JP3900459B2 - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関し、さらに詳しくは、繰り返し使用に対して優れた耐摩耗性を有し、しかも感度変動が少なく長期にわたり安定した画像を得ることのでき、かつ高感度で光減衰曲線の裾切れが良好な、電子写真複写機、プリンタ等に用いられる有機系電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に利用される電子写真感光体を用いた画像形成方法は、少なくとも電子写真感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へトナー画像を転写、定着させ、電子写真感光体表面にクリーニングを施すというプロセスからなるものである。
電子写真感光体(以下、単に感光体と言うことがある)が、この画像形成方法において要求される基本的な特性としては、
▲1▼ 暗所で適当な電位に帯電できること
▲2▼ 暗所において電荷の散逸が少ないこと
▲3▼ 光照射によって速やかに電荷を散逸できること
等が挙げられる。
近年は、これらの特性に加えて、
▲4▼ 低コストであること
▲5▼ 低公害性であること
▲6▼ 長期にわたり地汚れや画像欠陥の生じない安定した画像が得られること
が強く要求されている。
【0003】
従来、画像形成方法において使用される感光体としては、導電性支持体上にセレ又はセレン合金を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散させたもの、非晶質シリコン系材を用いたもの等が知られているが、近年、低コスト、感光体設計上の高い自由度、低公害等から有機系電子写真感光体が広く使用されるようになってきた。
【0004】
しかしながら、電子写真感光体の長寿命化に対する要望が高まる状況下、有機系電子写真感光体にあっても、特に耐久性においては必ずしも満足できるものではないのが実情である。
感光体の耐久性を低下させる要因の一つに感光層の摩耗が挙げられる。
画像形成方法においては、感光体は現像剤、クリーニング部材、画像保持体(転写紙、フィルム、布等)等、種々の画像形成部材と接触し、摺擦によって感光層表面が摩耗し、この摩耗により感光体は帯電性の低下、感度の低化をひき起こすこととなる。
感光体の帯電性低下は、正規現像方式の場合は、画像濃度低下を招き、反転現像方式の場合は、非画像部の汚れ(地汚れ)を発生する等、画像品質の低下につながるものである。
また、感光体の感度低化は、正規現像方式では地汚れ、反転現像方式では画像濃度低下をひき起こし、最終的には使用不能となるのである。
【0005】
これらの問題を改善するため多くの提案がなされているが、特に、有機系電子写真感光体の耐摩耗性を向上することにより画像品質の低下を抑え、感光体の耐久性を高めるものとして、高分子型の電荷輸送物質(特開昭51−73888号公報、特開昭54−8527号公報、特開昭54−11737号公報、特開昭56−150749号公報、特開昭57−78402号公報、特開昭63−285552号公報、特開平64−1728号公報、特開平64−13061号公報、特開平64−19049号公報、特開平3−50555号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平5−232727号公報、特開平5−310904号公報等)が注目されている。
しかしながら、電荷発生物質と高分子電荷輸送物質とを組み合わせて用いる電子写真感光体は、低分子電荷輸送物質を用いた場合に比べて光感度が劣っており、特に表面電位の光照射減衰に電界強度依存性があり、光減衰曲線の裾切れが悪く、さらには繰り返し使用において、残留電位が上昇し、光感度低下が起こるという欠点がある。
【0006】
また、近年、電子写真方式を用いた画像形成装置は小型化が望まれており、このために装置内での感光体の占有容積を小さくする必要に迫られている。
ドラム形状の感光体の場合は、ドラム径を小さくすることにより装置内での感光体占有容積を小さくすることができるが、この場合、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段等の画像形成手段を配置するスペースが小くなり、画像形成プロセスの設計上の余裕度を狭めることとなっている。
【0007】
有機系感光体の特徴であるフレキシビリティーを利用したエンドレスベルト状感光体は、小径の搬送ローラーを用いて設計することにより、画像形成手段を配置するスペースをそれほど狭くすることなく画像形成装置内での感光体の占有容積を縮小することができる。
しかしながら、ベルト状感光体には、感光体駆動時や、画像形成装置が長時間停止時に、搬送ローラー上の感光層に局部的に強い引張張力がかかり、そのために従来は、ベルト状感光体は感光層にクラックが発生するという欠点があった。特に、電荷輸送物質として高分子電荷輸送物質を感光層に用いた感光体は、感光体作成時に感光層内部に発生する応力が強く、従来、特に電荷輸送物質として高分子電荷輸送物質を感光層に用いた感光体は、絶縁性の高分子樹脂と低分子電荷輸送物質を用いた感光体に較べて、作成時に感光層に発生する応力が強く、ベルト状感光体にした場合、感光層にクラックが発生する度合いが大きいという欠点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の欠点を克服し、繰り返し使用に対して優れた耐摩耗性を有し、しかも感度変動が少なく長期にわたり安定した画像を得ることのでき、かつ高感度で光減衰曲線の裾切れが良好な、電子写真複写機、プリンタ等に用いられる電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することをその課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、感光層に着目して鋭意検討を重ねた結果、電荷発生物質と高分子電荷輸送性物質からなる感光層にナフチル基を有する化合物を含有させることによって、繰り返し使用に対して優れた耐摩耗性を有し、しかも感度変動が少なく長期にわたり安定した画像を得ることのでき、かつ高感で光減衰曲線の裾切れが良好な電子写真感光体が得られるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0010】
すなわち、本発明によれば、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質及び高分子電荷輸送物質からなる感光層を形成した電子写真感光体であって、該感光層に、下記一般式(1)
【化2】
Figure 0003900459
〔式中、R〜R14は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは 基を示す。〕で表される化合物を含有させたことを特徴とする電子写真感光体、この電子写真感光体、像露光手段、現像手段及び転写手段を用いることを特徴とする画像形成方法、この電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする画像形成装置並びにこの電子写真感光体を有すると共に、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の中から選ばれた少なくとも一つの手段を有し、電子写真感光体とこの手段とを画像形成装置本体に一体的に着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジが提供される。
上記一般式(1)で表わされる化合物としては、1,2−ジナフチルエチレン等を挙げることができる。
【0011】
本発明における上記一般式(1)で表わされる化合物の添加量は、その量が少なすぎると光減衰の裾切れの改良に対する大きな効果が得られにくいことから、重量基準で高分子電荷輸送物質100部に対して0.2部を越る量とすることが好ましい。
一方、添加量が多すぎると感光層の機械的強度を低下させ、実使用時に感光層膜の摩耗が激しくなり、感光体の寿命を短くするため、高分子電荷輸送物質100部に対して50部以下の添加が好ましく、さらに好ましくは、30部以下が適当である。
また、感光層を形成する際に感光層内部に発生する応力を緩和する効果が少なくなり、感光体の耐クラック性にたする効果が得られにくいことから、ベルト状感光体として使用する場合は、高分子電荷輸送物質100部に対して1〜50部であることが好ましい。
【0012】
図面に基づいて、本発明で用いられる電子写真感光体を、電荷発生層と電荷輸送層から形成される機能分離型感光体を例にして説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体1上に電荷発生層2と電荷輸送層3とを積層してなる感光層4が形成されているものである。
図2は、本発明の他の例の電子写真感光体を模式的に示す断面図であり、導電性支持体1と感光層4の間に下引き層5が形成されているものである。
図3は、本発明の別の例の電子写真感光体を模式的に示す断面図であり、感光層4上に保護層6が形成されているものである。
図4は、本発明のさらに別の例の電子写真感光体を模式的に示す断面図であり、導電性支持体1と感光層4の間に下引き層5が形成され、感光層4の上に保護層6が形成されているものである。
【0013】
導電性支持体1としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、プラスチックフィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、又は上記金属の電鋳法等の方法で作成されたシームレス状エンドレスベルト又はアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板およびそれらをD.I.,I.I.,押出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管等を使用することができる。
エンドレスベルト状感光体の支持体としては、上記の導電性処理をしたフィルムや上記金属の電鋳法等の方法で作成されたシームレス状エンドレスベルトが用いられる。
【0014】
次に、電荷発生層2について説明する。
電荷発生層2は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びナフチル基含有炭化水素系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料等が挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
【0015】
電荷発生層2に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
また、電荷発生層のバインダー樹脂としては、上記のバインダー樹脂の他に、上記の高分子電荷輸送物質を用いることができる。さらに、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
電荷発生層2に併用できる低分子電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔電子輸送物質とがある。
【0016】
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
正孔輸送物質としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
【0017】
電荷発生層2を形成する方法は、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とに大別できる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上記の無機系材料、有機系材料が良好に用いられる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を形成するには、上記した無機系又は有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
このようにして形成される電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
次に、電荷輸送層3について説明する。
電荷輸送層3は、高分子電荷輸送物質と上記一般式(1)で表わされる化合物を有する層であり、高分子電荷輸送物質と上記一般式(1)で表わされる化合物を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。
また、必要により適当な低分子電荷輸送物質やレベリング剤を添加することもできる。
【0018】
本発明に用いられる高分子電荷輸送物質としては、次の(a)〜(e)に挙げる高分子物質を用いることができる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461、特開平4−264130、特開平4−264131、特開平4−264132、特開平4−264133、特開平4−289867に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
【0019】
本発明に使用される電荷輸送物質である電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、ホモ共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば、特開平3−109406号公報に開示されているような電仔供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
本発明に用いられる高分子電荷輸送物質としては、電子供与性基を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルが好ましく用いられる。また、トリアリールアミン構造を有する高分子電荷輸送物質が好適である。本発明に用いられる高分子電荷輸送物質としてさらに有用なものとして、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルが挙げられ、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報等に記載のものを挙げることができる。
また、本発明に用いられるさらにより有用な高分子電荷輸送物質として、トリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートが挙げられる。
【0020】
トリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートとは、トリアリールアミン構造の一つのアリール基が何らかの結合基を介して、又は結合基を介さないでポリカーボネートの主鎖から分岐している高分子構造を言う。
本発明に用いられる高分子電荷輸送物質として、下記一般式(2)〜(7)で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートが特に有効に用いられる。
【化3】
Figure 0003900459
【化4】
Figure 0003900459
【化5】
Figure 0003900459
【化6】
Figure 0003900459
【化7】
Figure 0003900459
【化8】
Figure 0003900459
【0021】
一般式(2)〜(7)で表される高分子電荷輸送物質の具体例を例示すると以下のとおりである。
一般式(2)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子文は置換もしくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を示し、0.1≦k≦1.0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を示し5〜5000の整数である。Xは脂肪族炭化水素の2価基、脂環式炭化水素の2価基、又は下記一般式(8)で表される2価基を表す。
【化9】
Figure 0003900459
(式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)又は、下記一般式(9)
【化10】
Figure 0003900459
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。)を表わす。
【0022】
一般式(2)において、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表すが、その具体例としては次のものを挙げることができ、同一であっても異なっていてもよい。
アルキル基として好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、S−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
4は水素原子又は置換もしくは無量換のアルキル基を表すがそのアルキル基の具体例としては上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
5、R6は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基等が挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
【0023】
上記のアリール基は、次の(a)〜(g)に示す基を置換基として有してもよい。
(a)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(b)アルキル基。上記のR1、R2、R3と同様のもの。
(c)アルコキシ基(−OR105)。R105は一般式(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−プトキシ基、n−ブトキシ基、S−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基。
(d)アリールオキシ基。アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等。
(e)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等。
(f)アルキル置換アミノ基。アルキル基は上記で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等。
(g)アシル基。具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等。
【0024】
Xは下記一般式(10)
【化11】
Figure 0003900459
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、o、p、qは上記と同義である)
で表わされるトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、一般式HO−X−OHで表わされるジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは上記一般式(10)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と一般式HO−X−OHから誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0025】
HO−X−OHで表わされるジオール化合物の具体例としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオールが挙げられる。
また、芳香環を有するジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジプロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジッフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンチン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0026】
一般式(3)中、式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、上記と同じである。
一般式(3)において、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては次のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、又は、一般式(11)〜(15)
【化12】
Figure 0003900459
【化13】
Figure 0003900459
(cは1〜12の整数)
【化14】
Figure 0003900459
(dは1〜3の整数)
【化15】
Figure 0003900459
(eは1〜3の整数)
【化16】
Figure 0003900459
(fは1〜3の整数)
で表わされるものが挙げられる。
ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−又は以下の2価基を表す。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar1、Ar2およびAr3で示されるアリレン基としてはR7およびR8で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0027】
上記のアリール基及びアリレン基は次の(a)〜(g)に示す基を置換基として有してもよい。また、これら置換基は上記一般式中のR106、R107、R108の具体例として表される。
(a)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(b)アルキル基。好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C18、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、S−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等。
(c)アルコキシ基(−OR109)。R109は上記一般式(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、S−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等。
(d)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1、〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナブチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等。
(e)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等。
【0028】
(f)一般式(16)
【化17】
Figure 0003900459
(式中、R110及びR111各々独立に上記で定義したアルキル基またはアリール基を表す)。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基が挙げられ、これらはC1、〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またほハロゲン原子を置換基として含有してもよい。また、アリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリノレ)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等。
(g)メチレンジオキシ基、またはメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基等。
Xは下記一般式(17)
【0029】
【化18】
Figure 0003900459
で表わされるトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、一般式HO−X−OHのジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは上記一般式(17)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と一般式HO−X−OHから誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0030】
一般式HO−X−OHで表わされるジオール化合物は上記と同じものが挙げられる。
【0031】
一般式(4)中、R9、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4、Af5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、上記と同じである。
一般式(4)において、R9、R10は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては次のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar4、Ar5、およびAr6で示されるアリレン基としてはR9およびR10で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0032】
上記のアリール基及びアリレン基は次の(a)〜(g)に示す基を置換基として有してもよい。
(a)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(b)アルキル基。好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等。
(c)アルコキシ基(−OR112)。R112は上記で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等。
(d)アリールオキシ基。アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等。
(e)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等。
(f)アルキル置換アミノ基。アルキル基は上記で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等。
(g)アシル基。具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等。
【0033】
Xは下記一般式(18)
【化19】
Figure 0003900459
で表わされるトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、HO−X−OHで表わされるジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは上記一般式(18)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と一般式HO−X−OHから誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
HO−X−OHで表わされるジオール化合物は上記と同じものが挙げられる。
【0034】
一般式(5)中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、sは1〜5の整数を表す。X、k、jおよびnは、上記の場合と同じである。
一般式(5)において、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては次のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar7、Ar8、およびAr9で示されるアリレン基としてはR11およびR12で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0035】
上記のアリール基及びアリレン基は次の(a)〜(g)で表わされる基を置換基として有してもよい。
(a)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(b)アルキル基。好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等。
(c)アルコキシ基(−OR113)。R113は上記で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、S−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等。
(d)アリールオキシ基。アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等。
(e)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等。
(f)アルキル置換アミノ基。アルキル基は上記で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等。
(g)アシル基。具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等。
【0036】
Xは下記一般式(19)
【化20】
Figure 0003900459
で表わされるトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、HO−X−OHで表わされるのジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(19)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と一般式HO−X−OHから誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
一般式HO−X−OHで表わされるジオール化合物は上記と同じものが挙げられる。
【0037】
一般式(6)中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、上記と同じである。
【0038】
一般式(6)において、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては次のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar13、Ar14、Ar15およびAr16で示されるアリレン基としては、R15、R16、R17およびR18で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0039】
上記のアリール基及びアリレン基は次の(a)〜(d)に示す基を置換基として有してもよい。
(a)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(b)アルキル基。好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等。
(c)アルコキシ基(−OR115)。R115は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−プトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等。
(d)アリールオキシ基。アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキジフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等。
1、Y2、Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基、を表し、同一であっても異なってもよい。
アルキレン基としては、上記で示したアルキル基より誘導される2価基を表す。具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基等を挙げることができる。シクロアルキレン基としては、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロオクチレン基等を挙げることができる。
アルキレンエーテル基としては、ジメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
Xは下記一般式(20)
【化21】
Figure 0003900459
で表わされるトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、一般式HO−X−OHで表わされるジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは上記一般式(20)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と一般式HO−X−OHから誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
一般式HO−X−OHで表わされるジオール化合物は上記と同じものが挙げられる。
【0040】
一般式(7)中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、上記の場合と同じである。
一般式(7)において、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては次のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27およびAr28で示されるアリレン基としては、R22、R23、R24およびR25で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0041】
上記のアリール基及びアリレン基は次の(a)〜(g)に示す基を置換基として有してもよい。
(a)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(b)アルキル基。好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等。
(c)アルコキシ基(−OR118)。R118は上記で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等。
(d)アリールオキシ基。アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等。
(e)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等。
(f)アルキル置換アミノ基。アルキル基は上記で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等。
(g)アシル基。具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等。
【0042】
Xは下記一般式(21)
【化22】
Figure 0003900459
で表わされるトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、一般式HO−X−OHで表わされるジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは上記一段式(21)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と一般式HO−X−OHから誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
一般式HO−X−OHで表わされるジオール化合物は上記と同じものが挙げられる。
その他、トリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートとしては、特開平6−234838号公報、特開平6−234839号公報、特開平6−295077号公報、特開平7−325409号公報、特開平9−297419号公報、特開平9−80783号公報、特開平9−80784号公報、特開平9−80772号公報、特開平9−265201号公報等に記載の化合物が例示される。
電荷輸送層3に併用できる低分子電荷輸送物質は、電荷発生層2の説明に記載したものと同じものを用いることができる。低分子電荷輸送物質の使用量は、重量基準で高分子電荷輸送物質100部に対して0〜50部程度が適当である。
電荷輸送層3に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーもしくはオリゴマーが使用され、その使用量は、重量基準でバインダ−樹脂100部に対して0〜1部程度が適当である。
電荷輸送層3の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0043】
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体1と感光層4との間に下引き層5を設けることができ、下引き層5は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減する、導電性支持体からの電荷注入を防止する等の目的で形成される。
下引き層5は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物等の微粉末を加えてもよい。
これらの下引き層5は、上記の感光層と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0044】
さらに本発明の下引き層5として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾルーゲル法等により形成した金属酸化物層も有用なものとして挙げられる。
この他に、本発明の下引き層5には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法により形成したものも良好に使用できる。この下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0045】
本発明の電子写真感光体には、感光層保護の目的で、保護層6が感光層4の上に形成されることもある。これに使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的で、ポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂およびこれら樹脂に酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。
保護層6の形成法としては、通常の塗布法が採用される。なお、保護層の厚さは、0.5〜10μm程度が適当である。また、このほかに真空薄膜作製法にて形成したi−C、a−SiCなど公知の材料も保護層として用いることができる。
【0046】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送層に添加すると良好な結果が得られる。
【0047】
本発明に用いることができる酸化防止剤として、次の(a)〜(e)のものが挙げられる。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロ−ル類等。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート等。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類等の酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できるものである。
本発明における酸化防止剤の添加量は、重量基準で高分子電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜30部である。
【0048】
本発明の電子感光体における高感度化、光減衰曲線の裾切れが良好となる等の効果の理由は、現在のところ明確にはなっていないが、本発明者らは次のように考えている。
高感度化の要因としては、電荷発生物質から電荷輸送物質への電荷注入性の向上と電荷注入後の電荷輸送物質間の電荷移動性の向上がある。
従来の電子写真感光体に含有されている低分子電荷輸送材料は、自らがカチオンラジカルになることにより正孔を移動させており、この中性分子からカチオンラジカルになるときに立体構造上の変化が生じている。本発明に用いられている高分子電荷輸送材料の場合、電荷輸送を請け負うユニットが高分子鎖中に結合されているため、前記したような構造変化にはより大きなエネルギーが必要とされる。このため高分子電荷輸送材料を用いた感光体では、低電界状態において電荷移動が遅くなり、結果として光減衰の裾切れ低下、低感度が招かれる。
本発明では、高分子電荷輸送材料からなる感光層に、ナフチル基を含有した炭化水素化合物を添加することにより、感光層に可塑化効果を生じ、高分子電荷輸送材料の熱運動性が向上し、これに伴い、高分子鎖中の電荷輸送を請け負うユニット(トリアリールアミノ基)の構造変化に必要なエネルギーが低下させ、低電界状態での電荷移動が上昇して光減衰の裾切れの改善、感度向上、さらには電荷トラップの低減により繰り返し使用時の残留電位の減少が達成されたものと推測される。
【0049】
本発明は、上記電子写真感光体を提供すると共に、この電子写真感光体、像露光手段、現像手段及び転写手段を用いることを特徴とする画像形成方法、この電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする画像形成装置並びにこの電子写真感光体を有すると共に、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の中から選ばれた少なくとも一つの手段を有し、電子写真感光体とこの手段とを画像形成装置本体に一体的に着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジを提供する。
【0050】
本発明の画像形成方法及び画像形成装置を、図面に基づいて説明する。
図6は、本発明の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図である。
感光体7には、上記本発明の電子写真感光体が用いられている。
図6においては、感光体7は、ドラム状の形状を示しているが、シート状であってもよく、図7に示すようにエンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電チャージャ8、転写前チャージャ9、転写チャージャ10、分離チャージャ相11、クリーニング前チャージャ12には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート、チャージャ)、帯電ローラをはじめとする公知の手段が採用される。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように、転写チャージャー10と分離チャージャー11を併用したものが効果的である。
また、画像露光部13、除電ランプ14等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもでできる。
このような光源等は、図6に示される工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程又は前露光等の工程を経ることにより、感光体に光が照射される。
ここに、現像ユニット15により、感光体7上に現像されたトナーは、転写紙16に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体7上に残存するトナーもある。
この残存トナーは、ファーブラシ17及びクリーニングブラシ18により、感光体7から除去される。
クリーニングは、クリーニングブラシ18のみで行なわれることもある。
クリーニングブラシには、ファーブラシ、マグファーブラシをはじめとする公知のものが用いられる。
【0051】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られる、また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
このような現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が採用される。
【0052】
図7は、本発明の別の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図である。
感光体7には、上記本発明の電子写真感光体が用いられている。
感光体7は、駆動ローラ22a,22bにより駆動され、帯電チャージャ8による帯電、像露光源23による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ10を用いる転写、クリーニング前露光源24によるクリーニング前露光、クリーニングブラシ18によるクリーニング、除電光源25によって除電が繰返し行なわれる。
図5に示す感光体においては、感光体4(この場合は、支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0053】
以上に図示した画像形成方法及び画像形成装置は、本発明における一つの実施態様であって、他の実施態様をとることも可能である。
例えば、図7においては、支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これを感光層側から行ってもよく、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
さらに、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光及びその他の公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0054】
本発明は、さらに、上記電子写真感光体を有すると共に、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の中から選ばれた少なくとも一つの手段を有し、電子写真感光体とこの手段とを画像形成装置本体に一体的に着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジを提供するものである。
これまでに説明した画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でこれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。
プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、現像手段及びクリーニング手段のうち、少なくとも一つの手段を含んだ一つの装置(部品)である。
図8は、本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
感光体7には、上記本発明の電子写真感光体が用いられている。
プロセスカートリッジの形態等には、多数のものが挙げられるが、図8に示すものは、一般的な形態のプロセスカートリッジの例である。
【0055】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるものではない。
なお、「部」とあるのはすべて重量部である。
また、実施例に使用した高分子電荷輸送物質の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(以下、Mnという)、重量平均分子量(以下、Mwという)を測定した。
【0056】
実施例1
アルミニウム板上に、メタノールとブタノールとの混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−8000、東レ社製)溶液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥させて厚さ0.3μmの中間層を設けた。
次いで、電荷発生物質として下記構造式
【化23】
Figure 0003900459
で表されるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンとメチルエチルケトンとの混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得られた分散液を中間層上にドクターブレードで塗布し、自然乾燥させて厚さ約1μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記繰り返し単位
【化24】
Figure 0003900459
(Mn=91000、Mw=185000)
を有するポリカーボネート樹脂(PC−1)100部と1、2ジナフチルエチレン20部とをジクロロメタンに溶解し、この溶液を電荷発生層上にドクターブレードで塗布し自然乾燥させ、ついで120℃で20分間乾燥させて厚さ約20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0057】
実施例2
実施例1におけるポリカーボネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位
【化25】
Figure 0003900459
(Mn=62000、Mw=133000)
を有するポリカーボネート樹脂(PC−2)に代えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0058】
実施例3
実施例1におけるポリカーボネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位
【化26】
Figure 0003900459
(Mn=71500、Mw=148000)
を有するポリカーボネート樹脂(PC−4)に代えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0059】
実施例4
実施例1におけるポリカーボネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位
【化27】
Figure 0003900459
(Mn=62000、Mw=129000)
を有するポリカーボネート樹脂(PC−5)に代えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0060】
実施例5
実施例1におけるポリカーボネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位
【化28】
Figure 0003900459
(Mn=38800、Mw=176500)
を有するポリカーボネート樹脂(PC−9)に代えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0061】
実施例6
実施例1におけるポリカーボネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位
【化29】
Figure 0003900459
(Mn=31000、Mw=63000)
を有するポリカーボネート樹脂(PC−12)に代えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0062】
比較例1
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(PC−1)100部をジクロロメタンに溶解し、この溶液を電荷発生層上にドクターブレードで塗布し自然乾燥させ、次いで、120℃で20分間乾燥させて厚さ約20μmのナフチル基含有炭化水素が添加されていない電荷輸送層を形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0063】
比較例2〜6
比較例1におけるポリカーボネート樹脂(PC−1)を上記実施例において示したPC−2〜PC−6のそれぞれに代え、ナフチル基含有炭化水素を添加しない以外は比較例1と同様にして比較例2〜比較例6の電子写真感光体を作成した。
このようにして得られた実施例1〜実施例6の電子写真感光体、および比較例1〜比較例6の電子写真感光体について、静電複写紙試験装置(川口電機製作所製、SP428型)を用い、暗所で感光体に−6KVのコロナ放電を行い、表面電位が−800Vになったところで感光体表面に照度2ルックスのタングステンランプ光を照射し、表面電位が−80Vになるのに必要な露光量E1/10(lux・sec)を測定した。
その結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003900459
【0064】
表1から明らかなように、トリアリールアミノ基を主鎖または側鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成分とし、ナフチル基含有炭化水素を含有させた電荷輸送層を有する実施例の電子写真感光体は、ナフチル基含有炭化水素を含有していない電荷輸送層を有する比較例の電子写真感光体に比べ、光減曲線の裾切れが良好で高感度である。
【0065】
実施例7〜10
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(PC−1)100部に対して各々、0.2、1、10、50部添加した以外は実施例1と同様にして感光体を作成し、感度評価を行った。結果を表2に示す。
【0066】
比較用実施例1及び2
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(PC−1)100部に対して各々、0.05、0.1部添加した以外は実施例1と同様にして感光体を作成し、感度評価を行った。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0003900459
【0067】
表2から明らかなように、ナフチル基含有炭化水素は感光層中に高分子電荷輸送物質100部に対して0.2部以上含有させれば、充分な増感効果を示すことが分る。
【0068】
実施例11
メタノールとブタノールとの混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−8000、東レ社製)溶液を用い、浸漬塗布法によりアルミ素管上に厚さ0.3μmの中間層を設けた。
次いで実施例1におけるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンとメチルエチルケトンとの混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得られた分散液を用いて浸漬塗布法により中間層上に厚さ0.5μmの電荷発生層を形成した。
次に、ポリカーボネート樹脂(PC−1)100重量部と1、2ジナフチルエチレン20部とをジクロロメタンに溶解し、この溶液を浸漬塗布法により電荷発生層上に塗布し自然乾燥させ、ついで120℃で20分間乾燥させて厚さ約30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0069】
比較例
電荷輸送層にナフチル基含有炭化水素を添加しなかった以外は実施例11と同様にしてアルミニウム素管上に中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0070】
実施例12
電荷輸送層のポリカーボネート樹脂(PC−1)をPC−2に代えた以外は実施例11と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0071】
比較例
電荷輸送層にナフチル基含有炭化水素を添加しなかった以外は実施例12と同様にして電子写真感光体を作成した。このように作製した実施例11、12及び比較例7、8の電子写真感光体について、次の評価を行った。
[実機特性評価方法]
書き込み光源として、635nm波長光(出力:5mW)発振レーザを搭載し、反転現像用現像で現像可能に改良した電子写真複写機(imagio DA355 リコー社製)に搭載し、22−25℃、40−60%RH環境下でそれぞれの感光体について5000枚までの通紙試験を行った。通紙試験中及び通紙試験後に感光体の電位特性、画像品質特性、の評価を行った。
暗部電位:一次帯電の後、現像部位置まで移動した際の感光体表面電位
明部電位:一次帯電後、画像露光(ベタ露光)を受け、現像部位置まで移動した際の感光体表面電位
画像品質:ベタ濃度、細線再現性、異常画像等総合的に評価
評価結果を表3に示す。
【0072】
ナフチル基含有炭化水素を含有しない比較例7、8の感光体は繰り返し使用で明部電位が上昇し、画像濃度の低下、細線画像の再現性が低下するが、ナフチル基含有炭化水素を含有した実施例11、12の感光体は繰り返し使用での暗部電位、明部電位が安定し、良好な画像が得られた。実施例11、12の感光体を5万枚まで通紙テストを続行したが、5万枚目の明部電位は実施例11の感光体は200v、12の感光体は160vであり、いずれも細線画像細りのない良好な画像が得られた。
【表3】
Figure 0003900459
【0073】
以上のように、本発明のナフチル基含有炭化水素を含有した電子写真感光体は、光減衰曲線の裾引きが少ないため光感度が高く、且つ繰り返し使用による明部電位の変動を少なく、かつ、帯電安定性が極めて優れており、高画質のハードコピーを長期間安定して得られることが分る。
【0074】
実施例13
0.1μmのアルミ蒸着層を設けた75μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムのアルミ蒸着層上に、実施例1と同様の中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成して感光体シートを作成した。
この感光体シートの感光層表面端面に、画像形成時の接地用にカーボンブラック分散の導電性塗料層を、感光体裏面に幅10mmのベルト搬送時のベルトの寄り止め用樹脂を両面テープで図5(a)のとおり張り付けた。
次に、この感光体シートを切断、端部を超音波接合し、図5(b)のとおりエンドレスベルト状感光体を作成した。
【0075】
実施例14
PC−1、100部に対して1、2ジナフチルエチレンを1部を電荷輸送層に添加した以外は実施例13と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0076】
実施例15
電鋳法で作成した厚み30μmのニッケル合金製シームレス状エンドレスベルト上に、実施例3と同様の中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を浸積塗工法で形成し、ベルト状感光体を作成した。以下、この感光体裏面について実施例13と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0077】
比較用実施例3
PC−1、100部に対して1、2ジナフチルエチレンを0.5部を電荷輸送層に添加した以外は実施例13と同様にして感光体を作成した。
比較用実施例4
PC−1、100部に対して1、2ジナフチルエチレンを0.1部を電荷輸送層に添加した以外は実施例13と同様にして感光体を作成した。
実施例13、14、15、比較用実施例3の感光体をリコー社製ファクシミリ機(RIFAX7000)の感光体マガジンに入れて光源を635nm発振のレーザーにしてRIFAX7000(リコー社製)を改良したベルト状感光体試験装置に上記エンドレスベルト状感光体マガジンをセットして、
(1) 常温常湿(22−25℃、40−60%RH)環境下で正規現像による10000枚の画像評価、
(2) 感光体マガジンを常温常湿環境下に1ヶ月放置後、感光体の耐クラック性評価、及び画像評価、
(3) 感光体マガジンを30℃、85%環境下に2週間放置後、感光体の耐クラック性評価、及び画像評価を行った。結果を表4に示す。
【0078】
表4に見られるように、高分子電荷輸送物質に対してナフチル基含有炭化水素を1%以上添加したベルト状光体はクラックの発生のない良好な結果を示した。
【表4】
Figure 0003900459
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、繰り返し使用に対して優れた耐摩耗性を有し、しかも感度変動が少なく長期にわたり安定した画像を得ることができ、かつ高感度で光減衰曲線の裾切れが良好な電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供され、電子写真複写機、プリンタ等設計、作製分野に多大の寄与をなすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を示す断面図である。
【図2】本発明の他の電子写真感光体を示す断面図である。
【図3】本発明の別の電子写真感光体を示す断面図である。
【図4】本発明のさらに別の電子写真感光体を示す断面図である。
【図5】本発明のエンドレスベルト状電子感光体を示す概略図である。
【図6】本発明の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図である。
【図7】本発明の別の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図である。
【図8】本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2 電荷発生層
3 電荷輸送層
4 感光層
5 下引き層
6 保護層
7 感光体
8 帯電チャージャ
9 転写前チャージャ
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 クリーニング前チャージャ
13 画像露光部
14 除電ランプ
15 現像ユニット
16 転写紙
17 ファーブラシ
18 クリーニングブラシ
19 イレーサ
20 レジストローラー
21 分離爪
22a 駆動ローラー
22b 駆動ローラー
23 像露光源
24 クリーニング前露光源
25 除電光源
26 現像ローラー

Claims (12)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質及び高分子電荷輸送物質からなる感光層を形成した電子写真感光体であって、該感光層に、下記一般式(1)
    Figure 0003900459
    〔式中、R〜R14は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは 基を示す。〕で表される化合物を含有させたことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 該感光層が、電荷発生物質を含有する電荷発生層と高分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とからなるものである請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 該高分子電荷輸送物質が、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル及びポリエーテルから選ばれた少なくとも一つの重合体からなるものである請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 該高分子電荷輸送物質が、トリアリールアミン構造を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 該トリアリールアミン構造を有するものが、ポリカーボネートである請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. トリアリールアミン構造を有するものが、分岐鎖にトリアリール構造を有するポリカーボネートである請求項4に記載の電子写真感光体。
  7. 該感光層に含有される上記一般式(1)で表される化合物が、重量基準で該高分子電荷輸送物質100部に対して0.2〜50部である請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 電子写真感光体の形状が、エンドレスベルト状である請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 該感光層に含有される上記一般式(1)で表わされる化合物が、重量基準で該高分子電荷輸送物質100部に対して1〜50部である請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を用いることを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体を有すると共に、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の中から選ばれた少なくとも一つの手段を有し、該電子写真感光体と該手段とを画像形成装置本体に一体的に着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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