JP2004286988A - 画像形成装置およびプロセスカートリッジ並びに画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真感光体のクリーニング性を高く維持しながら、クリーニングブレードの振動に起因する鳴き等の異常音の発生がなく、クリーニングブレードと感光体との摩擦力低減効果を維持し、さらに耐摩耗性にも優れ、長期使用に対しても高画質画像が安定して得られる画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ、及びそれらを用いる画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置、および電子写真感光体を具備する画像形成装置において、該クリーニング手段にクリーニングブレードが用いられ、その表面にダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が塗布されていることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置、および電子写真感光体を具備する画像形成装置において、該クリーニング手段にクリーニングブレードが用いられ、その表面にダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が塗布されていることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体の表面をクリーニングするためのクリーニング部材を備えた電子写真複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に使用される画像形成装置、プロセスカートリッジ、および画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、これらの電子写真複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ等のパーソナル化が進む中、電子写真装置およびプロセスの高耐久化(メンテナンスフリー化)、高安定化(高画像品質維持性)が要求されている。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の画像形成プロセスを利用した画像形成装置では、帯電手段により帯電された感光体上に、光書き込みや原稿像の露光等の潜像形成手段で静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段の現像剤で現像して可視像化した後、該可視像を転写手段により記録紙等の記録材に転写し、記録材に転写された可視像を定着手段で定着して画像を形成している。
【0003】
このような画像形成装置においては、トナー画像の転写された後も一部感光体表面にトナーが残留しているので、この残留トナーを除去するクリーニング装置が必要となる。
クリーニング装置の構成には、クリーニングブレードを感光体の回転方向に対して、逆回転方向(カウンター)に圧接させるカウンター法、もしくは順回転方向(リーディング)に圧接させて行うリーディング法があるが、さらに必要に応じて、ポリエステル繊維やナイロン繊維等のクリーニングブラシが併用される。
【0004】
ブレードクリーニングを用いるブレードクリーニング方法は、画像形成装置の小型化には有利な方法であるため、殆どの画像形成装置に採用されている。
ブレードクリーニング方式では、ブレードを感光体の回転方向に対してカウンター方向に設置すると、感光体に対する食い込みが増し、トナーのクリーニング性能を高めることができるため、今日の主流となっている。
現在、一般的にクリーニングブレード用として使用されるポリウレタンゴムは、例えばポリカーボネート樹脂製の感光体の表面に密着し易く、感光体とブレード間の摩擦抵抗が極めて大きい。
そのため、クリーニングブレードのエッジが感光体に当接されると、エッジ部が感光体の回転方向に引っ張られ、ブレードめくれやブレード鳴きの問題が生ずる。
この時ブレードと感光体間に隙間を生じるため、感光体に付着しているトナーや、紙粉などの粉体がすり抜ける現象が起こる。トナーのすり抜けはトナーフィルミングや、帯電部材の汚染となり、帯電不良、画像品質の低下などを引き起こす。
【0005】
さらに、近年、高画質化を達成するために従来よりも小粒径のトナーを用いることが多くなってきており、この小粒径トナーがクリーニングブレードからすり抜けるのを阻止するために、さらなるブレード圧で感光体に圧接する結果、感光体との摩擦力が増大し、感光体の駆動トルクがアップするためブレードの巻き込みによる装置の停止やクリーニング不良の状態を引き起こし画像に悪影響を及ぼしやすい。
【0006】
このようなクリーニングブレードと感光体間の摺擦圧の増大による問題を解消するために、例えば特許第3119792号公報(特許文献1)に開示されているように、使用初期状態にクリーニングブレードのエッジ部に潤滑剤を塗布することによって、感光体との当接部の摩擦力を低減させる手法が提案されている。これらの潤滑剤としては、例えば、シリコンオイル(特開2002−091256号公報)、フッ素オイル等の潤滑性液体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有樹脂(特許第2962843号公報・・・特許文献2、特開平7−181851号公報等)、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコングリース、フッ素グリース(特開平7−92876号公報・・・特許文献3、実公平06−035258号公報、特開2002−162885号公報、特開平10−214009号公報等)、パラフィンワックス、脂肪酸エステル類、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩(特開平7−181862号公報)、黒鉛、二硫化モリブデン等の潤滑性固体や粉体等(特開平10−31401号公報)が挙げられる。
【0007】
しかしながら、これらの潤滑剤をブレードエッジ部に塗布する従来の方法では、装置の長期的使用に伴い、剥がれ落ち、ブレードエッジ部から無くなってしまう。したがって、クリーニングブレードと感光体の当接部に潤滑剤が介在することで摩擦力を低減する効果は維持されることはなく、再び感光体とクリーニングブレード間の摩擦力が増大するために前述した問題を解消するには至っていなかった。
【0008】
一方、電子写真方式において使用される感光体は、低価格、感光体設計の自由度の高さ、無公害性等の理由から、従来の無機感光体から有機感光体が広く利用されるようになってきている。
しかしながら、有機材料であるがゆえに表面硬度が低く、複写プロセスでの実使用時に現像剤、転写紙、クリーニング部材等から受ける機械な負荷によって、摩耗や傷が発生しやすいという本質的な欠点も有している。
このような課題に対し、感光体の耐摩耗性を向上させる技術として、金属酸化物からなるフィラーを含有した保護層を感光体表面に設ける技術が特開平5−158389号公報(特許文献4)、特開2002−207308号公報、特開2002−229227号公報等に開示されており、比較的長期にわたって安定に耐摩耗性、および電気特性を維持できることから有効な方法として注目されている。
【0009】
しかしながら、耐摩耗性を向上するために表面保護層に硬度の高いフィラーを含有する結果、表面凹凸性が大きく、クリーニングブレードとの密着性が低いため、トナーがクリーニングブレードと感光体との間からすり抜けてクリーニング不良やそれに起因するフィルミング、融着などの画像劣化を引き起こしやくなる。この問題を解消すべく、ブレード圧を上げれば、感光体の駆動トルクが上昇して、クリーニングブレードのめくれを生じたり、ブレード鳴きを生じたりする。
【0010】
また、装置の長期使用に伴い、帯電時に生ずるオゾン、NOx等の帯電生成物が付着することで保護層表面の摩擦係数が上がって、クリーニングブレードと感光体表面との摺擦圧が増大する結果、前述したブレードめくれやブレード鳴きの発生に加え、ブレード先端の損傷によるクリーニング不良を引き起こし、感光体の摩耗をも促進することになる。このように、クリーニングブレードと感光体間で生じるブレードめくれやブレード鳴きの問題が、さらに感光体の耐摩耗性向上を図ることで、さらにクローズアップされることになる。
【0011】
【特許文献1】
特許第3119792号公報
【特許文献2】
特許第2962843号公報
【特許文献3】
特開平7−92876号公報
【特許文献4】
特開平5−158389号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子写真感光体のクリーニング性を高く維持しながら、クリーニングブレードのめくれや、クリーニングブレードの振動に起因するブレード鳴き等の異常音の発生を抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、クリーニング装置に直接塗布された潤滑剤が、クリーニングブレードからすり抜けることなくブレードと感光体との間に介在することで、摩擦力低減の効果を維持し、さらに、従来の耐摩耗性に優れた感光体におけるクリーニング不良の問題を解消し、長期使用に対しても高画質画像が安定して得られる画像形成装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、少なくとも上記クリーニングブレード及び電子写真感光体を具備する画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジ、及び該プロセスカートリッジを装着した画像形成装置、さらにこれら画像形成装置を用いる画像形成方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するべく検討を重ねた結果、クリーニング手段に用いられるクリーニングブレード表面に潤滑剤としてダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子を塗布することにより、ブレードめくれや鳴きを抑制し、さらに耐摩耗性の向上と、安定したクリーニング性が長期にわたって維持される画像形成装置が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明によれば、下記の画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ、該プロセスカートリッジを装着した画像形成装置、及びこれら装置を用いる画像形成方法が提供される。
(1)少なくとも帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置、および電子写真感光体を具備する画像形成装置において、該クリーニング手段にクリーニングブレードが用いられ、その表面にダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が塗布されていることを特徴とする画像形成装置。
(2)前記クリーニング手段に用いられるクリーニングブレード表面に塗布されたダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子の平均粒径が、50nm以下であることを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂中に無機フィラーを含有した表面保護層を積層した構成のものであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記電子写真感光体の表面保護層に含有される無機フィラーが金属酸化物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)前記電子写真感光体の表面保護層に含有される無機フィラーの金属酸化物が少なくとも酸化アルミニウムであることを特徴とする(4)に記載の画像形成装置。
(6)前記電子写真感光体の表面保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記電子写真感光体の表面保護層に含有される電荷輸送物質が高分子電荷輸送物質であることを特徴とする(6)に記載の画像形成装置。
(8)前記電子写真感光体の表面保護層に含有される高分子電荷輸送物質が少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートであることを特徴とする(7)に記載の画像形成装置。
(9)画像形成装置本体に対して、着脱自在に装着しうるプロセスカートリッジであって、少なくとも、(1)〜(8)いずれかに記載のクリーニング装置と電子写真感光体とをカートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(10)(9)に記載のプロセスカートリッジを装着したことを特徴とする画像形成装置。
(11)(1)〜(8)および(10)のいずれかに記載の画像形成装置を用いることを特徴とする画像形成方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置は、少なくとも帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置、および電子写真感光体を具備する画像形成装置において、該クリーニング手段にクリーニングブレードが用いられ、その表面にダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が塗布されていることを特徴とするものである。
【0016】
ここで、本発明のダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が有する効果について説明する。
このクリーニングブレードに塗布されたダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、装置の作動により、クリーニングブレードと感光体との当接部において優れた効果を発揮する。
ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、クリーニングブレードと感光体との当接部に介在し、マイクロベアリングのコロとして作用する。このため、クリーニングブレードと感光体間の摩擦抵抗は低減され、従来、クリーニングブレードと感光体間の高い摩擦力のために発生していたブレードの微振動に起因するブレード鳴きや、ブレードめくれの問題が解消される。
【0017】
さらに、耐摩耗性を向上させるため、保護層にフィラーを含有した電子写真感光体においては、保護層表面に凹凸が形成されているために、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が、クリーニングブレードから感光体表面に移って、表面保護層の凹凸部を埋めることになり、感光体とクリーニングブレードとの摩擦力が低減される。特に、平均粒径が50nm以下の場合、表面保護層の凹凸部に入り込みやすく、その結果、表面保護層からクリーニングブレードで掻き取られ難く、表面に残留するために、摩擦力低減の効果が長期的に維持される。さらには、クリーニング性と耐摩耗性が向上する。
以上のように、本発明の画像形成装置とすることにより、クリーニングブレードと感光体との間に生ずるブレードめくれやブレード鳴きといった問題を解消し、さらに優れたクリーニング性、および感光体の耐久性を向上されることができる。
【0018】
以下、図面に沿って、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の電子写真プロセスおよび画像形成装置を説明するための概略図である。
電子写真プロセスは、電子写真感光体1を中心に、順に帯電装置2、画像露光装置3、現像装置4、転写装置5、分離装置6、クリーニング装置7が配置され、更に、定着装置8、及び被転写体9(コピー用紙やOHPシートなど)を配置したカールソンプロセスによる方式である。
図1において、感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電装置2(コロナ帯電法、接触帯電法、感光体に数十μm隔離して配置された非接触帯電法のうち、いずれか1方法)により、感光体1は画像形成に必要な表面電位に帯電される。帯電部材2−1に高圧電源回路が接続され、直流電圧若しくは交流電圧を重畳した直流電圧の、いずれかの電圧が発生する回路で構成される。
【0019】
コロナ生成物の影響、放電破壊等を勘案すれば、画像品質が保証される範囲内で、画像形成に必要な暗部電位Vdは可能な限り低くする方が良く、現像装置位置での暗部電位Vdは−350〜−800Vの範囲の一定値になるように設定することが望ましい。
帯電方式はコロナ帯電方法に比べてオゾン生成が遙かに少ない、環境面に有利な接触帯電方法、またはコロナ生成物の発生は多くなるが、非接触帯電方法が好適に使用出来る。帯電に使用される帯電部材には、ローラ状、ブラシ状、シート状形状部材の他、磁性紛を使用した磁気ブラシなどがあり、本発明ではいずれも使用可能である。画像品質、帯電安定性、耐久性等を勘案すると、弾性部材を使用したローラ帯電方法が望ましい。
【0020】
図1に記載されているような、ローラ方式の帯電部材は、例えば、φ5〜φ15(mm)のSUS製丸棒の芯金に弾性部材を被覆して作製される。感光体を帯電する弾性部材には、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴムやエピクロルヒドリンゴムに、導電性カーボン、炭素繊維粉末、イオン導電剤などの抵抗制御材を添加し、必要に応じてフッ素系樹脂などの撥水剤を添加して、体積抵抗を105〜1014(Ω・cm)に調整したものが使用される。適用される体積抵抗率は、接触帯電部材と非接触帯電部材とで変える必要がある。
【0021】
ブラシ帯電方法を使用する場合には、ブラシ一本が3〜10デニールの導電性繊維(例えば、ポリエステル繊維にカーボン、イオン導電剤などを添加した繊維)を10〜100フィラメント/束、80〜600本/mmの密度で支持体に植毛し、毛足を1〜10mmの間でカットした導電性ブラシが好適に使用できる。
【0022】
一方、磁気ブラシ帯電方法を使用する場合には、平均粒径が25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径が10μmのZn−Cuフェライト粒子を、重量比で1:0.05の割合で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いて、その被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、磁気ブラシとして使用することが好ましい。
【0023】
感光体に印加される電界強度は、現像装置すなわち潜像を現像する位置で(−)1.3×105〜4.5×105(V/cm)で有ることが望ましい。この電界強度は10〜30μmの感光体を(−)350〜800(V)帯電するのに相当する。画像形成時の感光体に掛かる電界強度が大きいと、感光層にピンホールが発生した場合に放電破壊現象に到る確率が高くなり、電界強度が低い場合には、画像品質が貧弱に成る可能性が高くなるため、感光層には適正な電界強度に設定することが重要である。
【0024】
帯電後、感光体1には、画像露光装置3により、CCD(電荷結合素子)で読みとられた原稿画像、或いはパーソナルコンピューターなどから送信されたデジタル信号を、一個若しくは複数個のLD(Laser Diode)素子、若しくはLED(Laser Emitting Diode)アレイ、凸レンズ、ポリゴンミラー、シリンドリカルレンズ等で構成される画像露光装置3によって、60〜20μm程度のドット径に絞り込まれた単波長の光像が感光体面に照射され、入力信号に応じた静電潜像が形成される。LD素子もしくはLEDアレイ(波長:780nm〜400nm)は感光体の最高感度領域若しくはその近傍の発振波長の素子が選択される。発振波長が短くなるほど、スポット径を絞り込む事が出来るため、400〜450nm程度の短波長側に発振波長を有するLD素子は1200や2400dpi等の高解像度を得る場合に有利である。
【0025】
この静電潜像を可視化するために、1成分トナー(磁性トナー)、もしくは、トナーとキャリアからなる2成分系の現像剤を使用した現像装置4が使用される。
現像装置4により感光体上に現像されたトナーは、転写装置5の受像媒体(コロナ放電式、ローラ、ベルト式など)により、搬送された被転写体9(コピー用紙やOHPシートなど)に転写され、分離装置6により被転写体9は感光体1より引き離され、定着装置8に送られ、ハードコピーとなる。
【0026】
一方、コピー用紙分離後の感光体上の残留トナーはポリウレタンゴムやシリコーンゴム、ネオプレンゴム、フッ素ゴム等の材料から成るクリーニングブレード7−1、もしくは/さらにポリエチレンや、ナイロン、炭素繊維などの繊維から構成されるクリーニングブラシと併用して構成されるクリーニング装置7により清掃され、一連の複写プロセスが終了する。一般に使用されるクリーニングブレードの形状は、コストの面から、板厚が1.5〜3mm程度の短冊状弾性体(ポリウレタンゴム)が使用される。
【0027】
ここで、本発明において、最も特徴とするクリーニングブレードに塗布されるダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子について説明する。
ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、好ましくはSP3軌道を有するダイヤモンドと類似のC−C結合を有する方が望ましい。なお、SP2軌道を有するグラファイトと類似の構造をもつ膜でも構わないし、さらに非晶質性のものでも構わない。またダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、炭素だけで構成されるのではなく、水素、酸素、窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素等の他の元素が含有されていてもかまわない。
【0028】
本発明のダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子の製造方法として、粉砕法等の固相法、CVD、PVD等の気相法、液相法等がある。
特に良好な微粒子の製造方法は、不活性ガス雰囲気の密閉容器内で、トリニトロトルエン等を爆発させ、高温高圧下で、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子を形成し(超高圧爆射法)、その後、分級を行ない、所望の粒径の微粒子を得るものである。
このダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、一つの粒子で形成されていてもよく、ナノクラスターカーボン微粒子と呼ばれている複数の粒子が凝集したものでもかまわない。複数の粒子が凝集した場合は、その凝集体の平均粒径が本発明の平均粒径となる。
【0029】
本発明に用いられるクリーニングブレードに塗布されたダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、平均粒径が100nm以下であり、さらに好ましくは、50nm以下である。平均粒径が50nm以下の微粒子は、電子写真プロセスにおけるブレードクリーニングでは、除去することができなく、感光体表面に残留するため、その摩擦力低減の効果は長期にわたって維持される。加えて、超微粒子であるがために研磨研削性はなく、感光体表面を傷つける要因にはならない。平均粒径は小さければ小さいほどその効果が大きいが、平均粒径が5nm未満の微粒子は、製造上、安定したものが得られない。平均粒径が100nmを越えるような微粒子は、潤滑剤としての効果よりは、逆に研磨剤として働くため感光体表面層を摩耗させる結果になりやすい。また、長期的な使用を考えた場合、平均粒径が大きくなると、感光体表面の凹凸部に入り込み難く、さらには、感光体とクリーニングブレードとの当接部から剥れ落ち、潤滑剤としての効果は維持されにくくなる。
【0030】
本発明のダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、単独で用いることもできるが、従来技術に挙げたような潤滑剤と併用することも可能である。
【0031】
これらのブレードを固定する手段として、アルミニウム、燐青銅、鉄、真鍮などの金属、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、デルリン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂、アルミナなどのセラミック部材を板やケーシングに加工してクリーニングブレードを取り付ける事ができるが、加工性や強靱性、温度変形がない、さびないなどの特性からクロムメッキした鉄板、アルミニウム板のような1mm〜3mm程度の肉厚の金属板が好適である。
【0032】
以上に示すような画像形成手段は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、除電装置を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図2に示すものが挙げられる。
【0033】
以下、本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図3は、本発明における電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層33が設けられてなる。
図4は、本発明における電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層34と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層35が積層された構成となっている。
図5は、本発明における電子写真感光体のさらに別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体31上に、下引き層32が設けられ、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層34と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層35が積層された構成をとっており、さらに電荷輸送層の上に表面保護層36が設けられてなる。
【0034】
本発明の電子写真感光体の構成は、導電性支持体上に少なくとも、感光層を有していれば、上記のその他の層等、任意に組み合わされていても構わない。
以下、各構成要素について説明する。
【0035】
<導電性支持体について>
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0036】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂とを適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0037】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0038】
<感光層について>
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合は、感光層は電荷発生物質を含んだ電荷発生層34と電荷輸送物質を含んだ電荷輸送層35から構成される。また、単層構造の場合には、感光層は少なくとも電荷発生物質を含んだ層から構成される。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
【0039】
<感光層が積層構造からなるもの>
(電荷発生層)
電荷発生層34は、画像露光により潜像電荷を発生分離させることを目的とし、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファスセレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコン等が挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系染料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0040】
電荷発生層34に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し、通常0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0041】
ここで用いられる溶媒としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層34の膜厚は0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0042】
(電荷輸送層)
電荷輸送層35は、帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層34で発生した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的と達成するためには、誘電率が小さくかつ電荷移動性が良いことが要求される。これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層34上に塗布、乾燥することにより形成できる。
【0043】
電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0044】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、通常20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
【0045】
電荷輸送層35の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶媒は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層35の形成には電荷発生層34と同様な塗工法が可能である。
【0046】
また、電荷輸送層35には、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層35に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等一般の汎用の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層35に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層35の膜厚は、5〜50μm程度が適当であり、解像度、地汚れ等の画像特性及び帯電電位、感度等の電気特性上、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
【0047】
<感光層が単層構造からなるもの>
次に感光層が単層構造の場合について述べる。
単層構造は導電性支持体31上に少なくとも電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光層33を設けたものである。感光層33は、電荷発生物質と結着樹脂の他に必要に応じて電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は既に述べたものと同様のものが使用できる。
【0048】
結着樹脂としては、既に電荷輸送層35で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層34で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。
樹脂成分100重量部に対する電荷発生物質の量は1〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。
感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要に応じて電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
【0049】
<下引き層について>
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体31と感光層33との間に下引き層32を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶媒で塗布することを考えると、一般の有機溶媒に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層32は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0050】
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0051】
<保護層について>
本発明の電子写真感光体では、感光層保護の目的で表面保護層36を設けることもある。
表面保護層36に使用される結着樹脂としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が有効に使用される。
これらの結着樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0052】
無機フィラーとしては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に金属酸化物が良好であり、さらには、耐摩耗性、フィラー材料固有の屈折率から、酸化アルミニウムが特に有効に利用される。
【0053】
無機フィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。
【0054】
表面保護層36は、無機フィラーと結着樹脂を、適当な溶媒に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。
必要により、電荷輸送物質、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
なお、表面保護層の厚さは1.0〜10.0μmの範囲であることが好ましい。薄すぎた場合は、長期的使用において、摩耗し、消失しやすくなり、厚い場合には、残留電位上昇や微細ドット再現性の低下が考えられる。
表面保護層中の結着樹脂の固形分濃度は、通常20〜80重量%であり、好ましくは40〜70重量%である。
【0055】
感光層上に表面保護層を設ける方法としては、浸漬塗工方法、リングコート法、スプレー塗工方法など用いられる。
このうち一般的な表面保護層の製膜方法としては、微小開口部を有するノズルより塗料を吐出し、霧化することにより生成した微小液滴を感光層上に付着させて塗膜を形成するスプレー塗工方法が用いられる。
【0056】
表面保護層には残留電位低減、応答性改良のため、電荷輸送物質を含有しても良い。電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を有しても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。
【0057】
また、保護層には電荷輸送物質としての機能と結着樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される保護層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルのいずれか一つの重合体であり、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが好ましい。中でも、下記一般式(1)〜(10)で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0058】
【化1】
[式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
【化2】
{式中、R1 0 1、R1 02は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
【化3】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R1 03、R1 04は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、R1 0 1とR1 02、R1 03とR1 04は、それぞれ同一でも異なってもよい。}]
【0059】
【化4】
(式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一または異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0060】
【化5】
(式中、R9、R1 0は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0061】
【化6】
(式中、R11、R1 2は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0062】
【化7】
(式中、R1 3、R1 4は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1 0、Ar11、Ar1 2は同一又は異なるアリレン基、X1、X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。)
【0063】
【化8】
(式中、R1 5、R1 6、R1 7、R1 8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1 3、Ar1 4、Ar1 5、Ar1 6は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0064】
【化9】
(式中、R1 9、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1 9とR20は環を形成していてもよい。Ar1 7、Ar1 8、Ar1 9は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0065】
【化10】
(式中、R2 1は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar2 1、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)式の場合と同じである。)
【0066】
【化11】
(式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0067】
【化12】
(式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0068】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することが出来る。また塗工液中のフィラー分散性向上のために分散安定剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
【0069】
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0070】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0071】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0072】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0073】
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0074】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0075】
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0076】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0077】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリブチル−5′−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0078】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2′チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0079】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、これにより本発明の態様が限定されるものではない。なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表す。
また、本発明に用いられるダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、これらを総称して、以下、ダイヤモンド微粒子と記載する。
【0080】
感光体作製例1
φ30mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液、保護層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、30μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
〔電荷発生層用塗工液〕
【化13】
〔電荷輸送層用塗工液〕
【化14】
【0081】
感光体作製例2
感光体作製例1において、電荷発生層上に膜厚25μmの電荷輸送層を形成後、下記組成の無機フィラーを含有した保護層用塗工液を電荷輸送層上にスプレー塗工し、膜厚5μmの保護層を設けた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
【0082】
感光体作製例3
感光体作製例2における保護層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
【化15】
{k=0.42、j=0.58、Mw=160000(ポリスチレン換算)}
【0083】
(実施例1)
感光体作製例1の感光体と、固体潤滑剤として、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子(平均粒径:25μm)を塗布したクリーニングブレードを設け、画像露光光源:655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる書き込み)に改造したイマジオMF200にて、初期時、および10万枚(A4)の通紙試験後のブレードめくれとブレード鳴き発生の有無を、さらに10万枚通紙後のクリーニング性、画像品質、摩耗量を評価した。
【0084】
[評価]
(1)初期、および10万枚通紙後のブレードめくれ及びブレード鳴き評価については、以下のように行なった。
▲1▼ ブレードめくれ
通紙試験の続行が不可能な状態となるブレードめくれ発生の有無を観察した。
○・・・ブレードめくれの発生がない
▲2▼ ブレード鳴き
○・・・ブレード鳴きが発生せず、良好
△・・・ブレード鳴きがごく稀に発生し、音量は小さい
×・・・ブレード鳴きが連続的に発生し、音量も大きい
(2)クリーニング性
クリーニング性の評価については、トナーのブレード抜けによる黒スジの発生をクリーニング不良の判定基準とした。
○・・・10万枚通紙後まで良好
不良・・・トナーすり抜けによる黒スジ発生
(3)画像品質
画像品質評価は、リコー製テストチャートを用いてハーフトーン、解像度、地肌汚れ等を総合的に判断した。
(4)摩耗性
摩耗量の評価については、渦電流式膜厚計(フィッシャー社製 タイプMMS)を用いて、初期時における感光層の平均膜厚と10万枚通紙試験後の感光層の平均膜厚の差により求めた。
【0085】
(実施例2)
固体潤滑剤として、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子(平均粒径:50μm)使用した以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0086】
(実施例3)
固体潤滑剤として、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子(平均粒径:80μm)使用した以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0087】
(実施例4)
感光体作製例2の感光体を用いた以外は、実施例2と同様にして評価を行なった。
【0088】
(実施例5)
感光体作製例3の感光体を用いた以外は、実施例2と同様にして評価を行なった。
【0089】
(比較例1)
固体潤滑剤として、ポリフッ化ビニリデン(米国ペンウォルト社製カイナー500、平均粒径:0.3μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0090】
(比較例2)
固体潤滑剤として、ポリフッ化ビニリデン(米国ペンウォルト社製カイナー500、平均粒径:0.3μm)を使用した以外は、実施例4と同様にして評価を行なった。
【0091】
(比較例3)
固体潤滑剤として、不定形形状を有するフッ化黒鉛(セントラル硝子(株)製セフボン−CMF、平均粒径:0.1μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0092】
(比較例4)
固体潤滑剤として、不定形形状を有するフッ化黒鉛(セントラル硝子(株)製セフボン−CMF、平均粒径:0.1μm)を使用した以外は、実施例4と同様にして評価を行なった。
【0093】
(比較例5)
固体潤滑剤を塗布していないクリーニングブレードを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0094】
(比較例6)
固体潤滑剤を塗布していないクリーニングブレードを用いた以外は、実施例4と同様にして評価を行なった。
【0095】
以上のように作製した感光体について、感光体作製例No.と表面保護層に含有されるフィラー、およびクリーニングブレードに塗布される潤滑剤の種類と特性値一覧を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
評価結果を表2に示す。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、電子写真感光体のクリーニング性を高く維持しながら、クリーニングブレードの振動に起因するブレード鳴き等の異常音の発生を抑制し、さらに、クリーニングブレードに塗布された潤滑剤が、クリーニングブレードからすり抜けることなくクリーニングブレードと感光体との間に介在することで、摩擦力低減の効果を維持し、さらに、従来の耐摩耗性に優れた感光体におけるクリーニング不良の問題を解消し、長期使用に対しても高画質画像が安定して得られる画像形成装置、および画像形成装置用プロセスカートリッジ、並びにそれらを用いる画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される複写プロセスを説明する画像形成装置の概略図である。クリーニング手段として、クリーニングブレードを使用している。
【図2】プロセスカートリッジの一例を示す。図では、感光体、帯電装置、クリーニング装置、転写装置が一体的に組み込まれた構成になっている。
【図3】本発明に係る電子写真感光体の層構成を示す断面図である。
【図4】本発明に係る電子写真感光体の別の層構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る電子写真感光体のさらに別の層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
(図1及び2)
1 電子写真感光体(感光体)
2 帯電装置
2−1:帯電部材
3 画像露光装置
4 現像装置
5転写装置
6 分離装置
7 クリーニング装置
7−1:クリーニングブレード
8 定着装置
9 被転写体(コピー用紙)
(図3〜5)
31 導電性支持体
32 下引き層
33 単層感光層
34 電荷発生層
35 電荷輸送層
36 表面保護層
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体の表面をクリーニングするためのクリーニング部材を備えた電子写真複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に使用される画像形成装置、プロセスカートリッジ、および画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、これらの電子写真複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ等のパーソナル化が進む中、電子写真装置およびプロセスの高耐久化(メンテナンスフリー化)、高安定化(高画像品質維持性)が要求されている。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の画像形成プロセスを利用した画像形成装置では、帯電手段により帯電された感光体上に、光書き込みや原稿像の露光等の潜像形成手段で静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段の現像剤で現像して可視像化した後、該可視像を転写手段により記録紙等の記録材に転写し、記録材に転写された可視像を定着手段で定着して画像を形成している。
【0003】
このような画像形成装置においては、トナー画像の転写された後も一部感光体表面にトナーが残留しているので、この残留トナーを除去するクリーニング装置が必要となる。
クリーニング装置の構成には、クリーニングブレードを感光体の回転方向に対して、逆回転方向(カウンター)に圧接させるカウンター法、もしくは順回転方向(リーディング)に圧接させて行うリーディング法があるが、さらに必要に応じて、ポリエステル繊維やナイロン繊維等のクリーニングブラシが併用される。
【0004】
ブレードクリーニングを用いるブレードクリーニング方法は、画像形成装置の小型化には有利な方法であるため、殆どの画像形成装置に採用されている。
ブレードクリーニング方式では、ブレードを感光体の回転方向に対してカウンター方向に設置すると、感光体に対する食い込みが増し、トナーのクリーニング性能を高めることができるため、今日の主流となっている。
現在、一般的にクリーニングブレード用として使用されるポリウレタンゴムは、例えばポリカーボネート樹脂製の感光体の表面に密着し易く、感光体とブレード間の摩擦抵抗が極めて大きい。
そのため、クリーニングブレードのエッジが感光体に当接されると、エッジ部が感光体の回転方向に引っ張られ、ブレードめくれやブレード鳴きの問題が生ずる。
この時ブレードと感光体間に隙間を生じるため、感光体に付着しているトナーや、紙粉などの粉体がすり抜ける現象が起こる。トナーのすり抜けはトナーフィルミングや、帯電部材の汚染となり、帯電不良、画像品質の低下などを引き起こす。
【0005】
さらに、近年、高画質化を達成するために従来よりも小粒径のトナーを用いることが多くなってきており、この小粒径トナーがクリーニングブレードからすり抜けるのを阻止するために、さらなるブレード圧で感光体に圧接する結果、感光体との摩擦力が増大し、感光体の駆動トルクがアップするためブレードの巻き込みによる装置の停止やクリーニング不良の状態を引き起こし画像に悪影響を及ぼしやすい。
【0006】
このようなクリーニングブレードと感光体間の摺擦圧の増大による問題を解消するために、例えば特許第3119792号公報(特許文献1)に開示されているように、使用初期状態にクリーニングブレードのエッジ部に潤滑剤を塗布することによって、感光体との当接部の摩擦力を低減させる手法が提案されている。これらの潤滑剤としては、例えば、シリコンオイル(特開2002−091256号公報)、フッ素オイル等の潤滑性液体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有樹脂(特許第2962843号公報・・・特許文献2、特開平7−181851号公報等)、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコングリース、フッ素グリース(特開平7−92876号公報・・・特許文献3、実公平06−035258号公報、特開2002−162885号公報、特開平10−214009号公報等)、パラフィンワックス、脂肪酸エステル類、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩(特開平7−181862号公報)、黒鉛、二硫化モリブデン等の潤滑性固体や粉体等(特開平10−31401号公報)が挙げられる。
【0007】
しかしながら、これらの潤滑剤をブレードエッジ部に塗布する従来の方法では、装置の長期的使用に伴い、剥がれ落ち、ブレードエッジ部から無くなってしまう。したがって、クリーニングブレードと感光体の当接部に潤滑剤が介在することで摩擦力を低減する効果は維持されることはなく、再び感光体とクリーニングブレード間の摩擦力が増大するために前述した問題を解消するには至っていなかった。
【0008】
一方、電子写真方式において使用される感光体は、低価格、感光体設計の自由度の高さ、無公害性等の理由から、従来の無機感光体から有機感光体が広く利用されるようになってきている。
しかしながら、有機材料であるがゆえに表面硬度が低く、複写プロセスでの実使用時に現像剤、転写紙、クリーニング部材等から受ける機械な負荷によって、摩耗や傷が発生しやすいという本質的な欠点も有している。
このような課題に対し、感光体の耐摩耗性を向上させる技術として、金属酸化物からなるフィラーを含有した保護層を感光体表面に設ける技術が特開平5−158389号公報(特許文献4)、特開2002−207308号公報、特開2002−229227号公報等に開示されており、比較的長期にわたって安定に耐摩耗性、および電気特性を維持できることから有効な方法として注目されている。
【0009】
しかしながら、耐摩耗性を向上するために表面保護層に硬度の高いフィラーを含有する結果、表面凹凸性が大きく、クリーニングブレードとの密着性が低いため、トナーがクリーニングブレードと感光体との間からすり抜けてクリーニング不良やそれに起因するフィルミング、融着などの画像劣化を引き起こしやくなる。この問題を解消すべく、ブレード圧を上げれば、感光体の駆動トルクが上昇して、クリーニングブレードのめくれを生じたり、ブレード鳴きを生じたりする。
【0010】
また、装置の長期使用に伴い、帯電時に生ずるオゾン、NOx等の帯電生成物が付着することで保護層表面の摩擦係数が上がって、クリーニングブレードと感光体表面との摺擦圧が増大する結果、前述したブレードめくれやブレード鳴きの発生に加え、ブレード先端の損傷によるクリーニング不良を引き起こし、感光体の摩耗をも促進することになる。このように、クリーニングブレードと感光体間で生じるブレードめくれやブレード鳴きの問題が、さらに感光体の耐摩耗性向上を図ることで、さらにクローズアップされることになる。
【0011】
【特許文献1】
特許第3119792号公報
【特許文献2】
特許第2962843号公報
【特許文献3】
特開平7−92876号公報
【特許文献4】
特開平5−158389号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子写真感光体のクリーニング性を高く維持しながら、クリーニングブレードのめくれや、クリーニングブレードの振動に起因するブレード鳴き等の異常音の発生を抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、クリーニング装置に直接塗布された潤滑剤が、クリーニングブレードからすり抜けることなくブレードと感光体との間に介在することで、摩擦力低減の効果を維持し、さらに、従来の耐摩耗性に優れた感光体におけるクリーニング不良の問題を解消し、長期使用に対しても高画質画像が安定して得られる画像形成装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、少なくとも上記クリーニングブレード及び電子写真感光体を具備する画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジ、及び該プロセスカートリッジを装着した画像形成装置、さらにこれら画像形成装置を用いる画像形成方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するべく検討を重ねた結果、クリーニング手段に用いられるクリーニングブレード表面に潤滑剤としてダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子を塗布することにより、ブレードめくれや鳴きを抑制し、さらに耐摩耗性の向上と、安定したクリーニング性が長期にわたって維持される画像形成装置が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明によれば、下記の画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ、該プロセスカートリッジを装着した画像形成装置、及びこれら装置を用いる画像形成方法が提供される。
(1)少なくとも帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置、および電子写真感光体を具備する画像形成装置において、該クリーニング手段にクリーニングブレードが用いられ、その表面にダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が塗布されていることを特徴とする画像形成装置。
(2)前記クリーニング手段に用いられるクリーニングブレード表面に塗布されたダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子の平均粒径が、50nm以下であることを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂中に無機フィラーを含有した表面保護層を積層した構成のものであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記電子写真感光体の表面保護層に含有される無機フィラーが金属酸化物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)前記電子写真感光体の表面保護層に含有される無機フィラーの金属酸化物が少なくとも酸化アルミニウムであることを特徴とする(4)に記載の画像形成装置。
(6)前記電子写真感光体の表面保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記電子写真感光体の表面保護層に含有される電荷輸送物質が高分子電荷輸送物質であることを特徴とする(6)に記載の画像形成装置。
(8)前記電子写真感光体の表面保護層に含有される高分子電荷輸送物質が少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートであることを特徴とする(7)に記載の画像形成装置。
(9)画像形成装置本体に対して、着脱自在に装着しうるプロセスカートリッジであって、少なくとも、(1)〜(8)いずれかに記載のクリーニング装置と電子写真感光体とをカートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(10)(9)に記載のプロセスカートリッジを装着したことを特徴とする画像形成装置。
(11)(1)〜(8)および(10)のいずれかに記載の画像形成装置を用いることを特徴とする画像形成方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置は、少なくとも帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置、および電子写真感光体を具備する画像形成装置において、該クリーニング手段にクリーニングブレードが用いられ、その表面にダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が塗布されていることを特徴とするものである。
【0016】
ここで、本発明のダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が有する効果について説明する。
このクリーニングブレードに塗布されたダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、装置の作動により、クリーニングブレードと感光体との当接部において優れた効果を発揮する。
ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、クリーニングブレードと感光体との当接部に介在し、マイクロベアリングのコロとして作用する。このため、クリーニングブレードと感光体間の摩擦抵抗は低減され、従来、クリーニングブレードと感光体間の高い摩擦力のために発生していたブレードの微振動に起因するブレード鳴きや、ブレードめくれの問題が解消される。
【0017】
さらに、耐摩耗性を向上させるため、保護層にフィラーを含有した電子写真感光体においては、保護層表面に凹凸が形成されているために、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が、クリーニングブレードから感光体表面に移って、表面保護層の凹凸部を埋めることになり、感光体とクリーニングブレードとの摩擦力が低減される。特に、平均粒径が50nm以下の場合、表面保護層の凹凸部に入り込みやすく、その結果、表面保護層からクリーニングブレードで掻き取られ難く、表面に残留するために、摩擦力低減の効果が長期的に維持される。さらには、クリーニング性と耐摩耗性が向上する。
以上のように、本発明の画像形成装置とすることにより、クリーニングブレードと感光体との間に生ずるブレードめくれやブレード鳴きといった問題を解消し、さらに優れたクリーニング性、および感光体の耐久性を向上されることができる。
【0018】
以下、図面に沿って、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の電子写真プロセスおよび画像形成装置を説明するための概略図である。
電子写真プロセスは、電子写真感光体1を中心に、順に帯電装置2、画像露光装置3、現像装置4、転写装置5、分離装置6、クリーニング装置7が配置され、更に、定着装置8、及び被転写体9(コピー用紙やOHPシートなど)を配置したカールソンプロセスによる方式である。
図1において、感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電装置2(コロナ帯電法、接触帯電法、感光体に数十μm隔離して配置された非接触帯電法のうち、いずれか1方法)により、感光体1は画像形成に必要な表面電位に帯電される。帯電部材2−1に高圧電源回路が接続され、直流電圧若しくは交流電圧を重畳した直流電圧の、いずれかの電圧が発生する回路で構成される。
【0019】
コロナ生成物の影響、放電破壊等を勘案すれば、画像品質が保証される範囲内で、画像形成に必要な暗部電位Vdは可能な限り低くする方が良く、現像装置位置での暗部電位Vdは−350〜−800Vの範囲の一定値になるように設定することが望ましい。
帯電方式はコロナ帯電方法に比べてオゾン生成が遙かに少ない、環境面に有利な接触帯電方法、またはコロナ生成物の発生は多くなるが、非接触帯電方法が好適に使用出来る。帯電に使用される帯電部材には、ローラ状、ブラシ状、シート状形状部材の他、磁性紛を使用した磁気ブラシなどがあり、本発明ではいずれも使用可能である。画像品質、帯電安定性、耐久性等を勘案すると、弾性部材を使用したローラ帯電方法が望ましい。
【0020】
図1に記載されているような、ローラ方式の帯電部材は、例えば、φ5〜φ15(mm)のSUS製丸棒の芯金に弾性部材を被覆して作製される。感光体を帯電する弾性部材には、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴムやエピクロルヒドリンゴムに、導電性カーボン、炭素繊維粉末、イオン導電剤などの抵抗制御材を添加し、必要に応じてフッ素系樹脂などの撥水剤を添加して、体積抵抗を105〜1014(Ω・cm)に調整したものが使用される。適用される体積抵抗率は、接触帯電部材と非接触帯電部材とで変える必要がある。
【0021】
ブラシ帯電方法を使用する場合には、ブラシ一本が3〜10デニールの導電性繊維(例えば、ポリエステル繊維にカーボン、イオン導電剤などを添加した繊維)を10〜100フィラメント/束、80〜600本/mmの密度で支持体に植毛し、毛足を1〜10mmの間でカットした導電性ブラシが好適に使用できる。
【0022】
一方、磁気ブラシ帯電方法を使用する場合には、平均粒径が25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径が10μmのZn−Cuフェライト粒子を、重量比で1:0.05の割合で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いて、その被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、磁気ブラシとして使用することが好ましい。
【0023】
感光体に印加される電界強度は、現像装置すなわち潜像を現像する位置で(−)1.3×105〜4.5×105(V/cm)で有ることが望ましい。この電界強度は10〜30μmの感光体を(−)350〜800(V)帯電するのに相当する。画像形成時の感光体に掛かる電界強度が大きいと、感光層にピンホールが発生した場合に放電破壊現象に到る確率が高くなり、電界強度が低い場合には、画像品質が貧弱に成る可能性が高くなるため、感光層には適正な電界強度に設定することが重要である。
【0024】
帯電後、感光体1には、画像露光装置3により、CCD(電荷結合素子)で読みとられた原稿画像、或いはパーソナルコンピューターなどから送信されたデジタル信号を、一個若しくは複数個のLD(Laser Diode)素子、若しくはLED(Laser Emitting Diode)アレイ、凸レンズ、ポリゴンミラー、シリンドリカルレンズ等で構成される画像露光装置3によって、60〜20μm程度のドット径に絞り込まれた単波長の光像が感光体面に照射され、入力信号に応じた静電潜像が形成される。LD素子もしくはLEDアレイ(波長:780nm〜400nm)は感光体の最高感度領域若しくはその近傍の発振波長の素子が選択される。発振波長が短くなるほど、スポット径を絞り込む事が出来るため、400〜450nm程度の短波長側に発振波長を有するLD素子は1200や2400dpi等の高解像度を得る場合に有利である。
【0025】
この静電潜像を可視化するために、1成分トナー(磁性トナー)、もしくは、トナーとキャリアからなる2成分系の現像剤を使用した現像装置4が使用される。
現像装置4により感光体上に現像されたトナーは、転写装置5の受像媒体(コロナ放電式、ローラ、ベルト式など)により、搬送された被転写体9(コピー用紙やOHPシートなど)に転写され、分離装置6により被転写体9は感光体1より引き離され、定着装置8に送られ、ハードコピーとなる。
【0026】
一方、コピー用紙分離後の感光体上の残留トナーはポリウレタンゴムやシリコーンゴム、ネオプレンゴム、フッ素ゴム等の材料から成るクリーニングブレード7−1、もしくは/さらにポリエチレンや、ナイロン、炭素繊維などの繊維から構成されるクリーニングブラシと併用して構成されるクリーニング装置7により清掃され、一連の複写プロセスが終了する。一般に使用されるクリーニングブレードの形状は、コストの面から、板厚が1.5〜3mm程度の短冊状弾性体(ポリウレタンゴム)が使用される。
【0027】
ここで、本発明において、最も特徴とするクリーニングブレードに塗布されるダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子について説明する。
ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、好ましくはSP3軌道を有するダイヤモンドと類似のC−C結合を有する方が望ましい。なお、SP2軌道を有するグラファイトと類似の構造をもつ膜でも構わないし、さらに非晶質性のものでも構わない。またダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、炭素だけで構成されるのではなく、水素、酸素、窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素等の他の元素が含有されていてもかまわない。
【0028】
本発明のダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子の製造方法として、粉砕法等の固相法、CVD、PVD等の気相法、液相法等がある。
特に良好な微粒子の製造方法は、不活性ガス雰囲気の密閉容器内で、トリニトロトルエン等を爆発させ、高温高圧下で、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子を形成し(超高圧爆射法)、その後、分級を行ない、所望の粒径の微粒子を得るものである。
このダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、一つの粒子で形成されていてもよく、ナノクラスターカーボン微粒子と呼ばれている複数の粒子が凝集したものでもかまわない。複数の粒子が凝集した場合は、その凝集体の平均粒径が本発明の平均粒径となる。
【0029】
本発明に用いられるクリーニングブレードに塗布されたダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、平均粒径が100nm以下であり、さらに好ましくは、50nm以下である。平均粒径が50nm以下の微粒子は、電子写真プロセスにおけるブレードクリーニングでは、除去することができなく、感光体表面に残留するため、その摩擦力低減の効果は長期にわたって維持される。加えて、超微粒子であるがために研磨研削性はなく、感光体表面を傷つける要因にはならない。平均粒径は小さければ小さいほどその効果が大きいが、平均粒径が5nm未満の微粒子は、製造上、安定したものが得られない。平均粒径が100nmを越えるような微粒子は、潤滑剤としての効果よりは、逆に研磨剤として働くため感光体表面層を摩耗させる結果になりやすい。また、長期的な使用を考えた場合、平均粒径が大きくなると、感光体表面の凹凸部に入り込み難く、さらには、感光体とクリーニングブレードとの当接部から剥れ落ち、潤滑剤としての効果は維持されにくくなる。
【0030】
本発明のダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、単独で用いることもできるが、従来技術に挙げたような潤滑剤と併用することも可能である。
【0031】
これらのブレードを固定する手段として、アルミニウム、燐青銅、鉄、真鍮などの金属、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、デルリン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂、アルミナなどのセラミック部材を板やケーシングに加工してクリーニングブレードを取り付ける事ができるが、加工性や強靱性、温度変形がない、さびないなどの特性からクロムメッキした鉄板、アルミニウム板のような1mm〜3mm程度の肉厚の金属板が好適である。
【0032】
以上に示すような画像形成手段は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、除電装置を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図2に示すものが挙げられる。
【0033】
以下、本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図3は、本発明における電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層33が設けられてなる。
図4は、本発明における電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層34と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層35が積層された構成となっている。
図5は、本発明における電子写真感光体のさらに別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体31上に、下引き層32が設けられ、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層34と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層35が積層された構成をとっており、さらに電荷輸送層の上に表面保護層36が設けられてなる。
【0034】
本発明の電子写真感光体の構成は、導電性支持体上に少なくとも、感光層を有していれば、上記のその他の層等、任意に組み合わされていても構わない。
以下、各構成要素について説明する。
【0035】
<導電性支持体について>
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0036】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂とを適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0037】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0038】
<感光層について>
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合は、感光層は電荷発生物質を含んだ電荷発生層34と電荷輸送物質を含んだ電荷輸送層35から構成される。また、単層構造の場合には、感光層は少なくとも電荷発生物質を含んだ層から構成される。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
【0039】
<感光層が積層構造からなるもの>
(電荷発生層)
電荷発生層34は、画像露光により潜像電荷を発生分離させることを目的とし、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファスセレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコン等が挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系染料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0040】
電荷発生層34に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し、通常0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0041】
ここで用いられる溶媒としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層34の膜厚は0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0042】
(電荷輸送層)
電荷輸送層35は、帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層34で発生した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的と達成するためには、誘電率が小さくかつ電荷移動性が良いことが要求される。これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層34上に塗布、乾燥することにより形成できる。
【0043】
電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0044】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、通常20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
【0045】
電荷輸送層35の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶媒は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層35の形成には電荷発生層34と同様な塗工法が可能である。
【0046】
また、電荷輸送層35には、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層35に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等一般の汎用の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層35に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層35の膜厚は、5〜50μm程度が適当であり、解像度、地汚れ等の画像特性及び帯電電位、感度等の電気特性上、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
【0047】
<感光層が単層構造からなるもの>
次に感光層が単層構造の場合について述べる。
単層構造は導電性支持体31上に少なくとも電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光層33を設けたものである。感光層33は、電荷発生物質と結着樹脂の他に必要に応じて電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は既に述べたものと同様のものが使用できる。
【0048】
結着樹脂としては、既に電荷輸送層35で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層34で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。
樹脂成分100重量部に対する電荷発生物質の量は1〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。
感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要に応じて電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
【0049】
<下引き層について>
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体31と感光層33との間に下引き層32を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶媒で塗布することを考えると、一般の有機溶媒に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層32は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0050】
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0051】
<保護層について>
本発明の電子写真感光体では、感光層保護の目的で表面保護層36を設けることもある。
表面保護層36に使用される結着樹脂としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が有効に使用される。
これらの結着樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0052】
無機フィラーとしては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に金属酸化物が良好であり、さらには、耐摩耗性、フィラー材料固有の屈折率から、酸化アルミニウムが特に有効に利用される。
【0053】
無機フィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。
【0054】
表面保護層36は、無機フィラーと結着樹脂を、適当な溶媒に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。
必要により、電荷輸送物質、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
なお、表面保護層の厚さは1.0〜10.0μmの範囲であることが好ましい。薄すぎた場合は、長期的使用において、摩耗し、消失しやすくなり、厚い場合には、残留電位上昇や微細ドット再現性の低下が考えられる。
表面保護層中の結着樹脂の固形分濃度は、通常20〜80重量%であり、好ましくは40〜70重量%である。
【0055】
感光層上に表面保護層を設ける方法としては、浸漬塗工方法、リングコート法、スプレー塗工方法など用いられる。
このうち一般的な表面保護層の製膜方法としては、微小開口部を有するノズルより塗料を吐出し、霧化することにより生成した微小液滴を感光層上に付着させて塗膜を形成するスプレー塗工方法が用いられる。
【0056】
表面保護層には残留電位低減、応答性改良のため、電荷輸送物質を含有しても良い。電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を有しても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。
【0057】
また、保護層には電荷輸送物質としての機能と結着樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される保護層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルのいずれか一つの重合体であり、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが好ましい。中でも、下記一般式(1)〜(10)で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0058】
【化1】
[式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
【化2】
{式中、R1 0 1、R1 02は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
【化3】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R1 03、R1 04は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、R1 0 1とR1 02、R1 03とR1 04は、それぞれ同一でも異なってもよい。}]
【0059】
【化4】
(式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一または異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0060】
【化5】
(式中、R9、R1 0は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0061】
【化6】
(式中、R11、R1 2は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0062】
【化7】
(式中、R1 3、R1 4は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1 0、Ar11、Ar1 2は同一又は異なるアリレン基、X1、X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。)
【0063】
【化8】
(式中、R1 5、R1 6、R1 7、R1 8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1 3、Ar1 4、Ar1 5、Ar1 6は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0064】
【化9】
(式中、R1 9、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1 9とR20は環を形成していてもよい。Ar1 7、Ar1 8、Ar1 9は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0065】
【化10】
(式中、R2 1は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar2 1、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)式の場合と同じである。)
【0066】
【化11】
(式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0067】
【化12】
(式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(1)の場合と同じである。)
【0068】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することが出来る。また塗工液中のフィラー分散性向上のために分散安定剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
【0069】
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0070】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0071】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0072】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0073】
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0074】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0075】
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0076】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0077】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリブチル−5′−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0078】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2′チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0079】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、これにより本発明の態様が限定されるものではない。なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表す。
また、本発明に用いられるダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、これらを総称して、以下、ダイヤモンド微粒子と記載する。
【0080】
感光体作製例1
φ30mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液、保護層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、30μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
〔電荷発生層用塗工液〕
【化13】
〔電荷輸送層用塗工液〕
【化14】
【0081】
感光体作製例2
感光体作製例1において、電荷発生層上に膜厚25μmの電荷輸送層を形成後、下記組成の無機フィラーを含有した保護層用塗工液を電荷輸送層上にスプレー塗工し、膜厚5μmの保護層を設けた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
【0082】
感光体作製例3
感光体作製例2における保護層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した。
〔保護層用塗工液〕
【化15】
{k=0.42、j=0.58、Mw=160000(ポリスチレン換算)}
【0083】
(実施例1)
感光体作製例1の感光体と、固体潤滑剤として、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子(平均粒径:25μm)を塗布したクリーニングブレードを設け、画像露光光源:655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる書き込み)に改造したイマジオMF200にて、初期時、および10万枚(A4)の通紙試験後のブレードめくれとブレード鳴き発生の有無を、さらに10万枚通紙後のクリーニング性、画像品質、摩耗量を評価した。
【0084】
[評価]
(1)初期、および10万枚通紙後のブレードめくれ及びブレード鳴き評価については、以下のように行なった。
▲1▼ ブレードめくれ
通紙試験の続行が不可能な状態となるブレードめくれ発生の有無を観察した。
○・・・ブレードめくれの発生がない
▲2▼ ブレード鳴き
○・・・ブレード鳴きが発生せず、良好
△・・・ブレード鳴きがごく稀に発生し、音量は小さい
×・・・ブレード鳴きが連続的に発生し、音量も大きい
(2)クリーニング性
クリーニング性の評価については、トナーのブレード抜けによる黒スジの発生をクリーニング不良の判定基準とした。
○・・・10万枚通紙後まで良好
不良・・・トナーすり抜けによる黒スジ発生
(3)画像品質
画像品質評価は、リコー製テストチャートを用いてハーフトーン、解像度、地肌汚れ等を総合的に判断した。
(4)摩耗性
摩耗量の評価については、渦電流式膜厚計(フィッシャー社製 タイプMMS)を用いて、初期時における感光層の平均膜厚と10万枚通紙試験後の感光層の平均膜厚の差により求めた。
【0085】
(実施例2)
固体潤滑剤として、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子(平均粒径:50μm)使用した以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0086】
(実施例3)
固体潤滑剤として、ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子(平均粒径:80μm)使用した以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0087】
(実施例4)
感光体作製例2の感光体を用いた以外は、実施例2と同様にして評価を行なった。
【0088】
(実施例5)
感光体作製例3の感光体を用いた以外は、実施例2と同様にして評価を行なった。
【0089】
(比較例1)
固体潤滑剤として、ポリフッ化ビニリデン(米国ペンウォルト社製カイナー500、平均粒径:0.3μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0090】
(比較例2)
固体潤滑剤として、ポリフッ化ビニリデン(米国ペンウォルト社製カイナー500、平均粒径:0.3μm)を使用した以外は、実施例4と同様にして評価を行なった。
【0091】
(比較例3)
固体潤滑剤として、不定形形状を有するフッ化黒鉛(セントラル硝子(株)製セフボン−CMF、平均粒径:0.1μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0092】
(比較例4)
固体潤滑剤として、不定形形状を有するフッ化黒鉛(セントラル硝子(株)製セフボン−CMF、平均粒径:0.1μm)を使用した以外は、実施例4と同様にして評価を行なった。
【0093】
(比較例5)
固体潤滑剤を塗布していないクリーニングブレードを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0094】
(比較例6)
固体潤滑剤を塗布していないクリーニングブレードを用いた以外は、実施例4と同様にして評価を行なった。
【0095】
以上のように作製した感光体について、感光体作製例No.と表面保護層に含有されるフィラー、およびクリーニングブレードに塗布される潤滑剤の種類と特性値一覧を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
評価結果を表2に示す。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、電子写真感光体のクリーニング性を高く維持しながら、クリーニングブレードの振動に起因するブレード鳴き等の異常音の発生を抑制し、さらに、クリーニングブレードに塗布された潤滑剤が、クリーニングブレードからすり抜けることなくクリーニングブレードと感光体との間に介在することで、摩擦力低減の効果を維持し、さらに、従来の耐摩耗性に優れた感光体におけるクリーニング不良の問題を解消し、長期使用に対しても高画質画像が安定して得られる画像形成装置、および画像形成装置用プロセスカートリッジ、並びにそれらを用いる画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される複写プロセスを説明する画像形成装置の概略図である。クリーニング手段として、クリーニングブレードを使用している。
【図2】プロセスカートリッジの一例を示す。図では、感光体、帯電装置、クリーニング装置、転写装置が一体的に組み込まれた構成になっている。
【図3】本発明に係る電子写真感光体の層構成を示す断面図である。
【図4】本発明に係る電子写真感光体の別の層構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る電子写真感光体のさらに別の層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
(図1及び2)
1 電子写真感光体(感光体)
2 帯電装置
2−1:帯電部材
3 画像露光装置
4 現像装置
5転写装置
6 分離装置
7 クリーニング装置
7−1:クリーニングブレード
8 定着装置
9 被転写体(コピー用紙)
(図3〜5)
31 導電性支持体
32 下引き層
33 単層感光層
34 電荷発生層
35 電荷輸送層
36 表面保護層
Claims (11)
- 少なくとも帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置、および電子写真感光体を具備する画像形成装置において、該クリーニング手段にクリーニングブレードが用いられ、その表面にダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子が塗布されていることを特徴とする画像形成装置。
- 前記クリーニング手段に用いられるクリーニングブレード表面に塗布されたダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子の平均粒径が、50nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂中に無機フィラーを含有した表面保護層を積層した構成のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の表面保護層に含有される無機フィラーが金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の表面保護層に含有される無機フィラーの金属酸化物が少なくとも酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の表面保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の表面保護層に含有される電荷輸送物質が高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の表面保護層に含有される高分子電荷輸送物質が少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置本体に対して、着脱自在に装着しうるプロセスカートリッジであって、少なくとも、請求項1〜8のいずれかに記載のクリーニング装置と電子写真感光体とをカートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項9に記載のプロセスカートリッジを装着したことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜8および10のいずれかに記載の画像形成装置を用いることを特徴とする画像形成方法。
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