JP3965951B2 - 潤滑剤塗布装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーからなる像を形成するプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置における感光体、中間転写体等の像担持体に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の潤滑剤塗布装置は、通常、トナー像を担持し得る感光体等の像担持体が、その表面に残留付着するトナー等の付着物を除去するために摺擦させるクリーニングブレードやクリーニングブラシにより磨耗するため、かかる像担持体に潤滑剤を塗布することによりその像担持体とクリーニングブレード等との間における摩擦抵抗を低減させて上記磨耗等を防止するために使用される(特開平2000−162938号公報など)。
【0003】
図10は、従来の潤滑剤塗布装置の一例を示すものである。この図示の塗布装置は、ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を固形状にした固形潤滑剤100と、この固形潤滑剤100と像担持体としての感光体200とに同時に当接して一方向に回転するブラシロール150とを備えたものである。そして、この塗布装置によれば、ブラシロール150が回転すると、その固形潤滑剤100がブラシロール150の摺擦により削られて粉体となってブラシロール150に付着し、そのブラシロール150に付着した粉体状の潤滑剤が感光体200の表面に塗布されるようになっている。図中の符号110は固形潤滑剤を保持するホルダー、120は固形潤滑剤100がブラシロール150の長手方向にわたって均一な圧接力で圧接するように弾性的に支持する複数のバネ、250は感光体200に当接するクリーニングブレードを示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の潤滑剤塗布装置においては、その固形潤滑剤100からブラシロール150で掻き取って付着させた粉体状の潤滑剤を直接、感光体200に塗布しているため、その掻き取った潤滑剤の粒径がばらついていることにより、粒径の揃った潤滑剤を感光体200に均一に塗布することができないという課題があった。
【0005】
このため、特に初期の段階においては、その粒径の異なる潤滑剤の塗布に起因して感光体200上に摩擦係数の異なる箇所が発生し、クリーニングブレード250が感光体200との間で小刻みにスリップしたように摺擦して当接する、いわゆるスティックスリップ現象が起こる。そして、このスティックスリップ現象が起こった場合には、クリーニングブレード250の当接する先端角部(エッジ)が早期に劣化し、クリーニング不良を誘発させるようになる。このようなスティックスリップ現象の発生やクリーニング不良の誘発は、トナーとしてその粒形が球形に近いいわゆる球形トナーを使用した場合に、その球形トナー等を確実に除去するためクリーニングブレード250を感光体200に強く圧接させることから、顕著になりやすいという傾向にある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、回転するブラシロールにより固形潤滑剤から粒径のほぼ揃った粉体状の潤滑剤を感光体等の像担持体に塗布することができる潤滑剤塗布装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の潤滑剤塗布装置1は、図1に例示するように、トナーからなる像を担持し得る像担持体2に潤滑剤を塗布する装置であって、その潤滑剤を固形状にした固形潤滑剤3と、この固形潤滑剤3と前記像担持体2とに同時に当接して一方向に回転するブラシロール4とを備えた潤滑剤塗布装置において、前記ブラシロール4の前記固形潤滑剤3からブラシロール回転方向(A)下流側となる部位に当接する当接部材5を配置したことを特徴とするものである。
【0008】
ここで、上記像担持体2は、電子写真方式、静電記録方式等を利用した画像形成装置におけるドラム形態又はベルト形態からなる感光体、中間転写体などである。固形潤滑剤3は、像担持体2の有する特性を損なうことなく当該像担持体2に圧接するクリーニングブレード等の圧接部材との間における摩擦抵抗(係数)を低減できる潤滑性を示す材料(潤滑剤)を固形状にしたものである。この固形潤滑剤3は、像担持体2の幅方向有効領域の全域に相当する幅をもつ形状に形成される。また、この固形潤滑剤3は、ブラシロール3による偏った掻き取りが発生することを回避する観点から、回転するブラシロール3の当接によりそのロール回転方向Aの上流側及び下流側に揺動しないように固定した状態で支持することが好ましい。
【0009】
ブラシロール4は、通常、回転軸の軸周面に合成樹脂繊維等からなるブラシ毛を所定の密度及び高さで一様に植立させてロール状の形態にしたものであって、そのブラシ毛が少なくとも像担持体2の幅方向有効領域の全域にわたって当接し得るものである。このブラシロール4は、像担持体2と周速差をもって回転駆動させることが好ましい。また、ブラシロール4は、潤滑剤塗布装置を像担持体2のブレード方式のクリーニング装置の一部として組み込んで構成する場合には、クリーニングブラシとして機能させるように構成してもよい。
【0010】
そして、当接部材5は、少なくともブラシロール4のブラシ毛先端部を瞬間的に弾性変形させることが可能な程度に当接するものであればよいが、一般にはブラシロール4に対して所定の食い込み量となるように予め設定されて配置される。この当接部材5の先端形状や材質等については、ブラシロール4に付着する粒形の比較的大きい潤滑剤を払い落とすことができるものであれば特に制約されるものではない。また、この当接部材5は、固形潤滑剤3と別体の取付支持構造を採用してもよいが、潤滑剤塗布装置の小型化や当接部材の取付け作業の容易化や部品点数の削減化ができる等の観点からすると、固形潤滑剤3の保持体(支持体)に一体的に取り付けて支持する取付け支持構造を採用するとよい。
【0011】
このような潤滑剤塗布装置1によれば、固形潤滑剤3に当接した後のブラシロール4が像担持体2に当接する前に当接部材5と当接するようになる。これにより、ブラシロール4により固形潤滑剤3から掻き取られた粉体状の潤滑剤のうち粒径が比較的大きな潤滑剤が当接部材5の当接によりブラシロール4から払い(振り)落とされる一方で、その粒径が比較的小さな潤滑剤のみがブラシロール4に付着して像担持体2との当接位置まで運ばれる。この結果、粒径がほぼ揃った潤滑剤が像担持体2に塗布されるようになる。また、図1に例示するように像担持体2のブラシロール4から像担持体回転方向B下流側にクリーニングブレード6が配置されている場合には、そのクリーニングブレード6によるスティックスリップ現象の発生が低減されるようになる。
【0012】
また、この潤滑剤塗布装置1では、当接部材5を、その当接部材5のブラシロール4と当接し終わる終点E5とそのブラシロール4の像担持体2と当接し始める始点S2とのなす角度θが180°以上となる部位に配置するように構成するとよい。なお、この場合、固形潤滑剤3は、ブラシロール4の当接部材5から回転方向A上流側に配置されていることは言うまでもない。
【0013】
この場合には、ブラシロール4が当接部材5を通過してから像担持体2に至る時間及び領域を比較的多めに確保することができるため、当接部材5の当接による前記した粒径の比較的大きい潤滑剤の払い落としがより一層確実に行われるようになり、ブラシロール4による粒径がほぼ揃った潤滑剤の像担持体2への塗布もより的確に行われるようになる。しかも、当接部材5により払い落とされた潤滑剤やトナーが、重力によってブラシロールから離れる方向に自然落下させやすくなり、ブラシロールに再付着しにくくなる。
【0014】
以上のような潤滑剤塗布装置1は、像担持体2のブレード方式のクリーニング装置と別体の独立したものとして構成することができるが(なお、この場合には、当接部材5の当接により払い落とされる粒径の比較的大きい潤滑剤などを捕獲収容する部材を併設することが好ましい)、その設置スペースの低減化などの観点からすると、かかるクリーニング装置の一部として組み込むように構成することが望ましい。この場合、潤滑剤塗布装置1におけるブラシロール4は、前記したようにクリーニング装置のクリーニングブレード6よりも像担持体2の回転方向Bの上流側に配置される。また、そのブラシロール4は、クリーニングブラシとして機能するように構成してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図2及び図3は本発明の実施の形態1を示すものであり、図2は本発明の潤滑剤塗布装置を適用した画像形成装置の要部を示す概略構成図、図3は潤滑剤塗布装置を主に示す要部拡大図である。
【0016】
この画像形成装置20は、矢印B方向に回転するドラム状の感光体21を有し、この感光体21の表面を帯電装置22により均一に帯電した後、その表面に走査露光式等の潜像書き込み装置23により画像情報に基づく露光を行って静電潜像を形成し、その静電潜像を現像装置24により現像してトナー像として可視化するようになっている。また、この画像形成装置20は、感光体20上のトナー像を、記録用紙等の記録媒体25に直接又は中間転写体26を介して静電的に転写するようになっている。この際、トナー像の記録媒体25又は中間転写体26への転写は転写装置27により行う。トナー像が転写された記録媒体25は定着装置(図示省略)に送り込まれて定着処理される。これによりトナーからなる画像が形成された記録媒体25が得られる。
【0017】
そして、この画像形成装置20は、上記転写後の感光体20の表面を、クリーニングブレード32を有するクリーニング装置30により清掃するようになっている。また、このクリーニング装置30には、後述するように感光体21の表面に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布装置10が組み込まれている。
【0018】
クリーニング装置30は、基本的に、感光体21と対向する側が開口したハウジング31に、合成ゴム等からなるクリーニングブレード32をその自由端部が感光体21の表面に当接するような状態で取付け支持板33により取り付けるとともに、回転軸35aの周面にブラシ毛35bが一様に立設されたロール形態のクリーニングブラシ35をそのブラシ毛35bが感光体21の表面に当接するような状態で回転可能に取り付けられている。このうちクリーニングブレード32は、感光体21の周面(の軸方向の有効幅全域)に対して所定の角度及び食い込み量(例えば食い込み量が0.7〜1.3mm程度)となるように当接した状態で取り付けられている。クリーニングブラシ35は、感光体21の表面(の軸方向の有効幅全域)に対して所定の食い込み量(例えば0.7〜1.3mm程度)となるように当接した状態で取り付けられているとともに、例えば後述の搬送オーガ27の回転動力が分配されて矢印A方向に感光体21と所定の周速差をもって回転駆動するようになっている。
【0019】
また、このクリーニング装置30は、そのハウジング31の底部側に、クリーニングブレード32やクリーニングブラシ35等により除去されて落下するトナー、紙粉等を回収ボックス(図示省略)に搬送するスクリュー状の搬送オーガー37を回転駆動するように設けている。図2中において符号38は、クリーニングブレード32等により除去したトナー等が外部にこぼれ出すのを防止するためのシール部材である。
【0020】
そして、このクリーニング装置30には、そのクリーニングブラシ35を潤滑剤塗布用のブラシロール(14)として兼用し、そのクリーニングブラシ35のほぼ最上の位置で当接するように配置される固形潤滑剤13と、この固形潤滑剤13を通過した後のクリーニングブラシ35(14)に当接するように配置されるフリッカー(当接部材)15とを主に備えた潤滑剤塗布装置10が装備されている。
【0021】
ブラシロール(14)として兼用するクリーニングブラシ35は、固形潤滑剤13から粒径の比較的小さい潤滑剤を掻き取って感光体21に塗布することが可能となる観点から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等からなる導電性のブラシ毛35bを適用したロール外径が12〜25mmのブラシロールが使用される。ブラシ毛35bの太さ、単位面積当たりの本数(密度)、長さ等については、適宜選定される。
【0022】
固形潤滑剤13は、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩からなる潤滑剤を断面が矩形状の棒形態に固めたものである。この固形潤滑剤13は、クリーニングブラシ35で掻き取って粒径の比較的小さい潤滑剤を感光体21に塗布する観点からは、JISで規格される鉛筆硬度B、F、HB等の硬度を有する固形体とすることが好ましい。固形潤滑剤13は、クリーニングブラシ35のほぼ真上(最上部)に位置するように配置される。
【0023】
また、この固形潤滑剤13は、図3、4に示すように、その上部を固形潤滑剤13の長さ(幅)よりも長いホルダー16に保持し、そのホルダー16の固形潤滑剤13の端部から突出した両端部を、適宜折り曲げ加工された(例えばZ字状に曲げられた)板ばね17により引っ掛けて上方に吊り上げた状態となるように支持フレーム31a(ハウジング31に取り付けられたフレーム)に取り付けられている。この取付支持構造により、固形潤滑剤13は、上下方向に対しては弾性的に支持されているが、クリーニングブラシ35の回転方向Aの上流側及び下流側に対してはほぼ固定された状態に維持される。固形潤滑剤13は、クリーニングブラシ35に対する荷重が0.03〜0.10N/mとなるように支持することが好ましい。
【0024】
フリッカー15は、クリーニングブラシ35の軸方向全域にわたって当接するような板形状のものであり、POM、SUS等により形成されている。このフリッカー15のブラシ35と当接する先端部は、その角度がアール状に形成されている。また、このフリッカー15は、支持フレーム31aに一体的に取り付けられている。このフリッカー15は、そのフリッカー15のクリーニングブラシ35と当接し終わる終点E15とそのブラシ35の感光体21と当接し始める始点S21とのなす角度(θ)が180°程度となるように配置されている。
【0025】
このような潤滑剤塗布装置10を装備するクリーニング装置30は、次のように動作する。
【0026】
まず、クリーニング装置30は、クリーニングブラシ35が矢印A方向に回転するとともに、搬送オーガー37が所定の方向に回転する。そして、転写後に感光体21の表面がこのクリーニング装置30を通過すると、感光体21の表面に付着するトナー、紙粉等がクリーニングブラシ35によりかき乱されてある程度掻き取られるとともに感光体21との付着力が失われる。その後、そのブラシ35により掻き取られなかったトナー等が最終的にクリーニングブレード32により掻き取られる。これにより、感光体21の表面が清掃される。このとき掻き取られたトナー等は、ハウジング31の底部側に落下した後、搬送オーガー37により回収ボックスに搬送される。
【0027】
この際、クリーニングブラシ35は、固形潤滑剤13の下端部に当接するようにして回転することにより、その固形潤滑剤13の下端部から潤滑剤を掻き取って保持する。続いて、固形潤滑剤13を通過した後のクリーニングブラシ35は、フリッカー15に当接して回転することにより、固形潤滑剤13から掻き取った潤滑剤のうち粒径が比較的大きい潤滑剤が払い落とされる一方で、その粒径が比較的小さい潤滑剤のみがクリーニングブラシ35に付着した状態となる。また、これと同時に、クリーニングブラシ35に付着した感光体21からのトナー等も同時に払い落とされる。特に、この潤滑剤塗布装置10では、クリーニングブラシ35がフリッカー15を通過した後に感光体21に当接するまでに十分な時間及び空間が確保されているため、上記粒径が比較的大きい潤滑剤の払い落しとトナー等の払い落としが確実に実行される。
【0028】
これにより、粒径が比較的小さい潤滑剤がクリーニングブラシ35によって感光体21の表面に塗布される。この結果、粒径がほぼ揃った潤滑剤を感光体21の表面に塗布することができるため、特に初期段階におけるクリーニングブレード32で発生しやすい前記スティックスリップ現象を低減することができる。
【0029】
したがって、この潤滑剤塗布装置10を使用した場合には、クリーニングブレード32のライフを向上させることが可能となり、クリーニング不良の発生を防止することができる。なお、クリーニングブラシ35についても、フリッカー15の圧接通過によりトナー等の振り払いが行われるため、そのクリーニング性能が損なわれることなく、これによってもクリーニング不良の発生が防止される。
【0030】
また、感光体21の表面に粒径がほぼ揃った潤滑剤を均一に塗布できることから、その感光体21とクリーニングブレード32の間の摩擦係数を低くし続けることが可能となり、クリーニングブレード32の感光体21に対する当接圧を大きくすることが可能となる。このため、トナーとして球形トナーを使用した場合には、クリーニングブレード32の感光体21に対する当接圧を大きく設定することができ、一般に清掃が困難とされている球形トナーの良好な除去清掃を実現することができるようになる。
【0031】
図6は、初期段階におけるクリーニングブレード32の歪み量について測定した結果を示すものであり、(a)は本実施の形態に係る潤滑剤塗布装置を使用した場合の測定結果を、(b)は従来の潤滑剤塗布装置を使用した場合の測定結果をそれぞれ示すものである。従来の潤滑剤塗布装置とは、本実施の形態に係る潤滑剤塗布装置においてフリッカー15を設けないように変更した点が異なるだけのものである。また、クリーニングブレード32の歪み量は歪ゲージにより測定した。さらに、クリーニングブレード32の歪み量の変動幅が、スティックスリップの幅に相当するものである。そして、この図6に示す結果から明らかなように、本実施の形態に係る潤滑剤塗布装置10を使用した場合には、初期段階におけるスティックスリップ現象の低減効果があることがわかる。
【0032】
また、この潤滑剤塗布装置10では、固形潤滑剤13を前記したような板ばね17を使用した取付け支持構造により支持しているため、図5に示すように、回転するクリーニングブラシ35との当接により固形潤滑剤13の取付け姿勢が変動することがなく一定しているため(同図a)、固形潤滑剤13の下端部がクリーニングブラシ35により一定量ずつほぼ均等に掻き取られて磨耗していく(同図b)。これにより、潤滑剤の感光体21への均一な塗布を長期にわたって安定して行うことが可能となる。
【0033】
これに対し、固形潤滑剤13をその自重のみでクリーニングブラシ35に当接させるように支持して、あるいは、コイルばね等により支持して取り付けた場合には、図10に例示するように、かかる固形潤滑剤13と回転するクリーニングブラシ35との間の摩擦により、その固形潤滑剤13の取付姿勢がクリーニングブラシ35との当接により傾いた状態となり(同図a)、その状態下でブラシ35による掻き取りが継続されることにより固形潤滑剤13の下端部が次第に片寄った状態で磨耗(偏磨耗)してしまい(同図b)、長期的にはクリーニングブラシ35による掻き取り量が増えて感光体21への潤滑剤の供給量ひいては塗布量が徐々に増加して潤滑剤の均一な塗布ができなくなるという不具合がある。
【0034】
さらに、かかる固形潤滑剤13と回転するクリーニングブラシ35との間の摩擦が一定していない場合には、固形潤滑剤13がクリーニングブラシ35の回転方向Aの上流側及び下流側に対して揺動するように変動するようになる。そして、このような揺動運動が発生した場合は、短時間的にみると、潤滑剤の感光体21への供給量に時間的なばらつきが生じる。
【0035】
以上のような潤滑剤の感光体21への供給量のばらつきは、微小ながらクリーニングブレード32のスティックスリップ現象を引き起こしてしまう。特に、真球により近い球形トナーを使用すればするほど、かかるスティックスリップ現象が、そのクリーニング性能の悪化を招くようになる。しかし、本実施の形態に係る潤滑剤塗布装置10を使用した場合には、潤滑剤の感光体21への供給量のばらつきが殆どないため、上記したような不具合が発生するおそれがない。
【0036】
なお、実施の形態1においては、例えば、図7に例示するように、固形潤滑剤13(のホルダー16)をスプリングばね50により上方に吊り上げた状態でハウジング31に取り付けるように構成してもよい。ただし、この場合には、固形潤滑剤13が前記揺動運動を起こさないようにその取付け姿勢を規制するガイド部材51を付設することが望ましい。
【0037】
このように構成した場合には、固形潤滑剤13をスプリングばね50により上方に少し引き上げるような状態に支持すると、クリーニングブラシ35に対する固形潤滑剤13の食い込み量を、固形潤滑剤13およびホルダー16の自重によるより食い込み量に比べて小さくすることができる。これにより、クリーニングブラシ35の固形潤滑剤13からの掻き取り量を低減することができ、粒径の比較的大きい潤滑剤の掻き取りを減少させることができることに加え、固形潤滑剤13の磨耗量を減少させることができる。この結果、固形潤滑剤13の消費量を減少させることができ、その寿命(ライフ)を延長することができる。
【0038】
また、実施の形態1においては、例えば、図8に例示するように、固形潤滑剤13のブラシ回転方向Aの下流側にフリッカー15を設けることに加え、その固形潤滑剤13のブラシ回転方向Aの上流側にクリーニングブラシ35に当接する手前側当接部材(フリッカーなど)60を併設するように構成してもよい。
【0039】
このように構成した場合には、クリーニングブラシ35に掻き取られて付着したトナー等が固形潤滑剤13を通過する前に、手前側当接部材60により払い落とされるようになる。これにより、トナー等の付着の少ないクリーニングブラシ35による固形潤滑剤13からの潤滑剤の掻き取りが行われるようになるため、粒径の比較的小さい潤滑剤をクリーニングブラシ35により確実に付着させることができるようになる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の潤滑剤塗布装置によれば、前記した当接部材を設けたことにより、回転するブラシロールにより固形潤滑剤から粒径のほぼ揃った粉体状の潤滑剤を感光体等の像担持体に塗布することができるようになる。この結果、この潤滑剤塗布装置を使用した場合には、例えば像担持体のクリーニングブレードの初期段階におけるスティックスリップ現象を低減することが可能となり、かかるクリーニングブレードのクリーニング不良の発生を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の潤滑剤塗布装置を示す概念図。
【図2】 実施の形態1における画像形成装置の要部を示す概要図。
【図3】 実施の形態1に係る潤滑剤塗布装置を装備したクリーニング装置を示す一部断面図。
【図4】 固形潤滑剤の取付け支持構造を示す一部断面説明図。
【図5】 固形潤滑剤の取付け姿勢と磨耗状態を示す説明図。
【図6】 (a)は実施の形態に係る潤滑剤塗布装置を使用した場合におけるクリーニングブレードの歪み量の測定結果を示すグラフ図、(b)は従来の潤滑剤塗布装置を使用した場合におけるクリーニングブレードの歪み量の測定結果を示すグラフ図。
【図7】 固形潤滑剤の取付け支持構造の他の構成例を示す概要図。
【図8】 手前側当接部材を併設した場合の構成例を示す概要図。
【図9】 従来の潤滑剤塗布装置を示す説明図。
【図10】 従来の固形潤滑剤の取付け姿勢と磨耗状態を示す説明図。
【符号の説明】
1,10…潤滑剤塗布装置、2…像担持体、3,13…固形潤滑剤、4…ブラシロール、5…当接部材、14,35…クリーニングブラシ(ブラシロール)、15…フリッカー(当接部材)。
Claims (1)
- トナー像を担持するトナー像担持体と、
前記トナー像担持体に当接して一方向に回転するブラシロールと、
前記ブラシロールに当接する固形状の固形潤滑剤と、
前記ブラシロールと前記固形潤滑剤との当接位置から前記一方向となる回転方向下流側でかつ前記ブラシロールと前記トナー像担持体との当接位置から前記一方向となる回転方向上流側において当該ブラシロールに当接する当接部材とを備え、
前記一方向に回転するブラシロールを、前記トナー像担持体、前記固形潤滑剤及び前記当接部材とこの順番で当接する方向に回転させ、
前記固形潤滑剤を前記ブラシロールのほぼ真上の位置で当接するように配置するとともに、前記当接部材を、そのブラシロールが前記一方向に回転するときにその当接部材のブラシロールと当接し終わる終点とそのブラシロールの前記トナー像担持体と当接し始める始点とのなす角度が180°以上となる部位に配置したことを特徴とする画像形成装置。
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