JP2002311604A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JP2002311604A
JP2002311604A JP2001118962A JP2001118962A JP2002311604A JP 2002311604 A JP2002311604 A JP 2002311604A JP 2001118962 A JP2001118962 A JP 2001118962A JP 2001118962 A JP2001118962 A JP 2001118962A JP 2002311604 A JP2002311604 A JP 2002311604A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potential
photosensitive drum
image forming
general formula
binder resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001118962A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Azuma
潤 東
Masayuki Fujishima
正之 藤島
Masatada Watanabe
征正 渡辺
Ayako Yashima
亜矢子 屋島
Takashi Nagashima
高志 永島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Mita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Mita Corp filed Critical Kyocera Mita Corp
Priority to JP2001118962A priority Critical patent/JP2002311604A/ja
Publication of JP2002311604A publication Critical patent/JP2002311604A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】耐摩耗性良好な単層型感光体ドラムを備え、長
期に渡り、表面電位低下や感度悪化による画像カブリ等
の不具合の無い、長寿命な画像形成装置を提供する。 【解決手段】前の帯電時の電圧データに基づいて帯電さ
れた有機感光体ドラム表面の電位を検出する電位センサ
ーにより検出された電位が目標電位に近づくように、帯
電制御手段を備え、制御された帯電手段によって有機感
光体ドラム表面に帯電を行う画像形成装置であって、前
記有機感光体ドラムが、導電性基体上に、少なくとも電
荷発生剤、電子輸送剤、ホール輸送剤を含有するバイン
ダー樹脂からなる感光層を備えた単層型感光体ドラムで
あり、前記電子輸送剤の電界強度5×105V/cmに
おける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上
で、前記バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の
50wt%以上70wt%以下であることを特徴とする
画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式複写機、フ
ァクシミリ、レーザービームプリンタ等の電子写真方式
の画像形成装置に関する。より詳細には、耐摩耗性が良
好な単層型感光体ドラムを備えた長寿命な画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】上記電子写真方式の画像形成装置におい
ては、感光体ドラム表面を一様に帯電し、画像露光する
ことにより静電潜像を形成した後、微粒子状の粉体であ
るトナーで静電潜像を現像し、現像されたトナー像を転
写用紙に転写し、熱定着するシステムが一般的に採用さ
れている。
【0003】上記の画像形成装置においては、当該装置
に用いられる光源の波長領域に感度を有する種々の感光
体が使用されている。その一つはセレンのような無機材
料を感光層に用いた無機感光体であり、他は有機材料を
感光層に用いた有機感光体(OPC)である。これらの
うち、有機感光体は無機感光体に比べて製造が容易であ
るとともに、電荷輸送剤、電荷発生剤、バインダー樹脂
等の感光体材料の選択肢が多様で、機能設計の自由度が
高いことから、近年、広範な研究が進められている。
【0004】有機感光体には、電荷発生剤を含有する電
荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層との積層構
造からなる、いわゆる積層型感光体と、電荷発生剤と電
荷輸送剤とを単一の感光層中に分散させた、いわゆる単
層型感光体とがある。積層型感光体は導電性基体上に電
荷発生層、電荷輸送層を順に積層させる負帯電型で、単
層型感光体は正帯電型で使用されるのが一般的であり、
広い市場規模を占めているのは積層型感光体である。
【0005】しかしながら、単層型感光体は、優れた電
子輸送剤の出現により感度が向上してきており、層構成
が簡単で生産性に優れている、感光層の皮膜欠陥が発生
するのを抑制できる、層間の界面が少ないので光学的特
性を向上できるため高解像度が可能、正帯電で使用する
場合が多く、画像形成装置内でのオゾンの発生が少な
い、といった利点を有するため脚光を浴びつつある。
【0006】感光体は、その画像形成プロセスにおい
て、前述のように帯電、露光、現像、転写、クリーニン
グ、除電の繰り返し工程の中で使用される。帯電露光に
より形成された静電潜像は、トナーにより現像される。
更に現像されたトナーは転写プロセスにおいて紙などの
転写材に転写されるが100%のトナーが転写されるの
ではなく、一部が感光体上に残留する。この残留するト
ナーを除去しないと繰り返しプロセスにおいて汚れなど
のない高品位な画像は得られない。そのため、残留トナ
ーのクリーニングが必要となる。
【0007】クリーニングプロセスとしては、ファーブ
ラシ、磁気ブラシ、ブレード等を用いたものが代表的で
あるが、クリーニング精度、装置構成の合理化などの点
から、ブレード状樹脂板が直接感光体に接することによ
りクリーニングを行う弾性ブレードを有するクリーニン
グ手段が選択されるのが一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】弾性ブレードによるク
リーニングは、精度が高い一方で、感光体への機械的負
荷を上昇させ、その結果、感光層の摩耗量が増加する傾
向にある。感光層の摩耗量が大きい、すなわち耐摩耗性
の悪い感光体を使用すると、早期に、表面電位の低下、
感度の悪化等の問題が発生し易く、高品位な画像を得る
ことが困難となり、いわゆる「長寿命」な画像形成装置
が得られない。
【0009】そこで、感光体への機械的負荷を軽減さ
せ、感光層の摩耗量を減少させるために、例えば、感光
体表面に対する弾性ブレードの圧接力を弱める対策を実
施すると、残留トナーが弾性ブレードと感光体表面の間
の微小な隙間を押圧された状態で潜り抜け、感光体表面
に、トナー粒子が潰れた状態で強固に融着し、トナーフ
ィルミング等の不具合が発生し易くなる。
【0010】一方、感光層の構成材料変更等により、単
に感光層の耐摩耗性を向上させることで長寿命な画像形
成装置が得られるように考えられるが、逆に、耐摩耗性
の向上した感光体では、帯電、転写、分離手段から発生
したNOxやオゾン等の活性ガスにより、酸化作用を受
けた感光層表面が削られ難くなるため、特に、感光体の
表面電位低下、感度悪化にともなう画像カブリ発生等の
不具合が発生し易くなって、結果的に長寿命な画像形成
装置が得られないのである。
【0011】更に、単層型感光体は負帯電積層型感光体
と異なり、オーバーコート層を設けない限り、電荷発生
剤が感光層の最表面にも存在する。これに対して、積層
型感光体は電荷発生剤が電荷輸送層で保護される。この
ため、通常のオーバーコートが施されない単層型感光体
は、画像形成装置内で発生する前記活性ガスに電荷発生
剤が暴露される確率が非常に大きくなるため、積層型感
光体に比較して感光層表面が劣化し易い傾向にある。
【0012】また、感光体は、その画像形成プロセスに
おいて、前述のように帯電、露光、現像、転写、クリー
ニング、除電の繰り返し工程の中で使用される。例えば
正帯電単層型感光体の場合、帯電手段により感光層表面
が均一にプラス帯電される。そして露光手段により感光
層の表面近傍に発生したホール及び電子が各々ホール輸
送剤及び電子輸送剤により、導電性基体及び感光層表面
に向かって移動する。感光層表面に移動した電子はプラ
スの電荷を打ち消して静電潜像が形成される。
【0013】しかしながら現状において、高性能な電子
輸送剤、すなわち移動度が大きく、速やかに電子を輸送
することができる電子輸送剤の種類は少ない。電子輸送
剤の移動度が小さいと、電子の発生に比べて電子の輸送
が律速となり、感光層表面近傍の電子密度が過剰となっ
て、プラスの表面電位を打ち消し、結果的に表面電位の
低下が起こり易い。
【0014】そして、帯電補正手段により強制的に表面
電位を増大させると、電子の輸送が律速であるため、効
率良くプラスの表面電位を打ち消すことができず、残留
電位が増大し感度が悪くなる。
【0015】そこで本発明の目的は、耐摩耗性が良好な
単層型感光体ドラムを備え、長期に至って、表面電位低
下や感度悪化による画像カブリ等の不具合の無い、長寿
命な画像形成装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、静電潜像
を形成する有機感光体ドラムと、前記有機感光体ドラム
表面に帯電を施す帯電手段と、前記帯電手段によって帯
電された有機感光体ドラム表面の電位を検出する電位セ
ンサーと、前記電位センサーによって検出された電位が
目標電位に近づくように、前記帯電手段を制御する制御
手段とを備え、前記制御手段により制御された帯電手段
によって有機感光体ドラム表面に帯電を施して後、前記
有機感光体ドラムを使用して画像形成を行なう画像形成
装置であって、前記有機感光体ドラムが、導電性基体上
に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤、ホール輸送剤
を含有するバインダー樹脂からなる単層型感光体ドラム
で、前記電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにお
ける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上で
あり、前記バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度
の50wt%以上70wt%以下であることを特徴とす
る画像形成装置が、前記単層型感光体の耐摩耗性が良好
で、長期に至り、表面電位低下や感度悪化による画像カ
ブリ等の不具合が無く長寿命であることを見出した。
【0017】特に、前記単層型感光体のバインダー樹脂
として、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有す
るポリカーボネート樹脂、または一般式[2]で示され
る繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有
する場合、単層型感光体の耐摩耗性が向上し、画像形成
装置のより一層の長寿命化がはかれることを見出した。
【0018】一般式[1];
【化3】 (一般式[1]中、R10、R11は、同一または異なっ
て、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。
12、R13は、同一または異なって、水素原子、炭素数
1〜3のアルキル基、フェニル基を示し、R14、R
15は、同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル
基、フェニル基、または環を形成して置換基を有しても
よいシクロアルキリデン基を示す。ただし、0.05≦
m/[m+n]≦0.4)
【0019】一般式[2];
【化4】 (一般式[2]中、R20、R21は、同一または異なっ
て、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示
す。)
【0020】
【本発明の作用】本発明の画像形成装置は、有機感光体
ドラム表面に帯電を施す帯電手段と、前記帯電手段によ
って帯電された有機感光体ドラム表面の電位を検出する
電位センサーと、前記電位センサーによって検出された
電位が目標電位に近づくように、前記帯電手段を制御す
る制御手段とを備え、前記制御手段により制御された帯
電手段によって有機感光体ドラム表面に帯電を施して
後、前記有機感光体ドラムを使用して画像形成を行なう
ことを特徴とする。
【0021】上記の構成によると、感光体表面に画像形
成用の帯電を施す前に、例えば、前の画像形成時に施し
た帯電に対応する電圧データに基づいて感光体表面に検
出用の帯電が施され、その帯電電位を電位センサーが検
出し、その電位センサーの検出出力を用いて目標電位と
の比較を行ない、その比較出力ができる限り零に近づく
ような電圧データが設定される。そして、画像形成用の
帯電は、この設定された電圧データに基づいて帯電手段
により施されることになる。
【0022】画像形成装置を無停止で長時間稼動(印写
動作)をさせた場合、感光体は帯電、転写、分離手段か
ら発生したNOxやオゾン等の活性ガスにより酸化作用
を受け表面電位が低下する傾向がある。一方、印写動作
が一旦終えて非動作状態(待機状態)に入ると、感光体
から前記活性ガスが離脱し、表面電位保持能力が回復し
て表面電位が増大する傾向にある。
【0023】そして、上述の電位センサーを使用した帯
電補正手段は、酸化作用による劣化や回復度合いを捉え
て、それに応じて帯電手段の印加値(感光体への放電電
荷供給量)を可変(補正)制御する。この可変制御は、
静電特性が劣化する傾向にある場合には前記印加値が大
きくなる方向に制御され、静電特性が回復傾向にある場
合には前記印加値が小さくなる方向(初期値方向)に制
御され、これにより静電特性の変化があっても感光体の
表面電位が常時適正値に保持される。
【0024】すなわち、耐摩耗性が良好で、オゾンやN
Ox等の活性ガスにより表面電位が低下し易い傾向の感
光体を使用した際であっても、常に初期設定時に近い表
面電位が設定され、長期に至って画像カブリ等の不具合
が発生せず、長寿命な画像形成装置が得られるのであ
る。
【0025】特に、帯電手段が少なくとも主帯電電圧印
加用の高圧電極とグリッド電極を有し、該高圧電極に流
す電流を一定にして(定電流制御)、且つ、制御手段が
該グリッド電極の電圧のみを変化させることにより、電
位センサーによって検出された電位が目標電位に近づく
ようにすることが好ましい。
【0026】前記高圧電極に印加する電圧を一定にする
(定電圧制御)方法もあるが、高圧電極のワイヤへの異
物付着や環境条件により抵抗が変化し易く制御が困難で
ある。また、前記グリッド電極の電圧を一定にして、高
圧電極の電圧のみを変化させて制御する方法は、例え
ば、感光体ドラムの感光層膜厚が薄くなった場合には、
高圧電極への流れ込み電流値を非常に大きくする必要が
あり、場合によっては感光体ドラムの表面電位が飽和に
達し、制御が困難となり易い。
【0027】一方、本発明の画像形成装置に使用される
前記有機感光体ドラムは、導電性基体上に、少なくとも
電荷発生剤、電子輸送剤、ホール輸送剤を含有するバイ
ンダー樹脂からなる単層型の感光層を備え、前記電子輸
送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が
1.0×10-8cm2/V/sec以上であり、前記バ
インダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%
以上70wt%以下であることを特徴とする。
【0028】まず、本発明者らは、感光体の耐摩耗性に
影響を与える因子を種々検討の結果、バインダー樹脂の
固形分濃度が耐摩耗性に及ぼす影響が非常に大きく、バ
インダー樹脂の固形分濃度を全固形分濃度の50wt%
以上70wt%以下にすることにより、実使用上問題の
無い感度を有し、耐摩耗性が非常に良好な単層型感光体
を得られることを見出した。
【0029】バインダー樹脂の固形分濃度が大きいほど
電荷輸送剤の固形分濃度が小さく、バインダー樹脂中で
分子分散している電荷輸送剤の可塑剤的な作用が弱まり
耐摩耗性が向上すると考えられる。また、バインダー樹
脂中の電荷輸送剤濃度が減少するため感度が悪化するよ
うに作用するが、むしろ、バインダー樹脂中での電荷輸
送剤分子がより高分散化しトラップが少なくなるため感
度悪化は少なく、また、下記の移動度の大きい電子輸送
剤を使用することにより感度悪化を少なくすることがで
きる。
【0030】次に、本発明者らは、電子輸送剤の電界強
度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8
cm2/V/sec以上である場合、表面電位の低下が
少ないことも見出した。
【0031】前述のように、例えば正帯電単層型感光体
の場合、電子輸送剤の移動度が小さいと、電子の発生に
比べて電子の移動が律速となり、感光層表面近傍の電子
密度が過剰となって、プラスの表面電位が低下が大き
く、帯電補正手段により強制的に表面電位を増大させる
と、残留電位が増大し感度の悪化が大きい。すなわち、
電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動
度が1.0×10-8cm2/V/sec以上の場合、発
生した電子が速やかに輸送され、プラスの表面電位低下
が少なく、帯電補正を行なっても感度悪化が少ない。
【0032】以上より、バインダー樹脂の固形分濃度が
全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下で、且
つ、電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.
0×10-8cm2/V/sec以上の電子輸送剤を含有
した単層型感光体は、耐摩耗性が良好で、表面電位の低
下が少ない傾向にあり、更に、電位センサーを使用した
帯電補正手段との組み合わせにより、長期に至って表面
電位の低下、及び感度悪化が著しく少ない長寿命な画像
形成装置を得ることができる。
【0033】
【発明の実施形態】<画像形成装置>本発明の画像形成
装置は、前述のように、有機感光体ドラム表面に帯電を
施す帯電手段と、前記帯電手段によって帯電された有機
感光体ドラム表面の電位を検出する電位センサーと、前
記電位センサーによって検出された電位が目標電位に近
づくように、前記帯電手段を制御する制御手段とを備
え、前記制御手段により制御された帯電手段によって有
機感光体ドラム表面に帯電を施して後、前記有機感光体
ドラムを使用して画像形成を行なうことを特徴とする。
【0034】図1に、一例として、本発明を実施した電
子写真複写機の概略図を示す。1はコピー開始キーの操
作により定速度で矢印方向に回転する単層型感光体ドラ
ムである。そして、この感光体ドラム1の周辺にはその
回転方向に沿って順に、帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段、分離手段、クリーニング手段、除電手段
が設けられる。
【0035】2は単層型感光体ドラム1表面をプラスに
帯電するスコロトロン型の主帯電チャージャで、グリッ
ド電極2Aと主帯電電圧印加用の高圧電極2Bを備えて
おり、高圧電極2Bへの流れ込み電流値を一定(800
μA)にし、コピー開始キーの操作により画像形成を行
なう帯電時に、グリッド電極2Aには、所望の表面電位
(目標電位)が得られるようなグリッド電圧のみが印加
されるようになっている。
【0036】3は、帯電された単層型感光体ドラム1表
面を露光するレーザーユニットで、レーザーユニット3
により露光を受けた部分の表面電位は、その露光量に対
応して低くなり、これによって静電潜像が形成される。
4は、トナーホッパー5から補給ローラ6を介して補給
されるトナーをキャリアと攪拌ローラ7で攪拌して、現
像ローラ8の表面にトナーが付着されたキャリアの磁気
ブラシを形成させる現像装置で、この磁気ブラシを現像
ローラ8の回転によって感光体ドラム1表面に摺擦さ
せ、その表面にトナーを静電潜像に応じて電着させるこ
とで、顕像が形成される。
【0037】9は、給紙ローラ10を通して給紙された
用紙に顕像を形成したトナーを転写させる転写部、11
は、単層型感光体ドラム1表面に交流電界を投じること
によって単層型感光体ドラム1と用紙との吸引状態を解
いて転写済用紙を単層型感光体ドラム1から分離する分
離器である。そして12は、単層型感光体ドラム1表面
に残留しているトナーをゴム材料よりなるブレード13
により掻き落とすクリーニング装置、14は、単層型感
光体ドラム1表面の電荷を除電ランプの光にて除去する
除電器である。
【0038】上記実施例では、画像形成を行なう帯電時
に、適正な目標電位が得られるようにするために、帯電
部分と露光部分の間に設けた電位センサー15で単層型
感光体ドラム1の表面電位を検出し、その検出電位に基
づいてグリッド電圧を制御回路16(CPU)で可変制
御するようにしている。
【0039】<単層型感光体>本発明の画像形成装置に
使用される単層型感光体は、導電性基体上に、少なくと
も電荷発生剤、電子輸送剤、ホール輸送剤を含有するバ
インダー樹脂からなる単層型感光体ドラムで、前記電子
輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が
1.0×10-8cm2/V/sec以上であり、前記バ
インダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%
以上70wt%以下であることを特徴とする。以下、本
発明の画像形成装置に使用される単層型感光体の構成材
料について詳細に説明する。
【0040】[バインダー樹脂]本発明の画像形成装置
に使用される単層型感光体のバインダー樹脂の固形分濃
度は、全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下で
あることを特徴とする。単層型感光体が、電荷発生剤、
ホール輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂のみから構
成されると仮定すると、バインダー樹脂の固形分濃度は
次式により計算される。
【0041】〔バインダー樹脂の固形分濃度(wt
%)〕=〔バインダー樹脂含有量〕/〔(電荷発生剤含
有量)+(ホール輸送剤含有量)+(電子輸送剤含有
量)+(バインダー樹脂含有量)〕×100
【0042】上記式中において、ホール輸送剤と電子輸
送剤の含有量は感光層の耐摩耗性に大きな影響を及ぼ
す。すなわち、これらの低分子量化合物はバインダー樹
脂中において可塑剤的な作用を示し、その含有量が増大
するほど感光層の耐摩耗性が悪化する。例えば、バイン
ダー樹脂の含有量が100重量部、電荷発生剤の含有量
が2.5重量部の場合、ホール輸送剤含有量と電子輸送
剤含有量の和は、概ね、40重量部以上95重量部以下
が好ましい。
【0043】特に、前記バインダー樹脂が、一般式
[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネ
ート樹脂が好適に使用される。また、前記バインダー樹
脂が、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有する
ポリカーボネート樹脂を主成分とする場合、少なくとも
一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカ
ーボネート樹脂を主成分とすればよく、他に、従来から
感光層に使用されている種々の樹脂を使用することがで
きる。
【0044】例えば、他のポリカーボネート樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリアリレート樹脂を始め、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合
体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート
樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエ
ーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、そ
の他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウ
レタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用
可能である。
【0045】バインダー樹脂として、前記一般式[1]
で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹
脂に代えて、一般式[2]で示される繰返し構造単位を
有するポリカーボネート樹脂も好適に使用される。
【0046】また、ブレード鳴き防止やブレード捲れ上
がりの防止のために、例えば、以下の繰返し構造単位を
有するバインダー樹脂を0.05〜10wt%の範囲で
含有させてもよい。
【化5】
【0047】上記例示の全てのバインダー樹脂は、単独
または2種以上をブレンドまたは共重合して使用でき
る。また、上記全てのバインダー樹脂の重量平均分子量
は10,000〜400,000、更には30,000
〜200,000が好ましい。
【0048】[電荷発生剤]電荷発生剤としては、例え
ば、無金属フタロシアニン、オキソチタニルフタロシア
ニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等のフタロシ
アニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケ
トピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、
金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリス
アゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン
顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェ
ニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピ
ラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導
電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化
カドミウム、アモルファスシリコンといった無機光導電
材料等の、従来公知の電荷発生剤が挙げられる。前記例
示の電荷発生剤は、所望の領域に吸収波長を有するよう
に、単独または2種以上をブレンドして使用できる。
【0049】上記例示の電荷発生剤のうち、特に半導体
レーザー等の光源を使用したレーザービームプリンタや
ファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置には、
700nm以上の波長領域に感度を有する感光体が必要
となるため、例えば無金属フタロシアニン、オキソチタ
ニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン等のフタロシニン系顔料が好適に使用される。なお、
上記フタロシアニン系顔料の結晶型については特に限定
されず、種々のものを使用できる。
【0050】電荷発生剤は全バインダー樹脂重量に対し
て0.1〜50wt%以上70wt%以下、更には0.
5〜10wt%含有させることが好ましい。
【0051】[電荷輸送剤]電荷輸送剤としては、電子
輸送剤、ホール輸送剤を含有し、該電子輸送剤の、電界
強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10
-8cm2/V/sec以上であることが必要である。
【0052】〔ホール輸送剤〕従来公知のホール輸送剤
が挙げられ、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェ
ニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフ
ェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’
−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,
N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン
誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系
化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラ
セン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等
のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−
フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾ
リン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、イ
ンドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサ
ゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール
系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合
物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物や、縮
合多環式化合物が挙げられる。
【0053】特に、ホール輸送剤が、一般式[3]、一
般式[4]、一般式[5]または一般式[6]で示され
る化合物を含有することが好ましい。
【0054】一般式[3];
【化6】 (一般式[3]中、R30、R31、R32及びR33は同一ま
たは異なって、アルキル基、アルコキシ基、アリール
基、アラルキル基、またはハロゲン原子を示し、m、
n、p及びqは同一または異なって0〜3の整数を示
す。R34及びR35は同一または異なって、水素原子また
はアルキル基を示す。また、−X−は
【化7】 または
【化8】 を示す。)
【0055】一般式[4];
【化9】 (一般式[4]中、R40、R42は、同一または異なって
置換基を有してもよいアルキル基を示し、R41、R
43は、同一または異なって水素原子または、置換基を有
してもよいアルキル基を示す。)
【0056】一般式[5];
【化10】 (一般式[5]中、R50、R51、R52、R53及びR
54は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、
置換基を有してもよいアルキル基またはアルコキシ基を
示す。)
【0057】一般式[6];
【化11】 (一般式[6]中、R60、R61、R62及びR63は同一ま
たは異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよい、
アルキル基、アルコキシ基またはアリール基を示す。
a、b、c及びdは同一または異なって0〜5の整数を
示す。なお、a、b、cまたはdが2以上のとき、各R
60、R61、R62及びR63は異なっていてもよい。)
【0058】本発明において、上記例示の全てのホール
輸送剤は1種のみを使用するほか、2種以上を混合して
使用してもよい。
【0059】一般式[3]〜[6]で示されるホール輸
送剤は、効率的にホールを輸送させるため、感光体の感
度向上に有効であり、少ない含有量でも十分な実用感度
を示す。
【0060】〔電子輸送剤〕電界強度5×105V/c
mにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec
以上の電子輸送剤が使用可能である。
【0061】なお、電子輸送剤の移動度は常温下、通常
のTOF(TimeOfFlight)法により測定し
た。電界強度は5×105V/cmとした。測定サンプ
ルは、バインダー樹脂(重量平均分子量40,000の
ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂)固形分を含
める全固形分濃度に対して、40wt%の電荷輸送剤濃
度で溶解させ、基材上に塗布し80℃、30分間の熱処
理を行い作製した。サンプル膜厚は7μmとした。
【0062】電界強度5×105V/cmにおける移動
度が1.0×10-8cm2/V/sec以上の電子輸送
剤としては、例えば、一般式[7]、一般式[8]、一
般式[9]、一般式[10]、一般式[11]、一般式
[12]、一般式[13]または一般式[14]で示さ
れる化合物が挙げられる。
【0063】一般式[7];
【化12】 (一般式[7]中、R70、R71は、同一または異なって
置換基を有してもよいアルキル基を示す。)
【0064】一般式[8];
【化13】 (一般式[8]中、R80、R81は、同一または異なって
置換基を有してもよい1価の炭化水素基を示す。)
【0065】一般式[9];
【化14】 (一般式[9]中、R90はハロゲン原子、置換基を有し
てもよいアルキル基またはアリール基を示し、R91は置
換基を有してもよいアルキル基またはアリール基、また
は基:−O−R91aを示す。R91aは置換基を有してもよ
いアルキル基またはアリール基を示す。)
【0066】一般式[10];
【化15】 (一般式[10]中、R100、R101、R102、R103は、
同一または異なって置換基を有してもよいアルキル基を
示す。)
【0067】一般式[11];
【化16】 (一般式[11]中、R110、R111は、同一または異な
って置換基を有してもよいアルキル基を示す。)
【0068】一般式[12];
【化17】 (一般式[12]中、R120〜R123は、同一または異な
って水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1
〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール
基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアラルキ
ル基、ハロゲン化アルキル基を示す。置換基は、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、シアノ
基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基を示
す。)
【0069】一般式[13];
【化18】 (一般式[13]中、R130、R131は、同一または異な
って水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1
〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール
基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアラルキ
ル基、ハロゲン化アルキル基を示す。R132〜R136は、
同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、炭素数1
〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、
置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有しても
よいフェノキシ基、ハロゲン化アルキル基を示し、ま
た、2つ以上の基が結合して環を形成してもよい。置換
基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ
基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基を示す。)
【0070】一般式[14];
【化19】 (一般式[14]中、R140〜R143は、同一または異な
って水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1
〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール
基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアラルキ
ル基、ハロゲン化アルキル基を示す。R144、R145は、
同一または異なって水素原子、炭素数1〜12のアルキ
ル基を示す。R146〜R153は、同一または異なって水素
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよいア
リール基、ハロゲン化アルキル基を示す。置換基は、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6
のアルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ
基、ハロゲン化アルキル基を示す。)
【0071】本発明において、上記例示の全ての電子輸
送剤は1種のみを使用するほか、2種以上を混合して使
用してもよい。
【0072】本発明の画像形成装置に使用される単層型
感光体の感光層膜厚は5〜100μm、更には30〜5
0μm程度が特に好ましい。
【0073】感光層には、前述の各成分のほかに、電子
写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の
添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル補足剤、一重項
クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、
可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワ
ックス、アクセプター、ドナー等を配合することができ
る。また、感光層の感度を向上させるために、例えば、
テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等
の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
【0074】支持体と感光層間には、感光体の特性を阻
害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。
【0075】感光層が形成される支持体としては、導電
性を有する種々の材料を使用することができ、例えば、
鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、
モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、
パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属
単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラス
チック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化イン
ジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
【0076】支持体の形状はドラム状で、支持体自体が
導電性を有するか、あるいは支持体の表面が導電性を有
していればよい。また、支持体は使用に際して十分な機
械的強度を有するものが好ましい。
【0077】感光層を塗布の方法により形成する場合に
は、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダー樹
脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロー
ルミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシエーカ
ー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整
し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよ
い。
【0078】上記分散液を作製するための溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えば、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の
アルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等の
エステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これ
らの溶剤は単独で、または2種以上混合して用いられ
る。
【0079】さらに、電荷発生剤、電荷輸送剤等の分散
性、感光層表面の平滑性を良くするために、界面活性
剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0080】
【発明の実施形態】以下、実施例および比較例をあげて
本発明を説明する。なお、以下の実施形態は本発明を具
体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する
ものではない。
【0081】<単層型感光体の作製、及び印写試験> [実施例1〜8][比較例1〜3] 電荷発生剤(X型無金属フタロシアニン)2.5重量
部、ホール輸送剤(HTM−1)60重量部、電子輸送
剤(ETM−1〜−11)30重量部、重量平均分子量
100,000のバインダー樹脂(Resin−1)1
00重量部を、テトラヒドロフラン700重量部ととも
にボールミル中で24時間分散あるいは溶解させ、単層
型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、
支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法
にて塗布し、120℃、40分間の熱風乾燥を行い、膜
厚35μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製
し、図1の電位センサーによる帯電補正手段を有する後
述の画像形成装置に搭載して10万枚の印写試験を実施
した。
【0082】[比較例4〜14]実施例1〜8、比較例
1〜3で作製した単層型感光体を、電位センサーによる
帯電補正手段を有さない後述の画像形成装置に搭載して
10万枚の印写試験を実施した。
【0083】[実施例9〜13][比較例15〜18] ホール輸送剤:HTM−1(15〜80重量部)と電子
輸送剤:ETM−3(15〜40重量部)の含有量を変
化させた以外は、実施例3と同様にして単層型感光体を
作製し、図1の電位センサーによる帯電補正手段を有す
る後述の画像形成装置に搭載して10万枚の印写試験を
実施した。
【0084】[実施例14、15]重量平均分子量10
0,000のバインダー樹脂(Resin−2、−3)
100重量部を使用した以外は、実施例3と同様にして
単層型感光体を作製し、図1の電位センサーによる帯電
補正手段を有する後述の画像形成装置に搭載して10万
枚の印写試験を実施した。
【0085】[HTM−1]
【化20】
【0086】[ETM−1](移動度:3.90×10
-7cm2/V/sec)
【化21】
【0087】[ETM−2](移動度:6.20×10
-7cm2/V/sec)
【化22】
【0088】[ETM−3](移動度:6.10×10
-8cm2/V/sec)
【化23】
【0089】[ETM−4](移動度:3.20×10
-7cm2/V/sec)
【化24】
【0090】[ETM−5](移動度:4.30×10
-7cm2/V/sec)
【化25】
【0091】[ETM−6](移動度:5.80×10
-7cm2/V/sec)
【化26】
【0092】[ETM−7](移動度:5.40×10
-7cm2/V/sec)
【化27】
【0093】[ETM−8](移動度:5.70×10
-8cm2/V/sec)
【化28】
【0094】[ETM−9](移動度:8.99×10
-9cm2/V/sec)
【化29】
【0095】[ETM−10](移動度:3.41×1
-9cm2/V/sec)
【化30】
【0096】[ETM−11](移動度:9.28×1
-10cm2/V/sec)
【化31】
【0097】[Resin−1]
【化32】
【0098】[Resin−2]
【化33】
【0099】[Resin−3]
【化34】
【0100】耐摩耗性、感光体の電気特性(表面電位、
残留電位)変化の評価を下記の試験により実施した。
【0101】[耐摩耗性評価試験]単層型感光体を、図
1の電位センサーによる帯電補正手段を有する画像形成
装置(京セラミタ株式会社製Creage7340改造
機)、または前記帯電補正手段を有さない画像形成装置
(京セラミタ株式会社製Creage7340改造機)
に搭載し、10万枚(用紙:A4縦)の印写試験を実施
した。そして、試験前後の感光層の膜厚を測定し、摩耗
量を算出した。摩耗量が小さいほど耐摩耗性が良好で、
3.0μm以下を可、3.0μmより大きい場合を不可
とした。
【0102】[電気特性変化評価試験]上記の10万枚
の印写試験において、2万枚の印写試験終了ごとに、現
像部の、単層型感光体の表面電位(VS)及び残留電位
(VL)をプローブにて測定した。残留電位は低いほ
ど、その感光体は高感度である。
【0103】そして、印写試験開始前の現像部の初期表
面電位(VS0)及び初期残留電位(VL0)からの変化率
を、表面電位変化率(%)、及び感度変化率(%)と
し、次式により算出した。
【0104】〔表面電位変化率(%)〕=〔(VS)−
(VS0)/(VS0)〕×100
【0105】〔感度変化率(%)〕=〔(VL)−(V
L0)/(VL0)〕×100
【0106】初期残留電位については、160V以下を
可、160Vより大きい場合を不可とした。表面電位変
化率及び感度変化率については、その絶対値が5.0%
以下を可、5.0%より大きい場合を不可とした。
【0107】表1、2、3、4に、上記評価試験結果を
示した。また図2〜4は、表1〜3の結果をグラフ化し
たものである。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】図2には、電位センサーによる帯電補正手
段を有する画像形成装置に、各実施例、比較例の単層型
感光体を搭載して印写試験を実施した場合の、初期/1
0万枚印写試験後の残留電位、表面電位、及びそれらの
電位変化率と、電子輸送剤の移動度との関係を示した。
図2には、電位センサーによる帯電補正手段を有さない
画像形成装置に、各実施例、比較例の単層型感光体を搭
載して印写試験を実施した場合の、図1と同様の結果を
示した。
【0113】図1、2より、電位センサーによる帯電補
正手段を有する画像形成装置に搭載した全ての単層型感
光体において、印写試験後の表面電位は初期の表面電位
と同じ値を示し、表面電位変化率は0%となった。これ
に対して、電位センサーによる帯電補正手段を有さない
画像形成装置に搭載した全ての単層型感光体において
は、印写試験後の表面電位は初期の表面電位よりも低下
し、表面電位変化率(絶対値)は5%より大きな値を示
した。
【0114】また、電子輸送剤移動度の減少にともな
い、残留電位及び感度変化率(絶対値)は増加傾向を示
した。そして、帯電補正有り(図1)の場合であって
も、電子輸送剤の移動度が1.0×10-8cm2/V/
secより小さい場合、初期の残留電位が160Vより
大きな値を示し、また感度変化率(絶対値)も5%より
大きな値を示し不可となった。
【0115】図2より、帯電補正無しの場合、電子輸送
剤移動度の減少にともない、表面電位変化率(絶対値)
は増加傾向を示した。ただし、電子輸送剤の移動度に関
係無く、前述のように、表面電位変化率(絶対値)は5
%より大きな値を示し不可となった。また、感度変化率
(絶対値)も、帯電補正有りの場合と同様に、電子輸送
剤移動度の減少にともない増加傾向を示した。
【0116】図3には、電位センサーによる帯電補正手
段を有する画像形成装置に、各実施例、比較例の単層型
感光体を搭載して印写試験を実施した場合の、初期/1
0万枚印写試験後の残留電位、摩耗量、及び、表面電位
変化率/感度変化率と、バインダー樹脂固形分濃度との
関係を示した。
【0117】バインダー樹脂固形分濃度の増加にともな
い、残留電位、感度変化率(絶対値)が増大する傾向が
あった。感度変化率(絶対値)が増大するのは、バイン
ダー樹脂固形分濃度が大きいほど、活性ガスにより酸化
作用を受けた感光層表面が削られ難くなるため、印写試
験後の残留電位の増加が大きいためと考えれる。そし
て、バインダー樹脂固形分濃度が70wt%より大きい
場合、初期の残留電位は160Vより大きな値を示し、
感度変化率(絶対値)も5%より大きな値を示し不可と
なった。一方、バインダー樹脂固形分濃度が50wt%
より小さい場合、摩耗量は3μmより大きな値を示し不
可となった。
【0118】また図3において、バインダー樹脂固形分
濃度が50wt%以下で感度変化率(絶対値)が若干増
大する傾向があったのは摩耗量が増加したことが影響し
ていると推測される。
【0119】表4より、帯電補正手段を有する画像形成
装置に搭載される単層型感光体のバインダー樹脂とし
て、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポ
リカーボネート樹脂に代えて、一般式[2]で示される
繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂も使用可
能であることが明確となった。
【0120】
【発明の効果】以上より、電位センサーによる有機感光
体ドラムの帯電補正手段を有する画像形成装置であっ
て、前記有機感光体ドラムが、導電性基体上に、少なく
とも電荷発生剤、電子輸送剤、ホール輸送剤を含有する
バインダー樹脂からなる単層型感光体ドラムで、前記電
子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度
が1.0×10-8cm2/V/sec以上であり、前記
バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt
%以上70wt%以下であることを特徴とする画像形成
装置が、前記単層型感光体の耐摩耗性が良好で、長期に
至り、表面電位低下や感度悪化が無く、長寿命であるこ
とが明確となった。
【0121】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略図
である。
【図2】電位センサーによる帯電補正手段を有する画像
形成装置に、各実施例、比較例の単層型感光体を搭載し
て印写試験を実施した場合の、初期/10万枚印写試験
後の残留電位、表面電位、及びそれらの電位変化率と、
電子輸送剤の移動度との関係を示すグラフである。
【図3】電位センサーによる帯電補正手段を有さない画
像形成装置に、各実施例、比較例の単層型感光体を搭載
して印写試験を実施した場合の、初期/10万枚印写試
験後の残留電位、表面電位、及びそれらの電位変化率
と、電子輸送剤の移動度との関係を示すグラフである。
【図4】電位センサーによる帯電補正手段を有する画像
形成装置に、各実施例、比較例の単層型感光体を搭載し
て印写試験を実施した場合の、初期/10万枚印写試験
後の残留電位、摩耗量、及び、表面電位変化率/感度変
化率と、バインダー樹脂固形分濃度との関係を示すグラ
フである。
フロントページの続き (72)発明者 屋島 亜矢子 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラ ミタ株式会社内 (72)発明者 永島 高志 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラ ミタ株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DA02 DE07 EA01 EC06 EC15 EC20 2H068 AA13 AA20 AA21 AA28 AA31 BA63 BA64 BB20 BB26 FA03 FA11 FA12 2H200 FA02 GA16 GA23 GA30 GB12 HA12 HA28 HA29 HB03 HB28 HB48 NA02 NA08 NA16 PA03 PA30 PB04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電潜像を形成する有機感光体ドラムと、
    前記有機感光体ドラム表面に帯電を施す帯電手段と、前
    記帯電手段によって帯電された有機感光体ドラム表面の
    電位を検出する電位センサーと、前記電位センサーによ
    って検出された電位が目標電位に近づくように、前記帯
    電手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段によ
    り制御された帯電手段によって有機感光体ドラム表面に
    帯電を施して後、前記有機感光体ドラムを使用して画像
    形成を行なう画像形成装置であって、前記有機感光体ド
    ラムが、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子
    輸送剤、ホール輸送剤を含有するバインダー樹脂からな
    る感光層を備えた単層型感光体ドラムであり、前記電子
    輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が
    1.0×10-8cm2/V/sec以上で、前記バイン
    ダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%以上
    70wt%以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】前記単層型感光体ドラムのバインダー樹脂
    が、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポ
    リカーボネート樹脂を主成分とすることを特徴とする請
    求項1記載の画像形成装置。 一般式[1]; 【化1】 (一般式[1]中、R10、R11は、同一または異なっ
    て、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。
    12、R13は、同一または異なって、水素原子、炭素数
    1〜3のアルキル基、フェニル基を示し、R14、R
    15は、同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル
    基、フェニル基、または環を形成して置換基を有しても
    よいシクロアルキリデン基を示す。ただし、0.05≦
    m/[m+n]≦0.4)
  3. 【請求項3】前記単層型感光体ドラムのバインダー樹脂
    として、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有す
    るポリカーボネート樹脂に代えて、一般式[2]で示さ
    れる繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を主
    成分とすることを特徴とする請求項2記載の画像形成装
    置。 一般式[2]; 【化2】 (一般式[2]中、R20、R21は、同一または異なっ
    て、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示
    す。)
  4. 【請求項4】前記帯電手段が少なくとも主帯電電極とグ
    リッド電極を有し、該主帯電電極の流れ込み電流値が一
    定で、且つ、前記制御手段が、該グリッド電極の電圧の
    みを変化させることにより、前記電位センサーによって
    検出された電位が前記目標電位に近づくようにすること
    を特徴とする請求項1、2または3記載の画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】前記有機感光体ドラム表面の残留トナーを
    弾性ブレードを有するクリーニング手段により回収する
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の画像
    形成装置。
JP2001118962A 2001-04-18 2001-04-18 画像形成装置 Pending JP2002311604A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001118962A JP2002311604A (ja) 2001-04-18 2001-04-18 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001118962A JP2002311604A (ja) 2001-04-18 2001-04-18 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002311604A true JP2002311604A (ja) 2002-10-23

Family

ID=18969258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001118962A Pending JP2002311604A (ja) 2001-04-18 2001-04-18 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002311604A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100747952B1 (ko) * 2003-11-18 2007-08-08 교세라미타 가부시키가이샤 습식 현상용 전자사진 감광체 및 습식 화상 형성장치
CN100437371C (zh) * 2004-12-09 2008-11-26 株式会社理光 彩色电子照相装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100747952B1 (ko) * 2003-11-18 2007-08-08 교세라미타 가부시키가이샤 습식 현상용 전자사진 감광체 및 습식 화상 형성장치
CN100437371C (zh) * 2004-12-09 2008-11-26 株式会社理光 彩色电子照相装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007256768A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2007114364A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2004226637A (ja) 単層型電子写真感光体およびそれを有する画像形成装置
JP2007163523A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP6071733B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2007147824A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP5069483B2 (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP4898184B2 (ja) 単層型電子写真感光体及び画像形成装置
JP2003295487A (ja) 正帯電型有機感光体を用いての画像形成方法
JP2003005391A (ja) 単層型電子写真感光体
JP3987040B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを備えた画像形成装置
JP3722475B2 (ja) 単層型電子写真感光体、及びそれを使用した画像形成装置
JP2007121819A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2002311604A (ja) 画像形成装置
JP2003302779A (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP3827536B2 (ja) 画像形成装置
JP2007248733A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JPH06236061A (ja) 電子写真感光体
JP2002031901A (ja) 単層型電子写真感光体
JP2002268491A (ja) 弾性ブレードによるクリーニング手段を有する画像形成装置
JP3682848B2 (ja) 電子写真用感光体およびそれを用いる画像形成装置
JP2007187787A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP5069477B2 (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2002351101A (ja) 湿式現像画像形成装置に使用される電子写真感光体
JP2003207912A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体用塗布液及び該電子写真感光体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050705