JP3736697B2 - 電子写真プロセス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体及びそれを用いたカラー電子写真プロセスに関し、より詳しくは長寿命電子写真感光体及びそれを用いたフルカラー電子写真プロセスに関する。
本発明の電子写真感光体及びそれを用いたカラー電子写真プロセスは、複写機、ファクシミリ、レーザプリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用される。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法としては、カールソンプロセスやその種々の変形プロセスなどが知られており、複写機やプリンタなどに広く使用されている。この様な電子写真方法に用いられる像担持体(以下、感光体と記載する)の中でも、有機系の感光材料を用いたものが、安価、大量生産性、無公害性などをメリットとして、近年使用され始めている。
有機系の電子写真感光体には、PVK(ポリビニルカルバゾール)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が注目されている。
【0003】
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、かつ有用である。
電荷輸送物質は、多くが低分子化合物として開発されているが、低分子化合物は単独で製膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いられる。しかるに低分子電荷輸送材料と不活性高分子からなる電荷輸送層は一般に柔らかく、カールソンプロセスにおいては繰り返し使用による膜削れを生じやすいという欠点がある。
【0004】
一方、このような電子写真プロセスを用いた複写機やプリンタなどのカラー化の要求が急速に伸びてきている。フルカラー電子写真プロセスには例えば図5のように、色分解された画像を、(58)、(59)、(60)、(61)の4個の作像装置にてブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各々の色画像毎に、帯電器(51)により帯電された感光体(54)に露光手段(52)による像露光、現像機(53)による現像によって画像形成し、搬送ベルト(56)背面から転写用帯電器(55)による転写の、順次被転写材(57)へ重ねて転写していく方法がある。
しかし、この方式では作像装置が4個必要である上に、各色の色重ねに関する高精度のレジストレーション制御装置が必要となり、装置が大型化し、コスト高となる。
【0005】
また、図6のように感光体上の画像を転写ドラム(69)上に乗せた転写材(68)上に重ね転写する方式も提案されている。この方式では、帯電器(62)により帯電された感光体(70)に露光手段(63)による像露光、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各現像機(64)〜(67)による現像で感光体(70)上に形成された画像を一色毎に、転写ドラム(69)上に乗せた転写材(68)へ転写するため、感光体は1個のみでよく、さらに転写材(68)を一時転写ドラム(69)に固定するので色重ね時の位置合わせも比較的容易に行うことができる。しかし、この方式では、転写紙を転写ドラムに静電的に吸着させて巻き付けるという形態をとるために、紙の種類を選ぶ必要がある。例えば、はがきのような厚紙では安定した高品位な転写を行なうことが困難である。
【0006】
そこで、転写材の種類を選ぶことなくフルカラー画像の転写を行なうことができる図1に示すのような装置を用いた中間転写方式が提案されている。本プロセスでは、感光体(15)上に形成された可視画像を一旦、中間転写体(14)上にフルカラー画像を転写(一次転写)し、その後にこのフルカラー画像を一括して被転写材(13)へ転写する方式である。即ち、この図1の例においては、帯電器(1)により帯電された感光体にブラック画像データに基づき露光手段(2)により像露光、感光体(15)の周囲に配置された各現像機のうち非待機状態にあるブラック現像機(3)により現像された画像を、転写バイアスローラ(9)、アースローラ(10)、駆動ローラ及び従動ローラ間に掛け回されている中間転写体(14)上に一次転写した後、感光体(15)表面を除電ランプ(7)で除電処理し、クリーニングブレード(8)で残存ブラックトナーを清掃し去り、次にシアン画像についてシアン画像データに基づき露光、待機状態から非待機状態に切換ったシアン現像機(4)により現像後、同様に中間転写体(14)上に一次転写し、感光体(15)を除電処理、清掃し、以後、マゼンタ、イエローの各画像についても同様に現像された画像を一次転写し、その後、フルカラー画像を一括して転写ローラ(12)により被転写材(13)へ転写する。このプロセスにおいて、上述したとおり中間転写体上に形成されたフルカラー画像を紙へ一括転写するわけであるが、フルカラー画像ではトナー層が通常のモノクロ画像に比べ多層に形成されるために、これをもれなく紙へ転写させるためには、中間転写体表面特性としてはトナーに対し離型性の高い、例えばフッ素樹脂のような材料が使用される。
【0007】
一方、本プロセスの一次転写部においては感光体(15)と中間転写体(14)とは一般に接触し一定のニップをもって転写されるが、繰り返し使用によって、感光体が摩耗などにより特性劣化すると、この一次転写部の転写において転写不良が発生するという問題が発生している。具体的には、特に線画などの線の内部が一部白く抜けるという現象が発生している。
【0008】
このような感光体の劣化による問題は、上述した通り感光体表面を構成する電荷輸送層が低分子量の電荷輸送物質と不活性高分子からなるためである。特に、低分子電荷輸送物質の含有量が50重量%以上で使用されることに起因している。即ち低分子電荷輸送物質の含有量を増すことで確かに電荷移動度は上げられるが、このとき逆に製膜性が劣化するためである。
【0009】
この点を克服するために高分子型の電荷輸送物質が注目され、例えば、特開昭51−73888号公報、特開昭54−8527号公報、特開昭54−11737号公報記載のポリ−N−アクリルアミドメチルカルバゾール及びポリ−N−アクリルアミドメチルカルバモイルアルキルカルバゾール、特開昭56−150749号公報、特開昭57−78402号公報記載のクロルメチル化ポリスチレンと4−ヒドロキシベンジリデンベンジルフェニルヒドラゾンとの脱塩酸縮合により生成されるヒドラゾン構造を有するポリスチレン、特開昭63−285552号公報記載のポリ(メチルフェニルシリレン)、ポリ(n−プロピルメチルシリレン)−1−メチルフェニルシリレン又はポリ(n−プロピルメチルシリレン)、特開平1−1728号公報記載の
R-[O-A-O-CH2-CH(OR)-CH2-O-B-O-CH2-CH(OR)-CH2]m−(RはH、-Me、-Et、mは4〜1000、Aは−Ar−N(Ar')−[Z]−[N(Ar')−Ar]n−(Zはカルバゾール−4,7−ジイル基、フルオニレン基、フェニレン基、ピレンジイル基、4,4’−ビフェニレン基等の2価の不飽和環式基、Ar、Ar’はアリール基)、BはAと同じ意味か又は−Ar−V−Ar(Vは−CH2−、−O−、−S−、−C(Me)2−等)を表わす。)を有するアリールアミン含有ポリヒドロキシエーテル樹脂、特開平1−19049号公報記載の一般式
【0010】
【化13】
を有するアリールアミン樹脂化合物
(ここでAr、Ar’はアリール、Zはカルバゾール−4,7−ジイル基、フルオレニン基、フェニレン基、ピレンジイル基、4,4’−ビフェニレン基等の2価の不飽和環式基、R及びR’は個々に−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−及び−(CH2)4−、R”は−CO−又は−CO−O−C6H4−Y−C6H4−O−CO−(Yは−O−、−CH2−、−S−、−C(Me)2−等)、mは0又は1、nは5〜5000を表わす。)、特開平3−50555号公報に記載のポリ(4−ホルミルスチレン)と1,1−ジアリールヒドラジンとの脱水縮合により生成される4−ヒドラゾン側鎖構造を有するポリスチレン化合物等に開示されている。
しかしながら、高分子電荷輸送物質からなる電荷輸送層と電荷発生層とを組み合わせた感光体の光感度は、上記の低分子電荷輸送物質を用いた場合に比べ著しく劣っており、この点の改良が強く望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、繰り返し使用時においても、画像抜けなどの異常画像の発生のない高品位画像を安定して提供できる電子写真プロセスとすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、中間転写体を用いたカラー電子写真プロセスにおいて、繰り返し使用により発生する画像抜け異常画像は、感光体と中間転写体とのニップ部において感光体から中間転写体へ転写する際に生じるものであり、これは感光体の繰り返し使用による特性劣化が主要因であり、これらの問題点は、本発明のごときプロセスにすることにより改善できることを見い出した。
【0013】
すなわち本発明は、トナーにより像担持体上に順次形成される複数の可視の色現像画像を、中間転写体上に順次重ね合わせ一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を被転写材へ一括して二次転写する中間転写方式のカラー電子写真プロセスにおいて、該像担持体が、支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有されていることを特徴とする電子写真プロセスを提供する。
高分子電荷輸送物質として、特にトリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが良い。
【0014】
また、下記の一般式1〜10で記載されるものが良い。
【0015】
【化14】
式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換若しくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0016】
【化15】
式中、R101、R102は各々独立して置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0017】
【化16】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0018】
【化17】
式中、R7、R8は置換若しくは無置換のアリール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0019】
【化18】
式中、R9、R10は置換若しくは無置換のアリール基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0020】
【化19】
式中、R11、R12は置換若しくは無置換のアリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0021】
【化20】
式中、R13、R14は置換若しくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1、X2は置換若しくは無置換のエチレン基、又は置換若しくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0022】
【化21】
式中、R15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0023】
【化22】
式中、R19、R20は水素原子、置換若しくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0024】
【化23】
式中、R21は置換若しくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0025】
【化24】
式中、R22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0026】
【化25】
式中、R26、R27は置換若しくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0027】
次に、図面を用いて本発明を説明する。
図1は、本発明の電子写真プロセスの概念図の1例である。
帯電器(1)にて均一に帯電させられた感光体(15)表面に色分解された一色目画像、例えばブラック画像を露光(2)することにより静電潜像を形成した後、帯電したトナーを有するブラック現像機(3)にて顕像化される。このトナー画像を、中間転写体(14)の背面に設置したバイアスローラ(9)より印加するバイアスの電界作用により中間転写体(14)に転写する。続いて、同様にしてシアン画像を中間転写体(14)上に重ね転写する。これをマゼンタ、イエローについても繰り返し行ない、フルカラー画像を中間転写体(14)上に形成する。この後、転写ローラ(12)が転写紙(13)を介して中間転写体(14)に当接し、この転写ローラより印加されるバイアスの電界作用によりフルカラー画像が中間転写体(14)より転写紙(13)へ転写される。フルカラー画像が転写された転写紙(13)は定着行程を経て最終印刷物として出力される。
【0028】
図1に示す上記プロセスでは、中間転写体としてシームレスベルトを用いているが形状は特にこれを限定するものではなく、ドラム状のものでもよい。また、その他の機構も上記に限定するものではない。
【0029】
本プロセスに用いる中間転写体(14)としては、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなどのゴムやポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリケトンサルファイド、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体・ビニリデンフロライド・テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体・テトラフロロエチレン−ビニリデンフロライド共重合体・ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロライド共重合体・テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロライド3元共重合体等のフッ素樹脂などの樹脂やこれらの混合物などが用いられる。
【0030】
これら材料に、カーボンブラック、金属酸化物などの導電性粒子や導電性有機化合物、導電性高分子化合物などの抵抗調整材料を混合し、所望の抵抗値に調整する。
また、必要に応じて多層構成をとっても良い。
中間転写体(14)には、表面上に多層に重ねられたフルカラー画像をもれなく紙へ転写する必要があるために、トナーに対して高い離型性能が要求されるために、フッ素樹脂が好ましく使用される。
【0031】
このように中間転写体として、高い離型性能を有する材料を用いるために、繰り返し使用により感光体(15)が劣化し表面特性が悪化してくると上記プロセスにおける感光体(15)から中間転写体(14)への転写の際に、画像の一部が感光体(15)から中間転写体(14)へ転写されず、結果、画像の中が白く抜けるいわゆる画像抜けが発生する。
この感光体の劣化は、感光体が低分子の電荷輸送物質が不活性高分子に多量に分散された構成をとっているため、表面が摩耗を受けやすく、またプロセス中の様々な負荷により表面特性が変化を受けやすいためである。
本発明においては、電荷輸送物質として高分子電荷輸送物質を用いることによりこれを改善するものである。
【0032】
図2は、本発明において用いられる電子写真感光体の断面図であり、導電性支持体(21)上に感光層(23)が形成されたものである。
図3は、別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)上に電荷発生層(31)と電荷輸送層(33)からなる感光層(23)が形成されたものである。
図4は、さらに別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)と感光層(23)との間に下引き層(25)が形成されたものである。
【0033】
次に、本発明に用いられる高分子電荷輸送物質について述べる。
本発明に用いられる高分子電荷輸送物質としては、公知の高分子電荷輸送材料を用いることができる。
【0034】
例えば、
(a)主鎖及び/又は側鎖にカルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールの重合体、特開昭50−82056号公報開示のN−アクリルアミドメチルカルバゾールの重合体、特開昭54−9632号公報記載のハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭54−11737号公報記載のポリ−N−アクリルアミドメチルカルバゾール及びポリ−N−アクリルアミドメチルカルバモイルアルキルカルバゾール、特開平4−183719号公報に記載のカルバゾール構造を有する特定のジヒドロキシ化合物即ちビス[N−ヒドロキシアリール(又は−ヒドロキシヘテロ)−N−アリール]アミノ置換カルバゾールを或いはこれとビスフェノール化合物とを炭酸エステル形成性化合物と反応させることにより得られるカルバゾール系ポリカーボネート、化合物等が例示される。
(b)主鎖及び/又は側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報記載の、クロルメチル化ポリスチレンと4−ヒドロキシベンジリデンベンジルフェニルヒドラゾンとの脱塩酸縮合により生成されるヒドラゾン構造を有するポリスチレン、特開平3−50555号公報に記載のポリ(4−ホルミルスチレン)と1,1−ジアリールヒドラジンとの脱水縮合により生成される4−ヒドラゾン側鎖構造を有するポリスチレン化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報記載のポリ(メチルフェニルシリレン)、ポリ(n−プロピルメチルシリレン)−1−メチルフェニルシリレン又はポリ(n−プロピルメチルシリレン)、特開平5−19497号公報記載の
−(Si(R1)(R2))−、又は
【0035】
【化26】
の繰り返し単位を有するポリシラン化合物(R1、R2、R3、R4はH、ハロゲン、エーテル基、置換アルキル基等)の化合物等が例示される。
(d)主鎖及び/又は側鎖に第3級アミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、及び特開平1−19049号公報記載の一般式
【0036】
【化27】
を有するアリールアミン樹脂化合物
(ここでAr、Ar’はアリール、Zはカルバゾール−4,7−ジイル基、フルオレニン基、フェニレン基、ピレンジイル基、4,4’−ビフェニレン基等の2価の不飽和環式基、R及びR’は個々に−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−及び−(CH2)4−、R”は−CO−又は−CO−O−C6H4−Y−C6H4−O−CO−(Yは−O−、−CH2−、−S−、−C(Me)2−等)、mは0又は1、nは5〜5000を表わす。)、特開平1−1728号公報記載のR-[O-A-O-CH2-CH(OR)-CH2-O-B-O-CH2-CH(OR)-CH2]m−(RはH、-Me、-Et、mは4〜1000、Aは−Ar−N(Ar')−[Z]−[N(Ar')−Ar]n−(Zはカルバゾール−4,7−ジイル基、フルオニレン基、フェニレン基、ピレンジイル基、4,4’−ビフェニレン基等の2価の不飽和環式基、Ar、Ar’はアリール基)、BはAと同じ意味か又は−Ar−V−Ar(Vは−CH2−、−O−、−S−、−C(Me)2−等)を表わす。)を有するアリールアミン含有ポリヒドロキシエーテル樹脂、特開平5−66598号公報記載の
【0037】
【化28】
(n1は1〜10、n2は0〜4、n3は0〜5、mは0〜1)の構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの(共)重合体、特開平5−40350号公報に記載の、構造単位
【0038】
【化29】
(R1、R2はアルキル、アリール、アラルキル、Ar1、Ar2、Ar3は2価の芳香族残基、lは0以上の整数、mは1以上の整数、nは2以上の整数、pは3〜6の整数)を有する化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報記載の、6−ビニルインドロ[2,3−b]キノキサリン誘導体の重合物、特開昭56−150749号公報に記載の、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパンのホルムアルデヒド縮合樹脂化合物等が例示される。
【0039】
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、又、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような、
【0040】
【化30】
電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
【0041】
また本発明における高分子電荷輸送物質として、主鎖及び/又は側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが有効に使用される。更に、下記一般式1〜10で表わされる高分子電荷輸送物質を用いることにより、本発明の効果はよりいっそう顕著なものとなる。一般式1〜10で表わされる高分子電荷輸送物質を以下に例示し、具体例を示す。
【0042】
【化31】
式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換若しくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0043】
【化32】
式中、R101、R102は各々独立して置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)又は、
【0044】
【化33】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0045】
一般式1の具体例
R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0046】
アルキル基として好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0047】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を表わすが、そのアルキル基の具体例としては上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
R5、R6は置換若しくは無置換のアリール基(芳香族炭化水素基及び不飽和複素環基)を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0048】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0049】
上記のアリール基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
【0050】
(3)アルコキシ基(−OR105)。アルコキシ基(−OR105)としては、R105が上記(2)で定義したアルキル基であるものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェニノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0051】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が前記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0052】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xで表わされる構造部分は下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0053】
【化34】
一般式(B)のジオール化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオール等が挙げられる。
【0054】
また、芳香環を有するジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0055】
【化35】
式中、R7、R8は置換若しくは無置換のアリール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0056】
一般式2の具体例
R7、R8は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、又は
【0057】
【化36】
(ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−又は以下の2価基を表わす。)
【0058】
【化37】
【0059】
【化38】
【0060】
【化39】
【0061】
【化40】
を表わす。
【0062】
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar1、Ar2及びAr3で示されるアリレン基としてはR7及びR8で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基(1)〜基(7)を置換基として有してもよい。また、これら置換基は上記一般式中のR106、R107、R108と同じ意味を有する。
【0063】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくはC1〜C12とりわけC1〜C18さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0064】
(3)アルコキシ基(−OR109)。アルコキシ基(−OR109)としては、R109が(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0065】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)次式で表わされるアルキル置換アミノ基。
【0066】
【化41】
式中、R110及びR111は各々独立に前記(2)で定義したアルキル基又はアリール基を表わす。アリール基としては例えばフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。またアリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。このアルキル置換アミノ基としては具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(pートリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
【0067】
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等。
【0068】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0069】
【化42】
一般式(B)のジオール化合物としては一般式1と同じものが挙げられる。
【0070】
【化43】
式中、R9、R10は置換若しくは無置換のアリール基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0071】
一般式3の具体例
R9、R10は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0072】
また、Ar4、Ar5及びAr6で示されるアリレン基としてはR9及びR10で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0073】
(3)アルコキシ基(−OR112)。アルコキシ基(−OR112)としては、R112が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0074】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0075】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0076】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0077】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0078】
【化44】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0079】
【化45】
式中、R11、R12は置換若しくは無置換のアリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0080】
一般式4の具体例
R11、R12は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0081】
また、Ar7、Ar8及びAr9で示されるアリレン基としてはR11及びR12で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0082】
(3)アルコキシ基(−OR113)。アルコキシ基(−OR113)としては、R113が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0083】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0084】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0085】
【化46】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0086】
【化47】
式中、R13、R14は置換若しくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1、X2は置換若しくは無置換のエチレン基、又は置換若しくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0087】
一般式5の具体例
R13、R14は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0088】
また、Ar10、Ar11及びAr12で示されるアリレン基としてはR13及びR14で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0089】
(3)アルコキシ基(−OR114)。アルコキシ基(−OR114)としては、R114が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0090】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0091】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0092】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0093】
前記X1、X2の構造部分は置換若しくは無置換のエチレン基、置換若しくは無置換のビニレン基を表わし、この置換基としては、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、上記R13、R14のアリール基、上記(2)のアルキル基が挙げられる。
【0094】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0095】
【化48】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0096】
【化49】
【0097】
式中、R15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0098】
一般式6の具体例
R15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0099】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0100】
また、Ar13、Ar14、Ar15及びAr16で示されるアリレン基としてはR15、R16、R17、及びR18で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0101】
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0102】
(3)アルコキシ基(−OR115)。アルコキシ基(−OR115)としては、R115が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0103】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0104】
前記Y1、Y2、Y3の構造部分は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。
【0105】
このアルキレン基としては、上記(2)で示したアルキル基より誘導される2価基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基等を挙げることができる。
【0106】
同シクロアルキレン基としては、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0107】
同アルキレンエーテル基としては、ジメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
【0108】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0109】
【化50】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0110】
【化51】
式中、R19、R20は水素原子、置換若しくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0111】
一般式7の具体例
R19、R20は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0112】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0113】
また、R19、R20は環を形成する場合、9−フルオリニデン、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘブテニリデンなどが挙げられる。
また、Ar17、Ar18及びAr19で示されるアリレン基としてはR19及びR20で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0114】
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0115】
(3)アルコキシ基(−OR116)。アルコキシ基(−OR116)としては、R116が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0116】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0117】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0118】
前記Xの構造部分は下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0119】
【化52】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0120】
【化53】
式中、R21は置換若しくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0121】
一般式8の具体例
R21は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0122】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0123】
また、Ar20、Ar21、Ar22及びAr23で示されるアリレン基としてはR21で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
【0124】
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0125】
(3)アルコキシ基(−OR117)。アルコキシ基(−OR117)としては、R117が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0126】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0127】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0128】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものを表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0129】
前記Xの構造部分は下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0130】
【化54】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0131】
【化55】
式中、R22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0132】
一般式9の具体例
R22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0133】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0134】
また、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、及びAr28で示されるアリレン基としては、R22、R23、R24、及びR25で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
【0135】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0136】
(3)アルコキシ基(−OR118)。アルコキシ基(−OR118)としては、R118が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0137】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0138】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0139】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0140】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0141】
【化56】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0142】
【化57】
式中、R26、R27は置換若しくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式1の場合と同じである。
【0143】
一般式10の具体例
R26、R27は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0144】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0145】
また、Ar29、Ar30、及びAr31で示されるアリレン基としては、R26及びR27で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
【0146】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0147】
(3)アルコキシ基(−OR119)。アルコキシ基(−OR119)としては、R119が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0148】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0149】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0150】
前記Xの構造部分は下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0151】
【化58】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0152】
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を蒸着又はスパッタリングによりフィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、或るいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを使用することができる。
【0153】
本発明における感光層(23)は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは説明の都合上、まず積層型について述べる。
はじめに、電荷発生層(31)について説明する。電荷発生層(31)は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0154】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0155】
電荷発生層(31)に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、先述の高分子電荷輸送物質を用いることができる。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
【0156】
電荷発生層(31)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
【0157】
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0158】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0159】
電荷発生層(31)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
【0160】
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系若しくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0161】
次に、電荷輸送層(33)について説明する。
電荷輸送層(33)は、高分子電荷輸送物質を主成分とする層であり、高分子電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。高分子電荷輸送物質は3×105V/cmの電界下で1×10-5cm2/V・sec以上の移動度を有する高分子電荷輸送物質ならば、いずれの公知材料を用いることができるが、主鎖及び/又は側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが有効に使用される。前記一般式1〜10の高分子電荷輸送物質が特に良好に使用される。また、必要により適当なバインダー樹脂、低分子電荷輸送物質、可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。
【0162】
電荷輸送層(33)に併用できるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダーは、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0163】
電荷輸送層(33)に併用できる低分子電荷輸送物質は、電荷発生層(31)の説明において記載したものと同じものを用いることができる。電荷輸送層(33)の膜厚は、20μm以下が適当であり、好ましくは15μm以下である。この理由としては、先述のように静電潜像の解像性(原稿の再現性)の改良があげられ、20μm以上の膜厚では解像性が低下することによる。解像度に関しては、膜厚が薄い方が良好な結果が得られるが、感光層の摩耗は静電疲労特性にも影響を及ぼすため、あらかじめ実験的に設定できる膜厚の下限値を調べることにより、上記範囲のうちで任意に設定できる。
また、本発明において電荷輸送層(33)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。
【0164】
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー或いはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
【0165】
次に、感光層(23)が単層構成の場合について述べる。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くは電荷発生物質と低分子並びに高分子電荷輸送物質よりなる機能分離型のものが挙げられる。即ち、電荷発生物質並びに電荷輸送物質には、前出の材料を用いることができる。
また、必要により可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層(33)で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層(31)で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0166】
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体(21)と感光層(23)[積層タイプの場合には、電荷発生層(31)]との間に下引き層(25)を設けることができる。下引き層(25)は、接着性を向上する、モワレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層(25)は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、或るいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の場合と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0167】
さらに、本発明における感光体の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾルーゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層にはAl2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0168】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
【0169】
モノフェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど。
【0170】
ビスフェノール系化合物
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
【0171】
高分子フェノール系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
【0172】
パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0173】
ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0174】
有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0175】
有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0176】
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品として容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0177】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、使用する部は全て重量部を表わし、使用された高分子電荷輸送物質の繰り返し単位nは、いずれの例においても、重量平均分子量から算出して100±20の範囲であった。
【0178】
参考例1
φ80mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成して、本発明における電子写真感光体を得た。
【0179】
[下引き層用塗工液]
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
[電荷発生層用塗工液]
下記構造のトリスアゾ顔料 2.5部
【0180】
【化59】
ポリビニルブチラール(UCC社製:XYHL) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
【0181】
[電荷輸送用塗工液]
下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0182】
【化60】
塩化メチレン 100部
【0183】
実施例1
参考例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は参考例1と全く同様にして本発明における電子写真感光体を作成した。
【0184】
【化61】
【0185】
実施例2
参考例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は参考例1と全く同様にして本発明における電子写真感光体を作成した。
【0186】
【化62】
【0187】
参考例2
参考例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は参考例1と全く同様にして本発明における電子写真感光体を作成した。
【0188】
【化63】
【0189】
参考例3
参考例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は参考例1と全く同様にして本発明における電子写真感光体を作成した。
【0190】
【化64】
【0191】
実施例3
参考例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は参考例1と全く同様にして本発明における電子写真感光体を作成した。
【0192】
【化65】
【0193】
実施例4
参考例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は参考例1と全く同様にして本発明における電子写真感光体を作成した。
【0194】
【化66】
【0195】
実施例5
参考例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は参考例1と全く同様にして本発明における電子写真感光体を作成した。
【0196】
【化67】
【0197】
実施例6
参考例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は参考例1と全く同様にして本発明における電子写真感光体を作成した。
【0198】
【化68】
【0199】
参考例4
参考例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は参考例1と全く同様にして本発明における電子写真感光体を作成した。
【0200】
【化69】
【0201】
比較例1
参考例1における電荷輸送層用塗工液を以下の構造のものに変更した以外は、参考例1と全く同様に作成した。
[電荷輸送層用塗工液]
ビスフェノールA型ポリカーボネート 10部
(帝人:パンライトK1300)
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
【0202】
【化70】
塩化メチレン 100部
【0203】
以上のように作製した実施例1〜6、参考例1〜4及び比較例1の電子写真感光体を図1のごとき装置に装着し、5万枚のランニングテストを行なった。
ここで、図1における中間転写体(14)としては、以下の構成のものを用いた。
エチレン−テトラフロロエチレン共重合体樹脂とカーボンブラックを溶融押し出し混練し、厚さ0.15mm、表面抵抗率2×109Ωの樹脂シームレスベルトを得、これを中間転写体とした。
このとき、実施例1〜6、参考例1〜4の各感光体を用いた場合には、全ての場合で5万枚ランニングにおいても初期と変わらぬ安定した高品位な画像であった。
一方、比較例1の感光体を用いた場合には、ライン部や文字部などに画像抜けの異常画像が発生した悪質な画像であった。
【0204】
【発明の効果】
本発明の電子写真プロセスにすることにより、すなわち、トナーにより像担持体上に順次形成される複数の可視の色現像画像を、中間転写体上に順次重ね合わせ一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を被転写材に一括して二次転写する中間転写方式のカラー電子写真プロセスにおいて、該像担持体が、支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有されていることを特徴とする電子写真プロセスにすることにより、繰り返し使用においても画像の中抜けなどの異常画像が発生しない安定した高品位画像を維持できるフルカラー電子写真装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真プロセスに使用される1装置例を示す模式図である。
【図2】本発明の電子写真プロセスに用いる電子写真感光体の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の電子写真プロセスに用いる電子写真感光体の別の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の電子写真プロセスに用いる電子写真感光体の更に別の構成を示す断面図である。
【図5】従来の電子写真プロセスに使用される1装置例を示す模式図である。
【図6】従来の電子写真プロセスに使用される他の装置例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 帯電器
2 露光手段
3 ブラック現像機
4 シアン現像機
5 マゼンタ現像機
6 イエロー現像機
7 除電ランプ
8 クリーニングブレード
9 バイアスローラ
10 アースローラ
11 クリーニングブレード
12 転写ローラ
13 転写材
14 中間転写体
15 感光体
21 導電性支持体
23 感光層
25 下引き層
31 電荷発生層
33 電荷輸送層
51 帯電器
52 露光手段
53 現像機
54 感光体
55 帯電器
56 搬送ベルト
57 転写材
58 ブラック画像作像ユニット
59 シアン画像作像ユニット
60 マゼンタ画像作像ユニット
61 イエロー画像作像ユニット
62 帯電器
63 露光手段
64 ブラック現像機
65 シアン現像機
66 マゼンタ現像機
67 イエロー現像機
68 転写材
69 転写ドラム
70 感光体
Claims (6)
- トナーにより像担持体上に順次形成される複数の可視の色現像画像を、中間転写体上に順次重ね合わせ一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を被転写材に一括して二次転写する中間転写方式のカラー電子写真プロセスにおいて、該像担持体が、支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有されたものであって、該高分子電荷輸送物質が、下記一般式2で表わされるものであることを特徴とする電子写真プロセス。
- トナーにより像担持体上に順次形成される複数の可視の色現像画像を、中間転写体上に順次重ね合わせ一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を被転写材に一括して二次転写する中間転写方式のカラー電子写真プロセスにおいて、該像担持体が、支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有されたものであって、該高分子電荷輸送物質が、下記一般式6で表わされるものであることを特徴とする電子写真プロセス。
- トナーにより像担持体上に順次形成される複数の可視の色現像画像を、中間転写体上に順次重ね合わせ一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を被転写材に一括して二次転写する中間転写方式のカラー電子写真プロセスにおいて、該像担持体が、支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有されたものであって、該高分子電荷輸送物質が、下記一般式7で表わされるものであることを特徴とする電子写真プロセス。
- トナーにより像担持体上に順次形成される複数の可視の色現像画像を、中間転写体上に順次重ね合わせ一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を被転写材に一括して二次転写する中間転写方式のカラー電子写真プロセスにおいて、該像担持体が、支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有されたものであって、該高分子電荷輸送物質が、下記一般式9で表わされるものであることを特徴とする電子写真プロセス。
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