JP4719256B2 - 電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents
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また、該支持体がニッケルシームレスベルトであって、かつ該感光体の乱反射率が赤外光に対して、特定の範囲内とする電子写真用感光体を用いることで上記課題を解決できることを見出し、第2群の本発明を完成するに至った。
[第1群の本発明]
第1群の本発明に用いられる電子写真用感光体は、表面を粗面化したアルミニウム管よりなる導電性支持体上に少なくとも結着樹脂と微粒子とからなる下引き層と感光層を有しており、800nm〜1300nmの波長領域の光は、感光層をほとんど透過して、下引き層および導電性支持体に到達し、下引き層中の微粒子や粗面化された支持体表面によって乱反射を起こす。特に粒径0.5μm〜3μmの粒子を含有していると、上記波長領域の光を適度に乱反射させるため、より容易に50%〜65%の乱反射率をもって反射させることができ、濃度センサーによって検知される電子写真感光体の濃度を中間濃度とすることができる。さらに、画像形成装置に用いられる濃度センサーから照射される赤外光を前記電子写真感光体の反射率を測定した光と略同一の波長とすることで、さらに精度良く電子写真感光体の濃度を中間濃度として検知させることができる。さらに、前記濃度センサーから照射される赤外光のスポットを支持体表面の切削ピッチよりも大きくすることで、濃度センサーの乱反射光の表面形状によるばらつきが抑えられ、より精度良く感光体濃度を検知させることができる。
図2は、電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体(31)上に、結着樹脂と微粒子とを含有する下引き層(32)と、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層(33)が設けられている。
図3は、導電性支持体(31)上に、結着樹脂と微粒子とを含有する下引き層(32)と、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが、この順序に積層された構成をとっている。
図4は、導電性支持体(31)上に、結着樹脂と微粒子とを含有する下引き層(32)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)と、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)とが、この順序に積層された構成をとっている。
図5は、導電性支持体(31)上に、結着樹脂と微粒子とを含有する下引き層(32)と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層(39)が設けられてなる。
感光層は、電荷発生物質を電荷輸送層に分散させた単層型でも、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型でもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
また、必要により適当な酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは、0.1〜30重量部、レベリング剤の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。
単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができる。なお、保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
また、以上の他に真空薄膜作成法にて形成したa−C,a−SiCなどの公知の材料も保護層(39)として用いることができる。
前記別の中間層は一般に樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン樹脂、水溶性ブチラール樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記別の中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法を用いることができる。なお、膜厚は0.05〜2μmが適当である。
(a)フェノ−ル系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
カルナウバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
ニッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
第2群の本発明に用いられる電子写真用感光体は、導電性支持体上に少なくとも結着樹脂と微粒子とからなる下引き層を有しており、該導電性支持体が800nm〜1300nmの波長領域のいずれかの波長の光を25%〜55%の反射率をもって反射する。このとき、前記波長領域の光に対しては、その乱反射率の大きさと下引き層の膜厚の大きさとの相関が非常によく、反射率を膜厚によって制御することが可能である。すなわち、膜厚を厚くすることで乱反射率を大きくしたり、逆に膜厚を薄くすることで反射率を小さくすることができる。当然、感光体個体間であっても、膜厚が同じであれば反射率はほとんど同じになる。さらに、この波長領域の光の反射率は下引き層の表面粗さの違いによる影響をほとんど受けないため、感光体製造時の環境変動などによる表面粗さの変化、塗工方法による表面粗さの違いなどによって感光体の表面粗さが変化しても、下引き層の反射率が変化することはほとんどない。しかも、下引き層の膜厚を制御することは、感光体を製造する上では従来から行なわれていることであり、余分な管理、検査工程を設けることなく、個体間の反射率の変動をも大幅に抑えることができるので、製造コストの面でも非常に有用である。
さらに、下引き層の膜厚は、感光体の繰り返し使用によって変化することはなく、したがって、反射率も変化しないといえる。
図6は、第1群の本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も第1群の本発明の範疇に属するものである。
図6において、感光体(1)は本発明にて製造された電子写真感光体が設けられてなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ(3)、転写前チャージャ(7)、転写チャージャ(10)、分離チャージャ(11)、クリーニング前チャージャ(13)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
まず、感光体の反射率より得られるPセンサー出力Vsgをあらかじめ設定してある電圧に自動調整することで濃度センサーを校正する。この校正は任意の期間をおいて行ない、それによってPセンサーの汚れ、経時変化等による画像への影響を低減する。次に、感光体上に濃度の異なるパッチパターン潜像を形成し、その感光体表面電位を電位センサ(図示せず)で検知し、記憶する。さらに前記パッチパターン潜像をトナーによって現像し、その現像されたパッチパターンの濃度をPセンサーが検出する。検出されたPセンサー出力結果と画像形成装置内に記憶されている演算式を用いて感光体上のトナー濃度が算出される。このようにして得られたパッチパターン潜像の感光体表面電位、パッチパターン現像時の現像バイアス値、および前記算出されたトナー濃度から現像ポテンシャルとトナー付着量との関係が得られ、これと画像形成装置内に記憶されている電位テーブルから、最適なVD(暗部電位)、VL(明部電位)、VB(現像バイアス)の値を決定して、画像濃度を制御する。
最近はフルカラーもモノクロ並のスピードが要求されてきており、このようなタンデム型が注目されている。タンデム型の画像形成装置は、一般にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーをそれぞれ別の感光体に現像し、記録材が一度通過する間に複数色のトナーを転写することができるため、カラー画像が形成されるために、実質単色画像を形成するのと同じ時間しか必要としない。そのためカラー画像形成のスピードアップに非常に有効である。また、本発明の感光体は、個体間においても感光体反射率が制御されているため、例えば、複数ある感光体のうちの一部だけを交換しても、反射率の変化が小さいため、トナー濃度制御への影響が小さく、画像色調の変化を抑えることができる。
中間転写ベルトは、従来から弗素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。
トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。
樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けた用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
弾性ベルトは樹脂ベルトより硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けのない、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
たとえばポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。
また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行なうことで表面にフッ素リッチな層を形成させ、表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、
表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工法、
円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、
内型、外型の中に注入する注型法、
円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行なう方法、があるがこれに限定されるものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することができるのは当然である。
PVDF100重量部に対してカーボンブラック18重量部、分散剤3重量部、トルエン400重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ室温にて乾燥をさせ、75μmのPVDFの均一な膜を形成した。75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件で溶液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ室温乾燥させ、150μmのPVDFベルトを形成した。これに、ポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、カーボンブラック20重量部、分散剤3重量部、MEK500重量部を均一分散させた分散液に上記150μmPVDFが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行ない、自然乾燥を行なった。乾燥後繰り返しを行ない、狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させた。
上記150μmのウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行ない自然乾燥を行なった。乾燥後繰り返しを行ない、5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。室温で乾燥後130℃、2時間の架橋を行ない、樹脂層;150μm、弾性層;150μm、表層;5μmの3層構成転写ベルトを得た。
一方、織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり、当然導電処理を施すこともできる。
図8は、第2群の本発明の画像形成装置を説明するための概略図である。
感光体(16)は本発明にて製造されたニッケルシームレスベルト状電子写真感光体を有しており、駆動ローラ(17)で駆動され、転写ローラ(28)、従動ローラ(23)によってたるみ、すべり等が起こることなく滑らかに回転する。この感光体(16)は帯電器(18)による帯電、光源(19)による像露光、現像(図示せず)、帯電器(20)を用いる転写、ブラシ(21)によるクリーニング、光源(22)による除電が繰返し行なわれる。帯電器としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
なお、第1群の発明の実施例は参考例である。
(実施例1)
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製))10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解し、これにアルミナ、酸化ジルコニウムで表面処理された酸化チタン粉末(タイペークCR−97(石原産業社製))80重量部、アルミナで表面処理された酸化チタン(タイペークCR−67(石原産業社製))10部を加えボールミルで24時間分散し、下引層用塗工液を作製した。これをφ90mm、長さ380mm、厚み2mm、表面を切削加工によって粗面化したアルミニウム管に浸漬塗工法によって塗工し130℃20分間乾燥して、厚み3.4μmの下引き層を形成した。
下引き層を形成する際の浸漬塗工速度を代えて、下引き層の膜厚をそれぞれ変化させた以外は実施例1と同様にして実施例2〜5の電子写真感光体を作製した。
下引き層を形成する際に、スプレー塗工法を用い、そのときの塗布回数を変えて下引き層の膜厚をそれぞれ変化させた以外は実施例1と同様にして実施例6、7の電子写真感光体を作製した。
導電性支持体として、ED法により作成した無切削アルミニウム管を用いた以外は実施例1、2と同様にして比較例1、2の電子写真感光体を作製した。
下引き層を形成する際の浸漬塗工速度を代えて、下引き層の膜厚をそれぞれ変化させた以外は実施例1と同様にして比較例3、4の電子写真感光体を作製した。
下引き層を、ポリアミド樹脂(アミランCM8000(東レ社製)2重量部をn−ブタノール40重量部、メタノール60重量部の混合溶液に溶解して得られた下引き層形成用塗工液を用いて作成した以外は実施例1と同様にして、比較例4の電子写真感光体を作製した。
また、これらの感光体の乱反射率を、分光光度計(島津製作所社製:UV−3100)の積分球ユニットを用いて測定した。測定条件は、測定波長950nm、スリット幅20nmとした。
反射率を測定した後、感光層を剥離して、下引き層表面の表面粗さ十点平均粗さRzを測定した。
十点平均粗さの測定はJISB0601に従い、表面粗さ測定装置(東京精密社製:E−MD−S75A)を用いて測定した。
導電性支持体をφ30mm、長さ340mm、厚さ1mm、表面を切削加工したアルミニウム管に代えた以外は実施例1、5と同様にして実施例8、9の電子写真感光体を作製した。
(実施例10)
ニッケルシームレスベルト支持体の製造例
電気メッキ装置において外径92mm、長さ430mm、上下での直径差0.023mm、表面粗さRz0.1μmのステンレス鋼製円筒状金型を用いて下記のメッキ液組成及びメッキ条件で厚さ30μm、長さ367mm、周長289mm、上下での周長差0.072mmのニッケルシームレスベルトを製造した。
60%スルファミン酸ニッケル液(日本化学産業製) 500g/l
臭化ニッケル(日本化学産業製) 6g/l
硼酸(関東化学製) 35g/l
添加剤(ピットレスS 日本化学産業製) 3cc/l
ナフタレンスルホン酸 0.1g/l
PH 4.1
浴温度 40℃
電流密度 1A/cm2
メッキ時間 160分
下引き層を形成する際の浸漬塗工速度を代えて、下引き層の膜厚をそれぞれ変化させた以外は実施例10と同様にして実施例11、12、参考例10の電子写真感光体を作製した。
下引き層を形成する際に、スプレー塗工法を用い、そのときの塗布回数を代えて下引き層の膜厚をそれぞれ変化させた以外は実施例10と同様にして実施例13、14の電子写真感光体を作製した。
下引き層を形成する際の浸漬塗工速度を代えて、下引き層の膜厚をそれぞれ変化させた以外は実施例10と同様にして比較例5、6の電子写真感光体を作製した。
下引き層を、ポリアミド樹脂(アミランCM8000(東レ社製)2重量部をn−ブタノール40重量部、メタノール60重量部の混合溶液に溶解して得られた下引き層形成用塗工液を用いて作成した以外は実施例10と同様にして、比較例7の電子写真感光体を作製した。
また、これらの感光体の乱反射率を、分光光度計(島津製作所社製:UV−3100)の積分球ユニットを用いて測定した。測定条件は、測定波長950nm、スリット幅20nmとした。
反射率を測定した後、感光層を剥離して、下引き層表面の表面粗さ十点平均粗さRzを測定した。
十点平均粗さの測定はJISB0601に従い、表面粗さ測定装置(東京精密社製:E−MD−S75A)を用いて測定した。
弾性中間転写ベルトの製造例
PVDF100重量部に対して、カーボンブラック18重量部、分散剤3重量部、トルエン400重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ室温にて乾燥をさせ、75μmのPVDFの均一な膜を形成した。75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件で溶液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ室温乾燥させ、150μmのPVDFベルトを形成した。これに、ポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、カーボンブラック20重量部、分散剤3重量部、MEK500重量部を均一分散させた分散液に上記150μmPVDFが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行ない自然乾燥を行なった。乾燥後繰り返しを行ない狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させた。
上記150μmのウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行ない自然乾燥を行なった。乾燥後繰り返しを行ない、5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。室温で乾燥後130℃、2時間の架橋を行ない、樹脂層;150μm、弾性層;150μm、表層;5μmの3層構成転写ベルトを得た。
こうして得られた弾性中間転写ベルトと実施例11の電子写真感光体をIPSiO color 5000(リコー製)の改造機に搭載して、フルカラー画像を出力したところ、実施例15の画像と比較して、色ズレが大幅に抑えられ、かつ虫食い、色調異常等の異常画像がない良好な画像が得られた。
参考例1の電子写真感光体を用いた以外は実施例15と同様にしてフルカラー画像を出力したところ、虫食い、色調異常等のない良好な画像が得られた。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 Pセンサー
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 ブレード
16 感光体
17 駆動ローラ
18 帯電器
19 像露光源
20 転写チャージャ
21 ブラシ
22 除電光源
23 従動ローラ
24 Pセンサー
28 転写ローラ
31 導電性支持体
32 下引き層
33 感光層
Claims (4)
- 導電性支持体上に少なくとも結着樹脂と微粒子とからなる下引き層と感光層を有する電子写真感光体において、該支持体がニッケルシームレスベルトであり、前記下引き層の膜厚が2.4〜7.9μmであり、かつ積分球を用いて測定した該感光体の乱反射率が950nmの波長の光に対して25.5%〜37.7%であることを特徴とする電子写真用感光体。
- 前記下引き層が少なくとも粒径0.3μm〜3μmの粒子を含有していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層に含有される微粒子が金属酸化物を主成分とする無機微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも結着樹脂と微粒子とからなる下引き層と感光層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、該電子写真感光体の乱反射率を、下引き層の膜厚によって制御して、請求項1乃至3の何れか1に記載の電子写真感光体を得ることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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