JP2003167367A - フルカラー画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

フルカラー画像形成装置およびプロセスカートリッジ

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JP2003167367A JP2001369939A JP2001369939A JP2003167367A JP 2003167367 A JP2003167367 A JP 2003167367A JP 2001369939 A JP2001369939 A JP 2001369939A JP 2001369939 A JP2001369939 A JP 2001369939A JP 2003167367 A JP2003167367 A JP 2003167367A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間の繰り返し使用に対しても、あらゆる
環境下で良好な環境安定性を有するとともに安定した高
画質が得られるタンデム方式のフルカラー画像形成装置
および該画像形成装置用プロセスカートリッジを提供す
る。 【解決手段】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現
像手段、転写手段、および導電性支持体上に少なくとも
中間層、感光層、保護層を設けてなり、該中間層が有機
金属化合物および/またはシランカップリング剤を含有
し、かつ該保護層が少なくともα−アルミナ粒子とバイ
ンダー樹脂を含有することからなる電子写真感光体を具
備した画像形成要素とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐久性を有し、
かつ長期間にわたり高画質化を実現したタンデム方式の
フルカラー画像形成装置および該フルカラー画像形成装
置用プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、レーザープリン
タ等に応用されている電子写真感光体を用いた電子写真
方式とは、少なくとも電子写真感光体(感光体)が帯
電、画像露光、現像の過程を経た後、トナー画像を画像
保持体(転写紙)へ転写、定着というプロセスよりなる
方式である。感光体が、この電子写真方式において要求
される基本的な特性としては、(1)暗所で適当な電位
に帯電できること、(2)暗所において電荷の散逸が少
ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を散逸で
きること等が挙げられる。さらに、これらの特性以外に
画質特性等の長期信頼性や低公害性、コストの低さ等も
要求される。
【0003】従来、電子写真方式において使用される感
光体としては導電性支持体上にセレン、ないしセレン合
金を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛・硫化
カドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散
させたもの、および非晶質シリコン系材料を用いたもの
等が一般的に知られているが、近年ではコストの低さ、
感光体設計の自由度の高さ、無公害性等から有機系感光
体が広く利用されるようになってきている。
【0004】有機系の感光体には、ポリビニルカルバゾ
ール(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−T
NF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表さ
れる電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代
表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを
組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られて
おり、特に機能分離型の感光体が感度、耐久性、安定性
など様々な特性において優れており注目されている。
【0005】この機能分離型の感光体における静電潜像
形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射する
と、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電
荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質
は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入
され、帯電によって生じた電界に沿って電荷輸送層中を
移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜
像を形成するものである。機能分離型感光体において
は、主に可視部、近赤外部に吸収を持たず高い移動度を
有する電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持ち高い量
子効率を有する電荷発生物質とを組み合わせて用いるこ
とが知られており、かつ有用である。
【0006】ところが、電子写真方式に用いられる有機
系電子写真感光体の電荷輸送物質は多くが低分子化合物
として開発されており、低分子化合物は単独で成膜性が
ないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いら
れる。しかるに、低分子電荷輸送物質と不活性高分子か
らなる電荷輸送層は一般に柔らかく、電子写真プロセス
において繰り返し使用された場合に感光体表面への機械
的負荷により摩耗が生じ、電荷輸送層の膜厚が薄くなる
ことが短所として挙げられる。実際、感光体の摩耗によ
り電界強度が高くなり、局部的リークによる黒点や感度
の劣化による画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像が発
生し、感光体の寿命を低下させることがある。
【0007】さらに、近年は画像形成装置のカラー化が
進み、電子写真方式を利用したカラー画像形成装置とし
ては、一般的に次の2つの方式が提案されている。1つ
はシングル方式あるいはシングルドラム方式呼ばれるも
のであり、装置中に1つの感光体が搭載され、4色の現
像部材が搭載されたものである。この方式においては、
感光体上もしくは被転写部材(出力用の紙に直接、ある
いは中間転写体に一旦転写され、その後に紙に転写され
る)に4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラッ
ク)のトナー像が形成される。この場合、感光体の周り
に配置される帯電部材、露光部材、転写部材、定着部材
は共通化することが可能で、後述のタンデム方式に比
べ、小型で、低コストに設計することが可能である。
【0008】一方、もう1つの方式としてタンデム方式
あるいはタンデムドラム方式と呼ばれる方式がある。こ
れは、少なくとも装置中に複数の感光体が搭載されたも
のである。一般的には、1本の感光体に対し、帯電、露
光、現像の各部材が1つずつ配置され、1つの画像形成
要素を形成し、これが複数個(一般的には4つ)搭載さ
れている。この方式においては、1つの画像形成要素で
1色のトナー像を形成し、順次、被転写体にトナー像を
転写し、カラー像を形成する。この方式のメリットとし
て、高速画像形成が可能であることが挙げられる。これ
は上述のように、各色のトナー像を並列処理にて作製で
きるためである。このため、シングル方式に比べ、画像
形成処理時間がおよそ4分の1の時間で済み、4倍の高
速プリントに対応が可能になる。
【0009】ところが、このタンデム方式においては、
高速のカラー記録に対応できる利点を有している反面、
複数の画像形成要素を有するためにいくつかの課題が残
されている。例えば、装置の大型化や複数の各画像形成
要素間での特性の均一化が挙げられる。即ち、従来のシ
ングル方式においては、使用される感光体は基本的に1
本であり、最もシンプルな構成においては帯電器や書き
込み系を共通化し、現像器を複数個配置される構成に止
まるものである。
【0010】しかしながら高速カラー記録の実現のため
には、上記のように各色トナー像の並列作製が必須であ
って、少なくとも複数本の感光体に対応した帯電器、書
き込み系、現像器を、それぞれ独立に感光体周りに配置
することが必要である。この1つの画像形成要素を小型
化するためには、感光体周りに配置される帯電器、書き
込み系、現像器を小さくすることも重要であるが、その
中心である感光体の径を小さくすることが最も重要であ
る。
【0011】他方、このように複数個の画像形成要素を
用いて同時にトナー像を形成する場合には、静電潜像の
形成されるコンディションがすべて同一でなければなら
ない。即ち、複数個のうちどれか1つでもコンディショ
ンが異なってしまうと、色再現性や色ムラといった問題
が発生してしまう。この点がシングル方式と大きく異な
る点である。このコンディションを最も左右するもの
が、感光体の特性変化およびバラツキである。
【0012】以上のことから、タンデム方式の画像形成
装置に使用される感光体には小径化と高耐久性が同時に
要求される。つまり、高速カラー記録に対応した小径化
に対しては、感光体の高感度化および高速応答性が要求
される。また、複数本の感光体間に差を生じないような
高耐久性、即ち耐摩耗性と電位安定性が要求される。特
に耐摩耗性と電位安定性に関しては、(1)複数本の感
光体使用初期状態の静電特性および膜厚のバラツキを無
くすこと、(2)感光体の繰り返し使用における静電疲
労特性のプロフィールを揃えること、(3)繰り返し使
用における感光体の摩耗量および摩耗分布を均一化する
ことが極めて重要なポイントになる。
【0013】しかしながら、これまでの感光体開発にお
いては、先のシングルカラー方式あるいはモノクロ現像
を使用した画像形成装置を対象に行われてきたため、複
数本の感光体の静電特性および摩耗特性を初期および繰
り返し使用後に至るまで、均一化するという考え方は希
であり、それに対応できる技術も極めて少ないものであ
った。
【0014】このような課題に対し、タンデム方式の画
像形成装置用感光体として、無機系光導電材料の代表で
あるアモルファスシリコンを用いた画像形成装置が提案
(特開平12−19809号公報、特開平13−600
12号公報)されているが、光導電層にアモルファスシ
リコンを用いた感光体は、帯電能が低く、シアン、マゼ
ンタ、イエローの各色においてコントラストが得られな
いという問題点や、さらに温度/湿度の影響を受けやす
く、生産コストが高くなるといった問題もある。また、
その他の無機系光導電材料としてのセレン系材料やCd
Sといった材料も毒性の問題から、その発展性は困難と
考えられる。これに対して、本願においては、感光体を
構成する光導電材料としては、有機系光導電材料を対象
としている。
【0015】前記耐摩耗性を向上させる手段として、感
光体の最表面に保護層を設けるという考え方もある。感
光体の表面層としての保護層の検討は、無機系感光体か
ら始まり、例えば、特公平2−3171号公報、特公平
2−7058号公報、特公平3−43618号公報など
に記載されている。このように無機感光体の表面に保護
層が設けられた場合には、保護層には比較的電気抵抗の
低いフィラーが用いられている(特開昭63−2544
62、特開昭63−254463号公報)。このため、
感光体が帯電される際、感光体表面に帯電されるという
より、むしろ保護層バルクもしくは保護層/無機感光層
界面に帯電される場合が多かった。このように潜像が感
光体表面でなく、保護層内部(無機感光層との界面を含
む)に形成された場合、感光体表面の形状(キズ等)の
影響は少なくなるという利点はある。しかしながら、表
面層に保護層としての機能を持たせようとした場合、表
面層(保護層)中に添加するフィラーとしての導電性金
属酸化物を多量に添加する必要がある。この場合、材料
の適切な選択により表面層の透明性を確保したとして
も、表面層(保護層)のバルクもしくは表面抵抗が低く
なってしまうため、繰り返し使用時に画像ボケという欠
点が出現する場合があった。このような欠点を解消する
ため、特公平2−7057号公報、特許番号26750
35号公報に、表面層中の導電性金属酸化物濃度を塗膜
表面からの深さ方向において変化させ、これにより画像
ボケ・流れを解消させる方法が開示されている。
【0016】また、画像ボケに対する問題をプロセス中
の処理により解消する方法として、感光体を加熱するド
ラムヒーターを搭載する手段が用いられている。感光体
を加熱することによって画像ボケの発生は抑制できるも
のの、ドラムヒーターを搭載するには感光体の径が大き
くなければならないため、本発明のようにタンデム方式
に用いられる小径感光体には適用できず、小径感光体の
高耐久化が困難とされてきた。さらに、ドラムヒーター
の搭載によって装置が大型にならざるを得ず、消費電力
が顕著に増加する上、装置の立ち上げ時には多くの時間
を要する等、多くの課題を残しているのが実状であっ
た。
【0017】一方、有機系の電荷発生物質および電荷輸
送物質を用いた感光体(俗に言うOPC)上に、前述の
ような技術を応用し、抵抗の低いフィラーを用いた表面
層(保護層)を積層し、繰り返し使用の試験を行った場
合、OPCとのマッチングが悪いためか、画像流れが生
じた。また、無機系の感光体で有効であった導電性金属
酸化物の表面層中に濃度分布を持たせる方法を用いた場
合でも、ほぼ同様の結果であった。この原因については
不明であるが、最近の有機感光体を用いた電子写真プロ
セスにおいては、デジタル信号を感光体上にドットして
書き込むような使い方がなされ、このような使用状況は
無機系感光体が感光体の主流であったころとは大きく異
なっている。即ち、画像形成装置側から要求される解像
度のレベルが大きく変わり、画像流れ等の現象が顕著に
なったという見方もできる。
【0018】このような状況から、有機系感光体の表面
層には、導電性でなく電気抵抗の高いフィラーを用いる
ことが必須である。しかしながら、電気抵抗の高いフィ
ラーを用いた場合には、残留電位が増加してしまうとい
う問題点が発生する場合がある。多く見られる残留電位
の増加は、電子写真装置内では明部電位が高いことにつ
ながり、画像濃度や階調性の低下を招くことになる。そ
れを補うためには暗部電位を高くする必要があるが、暗
部電位を高くすると電界強度が高くなり、地肌汚れ等の
画像欠陥を生じさせるだけでなく、感光体の寿命をも低
下させることにつながる。このような点に鑑み、電気抵
抗の高いフィラーと電気抵抗の低いフィラーとの2種類
を混合させて使用するという考え方も試みられたが、電
気抵抗の低いフィラーが感光体表面に多く存在すると、
繰り返し使用時に画像ボケが発生するという問題は解消
されず、根本的な解決には至っていない。
【0019】従来技術において残留電位上昇を抑制させ
る方法としては、保護層を光導電層とする方法(特公昭
44−834号公報、特公昭43−16198号公報、
特公昭49−10258号公報)が開示されている。し
かし、保護層による光の吸収によって感光層へ到達する
光量が減少するため、感光体の感度が低下する問題が生
じ、その効果はわずかであった。
【0020】それに対して、フィラーとして含有される
金属あるいは金属酸化物の平均粒径を0.3μm以下に
することによって(特開昭57−30846号公報)、
保護層が実質的に透明となり、残留電位蓄積を抑制する
方法が開示されている。この方法は残留電位の増加を抑
制する効果は認められるものの、その効果は不十分であ
り、課題を解決するには至っていないのが実状である。
それは、フィラーを含有させた場合に引き起こされる残
留電位の増加は、電荷発生効率よりもフィラーの存在に
よる電荷トラップやフィラーの分散性に起因する可能性
が高いことによる。
【0021】残留電位上昇を抑制する別の手段として
は、保護層中にルイス酸等を添加する方法(特開昭53
−133444号公報)、保護層に有機プロトン酸を添
加する方法(特開昭55−157748号公報)、電子
受容性物質を含有させる方法(特開平2−4275号公
報)、酸価が5(mgKOH/g)以下のワックスを含
有させる方法(特開平12−66434号公報)、電荷
(正孔)輸送物質を含有させる方法(特開平8−158
87号公報、特開平8−123053号公報等)、電荷
輸送性能を有する構造単位を有し、かつ架橋構造を有す
るシロキサン系樹脂を含有する表面保護層とする方法
(特開平12−338704号公報)等が開示されてい
る。これらの方法は、保護層/電荷輸送層界面での電荷
の注入性を向上させ、また保護層に低抵抗部分が形成さ
れることにより、電荷が表面にまで到達しやすくなるも
のと考えられている。上記手法によれば、残留電位の低
減効果が認められるが、それによって画像ボケを引き起
こしやすくなり、画像への影響が顕著に現れる副作用を
有する。また、有機酸を添加した場合にはフィラーの分
散性の低下を引き起こしやすくなるため、その効果は十
分ではなく、課題の解決に至っていないのが実状であ
る。
【0022】また、高耐久化のためにフィラーを含有さ
せた電子写真感光体(感光体)において、高画質化を実
現するためには、前述の画像ボケの発生や残留電位上昇
を抑制させるだけでなく、電荷が保護層中のフィラーに
よって進行を妨げられることなく、感光体の表面まで電
荷が直線的に到達することも重要である。それには保護
層膜中のフィラーの分散性が大きく影響する。フィラー
が凝集した状態では、電荷輸送層より保護層へ注入され
た電荷が表面へ移動する際、フィラーによって進行が妨
げられやすくなり、結果的にトナーにより形成されたド
ットが散った状態となって解像度が大きく低下する。ま
た、保護層を設けた場合に、フィラーによって書き込み
光が散乱され光透過性が低下する場合も、同様に解像度
に大きな悪影響を与えることになるが、この光透過性に
与える影響もまたフィラーの分散性と密接に関係してい
る。
【0023】さらに、フィラーの分散性は耐摩耗性に対
しても大きく影響し、フィラーが強い凝集を起こし、分
散性に乏しい状態では耐摩耗性が大きく低下する。従っ
て、高耐久化のためにフィラーを含有させた保護層を形
成した感光体において、同時に高画質化を実現するため
には、画像ボケの発生や残留電位上昇を抑制させるだけ
でなく、保護層膜中のフィラーの分散性を高めることが
重要である。
【0024】また、本発明のようにタンデム方式の画像
形成装置に用いられる感光体においては、耐摩耗性を高
めるだけでなく、使用する複数本の感光体の摩耗速度が
ほとんど等しく、初期および繰り返し使用後においても
複数本の感光体の膜厚が同等であることが重要である。
また、画像形成装置に搭載される各々の感光体1本内の
膜厚分布や繰り返し使用における摩耗量分布が極めてフ
ラットであることも重要なことである。このような観点
に対しても、従来用いられてきた保護層では、その機能
を満足できるものはない。
【0025】一方、主として感光体を構成する支持体の
構造的欠陥の被覆や支持体から感光層へのキャリアの
注入を阻止することを目的として、支持体と感光層との
間に中間層を設けることが行われている。従来より
(1)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルブチラール、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、および
メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂等の熱硬化性樹脂に見られるような樹脂薄膜単独
の中間層(特開昭63−292147号公報、特開平1
2−19763号公報、特開平2−193152号公報
等)、(2)導電性フィラーを結着樹脂(バインダー樹
脂)中に分散した中間層(特開平6−208238号公
報、特開平7−271072号公報、特開平9−620
21号公報等)、(3)導電性支持体上に陽極酸化皮膜
を設ける方法(特開平7−333881号公報)、
(4)ゾルゲル法により無機系の硬化膜を用いた中間層
(特開平12−314975号公報、特開平13−42
553号公報)等が提案されている。しかしながら、い
ずれの場合にも本発明のようなタンデム方式のフルカラ
ー画像形成装置に使用される場合には、以下に示すよう
な問題を招く。
【0026】前記(1)の場合には、支持体上の欠陥を
被覆するために厚膜にすると、使用できる樹脂のほとん
どが電気的絶縁性材料であるため、繰り返し使用におい
て残留電位が高くなってしまう。これを防ぐため、中間
層の膜厚は非常に薄くする必要があり、ほとんどの場合
1μm以下の膜厚構成になる。このような薄膜の場合に
は、その形成法が湿式塗工法で行われるため、塗膜中の
ピンホールを回避することが困難である。このように薄
膜化するとバリア性が低下したり、局所的なピンホール
が発生し易くなり、現在の主流であるネガ・ポジ現像方
式においては、画像の地汚れ・黒ポチといった欠陥を有
することになる。この欠陥は、図面における点、英文原
稿におけるピリオド、カンマなどと見間違えられること
があり、画像としては致命的な欠陥であると言える。さ
らに樹脂の体積抵抗はイオン伝導性に依存するところが
多いため、画像形成装置の置かれる環境変動によって著
しく影響を受け、常に安定したフルカラー画像を形成す
ることができない。
【0027】前記(2)の場合には、上記(1)の欠点
を克服するため、導電性フィラーあるいは電子伝導性フ
ィラー(感光体のほとんどが正孔輸送タイプであるため
であり、電子輸送タイプの感光体の場合には正孔輸送タ
イプのフィラーが用いられる)を用いることで、厚膜化
を図っている。この際、導電性フィラーの分散性が悪い
と中間層の電気抵抗や誘電率等の電気特性が変化し、電
位特性や画像特性に大きな影響を与える場合がある。ま
た、フィラー樹脂分散系で構成される中間層には、超微
粒子化したサブミクロン以下のフィラーは、高コストで
あることに加えて、極めて嵩高いために作業性が悪く、
製造上使用することができない。このため、サブミクロ
ン(最小で一次粒子が0.3μm程度)の微粒子が用い
られることが多い。このため、分散液中あるいは塗工成
膜中にフィラーの再凝集が起こり、結果として1μm以
上の塗膜欠陥を生じることがあり、均一な帯電性、電位
保持性を有する感光体設計のための中間層が形成され
ず、(1)の場合と同様に常に安定したフルカラー画像
を形成することができない。
【0028】前記(3)の場合には、導電性支持体であ
るアルミ基板を硫酸や蓚酸等の電解質を用い、陽極酸化
することによりアルマイトに代表されるアルミニウムの
酸化皮膜を支持体表面に形成するものである。この酸化
皮膜を有する感光体は、耐圧性も高く、画像形成装置中
における感光体の繰り返し使用でも帯電性の低下が少な
く、前述した地肌部での点欠陥の増加もあまり観察され
ない。これは前述のように化学反応を利用した被膜形成
であって、反応が分子(原子)レベルで起こるものであ
るため、形成される被膜のセル構造がサブミクロン以下
の非常に小さな単位であることに由来していると思われ
る。しかしながら、陽極酸化皮膜を用いた感光体の致命
的な欠点として、本発明のようなフルカラー画像形成装
置の主流であるネガ・ポジ現像で使用した場合、感光体
使用の初期段階において、点欠陥が多いという問題があ
る。この欠点は、感光体を無理矢理その状態で使用して
いくと徐々に欠陥が減少していくものであるが、初期状
態から安定して使用できないことは、実使用上大きな問
題として認識されるものである。
【0029】前記(4)の場合には、均一溶液系から硬
化膜を形成するものであり、非常に緻密な膜が形成さ
れ、また、前記(1)の様なケースよりも多少厚膜化が
可能であるため、中間層としては非常に高い機能を有す
る事ができる。また、その構成によっては、繰り返し使
用時の電位安定性、静電特性の環境依存性の低さが利点
として認められる。このことは、前述の特開平12−3
14975号公報では、このような中間層を用いること
により、環境による電位の変動が少なく、電子写真特性
に優れた電子写真感光体が得られ、従来よりも高解像度
な画像、特に写真等が用いられる高階調性でフルカラー
の画像を提供することができる旨が開示されている。こ
の点からすると、本発明のカラー画像形成装置に搭載さ
れる感光体に用いられる中間層としては、(4)の方式
が最も向いていると考えられる。
【0030】しかしながら、特開平12−314975
号公報では、その対象をシングル方式のフルカラー電子
写真装置としており、必ずしもタンデム方式に必要な複
数本の感光体における特性の均一性、および繰り返し使
用後の均一性が保証されたものではなく、そのままタン
デム方式の画像形成装置に応用展開できるものではな
い。以下にその理由を述べる。
【0031】シングルカラー方式とタンデムカラー方式
の異なる点は、入力される画像情報に対する出力方式の
多様性の点にある。即ち、シングルカラー方式の場合に
は、その画像形成速度がタンデム方式に比べ遅いため、
一般的にはカラー専用機として使用される。また、その
複写速度(プリント速度)も必要とされる画質に応じた
最高速の状態で使用されるものである。一方、タンデム
方式の場合には、先述のようにシングルカラー方式に比
べプリント速度が4倍程度まで高められるため、様々な
使用方法が適用される。即ち、モノクロ機としての出
力、カラー機として速度を最優先にしたモード、カラー
機として画質を優先したモード等々である。モノクロ機
としての使用は、タンデム方式が複数の画像形成要素に
より各色の画像を並列に処理できるためであり、従来の
モノクロ画像形成装置と同等のプリント速度が達成され
ることによるものである。また、カラー機として速度を
最優先にするモードとは、上述の如く、その画像形成装
置の最大のプリント速度で画像形成がなされるものであ
り、モノクロ出力の場合と同等のフルカラー出力をする
ものである。一方、画質優先のモードとは、例えば書き
込みの解像度を2倍に高めるモードであり、その結果プ
リント速度は多少犠牲にするといったものである。
【0032】このような使用環境下では、例えばモノク
ロ出力の際には黒以外の画像形成要素は、被転写体(中
間転写体、あるいは直接紙等)に接触させないような機
構が設けられるため、黒の画像形成要素は他の画像形成
要素と比較して、より多くの動作をすることになる。ま
た、過去に黒・赤の2色複写機が開発された根拠のよう
に、日本人が書く原稿には判子などが用いられたり、出
版原稿のゲラチェックの際にはほとんどの場合、黒で書
かれた基礎原稿に対して、その修正が赤文字で書き込ま
れる。このように、先のような原稿に対応したマゼンタ
やイエローの画像形成要素の特定の部分(例えば原稿の
端)が非常に多く、画像書き込み・現像が行われ、その
結果、端ばかりが疲労しやすくなったり、摩耗しやすく
なる可能性も秘めている。また、プリント速度が異なる
場合には、感光体の線速を変えることが常套手段であ
り、タンデムフルカラーという特別な構成のため、複数
の画像形成要素にかかるストレスが常に異なるものであ
る。
【0033】上記のような状況における感光体にかかる
ストレスに関しては、静電的なストレスと機械的なスト
レスが存在する。まず、静電的なストレスについて述べ
る。タンデム方式のフルカラー画像形成装置には通常、
ネガ・ポジ現像が用いられる。これはベタ画像を除き、
通常の原稿では書き込み率が10%以下であることに基
づき、感光体の光疲労をも考慮したものである。このネ
ガ・ポジ現像においては、感光体の表面電位が現像バイ
アスよりも低い部分に現像が行われるため、感光体の使
用時には全面の帯電が行われる。また、書き込みは原稿
に依存するものであり、場所により行われたり行われな
かったりするものであるが、クリーニング後に行われる
除電工程で、光除電やAC除電が行われ、感光体のバル
ク方向にはほぼ全面均一な電流が流れることになる。こ
のように、帯電と露光(書き込みや除電光)に基づく静
電的な疲労に関しては、様々な形態の画像が入力されて
も、ほとんどの場合において感光体全面が均一に疲労さ
れることになる。
【0034】次に、機械的なストレスについて述べる。
一般的に感光体にかかる機械的なストレスは、クリーニ
ング部材による摩耗と思われがちであるが、それだけが
全てではない。例えば、近年画像形成装置の小型化のた
めに非常によく用いられる接触帯電部材を使用する場
合、従来用いられてきたコロナチャージャーのような場
合よりも、感光体の摩耗性を非常に高めてしまうことが
分かってきた。感光体に接触帯電部材を用いた場合、帯
電ムラを防止するため、DC成分にAC成分を重畳する
技術が有効であることが知られている。この際、AC成
分の周波数あるいはpeak to peak 間の電圧
差が大きいほど、感光体への帯電によるストレスが大き
くなる。本発明のように感光体の小径化が進むと、帯電
におけるニップ幅が小さくなり、また感光体線速が大き
くなる程、AC成分の周波数および/または上記電圧差
を大きくする必要がある。この結果、帯電における感光
体表面と帯電部材表面間での繰り返し行われる電子の授
受により、感光体表面の化学的劣化(例えば、バインダ
ー樹脂の主鎖切断など)が促進され、摩耗量が大きくな
ってしまう。このような現象は、同一感光体内における
摩耗速度の不均一化をも促進するものである。即ち、様
々な要因によって生ずる同一感光体内における帯電性
(電荷受容性)の不均一化は、接触帯電時に帯電部材か
ら感光体へのストレスの不均一化を引き起こす。この結
果、帯電性の低い部分には多くのストレスがかかること
になり、その部分の摩耗量が局部的に大きくなり、繰り
返し使用時の摩耗量が他の部分と異なってしまう。
【0035】また、最近のカラー用の現像剤には必須で
ある流動化剤などの添加剤は、一般的にトナーと同極性
であることが多いため、感光体上に形成された静電潜像
に対して、トナーと同様に現像されてしまう場合が多
い。このため、このような添加剤が感光体上にトナーと
共に残留し、感光体の摩耗を促進したり、逆にフィルミ
ングを促進したりもする。このような状況は、先の静電
疲労の場合と異なり、感光体全面に起こりうる現象では
なく、書き込みが行われた場所のみに起こる現象であ
る。従って、先述のように特定の画像形成要素ばかりが
使用される状況等においては、他色の画像形成要素に使
用される感光体よりも機械的なストレスが大きくなって
しまう。
【0036】以上のことから、タンデム方式のフルカラ
ー画像形成装置に使用される感光体においては、静電特
性的な均一性、繰り返し使用における静電疲労特性の均
一性に加えて、さらに重要な点が膜厚の均一性、繰り返
し使用による摩耗特性の均一性、さらには感光体各々1
本内の摩耗特性の均一性も重要であり、これら全てを満
足させることが要求される。このような点に基づくと、
静電特性の安定性に関しては、使用初期の1本内のバラ
ツキが小さく、かつ繰り返し使用における静電特性の劣
化が極めて小さいことが必須であり、さらに環境安定性
の高さが要求され、この機能は中間層の特性と保護層の
特性に依存することが分かる。一方の摩耗特性の均一性
に関しては、使用初期の膜厚分布が極めて小さく、繰り
返し使用における摩耗量が極めて小さいことが必須であ
り、この機能は保護層の特性に左右されることが分か
る。
【0037】これらの要求項目に対して、比較的近い構
成要件を有する公知技術は、特開平12−314975
号公報に記載された感光体である。同公報には、ゾルゲ
ル法により形成された中間層を用いることにより静電特
性を安定させ、表面保護層を有することにより耐摩耗性
を向上させていることが記載されている。しかしなが
ら、この技術はシングル方式の画像形成装置を対象とし
た感光体について記載したものであり、タンデム方式の
画像形成装置における様々なモードに対する耐摩耗性の
安定性が考慮されておらず、必ずしも満足のいくもので
はなかった。
【0038】以上のように、タンデム方式のフルカラー
画像形成装置において、耐摩耗性、電位安定性、環境安
定性を同時に満足し、良好な画像を長期にわたり持続し
て得られる感光体は未だ見出されていない。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点に鑑みなされたもので、その目的は長期間の繰
り返し使用に対しても、あらゆる環境下で良好な環境安
定性を有するとともに安定した高画質が得られる極めて
高安定な電子写真感光体(感光体)を用いることによ
り、小型で、かつ高速のタンデム方式のフルカラー画像
形成装置および該フルカラー画像形成装置用プロセスカ
ートリッジを提供することである。即ち、あらゆる環境
下において、同一原稿の多数枚のカラー画像を形成した
場合においても、常に色再現性の良好な画像を形成する
ことができ、また、長期間の繰り返し使用後においても
同様の特性を維持できるタンデム方式のフルカラー画像
形成装置および該画像形成装置用プロセスカートリッジ
を提供するものである。
【0040】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るタンデム方式のフルカラー画像形成装
置およびフルカラー画像形成装置用プロセスカートリッ
ジは、複数の画像形成要素に搭載(具備)される電子写
真感光体(感光体)を以下の構成とすることにより、耐
摩耗性、電位安定性、環境安定性、耐久性の向上が達成
される。以下、本発明について具体的に説明する。請求
項1の発明は、少なくとも帯電手段、画像露光手段、現
像手段、転写手段、および電子写真感光体を具備してな
る画像形成要素を複数配列したタンデム方式のフルカラ
ー画像形成装置において、前記電子写真感光体が、導電
性支持体上に少なくとも中間層、感光層、保護層を設け
てなり、該中間層が有機金属化合物および/またはシラ
ンカップリング剤を含有し、かつ該保護層が少なくとも
α−アルミナ粒子とバインダー樹脂を含有することを特
徴とするフルカラー画像形成装置である。請求項2の発
明は、前記α−アルミナ粒子が、遷移アルミナまたは熱
処理により遷移アルミナとなるアルミナ原料を、ハロゲ
ン化水素ガスを含有した雰囲気ガス中、またはハロゲン
ガスおよび水蒸気を導入した雰囲気ガス中で焼成するこ
とにより得られたものであることを特徴とする請求項1
記載のフルカラー画像形成装置である。請求項3の発明
は、前記α−アルミナ粒子が、アルミニウムアンモニウ
ムカーボネートハイドロオキサイド[NHAlCO
(OH)]を熱分解することにより得られたものであ
ることを特徴とする請求項1記載のフルカラー画像形成
装置である。請求項4の発明は、前記α−アルミナ粒子
の平均粒径が0.05〜1.0μmであることを特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載のフルカラー画像形
成装置である。請求項5の発明は、前記α−アルミナ粒
子が、累積粒度分布の微粒側から累積10%、および累
積90%の平均粒径をそれぞれDa、Dbとしたとき
に、粒径比(Db/Da)の値が4以下であることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフルカラー画
像形成装置である。請求項6の発明は、前記α−アルミ
ナ粒子に含まれる不純物としてのナトリウム含有量が2
0ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載のフルカラー画像形成装置である。請求項
7の発明は、前記中間層に含有される有機金属化合物が
金属アルコキシドまたは有機金属キレートであることを
特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフルカラー
画像形成装置である。請求項8の発明は、前記金属アル
コキシドまたは有機金属キレートが、ジルコニウム、チ
タニウムまたはアルミニウムから選択された少なくとも
1種の金属からなる有機金属化合物であることを特徴と
する請求項7記載のフルカラー画像形成装置である。請
求項9の発明は、前記保護層に電荷輸送物質を含有する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のフル
カラー画像形成装置である。請求項10の発明は、前記
電荷輸送物質が高分子電荷輸送物質であることを特徴と
する請求項9記載のフルカラー画像形成装置である。請
求項11の発明は、前記高分子電荷輸送物質が少なくと
もトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に
含むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求
項10記載のフルカラー画像形成装置である。請求項1
2の発明は、前記保護層にポリカルボン酸を含有するこ
とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のフル
カラー画像形成装置である。請求項13の発明は、電子
写真感光体と、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像
手段、転写手段、分離手段、クリーニング手段のいずれ
か1つとを組み合わせて構成された画像形成要素を具備
してなる着脱可能なタンデム方式のフルカラー画像形成
装置用プロセスカートリッジにおいて、前記電子写真感
光体が、導電性支持体上に少なくとも中間層、感光層、
保護層を設けてなり、該中間層が有機金属化合物および
/またはシランカップリング剤を含有し、かつ該保護層
が少なくともα−アルミナ粒子とバインダー樹脂を含有
することを特徴とするプロセスカートリッジである。請
求項14の発明は、前記α−アルミナ粒子が、遷移アル
ミナまたは熱処理により遷移アルミナとなるアルミナ原
料を、ハロゲン化水素ガスを含有した雰囲気ガス中、ま
たはハロゲンガスおよび水蒸気を導入した雰囲気ガス中
で焼成することにより得られたものであることを特徴と
する請求項13記載のプロセスカートリッジである。請
求項15の発明は、前記α−アルミナ粒子が、アルミニ
ウムアンモニウムカーボネートハイドロオキサイド[N
AlCO(OH)]を熱分解することにより得
られたものであることを特徴とする請求項13記載のプ
ロセスカートリッジである。請求項16の発明は、前記
α−アルミナ粒子の平均粒径が0.05〜1.0μmで
あることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記
載のプロセスカートリッジである。請求項17の発明
は、前記α−アルミナ粒子が、累積粒度分布の微粒側か
ら累積10%、および累積90%の平均粒径をそれぞれ
Da、Dbとしたときに、粒径比(Db/Da)の値が
4以下であることを特徴とする請求項13〜15のいず
れかに記載のプロセスカートリッジである。請求項18
の発明は、前記α−アルミナ粒子に含まれる不純物とし
てのナトリウム含有量が20ppm以下であることを特
徴とする請求項13〜15のいずれかに記載のプロセス
カートリッジである。請求項19の発明は、前記中間層
に含有される有機金属化合物が金属アルコキシドまたは
有機金属キレートであることを特徴とする請求項13〜
18のいずれかに記載のプロセスカートリッジである。
請求項20の発明は、前記金属アルコキシドまたは有機
金属キレートが、ジルコニウム、チタニウムまたはアル
ミニウムから選択された少なくとも1種の金属からなる
有機金属化合物であることを特徴とする請求項19記載
のプロセスカートリッジである。請求項21の発明は、
前記保護層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする
請求項13〜20のいずれかに記載のプロセスカートリ
ッジである。請求項22の発明は、前記電荷輸送物質が
高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項21
記載のプロセスカートリッジである。請求項23の発明
は、前記高分子電荷輸送物質が少なくともトリアリール
アミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボ
ネートを含有することを特徴とする請求項22記載のプ
ロセスカートリッジである。請求項24の発明は、前記
保護層にポリカルボン酸を含有することを特徴とする請
求項13〜23のいずれかに記載のプロセスカートリッ
ジである。
【0041】以下、課題を解決する手段の詳細を説明す
る。本発明のタンデム方式のフルカラー画像形成装置に
用いられる電子写真感光体(感光体)は、α−アルミナ
粒子とバインダー樹脂を含有する保護層を感光体の最表
面層に設けるものである。これまでに耐摩耗性の向上を
目的として保護層にフィラーを分散させる試みがなされ
てきたが、先の従来技術に挙げたようにフィラー含有に
起因する問題が生ずる。しかしながら、効果の詳細につ
いては不明であるが、保護層に前記アルミナ粒子を用い
ることにより、静電特性、フィラー分散性、環境安定性
に優れた使用初期状態のバラツキが少ない感光体が得ら
れることが分かった。さらに、繰り返し使用における静
電特性、摩耗特性が均一であり、複数本の感光体間にお
ける特性変化、バラツキの極めて小さいタンデム方式の
フルカラー画像形成装置用感光体が得られる。この理由
は、本発明に用いられる前記アルミナ粒子が有する次の
ような特徴によるものと考えられる。(1)形状および
粒度分布、(2)高純度、(3)屈折率、(4)環境変
動に対する安定性である。
【0042】まず、(1)形状および粒度分布について
説明する。本発明に用いられるα−アルミナ粒子は、特
開平6−191833号公報、特開平6−191836
号公報等に記載の、遷移アルミナまたは熱処理により遷
移アルミナとなるアルミナ粉末を原料として、塩化水素
を含有する雰囲気中にて焼成する製法に準じて得られ
る。また、特公昭-51−139810号公報、特許番
号第2983042号公報、特公平6−17224号公
報等に記載の[NHAlCO(OH)]を低温焼
成する製法に準じて得られる。このため、従来の粉砕法
によって得られるα−アルミナ粒子の欠点であった形状
の不均一性や幅広い粒度分布等の品質上の問題が改善さ
れ、破砕面を有さず、微紛の割合も非常に少ない粒子が
得られる。α−アルミナ粒子の平均粒径としては、0.
05〜1.0μmであり、累積粒度分布の微粒側からの
累積10%、および累積90%の平均粒径をそれぞれD
a、Dbとしたときに粒径比(Db/Da)の値が4以
下のものが特に良好に用いられる。このような特徴を有
するα−アルミナ粒子を用いると、塗工液中でのフィラ
ー凝集が起こることなく分散も良好である。そのような
塗工液を用いて保護層を形成すると、保護層中のフィラ
ー濃度分布が均一で、かつ表面平滑性に優れたものが形
成される。フィラーが凝集した状態では、書き込み光の
直進性やエネルギーの低下、さらには、電荷発生層で発
生した電荷の感光体表面への進行を妨げる。その結果、
形成されたトナー像はドットが散った状態となり、解像
度の低下を引き起こす。また、フィラー粒径の均一性、
およびフィラーの分散性に起因する表面平滑性が向上さ
れることで、初期状態における同一感光体内での膜厚ム
ラが少なく、かつ複数本の感光体間での膜厚のバラツキ
も抑制される。また、保護層中でのフィラー分布が均質
であるため繰り返し使用によって各感光体の経時の摩耗
特性が等しく、さらに耐摩耗特性が優れるため摩耗量が
少ない。その結果、使用後においても膜厚のバラツキが
極めて僅かであり、色ズレ、ムラの少ない均一な色再現
性が可能となる。
【0043】次に(2)高純度について説明する。本発
明に用いられるα−アルミナ粒子は、上記の製法によっ
て得られる高純度で、かつ不純物であるナトリウム含有
量が20ppm以下のものである。製造工程にて混入さ
れるナトリウムイオン等の不純物イオンが含有されてい
ると電荷トラップとなりやすく、露光部電位の上昇を引
き起こす。このため、本発明の高純度のα−アルミナ粒
子を用いることで、繰り返し使用による露光部電位の上
昇を抑制することができる。
【0044】次いで(3)屈折率について説明する。耐
摩耗性の向上を目的として、表面層(保護層)にフィラ
ーを含有させた場合、書き込み光がフィラーにより反射
され、光の直進性、エネルギーの低下を引き起こす。こ
の反射は、光が伝搬、入射する媒体と保護層を構成する
フィラー材料固有の屈折率の差によって決まる相対的な
ものであるために、この差が小さいフィラー材質を選択
することが必要である。保護層を構成する材質の屈折率
は、およそ1.6であり、アルミナ粒子は1.76であ
る。従来、高耐久性化を目的として感光層または保護層
に添加されたフィラーについては、例えばシリカでは
1.55、酸化チタンでは2.71である。この屈折率
の差からアルミナ、シリカでは反射の影響は小さいが、
酸化チタンを用いた場合、解像度に大きな悪影響を与え
る。しかしながら、シリカを用いた場合、画像流れが発
生しやすくなる。この理由としては、長期間の繰り返し
使用において、特には高温高湿下での使用に際し、水等
の吸着が起こりやすく、これにより感光体表面の横方向
への電荷がリークを招き、その結果画像流れが発生する
問題が生じる。さらに、この水等の吸着に起因する画像
流れの問題に関しては、フィラー材質のみならず、フィ
ラー粒子の表面積も影響する。本感光体に用いられるα
−アルミナ粒子は、先に述べたように粒度分布が狭く、
微紛の割合が小さい特徴を有するために、繰り返し使用
における画像流れの発生が抑制されるものと考えられ
る。
【0045】以上のことから、α−アルミナ粒子を用い
た保護層は、極めて均質な性質を示すことが分かる。即
ち、上記(1)から保護層の組成(例えば分散質である
フィラー濃度分布、粒度分布等)が均一であり、分散膜
である保護層においてもその構造的な均一性(均質体)
が達成される。(2)から、保護層バルクにおける電荷
トラップが抑制され、保護層に必要な静電的物性値であ
るトラップフリー、高速電荷移動性が達成され、また繰
り返し使用においても静電的な均一性が達成される。
(3)から保護層の分散媒であるバインダーと分散質で
あるフィラーの屈折率差が小さく、光学的な均一性も達
成される。このように、化学的・物理的均一性が達成さ
れた保護層は、繰り返し使用における摩耗、化学的な劣
化が均一に起こると考えられる。また、本発明の保護層
は極めて耐摩耗性が高いため、繰り返し使用における摩
耗量が非常に少ない。このため本発明のタンデム方式の
画像形成装置において、複数本の感光体間での摩耗量の
バラツキは、非常に小さいものになり、複数の画像形成
要素の安定性が大きくなる。また、前述のように様々な
複写(プリント)モードで使用された場合にも、耐摩耗
性が高いため、特定の画像形成要素(例えば黒色用)の
感光体だけが摩耗量が極端に大きくなってしまう可能性
は非常に小さい。さらに、仮に特定の画像形成要素の感
光体だけが、摩耗量がわずかに大きくなった場合におい
ても、上述のように保護層としての物性値が均一である
から、仮に複数本の感光体間で多少の膜厚差が生じたと
しても、感光体特性に与える影響は小さく、その結果、
出力されるフルカラー画像に影響を与える可能性は極め
て小さいといった利点を有するものである。
【0046】次に(4)環境変動に対する安定性につい
て説明する。この効果の詳細については、不明である
が、本発明で使用するα−アルミナ粒子が他のフィラー
と比較して、大気中または紙に含まれる水分を吸着する
性質が小さく、環境変動に対する影響が小さいものと考
えられる。例えば、高温高湿下で使用した場合、画像ボ
ケの抑制に対して優れた効果を示すため、ドラムヒータ
ー等の搭載による装置の大型化や消費電力の増加などの
問題が解消される。
【0047】以上のように述べてきたα−アルミナ粒子
を用いた保護層の優位性は、有機金属化合物および/ま
たはシランカップリング剤を用いて形成する中間層、い
わゆるゾルゲル法により形成される中間層を併用するこ
とによって、より顕著になるものである。これは、既に
述べたようにゾルゲルタイプの中間層が、その他公知の
中間層と比較して、物理的・化学的にミクロなレベルで
均質な構造を有しており、中間層の基本的必要特性であ
るバリア性に優れ、また感光体の繰り返し使用による特
性の劣化が小さく、環境安定性に優れるものであること
に基づく。このようなゾルゲルタイプの中間層の優位性
は、本発明における特定の保護層と組み合わされること
により、その効果をいかんなく発揮することになり、特
にタンデム方式のフルカラー画像形成装置に搭載される
ことによりその効果が極めて有効に応用されるものであ
る。
【0048】さらに、本発明においては、保護層に電荷
輸送物質を含有することができる。これによって、例え
ば残留電位上昇が抑制されるなど性能向上が図れる。こ
のような電荷輸送物質としては、高分子電荷輸送物質が
使用でき、中でも主鎖および/または側鎖にトリアリー
ルアミン構造を有するポリカーボネートが有効である。
また、本発明の保護層には分散剤としてポリカルボン酸
化合物を含有することができる。ポリカルボン酸化合物
を用いることによって塗工液の安定性が高められ、均質
で安定した塗膜形成ができる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の画像
形成装置を詳しく説明する。図1は、本発明のタンデム
方式のフルカラー画像形成装置を説明するための概略図
であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属する
ものである。
【0050】図1において、符号1C,1M,1Y,1
Kはドラム状の感光体であり、この感光体1C,1M,
1Y,1Kは図中の矢印方向に回転し、その周りに少な
くとも回転順に帯電部材2C,2M,2Y,2K、現像
部材4C,4M,4Y,4K、クリーニング部材5C,
5M,5Y,5Kが配置されている。帯電部材2C,2
M,2Y,2Kは、感光体表面を均一に帯電するための
帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材2
C,2M,2Y,2Kと現像部材4C,4M,4Y,4
Kの間の感光体表面に図示しない露光部材からのレーザ
ー光3C,3M,3Y,3Kが照射され、感光体1C,
1M,1Y,1Kに静電潜像が形成されるようになって
いる。そして、このような感光体1C,1M,1Y,1
Kを中心とした4つの画像形成要素6C,6M,6Y,
6Kが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト10に沿
って並置されている。転写搬送ベルト10は各画像形成
要素6C,6M,6Y,6Kの現像部材4C,4M,4
Y,4Kとクリーニング部材5C,5M,5Y,5Kの
間で感光体1C,1M,1Y,1Kに当接しており、転
写搬送ベルト10の感光体側の裏側に当たる面(裏面)
には転写バイアスを印加するための転写ブラシ11C,
11M,11Y,11Kが配置されている。各画像形成
要素6C,6M,6Y,6Kは現像装置内部のトナーの
色が異なるだけで、その他は全て同様の構成となってい
る。
【0051】図1に示す構成のカラー画像形成装置にお
いて、画像形成動作は次のようにして行われる。まず、
各画像形成要素6C,6M,6Y,6Kにおいて、感光
体1C,1M, 1Y,1Kが矢印方向(感光体と連れ周
り方向)に回転する帯電部材2C,2M,2Y,2Kに
より帯電され、次に露光部でレーザー光3C,3M,3
Y,3Kにより、作成する各色の画像に対応した静電潜
像が形成される。次に現像部材4C,4M,4Y,4K
により潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材
4C,4M,4Y,4Kは、それぞれC(シアン),M
(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナ
ーで現像を行う現像部材で、4つの感光体1C,1M,
1Y,1K上で作られた各色のトナー像は転写紙7上で
重ねられる。転写紙7は給紙コロ8によりトレイから送
り出され、一対のレジストローラ9で一旦停止し、上記
感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送
ベルト10に送られる。転写搬送ベルト10上に保持さ
れた転写紙7は搬送されて、各感光体1C,1M,1
Y,1Kとの当接位置(転写部)で各色トナー像の転写
が行われる。感光体上のトナー像は、転写ブラシ11
C,11M,11Y,11Kに印加された転写バイアス
と感光体1C,1M,1Y,1Kとの電位差から形成さ
れる電界により、転写紙7上に転写される。そして4つ
の転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙
7は定着装置12に搬送され、トナーが定着されて、図
示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写され
ずに各感光体1C,1M,1Y,1K上に残った残留ト
ナーは、クリーニング装置5C,5M,5Y,5Kで回
収される。尚、第1図の例では画像形成要素は転写紙搬
送方向上流側から下流側に向けてC(シアン),M(マ
ゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の色の順で
並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任
意に設定されるものである。
【0052】以上に示すような画像形成手段は、複写装
置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、各々の画像形成要素は図2に示すよう
なフルカラー画像形成用プロセスカートリッジの形でそ
れら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッ
ジとは、感光体を内蔵し、他に少なくとも帯電手段、像
露光手段、現像手段、転写手段、分離手段、クリーニン
グ手段等の何れか1つを組み合わせて構成された1つの
装置(部品)である。
【0053】以下、本発明に用いられる電子写真感光体
を図面に沿って説明する。図3は、本発明に使用する電
子写真感光体の感光層33が単層構成で形成された構成
例を示す断面図であり、導電性支持体31上に順次、中
間層32、電荷発生材料と電荷輸送材料とを主成分とす
る単層の感光層33が設けられ、さらにその上に保護層
36が積層されている。
【0054】図4、図5は、本発明の電子写真感光体の
感光層33が積層構成で形成された別の構成例を示す断
面図である。図4では、導電性支持体31上に順次、中
間層32上に電荷発生材料を主成分とする電荷発生層3
4と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層35と
が、積層された構成をとっており、さらにその上に保護
層36が積層されている。図5においては、電荷発生層
34と電荷輸送層35とが図4と逆の積層構成となって
いる例を示す。
【0055】以下に本発明の電子写真感光体(感光体)
の各構成層について説明する。 <導電性支持体について>導電性支持体31としては、
体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、例
えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、
銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウ
ムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングによ
り、フィルム状もしくは円筒状のプラスチックや紙に被
覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合
金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押
し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上
げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用すること
ができる。また、特開昭52−36016号公報に開示
されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレ
スベルトも導電性支持体31として用いることができ
る。この他、上記支持体上に導電性粉体を適当なバイン
ダー樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の
導電性支持体31として用いることができる。
【0056】上記導電性粉体としては、カーボンブラッ
ク、アセチレンブラック、またはアルミニウム、ニッケ
ル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるい
は導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが
挙げられる。また、同時に用いられるバインダー樹脂に
は、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセ
ルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホル
マール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ア
ルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬
化性樹脂が挙げられる。
【0057】このような導電性層は、上記導電性粉体と
バインダー樹脂とを適当な溶剤、例えば、テトラヒドロ
フラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエ
ンなどに分散して塗布することにより設けることができ
る。さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商
標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チ
ューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の
導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0058】<中間層について>本発明の感光体におい
ては、導電性支持体31と感光層33との間に有機金属
化合物および/またはシランカップリング剤を含有する
中間層32を設けることを特徴とする。中間層は主とし
て下記の事項を目的として設けられる。 (1)導電性支持体からの不必要なキャリアの注入を阻
止し、画像品質を向上させる。 (2)感光体の環境変動を起こさせず、安定した画像品
質を得る。 (3)適度な電荷輸送性能を持ち、長期繰り返し使用時
においても電荷が蓄積されず、感度変動を防ぐ。 (4)帯電電圧に対する適度な耐圧を持ち、絶縁破壊に
よる画像欠陥の発生を防ぐ。 (5)感光層を導電性支持体に対して一体的に接着保持
させる接着層としての作用を示す。 (6)導電性支持体の光の反射光防止作用を示す。
【0059】中間層に用いられる有機金属化合物として
は、有機ジルコニウム化合物、有機チタニウム化合物、
有機アルミニウム化合物が挙げられる。有機ジルコニウ
ム化合物としては、ジルコニウムテトラアセチルアセト
ネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネ
ート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネー
ト、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテ−ト、
ジルコニウムブトキシトリスエチルアセトアセテート、
ジルコニウムブトキシビスエチルアセトアセテート、ジ
ルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、
ジルコニウムテトラキスエチルラクテート、ジルコニウ
ムジブトキシビスエチルラクテート、ビスアセチルアセ
トネートビスエチルアセトアセテートジルコニウム、モ
ノアセチルアセトネートトリスエチルアセトアセテート
ジルコニウム、ビスアセチルアセトネートビスエチルラ
クテートジルコニウム等のジルコニムキレート化合物、
ジルコニウム−n−ブチレート、ジルコニウム−n−プ
ロピレート等のジルコニウムアルコキシド等が用いられ
る。
【0060】また、有機チタニウム化合物としては、テ
トラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタ
ネート、テトラ−n−プロピルオルソチタネート、テト
ライソプロピルチタネート、テトラブチルオルソチタネ
ート、テトラブチルポリチタネート、テトラアセチルア
セトネートポリチタネート、ジイソプロポキシチタニウ
ム−ビス−オクタンジオール、ジイソプロポキシチタニ
ウム−ビス−(アセチルアセトネート)、チタニウムテ
トララクテート、トラトリエタノールアミンチタニウム
キレート、チタニウムテトラアンモニウムラクテート、
チタニウムテトラアセチルアセトネートアンモニウムラ
クテート、ビス(ジオクチルビスホスフェート)オキシ
アセテートチタネート等が用いられる。
【0061】また、有機アルミニウム化合物としては、
アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキ
シアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム−s
ec−ブチレート、アルミニウムエチレート等のアルミ
ニウムアルコレート、アルミニウムエチルアセトアセテ
ートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチル
アセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルア
セトネート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテー
トモノアセチルアセトネート等のアルミニウムキレート
化合物が用いられる。さらにこれらの有機金属化合物の
単独または複合オリゴマー誘導体を用いることもでき
る。
【0062】シランカップリング剤としては、例えば、
ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グ
リドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、モノフェニルトリメトキシシラン、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
等が用いられる。
【0063】本発明における中間層には、少なくとも上
記の有機金属化合物と上記シランカップリング剤より選
ばれた1種を含むものであるが、それらの2種類以上を
混合して用いることもできる。シランカップリング剤の
混合割合は、有機金属化合物の含量に対し、0.1〜1
0重量%の範囲が好ましい。上記有機金属化合物単独、
もしくは上記有機シラン化合物のようなシランカップリ
ング剤の塗工用塗液を形成するための溶剤としては様々
なものを用いることが出来る。例えばメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、トル
エンなどを単独、または混合して用いることが出来る。
塗工法は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート
法などを用いて行なうことができる。中間層の膜厚は
0.01〜10μmが適当である。
【0064】<感光層について>感光層は積層構造でも
単層構造でもよく、図4、図5に示す積層構造の場合
は、感光層33は電荷発生物質を含んだ電荷発生層34
と電荷輸送物質を含んだ電荷輸送層35から構成され
る。また、単層構造の場合には、感光層は少なくとも電
荷発生物質を含んだ層から構成される。以下、積層構造
の感光層および単層構造の感光層について説明する。
【0065】〔感光層が積層構造からなる場合の感光
層〕電荷発生層 電荷発生層34は、画像露光により潜像電荷を発生分離
させることを目的とし、電荷発生物質を主成分とする層
で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもでき
る。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を
用いることができる。
【0066】無機系材料には、結晶セレン、アモルファ
スセレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲ
ン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコン等が
挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダング
リングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネート
したものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたもの
が良好に用いられる。
【0067】一方、有機系材料としては、公知の材料を
用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレ
ニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ
ール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を
有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔
料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオ
レノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を
有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタンおよびトリ
フェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよびナフトキノ
ン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系染料、インジゴ
イド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げ
られる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上
の混合物として用いることができる。
【0068】電荷発生層34に用いられるバインダー樹
脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹
脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、
アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホル
マール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニル
ピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。バイ
ンダー樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0
〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当
である。
【0069】ここで用いられる溶剤としては、イソプロ
パノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセル
ソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、
トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特
にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良
好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工
法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、ス
ピナーコート、リングコート等の方法を用いることがで
きる。電荷発生層34の膜厚は0.01〜5μm程度が
適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0070】電荷輸送層 電荷輸送層35は、帯電電荷を保持させ、かつ露光によ
り電荷発生層34で発生した電荷を移動させて保持して
いた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。
帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗が高い
ことが要求され、また保持していた帯電電荷で高い表面
電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さくか
つ電荷移動性が良いことが要求される。これらの要件を
満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送物質およびバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを
電荷発生層34上に塗布、乾燥することにより形成でき
る。
【0071】上記電荷輸送物質には、電子輸送物質と正
孔輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばク
ロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テ
トラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9
−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,
8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフ
ェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオ
フェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等
の電子受容性物質が挙げられる。
【0072】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘
導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、
α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジ
アリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9
−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジ
ビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘
導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチル
ベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げ
られる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上
混合して用いられる。
【0073】バインダー樹脂としては、ポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸
セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン
樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性ま
たは熱硬化性樹脂が挙げられる。電荷輸送物質の量はバ
インダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量
部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
【0074】電荷輸送層35の塗工に用いられる溶媒と
しては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電
荷輸送物質およびバインダー樹脂を良好に溶解するもの
が適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以
上混合して使用してもよい。また、電荷輸送層35の形
成には電荷発生層34と同様な塗工法が可能である。
【0075】また、必要により可塑剤、レベリング剤を
添加することもできる。電荷輸送層35に併用できる可
塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート等の汎用の可塑剤がそのまま使用でき、その使用量
は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量
部程度が適当である。電荷輸送層35に併用できるレベ
リング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチル
フェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、
側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるい
はオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹
脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当であ
る。電荷輸送層35の膜厚は、5〜50μm程度が適当
であり、解像度、地汚れ等の画像特性及び帯電電位、感
度等の電気特性上、好ましくは10〜30μm程度が適
当である。
【0076】〔感光層が単層構造からなる場合の感光
層〕次に感光層が単層構造の場合について説明する。単
層構造は導電性支持体31、中間層32上に少なくとも
電荷発生物質をバインダー樹脂中に分散した感光層33
を設けたものである。感光層33は、電荷発生物質とバ
インダー樹脂の他に必要に応じて電荷輸送物質を適当な
溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することに
よって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリン
グ剤等を添加することもできる。それぞれ電荷発生物
質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は前記のもの
と同様のものが使用できる。
【0077】また、バインダー樹脂としては、既に電荷
輸送層35で挙げたバインダー樹脂のほかに、電荷発生
層34で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよ
い。樹脂成分100重量部に対する電荷発生物質の量は
1〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜1
90重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150
重量部である。感光層33は、電荷発生物質、バインダ
ー樹脂を必要に応じて電荷輸送物質とともにテトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサ
ン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬
塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート
などで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25
μm程度が適当である。
【0078】<保護層について>本発明の電子写真感光
体(感光体)では、感光層33を保護する目的で保護層
36が設けられ、該保護層36は少なくともα−アルミ
ナ粒子とバインダー樹脂を含有する層からなる。α−ア
ルミナ粒子としては、前記のように特開平6−1918
33号公報、特開平6−191836号公報に記載の、
遷移アルミナまたは熱処理により遷移アルミナとなるア
ルミナ粉末を原料として、塩化水素を含有する雰囲気中
にて焼成する製法に準じて得られるものや、また特開昭
−51−139810号公報、特許第2983042
号、特公平6−17224号公報等に記載の[NH
lCO(OH)]を低温焼成する製法に準じて得ら
れるものが特に有用である。このα−アルミナ粒子の平
均粒径としては0.05〜1.0μmのものが好適であ
る。0.05μmより小さいと塗工液中でα−アルミナ
粒子の凝集が起こりやすく、均一な塗工が困難となり、
その結果、繰り返し使用における摩耗ムラの問題が発生
する可能性がある。また、1.0μmより大きいと繰り
返し使用により表面の凹凸が激しくなり、トナーフィル
ミングやクリーニングブレードの破損が誘発され、黒ス
ジ、スジ状白抜けなどの異常画像の原因となる場合があ
る。また、塗工液中においてα−アルミナ粒子の沈降速
度が速くなることなどの生産性の悪影響も考えられる。
【0079】さらに、前述のように累積粒度分布の微粒
側から累積10%、および累積90%の平均粒径をそれ
ぞれDa、Dbとしたときに粒径比(Db/Da)の値
が4以下である粒径が揃った粒子を用いることが好まし
い。ここで用いられる累積粒度分布はレーザー散乱法か
ら求めた累積体積率の値で、測定装置としては例えば動
的光散乱装置 DLS−700(大塚電子製)が使用で
きる。また、累積体積率の50%の値を上記平均粒径と
して用いている。
【0080】また、発光分析による不純物の定量によ
り、特にナトリウム含有量が20ppm以下である高純
度α−アルミナ粒子を用いることでその効果が有効に発
揮される。高純度のアルミナが適している理由は、ナト
リウムイオン等の不純物イオンが溶出し、このイオンが
電荷のトラップとして露光部電位の上昇を招くためであ
る。以上のように、粒径の揃った、粒度分布の狭い、高
純度のα−アルミナ粒子を用いることで特に良好な電子
写真特性を示す。
【0081】なお、本発明の効果を阻害しない範囲で他
のフィラーを併用することもできる。例えば、無機フィ
ラーとしては、銅、錫、アルミニウム、インジウムなど
の金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、
酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープし
た酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化
物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム
等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素など粒
子が挙げられる。
【0082】α−アルミナ粒子をはじめこれらのフィラ
ーは、分散性改良などの目的で表面処理を施すことが可
能であり、この時用いられる表面処理剤としてはチタネ
ート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング
剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪
酸、シランカップリング剤、Al、TiO、Z
rO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム、ある
いはそれらの混合処理等が挙げられる。保護層36に含
有されるフィラーの割合は、目的とする耐摩耗性、フィ
ラーの粒径、用いられる画像形成プロセス等様々な要因
に左右されるが、保護層36を構成する全材料の合計重
量に対して5重量%〜50重量%、好ましくは10重量
%〜40重量%である。
【0083】保護層36に用いられるバインダー樹脂と
しては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニル
モノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹
脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポ
リアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホ
ン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹
脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニ
レンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリ
レート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポ
リウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。中でもポリカーボネートが
特に好ましい。
【0084】また、保護層36には電荷輸送物質を用い
ることができ、保護層を積層することによる残留電位の
上昇を抑える等の点で有効な手段である。電荷輸送物質
としては、前記電荷輸送層の説明に挙げた材料を使用す
ることができる。電子輸送物質と正孔輸送物質との使い
分けに関しては、帯電の極性と層構成により適当な選択
をすることが好ましい。また、電荷輸送物質として高分
子電荷輸送物質を使用することもできる。高分子電荷輸
送物質の中でも主鎖および/または側鎖にトリアリール
アミン構造を有するポリカーボネートが有効である。こ
の場合、高分子電荷輸送物質はバインダー樹脂としての
役割も担うものである。本発明に用いられる更に有用な
トリアリールアミン構造有するポリカーボネートとして
は、以下に示す一般式(1)〜(10)の高分子電荷輸
送物質が例示される。
【0085】高分子電荷輸送物質の第1の例としては下
記一般式(1)で表されるトリアリールアミン構造有す
るポリカーボネートがある。
【0086】
【化1】
【0087】式中、R,R,Rはそれぞれ独立し
て置換もしくは無置換のアルキル基またはハロゲン原
子、Rは水素原子または置換もしくは無置換のアルキ
ル基、R,Rは置換もしくは無置換のアリール基、
o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k,jは
組成を表し、電荷輸送構造が30重量%以上70重量%
以下になるように調節される。nは繰り返し単位数を表
し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環
状脂肪族の2価基、または下記一般式(1−1)で表さ
れる2価基を表す。
【0088】
【化2】 (式中、R101,R102は各々独立して置換もしく
は無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子
を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子
数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン
基、−O−,−S−,−SO−,−SO−,−CO
−,−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2
価基を表す。)、または、下記一般式(1−2)
【0089】
【化3】 (式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整
数、R103,R104は置換または無置換のアルキル
基またはアリール基を表す。)を表す。ここで、R
101とR102、R103とR104は、それぞれ同
一でも異なってもよい。)
【0090】一般式(1)の具体例 R,R,Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置
換のアルキル基またはハロゲン原子を表すが、その具体
例としては以下のものを挙げることができ、同一であっ
ても異なってもよい。アルキル基として好ましくは、C
〜C12 とりわけC〜C、さらに好ましくはC
〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これ
らのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ
基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、またはハ
ロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜C
のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても
よい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2
−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エト
キシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4
−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メト
キシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられ
る。
【0091】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。Rは水素
原子または置換もしくは無置換のアルキル基を表すがそ
のアルキル基の具体例としては上記のR,R,R
と同様のものが挙げられる。R,Rは置換もしくは
無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下
のものを挙げることができ、同一であっても異なっても
よい。
【0092】芳香族炭化水素基としては、フェニル基、
縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオ
レニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、ア
ズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリ
セニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベン
ゾ [a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮
合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基など
が挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ベンゾ
チエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリ
ル基などが挙げられる。
【0093】上述のアリール基は以下に示す基を置換基
として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、上記のR,R,R
同様のものが挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR105)、式中のR105
は(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキ
シ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2
−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベ
ンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ
る。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハ
ロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的に
は、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチ
ルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフ
ェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2
−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0094】Xは下記一般式(A)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0095】
【化4】
【0096】一般式(B)のジオール化合物の具体例と
しては以下のものが挙げられる。1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロ
ヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオー
ルが挙げられる。また、芳香環を有するジオールとして
は、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−
ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサ
ンテン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベ
ンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒド
ロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス
(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フ
ェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0097】高分子電荷輸送物質の第2の例としては下
記一般式(2)で表されるトリアリールアミン構造有す
るポリカーボネートがある。
【0098】
【化5】
【0099】式中、R,Rは置換もしくは無置換の
アリール基、Ar,Ar,Ar は同一または異な
るアリレン基を表す。 X、k、jおよびnは、一般式
(1)の場合と同じである。
【0100】一般式(2)の具体例 R,Rは置換もしくは無置換のアリール基を表す
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基
としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、
ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−
2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、ト
リフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフ
ェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリ
デンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、
ターフェニリル基、または下記一般式(2−1)
【0101】
【化6】
【0102】(ここで、Wは−O−,−S−,−SO
−,−SO−,−CO−および下記一般式(2−
2)、(2−3)、(2−4)、(2−5);
【0103】
【化7】
【0104】
【化8】
【0105】
【化9】
【0106】
【化10】 で表される2価基を表す。)で表される基を示す。
【0107】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。
【0108】また、Ar,ArおよびArで示さ
れるアリレン基としてはRおよびRで示したアリー
ル基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよ
い。上述のアリール基およびアリレン基は以下に示す基
を置換基として有してもよい。また、これら置換基は上
記一般式中のR106,R107,R108の具体例と
して表される。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C
12 とりわけC〜C18、さらに好ましくはC
の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらの
アルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C
〜Cのアルコキシ基、フェニル基、またはハロゲン
原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのア
ルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒド
ロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエ
チル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロ
ロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベ
ンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR109)、式中のR109
は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロ
ポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブト
キシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、
2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチル
ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げら
れる。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、
フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオ
キシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノ
キシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)下記一般式(2−6)
【0109】
【化11】
【0110】(式中、R110およびR111は各々独
立に(2)で定義したアルキル基またはアリール基を表
す。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニ
ル基、またはナフチル基が挙げられ、これらはC〜C
のアルコキシ基、C〜C のアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。またアリール
基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。) 具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェ
ニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−
ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペ
リジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられ
る。 (7)メチレンジオキシ基、またはメチレンジチオ基等
のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基、等
が挙げられる。
【0111】Xは下記一般式(C)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0112】
【化12】
【0113】一般式(B)のジオール化合物は一般式
(1)と同じものが挙げられる。
【0114】高分子電荷輸送物質の第3の例としては下
記一般式(3)で表されるトリアリールアミン構造有す
るポリカーボネートがある。
【0115】
【化13】
【0116】式中、R,R10は置換もしくは無置換
のアリール基、Ar,Ar,Arは同一または異
なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、一般式
(1)の場合と同じである。
【0117】一般式(3)の具体例 R,R10は置換もしくは無置換のアリール基を表す
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基
としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、
ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−
2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、ト
リフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフ
ェニル基、5H−ジベンゾ [a,d]シクロヘプテニ
リデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル
基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基とし
ては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベン
ゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0118】また、Ar,ArおよびArで示さ
れるアリレン基としては、RおよびR10で示したア
リール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なって
もよい。上述のアリール基およびアリレン基は以下に示
す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12
とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直
鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル
基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜C
のアルコキシ基、フェニル基、またはハロゲン原子、C
〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ
基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i
−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエ
チル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、
2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジ
ル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル
基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR112)、式中のR112
は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロ
ポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブト
キシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、
2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチル
ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げら
れる。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、
フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオ
キシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノ
キシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げら
れる。
【0119】Xは下記一般式(D)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0120】
【化14】
【0121】一般式(B)のジオール化合物は一般式
(1)と同じものが挙げられる。
【0122】高分子電荷輸送物質の第4の例としては下
記一般式(4)で表されるトリアリールアミン構造有す
るポリカーボネートがある。
【0123】
【化15】
【0124】式中、R11,R12は置換もしくは無置
換のアリール基、Ar,Ar8,Ar9は同一または異
なるアリレン基、sは1〜5の整数を表す。X,k,j
およびnは、一般式(1)の場合と同じである。
【0125】一般式(4)の具体例 R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基を表
すが、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基
としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、
ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−
2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、ト
リフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフ
ェニル基、5H−ジベンゾ [a,d]シクロヘプテニ
リデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル
基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基とし
ては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベン
ゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0126】また、Ar,Ar8およびAr9で示され
るアリレン基としてはR11およびR12で示したアリ
ール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なっても
よい。上述のアリール基およびアリレン基は以下に示す
基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12
とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直
鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル
基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜C
のアルコキシ基、フェニル基、またはハロゲン原子、C
〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ
基で置換されたフェニル基を含有してよい。具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i
−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエ
チル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、
2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジ
ル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル
基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR113 )、式中のR
113は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的
には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i
−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s
−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキ
シ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−
メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が
挙げられる。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、
フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオ
キシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノ
キシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0127】Xは下記一般式(E)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0128】
【化16】
【0129】一般式(B)のジオール化合物は一般式
(1)と同じものが挙げられる。
【0130】高分子電荷輸送物質の第5の例としては下
記一般式(5)で表されるトリアリールアミン構造有す
るポリカーボネートがある。
【0131】
【化17】
【0132】式中、R13,R14は置換もしくは無置
換のアリール基、Ar10,Ar ,Ar12は同一
または異なるアリレン基、X,Xは置換もしくは
無置換のエチレン基、または置換もしくは無置換のビニ
レン基を表す。X,k,jおよびnは、一般式(1)の
場合と同じである。
【0133】一般式(5)の具体例 R13,R14 は置換もしくは無置換のアリール基を
表すが、その具体例としては以下のものを挙げることが
でき、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素
基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル
基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチ
ル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル
基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリ
デンフェニル基、5H−ジベンゾ [a,d]シクロヘ
プテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニ
リル基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基
としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、
ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0134】また、Ar10,Ar11,Ar12で示
されるアリレン基としてはR13およびR14で示した
アリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なっ
てもよい。上述のアリール基およびアリレン基は以下に
示す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12
とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜C
直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキ
ル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜C
のアルコキシ基、フェニル基、またはハロゲン原子、
〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコ
キシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体
的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロ
キシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチ
ル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロ
ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベン
ジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR114 )、式中のR
114は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的
には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i
−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s
−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキ
シ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−
メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が
挙げられる。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、
フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオ
キシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノ
キシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0135】X,Xは置換もしくは無置換のエチレ
ン基、置換もしくは無置換のビニレン基を表し、この置
換基としては、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、上
記R 13,R14のアリール基、上記(2)のアルキル
基が挙げられる。
【0136】Xは下記一般式(F)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0137】
【化18】
【0138】一般式(B)のジオール化合物は一般式
(1)と同じものが挙げられる。
【0139】高分子電荷輸送物質の第6の例としては下
記一般式(6)で表されるトリアリールアミン構造有す
るポリカーボネートがある。
【0140】
【化19】
【0141】式中、R15,R16,R17,R18
置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,A
14,Ar15,Ar16は同一または異なるアリレ
ン基、Y,Y,Yは単結合、置換もしくは無置換
のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレ
ン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸
素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異
なってもよい。X,k,jおよびnは、一般式(1)の
場合と同じである。
【0142】一般式(6)の具体例 R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換
のアリール基を表すが、その具体例としては以下のもの
を挙げることができ同一であっても異なってもよい。芳
香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基とし
てナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,
9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、ア
ントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フル
オレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ [a,d]
シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基として
ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フ
リル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げ
られる。
【0143】また、Ar13,Ar14,Ar15およ
び Ar16で示されるアリレン基としては、R15
16,R17およびR18で示した上記のアリール基
の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基およびアリレン基は以下に示す基を置
換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12
とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜C
直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキ
ル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜C
のアルコキシ基、フェニル基、またはハロゲン原子、
〜Cのアルキル基もしくはC〜C のアルコキ
シ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル
基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベ
ンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR115)、式中のR115
は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロ
ポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブト
キシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、
2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチル
ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げら
れる。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、
フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオ
キシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノ
キシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。
【0144】Y,Y,Yは単結合、置換もしくは
無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロア
ルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル
基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基、を表し同一であ
っても異なってもよい。アルキレン基としては、上記
(2)で示したアルキル基より誘導される2価基を表
す。具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プ
ロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3
−プロピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエ
チレン基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フ
ェニルメチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、
2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニ
ルメチレン基等を挙げることができる。シクロアルキレ
ン基としては、1,1−シクロペンチレン基、1,1−
シクロへキシレン基、1,1−シクロオクチレン基等を
挙げることができる。アルキレンエーテル基としては、
ジメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレ
ンメチレンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル
基、ポリテトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
【0145】Xは下記一般式(G)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0146】
【化20】
【0147】一般式(B)のジオール化合物は一般式
(1)と同じものが挙げられる。
【0148】高分子電荷輸送物質の第7の例としては下
記一般式(7)で表されるトリアリールアミン構造有す
るポリカーボネートがある。
【0149】
【化21】
【0150】式中、R19,R20は水素原子、置換も
しくは無置換のアリール基を表し,R19とR20は環
を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19
は同一または異なるアリレン基を表す。X,k,jおよ
びnは、一般式(1)の場合と同じである。
【0151】一般式(7)の具体例 R19,R20は置換もしくは無置換のアリール基を表
すが、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基
としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、
ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−
2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、ト
リフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフ
ェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリ
デンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、
ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基として
は、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾ
フラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。また、
19,R20は環を形成する場合、9−フルオリニリ
デン、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘブテニリデン
などが挙げられる。
【0152】また、Ar17,Ar18,Ar19で示
されるアリレン基としてはR19およびR20で示した
アリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なっ
てもよい。上述のアリール基およびアリレン基は以下に
示す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12
とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直
鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル
基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜C
のアルコキシ基、フェニル基、またはハロゲン原子、C
〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ
基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i
−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエ
チル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、
2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジ
ル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル
基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR116)、式中のR116
は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロ
ポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブト
キシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、
2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチル
ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げら
れる。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、
フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオ
キシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノ
キシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0153】Xは下記一般式(H)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0154】
【化22】
【0155】一般式(B)のジオール化合物は一般式
(1)と同じものが挙げられる。
【0156】高分子電荷輸送物質の第8の例としては下
記一般式(8)で表されるトリアリールアミン構造有す
るポリカーボネートがある。
【0157】
【化23】
【0158】式中、R21は置換もしくは無置換のアリ
ール基、Ar20,Ar21,Ar 22,Ar23は同
一または異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびn
は、一般式(1)の場合と同じである。
【0159】一般式(8)の具体例 R21は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、そ
の具体例としては以下のものを挙げることができ、同一
であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基として
は、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニ
ル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フ
ルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェ
ニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル
基、5H−ジベンゾ [a,d]シクロヘプテニリデン
フェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ター
フェニリル基などが挙げられる。複素環基としては、チ
エニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニ
ル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0160】また、Ar20,Ar21,Ar22,A
23で示されるアリレン基としてはR21で示したア
リール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なって
もよい。上述のアリール基およびアリレン基は以下に示
す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12
とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直
鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル
基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜C
のアルコキシ基、フェニル基、またはハロゲン原子、C
〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ
基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i
−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエ
チル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、
2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジ
ル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル
基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR117)、式中の R
117 は(2)で定義したアルキル基を表す。具体的
には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i
−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s
−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキ
シ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−
メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が
挙げられる。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、
フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオ
キシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノ
キシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0161】Xは下記一般式(J)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0162】
【化24】
【0163】一般式(B)のジオール化合物は一般式
(1)と同じものが挙げられる。
【0164】高分子電荷輸送物質の第9の例としては下
記一般式(9)で表されるトリアリールアミン構造有す
るポリカーボネートがある。
【0165】
【化25】
【0166】式中、R22,R23,R24,R25
置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,A
25,Ar26,Ar27,Ar28は同一または異
なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、一般式
(1)の場合と同じである。
【0167】一般式(9)の具体例 R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換
のアリール基を表すが、その具体例としては以下のもの
を挙げることができ同一であっても異なってもよい。芳
香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基とし
てナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,
9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、ア
ントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フル
オレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ [a,d]
シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基として
ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フ
リル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げ
られる。
【0168】また、Ar24,Ar25,Ar26,A
27およびAr28で示されるアリレン基としては、
22,R23,R24およびR25で示した上記のア
リール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なって
もよい。上述のアリール基およびアリレン基は以下に示
す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12
とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直
鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル
基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜C
のアルコキシ基、フェニル基、またはハロゲン原子、C
〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ
基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i
−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエ
チル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、
2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジ
ル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル
基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR118)、式中のR118
は(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキ
シ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2
−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベ
ンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ
る。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、
フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオ
キシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノ
キシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0169】Xは下記一般式(L)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0170】
【化26】
【0171】一般式(B)のジオール化合物は一般式
(1)と同じものが挙げられる。
【0172】高分子電荷輸送物質の第10の例としては
下記一般式(10)で表されるトリアリールアミン構造
有するポリカーボネートがある。
【0173】
【化27】
【0174】式中、R26,R27は置換もしくは無置
換のアリール基、Ar29,Ar ,Ar31は同一
または異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびn
は、一般式(1)の場合と同じである。
【0175】一般式(10)の具体例 R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基を表
すが、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基
として、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピ
レニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2
−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリ
フェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェ
ニル基、5H−ジベンゾ [a,d]シクロヘプテニリ
デンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、
ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基として、
チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラ
ニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0176】また、Ar29,Ar30,Ar31で示
されるアリレン基としてはR26およびR27で示した
アリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なっ
てもよい。上述のアリール基およびアリレン基は以下に
示す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12
とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直
鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル
基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜C
のアルコキシ基、フェニル基、またはハロゲン原子、C
〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ
基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的に
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i
−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエ
チル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、
2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジ
ル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル
基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR119)、式中のR119
は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロ
ポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブト
キシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、
2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチル
ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げら
れる。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜C
のアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロ
ゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、
フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオ
キシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノ
キシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0177】Xは下記一般式(M)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、またはブロック共重合体となる。また、Xは下
記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオー
ル化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロ
ホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0178】
【化28】
【0179】一般式(B)のジオール化合物は一般式
(1)と同じものが挙げられる。
【0180】さらに、本発明の保護層には必要に応じて
ポリカルボン酸化合物等の分散剤が用いられる。分散剤
は、塗工液作製時に無機フィラーの分散性を向上させ塗
工液の安定性を高める目的で必要に応じて添加される。
この分散剤としては無機フィラーを一次粒径に近い値ま
で分散する、電気的特性・画像特性に悪影響を及ぼさな
い、などの点でポリカルボン酸化合物が特に有効であ
る。このポリカルボン酸化合物としては、複数のカルボ
ン酸残基を有する低分子化合物、オリゴマー、高分子化
合物があり、例えば有機脂肪酸、高酸化樹脂等が挙げら
れる。このポリカルボン酸化合物がオリゴマー、高分子
化合物であるものとしては、ポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂、アクリル酸やメタクリル酸を用いた共重合体、
スチレンアクリル共重合体等が挙げられる。ここで用い
られるポリカルボン酸化合物の酸価としては、10〜4
00(mgKOH/g)のものが有効に使用できる。
(酸価とは、1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するの
に要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義され
る。) ポリカルボン酸化合物添加量としては、含有される無機
フィラー100重量部に対し0.01〜50重量部、好
ましくは0.1〜20重量部である。
【0181】保護層の形成法としては通常の塗布法が採
用される。中でも、スプレー工法は有効な手段である。
保護層の厚さは1.0〜15μm、好ましくは2〜10
μm程度が適当である。
【0182】<酸化防止剤の添加について>また、本発
明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度
低下、残留電位の上昇を防止する目的で、中間層、電荷
発生層、電荷輸送層、保護層等の各層に酸化防止剤を添
加することができる。本発明に用いることができる酸化
防止剤として、下記フェノ−ル系化合物、パラフェニレ
ンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、
有機燐化合物類等が挙げられる。
【0183】フェノ−ル系化合物:2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソー
ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、
ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン
−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブ
チルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メ
チレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス
[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチ
ルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステ
ル、トコフェロール類など。
【0184】パラフェニレンジアミン類:N−フェニル
−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,
N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、
N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジ
アミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレン
ジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブ
チル−p−フェニレンジアミンなど。
【0185】ハイドロキノン類:2,5−ジ−t−オク
チルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−
クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチル
ハイドロキノン、 2−(2−オクタデセニル)−5−
メチルハイドロキノンなど。
【0186】有機硫黄化合物類:ジラウリル−3,3’
−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3’−チ
オジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3’−チオ
ジプロピオネ−トなど。
【0187】有機燐化合物類:トリフェニルホスフィ
ン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニ
ルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、ト
リ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0188】上記例示化合物は、ゴム、プラスチック、
油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品か
ら容易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加
量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量
%である。
【0189】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中使用する部は、すべて重量部を表
す。
【0190】感光体作製例1 φ30mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の中間
層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工
液、保護層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、
0.3μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、25μ
mの電荷輸送層を形成した。次いでα−アルミナ粒子含
有の保護層用塗工液を電荷輸送層上にスプレー塗工し、
保護層を5μm設け、本発明の電子写真感光体(感光
体)を作製した。 〔中間層用塗工液〕 ジルコニウムテトラアセチルアセトネート(ZC150:松本交商製) 3部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (KBM−503:信越化学工業製) 5部 イソプロピルアルコール 400部 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造(P−1)のビスアゾ顔料 2.5部
【0191】
【化29】 ポリビニルブチラール(XYHL:UCC製) 0.5部 シクロヘキサノン 200部 メチルエチルケトン 80部 〔電荷輸送層用塗工液〕 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 10部 下記構造(D−1)の低分子電荷輸送物質 7部
【0192】
【化30】 テトラヒドロフラン 100部 1%シリコーンオイル(KF50−100CS:信越化学工業製) テトラヒドロフラン溶液 1部 〔保護層用塗工液〕 α−アルミナ粒子(スミコランダムAA−03:住友化学工業製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(電荷輸送層記載の低分子電荷輸送物質D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部
【0193】感光体作製例2 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 α−アルミナ粒子(スミコランダムAA−05:住友化学工業製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフ 200部
【0194】感光体作製例3 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 α−アルミナ粒子(タイミクロン TM−5D:住友化学工業製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部
【0195】感光体作製例4 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 α−アルミナ粒子(タイミクロンTM−DAR:住友化学工業製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 トラヒドロフラン 200部
【0196】感光体作製例5 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 α−アルミナ粒子(AA−2:住友化学工業製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部
【0197】感光体作製例6 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 アルミナ超微粒子 (Aluminium Oxide C:日本アエロジル製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部
【0198】感光体作製例7 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 α−アルミナ粒子(AL−M41:住友化学工業製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部
【0199】感光体作製例8 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 α−アルミナ粒子(AMS−12:住友化学工業製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部
【0200】感光体作製例9 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 ルチル型−酸化チタン粉末(CR−EL:石原産業製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部
【0201】感光体作製例10 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 シリカ(KE−P30:日本触媒製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部 (本塗工液は保護層形成のためのスプレー塗工の際、作製した分散液に凝集物が 多く、スプレー吐出量が不安定であった。)
【0202】感光体作製例11 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 ポリテトラフルオロエチレン(ルブロンL−2:ダイキン工業社製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 ビスフェノールZポリカーボネート (パンライトTS−2050:帝人化成製) 4部 低分子電荷輸送物質(D−1) 3部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部 (本塗工液は作製した感光体表面の凹凸が確認され表面平滑性に劣っていた。)
【0203】感光体作製例12 感光体作製例1における中間層用塗工液を以下の組成の
ものに変更し、中間層の膜厚を0.3μmに変更した以
外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。 〔中間層用塗工液〕 ポリアミド樹脂(CM8000:東レ社製) 4部 メタノール 70部 ブタノール 30部
【0204】感光体作製例13 感光体作製例1における中間層用塗工液を以下の組成の
ものに変更し、中間層の膜厚を3.5μmに変更した以
外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。 〔中間層用塗工液〕 アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL: 大日本インキ化学工業製) 6部 メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60: 大日本インキ化学工業製) 4部 酸化チタン(CR−EL:石原産業製) 40部 メチルエチルケトン 50部
【0205】感光体作製例14 感光体作製例1において、導電性支持体に以下の陽極酸
化皮膜処理を行い、さらに中間層を形成せずに、陽極酸
化皮膜上に電荷発生層、電荷輸送層、保護層を形成し、
感光体作製例1と同様に感光体を作製した。 (陽極酸化皮膜処理)導電性支持体表面の鏡面研磨仕上
げを行い、脱脂洗浄、水洗浄を行った後、液温20℃、
硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて
30分間陽極酸化皮膜処理を行った。さらに、水洗浄を
行った後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封
孔処理を行った。さらに、水洗浄を行った後、7%の酢
酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行った。そ
の後純水による洗浄を経て、6μmの陽極酸化皮膜が形
成された導電性支持体を得た。
【0206】感光体作製例15 感光体作製例1における保護層用塗工液を下記組成のも
のに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を
作製した。 〔保護層用塗工液〕 α−アルミナ粒子(スミコランダムAA−03:住友化学工業製) 2部 ポリカルボン酸化合物(BYK−P104:ビックケミー製) 0.02部 下記構造(T−1)の高分子電荷輸送物質 7部
【0207】
【化31】 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 200部
【0208】感光体作製例16 感光体作製例1において、電荷輸送層を30μmとし、
保護層を設けない以外は感光体作製例1と同様に感光体
を作製した。
【0209】上記のように作製した感光体について、感
光体No.と保護層に含有されるフィラー名および特性
値の一覧を表1に示す。
【0210】
【表1】
【0211】実施例1〜7、比較例1〜3 感光体作製例1、3、5〜11、15に示される感光体
を図2に示すようなプロセス用カートリッジに装着し、
図1に示すようなタンデム方式のフルカラー画像形成装
置に搭載した。帯電電位を−850Vになるように帯電
バイアスを設定し、655nmのLDを用いて、画像書
き込みを行った。出力原稿として、黒文字書き込み率5
%、赤文字書き込み率1%の文字チャートを連続100
0枚、さらに4色フルカラーモードで書き込み率6%の
斜め格子チャートを連続9000枚、計1万枚の出力を
1セットとして、合計5セット(5万枚)の画像出力を
常温常湿(20℃/50%RH)環境下で行った。
【0212】評価方法としては、初期および5万枚通紙
後に膜厚の標準偏差、摩耗量、露光部電位の測定と画像
評価を行った。それぞれの評価方法および評価結果を以
下に示す。 感光体の膜厚と摩耗量:感光体ドラムの長手方向につい
て、等間隔で20点、周方向4点の合計80点から膜厚
の標準偏差と平均値(平均膜厚とした)を求めた。摩耗
量は、初期状態における感光体平均膜厚と5万枚通紙後
の平均膜厚の差により求めた。膜厚の標準偏差と摩耗量
の結果を表2に示す。 露光部電位:図1の装置の現像部に電位計プローブを装
着し、帯電、画像露光後、現像部位まで移動した際の感
光体表面電位を測定した。初期および5万枚通紙後の露
光部電位の測定結果を表3に示す。 初期および5万枚通紙後の画像: (1)ハーフトーン、(2)解像度、(3)色再現性の
画像品質評価を行った果を表4に示す。以下に各評価に
ついて示す。 (1)ハーフトーンの画像評価:初期および5万枚通紙
後に各画像形成要素について単色ハーフトーン画像を出
力し、目視及び顕微鏡で画質を評価した。画質評価ラン
クは下記による。 ◎・・・良好 ○・・・局所的にやや濃度ムラがある △・・・濃度ムラが発生するが、実使用上問題なし ×・・・濃度ムラが目立つ (2)解像度の画像評価:初期および5万枚通紙後に各
画像形成要素について単色の100μm幅の細線画像を
出力し、目視及び顕微鏡を用いて評価した。評価ランク
は下記による。 ◎・・・良好 ○・・・局所的に線幅の太りが見られる △・・・線太りがやや目立つ ×・・・線幅の太りに加え、トナー飛散が見られる (3)色再現性の評価:初期および5万枚通紙後のフル
カラー画像出力を行い、それぞれのフルカラー画像につ
いて、以下のように5〜1の5段階で色再現性のランク
付けを行った。5は色再現性が良好であることを示し、
1に向かうにつれて再現性が低下することを示す。な
お、4以上は実使用上問題ないレベルである。
【0213】
【表2】
【0214】
【表3】
【0215】
【表4】
【0216】また、常温常湿(20℃/50%RH)環
境下にて、上記連続5万枚の画像出力を行った後、さら
に高温高湿(30゜C/90%RH)環境下で、連続10
0枚のフルカラー画像出力を行った。常温常湿(20℃
/50%RH)環境下における連続5万枚通紙後の画像
と、高温高湿(30゜C/90%RH)環境下にて連続1
00枚のフルカラー画像出力後の画像についての評価結
果を表5に示す。
【0217】
【表5】
【0218】〈評価結果〉実施例1〜7の結果より、保
護層にα−アルミナ粒子を用いることで耐摩耗性、環境
特性、静電特性、摩耗特性に対し、タンデム方式のフル
カラー画像形成装置用感光体として極めて均質な特性を
示すことが分かる。中でも、粒径の揃った、粒度分布の
狭い、高純度のα−アルミナを用いることで特に良好な
特性を示すことが分かる。一方、比較例1〜3は保護層
に含有されるフィラーをα−アルミナ粒子からそれぞれ
酸化チタン、シリカ、ポリテトラフルオロエチレンに変
えたものである。比較例1からは、フィラーとして用い
た酸化チタンにより書き込み光の散乱が生じ解像度が低
下し、トナー飛散が見られた。比較例2のシリカを用い
た場合には、特に高温高湿の環境下でプリント全面に画
像流れが発生した。比較例3では、ポリテトラフルオロ
エチレンを用いた場合、耐摩耗性の効果が十分でなく、
表面の傷や削れによる画像欠陥が認められた。
【0219】実施例8、9、比較例4〜7 次に、感光体作製例2、3、12〜14、16に示され
る感光体を図2に示すようなプロセス用カートリッジに
装着し、図1に示すようなタンデム方式のフルカラー画
像形成装置に搭載した。帯電電位を−850Vになるよ
うに帯電バイアスを設定し、655nmのLDを用いて
画像書き込みを行った。出力原稿として、書き込み率6
%の斜め格子チャートのフルカラー画像出力を常温常湿
(20℃/50%RH)環境下で連続5万枚行い、初期
および5万枚通紙後の地肌部の地汚れを目視にて評価
し、以下のようにランク付けを行った。評価結果を表6
に示す。 ◎・・・良好 ○・・・僅かに汚れが認められる △・・・地汚れが認められるが、実使用上問題なし ×・・・地汚れが目立ち、画質が低下
【0220】
【表6】
【0221】実施例10、11、比較例8〜11 また、感光体作製例2、3、12〜14、16に示され
る感光体を図2に示すようなプロセス用カートリッジに
装着し、図1に示すようなタンデム方式のフルカラー画
像形成装置に搭載した。帯電電位を−850Vになるよ
うに帯電バイアスを設定し、655nmのLDを用いて
画像書き込みを行った。フルカラー画像出力を低温低湿
(10゜C/15%RH)環境下で連続500枚行い、初
期および500枚通紙後のフルカラー画像について画質
評価を行った結果を表7に示す。
【0222】
【表7】
【0223】〈評価結果〉表6、7の実施例8〜11の
結果から明らかなように、中間層に本発明のゾルゲル法
による無機系の硬化膜を用いた場合、常温常湿、および
低温低湿の環境下での繰り返し使用においても優れた画
像品質が安定して得られた。感光体12の中間層にポリ
アミドよりなる樹脂層を用いた場合には、中間層の電気
抵抗の増大を招くために画像濃度の低下を引き起こし、
所望の画質が継続的に得られない。感光体13のように
導電性フィラーをバインダー樹脂中に分散した中間層を
用いた場合、フィラー分散性の問題や、露光部電位の上
昇により、安定した画像が得られない。感光体14のよ
うに中間層の代わりにアルマイトを用いた場合、使用初
期において画像の地汚れや黒ポチ等の画像欠陥が見られ
た。感光体16のように保護層を設けない場合、耐久性
を有しないことが分かる。
【0224】
【発明の効果】以上のように本発明により、あらゆる環
境下において、使用初期状態の各感光体間が均一な特性
を有し、タンデム方式特有の様々なプリントモードで繰
り返し使用された場合においても、耐摩耗性、静電疲労
安定性が高く、複数の電子写真感光体間での特性変化や
バラツキの小さい極めて均質な電子写真感光体が提供で
きる。また、該電子写真感光体を用いることにより、あ
らゆる環境下において、同一原稿の多数枚のカラー画像
を形成した場合においても、常に色再現性の良好な画像
を形成することができる小型で、かつ高速のタンデム方
式のフルカラー画像形成装置および該画像形成装置用プ
ロセスカートリッジを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタンデム方式のフルカラー画像形成装
置を説明するための概略図である。
【図2】本発明のフルカラー画像形成装置用プロセスカ
ートリッジを説明するための概略図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の感光層が単層構成の
構成例を示す断面模式図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の感光層が積層構成さ
れた別の構成例を示す断面模式図である。
【図5】本発明の電子写真感光体の感光層が積層構成さ
れたさらに別の構成例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1C、1M、1Y、1K 感光体 2C、2M、2Y、2K 帯電部材 3C、3M、3Y、3K レーザー光 4C、4M、4Y、4K 現像部材 5C、5M、5Y、5K クリーニング部材 6C、6M、6Y、6K 画像形成要素 7 転写紙 8 供給コロ 9 レジストローラ 10 転写搬送ベルト 11C、11M、11Y、11K 転写ブラシ 12 定着装置 16 感光体 17 帯電チャージャ 18 クリーニングブラシ 19 画像露光部 20 現像ローラ 31 導電性支持体 32 中間層 33 感光層 34 電荷発生層 35 電荷輸送層 36 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/07 103 G03G 5/07 103 5/14 101 5/14 101F Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 AA06 AA44 BA04 BA12 BA57 BA58 BB07 BB08 BB25 BB49 CA33 FA01 FA03 FA19 FA27 FB13

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現
    像手段、転写手段、および電子写真感光体を具備してな
    る画像形成要素を複数配列したタンデム方式のフルカラ
    ー画像形成装置において、前記電子写真感光体が、導電
    性支持体上に少なくとも中間層、感光層、保護層を設け
    てなり、該中間層が有機金属化合物および/またはシラ
    ンカップリング剤を含有し、かつ該保護層が少なくとも
    α−アルミナ粒子とバインダー樹脂を含有することを特
    徴とするフルカラー画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記α−アルミナ粒子が、遷移アルミナ
    または熱処理により遷移アルミナとなるアルミナ原料
    を、ハロゲン化水素ガスを含有した雰囲気ガス中、また
    はハロゲンガスおよび水蒸気を導入した雰囲気ガス中で
    焼成することにより得られたものであることを特徴とす
    る請求項1記載のフルカラー画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記α−アルミナ粒子が、アルミニウム
    アンモニウムカーボネートハイドロオキサイド[NH
    AlCO(OH)]を熱分解することにより得られ
    たものであることを特徴とする請求項1記載のフルカラ
    ー画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記α−アルミナ粒子の平均粒径が0.
    05〜1.0μmであることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記α−アルミナ粒子が、累積粒度分布
    の微粒側から累積10%、および累積90%の平均粒径
    をそれぞれDa、Dbとしたときに、粒径比(Db/D
    a)の値が4以下であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記α−アルミナ粒子に含まれる不純物
    としてのナトリウム含有量が20ppm以下であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフルカラ
    ー画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記中間層に含有される有機金属化合物
    が金属アルコキシドまたは有機金属キレートであること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフルカラ
    ー画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記金属アルコキシドまたは有機金属キ
    レートが、ジルコニウム、チタニウムまたはアルミニウ
    ムから選択された少なくとも1種の金属からなる有機金
    属化合物であることを特徴とする請求項7記載のフルカ
    ラー画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記保護層に電荷輸送物質を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のフルカ
    ラー画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記電荷輸送物質が高分子電荷輸送物
    質であることを特徴とする請求項9記載のフルカラー画
    像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記高分子電荷輸送物質が少なくとも
    トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含
    むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項
    10記載のフルカラー画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記保護層にポリカルボン酸を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の
    フルカラー画像形成装置。
  13. 【請求項13】 電子写真感光体と、少なくとも帯電手
    段、像露光手段、現像手段、転写手段、分離手段、クリ
    ーニング手段のいずれか1つとを組み合わせて構成され
    た画像形成要素を具備してなる着脱可能なタンデム方式
    のフルカラー画像形成装置用プロセスカートリッジにお
    いて、前記電子写真感光体が、導電性支持体上に少なく
    とも中間層、感光層、保護層を設けてなり、該中間層が
    有機金属化合物および/またはシランカップリング剤を
    含有し、かつ該保護層が少なくともα−アルミナ粒子と
    バインダー樹脂を含有することを特徴とするプロセスカ
    ートリッジ。
  14. 【請求項14】 前記α−アルミナ粒子が、遷移アルミ
    ナまたは熱処理により遷移アルミナとなるアルミナ原料
    を、ハロゲン化水素ガスを含有した雰囲気ガス中、また
    はハロゲンガスおよび水蒸気を導入した雰囲気ガス中で
    焼成することにより得られたものであることを特徴とす
    る請求項13記載のプロセスカートリッジ。
  15. 【請求項15】 前記α−アルミナ粒子が、アルミニウ
    ムアンモニウムカーボネートハイドロオキサイド[NH
    AlCO(OH)]を熱分解することにより得ら
    れたものであることを特徴とする請求項13記載のプロ
    セスカートリッジ。
  16. 【請求項16】 前記α−アルミナ粒子の平均粒径が
    0.05〜1.0μmであることを特徴とする請求項1
    3〜15のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  17. 【請求項17】 前記α−アルミナ粒子が、累積粒度分
    布の微粒側から累積10%、および累積90%の平均粒
    径をそれぞれDa、Dbとしたときに、粒径比(Db/
    Da)の値が4以下であることを特徴とする請求項13
    〜15のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  18. 【請求項18】 前記α−アルミナ粒子に含まれる不純
    物としてのナトリウム含有量が20ppm以下であるこ
    とを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載のプ
    ロセスカートリッジ。
  19. 【請求項19】 前記中間層に含有される有機金属化合
    物が金属アルコキシドまたは有機金属キレートであるこ
    とを特徴とする請求項13〜18のいずれかに記載のプ
    ロセスカートリッジ。
  20. 【請求項20】 前記金属アルコキシドまたは有機金属
    キレートが、ジルコニウム、チタニウムまたはアルミニ
    ウムから選択された少なくとも1種の金属からなる有機
    金属化合物であることを特徴とする請求項19記載のプ
    ロセスカートリッジ。
  21. 【請求項21】 前記保護層に電荷輸送物質を含有する
    ことを特徴とする請求項13〜20のいずれかに記載の
    プロセスカートリッジ。。
  22. 【請求項22】 前記電荷輸送物質が高分子電荷輸送物
    質であることを特徴とする請求項21記載のプロセスカ
    ートリッジ。
  23. 【請求項23】 前記高分子電荷輸送物質が少なくとも
    トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含
    むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項
    22記載のプロセスカートリッジ。
  24. 【請求項24】 前記保護層にポリカルボン酸を含有す
    ることを特徴とする請求項13〜23のいずれかに記載
    のプロセスカートリッジ。
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