(1)〜(4)のいずれか一つに記載の電子写真用感光体において、前記制振部材の前記弾性体Aの外径をRa、前記弾性体Bの内径をRbとしたとき、端部より同じ長さ位置でのRaとRbの関係が、
Ra≦Rb≦Ra+0.5(mm)
であり、前記導電性支持体の内径をRd、前記弾性体Bの外径をRcとしたとき、RcとRdの関係が、
Rc≦Rd
である構成とする。
(6).(1)〜(4)のいずれか一つに記載の電子写真用感光体において、前記制振部材の前記弾性体Bに弾性体Aを内蔵して一体化したときの外径をRr、前記電子写真用感光体の導電性支持体の内径をRdとしたとき、
Rd≦Rr+0.5(mm)
である構成とする。
(7).(1)〜(6)のいずれか一つに記載の電子写真用感光体において、前記制振部材の前記弾性体Aの外側と前記弾性体Bの外側に潤滑剤が塗布してなる構成とする。
【0018】
(8).(1)〜(7)のいずれか一つに記載の電子写真用感光体において、前記導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層が積層されてなるか、もしくは、前記電荷輸送層(電荷輸送層I)上に更に電荷輸送層(電荷輸送層II)が形成されてなる構成とする。
(9).(8)に記載の電子写真用感光体において、前記電荷輸送層II中にフィラーが重量%で10%以上、40%以下含有されてなる構成とする。
【0019】
(10).ドラム状の導電性支持体上に感光層が形成されてなる電子写真用感光体に対して接触もしくは近接配置された帯電装置に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して画像形成に必要な表面電位に帯電し、光書き込みによって静電潜像を形成する電子写真方法を用いた画像形成装置において、前記電子写真用感光体として、(1)〜(9)のいずれか一つに記載の電子写真用感光体を使用して画像形成を行う構成とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作及び作用を図面を参照して詳細に説明する。
[画像形成装置と複写プロセス]
まず、本発明の制振部材を内蔵させた電子写真用感光体(以下、単に感光体と称する)を使用して画像形成を行うための画像形成装置と、電子写真方法による複写プロセスを説明する。図1は本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置では、感光体1を中心に、帯電装置2、画像露光装置3、現像装置4、転写装置5、分離装置6、クリーニング装置7(クリーニング装置7はクリーニングブレード7−1、もしくはクリーニングブレード7−1にさらにクリーニングブラシ7−2を付加して構成される)が配置され、複写プロセスでは、これらを順に作動させることよって画像形成が行われる。また、感光体1(本発明ではホール移動型の有機感光体で説明する)には後述する制振部材100が内蔵されている。
【0021】
感光体1には画像形成に際して、帯電装置2によって画像形成に必要な−400〜−800Vの帯電が行われる。帯電方式は環境面で有利なオゾン生成の少ない接触または非接触帯電方法が使用される。帯電に使用される帯電部材には、ローラー状、ブラシ状、シート状形状の部材の他、磁性紛を使用した磁気ブラシなどがあり、本発明ではいずれも使用可能であるが、画像品質、帯電安定性、耐久性等を勘案すると、ローラー帯電方法が望ましい。
ローラー帯電用の部材としては、例えば、ウレタンゴムやヒドリンゴムにカーボンや金属微粉末、イオン導電剤などの抵抗制御材を添加し、必要に応じてフッ素系樹脂、シリカなどの流動材を添加して、電気抵抗を10〜1010(Ω・cm)の範囲に調整したものが使用される。硬度はアスカーCで30〜70度程度である。
【0022】
一方、ブラシ帯電方法を使用する場合には、ブラシ一本が3〜10デニールの導電性繊維を10〜100フィラメント/束、80〜600本/mmの密度で支持体に植毛し、毛足を1〜10mmの間でカットした導電性ブラシが好適に使用できる。
また、磁気ブラシ帯電方法を使用する場合には、平均粒径が25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径が10μmのZn−Cuフェライト粒子を、重量比で1:0.05の割合で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いて、その被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、磁気ブラシとして使用する。
【0023】
これらの帯電部材には、−600〜−1000Vの直流電圧に、(1000〜2000V)/(500〜4500Hz)の交流電圧を重畳した直流電圧が印加される。交流電圧の波形は通常は正弦波が一般的であるが、三角波もしくは鋸歯状波であってもよい。
【0024】
感光体1は帯電装置2によって画像形成に必要な電荷が付与された後、図示しない原稿読み取り装置(スキャナ)の撮像素子(CCD(電荷結合素子))で読み取られた原稿画像、あるいはパーソナルコンピューターなどから送信されたデジタル信号を、半導体レーザ(LD)素子(あるいは発光ダイオード(LED)アレイ素子)、凸レンズ、ポリゴンミラー、シリンドリカルレンズ等で構成される画像露光装置3によって、60〜20μm程度のドット径に絞り込まれた単波長の光像が感光体面に照射され、入力信号に応じた静電潜像が感光体1に形成される。
画像露光装置3のLD素子もしくはLEDアレイ素子は、感光体1の最高感度領域に即した発光波長の素子が選択される。解像度を上げるためには波長が短いほどドット径を絞り込めるため、1200dpi(dpi:ドット/インチ)以上の高品位画像を得る場合に有効に使用することができる。現在使用できる最短の発光波長は400〜410nmの素子がある。
【0025】
感光体1に形成された静電潜像は1成分トナー(磁性トナー)、もしくは、トナーとキャリアからなる2成分系の現像剤が入った現像装置4によって顕像化される。
1成分の磁性トナーは、磁性体としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、コバルト、ニッケルのような金属、あるいはこれら金属とアルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物等が使用される。
これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが好ましく、含有量は、結着樹脂100重量部に対して、通常20〜200重量部、好ましくは40〜150重量部である。
母体粒子に添加される添加剤の粒径は、流動性付与等の点から、平均一次粒子径で0.002〜0.2μmであることが好ましく、特に好ましくは、0.005〜0.05μmである。
【0026】
一方、2成分現像剤に使用されるキャリアには、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のような磁性を有する粉体(磁性紛)が用いられる。特には、これらの表面は帯電性及び帯電安定性、耐久性等を鑑み樹脂等で被覆されることが多い。
被覆用の樹脂としては、ポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、等が挙げられる。
また、この樹脂層の形成法としては、従来と同様、キャリアの表面に噴霧法、浸漬法等の手段で樹脂を塗布すればよい。
【0027】
尚、樹脂の使用量としては、通常、キャリア100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。また、樹脂の膜厚としては、0.02〜2μmであることが好ましく、特に好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは、0.1〜0.6μmであり、膜厚が厚いとキャリア及び現像剤の流動性が低下する傾向にあり、膜厚が薄いと経時での膜削れ等の影響を受けやすい傾向にある。
また、キャリアの平均粒径は通常10〜100μm、好ましくは30〜60μmである。キャリアの粒径は解像度アップに有効に働くが、余り小さいと、感光体に付着し易くなり、ブレードで感光体に押しつけられ、感光体面を傷つけ、感光体の耐久性を短くする一因となる。
【0028】
一方、トナーは、結着樹脂に着色剤及び、その他必要に応じて帯電制御剤、離型剤等の他の材料を含有させた母体粒子に、さらに添加剤等を外添させてなる。
結着樹脂は、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリブチラール、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独あるいは2種類以上組合わせて用いることができ、特に、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂が好ましい。
【0029】
帯電制御剤は、例えば、ニグロシン染料、含クロム錯体、第4級アンモニウム塩等が挙げられ、これらはトナー粒子の極性により使い分ける。特に、カラートナーの場合、トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色のものが好ましく、例えば、サリチル酸金属塩又はサリチル酸誘導体の金属塩(ボントロンE84、オリエント社製)等が挙げられる。
これらの帯電制御剤は、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができ、含有量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.5〜8重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0030】
着色剤は、公知の染料及び顔料が使用できる。トナー粒径は、重量平均径で2〜9μmであることが好ましく、特に好ましくは4〜8μmである。
トナー粒径が4μmよりも小粒径の場合には、現像時に地汚れやトナー飛散等が起こり易く、また、流動性を悪化させ、トナー補給やクリーニング性を阻害する場合がある。さらに、飛散による人体への影響(環境問題)も起こりうる。一方、トナー粒径が8μmよりも大粒径の場合には、転写時や定着時のツブレによるシャープ性の低下が問題となる。
【0031】
現像が終了した後、給紙トレイ9から転写装置5に搬送されてきたコピー用紙Sにトナー像が転写される。この後、コピー用紙Sは交流電圧もしくは交流電圧を重畳した直流電圧が印加された分離装置6により感光体1より分離され、加熱ローラと加圧ローラからなる熱定着装置8に送られ、トナー像がコピー用紙に定着されてハードコピーとなる。
一方、コピー用紙S分離後の感光体1上の残留トナーは、ポリウレタンゴムやシリコーンゴム、ネオプレンゴム等の材料から成るクリーニングブレード7−1、もしくは、該クリーニングブレード7−1と、ポリエチレンやナイロン、炭素繊維などの繊維から構成されるクリーニングブラシ7−2とを併用して構成されるクリーニング装置7により清掃され、一連の複写プロセスは終了する。
【0032】
[感光体]
次に、本発明に使用する感光体について説明する。
感光体材料にはセレン系、有機感光体系、シリコン系等があり、本発明でも使用可能であるが、少なくとも電荷輸送層が有機系の感光層であって、薄肉の導電性支持体が使用でき、製作の容易さ、低コスト、高感度が得られ易い感光体が望ましい。これらの仕様を満足させる感光体としては、図2〜図4に示す層構成の有機系感光体が好適に使用可能である
【0033】
図2は導電性支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を積層して構成される3層構成の感光体、図3は図2の電荷輸送層(電荷輸送層I)の上に更に第2の電荷輸送層(電荷輸送層II)が積層された4層構成の感光体で、2層目の電荷輸送層(電荷輸送層II)には耐摩耗性を向上させるための無機フィラー(アルミナ、酸化チタン等)が10〜40%含有されている。さらに、図4は、図2に記載の感光体の電荷輸送層上に1012〜1014Ω・cm程度の体積抵抗に調整された高耐摩耗性の保護層(例えば、パラキシリレン膜、非晶質炭素膜、非晶質シリコン膜あるいは透明樹脂膜等)を形成した感光体である。本発明では主として図2または図3に示す構成の感光体を使用する。
【0034】
以下、感光体の構成に付いて詳細に説明する。
感光体の導電性支持体としては電気、機械、化学的などの諸特性を満足するステンレス、銅、真鍮などの金属の他、圧縮紙や樹脂、あるいはガラスに金やアルミ、白金、クロム等を蒸着あるいはスパッタリングした導電層、さらにはカーボン、錫等の微粒子を分散した導電層を塗工したもの等が使用できるが、帯電及びクリーニングブレードで発生した帯電音や摺擦音等の振動音を、効率よく解消するためには、振動が発生すると直ちに制振部材に伝達し、急速に減衰させるような音速の早い材料が望ましい。例えばアルミニウム(P波速度:6420m/s(理科年表より(国立天文台編 丸善株式会社)))やベリリウム(P波速度:12890m/s(理科年表より(国立天文台編 丸善株式会社)))などは振動を伝達する速度が大きい材料である。この内、アルミニウムは、感光体の支持体として簡単に入手でき、一般的に使用される薄肉に加工しやすい材料であるため、本発明には特に有効な材料であり、感光体用の支持体として使用することができる。アルミニウムの表面を加工する技術には、切削加工、ホーニング加工、ブラスト加工などがあり、目標の外径寸法に切削した後、さらに超仕上げ、鏡面仕上げ等により、表面粗度が0.1〜10μm程度になる様に加工され、十分に洗浄された物が使用される。また、電気抵抗は体積固有抵抗で、10Ω・cmオーダー以下の値であれば問題はない。
【0035】
導電性支持体の形状はドラム状で、直径はφ30〜80mm程度である。導電性支持体の材質は、帯電で生じた帯電音、あるいはクリーニングブレードの摺擦で生じた摺擦音の振動を素早く制振部材に伝達するために、上記のようにアルミニウム(例えばJIS3003系)が好適に使用できる。導電性支持体として使用されるアルミニウムの肉厚は、制振部材を内蔵して使用するため、本発明では振動の伝達を早めるためにできるだけ薄肉にするのが望ましい。しかし、肉厚が余り薄いと、前記した加工時、及び感光層の乾燥時の温度(140〜160℃)や、フランジ取り付け時の圧入で変形し、真円度、真直度が保証されなくなる。このため、直径がφ30〜80(mm)の感光体で有れば、導電性支持体の厚みは、0.6〜3mmが望ましく、さらには0.7〜1.5mm程度の厚みが望ましい。
【0036】
導電性支持体と感光層との間には、必要に応じて下引き層が設けられる。下引き層は支持体側からの電荷注入を阻止し帯電特性を安定させ、接着性を向上させ、モアレを防止し、上層の塗工性を改良し、残留電位を低減するなどを目的として設けられる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を、溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を分散し含有させてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0037】
さらに本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層には Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO,TiO,CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0.1〜20μmが適当であり、好ましくは1〜10μmである。
【0038】
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂が用いられる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料がある。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが良好に用いられる。
【0039】
一方、有機系材料としては公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0040】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
【0041】
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0042】
正孔輸送物質としては、以下に表される電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0043】
電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0044】
電荷輸送層(図3の4層構成の感光層の場合は電荷輸送層I)は、画像形成に必要な表面電位を確保するために形成する層である。
電荷輸送層は電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物または共重合体を適当な溶剤に溶解または分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。電荷輸送層Iの膜厚は10〜100μm程度が適当であり、解像力が要求される場合、薄い方が望ましく10〜30μm程度が適当である。
電荷輸送層を構成する低分子輸送材にはオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、α−フェニールスチルベン誘導体、トニフェニールメタン誘導体、アントラセン誘導体などを使用することができる。
【0045】
また、バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールCタイプ、ビスフェノールZタイプあるいはこれらの共重合体)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
【0046】
電荷輸送物質として用いることのできる材料は、上述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質が挙げられる。電荷輸送物質の使用量は高分子化合物100重量部に対して20〜200重量部、好ましくは50〜100重量部程度である。
また、電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。
【0047】
電荷輸送層IIは感光体の機械的(耐摩耗性)、電気的な耐久性を図るために形成される。電気抵抗は電荷輸送層Iと同等の1013Ω・cmオーダーもしくはそれ以上に設定される。電荷輸送層IIには、電荷輸送層IIの形成によって、電気的、光学的な特性の阻害が生じることなく、耐摩耗性を向上することが必要である。電荷輸送層Iと電荷輸送層II(特には両者の界面近傍)の比誘電率に大きな違いが生じた場合には、その境界近傍でホールのトラップレベルを形成しやすいため、比誘電率に差が生じるようなことは好ましくなく、数値的には2.5〜4.0程度の数値になる様に設定することが望ましい。また、できるだけ明確な界面が形成しにくい塗工法を採用し、電荷輸送層Iから表面に向かって移動するホール(正孔)が電荷輸送層IIにスムーズに注入し移動するようにする必要がある。
【0048】
フィラー(無機微粒子)は酸化物で絶縁体であり、バインダー樹脂に分散した場合、粒子とバインダー樹脂との界面にトラップが形成されやすい。このため、感光体を繰り返し使用した場合、残留電位が蓄積し、画像部電位の上昇を招くため、画像濃度の低下、解像度の低下が起こりやすい。したがって、分散性を良好にし感光層の均一化を図り、トラップの形成を阻害したり、トラップ密度を軽減するような添加物をドーピングすることも一方法である。また、感光体は、感光体に接触もしくは近接配置した帯電装置によって帯電するが、帯電の際に発生したオゾンや窒素酸化物などのコロナ生成物が感光体表層に付着したり、感光層中に進入し、電気抵抗を低下させ、解像度低下などの画像品質低下を起こす。これを解消するために、酸化防止剤、可塑剤を少量添加することもできる。ただし、これらの添加物は常に必要なものではなく、電荷輸送層が薄い場合や、フィラーの添加量が少ない場合、あるいは画像システムによっては添加する必要がない場合もある。
【0049】
電荷輸送層IIは、フィラーをバインダー樹脂中に適当量分散した塗工液をスプレー法やディッピング法などの塗工法を用いて目標の膜厚に塗工する。
フィラーは1014〜1015Ω・cm程度の固有抵抗を有し、撥水性を有し、その機能が持続するものが望ましい。
フィラー材料は、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料とがあり、有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、アモルファスカーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。特に、酸化チタンもしくはアルミナが本発明では望ましく使用できるが、より好ましくはアルミナである。これらのフィラーは単独もしくは混合して用いることができる。
【0050】
フィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラーの一次粒径の平均は、電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から0.01〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.5μmである。
粒径が小さいと、耐摩耗性の効果が低くなり、大きい場合には、磨耗は抑制される方向になるが、感光層に添加したフィラーによってブレードが磨耗したり、削れたフィラーによって感光層が削られる現象が有る。また、粒子間にコロナ生成物が入り込み、ブレードでの削除が困難となり、画像流れが起こりやすく成りやすい。
【0051】
尚、電荷輸送層の最表面側が最もフィラー含有率が高く、支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度を順次高くしたりするような構成にすることもできる。電荷輸送層IIに添加させる場合は、フィラーの添加量は、要求される耐刷枚数や、使用されるトナー等によって変わるが、通常は重量%で10%以上、40%以下、好ましくは10%以上、35%以下が望ましい。
【0052】
本発明に記載の電荷輸送層及び電荷輸送層IIには、膜厚の凹凸を低減する方法として、例えば、レベリング剤を添加する方法などは有効である。レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができ、静電特性に対する影響が小さいシリコーンオイル系のレベリング剤が特に好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。また、塗工時の条件等によっても凹凸を低減することは可能である。例えば、浸漬塗工において、感光体を引き上げた後、塗膜表面がまだウェットな状態の時に、フードで覆ったりすることで風の流れなどで表面を乱されないようにしたりすることで凹凸が低減される。また、塗膜表面付近の溶媒が急激に揮発すると表面だけが硬化して塗膜の内部が流動性を持った状態になり、この内部の塗膜が垂れて凹凸が形成されることもあるので、ウェットな状態の時に感光体の周りに溶媒の蒸気層を形成し、溶媒を穏やかに揮発させることでレベリングが進行し、凹凸が低減される。
【0053】
また、スプレー塗工においては、エアスプレーによって塗膜を形成する場合、エアの圧力や、エア流量を適量にコントロールすることで、塗膜が流動的な状態での表面の乱れを抑えて凹凸を抑制することが必要である。ここで、エア圧、エア流量が大きすぎるとエアの流れで塗膜の表面が乱れ、逆に小さすぎると、塗工液の液滴が均一にならなかったり、微粒化が不十分になったりして、塗膜の均一性が低下する原因となる。また、電荷輸送層を形成後、回転させつつ溶媒を揮発させるが、このときの回転速度が大きすぎると、まだ溶媒を含み流動性をもっている塗膜に遠心力がかかり、凹凸が強調される。また、逆に回転速度が小さすぎると、回転によるレベリングより重力による垂れの影響が勝り、凹凸が発生する原因となってしまう。そのため、塗膜がウェットな状態での感光体の回転速度を適正な値に設定することが必要である。
【0054】
また、スプレー塗工においては、塗工液を供給するポンプの送液が一定であることが重要となる。すなわち、液の供給が一定でなく脈動を持っていたりすると、それがダイレクトに液の吐出量に影響を与えるため、付着量にムラが生じることになる。そのため、スプレーに液を供給するポンプとしては、脈動を抑えた多連式プランジャーポンプや、シリンジ型の超精密吐出装置などを用いることが好ましい。
【0055】
これらの方法は単独で用いても良いが、複数組み合わせることで、より効果的にレベリングがなされ、凹凸が低減された電荷輸送層が形成される。
さらに、レベリングが不十分であった場合、電荷輸送層の凸部を摩耗してならすことも凹凸を小さくする方法として可能である。例えば、膜厚計で凸部を検出し、その部分を研磨加工して凸部をなくすという方法が考えられる。
【0056】
こうして形成される電荷輸送層の平均膜厚は5〜50μmであり、近隣の凹凸部の膜厚差が1.8μm以下である。また、高画質化、高解像度化のために、電荷輸送層の膜厚は薄膜化する傾向がある。ここで、薄膜化をすると、近隣の凹凸部の膜厚差による画像濃度差はより強調される傾向になるため、電荷輸送層の平均膜厚が20μm以下のような薄膜の場合、近隣の凹凸部の膜厚差は1.0μm以下程度に抑えることが好ましい。
【0057】
本発明においては、耐環境性の改善のため、及び、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
尚、各層に添加できる酸化防止剤として例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
(a)フェノ−ル系化合物:
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロ−ル類など。
(b)パラフェニレンジアミン類:
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類:
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類:
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
(e)有機燐化合物類:
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0059】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤:
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤:
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤:
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤:
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体:
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤:
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤:
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤:
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤:
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤:
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体:
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体:
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他:
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0060】
本発明では滑剤を各層に添加することができる。例えば、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物:
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物:
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物:
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物:
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物:
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん:
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス:
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他:
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0061】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系:
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系:
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系:
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
(d)シアノアクリレート系:
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系):
ニッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン):
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0062】
[制振部材]
次に制振部材100の構成を図5〜図7に示す。
制振部材100は弾性体A(101)と弾性体B(102)から構成される。弾性体A(101)と弾性体B(102)は装着時同じ長さになる物であり、長さ方向で外径が小となるようなテーパーを有する円柱状弾性体A(101)を、外径が長さ方向で一定の直径を有し、内径が長さ方向で小となるテーパーを有する円筒状弾性体B(102)に挿入して一本の円柱にした制振部材を、感光体1の導電性支持体内壁に密着内蔵させることによって、制振効果を最大限に発揮することができる。ここで、内径、外径は弾性体もしくは感光体内側(導電性支持体の内側)の直径、弾性体の外側の直径を意味する。
【0063】
本発明では、テーパーを有する2種の弾性体A(101),B(102)を使用することによって、接着剤のようなリサイクルに不利な材料を使用しなくとも、弾性体Aと弾性体Bから成る制振部材を感光体1の導電性支持体内に確実に密着させることができ、感光体及び制振部材にダメージを与えることなく、容易に取り外しも可能である。
【0064】
弾性体A(101)の外径Raは端部より測定したときの直径が、弾性体B(102)での同じ位置の内径Rbより0〜0.5mmの範囲で太くなっていることを特徴とする。
すなわち弾性体A(101)の外径をRa、弾性体B(102)の内径をRbとしたとき、端部より同じ長さの位置でのRaとRbの関係が、
Ra≦Rb≦Ra+0.5(mm)
であり、感光体の導電性支持体の内径をRd、弾性体B(102)の外径をRcとしたとき、RcとRdは、
Rc≦Rd
とすることによって、また、弾性体A(101)と弾性体B(102)を一体化した時の外径をRrとした時、感光体の導電性支持体の内径Rdとは、
Rd≦Rr+0.5(mm)
とすることによって、制振部材100が感光体1の導電性支持体内壁に十分に密着し、良好な制振効果を発揮できる。また、0.5mm以上厚くなると弾性体A(101)を弾性体B(102)に挿入したとき段差を生じ、感光体1の両端へのフランジの装着が十分に行われずに、感光体1に凸凹が生じ易く、真直度、真円度に不具合を来す恐れが大である。
【0065】
本発明に使用される制振部材は再使用されることを特徴とする。一般に弾性体B(102)に相当する部材は挿入及び取り出しが簡単に行われるために円筒状ではなく、1枚の弾性体を丸めた片端が解放状の筒にされることが多いが、このような形状だと、どうしても合わせ面に隙間ができたり、重なりが生じたりすることが多く、開示例(特開2001−194954号公報)に図示された切り欠きのある固定部材同様に、感光体の導電性支持体に局部的に変形が生じ、真円度、真直度が保証できなくなる。また、画像形成域より短い制振部材であると、挿入された領域と、空間のところで同様に変形が起こることがある。したがって、本発明では図7に示すように、制振部材100(弾性体A(101)と弾性体B(102))は感光体1の両端に装着されるフランジの内側端部一杯の長さに設定される。そして、制振部材をフランジで押えることによって、さらなる制振効果を保証する。
【0066】
ここで、図5に示す例のように、弾性体A(101)には端面に感光体を筐体と導通を結ぶときのフランジに取り付けられた電極用の凹みが形成される。また、凹みでなくとも、図6に示す例のように、両端部に貫通した穴(貫通孔)であってもよい。貫通孔はロングシャフトに感光体を挿入して固定するときにも使用される。
【0067】
弾性体A(101)と弾性体B(102)の材質には反発弾性の小さい材料が望ましい。具体的には、損失正接tanδが0.5以上、さらに好ましくは0.6以上の部材が好適に使用される。この部材にはブチル、ニトリル、シリコーンなどのゴム部材が好適であるが、使用される材料は前記ゴム部材に限定されるものではなく、損失正接tanδが0.5以上有り、成形が用意で、経年変化が無く、型くずれしない材料であれば使用可能である。
【0068】
2、3点のブチルゴム(試料片は厚み2mm、幅5mm、長さ30mm)をJIS K 7244−4に規定された非共振振動法に準じた方法で測定すると、損失正接tanδは0.5〜0.8の数値が観測された。
HANENITEの商品名で販売されている内外ゴム(株)のゴム部材は損失正接tanδが0.8〜2程度と高い制振効果を有するものもある。この他には、粘着性が有り、取り扱い上注意を要するが、ソルボセインのような制振部材も良好な制振部材として使用することができる。
【0069】
制振効果は制振材の重量や厚みに因っても異なる。例えば、導電性支持体の厚みが0.75mmである感光体に、厚さの異なるブチルゴムを内蔵して、帯電ローラーを接触させて配置し、−800Vの直流電圧と、2KV/2KHzの交流電圧を印加して、300mm離れた位置での音圧を測定した結果を図8に示す。感光体中に内蔵したブチルゴムの厚みが3mmから4mmにかけて音圧に変化が生じ、3mmを越えると騒音として聞こえる帯電音が急激に減少することが確認される。
すなわち、高い制振効果を得るためには、制振部材の厚みは4mm以上が望ましいことが判る。したがって、貫通孔を有する制振部材を挿入する場合には、貫通孔を除いた厚みの部分が4mm以上になるようにすればよいことが判る。
【0070】
弾性体の具体的な寸法は、弾性体B(102)の場合、端部の薄い部分の肉厚は1〜3mm程度、厚い方は5〜20mm有ればよい。弾性体A及び弾性体Bの寸法は感光体1の導電性支持体の内径に合わせて設定される。φ28.5mmの内径を有する感光体の場合、弾性体Bの薄肉の厚みを2mmとした場合、弾性体Aの厚肉の直径はφ24.5〜24.8mm程度に設定すればよい。
【0071】
ここで、前記したtanδについて説明する。tanδは損失正接、もしくは損失係数と言われるもので、或る材料における応力と歪みの位相角δ(損失角)の正接を損失正接と呼ぶ。この損失正接は材料固有の値で、その材質の減衰効果を示している。すなわち、損失正接tanδの値が大きければ、より大きな減衰効果が得られる。一般的にはゴム材料の物理特性を表わすときに測定される特性だが、プラスチック、繊維、紙、セラミックス、セメントなどでも測定される。
【0072】
制振部材として使用するゴム状部材は摩擦抵抗が大きいため、挿入時あるいは取り出しが困難な場合がある。このような場合、潤滑性を示すフッ素樹脂のコート層を形成すれば改善することが可能であるが、コストアップを招き、作製工程が複雑になるため好ましくない。簡単に潤滑効果を得る手段としては、フッ素系樹脂の粉末、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、黒鉛等の粉末系が好適に使用できる。これら以外にもシリコーン系、フッ素系のオイルやグリースなどの潤滑剤も使用可能であるが、滑り性という面では粉末系に劣る。オイルやグリースを塗った上に粉末状の潤滑剤を塗布すると、各部材間の密着性を高め、滑り性も粉末状の潤滑剤と同等にすることが可能となる。
【0073】
上記の潤滑剤は弾性体A(101)の外側と、弾性体B(102)の外側に薄く塗布することによって、2種の弾性体の挿入及び、取り出しをスムーズに行うことができる。オイルやグリースは弾性体間、弾性体−感光体間の密着度をより一層高めることができ、制振効果をさらに高めることができる。
【0074】
【実施例】
以下、具体的な実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0075】
[実施例1〜4]
<評価用感光体の作製>
本発明で使用する有機感光体を下記の要領で作製した。
導電性支持体として直径φ30mm、長さ340mm、肉厚0.75mmのアルミニウムドラムを用い、このアルミニウムドラムに下記に示す組成の下引層(UL)用塗工液、電荷発生層(CGL)用塗工液を用い、順に浸漬塗工を行い、各々120℃の温度で20分の加熱乾燥により、3.5μmの下引層、0.15〜0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに、電荷輸送層(CTL)用塗工液に浸積塗工し、130℃の温度で30分の加熱乾燥の後、28μmの有機感光体を完成した。これを実施例1および実施例2の感光体とする。
【0076】
この有機感光体とは別に、前記した0.15〜0.2μmの電荷発生層上に、22μmの電荷輸送層を形成し、130℃の温度で30分の加熱乾燥後、さらに、バインダー樹脂と低分子電荷輸送物質(ドナー)、1次粒子0.3μmの無機微粒子(アルミナ)、分散助剤及び溶剤を硝子ポットに入れ、ボールミルで24時間分散させ、平均粒径(堀場製作所製CAPA500で測定)約0.6μmの塗工液を作り、スプレー法を用いて2回往復塗布後、150℃の温度で20分加熱乾燥させて、無機微粒子25%を含有する約5μmの電荷輸送層IIを有する電子写真用感光体を完成した。これを実施例3および実施例4の感光体とする。尚、下記に記載の「部」はいずれも重量部を表す。
【0077】
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業社製):6部、
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業社製):4部、
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製):40部、
メチルエチルケトン:200部。
【0078】
〔電荷発生層用塗工液〕
下記の化学式に示す構造のビスアゾ顔料:10部、
ポリビニルブチラール:2部、
2−ブタノン:200部、
シクロヘキサノン:400部。
【0079】
【化1】
Figure 0004068893
【0080】
〔電荷輸送層I用塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(帝人化成社製:Zポリカ):10部、
下記の化学式に示す構造の低分子電荷輸送物質:8部、
テトラヒドラフラン:200部。
【0081】
【化2】
Figure 0004068893
【0082】
〔電荷輸送層II用塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(Mv5万):10部、
下記の化学式に示す構造の電荷輸送物質:7部、
無機微粒子:アルミナ(AA−03 住友化学工業製):5.7部、
分散助剤:(BYK−P104 ビックケミージャパン製):0.08部、
テトラヒドラフラン:700部、
シクロヘキサノン:200部。
【0083】
【化3】
Figure 0004068893
【0084】
<帯電部材>
直径φ6mmの真鍮製ロット棒に、カーボンを均一分散して電気抵抗を6×10Ω・cm(直流電圧100V印加時)に調整したエピクロルヒドリンゴムを3mmの厚さになるように塗布した。さらに、エピクロルヒドリンゴムにカーボン、シリカ、フッ素樹脂を分散して電気抵抗が(3〜5)×10Ω・cm(直流電圧100V印加時)になるように調合したエピクロルヒドリンゴムを厚さ1mm塗布し、直径φ14mmの帯電部材を作製した。
【0085】
一方、電気抵抗が6×10Ω・cm(直流電圧100V印加時)となるエピクロルヒドリンゴムを直径φ6mmの真鍮製ロット棒に厚さが4mmと成るように塗布し、直径φ14mmの帯電部材を作製した。この帯電部材の両端部から3mm内側に、厚さ49μm、幅10mm、長さ43mmの菱形にカットしたPET(ポリエチレンテレフタレート)を張り付けスペーサーとした非接触帯電部材を作製した。このときの感光体と帯電部材間の距離は平均で53μmであった。
【0086】
<制振部材>
制振部材の材料に損失正接tanδが約0.5と0.8のブチルゴムを用い、金型成型により作製した。
形成後の弾性体Aの寸法は、肉厚部が外径φ24.7mm、肉薄部が外径φ12.7mm、肉厚部の中央部に形成した凹みが内径φ22mm、深さ6mmとする円柱状の制振部材、弾性体Bは肉薄部が肉厚2mm、肉厚部が肉厚8mmで、外径がφ28.2mmの円筒状制振部材であった。長さは弾性体A、弾性体Bとも312mmであった。尚、感光体の導電性支持体の内径はφ28.5mmである。
【0087】
感光体の導電性支持体内に挿入する前に、弾性体Aの外側及び弾性体Bの外側にフッ素系潤滑剤(PTFE粉末:商品名ルブロンL−5 ダイキン工業製)を不織布につけてほぼ均一に塗り、あらかじめ片側にフランジをセットしておいた感光体の導電性支持体の中に弾性体Bを挿入し、次に、弾性体Aを挿入し、弾性体Aを軽く叩きながら完全に挿入した後、反対側のフランジをセットした。
【0088】
<評価方法>
制振部材の音圧測定は、温度が22〜24℃、湿度が65%RHの環境条件に設定された実験室で行った。制振部材を内蔵させた感光体(実施例1〜4)、もしくは非内蔵のフランジを装着した感光体(比較例1,2)に、帯電装置を接触もしくは非接触の状態で設置し、台座の上に設置した。測定時の感光体は回転せず固定式とした。台座から300mm離れた位置に騒音計(アコー社製 タイプ6224)のプローブを設置し、帯電部材には−750Vの直流電圧と、1.6KV/1.8KHzの正弦波を重畳した交流電圧を印加した。尚、実験室の暗騒音(音圧)は約45dBであった。図9は制振部材有りと無し時の、感光体支持体の厚みによる帯電音の違いを示すグラフである。
【0089】
制振部材を内蔵させた感光体用の評価機として、市販の電子写真複写機(リコー製 イマジオMF2200)を用意した。
この評価機の感光体ユニットにセットされている帯電部材に接続される高圧直流電源ユニットを切り離し、別に用意した高圧電源(長野愛知電気製 タイプHV−255)を接続し、直流電圧を−720V、交流電圧を1.6KV/1.8KHzに夫々設定し、トリガーを給紙タイミング回路から取り、高圧電源の動作タイミングを設定した。感光体の表面電位は−650Vとし、直流電圧を微調整した。また、現像バイアスは−500Vとした。
【0090】
現像に使用するキャリアには50μmの粒径のフェライト系磁性粉を使用し、トナーには流動材としてシリカを1.5%、酸化チタンを0.85%夫々添加した平均粒径6.3μmのシアントナーを使用した。
評価枚数はA4サイズ5万枚とし、初期の感光層膜厚と5万枚後の膜厚を渦電流式膜厚計(フィッシャー社製 タイプMMS)を使って測定し、感光層の摩耗量を評価した。また、画像品質として、解像度及び地肌汚れの評価を実施した。評価結果を下記の表1に示す。
【0091】
尚、表1中の音圧は感光体を評価機に搭載する前に測定した数値、解像度は5万枚後の竹の子チャートを読んだ数字、膜厚は初期と5万枚後の膜厚差を夫々示す。また、制振部材の0.5,0.8は損失正接tanδの値を示す
表中の数字は大きいほど音圧が高く、耳に不快な音になることを意味する。数字は小さい程良い。通常は4dB以下で有れば、装置のモーター音でマスクされてほぼ気にならない程度の音圧を示し、2.5dB以下で有れば聴感上殆ど気にならない程度の静粛性である。
【0092】
制振部材の損失正接tanδが0.5の場合は帯電音がモーター音にマスクされて気にならない程度ぎりぎりの制振効果であったが、0.8になると明らかに静かになり、音圧は微かに聞こえるか聞こえない程度に音圧の静粛化が図られ、良好な結果であった。また、評価機に搭載した場合には、帯電音は気にならず、クリーニングブレードによる摺擦音も確認できなかった。
一方、制振部材を装着しない場合(比較例1,2)では、甲高い耳障りな帯電音が発生した。また、クリーニングブレードによる摺擦音は連続音ではないが、微かに発生することが確認された。解像度は制振部材に左右されず、いずれも良好な結果が得られた。感光層の摩耗はフィラーを添加した電荷輸送層IIを形成した4層構成の感光体の方が明らかに摩耗が少ない結果であった。
【0093】
【表1】
Figure 0004068893
【0094】
[比較例3,4]
損失正接tanδが約0.4で、φ27.5×300(mm)に加工した円柱状のクロロプレンゴムの両端部各1カ所づつ、幅12.5mmのテフロン(登録商標)テープ(3M社PTFEテープの商品名)を貼り、テープ部分の外径がφ28.6mmとなる制振部材を作製した。この制振部材用のクッション材としてφ28.4×315(mm)の発泡材(密度57kg/mのモルトプレーン(商品名SMK イノアック社製)を用意した。一方、長さφ10mm×310mmの中空状の軸に、幅15mmの翼を45度間隔に4枚取り付けて、スパイラル状にした直径3φ8mmとなるシリコーンゴム製の制振部材の2種を用意した。
【0095】
これらの制振部材の制振効果を実施例1〜4に記載の方法で確認した結果を下記の表2に示す。
ネオプレンゴムでは音圧差が4.5dB、スパイラル状のシリコーンゴム製の制振部材では6.5dBを示し、いずれも聴感上うるさく感じられるレベルであった。
ネオプレンゴムを使用して音圧が高かったのは、損失正接tanδが低いことと、感光体内壁と制振部材間に0.5mmの隙間が生じたために、制振部材の密着がなく、振動が制振部材に十分に伝達されなかった為と推測される。
【0096】
これらの2種の制振部材を装着した感光体の評価機での確認実験では、感光層の磨耗は3層構成の有機感光体よりは明らかに少なく、フィラーを添加した電荷輸送層IIの効果が現れている。尚、クリーニングブレードの摺擦音は小さいが、微かに発生する音が確認された。
シリコーンゴムの方は簡単に取り出しが可能であったが、テフロン(登録商標)テープを巻いたクロロプレンゴムの方は少しきつく成り、幅12.5mmのテープであっても、押し出しによる取り出しは容易ではなかった。
【0097】
【表2】
Figure 0004068893
【0098】
[実施例5〜10]
実施例1〜4に記載の電荷輸送層IIの製造方法において、電荷輸送層IIに添加するフィラー量を重量%で5%、10%,20%,30%,40%及び50%の有機感光体を作製し、実施例1〜4に記載の非接触帯電方法(印加電圧−720V、1.6KV/1.8KHz)、制振部材を使用し、制振部材の評価を行なった。制振部材及びその他の条件は実施例1〜4と同じである。評価結果を下記の表3に示す。
【0099】
暗騒音との音圧差はフィラーの添加量に左右されずに2.0〜2.5(dB)と良好な結果であり、帯電音はほぼ問題なかった。画像品質は30%迄は解像度が7.1〜8.0(本/mm)と高かったが、40%では少し低下が見られ、50%では明らかに解像度低下が見られた。解像度の面からすると、40%が限度と考えられる。一方、地肌汚れは全サンプルとも良好であった。
摩耗量は図10に示すように、フィラー量の添加量に応じて減少するため、10%以上40%以下が好適に使用可能である。
【0100】
【表3】
Figure 0004068893
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明では、ドラム状の感光体に内蔵して、帯電時の帯電音及びクリーニングブレードによる摺擦音を抑制する制振部材として、長さ方向に外径が小となるテーパー状の円柱状弾性体Aと、外径が長さ方向で一定の直径を有し、長さ方向に内径が小となる円筒状弾性体Bとを組み合わせて使用することによって、ドラム内への装着や取り出しが簡単に行えるため、制振部材は破損することが無く再使用が可能であり、感光体もリサイクル容易であり、環境並びに省エネ、省資源に有利となる。そして、請求項1に係る発明では、上記の構成、効果に加えて、弾性体A及び弾性体Bから構成される制振部材を感光体内に内蔵させ、両端から、フランジで僅かに押圧するように装着することによって、制振部材の内部での移動は全くなくなり、また、さらに密着性が増すため、帯電音のみならず、クリーニングブレードによる摺擦音の制振効果をより一層高めることができる。
また、請求項2に係る発明では、請求項1の構成、効果に加えて、弾性体Aの片側に凹みもしくは長手方向に貫通した穴が形成され、弾性体Aと弾性体Bを同じ長さに加工することにより、感光体に電極を挿入して筐体と電気的な接続をするのに無理が無く行え、また、感光体にシャフトを通して固定する場合も問題が生じない。また、弾性体の長さを合わせることによって、フランジを圧入する際に無理が無くなり、偏った圧入が行われにくくなり、感光体の真円度、真直度が維持しやすい。
さらに請求項3に係る発明では、請求項1または2の構成、効果に加えて、弾性体A及び弾性体Bに損失正接tanδが0.5以上の特性の材料を使用することにより、帯電時の帯電音、クリーニングブレードによる摺擦音を効果的に低減することができる。
さらに請求項4に係る発明では、請求項1,2または3の構成、効果に加えて、弾性体A及び弾性体Bの材質として、ゴム状部材を使用することにより、部材自体の鳴きが無く、制振効果が得られやすく、作製や加工が比較的容易である。また、重量が金属等に比して軽く、感光体を回転するギヤへの負担が少なく、取り扱い上騒音問題が少ない等の利点がある。
さらに請求項5に係る発明では、請求項1〜4のいずれかの構成、効果に加えて、制振部材を構成する弾性体Aの外径をRa、弾性体Bの内径をRbとしたとき、端部より同じ長さ位置でのRaとRbの関係が、
Ra≦Rb≦Ra+0.5(mm)
であり、感光体の導電性支持体の内径をRd、弾性体Bの外径をRcとしたとき、RcとRdの関係が、
Rc≦Rd
となるようにすることにより、制振部材を感光体内に装着しやすく、また取り出すときも容易である。また、弾性体Aの外径と弾性体Bの内径とが同等か0.5mmの範囲内で大きいため、弾性体Aは弾性体Bに密着し、また、弾性体Bは感光体の支持体内壁に密着する。この結果、制振効果が高まり、帯電音のみならず、クリーニングブレードによる摺擦音の振動に有効な騒音対策が行える。
さらに請求項6に係る発明では、請求項1〜4のいずれかの構成、効果に加えて、制振部材を構成する弾性体Bに弾性体Aを内蔵して一体化したときの外径をRr、感光体の導電性支持体の内径Rdとしたとき、
Rd≦Rr+0.5(mm)
とすることにより、制振部材は感光体の支持体内壁に完全に密着状態を呈するため、制振効果が高められ、帯電音のみならず、クリーニングブレードによる摺擦音の振動に有効な騒音抑制が行える。
さらに請求項7に係る発明では、請求項1〜6のいずれかの構成、効果に加えて、弾性体Aの外側と弾性体Bの外側とに潤滑剤を夫々塗布することにより、弾性体間及び弾性体の感光体への挿入、取り出しがより一層スムーズになり、作業時間の短縮と共に省エネ、省資源化に寄与することができる
【0102】
請求項8に係る発明では、請求項1〜7のいずれかの構成、効果に加えて、帯電装置に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して帯電を行う感光体として、有機感光層が形成された感光体とすることによって、薄い導電性支持体を使用することが可能となる。この薄い支持体は感光体内に制振部材を挿入し、制振効果を高める上で重要である。また、薄い支持体は感光体上で生じた振動を遅滞なく制振部材に伝達できるため、振動の継続が無く、一つの振動が起こると直ちに消滅する。このことによって、帯電音やクリーニング部材での摺擦音は遅滞なく抑制され、騒音問題が解決され、静粛性の高い感光体を提供できる。
さらに請求項に係る発明では、請求項の構成、効果に加えて、電荷輸送層上にさらに、電荷輸送層(電荷輸送層II)を形成し、層中に10%以上、40%以下のフィラーを含有させることによって、感光体の電気及び作像特性が維持されつつ、静粛性に優れた高耐久性の感光体を提供することができる。
【0103】
請求項10に係る発明では、ドラム状の導電性支持体上に感光層が形成されてなる電子写真用感光体に対して接触もしくは近接配置された帯電装置に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して画像形成に必要な表面電位に帯電し、光書き込みによって静電潜像を形成する電子写真方法を用いた画像形成装置において、前記電子写真用感光体として、請求項1〜9のいずれか一つに記載の電子写真用感光体を使用して画像形成を行うことにより、請求項1〜9のいずれかと同様の効果が得られ、帯電音やクリーニングブレードでの摺擦音が十分に抑制され、騒音問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図2】感光層が3層構成の有機系感光体の層構成を説明する概略要部断面図である。
【図3】感光層が4層構成の有機系感光体の層構成を説明する概略要部断面図である。
【図4】図2に示す感光体の電荷輸送層上に保護層を形成した有機系感光体の層構成を説明する概略要部断面図である。
【図5】制振部材を構成する、凹みを有する円柱状の弾性体Aと、円筒状の弾性体Bの形状例を示す斜視図である。
【図6】制振部材を構成する、貫通孔を有する円柱状の弾性体Aと、円筒状の弾性体Bの形状例を示す斜視図である。
【図7】導電性支持体内に制振部材を内蔵させ、両側にフランジを装着した状態の感光体の概略断面図である。
【図8】制振部材の厚みに因る制振効果を説明するグラフである。
【図9】制振部材有りと無し時の、感光体の導電性支持体の厚みによる帯電音(騒音計の音圧)の違いを説明するグラフである。
【図10】電荷輸送層II中に添加した無機フィラー量に因る5万枚通紙時の感光層の磨耗量を説明するグラフである。
【符号の説明】
1:電子写真用感光体(感光体)
2:帯電装置
3:画像露光装置
4:現像装置
5:転写装置
6:分離装置
7:クリーニング装置
8:定着装置
9:給紙トレイ
100:制振部材
101:弾性体A
102:弾性体B
103:凹みもしくは貫通孔
S:コピー用紙

Claims (10)

  1. ドラム状の導電性支持体上に感光層が形成されてなる電子写真用感光体であり、接触もしくは近接配置された帯電装置の帯電部材に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して画像形成に必要な表面電位を帯電し、光書き込みによって静電潜像を形成するための電子写真用感光体であって、前記帯電部材に交流電圧重畳の直流電圧を印加して画像形成に必要な帯電を行う際に発生する振動を抑制するために、前記導電性支持体内に内蔵される取り外し容易でリサイクル可能な制振部材を備えた電子写真用感光体において
    前記制振部材は、長さ方向に外径が小となるテーパー状の円柱状弾性体A(以下、弾性体Aと記す)と、外径が長さ方向で一定の直径を有し、長さ方向に内径が小となる円筒状弾性体B(以下、弾性体Bと記す)とから構成され、前記弾性体Bを前記導電性支持体内に挿入した後、前記弾性体Bに前記弾性体Aを挿入して一体化される構成であり、前記導電性支持体内に内蔵される一体化された弾性体A及び弾性体Bは、前記導電性支持体の両端に装着されるフランジによって押圧され固定されていることを特徴とする電子写真用感光体
  2. 請求項1記載の電子写真用感光体において、
    前記制振部材は、前記弾性体Aの片側に凹み、もしくは長手方向に貫通した穴が形成され、前記弾性体Aを前記弾性体Bに装着した時に、同じ長さになる様に加工されていることを特徴とする電子写真用感光体
  3. 請求項1または2記載の電子写真用感光体において、
    前記制振部材の前記弾性体A及び弾性体Bの損失正接tanδが0.5以上であることを特徴とする電子写真用感光体
  4. 請求項1,2または3記載の電子写真用感光体において、
    前記制振部材の前記弾性体A及び弾性体Bがゴム状部材であることを特徴とする電子写真用感光体
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子写真用感光体において、
    前記制振部材の前記弾性体Aの外径をRa、前記弾性体Bの内径をRbとしたとき、端部より同じ長さ位置でのRaとRbの関係が、
    Ra≦Rb≦Ra+0.5(mm)
    であり、前記導電性支持体の内径をRd、前記弾性体Bの外径をRcとしたとき、RcとRdの関係が、
    Rc≦Rd
    であることを特徴とする電子写真用感光体
  6. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子写真用感光体において、
    前記制振部材の前記弾性体Bに前記弾性体Aを内蔵して一体化したときの外径をRr、前記導電性支持体の内径をRdとしたとき、
    Rd≦Rr+0.5(mm)
    であることを特徴とする電子写真用感光体
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の電子写真用感光体において、
    前記制振部材の前記弾性体Aの外側と前記弾性体Bの外側に潤滑剤を塗布してなることを特徴とする電子写真用感光体
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の電子写真用感光体において、
    前記導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層が積層されてなるか、もしくは、前記電 荷輸送層(電荷輸送層I)上に更に電荷輸送層(電荷輸送層 II )が形成されてなることを特徴とする電子写真用感光体。
  9. 請求項8記載の電子写真用感光体において、
    前記電荷輸送層 II 中にフィラーが重量%で10%以上、40%以下含有されてなることを特徴とする電子写真用感光体。
  10. ドラム状の導電性支持体上に感光層が形成されてなる電子写真用感光体に対して接触もしくは近接配置された帯電装置に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して画像形成に必要な表面電位に帯電し、光書き込みによって静電潜像を形成する電子写真方法を用いた画像形成装置において、
    前記電子写真用感光体として、請求項1〜9のいずれか一つに記載の電子写真用感光体を使用して画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置
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