JP2006250989A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び電子写真感光体を具備してなり、電子写真感光体表面に外部より添加剤を供給する機構を有する画像形成装置において、電子写真感光体として導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層、および保護層を順に積層してなる電子写真感光体を用い、該保護層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする画像形成装置である。
【選択図】なし
Description
しかしながら、有機系材料から構成される感光体を機械寿命と同等に取り扱うためには、如何に感光体特性を初期状態と同等に維持するかということに集約され、言い換えれば画像形成装置の中で、電子写真感光体を如何に保護しながら使用するかという点がポイントとなる。
このように、高速、高耐久、高安定な画像形成装置を設計するために発生するプロセス上の制約(要望)に対して、感光体の開発が十分とはいえない状況であり、安定した高速画像形成を実現するための感光体開発が十分でないのが実情であった。
例えば、特許文献1には硝酸セルロース系樹脂中間層が、特許文献2にはナイロン系樹脂中間層が、特許文献3にはマレイン酸系樹脂中間層が、特許文献4にはポリビニルアルコール樹脂中間層がそれぞれ開示されている。しかしながら、これらの単層かつ樹脂単独の中間層は電気抵抗が高いため、残留電位の上昇を引き起こし、ネガ・ポジ現像においては画像濃度低下を生じる。また、不純物等に起因するイオン伝導性を示すことから、低温低湿環境下では中間層の電気抵抗が特に高くなるため、残留電位が著しく上昇し、高温高湿環境下では中間層の電気抵抗が低下し、地汚れが発生しやすくなる傾向が見られていた。このため、残留電位を低減させるために、中間層を薄膜化する必要があり、十分な地汚れの抑制が実現されていないのが実情であった。
このような不具合は、感光体表面層の耐摩耗性が向上した場合に顕著に現れやすい。これはブレードクリーニングが感光体表面層を摩耗(削り取る)しながらトナーをクリーニングしてきたことに起因するものであると推察され、表面層の摩耗量が低減したことによって、この効果が発現しにくくなったことに起因すると考えられる。
具体的には、各種添加剤を感光体表面に供給することが可能な機構を設けた画像形成装置において、導電性支持体からの電荷注入によって発生する地汚れを抑制し、かつ長期繰り返し使用による静電疲労、さらには摩耗による電界強度の増加によって促進される地汚れの増加を抑えるだけでなく、残留電位の上昇や帯電低下、耐摩耗性を向上させたことによるフィルミング、異物付着、画像流れ等の画像欠陥の発生を最小限に抑えることにより、地汚れや濃度低下といったネガ・ポジ現像システムにおける最大の課題を解決し、飛躍的な高耐久性及び高安定性を有する画像形成装置を提供することにある。
また、高耐久、高安定でかつ取扱いが良好な画像形成装置用プロセスカートリッジを搭載した画像形成装置を提供することにある。
(1)少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び電子写真感光体を具備してなり、電子写真感光体表面に外部より添加剤を供給する機構を有する画像形成装置において、電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層、および保護層を順に積層してなる電子写真感光体であり、該保護層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されるものであることを特徴とする画像形成装置。
(2)前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層した積層構成からなることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置。
(4)前記絶縁性材料がポリアミドであることを特徴とする前記第(3)項に記載の画像形成装置。
(5)前記ポリアミドが、N−メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする前記第(4)項に記載の画像形成装置。
(7)前記バインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする前記第(6)項に記載の画像形成装置。
(8)前記熱硬化型樹脂がアルキッド樹脂/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする前記第(7)項に記載の画像形成装置。
(9)前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする前記第(8)項に記載の画像形成装置。
(11)前記酸化チタンが平均粒径の異なる2種類の酸化チタンであり、平均粒径の大きい方の酸化チタン(T1)の平均粒径をD1とし、他方の酸化チタン(T2)の平均粒径をD2とした場合、0.2<(D2/D1)≦0.5の関係を満たすことを特徴とする前記第(10)項に記載の画像形成装置。
(12)前記酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)が、0.05μm<D2<0.20μmであることを特徴とする前記第(11)項に記載の画像形成装置。
(13)前記平均粒径の異なる2種の酸化チタンの混合比率(重量比)が、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることを特徴とする前記第(11)項又は第(12)項に記載の画像形成装置。
(15)前記保護層が有機溶剤に対して不溶性であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(14)項の何れかに記載の画像形成装置。
(17)前記保護層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れかに記載の画像形成装置。
(19)前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送性構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(18)項の何れかに記載の画像形成装置。
(23)前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の成分割合が、保護層全量に対し30〜70重量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(22)項の何れかに記載の画像形成装置。
(24)前記保護層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(23)項の何れかに記載の画像形成装置。
(26)前記添加剤の供給部材が、ブラシ状構造部材であることを特徴とする前記第(25)項に記載の画像形成装置。
(27)前記添加剤の供給が、画像形成用現像部材により行われることを特徴とする前記第(1)項乃至第(25)項の何れかに記載の画像形成装置。
(29)前記ブラシ状構造部材及び/又は画像形成用現像部材と、ブレード状部材を併用することを特徴とする前記第(26)項乃至第(28)項の何れかに記載の画像形成装置。
(30)前記添加剤の供給機構が接触・離間機構を有し、電子写真感光体への添加剤の供給を制御することを特徴とする前記第(1)項乃至第(29)項の何れかに記載の画像形成装置。
(31)前記添加剤が、少なくともワックス類および滑剤の中から選ばれる1種であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(30)項の何れかに記載の画像形成装置。
(32)前記添加剤が、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする前記第(31)項に記載の画像形成装置。
(34)前記画像形成装置において、シールド内に相対湿度が50%RH以下のガスを導入して、帯電ニップにおける雰囲気の相対湿度を50%RH以下に維持することを特徴とする前記第(33)項に記載の画像形成装置。
(35)前記画像形成装置において、シールド内に室温よりも高い温度のガスを導入して、帯電ニップにおける雰囲気の相対湿度を50%RH以下に維持することを特徴とする前記第(33)項又は第(34)項に記載の画像形成装置。
(36)前記画像形成装置において、感光体内部にドラムヒーターを設置し、帯電ニップにおける雰囲気の相対湿度を50%RH以下に維持することを特徴とする前記第(1)項乃至第(33)項の何れかに記載の画像形成装置。
(38)前記画像形成装置において、非書き込み部における転写後の感光体表面電位が、帯電手段により帯電された極性の絶対値として、100V以下であることを特徴とする前記第(37)項に記載の画像形成装置。
(39)前記画像形成装置において、非書き込み部における転写後の感光体表面電位が、帯電手段により帯電された極性の逆極性であることを特徴とする前記第(37)項に記載の画像形成装置。
(40)前記画像形成装置において、非書き込み部における転写後の感光体表面電位が、帯電手段により帯電された極性の逆極性の絶対値として、100V以下であることを特徴とする前記第(39)項に記載の画像形成装置。
(42)前記画像形成装置の帯電手段に、交流重畳電圧印加を行うことを特徴とする前記第(1)項乃至第(41)項の何れかに記載の画像形成装置。
(43)少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする前記第(1)項乃至第(42)項の何れかに記載の画像形成装置。
(44)電子写真感光体と少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となった、装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(43)項の何れかに記載の画像形成装置。
具体的には、高画質な画像を形成するため、感光体表面に外部より添加剤を供給する機構を有する画像形成装置において、前記感光体として少なくとも導電性支持体上に電荷ブロッキング層とモアレ防止層を順に積層した中間層を有し、感光体(感光層)の表面に少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成される保護層を有する感光体を使用することにより、高耐久で高速画像出力が可能な画像形成装置が提供される。
更に、このように画像形成装置の高耐久化並びに高安定化が実現されたことにより、画像形成装置の小型化及び高速化が可能となり、特にタンデム方式の画像形成装置や高速の画像形成装置に対し有効に使用することができる。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図5において、感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層、及び保護層が設けられてなり、該保護層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されてなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
このような両者の長所を生かし、短所を補完する意味で、両方の機構の併用は非常に効果を上げるものである。
また、添加剤を供給する機構としてクリーニング部材を併用する場合等には、クリーニング部材に対して添加剤が接触・離間できるようにしてもよい。
また、滑剤としては、PTFE、PFA、PVDF等の各種フッ素含有樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ステアリン酸亜鉛、ラウリル酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩などが挙げられる。中でも、ステアリン酸亜鉛が最も好ましい。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800nmの長波長光を有するため、本発明において好ましい電荷発生材料である特定結晶型のフタロシアニン顔料が高感度を示すことから良好に使用される。
なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。
これに対して、光除電を行わないという考え方もあるが、メイン帯電器の帯電器能力が大きくないと、帯電の安定化が図れず、残像のような問題を生じる場合がある。
このためには、転写工程において転写バイアスを調整することにより、感光体通過電荷量を調整することが有効である。即ち、メイン帯電器により帯電され、書き込みが行われない非書き込み部は、暗減衰量を除き、帯電された電位に近い状態で転写工程に突入する。この際、メイン帯電器により帯電された極性側の絶対値として100V以下まで低減することにより、引き続く除電工程に突入しても光キャリア発生がほとんど行われず、通過電荷が生じない。この値は、0Vにより近いほど望ましい。
先の帯電方式においてAC成分を重畳して使用する場合や、感光体の残留電位が小さい場合等は、この除電機構を省略することもできる。また、光学的な除電ではなく静電的な除電機構(例えば、逆バイアスを印加したあるいはアース接地した除電ブラシなど)を用いることもできる。前述のように書き込み率の小さな原稿では、光除電の影響は大きく、次の画像形成サイクルにおいて残像などの影響がない限り、光除電を用いない方が好ましい。
図中、8はレジストローラ、11は分離チャージャー、12は分離爪である。
感光体(46)に近接した帯電部材(47)を覆うようにシールド(48)が配置され、シールド上部にはガスを導入する部位(49)が付いている。シールド(48)は感光体(46)に接触していても接触していなくても低湿度状態が維持できれば、どちらでも構わない。接触する場合には、シールド(48)が感光体(46)表面を摩耗しないように、少なくとも感光体(46)との接触部をゴムやスポンジといった弾性体で構成されることが望ましい。接触しない場合には、低湿度状態が維持できるように極力シールド(48)と感光体(46)間の隙間を狭め、導入するガスの流量を大きめに設定する必要がある。このようなシールド(48)は図7に示すように、帯電部材(47)および帯電ニップ部を最低限覆う必要があるが、電子写真要素(少なくとも感光体(46)、帯電部材(47)、現像部材を有する1つのユニット)全体を覆う状態でも構わない。ただし、その場合には導入するガス量が大きくなるので、可能な範囲でコンパクト化する必要がある。このような状態において、相対湿度50%RH以下のガスを導入するか、室温よりも高い温度のガスを導入することにより、帯電ニップでの雰囲気湿度を50%RH以下にするものである。
図8において、符号(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)はドラム状の感光体であり、感光体は導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層、及び保護層が設けられてなり、該保護層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されてなる。
図8における画像形成装置において、各画像形成要素(25Y)、(25M)、(25C)、(25K)に含まれる感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)それぞれの周りには、感光体表面に各種添加剤を供給することにできる機構(27Y)、(27M)、(27C)、(27K)が配置されてなる。
次に現像部材(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)は、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像部材で、4つの感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。転写紙(26)は給紙コロ(図示せず)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(23)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト(22)に送られる。転写搬送ベルト(22)上に保持された転写紙(26)は搬送されて、各感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)との当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行なわれる。
続いて、添加剤供給部材(27Y)、(27M)、(27C)、(27K)により、感光体上に添加剤が外添される。
また、転写部で転写されずに各感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)上に残った残留トナーは、クリーニング装置(20Y)、(20M)、(20C)、(20K)で回収される。
この後再び、帯電部材で均一に帯電が施されて、次の画像形成が行われる。
この場合にも、先に述べたように転写後の感光体表面電位が、メイン帯電極性側100V以下、好ましくは逆極性、更に好ましくは逆極性側100V以下に制御することにより、感光体の繰り返し使用における残留電位の上昇を低減化することが出来、有効である。
感光体(101)は導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層、及び保護層が設けられてなり、該保護層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されてなる。
画像露光部(103)には、前述のように600dpi以上(好ましくは1200dpi以上)の解像度で書き込みが行うことの出来る光源が用いられ、図9中、104は現像手段、105は被転写体、106は転写手段、107はクリ−ニング手段、108は除電手段である。
導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層、及び保護層が設けられてなる電子写真感光体であって、該保護層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されてなるものである。
図10は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(201)上に、電荷ブロッキング層(205)、モアレ防止層(206)、感光層(204)、及び、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されてなる保護層(209)が順に積層された構成をとっている。
電荷ブロッキング層は、感光体帯電時に電極(導電性支持体)に誘起される逆極性の電荷が、支持体から感光層に注入するのを防止する機能を有する層で、主に地汚れを抑制させることを目的とした層である。負帯電の場合には正孔注入防止、正帯電の場合には電子注入防止の機能を有する。また、素管の欠陥に対する隠蔽性を高める効果も有しており、地汚れ抑制効果を高めるものである。したがって、これらの目的を達成するためには電荷の移動を抑えることが要求されることから、無機顔料を含有させずに絶縁性の高い樹脂のみで構成されることが好ましい。
また、電荷ブロッキング層の膜厚は0.1μm以上2.0μm未満、好ましくは0.3μm以上2.0μm未満程度が適当である。電荷ブロッキング層が厚くなると、帯電と露光の繰返しによって、特に低温低湿で残留電位の上昇が著しく、また、膜厚が薄すぎるとブロッキング性の効果が小さくなる、また電荷ブロッキング層には、必要に応じて硬化(架橋)に必要な薬剤、溶剤、添加剤、硬化促進材等を加えて、常法により、ブレード塗工、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート法などにより基体上に形成される。塗布後は乾燥や加熱、光等の硬化処理により乾燥あるいは硬化させる。
また、2種の酸化チタンの混合比率(重量比)も重要な因子である。T2/(T1+T2)が0.2よりも小さい場合には、酸化チタンの充填率がそれほど大きくなく、地汚れ抑制効果が十分に発揮出来ない。一方、0.8よりも大きな場合には、隠蔽力が低下し、モアレを発生させる場合がある。従って、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることが重要である。
また、モアレ防止層の膜厚は1〜10μm、好ましくは2〜5μmとするのが適当である。膜厚が1μm未満では効果の発現性が小さく、10μmを越えると残留電位の蓄積を生じるので望ましくない。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
また、27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンの中でも、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3゜にピークを有さない結晶型のチタニルフタロシアニン結晶は、特に高感度を示し、また感光体繰り返し使用における帯電性の低下も小さく、本発明に使用される感光体の電荷発生物質として良好に使用できる。
必要に応じて電荷発生層に用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等があげられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。中でも、環境への負荷低減等の意図から、非ハロゲン系溶媒の使用は望ましいものである。具体的には、テトラヒドロフランやジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテルやトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、及びそれらの誘導体が良好に用いられる。
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特許文献45、特許文献46、特許文献47等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。
本発明で使用される電子写真感光体には、感光体の繰り返し使用によって起こる摩耗の影響を軽減し、地汚れの経時安定性を高め、さらに静電安定性や画質安定性を高めることによって経時安定性と耐久性を両立させることを目的として、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成される保護層が感光層の上に設けられる。
この保護層は、感光体の耐摩耗性を高めることを主目的とするが、これにより繰り返し使用による電界強度の増加を抑制することが可能となり、地汚れの抑制に有効となる。また、残留電位上昇が少なく、感光体表面の耐傷性も高く、フィルミング等も発生しにくいことから画像欠陥の発生を低減させる効果も有しており、高耐久化を実現する上で有効かつ有用である。
この保護層は、3官能以上のラジカル重合性モノマーを硬化した架橋構造を有するため3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度且つ高弾性な表面層が得られ、かつ均一で平滑性も高く、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。この様に感光体表面の架橋密度すなわち単位体積あたりの架橋結合数を増加させることが重要であるが、硬化反応において瞬時に多数の結合を形成させるため体積収縮による内部応力が発生する。この内部応力は保護層の膜厚が厚くなるほど増加するため保護層全層を硬化させると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。この現象は初期的に現れなくても、電子写真プロセス上で繰り返し使用され帯電、現像、転写、クリーニングのハザード及び熱変動の影響を受けることにより、経時で発生しやすくなることもある。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
CH2=CH−X1−・・・・式10
(ただし、式10中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表す。)
これらの官能基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2−・・・・式11
(ただし、式11中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR12R13(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は上記式10のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y、X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの官能基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン2価変性基が挙げられる。
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋型保護層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下であればより好ましい。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパンなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下、時間としては5秒から5分程度が好ましく、ドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、さらに残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
(合成例1)
特許文献48、実施例1に準じてチタニルフタロシアニン結晶を合成した。1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。
得られた熱水洗浄処理した粗チタニルフタロシアニン顔料のうち60部を96%硫酸1000部に3〜5℃下撹拌、溶解し、ろ過した。得られた硫酸溶液を氷水35000部中に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを得た。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kα特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークを有し、更に9.4゜±0.2°、9.6゜±0.2°、24.0゜±0.2°に主要なピークを有し、最低角7.3±0.2°にピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図12に示す。
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
上述のように観察されたTEM像をTEM写真として撮影し、映し出されたチタニルフタロシアニン粒子(針状に近い形)を30個任意に選び出し、それぞれの長径の大きさを測定する。測定した30個体の長径の算術平均を求めて、平均粒子サイズとした。
以上の方法により求められた合成例1におけるチタニルフタロシアニン結晶の平均粒子サイズは、0.12μmであった。
(1官能の電荷輸送性構造を有する化合物の合成例)
本発明における1官能の電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85部(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138部(0.92mol)にスルホラン240部を加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99部(0.91mol)を1時間かけて滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。
この反応液にトルエン約1500部を加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。
その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。
得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。
この様にして下記構造式Bの白色結晶88.1部(収率=80.4%)を得た。
融点:64.0〜66.0℃
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9部(0.227mol)をテトラヒドロフラン400部に溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4部,水:100部)を滴下した。
この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2部(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。
この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。
この様にして例示化合物No.54の白色結晶80.73部(収率=84.8%)を得た。
融点:117.5〜119.0℃
合成例1で作製したチタニルフタロシアニン結晶を下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行い、電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
チタニルフタロシアニン結晶 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノンおよび顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した(分散液1とする)。
下記構造のジスアゾ顔料 5部
2−ブタノン 100部
シクロヘキサノン 200部
ボールミルポットに、直径10mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラール、2−ブタノン、シクロヘキサノン、およびジスアゾ顔料を全て投入し、5日間ボールミル分散を行った。ここに更に2−ブタノン100部、シクロヘキサノン200部を追加投入し、更に1日間ボールミル分散を行い、分散液を作製した(分散液2とする)
直径100mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に、下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液、保護層塗工液を、順次塗布・乾燥し、1.0μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層、電荷発生層、23μmの電荷輸送層、5μmの保護層を形成し、積層感光体を作製した(感光体1とする)。
なお、電荷発生層の膜厚は、780nmにおける電荷発生層の透過率が25%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行ない、電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対照とし、市販の分光光度計(島津:UV−3100)にて、780nmの透過率を評価した。
N−メトキシメチル化ナイロン(鉛市:ファインレジンFR−101) 4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
保護層は、スプレー塗工してから20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行うことによって塗布膜を硬化させた。
感光体作製例1において、電荷ブロッキング層を設けない以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体2とする)。
(感光体作製例3)
感光体作製例1において、モアレ防止層を設けない以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体3とする)。
(感光体作製例4)
感光体作製例1において、電荷ブロッキング層とモアレ防止層の塗工順序を入れ替えた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体4とする)。
感光体作製例1において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.1μmとした以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体5とする)。
(感光体作製例6)
感光体作製例1において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.3μmとした以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体6とする)。
(感光体作製例7)
感光体作製例1において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.6μmとした以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体7とする)。
(感光体作製例8)
感光体作製例1において、電荷ブロッキング層の膜厚を1.8μmとした以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体8とする)。
(感光体作製例9)
感光体作製例1において、電荷ブロッキング層の膜厚を2.3μmとした以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体9とする)。
感光体作製例1において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体10とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM8000) 4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
感光体作製例1において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体11とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 400部
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体12とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 168部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、2/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体13とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 252部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、3/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体14とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体15とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 42部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、0.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体16とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 336部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、4/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体17とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
N−メトキシメチル化ナイロン(鉛市:ファインレジンFR−101)27.5部
酒石酸(硬化触媒) 1部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体18とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 22.4部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 28部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、4/6重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体19とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 28部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 23.3部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、5/5重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体20とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 39.2部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 14部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、7/3重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体21とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 44.8部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 9.3部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、8/2重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体22とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 50.4部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 4.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、9/1重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体23とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化亜鉛(SAZEX4000:堺化学製) 165部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 120部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体24とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 63部
酸化チタン(PT−401M:石原産業社製、平均粒径:0.07μm)63部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比率(T2/(T1+T2))は0.5である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体25とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm)113.4部
酸化チタン(PT−401M:石原産業社製、平均粒径:0.07μm)
12.6部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比率(T2/(T1+T2))は0.1である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体26とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 12.6部
酸化チタン(PT−401M:石原産業社製、平均粒径:0.07μm)
113.4部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比率(T2/(T1+T2))は0.9である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体27とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 63部
酸化チタン(TTO−F1:石原産業社製、平均粒径:0.04μm) 63部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.16、両者の混合比率(T2/(T1+T2))は0.5である。
感光体作製例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体28とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 63部
酸化チタン(A−100:石原産業社製、平均粒径:0.15μm) 63部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.6、両者の混合比率(T2/(T1+T2))は0.5である。
感光体作製例1における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体29とする)。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質(重量平均分子量:約135000) 10部
感光体作製例1における保護層塗工液を以下の組成のものに変更し、塗布乾燥した(紫外線照射は行っていない)以外は感光体作製例1と同様に感光体を作製した(感光体30とする)。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製、粘度平均分子量:5万)10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
4部
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例30における保護層塗工液を以下のものに変更した以外は、感光体作製例30と同様に感光体を作製した(感光体31とする)。
◎保護層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質(重量平均分子量:約135000) 10部
4部
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例30における保護層塗工液を以下のものに変更した以外は、感光体作製例30と同様に感光体を作製した(感光体32とする)。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例1において、保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに換えた以外は、すべて感光体作製例1と同様にして電子写真感光体を作製した(感光体33とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
(ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR−295、化薬サートマー製)
分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88)
感光体作製例1の保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー10部に換えた以外は、すべて感光体作製例1と同様にして電子写真感光体を作製した(感光体34とする)。
電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー 10部
(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(和光純薬製)
分子量:226、官能基数:2官能、分子量/官能基数=113)
感光体作製例1において、保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに換えた以外は、すべて感光体作製例1と同様にして電子写真感光体を作製した(感光体35とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325)
感光体作製例1の保護層塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式に示される2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物10部に換えた以外は感光体作製例1と同様に電子写真感光体を作製した(感光体36とする)。
感光体作製例1において、保護層塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例1と同様にして電子写真感光体を作製した(感光体37とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 6部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 14部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
感光体作製例1において、保護層塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例1と同様にして電子写真感光体を作製した(感光体38とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 14部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 6部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
感光体作製例1において、保護層塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例1と同様にして電子写真感光体を作製した(感光体39とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 2部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 18部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
感光体作製例1において、保護層塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例1と同様にして電子写真感光体を作製した(感光体40とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 18部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 2部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
感光体作製例1において、保護層を設けずに、電荷輸送層を28μmとした以外は、感光体作製例1と同様に電子写真感光体を作製した(感光体41とする)。
感光体作製例1に使用した導電性支持体を、直径40mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更し、電荷発生層塗工液として分散液2を用いた以外は、感光体作製例1と同様に電子写真感光体を作製した(感光体42する)。
(感光体作製例43)
感光体作製例2に使用した導電性支持体を、直径40mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更し、電荷発生層塗工液として分散液2を用いた以外は、感光体作製例2と同様に電子写真感光体を作製した(感光体43とする)。
(感光体作製例44)
感光体作製例3に使用した導電性支持体を、直径40mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更し、電荷発生層塗工液として分散液2を用いた以外は、感光体作製例3と同様に電子写真感光体を作製した(感光体44とする)。
感光体作製例4に使用した導電性支持体を、直径40mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更し、電荷発生層塗工液として分散液2を用いた以外は、感光体作製例4と同様に電子写真感光体を作製した(感光体45とする)。
(感光体作製例46)
感光体作製例30に使用した導電性支持体を、直径40mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更し、電荷発生層塗工液として分散液2を用いた以外は、感光体作製例30と同様に電子写真感光体を作製した(感光体46とする)。
(感光体作製例47)
感光体作製例32に使用した導電性支持体を、直径40mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更し、電荷発生層塗工液として分散液2を用いた以外は、感光体作製例32と同様に電子写真感光体を作製した(感光体47とする)。
感光体作製例34に使用した導電性支持体を、直径40mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更し、電荷発生層塗工液として分散液2を用いた以外は、感光体作製例34と同様に電子写真感光体を作製した(感光体48とする)。
(感光体作製例49)
感光体作製例36に使用した導電性支持体を、直径40mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更し、電荷発生層塗工液として分散液2を用いた以外は、感光体作製例36と同様に電子写真感光体を作製した(感光体49とする)。
(感光体作製例50)
感光体作製例41に使用した導電性支持体を、直径40mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更し、電荷発生層塗工液として分散液2を用いた以外は、感光体作製例41と同様に電子写真感光体を作製した(感光体50とする)。
(黒色トナー)
ポリエステル樹脂 95部
カーボンブラック 10部
サリチル酸誘導体亜鉛塩 2部
上記組成の混合物を、溶融混練し、その後粉砕、分級し、平均粒径8.0μmのトナーを得た。
また、湿式法により作製したマグネタイト100重量部に対してポリビニルアルコール2重量部、水60重量部をボールミルに入れ12時間混合してマグネタイトのスラリーを調整した。このスラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒し、球形粒子とした。この粒子を窒素雰囲気中で1000℃の温度で3時間焼成後冷却し、核体粒子1を得た。
トルエン 100部
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 15部
カーボンブラック 20部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、被覆層形成液1を調整した。この被覆層形成液1を、流動床型コーティング装置を用いて核体粒子1を1000部の表面にコーティングして、シリコーン樹脂被覆キャリア(磁性キャリア)を得た。
上記トナーに酸化チタン微粒子0.9wt%、シリカ微粒子0.9wt%(いずれもトナーに対して)を外添した。
上記磁性キャリアを97.5部に対し、トナー2.5部の割合で混合し、黒色トナー二成分現像剤(K−1)を作製した。
(黒色トナー)
ポリエステル樹脂 100部
カーボンブラック 10部
サリチル酸誘導体亜鉛塩 2部
上記組成の混合物を、溶融混練し、その後粉砕、分級し、平均粒径7.5μmのトナーを得た。
上記トナーに酸化チタン微粒子0.9wt%、シリカ微粒子0.9wt%、ステアリン酸亜鉛0.2wt%(いずれもトナーに対して)を外添した。このトナー2.5部を、先の磁性キャリアを97.5部と混合して、黒色トナー二成分現像剤(K−2)を作製した。
(イエロートナー)
ポリエステル樹脂 95部
C.I.ピグメントイエロー180 5部
サリチル酸誘導体亜鉛塩 2部
上記組成の混合物、溶融混練し、その後粉砕、分級し、平均粒径8.0μmのトナーを得た。
上記トナーに酸化チタン微粒子0.9wt%、シリカ微粒子0.9wt%(いずれもトナーに対して)を外添した。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合してイエロートナー二成分現像剤(Y−1)を作製した。
(マゼンタトナー)
ポリエステル樹脂 95部
C.I.ピグメントレッド57:1 2部
上記組成の混合物を、溶融混練し、その後粉砕、分級し、平均粒径8.0μmのトナーを得た。
上記トナーに酸化チタン微粒子0.9wt%、シリカ微粒子0.9wt%(いずれもトナーに対して)を外添した。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合してマゼンタトナー二成分現像剤(M−1)を作製した。
(シアントナー)
ポリエステル樹脂 95部
C.I.ピグメントブルー15:3 5部
サリチル酸誘導体亜鉛塩 2部
上記組成の混合物を、溶融混練し、その後粉砕、分級し、平均粒径8.0μmのトナーを得た。
上記トナーに酸化チタン微粒子0.9wt%、シリカ微粒子0.9wt%(いずれもトナーに対して)を外添した。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合してシアントナー二成分現像剤(C−1)を作製した。
以上のように作製した感光体作製例1〜41の電子写真感光体(感光体1〜41)を、図9に示すような画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、図5に示す様な画像形成装置に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて感光体表面が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像は先に作製した黒色トナー現像剤(K−1)を用いて2成分現像を行い、転写部材として転写ベルト(転写紙にトナー像を直接転写する)を用い、除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い、除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、毎分65枚の速度で連続50万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
ランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
(ii)ドット形成状態の評価
ハーフトーン画像(直径60μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した(ドットの散り具合やドット再現性)。
ランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
(iii)その他
この他の項目として、黒ベタ画像を出力し、ベタ部の画像濃度を評価した。また、ハーフトーン画像を出力し、モアレ発生有無の評価を実施した。(iii)の項目に関しては、不具合点が発生した場合のみ表4に記載した。
また、50万枚印刷前後において、感光体の膜厚を測定し、摩耗量を評価した。
以上の結果を表4に示す。
実施例1〜32および比較例1〜9において、それぞれ、ステアリン酸亜鉛の供給を行わなかった以外は、実施例1〜32および比較例1〜9と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
保護層の異なる感光体1、30〜36に関しては、先の通紙ラン試験(実施例1、27、28及び比較例4〜8)を実施した後、低温低湿環境下(10℃、15%RH)で、図13に示すようなテストチャートを用い、実施例1と同じ条件下で、黒ベタ部から白ベタ部の方向で画像出力し、連続50枚の印刷を実施し、クリーニング性の評価を実施した。
この際、50枚目の白ベタ部の画像を目視にて評価した。結果を表5に示す。
保護層の異なる感光体1、30〜36に関しては、先のクリーニング性試験(実施例33〜35および比較例51〜55)に引き続き、高温高湿環境(30℃−90%RH)にて、更に1000枚の通紙試験を行い、画像評価を実施した。結果を表6に示す。
なお、評価は1000枚印刷後に、下記3つの評価を実施した。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。ランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
(ii)画像濃度の評価
黒ベタ画像を出力し、ベタ部の画像濃度を評価した。ランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
(iii)1ドット画像を出力し、ドット輪郭の明確さをランク評価した。ランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
比較例10において、使用した現像剤として、黒色トナー二成分現像剤(K−2)に変更した以外は、比較例10と同様に評価を行った。結果を表7に示す。
(実施例40)
実施例1において、試験に使用したチャートを、図14に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表7に示す。
(実施例41)
実施例39において、試験に使用したチャートを、図14に示すものに変更した以外は、実施例39と同様に評価を行った。結果を表7に示す。
(実施例42)
実施例40において、使用した現像剤として、黒色トナー二成分現像剤(K−2)に変更した以外は、実施例40と同様に評価を行った。結果を表7に示す。
実施例1において、評価の環境(画像装置の設置される環境)を、28℃−80%RHに変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
実施例43において、帯電部材周辺を図7に示すようなシールドを有する構造のものに変更し、画像形成装置の動作中は、シールド内に23℃−40%RHの空気を0.2L/minで流し、シールド内の湿度を50%RH以下(40〜45%RHに維持)になるようにして評価を行った以外は、実施例43と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
実施例43において、帯電部材周辺を図7に示すようなシールドを有する構造のものに変更し、画像形成装置の動作中は、シールド内に40℃−30%RHの空気を0.2L/minで流し、シールド内の湿度を50%RH以下(35〜38℃、40〜45%RHに維持)になるようにして評価を行った以外は、実施例43と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
実施例43において、感光体内部にドラムヒーターを設置し、感光体表面温度が40℃±1℃になるように制御(感光体近傍の相対湿度は42%RH程度)した以外は、実施例43と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
実施例1において、通紙試験に使用したチャートを書き込み率1%のチャートに変更し、連続50万枚の印刷を行った。この際、図5に示す画像形成装置の現像部位における感光体表面電位と、転写直後の感光体表面電位を計測するため、表面電位計をセット出来るように改造を行った。
通紙試験前と通紙試験後において、現像部位における感光体露光部の電位を測定した。この際、露光部の表面電位を計測するために、光書き込みは感光体全面のベタ書き込みを行った。
実施例47における通紙試験に際しては、転写バイアスを調整することにより、転写後の感光体非書き込み部の電位が−150Vになるように調整した。この測定の際には、光書き込みを行わず、感光体の転写後の電位を測定した。結果を表9に示す。
実施例47において、転写後の感光体非書き込み部の電位が−80Vになるように調整した以外は、実施例47と同様に試験を行った。結果を表9に示す。
(実施例49)
実施例47において、転写後の感光体非書き込み部の電位が0Vになるように調整した以外は、実施例47と同様に試験を行った。結果を表9に示す。
(実施例50)
実施例47において、転写後の感光体非書き込み部の電位が+70Vになるように調整した以外は、実施例47と同様に試験を行った。結果を表9に示す。
(実施例51)
実施例47において、転写後の感光体非書き込み部の電位が+150Vになるように調整した以外は、実施例47と同様に試験を行った。結果を表9に示す。
(実施例52)
実施例47において、除電部材を除電ランプから、導電性ブラシ(アースに接続)に変更した以外は、実施例47と同様に試験を行った。結果を表9に示す。
以上のように作製した感光体作製例42〜50の感光体を、帯電部材(スコロトロン帯電)と共に、図9に示すような1つの画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図8に示すフルカラー画像形成装置に搭載した。4つの画像形成要素では、帯電部材としてスコロトロン方式の帯電部材により感光体表面電位が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像はそれぞれ、先に作製した黒色トナー現像剤(K−1)、イエロートナー現像剤(Y−1)、マゼンタトナー現像剤(M−1)、シアントナー現像剤(C−1)を用いて2成分現像を行い、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、毎分40枚の速度で、連続15万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
また、感光体表面には、図6に示すような機構にて、画像出力100枚ごとにステアリン酸亜鉛を感光体3回転分だけ供給した。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
(iii)色再現性の評価
感光体初期状態と15万枚ランニング後に、同じフルカラー画像を出力し、色再現性の評価を試みた。
(i)、(ii)、(iii)何れの場合にもランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表10に示す。
実施例53および比較例61〜68において、それぞれ、ステアリン酸亜鉛の供給を行わなかった以外は、実施例53および比較例61〜68と同様に評価を行った。結果を表10に示す。
感光体42〜50に関しては、先の通紙ラン試験(実施例53および比較例61〜68)を実施した後、低温低湿環境下(10℃、15%RH)で、図13に示すようなテストチャートを用い、実施例53と同じ条件下で、黒ベタ部から白ベタ部の方向で画像出力し、連続50枚の印刷を実施し、クリーニング性の評価を実施した(クリーニング試験は、黒ステーションのみを動作させて実施した)。
この際、50枚目の白ベタ部の画像を目視にて評価した。結果を表11に示す。
2 除電ランプ
3 帯電部材
5 画像露光部
6 現像ユニット
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャー
11 分離チャージャー
12 分離爪
13 添加剤供給部材
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
16Y、16M、16C、16K 感光体
17Y、17M、17C、17K 帯電部材
18Y、18M、18C、18K レーザー光
19Y、19M、19C、19K 現像部材
20Y、20M、20C、20K クリーニング部材
22 転写搬送ベルト
23 レジストローラ
24 定着装置
25Y、25M、25C、25K 画像形成要素
26 転写紙
27Y、27M、27C、27K 添加剤供給部材
40 感光体
41 ブラシ状構造部材
42 固形化した添加剤
43 ブレード状構造部材
44 現像部材
45 帯電部材
46 感光体
47 帯電部材
48 シールド
49 ガス導入部
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
108 除電手段
109 添加剤供給部材
201 導電性支持体
202 フィラー分散層
203 樹脂層
204 感光層
205 電荷ブロッキング層
206 モアレ防止層
207 電荷発生層
208 電荷輸送層
209 保護層
Claims (44)
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び電子写真感光体を具備してなり、電子写真感光体表面に外部より添加剤を供給する機構を有する画像形成装置において、電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層、および保護層を順に積層してなる電子写真感光体であり、該保護層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されるものであることを特徴とする画像形成装置。
- 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層した積層構成からなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満、0.3μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記絶縁性材料がポリアミドであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記ポリアミドが、N−メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記モアレ防止層が無機顔料とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記バインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記熱硬化型樹脂がアルキッド樹脂/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記無機顔料が酸化チタンであることを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記酸化チタンが平均粒径の異なる2種類の酸化チタンであり、平均粒径の大きい方の酸化チタン(T1)の平均粒径をD1とし、他方の酸化チタン(T2)の平均粒径をD2とした場合、0.2<(D2/D1)≦0.5の関係を満たすことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)が、0.05μm<D2<0.20μmであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記平均粒径の異なる2種の酸化チタンの混合比率(重量比)が、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置。
- 前記感光層もしくは電荷輸送層が少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層が有機溶剤に対して不溶性であることを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至17の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送性構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする請求項1乃至18の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)又は(2)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1乃至19の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合が、保護層全量に対し30〜70重量%であることを特徴とする請求項1乃至21の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の成分割合が、保護層全量に対し30〜70重量%であることを特徴とする請求項1乃至22の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項1乃至23の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記添加剤の供給が、感光体に当接する供給部材より行われることを特徴とする請求項1乃至24の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記添加剤の供給部材が、ブラシ状構造部材であることを特徴とする請求項25に記載の画像形成装置。
- 前記添加剤の供給が、画像形成用現像部材により行われることを特徴とする請求項1乃至25の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記添加剤の供給を、ブラシ状構造部材からの供給と画像形成用現像部材からの供給を併用することを特徴とする請求項26又は27に記載の画像形成装置。
- 前記ブラシ状構造部材及び/又は画像形成用現像部材と、ブレード状部材を併用することを特徴とする請求項26乃至28の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記添加剤を供給する機構が接触・離間機構を有し、電子写真感光体への添加剤の供給を制御することを特徴とする請求項1乃至29の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記添加剤が、少なくともワックス類および滑剤の中から選ばれる1種であることを特徴とする請求項1乃至30の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記添加剤が、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項31に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段において、少なくとも帯電手段と感光体との間に形成される帯電ニップが覆われる形状のシールドを有し、帯電ニップにおける雰囲気の相対湿度を50%RH以下に維持することを特徴とする請求項1乃至32の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置において、シールド内に相対湿度が50%RH以下のガスを導入して、帯電ニップにおける雰囲気の相対湿度を50%RH以下に維持することを特徴とする請求項33に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置において、シールド内に室温よりも高い温度のガスを導入して、帯電ニップにおける雰囲気の相対湿度を50%RH以下に維持することを特徴とする請求項33又は34に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置において、感光体内部にドラムヒーターを設置し、帯電ニップにおける雰囲気の相対湿度を50%RH以下に維持するすることを特徴とする請求項1乃至33の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置に用いられる転写手段が、感光体上に形成されたトナー像を直接被転写体に転写する直接転写方式であることを特徴とする請求項1乃至36の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置において、非書き込み部における転写後の感光体表面電位が、帯電手段により帯電された極性の絶対値として、100V以下であることを特徴とする請求項37に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置において、非書き込み部における転写後の感光体表面電位が、帯電手段により帯電された極性の逆極性であることを特徴とする請求項37に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置において、非書き込み部における転写後の感光体表面電位が、帯電手段により帯電された極性の逆極性の絶対値として、100V以下であることを特徴とする請求項39に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置において、光除電機構を用いないことを特徴とする請求項1乃至40の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置の帯電手段に、交流重畳電圧印加を行うことを特徴とする請求項1乃至41の何れかに記載の画像形成装置。
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする請求項1乃至42の何れかに記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体と少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となった、装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項1乃至43の何れかに記載の画像形成装置。
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-
2005
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