以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転体の一実施形態を示す説明図である。
図1において、回転体としてのローラ1は円筒状部材である円筒部2とその円筒部2と同芯上に設けられた回転軸3とで構成されている。そして、ローラ1は円筒部2の内部に粒状部材4が封入されて動吸振器を構成している。この場合、ローラ1は円筒部2の両端部に回転軸3と一体となった側面部が圧入される構成であり、そのローラ1の内側には粒状部材4が封入されている。ここではローラ1が側面部を圧入した構成となっているが、ローラ1の内側に粒状部材4を封入することが可能であれば他の構成方法でも良い。
粒状部材4は任意の密度で封入されており、通常のローラ1回転駆動に影響を及ぼさない程度にすることが望ましい。また、粒状部材4の通常回転時の安定性を向上させるため、空隙に粘性部材5で満たす構成にしても良い。この粘性部材5としては例えばシリコンオイルなどを用いることが可能である。
以上の構成としたローラで、過渡的負荷変動が生じたときの粒状部材4の挙動について図2に示す。一定回転駆動時の状態を図2(a)に示す。すなわち、図2(a)において、ローラ1はある角速度S1で一定回転している。この時、粒状部材4は遠心力F1が働き、任意の密度で封入されているため外周側に力を受けることで、定常状態を保持しつつ回転する。次に、記録材P等のシート状部材の突入などにより過渡的負荷変動が発生すると、図2(b)の状態となる。図2(b)に示すように、衝撃による力が回転に影響を及ぼし角速度も過渡的にS1からS2に変化する。この過渡的変化により遠心力もF1からF2へと変化が起こる。この変化により定常状態であった粒状部材4のバランスが崩れ、新しい定常状態と変化する。つまり、衝撃力のエネルギー全てがローラ1の回転変動に遷移するのではなく、一部あるいは全部が粒状部材4の定常状態遷移のエネルギーとして用いられることで吸収される。
また、粒状部材4は過渡的負荷変動の吸収だけでなくローラ1内部に封入され、定常状態で保持されることで一定の慣性力を保持するためフライホイール効果が発生し、ローラ1の一定回転駆動時においても安定した高精度駆動を行うことが可能となる。さらに空隙を粘性部材5で満たす構成とすれば、さらにフライホイール効果は向上する。
図3は図1のローラ1の回転軸3が貫通軸である例を示している。回転軸3を貫通軸の構成とすることによって一定回転駆動時に粒状部材4へ働く遠心力によってローラ中心部分の密度が荒い状態となり、わずかな回転変動によって粒状部材4が中心部分でつねに状態遷移を発生させることことを防止する効果がある。
図4は、本発明に係る回転体の駆動系を示す説明図である。
図4において、本発明に係る回転体を用いる駆動ローラ11は上記ローラ1と同様に構成された円筒部12内に粒状部材(図示せず)が封入されたもの用いている。駆動ローラ11はその回転軸13にギヤ16が設けられ、このギヤ16が駆動源であるモータ17の出力軸に設けられた駆動ギヤ18に噛み合うことにより回転駆動される。このとき、駆動ローラ11を高精度に駆動するために、モータ17が一定回転となるように、例えばモータ17がパルスモータであれば一定パルスを入力し、例えばモータ17がブラシレスDCモータであれば内部FG信号などよりモータを高精度に駆動する方法がある。また、ここでは図示しないエンコーダをギヤ16と同じ側、あるいはギヤ16と反対側の端部に設け、このエンコーダ信号から駆動ローラ11の駆動状態を計測してモータ17を制御する方法でも良い。さらに、図示しないが駆動ローラ11の表面あるいは側面、などに回転状態が計測可能となるスケールとそのスケールから駆動ローラ11の駆動状態を検出可能なセンサを設け、そこからローラ1の駆動状態を計測してモータ17を制御する方法でも良い。
図5は、図4に示す駆動ローラ11を用いた転写ベルト装置20を示す斜視図である。
図5において、転写ベルト21はこの駆動ローラ11と従動ローラ22及びテンションローラ23に巻き掛けられられており、ここでも転写ベルト21を高精度に駆動するために、例えばモータ17がパルスモータであれば一定パルスを入力し、例えばモータ17がブラシレスDCモータであれば内部FG信号などよりモータを高精度に駆動する方法がある。また、ここでは図示しないエンコーダをギヤ16と同じ側、あるいはギヤ16と反対側の駆動ローラ11端部、または従動ローラ22、テンションローラ23と同軸となる位置に設け、このエンコーダ信号から転写ベルト21の駆動状態を計測してモータ17を制御する方法でも良い。さらに、図示しないが転写ベルト21の表面あるいは裏面、などに回転状態が計測可能となるスケールとそのスケールから転写ベルト21の駆動状態を検出可能なセンサを設け、そこから転写ベルト21の駆動状態を計測してモータ17を制御する方法でも良い。
この転写ベルト装置20においては、駆動ローラ11に転写ベルト21を介して対向ローラ24が圧接されており、駆動ローラ11と対向ローラ24のニップ部をシート部材である記録材Pが通ることで転写ベルト21上のトナー画像が記録材Pに転写される仕組みとなっている。
この種の転写ベルト装置20において、記録材Pへトナー画像が転写される際、連続で画像を通記録材すると、記録材Pが駆動ローラ11と対向ローラ24のニップ部に入る時に突入あるいは通過するときの衝撃による過渡的な負荷変動が発生する。これは駆動ローラ11や転写ベルト21、対向ローラ24に記録材Pが当たるなどにより発生する変動もあれば、狭いニップ部が記録材Pの厚さ分だけ広がり、かつ記録材がニップを通過するとき起こる変動なども考えられる。ただし、駆動ローラ11へは転写ベルト21を通して衝撃が伝わる。連続通記録材時は感光体ドラムから転写ベルト21へトナー画像の転写が行われている時に過渡的負荷変動が発生し、駆動ローラ11に回転変動が生ずるため、それがそのまま転写ベルト21にも伝わり、たとえば、ブラックの50%濃度のベタ画像を出力した場合、形成画像が転写ベルト方向に長い場合は同一の記録材Pの途中に、短い場合は2枚目以降に図6に示すようなスジ状の濃い部分25と薄い部分26ができてしまう。
また、4色のトナー画素をそれぞれ4つの感光体ドラム上に形成し、それらを転写ベルト上で重ねてカラー画像を形成する画像形成装置の場合、上記過渡的負荷変動が発生したとき、転写ベルト上で重ねられる画像において、前記過渡的負荷変動を受けている画像と受けてない画像が重ねられる画素が生成され色ずれが発生する。
そこで、ニップ部を構成する駆動ローラ11の内部に粒状部材4が封入されたローラ1で構成されていることにより、過渡的負荷変動が発生しても図2で説明したように、駆動ローラ11が吸収することで画像品質の劣化を抑えることができる。
なお、本実施形態ではニップ部を構成する駆動ローラ11に粒状部材4が封入したローラ1を用いたが、ニップ部を構成する対向ローラ24に粒状部材4が封入したローラ1を用いても同様の効果が得られる。さらに、ニップ部を構成する駆動ローラ11と対向ローラ24の両ローラとも粒状部材4が封入したローラ1を用いても発生した過渡的負荷変動を吸収することができる。
図7は、本発明に係る回転体を用いる転写搬送ベルト装置30を示す斜視図である。
図7において、転写搬送ベルト装置30の転写搬送ベルト31はモータ37の駆動がギヤ38,39を介して伝達される駆動ローラ32と、従動ローラ33及びテンションローラ34に巻き掛けられられており、転写搬送ベルト31の走行辺には4つの感光体ドラム35a、35b、35c、35dが接するように設けられている。この感光体ドラム35a〜35dと転写搬送ベルト31を挟んで対向ローラ36a、36b、36c、36dが配置され、感光体ドラム35a〜35dと任意の圧力で接している。
この転写搬送ベルト装置30では転写搬送ベルト31に吸着等によってその表面上を搬送される記録材Pが感光体ドラム35a〜35dと転写搬送ベルト31を挟んだ対向ローラ36a〜36dとで構成されるニップ部を通過する際、各感光体ドラム35a〜35dに形成されたトナー像が記録材Pに順次転写される仕組みとなっている。
この種の転写搬送ベルト装置30においても、連続で通記録材すると、記録材Pが感光体ドラム35a〜35dと対向ローラ36a〜36dとで構成されるニップ部に突入するあるいは通過するときの衝撃による過渡的な負荷変動が発生する。これは感光体ドラム35a〜35dや転写搬送ベルト31に記録材Pが当たるなどにより発生する変動もあれば、狭いニップ部が記録材Pの厚さ分だけ広がり、かつ記録材Pがニップ部を通過するとき起こる変動なども考えられる。連続通記録材時は感光体ドラム35a〜35dから記録材Pへトナー画像の転写が行われている時に過渡的負荷変動が発生し、転写搬送ベルト31や記録材Pに変動が生ずる。
感光体ドラム35a〜35dと対向ローラ36a〜36dの少なくとも一方を粒状部材4が封入したローラ1を用いることで発生した過渡的負荷変動を吸収することができる。
図8は、本発明に係る回転体の別の実施形態を示す斜視図である。
図8に示す回転体としてのローラ1は図3に示す貫通軸3を有し、この貫通軸3に特殊な形状、ここでは一例として軸周囲に螺旋形状のフィン6を設けたものを示している。このように構成とすることで、ローラ回転中心部分で発生する、わずかな回転変動による粒状部材4の状態遷移の発生を抑え、かつ過渡的負荷変動の発生時には、ローラ内面との接触面積を増やすことによって、ローラ内面から粒状部材4への垂直抗力の全体量が増加し、過渡的負荷変動のエネルギーを効率よく粒状部材4へ伝達することが可能となる。なお、貫通軸3に特殊な形状を追加するのではなく、円筒部2の内面に特殊形状、例えばフィンのような形の構成変化または付与をしても良い。
このように構成されたローラ1は、過渡的負荷変動が発生しても粒状部材の衝撃吸収効果により、過渡的負荷変動による影響を抑え、高精度に駆動することができる。
図9は、本発明に係る回転体のさらに別の実施形態を示す斜視図である。
図9に示す回転体としてのローラ1は内部に封入される粒状部材が2種類の粒状部材4a,4bによって構成されている。このローラ1の構成は図1と同様であって封入される粒状部材4aは粒状部材4bに対して体積で2倍以上、同様に密度も2倍以上の差がある構成としている。なお、本実施形態では封入する2種類の粒状部材4a,4bは体積、密度に差があるもので構成したが、2種類の粒状部材は後述する磁力的な差や外周の接着性などの差分を持たせたもので構成しても良い。さらに、ローラ1は3種類以上の粒状部材を封入したものでも良いし、またローラ1自体の構成も図3の貫通軸や図8の螺旋形状のフィンを設けた貫通軸を備えたものでも良い。
このように構成されるローラ1で、過渡的負荷変動が生じたときの粒状部材4a、4bの挙動について説明する。
ローラ1の一定回転駆動時の状態を図10(a)に示す。図10(a)において、ローラ1はある角速度S1で一定回転している。この時、粒状部材4aと粒状部材4bには遠心力F1が働き、任意の密度で封入されているため外周側に力を受けることで、定常状態を保持しつつ回転する。一定回転駆動を行うと指令をしても負荷変動により、ローラ1に回転ムラが存在する。この負荷変動は過渡的負荷変動に比べると非常に小さいため、重く大きい粒状部材4aは何も変化が発生しないが、軽く小さい粒状部材4bは状態の遷移が発生し、この状態遷移によって回転ムラエネルギーが吸収され、高精度な一定回転を実現することが可能となる。
次に、記録材Pの突入などにより過渡的負荷変動が発生すると、図10(b)に示す状態となる。図10(b)に示すように、衝撃による力が回転に影響を及ぼし角速度も過渡的に角速度S2と変化する。この過渡的変化により遠心力もF2へと変化が起こる。この変化エネルギーは定常状態の負荷変動と比較するとエネルギー的に大きいため、粒状部材4aも状態遷移が発生する。但し、粒状部材4aは粒状部材4bよりも質量・体積ともに大きいためにエネルギー吸収量も大きくなる。さらに瞬時に状態が遷移して安定することは現実、なかなか起こりにくく、状態遷移による振動が発生してしまう。この時、粒状部材4bが過渡的負荷変動のみでなく、粒状部材4aの状態遷移による振動エネルギーをも粒状部材4bの状態遷移によって吸収することが可能となる。設計仕様によってはさらに特性の異なる粒状部材4a、4bを封入することによって振動の吸収が繰り返し行われ、望まれる収束時間内に振動を抑え、高精度駆動を行うことを可能とする。
以上の構成より、衝撃力のエネルギー全てがローラの回転変動に遷移するのではなく、一部あるいは全部が粒状部材4aと粒状部材4bの定常状態遷移のエネルギーとして用いられることで吸収される。
また、実施例1と同様に、粒状部材4aと粒状部材4bは過渡的負荷変動の吸収だけでなくローラ1内部に封入され、定常状態で保持されることで一定の慣性力を保持するためフライホイール効果が発生し、さらに安定した高精度定常駆動を行うことが可能となる。さらに、空隙を粘性部材で満たす構成とすることで、フライホイール効果を向上させることも可能である。
図11は、本発明に係る回転体のさらに別の実施形態を示す斜視図である。
図11に示す回転体としてのローラ1は円筒部2の内壁に沿って永久磁石のN極とS極を交互に配置した永久磁石層2aを設け、さらにその内側には磁性体の粒状部材4が封入されている。ここでのローラ1自体の構成は図3の貫通軸や図8の螺旋形状のフィンを設けた貫通軸を備えたものでも良い。さらに内側に封入する粒状部材の種類を2種類以上の構成としても良く、この場合、2種類の粒状部材は体積、密度に差があるものでも良いが、磁力的な差を持たせた2種類以上の粒状部材で構成しても良い。
このように構成されるローラ1は過渡的負荷変動に対して粒状部材4の状態遷移によるエネルギー吸収をすることができるのは上記実施形態と同様である。本実施形態では、これに付随して、永久磁石層2aを設けて粒状部材4を磁性体とすることで、ローラ内部には永久磁石層2aから一定の磁力線による磁力場が設けられる。この磁力場によって一定回転駆動時において、磁性体の粒状部材3は遠心力と磁力の両方によって安定して定常状態として存在することが可能となる。さらに、過渡的負荷変動が生じた時も遠心力と磁力によって、バランスが崩れた状態からすばやく定常状態へ遷移することが可能となり、過渡的負荷変動による変動からの収束性が向上される。また、図11の構成とすることによってフライホイール効果が減少することもなく、通常の粒状部材のみの構成よりも磁力による保持力が加わっているため、定常回転における高精度駆動の安定化を図ることが可能となる。
図12は、本発明に係る回転体のまたさらに別の実施形態を示す斜視図である。
図12に示す回転体としてのローラ1は円筒部2の内壁に沿ってコイル層2bを設け、さらにその内部には磁性体の粒状部材4が封入されている。コイル層2bには電源7とコントローラ8が接続されている。電源7は例えば直流定電流電源や電池などが用いられる。コントローラ8は制御演算部9より算出された結果に応じて、コイル層2bに流す電流を調整する電流調整手段としての機能を持つ。コントローラ8による電流の調整によってコイル層2bからローラ内部に発生する磁界の強さが変わることを特徴とするものである。また、制御演算部9へは過渡的負荷変動検出・予想手段10より、過渡的負荷変動が入るタイミングを検出した信号、あるいは動作開始などから予想される過渡的負荷変動が発生すると予想される時間・タイミングを示す信号が出力される。ここでは筒状のローラの例を用いて構成しているが、図3の貫通軸や図8の螺旋形状のフィンを設けた貫通軸を備えたものでも良い。さらに内側に封入する粒状部材の種類を2種類以上の構成としても良い。さらに、空隙を粘性部材で満たす構成とすることで、フライホイール効果を向上させることも可能である。
このように構成されるローラ1は過渡的負荷変動に対して過渡的負荷変動検出・予想手段10より、例えばニップ部に記録材が突入するタイミングを示す信号が制御演算部9へ入力される。制御演算部9では、タイミングの信号に応じて演算結果をコントローラ7へ出力し、コントローラ8からの指令に基づいて電源7から供給される電流が変化して、コイル層2bから出力される磁力が変化する。
一つの例として、一定回転時には磁性体の粒状部材4が安定して定常状態として存在し得るレベルの磁力を発生させることで、粒状部材4の状態変化による回転ムラの発生を防ぐとともに、フライホイール効果をより確実なものとする。ここで、過渡的負荷変動が過渡的負荷変動検出・予想手段10より検出・予想された信号が得られた時には、コントローラ8を経由してコイル層2bからの磁力が下げられる。ただし、磁力を下げることによって粒状部材4に状態遷移が発生しないレベルとする必要がある。磁力を下げることにより、粒状部材4は状態遷移が一定回転状態よりも発生しやすくなり、過渡的負荷変動の吸収効果を上げることが可能となる。過渡的負荷変動が発生し、変動が収まり粒状部材4が定常状態となった後は、再びコントローラ8を経由してコイル層2bからの磁力を上げることで安定した一定回転駆動が継続される。
このように構成すれば、過渡的負荷変動の発生タイミングに合わせて粒状部材の衝撃吸収効果を高め、過渡的負荷変動による影響を効率良く抑え、かつ、一定駆動時のフライホイール効果も効果を高め、高精度に駆動することができる。
以上の説明においては、過渡的負荷変動の発生タイミングを記録材Pがニップ部に入る時に突入あるいは通過するときの衝撃による過渡的な負荷変動について考えたが、記録材Pがここでは図示しないレジストローラ対によりニップ部へ搬送されているが、記録材Pがレジストローラ対から抜け出る時も記録材の搬送速度の差分などの影響により過渡的な負荷変動が発生する。この負荷変動は記録材Pを伝達してニップ部へ伝わり、駆動ローラを介して転写ベルトまで伝わる。さらに、記録材Pがニップ部を通過し、ここでは図示しない定着ローラ対まで搬送され、定着ローラ対に記録材Pが突入すると、同様に衝撃による過渡的な負荷変動が発生する。これらの負荷変動が発生するタイミングで過渡的負荷変動検出・予想手段10よりの信号で、コントローラ8を経由してコイル層2bからの磁力が下げるようにしても良い。
次に、本発明の回転体が用いられる画像形成装置の具体例について順次説明する。
図13に示す例は、カラー複写機からなる画像形成装置の例である。
図13において、100は画像形成装置の装置本体である。この装置本体100は、その外装ケース111内の中央よりもやや右寄りに、像担持体としてのドラム状の感光体(感光体ドラム)112を備えている。感光体112の周りには、その上に設置されている帯電器113から矢印の回転方向(反時計方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置114、中間転写ユニット115、クリーニング装置116、除電器117などが配置されている。
これらの帯電器113、回転型現像装置114、クリーニング装置116、除電器117の上には、露光手段としての光書き込み装置、例えばレーザ書き込み装置118が設置される。回転型現像装置114は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した、現像ローラ121を有する現像器120A、120B、120C、120Dを備え、中心軸まわりに回転して各色の現像器120A、120B、120C、120Dを選択的に感光体112の外周に対向する現像可能となる角変位へ移動させる。
中間転写ユニット115は複数のローラ123に像担持体としての無端状の中間転写体、例えば中間転写ベルト124が掛け渡され、この中間転写ベルト124は感光体112に当接される。中間転写ベルト124の内側には転写装置125が設置され、中間転写ベルト124の外側には転写ローラ126及びクリーニング装置127が設置されている。クリーニング装置127は中間転写ベルト124に対して接離自在に設けられる。
レーザ書き込み装置118は、画像読取装置129から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体112に照射して感光体112を露光することで感光体112上に静電潜像を形成する。画像読取装置129は装置本体100の上面に設けられた原稿台130上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録材搬送路132は右から左へ用紙等の記録材を搬送する。記録材搬送路132には、中間転写ユニット115及び転写ローラ126より手前にレジストローラ133が設置され、中間転写ユニット115及び転写装置126より下流側に搬送ベルト134、定着装置135、排紙ローラ136が配置されている。
装置本体100は給紙装置150上に載置される。給紙装置150には、複数の給紙カセット151が多段に設けられ、給紙ローラ152のいずれか1つが選択的に駆動されて給紙カセット151のいずれか1つから記録材が送り出される。この記録材は装置本体100内の自動給紙路137を通して記録材搬送路132へ搬送される。また、装置本体100の右側には、手差しトレイ138が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ138から挿入された記録材は装置本体100内の手差し給紙路139を通して記録材搬送路132へ搬送される。装置本体100の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録材搬送路132を通して排紙ローラ136により排出された記録材が排紙トレイへ収容される。
このように構成されたカラー複写機において、カラーコピーをとる時には、原稿台130上に原稿Gをセットし、図示しないスタートスイッチを押すと、複写動作が開始される。まず、画像読取装置129が原稿台130上の原稿Gの画像を色分解して読み取る。同時に、給紙装置150内の給紙カセット151から給紙ローラ152で選択的に記録材が送り出され、この記録材は自動給紙路137を通してレジストローラ133に突き当たって止まる。
感光体112は、反時計方向に回転し、複数のローラ123のうち、1つが駆動ローラであり、この駆動ローラの回転で中間転写ベルト124が時計方向へ回転する。感光体112は、回転に伴い、帯電器113により一様に帯電され、画像読取装置129から画像処理部を介してレーザ書込み装置118に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。
この感光体112上の静電潜像は回転型現像装置114の1色目の現像器120Aにより現像されて1色目の画像となり、この感光体112上の1色目の画像は転写装置125により中間転写ベルト124に転写される。感光体112は、1色目の画像の転写後にクリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
続いて、感光体112は、帯電器113により一様に帯電され、画像読取装置129から画像処理部を介してレーザ書込み装置118に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。この感光体112上の静電潜像は回転型現像装置114の2色目の現像器120Bにより現像されて2色目の画像となり、この感光体112上の2色目の画像は転写装置125により中間転写ベルト124上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体112は、2色目の画像の転写後にクリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
次に、感光体112は、帯電器113により一様に帯電され、画像読取装置129から画像処理部を介してレーザ書込み装置118に加えられる3色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。この感光体112上の静電潜像は回転型現像装置114の3色目の現像器120Cにより現像されて3色目の画像となり、この感光体112上の3色目の画像は転写装置125により中間転写ベルト124上に1色目の画像、2色目の画像と重ねて転写される。感光体112は、3色目の画像の転写後にクリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
さらに、感光体112は、帯電器113により一様に帯電され、画像読取装置129から画像処理部を介してレーザ書込み装置118に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。この感光体112上の静電潜像は回転型現像装置114の4色目の現像器120Dにより現像されて4色目の画像となり、この感光体112上の4色目の画像が転写装置125により中間転写ベルト124上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。感光体112は、4色目の画像の転写後にクリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
そして、レジストローラ133がタイミングをとって回転して記録材が送り出され、この記録材は転写ローラ126により中間転写ベルト124上のフルカラー画像が転写される。この記録材は、搬送ベルト134で搬送されて定着装置135によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ136により排紙トレイへ排出される。また、中間転写ベルト124はフルカラー画像の転写後にクリーニング装置127でクリーニングされて残留トナーが除去される。
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体112上に3つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト124上に重ねて転写された後に記録材に一括して転写され、2色重ね画像を形成する場合には感光体112上に2つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト124上に重ねて転写された後に記録材に一括して転写される。また、単色画像を形成する場合には、感光体112上に1つの単色画像が形成されて中間転写ベルト124上に転写された後に記録材に転写される。
このようなカラー複写機においては、中間転写ベルト124と転写ローラ126とのニップ部で記録材の突入あるいは通過するときの衝撃による過渡的な負荷変動による影響を効率良く抑えることが望まれる。さらに、中間転写ベルト124の駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、より高精度な中間転写ベルト124の駆動が望まれる。
そこで、このカラー複写機では、転写ローラ126とこれとニップ部を構成するローラ123の少なくとも一方を上記したローラ1を用いる。さらに、中間転写ベルト124を図4の転写ベルト7となるような駆動装置の構成とすることにより、中間転写ベルト124の駆動精度が向上し、画像形成時における変動が減少することから、高品質な画像を得ることができる。
図14に示す例は、別のカラー複写機からなる画像形成装置の例である。
図14において、像担持体としての感光体201は、閉ループ状のベルト基材の外周面上に、有機光半導体(OPC)等の感光層が薄膜状に形成された感光体ベルトである。この感光体201は、3本の感光体搬送ローラ202〜204によって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動する。
感光体201の周りには、矢印Aで示す感光体201回転方向へ順に、帯電器205、露光手段としての露光光学系(以下LSU206という)、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの各色の現像器207〜210、中間転写ユニット211、感光体クリーニング手段212及び除電器213が設けられている。帯電器205は、数KV程度の高電圧が図示しない電源装置から印加され、感光体201の帯電器205に対向した部分を帯電して一様な帯電電位を与える。
LSU206は、レーザ駆動回路(図示せず)により階調変換手段(図示せず)からの各色の画像信号を順次に光強度変調やパルス幅変調してその変調信号で半導体レーザ(図示せず)を駆動することにより露光光線214を得、この露光光線214により感光体201を走査して感光体201上に各色の画像信号に対応する静電潜像を順次に形成する。
各現像器207〜210は、それぞれの現像色に対応したトナーを収納しており、感光体201上の各色の画像信号に対応した静電潜像に応じたタイミングで選択的に感光体201に当接し、感光体201上の静電潜像をトナーにより現像して各色の画像とすることで、4色重ねの画像によるフルカラー画像を形成する。
中間転写ユニット211は、アルミニウム等の金属の素管に導電性の樹脂等からなるベルト状のシートを巻いた中間転写体としての転写ドラム217と、ゴム等をブレード状に形成した中間転写体クリーニング手段218とからなり、転写ドラム217上に4色重ねの画像が形成されている間は中間転写体クリーニング手段218が転写ドラム217から離間している。中間転写体クリーニング手段218は、転写ドラム217をクリーニングする時のみ転写ドラム217に当接し、転写ドラム217から記録材としての記録材Pに転写されずに残ったトナーを除去する。記録材Pは、記録材カセット220から給紙ローラ221により1枚ずつ用紙搬送路222に送り出される。
転写手段としての転写ユニット223は、転写ドラム217上のフルカラー画像を記録材219に転写するものであり、導電性のゴム等をベルト状に形成した転写ベルト224と、転写ドラム217上のフルカラー画像を記録材Pに転写するための転写バイアスを中間ベルト224に印加する転写ローラ225と、記録材Pにフルカラー画像が転写された後に記録材Pが転写ドラム217に静電的に張り付くのを防止するようにバイアスを転写ドラム217に印加する分離器226とから構成されている。
定着器227は、内部に熱源を有するヒートローラ228と、加圧ローラ229とから構成され、記録材P上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ228と加圧ローラ229との記録材挟持回転に伴い圧力と熱を記録材Pに加えて記録材Pにフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
このように構成されたカラー複写機の動作について説明する。ここで、静電潜像の現像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で行われるものとして説明を進める。
感光体201と転写ドラム217は、それぞれの駆動源(図示せず)により、矢印A、B方向にそれぞれ駆動される。この状態で、まず、帯電器205に数KV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加され、帯電器205が感光体201の表面を一様に数百V程度に帯電させ、感光体201にLSU6からブラックの画像信号に対応したレーザビームの露光光線214が照射され、感光体201は露光光線214が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、ブラック現像器207は所定のタイミングで感光体201に当接される。ブラック現像器207内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体201上の露光光線214の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。ブラック現像器207により感光体201の表面に形成されたブラックトナー像は、転写ドラム217に転写される。感光体201から転写ドラム217に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段212により除去され、さらに除電器213によって感光体1上の電荷が除去される。
次に、帯電器205が感光体201の表面を一様に数百V程度に帯電させる。感光体201にLSU206からシアンの画像信号に対応したレーザビームの露光光線214が照射され、感光体201は露光光線214が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体1には所定のタイミングでシアン現像器208が当接される。シアン現像器208内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体201上の露光光線214の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。シアン現像器208により感光体201の表面に形成されたシアントナー像は、転写ドラム217上にブラックトナー像と重ねて転写される。感光体201から転写ドラム217に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段212により除去され、さらに除電器213によって感光体201上の電荷が除去される。
次に、帯電器205が感光体201の表面を一様に数百V程度に帯電させる。感光体201にLSU206からマゼンタの画像信号に対応したレーザビームの露光光線214が照射され、感光体201は露光光線214が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体1には所定のタイミングでマゼンタ現像器209が当接される。マゼンタ現像器209内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体201上の露光光線214の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。マゼンタ現像器209により感光体201の表面に形成されたマゼンタトナー像は、転写ドラム217上にブラックトナー像、シアントナー像と重ねて転写される。感光体201から転写ドラム217に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段212により除去され、さらに除電器213によって感光体201上の電荷が除去される。
さらに、帯電器205が感光体201の表面を一様に数百V程度に帯電させる。感光体201にLSU206からイエローの画像信号に対応したレーザビームの露光光線214が照射され、感光体201は露光光線214が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体1には所定のタイミングでイエロー現像器210が当接される。イエロー現像器210内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体201上の露光光線214の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。イエロー現像器210により感光体201の表面に形成されたイエロートナー像は、転写ドラム217上にブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像と重ねて転写され、転写ドラム217上にフルカラー画像が形成される。感光体201から転写ドラム217に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段212により除去され、さらに除電器213によって感光体201上の電荷が除去される。
転写ドラム217上に形成されたフルカラー画像は、これまで転写ドラム217から離間していた転写ユニット223が転写ドラム217に接触し、転写ローラ225に数KV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加されることで、記録材カセット220から用紙搬送路222に沿って搬送されてきた記録材Pへ転写ローラ225により一括して転写される。
また、分離器226には記録材Pを引き付ける静電力が働くように電圧が電源装置から印加され、記録材Pが転写ドラム217から剥離される。続いて、記録材Pは、定着器227に送られ、ここでヒートローラ228と加圧ローラ229とによる挟持圧、ヒートローラ228の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ230により排紙トレイ231へ排出される。
また、転写ユニット223により記録材P上に転写されなかった転写ドラム217上の残留トナーは中間転写体クリーニング手段218により除去される。中間転写体クリーニング手段218は、フルカラー画像が得られるまで転写ドラム217から離間した角変位にあり、フルカラー画像が記録材Pに転写された後に転写ドラム217に接触して転写ドラム217上の残留トナーを除去する。以上の一連の動作によって1枚分のフルカラー画像形成が終了する。
このようなカラー複写機においては、転写ドラム217と転写ローラ225とのニップ部で記録材の突入あるいは通過するときの衝撃による過渡的な負荷変動による影響を効率良く抑えることが望まれる。さらに、転写ドラム217、搬送ベルト224の駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、特に高精度な転写ドラム217、搬送ベルト224の高精度駆動が望まれる。
そこで、このカラー複写機では、転写ドラム217と転写ローラ225の少なくとも一方を上記したローラ1を用いる。さらに、搬送ベルト224を図4の転写ベルト7となるような駆動装置の構成とすることにより、搬送ベルト224の駆動精度が向上し、画像形成時における変動が減少することから、高品質な画像を得ることができる。
図15に示す例は、さらに別のカラー複写機からなる画像形成装置の例である。
図15において、複数色、例えばブラック(以下Bkという)、マゼンタ(以下Mという)、イエロー(以下Yという)、シアン(以下Cという)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット321Bk、321M、321Y、321Cが垂直方向に配列され、この画像形成ユニット321Bk、321M、321Y、321Cは、それぞれ像担持体としてのドラム状の感光体322Bk、322M、322Y、322C、帯電装置(例えば接触帯電装置)323Bk、323M、323Y、323C、現像装置324Bk、324M、324Y、324C、クリーニング装置325Bk、325M、325Y、325Cなどから構成される。
感光体322Bk、322M、322Y、322Cは、無端状搬送ベルト226と対向して垂直方向に配列され、搬送ベルト226と同じ周速で回転駆動される。この感光体322Bk、322M、322Y、322Cは、それぞれ、帯電装置323Bk、323M、323Y、323Cにより均一に帯電された後に、露光手段としての光書き込み装置327Bk、327M、327Y、327Cによりそれぞれ露光されて静電潜像が形成される。
光書き込み装置327Bk、327M、327Y、327Cは、それぞれY、M、C、Bk各色の画像信号により半導体レーザ駆動回路で半導体レーザを駆動して半導体レーザからのレーザビームをポリゴンミラー329Bk、329M、329Y、329Cにより偏向走査し、このポリゴンミラー329Bk、329M、329Y、329Cからの各レーザビームを図示しないfθレンズやミラーを介して感光体322Bk、322M、322Y、322Cに結像することにより、感光体322Bk、322M、322Y、322Cを露光して静電潜像を形成する。
この感光体322Bk、322M、322Y、322C上の静電潜像は、それぞれ現像装置324Bk、324M、324Y、324Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。したがって、帯電装置323Bk、323M、323Y、323C、光書き込み装置327Bk、327M、327Y、327C及び現像装置324Bk、324M、324Y、324Cは、感光体322Bk、322M、322Y、322C上にBk、M、Y、C各色の画像(トナー像)を形成する画像形成手段を構成している。
一方、普通記録材、OHPシートなどの記録材は本実施例の下部に設置された、給紙カセットを用いて構成された給紙装置330から記録材搬送路に沿ってレジストローラ331に給紙され、レジストローラ331は1色目の画像形成ユニット(記録材に最初に感光体上の画像を転写する画像形成ユニット)321Bkにおける感光体322Bk上のトナー像とタイミングを合わせて記録材を搬送ベルト326と感光体322Bkとの転写ニップ部へ送出する。
搬送ベルト326は垂直方向に配列された駆動ローラ332及び従動ローラ333に掛け渡され、駆動ローラ332が図示しない駆動部により回転駆動されて搬送ベルト326が感光体322Bk、322M、322Y、322Cと同じ周速で時計方向に回転する。レジストローラ331から送り出された記録材は、搬送ベルト326により搬送され、感光体322Bk、322M、322Y、322C上のBk、M、Y、C各色のトナー像が転写ローラ334Bk、334M、334Y、334Cにより形成される電界の作用で順次に重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成されると同時に、搬送ベルト326に静電的に吸着されて確実に搬送される。
この記録材は、分離手段336により徐電されて搬送ベルト326から分離された後に定着装置337によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ338により本実施例の上部に設けられている排紙部339へ排出される。また、感光体322Bk、322M、322Y、322Cは、トナー像転写後にクリーニング装置325Bk、325M、325Y、325Cによりクリーニングされて次の画像形成動作に備える。
このようなカラー複写機においては、感光体322Bk、322M、322Y、322Cと転写ローラ334Bk、334M、334Y、334Cとのニップ部で記録材の突入あるいは通過するときの衝撃による過渡的な負荷変動による影響を効率良く抑えることが望まれる。さらに、搬送ベルト326、感光体322Bk、322M、322Y、322Cの駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、より高精度な搬送ベルト226、感光体322Bk、322M、322Y、322Cの駆動が望まれる。
そこで、このカラー複写機では、感光体322Bk、322M、322Y、322Cと転写ローラ334Bk、334M、334Y、334Cの少なくとも一方を上記したローラ1を用いる。さらに、搬送ベルト326を図4の転写ベルト7となるような駆動装置の構成とすることにより、搬送ベルト326の駆動精度が向上し、画像形成時における変動が減少することから、高品質な画像を得ることができる。
図16に示す例は、さらに別のカラー複写機からなる画像形成装置の例である。
図16において、像担持体としての転写体は、閉ループ状のPI基材の中間転写ベルト401である。この中間転写ベルト401は、3本のローラによって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動する。3本のローラはそれぞれ駆動モータより駆動が伝達されて駆動する駆動ローラ402、中間転写ベルト401にテンションを与える対向ローラ404、連れ回りする従動ローラ403とから構成されている。
中間転写ベルト401を含む中間転写ユニット423は、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの各色の感光体ドラム424〜427を含み、帯電器・露光手段としての露光光学系・現像器を含む感光体ドラムユニット405〜408、転写バイアスを印加する転写器418〜421、記録材へ転写する2次転写ローラ412、ゴム等をブレード状に形成した中間転写ベルトクリーニング手段417が設けられている。
感光体ドラム424〜427を含む感光体ドラムユニット405〜408において、図示していない露光光学系はレーザ駆動回路により階調変換手段からの各色の画像信号を順次に光強度変調やパルス幅変調をして、その変調信号で半導体レーザを駆動することにより露光光線を得て、この露光光線により感光体を走査して感光体上に各色の画像信号に対応する静電潜像を順次に形成する。また、各現像器は、それぞれの現像色に対応したトナーを収納しており、感光体上の各色の画像信号に対応した静電潜像に応じたタイミングで感光体上の静電潜像をトナーにより現像して各色の画像とすることで4色重ねの画像によるフルカラー画像を形成する。形成されたフルカラー画像は中間転写ベルト401を挟んで設けられた転写器418〜421に転写バイアスを印加することで感光体上から中間転写ベルト401上へと転写される。また、中間転写ベルトクリーニング手段417は、つねに中間転写ベルト401上に接しており、中間転写ベルト401上の残トナーを取り除くものでも良いし、中間転写ベルト1をクリーニングする時のみ中間転写ベルト1に接し、中間転写ベルト1から記録材である記録材に転写されずに残ったトナーを除去するものでも良い。記録材は、記録材カセット409から給紙ローラ410により1枚ずつ用紙搬送路411に送り出される。転写手段としての2次転ローラ412は、中間転写ベルト401上のフルカラー画像を記録材に転写するものであり、中間転写ベルト401上のフルカラー画像を記録材に転写するための転写バイアスを2次転ローラ412に印加し、記録材にフルカラー画像を転写する。
定着器415は、内部に熱源を有するヒートローラ413と、加圧ローラ414とから構成され、記録材上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ413と加圧ローラ414との記録材挟持回転に伴い圧力と熱を記録材に加えて記録材にフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
このように構成されたカラー複写機の動作について説明する。ここで、静電潜像の現像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で行われるものとして説明を進める。
感光体ドラムユニット408において、駆動源(図示しない)により、駆動されており、この状態でまず、帯電器に数KV程度の高電圧が電源装置から印加され、帯電器が感光体ドラム427の表面を一様に数百V程度に帯電させ、感光体ドラム427に露光光学系からブラックの画像信号に対応したレーザービームの露光光線が照射され、感光体ドラム427は露光光線が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、ブラック現像器は所定のタイミングで感光体ドラム427に当接される。ブラック現像器内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体ドラム427上の露光光線の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。ブラック現像器により感光体ドラム427の表面に形成されたブラックトナー像は、感光体ドラム427と中間転写ベルト401が接し、転写器421に転写バイアスが印加されることで感光体ドラム427上から中間転写ベルト401へ転写される。感光体ドラム427から中間転写ベルト401に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段により除去され、さらに除電器によって感光体ドラム427上の電荷が除去される。
感光体ドラムユニット407において、駆動源(図示しない)により、駆動されており、この状態でまず、帯電器に数KV程度の高電圧が電源装置から印加され、帯電器が感光体ドラム426の表面を一様に数百V程度に帯電させ、感光体ドラム426に露光光学系からシアンの画像信号に対応したレーザービームの露光光線が照射され、感光体ドラム426は露光光線が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、シアン現像器は所定のタイミングで感光体ドラム426に当接される。シアン現像器内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体ドラム426上の露光光線の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。シアン現像器により感光体ドラム426の表面に形成されたシアントナー像は、感光体ドラム426と中間転写ベルト401が接し、転写器420に転写バイアスが印加されることで感光体ドラム426上から中間転写ベルト401へ転写される。感光体ドラム426から中間転写ベルト401に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段により除去され、さらに除電器によって感光体ドラム426上の電荷が除去される。
感光体ドラムユニット406において、駆動源(図示しない)により、駆動されており、この状態でまず、帯電器に数KV程度の高電圧が電源装置から印加され、帯電器が感光体ドラム425の表面を一様に数百V程度に帯電させ、感光体ドラム425に露光光学系からマゼンタの画像信号に対応したレーザービームの露光光線が照射され、感光体ドラム425は露光光線が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、マゼンタ現像器は所定のタイミングで感光体ドラム425に当接される。マゼンタ現像器内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体ドラム425上の露光光線の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。マゼンタ現像器により感光体ドラム425の表面に形成されたマゼンタトナー像は、感光体ドラム425と中間転写ベルト401が接し、転写器419に転写バイアスが印加されることで感光体ドラム425上から中間転写ベルト401へ転写される。感光体ドラム425から中間転写ベルト401に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段により除去され、さらに除電器によって感光体ドラム425上の電荷が除去される。
感光体ドラムユニット405において、駆動源(図示しない)により、駆動されており、この状態でまず、帯電器に数KV程度の高電圧が電源装置から印加され、帯電器が感光体ドラム424の表面を一様に数百V程度に帯電させ、感光体ドラム424に露光光学系からイエローの画像信号に対応したレーザービームの露光光線が照射され、感光体ドラム424は露光光線が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、イエロー現像器は所定のタイミングで感光体ドラム424に当接される。イエロー現像器内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体ドラム425上の露光光線の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。イエロー現像器により感光体ドラム424の表面に形成されたマゼンタトナー像は、感光体ドラム424と中間転写ベルト401が接し、転写器418に転写バイアスが印加されることで感光体ドラム424上から中間転写ベルト401へ転写される。感光体ドラム424から中間転写ベルト401に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段により除去され、さらに除電器によって感光体ドラム424上の電荷が除去される。
かくして中間転写ベルト401上に形成された4色フルカラー画像は、駆動ローラ402と2次転ローラ412の転写部まで搬送される。2次転ローラには数KV程度の高電圧が電源装置から印加されることで、記録材カセット409から用紙搬送経路411に沿って搬送されてきた記録材へ一括して転写される。続いて記録材は定着器415に送られ、ここでヒートローラ413と加圧ローラ414とによる挟持圧、ヒートローラ413の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ416により排紙トレイへ排出される。
また、中間転写ベルト401より2次転写で記録材上へ転写されなかった中間転写ベルト401上の残留トナーは中間転写体クリーニング手段417により除去される。本例の中間転写体クリーニング手段417は、常に中間転写ベルト1に接しており、転写されずに残った残留トナーを除去している。以上の一連の動作によって1枚分のフルカラー画像形成が終了する。
このようなカラー複写機においては、駆動ローラ402と2次転写ローラ412とのニップ部で記録材の突入あるいは通過するときの衝撃による過渡的な負荷変動による影響を効率良く抑えることが望まれる。
そこで、このカラー複写機では、駆動ローラ402と2次転写ローラ412の少なくとも一方を上記したローラ1を用いることで、高品質な画像を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明の回転体はインクジェット記録装置にも適用でき、例えば、記録材搬送装置において用いる搬送ベルトの構成とすることで副走査方向の記録材搬送を高精度に行なうことも可能である。