JP2007072408A - 電子写真感光体、それを用いた画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体、それを用いた画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 画像特性に優れ、帯電時におけるオゾン、窒素酸化物などの発生を抑えた電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 光照射とバイアス印加による帯電手段を伴う画像形成プロセスに用いる電子写真感光体において、該電子写真感光体が導電性支持体(11)上に、少なくとも露光により、静電潜像形成の電荷を発生する電荷発生層1(13)、電子輸送物質を含有した電荷輸送層1(14)、露光により帯電電荷を発生する電荷発生層2(15)、正孔輸送物質を含有した電荷輸送層2(16)を順次積層した構成を有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】 図2

Description

本発明は、積層型の電子写真感光体、該電子写真感光体を具備する画像形成装置、該電子写真感光体を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法に関する。
一般に、「電子写真方法」とは、光導電性の感光体をまず暗所で例えばコロナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に散逸せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料などの着色剤と高分子物質などの結合剤とから構成される検電微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形成するようにした画像形成法の一つである。
このような電子写真方法において感光体に要求される基本的な特性としては
(1)暗所で適当な電位に帯電できること、
(2)暗所において電荷の散逸が少ないこと、
(3)光照射によって速やかに電荷を散逸できること、
などが挙げられる。
従来、電子写真方法において使用される感光体としては、導電性支持体上にセレンないしセレン合金を主体とする感光層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの無機系光導電材料をバインダー中に分散させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンあるいはアゾ顔料などの有機光導電材料とを用いたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの等が一般に知られているが、近年では、コストの低さ、感光体設計の自由度の高さ、低公害性等から有機系電子写真感光体が広く利用されるようになってきている。
有機系電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂型、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が注目されている。
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、上記基本特性を充分に満たすものが得られている。
近年、電子写真プロセスの高速化、小型化が進むなか、感光体に対して上記特性以外に長期繰返し使用に際しても高画質を保つことのできる信頼性及び高耐久性が強く要求されるようになっている。
感光体は、電子写真プロセスにおいて、様々な機械的、化学的負荷を受けている。このうち化学的負荷は、電子写真プロセスにおける帯電部から発生するオゾンや窒素酸化物等による影響が大きい。これらのオゾン、窒素酸化物等が帯電部で発生し、感光体表面へ吸着及び化学変化を引き起こす。帯電工程から発生したオゾンは、感光体を形成する結着樹脂や電荷輸送物質を酸化する。そして結着樹脂の分子鎖が切断され、さらにカルボン酸等の有機酸が生成される。また同様に発生した窒素酸化物等の放電生成物は空気中の水(水分子)と結合あるいは反応することにより電気導電性を有する物質となる。この物質及び前述した有機酸が感光体上に吸着した場合、感光体表面近傍が低抵抗化し、感光体上に形成された静電潜像が破壊されてしまう。その結果、現像工程の施された感光体上にはいわゆる画像流れ状態のトナー像が形成される。また、感光体上に吸着した放電生成物により感光体表面の摩擦係数の増加が一般に生じるが、その結果例えば感光体へのクリーニングブレード当接部位における力学的な負荷が増加し、さらに前述した感光体を形成する結着樹脂の分子鎖切断により、感光体摩耗が促進されてしまう。またこれらのオゾン、窒素酸化物など発生は、環境側面からも問題となる。
一般に、電子写真プロセスにおける帯電方法としては、コロナ帯電方法や接触帯電方法が使用されてきた。
コロナ帯電方法には、コロトロン方式とグリッドを有するスコロトロン方式があり、金属板で遮蔽されたハウジングの中央に帳架されたタングステンやニッケルのチャージワイヤーに、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加することによりコロナ放電を起こし、感光体を帯電する方法である。しかしこの方法では、チャージワイヤーに高電圧を印加するために、オゾンや窒素酸化物などが生成される。この生成物は、環境的側面ばかりでなく、感光体に対しても、耐久性や画像特性に対し、悪影響を及ぼすことが知られている。
近年、この方法に代わり、低オゾン、低電力を目的として、接触帯電方法が、実用化されてきている。接触帯電方法は、感光体に10〜1010Ω・cm程度の抵抗を持つ帯電部材に、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加し、感光体に加圧当接させ、電荷を付与する方法である。この帯電方法は、パッシェンの法則に従い、帯電部材から被帯電体への放電によって行なわれるため、あるしきい値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。この接触帯電方法は、コロナ帯電方法と比較すると、帯電部材への印加電圧は、低くなるが、放電が伴うために、少量のオゾン及び窒素酸化物が発生する。
このために、新たなる帯電方式として、感光体への電荷の直接注入による帯電方式(特許文献1)が開示されている。この帯電方式は、低抵抗な電荷注入層を感光体表面に設け、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電磁気ブラシ等の接触導電部材に電圧を印加し、電荷を接触により、注入帯電を行なう方式である。この帯電方式では、放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する感光体表面電位分のみである。そのために、従来の接触帯電方式と比べると、オゾン、窒素酸化物発生量が、非常に少なく、低電力の帯電方式である。これらの電荷注入帯電を行なうために感光体に設けられる電荷注入層は、樹脂中に、酸化すずなどの金属酸化物を分散させ、感光体の表面抵抗を下げている。しかし、このような感光体の表面抵抗は、使用される環境(温度、湿度)により、大きく変化し、安定した帯電が行なえなくなる。そのため機内環境を制御する方法として、機内でのヒーター等の設置が考えられるが、このようなヒーターを設置した場合、機械全体としての消費電力を大きくなる。
つぎに感光体に光照射し、生成された電荷を外部電界により、感光体表面に移動させ帯電させる帯電方式(特許文献2、特許文献3)が開示されている。この方式では、電荷注入帯電に比べ、オゾン、窒素酸化物等の発生はなく、且つ低電力で、さらには使用環境(温度、湿度)により、特性の変化が少なくなる。
しかし、これらの文献には、上記帯電方式による画像形成に用いる感光体に関しては、具体的には全く開示されていない。
特許文献4、特許文献5に示される帯電方式では、感光体として、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した構成の積層型電子写真感光体、及び導電性支持体上に単一感光層を設けた単層型電子写真感光体のような既存の電子写真感光体が使用される。この感光体は、帯電時に電荷が発生する層と潜像形成時に電荷を発生する層が同じであるために、帯電時の電荷発生から、潜像形成時の電荷発生までの時間が、限定され、小径高速化対応が不可能となる。
特許文献6に示される電子写真感光体では、導電性支持体上に帯電時に電荷を発生する層、電荷輸送層、潜像形成時に電荷を発生する層、表面端部に電極を有する構成である。この構成の感光体であれば、上記問題は解消される。この構成の感光体を帯電させるときには、表面端部電極に電圧を印加し電界を形成し、電荷を移動させる。この方法では、帯電を均一に行なうためには、最表層を低抵抗化させる必要がある。このような層を設けた場合、感光体表面に形成した潜像が拡がり、細線再現性や微細ドット再現性が低下する。
これらの不具合を解消するために、特許文献7で示される電子写真感光体では、導電性支持体上に潜像形成時に電荷発生する層、電荷輸送層、帯電時に電荷発生する層を設け、さらにそれぞれの電荷発生層の電荷発生材料を限定することにより、画像劣化しにくく、かつ効率的な帯電性を達成した。しかし長期的に使用した場合、徐々に帯電ムラなどの不具合が発生することが明らかとなった。
特開平6−003921号公報 特開平8−76559号公報 特開平9−26681号公報 特開平8−76559号公報 特開平9−26681号公報 特開2001−183853号公報 特許第3566275号公報
本発明は、画像特性に優れ、帯電時におけるオゾン、窒素酸化物などの発生を抑えた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供することをその課題とする。
上記課題は本発明の(1)〜(22)によって解決することができる。
(1)「光照射とバイアス印加による帯電手段を伴う画像形成プロセスに用いる電子写真感光体において、該電子写真感光体が導電性支持体上に、少なくとも露光により、静電潜像形成の電荷を発生する電荷発生層1、電子輸送物質を含有した電荷輸送層1、露光により帯電電荷を発生する電荷発生層2、正孔輸送物質を含有した電荷輸送層2を順次積層した構成を有することを特徴とする電子写真感光体」;
(2)「該電子写真感光体の最表層が、少なくとも正孔輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋層であることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体」;
(3)「該電子写真感光体の最表層が架橋層であり、該架橋層に用いられている正孔輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが、アクリレート化合物もしくはメタクリレート化合物であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真感光体」;
(4)「該電子写真感光体の最表層が架橋層であり、該架橋層に用いられている正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、アクリレート化合物もしくはメタクリレート化合物であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(5)「該電子写真感光体の最表層が架橋層であり、該架橋層に用いられている正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、トリアリールアミン構造を有することを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(6)「該電子写真感光体の最表層が架橋層であり、該架橋層に用いられている正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、1官能であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(7)「該電子写真感光体の最表層に、少なくともフィラーを含有することを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(8)「該電子写真感光体の最表層に含有されるフィラーが、無機フィラーであることを特徴とする前記(7)に記載の電子写真感光体」;
(9)「該電子写真感光体の最表層に含有される無機フィラーが、金属酸化物フィラーであることを特徴とする前記(8)に記載の電子写真感光体」;
(10)「該電子写真感光体の最表層に含有される金属酸化物フィラーが、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム中から選ばれる少なくとも一つの物質を含有すること特徴とする前記(9)に記載の電子写真感光体」;
(11)「該電子写真感光体の最表層に含有されるフィラーが、炭素を主成分とするフィラーであることを特徴とする前記(7)に記載の電子写真感光体」;
(12)「該電子写真感光体の最表層に含有される炭素を主成分とするフィラーが、ダイヤモンドフィラーであることを特徴とする前記(11)に記載の電子写真感光体」;
(13)「該電子写真感光体の最表層が、水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する膜であることを特徴とする前記(11)に記載の電子写真感光体」;
(14)「該電荷輸送層2の正孔輸送物質が、高分子正孔輸送物質であることを特徴とする前記(1)乃至(13)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(15)「該電荷輸送層2及び/又は該電子写真感光体の最表層が、正孔輸送物質及び電子輸送物質を含有することを特徴とする前記(1)乃至(14)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(16)「該電荷発生層1に含有される電荷発生物質と該電荷発生層2に含有される電荷発生物質とが異なり、且つそれぞれの電荷発生物質の最大光吸収波長が異なることを特徴とする前記(1)乃至(15)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(17)「該電荷発生層1に含有される電荷発生物質がフタロシアニン顔料であり、且つ電荷発生層2に含有される電荷発生物質がアゾ顔料であることを特徴とする前記(16)に記載の電子写真感光体」;
(18)「該電荷輸送層1の膜厚が10〜50μmであることを特徴とする前記(1)乃至(17)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(19)「該電荷輸送層2の膜厚が0.5〜10μmであることを特徴とする前記(1)乃至(18)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(20)「少なくとも光照射とバイアス印加による帯電手段と前記(1)乃至(19)のいずれかに記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする画像形成装置」;
(21)「少なくとも光照射とバイアス印加による帯電手段と前記(1)乃至(19)のいずれかに記載の電子写真感光体とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ」;
(22)「電子写真感光体を用い、少なくとも光照射とバイアス印加による帯電を伴う画像形成方法であって、該電子写真感光体として前記(1)乃至(19)のいずれかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法」。
本発明により、画像ムラがなく、画像濃度が高いなど、画像特性に優れ、帯電時におけるオゾン、窒素酸化物などの発生を抑制でき、しかも耐摩耗性に優れた電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明により、上記電子写真感光体を用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供することができる。
本発明は、光照射とバイアス印加による帯電手段を伴う画像形成プロセスに用いる電子写真感光体において、該電子写真感光体が導電性支持体上に、少なくとも露光により、静電潜像形成の電荷を発生する電荷発生層1、電子輸送物質を含有した電荷輸送層1、露光により帯電電荷を発生する電荷発生層2、正孔輸送物質を含有した電荷輸送層2を順次積層した構成を有することを特徴とする電子写真感光体に関するものである。
このような電子写真感光体を用いて画像形成を行なった場合には、長期的使用においても画像安定性に優れた高画質の画像を形成することができ、また該電子写真感光体の帯電時におけるオゾン、窒素酸化物などの発生を抑制することができる。
先ず本発明における画像形成メカニズムについて説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を示す基本的な構成例である。導電性支持体(11)上に電荷発生層1(13)、電荷輸送層1(14)、電荷発生層2(15)、電荷輸送層2(16)を順次積層した構造を有する。
ここで電荷発生層1は、露光により静電潜像を形成するための電荷を発生する層である。電荷発生層2は、露光により帯電を行なうための電荷を発生する層である。電荷輸送層1は、正孔輸送物質を含有し、帯電時に電荷発生層2で発生した正孔を導電性基体側に輸送し、静電潜像形成時に電荷発生層1で発生した正孔を感光体表面側に輸送するために設けられた層である。電荷輸送層2は、電子輸送物質を含有し、帯電時に電荷発生層2で発生した電子を表面側に輸送するための層である。電荷輸送層2は、静電潜像形成時にも電荷発生層1で発生した正孔を表面側に輸送する必要がある。そのため電荷輸送層2は電子輸送物質と正孔輸送物質を含有していることが好ましい。
図2は、図1で示した電子写真感光体を用いた画像形成メカニズムを示したものである。
図2で示すように、先ず帯電用露光装置(21)により露光波長λのLDやLED光を感光体に一様に露光し、電荷発生層2で、電荷が発生する。そしてこの露光と同時に、接触もしくは近接配置されたバイアス印加部材(22)にマイナスバイアスを印加する。
このため感光体には、接触もしくは近接配置されたバイアス印加部材(22)と導電性支持体(11)との間で、電界が形成され、その電界によって、正孔(24)と電子(25)が分離し、正孔(24)は、感光体表面に、電子(25)は導電性支持体に移動する。そして、感光体表面には、均一なプラスのチャージシートが形成される。
次に、画像信号書き込み(露光)装置(23)により画像信号に従い、露光波長λのLD及びLED光を感光体に露光し、電荷発生層1(13)で、書き込み信号に従い電荷が発生する。ここで、発生した電荷は、帯電により形成されている電界に従い、電子(25)は感光体表面に、正孔(24)は導電性支持体側に移動する。感光体表面で、正孔(24)と電子(25)が再結合し、静電潜像が形成される。
ここで、露光されるλおよびλは、異なった波長であることが好ましく、またそれに対応して電荷発生層1(13)と電荷発生層2(15)としては、それぞれ異なった吸収波長域を有する電荷発生物質を使用することが好ましい。またここで、接触もしくは近接配置されたバイアス印加部材(22)に印加されるバイアスは、パッシェンの法則にしたがった放電開始電圧以下のバイアスを印加する。放電開始電圧は、感光層の誘電率及び感光層膜厚により求められる静電容量から決定される。本システムでは、感光体表面電位と接触もしくは近接配置されたバイアス印加部材(22)の表面電位差が、放電開始電圧以上になったときに放電する。
以下、本発明に用いられる電子写真感光体を図面により説明する。
図1は、前記したように本発明の電子写真感光体の基本的な構成例を示す断面図である。
図3は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(11)上に、下引き層(12)、電荷発生層1(13)、電荷輸送層1(14)、電荷発生層2(15)、電荷輸送層2(16)を順次積層した構造を有する。
図4は、本発明の電子写真感光体のまた別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(11)上に、電荷発生層1(13)、電荷輸送層1(14)、電荷発生層2(15)、電荷輸送層2(16)、表面保護層(17)を順次積層した構造を有する。
本発明の感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層1、電荷輸送層1、電荷発生層2、電荷輸送層2を有する構成のものであればよく、その他の層等が任意に組み合わされていても構わない。
導電性支持体としては、体積抵抗1×1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
次に電荷発生層1について説明する。
電荷発生層1は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層1には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
中でもフタロシアニン顔料および/またはアゾ顔料が有効に用いられる。
特にフタロシアニン顔料は、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ガリウムクロロフタロシアニン、メタルフリーフタロシアニン、銅フタロシアニンなどが有効に使用できる。
またアゾ顔料は、下記一般式(1)で表わされるアゾ顔料が特に有効に使用できる。
Figure 2007072408

式中、Cp、Cpはカップラー残基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表わし、同一でも異なっていてもよい。またCp、Cpは下記(2)式で表わされ、
Figure 2007072408

式中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表わす。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表わし、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表わす。
電荷発生層1は、結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
電荷発生層1に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層1の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
次に電荷輸送層1について説明する。
電荷輸送層1は、電子輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層1上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電子輸送物質の量は、結着樹脂100重量部に対し、10〜100重量部、好ましくは20〜70重量部が適当である。
また、電荷輸送層1の膜厚は帯電性、応答性、画質の点から、10〜50μmであることが望ましい。本プロセスにおける帯電性は、感光層の静電容量(誘電率及び膜厚)が重要となる。通常、感光層膜厚が大きくなるほど、感光層の静電容量は小さくなり、パッシェンの法則より、放電開始電圧は大きくなる。本プロセスは、帯電時のNOx及びオゾンなどの生成を抑制するために、帯電部材に放電開始電圧以下の電圧を印加する。本システムにおける放電開始電圧とは、放電開始時の感光体表面電位と帯電部材の表面電位差である。そのため感光層膜厚が大きくなり、帯電部材に印加できるバイアスと感光体の表面電位は大きくすることが可能となる。本プロセスにおいて感光層の静電容量を小さくする手段として、電荷輸送層1及び電荷輸送層2の膜厚を大きくすることが考えられる。
しかし、電荷輸送層2は、正孔及び電子を両方輸送する必要があるため、現状使用できる材料系では、膜中に電荷トラップが形成されやすいため、電荷輸送層2の膜厚を大きくすると残留電位上昇などの不具合が発生する。そのために感光体の静電容量を小さくする有効な手段としては、電荷輸送層1の膜厚により、制御することが好ましい。本システムにおいて、安定した感光体表面電位を得るためには、少なくとも電荷輸送層1の膜厚は、10μm以上あることが好ましい。一方、電荷輸送層1の膜厚が大きくなるほど、静電潜像形成の電荷が表面側に移動するときに、それぞれの電荷が反発しあい、静電潜像が拡散しやすくなり、画質低下の要因となる。そのために電荷輸送層1の膜厚は、50μm以下であることが好ましい。また電荷輸送層2の膜厚は、0.5〜10μmであることが好ましい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。
本発明の感光体の場合、その電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
電荷発生層2は、前記電荷発生層1に示した材料、製法、塗工方法が用いられる。
電荷発生層2の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷発生層1及び2とも使用される電荷発生材料は限定されるものではない。しかし電荷発生層1及び2で使用される電荷発生材料は異なり、最大吸収波長が異なる材料が好ましい。その中でも、780nmの光に対して光吸収率高いチタニルフタロシアニン系顔料と655nmの光に対して光吸収率が高いアゾ系材料を用いることが好ましい。特に光吸収波長域から、潜像形成の電荷発生は780nmの光を用いて、帯電の電荷発生は655nmの光を用いることが好ましく、この場合は、電荷発生層1にチタニルフタロシアニン顔料を用い、電荷発生層2にアゾ顔料を用いることが望ましい。図5に電荷発生層1に用いるチタニルフタロシアニン顔料と電荷発生層2に用いられる下記構造のアゾ顔料の分光感度スペクトルを示す。
Figure 2007072408
電荷輸送層2は、正孔輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層2上に塗布、乾燥することにより形成できる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
正孔輸送物質の量は、結着樹脂100重量部に対し、好ましくは20〜300重量部、より好ましくは40〜150重量部が適当である。
正孔輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子正孔輸送物質も良好に使用される。
本発明に用いられる高分子正孔輸送物質として、下記一般式1〜10で表わされる高分子正孔輸送物質が有効に用いられる。一般式1〜10で表わされる高分子正孔輸送物質を以下に例示し、具体例を示す。
Figure 2007072408

式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基を表わす。
Figure 2007072408
式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
Figure 2007072408
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
一般式1の具体例
、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
アルキル基として好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ブチル基、i-ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表わすがそのアルキル基の具体例としては上記のR、R、Rと同様のものが挙げられる。
、Rは置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
上述のアリール基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、上記のR、R、Rと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)としては、R105は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
Figure 2007072408
一般式(B)のジオール化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオールが挙げられる。
また、芳香環を有するジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジッフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール-ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
Figure 2007072408

式中、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリーレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
一般式2の具体例
、Rは置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、または、
Figure 2007072408
ここで、Wは−O−,−S−,−SO−,−SO−,−CO−及び以下の2価基を表わす。
Figure 2007072408
cは1〜12の整数
Figure 2007072408
dは1〜3の整数
Figure 2007072408
eは1〜3の整数
Figure 2007072408
fは1〜3の整数で表わされる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar、ArおよびArで示されるアリーレン基としてはRおよびRで示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。また、これら置換基は上記一般式中のR106、R107、R108の具体例として表わされる。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C18、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR109)としては、R109は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
Figure 2007072408
式中、R110及びR111は各々独立に(2)で定義したアルキル基またはアリール基を表わし、アリール基としては例えばフェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基が挙げられ、これらはC〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。またアリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、またはメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基、等が挙げられる。
Xは下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
Figure 2007072408

一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
Figure 2007072408

式中、R、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリーレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
一般式3の具体例
、R10は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar、Ar、およびArで示されるアリーレン基としてはRおよびR10で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR112)としては、R112は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
Figure 2007072408

一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
Figure 2007072408
一般式4

式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリーレン基、sは1〜5の整数を表わす。X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
一般式4の具体例
11、R12は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar、Ar、およびArで示されるアリーレン基としてはR11およびR12で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR113)としては、R113は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
Figure 2007072408

一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
Figure 2007072408

式中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリーレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
一般式5の具体例
13、R14は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar10、Ar11およびAr12で示されるアリーレン基としてはR13およびR14で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR114)としては、R114は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、置換もしくは無置換のビニレン基を表わし、この置換基としては、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、上記R13、R14のアリール基、上記(2)のアルキル基が挙げられる。
Xは下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
Figure 2007072408

一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
Figure 2007072408

式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリーレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
一般式6の具体例
15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar13、Ar14、Ar15および Ar16で示されるアリーレン基としては、R15、R16、R17およびR18で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR115)としては、R115は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基、を表わし同一であっても異なってもよい。
アルキレン基としては、上記(2)で示したアルキル基より誘導される2価基を表わす。具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基等を挙げることができる。
シクロアルキレン基としては、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロへキシレン基、1,1−シクロオクチレン基等を挙げることができる。
アルキレンエーテル基としては、ジメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
Xは下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
Figure 2007072408

一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
Figure 2007072408

式中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリーレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
一般式7の具体例
19、R20は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、R19、R20は環を形成する場合、9−フルオリニリデン、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘブテニリデンなどが挙げられる。
また、Ar17、Ar18およびAr19で示されるアリーレン基としてはR19およびR20で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR116)としては、R116は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
Figure 2007072408

一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
Figure 2007072408
一般式8

式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリーレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
一般式8の具体例
21は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar20、Ar21、Ar22およびAr23で示されるアリーレン基としてはR21で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR117)としては、R117は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
一般式(J)
Figure 2007072408

一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
Figure 2007072408
一般式9

式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリーレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
一般式9の具体例
22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27およびAr28で示されるアリーレン基としては、R22、R23、R24およびR25で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR118)としては、R118は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
Figure 2007072408

一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
Figure 2007072408
一般式10

式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリーレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
一般式10の具体例
26、R27は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基として、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ [a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基として、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar29、Ar30およびAr31で示されるアリーレン基としてはR26およびR27で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基としては、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR119)としては、R119は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
Figure 2007072408
Figure 2007072408

一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
さらに電荷輸送層2は、電荷輸送層1に示した電子輸送物質が含有されていることが好ましい。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
また、電荷輸送層2の膜厚は帯電性、帯電安定性の点から、前記したように0.5〜10μmであることが望ましい。電荷輸送層2の膜厚が0.5μm未満の場合、長期的使用時における帯電ムラが発生しやすく、10μmより厚くになると残留電位上昇などの問題が発生する。
次に、本発明の架橋型の最表層について説明する。
本発明の架橋型の最表層は、単独で電荷輸送層2として用いるか、もしくは前記電荷輸送層2上に製膜される。
本発明に用いられる正孔輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
Figure 2007072408
ただし、式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R36)−基(R36は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、または−S−基を表わす。
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
Figure 2007072408
ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR37基(R37は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR3839(R38およびR39は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、Xは上記1−置換エチレン官能基の式中のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y、Xの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX、X、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
正孔輸送性構造を有しない3官能以上の具体的なラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
また、本発明に用いられる正孔輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、架橋表面層形成成分全量に対し好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%である。モノマー成分が20重量%未満では架橋表面層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80重量%より多いと電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるため一概にはいえないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
本発明に用いられる正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造を有しており、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
また、正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、官能基が、2官能以上の多官能のものを使用することができるが、膜質及び静電特性的に、1官能であるものが好ましい。これは、2官能以上の正孔輸送性化合物を用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるが、正孔輸送性構造が非常に嵩高いため硬化樹脂中に歪みが発生し架橋表面層の内部応力が高くなり、キャリア付着等でクラックや傷の発生を引き起こしやすくなる。5μm以下の膜厚の場合、特に問題とはならないが、5μmを越える膜を形成した場合、電荷輸送層2の内部応力が非常に高くなり、架橋直後にクラックが発生しやすくなる。
また静電的特性においても、2官能以上の正孔輸送性化合物を用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こしやすくなる。これらの電気的特性の劣化は、画像濃度低下、文字の細り等の画像として現れる。このようなことから、正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、1官能の正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用い、架橋結合間にペンダント状に固定化することにより、クラックや傷の発生、及び静電的特性の安定化が可能となる。
また、正孔輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が効果が高い。また官能基数が1つであるものが好ましく、さらには下記一般式11又は12の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
Figure 2007072408
Figure 2007072408

式中、R28は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR29(R29は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR3031(R30及びR31は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar32、Ar33は置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar34、Ar35は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。
以下に、一般式11、12の具体例を示す。
前記一般式11、12において、R28の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていてもよい。
28の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
Ar34、Ar35は置換もしくは無置換のアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar34、Ar34で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C〜C12、とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR32)であり、R32は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
Figure 2007072408
(式中、R33及びR34は各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R33及びR34は共同で環を形成してもよい)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Ar32、Ar33で表わされるアリーレン基としては、前記Ar34、Ar35で表わされるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C〜Cの環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基を有していてもよい。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
Figure 2007072408

または、
Figure 2007072408

で表わされ、
35は水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar34、Ar35で表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。
前記Zは置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。
置換もしくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
また、本発明の1官能の正孔輸送構造を有するラジカル重合性化合物として更に好ましくは、下記一般式13の構造の化合物が挙げられる。
Figure 2007072408
一般式13

(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なってもよい。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 2007072408
を表わす。)
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明で用いる上記一般式11及び12、特に13の1官能性の正孔輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、正孔輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
次に、本発明のフィラーを含有する最表層について説明する。
最表層にフィラーを添加する目的として、耐摩耗性の向上があげられる。本発明のフィラーを含有する最表層は、単独で電荷輸送層2として用いるか、もしくは前記電荷輸送層2上に製膜される。
添加されるフィラーは、有機系及び無機系のフィラーが添加される。
有機系フィラーとしては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂フィラー、シリコーン樹脂フィラー、炭素を主成分とするフィラー等が挙げられ、無機系フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化珪素、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、この中でも無機材料もしくは炭素を主成分とするフィラー材料を用いることが有利である。特に無機材料では金属酸化物が良好であり、さらには、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等が有効に使用できる。さらに炭素を主成分とするフィラーでは、ダイヤモンドフィラーが有効に使用できる。
最表層のフィラー濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。その下限値は、通常、5重量%である。
また、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、分散液中でのフィラーの平均粒径は、1μm以下、好ましくは0.5μm以下にあることが最表層の透過率の点から好ましい。
また表面保護層としては、水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する膜であることが好ましい。
水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する表面保護層は、好ましくはSP軌道を有するダイヤモンドと類似のC−C結合を有する方が望ましい。なお、SP軌道を有するグラファイトと類似の構造を持つ膜でも構わないし、更に非晶質性のものでも構わない。
水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する表面保護層の添加物元素は、窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素が含有されていることが望ましい。
表面保護層の体積抵抗は、10〜1012Ω・cmであることが望ましい。
水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する表面保護層を作製するときには、炭化水素ガス(メタン、エタン、エチレン、アセチレン等)を主材料として、H、Ar等のキャリアガスを用いる。更に、添加物元素を供給するガスとしては、減圧下で気化できるもの、加熱することにより気化できるものであれば構わない。例えば窒素を供給するガスとしてNH、N等を用い、フッ素を供給するガスとしてC、CHF等を用い、硼素を供給するガスとしてはB等を用い、リンを供給するガスとしてはPH等を用い、塩素を供給するガスとしてはCHCl、CHCl、CHCl、CCl等を用い、臭素を供給するガスとしてはCHBr等を用い、沃素を供給するガスとしては、CHI等を用いることができる。また、添加物元素を複数供給するガスとしては、NF、BCl、BBr、BF、PF、PCl等を用いる。上記のようなガスを用い、プラズマCVD法、グロー放電分解法、光CVD法などやグラファイト等をターゲットとしたスパッタリング法等により形成される。特にその製膜法は限定されるものではないが、保護層として良好な特性を有する炭素を主成分とする膜を形成する方法として、プラズマCVD法でありながらスパッタ効果を伴わせつつ製膜させる方法(特開昭58−49609号公報)等が知られている。
プラズマCVD法を利用した炭素を主成分とする保護層の製膜法では、支持体を特に加熱する必要がなく、約150℃以下の低温で被膜を形成できるため、耐熱性の低い有機系感光層上に保護層を形成する際にも、何ら支障がないというメリットがある。
これらの表面保護層膜厚は、1.0〜10.0μmであることが望ましい。
本発明の感光体においては、導電性支持体と電荷発生層1との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
この下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明では、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤およびレベリング剤を添加することができる。また塗工液中のフィラー分散性向上のために分散安定剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)フェノ−ル系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ-3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロ−ル類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネ−トなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’チオビス(4−t-オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
次に図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
図6は、本発明の電子写真装置を説明するための概略図である。
図6において、電子写真感光体(31)は、導電性支持体上に、電荷発生層1、電荷輸送層1、電荷発生層2、電荷輸送層2を設けた構造を有する。
帯電部(32)は、電子写真感光体(31)と接触及び近接配置される。この帯電部は、バイアスを印加することが可能である部材(バイアス印加部材)及び帯電用の電荷発生を行なわせるための露光を行なうLDもしくはLED(帯電用露光装置)で構成するのが好ましい。しかしながら、光源をLDやLEDに限定するわけではなく、蛍光灯やキセノンランプ等の光源を用いても構わない。加えて前記蛍光灯やキセノンランプ等の光源と電荷発生層1が吸収する波長のフィルターを用いてもよい。ここでバイアス印加部材は、帯電用露光を行なう光を透過させる必要があるのと同時に、電荷発生層2によって生成されたホールが電荷輸送層を移動し終わるまでの時間(トランジットタイム)だけ感光体層中に電場を形成し続けることができなくてはならない。このような状態を実現できるバイアス印加部材としては例えば図7、図8に示すようなものが挙げられる。
まず、感光体に対して接触するバイアス印加部材としては、図7に示すもののように露光波長に対して透過性を有するシリコーンエラストマやウレタンラバーなどで構成されるローラ中に導電性を付与するための酸化金属やカーボン等のフィラーを適量分散させたものが使用できる。たとえば、低硬度シリコーンエラストマ中に酸化チタン微粒子をフィラーとして含有したローラ表面を、同じくフィラー等により導電性の付与されたフッ素系樹脂保護膜によって被覆したローラをバイアス印加部材として使用することもできる。このバイアス印加部材としてのローラ(以下、バイアス印加ローラ)を感光体へ適当な押圧力により当接させることで、バイアス印加ローラを変形させて感光体とのニップを形成する。充分な帯電効果を得るためには、このニップ幅(感光体移動方向でのニップ領域長さ)は、感光体移動速度と上記トランジットタイムとの積から求められる長さ以上であることが好ましい。
また、感光体に対して非接触のバイアス印加部材としては、図8に示すもののようにガラス基板上にITO膜(43)を形成した部材を利用することができる(以下、バイアス印加プレート)。バイアス印加プレートの形状を感光体曲率とほぼ同じとし、感光体表面から例えば数百μmのギャップを保持した状態で設置することで実現できる。充分な帯電効果を得るためには、バイアス印加プレートの感光体移動方向における長さは、感光体移動速度と上記トランジットタイムとの積から求められる長さ以上であることが好ましい。
画像信号書き込み(露光)部(33)は、LDもしくはLED等が用いられる。ここで用いられる光源の露光波長は、前記帯電用露光装置に用いられているものと異なる必要がある。この画像書き込み部で感光体表面に静電潜像を形成する。
感光体表面に静電潜像を形成した後、現像部(34)で、トナー像を形成する。感光体表面に形成されたトナー像は、転写部(35)により紙などの転写部材へ転写される。その後、定着を経てハードコピーとなる。電子写真感光体(31)上の残留トナーはクリーニング部(36)により除去され、次の電子写真サイクルに移る。
本画像形成方法及び感光体を用いる電子写真プロセスは、上記一例に限定されるものではなく、少なくとも、帯電及び露光により、静電潜像を形成するプロセスであれば、どのようなものであってもかまわない。
以上に示すような画像形成方法は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら画像形成装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの装置(部品)であり、画像形成装置本体に着脱自在な構成を有するものである。
以下本発明を実施例及び比較例により説明するが、これにより本発明の態様が限定されるものではない。
実施例1
〔下引き層〕
Al製支持体(外径100mmφ)に、下記塗工液を用いて乾燥後の膜厚が1.0μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
(塗工液)
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL:大日本インキ化学工業)
メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60:大日本インキ化学工業)
酸化チタン(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン
<混合比(重量)>
アルキッド樹脂/メラミン樹脂/酸化チタン/メチルエチルケトン
=3/2/20/100
〔電荷発生層1〕
この下引き層上にオキソチタニウムフタロシアン顔料を含む下記電荷発生層1用塗工液に浸漬塗工し、110℃、20分、加熱乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層1を形成した。
(塗工液)
オキソチタニウムフタロシアニン顔料
ブチラール樹脂(エスレックBMS:積水化学社製)
テトラヒドロフラン
<混合比(重量)>
オキソチタニウムフタロシアニン顔料/ポリビニルブチラール
/テトラヒドロフラン=5/2/80
〔電荷輸送層1〕
この電荷発生層1上に下記構造の電子輸送物質を含む下記電荷輸送層1用塗工液を用いて、浸積塗工し、130℃、20分加熱乾燥させ、膜厚20μmの電荷輸送層とした。
(塗工液)
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート(パンライトTS2050:帝人化成社製)
下記構造の電子輸送物質
Figure 2007072408
テトラヒドロフラン
<混合比(重量)>
ポリカーボネート/電子輸送物質/テトラヒドロフラン=10/3/75
〔電荷発生層2〕
この電荷輸送層1上に下記構造のアゾ顔料を含む下記電荷発生層2用塗工液を用いて、スプレー塗工し、140℃、20分、加熱乾燥させ、膜厚0.5μmの電荷発生層2とした。
(塗工液)
ブチラール樹脂(エスレックBMS:積水化学社製)
下記構造のアゾ顔料
Figure 2007072408
テトラヒドロフラン
シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
アゾ顔料/ポリカーボネート/テトラヒドロフラン
/シクロヘキサノン=5/2/160/160
〔電荷輸送層2〕
この電荷発生層2上に下記構造の正孔輸送物質を含む下記電荷輸送層2用塗工液を用いて、スプレー塗工し、150℃、20分加熱乾燥させ、膜厚5μmの電荷輸送層2とし、感光体を作製し、評価を行なった。
(塗工液)
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート(パンライトTS2050:帝人化成社製)
下記構造の正孔輸送物質
Figure 2007072408
テトラヒドロフラン
シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
ポリカーボネート/正孔輸送物質/テトラヒドロフラン
/シクロヘキサノン=10/7/320/80
実施例2
実施例1の電荷輸送層2塗工液を下記構成の塗工液とし、下記条件で製膜する以外は全て実施例1と同じにして、感光体を作製し、評価した。
〔電荷輸送層2〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
KAYARAD TMPTA(日本化薬製)
下記構造の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
Figure 2007072408
光重合開始剤 0.5部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 80部
〔製膜方法〕
塗工方法 : スプレー塗工
架橋方法 : UV照射
光照射後の乾燥 : 130℃、20min
膜厚 : 4.2μm
実施例3
実施例1の電荷輸送層2上に以下に説明するプラズマCVD装置を用いて表面保護層を形成する以外は、すべて実施例1と同じにして、電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
電荷発生層2までを設けた電子写真感光体を図9〜図11に示すようなプラズマCVD装置にセットし、表面保護層を形成した。ここで図9中、(107)はプラズマCVD装置の真空槽であり、ゲート弁(109)によりロード/アンロード用予備室(117)と仕切られている。真空槽(107)内は排気系(120)(圧力調整バルブ(121)、ターボ分子ポンプ(122)、ロータリーポンプ(123)よりなる)により真空排気され、また一定圧力に保たれるようになっている。
真空槽(107)内には反応槽(150)が設けられている。反応槽は図10、図11に示すような枠状構造体(102)(電極側より見て四角又は六角形状を有している)と、この両端の開口部を覆うようにしたフード(108、118)、更にこのフード(108、118)に配設された一対の同一形状を有する第一及び第二の電極(103、113)(アルミニウム等の金属メッシュを用いている)より構成されている。(130)は反応槽(150)内へ導入するガスラインを示しており、各種材料ガス容器が接続されており、それぞれ流量計(129)を経てノズル(125)より反応槽(150)の中へ導入される。
枠状構造体(102)中には、前記感光層を形成した支持体〔101(101−1、101−2…101−n)〕が図10、図11のように配置される。なおこのそれぞれの支持体は、後述するように第三の電極として配置される。電極(103、113)には、それぞれ第一の交番電圧を印加するための一対の電源〔115(115−1、115−2)〕が用意されている。第一の交番電圧の周波数は、1〜100MHzである。これらの電源は、それぞれマッチングトランス(116−1、116−2)とつながる。このマッチングトランスでの位相は位相調整器(126)により調整し、互いに180°又は0°ずれて供給できる。即ち、対称型又は同相型の出力を有している。マッチンズトランスの一端(104)及び他端(114)は、それぞれ第一及び第二の電極(103、113)に連結されている。また、トランスの出力側中点(105)は接地レベルに保持されている。更に、この中点(105)と第三の電極、即ち支持体〔101(101−1、101−2…101−n)〕又はそれらに電気的に連結するホルダ(102)の間に第二の交番電圧を印加するための電源(119)が配設されている。この第二の交番電圧の周波数は、1〜500KHzである。この第一及び第二の電極に印加する第一の交番電圧の出力は、13.56MHzの周波数の場合0.1〜1KWであり、第三の電極即ち支持体に印加する第二の交番電圧の出力は、150KHzの周波数の場合約100Wである。
以下の条件で、表面保護層を製膜した。
流量 : 90sccm
流量 : 150sccm
NF流量 : 45sccm
反応圧力 : 0.02torr
第一の交番電圧出力 : 200W 13.56MHz
バイアス電圧(直流分): −100V
膜厚 : 2.0μm
実施例4
実施例1の電荷輸送層2塗工液を下記条件とする以外は、すべて実施例1と同様にして感光体を作製し、評価を行なった。
〔電荷輸送層2〕
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート
実施例1の正孔輸送物質
実施例1の電子輸送物質
テトラヒドロフラン
シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
ポリカーボネート/正孔輸送物質/電子輸送物質/テトラヒドロフラン
/シクロヘキサノン=10/5//2/320/80
実施例5
実施例4の電荷輸送層2塗工液中のポリカーボネートを下記構造の高分子正孔輸送物質とする以外は、全て実施例1と同様にして感光体を作製し、評価を行なった。
Figure 2007072408
n=120〜140
実施例6
実施例5の電荷輸送層2塗工液を下記条件とする以外は、すべて実施例1と同様にして感光体を作製し、評価を行なった。
〔電荷輸送層2〕
実施例5の高分子正孔輸送物質
実施例1の電子輸送物質
シリカフィラー(KMPX100:信越化学製)
テトラヒドロフラン
シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
高分子正孔輸送物質/電子輸送物質/シリカフィラー
/テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン=5/2/3/250/70
実施例7
実施例6の電荷輸送層2塗工液中のシリカフィラーを下記のダイヤモンドフィラーにする以外は、全て実施例1と同様にして、電荷輸送層2を設け、感光体を作製し、評価を行なった。
ダイヤモンドフィラー(ナノダイヤモンド:北京国瑞昇科技有限公司製)
実施例8
実施例5の電荷輸送層2塗工液を下記条件とする以外は、すべて実施例1と同様にして感光体を作製し、評価を行なった。
〔電荷輸送層2〕
実施例5の高分子正孔輸送物質
実施例1の電子輸送物質
アルミナフィラー(AA03:住友化学製)
テトラヒドロフラン
シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
高分子正孔輸送物質/電子輸送物質/シリカフィラー
/テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン=5/2/3/250/70
比較例1
電荷輸送層2を設けず、電荷発生層2を下記条件のものとする以外は、すべて実施例1と同様にして、感光体を作製し、評価を行なった。
〔電荷発生層2〕
電荷輸送層1上に実施例1のアゾ顔料を含む下記電荷発生層2用塗工液を用いて、スプレー塗工し、140℃、20分、加熱乾燥させ、膜厚5μmの電荷発生層2とした。
(塗工液)
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート(パンライトTS2050:帝人化成社製)
実施例1のアゾ顔料
テトラヒドロフラン
シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
アゾ顔料/ポリカーボネート/テトラヒドロフラン
/シクロヘキサノン=5/2/100/40
以上のように作製した感光体を、図6で示したバイアス印加部材と655nmのLEDを露光光源とした露光帯電部材を搭載し、プラス帯電用に改造したイマジオMF7070(画像書き込み露光光源…780nmLD)を用いて、50万枚の通紙試験(A4)を行なった。
評価は、画像評価(ハーフトーン画像、S3チャート)、摩耗量評価を行なった。結果を表1、2、3に示す。
Figure 2007072408
○:良好、△:局所的に発生、×:画像領域全体に発生
Figure 2007072408
○:良好、△:やや濃度低下、×:濃度低下
Figure 2007072408
実施例1、実施例4、実施例5、比較例1は、各々電荷輸送層2、電荷発生層2が摩耗により、消失したため、試験を中止した。
本発明の感光体の構成の1例を示す説明断面図である。 本発明の感光体を用いた帯電及び潜像形成メカニズムの説明するための図である。 本発明の感光体の別の構成の1例を示す説明断面図である。 本発明の感光体のまた別の構成の1例を示す説明断面図である。 本発明の電荷発生層1及び2で使用される顔料の分光感度を示す。 本発明の感光体を用いた画像形成装置の1つの例についての説明構成図である 本発明の帯電部に使用されるバイアス印加部材(バイアス印加ローラ)の1つの例についての説明構成図である。 本発明の帯電部に使用されるバイアス印加部材(バイアス印加プレート)の他の例についての説明構成図である。 水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造よりなる保護層を形成する際に用いるプラズマCVD装置の具体例の説明図である。 プラズマCVD装置の枠状構造体102の平面図である。 別のプラズマCVD装置の枠状構造体102の平面図である。
符号の説明
11 導電性支持体
12 下引き層
13 電荷発生層1
14 電荷輸送層1
15 電荷発生層2
16 電荷輸送層2
17 表面保護層
21 帯電用露光装置
22 バイアス印加部材
23 画像信号書き込み(露光)装置
24 +電荷(ホール、正孔)
25 −電荷(電子)
31 電子写真感光体
32 帯電部
33 画像信号書き込み(露光)部
34 現像部
35 転写部
36 クリーニング部
41 金属製ローラ芯金
42 光透過型導電性弾性部材
43 ITO膜
101−1〜101−n 支持体
102 枠状構造体
103、113 電極
104、114 マッチングトランスの端部
105 トランス出力側中点
107 真空槽
108、118 フード
109 ゲート弁
115 電源
116−1、116−2 マッチングトランス
117 ロード/アンロード用予備室
119 電源
120 排気系
121 調整バルブ
122 ターボ分子ポンプ
123 ロータリーポンプ
125 ガス導入ノズル
126 位相調整器
129 流量計
130〜134 ガスライン
140 交番電源系
150 反応槽






Claims (22)

  1. 光照射とバイアス印加による帯電手段を伴う画像形成プロセスに用いる電子写真感光体において、該電子写真感光体が導電性支持体上に、少なくとも露光により、静電潜像形成の電荷を発生する電荷発生層1、電子輸送物質を含有した電荷輸送層1、露光により帯電電荷を発生する電荷発生層2、正孔輸送物質を含有した電荷輸送層2を順次積層した構成を有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 該電子写真感光体の最表層が、少なくとも正孔輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋層であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 該電子写真感光体の最表層が架橋層であり、該架橋層に用いられている正孔輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが、アクリレート化合物もしくはメタクリレート化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 該電子写真感光体の最表層が架橋層であり、該架橋層に用いられている正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、アクリレート化合物もしくはメタクリレート化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 該電子写真感光体の最表層が架橋層であり、該架橋層に用いられている正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、トリアリールアミン構造を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 該電子写真感光体の最表層が架橋層であり、該架橋層に用いられている正孔輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、1官能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 該電子写真感光体の最表層に、少なくともフィラーを含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 該電子写真感光体の最表層に含有されるフィラーが、無機フィラーであることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 該電子写真感光体の最表層に含有される無機フィラーが、金属酸化物フィラーであることを特徴とする請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 該電子写真感光体の最表層に含有される金属酸化物フィラーが、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム中から選ばれる少なくとも一つの物質を含有すること特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 該電子写真感光体の最表層に含有されるフィラーが、炭素を主成分とするフィラーであることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。
  12. 該電子写真感光体の最表層に含有される炭素を主成分とするフィラーが、ダイヤモンドフィラーであることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
  13. 該電子写真感光体の最表層が、水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する膜であることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
  14. 該電荷輸送層2の正孔輸送物質が、高分子正孔輸送物質であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の電子写真感光体。
  15. 該電荷輸送層2及び/又は該電子写真感光体の最表層が、正孔輸送物質及び電子輸送物質を含有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電子写真感光体。
  16. 該電荷発生層1に含有される電荷発生物質と該電荷発生層2に含有される電荷発生物質とが異なり、且つそれぞれの電荷発生物質の最大光吸収波長が異なることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体。
  17. 該電荷発生層1に含有される電荷発生物質がフタロシアニン顔料であり、且つ電荷発生層2に含有される電荷発生物質がアゾ顔料であることを特徴とする請求項16に記載の電子写真感光体。
  18. 該電荷輸送層1の膜厚が10〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の電子写真感光体。
  19. 該電荷輸送層2の膜厚が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の電子写真感光体。
  20. 少なくとも光照射とバイアス印加による帯電手段と請求項1乃至19のいずれかに記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする画像形成装置。
  21. 少なくとも光照射とバイアス印加による帯電手段と請求項1乃至19のいずれかに記載の電子写真感光体とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  22. 電子写真感光体を用い、少なくとも光照射とバイアス印加による帯電を伴う画像形成方法であって、該電子写真感光体として請求項1乃至19のいずれかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。

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JP2011180560A (ja) * 2010-03-04 2011-09-15 Ricoh Co Ltd 画像形成方法、該方法を実行可能な画像形成装置
JP2014191179A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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