JP2770466B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2770466B2
JP2770466B2 JP22224589A JP22224589A JP2770466B2 JP 2770466 B2 JP2770466 B2 JP 2770466B2 JP 22224589 A JP22224589 A JP 22224589A JP 22224589 A JP22224589 A JP 22224589A JP 2770466 B2 JP2770466 B2 JP 2770466B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真感光体に関し、さらに詳しくは表面
層を改良した電子写真感光体に関する。
[従来の技術] 従来電子写真感光体として、電荷発生を行う電荷発生
物質と電荷移動を行う電荷移動物質とを各層に分離した
構成の積層型感光層を用いたものと、同一層内に共に含
有した単層感光層を用いた感光体とが提案されている。
これらの感光層は該物質を結着樹脂に分散または溶解し
て層形成されている。
このような電子写真感光体を通常の例えばカールソン
法などの電子写真工程に適用した場合、種々の問題が生
じていた。例えば電荷移動物質と結着樹脂とからなる電
荷移動層を表層に設けた感光体の場合は、感光層表面へ
のトナーの付着及び現像剤や転写用紙と感光層表面との
接触による摩耗や傷が発生するという欠点があった。
これらの問題点を解決する感光層の結着樹脂としてポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリメチルメタクリレ
ートなどが提案されている。
また例えば特公昭54−6547号公報に記載されているよ
うに、感光層上に表面層を設ける提案もなされている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、これらの結着樹脂を用いた場合でも前
述した欠点を十分に解決できるものではなかった。
また、感光層上に表面層を設けた場合でも表面層を形
成する樹脂として前記の樹脂を使用する限り前述した欠
点を十分に解決できるものではなく、また例えば特公昭
56−39552号公報などに記載されているように、フッ素
を含有するポリマーの微粒子などを添加する提案もなさ
れているが塗膜強度が低下するなど繰り返し使用に対す
る耐久性の点ではまだ不十分であった。
本発明は上記のような従来技術における問題点に鑑み
なされたもので、耐コロナ性などの化学的耐久性、電子
写真感度および帯電安定性などの電気的耐久性、トナー
クリーニング性およびトナーフィルミング性などのクリ
ーニング特性、耐摩耗性および耐傷性などの機械的耐久
性とを具備する電子写真感光体を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明は、下記構成を有す
る。
少なくとも導電性支持体と感光層および最上層に表面
層を備えた電子写真感光体において、該表面層が下記一
般式(I)で表わされる繰り返し単位および下記一般式
(II)で表わされる繰り返し単位を主成分として含有す
る含フッ素ポリエステルからなる樹脂を含有することを
特徴とする電子写真感光体。
(一般式(I)および(II)においてXは、−O−,−
CO−O−,−CO−NH−,および−CO−から選ばれ、rは
0または1を示す。R1は少なくとも1つのフッ素原子に
よって置換された炭素数1〜20のアルキル基あるいは少
なくとも1つのフッ素原子によって置換された炭素数1
〜20のアルケニル基を示す。R2は二価の芳香族基を示
す。R3は二価の有機残基を示す。m/nのモル比は1/99〜1
00/0である。) 本発明において、R1は少なくとも1つのフッ素原子に
よって置換された炭素数1〜20のアルキル基あるいは少
なくとも1つのフッ素原子によって置換された炭素数1
〜20のアルケニル基を示す。R1の炭素数としてはポリエ
ステルの出発原料であるジカルボン酸の反応性やトナー
フィルミング性やトナークリーニング性などの点から好
ましくは2以上であり、さらに好ましくは3〜15であ
る。R1において置換されるフッ素原子の数としてはトナ
ーフィルミング性やトナークリーニング性などの点から
2以上が好ましく、さらにはR1として炭素数3以上のア
ルキル基あるいは炭素数3以上のアルケニル基が好まし
いことからフッ素原子数としては5以上が特に好まし
い。また高いトナーフィルミング性やトナークリーニン
グ性を発現する点でアルキル基あるいはアルケニル基の
末端がフッ素化されていることが好ましい。
R1は直鎖でも分枝でもよい。R1が直鎖である具体例と
しては、少なくとも1つ以上のフッ素原子で置換された
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n
−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、、n−ウ
ンデシル基、n−ドデシル基などを例示することができ
る。またR1が分枝である具体例としては、少なくとも1
つ以上のフッ素原子で置換された、イソプロピル基、イ
ソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メ
チルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル
基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル
基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチル−2−メチ
ル−1−プロペニル基、2−イソプロピル−1,3−ジメ
チル−1−ブテニル基などを例示することができる。
上記一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有する
ポリエステルは下記一般式(III)で表わされるジカル
ボン酸ジハライドと、下記一般式(IV)で表わされるジ
オールとから製造できる。
上記一般式(I)および(II)で表わされる繰り返し
単位を主成分とするポリエステルは下記一般式(III)
および(IV)で表わされるジカルボン酸ジハライドと、
下記一般式(V)で表わされるジオールとから製造でき
る。
(式中X,r,R1は、一般式(I)と同様であり、Zはハロ
ゲン基である。) Z−CO−R3−CO−Z (IV) (式中R3は一般式(II)と同様であり、Zはハロゲン基
である。
HO−R2−OH (V) (式中R2は、一般式(I)と同様である。) 上記一般式(III)で表わされるジカルボン酸ジハラ
イドの製造方法としては、例えば次のような方法が挙げ
られる。ジカルボキシベンゼン誘導体と、少なくとも1
つのフッ素原子によって置換されたアルキル基あるいは
アルケニル基を含む化合物との反応により下記一般式
(VI)で表わされる化合物を合成する。あるいは、キシ
レン誘導体と、少なくとも1つのフッ素原子によって置
換されたアルキル基あるいはアルケニル基を含む化合物
とを反応したのち、ベンゼン環に結合した2つのメチル
基を従来公知の酸化剤でカルボキシル基に変える方法で
下記一般式(VI)で表わされる化合物を合成する。次に
得られた化合物(VI)を従来公知の各種カルボン酸のハ
ロゲン化剤によってハロゲン化してジカルボン酸ジハラ
イドを得る。
(式中X,r,R1は、一般式(I)と同様である。) 上記一般式(VI)で表わされるジカルボン酸の例とし
てはジカルボキシベンゼンフルオロアルキルエーテル、
ジカルボキシ安息香酸フルオロアルキル、N−フルオロ
アルキルジカルボキシベンズアミド、ジカルボキシベン
ゼンフルオロアルキルケトン、ジカルボキシフルオロア
ルキルベンゼンなどを例示することができる。
上記一般式(IV)で表わされるジカルボン酸ジハライ
ドの例としては次のようなジカルボン酸のジクロリド、
ジフルオリドおよびジブロミドなどを例示することがで
きる。すなわち、テレフタル酸、テトラフルオロテレフ
タル酸、イソフタル酸、テトラフルオロイソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテル
ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸などのジクロリド、ジフルオリドおよびジブロミ
ドなどを例示することができる。
これらのジカルボン酸ジハライドを混合して使用する
場合、上記一般式(III)で表わされるジカルボン酸ジ
ハライドを5モルパーセント以上含有することにより本
発明の1つの特徴であるトナーフィルミング性、トナー
クリーニング性を十分改良することができる。
上記一般式(V)において、二価の芳香族残基である
R2としては特に1〜4核体であることが望ましい。具体
例としては、カテコール類、レゾルシン類、ハイドロキ
ノン類、ジヒドロキシビフェニル類、ビス(ヒドロキシ
フェニル)エタン類などを挙げることができる。
本発明においてはこれらの芳香族ジオール類に一部脂
肪族ジオールを混合して用いることもできる。使用可能
なジオールとしてはエチレングリコール、プロピレング
リコール、トリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノールなどを挙げるこ
とができる。
これらの脂肪族ジオールを混合して使用する場合芳香
族ジオールを70モルパーセント以上含有することにより
ガラス転移温度の上昇を十分に発揮でき機械的耐久性を
向上することができる。
好ましい分子量は機械的耐久性などの点から、固有粘
度に換算して0.1〜2.0dl/gの範囲であり、さらには0.2
〜1.5dl/gの範囲であることが特に好ましい。
本発明においては、上記(III)のジカルボン酸ジハ
ライドを100〜1モル%使用し、残る0〜99モル%に上
記一般式(IV)のジカルボン酸ジハライドを用い、これ
らと上記一般式(V)で表わされるジオールとを反応さ
せることにより、上記一般式(I)、(II)からなり、
m/nがモル比で100/0〜1/99の割合であるポリエステルが
製造される。
トナークリーニング性およびトナーフィルミング性を
十分改良する点から、m/nのモル比は1/99以上であり、
さらには5/95以上であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、電子写真感光体の表面
層の樹脂としての十分な強度と柔軟性を有している。こ
のことは可撓性のない円筒基体状に感光層および表面層
を形成してなる電子写真感光体のみならず、可撓性のあ
るシート状あるいはベルト状基体上に感光層および表面
層を形成してなる電子写真感光体の表面層を形成する樹
脂として非常に適している。
また本発明のポリエステル樹脂は表面エネルギーが低
く表面接触角が大きく、滑り性がよい。従ってこの樹脂
を含む表面層を形成した場合、トナークリーニング性が
著しく向上し、感光体表面にトナーが固着するトナーフ
ィルミングが発生するのを低減し、また表面に傷が発生
するのを低減する。
トナーや転写紙との滑り性が良いため感光体の摩耗が
少なく、その結果耐久性の有る感光体を製造することが
できる。また、感光体表面に形成されたトナー像を転写
紙に転写する際、トナーの転写効率が高く、画像濃度が
高くシャープな印字が得られる。これらの特性が十分に
発揮されるためには表面接触角は85度以上であることが
望ましい。
また本発明のポリエステルは吸水率が低く、湿度の影
響により電気抵抗が変化しにくい特徴が有る。この樹脂
を表面層の樹脂として用いた場合、高湿環境化において
も画像がぼけるとか画像濃度が低下するといった現象を
防止することができる。
次に本発明の電子写真感光体の製造方法について説明
する。
本発明において導電性支持体としては公知のものをそ
のまま用いることができる。例えばアルミニウム、ステ
ンレスなどの金属や合金の板状、箔状、円筒状のもの、
あるいはプラスチックのフィルム、板、円筒上に金属や
金属酸化物などの導電性物質を蒸着したり、あるいは金
属や金属酸化物粉を樹脂に分散したものを塗布したりし
たシート状、ベルト状、円筒状のものが挙げられる。
本発明において感光層としては、電荷発生物質と電荷
移動物質とを各層に分離した積層型でも、同一層内に含
んだ単層型であってもよい。
本発明において電荷発生物質としては公知のものをそ
のまま用いることができる。例えば無機系の電荷発生物
質としてはセレン、セレンテルル、セレン−ヒ素、硫化
カドミウム−セレン、硫化カドミウムなどが挙げられ
る。また有機系の電荷発生物質としてはモノアゾ、ビス
アゾ、トリスアゾなどのアゾ系、無金属フタロシアニ
ン、金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系、アン
トアントロンなどの多環キノン系、ペリレン系、スクア
リリウム系などの顔料およびあるいは色素などが挙げら
れる。
これらの電荷発生物質は必要に応じて各種樹脂や増感
剤や各種添加剤を併用するができる。
本発明における電子写真感光体が電荷発生層と電荷移
動層とに積層された層構成を有する場合、電荷発生層の
形成方法としては、電荷発生物質を真空蒸着法、スパッ
タリング法、プラズマCVD法などにより形成する方法、
あるいは電荷発生物質を結着樹脂溶液に分散もしくは溶
解させ、浸漬塗布法、ローラー塗布法、ブレード塗布
法、スプレー塗布法などにより塗布乾燥させて形成する
方法などから適当なものを用いることができる。
電荷発生物質が樹脂とともに用いられる場合、用いら
れる樹脂としてはポリアミド、ポリウレタン、ポリカー
ボネート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、酢酸−酪酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニ
ル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル−マ
レイン酸共重合体などが挙げられる。
電荷発生層の厚さは0.01〜10μmであることが好まし
く、さらに好ましくは0.05〜3μmである。電荷発生層
が電荷発生物質と結着樹脂とからなる場合、電荷発生物
質と結着樹脂との組成比は1/5〜5/1重量比であることが
好ましく、さらに好ましくは1/3〜3/1重量比である。
本発明において電荷移動物質としては公知のものを用
いることができる。例えばピラゾリン誘導体、ヒドラゾ
ン誘導体、スチルベン誘導体、オキサゾール誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、カルバゾール誘導体などが挙げ
られる。
電荷移動層は、これらの電荷移動物質を結着樹脂と共
に溶解した塗布液を塗布、乾燥することにより得られ
る。結着樹脂としては、ポリカーボネート、ポリメチル
メタクリレート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリ
エステルカーボネートなどが挙げられる。電荷移動層の
厚さは通常5〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmで
ある。電荷移動物質と結着樹脂との比は20/100〜200/10
0重量比であることが好ましく、さらに好ましくは60/10
0〜130/100重量比である。
本発明の電子写真感光体において感光層が電荷発生層
と電荷移動層とに積層された層構成を有する場合、それ
らの電荷発生層と電荷移動層とは明確に分離されておら
ず電荷発生領域から電荷移動領域へと組成が連続的に変
化するものであってよい。
また、電荷移動層が組成の異なる2層以上の層構成か
ら形成されてもよい。電荷移動層の膜厚方向の組成は明
確に分離されておらず連続的に変化するものであってよ
い。
また通常、電荷発生層を上層に設けた場合は正帯電型
として、電荷移動層を上層に設けた場合は負帯電型とし
て使用することができる。
単層型の場合は、電荷発生物質と電荷移動物質と結着
樹脂、あるいは電荷発生物質と結着樹脂とを溶媒に溶
解、分散させた塗布液を、塗布、乾燥することにより形
成することができる。感光層の厚さは5〜100μmであ
ることが好ましく、さらには10〜50μmであることが望
ましい。電荷発生物質と電荷移動物質と結着樹脂との組
成は1〜200/0〜200/100重量比であることが好ましい。
絶縁性あるいは導電性の表面層を形成する方法として
は、本発明のポリエステルを溶媒に溶解させ、あるいは
本発明のポリエステルと必要に応じて添加剤とを溶媒に
溶解させ上述の塗布法により塗布、乾燥させればよい。
本発明のポリエステル表面層の膜厚は好ましくは0.1
〜20μm、さらには0.5〜5μmであることが好まし
い。膜厚が10μm以上になると残留電位の上昇、感度の
低下および解像度の低下を招く。
本発明のポリエステル表面層は、本発明のポリエステ
ルを単独で用いても良いし、あるいは他の樹脂と混合し
て用いても良い。混合する樹脂としては残留電位の上昇
などの点から電気抵抗の低い樹脂が好ましい。さらに残
留電位の上昇の点から、電気抵抗の低下あるいは電荷移
動に寄与する物質を添加しても良い。
表面層の電気抵抗の低下あるいは電荷移動に寄与する
物質としては、導電性粉体あるいは電子受容性物質およ
びあるいは電子供与性物質などがある。
表面層の電気抵抗の低抵抗化の為に添加される導電性
粉体としては、粒径が0.5μm以下であることが好まし
くさらには0.1μm以下であることが望ましい。粒径が
0.5μmを越える場合は像露光に用いる波長の光を散乱
し感度の低下や解像度の低下を生じる。
表面層の電気抵抗は表面層の膜厚により異なるが一般
的には、109〜1014Ω・cmになるよう設定することが好
ましい。電気抵抗が1014Ω・cmを越える場合は残留電位
が上昇し地汚れの多い印刷物となってしまうことが多
い。
また109Ω・cm未満になると画像のぼけ、解像度の低
下が生じ易い。
添加する導電性粉体としては酸化アンチモン、酸化ス
ズ、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズとアンチモ
ンあるいは酸化アンチモンとの固溶体などの単体あるい
は混合物あるいは被覆したものなどが挙げられる。
導電性粉体を添加する場合は、本発明のポリエステル
に対して20〜60重量%添加することが好ましい。20重量
%未満では電気抵抗が1014Ω・cm以下にすることは難し
く、60重量%を越える場合は表面層の被膜強度が著しく
低下してしまう。
表面層の電荷移動に寄与する物質として、電子受容性
物質や電子供与性物質を添加する場合、電子受容性物質
としては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル
酸、クロラニル、ブロマニル、2−メチルナフトキノ
ン、アントラキノン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノンなどが挙げられる。電子供与性物質としては1〜
3級アミン類、ヒドラゾン誘導体、ピラゾリン誘導体、
スチリル誘導体、アミン誘導体、ポリビニルカルバゾー
ルなどが挙げられる。
電子受容性物質が表面層に含有される量は0.1〜50重
量%であることが好ましい。0.1重量%未満では残留電
位が上昇し地汚れを生じ易く、50重量%を越える場合は
本発明のポリエステルとの相溶性が低下し易い。電子供
与性物質が表面層に含有される量は20〜200重量%であ
ることが好ましい。20重量%未満では残留電位が上昇し
地汚れを生じ易い。200重量%を越える場合は本発明の
ポリエステルとの相溶性が低下し易い。
塗工性等の改善のため、界面活性剤、分散助剤、シリ
コーンオイル、シランカップリング剤、チタネートカッ
プリング剤などを添加しても良い。
[特性の測定方法] 電子写真特性は静電複写紙試験装置EPA−8100(川口
電機製)により測定した。感度は表面電位を半減させる
のに必要な露光量で示した。
印字テストは市販プリンターを一部改造して使用し、
1万枚の印字テストを行なった。感光体の傷およびトナ
ーフィルミング性については、1万枚印字後の感光体表
面を目視および顕微鏡観察により観察し判定した。
トナークリーニング性、トナーフィルミング性、益滑
性などの指標として表面接触角を測定した。表面接触角
は表面接触角計(協和界面科学(株)製CA−D型)を使
用し、測定液は水を用いた。
塗膜の可撓性はポリエステルフィルム(東レ(株)
製)上に感光層を形成したものを種々の直径の円筒に巻
き付け、500g/cmの張力をかけ塗膜にクラックを生じる
かどうかで判定した。
[実施例] 以下実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されない。
合成例1 5.1mlの1M−NaOH水溶液に、0.57g(2.5m mol)の2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、15mgの
ベンジルトリエチレンアンモニウムクロリドを溶解し
た。これに、5.0mlのジクロロメタンに溶解した0.32g
(0.5m mol)の5−[3,4,4,4−テトラフルオロ−2−
[1,2,2,2,−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチ
ル)エチル]−1,3−ビス(トリフルオロメチル)−1
−ブテニル]オキシイソフタロイルジクロリド、0.15g
(0.75m mol)のイソフタロイルジクロリド、0.38g
(1.25m mol)のテレフタロイルジクロリドの混合物を
一度に加え、10℃で30分撹拌した。反応液を、塩酸を少
量加えた300mlの沸騰水中へ投入し、白色フレーク状の
ポリマーを得た。
収率 97% 固有粘度 0.83dl/g (1,1,2,2−テトラクロロエタン中、25℃、0.5g/dl)の
濃度で測定) 合成例2 5.1mlの1M−NaOH水溶液に、0.57g(2.5m mol)の2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、15mgの
ベンジルトリエチレンアンモニウムクロリドを溶解し
た。これに、5.0mlのジクロロメタンに溶解した0.19g
(0.5m mol)の5−ヘプタフルオロペンチルイソフタ
ロイルジクロリド、0.15g(0.75m mol)のイソフタロ
イルジクロリド、0.38g(1.25m mol)のテレフタロイ
ルジクロリドの混合物を一度に加え、10℃で30分撹拌し
た。反応液を、塩酸を少量加えた300mlの沸騰水中へ投
入し、白色フレーク状のポリマーを得た。
収率 97% 固有粘度 0.84dl/g (1,1,2,2−テトラクロロエタン中、25℃、0.5g/dl)の
濃度で測定) 合成例3 5.1mlの1M−NaOH水溶液に、0.57g(2.5m mol)の2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、15mgの
ベンジルトリエチレンアンモニウムクロリドを溶解し
た。これに、5.0mlのジクロロメタンに溶解した0.875g
(2.5m mol)の5−ヘプタフルオロプロピルオキシイ
ソフタロイルジクロリドを加え、10℃で30分撹拌した。
反応液を、塩酸を少量加えた300mlの沸騰水中へ投入
し、白色フレーク状のポリマーを得た。
収率 97% 固有粘度 0.81dl/g (1,1,2,2−テトラクロロエタン中、25℃、0.5g/dl)の
濃度で測定) 実施例1 ポリビニルブチラール樹脂(“エスレック"BL−1,積
水化学工業(株)製)5重量部をシクロヘキサノン90重
量部に溶解させ、この溶液に電荷発生物質としてチタニ
ルフタロシアニン5重量部を混合し、ペイントシェイカ
ーで3時間分散させた後、さらにシクロヘキサノンを加
えて電荷発生層塗布液を調製し、アルマイト処理したア
ルミウム管上に塗布、乾燥し膜厚0.2μmの電荷発生層
を形成した。
結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂(“パンライ
ト"L−1225、帝人化成(株)製)10重量部を1,2−ジク
ロロエタン90重量部に溶解させ、ついで電荷移動物質と
して式(VII)で示される化合物を10重量部を添加、溶
解させ電荷移動層塗布液を調製し、電荷発生層上に塗布
乾燥して膜厚20μmの電荷移動層を形成した。
ついで表面層として合成例1で得たポリエステル100
重量部、シクロヘキサノン250重量部、酸化スズ微粉末
(T−1、三菱金属(株)製)50重量部をアルミナ製ボ
ールミルに入れ5時間分散混合した後、2−ブタノンを
250重量部加えた溶液を塗布乾燥し、膜厚3μmの表面
層を有する電子写真感光体を得た。
実施例2 アルマイト処理したアルミニウム管上に電荷発生層お
よび電荷移動層は実施例1と同様にして形成した後、合
成例1で得られたポリエステル100重量部をトルエン900
重量部に溶解させた溶液を塗布、乾燥させ膜厚0.5μm
の表面層を有する電子写真感光体を得た。
実施例3 結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂(“パンライ
ト"L−1225、帝人化成(株)製)10重量部を1,2−ジク
ロロエタン90重量部に溶解させ、ついで電荷移動物質と
して式(VII)で示される化合物を10重量部を添加、溶
解させ電荷移動層塗布液を調製し、アルマイト処理した
アルミニウム管上に塗布、乾燥し膜厚20μmの電荷移動
層を形成した。
次いで、ポリビニルブチラール樹脂(“エスレック"B
L−1,積水化学工業(株)製)5重量部をシクロヘキサ
ノン90重量部に溶解させ、この溶液に電荷発生物質とし
てチタニルフタロシアニン5重量部を混合し、ペイント
シェイカーで3時間分散させた後、フェノール樹脂(プ
ライオーフェンTD447、大日本インキ(株)製)0.5部を
添加し、さらにシクロヘキサノンを加えて電荷発生層塗
布液を調製し、電荷移動層上に塗布、乾燥し膜厚0.2μ
mの電荷発生層を形成した。
次いで、表面層として合成例1で得たポリエステル10
0重量部、シクロヘキサノン250重量部、酸化スズ微粉末
(T−1、三菱金属(株)製)50重量部をアルミナ製ボ
ールミルに入れ5時間分散混合した後、2−ブタノンを
250重量部加えた溶液を塗布乾燥し、膜厚3μmの表面
層を有する感光体を得た。
実施例4 電荷移動層および電荷発生層は実施例3と同様に形成
した後、表面層として合成例2で得たポリエステル100
重量部、シクロヘキサノン250重量部、酸化スズ微粉末
(T−1、三菱金属(株)製)50重量部をアルミナ製ボ
ールミルに入れ5時間分散混合した後、2−ブタノンを
250重量部加えた溶液を塗布乾燥し、膜厚3μmの表面
層を有する感光体を得た。
実施例5 電荷移動層および電荷発生層は実施例3と同様に形成
した後、表面層として合成例3で得たポリエステル100
重量部、シクロヘキサノン250重量部、酸化スズ微粉末
(T−1、三菱金属(株)製)50重量部をアルミナ製ボ
ールミルに入れ5時間分散混合した後、2−ブタノンを
250重量部加えた溶液を塗布乾燥し、膜厚3μmの表面
層を有する感光体を得た。
比較例1 ポリビニルブチラール樹脂(“エスレック"BL−1,積
水化学工業(株)製)5重量部をシクロヘキサノン90重
量部に溶解させ、この溶液に電荷発生物質としてチタニ
ルフタロシアニン5重量部を混合し、ペイントシェイカ
ーで3時間分散させた後、さらにシクロヘキサノンを加
えて電荷発生層塗布液を調製し、アルマイト処理したア
ルミニウム管上に塗布、乾燥し膜厚0.2μmの電荷発生
層を形成した。
結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂(“パンライ
ト"L−1225、帝人化成(株)製)10重量部を1,2−ジク
ロロエタン90重量部に溶解させ、ついで電荷移動物質と
して式(VII)で示される化合物を10重量部を添加、溶
解させ電荷移動層塗布液を調製し、電荷発生層上に塗布
乾燥して膜厚20μmの電荷移動層を形成し、電子写真感
光体を得た。
比較例2 電荷移動層および電荷発生層は実施例3と同様にして
形成した後、アクリル樹脂(“ダイヤナール"BR−100,
三菱レイヨン(株)製)100重量部をイソプロパノール4
00重量部に溶解し表面層塗布液を調製し塗布、乾燥して
膜厚3μmの表面層を有する電子写真感光体を得た。
比較例3 電荷移動層および電荷発生層は実施例3と同様にして
形成した後、アクリル樹脂(“ダイヤナール"BR−100,
三菱レイヨン(株)製)100重量部をイソプロパノール4
00重量部に溶解しさらに粒径0.3μmのポリテトラフロ
ロエチレン粉末(“ルブロン"L−2、ダイキン工業
(株)製)40重量部、フッ素系界面活性剤(“フロラー
ド"FC−431、住友スリーエム社製)5重量部を加えアル
ミナボールミルで12時間分散した表面層塗布液を塗布、
乾燥して膜厚3μmの表面層を有する電子写真感光体を
得た。
実施例1〜5および比較例1〜3で得た感光体の電子
写真特性および感光体の可撓性を表1に示す。
実施例1〜5および比較例1〜3で得た感光体を、市
販改造プリンターに装着し1万枚の印字テストを行なっ
た後の、感光体上の傷、トナーフィルミング状態、印刷
物の地汚れ状態および表面接触角について調べた結果を
表2に示す。
[発明の効果] 本発明により耐コロナ性などの化学的耐久性、電子写
真感度や帯電安定性などの電気的耐久性、トナークリー
ニング性やトナーフィルミング性などのクリーニング特
性、および耐摩耗性や耐傷性などの機械的耐久性とを具
備する電子写真感光体を提供することができた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−132451(JP,A) 特開 昭63−65449(JP,A) 特開 昭63−65451(JP,A) 特開 昭63−215960(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/05 G03G 5/147

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも導電性支持体と感光層および最
    上層に表面層を備えた電子写真感光体において、該表面
    層が下記一般式(I)で表わされる繰り返し単位および
    下記一般式(II)で表わされる繰り返し単位を主成分と
    して含有する含フッ素ポリエステルからなる樹脂を含有
    することを特徴とする電子写真感光体。 (一般式(I)および(II)においてXは、−O−,−
    CO−O−,−CO−NH−,および−CO−から選ばれ、rは
    0または1を示す。R1は少なくとも1つのフッ素原子に
    よって置換された炭素数1〜20のアルキル基あるいは少
    なくとも1つのフッ素原子によって置換された炭素数1
    〜20のアルケニル基を示す。R2は二価の芳香族基を示
    す。R3は二価の有機残基を示す。m/nのモル比は1/99〜1
    00/0である。)
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