JP2008134555A - 潤滑剤塗布装置及び画像形成装置 - Google Patents

潤滑剤塗布装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも高い効率で回転ブラシ部材から現像剤を除去できる潤滑剤塗布装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10における像担持体1の表面1aに潤滑剤Sを塗布する潤滑剤塗布装置7において、該潤滑剤塗布装置7内に収容される潤滑剤S及び像担持体1の双方に接触しつつ回転されることにより、該潤滑剤Sを取得して像担持体1の表面1aに塗布する回転ブラシ部材72と、回転ブラシ部材72と接触することにより、該回転ブラシ部材72に付着する現像剤を該回転ブラシ部材72から除去する現像剤除去部材73とを備え、現像剤除去部材73は、ブラシ状部材とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に、前記画像形成装置における像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の従来の画像形成装置は、記録紙等の記録媒体に現像剤によって可視化された可視像を形成し、これを定着させることにより、該記録媒体上に画像を形成するように構成されている。
斯かる従来の画像形成装置のうち、電子写真方式の画像形成プロセスによって画像を形成する画像形成装置は、一般的に、像担持体として作用する感光体の表面を帯電させ、その帯電域に画像露光して静電潜像を形成し、該静電潜像を粒子状の現像剤により可視化し、該可視化された感光体上の可視像を、記録媒体に静電的に転写し、定着させることにより、該記録媒体上に画像を形成するように構成されている。
また、現像剤によって可視化された可視像を一旦、像担持体として作用する中間転写体に形成し、該中間転写体から記録媒体に転写し、定着させる画像形成装置もある。
さらに、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の各色ごとの可視化された可視像を記録媒体に形成し、これを定着させることにより、該記録媒体上にカラー画像を形成するカラー画像形成装置もある。
前記画像形成装置では、現像剤によって可視化された可視像の一部は転写工程後も像担持体の表面に残存する。このため、前記画像形成装置には、この残存する現像剤を除去(クリーニング)するために、クリーニング装置が設けられている。
前記クリーニング装置には、通常、像担持体表面に残存する現像剤の除去を高信頼性で行うために該像担持体と当接するクリーニングブレードが設けられている。
クリーニングブレードは、先端のエッジ部分を像担持体の表面に当接させた状態でスティック・スリップ動作を行うことにより、該像担持体の表面に付着した現像剤の掻き取りを行う。この際、像担持体の表面とクリーニングブレードとの摩擦力が大きいと、該ブレードによるスティック・スリップ動作がスムーズに行われ難くなり、現像剤の除去効率が低下し易い。また、現像剤の除去効率は、現像剤が像担持体の表面に固着することによっても低下し易い。
そこで、前記画像形成装置として、像担持体の表面に対して潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置(例えば、像担持体の表面における現像剤を除去するクリーニング機構と、該像担持体の表面に対して潤滑剤の塗布を行う潤滑剤塗布機構とを備えたクリーニング装置)を備えたものがある。
斯かる画像形成装置では、像担持体の表面への潤滑剤の塗布により、該像担持体の表面とクリーニングブレードとの摩擦力が小さくなる上に、現像剤が該像担持体の表面に固着し難くなるので、該ブレードによる該像担持体表面からの現像剤の剥離が効率的なものとなる。
ところで、像担持体の表面への潤滑剤の塗布には、通常、回転ブラシ部材(例えば、ブラシローラ)が用いられる。この回転ブラシ部材は、例えば、像担持体及び潤滑剤(より具体的には、固形状の潤滑剤)の双方と当接して配置された状態で回転駆動されることにより、該回転ブラシ部材のブラシ毛で該潤滑剤を削り取り、これを該像担持体の表面に塗布するようになっている。例えば、下記特許文献1,2には、このようなクリーニング装置を備えた画像形成装置が開示されている。
ところが、斯かる従来の画像形成装置では、回転ブラシ部材によって像担持体に潤滑剤を塗布する際に、該像担持体に残存する現像剤が該像担持体から該回転ブラシ部材に付着すると、該現像剤は、該回転ブラシ部材の作動時間とともに該回転ブラシ部材に蓄積されていくことになる。そうすると、回転ブラシ部材において現像剤が多くなるにつれて、該回転ブラシ部材は、潤滑剤を効率的且つ安定的に掻き取ることが困難になり、従って、像担持体に対して均一に潤滑剤を供給し難くなってしまう。その結果、現像剤がクリーニングブレードとの当接圧で該像担持体の表面に膜状に固着する、いわゆるフィルミングが生じたり、記録媒体や中間転写体への転写性や像担持体における現像剤を除去するクリーニング性が低下したり、或いは像担持体の表面にキズや摩耗が生じたりする。
この問題に対処するために、回転ブラシ部材から現像剤を排出させる板状又は管棒状の排出部材が設けられた画像形成装置が提案されている。この板状又は管棒状の排出部材は、回転ブラシ部材のブラシ毛に当接するように配置され、該回転ブラシ部材のブラシ毛の形状復元力を利用することにより、該回転ブラシ部材に付着した現像剤をはじき出させるものであり、フリッカーと呼ばれることもある。例えば、下記特許文献3〜5には、このような排出部材が設けられた画像形成装置が開示されている。
特開平10−260614号公報(平成10年(1998)9月29日公開) 特開2000−162938号公報(平成12年(2000)6月16日公開) 特開2001−235987号公報(平成13年(2001)8月31日公開) 特開2001−337558号公報(平成13年(2001)12月7日公開) 特開2003−241569号公報(平成15年(2003)8月29日公開)
しかしながら、前記した従来技術では、回転ブラシ部材からの現像剤の除去が充分ではなかった。特に、現像剤として小粒子径化された小粒子径のトナーを用いた画像形成装置において画像形成プロセス速度が速くなると、像担持体から回転ブラシ部材に付着する現像剤の量も増加し、回転ブラシ部材に現像剤が付着することに起因する前記の問題は一層深刻となる。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置における像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置及び画像形成装置であって、従来よりも高い効率で回転ブラシ部材から現像剤を除去できる潤滑剤塗布装置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために、次のクリーニング装置及び画像形成装置を提供する。
即ち、本発明は、画像形成装置における像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置であって、該潤滑剤塗布装置内に収容される潤滑剤及び前記像担持体の双方に接触しつつ回転されることにより、該潤滑剤を取得して該像担持体の表面に塗布する回転ブラシ部材と、前記回転ブラシ部材と接触することにより、該回転ブラシ部材に付着する現像剤を該回転ブラシ部材から除去する現像剤除去部材とを備え、前記現像剤除去部材は、ブラシ状部材とされていることを特徴とする潤滑剤塗布装置を提供する。
また、本発明は、前記本発明に係る潤滑剤塗布装置を備えていることを特徴とする画像形成装置も提供する。
本発明に係る潤滑剤塗布装置及び画像形成装置では、前記回転ブラシ部材は、該潤滑剤塗布装置内に収容される潤滑剤及び前記像担持体の双方と接触しつつ回転されることによって、潤滑剤の一部を取得して、該取得した潤滑剤の一部を前記像担持体の表面に塗布することができる。このとき、前記像担持体における現像剤が該像担持体から前記回転ブラシ部材に付着しても、該回転ブラシ部材に付着した現像剤は、前記現像剤除去部材によって除去することができる。
ここで、前記現像剤除去部材はブラシ状部材とされているので、前記回転ブラシ部材における現像剤を該ブラシ状の現像剤除去部材によって確実に除去することができ、これにより、板状又は管棒状の排出部材とされた従来の構成と比べ、前記回転ブラシ部材から現像剤を除去する効率を向上させることができる。さらに、前記ブラシ状の現像剤除去部材によって、前記回転ブラシ部材のブラシ毛を起毛させることができ、これにより、該回転ブラシ部材の毛倒れを効果的に防止することが可能となり、該回転ブラシ部材の良好な起毛状態、即ち、初期の起毛状態を長期に亘り安定的に維持することが可能となる。
このように本発明に係る潤滑剤塗布装置及び画像形成装置によれば、前記回転ブラシ部材から現像剤を高い効率で安定的に除去することができ、これにより、前記像担持体に対して潤滑剤を均一に安定して塗布することができる。従って、たとえ現像剤として小粒子径化された小粒子径のトナーを用いた場合であって、前記像担持体の表面移動速度が高速な(例えば、前記像担持体の表面移動速度が200mm/s以上の)高速画像形成プロセスの場合であっても、フィルミングの発生を有効に防止できると共に転写性やクリーニング性、さらには前記像担持体の寿命を向上させることができる。
本発明に係る潤滑剤塗布装置において、前記像担持体の表面における現像剤を除去(クリーニング)するクリーニング機能を備えていてもよい。
前記潤滑剤として固形状とされた潤滑剤を用いる場合、該固形状とされた潤滑剤を保持する潤滑剤保持部材をさらに備えることができる。この場合、前記回転ブラシ部材は、前記潤滑剤保持部材に保持された潤滑剤及び前記像担持体の双方に接触しつつ回転されることにより、該潤滑剤を削り取って該像担持体の表面に塗布することができる。
前記回転ブラシ部材としては、代表的には、ロール状のブラシ部材を例示できる。
本発明に係る潤滑剤塗布装置及び画像形成装置において、前記ブラシ状の現像剤除去部材は、前記回転ブラシ部材の回転方向において、前記回転ブラシ部材が潤滑剤を取得する取得位置よりも上流側、且つ、前記回転ブラシ部材が該潤滑剤を前記像担持体の表面に塗布する塗布位置よりも下流側に配置されていることが好ましい。
こうすることで、前記回転ブラシ部材が潤滑剤を前記像担持体表面に塗布したあと、潤滑剤を取得するに先立って該回転ブラシ部材における現像剤を除去することができる。即ち、潤滑剤の取得に先立ち、前記回転ブラシ部材をリフレッシュされた(換言すれば該回転ブラシ部材から現像剤が除去された)安定状態に維持することができ、これにより、前記回転ブラシ部材は、安定的に潤滑剤を取得することが可能となる。
本発明に係る潤滑剤塗布装置及び画像形成装置において、前記回転ブラシ部材及び前記ブラシ状の現像剤除去部材のうち少なくとも一方は、ブラシ毛が導電糸により構成され、該導電糸がアース接続(電気的に接地)されることが好ましい。
即ち、前記像担持体に潤滑剤を塗布すると共に現像剤が前記現像剤除去部材によって除去される前記回転ブラシ部材は、該像担持体及び該現像剤除去部材と摺擦すると、摩擦帯電し易い。そうすると、現像剤又は/及び潤滑剤が静電的に前記回転ブラシ部材に付着することになり、前記回転ブラシ部材から前記像担持体へ潤滑剤が移行し難くなったり、或いは、前記現像剤除去部材によって前記回転ブラシ部材から現像剤が除去され難くなったりする。また、前記回転ブラシ部材から除去された現像剤が、静電引力により前記回転ブラシ部材に再付着するおそれがある。
そのため、前記回転ブラシ部材及び前記ブラシ状の現像剤除去部材のうち少なくとも一方は、ブラシ毛が導電糸により構成され、該導電糸がアース接続(電気的に接地)されることで、摩擦帯電された前記導電糸を除電させることができ、従って、該回転ブラシ部材から現像剤又は/及び潤滑剤を容易に解放することが可能となると共に、前記回転ブラシ部材への現像剤の再付着を効果的に防止することができる。
本発明に係る潤滑剤塗布装置及び画像形成装置において、前記ブラシ状の現像剤除去部材のブラシ毛は、太さが前記回転ブラシ部材のブラシ毛の太さよりも太く、且つ、繊度が10デシテックス〜30デシテックスであることが好ましい。
このように、前記現像剤除去部材のブラシ毛を前記回転ブラシ部材のブラシ毛よりも太くすることで、前記回転ブラシ部材のブラシ毛の剛性に負けることなく、該回転ブラシ部材のブラシ毛の間における現像剤を確実に排出することが可能となる。また、前記現像剤除去部材のブラシ毛を前記回転ブラシ部材のブラシ毛よりも太くすることで、前記回転ブラシ部材のブラシ毛の起毛効率を向上させることができ、前記回転ブラシ部材による潤滑剤の塗布動作の安定性を向上させることができる。
なお、前記現像剤除去部材のブラシ毛の繊度が10デシテックスより細い(小さい)と、耐久性が低くなり易く、前記回転ブラシ部材による潤滑剤の塗布動作の安定性を維持することが困難になる。一方、前記現像剤除去部材のブラシ毛の繊度が30デシテックスより太い(大きい)と、前記回転ブラシ部材の毛倒れが毛筋状に発生し易く、クリーニング性及び固形状潤滑剤の削り性が不均一になる不都合を招く。
本発明に係る画像形成装置においては、本発明に係る潤滑剤塗布装置を備えているので、中高速の画像形成プロセスの場合において一層の効果を期待できる。
前記像担持体としては、代表的には、静電潜像担持体(例えば、感光体)及び中間転写体を例示できる。なお、前記静電潜像担持体及び前記中間転写体は、ドラム形状のものであってもよいし、複数の支持ローラに巻き掛けられた無端のベルト形状のものであってもよい。
本発明に係る画像形成装置においては、前記像担持体は、回転駆動されるドラム形状の感光体ドラムであり、前記感光体ドラムの周速度が200mm/秒以上である場合を例示できる。
ところで、高画質化を実現するためには、現像剤に小粒子径で円形度の高いトナーを用いてもよい。この場合、前記像担持体におけるトナーのクリーニング性を向上させるために、潤滑剤を用いて該トナーの前記像担持体表面への付着力を低減させ、該像担持体表面から該トナーを剥離し易くすることができる。
しかし、平均円形度が0.97よりも大きいトナーでは、潤滑剤を用いて該トナーの前記像担持体表面への付着力を低減させたとしても、例えば、クリーニング装置におけるクリーニングブレードの先端部では該トナーが回転してすり抜け易くなり、このため前記像担持体におけるトナーのクリーニング性が低下し易い。
一方、平均円形度が0.93より小さいトナーでは、前記像担持体におけるトナーのクリーニング性は良好であるが、該トナーの流動性が低いため、例えば、転写工程における転写圧等により凝集し易くなり、これにより、形成される画像に中抜け、いわゆる転写中抜けが発生したり、該トナー表面の電荷の局在化により転写性が低下したりするといった不都合を招き、その結果、画質も不十分となり易い。
そこで、本発明に係る画像形成装置においては、前記現像剤として、平均円形度が0.93以上0.97以下のトナーを用いることが好ましい。これにより、クリーニング性に加えて、トナーの転写性を向上させることができる。
ここで、円形度は、次式(1)で求められる値であり、この値が1に近いほど、トナー粒子が真球に近い粒子であることを示している。
円形度=(粒子像と同じ投影面積の円の周囲長)/(粒子の投影像の周囲長)…式(1)
この円形度は、例えば、市販の画像解析装置を用いて光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察したトナー画像を解析する方法や、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000(シスメックス社製)を用いることによって測定することができる。
また、平均円形度は、所定サンプル数のトナー粒子について、前記したように測定した各トナー粒子の円形度を平均した値である。
以上説明したように、本発明に係る潤滑剤塗布装置及び画像形成装置によれば、像担持体から回転ブラシ部材に付着する現像剤を該回転ブラシ部材から除去する現像剤除去部材が、ブラシ状部材とされているので、従来よりも高い効率で且つ長期に亘り安定的に前記回転ブラシ部材から現像剤を除去することができ、これにより、潤滑剤を安定して前記像担持体表面に塗布することが可能となる。
以下、本発明に係る一実施形態について図1から図6を参照しながら説明する。
図2は、本実施の形態に係る潤滑剤塗布装置7を備えた画像形成装置10の概略構成を示す側面図である。なお、本実施の形態では、潤滑剤塗布装置7は、クリーニング装置とされており、像担持体1の表面1aにおける粒子状の現像剤を除去するクリーニング機構に加えて、該像担持体1の表面1aに潤滑剤Sを塗布する潤滑剤塗布機構を備えている。
図2に示す画像形成装置10は、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成プロセスによって画像データに応じた画像(ここではモノクロ画像)を記録紙等の記録媒体Pに形成するものである。
画像形成装置10は、表面が移動する像担持体として作用する静電潜像担持体(ここではドラム状の感光体ドラム)1を備え、その周囲に、周知のカールソンプロセスを実施するための構成を備えている。即ち、画像形成装置10は、感光体1に加えて、感光体1の表面1aを帯電させるための帯電装置2と、感光体1上に静電潜像を形成するための露光装置3と、前記静電潜像を現像剤によって可視化するための現像装置4と、中間転写体(ここではベルト状の中間転写体)5と、現像装置4によって可視化された感光体1上の可視像を一旦中間転写ベルト5に転写する1次転写装置81と、中間転写ベルト5上の可視像を記録媒体Pに転写する2次転写装置82と、記録媒体P上の転写画像を該記録媒体Pに定着するための定着装置6と、1次転写装置81によって転写されずに感光体1表面1aに残った残留現像剤を除去すると共に感光体1の表面1aに潤滑剤Sを塗布するクリーニング装置7と、感光体1表面1aに残った残留電荷を除電する除電装置9とを備えている。
本実施の形態では、画像形成装置10は、前記クリーニング機構と、前記潤滑剤塗布機構とを有するクリーニング装置を備えたものとされているが、それに代えて、像担持体の表面における残留現像剤を除去するクリーニング装置と、像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置とを備えたものとされていてもよい。
また、本実施の形態では、前記像担持体は、静電潜像担持体1としているが、中間転写体5としてもよい。この場合、潤滑剤塗布装置として作用するクリーニング装置7は、2次転写装置82によって転写されずに中間転写体5表面に残った残留現像剤を除去すると共に中間転写体5の表面に潤滑剤Sを塗布するものとされる。
また、画像形成装置10は、中間転写体5及び2次転写装置82を取り除いたものとされてもよい。この場合、前記1次転写装置81は、感光体1上の現像剤を記録媒体Pに転写するものとされる。
また、画像形成装置10は、カラー画像を形成するものとされていてもよい。
なお、感光体1はベルト状のものとされてもよいし、前記中間転写体5は、ドラム状のものとされていてもよい。また、前記帯電装置2としては、例えば、接触帯電方式の帯電装置や、スコロトロン型等の非接触帯電方式の帯電装置を用いることができる。また、現像剤は、1成分現像剤であってもよいし、2成分現像剤であってもよい。
この画像形成装置10では、回転駆動される感光体1の表面1aを帯電装置2にて所定の電位に均一に帯電させ、その帯電域に露光装置3から画像データに応じた画像露光を施して静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置4で現像して顕在化し、可視像とする。
このようにして感光体1上に形成された可視像は、中間転写ベルト5に1次転写される。そして、中間転写ベルト5上に転写された可視像は、給紙トレイ11からピックアップローラ12により1枚ずつ供給されると共にレジストローラ対13により該可視像と同期をとって送られてくる記録媒体Pに2次転写され、該記録媒体Pに転写された転写画像が定着装置6で溶融定着される。このようにして転写画像が定着された記録媒体Pは排出ローラ対61にて図示を省略した排紙トレイ上に排出される。
なお、感光体ドラム1は、図示を省略した筐体に回転可能に軸支されている。また、中間転写ベルト5は、回転駆動される駆動ローラ51と、感光体1に対向配置された1次転写ローラ81aと、従動ローラ52とからなるローラ群に巻き掛けられている。
1次転写ローラ81aは、1次転写電圧が印加されることで感光体1上の可視像を中間転写ベルト5に転写する。2次転写ローラ82aは、2次転写電圧が印加されることで2次転写ローラ82a及び駆動ローラ51の間に通される記録媒体Pに中間転写ベルト5上の可視像を転写する。
一方、感光体1の表面1aには、クリーニング装置7によって潤滑剤Sが塗布される。これについては、のちほど詳述する。また、感光体1上の可視像が中間転写ベルト5に1次転写され、1次転写ローラ81aによって転写されずに残った残留現像剤は、クリーニング装置7によって除去される。その後、感光体1表面1aに残留する電荷は除電装置9にて除去される。そして、画像形成装置10は、次の画像形成に備えられる。
クリーニング装置7は、転写装置81より感光体1の表面移動方向(図中矢印A方向)下流側に感光体1に対向するように設けられている。
なお、詳しい説明は省略するが、画像形成装置10は、記録媒体Pをスイッチバック搬送することで該記録媒体Pの表裏両面に画像を形成できるようになっている。
次に、図1に基づいて潤滑剤塗布装置として作用するクリーニング装置7について詳述する。図1は、クリーニング装置7を中心に示す概略側面図である。
クリーニング装置7は、本実施の形態では、感光体1の表面1aにおける現像剤を除去すると共に該感光体1の表面1aに潤滑剤Sを塗布するものであり、クリーニングブレード71と、回転ブラシ部材72と、現像剤除去部材73と、これらの部材を収容する装置ケース74とを備えている。
クリーニングブレード71は、感光体1の表面1aに残留する現像剤を除去するためのものであり、装置ケース74に片持ち支持されている。
詳しくは、クリーニングブレード71は、感光体1の軸線方向を長手方向とする長尺状のゴム部材とされている。
クリーニングブレード71は、一方の長辺が装置ケース74に設けられた開口Qの周縁部のうち、感光体1の表面移動方向A下流側部分(ここでは該下流側部分における剛性支持部材74a)に支持され且つ他方の長辺のエッジ部71aが自由端部とされている。
そして、クリーニング装置7は、少なくとも、感光体1における現像剤を除去する際には、クリーニングブレード71のエッジ部71aが感光体1の表面1aに接触するように構成されている。
クリーニングブレード71は、可視像の中間転写体5への転写後に感光体1の表面1a上に残る転写残現像剤を感光体1との当接部位で堰き止めて、スティック・スリップ動作を行いながら掻き落として除去するようになっている。
ここで、スティック・スリップ動作とは、図4に示すように、クリーニングブレード71における感光体1の表面1aとの接触部分(エッジ部)71a’が、該表面1aの移動につられて該感光体1の表面移動方向Aに移動する動作(図中実線参照)と、該クリーニングブレード71自身の弾性力により元の位置に戻ろうとする動作(図中破線参照)とを繰り返す動きのことであり、該クリーニングブレード71のエッジ部71a’が、該感光体1の表面1aを摺動する動作をいう。なお、図4において、符号Tは現像剤を示している。
クリーニングブレードに用いることができるゴム部材としては、例えば、ウレタンゴム、シリコンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を挙げることができる。
なお、クリーニングブレードは、反発弾性率が10%〜55%であることが好ましく、20%〜50%であることがより好ましい。反発弾性率を10%〜55%とすることにより、感光体の摩耗を促進したり、ブレードの機能劣化を早めたりすることなく、且つ、帯電装置が接触帯電方式のものであっても、感光体表面への均一な潤滑剤の均しが可能となり、電荷集中による電荷リーク等を生じることなく、感光体の帯電特性を良好にできる。
加えて、クリーニングブレードは、ヤング率が5MPa〜11MPaであることが好ましく、5MPa〜10MPaであることがより好ましい。このようにヤング率を5MPa〜11MPaにすることにより、クリーニングブレードを弾性力の強い、硬いものにでき、例えば、現像剤として、実質的に角のない小粒径トナーを用いる場合であっても、該トナーをすり抜け難くでき、これにより該トナーを確実に堰き止めて除去でき、さらには感光体の寿命を損ない難くできる。
なお、本発明で用いられる物性値の測定は、JIS K 6301加硫ゴム物理試験法に準じている。
前記回転ブラシ部材72によって感光体1の表面1aに塗布される潤滑剤Sは、本実施の形態では、固形状のものとされている。
詳しくは、固形状の潤滑剤Sは、クリーニングブレード71の長さと略同一長さ(幅)の長手方向を有している。
具体的には、固形状潤滑剤Sは、ここでは、直方体の形状とされている。好ましくは、固形状潤滑剤Sは、回転ブラシ部材72によって摩滅してなくなった場合、又は残量が少なくなった場合に交換可能とされている。
固形状潤滑剤としては、例えば、金属石鹸として知られている脂肪酸金属塩や、フッ素樹脂などを用いることができる。脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート)、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉄、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、パルチミン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、パルチミン酸カルシウム、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉛等の、比較的長鎖の脂肪酸の金属塩を挙げることができる。
ところで、固形状潤滑剤が水を吸収すると、感光体の帯電能力等に影響を及ぼす可能性がある。従って、固形状潤滑剤には、吸湿性が0.5重量%以下のものを使用することが好ましい。さらに、固形状潤滑剤に、放電生成物除去のために多孔質ガラスやゼオライトのような多孔質粉体を混入させてもよい。
クリーニング装置7は、前記構成に加えて、潤滑剤保持部材75を備えている。
潤滑剤保持部材75は、固形状潤滑剤Sを保持するように構成されている。即ち、潤滑剤保持部材75は、少なくとも回転ブラシ部材72が感光体1に潤滑剤Sを塗布する際に、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aに潤滑剤Sが当接されるように、固形状潤滑剤Sを保持している。
斯かる構成を備えたクリーニング装置7では、回転ブラシ部材72は、潤滑剤保持部材75に保持される固形状潤滑剤S及び感光体1の双方に接触しつつ回転(ここでは図示を省略した駆動源によって回転駆動)されることにより、該固形状潤滑剤Sの一部を削り取って、該削り取った潤滑剤Sの一部を感光体1の表面1aに塗布するように構成されている。
潤滑剤保持部材75は、本実施の形態では、固形状潤滑剤Sを着脱可能に保持している。具体的には、潤滑剤保持部材75は、ここでは、固形状潤滑剤Sを支持する支持部75aに対して固形状潤滑剤Sを、図示しない両面タイプに粘着テープで接着するか、又は着脱自在に(例えば、嵌め込み)固定できるようになっている。
また、潤滑剤保持部材75は、ここでは、固形状潤滑剤Sを回転ブラシ部材72の径方向に沿って移動可能に支持する可動支持部75aと、該固形状潤滑剤Sを回転ブラシ部材72に向けて付勢する付勢部材75b(例えば、巻きバネ)とを有しており、該付勢部材75bの付勢力によって、該固形状潤滑剤Sを回転ブラシ部材72に当接させるように構成されている。
なお、潤滑剤保持部材75は、付勢部材75bが設けられなくてもよい。この場合、潤滑剤保持部材75は、例えば、固形状潤滑剤Sの自重によって該固形状潤滑剤Sを回転ブラシ部材72に当接させるように構成することができる。
斯かる潤滑剤保持部材75では、固形状潤滑剤Sを付勢部材75bによる付勢力又は該固形状潤滑剤Sの自重によって回転ブラシ部材72に当接させるので、回転ブラシ部材72による固形状潤滑剤Sの消費(即ち、回転ブラシ部材72によって削り取られた固形状潤滑剤Sの減り)に伴う該回転ブラシ部材72による潤滑剤Sの削り量の減少を効果的に防止することができる。
回転ブラシ部材72は、本実施の形態では、ロール状のブラシローラとされている。また、回転ブラシ部材72は、ブラシ毛72aの先端部が感光体1の表面1aに当接するように設けられている。
また、回転ブラシ部材72は、ここでは、感光体1の回転方向Aとは逆方向(図中矢印B方向)に回転駆動されている。これにより、回転ブラシ部材72及び感光体1は、当接部位Q1において、互いに同一方向に摺動するようになっている。
回転ブラシ部材72と感光体1との当接部位Q1は、感光体1の表面移動方向Aにおいて、感光体1の転写装置81との転写部位Q2よりも下流側に位置している。これにより、回転ブラシ部材72は、前記転写部位Q2より前記下流側位置において、ブラシ毛72aが転写工程後の感光体1の表面1aに当接するようになっている。そして、回転ブラシ部材72は、感光体1との当接部位Q1よりも回転ブラシ部材72の回転方向B上流側に配された固形状潤滑剤Sを掻き取るとともに、該掻き取った潤滑剤Sを感光体1の表面1aに塗布するようになっている。
このように、回転ブラシ部材72は、感光体1の表面1aに潤滑剤Sの微粒子を塗布することにより、クリーニングブレード71と感光体1の表面1aとの間の摩擦力を低減させことができると共に、感光体1表面1aへの現像剤の非静電的付着力を弱めることができる。従って、クリーニングブレード71による感光体1からの現像剤の除去を効率よく行うことができる。なお、感光体1表面1aにおける潤滑剤Sは、クリーニングブレード71によって該感光体1表面1aに均される。
詳しくは、回転ブラシ部材72は、感光体1の軸線方向(幅方向)の長さと略同一長さ(幅)を有しており、ブラシ毛72aの先端部が感光体1の表面1aに当接するように、且つ、軸線方向が感光体1の軸線方向と略平行になるように配設されている。
この回転ブラシ部材72は、ここでは、ロール状のブラシ部材、より具体的に言えば、円柱部材や円筒部材等の軸部材72bの外周面に複数のブラシ毛72aを配設したロール状のブラシローラとされている。
ここで、回転ブラシ部材72は、ブラシ毛72aの密度が3100(3.1k)本/cm2(2万(20k)本/inch2)以上に設定されていることが好ましい。これにより、感光体1に対する潤滑剤Sの塗布むらが極めて少なくなり、転写画像における低濃度部にも濃度むらが見られ難くなる。但し、ブラシ毛72aの密度が77500本/cm2(50万本/inch2)を越えると、ブラシ部材としての機能が低下することに加えて、製造が困難になるので、実際上は、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aの密度を3100本/cm2(2万本/inch2)以上且つ77500本/cm2(50万本/inch2)以下に設定することが好ましい。
また、回転ブラシ部材72には、太さが2.22デシテックス(2デニール)以上で且つ10デシテックスより細いブラシ毛を使用することが好ましい。2.22デシテックス(2デニール)を下回る細い毛は、固形状潤滑剤Sの削り取り性が不足し、一方、10デシテックス以上の太い毛は、感光体1表面1aの損傷や摩耗を引き起こし易いため好ましくない。
本実施の形態においては、回転ブラシ部材72と感光体1との当接部位Q1は、感光体1の表面移動方向Aにおいて、感光体1の転写装置81との転写部位Q2よりも下流側且つ感光体1のクリーニングブレード71との当接部位よりも上流側に位置している。回転ブラシ部材72は、感光体1と接触することで、感光体1の表面1aに付着している現像剤を散らす機能も有しており、これにより、クリーニングブレード71による感光体1からの現像剤の除去が効率よく行われるようになっている。さらに、回転ブラシ部材72は、クリーニングブレード71で堰き止められ、掻き落とされた現像剤を回収し得る位置に配設されており、クリーニングブレード71にて掻き落とされた現像剤をブラシ毛72a先端部の掻き取り力で感光体1の表面1aから機械的に除去すると共に、装置ケース74内に回収する機能も有している。
従って、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aは、感光体1表面1aの現像剤の除去及びクリーニングブレード71先端部71aに溜まった現像剤の排出を効率よく行い得るような充分な形状及び弾性を有していることが好ましい。
現像剤除去部材73は、回転ブラシ部材72と接触することにより、該回転ブラシ部材72に付着する現像剤を該回転ブラシ部材72から除去するように構成されている。
ところで、回転ブラシ部材72は、固形状潤滑剤S及び感光体1の双方に接触しつつ回転駆動されることで固形状潤滑剤Sの一部を削り取って感光体1の表面1aに塗布するのであるが、このとき、転写装置81によって転写されずに感光体1表面1aに残った残留現像剤が該感光体1から回転ブラシ部材72のブラシ毛72aに付着し、該現像剤がそのままブラシ毛72aに付着していると、固形状潤滑剤Sを効率良く削り取ることができず、感光体1の表面1aに均一に塗布できない場合がある。
特に、現像剤として小粒子径化された小粒子径トナーを用いた画像形成装置において、200mm/秒以上の画像形成プロセス速度(感光体1の回転周速度)で高速画像形成処理を行う場合には、感光体1から残留トナーを除去するクリーニング動作によりクリーニングブレード71先端部71aに溜まる単位時間当たりの廃トナー量(即ち感光体1における残留トナー量)が増大し、それに伴って回転ブラシ部材72に付着するトナーの量も多くなる。従って、回転ブラシ部材72にトナーが付着することに起因する前記の問題は深刻になる。
斯かる観点から、本実施の形態に係る潤滑剤塗布装置として作用するクリーニング装置7では、現像剤除去部材73は、ブラシ状部材とされている。このように現像剤除去部材73がブラシ状部材とされ、回転ブラシ部材72に対してブラシ状の現像剤除去部材73(以下、ブラシ状現像剤除去部材37という。)が接触されることにより、回転ブラシ部材72のブラシ毛72a間に溜まった現像剤(例えば、回転ブラシ部材72の内部に侵入した現像剤や回転ブラシ部材72の表面付近に付着した現像剤)を確実に排出させることができる。
さらに、ブラシ状現像剤除去部材73によって、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aを起毛させることができ、これにより、毛倒れを効果的に防止することができる。その結果、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aにおける現像剤の付着が有効に防止された状態で該回転ブラシ部材72が、所定量の固形状潤滑剤Sを安定的に削り取ることができ、該削り取った潤滑剤Sを感光体1に均一に塗布することができる。
従って、画像面積率(形成される画像において現像剤が存在する部分の面積比)に拘わらず、換言すれば、感光体1の表面1aに転写されずに残った残留現像剤の量に拘わらず、感光体1表面1aへの潤滑剤Sの均一な供給を長期に亘り安定して行うことができ、これにより、フィルミングの発生を有効に防止できると共に転写性やクリーニング性の向上を図ることができ、しかも感光体1表面1aのキズや摩耗を有効に防止でき、これにより、感光体1の長寿命化を実現することが可能となる。
本実施の形態においては、回転ブラシ部材72が固形状潤滑剤Sを効率良く削り取るという観点から、ブラシ状現像剤除去部材73は、回転ブラシ部材72の回転方向Bにおいて、回転ブラシ部材72と固形状潤滑剤Sとの当接部位(即ち、回転ブラシ部材72が潤滑剤保持部材75に保持された固形状潤滑剤Sを削り取る削取位置Q3)よりも上流側、且つ、回転ブラシ部材72と感光体1との当接部位(即ち、回転ブラシ部材72が削り取った潤滑剤Sを感光体1の表面1aに塗布する塗布位置Q1)よりも下流側で、該回転ブラシ部材72に対して接触するように配置されていることが好ましい。こうすることで、回転ブラシ部材72は、感光体1の表面1aに潤滑剤Sを塗布し、さらに、ブラシ状現像剤除去部材73によって現像剤が除去された後に、固形状潤滑剤Sを削り取ることができる。これにより、回転ブラシ部材72は、リフレッシュされた安定状態を維持しつつ、固形状潤滑剤Sを安定的に削り取ることが可能となる。
ところで、ブラシ状現像剤除去部材73と回転ブラシ部材72とが相互に接触されているので、ブラシ状現像剤除去部材73は、回転ブラシ部材72との接触により摩耗やブラシ毛73aの変形(湾曲)を少しずつ起こす場合があり、ブラシ状現像剤除去部材73のブラシ毛73aの繊度が細く(小さく)、接触する回転ブラシ部材72のブラシ毛72aの密度が増大すると、回転ブラシ部材72への現像剤保持量が増大することに加え、ブラシ状現像剤除去部材73の変形速度(材料が変形する過程の速度)も増大し易い。従って、ブラシ状現像剤除去部材73の寿命を縮めるおそれがある。
ブラシ状現像剤除去部材73の寿命を向上させるためには、例えば、ブラシ状現像剤除去部材73の単糸は、太さが回転ブラシ部材72の単糸よりも太く、繊度が10デシテックス〜30デシテックスであることが好ましい。
後述する実施例に示すように、ブラシ状現像剤除去部材73の単糸の繊度が10デシテックスよりも細い(小さい)と、ブラシ状現像剤除去部材73の変形が生じ易く、現像剤を弾き飛ばすといった効果が低下する。一方、ブラシ状現像剤除去部材73の単糸の繊度が30デシテックスよりも太い(大きい)と、回転ブラシ部材72の糸の変形が生じ易くなり、回転ブラシ部材72の現像剤除去搬送能力及び潤滑剤塗布性能の低下を招く。
従って、ブラシ状現像剤除去部材73の単糸の繊度が10デシテックス〜30デシテックスのブラシ毛で構成されることにより、回転ブラシ部材72として、例えば、感光体1表面1aに均一な潤滑剤Sを塗布するために比較的密度の高いものを設ける場合であっても、回転ブラシ部材72及びブラシ状現像剤除去部材73の双方の寿命を良好に確保することが可能となる。なお、ブラシ状現像剤除去部材73の単糸の繊度としては、さらに好ましくは、20デシテックス〜30デシテックス程度を例示できる。
また、回転ブラシ部材72とブラシ状現像剤除去部材73とを相互に接触させることで、摩擦によって回転ブラシ部材72及びブラシ状現像剤除去部材73が摩擦帯電する場合においては、ブラシ状現像剤除去部材73と接触する回転ブラシ部材72の回転数が増大すると、回転ブラシ部材72及びブラシ状現像剤除去部材73の帯電量も増大することになる。その結果、ブラシ状現像剤除去部材73によって回転ブラシ部材72から弾かれた現像剤が、静電引力により回転ブラシ部材72に再付着するおそれがある。
斯かる観点から、本実施の形態では、前記回転ブラシ部材72及び前記ブラシ状現像剤除去部材73のうち少なくとも一方(ここでは前記回転ブラシ部材72及び前記ブラシ状現像剤除去部材73の双方)は、ブラシ毛が導電性の素材で形成された導電糸とされていると共に、該導電糸がアース接続(電気的に接地)されている。これにより、帯電した現像剤の電荷やブラシ状現像剤除去部材73との摩擦により生じる電荷を逃がすことができ、従って、ブラシ状現像剤除去部材73によって回転ブラシ部材72から弾かれた現像剤の該回転ブラシ部材72への再付着を効果的に防止することができる。
なお、回転ブラシ部材及びブラシ状現像剤除去部材に用いることができる導電性の素材としては、例えば、カーボンブラックを分散したナイロン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。
ブラシ状現像剤除去部材73について、さらに具体的に説明すると、ブラシ状現像剤除去部材73は、複数のブラシ毛73aと、該複数のブラシ毛73aを保持する保持部材73bとを備えている。
詳しくは、ブラシ状現像剤除去部材73は、回転ブラシ部材72の軸線方向の長さと略同一長さ(幅)の長手方向を有する長尺の保持部材73bに複数のブラシ毛73aが設けられたものとされている。保持部材73bは、ここでは、長方形の板状部材とされており、該板状部材の長手方向の一辺に複数のブラシ毛73aが貼り付けられている。
そして、ブラシ状現像剤除去部材73は、ブラシ毛73aが回転ブラシ部材72に接触するように図示を省略した支持部材を介して装置ケース74に支持されている。また、ブラシ状現像剤除去部材73は、ブラシ毛73aが回転ブラシ部材72と一様に接触するように、その長手方向が回転ブラシ部材72の軸線方向と略平行になるように配置されている。また、ブラシ状現像剤除去部材73は、回転ブラシ部材72に対して、双方のブラシ毛72a,73aが互いに均一に食い込むように接触している。
このブラシ状現像剤除去部材73は、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aに付着した現像剤を装置ケース74内に落下させる機能を有している。
ここで、ブラシ状現像剤除去部材73によって回転ブラシ部材72から現像剤を排出する機構について説明する。図5に、ブラシ状現像剤除去部材73によって回転ブラシ部材72から現像剤を排出する状態を説明するための模式図を示す。
図5に示すように、先ず、回転ブラシ部材72が回転すると、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aの先端部がブラシ状現像剤除去部材73のブラシ毛73aに引っ掛かり、ブラシ毛72aが弓形に湾曲する。この状態で回転ブラシ部材72がさらに回転すると、ブラシ毛72aの先端部がブラシ状現像剤除去部材73のブラシ毛73aから解放され、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aは弾性力によって急速に元の形状(例えば直線形状)に復帰しようとする。
その後、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aは、元の形状(例えば直線形状)になろうと急速に収束するが、ブラシ毛72aに付着した現像剤Tは慣性の法則に従って運動を続けようとするので、ブラシ毛72aから離脱して装置ケース74内に落下する。
また、双方のブラシ毛72a,73aが互いに食い込みつつ接触することから、回転ブラシ部材72のブラシ毛72a内部に付着していた現像剤Tを確実且つ効率的に吐き出すことができ、回転ブラシ部材72の感光体1への潤滑剤Sの塗布効率を向上させることができる。さらに、ブラシ状現像剤除去部材73のブラシ毛73aによる回転ブラシ部材72のブラシ毛72の起毛作用により該回転ブラシ部材72のブラシ毛72aの毛立ちを回復させることができ、これにより、回転ブラシ部材72のブラシ毛72aが毛倒れして変形する毛倒れ変形状態を有効に防止することが可能となる。
図1に示すように、クリーニング装置7は、前記構成に加えて、装置ケース74に回収された現像剤を該装置ケース74の外部に移送する廃現像剤移送部材76を備えていてもよい。
廃現像剤移送部材76は、装置ケース74の底面側に配設されており、装置ケース74に回収された現像剤を装置ケース74外部に設けられた廃現像剤ボックス(図示省略)へを送り出すように構成されており、ここでは感光体1の軸線方向に沿って配設されたスパイラル形状の現像剤移送スクリューとされている。
クリーニング装置7は、装置ケース74内に回収した現像剤の該装置ケース74内からの漏れを防止するシール材77を備えていてもよい。
シール材77は、装置ケース74における開口Qの周縁部のうち、感光体1の表面移動方向A上流側部分に設けられており、装置ケース74内より該装置ケース74内に回収した現像剤が再び漏れ出すのを阻止するよう構成されている。
なお、感光体に付着する現像剤を効率的にクリーニングするために、現像剤粒子の特質も考慮すると、現像剤として、真球形状よりも略球形状のトナーを用いることが好ましい。
即ち、トナー粒子の形状が真球状に近いほど、転写中抜けが発生し難い。これはトナー形状が球形に近いほど付着力及び摩擦力が小さいことによる。転写時に転写圧及び線速差による圧縮せん断力が作用したときの像担持体のトナー層内及び付着面上でのトナーの移動が容易になるため、トナーの凝集性が弱くなると共に、像担持体の付着面から分離(剥離)し易くなり、これにより、形成される画像に中抜けが発生し難くなる。
このため、本発明に適用できるトナーとして、例えば、製造工程或いは製造後の工程において略球形化したトナーを好適に用いることができる。
製造工程において略球形化したトナーとしては、例えば、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法により作製されたトナーを挙げることができる。特に、重合法による製造は、トナーの形状及び粒径分布制御の容易性、生産性等の点で優れている。
また、製造後の工程において略球形化したトナーとしては、例えば、トナーの構成材料である樹脂や着色剤などを混合攪拌後に溶融混練し、粉砕・分級して作製した粉砕トナーを熱や機械的な力で略球形化したトナーを挙げることができる。
また、トナー粒子の形状が真球状に近いほどトナー粒子を感光体から除去するのが困難になるが、トナー粒子を略球形状にすることによりクリーニング性が向上する。
後述する実施例に示すように、トナーの平均円形度は、0.93〜0.97であることが好ましい。平均円形度が0.93よりも小さいと、転写性が低下し易く、画像品質の低下を招く。一方、平均円形度が0.97を超えるとクリーニング性が低下し易い。
以上説明した本実施の形態においては、固形状潤滑剤Sは、回転ブラシ部材72の軸線位置(回転中心)を基準にして上下方向に関し上側に設けられ、且つ、ブラシ状現像剤除去部材73は、回転ブラシ部材72の軸線位置(回転中心)を基準にして上下方向に関し下側に設けられている。但し、本発明は、特にこの配置に限定されるものではない。また、回転ブラシ部材72の回転方向についても、前記の実施形態と異なっていてもよい。
即ち、図2に示す本実施形態の画像形成装置10において、クリーニング装置7に代えて、図3に示すような変形形態のクリーニング装置7’を備えていてもよい。
図3は、図1及び図2に示すクリーニング装置7の変形例の概略構成を示す側面図である。なお、図3に示す変形形態において、図1及び図2に示すクリーニング装置7における部材と実質的に同じ部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、本変形形態に係るクリーニング装置7’においては、固形状潤滑剤Sは、回転ブラシ部材72の軸線位置(回転中心)を基準にして上下方向に関し下側に設けられ、且つ、ブラシ状現像剤除去部材73’は、回転ブラシ部材72の軸線位置(回転中心)を基準にして上下方向に関し上側に設けられている。
そして、ブラシ状現像剤除去部材73’は、図1及び図2に示すクリーニング装置7と同様に、回転ブラシ部材72に接触している。
このブラシ状現像剤除去部材73’は、ここでは、ロール状のブラシ部材であり、複数のブラシ毛73aと、該複数のブラシ毛73aを保持する保持部材73b’とを備えている。
詳しくは、ブラシ状現像剤除去部材73’は、回転ブラシ部材72の軸線方向の長さと略同一長さ(幅)の長手方向を有する棒形状の支持部材73b’に複数のブラシ毛73aが設けられたものとされている。保持部材73bは、ここでは、外周面のうち少なくとも回転ブラシ部材72に対向する部分に複数のブラシ毛73aが貼り付けられている。なお、保持部材73bは、ここでは、細長い円筒形状の部材とされている。
そして、ブラシ状現像剤除去部材73’は、ブラシ毛73aが回転ブラシ部材72と一様に接触するように、その軸線方向が回転ブラシ部材72の軸線方向に対して略平行に配置されている。
本変形形態のクリーニング装置7’では、回転ブラシ部材72が感光体1の回転方向Bとは逆方向Aに回転駆動されている。これにより、回転ブラシ部材72及び感光体1は、当接部位Q1において、互いに同一方向に摺動するようになっている。
また、本変形形態のクリーニング装置7’では、図1及び図2に示すクリーニング装置7と同様に、固形状潤滑剤Sを保持するための潤滑剤保持部材75がバネ等からなる付勢部材75bによって回転ブラシ部材72側に付勢されており、固形状潤滑剤Sの残量に拘わらず、回転ブラシ部材72が常に一定量の固形状潤滑剤Sを掻き取って感光体1に塗布できるようになっている。
このような構成のクリーニング装置7’であっても、図1及び図2に示す実施形態のものと同様の効果を奏することができる。
また、既述したように、画像形成装置10は、カラー画像形成に対応していてもよく、複数の感光体(例えば、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の4色の画像をそれぞれ形成するための複数の感光体)を有していてもよい。この場合、それぞれの感光体1に設けられた個々の回転ブラシ部材72に対してブラシ状現像剤除去部材73,73’を設けることにより、図1乃至図3に示した実施の形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明に係るクリーニン装置及びそれを備えた画像形成装置の有効性について調べたので、以下に説明する。
(1:ブラシ状現像剤除去部材と感光体の表面自由エネルギー)
先ず、実施例1として、ブラシ状現像剤除去部材を設けることによる効果について検証した。
本実施例1では、画像形成装置として、デジタルカラー複合機(商品名:MX−7000N、シャープ(株)製)において、クリーニング装置を本発明に係る潤滑剤塗布装置として作用するように潤滑剤塗布仕様に改造した複写機を用いた。
固形状潤滑剤には、ステアリン酸亜鉛を用いた。回転ブラシ部材には、外径が16mm、シャフト径が6mm、ブラシ毛の材質がカーボンブラック分散ナイロン、毛の太さが6デシテックス、密度が7750(7.75k)本/cm2(5万(50k)本/inch2)のブラシローラを用いた。
そして、ブラシ状現像剤除去部材には、毛の材質がカーボンブラック分散ナイロン、毛の太さが30デシテックス、密度が2325本/cm2(1.5万(15k)本/inch2)のブラシ生地を、脱脂処理を行った板金表面に導電性接着剤により貼り付けることにより、作製したものを用いた。なお、プロセス速度(感光体の回転周速度)は、355mm/秒(複写速度:約70枚/分)とした。
この画像形成装置において、ブラシローラに対してブラシ状現像剤除去部材を接触させた場合(実施例1)と、従来の板状フリッカーを接触させた場合(比較例1)とで、感光体の表面自由エネルギーがどのように変化するかを測定した。
即ち、実施例1及び比較例1のそれぞれについて、文字比率5%の文字チャートで印字を行いながら感光体表面の水接触角を測定し、これを評価した。その結果を図6に示す。
図6に示すように、ブラシ状現像剤除去部材を配置した実施例1の場合では、印字枚数に関らず水接触角がほぼ108°のまま維持され、感光体の表面自由エネルギーが印字開始時から略一定に保たれていることが示された。
これに対して、板状のフリッカーを配置した比較例1の場合では、印字枚数とともに水接触角が低くなり、感光体の表面自由エネルギーが一定に保たれないことが示された。このように印字枚数とともに水接触角が低くなる原因は、ブラシローラに付着したトナーが充分に除去されないことによるものと考えられる。
以上の結果から、ブラシローラに対してブラシ状現像剤除去部材を設けることにより、ブラシローラからのトナー排出効率が向上し、ブラシローラが安定して均一に感光体に潤滑剤を塗布でき、感光体の表面自由エネルギーが長期にわたり安定的に維持できることが分かった。
(2:ブラシ状現像剤除去部材のブラシ単糸の繊度とブラシローラの寿命)
次に、実施例2として、実施例1と同じ画像形成装置を用いて、ブラシ状現像剤除去部材のブラシ単糸の繊度とブラシローラの寿命との関係を比較例2と共に調べた。
本実施例2においては、前記のものと同じブラシ仕様のブラシローラに対して、カーボンブラック分散ナイロン及びカーボンブラック分散アクリルからなるブラシを用いたブラシ状現像剤除去部材に接触させ、印字枚数が所定の値になった時点で画質の評価を行った。また、比較例2においては、ブラシ状現像剤除去部材に代えて金属製板(材質;SECC-TINZ、板厚;1.2mm)の従来の板状フリッカーを用い、実施例2と同様に評価した。
画質の評価については、感光体への潤滑剤の塗布ムラが極めて少なく、得られた記録紙上の画像の低濃度領域にも濃度ムラが見られず、文字・点・線画像の中抜けがなかった場合を「○」、濃度ムラ及び中抜けが若干生じた場合を「△」、濃度ムラ及び中抜けがはっきりと生じた場合を「×」とした。その結果を次の表1に示す。
Figure 2008134555
以上の結果から、実施例2では、比較例2に比べブラシローラの長寿向上を実現できることがわかった。また、実施例2−1〜2−6において、単糸繊度が10デシテックスよりも小さいブラシを貼り付けたブラシ状現像剤除去部材を用いる実施例2−5,2−6では、ブラシローラの寿命が低下したものの、実施例2−1〜2−4のように単糸繊度が10デシテックス以上、特に15デシテックス以上にすることにより、ブラシローラの寿命を良好に維持できることが分かった。
(3:トナー粒子の形状と転写性・クリーニング性)
最後に、実施例3として、画像形成に用いるトナー粒子の形状(平均円形度)と、転写性・クリーニング性との関係を比較例3と共に調べた。
本実施例3及び比較例3において現像剤として用いるトナーは、次の製造方法によって作製した。即ち、先ず、トナーの構成材料であるポリエステル樹脂及び着色剤からマスターバッチを作製し、次いで、該マスターバッチの粉砕物と主ポリエステル樹脂、ワックス、電荷制御剤を混合攪拌後に溶融混練し、粉砕・分級して粉砕物を作製した。このように作製した粉砕物を、ホソカワミクロン社製ファカルティを用い機械的な力で略球形化し、通常に使用されるトナー添加剤SiO2及びTiO2を外添した。こうして本実施例3に用いるトナーを得た。
平均円形度は、得られたトナーを、界面活性剤を用い超音波分散にて水中に均一に分散し、該分散液をフロー式粒子像分析装置FPIA−3000(シスメックス社製)によって測定した。
以上のようにして、様々な平均円形度を有するトナーを製造するとともに、製造したトナーを用いて転写性、クリーニング性、及び画像濃度を評価した。なお、それぞれのトナーの物性については、以下の表2に示すとおりである。
実施例3の画像形成の方法は、次の通りである。即ち、デジタルカラー複合機(商品名:MX−7000N、シャープ(株)製)において、クリーニング装置を本発明に係る潤滑剤塗布装置として作用するように潤滑剤塗布仕様に改造した複写機にそれぞれのトナー(現像剤)を充填し、フルカラー専用紙(品番:PP106A4C、A4サイズ、シャープ(株)製)上にトナー付着量が0.5mg/cm2になるように調整して印字を行い、外部定着機によって定着させ、画像を形成した。
転写性の評価方法は、次の通りである。即ち、所定チャートにて複写したサンプルの紙面上のトナー重量Mpと感光体上に残存したトナー重量Mdとから転写率を計算し、92%以上の場合を◎とすると共に、92%未満90%以上の場合を○とし、また90%未満85%以上の場合を△とし、さらに85%未満の場合を×とした。なお、転写率(%)は、次の式(2)
転写率(%)=(Mp/Md)×100 …式(2)
により求めた。
一方、クリーニング性の評価方法は、次の通りである。即ち、A4サイズの文字比率6%の文字チャートを用い、白紙に気温20℃、湿度50%の環境下で10000枚の画像印刷を行った。10000枚印刷後の非画像部の汚れやスジ又は帯発生の有無を目視により次の評価基準によって判断した。
◎…非常に良好。鮮明度良くスジ又は帯が全くなし。
○…良好。鮮明度良くスジの長さが2.0mm以下且つ3個以下。
△…鮮明度実使用上問題のないレベルでありスジの長さが2.0mm以下且つ5個以下。
×…スジが前記△の範囲を超えるもの。
そして、画像濃度の評価方法は次の通りである。即ち、評価画像の光学濃度を、分光測色濃度計(商品名:X−Rite938、日本平版印刷機材(株)製)により測定した。光学濃度が1.2以上であるものを◎、1.2未満且つ1.0以上のものを○、1.0未満且つ0.8以上のものを△、0.8未満のものを×とした。
また、比較例3においては、ブラシ状現像剤除去部材に代えて比較例2と同様の板状フリッカーを用い、実施例3と同様に評価した。
結果を次の表2に示す。
Figure 2008134555
以上の結果から、実施例3では、転写性、クリーニング性及び画像濃度を総合的に見て比較例3に比べ優れていることがわかった。また、実施例3−1〜3−6において、平均円形度が0.91の略球形化トナーを用いた実施例3−5では、転写性及び画像濃度が低下し、平均円形度が0.98の略球形化トナーを用いた実施例3−6では、クリーニング性が低下したものの、平均円形度が0.93〜0.97の略球形化トナーを用いた実施例3−1〜3−4では、転写性及びクリーニング性を両立できることが示された。
本発明は、前記した各実施形態及び実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本明細書で示した数値範囲以外であっても、本発明の趣旨に反しない合理的な範囲内であれば、本発明に含まれることはいうまでもない。
本実施の形態に係る潤滑剤塗布装置として作用するクリーニング装置を中心に示す概略側面図である。 本実施の形態に係る潤滑剤塗布装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す側面図である。 図1及び図2に示すクリーニング装置の変形例の概略構成に示す側面図である。 クリーニングブレードのスティック・スリップ動作を説明するための概略側面図である。 ブラシ状現像剤除去部材によって回転ブラシ部材から現像剤を排出する状態を説明するための模式図である。 印字枚数と感光体の撥水性との関係を示す図である。
符号の説明
1 像担持体
1a 像担持体の表面
7 潤滑剤塗布装置として作用するクリーニング装置
10 画像形成装置
71 クリーニングブレード
72 回転ブラシ部材
73 ブラシ状現像剤除去部材(現像剤除去部材)
S 潤滑剤
T 現像剤

Claims (8)

  1. 画像形成装置における像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置であって、
    該潤滑剤塗布装置内に収容される潤滑剤及び前記像担持体の双方に接触しつつ回転されることにより、該潤滑剤を取得して該像担持体の表面に塗布する回転ブラシ部材と、
    前記回転ブラシ部材と接触することにより、該回転ブラシ部材に付着する現像剤を該回転ブラシ部材から除去する現像剤除去部材とを備え、
    前記現像剤除去部材は、ブラシ状部材とされていることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  2. 前記像担持体の表面における現像剤を除去するクリーニング機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤塗布装置。
  3. 前記ブラシ状の現像剤除去部材は、前記回転ブラシ部材の回転方向において、前記回転ブラシ部材が潤滑剤を取得する取得位置よりも上流側、且つ、前記回転ブラシ部材が該潤滑剤を前記像担持体の表面に塗布する塗布位置よりも下流側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑剤塗布装置。
  4. 前記回転ブラシ部材及び前記ブラシ状の現像剤除去部材のうち少なくとも一方は、ブラシ毛が導電糸により構成され、該導電糸がアース接続されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の潤滑剤塗布装置。
  5. 前記ブラシ状の現像剤除去部材のブラシ毛は、太さが前記回転ブラシ部材のブラシ毛の太さよりも太く、且つ、繊度が10デシテックス〜30デシテックスであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の潤滑剤塗布装置。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の潤滑剤塗布装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記像担持体は、回転駆動されるドラム形状の感光体ドラムであり、
    前記感光体ドラムの周速度が200mm/秒以上であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記現像剤として、平均円形度が0.93以上0.97以下のトナーを用いることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
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