JP3847376B2 - 電子写真画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真プロセスに関し、特に電子写真感光体を画像形成装置内若しくは画像形成装置外で加熱処理することにより、不良画像の発生を防止し、長期にわたり安定した画像を得られるようにした電子写真プロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法としては、カールソンプロセスやその種々の変形プロセスなどが知られており、複写機やプリンタなどに広く使用されている。この様な電子写真方法に用いられる感光体の中でも、有機系の感光材料を用いたものが、安価、大量生産性、無公害性などをメリットとして、近年使用され始めている。
有機系の電子写真感光体には、PVK(ポリビニルカルバゾール)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生材料と電荷輸送材料とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が注目されている。
【0003】
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生材料により吸収され、光を吸収した電荷発生材料は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送材料と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生材料とを組み合わせて用いることが知られており、かつ有用である。
【0004】
電荷輸送材料は多くが低分子化合物として開発されているが、低分子化合物は単独で製膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いられる。しかるに低分子電荷輸送材料と不活性高分子からなる電荷輸送層は一般に柔らかく、カールソンプロセスにおいては繰り返し使用による膜削れを生じやすいという欠点がある。
さらにこの構成の電荷輸送層は電荷移動度に限界があり、カールソンプロセスの高速化或いは小型化の障害となっていた。これは通常低分子電荷輸送材料の含有量が50重量%以下で使用されることに起因している。即ち低分子電荷輸送材料の含有量を増すことで確かに電荷移動度は上げられるが、このとき逆に製膜性が劣化するためである。
【0005】
この点を克服するために高分子電荷輸送材料が注目され、例えば、特開昭51−73888号公報、特開昭54−8527号公報、特開昭54−11737号公報、特開昭56−150749号公報、特開昭57−78402号公報、特開昭63−285552号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−19049号公報、特開平3−50555号公報等に開示されている。
これらの高分子電荷輸送材料は電荷輸送層が高分子だけで構成されるため、高い機械的強度が期待される。また、製膜性を損なうことなく電荷輸送を担う官能基を高密度に含有することが可能であり、高速応答性が期待される。
【0006】
この様な高分子電荷輸送材料を用いた感光体は長寿命化にともない繰り返し使用により帯電性ないし電荷保持性が劣化し、画像上に、濃度ムラ、カブリ、また反転現像の場合、地汚れを生ずるという欠点を有しており、この点の改良が強く望まれる。このことは、低分子電荷輸送材料を不活性高分子に分散・混合して用いられる感光体では、感光体の低寿命性及び感光体表面の膜削れにより顕在化されていなかった。
【0007】
高分子電荷輸送材料を含有する感光体の帯電性劣化は、電荷発生材料が吸収する光によって起こることから、光吸収によって発生した電荷が移動可能な状態で感光体に残留している時間が長いほど、またその電荷の数が多いほど、繰り返し使用による帯電性の劣化が著しくなると考えられる。即ち、光吸収によって発生した電荷が残留している状態で帯電操作をしても、残留しているキャリアの移動で表面電位が中和される為、残留電荷が消費されてしまい表面電位は上昇しない。
【0008】
これらの欠点を改良する方法として、支持体と電荷発生材料の間に、SiO、Al23等の無機材料を蒸着、スパッタリング、陽極酸化などの方法で設ける方法が公知であり、電荷発生層中にAl23を含有させたり(特開昭55−142354号公報)、同じく電荷発生層中に金属粉末を含有させることも公知(特開昭60−214364号公報)である。
また、下引き層として、ポリアミド樹脂(特開昭58−30757号公報、特開昭58−98739号公報)、アルコール可溶性ナイロン樹脂(特開昭60−196766号公報)、水溶性ポリビニルブチラール樹脂(特開昭58−106549号公報)などの樹脂層が提案されている。
【0009】
しかしながら、繰り返し使用による帯電性、電荷保持性の劣化について、感光体側の改善手段では、充分な感光体は得られていなかった。
他方、複写装置の使用環境においても、高温高湿度下では画像ボケ、画像ウスなどを生じ、また、低温時においては、感光体の結露、地汚れ等の問題を有している。
この環境依存性に関して、特開昭61−7843号公報には、感光層の支持体を面状発熱体として、比較的低温で加熱すると高温高湿度下における感光体の相対湿度を減少できることが、また、特開昭62−121482号公報には感光体に温風、冷風を吹き付ける方法が開示されており、低温時の感光体への結露防止、高温時の感光体の劣化を防止できる方法が開示されているが、必ずしも満足すべき方法ではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高分子電荷輸送材料を含有する感光体の繰り返し使用による帯電性の劣化を改良することができるとともに、高温高湿度下での相対湿度を低下でき、かつ低温時の上記感光体の結露を防止し、長期にわたり不良画像の発生を防止し、安定した画像を得る電子写真プロセスを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式1で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0012】
【化13】
Figure 0003847376
式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換若しくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0013】
また、本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式2で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0014】
【化14】
Figure 0003847376
式中、R 、R は置換若しくは無置換のアリール基、Ar 、Ar 、Ar は同一又は異なるアリレン基を表わし、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0015】
【化15】
Figure 0003847376
式中、R 101 、R 102 は各々独立して置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO −、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0016】
【化16】
Figure 0003847376
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R 103 、R 104 は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R 101 とR 102 、R 103 とR 104 は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0017】
また、本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式3で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0018】
【化17】
Figure 0003847376
式中、R、R10は置換若しくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0019】
また、本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式4で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0020】
【化18】
Figure 0003847376
式中、R11、R12置換若しくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基、pは1〜4の整数を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0021】
また、本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式5で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0022】
【化19】
Figure 0003847376
式中、R13、R14は置換若しくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X、Xは置換若しくは無置換のエチレン基、又は置換若しくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0023】
また、本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式6で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0024】
【化20】
Figure 0003847376
式中、R15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0025】
また、本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式7で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0026】
【化21】
Figure 0003847376
式中、R19、R20は水素原子、置換若しくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0027】
また、本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式8で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0028】
【化22】
Figure 0003847376
式中、R21は置換若しくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0029】
また、本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式9で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0030】
【化23】
Figure 0003847376
式中、R22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0031】
また、本発明によれば、電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式10で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法が提供される。
【0032】
【化24】
Figure 0003847376
式中、R26、R27は置換若しくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0033】
本発明者らは、導電性支持体から最も離れた最表層に電荷輸送材料が含有された電子写真感光体に対して繰り返し使用による不良画像の発生を解消すべく検討した結果、該電子写真感光体の感光層に前記一般式1乃至10のいずれかで示される高分子電荷輸送材料を含有させると共に画像形成装置内若しくは画像形成装置外で加熱する工程を行なうことにより、繰り返し使用しても鮮明な複写画像が長期にわたり得られることを見い出した。
【0034】
一般に、感光体は程度の差はあるが、高温高湿時における画像ボケ、画像ウスが発生し、また、低温時においては感光体の結露、低温低湿時には、画像地汚れが発生する。また、感光層が有機系の感光体においては、繰り返し使用をすると、帯電性の立ち上がりの遅れが認められる。
しかし、本発明者らは、暗所にて加熱することにより、繰り返し使用をしても、初期と同じ程度の特性を示すことを見い出した。この様な感光体の暗所における加熱処理(以下加熱処理或いは処理と略す。)を達成する手段を以下に説明する。
【0035】
画像装置内における感光体の加熱方法について述べる。この方法はプロセスと極めて密接な関係があるため、感光体の形状別について述べる必要がある。現行、使用されている感光体の形状は大きく2つに分けることができる。1つはベルト状の感光体であり、もう1つは、円筒状の金属或いは紙、プラスチックの表面を導電処理したものの表面に感光層をコーティングしたものに分けられる。
【0036】
まず、ベルト状感光体の加熱方法について述べる。通常、ベルト感光体の駆動系及びプロセスは図1、或いは図2及びこれに関連して説明する次のような態様になっているのが普通である。図1において、ベルト状感光体(11)は2つの従動ローラ(12)(12)及び1つの駆動ローラ(13)の間に掛け回わされ駆動ローラ(13)により駆動され、この例の場合は駆動ローラ(13)の箇所には現像ローラ(14)が配置されている。
図1は従動ローラが2本の場合の図を示したが、場合によっては1本或いは複数本の場合も存在する。また図2について、ベルトをある程度高速回転にすると、ベルト状感光体は、進行方向に垂直な方向(ベルトの厚み方向)の振動等を有する場合があり、それを防止する為に同図2中に示されるようにさらに前述のような駆動ローラ(13)及び従動ローラ(12)(12)に加えて別の従動ローラ(12)(12)(12)(12)(12)を用いる場合もある。
この様にセットされた感光体の加熱する方法としては3つの方法があり、1つは図1、図2において、あいている空間を利用して、何らかの熱源を持ってきて、ベルトの内側或いは外側より加熱する方法であり、2番目は、ローラを(主に現像ローラと接しないローラ)発熱体にし、感光体を加熱する方法であり、3番目は、ベルト自体を面状発熱体とする方法である。
【0037】
1番目の具体的な方法としては、種々の方法が挙げられ、例えば、
(イ)赤外線ランプを使用する方法(図3)。(その際、基板或いは感光層中に赤外線吸収材を含むとより好ましい。)
(ロ)熱風をあてる方法(図4)。(その際、活性炭等のオゾン除去部材を吹き出し口に設けるとより好ましい。)
(ハ)高周波加熱を行なう方法。
(ニ)PTC発熱体を利用する方法。
等を示すことができる。
【0038】
これらの方法のうち、赤外線ランプを使用する方法と熱風をあてる方法を図3と図4に示す。はじめに図3に示される、赤外線ランプ(18)を使用する方法は赤外線をベルト状感光体(11)に照射するものである。ベルト状感光体(11)は、前述のように、駆動ローラ(13)及び従動ローラ(12)(12)の間に掛け回わされている。この方法によれば、例えばレーザープリンタ用感光体等では、感光体の光吸収域が近赤外域まで伸びている為、図中(15)で示される様なカットフィルタを用いて、赤外線より短い波長の光はカットし、また、カバー(16)にて、機内全体に光が漏れるのを防ぎ、さらに、効率を上げるため、ミラー(17)にて、赤外線は前面にのみ照射される。
【0039】
次に図4に示される熱風をあてる方法では、温風ブロア(19)にて、熱風をベルト状感光体(11)に吹き付けるものである。ベルト状感光体(11)は、前述のように、駆動ローラ(13)及び従動ローラ(12)(12)の間に掛け回わされている。吹き付けられた温風は排気装置(1A)により系外に排出される。オゾン除去部材(1B)を設置することにより、温風中に含まれるオゾン濃度を減少することができ、感光体表面がオゾンにより活性化されることが防げる。
【0040】
次にローラを発熱体にし、感光体を加熱する方法について述べる。このローラを発熱体にする具体的な方法としては、種々のものが考えられるが、例えば次のような手段が挙げられる。
(イ)赤外線ランプ(赤外線を発光できるランプ)がローラ内部に内蔵されているもの。
(ロ)ヒートパイプがローラ内部に内蔵されているもの(図5)。
(ハ)メカニカルシートを取り付けて、温水をローラ内部に流すもの。
(ニ)PTC特性を有する発熱体がローラ内に内蔵されているもの。
(ホ)ローラが面状発熱体であるもの。
(ヘ)抵抗加熱器がローラに内蔵されているもの(図6)。
(ト)高周波誘導加熱により加熱するもの。
これらの方法のうち、ヒートパイプを使用する方法と抵抗加熱器を使用する方法を各々図5及び図6に示す。図5に示される方法においては蛇管状のヒートパイプ(22)が発熱ローラ(21)中に内蔵されており、図6に示されるものにおいてはコイル状に巻かれた抵抗加熱体(23)が発熱ローラ(21)中に内蔵されている。
【0041】
最後に、ベルト自体を面状発熱体として感光体を加熱する方法について述べる。かかる方法には、ベルト支持体自体が面状発熱体である場合と、支持体の内側(あるいは感光層側でも可)に、面状発熱体を貼付るか或いはそのような塗料をコーティングするといった2通りの方法が考えられる。前者については、ベルト支持体が金属の面状発熱体であるか、或いはベルト形成時において、プラスチックフィルム中にカーボン粉体、金属ファイバー等を充填することにより、面状発熱体にすることができる。後者については、ベルト支持体の内面或いは外面に、樹脂液中に例えば、カーボン粉体、金属ファイバー、金属フィラー等を分散した塗料をコーティングすることにより同様の効果を持たせることができる。
この様に作製した支持体を利用して感光体を作製し、電流を流すことにより前記のような外熱式のヒータが無くとも感光体を加熱することが可能である。
【0042】
次に円筒状の金属或いは紙、プラスチック上に導電処理を施した支持体(以後、総称してドラムという。)の上に感光層を設けた感光体(以後、ドラム状感光体と言う。)の加熱方法について述べる。ドラム状感光体の加熱方法も種々挙げられるが、大きくは2つに分類できる。1つは、外熱式のヒータを用いるものであり、もう1つは、ヒータを用いずに、ドラム自体が発熱体であるものである。前者の具体的な方法としては種々のものが挙げられるが、例えば、
(イ)赤外線ランプ(赤外線を発光できるランプ)をドラム内部に内蔵する。或いは外面から照射する方法。
(ロ)ヒートパイプがドラム内部に内蔵されていて、内面より加熱する方法。
(ハ)ドラム開口部(両端)にメカニカルシールを取り付けて、湿度調節が可能な循環装置(例えばクールニクス)にて、ドラム内部に液体を循環する方法(図7)。
(ニ)抵抗加熱器がドラム内部に内蔵されているものを利用する方法。
(ホ)PTC特性を有する発熱体により加熱する方法(図8)。
(ヘ)高周波誘導加熱を行なう方法。
等が挙げられる。
【0043】
図7に示される方法においては、温度調節用液体(34)のための注入菅及び吐出管がそれぞれ、ドラム状感光体(31)の左右両端にメカニカルシール(32)(32)によって、ドラム状感光体(31)を回転自在とするように連結しており、1方のメカニカルシール(32)上にはドラム状感光体(31)の回転用歯車(33)が嵌合固定されている。図8に示される方法においては、PTC特性を有する発熱体(35)がドラム状感光体(31)の内部に配置されている。
これらの方法によれば、両端の注入部と吐出部は回転せずに感光体(31)とメカニカルシール(32)(32)と回転用歯車(33)の部分のみが回転する。また、内部に循環する液体を水のように比熱の大きなものを使用すれば、感光体(31)の熱容量が大きくとも一様に加熱することができる。また、前記のようなPTC特性を有する発熱体を使用すれば、低温時には抵抗が低く、電流がたくさん流れ、高温になると、抵抗が急激に増大し、電流が流れにくくなり、ある設定温度に対して、有利に、また、安全に加熱することができるといった利点を有する。後者のドラムが発熱体であるという考え方は、ベルト支持体が発熱体であるという考え方と同じであるので説明を省略する。
【0044】
以上述べた方法は、画像形成装置内にて感光体を加熱する方法であるが、加熱時に対する感光体以外への影響も考慮する必要があるため、また、感光体加熱設定温度に対して、過熱を防ぐ手段としても有用であるため感光体冷却装置を併用することは非常に有効であり、もちろん使用して差し支えない。
【0045】
次に画像形成装置外にて感光体を加熱し疲労を回復する方法について述べる。感光体を画像形成装置外にて加熱処理する場合に最低限必要な要件は、以下の2点である。
(イ)加熱装置を有する。
(ロ)感光体を遮光した状態で加熱することができる。
すなわち、例えば通常市販の乾燥機、オーブン等を利用して、部屋全体を遮光状態にすることができれば感光体の疲労回復はできるわけである。ところが、一般的にはそういう設定をした場合には、次のような問題点が残される。
1.適切なドラムの設置を考えないと、感光体表面に傷がつく。
2.均一な加熱が難しい。
3.一般のオフィス等には上記のような加熱器はない。
【0046】
したがって、小型、軽量でかつ、上記欠点のない感光体の疲労回復専用装置が必要となる訳であるがその1例を図9(a)、(b)、(c)に示す。図9(a)は全体の鳥瞰図、図9(b)はドアを開いた本体の1部切り抜き図、図9(c)は真横からの断面図である(これらを総称して、後は図9と呼ぶ)。図9に示される装置は、過熱装置本体(41)内部に円筒形の面状発熱体(46)が配置され、この面状発熱体(46)の内部空間を、感光体ドラムを収容する空胴部としたものであって、この空胴部にはドラム受け治具が置かれ、このドラム受け治具は、前記空胴部左右両側にそれぞれ位置する円錐形状のドラム受け治具(47)と大小2つの径の円柱部分を有するドラム受け治具(47)の1対からなるものであって、前記円錐形状のドラム受け治具(47)は、遮光用パッキング(42)を内側に貼着した本件のドア(43)の内側に設けられ、ドア(43)を取手(44)を介して開閉することにより感光体ドラムの取り外し、治具への着座が出来るものである。図9に示される装置においては、熱源として面状発熱体を使用したが、熱を感光体に均一に与えられる方法であれば、どのようなものでも差し支えない。また、ドラム受け治具は図9は両切りドラム用治具(図では、太さが2種まで可)を図示したが、ドラムの形状により治具をその都度変更する必要がある。
【0047】
次に、今まで述べてきた感光体の加熱方法について、温度、条件等について説明する。今まで感光体の加熱方法について述べたが、画像形成装置内での加熱する方法については、2つの方法がある。1つは、画像形成装置使用期間中に一定の温度を常に与える方法であり、もう1つの方法は、1度高温にした後、ある温度まで下げて(通常は室温)使用する方法である。
【0048】
前者においては、あまり高温でない温度(40〜80℃程度)に感光体温度を保つ方法である。したがって、感光体をある一定の温度に制御する為には、加熱を開始し、ある所定温度に達した後、小さい熱エネルギーを連続的に与える方法と、ある幅に温度コントロールするならば所定温度に達した時、熱エネルギー供給を止め、ある温度に下がったら(或いはある時間が経過したら)再び熱エネルギーを与えるといった間欠的な方法もある。
【0049】
次に後者について説明を行なう。これは、感光体を常に加熱する訳ではなく、必要に応じて短時間高温にさせる方法である。例えば、画像形成装置に電源を入れると、定着部を加熱するのに時間がかかる(いわゆるファーストコピー時間)のを利用し、この時に同時に感光体を加熱する方法や例えば帯電直後の表面電位を検知する装置が入っていて、あるしきい電位よりも下がった時に加熱する方法である。更にはいわゆる予熱時、つまり画像形成を行なわない時間には加熱しておき、使用する時に温度を下げて使用する方法等がある。
【0050】
加熱処理温度については、前者(つまり定常的に温度を与える方法)については、あまり高温にすると感光体表面へのストレスが大きくなる為、好ましくは下限40℃以上、更に好ましくは50℃以上とした上限は、好ましくは100℃以下、更に好ましくは80℃以下とするのがよい。
また、後者(非定常的に熱を与える方法)については、感光体の使用時外に加熱処理することにより、前者よりも高温にすることができる。好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上、上限は、好ましくは150℃以下、更に好ましくは120℃以下である。但し、後者の方法にて、かなり高温にし、画像形成装置内にて処理する場合には、加熱時間を短くするか、画像形成を停止すべきであり、事前にその様な装置を或いは機構を取り付けることが好ましい。
【0051】
次に、図面を用いて本発明で用いられる電子写真感光体を説明する。
図10は、本発明において用いられる電子写真感光体の断面図であり、導電性支持体(51)上に、感光層(52)が形成されたものである。
図11は、本発明において用いられる電子写真感光体の別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(51)上に、電荷発生層(61)と電荷輸送層(62)からなる感光層(52)が形成されたものである。
図12は、本発明において用いられる電子写真感光体の更に別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(51)と感光層(52)との間に下引き層(53)が形成されたものである。
【0052】
次に、本発明に用いられる高分子電荷輸送材料について述べる。
本発明に用いられる高分子電荷輸送材料として、下記一般式1〜10で表わされる高分子電荷輸送材料が有効に用いられる。一般式1〜10で表わされる高分子電荷輸送材料を以下に例示し、具体例を示す。
【0053】
【化25】
Figure 0003847376
式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換若しくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0054】
【化26】
Figure 0003847376
式中、R101、R102は各々独立して置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)又は、
【0055】
【化27】
Figure 0003847376
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0056】
一般式1の具体例
1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0057】
アルキル基として好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0058】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を表わすが、そのアルキル基の具体例としては上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
5、R6は置換若しくは無置換のアリール基(芳香族炭化水素基及び不飽和複素環基)を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0059】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0060】
上記のアリール基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
【0061】
(3)アルコキシ基(−OR105)。アルコキシ基(−OR105)としては、R105が上記(2)で定義したアルキル基であるものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェニノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0062】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が前記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0063】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xで表わされる構造部分は下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0064】
【化28】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオール等が挙げられる。
【0065】
また、芳香環を有するジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0066】
【化29】
Figure 0003847376
式中、R7、R8は置換若しくは無置換のアリール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0067】
一般式2の具体例
7、R8は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、又は
【0068】
【化30】
Figure 0003847376
(ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−又は以下の2価基を表わす。)
【0069】
【化31】
Figure 0003847376
【0070】
【化32】
Figure 0003847376
【0071】
【化33】
Figure 0003847376
【0072】
【化34】
Figure 0003847376
を表わす。
【0073】
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar1、Ar2及びAr3で示されるアリレン基としてはR7及びR8で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基(1)〜基(7)を置換基として有してもよい。また、これら置換基は上記一般式中のR106、R107、R108と同じ意味を有する。
【0074】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくはC1〜C12とりわけC1〜C18さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0075】
(3)アルコキシ基(−OR109)。アルコキシ基(−OR109)としては、R109が(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0076】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)次式で表わされるアルキル置換アミノ基。
【0077】
【化35】
Figure 0003847376
式中、R110及びR111は各々独立に前記(2)で定義したアルキル基又はアリール基を表わす。アリール基としては例えばフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。またアリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。このアルキル置換アミノ基としては具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
【0078】
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等。
【0079】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0080】
【化36】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物としては一般式1と同じものが挙げられる。
【0081】
【化37】
Figure 0003847376
式中、R9、R10は置換若しくは無置換のアリール基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0082】
一般式3の具体例
9、R10は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0083】
また、Ar4、Ar5及びAr6で示されるアリレン基としてはR9及びR10で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0084】
(3)アルコキシ基(−OR112)。アルコキシ基(−OR112)としては、R112が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0085】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0086】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0087】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0088】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0089】
【化38】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0090】
【化39】
Figure 0003847376
式中、R11、R12は置換若しくは無置換のアリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0091】
一般式4の具体例
11、R12は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0092】
また、Ar7、Ar8及びAr9で示されるアリレン基としてはR11及びR12で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0093】
(3)アルコキシ基(−OR113)。アルコキシ基(−OR113)としては、R113が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0094】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0095】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0096】
【化40】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0097】
【化41】
Figure 0003847376
式中、R13、R14は置換若しくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1、X2は置換若しくは無置換のエチレン基、又は置換若しくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0098】
一般式5の具体例
13、R14は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0099】
また、Ar10、Ar11及びAr12で示されるアリレン基としてはR13及びR14で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0100】
(3)アルコキシ基(−OR114)。アルコキシ基(−OR114)としては、R114が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0101】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0102】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0103】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0104】
前記X1、X2の構造部分は置換若しくは無置換のエチレン基、置換若しくは無置換のビニレン基を表わし、この置換基としては、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、上記R13、R14のアリール基、上記(2)のアルキル基が挙げられる。
【0105】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0106】
【化42】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0107】
【化43】
Figure 0003847376
【0108】
式中、R15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0109】
一般式6の具体例
15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0110】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0111】
また、Ar13、Ar14、Ar15及びAr16で示されるアリレン基としてはR15、R16、R17、及びR18で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0112】
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0113】
(3)アルコキシ基(−OR115)。アルコキシ基(−OR115)としては、R115が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0114】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0115】
前記Y1、Y2、Y3の構造部分は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。
【0116】
このアルキレン基としては、上記(2)で示したアルキル基より誘導される2価基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基等を挙げることができる。
【0117】
同シクロアルキレン基としては、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0118】
同アルキレンエーテル基としては、ジメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
【0119】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0120】
【化44】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0121】
【化45】
Figure 0003847376
式中、R19、R20は水素原子、置換若しくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0122】
一般式7の具体例
19、R20は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0123】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0124】
また、R19、R20は環を形成する場合、9−フルオレニリデン、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンなどが挙げられる。
また、Ar17、Ar18及びAr19で示されるアリレン基としてはR19及びR20で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0125】
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0126】
(3)アルコキシ基(−OR116)。アルコキシ基(−OR116)としては、R116が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0127】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0128】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0129】
前記Xの構造部分は下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0130】
【化46】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0131】
【化47】
Figure 0003847376
式中、R21は置換若しくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0132】
一般式8の具体例
21は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0133】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0134】
また、Ar20、Ar21、Ar22及びAr23で示されるアリレン基としてはR21で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
【0135】
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0136】
(3)アルコキシ基(−OR117)。アルコキシ基(−OR117)としては、R117が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0137】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0138】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0139】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものを表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0140】
前記Xの構造部分は下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0141】
【化48】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0142】
【化49】
Figure 0003847376
式中、R22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0143】
一般式9の具体例
22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0144】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0145】
また、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、及びAr28で示されるアリレン基としては、R22、R23、R24、及びR25で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
【0146】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0147】
(3)アルコキシ基(−OR118)。アルコキシ基(−OR118)としては、R118が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0148】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0149】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0150】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0151】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0152】
【化50】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0153】
【化51】
Figure 0003847376
式中、R26、R27は置換若しくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0154】
一般式10の具体例
26、R27は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0155】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0156】
また、Ar29、Ar30、及びAr31で示されるアリレン基としては、R26及びR27で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
【0157】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0158】
(3)アルコキシ基(−OR119)。アルコキシ基(−OR119)としては、R119が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0159】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0160】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0161】
前記Xの構造部分は下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0162】
【化52】
Figure 0003847376
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0163】
導電性支持体(51)としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を蒸着又はスパッタリングによりフィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、或るいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを使用することができる。
【0164】
本発明における感光層(52)は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは説明の都合上、まず積層型について述べる。
はじめに、電荷発生層(61)について説明する。電荷発生層(61)は、電荷発生材料を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生材料としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0165】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0166】
電荷発生層(61)に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、先に記した一般式1〜10の高分子電荷輸送材料が良好に用いられるが、その他の高分子電荷輸送材料として以下のものが挙げられる。
【0167】
(a)主鎖及び/又は側鎖にカルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールの重合体、特開昭50−82056号公報開示のN−アクリルアミドメチルカルバゾールの重合体、特開昭54−9632号公報記載のハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭54−11737号公報記載のポリ−N−アクリルアミドメチルカルバゾール及びポリ−N−アクリルアミドメチルカルバモイルアルキルカルバゾール、特開平4−183719号公報に記載のカルバゾール構造を有する特定のジヒドロキシ化合物即ちビス[N−ヒドロキシアリール(又は−ヒドロキシヘテロ)−N−アリール]アミノ置換カルバゾールを或いはこれとビスフェノール化合物とを炭酸エステル形成性化合物と反応させることにより得られるカルバゾール系ポリカーボネート、化合物等が例示される。
(b)主鎖及び/又は側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報記載の、クロルメチル化ポリスチレンと4−ヒドロキシベンジリデンベンジルフェニルヒドラゾンとの脱塩酸縮合により生成されるヒドラゾン構造を有するポリスチレン、特開平3−50555号公報に記載のポリ(4−ホルミルスチレン)と1,1−ジアリールヒドラジンとの脱水縮合により生成される4−ヒドラゾン側鎖構造を有するポリスチレン化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報記載のポリ(メチルフェニルシリレン)、ポリ(n−プロピルメチルシリレン)−1−メチルフェニルシリレン又はポリ(n−プロピルメチルシリレン)、特開平5−19497号公報記載の
−(Si(R1)(R2))−、又は
【0168】
【化53】
Figure 0003847376
の繰り返し単位を有するポリシラン化合物(R1、R2、R3、R4はH、ハロゲン、エーテル基、置換アルキル基等)の化合物等が例示される。
(d)主鎖及び/又は側鎖に第3級アミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、及び特開平1−19049号公報記載の一般式
【0169】
【化54】
Figure 0003847376
を有するアリールアミン樹脂化合物
(ここでAr、Ar’はアリール、Zはカルバゾール−4,7−ジイル基、フルオレニン基、フェニレン基、ピレンジイル基、4,4’−ビフェニレン基等の2価の不飽和環式基、R及びR’は個々に−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−及び−(CH2)4−、R”は−CO−又は−CO−O−C64−Y−C64−O−CO−(Yは−O−、−CH2−、−S−、−C(Me)2−等)、mは0又は1、nは5〜5000を表わす。)、特開平1−1728号公報記載の
R-[O-A-O-CH2-CH(OR)-CH2-O-B-O-CH2-CH(OR)-CH2]m−(RはH、-Me、-Et、mは4〜1000、Aは−Ar−N(Ar')−[Z]−[N(Ar')−Ar]n−(Zはカルバゾール−4,7−ジイル基、フルオニレン基、フェニレン基、ピレンジイル基、4,4’−ビフェニレン基等の2価の不飽和環式基、Ar、Ar’はアリール基)、BはAと同じ意味か又は−Ar−V−Ar(Vは−CH2−、−O−、−S−、−C(Me)2−等)を表わす。)を有するアリールアミン含有ポリヒドロキシエーテル樹脂、特開平5−66598号公報記載の
【0170】
【化55】
Figure 0003847376
(n1は1〜10、n2は0〜4、n3は0〜5、mは0〜1)の構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの(共)重合体、特開平5−40350号公報に記載の、構造単位
【0171】
【化56】
Figure 0003847376
(R1、R2はアルキル、アリール、アラルキル、Ar1、Ar2、Ar3は2価の芳香族残基、lは0以上の整数、mは1以上の整数、nは2以上の整数、pは3〜6の整数)を有する化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報記載の、6−ビニルインドロ[2,3−b]キノキサリン誘導体の重合物、特開昭56−150749号公報に記載の、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパンのホルムアルデヒド縮合樹脂化合物等が例示される。
【0172】
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、又、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような、
【0173】
【化57】
Figure 0003847376
電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。更に、必要に応じて低分子電荷輸送材料を添加してもよい。
【0174】
電荷発生層(61)に併用できる低分子電荷輸送材料には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
【0175】
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0176】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0177】
電荷発生層(61)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
【0178】
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系若しくは有機系電荷発生材料を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0179】
次に、電荷輸送層(62)について説明する。
電荷輸送層(62)は、高分子電荷輸送物質を主成分とする層であり、高分子電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。高分子電荷輸送物質は3×105V/cmの電界下で1×10-5cm2/V・sec以上の移動度を有する高分子電荷輸送物質ならば、いずれの公知材料を用いることができるが、主鎖及び/又は側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが有効に使用される。前記一般式1〜10の高分子電荷輸送物質が特に良好に使用される。また、必要により適当なバインダー樹脂、低分子電荷輸送物質、可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。
【0180】
電荷輸送層(62)に併用できるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダーは、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0181】
電荷輸送層(62)に併用できる低分子電荷輸送材料は、電荷発生層(61)の説明において記載したものと同じものを用いることができる。電荷輸送層(62)の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
また、本発明において電荷輸送層(62)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。
【0182】
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー或いはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
【0183】
次に、感光層(52)が単層構成の場合について述べる。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くは電荷発生材料と低分子並びに高分子電荷輸送材料よりなる機能分離型のものが挙げられる。即ち、電荷発生材料並びに電荷輸送材料には、前出の材料を用いることができる。
また、必要により可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層(62)で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層(61)で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0184】
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体(51)と感光層(52)[積層タイプの場合には、電荷発生層(61)]との間に下引き層(53)を設けることができる。下引き層(53)は、接着性を向上する、モワレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層(53)は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、或るいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の場合と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0185】
さらに、本発明における感光体の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層にはAl23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0186】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送材料を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
【0187】
モノフェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど。
【0188】
ビスフェノール系化合物
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
【0189】
高分子フェノール系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
【0190】
パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0191】
ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0192】
有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0193】
有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0194】
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送材料100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0195】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、使用する部は全て重量部を表わし、使用された高分子電荷輸送物質の繰り返し単位nは、いずれの例においても、重量平均分子量から算出して100±20の範囲であった。
【0196】
実施例1
φ80mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成して、本発明における電子写真感光体を得た。
【0197】
[下引き層用塗工液]
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
【0198】
[電荷発生層用塗工液]
下記構造のトリスアゾ顔料 2.5部
【0199】
【化58】
Figure 0003847376
ポリビニルブチラール(UCC社製:XYHL) 0.25部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
【0200】
[電荷輸送層用塗工液]
下記構造の高分子電荷輸送材料 10部
【0201】
【化59】
Figure 0003847376
塩化メチレン 100部
【0202】
以上のように作成した電子写真感光体を実装用にした後、一部改造した複写機(リコー製:イマジオMF530)に搭載し、図5に示すようなヒートパイプを使用し、ドラム温度が常に50±2℃になるようにセットした。以上のように条件を整えた後、20℃−60%RHの環境下で連続5万枚のコピーを行なった。
なお、感光体の表面電位は、複写機内にて、帯電直後のドラム表面電位が測定できるように表面電位計のプローブをセットし、コピースタート時(3〜5枚目)と5万枚時に測定した。更に5万枚複写における感光体の膜厚減少量(摩耗量)を測定した。
【0203】
参考例1
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送材料を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様に感光体を作製し、実施例1と全く同様にして評価をした。
【0204】
【化60】
Figure 0003847376
【0205】
実施例2
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送材料を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様に感光体を作製し、実施例1と全く同様にして評価をした。
【0206】
【化61】
Figure 0003847376
【0207】
実施例3
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送材料を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様に感光体を作製し、実施例1と全く同様にして評価をした。
【0208】
【化62】
Figure 0003847376
【0209】
実施例4
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送材料を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様に感光体を作製し、実施例1と全く同様にして評価をした。
【0210】
【化63】
Figure 0003847376
【0211】
実施例5
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送材料を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様に感光体を作製し、実施例1と全く同様にして評価をした。
【0212】
【化64】
Figure 0003847376
【0213】
実施例6
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送材料を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様に感光体を作製し、実施例1と全く同様にして評価をした。
【0214】
【化65】
Figure 0003847376
【0215】
実施例7
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送材料を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様に感光体を作製し、実施例1と全く同様にして評価をした。
【0216】
【化66】
Figure 0003847376
【0217】
実施例8
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送材料を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様に感光体を作製し、実施例1と全く同様にして評価をした。
【0218】
【化67】
Figure 0003847376
【0219】
実施例9
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送材料を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様に感光体を作製し、実施例1と全く同様にして評価をした。
【0220】
【化68】
Figure 0003847376
【0221】
比較例1〜9、参考比較例1
実施例1〜9、参考例1において、ヒートパイプによるドラム温度制御を行なわない以外は、実施例1〜9、参考例1と全く同様の評価を行なった。
【0222】
比較例10
実施例1における電荷発生層塗工液を下記組成のものに変えた以外は、全く同様に作製し、実施例1と全く同様の評価を行なった。
[電荷輸送層用塗工液]
ビスフェノールA型ポリカーボネート 10部
(帝人:パンライトK1300)
下記構造の低分子電荷輸送材料 10部
【0223】
【化69】
Figure 0003847376
塩化メチレン 100部
以上のように作成した比較例11の電子写真感光体を実装用にした後、実施例1と全く同様の評価を行なった。
【0224】
比較例11
比較例10において、ヒートパイプによるドラム温度制御を行なわない以外は、比較例10と全く同様の評価を行なった。実施例1〜9、参考例1と比較例1〜11、参考比較例1の結果を表1に示す。
【0225】
【表1】
Figure 0003847376
【0226】
実施例10〜18、参考例2
上記実施例1〜9、参考例1と全く同様にして作製した電子写真感光体を実装用にした後、一部改造した複写機(リコー製:イマジオMF530)に搭載し、図6に示すような抵抗加熱器を使用し、コピー5000枚毎に停止し、ドラム温度を100℃まで加熱し、別に設けたファンにて室温まで冷却するという条件で50010枚までコピーした。なお、環境条件は、25℃−45%RHであった。評価方法としては、10枚目と50010枚目の画像の黒ベタ部を市販のマクベス濃度計にて画像濃度(以下I.D.と略す。)を測定した。
【0227】
比較例12〜20、参考比較例2
上記実施例10〜18、参考例2における加熱処理をしない他は、実施例10〜18、参考例2と全く同様の評価を行なった。但し、感光体の加熱処理に相当する時間、コピーを停止し、感光体は休ませた。
【0228】
比較例21
上記比較例10と全く同様にして作製した電子写真感光体を用いた以外は実施例11と全く同様の評価を行なった。
比較例22
上記比較例21において、抵抗加熱器によるドラムの加熱処理を行なわない以外は、比較例21と全く同様の評価を行なった。但し、感光体の加熱処理に相当する時間、コピーを停止し、感光体は休ませた。
実施例10〜18、参考例2と比較例12〜22、参考比較例2の結果を表2に示す。
【0229】
【表2】
Figure 0003847376
【0230】
実施例19〜28
実施例1におけるアルミニウムドラムの代りにアルミニウム導電層を有するポリエステルフィルムを支持体に用い、電荷発生層塗工液を下記組成のものに変えた以外は、実施例1と全く同様に本発明における電子写真感光体を作製した。
【0231】
[電荷発生層用塗工液]
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
【0232】
【化70】
Figure 0003847376
ポリビニルブチラール(UCC社製:XYHL) 0.25部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
【0233】
以上のように作製した感光体に導電層塗工及びベルト接合を行ない、実装用の感光体とし、この感光体を一部改造した複写機(リコー製:リコピーFT2050)に搭載した。図2に示すようなプロセスにて、従動ローラを面状発熱体にし、感光体温度が40±3℃になる様にセットした。環境条件は、18℃−35%RHである。この状態で5万枚の連続コピーを行ない、1枚目と5万枚目の画像評価を行なった。
【0234】
比較例23〜32
実施例19〜28における温度コントロールを行なわない他は、実施例19〜28と全く同様にして画像評価を行なった。
【0235】
比較例33
上記比較例10におけるアルミニウムドラムの代りにアルミニウム導電層を有するポリエステルフィルムを支持体に用い、電荷発生層塗工液を下記組成のものに変えた以外は、比較例10と全く同様に作製した。
【0236】
[電荷発生層用塗工液]
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
【0237】
【化71】
Figure 0003847376
ポリビニルブチラール(UCC社製:XYHL) 0.25部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
【0238】
以上のように作製した感光体に導電層塗工及びベルト接合を行ない、実装用の感光体とした。この感光体を実施例19で用いた複写機に設置し、実施例19と全く同様にして評価を行なった。
比較例34
上記比較例33における温度コントロールを行なわない他は、比較例33と全く同様にして画像評価を行なった。実施例19〜28と比較例23〜34の結果を表3に示す。
【0239】
【表3】
Figure 0003847376
【0240】
実施例29〜38
実施例19〜28と全く同様にして作製した実装用の電子写真感光体を一部改造した複写機(リコー製:リコピーFT2050)に搭載した。図3に示すような赤外線ランプハウスを取り付け、5000枚毎にコピーを停止し、感光体温度を80℃まで加熱し、40℃まで冷却した後再びコピーを開始するといった方法で20001枚のコピーを行なった。帯電直後の表面電位が測定できる様に表面電位計のプローブをセットし、10枚目の表面電位と20001枚目の表面電位を測定した。ランニング環境は、30℃−80%RHという条件にて行なった。フィルターはシャープカットフィルター(富士写真SC−72)を使用した。
【0241】
比較例35〜44
実施例29〜38における温度コントロールを行なわない他は実施例29〜38と全く同様にして評価を行なった。但し、5000枚毎にコピーを停止し、実施例の加熱−冷却に要する時間は、感光体を休ませた。
【0242】
比較例45
比較例33と全く同様にして作製した感光体を用いた他は実施例29と全く同様にして評価を行なった。
比較例46
比較例33と全く同様にして作製した感光体を用いた他は比較例45と同様にして評価を行なった。但し、5000枚毎にコピーを停止し、実施例の加熱−冷却に要する時間は、感光体を休ませた。実施例29〜38と比較例35〜46の結果を表4に示す。
【0243】
【表4】
Figure 0003847376
【0244】
実施例39〜48
実施例19〜28と全く同様にして作製した感光体を実装用にした後、一部改造した複写機(リコー製:リコピーFT2070)に搭載し、高周波電源として2.45GHzのマグネトロンを用いて、別に設けた強磁性体(フェロックスプレーナ粒子)を樹脂中に分散した板に電極を設けた発熱体により感光体温度が50±2℃になるようにセットした。各条件をセットした後、複写機を繰り返し使用し、5万枚のコピーを行なった。環境は、23℃−50%RHであった。評価方法としては、10枚目と50010枚目の画像の黒ベタ部を市販のマクベス濃度計にて画像濃度(以下I.D.と略す。)を測定した。
【0245】
比較例47〜56
実施例39〜48における高周波加熱を行なわない他は、実施例39〜48と全く同様にして評価した。
【0246】
比較例57
比較例33と全く同様にして作製した電子写真感光体を用いた以外は実施例39と全く同様にして評価をした。
比較例58
比較例57において、高周波加熱を行なわない他は、比較例57と全く同様にして評価した。実施例39〜48と比較例47〜58の結果を表5に示す。
【0247】
【表5】
Figure 0003847376
【0248】
参考例3〜12
実施例1〜9、参考例1と全く同様にして作製した電子写真感光体を実装用にした後、一部改造した複写機(リコー製:イマジオMF530)に搭載した。なお、連続コピー49990枚行ない、感光体を複写機より取り出して、図9に示すような感光体加熱装置にて、130℃−20分間、加熱処理を行ない、室温まで冷却して、再び複写機に戻し、通算5万枚までコピーを行ない、10枚目と5万枚目の画像評価を行なった。測定した環境条件は、25℃−50%RHであった。
【0249】
参考比較例3〜12
参考例3〜12における加熱処理を25℃で行なった以外は(つまり室温と同じ)参考例3〜12と全く同様にして評価をした。
【0250】
参考比較例13
比較例10と全く同様にして作製した電子写真感光体を用いた以外は参考例3と全く同様にして評価をした。
参考比較例14
参考比較例13において加熱処理を25℃で行なった以外は(つまり室温と同じ)参考比較例13と全く同様にして評価をした。参考例3〜12参考比較例3〜14の結果を表6に示す。
【0251】
【表6】
Figure 0003847376
【0252】
実施例49〜57、参考例13
実施例1〜9、参考例1と全く同様にして作製した電子写真感光体を実装用にした後、一部改造した複写機(リコー製:イマジオMF530)に搭載した。図4に示す温風ブロワと、排気装置を感光体の周囲に配置し、感光体温度が45℃±3℃になるようにセットした。環境条件は18℃−35%RHである。この状態で3万枚の連続コピーを行ない、1枚目と3万枚目の画像評価を行なった。
【0253】
比較例59〜67、参考比較例15
実施例49〜57、参考例13における温風加熱処理をしない他は、実施例49〜57、参考例13と全く同様にして評価した。
【0254】
比較例68
比較例10と全く同様にして作製した電子写真感光体を用いた他は実施例49と全く同様にして評価した。
比較例69
比較例68における温風加熱処理をしない他は、比較例68と全く同様にして評価した。実施例49〜57、参考例13と比較例59〜69、参考比較例15の結果を表7に示す。
【0255】
【表7】
Figure 0003847376
【0256】
実施例58〜66、参考例14
実施例1〜9、参考例1と全く同様にして作製した実装用の電子写真感光体を一部改造した複写機(リコー製:イマジオMF530)に搭載した。従動ローラ内にPTC特性を有する発熱体を設け、on−offにより、感光体温度が35℃±3℃になるようにセットした。環境条件は10℃−60%RHである。この状態で5万枚の連続コピーを行なった。評価方法としては、5万枚目の画像の地汚れを目視にて5段階に評価した。但し、ランク5を良、ランク1を否とする。
【0257】
比較例70〜78、参考比較例16
実施例58〜66、参考例14における温度コントロールを行なわない他は、実施例58〜66、参考例14と全く同様の評価を行なった。
【0258】
比較例79
比較例10と全く同様にして作製した電子写真感光体を用いた他は実施例58と全く同様の評価を行なった。
比較例80
比較例79における加熱処理をしない他は、比較例79と全く同様にして評価した。実施例58〜66、参考例14と比較例70〜80、参考比較例16の結果を表8に示す。
【0259】
【表8】
Figure 0003847376
【0260】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的に説明したように、本発明のプロセスは、前記構成からなるため、次のような顕著な効果を奏する。
(1)高分子電荷輸送材料を用いた感光体の繰り返し使用後の帯電特性の劣化を防ぐことができる。即ち、複写機、プリンタ等の画像濃度低下、画像濃度ムラ、或いは反転現像時においては、地汚れのない良好な画像を得ることができる。
(2)高温高湿度下での感光体雰囲気の相対湿度を下げ、画像ウスを防止することができる。
(3)低温時の感光体の結露及び低温低湿時の画像地汚れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト状感光体の加熱方法についての説明図である。
【図2】ベルト状感光体の加熱方法についての別の説明図である。
【図3】ベルト状感光体の加熱方法についての更に別の説明図である。
【図4】ベルト状感光体の加熱方法についての更に別の説明図である。
【図5】ローラを発熱体にした感光体の加熱方法である。
【図6】ローラを発熱体にした感光体の別の加熱方法である。
【図7】ドラム状感光体の加熱方法についての説明図である。
【図8】ドラム状感光体の別の加熱方法についての説明図である。
【図9】本発明で用いる代表的な感光体加熱装置の説明図であり、(a)は、全体の鳥瞰図、(b)は1部切り欠き図、(c)は横断面図である。
【図10】本発明の電子写真プロセスに用いる電子写真感光体の構成を示す断面図である。
【図11】本発明の電子写真プロセスに用いる電子写真感光体の別の構成を示す断面図である。
【図12】本発明の電子写真プロセスに用いる電子写真感光体の更に別の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
11 ベルト状感光体
12 従動ローラ
13 駆動ローラ
14 現像ローラ
15 フィルタ
16 カバー
17 ミラー
18 赤外線ランプ
19 温風ブロワ
1A 排気装置
1B オゾン除去部材
21 発熱ローラ
22 ヒートパイプ
23 抵抗過熱体
31 ドラム状感光体
32 メカニカルシール
33 回転用歯車
34 温度調節用液体の流れ
35 PTCを有する発熱体
41 加熱装置本体
42 遮光用パッキング
43 ドア
44 取っ手
45 蝶番
46 面状発熱体
47 ドラム受け治具
51 導電性支持体
52 感光層
53 下引き層
61 電荷発生層
62 電荷輸送層

Claims (10)

  1. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式1で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、R、Rは置換若しくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0<j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、又は環状脂肪族の2価基を表わす。
  2. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式2で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R、Rは置換若しくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表わし、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表わされる2価基を表わす。
    Figure 0003847376
    式中、R101、R102は各々独立して置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
    Figure 0003847376
    (式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
  3. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式3で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R、R10は置換若しくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
  4. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式4で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R11、R12置換若しくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基、pは1〜4の整数を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
  5. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式5で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R13、R14は置換若しくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X、Xは置換若しくは無置換のエチレン基、又は置換若しくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
  6. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式6で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
  7. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式7で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R19、R20は水素原子、置換若しくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
  8. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式8で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R21は置換若しくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
  9. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式9で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
  10. 電子写真感光体の使用中若しくは使用時外に画像形成装置内で行なう該電子写真感光体の加熱処理工程を含む電子写真画像形成方法であって、該電子写真感光体として導電性支持体から最も離れた最表層に下記一般式10で表わされる高分子電荷輸送材料を含有するものを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    Figure 0003847376
    式中、R26、R27は置換若しくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
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