JP2010176091A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体に画像を形成するに当たり、前記電子写真感光体の表面に潤滑剤と放電生成物を吸着する吸着剤の混合物を塗布することを特徴とする画像形成方法および画像形成装置。
【選択図】図1
Description
このような方法で感光体に耐摩耗性を向上させることができるが、感光体表面に放電生成物が多量に付着したり、劣化した潤滑剤が付着する、さらなる問題等を有していた。
このように放電生成物が付着することによって引き起こされる課題として、白抜け(画像流れ、画像ボケ)やLL濃度ムラが挙げられる。このLL濃度ムラは低温低湿環境〔=LL(Low temperature and Low humidity)、例えば、10℃/30%RH〕で連続作像を行った後、静放置して作像すると、ハーフトーン画像において、スタート1枚目よりコピー上に黒帯模様の濃度ムラが現れるという問題である。
この白抜けは、複写機などの電子写真法を使用した画像形成装置において、放電を伴う帯電方式を使用しているために生じる問題であり、この白抜けの原因となるオゾン、NOx等の放電生成物が、最初、点状(しみ状)に感光体に付着し、次第に感光体全面に拡大してゆくことによって、白抜けが発生する。初期の放電生成物の付着では、白抜けは起こらないが、この放電生成物が感光体表面から除去されないと次第に付着面積が広がり、感光体表面には吸湿性の低抵抗層が形成される。白抜け現象は画像形成中の電荷が感光体表面もしくはその近傍で拡散し、正常な静電潜像が形成されず、エッジが不鮮明でぼやけた画像となる。すなわち、静電潜像が形成される際に、感光体表層又は感光体の層中に低抵抗層が生じるとその領域で電荷の歪みが生じ、静電潜像が乱されることによって前記したような白抜け画像となる。
前記した白抜けの改善手段としては、原因物質を必要最小限になるように感光体の表面を研磨したり、研磨できない場合には感光体を加熱するなどの改善手段を講じることが挙げられる。しかし、これにより、感光体寿命の低下を引き起こしたり、このための電力やその加熱手段を設けるスペースを確保したり、この加熱手段を適度に加熱制御するための制御手段の新たな確保が必要となる。
さらに、LL濃度ムラは以下の1)〜2)のような特徴を持っている。
1)放置時間が長いほど濃度ムラが悪化する(濃度が高くなる)傾向がある。
これは、放置時間が長くなると帯電チャージャのケーシング内、及びグリッドに付着し堆積した放電生成物が感光体表面にミスト状になって降り注ぎ、感光体に付着し時間とともに堆積するためと考えられる。
2)帯電チャージャが停止した位置で発生し、その幅はほぼ帯電チャージャの幅に相当する。
これは、感光体とコロナ帯電器の間隔が1mm程度であるため、感光体直下に放散しても側面への広がりが少ないため、ほぼグリッドの幅で汚染されることによる。
LL環境下のランニング後に感光体の表面電位を測定すると、濃度ムラが発生した部位はハーフトーン部電位Vh、帯電部電位Vdの跳び上がり箇所に合致し、跳び上がりの幅はほぼ帯電チャージャの幅となる。
電位の跳び上がりは常温常湿環境下(例えば25℃/60%RH)で放置すると回復傾向があり、それにしたがって濃度ムラも解消するが、低温低湿環境で放置しても殆ど回復しない。
放電生成物により最も汚染されるのは帯電チャージャ直下にある感光体である。
帯電チャージャと感光体との間は安定した帯電が行われるために、1〜2mm程度の一定間隔を設けて固定されていることが多い。そのため放電生成物による感光体の汚染を抑制するためには放電後に帯電チャージャと感光体との間に遮蔽物を入れるか、または帯電チャージャおよび感光体を移動させるなどの複雑な機構の導入が考えられるが、コストの面や、コンパクト性などの観点から、実用化は難しい。
(1)特許文献1(特開2002−268488)には、ゼオライトなどの極性吸着剤よりなる除去粒子を担持し、かつ像担持体表面に除去粒子を塗布し、その塗布した除去粒子によって、像担持体表面に付着した放電生成物を吸着させて除去する放電生成物除去方法が提案されている(特許文献1の特許請求の範囲など参照)。ゼオライトなどの吸着剤の粉末状のものを塗布することで感光体表面の放電生成物を除去する手段は表面が硬く耐摩耗性に非常に優れているアモルファスシリコン感光体を用いた場合、非常に有効な手段である。しかし、アモルファスシリコン感光体に比べ、耐摩耗性に劣る有機感光体の場合、ゼオライトなどの吸着剤の除去粒子を塗布することで表面の摩耗が非常に大きくなる可能性がある。感光体表面を必要最小限に研磨することで白抜け(画像流れ、画像ボケ)や濃度ムラが改善されることは一般に知られている。ゼオライトなどの微粉末を表面に塗布した場合、吸着剤の微粉末が放電生成物を吸着して感光体表面から除去されたのか、吸着剤の微粉末により感光体表面が適度に研磨されて除去されたのか不明である。ゼオライトなどの微粉末の硬さを考慮すると、後者の可能性が高い。このため、感光体表面に接触しているクリーニングブレードのエッジの摩耗も促進され、クリーニング不良が発生する可能性がある。
すなわち、本発明は電子写真感光体の耐摩耗性が向上したことにより発生しやすい放電生成物などの付着による画像流れ、画像ボケなどの白抜けや濃度ムラを抑制し、高耐久性と高画質化、さらに画質安定化を実現した画像形成装置を提供することを目的とする。
(1) 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、感光体上の可視像を直接又は中間転写体を介して記録紙に転写する転写手段、クリーニング手段、除電手段および吸着剤塗布手段を用いて、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体に画像を形成するに当たり、前記電子写真感光体の表面に潤滑剤と放電生成物を吸着する吸着剤の混合物を塗布することを特徴とする画像形成方法。
(2) 前記吸着剤がゼオライト、シリカアルミナ系吸着剤、シリカゲル、アルミナゲル、活性アルミナ、活性白土の中から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法。
(3) 前記吸着剤がゼオライトであることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成方法。
(4) 前記潤滑剤が有機酸の第2族〜第8族(非アルカリ)の金属の塩(金属石鹸)であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の画像形成方法。
(5) 電子写真感光体と、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、感光体上の可視像を直接又は中間転写体を介して記録紙に転写する転写手段、クリーニング手段、除電手段および潤滑剤と放電生成物を吸着する吸着剤の混合物を塗布する吸着剤塗布手段を有する画像形成装置であり、前記吸着剤塗布手段が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体の表面に前記混合物を塗布する手段であることを特徴とする画像形成装置。
(6) 前記吸着剤塗布手段が、帯電手段の上流側であり、かつ、クリーニング手段の下流側に位置することを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
(7) 前記架橋型電荷輸送層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を反応硬化することにより形成されたものであることを特徴とする前記(5)または(6)に記載の画像形成装置。
(8) 前記ラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基、及びメタクリロイルオキシ基より選ばれる少なくとも1種の官能基であることを特徴とする前記(7)に記載の画像形成装置。
(9) 前記ラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記(7)または(8)に記載の画像形成装置。
(10) 前記架橋型電荷輸送層の反応硬化は、加熱手段又は光エネルギー照射手段を用いて行われることを特徴とする前記(7)乃至(9)のいずれかに記載の画像形成装置。
本発明の画像形成装置は、耐摩耗性及び耐傷性が非常に高い架橋型電荷輸送層を表面に有する積層型感光体を用い、前記感光体表面に放電生成物を吸着する吸着剤を潤滑剤と共に塗布する吸着剤塗布手段を有する。さらに本発明の画像形成装置では、電子写真感光体と、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、感光体上の可視像を直接又は中間転写体を介して記録紙に転写する転写手段、クリーニング手段、除電手段を具備している。前記吸着剤は潤滑剤と共に塗布され、本発明の画像形成装置に用いられる導電性支持体及び感光層を有する前記感光体の感光層が、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、および架橋型電荷輸送層を順次積層した構成をとることが好ましい。該架橋型電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマー及び1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を反応硬化することにより形成されたものを用いることが好ましい。本発明では、放電生成物を吸着するゼオライトなどの吸着剤が潤滑剤と共に前記感光体表面に塗布されることによって、耐摩耗性の向上によって発生しやすい放電生成物などの異物の付着を防止できるので、これによる白抜けや濃度ムラを抑制することができる。さらに、劣化した潤滑剤とともに前記した放電生成物などの異物をクリーニング手段で除去できるため、本発明に使用される吸着剤の劣化や吸着サイトが飽和することがなく、感光体表面に放電生成物が付着することを常に防ぐことが出来る。これによって、高耐久性と高画質化、さらに画質安定化を実現した画像形成装置が得られる。なお記録紙は、印刷用として使用可能な紙、OHP用のシートなど印刷可能なフィルム状のシート体、合成樹脂を繊維状にしてシート体とした印刷可能な合成樹脂シートなどを含み、画像形成装置を用いて感光体上に形成した画像を転写し、記録が可能な紙状のシート体も含む意味で用いている。
1つ目として、吸着剤を感光体表面に塗布することによって、放電生成物が感光体表面に付着するのを防止出来る。印刷中に発生した放電生成物は、感光体上に塗布された吸着剤に吸着され、感光体に付着することはない。さらに2つ目として、潤滑剤と共に帯電よりも上流であり、かつ、クリーニングよりも下流に、吸着剤が感光体に塗布される。これによって、印刷終了後に感光体上の帯電チャージャ直下部分に堆積する放電生成物が吸着剤に吸着されるため、感光体表面への付着を防止できる。さらに3つ目として、全ての吸着サイトが放電生成物によって覆われた吸着剤で満たされる前に、本発明では、潤滑剤とともに常に新しい吸着剤が感光体に塗布されるため、長期に亘って感光体表面への付着を防止し、感光体の感光特性を維持でき、これによって本発明の画像形成装置は、高耐久性と高画質化、さらには画質安定化を実現できる。
これは、劣化した潤滑剤は空気中の水分や放電生成物と反応して極性を持った低分子となり、粘度が増加し、感光体に付着してしまうために除去されにくくなるが、潤滑剤と共にゼオライトなどの硬い微粒子の吸着剤が感光体表面にクリーニングブレードによって塗布されることによって、劣化した潤滑剤が容易に除去される。すなわちその際に、粘度が増加した潤滑剤を掻き取りながら除去されていくため、感光体表面に劣化した潤滑剤が堆積することはない。また本発明では、クリーニングブレードによるクリーニング後に感光体表面に新しい潤滑剤が吸着剤とともに塗布されるので、感光体表面に潤滑性を付与する機能や、帯電エネルギーによる感光体表面の劣化を保護する機能は、長期に亘って維持される。
また本発明では感光体の最表層に架橋型電荷輸送層を用いているので、吸着剤による摩耗の影響を抑制することが出来る。このように本発明は潤滑剤と吸着剤との混合物、好ましくは棒状体の混合物とし、これを感光体表面に塗布して使用している。このため、この潤滑剤と吸着剤との混合物は、好ましくは前記棒状体の先端部から終端部までが、ほぼ均一の濃度で成形されていてもよく、また、棒状体の先端部から終端部までが、連続的な濃度勾配を有して成形されていてもよい。
本発明を適用できる画像形成装置の一例を示す部分断面概略図を、図1に示す。
本発明の画像形成装置は、耐摩耗性及び耐傷性が非常に高い架橋型電荷輸送層を表面に有する積層型感光体を用い、前記感光体表面に放電生成物を吸着する吸着剤を潤滑剤と共に塗布する吸着剤塗布手段を有する。さらに本発明の画像形成装置では、電子写真感光体と、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、感光体上の可視像を直接又は中間転写体を介して記録紙に転写する転写手段、クリーニング手段、除電手段を具備している。このような本発明の画像形成方法としては、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体に画像を形成するに当たり、前記電子写真感光体の表面に潤滑剤と放電生成物を吸着する吸着剤の混合物を塗布することを特徴としている。また本発明の画像形成方法において、少なくとも感光体に負帯電、画像露光、現像の過程を経た後、転写体へのトナー画像の転写、定着、感光体表面のクリーニング、吸着剤を含有した潤滑剤塗布、除電というプロセスを実行可能である。なお静電潜像を直接転写体に転写し、現像する画像形成方法では、上記プロセスを必ずしも有していなくてもよい。
吸着剤と潤滑剤との混合物を塗布する吸着剤塗布手段は、吸着剤と潤滑剤との混合物(棒状体)16、該吸着剤と潤滑剤との混合物16を掻き取り、感光体に塗布するローラ17および吸着剤を均一に塗布する塗布ブレード18で構成されている。
吸着剤塗布ブレードは公知のブレードを用いることが出来る。
[潤滑剤]
吸着剤と潤滑剤との混合物に用いられる潤滑剤としては、固体に成型された公知の潤滑剤を用いることが出来る。例えば下記のものあるいは下記の化合物の金属塩(いわゆる金属石鹸)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種単独で使用可能であり、また、これらを2種以上混合して使用することも出来る。
マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、カオリン、モンモリロナイト、フッ化カルシウム、グラファイト等の無機潤滑剤;流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレン等の炭化水素系化合物;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の脂肪酸系化合物;ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド系化合物;脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコール等のエステル系化合物;セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等のアルコール系化合物;カルナウバロウ、カルデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウ等の天然ワックス;その他シリコーン化合物、フッ素化合物等が挙げられる。
中でも、金属石鹸を用いることが好ましい。金属石鹸とは、上記した脂肪酸等、有機酸の非アルカリ金属塩、すなわちアルカリ金属以外の第2族から第8族の金属の有機酸の塩であり、一般に市販されている、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸バリウム等を使用することが出来る。特に金属として亜鉛を含有する金属石鹸は、繰り返し使用時の電荷の蓄積性が他に比較して特に少ないので好ましい。
潤滑剤との混合物中に含有され、帯電時に生じる放電生成物を吸着する吸着剤としては、ゼオライト、シリカアルミナ系吸着剤、シリカゲル、アルミナゲル、活性アルミナ、活性白土のうちの少なくとも1つより成る吸着剤を用いることが出来る。中でもゼオライトを用いることが有利である。
ゼオライトは多孔性のアルミノケイ酸塩である。アルミノケイ酸塩はケイ酸塩のSiの一部がAlに置換された縮合酸塩であり、ケイ酸塩の縮合酸の構造をとる。ゼオライトは3次元の骨格を形成することで、空隙が多量に出来る。多量に形成された空隙には水分子と交換性カチオンが含まれている。そして、カチオンの種類と数によって多様な構造をとることができる。このようなゼオライトは、吸着分離機能、イオン交換機能、触媒機能などの機能を有している。以下にこれらの機能について説明する。
ゼオライトは骨格内のアニオンと交換可能なカチオンにより形成される静電場によって、その表面は強い極性を有する。そのため、極性分子、不飽和分子などを分極し、静電気的に引き付ける等により、高い吸着能を示す。この極性効果は極性吸着剤であるシリカゲルや活性アルミナよりもはるかに強い。ゼオライトはこのような極性効果を有することによって、常温で水蒸気や硫化水素、アンモニア、二酸化硫黄、二酸化炭素などを強く吸着する。
イオン交換機能
ゼオライトは多量の交換可能なカチオンを含んでいるので、放電生成物のカチオン成分などをイオン吸着する。
触媒機能
ゼオライトは触媒としての機能があり、この機能を利用して、窒素酸化物の分解等が起こるものと期待される。
ゼオライトはこれら上記した機能を有しているため、感光体を帯電させる際に生じる放電生成物を除去したり、感光体への付着を防止することが出来ると考えられる。放電によって発生するオゾンや、窒素酸化物などの放電生成物が空気中の水分などと反応し、硝酸イオン、硝酸アンモニウムなどを形成したり、イオン化して感光体に付着し、白抜けや濃度ムラの発生を、ゼオライトによる吸着分離機能、イオン交換機能、触媒機能によって、吸着、分解する結果、感光体には放電生成物が付着せず、白抜けや濃度ムラを有効に防止することが出来る。
また本発明の画像形成装置では、感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段を用いることができる。
除電手段としては、除電ランプ2、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
次に、本発明の画像形成装置に使用される感光体1について説明する。
本発明の画像形成装置に使用される感光体1は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した感光体である。
このような感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層している。
本発明に用いる感光体1の架橋型電荷輸送層について説明する。この架橋型電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を重合することにより形成されたものである。架橋型電荷輸送層を重合する前の架橋型電荷輸送層塗布液について、その構成材料を、まず説明する。
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造や、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記(1)〜(2)にそれぞれ示す、1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
CH2=CH−X1− ・・・・式(10)
ただし、式(10)中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、または−S−基を表わす。
上記置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2− ・・・・式(11)
ただし、式(11)中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基)、または−CONR12R13(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、同一でも異なっていてもよい。)であり、また、X2は上記式(10)のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y、X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX1、X2、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上の具体的なラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
本発明の架橋型電荷輸送層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、且つ1個のラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、上記式(10)又は式(11)で示される官能基が挙げられる。さらに具体的には、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が効果が高く、中でも下記一般式(1)又は(2)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子またはメチル基である。
Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(2)アルキル基、好ましくは、炭素数1〜12(以下、C1〜C12などと記載する)とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C5〜C7の環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基を有していても良い。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基のアルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
本発明で用いる上記一般式(1)及び(2)特に(3)の1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれる。また3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)する。また主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーである。これは鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少ない。また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
本発明の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
また、80重量%を超えると電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き、高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い本感光体の架橋型電荷輸送層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
シロキサン骨格の繰り返し単位(ポリジメチルシロキサン骨格)が20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが、前記したラジカル重合性モノマーまたは機能性モノマーとして挙げられる。
前記ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋型電荷輸送層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下に制限される。
また、本発明の架橋型電荷輸送層は少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を重合したものであるが、必要に応じてこの重合反応を効率よく進行させるために架橋型電荷輸送層塗布液中に重合開始剤を含有させても良い。このような重合開始剤として、以下の熱重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
また放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。
本発明に使用される架橋型電荷輸送層の膜厚は、1μm以上、15μm以下、さらに好ましくは2μm以上、8μm以下である。15μmより厚い場合、前述のようにクラックや膜剥がれが発生しやすくなり、8μm以下ではその余裕度がさらに向上するため架橋密度を高くすることが可能で、さらに耐摩耗性を高める材料選択や重合条件の設定が可能となる。一方、ラジカル重合反応は酸素阻害を受けやすく、すなわち大気に接した表面では酸素によるラジカルトラップの影響で架橋が進まない場合や、不均一になる場合がある。この影響が顕著に現れるのは表層1μm以下で、この膜厚以下の架橋型電荷輸送層は耐摩耗性の低下や不均一な摩耗が起こりやすい。また、架橋型電荷輸送層塗工時において下層の電荷輸送層成分の混入が生ずる。架橋型電荷輸送層の塗布膜厚が薄いと層全体に混入物が拡がり、重合反応の阻害や架橋密度の低下をもたらす。これらの理由から、本発明の架橋型電荷輸送層は1μm以上の膜厚で良好な耐摩耗性、耐傷性を有するが、繰り返しの使用において局部的に下層の電荷輸送層まで削れた部分ができるとその部分の摩耗が増加し、帯電性や感度変動から中間調画像の濃度むらが発生しやすい。従って、より長寿命、高画質化のためには架橋型電荷輸送層の膜厚を2μm以上にすることが望ましい。
本発明の構成において、架橋型電荷輸送層を有機溶剤に対し不溶性にするには、(1)架橋型電荷輸送層塗工液の組成物、それらの含有割合の調整、(2)架橋型電荷輸送層塗工液の希釈溶媒、固形分濃度の調整、(3)架橋型電荷輸送層の塗工方法の選択、(4)架橋型電荷輸送層の硬化条件の制御、(5)下層の電荷輸送層の難溶解性化など、これらをコントロールすることが重要であるが、一つの因子で達成される訳ではない。
<電子写真感光体の層構造>
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明に用いられる電子写真感光体を表わす断面図である。
導電性支持体31上に、電荷発生機能を有する電荷発生層35と、電荷輸送機能を有する電荷輸送層37と、さらに架橋型電荷輸送層39が積層された積層構造の感光体である。
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として、用いることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として、良好に用いることができる。
(電荷発生層)
電荷発生層35は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファスセレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコン等が挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、電荷発生層35には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。
電荷発生層35に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電荷発生層35を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層37は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層35上に塗布、乾燥することにより形成させる。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層35で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。前述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、架橋型電荷輸送層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。このようにして形成された電荷輸送層上に、前述の架橋型電荷輸送層塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、熱や光照射の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋型電荷輸送層が形成される。
本発明の感光体においては、電荷輸送層と架橋型電荷輸送層の間に、架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分混入を抑える又は両層間の接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。このため、中間層としては架橋型電荷輸送層塗工液に対し不溶性または難溶性であるものが適しており、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明の感光体においては、導電性支持体31と感光層33との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋型電荷輸送層、電荷輸送層、電荷発生層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明における1官能の電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間かけて滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た(融点:64.0〜66.0℃)。
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g、水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し、反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た(融点:117.5〜119.0℃)。
該評価装置(感光体線速=630mm/sec)を用い、帯電部材としてスコロトロン方式の帯電部材(放電ワイヤーは直径50μmの金メッキを施したタングステン−モリブデン合金)を用いて下記の帯電条件で帯電し、画像露光光源として780nmのLD光(ポリゴンミラーによる画像書き込み、解像度1200dpi)、現像は黒色トナーを用いた2成分現像を行ない、転写部材として転写ベルトを用い、除電は除電ランプを用いて、23℃−55%RHの常温常湿環境下で下記帯電条件にて書き込み率6%チャートを用い連続20万枚印刷を行ない、印刷後の画像評価および渦電流式膜厚測定装置を用いて印刷前後の感光体の膜厚を測定し、その差から摩耗量を算出し、摩耗量評価を行った。また、20万枚印刷前後で固形の吸着剤の重さを測定し、その差を計算することで消費量を求めた。そして、20万枚のラン後に、10℃、15%RHの低温低湿環境下で1000枚印刷した後、装置の電源を切り、一晩放置した後に中間調グレー画像を3枚印刷して画像評価(画像濃度ムラ評価)を行った。その後、感光体の画像濃度ムラが回復したことを確認した後に、27℃、80%RHの高温高湿環境下で1000枚印刷した後、装置の電源を切り、一晩放置した後に中間調グレー画像を3枚印刷して画像評価(白抜け評価)を行った。最後に、感光体の表面観察を行った。
(帯電条件)
ワイヤーへの印加電圧:−6.0KV
グリッド電圧:−860V(感光体の帯電電位は−850V)
次に、評価で用いる感光体の製造方法について述べる。
電子写真感光体1の作製
[導電層形成]
φ100mm(直径100mm)、長さ380mmのAlシリンダーの支持体に、以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸漬法で塗布し140℃、30分熱硬化して15μmの導電層(導電性支持体31)を形成した。
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール/メトキシプロパノール(0.2/0.8) 20部
次に、この導電層上にN−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬法で塗布し、0.5μmの中間層を形成した。
次にCuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2度の9.0度、14.2度、23.9度、27.1度に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアン(TiOPc)4部と、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学工業製)2部及びシクロヘキサノン60部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬法で塗布し0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に下記構造式のアミン化合物9部、
この電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cmを用い、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない、塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分間乾燥を加え5μmの架橋型電荷輸送層を設け、電子写真感光体を得た。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製 分子量:296、官能基数:3、分子量/官能基数=99) 10部
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.144)
10部
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
1部
テトラヒドロフラン 100部
電子写真感光体2の作製
製造例1の架橋型電荷輸送層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない3官能のラジカル重合性モノマー10部に換え、光重合開始剤を下記の化合物1部に換えた以外は製造例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPCA−60、日本化薬製 分子量:1263、官能基数:6、分子量/官能基数=211)
10部
光重合開始剤:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
1部
電子写真感光体3の作製
製造例1の架橋型電荷輸送層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない3官能のラジカル重合性モノマー10部に換えた以外は製造例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製 分子量:1947、官能基数:6、分子量/官能基数=325)
10部
電子写真感光体4の作製
製造例1の架橋型電荷輸送層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.54、10部に換えた以外は製造例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
電子写真感光体5の作製
製造例1の架橋型電荷輸送層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない2官能以上のラジカル重合性モノマー10部に換えた以外は製造例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(和光純薬製 分子量:226、官能基数:2、分子量/官能基数=113) 10部
電子写真感光体6の作製
[導電層形成]
φ100mm、長さ380mmのAlシリンダーを支持体とし、それに以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸漬法で塗布し140℃、30分熱硬化して15μmの導電層を形成した。
塗料
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール/メトキシプロパノール(0.2/0.8) 20部
[中間層形成]
次に、この導電層上にN−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬法で塗布し0.5μmの中間層を形成した。
[電荷輸送層形成]
次にCuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2度の9.0度、14.2度、23.9度、27.1度に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアン(TiOPc)4部とポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学工業製)2部及びシクロヘキサノン60部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬法で塗布し、0.3μmの電荷発生層を形成した。
<吸着剤例1>
以下の材料より構成される吸着剤と潤滑剤との微粉末を混合した。
吸着剤:ゼオライト 1部
潤滑剤:ステアリン酸亜鉛 9部
次に混合した微粉末を圧縮してペレットを作製した。
吸着剤例1のゼオライトを活性炭に換えた以外は吸着剤例1と同様にして吸着剤例2を作成した。
吸着剤例1のゼオライトをシリカゲルに換えた以外は吸着剤例1と同様にして吸着剤例3を作成した。
次に吸着剤塗布手段について述べる。
吸着剤塗布手段は、以下に示す吸着剤塗布手段1および吸着剤塗布手段3を用意した。
感光体の回転方向に対してクリーニング手段の下流で、かつ帯電手段の上流となる位置に設置した。
感光体の回転方向に対して転写手段の下流で、かつクリーニング手段の上流となる位置に設置した。
各評価に用いた感光体、吸着剤および吸着剤塗布手段の組み合わせを表3に示す。
[画像評価基準]
◎:良好
○:実用上問題ないレベル
×:実用上問題あり
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写体(紙など)
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
16 吸着剤(吸着剤入り潤滑剤)
17 ブラシローラ
18 塗布ブレード
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 架橋型電荷輸送層
Claims (10)
- 少なくと帯電手段、露光手段、現像手段、感光体上の可視像を直接又は中間転写体を介して記録紙に転写する転写手段、クリーニング手段、除電手段および吸着剤塗布手段を用いて、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体に画像を形成するに当たり、前記電子写真感光体の表面に潤滑剤と放電生成物を吸着する吸着剤の混合物を塗布することを特徴とする画像形成方法。
- 前記吸着剤がゼオライト、シリカアルミナ系吸着剤、シリカゲル、アルミナゲル、活性アルミナ、活性白土の中から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記吸着剤がゼオライトであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記潤滑剤が有機酸の第2族〜第8族の金属の塩であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
- 電子写真感光体と、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、感光体上の可視像を直接又は中間転写体を介して記録紙に転写する転写手段、クリーニング手段、除電手段および潤滑剤と放電生成物を吸着する吸着剤の混合物を塗布する吸着剤塗布手段を有する画像形成装置であり、前記吸着剤塗布手段が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体の表面に前記混合物を塗布する手段であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記吸着剤塗布手段が、帯電手段の上流側であり、かつ、クリーニング手段の下流側に位置することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記架橋型電荷輸送層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を反応硬化することにより形成されたものであることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
- 前記ラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基、及びメタクリロイルオキシ基より選ばれる少なくとも1種の官能基であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記ラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
- 前記架橋型電荷輸送層の反応硬化は、加熱手段又は光エネルギー照射手段を用いて行われることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
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