JP3109896B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP3109896B2
JP3109896B2 JP04051955A JP5195592A JP3109896B2 JP 3109896 B2 JP3109896 B2 JP 3109896B2 JP 04051955 A JP04051955 A JP 04051955A JP 5195592 A JP5195592 A JP 5195592A JP 3109896 B2 JP3109896 B2 JP 3109896B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子(有機EL素子)に関し、詳しくは、高輝
度で発光効率が高く、青色〜緑色領域での発光が可能で
あるとともに、すぐれた薄膜維持能を有するポリカーボ
ネートを用いた有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】最
近、Friend R.H.らにより、ポリフェニレン
ビニレン(PPV)を発光材料とする発光層を有した有
機EL素子が開示された(国際公開WO90/1314
8)。この有機EL素子は、全共役系ポリマー(con
jugated polymer)に、適当な注入電極
から電荷が注入されることによりエレクトロルミネッセ
ンス効果を奏するものである。彼らは、この有機EL素
子の特徴として、酸素,水分に対して安定であり高温
下でも劣化しない、発光層が下部電極等に付着性を持
つことにより、熱的にまたは機械的に生じるクラックに
対して耐性がある、再結晶化を防ぐ、高結晶性また
は高融点により、イオンや原子の移行を防ぐことを挙げ
ている。しかし、この有機EL素子は、PPVの伸長し
た共役性により青色発光が困難であり発光効率が小さい
という欠点を有している。この欠点は、PPVの蛍光性
が小さいためであり、Friend R.H.により
J.Phys.D20,1367(1987)および
J.Mol.Electronics;5,19,(1
989)において明らかにされている。上記PPVの蛍
光収率は1%以下である。このように蛍光収率が低けれ
ば、エレクトロルミネッセンス効率(EL効率)は蛍光
収率より小さくなるので、高輝度を得ることは不可能で
ある。さらに、ポリフェニレンビニレン薄膜の作製は、
可溶前駆体をスピンコート後、熱処理することによって
簡易に得られるが、この熱処理条件は、容易に判明する
ものではなく、主鎖共役の中に欠陥が容易に入り、EL
効率を減少させることとなる。したがって、ポリフェニ
レンビニレン等の全共役系ポリマーの薄膜を発光層とし
て用いることは、実用上不可能ないし困難である。
【0003】また、D.BraunらによりPPVに長
鎖アルコキシキ置換基を導入した可溶性誘導体をスピン
コート法にて製膜し発光層とした素子が開示された(A
PPl.Phys.Lett.58,1982(199
1))。しかし、このPPVの蛍光収率(量子収率)が
小さいため、EL量子収率は、In陰極を用いた場合は
5×10-4、Ca陰極を用いた場合は10-2と小さいも
のであり、発光色も橙色に限定されていた。また、細川
らによりアリーレンビニレン構造を有する低分子を発光
層とする有機EL素子が開示されている(EP第037
3582号,EP第0388768号等)。この有機E
L素子は、僅か5Vを印加するだけで、緑味青色発光を
300cd/m2 の高輝度で実現することができる。こ
のときの発光効率は2.9ルーメン/Wであった。さら
に、彼らは類似構造の化合物を発光層として1000c
d/m2 以上の高輝度青色発光も実現しており、青紫〜
緑色領域にわたる様々な発光色を高輝度かつ高効率で出
すことを可能とした。しかし、発光層を形成するには蒸
着法を用いる必要があり、この方法はスピンコート法よ
り時間がかかり、生産性に劣る。また、有機低分子の蒸
着膜は、経時による変化または動作時の発熱により再結
晶が生じ易く発光層または正孔注入層として機能しなく
なる、すなわち薄膜維持能力がないという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記従来技術の欠点を解消し、発光層がスピンコート方法
により簡易に薄膜化が可能であり、この発光層を用い、
低電圧にもかかわらず高輝度であって、しかも青色〜緑
色領域の発光をする有機EL素子を開発すべく鋭意研究
を重ねた。その結果、スチリルアミン骨格を繰り返し単
位として有することにより、有機低分子に比較して卓越
した薄膜維持能を有したポリカーボネートからなる重合
体を用いることにより、従来技術であるPPV等の全共
役ポリマーを用いた素子に比べ、発光効率を著しく向上
させることができ、上記目的が充分に達成できることを
見出した。また本発明のポリカーボネートは、薄膜維持
能をもつ正孔注入層にも成り得ることも同時に見出し
た。本発明はかかる知見に基いて完成したものである。
【0005】すなわち本発明は、エレクトロルミネッセ
ンス機能を保有するスチリルアミン骨格を繰り返し単位
として含有するポリカーボネートを、発光材料および/
または正孔注入材料として用いることを特徴とする有機
エレクトロルミネッセンス素子を提供するものである。
特に、ポリカーボネートが、一般式(I)
【0006】
【化7】
【0007】(式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ独立
に置換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基
を示す。Ar5およびAr6 は、それぞれ独立に置換あ
るいは無置換の炭素数6〜20のアリール基を示す。ま
た、R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素原子,炭素
数1〜6のアルキル基,置換あるいは無置換の炭素数6
〜20のアリール基を示す。ここで、置換基は、炭素数
1〜10のアルキル基あるいはアルコキシ基である。ま
た、Pは0または1の整数を示す。)で表される繰り返
し単位を有する上記有機エレクトロルミネッセンス素子
を提供し、さらに、本発明は、ポリカーボネートが、一
般式(II)
【0008】
【化8】
【0009】(式中、Ar1 〜Ar6 ,R1 ,R2 およ
びPは、前記と同様である。R7 は、それぞれ独立に置
換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基を示
す。)で表される繰り返し単位(α)および一般式(II
I)
【0010】
【化9】
【0011】(式中、R3 およびR4 は、それぞれ独立
に水素原子あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示し、
Yは単結合,
【0012】
【化10】
【0013】(ここで、xは2〜10の整数を示し、R
5 およびR6 は、それぞれ独立に水素原子,炭素数1〜
6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であ
る。)を示す。)で表される繰り返し単位(β)を有す
る上記有機エレクトロルミネッセンス素子を提供するも
のである。また、本発明は、ポリカーボネートが、一般
式(IV)
【0014】
【化11】
【0015】(式中、R1 ,R2 ,PおよびAr1 〜A
6 は、前記と同じである。Ar7 は、それぞれ独立に
置換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基を
示す。ここで、置換基は、炭素数1〜10のアルキル基
あるいはアルコキシ基である。点線は、単結合により連
結されていても良いことを示す。)で表される繰り返し
単位を有する上記有機エレクトロルミネッセンス素子お
よび、ポリカーボネートが、一般式(V)
【0016】
【化12】
【0017】(式中、Ar1 〜Ar7 ,R1 ,R2 およ
びPは、前記と同様である。点線は、単結合により連結
されていても良いことを示す。)で表される繰り返し単
位(γ)および一般式(III)で表される繰り返し単位
(β)を有する上記有機エレクトロルミネッセンス素子
をも提供するものである。
【0018】本発明では、エレクトロルミネッセンス機
能を有するスチリルアミン骨格を含有するポリカーボネ
ートを、発光材料および/または正孔注入材料として用
いる。ここで、エレクトロルミネッセンス機能とは、電
荷注入輸送機能および発光機能のことをいう。すなわ
ち、エレクトロルミネッセンス機能を有するとは、例え
ば化合物を蒸着法,スピンコート法,キャスト法,LB
法などの公知の方法により薄膜化し、これを発光層とし
て用いた場合に、電界印加時に陽極または正孔注入輸
送層より正孔を注入することができ、かつ陰極または電
子注入輸送層より電子を注入することができる注入機
能、注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動さ
せる輸送機能、電子と正孔の再結合の場を提供し、こ
れを発光につなげる発光機能等を有していることであ
る。
【0019】本発明において、エレクトロルミネッセン
ス機能を有する箇所は、一般式(I)に含有されるスチ
リルアミン骨格である。本発明で用いられるスチリルア
ミン骨格を有するポリカーボネートは、特定のスチリル
アミン骨格が共役系を切る
【0020】
【化13】
【0021】を含有する2価の基で結合しており、スチ
リルアミン骨格の共役が伸長するのを抑え、緑色〜青色
の発光を与えるようにしている。さらに、本発明で用い
られる特定のスチリルアミン骨格を保有する分子は、優
れたEL性能を有すると共に薄膜性に優れている。この
スチリルアミン骨格は、様々なものがあるが、1つの好
ましい形態としては、1つの芳香族3級アミンを含み、
この芳香族3級アミンの少なくとも1つの芳香環に炭素
数8〜22のアリールビニレン基が少なくとも1つ置換
されている化合物より水素原子を取り除き形成された1
価あるいは2価の基である。ここで、芳香族3級アミン
は3価の窒素原子を含む化合物であり、この窒素原子に
置換されている3つの炭素原子の少なくとも1つの原子
が炭素数4〜20の芳香環を形成する化合物である。ま
た、アリールビニレン基は、式
【0022】
【化14】
【0023】(式中、R1 およびR2 は、前記と同じで
ある。)で表される炭素−炭素二重結合を含む基(ビニ
レン基)と炭素数6〜20のアリール基が結合した1価
の基である。別の1つの好ましい形態は、2つまたは3
つの上記の芳香族3級アミンを含み、この2つまたは3
つの芳香族3級アミンを上記ビニレン基またはビニレン
アリーレンビニレン基で結合し形成した化合物より水素
原子を除いて形成された2価の基である。上記スチリル
アミン骨格の好ましいものとしては、芳香族3級アミン
からなる2価の基とアリーレンビニレン基を順次結合さ
せたものまたは芳香族3級アミンよるなる2価の基とビ
ニレン基と芳香族3級アミンよるなる2価の基を順次結
合させたものが挙げられる。特に好ましいスチリルアミ
ン骨格としては、上記一般式(I)および(IV)で表さ
れるものが挙げられる。
【0024】本発明におけるポリカーボネートは、様々
な構造のものを挙げることができるが、好ましいものと
しては、一般式(II)で表される繰り返し単位(α)お
よび一般式(III)で表される繰り返し単位(β)を有す
るもの(ポリカーボネートA)、および一般式(V)で
表される繰り返し単位(γ)および一般式(III)で表さ
れる繰り返し単位(β)を有するもの(ポリカーボネー
トB)が挙げられる。特に好ましくは、重量平均分子量
4000以上のポリカーボネートA,Bである。上述の
一般式(I),(II),(IV) および(V)におけるA
1 〜Ar4 およびAr7 は、それぞれ独立に置換ある
いは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基(例えば、
フェニレン基,ビフェニレン基,ナフチレン基,ターフ
ェニレン基,アントラニレン基など)である。該置換基
としては、例えば、メチル基,エチル基,イソプロピル
基,t−ブチル基などのアルキル基,メトキシ基,エト
キシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などのアルコキシ基
が挙げられる。Ar5 とAr6 は、それぞれ独立に置換
あるいは無置換の炭素数6〜20のアリール基(例え
ば、フェニル基,ビフェニル基,ナフチル基,ターフェ
ニル基など)である。該置換基としては、例えば、メチ
ル基,エチル基,イソプロピル基,t−ブチル基などの
アルキル基,メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,
ブトキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。
【0025】また、R1 およびR2 は、それぞれ独立に
水素原子,炭素数1〜6のアルキル基,置換あるいは無
置換の炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル
基,ビフェニル基,ナフチル基など)である。該置換基
としては、例えば、メチル基,エチル基,イソプロピル
基,t−ブチル基などのアルキル基,メトキシ基,エト
キシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などのアルコキシ基
などが挙げられる。なお、本発明で用いられるポリカー
ボネートには、繰り返し単位(β)の他に側鎖にスチリ
ルアミン骨格を有するものも用いることができる。
【0026】このポリカーボネートの製造方法として
は、特に制限はなく公知の方法に準じて各種の方法によ
って製造することができる。好ましい方法としては、一
般式(VI)
【0027】
【化15】
【0028】(式中、Ar1 〜Ar6 ,R1 ,R2 およ
びPは、前記と同様である。)で表されるスチリルアミ
ン骨格を有するビスフェノール体またはこのビスフェノ
ール体と一般式(VII)
【0029】
【化16】
【0030】(式中、R3 ,R4 およびYは、前記と同
様である。)で表されるジヒドロキシ化合物を炭酸エス
テル形成性化合物とを反応させることにより行われる。
このスチリルアミン骨格を有するビスフェノール体の具
体例としては、
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】等が挙げられる。また、ジヒドロキシ化合
物としては、
【0036】
【化21】
【0037】
【化22】
【0038】
【化23】
【0039】等が挙げられる。同様にして、一般式(VI
II)
【0040】
【化24】
【0041】(式中、Ar1 〜Ar6 ,R1 ,R2 およ
びPは、前記と同様である。)で表されるスチリルアミ
ン骨格を有するビスフェノール体またはこのビスフェノ
ール体と一般式(VII)で表されるジヒドロキシ化合物を
炭酸エステル形成性化合物とを反応させることにより行
われる。このスチリルアミン骨格を有するビスフェノー
ル体の具体例としては、
【0042】
【化25】
【0043】
【化26】
【0044】
【化27】
【0045】等が挙げられる。ここで、炭酸エステル形
成性化合物としては、通常のポリカーボネートの製造分
野において使用される種々のものを用いることができ
る。例えば、ホスゲン等のジハロゲン化カルボニル、ク
ロロホルメート化合物等のハロホルメート類、炭酸エス
テル化合物等を挙げることができる。これらの中で、特
に好ましいものはホスゲンである。
【0046】本発明においては、前記ビスフェノール体
の1種または2種以上と前記炭酸エステル形成性化合物
の少なくとも1種と反応させ、あるいは、前記ジヒドロ
キシ化合物の1種または2種以上と前記ビスフェノール
体の1種または2種以上と前記炭酸エステル形成性化合
物の少なくとも1種と反応させることによって、本発明
で用いるポリカーボネートを製造することができる。こ
こで、用いるビスフェノール体とジヒドロキシ化合物の
割合を適宜選定することにより、繰り返し単位(α)と
(β)または(γ)と(β)の割合(モル比)を調節す
ることができる。本発明で用いるポリカーボネートには
スチリルアミン骨格を有する繰り返し単位(α)または
(γ)は必須であり、繰り返し単位(β)は任意であ
り、0であっても構わない。反応条件は、特に制限はな
く、例えば炭酸エステル形成性化合物としてホスゲン等
のジハロゲン化カルボニルまたはクロロホルメート等の
ハロメート類を用いる場合、反応は適当な溶媒中、酸受
容体(例えば、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属炭
酸塩等の水溶性アルカリ金属化合物あるいは有機塩基
等)の存在下で行うことができる。アルカリ金属水酸化
物やアルカリ金属炭酸塩においては、種々のものを用い
ることができるが、経済的な面から、通常、水酸化ナト
リウム水溶液,水酸化カリウム水溶液,炭酸ナトリウム
水溶液,炭酸カリウム水溶液等が好適に用いられる。ま
た、前記炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、反応
の化学量論比を考慮して適宜調整すればよい。ホスゲン
等のガス状炭酸エステル形成性化合物を使用する場合、
これを反応系に吹き込む方法が好適である。同様に前記
酸受容体の使用割合も、反応の化学量論比を考慮して適
宜調整すればよい。具体的には、ビスフェノール体とジ
ヒドロキシ化合物の合計モル数に対して2当量若しくは
これより若干過剰量の酸受容体を用いるのが好ましい。
【0047】前記溶媒としては、公知のポリカーボネー
トの製造の際に用いられる各種の溶媒を1種単独である
いは混合溶媒として用いればよい。代表的な例として
は、塩化メチレン等のハロゲン化合物炭化水素,テトラ
ヒドロフラン(THF)等の溶媒が好ましい。さらに、
この反応を行うに際して、所望に応じて分子量調節剤
(モノフェノール類等の架橋剤等)や反応促進剤(アル
キルアミン等)を添加し分子量および反応速度の調節を
行ってもよい。この反応における反応温度は、通常0〜
150℃、好ましくは0〜40℃である。反応圧力は、
減圧,常圧,加圧のいずれでも可能であるが、通常は常
圧若しくは反応系の自圧程度がよい。反応時間は、通常
0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間程度であ
る。反応方式は、連続法,半連続法,回分法のいずれで
もよい。
【0048】このようにして得られたポリカーボネート
は、スチリルアミン骨格が共役系を切る二価基で結合し
ており、その結果、EL発光の長波長化を防ぎ、高輝度
の青色〜緑色領域での発光を可能にしている。この青色
発光が可能であれば、赤,オレンジ,緑,黄,白等の種
々の発光が、公知の従来技術、例えば蛍光色素のドープ
方法や蛍光フィルムによる蛍光変換方法などにより可能
となる。また、合成あるいは精製が容易にできる長所を
備えている。また、溶液により、例えばスピンコート
法,浸漬塗工法,キャスト法,LB法などの公知の方法
で膜厚10〜200nmの超薄膜を形成することができ
る。この超薄膜は、ピンホールのないものであり電気的
短絡の心配がない。また、ポリカーボネートは前記溶媒
に極めて可溶であり、製膜に好ましい0.01〜10重量
%溶液を調整できる。
【0049】特に好ましい製膜方法は、公知のスピンコ
ート法である。これは、薄膜が均一にピンホールレスで
製膜でき、極めて容易な製膜方法であるからである。こ
のとき、溶液に用いる溶媒は、ベンゼン,トルエン,ジ
クロロメタン,クロロホルム等の低沸点溶媒が好まし
く、濃度は0.5〜3重量%が好ましい。また、スピンコ
ーターの回転数は2000〜10000rpmが好まし
く、膜厚を200nm以下に製膜する場合は5000〜
7000rpmが好ましい。さらに、溶液中のゴミは製
膜後のピンホールに繋がるため、予めフィルターにより
除去するのが好ましい。以上のようにして薄膜化された
ポリカーボネートは、EL機能を有するスチリルアミン
骨格とジヒドロキシ化合物を結合させ重合体化したこと
により、優れたEL機能を有するとともに薄膜性および
熱安定性の改良が達成されている。すなわち、結晶化な
どにより薄膜が破壊されることなく、経時変化が極めて
少ない。
【0050】このような薄膜維持能を有したポリカーボ
ネートは、有機EL素子において発光層および/または
正孔注入層として用いることができる。ここで、ポリカ
ーボネートを正孔注入層として用いた場合は、ポリカー
ボネート層よりEL発光は起こらない。一方、発光層と
して用いる場合は、ポリカーボネート層よりEL発光を
する。これは次のような事情による。電子注入層とし
て、陽極側より輸送される正孔を通さない正孔障壁性を
有する化合物をポリカーボネート層と陰極の間に挿入し
て用いた場合、上記ポリカーボネートよりなる発光層内
に正孔が蓄積され、電子注入層より供給される電子と結
合することによりEL発光が生じることになる。一方、
蛍光性を有し、正孔障壁性を持たず、電子輸送性の化合
物を該ポリカーボネートに積層した場合、該ポリカーボ
ネートは正孔注入層となり積層した化合物が発光層とな
る。従って本発明のポリカーボネートは、適宜、発光層
にも正孔注入層にも用いることができる。すなわち、エ
レクトロルミネッセンス機能を有する発光材料にも、正
孔注入材料(正孔伝達化合物)にも用いることができ
る。
【0051】上記正孔障壁性を有する電子注入層とし
て、好ましく用いられる化合物は、一般式(IX)または
(X)
【0052】
【化28】
【0053】(式中、Ar8 〜Ar10およびAr12はそ
れぞれ独立に置換または無置換のアリール基を示し、A
11は置換または無置換のアリーレン基を示す。)で表
される電子伝達化合物が挙げられる。ここで、アリール
基としてはフェニル基,ナフチル基,ビフェニル基,ア
ントラニル基,ペリレニル基,ピレニル基等が挙げら
れ、アリーレン基としてはフェニレン基,ナフチレン
基,ビフェニレン基,アントラセニレン基,ペリレニレ
ン基,ピレニレン基等が挙げられる。また、置換基とし
ては炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10のア
ルコキシ基またはシアノ基等が挙げられる。この一般式
(IX)または(X)で表される化合物は、薄膜形成性の
ものが好ましい。
【0054】一般式(IX)または(X)で表される化合
物の具体例としては、
【0055】
【化29】
【0056】
【化30】
【0057】
【化31】
【0058】等が挙げられる。
【0059】本発明のEL素子の構成は各種の態様があ
るが、基本的には、一対の電極(陽極と陰極)間に、発
光層を挟持した構成とし、これに必要に応じて、正孔注
入輸送層(正孔注入層)や電子注入輸送層(電子注入
層)を介在させればよい。具体的には(1)陽極/発光
層/陰極,(2)陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰
極,(3)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸
送層/陰極,(4)陽極/発光層/電子注入輸送層/陰
極などの構成を挙げることができる。該正孔注入輸送層
や電子注入輸送層は必ずしも必要ではないが、これらの
層があると、発光性能が一段と向上する。また、前記構
成の素子においては、いずれも基板に支持されているこ
とが好ましく、該基板については特に制限はなく、従来
有機EL素子に慣用されているもの、例えばガラス,透
明プラスチック,石英などから成るものを用いることが
できる。
【0060】本発明の有機EL素子における陽極として
は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属,合金,電気
伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするも
のが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例
としては、Auなどの金属,Cu,I,ITO,SnO
2 ,ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。該陽極
は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方
法により、膜厚を形成させることにより作製することが
できる。この電極より発光を取り出す場合には、透過率
を10%より大きくすることが望ましく、また、電極と
してのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに
膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm,特に5
0〜150nmの範囲が好ましい。
【0061】一方、陰極としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属,合金,電気伝導性化合物およびこ
れらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この
ような電極物質の具体例としては、ナトリウム,ナトリ
ウム−カリウム合金,マグネシウム,リチウム,マグネ
シウム/銅混合物,Al/AlO2 ,インジウム,希土
類金属などが挙げられる。該陰極はこれらの電極物質を
蒸着やスパッタリングなどの方法により、膜厚を形成さ
せることにより、作製することができる。また、電極と
してのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は
通常10nm〜1μm,特に50〜200nmの範囲が
好ましい。なお、本発明の素子においては、特に規定し
ないが、該陽極または陰極のいずれか一方が透明または
半透明であることが発光を透過し、取り出す効率がよい
ので好ましい。
【0062】前記正孔注入輸送層に用いられる正孔伝達
化合物は、電界を与えられた2個の電極間に配置されて
陽極から正孔が注入された場合、該正孔を適切に発光層
へ伝達しうる化合物であって、例えば104 〜106
/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm2/V・秒の
正孔移動度をもつものが好適である。このような正孔伝
達化合物については、前記の好ましい性質を有するもの
であれば特に制限はなく、本発明で用いられるポリカー
ボネートの他に、従来、光導伝材料において、正孔の電
荷輸送材として慣用されているものやEL素子の正孔注
入輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを
選択して用いることができる。
【0063】該電荷輸送材としては、例えばトリアゾー
ル誘導体(米国特許第3,112,197 号明細書等参照),オ
キサジアゾール誘導体(米国特許第3,189,447 号明細書
等参照),イミダゾール誘導体(特公昭37−1609
6号公報等参照),ポリアリールアルカン誘導体(米国
特許第3,615,402 号明細書,同3,820,989 号明細書,同
3,542,544 号明細書,特公昭45−555号公報,同5
1−10983号公報,特開昭51−93224号公
報,同55−17105号公報,同56−4148号公
報,同55−108667号公報,同55−15695
3号公報,同56−36656号公報等参照),ピラゾ
リン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,
729 号明細書,同4,278,746 号明細書,特開昭55−8
8064号公報,同55−88065号公報,同49−
105537号公報,同55−51086号公報,同5
6−80051号公報,同56−88141号公報,同
57−45545号公報,同54−112637号公
報,同55−74546号公報等参照),フェニレンジ
アミン誘導体(米国特許第3,615,404 号明細書,特公昭
51−10105号公報,同46−3712号公報,同
47−25336号公報,特開昭54−53435号公
報,同54−110536号公報,同54−11992
5号公報等参照),アリールアミン誘導体(米国特許第
3,567,450 号明細書,同3,180,703 号明細書,同3,240,
597 号明細書,同3,658,520 号明細書,同4,232,103 号
明細書,同4,175,961 号明細書,同4,012,376 号明細
書,特公昭49−35702号公報,同39−2757
7号公報,特開昭55−144250号公報,同56−
119132号公報,同56−22437号公報,西独
特許第1,110,518 号明細書等参照),アミノ置換カルコ
ン誘導体(米国特許第3,526,501 号明細書等参照),オ
キサゾール誘導体(米国特許第3,257,203 号明細書など
に記載のもの),スチリルアントラセン誘導体(特開昭
56−46234号公報等参照),フルオレノン誘導体
(特開昭54−110837号公報等参照),ヒドラゾ
ン誘導体(米国特許第3,717,462 号明細書,特開昭54
−59143号公報,同55−52063号公報,同5
5−52064号公報,同55−46760号公報,同
55−85495号公報,同57−11350号公報,
同57−148749号公報等参照),スチルベン誘導
体(特開昭61−210363号公報,同61−228
451号公報,同61−14642号公報,同61−7
2255号公報,同62−47646号公報,同62−
36674号公報,同62−10652号公報,同62
−30255号公報,同60−93445号公報,同6
0−94462号公報,同60−174749号公報,
同60−175052号公報等参照)などを挙げること
ができる。
【0064】本発明においては、これらの化合物を正孔
伝達化合物として使用することができるが、次に示すポ
リフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報
などに記載のもの)および芳香族第三級アミン化合物お
よびスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412 号明
細書,特開昭53−27033号公報,同54−584
45号公報,同54−149634号公報,同54−6
4299号公報,同55−79450号公報,同55−
144250号公報,同56−119132号公報,同
61−295558号公報,同61−98353号公
報,同63−295695号公報等参照),特に該芳香
族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0065】該ポリフィリン化合物の代表例としては、
ポルフィン,1,10,15,20−テトラフェニル−
21H,23H−ポルフィン銅(II),1,10,1
5,20−テトラフェニル21H,23H−ポルフィン
亜銅(II),5,10,15,20−テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフィン,
シリコンフタロシアニンオキシド,アルミニウムフタロ
シアニンクロリド,フタロシアニン(無金属),ジリチ
ウムフタロシアニン,銅テトラメチルフタロシアニン,
銅フタロシアニン,クロムフタロシアニン,亜鉛フタロ
シアニン,鉛フタロシアニン,チタニウムフタロシアニ
ンオキシド,マグネシウムフタロシアニン,銅オクタメ
チルフタロシアニンなどが挙げられる。
【0066】また該芳香族第三級アミン化合物およびス
チリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,
N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル,
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェ
ニル)−4,4’−ジアミノビフェニル,2,2−ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン,1,
1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロ
ヘキサン,N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−
4,4’−ジアミノビフェニル,1,1−ビス(4−ジ
−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘ
キサン,ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)フェニルメタン,ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)フェニルメタン,N,N’−ジフェニル−
N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジ
アミノビフェニル,N,N,N’,N’−テトラフェニ
ル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル,4,4’
−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル,N,
N,N−トリ(P−トリル)アミン,4−(ジ−p−ト
リルアミノ)−4’−〔4(ジ−p−トリルアミノ)ス
チリル〕スチルベン,4−N,N−ジフェニルアミノ−
(2−ジフェニルビニル)ベンゼン,3−メトキシ−
4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン,N−
フェニルカルバゾールなどが挙げられる。
【0067】本発明のEL素子における該正孔注入輸送
層は、これらの正孔伝達化合物1種または2種以上から
成る一層で構成されていてもよいし、あるいは、前記層
とは別種の化合物から成る正孔注入輸送層を積層したも
のであってもよい。一方、前記(3)の構成のEL素子
における電子注入輸送層は、電子伝達化合物から成るも
のであって、陰極より注入された電子を発光層に伝達す
る機能を有している。このような電子伝達化合物につい
て特に制限はなく、従来公知の化合物の中から任意のも
のを選択して用いることができる。該電子伝達化合物の
好ましい例としては、
【0068】
【化32】
【0069】などのチオピランジオキシド誘導体、
【0070】
【化33】
【0071】などのジフェニルキノン誘導体〔「ポリマ
ー・プレプリント(Polymer Preprints ),ジャパン」
第37巻,第3号,第681ページ(1988年)など
に記載のもの〕,あるいは
【0072】
【化34】
【0073】などの化合物〔「ジャパニーズ・ジャーナ
ル・オブ・アプライド・フィヂィクス(J.J.Appl.Phy
s.) 」第27巻,L269(1988年)等参照〕や、
アントラキノジメタン誘導体(特開昭57−14925
9号公報,同58−55450号公報,同61−225
151号公報,同61−233750号公報,同63−
104061号公報等参照),フレオレニリデンメタン
誘導体(特開昭60−69657号公報,同61−14
3764号公報,同61−148159号公報等参
照),アントロン誘導体(特開昭61−225151号
公報,同61−233750号公報等参照)
【0074】
【化35】
【0075】「Appl.Phys.Lett. 」第55巻,第148
9ページ(1989年)に開示されているオキサジアソ
ール誘導体などを挙げることができる。特に好ましい例
としては、前記正孔障壁性を有する電子注入層用の化合
物である一般式(IX)または一般式(X)の化合物であ
る。次に、本発明の有機EL素子を作製する好適な方法
の例を、各構成の素子それぞれについて説明する。前記
の陽極/発光層/陰極から成るEL素子の作製法につい
て説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質,
例えば陽極用物質から成る薄膜を、1μm以下,好まし
くは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着
やスパッタリングなどの方法により、形成させ、陽極を
作製したのち、この上に発光材料である化合物の薄膜を
形成させ、発光層を設ける。該発光材料の薄膜化の方法
としては、例えばスピンコート法,キャスト法,LB
法,蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、か
つピンホールが生成しにくいなどの点から、スピンコー
ト法が好ましい。次にこの発光層の形成後、その上に陰
極用物質から成る薄膜を、1μm以下、好ましくは50
〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着や
スパッタリングなどの方法により、形成させ、陰極を設
けることにより、所望の有機EL素子が得られる。な
お、このEL素子の作製においては、作製順序を逆にし
て、陰極,発光層,陽極の順に作製することも可能であ
る。
【0076】次に、陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰
極から成るEL素子の作製法について説明すると、ま
ず、陽極を前記のEL素子の場合と同様にして形成した
のち、その上に、正孔伝達化合物から成る薄膜をスピン
コート法などにより形成し、正孔注入輸送層を設ける。
この際の条件は、前記発光材料の薄膜形成の条件に準じ
ればよい。次に、この正孔注入輸送層の上に、順次発光
層および陰極を、前記EL素子の作製の場合と同様にし
て設けることにより、所望のEL素子が得られる。な
お、このEL素子の作製においても、作製順序を逆にし
て、陰極,発光層,正孔注入輸送層,陽極の順に作製す
ることも可能である。さらに、陽極/正孔注入輸送層/
発光層/電子注入輸送層/陰極から成るEL素子の作製
法について説明すると、まず、前記のEL素子の作製の
場合と同様にして、陽極,正孔注入輸送層,発光層を順
次設けたのち、この発光層の上に、電子伝達化合物から
成る薄膜をスピンコート法などにより形成して、電子注
入輸送層を設け、次いでこの上に、陰極を前記EL素子
の作製の場合と同様にして設けることにより、所望のE
L素子が得られる。なお、このEL素子の作製において
も、作製順序を逆にして、陽極,電子注入輸送層,発光
層,正孔注入輸送層,陽極の順に作製してもよい。
【0077】このようにして得られた本発明の有機EL
素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+,陰極
を−の極性として電圧1〜30V程度を印加すると、発
光が透明または半透明の電極側より観測できる。また、
逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず発光は全く生
じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が
+,陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、
印加する交流の波形は任意でよい。
【0078】
【実施例】本発明を参考例,合成例,実施例および比較
例を用いて、さらに詳しく説明する。
【0079】合成例1 3規定の水酸化ナトリウム水溶液600ミリリットル
に、構造式
【0080】
【化36】
【0081】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物66.5g(0.125モル)と1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン33.
5g(0.125モル)を溶解させた溶液および塩化メチ
レン250ミリリットルを1リットルのフラスコに投入
した。外部冷却により液温を10℃付近に保持しながら
反応液を激しく攪拌し、ホスゲンを340ミリリットル
/分の割合で30分間吹き込んだ。その後、1時間攪拌
を続け重合を完了させた。反応終了後、有機層に塩化メ
チレン500ミリリットルを加え希釈し、水,希塩酸,
水の順に洗浄した後、メタノール中に投入してポリカー
ボネートを得た。このポリカーボネートは、塩化メチレ
ンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液,20℃におけ
る還元粘度〔ηsp/c〕が0.85dl/gであった。ゲ
ル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定により平均
分子量(Mw)は、35000であった。この重合体の
構造および組成は、プロトン核磁気共鳴( 1H−NM
R),赤外線吸収(IR),質量分析(MS)の各スペ
クトル分析より下記の繰り返し単位および組成からなる
ポリカーボネート共重合体であることがわかった。
【0082】
【化37】
【0083】合成例2 構造式
【0084】
【化38】
【0085】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物75.8g(0.2モル)と1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わり
に2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン12.8g(0.05モル)を用いた以外は、
合成例1と同様にしてポリカーボネートを得た。このポ
リカーボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5
g/dlの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.92
dl/gであった。GPCの測定によりMwは、380
00であった。この重合体の構造および組成は、 1H−
NMR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し
単位および組成からなるポリカーボネート共重合体であ
った。
【0086】
【化39】
【0087】合成例3 構造式
【0088】
【化40】
【0089】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物20.4g(0.05モル)と1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わ
りに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−ジフェニルメタン70.4g(0.20モル)を用いた以
外は、合成例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
このポリカーボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃
度0.5g/dlの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が
0.78dl/gであった。GPCの測定によりMwは、
30000であった。この重合体の構造および組成は、
1H−NMR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰
り返し単位および組成からなるポリカーボネート共重合
体であった。
【0090】
【化41】
【0091】合成例4 構造式
【0092】
【化42】
【0093】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物71.75g(0.125モル)と1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの
代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン28.5g(0.125モル)を用いた以外は、合成例
1と同様にしてポリカーボネートを得た。このポリカー
ボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/d
lの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.77dl/
gであった。GPCの測定によりMwは、32000で
あった。この重合体の構造および組成は、 1H−NM
R,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位
および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0094】
【化43】
【0095】合成例5 構造式
【0096】
【化44】
【0097】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物139.6g(0.20モル)と1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン13.
4g(0.05モル)を用いた以外は、合成例1と同様に
してポリカーボネートを得た。このポリカーボネート
は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶
液,20℃における〔ηsp/c〕が0.61dl/gであ
った。GPCの測定によりMwは、25000であっ
た。この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,I
R,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および
組成からなるポリカーボネート共重合体であった。
【0098】
【化45】
【0099】合成例6 構造式
【0100】
【化46】
【0101】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物27.3g(0.05モル)と1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わ
りに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−ジフェニルメタン70.4g(0.20モル)を用いた以
外は、合成例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
このポリカーボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃
度0.5g/dlの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が
0.57dl/gであった。GPCの測定によりMwは、
24000であった。この重合体の構造および組成は、
1H−NMR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰
り返し単位および組成からなるポリカーボネート共重合
体であった。
【0102】
【化47】
【0103】合成例7 構造式
【0104】
【化48】
【0105】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物109.2g(0.20モル)と1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代
わりに2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン12.8g(0.05モル)を用いた以外
は、合成例1と同様にしてポリカーボネートを得た。こ
のポリカーボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.
68dl/gであった。GPCの測定によりMwは、2
9000であった。この重合体の構造および組成は、 1
H−NMR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り
返し単位および組成からなるポリカーボネート共重合体
であった。
【0106】
【化49】
【0107】実施例1 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上に、ITOを蒸
着法にて100nmの厚さで製膜したもの(HOYA
製)を透明支持基板とした。なお、この基板は、イソプ
ロピルアルコールで超音波洗浄後、窒素を吹きつけて乾
燥し、UVオゾン洗浄(サムコインターナショナルUV
300)を8分間行ったものである。この透明支持基板
上に、合成例7で得られたポリカーボネート200ミリ
gをジクロロメタン20gに溶解して得た0.9重量%の
溶液をスピンコーティングし、発光層とした。このとき
のスピンコーティングは、7000rPmで50秒間行
い、得られた膜厚は600±100Å*1(表面形状測定
器:Sloan社製,DEKTAK3030)であっ
た。次いで、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置
(日本真空技術(株)製)の基板ホルダーに固定した。
真空蒸着装置には、3種の抵抗加熱ボートを取り付けて
おり、1つには電子注入材料であるPBD200mg、
1つにはマグネシウム2g、残りの1つには銀200ミ
リgを入れて真空槽を2×10-3Paまで減圧した。そ
の後PBDの入った前記ボートを加熱し、PBDを蒸着
速度0.3〜0.5nm/秒で透明支持基板上に蒸着して、
膜厚20nmの電子注入層を製膜させた。この時の基板
温度は室温であった。次に、マグネシウム入りのボート
と銀入りのボートを同時に通電し、蒸着速度の比(マグ
ネシウム:銀)が1:7〜1:10になるようにしてマ
グネシウム:銀電極を120nm積層蒸着(膜厚は水晶
振動子式膜厚センサーで感知)して対向電極とし、素子
を形成した。次に、直流電圧6Vを印加すると、電流が
136mA/cm2 程度流れ、発光色は色度座標でPurp
lish Blue を得た。ピーク波長は分光測定より、460
nmであり、発光輝度は120cd/m2 であった。 *1:この薄膜は、6ケ月後も光学顕微鏡で感知しうる
結晶化はなく薄膜を維持していた。 図1中、縦軸における0Åまではポリカーボネート層が
無いことを示す。また、横軸220μm付近の立ち上が
りの大きさが、ポリカーボネートの膜厚を示し、600
Åからのずれが±100Åであることは超薄膜の平坦性
が優れていることを示している。
【0108】参考例1 アルゴン雰囲気下でジメチルスルホキシド(DMSO)
20ミリリットルに、構造式
【0109】
【化50】
【0110】で表されるホスホン酸エステルを溶解し、
カリウム−t−ブトキシド(t−BuOK)1.0gを加
えた。その後、構造式
【0111】
【化51】
【0112】で表される化合物を加え5時間攪拌した。
得られた反応物にメタノール100ミリリットル加えた
結果、淡黄色の粉末が析出した。この粉末に沃素を含む
ベンゼン溶液を加え再結晶させたところ0.8gの淡黄色
の粉末を得た。得られた淡黄色の粉末の構造および組成
をプロトン核磁気共鳴( 1H−NMR)スペクトルによ
り分析した結果、下記のスチリルアミン化合物であるこ
とが確認された。
【0113】
【化52】
【0114】この透明支持基板上に、実施例1と同様に
して、この化合物200ミリgをジクロロメタン20g
に溶解して得た0.9重量%の溶液をスピンコーティング
した。このときのスピンコーティングは、7000rP
mで50秒間行った。得られた膜厚を前記DEKTAK
3030で測定したところ、得られた膜厚は600±5
00Åの凹凸の激しい薄膜状態であることが確認され
た。
【0115】このような凹凸が激しい、有機低分子単独
では通常、スピンコート法によって薄膜を形成すること
はできず、発光層,正孔注入層として用いることは不可
能である。
【0116】比較例1 構造式
【0117】
【化53】
【0118】で表されるホスホン酸エステルを用いたこ
と以外は、参考例1と同様にして、
【0119】
【化54】
【0120】で表されるスチリルアミン化合物を合成し
た。また、発光層として上記スチリルアミン化合物(膜
厚50nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て、有機EL素子を作成した。ITO電極を陽極,マグ
ネシウムと銀の混合金属電極を陰極として、得られた素
子に、直流電圧10Vを印加してもEL素子は短絡して
おり発光は生じなかった。
【0121】実施例2 実施例1と同様にして得られたポリカーボネート200
ミリgをジクロロメタン20gに溶解して得た0.9重量
%の溶液をスピンコーティングし、正孔注入層とした。
このときのスピンコーティングは、7000rPmで5
0秒間行い、得られた膜厚は600±100Å(表面形
状測定器:DEKTAK3030)であった。次いで、
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置(日本真空技術
(株)製)の基板ホルダーに固定した。真空蒸着装置に
は、3種の抵抗加熱ボートを取り付けており、1つには
発光材料である8−ヒドロキシキノリンを3配位したア
ルミニウム錯体(Alq)200ミリg、1つにはマグ
ネシウム2g、残りの1つには銀200ミリgを入れて
真空槽を10-3Paまで減圧した。 その後Alqの入
った前記ボートを、250〜270℃まで加熱し、Al
qを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸
着して、膜厚50nmの電子伝達性の発光層を製膜させ
た。この時の基板温度は室温であった。次に、マグネシ
ウム入りのボートと銀入りのボートを同時に通電し、蒸
着速度の比(マグネシウム:銀)が1:7〜1:10に
まるようにしてマグネシウム:銀電極を120nm積層
蒸着(膜厚は水晶振動子式膜厚センサーにて確認)して
対向電極とし、素子を形成した。ITO電極を陽極,マ
グネシウムと銀の混合金属電極を陰極として、得られた
素子に、直流電圧12Vを印加すると、電流が168m
A/cm2 程度流れ、発光色は色度座標でGreenを得
た。ピーク波長は分光測定より、513nmであり、発
光輝度は800cd/m2 であった。
【0122】比較例2 正孔注入層としたポリカーボネート層を除いた以外は、
実施例2と同様にしてEL素子を作成した。ITO電極
を陽極,マグネシウムと銀の混合金属電極を陰極とし
て、得られた素子に、直流電圧17Vを印加すると、電
流が20mA/cm2 程度流れ、発光色は色度座標でGr
een を得た。ピーク波長は分光測定より、513nmで
あり、発光輝度は20cd/m2であった。著しく印加電
圧が上昇しており、発光輝度も小さい。従って、実施例
2においてポリカーボネート層は十分に正孔注入層とし
て機能した。
【0123】実施例3〜8 第1表に記載したポリカーボネートを発光層として用い
て、実施例1と同様にEL素子を作成した。得られた結
果を第1表に示す。EL発光層が困難な青色領域で高輝
度かつ高い発光効率が得られている。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】参考例2
【0127】
【化55】
【0128】
【化56】
【0129】オキシ塩化リン4g(0.026モル)へ氷
冷下、DMF6.0g(0.08モル)を滴下することによ
り透明な溶液を得た。次いで、4−メトキシトリフェニ
ルアミン6.6g(0.024モル)を加えると黄色懸濁液
となり、4℃で1時間攪拌させた後、80℃で1時間加
熱攪拌した結果、赤褐色溶液が得られた。放冷後、得ら
れた反応液を水100ミリリットルに投入し、酢酸ナト
リウム2gを加え中性とした。ここで生成した黄色沈澱
物を濾取し、水100ミリリットルにて3回洗浄した
後、減圧蒸留した。得られた黄色粉末6.1g(収率83
%)は、プロトン核磁気共鳴( 1H−NMR)測定の結
果、目的の化合物であった。
【0130】
【化57】
【0131】の合成
【0132】
【化58】
【0133】で表されるホスホン酸エステル5.0g(0.
011モル)とカリウム−t−ブトキシド22.5g(0.
022モル)と参考例2で合成したアルデヒド6.7g
(0.022モル)を無水ジメチルスルホキシド100ミ
リリットルに懸濁させ、アルゴンガス雰囲気下、室温に
て攪拌した。得られた赤色懸濁液を5時間攪拌した後、
メタノール50ミリリットル,水50ミリリットルを加
えると黄色油状物が得られた。これをシリカゲルクロマ
トグラフィーにて精製し、4.0g(収率48%)の黄色
アモルファス状化合物を得た。得られた化合物は、 1
−NMR測定の結果、目的の化合物であった。
【0134】
【化59】
【0135】の合成 参考例2で得られた化合物3.0g(0.0039モル)
を窒素導入管を有する200ミリリットルのフラスコへ
入れ、冷却しながら塩化メチレン50ミリリットルで溶
解した。三臭化ホウ素0.7ミリリットル(0.0075モ
ル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応液を室温で
3時間攪拌した後、再び冷却しながら、水50ミリリッ
トルを少量ずつ加えた。有機層を水50ミリリットルで
3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウ
ムを濾過後、溶媒を留去すると目的化合物2.2g(収率
77%)が得られた。得られた化合物は、 1H−NMR
測定の結果、目的の化合物であった。
【0136】合成例8 3規定の水酸化ナトリウム水溶液600ミリリットルに
参考例2において合成されたスチリルアミン骨格を有す
るビスフェノール化合物88.8g(0.125モル)と
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン33.5g(0.125モル)を溶解させた溶液および塩
化メチレン250ミリリットルを1リットルのフラスコ
に投入した。外部冷却により液温を10℃付近に保持し
ながら反応液を激しく攪拌し、ホスゲンを340ミリリ
ットル/分の割合で30分間吹き込んだ。その後、1時
間攪拌を続け重合を完了させた。反応終了後、有機層に
塩化メチレン500ミリリットルを加え希釈し、水,希
塩酸,水の順に洗浄した後、メタノール中に投入してポ
リカーボネートを得た。このポリカーボネートは、塩化
メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液,20℃
における還元粘度〔ηsp/c〕が0.70dl/gであっ
た。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定によ
り平均分子量(Mw)は、28000であった。また、
この重合体の 1H−NMR,IRスペクトルの結果を次
に示す。 1 H−NMR(溶媒:CD2 Cl2 ) δ(ppm)=1.55(6H,s),2.3(4H,
s),6.8〜7.5(144H,m) IR(KBr錠剤法) 981cm-1(δC-H トランス) この重合体の構造および組成は、以上のスペクトル分析
より下記の繰り返し単位および組成からなるポリカーボ
ネート共重合体であった。
【0137】
【化60】
【0138】合成例9 ホスホン酸エステルとして
【0139】
【化61】
【0140】を用いた以外は、参考例2と同様にして下
記のビスフェノール化合物を得た。 構造式
【0141】
【化62】
【0142】このスチリルアミン骨格を有するビスフェ
ノール化合物136.4g(0.2モル)と1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わりに
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン12.8g(0.05モル)を用いた以外は、合成
例8と同様にしてポリカーボネートを得た。このポリカ
ーボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/
dlの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.53dl
/gであった。GPCの測定によりMwは、28000
であった。この重合体の構造および組成は、 1H−NM
R,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位
および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0143】
【化63】
【0144】合成例10 ホスホン酸エステルとして
【0145】
【化64】
【0146】を用いた以外は、参考例2と同様にして下
記のビスフェノール化合物を得た。 構造式
【0147】
【化65】
【0148】このスチリルアミン骨格を有するビスフェ
ノール化合物23.35g(0.05モル)と1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わりに
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジ
フェニルメタン70.4g(0.20モル)を用いた以外
は、合成例8と同様にしてポリカーボネートを得た。こ
のポリカーボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.
74dl/gであった。GPCの測定によりMwは、3
0000であった。この重合体の構造および組成は、 1
H−NMR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り
返し単位および組成からなるポリカーボネート共重合体
であった。
【0149】
【化66】
【0150】合成例11 ホスホン酸エステルとして
【0151】
【化67】
【0152】アルデヒド誘導体として
【0153】
【化68】
【0154】を用いた以外は、参考例2と同様にして下
記のビスフェノール化合物を得た。 構造式
【0155】
【化69】
【0156】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物113.5g(0.125モル)と1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの
代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン28.5g(0.125モル)を用いた以外は、合成例
8と同様にしてポリカーボネートを得た。このポリカー
ボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/d
lの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.68dl/
gであった。GPCの測定によりMwは、24000で
あった。この重合体の構造および組成は、 1H−NM
R,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位
および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0157】
【化70】
【0158】合成例12 ホスホン酸エステルとして
【0159】
【化71】
【0160】アルデヒド誘導体として
【0161】
【化72】
【0162】を用いた以外は、参考例2と同様にして下
記のビスフェノール化合物を得た。 構造式
【0163】
【化73】
【0164】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物158g(0.20モル)と1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン13.4
g(0.05モル)を用いた以外は、合成例8と同様にし
てポリカーボネートを得た。このポリカーボネートは、
塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液,2
0℃における〔ηsp/c〕が0.52dl/gであった。
GPCの測定によりMwは、21000であった。この
重合体の構造および組成は、 1H−NMR,IR,MS
スペクトル分析より下記の繰り返し単位および組成から
なるポリカーボネート共重合体であった。
【0165】
【化74】
【0166】合成例13 ホスホン酸エステルとして
【0167】
【化75】
【0168】を用いた以外は、参考例2と同様にして下
記のビスフェノール化合物を得た。 構造式
【0169】
【化76】
【0170】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物34.1g(0.05モル)と1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わ
りに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−ジフェニルメタン70.4g(0.20モル)を用いた以
外は、合成例8と同様にしてポリカーボネートを得た。
このポリカーボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃
度0.5g/dlの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が
0.62dl/gであった。GPCの測定によりMwは、
27000であった。この重合体の構造および組成は、
1H−NMR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰
り返し単位および組成からなるポリカーボネート共重合
体であった。
【0171】
【化77】
【0172】合成例14 ホスホン酸エステルとして
【0173】
【化78】
【0174】アルデヒド誘導体として
【0175】
【化79】
【0176】を用いた以外は、参考例2と同様にして下
記のビスフェノール化合物を得た。 構造式
【0177】
【化80】
【0178】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物132.4g(0.20モル)と1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代
わりに2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン12.8g(0.05モル)を用いた以外
は、合成例8と同様にしてポリカーボネートを得た。こ
のポリカーボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.
68dl/gであった。GPCの測定によりMwは、2
9000であった。この重合体の構造および組成は、 1
H−NMR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り
返し単位および組成からなるポリカーボネート共重合体
であった。
【0179】
【化81】
【0180】合成例15 構造式
【0181】
【化82】
【0182】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物144.8g(0.2モル)と1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わ
りに4,4’−ヒドロキシビフェニルエーテル20.2g
(0.2モル)を用いた以外は、参考例2,合成例8と同
様にしてポリカーボネートを得た。 このポリカーボネ
ートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの
溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.71dl/gで
あった。GPCの測定によりMwは、30000であっ
た。この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,I
R,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および
組成からなるポリカーボネート共重合体であった。
【0183】
【化83】
【0184】合成例16 構造式
【0185】
【化84】
【0186】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物72.4g(0.1モル)と1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わり
に4,4’−ヒドロキシビフェニルスルホン21.8g
(0.1モル)を用いた以外は、参考例2,合成例8と同
様にしてポリカーボネートを得た。 このポリカーボネ
ートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの
溶液,20℃における〔η sp/c〕が0.5dl/gであ
った。GPCの測定によりMwは、19000であっ
た。この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,I
R,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および
組成からなるポリカーボネート共重合体であった。
【0187】
【化85】
【0188】合成例17 構造式
【0189】
【化86】
【0190】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物72.4g(0.1モル)と1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わり
に4,4’−ヒドロキシビフェニルスルフィド25g
(0.1モル)を用いた以外は、参考例2,合成例8と同
様にしてポリカーボネートを得た。このポリカーボネー
トは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶
液,20℃における〔ηsp/c〕が0.62dl/gであ
った。GPCの測定によりMwは、24000であっ
た。この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,I
R,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および
組成からなるポリカーボネート共重合体であった。
【0191】
【化87】
【0192】合成例18 構造式
【0193】
【化88】
【0194】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物72.4g(0.1モル)と1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わり
に1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン19
g(0.1モル)を用いた以外は、参考例2,合成例8と
同様にしてポリカーボネートを得た。このポリカーボネ
ートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの
溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.71dl/gで
あった。GPCの測定によりMwは、31000であっ
た。この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,I
R,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および
組成からなるポリカーボネート共重合体であった。
【0195】
【化89】
【0196】合成例19 構造式
【0197】
【化90】
【0198】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物72.4g(0.1モル)と1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン34.4g
(0.1モル)を用いた以外は、参考例2,合成例8と同
様にしてポリカーボネートを得た。このポリカーボネー
トは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶
液,20℃における〔ηsp/c〕が0.65dl/gであ
った。GPCの測定によりMwは、25000であっ
た。この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,I
R,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および
組成からなるポリカーボネート共重合体であった。
【0199】
【化91】
【0200】合成例20 構造式
【0201】
【化92】
【0202】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物72.4g(0.1モル)と1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わり
に4,4’−ビフェニル18.6g(0.1モル)を用いた
以外は、参考例2,合成例8と同様にしてポリカーボネ
ートを得た。このポリカーボネートは、塩化メチレンを
溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液,20℃における
〔ηsp/c〕が0.68dl/gであった。GPCの測定
によりMwは、29000であった。この重合体の構造
および組成は、 1H−NMR,IR,MSスペクトル分
析より下記の繰り返し単位および組成からなるポリカー
ボネート共重合体であった。
【0203】
【化93】
【0204】合成例21 構造式
【0205】
【化94】
【0206】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物75.2g(0.2モル)と1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わり
に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2
1.6g(0.1モル)を用いた以外は、参考例2,合成例
8と同様にしてポリカーボネートを得た。このポリカー
ボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/d
lの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.68dl/
gであった。GPCの測定によりMwは、25000で
あった。この重合体の構造および組成は、 1H−NM
R,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位
および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0207】
【化95】
【0208】合成例22 構造式
【0209】
【化96】
【0210】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物61.8g(0.1モル)と1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わり
に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2
1.6g(0.1モル)を用いた以外は、参考例2,合成例
8と同様にしてポリカーボネートを得た。このポリカー
ボネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/d
lの溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.85dl/
gであった。GPCの測定によりMwは、34000で
あった。この重合体の構造および組成は、 1H−NM
R,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位
および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0211】
【化97】
【0212】合成例23 構造式
【0213】
【化98】
【0214】で表されるスチリルアミン骨格を有するビ
スフェノール化合物78.4g(0.1モル)と1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わり
に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4.
6g(0.1モル)を用いた以外は、参考例2,合成例8
と同様にしてポリカーボネートを得た。このポリカーボ
ネートは、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl
の溶液,20℃における〔ηsp/c〕が0.59dl/g
であった。GPCの測定によりMwは、20000であ
った。この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,
IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位およ
び組成からなるポリカーボネート共重合体であった。
【0215】
【化99】
【0216】実施例9 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上に、ITOを蒸
着法にて100nmの厚さで製膜したもの(HOYA
製)を透明支持基板とした。なお、この基板は、イソプ
ロピルアルコールで超音波洗浄後、窒素を吹きつけて乾
燥し、UVオゾン洗浄(サムコインターナショナルUV
300)を8分間行ったものである。この透明支持基板
上に、合成例10で得られたポリカーボネート200m
gを1,2−ジクロロエタン20gに溶解して得た0.9
重量%の溶液をスピンコーティングし、発光層とした。
このときのスピンコーティングは、7000rPmで5
0秒間行い、得られた膜厚は600±50Å*1(表面形
状測定器:Sloan社製,DEKTAK3030)で
あった。これは、極めて薄膜性の優れた発光層であり、
充分に有機EL素子が実現可能であった。次いで、この
透明支持基板を市販の真空蒸着装置(日本真空技術
(株)製)の基板ホルダーに固定した。真空蒸着装置に
は、3種の抵抗加熱ボートを取り付けており、1つには
電子注入材料であるPBD200mg、1つにはマグネ
シウム2g、残りの1つには銀200ミリgを入れて真
空槽を2×10-3Paまで減圧した。その後PBDの入
った前記ボートを加熱し、PBDを蒸着速度0.3〜0.5
nm/秒で透明支持基板上に蒸着して、膜厚20nmの
電子注入層を製膜させた。この時の基板温度は室温であ
った。次に、マグネシウム入りのボートと銀入りのボー
トを同時に通電し、蒸着速度の比(マグネシウム:銀)
が1:7〜1:10になるようにしてマグネシウム:銀
電極を120nm積層蒸着(膜厚は水晶振動子式膜厚セ
ンサーで感知)して対向電極とし、素子を形成した。次
に、直流電圧6Vを印加すると、電流が70mA/cm
2 流れ、発光色は色度座標でBlue greenを得た。ピーク
波長は分光測定より、483nmであり、発光輝度は1
200cd/m2 であった。 *1:この薄膜は、3ケ月後も光学顕微鏡で感知しうる
薄膜の乱れおよび結晶化はなく薄膜を維持していた。
【0217】参考例3 アルゴン雰囲気下でジメチルスルホキシド(DMSO)
20ミリリットルに、構造式
【0218】
【化100】
【0219】で表されるホスホン酸エステルを溶解し、
カリウム−t−ブトキシド(t−BuOK)1.0gを加
えた。その後、構造式
【0220】
【化101】
【0221】で表される化合物を加え5時間攪拌した。
得られた反応物にメタノール100ミリリットル加えた
結果、淡黄色の粉末が析出した。この粉末に沃素を含む
ベンゼン溶液を加え再結晶させたところ0.9gの淡黄色
の粉末を得た。得られた淡黄色の粉末の構造および組成
をプロトン核磁気共鳴( 1H−NMR)スペクトルによ
り分析した結果、下記のスチリルアミン化合物であるこ
とが確認された。
【0222】
【化102】
【0223】この透明支持基板上に、実施例9と同様に
して、この化合物200ミリgをジクロロメタン20g
に溶解して得た0.9重量%の溶液をスピンコーティング
した。このときのスピンコーティングは、7000rP
mで50秒間行った。得られた膜厚を前記DEKTAK
3030で測定したところ、得られた膜厚は600±4
00Åの凹凸の激しい薄膜状態であることが確認され
た。
【0224】このような凹凸が激しい有機低分子単独で
は、通常、スピンコート法によって薄膜を形成すること
はできず、発光層,正孔注入層として用いることは不可
能である。
【0225】比較例3 参考例3で得られたスチリルアミン化合物を発光層(膜
厚60nm)として用いた以外は、実施例と同様にして
有機EL素子を作成した。ITO電極を陽極,マグネシ
ウムと銀の混合金属電極を陰極として、得られた素子
に、直流電圧7Vを印加してもEL素子は短絡しており
発光は生じなかった。
【0226】実施例10 実施例9と同様にして得られたポリカーボネート200
ミリgをジクロロメタン20gに溶解して得た0.9重量
%の溶液をスピンコーティングし、正孔注入層とした。
このときのスピンコーティングは、7000rPmで5
0秒間行い、得られた膜厚は600±100Å(表面形
状測定器:DEKTAK3030)であった。次いで、
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置(日本真空技術
(株)製)の基板ホルダーに固定した。真空蒸着装置に
は、3種の抵抗加熱ボートを取り付けており、1つには
発光材料である8−ヒドロキシキノリンを3配位したア
ルミニウム錯体(Alq)200ミリg、1つにはマグ
ネシウム2g、残りの1つには銀200ミリgを入れて
真空槽を10-3Paまで減圧した。 その後Alqの入
った前記ボートを、250〜270℃まで加熱し、Al
qを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸
着して、膜厚50nmの電子伝達性の発光層を製膜させ
た。この時の基板温度は室温であった。次に、マグネシ
ウム入りのボートと銀入りのボートを同時に通電し、蒸
着速度の比(マグネシウム:銀)が1:7〜1:10に
まるようにしてマグネシウム:銀電極を120nm積層
蒸着(水晶振動子式膜厚センサー)して対向電極とし、
素子を形成した。ITO電極を陽極,マグネシウムと銀
の混合金属電極を陰極として、得られた素子に、直流電
圧7Vを印加すると、電流が50mA/cm2 程度流
れ、発光色は色度座標でGreen を得た。ピーク波長は分
光測定より、513nmであり、発光輝度は1000cd
/m2 であった。
【0227】比較例4 正孔注入層としたポリカーボネート層を除いた以外は、
実施例10と同様にしてEL素子を作成した。ITO電
極を陽極,マグネシウムと銀の混合金属電極を陰極とし
て、得られた素子に、直流電圧17Vを印加すると、電
流が20mA/cm2 程度流れ、発光色は色度座標でGr
een を得た。ピーク波長は分光測定より、513nmで
あり、発光輝度は20cd/m2 であった。著しく印加電
圧が上昇しており、発光輝度も小さい。従って、実施例
2でポリカーボネート層は十分に正孔注入層として機能
した。
【0228】実施例11〜25 第2表に記載したポリカーボネートを発光層として用い
て、実施例9と同様にEL素子を作成した。得られた結
果を第2表に示す。EL発光層が困難な青色〜緑色領域
で高輝度かつ高い発光効率が得られている。
【0229】
【表3】
【0230】
【表4】
【0231】
【発明の効果】以上の如く、本発明の有機EL素子は、
スピンコート法で素子の発光層および/または正孔注入
層を容易に製膜でき、発光層および/または正孔注入層
に薄膜維持能をもたらした。さらに、本発明の有機EL
素子は、本発明のポリカーボネートを発光層とした場
合、青色〜緑色領域の発光を可能とし、低電圧で高輝度
および高い発光効率を得るとともに、長寿命化が実現し
た。したがって、本発明の有機EL素子は、実用的価値
の高いものとして、様々な分野で有効な利用が期待され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた薄膜の膜厚を測定した結果
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/06 CA(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレクトロルミネッセンス機能を保有す
    るスチリルアミン骨格を繰り返し単位として含有するポ
    リカーボネートを、発光材料および/または正孔注入材
    料として用いることを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネートが、一般式(I) 【化1】 (式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ独立に置換あるい
    は無置換の炭素数6〜20のアリーレン基を示す。Ar
    5 およびAr6 は、それぞれ独立に置換あるいは無置換
    の炭素数6〜20のアリール基を示す。また、R1 およ
    びR2 は、それぞれ独立に水素原子,炭素数1〜6のア
    ルキル基,置換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリ
    ール基を示す。ここで、置換基は、炭素数1〜10のア
    ルキル基あるいはアルコキシ基である。また、Pは0ま
    たは1の整数を示す。)で表される繰り返し単位を有す
    る請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネートが、一般式(II) 【化2】 (式中、Ar1 〜Ar6 ,R1 ,R2 およびPは、前記
    と同様である。)で表される繰り返し単位(α)および
    一般式(III) 【化3】 (式中、R3 およびR4 は、それぞれ独立に水素原子あ
    るいは炭素数1〜6のアルキル基を示し、Yは単結合, 【化4】 (ここで、xは2〜10の整数を示し、R5 およびR6
    は、それぞれ独立に水素原子,炭素数1〜6のアルキル
    基または炭素数6〜10のアリール基である。)を示
    す。)で表される繰り返し単位(β)を有する請求項1
    記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネートが、一般式(IV) 【化5】 (式中、R1 ,R2 ,PおよびAr1 〜Ar6 は、前記
    と同じである。Ar7 は、それぞれ独立に置換あるいは
    無置換の炭素数6〜20のアリーレン基を示す。ここ
    で、置換基は、炭素数1〜10のアルキル基あるいはア
    ルコキシ基である。点線は、単結合により連結されてい
    ても良いことを示す。)で表される繰り返し単位を有す
    る請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネートが、一般式(V) 【化6】 (式中、Ar1 〜Ar7 ,R1 ,R2 およびPは、前記
    と同様である。点線は、単結合により連結されていても
    良いことを示す。)で表される繰り返し単位(γ)およ
    び一般式(III)で表される繰り返し単位(β)を有する
    請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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