JPH1126160A - 有機薄膜el素子 - Google Patents

有機薄膜el素子

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JPH1126160A
JPH1126160A JP9193183A JP19318397A JPH1126160A JP H1126160 A JPH1126160 A JP H1126160A JP 9193183 A JP9193183 A JP 9193183A JP 19318397 A JP19318397 A JP 19318397A JP H1126160 A JPH1126160 A JP H1126160A
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organic
organic thin
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JP9193183A
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English (en)
Inventor
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Hiroshi Tamura
宏 田村
Chihaya Adachi
千波矢 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、機械的強度、経時変化がなく耐久性
に優れた有機薄膜EL素子を提供する。 【解決手段】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層ま
たは複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有
機薄膜EL素子において、該有機化合物薄膜の少なくと
も1層が、下記一般式(I)で表わされる繰り返し単位
からなる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する層であ
ることを特徴とする有機薄膜EL素子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な有機薄膜EL
素子に関し、更に詳しくは耐熱性、機械的強度、経時変
化がなく、耐久性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂
からなる有機薄膜EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機薄膜EL素子は自己発光型で
あるために視野角依存性に富み、視認性が高く、さらに
は薄膜型の完全固体素子であるために省スペース等の観
点から注目され、実用化研究への展開が開始されてい
る。しかしながら、エネルギー変換効率、発光量子効率
のさらなる向上や、経時での有機薄膜の安定性の付与な
ど解決すべき問題が多数ある。
【0003】これまで、有機薄膜EL素子は低分子を利
用したものと高分子を利用したものが報告されている。
低分子系においては、種々の積層構造の採用により高効
率化の実現が、またドーピング法をうまくコントロール
することにより耐久性の向上が報告されている。ただ
し、低分子集合体の場合、長時間における経時での膜状
態の変化が生じることが報告されており、膜の安定性に
関して本質的な問題点を抱えている。一方、高分子系材
料においては、これまで、主にPPV(poly−p−
phenylenevinylene)系列やpoly
−thiophene等について精力的に検討が行われ
てきた。しかしながらこれらの材料系は純度を上げるこ
とが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いこ
とが挙げられ、高性能なEL素子は得られていないのが
現状である。高分子材料の場合、本質的にガラス状態が
安定であることを考慮した場合、高蛍光量子効率を付与
することができれば、優れたEL素子の構築が可能とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の現状に鑑みてなされたものであり、発光層の有機薄
膜層を構成する成分として、特に電荷輸送性を有し耐熱
性に優れる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有した、経
時変化がなく耐久性に優れる有機薄膜EL素子を提供す
ることをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、特定の芳香族ポリカーボネート樹脂を含有させ
た有機層を有するEL素子が優れた発光特性を有するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明によれば、互いに対向する陽
極と陰極間に、単層または複数層の有機化合物薄膜より
なる発光層を備えた有機薄膜EL素子において、該有機
化合物薄膜の少なくとも1層が、下記一般式(I)で表
わされる繰り返し単位からなる芳香族ポリカーボネート
樹脂を含有する層であることを特徴とする有機薄膜EL
素子が提供される。
【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、l、m、
n及びXは夫々以下のものを表わす。 R1、R2及びR3:夫々独立して置換若しくは無置換の
アルキル基又はハロゲン原子、 R4:水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、 Ar1及びAr2:置換若しくは無置換の芳香族炭化水素
基、 l、m及びn:夫々独立して0〜4の整数、 k:5〜5000の整数、 X:脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基又は
【化2】 5及びR6:夫々独立して置換若しくは無置換のアルキ
ル基、ハロゲン原子又は芳香族炭化水素基、 o及びp:0〜4の整数、 Y:単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若し
くは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、
−SO2−又は−C(O)−。]
【0007】また、本発明によれば、前記発光層の有機
化合物薄膜の少なくとも1層が、前記一般式で表される
芳香族ポリカーボネート樹脂と電子輸送性物質、或いは
更に発光性物質とを含有する層からなることを特徴とす
る前記有機薄膜EL素子が提供される。更に、本発明に
よれば、互いに対向する陽極と陰極間に、少なくとも1
層のホール注入輸送層を有する複数層の有機化合物薄膜
よりなる発光層を備えた有機薄膜EL素子において、該
ホール注入輸送層の少なくとも1層が、前記一般式
(I)で表わされる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有
する層であることを特徴とする有機薄膜EL素子が提供
される。更にまた、本発明によれば、互いに対向する陽
極と陰極間に、複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層
を備えた有機薄膜EL素子において、該発光層が、前記
一般式(I)で表わされる芳香族ポリカーボネート樹脂
を含有する層と、少なくとも1層のホール注入輸送層及
び/又は少なくとも1層の電子注入輸送層、もしくは少
なくとも1層のホール及び電子注入輸送層から構成され
ていることを特徴とする有機薄膜EL素子が提供され
る。
【0008】本発明の有機薄膜EL素子の発光層に含有
させる芳香族ポリカーボネート樹脂は、下記一般式
(I)で表わされる繰り返し単位からなり、トリアリー
ルアミン構造を側鎖に有し、ホール輸送性と蛍光特性を
合せ持つため、有機薄膜EL素子においては電荷輸送性
高分子材料、或いは蛍光材料として使用できるものであ
る。
【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、l、m、
n及びXは夫々前記の定義と同一。]
【0009】本発明の前記一般式(I)で表わされる繰
り返し単位からなる芳香族ポリカーボネート樹脂は、下
記一般式(II)で表わされる第三級アミノ基を有するジ
フェノール化合物と下記一般式(III)で表わされるビ
スクロロホーメートとを反応させることにより製造され
る。
【化3】 [式中、R1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、l、m及
びnは前記の定義と同一。]
【化4】 [式中、Xは前記の定義と同一。]
【0010】また、該芳香族ポリカーボネート樹脂は、
下記一般式(IV)で表わされる第三級アミノ基を有する
ビスクロロホーメートと下記一般式(V)で表わされる
ジオール化合物とを反応させることによっても製造でき
る。
【化5】 [式中、R1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、l、m及
びnは前記の定義と同一。]
【化6】 HO−X−OH (V) [式中、Xは前記の定義と同一。]
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。本発明は、上記したように前記一般式(I)で表わ
される繰り返し単位からなる芳香族ポリカーボネート樹
脂を含有した有機薄膜からなる発光層を備えた有機薄膜
EL素子に関するものである。
【0012】前記一般式(I)で表わされる構成単位か
らなる芳香族ポリカーボネート樹脂において、R1
3、R5及びR6でのハロゲン原子、R1〜R6でのアル
キル基並びにAr1、Ar2、R5及びR6での芳香族炭化
水素基の具体例としては、以下のものを挙げることがで
きる。 (1)ハロゲン原子;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各
原子。 (2)アルキル基;C1〜C12、好ましくはC1〜C8
更に好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基
であり、これらのアルキル基は更にフッ素原子、水酸
基、シアノ基、フェニル基、ハロゲン原子又はC1〜C5
のアルキル基若しくはC1〜C5のアルコキシ基で置換さ
れたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−
ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、
2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メト
キシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4
−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フ
ェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アリール基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニ
リル基、ターフェニリル基等の非縮合炭化水素基及び縮
合多環炭化水素基が挙げられる。なお、縮合多環炭化水
素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個
以下のもの、例えば、ペンタレニル基、インデニル基、
ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニ
レニル基、as−インダセニル基、フルオレニル基、
9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、s−インダセ
ニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセ
ナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、ア
ントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレ
ニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレルニ基、
ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙
げられる。 上記(1)〜(2)で定義した置換基を有してもよい。
【0013】上記R1〜R4及びAr1〜Ar2について
は、前記一般式(II)で表わされるジフェノール化合物
の具体例を挙げることにより説明する。即ち、前記一般
式(II)で表わされるジフェノール化合物として下記の
ものが挙げられる。1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)
メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−(4−N,N−ジトリルアミノフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)エ
タン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)
エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1
−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−
N,N−ビス(ビフェニリル)アミノフェニル〕メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−
〔4−N,N−ビス(ビフェニリル)アミノフェニル〕
エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1
−〔4−N,N−ビス(ビフェニリル)アミノフェニ
ル〕プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−〔4−N,N−ビス(p−メトキシフェニ
ル)アミノフェニル〕メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−(4−N,N−ジ−p−トリル
アミノフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−〔4−N,N−ビス(p−メトキシ
フェニル)アミノフェニル〕エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−N,N−ビス(p
−メトキシフェニル)アミノフェニル〕プロパン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−N,
N−ジピレニルアミノフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−(N−トリル
−N−ビフェニリル)アミノフェニル〕エタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−N,N
−ビス(4−メチルビフェニリル)アミノフェニル〕エ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−
(4−N,N−ジフェニルアミノフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−
N−トリル−N−ピレニルアミノフェニル)エタン等。
【0014】また、上記のジフェノール化合物は、前記
一般式(IV)で表わされるビスクロロホーメートへ誘導
し、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造に供す
ることもできる。
【0015】また、前記一般式(I)におけるXについ
ては、前記一般式(V)で表わされるジオール化合物の
具体例を挙げることにより説明する。即ち、前記一般式
(V)で表わされるジオール化合物としては下記のもの
が挙げられる。1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10
−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどの
脂肪族ジオールや、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノールなどの環状脂肪族ジオールが挙げ
られる。
【0016】また、芳香環を有するジオールとしては、
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド等が挙げられ
る。
【0017】上記のジオール化合物は前記一般式(II
I)で表わされるビスクロロホーメートへ誘導し、本発
明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造に供することも
できる。
【0018】前記したように、本発明の芳香族ポリカー
ボネート樹脂は、溶液重合法及び界面重合法によって製
造される。溶液重合法では、前記一般式(II)で表わさ
れるジフェノール化合物を溶媒に溶解し、脱酸剤を添加
し、ホスゲンあるいは液化ホスゲンなどにより従来公知
の方法で得られる前記一般式(III)で表わされるビスク
ロロホーメートを上記溶液中に添加することにより製造
できる。脱酸剤としては、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリプロピルアミンのような第3級アミン及
びピリジンが使用される。反応に使用される溶媒として
は、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリク
ロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレ
ン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素及びテトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系の溶媒
が好ましい。また、分子量調節剤として、例えば、フェ
ノール、p−tert−ブチルフェノールなどの末端停
止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40
℃、反応時間は数分〜5時間である。
【0019】また、界面重合法では、通常脱酸剤及び溶
媒の存在下に反応を行う。脱酸剤としては、水酸化ナト
リウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、
ピリジンなどが用いられる。溶媒としては、例えばジク
ロロメタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素
が用いられる。また、反応促進のために例えば第3級ア
ミン、第4級アンモニウム塩などの触媒を用いることが
でき、分子量調節剤として例えばフェノール、p−te
rt−ブチルフェノールなどの末端停止剤を用いること
が望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数
分〜5時間であり、反応中のpHは通常10以上に保つ
ことが好ましい。
【0020】以下、一般式(I)で示される構成単位か
らなる芳香族ポリカーボネート樹脂の代表例を示す。
【0021】
【表1−(1)】
【0022】
【表1−(2)】
【0023】
【表1−(3)】
【0024】
【表1−(4)】
【0025】
【表1−(5)】
【0026】上記の方法に従って製造される芳香族ポリ
カーボネート樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、光安
定剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤等の添加剤を加えること
ができる。
【0027】次に、本発明の有機薄膜EL素子について
説明する。本発明の有機薄膜EL素子における有機化合
物薄膜層のうち上記の芳香族ポリカーボネート樹脂を含
有する層は、スピンコート法やキャスト法等の公知の方
法によって薄膜化することができる。上記芳香族ポリカ
ーボネート樹脂はジクロロメタンやテトラヒドロフラン
等の有機溶媒に容易に溶解する。従って上記芳香族ポリ
カーボネート樹脂を溶解できる適当な溶媒により適当な
濃度の溶液を作製し、これを用いて上記方法等により塗
工し薄膜を作製できる。電子輸送性物質や発光性物質と
を含有する膜を作製する場合は、上記芳香族ポリカーボ
ネート樹脂溶液にそれらを共に溶解させて塗工すれば作
製できる。また、異種のポリマーは相溶しにくい性質を
利用して一種のポリマー媒体中に他種のポリマー微小分
散相を形成するような膜を作製することもできる。この
場合、樹脂の組み合わせや混合比を変えた混合溶液を作
製し、これを用いて同様な湿式成膜法で塗工すればよ
い。この様な膜に於いては前記一般式(1)に示される
芳香族ポリカーボネート樹脂をポリマー媒体として使用
しても良いし、微小分散相として使用しても良い。
【0028】これらの膜は通常20μm以下と薄いの
で、塗工前に孔径0.45μm以下、より好ましくは孔
径0.1μm以下のフィルターで溶液を濾過して使用す
るのが好ましい。また、有機薄膜EL素子における有機
層が複数の有機化合物薄膜層からなり低分子化合物層を
有する場合には湿式成膜法以外に真空蒸着やスパッタ法
等の乾式成膜法を利用することができる。
【0029】本発明の有機薄膜EL素子を構成する発光
層は、有機化合物薄膜の単層もしくは複数層から構成さ
れてもよい。発光層が単層から構成される場合、その層
が、ポリカーボネート樹脂単独から構成されても良い
し、場合によっては、電子輸送性を有する低分子化合物
の分散や高分子とのブレンドまたは他の電荷輸送性ポリ
マーとのブレンド、さらには蛍光量子効率の極めて高い
蛍光分子を微量ドーピングすることも、高効率化に有効
である。
【0030】本発明の有機薄膜EL素子を構成する発光
層は、さらに、必要であれば、複数層から構成すること
も可能である。この場合、ポリカーボネート樹脂含有層
の上部にさらにスピンコート法や真空蒸着法により電子
注入輸送層や他の発光層等を積層することが可能であ
る。また、ポリカーボネート樹脂含有層を形成する前
に、ホール注入輸送層を形成することも性能向上に有効
な場合がある。
【0031】上記電子輸送性物質としては、電子を輸送
する能力を持つ既存の材料を使用することができる。例
えば、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノ
キノン、チオピランジオキシド、ペリレンテトラカルボ
ン酸、フルオレニリデンメタン、アントラキノジメタ
ン、アントロン等とその誘導体やこれまで優れた電子輸
送性を有することが報告されているオキサジアゾール誘
導体やトリアゾール誘導体を利用することが可能であ
る。
【0032】また、上記蛍光量子効率の極めて高い蛍光
分子としては、溶液状態において強い蛍光を示すレーザ
ー色素等やこれまで有機EL素子に発光材として使用さ
れたきた既存の低分子蛍光性材料を利用することが可能
である。例えば、アントラセン、ナフタレン、フェナン
トレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フ
ルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペ
リレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノ
ン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエ
ン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベ
ンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペン
タジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯
体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチ
レン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピ
ラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダ
ゾールキノレート化オキシノイド化合物、キナクリド
ン、ルブレン等およびそれらの誘導体がある。
【0033】更に、上記ホール注入輸送層を構成する材
料としては、これまで有機EL素子において機能するこ
とが報告されているフタロシアニン系化合物、ポルフィ
リン系化合物、オキサジアゾール、トリアゾール、トリ
フェニルアミン系化合物、ポリシラン等の既存材料を利
用することが可能である。
【0034】この様にして形成された有機化合物薄膜層
の膜厚については特に制限はなく、通常5nmから20
μmの範囲で選ばれる。更に好ましくは5nmから0.
2μmの範囲である。膜厚はピンホール等の膜欠陥の発
生や発光波長での素子内での光干渉や膜厚増加により印
加電圧の上昇等を加味して調整される。
【0035】本発明における有機薄膜EL素子の陽極と
しては4eV、好ましくは4.8eVより大きな仕事関
数を持つ金属、合金、金属酸化物等が利用される。こに
ような電極材料の具体例としては、金、白金、パラジウ
ム、銀、タンクステン、ニッケル、コバルト、ITO、
CuI、SnO2、ZnO等の透明電極の利用が挙げら
れる。特に好ましくはITO基板が好適である。ITO
基板の場合、表面の平滑なものが好ましく、また、表面
の汚れを良く洗浄して使用する。洗浄法としては既知の
方法でよいが、オゾン雰囲気下での紫外線照射や酸素雰
囲気下でのプラズマ処理を行ったものが好適である。
【0036】一方、陰極としては、仕事関数の4eVよ
り小さい金属、合金等が利用される。このような物質の
具体例としては、ナトリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、リチウム、アルミニウム、サマリウム及びこれらの
合金等が利用できる。
【0037】本発明の有機薄膜EL素子を面発光素子と
して使用する場合は、これらの電極は少なくとも一方が
素子の発光波長領域において十分透明であり、その反対
側は発光波長領域において十分反射率が大きいことが望
まれる。端面発光の場合には透明である必要は無い。透
明電極としては先に述べたITOが好ましく、その基板
も透明なガラス板やプラスチック板が使用される。
【0038】得られた有機薄膜EL素子の環境の温湿
度、雰囲気に対する安定性向上のために、素子の表面に
保護層を設けたり、シリコンオイル等を封入して素子全
体を保護することが有効である。
【0039】このようにして得られた本発明の有機薄膜
EL素子を用い、陽極にプラスを陰極にマイナスを接続
し、電圧を印加するとEL発光を観測することができ
る。通常有機薄膜EL素子では、通電によりジュール熱
が発生しその熱により有機化合物薄膜層の再結晶化、凝
集の進行等や低分子材料の拡散が生じ、これらはいずれ
も素子の耐久性を低下すると言う問題を有している。本
発明の有機薄膜EL素子では、有機化合物薄膜層に融点
が高くアモルファス状態の安定な芳香族ポリカーボネー
ト樹脂を使用するため、結晶化や凝集による素子劣化や
拡散による素子劣化を抑制することができ、良好な耐久
性を有する素子を得ることができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明は、これら実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
【0041】〔一般式(1)で表わされる繰り返し単位
からなる芳香族ポリカーボネート樹脂(表1中の化合物
No.1)の合成〕窒素気流下、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)エタン4.85g(10.0mmol),ト
リエチルアミン3.04g(30.0mmol)を乾燥
テトラヒドロフラン40mlに溶解させ、これにジエチ
レングリコール ビス(クロロホーメート)2.31g
(10.0mmol)を乾燥テトラヒドロフラン8ml
に溶解させたものを室温にて30分間かけ滴下した。続
いて、室温にて15分間撹拌を行ったのち、フェノール
0.04g(0.4mmol)をテトラヒドロフラン2
mlに溶解させたものを加え、更に5分間撹拌を行っ
た。次に、析出しているトリエチルアミン塩酸塩を濾過
することにより取り除き、得られたテトラヒドロフラン
溶液をメタノールに滴下して、析出する樹脂を濾別し、
減圧加熱乾燥を行った。更に得られた樹脂をテトラヒド
ロフランに溶解させてメタノール中に沈殿させる操作を
2回繰り返し精製を行い、減圧加熱乾燥して目的物の下
記構造式(VI)で表わされる芳香族ポリカーボネート樹
脂(化合物No.1)6.11g(収率94.9%)を
得た。このもののTgは119℃であり、また、数平均
分子量、重量平均分子量(ポリスチレン換算)はそれぞ
れ19000、46000であった。
【化7】 なお、上記芳香族ポリカーボネート樹脂の元素分析値は
下記の通りであった。
【0042】実施例1 2mmのストライプ状にエッチングを行ったITO基板
を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラ
ズマにより表面処理した。化合物No.1の芳香族ポリ
カーボネート樹脂(Mw=46000)の1.5wt%
ジクロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブ
ランフィルターで濾過した。この溶液を使用して、IT
O基板上にスピンコート法により100nmの膜厚の有
機発光層を形成した。十分乾燥を行った後に、蒸着装置
内部に基板をセットし、10-4Paの真空度にてマスク
を介し200nmのMgAg合金層を形成し、有機薄膜
EL素子を作製した。発光面のサイズは2mm×2mm
であった。このようにして作製したEL素子を用い、I
TOを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加
電圧10Vにて青紫色発光が観測された。また、この有
機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0043】実施例2 実施例1と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、この場合さらにジクロロメタン溶液内に下
記構造式で表わされる2−(4−Biphenyly
l)−5−(4−t−butylphenyl)−1,
3,4−oxadiazole(PBD)(A)を固形
分の30wt%になるように溶解させ、有機発光層を形
成した。このようにして作製したEL素子を用い、IT
Oを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電
圧10Vにて青紫色発光が観測された。また、この有機
層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【化8】
【0044】実施例3 実施例1と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ジクロロメタン溶液内に2−(4−Bip
henylyl)−5−(4−t−butylphen
yl)−1,3,4−oxadiazole(PBD)
を固形分の30wt%と微量の下記構造式で表わされる
ペリレン誘導体(B)を固形分の3wt%溶解させ、有
機発光層を形成した。このようにして作製したEL素子
を用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したと
ころ、印加電圧10Vにてオレンジ色の発光が観察され
た。また、この有機層は結晶化等の変質は起こさなかっ
た。
【化9】
【0045】実施例4 実施例1と同様に処理したITO基板上に、実施例1と
同じジクロロメタン溶液を用いてdipping法によ
り実施例1と同様な50nmの膜を形成した。十分乾燥
を行った後に、蒸着装置内部に基板をセットし、10-4
Paの真空度にて50nmの下記構造式で表わされる化
合物(C)のAlq分子堆積膜を形成し、さらに、マス
クを介し200nmのMgAg合金層を形成し、有機薄
膜EL素子を作製した。発光面のサイズは2mm×2m
mであった。このようにして作製したEL素子を用い、
ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印
加電圧10Vにて緑色の発光が観測された。また、この
有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【化10】
【0046】実施例5 実施例2と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.3を用いた。このようにして作製したEL素子を用
い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて青色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0047】実施例6 実施例2と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.5を用いた。このようにして作製したEL素子を用
い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて青色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0048】実施例7 実施例2と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.12を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて青色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0049】実施例8 実施例2と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.16を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて青色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0050】実施例9 実施例2と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.19を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて青色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0051】実施例10 実施例2と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.38を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて青色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0052】実施例11 実施例4と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.3を用いた。このようにして作製したEL素子を用
い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて緑色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0053】実施例12 実施例4と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.5を用いた。このようにして作製したEL素子を用
い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて緑色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0054】実施例13 実施例4と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.12を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて緑色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0055】実施例14 実施例4と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.16を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて緑色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0056】実施例15 実施例4と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.19を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて緑色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0057】実施例16 実施例4と同様にして有機薄膜EL素子の作製を行っ
た。ただし、ポリカーボネート樹脂成分として化合物N
o.38を用いた。このようにして作製したEL素子を
用い、ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したとこ
ろ、印加電圧10Vにて緑色発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0058】実施例17 2mmのストライプ状にエッチングを行ったITO基板
を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラ
ズマにより表面処理した。この上にホール注入輸送層と
して銅フタロシアニンの10nmの膜を真空蒸着により
作製した。この上に実施例1で使用した化合物No.1
の芳香族ポリカーボネート樹脂溶液を用いてスピンコー
ト法により90nmの膜厚の有機発光層を形成した。十
分乾燥を行った後に、蒸着装置内部に基板をセットし、
10-4Paの真空度にてマスクを介し20nmのMgA
g合金層を形成し、有機薄膜EL素子を作製した。発光
面のサイズは2mm×2mmであった。このようにして
作製したEL素子を用い、ITOを陽極に、MgAgを
陰極に接続したところ、印加電圧10Vにて青紫色発光
が観測された。また、この有機層は結晶化等の変質は起
こさなかった。
【0059】実施例18 実施例17と同様にしてITO基板上に銅フタロシアニ
ン層と化合物No.1の芳香族ポリカーボネート層を作
製した。この上に実施例4と同じように真空蒸着法によ
り50nmのAlq分子堆積膜を形成し、さらに、マス
クを介し200nmのMgAg合金層を形成し、有機薄
膜EL素子を作製した。発光面のサイズは2mm×2m
mであった。このようにして作製したEL素子を用い、
ITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印
加電圧10Vにて緑色の発光が観測された。また、この
有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0060】実施例19 実施例17と同様にしてITO基板上に銅フタロシアニ
ン層を作製した。この上に実施例3で用いた化合物N
o.1の芳香族ポリカーボネート樹脂とPBDとペリレ
ン誘導体(B)の混合溶液を用いてスピンコート法で有
機発光層を作製した。さらに、真空蒸着法で下記構造式
で表わされる化合物(D)のオキサジアゾール化合物の
30nmの電子注入輸送層を作製した。さらに、マスク
を介し200nmのMgAg合金層を形成し、有機薄膜
EL素子を作製した。発光面のサイズは2mm×2mm
であった。このようにして作製したEL素子を用い、I
TOを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加
電圧10Vにてオレンジ色の発光が観測された。また、
この有機層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【化11】
【0061】
【発明の効果】本発明の有機薄膜EL素子は、発光層を
構成する有機化合物薄膜層に、トリアリールアミン構造
を側鎖に有する前記一般式(I)で表わされる繰り返し
単位からなる芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してお
り、該芳香族ポリカーボネート樹脂は電荷輸送能を持ち
且つ高い機械的強度を有し、融点が高く、安定なアモル
ファス状態を有するため、結晶化や凝集、或いは拡散に
よる素子の劣化を生じることがなく耐久性に優れた有機
薄膜EL素子である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層ま
    たは複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有
    機薄膜EL素子において、該有機化合物薄膜の少なくと
    も1層が、下記一般式(I)で表わされる繰り返し単位
    からなる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する層であ
    ることを特徴とする有機薄膜EL素子。 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、l、m、
    n及びXは夫々以下のものを表わす。 R1、R2及びR3:夫々独立して置換若しくは無置換の
    アルキル基又はハロゲン原子、 R4:水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、 Ar1及びAr2:置換若しくは無置換の芳香族炭化水素
    基、 l、m及びn:夫々独立して0〜4の整数、 k:5〜5000の整数、 X:脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基又は 【化2】 5及びR6:夫々独立して置換若しくは無置換のアルキ
    ル基、ハロゲン原子又は芳香族炭化水素基、 o及びp:0〜4の整数、 Y:単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若し
    くは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、
    −SO2−又は−C(O)−。]
  2. 【請求項2】 前記発光層の有機化合物薄膜の少なくと
    も1層が、下記一般式(I)で表わされる芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂と電子輸送性物質とを含有する層からな
    ることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜EL素子。 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、l、m、
    n及びXは夫々前記の定義と同一。]
  3. 【請求項3】 前記発光層の有機化合物薄膜の少なくと
    も1層が、下記一般式(I)で表わされる芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂と電子輸送性物質と発光性物質とを含有
    する層からなることを特徴とする請求項1記載の有機薄
    膜EL素子。 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、l、m、
    n及びXは夫々前記の定義と同一。]
  4. 【請求項4】 互いに対向する陽極と陰極間に、少なく
    とも1層のホール注入輸送層を有する複数層の有機化合
    物薄膜よりなる発光層を備えた有機薄膜EL素子におい
    て、該ホール注入輸送層の少なくとも1層が、下記一般
    式(I)で表わされる芳香族ポリカーボネート樹脂を含
    有する層であることを特徴とする有機薄膜EL素子。 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、l、m、
    n及びXは夫々前記の定義と同一。]
  5. 【請求項5】 互いに対向する陽極と陰極間に、複数層
    の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機薄膜EL
    素子において、該発光層が、下記一般式(I)で表わさ
    れる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する層と、少な
    くとも1層のホール注入輸送層及び/又は少なくとも1
    層の電子注入輸送層、もしくは少なくとも1層のホール
    及び電子注入輸送層から構成されていることを特徴とす
    る有機薄膜EL素子。 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4、Ar1、Ar2、l、m、
    n及びXは夫々前記の定義と同一。]
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