JP2001051439A - 電子写真感光体、電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリッジ - Google Patents
電子写真感光体、電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリッジInfo
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Abstract
を生じにくい電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体において、その最表面層
が、(i)オゾン透過係数が2×10-11(mole/
cm・min・atm)(35℃)以下の樹脂及び(i
i)電荷輸送物質を含有し、かつ下記式(1)を満足す
ることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 2(LOZ)> Lab > (LOZ) (1) (式中、LOZはオゾン劣化因子((cm)を示し、Lab
は摩擦劣化因子(cm)を示す)
Description
電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリッジに関
する。
ステム機の発展は目覚ましいものがある。特に、情報を
デジタル信号に変換して光によって情報記録を行う光プ
リンターは、そのプリントの品質と信頼性において向上
が著しい。このデジタル記録技術は、プリンターのみな
らず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が
開発されている。また、従来からあるアナログ複写にこ
のデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情
報処理機能が付加されるため、今後その需要性が益々高
まっていくと予想される。
オゾンあるいは環境からの各種酸性物質が存在しそれが
様々の悪影響を及ぼす。その悪影響の一つには感光体表
面を不可逆的に劣化させるオゾンによる影響がある。オ
ゾン暴露後の初期画像においては、画像ボケ等の異常画
像が発生することが知られている。一方、感光体の寿命
は、多くの場合、感光体の摩耗性に依存しており、感光
体の耐摩耗性向上は大きな課題である。特に帯電方式に
帯電ローラを使用した場合、直接感光体に放電させるた
めか、従来のスコロトロン方式に比べて摩耗量が多い。
帯電ローラーを使用しても、その帯電方式は、本質的に
はコロナ放電であり、感光体近辺にはオゾンが発生す
る。なお、ここでいう帯電ローラーは必ずしも感光体に
接触しているとは限らない。放電がおこる距離だけ感光
体から離れてローラーから放電するものでもよい。感光
体の耐摩耗性を向上させるため、摩耗しにくい樹脂バイ
ンダーあるいは摩耗しにくい高分子電荷輸送材、あるい
は各種耐摩耗保護層の開発が進められている。また、感
光体表面に滑材を付与することによって感光体の耐摩耗
性を向上させる方法も提案されている。しかしながら、
感光体の耐摩耗性を向上させると、逆に、画像ボケ、ト
ナーフィルミングなどの異常画像が発生しやすくなる。
この感光体の耐摩耗性向上と、画像ボケ等の異常画像の
関係は、トレードオフの関係にある。摩耗の少ない感光
体あるいはプロセスが開発されるにおよんで、画像ボケ
も無いようにするにはどういう電子写真方式にすべきか
その解決方法が待たれていた。特に、最近は高解像度化
のために感光層の薄膜化が必要となってきており、感光
体のさらなる耐摩耗性の向上が要求されるが、この場
合、画像ボケの問題解決が重要な課題となってきてい
る。
複層にして表層は摩耗しにくい樹脂を使用したり表層の
電荷輸送材の濃度を規定して摩耗を抑制することが提案
されている(特開平7−219250号公報、特開平2
−160247号公報)。特開平2−114267号公
報では、表層の酸素透過係数を規定している。しかしな
がら、このような樹脂と電荷輸送材の混合層だけでは、
摩耗を抑制するにはきわめて不十分である。一方、特開
平8−272125号公報では、酸化ケイ素、酸化チタ
ン等を耐摩耗フィラーとして添加している。この場合、
酸化ケイ素をフィラーに使用すると、摩耗には効果があ
るものの、高湿で画像ボケが発生しやすい欠点がある。
その原因は、Si−O結合部に水が付加しやすいためと
言われる。一方、酸化チタンにおいては光散乱しやすい
ため保護層に添加する場合、注意が必要である。現在の
ところ、先に示したように感光体の摩耗が少なくかつ表
面劣化による異常画像の発生をしにくいようにするには
感光体をどのように設計したらよいのかは、未だ満足す
る方法は開発されていない。
すぐれかつ画像ボケ等の異常画像を生じにくい電子写真
感光体を提供するとともに、該感光体を有する電子写真
装置を提供することをその課題とする。また、本発明
は、該感光体を有する電子写真用プロセスカートリッジ
を提供することもその課題とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に到った。即ち、本発明によれば、電子写真感光体にお
いて、その最表面層が、(i)オゾン透過係数が2×1
0-11(mole/cm・min・atm)(35℃)
以下の樹脂及び(ii)電荷輸送物質を含有し、かつ下記
式(1)を満足することを特徴とする電子写真感光体が
提供される。また、本発明によれば、保護層を有する電
子写真感光体において、該保護層が、(i)オゾン透過
係数が2×10-11(mole/cm・min・at
m)(35℃)以下の樹脂、(ii)金属化合物及び(ii
i)電荷輸送物質を含有し、かつ下記式(1)を満足す
ることを特徴とする電子写真感光体が提供される。さら
に、本発明によれば、電荷輸送層の上に保護層を有する
電子写真感光体において、該保護層が、(i)オゾン透
過係数が2×10-11(mole/cm・min・at
m)(35℃)以下の樹脂、(ii)金属化合物及び(ii
i)電荷輸送物質を含有し、かつ下記式(1)を満足
し、さらに該電荷輸送層と該保護層の膜厚の和が24μ
m以下であることを特徴とする電子写真感光体が提供さ
れる。さらにまた、本発明によれば、少なくとも帯電手
段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング
手段、除電手段及び電子写真感光体を具備してなる電子
写真装置において、該電子写真感光体として、その最表
面層が、(i)オゾン透過係数が2×10-11(mol
e/cm・min・atm)(35℃)以下の樹脂及び
(ii)電荷輸送物質を含有し、かつ下記式(1)を満足
する電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真
装置が提供される。さらにまた、本発明によれば、少な
くとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、
クリーニング手段、除電手段及び電子写真感光体を具備
してなる電子写真装置において、該電子写真感光体とし
て、保護層を有する電子写真感光体を用い、該保護層
が、(i)オゾン透過係数が2×10-11(mole/
cm・min・atm)(35℃)以下の樹脂、(ii)
金属化合物及び(iii)電荷輸送物質を含有し、かつ下
記式(1)を満足する電子写真感光体を用いることを特
徴とする電子写真装置が提供される。さらにまた、本発
明によれば、少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像
手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段及び電子
写真感光体を具備してなる電子写真装置において、該電
子写真感光体として、電荷輸送層の上に保護層を有する
電子写真感光体を用い、該保護層が、(i)オゾン透過
係数が2×10-11(mole/cm・min・at
m)(35℃)以下の樹脂、(ii)金属化合物及び(ii
i)電荷輸送物質を含有し、かつ下記式(1)を満足
し、さらに該電荷輸送層と該保護層の膜厚の和が24μ
m以下であることを特徴とする電子写真装置が提供され
る。さらにまた、本発明によれば、少なくとも像担持体
を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジに
おいて、該像担持体として前記電子写真感光体を用いる
ことを特徴とする電子写真用プロセスカートリッジが提
供される。
は摩擦劣化因子(cm)を示す)
単に感光体とも言う)において、その最表面層はオゾン
透過係数(35℃)が2×10-11(mole/cm・
min・atm)の樹脂及び電荷輸送物質を含有するこ
とを特徴とする。本明細書で感光体に関して言う最表面
層とは、感光体の大気に接触している表面層を意味し、
その厚さは、通常、0.1〜100μm、好ましくは
0.5〜10μmである。この最表面層には、保護層、
電荷輸送層及び感光層が包含される。
樹脂(バインダー樹脂)として、その35℃におけるオ
ゾン透過係数が2×10-11(mole/cm・min
・atm)以下、好ましくは0.3×10-11(mol
e/cm・min・atm)以下である樹脂を用いる。
そのオゾン透過係数の下限値はなく、低ければ低いほど
好ましい。オゾン透過係数が低い樹脂としては、各種ポ
リカーボネート、エチレンノルボルネン共重合体の他に
ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー
共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチ
レン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメ
チルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエ
ン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げ
られる。本発明においてより好ましく用いられる樹脂
は、各種のポリカーボネート樹脂である。
法について詳述する。樹脂のオゾン透過係数を測定する
には、下記の関係式(2)を利用する。
反応量(モル/cm2) N0:オゾンプローブ濃度(モル/cm3) T:反応時間(min) P:オゾン濃度(atm) S:オゾン溶解度(モル/cm3/atm) D:オゾン拡散係数(cm2/min)
ゾン雰囲気に暴露した場合に成立し、フィルムの両面を
オゾン雰囲気に暴露した場合には、下記式(3)を用い
る。
考にして得られたものである。 文献:M.R.Surgl,J.A.Hodgeson,J.Polymer Socience,Pa
rt A:Polymer Chemistry,25,2207.
やすい物質(オゾンプローブ)を含有する樹脂フィルム
に関して得られたものである。本明細書で言う樹脂のオ
ゾン透過係数は、前記式(2)又は(3)における係数
S・Dを意味する。このオゾン透過係数S・Dを測定す
るには、前記オゾンプローブを濃度N0(モル/cm3)
で含有するフィルムを、オゾン濃度(オゾン分圧、at
m)Pのオゾン雰囲気中に温度35℃で所定時間T(m
in)暴露する。この操作により、フィルム中にオゾン
プローブはオゾンと反応分解し、フィルムの吸収スペク
トルは変化するが、このフィルムの吸収スペクトル変化
量を測定して、フィルム単位面積当りのオゾンプローブ
の反応量R(T)(モル/cm2)を測定する。前記測
定の結果得られるR(T)と、(N0TP)0.5とのプロ
ットによりオゾン透過係数S・Dを求めることができ
る。
は、次の関係式(1)を満足する。 2(LOZ)> Lab > (LOZ) (1) 前記式において、LOZは、感光体表面がオゾンと接触し
たときに生じる感光体表面の劣化の度合を示すオゾン劣
化因子(cm)である。その値が小さい程、感光体表面
が劣化しにくいことを意味する。一方、Labは、感光体
表面が固体と接触したときに生じる感光体表面の摩耗の
度合を示す摩擦劣化因子(cm)である。この値が小さ
い程感光体表面は耐摩耗性のよいことを意味する。画像
ボケ等の異常画像のない安定した画像を得るには、Lab
>LOZであることが必要である。オゾンと接触して劣化
した感光体表面が摩耗により更新されないと、画像ボケ
などの異常画像やトナーフィルミング等の異物付着、劣
化表面に起因する残留電位などが発生するわけであるか
ら、感光体のLabは少なくともLOZ(cm)の値よりも
大きくなくてはならない。本発明者らは、LabをLOZよ
り大きくすることにより画像ボケの発生を低減する事が
可能である事を見出した。すなわち、従来は、感光層の
オゾン劣化による悪影響を生じさせないために最低限必
要な感光体の最表層の摩耗量は、長期間にわたり複写実
験を行う事以外に予想する手段をもたず、また、長期間
にわたり複写実験をして得た値は最低限の、つまり最適
の摩耗量ではない。しかし、本発明により、オゾン劣化
の影響のない最低限必要な感光体の最表層の摩耗量を推
測することが可能となったため、電子写真装置、電子写
真用プロセスカートリッジにおける感光層の摩耗量の設
計が可能となる。なお、摩耗の上限は高ければ高いほど
表面劣化部の影響はより少なくなる。しかし、あまり摩
耗量が多いと感光体は早く低膜厚になり、地よごれ発生
及び感度低下により寿命となる。そのため、好ましくは
2(LOZ)>Lab>LOZが必要である。なお、式(2)は
あくまでも全く摩耗が進行しない場合のオゾンによる感
光体表面の劣化深さを示すLOZの計算値であり、実際に
は摩耗と劣化が同時に進行する。そのような場合、経験
的には暴露時間(実使用時間)と摩耗量は直線関係にあ
る。このLOZの計算値では、暴露時間とLOZは直線関係
にない。すなわち、暴露時間が長くなるとLOZの計算値
は実際の摩耗量との間にずれが生じる。実機では、前記
式(1)、(2)が有効に成立する範囲の暴露時間
(T)は1万分程度である。従って、暴露時間1万分で
のLOZは、1万分暴露時の最低摩耗量(Lab)とした。
求められる。まず、電子写真感光体の最表層を構成する
樹脂及びオゾンプローブを準備し、該最表層中における
電荷輸送物資の濃度がN0(mole/cm3)である場
合、樹脂フィルム中に濃度がN0(mole/cm3)に
なるようにそのオゾンプローブを含有させた樹脂フィル
ムを作成する。ここでオゾンプローブとは感光体中に存
在するオゾンにより速やかに反応分解する物質、あるい
は反応基を示す。具体的には電荷輸送物質あるいは2重
結合を有する化合物等である。該樹脂フィルムの膜厚
は、後述する吸収スペクトルの測定が可能な膜厚の範囲
に調整する。実際の感光体の電荷輸送物質の濃度が吸収
スペクトルの測定が可能なレベル以上の濃度の場合は、
吸収スペクトル測定が可能なレベルの濃度で求めた透過
係数を近似的に代用して実際のプローブ濃度(電荷輸送
物質濃度)と、時間、オゾン濃度から後記(6)式で劣
化深さを求める。ここで、樹脂フィルム中に含有される
オゾンプローブの反応量は、前記樹脂のオゾン透過係数
の測定において用いたのと同様の下記式が成り立つ。 (1)フィルムの片面にオゾンを接触させた場合 R(T)=(2SDN0TP)0.5 (4) (2)フィルムの両面にオゾンを接触させた場合 R(T)=2×(2SDN0TP)0.5 (5) 前記式中の各符号の意味は次の通りである。 R(T):フィルム単位面積あたりのオゾンプローブの
反応量(モル/cm2) N0:オゾンプローブ濃度(モル/cm3) T:反応時間(min) P:オゾン濃度(atm) S:オゾン溶解度(モル/cm3/atm) D:オゾン拡散係数(cm2/min) 前記式におけるT及びPは、後述する感光体の摩擦劣化
因子Labの測定におけるT及びPと同一である。R
(T)は吸収スペクトル変化量より求める。即ち、オゾ
ンプローブを含有させた樹脂フィルムにオゾンを暴露し
た場合の、該樹脂フィルム内においてオゾンプローブが
分解することに伴う該樹脂フィルムの吸収スペクトル変
化を追跡する方法により求める。
を、温度35℃でオゾン濃度(分圧)がP(atm)の
オゾン雰囲気と接触させるとともに、その際の(NT
P)0.5とR(T)との関係を求める。
せるフィルムのオゾン暴露実験において、オゾン雰囲気
中のオゾン濃度Pは、感光体を含む通常の電子写真装置
における感光体付近[帯電部材(帯電チャージャ)の周
囲30cm以内]のオゾン濃度を用いる。本発明の場
合、オゾン濃度Pとしては、近似的には5×10-6at
mを用いることができる。オゾン雰囲気と接触する時間
Tは、通常の電子写真装置の場合、初期から10万分以
上まで使用される。また実際には摩耗とオゾン暴露によ
る劣化は同時に進行し、経験的には実使用時間と摩耗量
とは直線関係になる。後記(6)式から必要劣化量(L
OZ)を求める場合、近似的に1万分暴露時の劣化深さの
LOZ値を使用するとともに、Lab値を前記式(1)の関
係に保持することにより、画像ボケのない最低限の摩耗
量の設計ができる。
グラフ上にプロットしたときに、直線が得られるが、こ
の直線の勾配が(2SD)0.5(前記式(4)の場合)又
は2(2SD)0.5(前記式(5)の場合)を示す。従っ
て、この勾配から樹脂のオゾン透過係数S・Dを求める
ことができる。
される。 LOZ=R(T)/N0={2(SD)TP/N0}0.5 (6) 従って、前記実験において用いたオゾンとの接触時間T
(min)、オゾン濃度P(atm)、フィルム中のオ
ゾンプローブ濃度N0(mole/cm3)を用いるとと
もに、前記で得た樹脂のオゾン透過係数S・Dを用いる
ことにより、L OZを算出することができる。
と(N0TP)0.5との関係を示す。この場合、実験条件
は以下の通りである。 N0 :1.5×10-5(mole/cm3) T :約3500min P :5〜10×10-6atm(1ppm=10-6at
m) R(T):前記反応時間Tに対応して測定した測定値
(mole/cm2) また、樹脂としては、ポリカーボネートA(帝人化成社
製、商品名「パンライトC1400」)を用い、オゾン
プローブとしては、下記構造式(I)の物質Aを用い
た。
は41μmであり、前記オゾン暴露実験では、そのフィ
ルムの片面のみを暴露した。図1より、オゾンとオゾン
プローブとの反応は、フィルム全体で均一におこるので
はなく表面から順次進行していくことがわかる。
物質Bを用い、この物質を1.5×10-5(mole/
cm3)の濃度で含有するポリカーボネートAのフィル
ムa(厚さ45.5μm)、b(厚さ28μm)及びc
(厚さ28μm)を作成し、これらのフィルムをオゾン
暴露実験に付した。この場合、フィルムa、bについて
は、オゾン雰囲気中のオゾン濃度は5×10-6atm、
フィルムcは1×10 -5atmとした。これらの実験に
おいても、図1に示したのと同様の結果が得られた。
を用いて前記と同様の実験を行ったところ、いずれの場
合も、図1に示したのと同様の結果が得られた。
算出したLOZと(TP)0.5との関係を示す。LOZと(T
P)0.5との関係は直線関係にあるが、その直線の勾配
は、{2(SD)/N0)}0.5を示す。前記したよう
に、通常の電子写真装置における暴露時間は初期から実
使用時間とともに増加し10万分以上まで使用される。
しかし近似的に1万分の値を使用して求めた樹脂単独の
透過係数及びオゾン濃度、プローブ濃度を代入してLOZ
を算出し、すると約8.5μmとなり、LOZとしてはそ
れ以上の値を用いる。実際にはプローブである電荷輸送
材の濃度はこのような吸収スペクトルの測定ができない
位の高濃度で使用する場合が多くその場合は近似的に低
濃度で求めた樹脂の透過係数を使用して計算する。
擦劣化因子Labは、以下のようにして求めることができ
る。測定装置としては、ポリウレタンゴムブレード(硬
度65度)を、ブレード当接圧:18.8±4.9gf
/cm、接触角度23°で当接させるクリーニングブレ
ード、及び材質がエピクロルヒドリンゴム、加圧力(ア
ーム加圧)片側2.45N(計4.9N)の帯電ローラ
ー(印加電圧−2KV)を、感光体表面を摺擦する部材
として配置した評価装置を用い、該装置に電子写真感光
体を搭載し、クリーニングブレード及び帯電ローラーに
よる感光体表面の摺擦を行いながら、感光体付近(帯電
部材の周囲30cm以内)のオゾン濃度P(atm)の
環境でT(min)、感光体表面にオゾン暴露を継続し
ながら画像出しを行い、画像出しの前後における感光層
の膜厚差より感光体表面のLabを求める。感光体表面の
摩耗因子Labは、感光体を形成する結着樹脂の種類、硬
度により制御する事が可能である。また、感光体の最表
層または保護層に金属酸化物を添加する事、その添加
量、金属酸化物の種類、粒径により制御する事が可能で
ある。更に、クリーニングブレード、帯電ローラーの材
質、感光体表面に対する摺擦力を調整する事により可能
である。また、電子写真装置における、帯電手段、現像
手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段の各配置
を設計することにより感光体表面のLabを制御すること
が可能である。
明断面図を示す。図4に、本発明による他の電子写真感
光体の説明断面図を示す。図5に、本発明によるさらに
他の電子写真感光体の説明断面図を示す。これらの図3
〜図5において、31は導電層、33は感光層、35は
電荷発生層、37は電荷輸送層、38は保護層である。
図3において、その導電層31と感光層33との間に
は、下引き層(中間層)を設けてもよい。
10Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニ
ウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金
などの金属や、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸
化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状
もしくは円筒状のプラスチックや紙に被覆したもの;あ
るいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、
ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜き
などの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表
面処理した管などを使用することができる。また、特開
昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッ
ケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持
体31として用いることができる。この他、上記支持体
上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したも
のも、本発明の導電性支持体31として用いることがで
きる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、ア
セチレンブラックの他、アルミニウム、ニッケル、鉄、
ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性
酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられ
る。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロ
ース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッ
ド樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化
性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの
導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒ
ドロフラン、メチレンジクロライド、メチルエチルケト
ン、トルエンなどに分散して塗布することにより設ける
ことができる。さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビ
ニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロ
ン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させ
た熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるもの
も、本発明の導電性支持体31として良好に用いること
ができる。
33は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず、
図4及び図5に示すように、電荷発生層35と電荷輸送
層37で構成される場合から述べる。電荷発生層35
は、顔料を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な
溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音
波などを用いて分散して電荷発生層塗布液を調製し、こ
れを導電性支持体上に塗布し、乾燥させることにより形
成される。必要に応じて電荷発生層35に用いられる結
着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ
樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、
アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホル
マール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニル
ピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着
樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜50
0重量部、好ましくは10〜300重量部が適当であ
る。電荷発生層35に使用される顔料の代表的なものと
しては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔
料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系
顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染
料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、
アズレニウム塩系染料等及びその混合物が用いられる。
電荷発生層35の形成用塗布液に用いられる溶剤として
は、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジク
ロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シ
クロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙
げられる。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプ
レーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコ
ート、リングコート等の方法を用いることができる。電
荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当で
あり、好ましくは0.1〜2μmである。
樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散して電荷輸送層塗布
液を調製し、これを電荷発生層上に塗布し、乾燥させる
ことにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベ
リング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。電荷
輸送層の樹脂の種類は、電荷輸送層が最表層でない場合
(保護層がある場合)は、特に限定はなく通常使用され
る電荷輸送層用の樹脂でよい。ただし帯電遅れなどは表
面の劣化生成物が電荷発生層まで届いておこるものであ
るから保護層だけでなく感光層全体のガス透過係数に関
係する。従って特性的には電荷輸送層の樹脂もオゾン透
過係数の小さいものが望ましい。電荷輸送物質には、正
孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質とし
ては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシア
ノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−
トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テト
ラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサン
トン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,
2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニト
ロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾ
キノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリル
エチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムア
ルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘
導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、
モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、
トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フ
ェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリー
ルメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチ
リルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニル
ベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、
ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導
体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。
これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して
用いられる。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、
モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。
塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤として
は、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一
般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま
使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重
量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチ
ルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル
などのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアル
キル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用さ
れ、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適
当である。
33の場合について述べる。この場合、顔料を結着樹脂
中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷
発生物質、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶
解ないし分散して塗布液を調製し、これを導電性支持体
上に塗布し、乾燥させることによって形成できる。ま
た、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等
を添加することもできる。単層感光層33は、電荷発生
物質、電荷輸送物質、結着樹脂をテトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒
を用いて分散機等で分散した塗布液を、浸漬塗布法やス
プレーコート、ビードコートなどで塗布して形成でき
る。単層感光層の膜厚は、5〜100μmとすることが
可能であるが、24μm以下であることが好ましく、特
に、10〜24μmである。
としての保護層には耐摩耗性改良のため各種フィラー
(金属化合物)、例えば酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素などの各種金属酸化
物が含有される。これらの平均粒径は0.01〜1μm
である。この中でも酸化アルミニウム、酸化チタンが好
ましい。酸化ケイ素は高湿での画像流れが起こりやす
い。さらには酸化チタンの場合は屈折率の関係から光散
乱しやすいため平均粒径が0.1μm以下の透明性のあ
る酸化チタンがさらに好ましい。また塗布液分酸性を向
上させるためには表面処理酸化チタンがさらに好まし
い。また保護層38には、シリコン系、フッ素系の有機
微粒子が含有されていてもよい。保護層に使用される樹
脂はオゾン透過係数の小さな樹脂である。保護層に使用
される樹脂材料としては、後記実施例に示した各種ポリ
カーボネート、エチレンノルボルネン共重合体の他に、
ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー
共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチ
レン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメ
チルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエ
ン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げ
られる。また保護層38中には通常の電荷輸送物質を含
有させる。これらは電荷輸送層に含有される通常の電荷
輸送物質であり、電荷輸送層と同種であっても別種であ
ってもよい。また保護層中には、帯電制御剤、酸化防止
剤等の各種添加剤が含有されていてもよい。ここで保護
層の膜厚は0.2〜10μm、好ましくは0.2〜5μ
m、さらに好ましくは0.2〜1μmである。膜厚が厚
いと残留電位が大きくなり、画像濃度低下の原因とな
る。樹脂のオゾン透過係数が小さいとオゾン劣化因子L
abが小さいため膜厚を小さくすることが可能である。
の重量比は、0.1/10〜10/10である。電荷輸
送物質は保護層内の残留電位防止効果と共にオゾントラ
ップの機能としても働き、オゾンの影響を感光層内部に
まで及ぼさない作用もある。あまり電荷輸送物質の量が
多いと電荷輸送物質の結晶化がおこる。また金属酸化物
フィラーは全固形分比で0.5〜30%である。あまり
多いとこれも残留電位の原因となる。一方、少ないと摩
耗防止効果は小さい。帯電させる層である電荷輸送層3
7と保護層38の膜厚和は10〜35μm程度とする。
この膜厚が大きいと電荷移動の際に電荷の横拡散がおこ
り、解像度が悪くなる。特にレーザースポット径が80
μm以下のように高解像度を狙う場合に問題となる。そ
こで電荷輸送層と保護層の膜厚和は、好ましくは25μ
m以下、さらに好ましくは20μmが好ましく、その下
限値は8μm程度である。逆に電荷輸送層膜厚が小さす
ぎると、オゾン等酸性物質と電荷搬送物質との分解生成
物が電荷発生層まで拡散する速度が速まり、帯電低下等
の好ましくない影響が現れる。そのためにも、特にレー
ザースポット径が小さく、膜厚も小さくして高解像度を
狙う場合は、オゾン透過係数のできるだけ小さい樹脂オ
ゾンの影響を少しでも減らす必要がある。なお、上記下
限値8μmは、トナーが現像されるに必要な感光体の表
面電位となるのに必要な最低膜厚である。
を詳しく説明する。図6は、本発明の電子写真装置を説
明するための概略図であり、以下に示すような変形例も
本発明の範疇に属するものである。図6において、感光
体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エン
ドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ
3、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チ
ャージャ11、クリーニング前チャージャ13には、コ
ロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステ
ート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手
段が用いられる。転写手段には、一般に上記の帯電器が
使用できるが、図6に示されるように転写チャージャ1
0と分離チャージャ11を併用したものが効果的であ
る。また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、
蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀
灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体
レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)
などの発光物全般を用いることができる。そして、所望
の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフ
ィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィル
ター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色
温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いること
もできる。このような光源等は、図6に示される工程の
他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニン
グ工程、あるいは前露光などの工程を設けることによ
り、感光体に光が照射される。現像ユニット6により感
光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写される
が、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存
するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラ
シ14及びブレード15により、感光体より除去され
る。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわ
れることもあり、クリーニングブラシにはファーブラ
シ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いら
れる。電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光
を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形
成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)
で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極
性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。このよ
うな現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、
除電手段にも公知の方法が用いられる。
例についての概略図を示す。感光体21は、駆動ローラ
22a、22bにより駆動され、帯電器23による帯
電、光源24による画像露光、現像(図示せず)、帯電
器25を用いる転写、光源26によるクリーニング前露
光、ブラシ27によるクリーニング、光源28による除
電が繰り返し行なわれる。図7においては、感光体21
(もちろん、この場合は支持体が透光性である)に支持
体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
発明における実施形態を例示するものであって、もちろ
ん他の実施形態も可能である。例えば、図7において支
持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは
感光層側から行ってもよいし、また、画像露光、除電露
光の照射を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工
程は、画像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示
されているが、他に転写前露光、画像露光のプレ露光、
及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射
を行なうこともできる。
置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装
置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジと
は、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1
つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状
等は多くのものが挙げられるが、一般的な例として、図
8に示すものが挙げられる。図8に示されるプロセスカ
ートリッジは、感光体16の周辺に配置された帯電チャ
ージャ17、クリーニングブラシ18、画像露光部1
9、現像ローラ20等からなるコンパクトな構造を有す
る。
本発明はこれら実施例により制約を受けるものではな
い。なお、以下に示す部はすべて重量部である。樹脂の
オゾン透過係数の測定実験は、アルミマイラ上にオゾン
プローブとして下記構造式の電荷輸送物質(H−1)を
フィルム中約1.5×10-5mole/cm3になるよ
うに塗布乾燥(溶媒ジクロロメタン、乾燥120℃、2
0分)し、得られたフィルムをマイラから剥がしたフィ
ルムについて行った。このフィルムをオゾン暴露機内で
両面暴露した(35℃)。オゾン暴露はオゾン試験装置
(日本ダイレック製、DY−0125H)を使用した。
片面の劣化量は単純に両面劣化量の半分に計算して求め
た(実際に片面のガス透過を遮断して片面暴露を行い両
面暴露の半分の劣化量になることを確認した)。フィル
ム厚さは10〜40μmで、オゾン濃度は5〜10×1
0-6atm(5〜10ppm)で行った。上記フィルム
中の電荷輸送物質の吸収ピークの減少分から反応量を求
め、前記式(2)からオゾン透過係数を求めた。なお吸
収変化は最高吸収波長(374−369nm:樹脂によ
り多少異なる)を追跡して行った。なお上記オゾンプロ
ーブH−1のオゾン暴露分解後は同波長に反応物の吸収
が多少残るためその分を補正した。以上のようにして電
荷輸送物質H−1が上記濃度分含まれた樹脂フィルムの
オゾン透過係数を求めた。それを表1に示す。オゾン透
過係数の小さな樹脂はそれだけオゾン劣化因子が小さく
なる。
ネート樹脂)の構造は以下の通りである。
調製し、アルミニウム平板上に順次塗布し、乾燥させ
て、電荷発生層及び電荷輸送層を設け、参考実験1〜
6、参考比較例1〜6の積層型電子写真感光体を作製し
た(以下に示す部はすべて重量部である)。電荷発生層
の膜厚は約0.3μm、電荷輸送層の膜厚は20μmと
した。
体のオゾン暴露による帯電性への影響を調べるため、こ
れらの感光体に対して静電複写紙試験装置((株)川口
電気製作所製)を用いて暗所で−6kVのコロナ放電を
20秒間行って帯電させた。いずれも帯電の立上り遅れ
はなかった。その後、光照射で電位を落とした後、オゾ
ン濃度5×10-6atmの中に160時間放置した。こ
のオゾン暴露後の帯電の立上り遅れを求めた。その値を
前記した表1にあわせて示す。オゾン透過係数の大きな
樹脂を使用すると帯電立上り遅れが大きくなる傾向にあ
るのは明らかである。帯電たち上がり遅れが大きいと反
転現像方式の場合、地よごれになる。ここで帯電の立上
り遅れとは感光体の帯電初期に於いて感光体に電流が流
れても内部のフリーキャリアにより電位が増加しない分
である。この帯電立上り遅れの電荷量が流れたあと通常
の帯電が始まる。この立上り遅れはいわゆるフォトメモ
リーという現象の一種と類似しており酸性ガスの影響が
電荷発生部に及んだものである。上記参考実験から、感
光体においては、電荷輸送層および/あるいは保護層の
樹脂は35℃におけるオゾン透過係数2×10-11(m
ole/cm・min・atm)以下が好ましいことが
わかる。なお、前記参考例1〜6は、それぞれ、樹脂N
o.7〜No.12を用いた例を示し、比較参考例1〜
6は、それぞれ、樹脂No.1〜No.6を用いた例を
示す。
ペルAPL6509)のトルエン溶液の塗布乾燥により
フィルムを作成した。このオゾン透過係数を測定したと
ころ、オゾン透過係数が1.8×10-11(mole/
cm・min・atm)であった。アルミ板上に以下の
塗工液をコーテイング塗布乾燥し感光体を作成した。
した。
施例1と同じ。 前記樹脂No.12 1部 電荷輸送物質(H−1) 0.01部 酸化チタン(表面処理酸化チタン、石原産業(株) 「商品名TTO55−C」) 0.1部 ジクロロメタン 40部 乾燥110℃、20分 保護層 厚さ約1μm
施例1と同じ。 前記樹脂No.12 1部 電荷輸送物質(H−1) 0.1部 酸化チタン(表面処理酸化チタン、石原産業(株) 商品名「TTO55−C」) 0.3部 ジクロロメタン 40部 乾燥110℃20分 保護層 厚さ約1μm
記樹脂No.3にした以外は実施例3と同様にした。
体のオゾン暴露による帯電性への影響を調べるため、こ
れらの感光体に対して静電複写紙試験装置((株)川口
電気製作所製)を用いて暗所で−6kVのコロナ放電を
20秒間行って帯電させた。いずれも帯電の立上り遅れ
はなかった。その後、光照射で電位を落とした後、オゾ
ン濃度5×10-6atmの中に160時間放置した。こ
のオゾン暴露後の帯電の立上り遅れを求めた。ここで帯
電の立上り遅れとは感光体の帯電初期に於いて感光体に
電流が流れても内部のフリーキャリアにより電位が増加
しない分である。この帯電立上り遅れの電荷量が流れた
あと通常の帯電が始まる。その値を表2に示す。オゾン
透過係数の大きな樹脂を使用すると帯電立上り遅れが大
きくなる傾向にある。帯電立ち上がり遅れは以下の表2
のようになった。
ことにより帯電遅れが小さくなる。
調製し、アルミニウム平板上に順次塗布し、乾燥させ
て、電荷発生層及び電荷輸送層を設け積層型電子写真感
光体を作製した(以下に示す部はすべて重量部であ
る)。電荷発生層の膜厚は約0.3μm、電荷輸送層の
膜厚は20μmとした。
実施例4に同じ。
脂にすることにより帯電遅れ防止に効果がある。
塗工液、電荷発生層塗工液及び電荷輸送層塗工液、保護
層塗工液を順次塗布、乾燥し積層感光体を作製した。
層の膜厚は約0.5μm、電荷輸送層の膜厚は約20μ
mであった。この上に以下の組成の保護層液を塗布して
保護層を作成した。
護層膜厚は約2μm
atmの条件下のオゾン暴露機に入れて1万分暴露し取
り出して画像出しを行った所、全面に画像ボケが生じ
た。紙ヤスリにておよそ0.3〜0.6μm表面を強制
的に削除したところ画像流れはなくなった。オゾン濃度
2×10-6atmで計算式(4)により計算すると、L
OZは図9のようになった。図9から1万分の使用で、L
abは0.3〜0.6μmが適当と予想される。L abは実
機のランニング(帯電ローラー使用−感光体周辺オゾン
濃度約2×10-6atm−リコー製複写機−改造機使
用)においてもフィラー量を調整して検討したところ、
1万分のランニングで約0.3μm以下のLabの場合は
画質がぼけて不鮮明になる傾向が認められた。すなわ
ち、前記条件で最低限のLab(最適摩耗量)は1万分の
使用において0.3μmということになる。なおフィラ
ーがない場合、1万分の使用(25秒/1枚での画像出
しでは24000枚に相当)ではLab約5μmとなる。
層塗工液及び電荷輸送層塗工液、保護層塗工液を順次塗
布、乾燥し積層感光体を作製した。
層の膜厚は約0.5μm、電荷輸送層の膜厚は約19μ
mであった。この上に以下の組成の保護層液をスプレー
塗布して保護層を作成した。
OZは図10のようになる。この場合もオゾン濃度2×1
0-6atmの条件でオゾン暴露機で1万分暴露の後に画
像出しをしたところ画像流れが生じるが、表面を0.1
〜0.2μmの削除で画像ながれはなくなる。このよう
にオゾン透過係数の小さな樹脂であれば耐摩耗フィラー
添加により摩耗量を減少させてもオゾン劣化が深くまで
進行しないため保護層膜厚を小さくすることが可能で小
さな保護層膜厚でも十分耐久性が得られる。耐摩耗フィ
ラーは残留電位を増加させるため静電特性的にも保護層
の膜厚はなるべく小さい方が好ましい。特に高解像度を
狙う場合、全体の膜厚を小さくする必要があるため保護
層の膜厚もできるかぎり小さくすることが望まれる。
つ表面劣化に起因した異常画像が発生しにくく、さら
に、帯電立上り時の帯電遅れ等オゾン暴露による静電疲
労が少なく、しかも高解像度化が可能となる電子写真感
光体、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカート
リッジが提供される。装置、電子写真方法の提供が可能
となる。
その(N0TP)0.5とR(T)との関係を示す図であ
る。
その(TP)0.5とLOZとの関係を示す図である。
図である。
である。
断面図である。
の概略図である。
概略図である。
つの実施例についての概略図である。
たときの暴露時間(分)とLOZとの関係を示す図であ
る。
たときの暴露時間(分)とLOZとの関係を示す図であ
る。
Claims (13)
- 【請求項1】 電子写真感光体において、その最表面層
が、(i)オゾン透過係数が2×10-11(mole/
cm・min・atm)(35℃)以下の樹脂及び(i
i)電荷輸送物質を含有し、かつ次の式(1)を満足す
ることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 2(LOZ)> Lab > (LOZ) (1) (式中、LOZはオゾン劣化因子(cm)を示し、Labは
摩擦劣化因子(cm)を示す) - 【請求項2】 保護層を有する電子写真感光体におい
て、該保護層が、(i)オゾン透過係数が2×10-11
(mole/cm・min・atm)(35℃)以下の
樹脂、(ii)金属化合物及び(iii)電荷輸送物質を含
有し、かつ次の式(1)を満足することを特徴とする電
子写真感光体。 【化2】 2(LOZ)> Lab > (LOZ) (1) (式中、LOZはオゾン劣化因子((cm)を示し、Lab
は摩擦劣化因子(cm)を示す) - 【請求項3】 電荷輸送層の上に保護層を有する電子写
真感光体において、該保護層が、(i)オゾン透過係数
が2×10-11(mole/cm・min・atm)
(35℃)以下の樹脂、(ii)金属化合物及び(iii)
電荷輸送物質を含有し、かつ次の式(1)を満足し、さ
らに該電荷輸送層と該保護層の膜厚の和が24μm以下
であることを特徴とする電子写真感光体。 【化3】 2(LOZ)> Lab > (LOZ) (1) (式中、LOZはオゾン劣化因子((cm)を示し、Lab
は摩擦劣化因子(cm)を示す) - 【請求項4】 該金属化合物が酸化アルミニウムである
請求項2又は3のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項5】 該金属化合物が酸化チタンである請求項
2又は3のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項6】 該酸化チタンの粒径が0.1μm以下で
ある請求項5に記載の電子写真感光体。 - 【請求項7】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現
像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段及び電
子写真感光体を具備してなる電子写真装置において、該
電子写真感光体として、その最表面層が、(i)オゾン
透過係数が2×10-11(mole/cm・min・a
tm)(35℃)以下の樹脂及び(ii)電荷輸送物質を
含有し、かつ次の式(1)を満足する電子写真感光体を
用いることを特徴とする電子写真装置。 【化4】 2(LOZ)> Lab > (LOZ) (1) (式中、LOZはオゾン劣化因子((cm)を示し、Lab
は摩擦劣化因子(cm)を示す) - 【請求項8】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現
像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段及び電
子写真感光体を具備してなる電子写真装置において、該
電子写真感光体として、保護層を有する電子写真感光体
を用い、該保護層が、(i)オゾン透過係数が2×10
-11(mole/cm・min・atm)(35℃)以
下の樹脂、(ii)金属化合物及び(iii)電荷輸送物質
を含有し、かつ次の式(1)を満足する電子写真感光体
を用いることを特徴とする電子写真装置。 【化5】 2(LOZ)> Lab > (LOZ) (1) (式中、LOZはオゾン劣化因子((cm)を示し、Lab
は摩擦劣化因子(cm)を示す) - 【請求項9】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現
像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段及び電
子写真感光体を具備してなる電子写真装置において、該
電子写真感光体として、電荷輸送層の上に保護層を有す
る電子写真感光体を用い、該保護層が、(i)オゾン透
過係数が2×10-11(mole/cm・min・at
m)(35℃)以下の樹脂、(ii)金属化合物及び(ii
i)電荷輸送物質を含有し、かつ次の式(1)を満足
し、さらに該電荷輸送層と該保護層の膜厚の和が24μ
m以下であることを特徴とする電子写真装置。 【化6】 2(LOZ)> Lab > (LOZ) (1) (式中、LOZはオゾン劣化因子((cm)を示し、Lab
は摩擦劣化因子(cm)を示す) - 【請求項10】 該金属化合物が酸化アルミニウムであ
る請求項7〜9のいずれかに記載の電子写真装置。 - 【請求項11】 該金属化合物が酸化チタンである請求
項7〜9のいずれかに記載の電子写真装置。 - 【請求項12】 該酸化チタンの粒径が0.1μm以下
である請求項11に記載の電子写真装置。 - 【請求項13】 少なくとも像担持体を具備してなる電
子写真装置用プロセスカートリッジにおいて、該像担持
体として、請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感
光体を用いることを特徴とする電子写真用プロセスカー
トリッジ。
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---|---|---|---|---|
JP2002351113A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-12-04 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体並びにそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置 |
JP2012013749A (ja) * | 2010-06-29 | 2012-01-19 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
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2000
- 2000-04-20 JP JP2000119907A patent/JP2001051439A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002351113A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-12-04 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体並びにそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置 |
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