JPH11133762A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 像担持体、クリーニングブレードの摩耗低減
及びブレードの巻き込み、ブレードのビビリの解消、更
には転写性能の向上、小粒径トナー、球形トナーのクリ
ーニング性向上を実現することができる画像形成装置を
提供する。 【解決手段】 画像情報を担持する像担持体１と、これ
に加圧する弾性ローラ１１と、像担持体上の画像情報に
タイミングを合わせて転写材を像担持体と弾性ローラの
間に搬送するためのレジストローラ２１，２２とを備え
た画像形成装置において、上記像担持体及び弾性ローラ
とレジストローラとの間の転写材搬送路に潤滑剤供給手
段２５が配設される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式複写
機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来公知の上記画像形成装置において
は、像担持体（あるいは中間転写体）上の残留トナーを
除去するためのクリーニング装置が所定位置に設置され
ている。このようなクリーニング装置は、像担持体と接
触しながら回転するファーブラシと、このファーブラシ
と接触しながら回転する回収ローラとを備えており、画
像形成プロセスを終了した像担持体の表面は、上記ファ
ーブラシによる静電的吸着及び機械的摺擦によって、残
留トナーを除去される。この際、当該残留トナーはファ
ーブラシによって完全に像担持体から除去されるのが困
難であって、一部は像担持体上にとどまることとなる。
そこでそのような残トナーをファーブラシ下流側に設け
られたクリーニングブレードの機械的摺擦によってファ
ーブラシ上に掻き落とされるようになっている。

【０００３】このようなものを長期使用すると、トナー
成分が像担持体の表面に付着し、特に微粉添加物を含有
するトナーの場合には、トナーの表面から微粉添加物が
遊離して像担持体の表面に付着する。そもそもこの微粉
添加物はトナーの流動性を向上させるために添加される
ものであって、トナーの円滑な供給を実現し、転写性能
を向上させることができるものである。しかしこの微粉
添加物は一旦像担持体の表面に付着すると、ファーブラ
シやクリーニングブレードで掻き取ることが困難であ
り、これを核としてトナーの主成分である樹脂が徐々に
付着していって紡錘形の斑点に成長して、帯電工程で表
面に電荷が保持されるが、露光工程では除電されないた
め、トナーが現像されて画像の品質を劣化させるのに加
えて、クリーニングブレードのエッジ部分を損傷すると
いう問題がある。更に長期使用によって像担持体とクリ
ーニングブレードとの当接部等にトナーや紙粉等が堆積
し、これらの堆積物がクリーニングブレードのエッジ部
分に徐々に押し込まれてクリーニングブレードを持ち上
げ、一部のトナーや紙粉等はこのような状態のままで滞
留してしまって、クリーニングブレードのエッジ部分の
密着不良を誘起してクリーニング不良が発生し、特に小
粒径のトナーの使用時にこのような不具合を生じ易いと
いう問題がある。

【０００４】そこで特開平６−３２４６０３号公報で
は、像担持体上の残留トナーを除去するため、当該像担
持体と接触しながら回転するファーブラシと、このファ
ーブラシに接触しながら回転する回収ローラとを備えた
画像形成装置におけるクリーニング装置において、上記
回収ローラに潤滑剤をを塗布することが提案されて、フ
ァーブラシを介して像担持体に潤滑剤を転移させること
が行われる。

【０００５】また特開平６−３４２２３６号公報では、
像担持体に当接して回転する帯電ローラに潤滑剤を塗布
し、当該帯電ローラの線速比を変えて像担持体へ潤滑剤
を転移させることが開示されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
６−３２４６０３号公報に開示の構成では、クリーニン
グ装置内にファーブラシ、回収ローラを設けて潤滑剤を
像担持体に転移させているので、装置が大型化しがち
で、コストも高くなる。また潤滑剤の供給過多を防止す
るために潤滑剤の間欠供給を行うようにしているので、
更にコスト高とならざるをえない。また特開平６−３４
２２３６号公報に開示の構成では、帯電ローラ表面に体
積抵抗の異なる異物が付着すると帯電性能の低下（帯電
ムラ）が発生する。また帯電ローラから像担持体への潤
滑剤の供給過多を防止するため、帯電ローラは像担持体
に対して線速差が付けられている。このため、駆動部の
変速機構が必要となり、コスト高の原因となる。

【０００７】そこで本発明は、上記従来技術における欠
点を解消し、像担持体、クリーニングブレードの摩耗低
減及びブレードの巻き込み、ブレードのビビリの解消、
更には転写性能の向上、小粒径トナー、球形トナーのク
リーニング性向上を実現することができる画像形成装置
を提供することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明にし
たがって、画像情報を担持する像担持体と、これに加圧
する弾性ローラと、像担持体上の画像情報にタイミング
を合わせて転写材を像担持体と弾性ローラの間に搬送す
るためのレジストローラとを備えた画像形成装置におい
て、上記像担持体及び弾性ローラとレジストローラとの
間の転写材搬送路に潤滑剤供給手段が配設されるように
構成することによって、解決される。

【０００９】上記潤滑剤供給手段が、転写材の画像情報
転写側に配置されているのが良い。そして、上記転写材
搬送路を形成する転写材搬送ガイド板に、上記潤滑剤供
給手段が一体的に取り付けられているか、上記潤滑剤供
給手段がブラシローラを備えてなっていれば、好都合で
ある。特に上記ブラシローラが、転写材との接触領域で
当該転写材と同一方向に移動するように回転し、更に上
記ブラシローラの外形先端の移動軌跡の線速が、転写材
の線速よりも早くなっていれば、より好ましい。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の詳細を、図に示された例
に基づいて説明する。図１に画像形成装置の概略的な全
体構成を示し、以下にその動作説明を行う。ここでは、
画像形成の一連のプロセスをＮ／Ｐの例で行う。

【００１１】不図示の操作部のプリントボタンが押され
ると、除電ランプ２、帯電ローラ３、現像ローラ８、転
写ローラ１１及び分離電極１２にそれぞれ所定の電圧又
は電流が順次所定のタイミングで印加され、それとほぼ
同時に感光体ドラム１、帯電ローラ３、現像装置内の現
像ローラ８、左スクリュー９及び右スクリュー１０、転
写ローラ１１及びクリーニング装置内のトナー排出スク
リュー１６が所定の方向に回転し始める。

【００１２】感光体ドラム１は除電ランプ２で除電さ
れ、接触回転している帯電ローラ３で一様に負に帯電さ
れ（例えば−９００Ｖ）され、レーザ光４で潜像形成
（黒ベタ電位は例えば−１５０Ｖ）が行われる。その潜
像が現像ローラ８で形成される磁気ブラシにより現像さ
れ（印加電圧は例えば−６５０Ｖ）、トナー像が形成さ
れる。そしてそのトナー像は、不図示の給紙機構から上
レジストローラ２１と下レジストローラ２２で画像先端
と同期をとって感光体ドラム１と転写ローラ１１との間
に給送される転写紙に、転写され（例えば＋１０μ
Ａ）、当該転写紙は分離電極１２によって感光体ドラム
１から分離され、不図示の定着装置を経てコピーとして
排出される。一方、転写ローラ１１での転写の際に残っ
た感光体ドラム１上のトナーは、感光体ドラム１の回転
でクリーニング部まで移送され、クリーニングブレード
２０によって感光体ドラム１上から除去される。

【００１３】転写紙２８の搬送は図２に示されるよう
に、上レジストローラ２１と下レジストローラ２２の接
触点の接線方向に向かって行われる。上レジストローラ
２１と下レジストローラ２２の接触点を抜けた転写紙２
８は、上ガイド板２４上の下ガイド板２３に対向した面
に着脱自在に配設された潤滑剤部材２５の表面と摺擦し
ながら感光体ドラム１の方へ送られ、当該感光体ドラム
１と転写ローラ１１の接触部に至る。転写紙２８が潤滑
剤部材２５の表面と摺擦する際に、転写紙表面に潤滑剤
粒子２７が少量ずつ付着して、加圧スプリング２９によ
る転写ローラ１１の加圧力で転写紙２８から感光体ドラ
ム１へ当該潤滑剤粒子２７は転移する。その際、現像ロ
ーラ８を通過した時点で感光体ドラム１上にはトナー像
が形成されており、当該トナー像に対向する転写紙２８
上の潤滑剤粒子２７は感光体ドラム１へ殆ど転移せず、
トナー像のない部分に対向する転写紙上の潤滑剤粒子２
７のみが感光体ドラム１へ転移する。

【００１４】転写部を通過した感光体ドラム１上の潤滑
剤粒子２７はムラになった状態でクリーニング部へ移送
される。クリーニング部のクリーニングブレード２０に
よって感光体ドラム１上の潤滑剤粒子２７のグループは
幅方向及び厚みがならされて均一化され、クリーニング
ブレード２０で全体の１／３程度が削りとられ、更に現
像部で１／３程度が削りとられながら現像され、感光体
ドラム１上には１／３程度が残り、次の作像プロセスが
行われる。

【００１５】以上のように転写紙２８を介して潤滑剤が
感光体ドラム１に転移されることにより、感光体ドラム
１の表面には潤滑剤の薄い膜が形成され、感光体ドラム
１とクリーニングブレード２０との摺擦抵抗を下げるこ
とができ、摩耗を低減し、且つ転写時には虫食い等の不
具合を解消できる。なお潤滑剤としては、例えば乾燥し
た固体疎水潤滑剤である。その代表例としては、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、
ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸
コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレ
イン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、
オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸
銅、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸コバルト、パルチ
ミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルミチン酸ア
ルミニウム、パルチミン酸カルシウム、カプリル酸亜
鉛、カプリル酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸カルシ
ウム及びリコリノネン酸カドミウムのような比較的高次
の脂肪酸、例えばカポットコーポレーションから市販さ
れているＣａｂ-Ｏ-Ｓ11のようなコロイド状高温シリカ
粉末があり、カルナウバワックスのような天然ワックス
でも効果がある。

【００１６】図３及び図４に本発明の別の構成を図１及
び図２に対応させて示す。説明の簡略化のために、同一
部材については同一の符号を付すことによって、その説
明は上記第１の例での記載に譲り、ここでは本例に特徴
的な部分についてのみ述べる。転写紙２８に潤滑剤を供
給するにあたり、当該転写紙２８を直接的に潤滑剤部材
２５に摺擦するのではなく、供給ブラシ（ブラシロー
ラ）２６を用い、当該供給ブラシ２６によって潤滑剤部
材２５から潤滑剤粒子２７を徐々に削り取って、転写紙
２８表面に塗布するようになっている。供給ブラシ２６
は、上ガイド板２４と下ガイド板２３からなる用紙搬送
路に入り込むように配置され、転写紙２８へ確実に潤滑
剤粒子を塗布できるようになっている。この供給ブラシ
２６の回転は、転写紙２８の給送を妨げることなく、当
該転写紙２８との接触位置で同一方向に回転し、しかも
当該転写紙２８の搬送速度よりもブラシの線速の方が早
いように観点している。潤滑剤部材２５は上記第１の例
と同じように着脱自在に設置されているものであり、潤
滑剤の減りに応じて新たな部材に取り替えられる。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、画像情報を担持する像
担持体と、これに加圧する弾性ローラと、像担持体上の
画像情報にタイミングを合わせて転写材を像担持体と弾
性ローラの間に搬送するためのレジストローラとを備え
た画像形成装置において、上記像担持体及び弾性ローラ
とレジストローラとの間の転写材搬送路に潤滑剤供給手
段が配設されているので、帯電ローラを利用して潤滑剤
を塗布する場合のように（帯電ムラに相当する）ユニッ
ト性能の低下を招くことがなく、比較的スペースに余裕
のある範囲での配設なので、装置の大型化を引き起こす
ことがなく、潤滑剤の像担持体への転移が可能となる。

【００１８】上記潤滑剤供給手段が、転写材の画像情報
転写側に配置されていれば、片面複写の場合で潤滑剤の
像担持体への転移ができ、像担持体への残トナーの付着
等によるクリーニング性能の低下を極力避けることが可
能である。上記転写材搬送路を形成する転写材搬送ガイ
ド板に、上記潤滑剤供給手段、場合によっては固形潤滑
剤そのものが一体的に取り付けられていれば、構成が簡
単である。上記潤滑剤供給手段がブラシローラを備えて
なっていれば、転写材への潤滑剤の塗布をムラなく行う
ことができる。上記ブラシローラが、転写材との接触領
域で当該転写材と同一方向に移動するように回転し、更
に上記ブラシローラの外形先端の移動軌跡の線速が、転
写材の線速よりも早くなっていれば、転写材の画像先端
との位置合わせに狂いを生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る画像形成装置の概略的な全体構成
を示す。

【図２】図１に対応し、転写紙を介して感光体ドラムに
潤滑剤を塗布する構成部分を拡大して示した図である。

【図３】本発明に係る別の画像形成装置の概略的な全体
構成を示す。

【図４】図３に対応し、転写紙を介して感光体ドラムに
潤滑剤を塗布する構成部分を拡大して示した図である。

【符号の説明】

１ 感光体ドラム １１ 転写ローラ ２１，２２ レジストローラ ２３，２４ ガイド板 ２５ 潤滑剤部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安富 啓 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内 (72)発明者 吉井 雅子 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像情報を担持する像担持体と、これに
   加圧する弾性ローラと、像担持体上の画像情報にタイミ
   ングを合わせて転写材を像担持体と弾性ローラの間に搬
   送するためのレジストローラとを備えた画像形成装置に
   おいて、上記像担持体及び弾性ローラとレジストローラ
   との間の転写材搬送路に潤滑剤供給手段が配設されるこ
   とを特徴とする画像形成装置。
2. 【請求項２】 上記潤滑剤供給手段が、転写材の画像情
   報転写側に配置されていることを特徴とする請求項１に
   記載の画像形成装置。
3. 【請求項３】 上記転写材搬送路を形成する転写材搬送
   ガイド板に、上記潤滑剤供給手段が一体的に取り付けら
   れていることを特徴とする請求項１又は２に記載の画像
   形成装置。
4. 【請求項４】 上記潤滑剤供給手段がブラシローラを備
   えてなることを特徴とする請求項１又は２に記載の画像
   形成装置。
5. 【請求項５】 上記ブラシローラが、転写材との接触領
   域で当該転写材と同一方向に移動するように回転するこ
   とを特徴とする請求項４に記載の画像形成装置。
6. 【請求項６】 上記ブラシローラの外形先端の移動軌跡
   の線速が、転写材の線速よりも早いことを特徴とする請
   求項４又は５に記載の画像形成装置。