JPH06324603A - 画像形成装置におけるクリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 微粉添加物を含有するトナーのトナー成分及
び微粉添加物が像担持体の表面に付着しても、ファーブ
ラシやクリーニングブレードで容易に掻き取ることがで
きて、トナーの主成分である樹脂が付着して斑点を生成
することがなくて、画像の品質を良好に保つのに加え
て、クリーニングブレードのエッジ部分を損傷するよう
なことがなく、また像担持体とクリーニングブレード及
び回転ローラとスクレーパ等の当接部にトナーや紙粉等
が堆積することがなくて、クリーニングブレードやスク
レーパのエッジ部分の密着不良を誘起してクリーニング
不良が発生することのない画像形成装置におけるクリー
ニング装置を提供する。 【構成】 像担持体又は中間転写体上の残留トナーを除
去するため、前記像担持体又は中間転写体と接触しなが
ら回転するファーブラシと、このファーブラシと接触し
ながら回転する回収ローラとを具え、回収ローラに潤滑
剤を塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、複写機、プリンタ、
ファックス等の電子写真方式の画像形成装置におけるク
リーニング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の画像形成装置における像担
持体又は中間転写体上の残留トナーを除去するクリーニ
ング装置の典型的なものが図４に示されており、この例
はそのうちの像担持体１上の残留トナーを除去するもの
であり、中間転写体用のものは同様であるため記載を省
略する。像担持体１と接触しながら回転するファーブラ
シ２と、このファーブラシ２と接触しながら回転する回
収ローラ３とを具え、ファーブラシ２は所定のバイアス
電圧が印加される芯金ローラ21の表面に導電性の繊維22
を多数植設したものからなっており、回収ローラ３には
高圧のバイアス電圧が印加される。

【０００３】前記のようなものにおいて、クリーニング
前チャージャ23でトナー及び像担持体１に向けて、コロ
ナ放電を照射してトナー及び像担持体１の極性及び電位
が制御され、ついでクリーニングユニット24の入口側の
シール25を通過して、ファーブラシ２による静電的吸着
及び機械的摺擦によって、トナーが像担持体１から除去
される。この際トナーはファーブラシ２によって完全に
像担持体１から除去されるのが困難であって、一部は像
担持体１上に残留することとなる。そこでこのような残
留トナーをファーブラシ２の下流側に設けたクリーニン
グブレード27の機械的摺擦によってファーブラシ２上に
掻き落し、このトナーはファーブラシ２と接触している
フリッカバー28の衝撃力によってファーブラシ２から分
離し、又は付着力が弱められた上、高圧のバイアス電圧
が印加されている回収ローラ３に吸着され、このトナー
はスクレーパ29によって機械的に掻き落とされ、排出コ
イル30の回転によって所定位置に排出される。

【０００４】ところでこのようなものを長期使用する
と、トナー成分が像担持体１の表面に付着し、特に微粉
添加物を含有するトナーの場合には、トナーの表面から
微粉添加物が遊離して像担持体１の表面に付着する。そ
もそもこの微粉添加物はトナーの流動性を向上させるた
めに添加されるものであって、トナーの円滑な供給を実
現し、転写性能を向上させることができるものである。
しかしこの微粉添加物は一旦像担持体１の表面に付着す
ると、ファーブラシ２やクリーニングブレード27で掻き
取ることが困難であり、これを核としてトナーの主成分
である樹脂が除々に付着していって紡錘形の斑点に成長
して行き、帯電工程で表面に電荷が保持されるが、露光
工程では除電されないためトナーが現像されて画像の品
質を劣化させるのに加えて、クリーニングブレード27の
エッジ部分を損傷するという問題がある。さらに長期使
用によって像担持体１とクリーニングブレード27との当
接部や、回収ローラ３とスクレーパ29との当接部等にト
ナーや紙粉等が堆積し、これらの堆積物がクリーニング
ブレード27やスクレーパ29のエッジ部分に除々に押し込
まれてクリーニングブレード27やスクレーパ29を持ち上
げ、一部のトナーや紙粉等はこのような状態のままで滞
留してしまって、クリーニングブレード27やスクレーパ
29のエッジ部分の密着不良を誘起してクリーニング不良
が発生し、特に小粒径のトナーの使用時にこのような不
具合を生じ易いという問題がある。

【０００５】このような問題を解消するものとして、特
開平2-308173号公報に開示されているようにトナーの微
粉添加物に表面処理を施したものが提案されている。し
かしこのようなトナーを使用しても、完全に黒斑点の生
成を防止することができず、特に低湿環境下では微粉添
加物が極端に遊離し易くて所期の目的を達成することが
できない。これは通常微粉添加物はトナー自体の帯電特
性を安定化させるために、トナーと同極性に帯電するも
のが選択されるのであるが、低湿環境下ではトナーとこ
れらの微粉添加物との帯電量が増加するために静電的な
反発力が増大し、またトナーとこれらの微粉添加物との
間の微細な間隙に液体が介在し、この液体の表面張力に
よって両者が結合するようになっているが、低湿環境下
ではこの結合力が低下することによるものであり、また
近年の傾向として高画質化を達成するために小粒径のト
ナーを使用するのであるが、そのことによって生ずるト
ナーの流動性の低下を補うために、微粉添加物の添加量
を一段と増加させるようになっており、このために微粉
添加物が遊離し易くなっているものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明の目的
は、前記のような従来の画像形成装置におけるクリーニ
ング装置のもつ問題を解消し、微粉添加物を含有するト
ナーを使用して、トナー成分及び微粉添加物が像担持体
の表面に付着しても、クリーニングブレードやファーブ
ラシで容易に掻き取ることができて、トナーの主成分で
ある樹脂が除々に付着していって斑点に成長するような
ことがなくて、画像の品質を良好に保つのに加えて、ク
リーニングブレードのエッジ部分を損傷するようなこと
がなく、また像担持体とクリーニングブレードとの当接
部や、回収ローラとスクレーパとの当接部等にトナーや
紙粉等が堆積することがなくて、クリーニングブレード
やスクレーパのエッジ部分の密着不良を誘起してクリー
ニング不良が発生することのない画像形成装置における
クリーニング装置を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は前記のような
目的を達成するために、請求項１の発明は、像担持体又
は中間転写体上の残留トナーを除去するため、前記像担
持体又は中間転写体と接触しながら回転するファーブラ
シと、このファーブラシと接触しながら回転する回収ロ
ーラとを具えた、画像形成装置におけるクリーニング装
置において、前記回収ローラに潤滑剤を塗布することを
特徴とするものである。また請求項２の発明は、像担持
体又は中間転写体上の残留トナーを除去するため、前記
像担持体又は中間転写体と接触しながら回転する弾性ロ
ーラを具えた画像形成装置におけるクリーニング装置に
おいて、前記弾性ローラに潤滑剤を塗布することを特徴
とするものである。請求項３の発明は、請求項１又は２
の発明において、潤滑剤が間欠的に塗布されるものであ
る。請求項４の発明は、請求項１又は２の発明におい
て、潤滑剤が無くなったことを検知するものである。

【０００８】

【作用】前記のようなこの発明において、請求項１の発
明において、画像形成工程が開始されると、潤滑剤が回
収ローラの表面に薄膜状に塗布され、このようにして回
収ローラの表面に塗布された潤滑剤は、その一部がファ
ーブラシを介して像担持体又は中間転写体の表面に塗布
され、これによって像担持体又は中間転写体及び回収ロ
ーラの表面の摩擦係数が低下するとともに、潤滑剤の塗
布及び掻き取りが行われることによって、これらの表層
が常にリフレッシュされて、黒斑点の核となる微粉添加
物が像担持体又は中間転写体の表面に付着しにくくな
る。請求項２の発明において、画像形成工程が開始され
ると、弾性ローラが像担持体又は中間転写体とつれ回り
方向に回転することによって残留トナーの搬送を行い、
この弾性ローラには潤滑剤の薄層が形成され、それが像
担持体又は中間転写体の表面に塗布され、これによって
像担持体又は中間転写体及び弾性ローラの表面の摩擦係
数が低下するとともに、潤滑剤の塗布及び掻き取りが行
われることによって、これらの表層が常にリフレッシュ
されて、黒斑点の核となる微粉添加物が像担持体の表面
に付着しにくくなる。請求項３の発明において、画像形
成工程が開始されると、潤滑剤が回収ローラの表面に間
欠的に薄膜状に塗布され、この際その塗布タイミングを
調節することによって、像担持体又は中間転写体の表面
への潤滑剤の塗布量が過不足とならないようにする。請
求項４の発明において、画像形成工程が開始されると、
潤滑剤が消耗してしまうとこれを検知し、それによって
潤滑剤を交換補充する。

【０００９】

【実施例】図面に示すこの発明の各実施例において、前
記従来のものと同様の部分には同一の符号を付して説明
を省略し、主として異なる部分について説明する。図１
に示す第１実施例において、固形の潤滑剤４が自重によ
って回収ローラ３の表面に当接するように、基端が機枠
に枢着された支持杆５の自由端に装着されており、この
支持杆５の下方には偏心カム７が回転可能に配置されて
いて、この偏心カム７が回収ローラ３の駆動モータによ
って回転されて支持杆５を上下動し、これによって潤滑
剤４を回収ローラ３に当接離間させるようになってお
り、また支持杆５の上部にフィラー８が取付けられてお
り、さらに機枠にはこのフィラー８を光学的に検知する
検知部材９が設けられている。

【００１０】図２に示す第２実施例は、第１実施例の偏
心カム７の代わりに支持杆５の中間部上方に機枠にソレ
ノイド11を倒立して設置し、その作動杆12の下端が支持
杆５に枢支されていて、このレノイド11は図示しない制
御基板からのオンオフ信号によって支持杆５を上下動さ
せ、潤滑剤４を回収ローラ３に当接離間させるようにな
っている点で、第１実施例と相違する以外その他の点で
は相違することがない。

【００１１】前記のようなものにおいて、画像形成工程
が開始されると、第１実施例においては回収ローラ３及
び偏心カム７が回転して、偏心カム７が実線位置となる
と支持杆５の自由端が下動して、潤滑剤４が回収ローラ
３の表面に当接して薄膜状に塗布され、偏心カム７が点
線位置となると支持杆５の自由端が上動して、潤滑剤４
が回収ローラ３の表面から離間し、また第２実施例にお
いては回収ローラ３が回転するとともに、ソレノイド11
がオンオフして支持杆５を上下動させて潤滑剤４を回収
ローラ３に離間当接させ、このようにして両実施例にお
いて潤滑剤４を間欠的に回収ローラ３に当接させて薄膜
状に塗布することとなる。このようにして回収ローラ３
の表面に塗布された潤滑剤４は、ファーブラシ２及びス
クレーパ29によって引き伸ばされると同時に掻き取られ
るが、その一部はファーブラシ２を介して像担持体１の
表面に塗布され、これによって像担持体１及び回収ロー
ラ３の表面の摩擦係数が低下するとともに、潤滑剤４の
塗布及び掻き取りが行われることによって、これらの表
層が常にリフレッシュされて、黒斑点の核となる微粉添
加物が像担持体１の表面に付着しにくくなる。

【００１２】前記の場合、回収ローラ３に対する潤滑剤
４の塗布量が多くなりすぎると、ファーブラシ２を介し
て像担持体１の表面に供給される潤滑剤４の量が過多と
なって、潤滑剤自体が核となって像担持体１に異物が付
着したり、静電特性が変化したりするという問題があ
る。またファーブラシ２のように摺擦力の大きな部材に
直接潤滑剤４を当接させると、像担持体１が滑り易くな
ってトナーを保持する力よりも現像装置における磁気ブ
ラシの摺擦力の方が大きくなって、正常な現像が行われ
なくなるという問題がある。ところで前記の実施例は、
偏心カム７又はソレノイド11の作動によって潤滑剤４を
回収ローラ３の表面に間欠的に塗布するようになってい
ることから、偏心カム７の形状及び回転数の設計又はソ
レノイド11の作動周期の設計によって、回収ローラ３の
表面の同一領域に潤滑剤４が反復して塗布されることが
ないようにすることによって、このような問題が発生す
るのが防止される。

【００１３】前記の両実施例は、支持杆５の上部にフィ
ラー８が取付けられ、機枠にこのフィラー８を光学的に
検知する検知部材９が設けられているので、潤滑剤４が
消耗してしまうとこれを検知部材９が検知して、これを
図示しない操作パネル等の表示手段に表示し、それによ
って潤滑剤４を交換補充することとなる。

【００１４】図３に示すこの発明の第３実施例は、ファ
ーブラシ２に代えて発砲性ゴムの表面をポリテトラフリ
ョロエチレン等の低摩擦材料で被覆した弾性ローラ13で
構成したものであり、弾性ローラ13は像担持体１とつれ
回り方向に回転することによって残留トナーの搬送を行
い、クリーニングユニット27内のトナー飛散を防止する
ためのシール材としても機能し、この弾性ローラ13上の
トナーはスクレーパ29によって掻き取られ、排出コイル
30によって所定の場所に回収される。弾性ローラ13には
潤滑剤４がばね14によって押圧されていて、弾性ローラ
13の表面に潤滑剤４の薄層が形成される。

【００１５】前記の各実施例はいずれも像担持体１をク
リーニングとなっているが、像担持体１に代えて中間転
写体をクリーニングすることができることはいうまでも
ない。

【００１６】前記の潤滑剤４は乾燥した固体疎水潤滑剤
が用いられ、その代表例として次のようなものをあげる
ことができる。ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニ
ッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステ
アリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、オ
レイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オ
レイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシ
ウム、オレイン酸銅、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸
コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウ
ム、パルチミン酸アルミニウム、パルチミン酸カルシウ
ム、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リ
ノレン酸カルシウム、及びリコリノネン酸カドミウムの
ような比較的高次の脂肪酸、例えばカポットコーポレー
ションから市販されているＣａｂ-Ｏ-Ｓ11のようなコロ
イド状高温シリカ粉末があり、またカルナウバワックの
ような天然スワックスでも効果がある。

【００１７】

【発明の効果】この発明は前記のようであって、請求項
１の発明は、像担持体又は中間転写体上の残留トナーを
除去するため、前記像担持体又は中間転写体と接触しな
がら回転するファーブラシと、このファーブラシと接触
しながら回転する回収ローラとを具え、回収ローラに潤
滑剤を塗布するようになっており、また請求項２の発明
は、像担持体又は中間転写体上の残留トナーを除去する
ため、前記像担持体又は中間転写体と接触しながら回転
する弾性ローラを具え、弾性ローラに潤滑剤を塗布する
ようになっているので、微粉添加物を含有するトナーを
使用して、トナー成分及び微粉添加物が像担持体の表面
に付着しても、クリーニングブレードやファーブラシで
容易に掻き取ることができて、トナーの主成分である樹
脂が除々に付着していって斑点に成長するようなことが
なくて、画像の品質を良好に保つのに加えて、クリーニ
ングブレードのエッジ部分を損傷するようなことがな
く、また像担持体とクリーニングブレードとの当接部
や、回収ローラとスクレーパとの当接部等にトナーや紙
粉等が堆積することがなくて、クリーニングブレードや
スクレーパのエッジ部分の密着不良を誘起してクリーニ
ング不良が発生することがないという効果がある。請求
項３の発明は、請求項１又は２の発明において、潤滑剤
が間欠的に塗布されるので、潤滑剤の塗布タイミングを
調節することによって、像担持体又は中間転写体の表面
への潤滑剤の塗布量が過不足とならないようにすること
ができるという効果がある。請求項４の発明は、請求項
１又は２の発明において、潤滑剤が無くなったことを検
知するので、潤滑剤が消耗してしまったことを検知して
潤滑剤を交換補充することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例の各部の配置を示す正面
図である。

【図２】この発明の第２実施例の各部の配置を示す正面
図である。

【図３】この発明の第３実施例の各部の配置を示す正面
図である。

【図４】この発明と同種のクリーニング装置の各部の配
置を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 像担持体 ２ ファーブラシ ３ 回収ローラ ４ 潤滑剤 ７ 偏心カム ８ フィラー ９ 検知部材 11 ソレノイド 13 弾性ローラ 14 搬送部材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 像担持体又は中間転写体上の残留トナー
   を除去するため、前記像担持体又は中間転写体と接触し
   ながら回転するファーブラシと、このファーブラシと接
   触しながら回転する回収ローラとを具えた画像形成装置
   におけるクリーニング装置において、前記回収ローラに
   潤滑剤を塗布することを特徴とする画像形成装置におけ
   るクリーニング装置。
2. 【請求項２】 像担持体又は中間転写体上の残留トナー
   を除去するため、前記像担持体又は中間転写体と接触し
   ながら回転する弾性ローラを具えた画像形成装置におけ
   るクリーニング装置において、前記弾性ローラに潤滑剤
   を塗布することを特徴とする画像形成装置におけるクリ
   ーニング装置。
3. 【請求項３】 潤滑剤が間欠的に塗布される請求項１又
   は２の画像形成装置におけるクリーニング装置。
4. 【請求項４】 潤滑剤が無くなったことを検知する請求
   項１又は２の画像形成装置におけるクリーニング装置。