JP3883186B2 - 電子写真感光体並びにそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高耐久性を有し、かつ長期間にわたり高画質化を実現した電子写真感光体に関する。また、それらの感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ等に応用されている電子写真感光体を用いた電子写真方法とは、少なくとも電子写真感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び電子写真感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる方法である。
【0003】
電子写真感光体が、この電子写真法において要求される基本的な特性としては
(1) 暗所で適当な電位に帯電できること
(2) 暗所に於いて電荷の散逸が少ないこと
(3) 光照射によって速やかに電荷を散逸できること
等が挙げられる。
更にこれらの特性以外に画質特性等の長期信頼性や低公害性、コストの低さ等も要求される。
【0004】
従来、電子写真方式に於いて使用される感光体としては導電性支持体上にセレンないしセレン合金を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛・硫化カドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散させたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの等が一般的に知られているが、近年ではコストの低さ、感光体設計の自由度の高さ、無公害性等から有機系感光体が広く利用されるようになってきている。
【0005】
有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾ−ル(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダ−に代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が感度、耐久性、安定性など様々な特性において優れており注目されている。
【0006】
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電したのちに光を照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じた電界に沿って電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持ち高い移動度を有する電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持ち高い量子効率を有する電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、かつ有用である。
【0007】
ところが、電子写真方法に用いられる有機系電子写真感光体の電荷輸送物質は多くが低分子化合物として開発されており、低分子化合物は単独で成膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いられる。しかるに、低分子電荷輸送物質と不活性高分子からなる電荷輸送層は一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合に現像システムやクリーニングシステムによる機械的な感光体表面への負荷により膜削れを生じやすいという耐摩耗性の低さが短所として挙げられる。実際、感光体の膜削れにより感度の劣化、帯電性の低下などの悪影響が現れ、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像が発生し、感光体の寿命となることがある。
【0008】
近年、画像形成装置の小型化から感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わり感光体の高耐久化が切望されるようになってきた。感光体の高耐久化には前述の耐摩耗性を改善することが第一の課題である。
この課題を解決するための公知技術としては、
(1)表面層に硬化性バインダーを用いたもの(特開昭56−48637号公報)、
(2)感光体のバインダー樹脂を改良したもの(特開2000−98644号公報)、
(3)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(特開昭64−1728号公報)、
(4)表面層に無機フィラーを分散させたもの(特開平4−281461号公報)、
等が挙げられる。
【0009】
これらの技術の内、上記(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いためや重合開始剤、未反応残基などの不純物により露光部電位が上昇し画像濃度低下が発生する。また、上記(2)のバインダー樹脂を改良したものとしてはアルキレンテレフタレート構成単位を含むポリエステル樹脂を用いる方法があるが、低分子電荷輸送物質の組成分割合から著しい耐摩耗性向上が発揮されないことに加え、軟化温度の低下からトナーフィルミング発生、塗工溶剤への溶解性低下等の新たな課題が発生する。また、上記(3)の高分子型電荷輸送物質を用いたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるもののその耐久性は十分なものではなく、材料の重合、精製が難しく高純度なものを得にくい、塗工液が高粘度となる等の製造上の問題がある。一方、上記(4)の無機フィラーを分散させたものは、通常の低分子電荷輸送物質を不活性高分子に分散させた感光体に比べ、高い耐摩耗性が発揮され且つ繰り返しの電気特性も良好であり注目される。
【0010】
ところが、この表面層に無機フィラーを分散させた感光体は、繰り返し使用において帯電器等から発生するオゾン、NOx等の酸化性ガスにより画像流れを発生するという欠点がある。画像流れは帯電−露光によって形成された感光体表面の潜像が表面で拡散し、電位のコントラストが低下することが原因で起こり、このため現像されたトナー像では文字、細線の太り、解像度低下、中間調濃度のぬけとして現れ、著しい場合は文字、描画の判別が不可能となる。このため画像流れは感光体表面の低抵抗化に起因した現象である。無機フィラーを分散させた感光体の画像流れは、以下のようなことが要因と考えられる。無機フィラーを分散させたことにより耐摩耗性が向上し酸化性ガスの浸透に対し感光体表面の削れによる更新が追いつかなくなったこと、無機フィラーの分散により生じた表面の凹凸にトナーや紙粉のフィルミングが起こりこれに酸化性ガスが吸着したこと、電気的特性の安定化のために非絶縁性フィラーや表面処理したフィラーを用い表面層が低抵抗化していることが挙げられる。
この繰り返し使用における画像流れを防止する対策としては、感光体をヒーターで暖めて表面の水分吸着を防止する方法があるが、機械の始動に時間を要する点及び多量のエネルギーを必要とする点で問題がある。
【0011】
また他の対策として表面層に酸化防止剤を添加する方法(特開平8−292585号公報)があるが、少量の添加では効果が少なく、多量に添加すると電気特性が悪化するという問題がある。また、表面層のバインダー樹脂としてポリアリレート樹脂を含有する方法(特開平8−248666号公報)があるが、単一成分からなる一般的なポリアリレート樹脂では十分な効果が発揮されないのが現状である。これまでのところ、この繰り返し使用における画像流れを良好に解決する手段は見いだされていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高耐久性を有し、繰り返し使用に対しても良好な画像が持続して得られる高性能な電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の目的は、前記電子写真感光体を用いることにより、小型で且つ高速印刷が可能である高信頼性の画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスユニットを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、電子写真感光体の最表面層が少なくとも無機フィラーとバインダー樹脂とを含有しており、且つこのバインダー樹脂としてアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂を用いることにより、前記目的を達成することができることを見出して本発明を成すに至った。
【0014】
すなわち、本発明は次の態様からなるものである。
(1)導電性支持体上に少なくとも感光層を設けてなる電子写真感光体において、この電子写真感光体の最表面層が少なくとも無機フィラーとバインダー樹脂とを含有しており、且つこのバインダー樹脂が下記一般式(I)の共重合ポリアリレート樹脂であることを特徴とする電子写真感光体。
[式中、l,mはモル比を表し、0.05≦l<0.6、0.4≦m<0.95、
l+m=1である。]
【0022】
(2)前記共重合ポリアリレート樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量が1×104〜1×105であることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真感光体。
【0023】
(3)前記最表面層がポリカルボン酸化合物を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の電子写真感光体。
【0024】
(4)前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した積層構成であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の電子写真感光体。
(5)電子写真感光体が少なくとも帯電、露光、現像、転写を繰り返すことにより画像を形成するプロセスにおいて、この電子写真感光体が上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
【0025】
(6)上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0026】
(7)上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の電子写真感光体と帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段の内の少なくとも一つを一体化し、着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスユニット。
【0027】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるように、最表層が少なくとも無機フィラーとバインダー樹脂を含有してなる感光体において、このバインダー樹脂としてアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂を用いるという構成を採用することにより、どのような理由から、感光体が高耐久性を有し且つ繰り返し使用に対して画像流れを発生せず、良好な画像が持続して得られるという効果が奏せられるのかは現在明らかになっていないが、以下のような理由が考えられる。
【0028】
まず一つの理由としては、前記共重合ポリアリレート樹脂を用いることにより、帯電プロセスにより発生したオゾン、NOx等の酸化性ガスの感光体内部への浸透が抑制され、無機フィラーが分散された最表面層の低抵抗化が防止されることが考えられる。
もう一つの理由としては、前記共重合ポリアリレート樹脂は、無機フィラー、特に周囲をポリカルボン酸化合物等の分散剤及び表面処理剤で被われた無機フィラーに対し強い親和性を有しており、帯電プロセスにより発生したオゾン、NOx等の酸化性ガスの無機フィラー表面への吸着を防止するとともに、過剰な分散剤や表面処理剤を無機フィラーより取り除き無機フィラーの近傍の低抵抗化を抑制していることが考えられる。
【0029】
次に、本発明を構成する主要な構成要素について以下、説明する。
<アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂について>
本発明の無機フィラーと共に最表面層に用いられるバインダー樹脂である共重合ポリアリレート樹脂について説明する。
【0030】
一般的なポリアリレート樹脂はアリーレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位が繰り返した下記一般式(III)のポリマーを指し、代表的なものとしてビスフェノールAとテレフタル酸とからなる下記構造(IV)のポリアリレート樹脂が挙げられる。
【0031】
【化5】
式中、Ar2,Ar3はアリーレン基
【0032】
【化6】
【0033】
本発明のアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂は、上記一般式(III)のポリアリレート樹脂の繰り返し構造中に下記一般式(V)で表されるアルキル−アリーレンジカルボキシレート構造単位を含有するものである。
【0034】
【化7】
式中、Ar1は置換または無置換のアリーレン基、Xはアルキレン基を表し、前記置換基はハロゲン原子、アルキル基である。
【0035】
上記一般式(V)のアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位は、芳香族ジカルボン酸化合物と脂肪族ジオール化合物または脂肪族環状エーテル化合物から誘導される。
【0036】
前記アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を構成する芳香族ジカルボン酸成分は、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、1,1−ジフェニルエタン−4,4‘−ジカルボン酸、2,2−ジフェニルプロパン−4,4‘−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルチオエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸化合物から誘導され、2種以上を混合して用いても良い。これらの中で特に、テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらの混合物が有効に用いられる。
【0037】
前記アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を構成する脂肪族ジオール成分は、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール化合物や1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール等の環状脂肪族ジオール化合物から誘導され、2種以上を混合して用いても良い。これらの中で特に、エチレングリコールが有効に用いられる。また、脂肪族環状エーテル化合物のエチレンオキシドを用いることもできる。
【0038】
本発明の共重合ポリアリレート樹脂のアリレート構造としては、上記一般式(III)で示した構造単位が挙げられ、芳香族ジカルボン酸化合物と芳香族ジオール化合物から誘導される。
【0039】
前記アリレート構造を構成する芳香族ジカルボン酸成分は、アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を構成する芳香族ジカルボン酸成分と同様なものから誘導され、特に、テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらの混合物が有効に用いられる。
【0040】
前記アリレート構造を構成する芳香族ジオール成分は、1,3-ベンゼンジオール、1,4-ベンゼンジオール、1,3-ナフタレンジオール、1,2-ナフタレンジオール、1,4-ナフタレンジオール、1,7-ナフタレンジオール、1,6-ナフタレンジオール、1,5-ナフタレンジオール、1,8-ナフタレンジオール、2,3-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、2,2’-ジヒドロキシジフェニル、3,3’-ジプロピル-4,4'-ジヒドロキシジフェニル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、ビスフェノールA[2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン]、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-クロル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2-ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-イソプロピル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’-ジヒドロキシジッフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’-ジメチル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)キサンテン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-テトラメチルジシロキサン等から誘導され、2種以上を混合して用いても良い。これらの中で特に、ビスフェノール類が有効で、とりわけビスフェノールAが良好に用いられる。
【0041】
本発明の共重合ポリアリレート樹脂において、アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を構成する芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分、アリレート構造を構成する芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジオール成分の組合せにより、下記一般式(II)の構造の共重合ポリアリレート樹脂が有効に用いられる。
【0042】
【化8】
式中、Ar1,Ar2は置換または無置換のアリーレン基、Xはアルキレン基を表し、前記置換基はハロゲン原子、アルキル基である。R1,R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表し、環を形成していても良い。R3,R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基を表し、o,pは1から4の整数を表し2以上の場合は異なっていても良い。l,mはモル比を表し、0.05≦l<0.6、0.4≦m<0.95、l+m=1である。
【0043】
上記一般式(II)の構造において、特にAr1,Ar2が2価のフェニル基である場合が更に好ましい。また更に、一般式(II)の構造において、アルキレン基Xがエチレン基である場合が好ましい。
【0044】
本発明のアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位の割合は、感光体の製造法、使用環境上の制約を受ける。アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位の割合が増加しすぎるとガラス転移温度、軟化温度が低下し、トナーフィルミング等の問題が発生するため感光体のバインター樹脂としては適さなくなる。
【0045】
アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位の割合が少ないと本発明の酸化性ガスに対する異常画像抑制効果が十分発揮されない。アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位の割合は共重合ポリアリレート樹脂全量に対し3〜60重量%、好ましくは5〜40重量%である。繰り返し単位のモル含有比で表すと、アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位は5〜60mol%の範囲で良好に用いられる。本発明の共重合ポリアリレート樹脂のガラス転移温度としては120℃以上、170℃以下が最も良好である。また本発明の共重合ポリアリレート樹脂はポリスチレン換算の重量平均分子量が1×104〜1×105の範囲が有効である。重量平均分子量が1×104より小さいと樹脂自体の機械的強度が弱く無機フィラーの保持力も低下し、結果として繰り返し使用における摩耗量が増加が生じ、本発明の目的である高耐久化が達成されない。一方重量平均分子量が1×105より大きいと塗工溶媒に対する樹脂の溶解性が低下し、所望の膜厚が得られなくなる。
【0046】
<ポリアリレートの製造方法について>
本発明のアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂の製造方法としては、アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位、ポリアリレート構造を誘導するそれぞれのジカルボン酸化合物、ジオール化合物又はその誘導体を用いた溶融重合法、溶液重合法及び界面重合法が利用可能であるが、中でも界面重合法が有効に用いられる。また、全て芳香族成分からなる一般的なポリアリレート樹脂とポリエチレンテレフタレート等のアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造を有するポリエステル樹脂の溶融混練エステル交換反応を用いた製造法も可能である。
【0047】
<電子写真感光体の構造について>
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
第1図に示したものは、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生物質と結着樹脂とを主成分とする感光層33が設けられている。無機フィラーを含有する最表面層が感光層全体の場合を示したのが1−Aであり、無機フィラーを含有する最表面層が感光層の表面部分である場合を示したのが1−Bである。
【0048】
第2図に示したものは、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが、積層された構成をとっている。無機フィラーを含有する最表面層が電荷輸送層全体の場合を示すのが2−Aであり、無機フィラーを含有する最表面層が電荷輸送層の表面部分である場合を示すのが2−Bである。
【0049】
第3図に示したものは、導電性支持体31上に、電荷発生物質と結着樹脂とを主成分とする感光層33が設けられ、更に感光層表面に保護層39が設けられた構成をとっている。この場合、無機フィラーを含有する最表面層は保護層39である。
【0050】
第4図に示したものは、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層37上に保護層39が設けられてなる。この場合、無機フィラーが含有される最表面層は保護層39である。
【0051】
第5図に示したものは、導電性支持体31上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35とが積層された構成をとっており、更に電荷発生層35上に保護層39が設けられてなる。この場合、無機フィラーが含有される最表面層は保護層39である。
【0052】
<導電性支持体について>
導電性支持体31としては、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0053】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。
【0054】
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0055】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0056】
<感光層について>
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生物質を含んだ電荷発生層と電荷輸送物質を含んだ電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は少なくとも電荷発生物質を含んだ層から構成される。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
【0057】
<感光層が複数層からなるもの>
(電荷発生層)
電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ−樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0058】
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でタ−ミネ−トしたものや、ホウ素原子、リン原子等をド−プしたものが良好に用いられる。
【0059】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0060】
電荷発生層35に必要に応じて用いられるバインダ−樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカ−ボネ−ト、シリコ−ン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダ−樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質(例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平6−234838号公報、特開平6−234839号公報、特開平6−295077号公報、特開平7−56374号公報、特開平7−325409号公報、特開平9−80772号公報、特開平9−80783号公報、特開平9−80784号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−265201号公報、特開平9−297419号公報、特開平9−304956号公報記載)を用いることができる。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
【0061】
電荷発生層35に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0062】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0063】
電荷発生層35を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロ−放電分解法、イオンプレ−ティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
【0064】
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ−樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボ−ルミル、アトライタ−、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコ−ンオイル、メチルフェニルシリコ−ンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレ−コ−ト、ビ−ドコ−ト、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0065】
(電荷輸送層)
電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層35上に塗布、乾燥することにより形成できる。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層35で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。
【0066】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0067】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は単独でも、結着樹脂との併用も可能である。
【0068】
電荷輸送層37の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層37の形成には電荷発生層35と同様な塗工法が可能である。
【0069】
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層37に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレ−ト、ジオクチルフタレ−ト等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層37に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコ−ンオイル、メチルフェニルシリコ−ンオイル等のシリコ−ンオイル類や、側鎖にパ−フルオロアルキル基を有するポリマ−あるいはオリゴマ−が使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
【0070】
電荷輸送層37の膜厚は、5〜50μm程度が適当であり、解像度、地肌汚れ等の画像特性及び帯電電位、感度等の電気特性上、好ましくは10〜40μm程度が適当である。
【0071】
(無機フィラーを含有する最表面層)
更に、電荷輸送層37が感光体の表面層になる場合、電荷輸送層37の全層又は表面部分に耐摩耗性を向上させる目的で無機フィラ−を添加する。ここで用いられる無機性フィラ−としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらの無機フィラーは必要に応じて2種以上を混合、併用してもかまわない。無機フィラーの中でもシリカ、アルミナが抵抗、入射光の透光性の理由で有効である。また、これらの無機フィラーの分散性改良などの目的で表面処理を施すことが可能であり、この時用いられる表面処理剤としてはチタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸、シランカップリング剤、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム、あるいはそれらの混合処理等が挙げられる。
【0072】
最表面層に用いられる前記無機フィラーの平均一次粒径としては、0.01〜0.8μmの範囲が良好であり、更に好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。無機フィラーの平均一次粒径が0.01μm以下の場合は感光体の耐摩耗性が低下したり、塗工液中で無機フィラーの凝集が起こりやすくなる。また、0.8μm以上の場合には感光体表面にトナーフィルミングが発生したり、塗工液中で無機フィラーの沈降性が促進する等の悪影響が現れる。
【0073】
最表面層に含有される無機フィラーの割合は、目的とする耐摩耗性、無機フィラーの粒径、材質、用いられる画像形成プロセス等様々な影響に左右されるが、無機フィラーが分散されている表面部分の全量に対し0.5〜40重量%、好ましくは2〜30重量%である。
【0074】
無機フィラーを含有する表面部分の形成方法としては、前記電荷発生層35と同様の塗工法が使用できる。
これらの無機フィラ−を含有する表面部分は、例えば無機フィラーを有機溶剤と合わせボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などの従来方法を用いて分散した後、バインダー樹脂として本発明で用いる共重合ポリアリレート樹脂が加えられ、塗工することにより設けられる。またこの時、必要に応じてポリカルボン酸化合物等の分散剤、電荷輸送物質、レベリング剤、可塑剤、補助バインダーなどの添加剤が用いられる。これらのバインダー樹脂や添加剤は無機フィラー分散処理前、途中及び分散後に添加されても良い。
【0075】
この分散液に用いられる有機溶剤としては無機フィラーの分散性、塗工方法によって左右されるが、一般的には電荷発生層35について既に述べたと同様のものが使用可能であり、2種以上の溶剤が混合されても良い。
また、この無機フィラーを含有する表面部分の膜厚としては、電荷輸送層37の全層でも可能であるが画像特性、電気特性上20μm以下が望ましく、更に好ましくは1〜10μmの範囲である。
【0076】
(ポリカルボン酸化合物)
塗工液作製時に無機フィラーの分散性を向上させ塗工液を安定性を高める目的で分散剤が必要に応じて添加される。この分散剤としては無機フィラーを一次粒径に近い値まで分散する、電気的特性・画像特性に悪影響を及ぼさない、などの点でポリカルボン酸化合物が特に有効である。
【0077】
ポリカルボン酸化合物とは、複数のカルボン酸残基を有する低分子化合物、オリゴマー、高分子化合物を指し、例えば有機脂肪酸、高酸化樹脂等が挙げられる。このポリカルボン酸化合物がオリゴマー、高分子化合物としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル酸やメタクリル酸を用いた共重合体、スチレンアクリル共重合体等が挙げられる。ここで用いられるポリカルボン酸化合物の酸価としては、10〜400(mgKOH/g)のものが有効に使用できる。(酸価とは、1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義される。)
このポリカルボン酸化合物添加量としては、含有される無機フィラー100重量部に対し0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。
【0078】
また、ここで用いられる電荷輸送物質、レベリング剤、可塑剤としては前記電荷発生層35で記載したもの、補助バインダーとしては電荷輸送層37で記載した結着樹脂が挙げられる。
【0079】
<感光層が単層のもの>
単層構成は導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光層33を設けたものである。感光層33は、電荷発生物質と結着樹脂の他に必要に応じて電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は前記電荷発生層35、電荷輸送層37について既に述べたと同様のものが使用できる。
【0080】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層37の項で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層35で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。また、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。樹脂成分100重量部に対する電荷発生物質の量は1〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要に応じて電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
【0081】
この単層構成の感光層33が感光体の最表面層になる場合、感光層33の全層又はその表面部分に耐摩耗性を向上させる目的で無機フィラ−を添加するが、この時斯かる無機フィラー分散層のバインダー樹脂としては本発明の共重合ポリアリレート樹脂が有効に使用される。また、この単層構成における表面部分に分散される無機フィラーとしては前述のものが使用可能で、必要に応じて前述のポリカルボン酸化合物、可塑剤、レベリング剤等が添加される。また、これらの材料の添加量、無機フィラー分散層の製造法、膜厚については先に電荷輸送層37について述べたと同様の事項が適用できる。
【0082】
<保護層について>
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、感光層33の表面側に保護層39が設けられることがある。保護層39は感光体の最表面側の層で高い耐摩耗性が要求されるため、無機フィラーが分散され、バインダー樹脂として本発明の共重合ポリアリレート樹脂が有効に用いられる。また、この保護層には補助バインダーとして、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂を併用することができる。
【0083】
この保護層39に分散される無機フィラーとしては前述のものが使用可能で、必要に応じて電荷輸送層37について述べたと同様にポリカルボン酸化合物、可塑剤、レベリング剤が添加される。また、これらの材料の添加量、無機フィラーの分散法、保護層39の製造法としては、電荷輸送層37について述べたと同様の事項が適用できる。
なお、保護層39の厚さは0.5〜5μm程度が適当である。
【0084】
<中間層について>
本発明の感光体においては、感光層33又は電荷輸送層37と保護層39との間に中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0085】
<下引き層について>
本発明の感光体においては、導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0086】
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0087】
<各層への酸化防止剤の添加について>
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
【0088】
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
(フェノ−ル系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロ−ル類など。
【0089】
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0090】
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0091】
(有機硫黄化合物類)
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネ−トなど。
【0092】
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0093】
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
【0094】
<画像形成方法及び装置について>
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、本発明の最表面層に無機フィラーとアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として含有する感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
【0095】
図6は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ3が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が全て使用可能である。
次に、均一に帯電された感光体上に静電潜像を形成するために画像露光部5が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0096】
次に、感光体上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット5が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体上に転写するために転写チャージャ10が用いられる。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ7を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
【0097】
次に、転写体を感光体より分離する手段として分離チャージャ11、分離爪12が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離、等が用いられる。分離チャージャとしては、前記帯電手段が利用可能である。
【0098】
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ14、クリーニングブレード15が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独でまた複数の方式を一緒に用いてもよい。
【0099】
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ2、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが全て使用できる。
【0100】
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスユニットの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。
画像形成装置用プロセスユニットとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段の少なくとも一つを一体化し、着脱可能とした装置(部品)である。本発明は、前記最表面層に無機フィラーとアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として含有する感光体と帯電、現像、転写、クリーニング、除電手段の少なくとも一つを一体化した画像形成装置用プロセスユニットを提供するものである。
【0101】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
【0102】
<実施例1>
φ30mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。最表面層の無機フィラー含有層用塗工液は、下記無機フィラーと溶剤とをアルミナボールを用いて24時間のボールミル分散し、その分散液にバインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解した溶液を加え調製した。この液を電荷輸送層上にスプレー塗工し無機フィラー含有の最表面層を4μm設け、本発明の電子写真感光体を得た。
【0103】
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307-60-EL,大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G-821-60,大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 50部
【0104】
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式(I)のビスアゾ顔料 2.5部
ポリビニルブチラール(XYHL,UCC製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
【0105】
【化9】
【0106】
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS-2050,帝人化成製)
下記構造式(II)の低分子電荷輸送物質(D−1) 7部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1部
(KF50-100CS,信越化学工業製)
【0107】
【化10】
【0108】
〔無機フィラー含有層用塗工液〕
疎水化シリカパウダー 1部
(KMP-X100,信越化学工業製)
下記構造式(III)のバインダー樹脂 4部
(アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂:U6000,ユニチカ製)
低分子電荷輸送物質 3部
(電荷輸送層で使用した低分子電荷輸送物質D−1)
シクロヘキサノン 60部
テトラヒドロフラン 200部
【0109】
【化11】
l,mは成分のモル比 l=0.44 m=0.56
ポリエチレンテレフタレート30重量%とポリアリレート70重量%との共重合体
ガラス転移温度:136゜C
ポリスチレン換算の重量平均分子量:42000
【0110】
<実施例2>
実施例1の無機フィラー含有層用塗工液の無機フィラーを酸化チタン(CR97,石原産業製)1部に替え、無機フィラー含有最表面層の膜厚を2.5μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0111】
<実施例3>
実施例1の無機フィラー含有層用塗工液の無機フィラーをα型アルミナ(AA03,住友化学工業製)1部に変え、分散剤としてポリカルボン酸化合物(BYK−P104,ビックケミー製)0.04部をボールミル分散時に加えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0112】
<実施例4>
実施例3の無機フィラー含有層用塗工液のバインダー樹脂を下記のものに変えた以外は実施例3と同様に電子写真感光体を作製した。
バインダー樹脂 4部
(アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂:U4015,ユニチカ製)
【0113】
【化12】
l,mは成分のモル比 l=0.32 m=0.68
ポリエチレンテレフタレート20重量%とポリアリレート80重量%との共重合体
ガラス転移温度:149゜C
ポリスチレン換算の重量平均分子量:47000
【0114】
<実施例5>
実施例3の無機フィラー含有層用塗工液のバインダー樹脂を下記のものに変えた以外は実施例3と同様に電子写真感光体を作製した。
バインダー樹脂 4部
(アルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂:U1060,ユニチカ製)
【0115】
【化13】
l,mは成分のモル比 l=0.18 m=0.82
ポリエチレンテレフタレート10重量%とポリアリレート90重量%との共重合体
ガラス転移温度:180゜C
ポリスチレン換算の重量平均分子量:44000
【0116】
<比較例1>
実施例1の無機フィラー含有層用塗工液のバインダー樹脂をビスフェノールAポリカーボネート(パンライトC1400,帝人化成製)4部に変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0117】
<比較例2>
実施例2の無機フィラー含有層用塗工液のバインダー樹脂をビスフェノールAポリカーボネート(パンライトC1400,帝人化成製)4部に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。
【0118】
<比較例3>
実施例3の無機フィラー含有層用塗工液のバインダー樹脂をビスフェノールAポリカーボネート(パンライトC1400,帝人化成製)4部に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。
【0119】
<比較例4>
実施例3の無機フィラー含有層用塗工液のバインダー樹脂を下記構造のポリアリレートに変えた以外は実施例3と同様に電子写真感光体を作製した。
バインダー樹脂 4部
(ポリアリレート:U100,ユニチカ製)
【0120】
【化14】
ガラス転移温度:191゜C
ポリスチレン換算の重量平均分子量:48000
【0121】
<比較例5>
実施例1の無機フィラー含有最表層を設けない以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0122】
以上のように作製した実施例1〜5、比較例1〜5の電子写真感光体について、A4サイズ5万枚の通紙試験を実施した。まず、前記感光体を電子写真装置用プロセスユニットに装着し、画像露光光源を 655nmの半導体レーザーを用いたリコー製imagioMF2200改造機にて初期帯電電位を−850Vに設定した。その後通紙試験を開始し、初期及び1万枚毎の画像評価と5万枚複写後の膜厚減少量の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0123】
次に、新たに作製した実施例1〜5、比較例1〜5の電子写真感光体について、帯電器等から発生する酸化性ガスの加速試験としてオゾンガス曝露による画像劣化試験を実施した。まず、上記通紙試験と同様に初期画像を採取した。続いてこの感光体を5ppmのオゾンガス雰囲気下に50時間放置した後、初期の環境に取り出し5時間後に再度画像を採取した。このオゾンガス曝露後の画像を評価した結果を表1に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
表1の通紙試験結果より、最表面層に少なくとも無機フィラーとバインダー樹脂を含有する感光体において、比較例のバインダー樹脂としてポリカーボネートや一般的なポリアリレートを用いた感光体が繰り返し複写により画像流れを発生したのに対し、実施例のアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂を用いた感光体は良好な画像が得られた。また、本発明の感光体は最表面層に無機フィラー含有層を設けない感光体に比べ高い耐摩耗性を有していることがわかる。
【0126】
更に、オゾンガス曝露による画像劣化試験結果より、比較例のバインダー樹脂としてポリカーボネートや一般的なポリアリレートを用いた感光体に比べ、実施例のアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂を用いた感光体は、耐酸化性ガス特性を有している。
【0127】
従って、本発明の最表面層に無機フィラーとアルキレン−アリーレンジカルボキシレート構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として含有させた感光体により、耐摩耗性が高く且つ繰り返し複写において画像流れ等の異常画像が発生しない高画質、高耐久な感光体を提供できることが判明した。また合わせて、本発明の感光体を用いた画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスユニットが高性能、高信頼性を有していることが判明した。
【0128】
【発明の効果】
本発明の感光体は耐摩耗性が高いため、長期の繰り返し使用においても、画像濃度の低下や画像流れ等の異常画像のない高画質の画像を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体(感光層:単層)の断面図
【図2】 本発明の電子写真感光体(感光層:電荷発生層+電荷輸送層)の断面図
【図3】 本発明の電子写真感光体(図1のものに保護層を設けた例)の断面図
【図4】 本発明の電子写真感光体(図2のものに保護層を設けた例)の断面図
【図5】 本発明の電子写真感光体(保護層を設けた他の例)の断面図
【図6】 本発明の画像形成装置の1例を示す概略図である。
【図7】 本発明の画像形成装置用プロセスユニットの1例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:感光体
2:除電ランプ
3:帯電チャージャ
4:イレーサ
5:画像露光部
6:現像ユニット
7:転写前チャージャ
8:レジストローラ
9:転写紙
10転写チャージャ
11:分離チャージャ
12:分離爪
13:クリーニング前チャージャ
14:ファーブラシ
15:クリーニングブレード
31:導電性支持体
33:感光層
35:電荷発生層
37電荷輸送層
39:保護層
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
Claims (7)
- 前記共重合ポリアリレート樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量が1×104〜1×105であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記最表面層がポリカルボン酸化合物を含有することを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した積層構成であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体が少なくとも帯電、露光、現像、転写を繰り返すことにより画像を形成するプロセスにおいて、この電子写真感光体が請求項1〜4の何れか一つに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1〜4の何れか一つに記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜4の何れか一つに記載の電子写真感光体と帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段の内の少なくとも一つを一体化し、着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスユニット。
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