JP3724833B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと略記する)素子に関し、さらに詳しくは、電子供与性スチリル化合物を二種以上組み合わせて同一機能層に含有させてなる高効率で、かつ色純度の高い青色光を発する有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電界発光を利用したEL素子は、自己発光のため視認性が高く、また完全固体素子であるため耐衝撃性に優れるという特徴を有しており、薄型ディスプレイ素子,液晶ディスプレイのバックライト,平面光源などに用いられている。現在実用化されているEL素子は、分散型EL素子である。この分散型EL素子は、数10V,10kHz以上の交流電圧を必要とするため駆動回路が複雑である上、製造コストが高く、かつ輝度や耐久性が不充分であるなどの欠点を有している。
一方、有機薄膜EL素子は、駆動電圧が10V程度まで低下させることができ、高輝度に発光するため近年盛んに研究が行われ、多くの有機薄膜EL素子が開発されており、例えば、「Appl. Phys. Lett. 」第151巻,第913〜915ページ(1987年)、特開昭59−194393号公報、米国特許第4,539,507号明細書、特開昭63−295695号公報、米国特許第4,720,432号明細書、特開昭63−264692号公報などが報告又は提案されている。これらにおいては、陽極,正孔注入輸送層,発光層及び陰極からなる電界発光素子が開示されており、具体的には、正孔注入輸送材料として芳香族第三級アミンが、また発光材料としてアルミニウムキレート錯体が代表的な例として挙げられている。
また、この他にも正孔輸送性の発光材料も知られており、このようなものの代表例として、トリフェニルアミン骨格を有するスチリルアミン化合物を挙げることができる。具体的な例としては、特開平3−35083号公報,特開平3−54289号公報,特開平3−163188号公報,特開平3−200889号公報,特開平4−348183号公報などに記載されているものが挙げられる。
しかしながら、これらの化合物は正孔輸送性に優れているものの、結晶化しやすく、薄膜性に優れる有機EL素子が得られにくいという欠点を有している。
【0003】
その他、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホストとして、これに蛍光物質を微量ドープしてなる有機発光層を有する素子(特開昭63−264692号公報)、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホストとして、これにキナクリドン系色素をドープしてなる有機発光層を有する素子(特開平3−255170号公報)があるが、これらの素子は、性能面で必ずしも充分に満足しうるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、発光効率が高く、かつ色純度の高い青色光を発する有機EL素子を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する有機EL素子を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の電子供与性スチリル化合物の中から選ばれた少なくとも二種を組み合わせ、発光層や正孔輸送層などの同一機能層に含有させることにより、その目的を達成しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、一対の電極の間に、少なくとも発光層を含む有機機能層を挟持する有機EL素子において、下記一般式(I)で表される電子供与性スチリル化合物の中から選ばれた少なくとも二種を組み合わせ、ドープ剤として同一機能層に含有させたことを特徴とする有機EL素子を提供するものである。
【0006】
一般式(I)
【0007】
【化3】
Figure 0003724833
【0008】
〔式中のR1 〜R12は、それぞれ独立に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜18のアリールオキシ基,フェニル基,アミノ基,置換アミノ基,水酸基又は一般式(II)
【0009】
【化4】
Figure 0003724833
【0010】
で表される芳香環に置換基を有していてもよいスチリル基を示し、その中の隣接する2つがたがいに結合して飽和若しくは不飽和の5員環又は6員環を形成してもよい。Z1 ,Z2 及びEは、それぞれ独立に水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,置換基を有する若しくは有しない炭素数6〜20のアリール基,置換基を有する若しくは有しない炭素数7〜20のアラルキル基又は隣接するベンゼン環に結合する結合手を示し、Arは置換基を有する若しくは有しない炭素数6〜20のアリーレン基,炭素数4〜20の2価の芳香族性複素環式基又は置換基を有する若しくは有しない2価のトリアリールアミノ基を示す。また、該置換基とは炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜18のアリールオキシ基,フェニル基,アミノ基,水酸基又はハロゲン原子を示し、これらの置換基は単一でも複数置換されていてもよい。点線1,2及び3はそれぞれ連結することにより複素環構造をとりうることを示す。nは0又は1を示す。〕
【0011】
本発明の有機EL素子において用いられる電子供与性スチリル化合物は、一分子中に、両端が芳香環に、又は芳香環と芳香族性複素環に結合したビニレン基1個以上を有するものであり、かつ電子供与性基を有することが必要である。この電子供与性基としては、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜18のアリールオキシ基,及び炭素数1〜30の炭化水素基をもつ置換アミノ基の中から選ばれた少なくとも一種が好ましく挙げられる。
このような電子供与性スチリル化合物としては、次に示す一般式(I)
【0012】
【化5】
Figure 0003724833
【0013】
で表されるスチリルアミン化合物が用いられる
上記一般式(I)において、R1 〜R12は、それぞれ独立に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜18のアリールオキシ基,フェニル基,アミノ基,置換アミノ基,水酸基又は一般式(II)
【0014】
【化6】
Figure 0003724833
【0015】
で表される芳香環に置換基を有していてもよいスチリル基を示す。該炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,イソペンチル基,t−ペンチル基,ネオペンチル基,n−ヘキシル基,イソヘキシル基などが、炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基,エトキシ基,n−プロポキシ基,イソプロポキシ基,n−ブチルオキシ基,イソブチルオキシ基,sec−ブチルオキシ基,イソペンチルオキシ基,t−ペンチルオキシ基,n−ヘキシルオキシ基などが、炭素数6〜18のアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基やナフチルオキシ基などが挙げられる。また、置換アミノ基としては、例えばジメチルアミノ基,メチルアミノ基,アニリノ基,ジフェニルアミノ基などが挙げられる。さらに、上記一般式(II)で表されるスチリル基としては、例えばN,N−ビス(フェニル)−4−アミノスチリル基,N,N−ビス(トリル)−4−アミノスチリル基などが挙げられる。
【0016】
また、該R1 〜R12は、その中の隣接する2つがたがいに結合して飽和若しくは不飽和の5員環又は6員環を形成してもよい。
1 ,Z2 及びEは、それぞれ独立に水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,置換基を有する若しくは有しない炭素数6〜20のアリール基,置換基を有する若しくは有しない炭素数7〜20のアラルキル基又は隣接するベンゼン環に結合する結合手を示す。該炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,ネオペンチル基,n−ヘキシル基,イソヘキシル基などが、該炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基,ナフチル基,タ−フェニル基,アントラニル基,ピレニル基,ペリレニル基などが、該炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基やフェネチル基などが挙げれらる。
Arは、置換基を有する若しくは有しない炭素数6〜20のアリーレン基,炭素数4〜20の2価の芳香族性複素環式基又は置換基を有する若しくは有しない2価のトリアリールアミノ基を示す。ここで、炭素数6〜20のアリーレン基としては、例えばフェニレン基,ビフェニレン基,ナフタレンジイル基,ターフェニレンジイル基,クオーターフェニレンジイル基,アントラセンジイル基,ピレンジイル基,ペリレンジイル基などが挙げられ、炭素数4〜20の芳香族性複素環式基としては、例えばチオフェンジイル基,ビチオフェンジイル基,ピリジンジイル基,ピラジンジイル基,キノリンジイル基,キノキサリンジイル基,カルバゾールジイル基,ターチオフェンジイル基などが挙げれらる。
前記置換基としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,イソペンチル基,t−ペンチル基,ネオペンチル基,n−ヘキシル基,イソヘキシル基などの炭素数1〜10のアルキル基,メトキシ基,エトキシ基,n−プロポキシ基,イソプロポキシ基,n−ブチルオキシ基,イソブチルオキシ基,sec−ブチルオキシ基,イソペンチルオキシ基,t−ペンチルオキシ基,n−ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基,フェノキシ基,ナフチルオキシ基などの炭素数6〜18のアリールオキシ基,フェニル基,アミノ基,水酸基又はハロゲン原子が挙げられ、これらの置換基は単一でも複数置換されていてもよい。
さらに、点線1,2及び3は、それぞれ連結することにより複素環構造をとりうることを示し、例えば、点線1又は2の場合では、一般式(III)
【0017】
【化7】
Figure 0003724833
【0018】
で表されるアクリジン環構造、あるいは、一般式(IV)
【0019】
【化8】
Figure 0003724833
【0020】
で表されるカルバゾール環構造をとりうることを示す。なお、一般式(III)及び(IV)におけるR1 〜R12,Z1 及びZ2 は上記と同じである。
また、該R1 及びR7 が上記一般式(II)で表されるスチリル基である場合、例えば、一般式(V)
【0021】
【化9】
Figure 0003724833
【0022】
〔式中、R2 〜R6 ,R8 〜R12,Z1 ,Z2 及びEは上記と同じである。〕
で表される構造をとりうる。なお、R1 ,R7 に対応するN−置換アミノスチリル基の芳香環には、前述した置換基の中から選ばれた適当な置換基が1個以上導入されていてもよい。
nは0,1又は2を示し、nが0の場合は、一般式(I)の化合物は、一般式(VI)
【0023】
【化10】
Figure 0003724833
【0024】
で表され、nが1の場合、一般式(I)の化合物は、一般式(VII)
【0025】
【化11】
Figure 0003724833
【0026】
で表される。
【0028】
なお、一般式(VI)及び(VII) おいて、R1 〜R12,Z1 ,Z2 ,Ar,点線1及び点線2は上記と同じである
本発明の有機EL素子は、一対の電極の間に、少なくとも発光層をもつ有機機能層を挟持したものであって、この有機機能層としては、例えば発光層と、正孔輸送層及び/又は電子注入層とからなるものが好ましく挙げられる。
本発明の有機EL素子においては、前記の電子供与性スチリル化合物の中から選ばれた少なくとも二種を組み合わせて、上記有機機能層の中の同一機能層へドープ剤として含有させることが必要であり、特に発光層又は正孔輸送層へ含有させるのが望ましい。この際、少なくとも二種の化合物の使用比率については、電子供与性スチリル化合物として、前記一般式(I)で表されるスチリルアミン化合物を用いる場合、一般式(VI)で表される化合物(n=0)を〔VI〕、一般式(VII)で表される化合物(n=1)を〔VII〕とすると、〔VI〕と〔VII〕は同等量若しくは〔VI〕<〔VII〕の比率であることが特に好ましい。
【0029】
また、同一機能層へドープする場合には、上記組み合わせの化合物を、上記比率にてホストに対し、それぞれ蒸着速度の割合から、10重量%以下、特にそれぞれ1〜5重量%の割合でドープするのが望ましい。
上記一般式(VI)〜 VII)のスチリルアミン化合物は、蛍光増白剤として知られているものが多く、その製造方法については、例えば“Bulletin”第35巻,第135ページ(1962年)や、“Synthesis”第341ページ(1982年)などに記載されている。
以下、一般式(VI)〜 VII)のスチリルアミン化合物の具体的な製造方法について説明する。
(1)一般式(VI)で表されるスチリルアミン化合物の製法
一般式(IX)
【0030】
【化13】
Figure 0003724833
【0031】
〔式中、R1 〜R6 ,Z1 及び点線1は上記と同じであり、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。〕
で表されるホスホン酸エステルと、一般式(X)
【0032】
【化14】
Figure 0003724833
【0033】
〔式中、R7 〜R12,Z2 及び点線2は上記と同じである。〕
で表されるアルデヒドとをカップリングさせることにより、一般式(VI)で表されるスチリルアミン化合物が得られる。
(2)一般式(VII)で表されるスチリルアミン化合物の製法
一般式(XI)
【0034】
【化15】
Figure 0003724833
【0035】
〔式中、Ar及びRは上記と同じである。〕
で表されるホスホン酸エステルと、上記一般式(X)又は一般式(XII)
【0036】
【化16】
Figure 0003724833
【0037】
〔式中、R1 〜R6 ,Z1 及び点線1は上記と同じである。〕
で表されるアルデヒドとをカップリングさせることにより、一般式(VII)で表されるスチリルアミン化合物が得られる。
また、一般式(XIII)
OHC−Ar−CHO ・・・(XIII)
〔式中、Arは上記と同じである。〕
で表されるアルデヒドと、上記一般式(IX)又は一般式(XIV)
【0038】
【化17】
Figure 0003724833
【0039】
〔式中、R7 〜R12,Z2 ,点線2及びRは上記と同じである。〕
で表されるホスホン酸エステルとをカップリングさせることによっても、一般式(VII)で表されるスチリルアミン化合物が得られる。
【0042】
前記製造方法においては、通常反応溶媒が用いられる。該反応溶媒としては、炭化水素類,アルコール類,エーテル類が好ましく、具体的には、メタノール;エタノール;イソプロパノール;ブタノール;2−メトキシエタノール;1,2−ジメトキシエタン;ビス(2−メトキシエチル)エーテル;ジオキサン;テトラヒドロフラン;トルエン;キシレン;ジメチルスルホキシド;N,N−ジメチルホルムアミド;N−メチルピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。特に、テトラヒドロフラン及びジメチルスルホキシドが好適である。
また、縮合剤として、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,ナトリウムアミド,水素化ナトリウム,n−ブチルリチウム,ナトリウムメチラート,カリウムt−ブトキシドなどが好ましく用いられ、特にn−ブチルリチウム及びカリウムt−ブトキシドが好適である。
反応温度は、使用する原料の種類などにより異なり、一概に定めることはできないが、通常は0〜100℃の範囲、好ましくは0℃〜室温の範囲で選ばれる。 上記一般式(I)〔一般式(VI),(VII) で表されるスチリルアミン化合物の具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
一般式(VI)で表されるスチリルアミン化合物の例
【0043】
【化19】
Figure 0003724833
【0044】
【化20】
Figure 0003724833
【0045】
【化21】
Figure 0003724833
【0046】
一般式(VII) で表されるスチリルアミン化合物の例
【0047】
【化22】
Figure 0003724833
【0048】
【化23】
Figure 0003724833
【0049】
【化24】
Figure 0003724833
【0050】
【化25】
Figure 0003724833
【0054】
上記一般式(I)〔一般式(VI),(VII) で表されるスチリルアミン化合物は、EL素子における発光材料又は正孔輸送材料として有効である。
このスチリルアミン化合物を発光層とする場合は、例えば蒸着法,スピンコート法,キャスト法などの公知の方法によって、一般式(I)のスチリルアミン化合物の中から選ばれた少なくとも二種を薄膜化することにより形成することができるが、特に分子堆積膜とすることが好ましい。ここで、分子堆積膜とは、該化合物の気相状態から沈着され形成された薄膜や、該化合物の溶液状態又は液相状態から固体化され形成された膜のことであり、例えば蒸着膜などを示すが、通常この分子堆積膜はLB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは区別することができる。また、該発光層は、特開昭59−194393号公報などに開示されているように、樹脂などの結着剤と該化合物とを、溶剤に溶かして溶液としたのち、これをスピンコート法などにより薄膜化し、形成することができる。
【0055】
また、該スチリルアミン化合物を発光層にドープする場合は、例えば発光材料と、一般式(I)のスチリルアミン化合物の中から選ばれた少なくとも二種とを共蒸着させて発光層を形成するのが有利である。
このようにして形成された発光層の膜厚については特に制限はなく、適宜状況に応じて選ぶことができるが、通常5nm〜5μmの範囲で選定される。
【0056】
このEL素子における発光層は、(1)電界印加時に、陽極又は正孔輸送層により正孔を注入することができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能などを有している。
なお、正孔の注入されやすさと、電子の注入されやすさに違いがあってもよいし、正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよいが、どちらか一方の電荷を移動することが好ましい。
この発光層に用いる前記一般式(I)で表される化合物は、一般にイオン化エネルギーが6.0eV程度より小さいので、適当な陽極金属又は陽極化合物を選べば、比較的正孔を注入しやすい。また電子親和力は2.8eV程度より大きいので、適当な陰極金属又は陰極化合物を選べば、比較的電子を注入しやすい上、電子,正孔の輸送能力も優れている。さらに固体状態の蛍光性が強いため、該化合物やその会合体又は結晶などの電子と正孔の再結合時に形成された励起状態を光に変換する能力が大きい。
【0057】
このスチリルアミン化合物を用いたEL素子の構成は、各種の態様があるが、基本的には、一対の電極(陽極と陰極)間に、前記発光層を挟持した構成とし、これに必要に応じて、正孔輸送層や電子注入層を介在させればよい。介在方法としては、ポリマーへの混ぜ込みや同時蒸着がある。具体的には、(1)陽極/発光層/陰極,(2)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極,(3)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極,(4)陽極/発光層/電子注入層/陰極などの構成を挙げることができる。該正孔輸送層や電子注入層は、必ずしも必要ではないが、これらの層があると発光性能が一段と向上する。
また、前記構成の素子においては、いずれも基板に支持されていることが好ましく、該基板については特に制限はなく、従来EL素子に慣用されているもの、例えば、ガラス,透明プラスチック,石英などからなるものを用いることができる。
【0058】
なお、本発明においては、一般式(I)のスチリルアミン化合物を発光層に用いる代わりに、発光層の場合と同様に、正孔輸送層に用いてもよい。
このEL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属,合金,電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属,CuI,インジウムチンオキシド(以下、ITOと略記する),SnO2 ,ZnOなどの誘電性透明材料が挙げられる。該陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより作製することができる。この電極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。
さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm,好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
【0059】
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属,合金,電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム,ナトリウム−カリウム合金,マグネシウム,リチウム,マグネシウム−銅合金,Al/AlO2 ,インジウムなどが挙げられる。該陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm,好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、このEL素子においては、該陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であることが、発光を透過するため、発光の取出し効率がよく好都合である。
【0060】
本発明の化合物を用いるEL素子の構成は、前記したように、各種の態様があり、前記(2)又は(3)の構成のEL素子における正孔輸送層は、正孔伝達化合物からなる層であって、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔輸送層を陽極と発光層との間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。その上、発光層に陰極又は電子注入層より注入された電子は、発光層と正孔輸送層の界面に存在する電子の障壁により、この発光層内の界面付近に蓄積されEL素子の発光効率を向上させ、発光性能の優れたEL素子とする。
前記正孔輸送層に用いられる正孔伝達化合物は、電界を与えられた2個の電極間に配置されて陽極から正孔が注入された場合、該正孔を適切に発光層へ伝達しうる化合物であって、例えば104 〜106 V/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm2 /(V・秒)の正孔移動度をもつものが好適である。このような正孔伝達化合物については、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導電材料において、正孔の電荷輸送材として慣用されているものやEL素子の正孔輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
該電荷輸送材としては、例えばトリアゾール誘導体(米国特許第3,112,197号明細書などに記載のもの)、オキサジアゾール誘導体(米国特許第3,189,447号明細書などに記載のもの)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報などに記載のもの)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許第3,615,402 号明細書,同3,820,989 号明細書,同3,542,544 号明細書,特公昭45−555号公報,同51−10983号公報,特開昭51−93224号公報,同55−17105号公報,同56−4148号公報,同55−108667号公報,同55−156953号公報,同56−36656号公報などに記載のもの)、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729 号明細書,同4,278,746 号明細書,特開昭55−88064号公報,同55−88065号公報,同49−105537号公報,同55−51086号公報,同56−80051号公報,同56−88141号公報,同57−45545号公報,同54−112637号公報,同55−74546号公報などに記載のもの)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404 号明細書,特公昭51−10105号公報,同46−3712号公報,同47−25336号公報,特開昭54−53435号公報,同54−110536号公報,同54−119925号公報などに記載のもの)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450 号明細書,同3,180,703 号明細書,同3,240,597 号明細書,同3,658,520 号明細書,同4,232,103 号明細書,同4,175,961 号明細書,同4,012,376号明細書,特公昭49−35702号公報,同39−27577号公報,特開昭55−144250号公報,同56−119132号公報,同56−22437号公報,西独特許第1,110,518 号明細書などに記載のもの)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501 号明細書などに記載のもの)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203 号明細書などに記載のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報などに記載のもの)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報などに記載のもの)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462 号明細書,特開昭54−59143号公報,同55−52063号公報,同55−52064号公報,同55−46760号公報,同55−85495号公報,同57−11350号公報,同57−148749号公報などに記載されているもの)、スチルベル誘導体(特開昭61−210363号公報,同61−228451号公報,同61−14642号公報,同61−72255号公報,同62−47646号公報,同62−36674号公報,同62−10652号公報,同62−30255号公報,同60−93445号公報,同60−94462号公報,同60−174749号公報,同60−175052号公報などに記載のもの)などを挙げることができる。
【0061】
これらの化合物を正孔伝達化合物として使用することができるが、次に示すポルフィリン化合物(特開昭63−295695号公報などに記載のもの)及び芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書,特開昭53−27033号公報,同54−58445号公報,同54−149634号公報,同54−64299号公報,同55−79450号公報,同55−144250号公報,同56−119132号公報,同61−295558号公報,同61−98353号公報,同63−295695号公報などに記載のもの)、特に該芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0062】
該ポルフィリン化合物の代表例としては、ポルフィリン;5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン銅(II);5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン亜鉛(II);5,10,15,20−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフィリン;シリコンフタロシアニンオキシド;アルミニウムフタロシアニンクロリド;フタロシアニン(無金属);ジリチウムフタロシアニン;銅テトラメチルフタロシアニン;銅フタロシアニン;クロムフタロシアニン;亜鉛フタロシアニン;鉛フタロシアニン;チタニウムフタロシアニンオキシド;マグネシウムフタロシアニン;銅オクタメチルフタロシアニンなどが挙げられる。また該芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン;2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル;4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミン)−4’−〔4(ジ−p−トリルアミン)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベン;N−フェニルカルバゾールなどが挙げられる。
【0063】
上記EL素子における該正孔輸送層は、これらの正孔伝達化合物一種又は二種以上からなる一層で構成されてもよく、あるいは、前記層とは別種の化合物からなる正孔輸送層を積層したものであってもよい。
一方、前記(3)の構成のEL素子における電子注入層(電子注入輸送層)は、電子伝達化合物からなるものであって、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。このような電子伝達化合物について特に制限はなく、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。該電子伝達化合物の好ましい例としては、
【0064】
【化28】
Figure 0003724833
【0065】
などのニトロ置換フルオレノン誘導体、
【0066】
【化29】
Figure 0003724833
【0067】
などのチオピランジオキシド誘導体,
【0068】
【化30】
Figure 0003724833
【0069】
などのジフェニルキノン誘導体〔「ポリマー・プレプリント( Polymer Preprints),ジャパン」第37巻,第3号,第681ページ(1988年)などに記載のもの〕、あるいは
【0070】
【化31】
Figure 0003724833
【0071】
などの化合物〔“J.Apply.Phys.”第27巻,第269頁(1988年)などに記載のもの〕や、アントラキノジメタン誘導体(特開昭57−149259号公報,同58−55450号公報,同61−225151号公報,同61−233750号公報,同63−104061号公報などに記載のもの)、フレオレニリデンメタン誘導体(特開昭60−69657号公報,同61−143764号公報,同61−148159号公報などに記載のもの)、アントロン誘導体(特開昭61−225151号公報,同61−233750号公報などに記載のもの)
また、次の一般式(XVII) 又は(XVIII)
【0072】
【化32】
Figure 0003724833
【0073】
〔式中、Ar1 〜Ar3 及びAr5 は、それぞれ独立に置換又は無置換のアリール基を示し、Ar4 は置換又は無置換のアリーレン基を示す。〕
で表される電子伝達化合物が挙げられる。ここで、アリール基としてはフェニル基,ナフチル基,ビフェニル基,アントラニル基,ペリレニル基,ピレニル基などが挙げられ、アリーレン基としてはフェニレン基,ナフチレン基,ビフェニレン基,アントラセニレン基,ペリレニレン基,ピレニレン基などが挙げられる。また、置換基としては炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基などが挙げられる。この一般式(XVII) 又は(XVIII)で表される化合物は、薄膜形成性のものが好ましい。
一般式(XVII) 又は(XVIII)で表される化合物の具体例としては、
【0074】
【化33】
Figure 0003724833
【0075】
【化34】
Figure 0003724833
【0076】
【化35】
Figure 0003724833
【0077】
など、“Appl. Phys. Lett. ”第55巻、第1489ページ(1989年)に開示されているオキサジアゾール誘導体などを挙げることができる。
なお、正孔輸送層及び電子注入層は電荷の注入性,輸送性,障壁性のいずれかを有する層であり、上記した有機材料の他にSi系,SiC系,CdS系などの結晶性ないし非結晶性材料などの無機材料を用いることもできる。
有機材料を用いた正孔輸送層及び電子注入層は、発光層と同様にして形成することができ、無機材料を用いた正孔輸送層及び電子注入層は真空蒸着法やスパッタリングなどにより形成できるが、有機及び無機のいずれの材料を用いた場合でも発光層のときと同様の理由から真空蒸着法により形成することが好ましい。
次に、本発明のEL素子を作製する好適な方法の例を、各構成の素子それぞれについて説明する。前記の陽極/発光層/陰極からなるEL素子の作製法について説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陽極を作製したのち、この上に発光材料である一般式(I)で表されるスチリルアミン化合物を含む薄膜を形成させ、発光層を設ける。該発光材料の薄膜化の方法としては、例えばスピンコート法,キャスト法,蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、蒸着法が好ましい。
該発光材料の薄膜化に、この蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する発光層に用いる有機化合物の種類,分子堆積膜の目的とする結晶構造,会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜400℃,真空度10-5〜10-3Pa,蒸着速度0.01〜50nm/sec,基板温度−50〜+300℃,膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。次にこの発光層の形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望のEL素子が得られる。なお、このEL素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極,発光層,陽極の順に作製することも可能である。
【0078】
また、一対の電極間に正孔輸送材料,発光材料,電子注入材料を混合させた形で電極間に挟持させ発光層とした、陽極/発光層/陰極からなる素子の場合の作製方法としては、例えば適当な基板の上に、陽極用物質からなる薄膜を形成し、正孔輸送材料,発光材料,電子注入材料,ポリビニルカルバゾールなどの結着剤などからなる溶液を塗布するか、又はこの溶液から浸漬塗工法により薄膜を形成させ発光層とし、その上に陰極用物質からなる薄膜を形成させるものがある。ここで、作製した発光層上に、さらに発光層の材料となる素子材料を真空蒸着し、その上に陰極用物質からなる薄膜を形成させてもよい。あるいは、正孔輸送材料,電子注入材料及び発光材料を同時蒸着させ発光層とし、その上に陰極用物質からなる薄膜を形成させてもよい。
【0079】
次に、陽極/正孔輸送層/発光層/陰極からなるEL素子の作製法について説明すると、まず、陽極を前記のEL素子の場合と同様にして形成したのち、その上に、正孔伝達化合物からなる薄膜をスピンコート法などにより形成し、正孔輸送層を設ける。この際の条件は、前記発光材料の薄膜形成の条件に準じればよい。次に、この正孔輸送層の上に、順次発光層及び陰極を、前記EL素子の作製の場合と同様にして設けることにより、所望のEL素子が得られる。なお、このEL素子の作製においても、作製順序を逆にして、陰極,発光層,正孔輸送層,陽極の順に作製することも可能である。
さらに、陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極からなるEL素子の作製法について説明すると、まず、前記のEL素子の作製の場合と同様にして、陽極,正孔輸送層,発光層を順次設けたのち、この発光層の上に、電子伝達化合物からなる薄膜をスピンコート法などにより形成して、電子注入層を設け、次いでこの上に、陰極を前記EL素子の作製の場合と同様にして設けることにより、所望のEL素子が得られる。
なお、このEL素子の作製においても、作製順序を逆にして、陽極,電子注入層,発光層,正孔輸送層,陽極の順に作製してもよい。
【0080】
このようにして得られた本発明の有機EL素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+,陰極を−の極性として電圧1〜30V程度を印加すると、発光が透明又は半透明の電極側より観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+,陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
【0081】
【実施例】
次に、本発明を製造例及び実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1 1,2−ビス(4−トリフェニルアミノ)エチレン(BTPAE)の製造
以下に示す反応式に従ってBTPAEを製造した。
【0082】
【化36】
Figure 0003724833
【0083】
(1)ヒドロキシメチルトリフェニルアミン〔2〕の製造
N,N−ジフェニル−4−アミノベンズアルデヒド〔1〕52g(0.19モル)及びメタノール1140ミリリットルからなるスラリーに、室温でNaBH4 2.5g(0.066モル)と10重量%炭酸カリウム水溶液9.7ミリリットルとの混合物を滴下した。TLC(薄層クロマトグラフィー)で原料がなくなった時点で、水3リットルに注加し、酢酸エチル2リットルで抽出した。水洗後、乾燥してから溶媒を留去し、ヒドロキシメチルトリフェニルアミン〔2〕の淡緑色固体53.8gが得られた。
【0084】
(2)臭化メチルトリフェニルアミン〔3〕の製造
上記(1)と同様な操作で得られたヒドロキシメチルトリフェニルアミン〔2〕60g(0.22モル),塩化メチレン1.6リットル及びトリエチルアミン6ミリリットルからなる溶液に0℃以下で三臭化リン30g(0.11モル)と塩化メチレン150ミリリットルからなる溶液を滴下した。原料がなくなるまで同温度で攪拌したのち、氷水1.5リットル中に注加したのち、分液して得られた油層を水洗し、さらに酸性炭酸ナトリウム水溶液で洗浄後、水洗してから乾燥し、次いで溶媒を留去することにより、臭化メチルトリフェニルアミン〔3〕の暗緑色固体55.8gが得られた。このものは、NMR(核磁気共鳴スペクトル)純度は悪いが、そのまま次反応原料に供した。
(3)化合物〔4〕の製造
上記(2)で得られた臭化メチルトリフェニルアミン54g(0.16モル)及びトリフェニルホスフィン43g(0.164モル)を乾燥ジメチルホルムアミド162ミリリットルに溶解したのち、150℃で3時間攪拌した。冷却後、酢酸エチル2.5リットル中に注加し、生成した固体をろ取したのち、酢酸エチルで洗浄後、減圧乾燥して、化合物〔4〕の微黄色固体36gを得た。
【0085】
(4)BTPAEの製造
乾燥エタノール1リットル中に、上記(3)で得られた化合物〔4〕7g(10.6ミリモル)及びN,N−ジフェニル−4−アミノベンズアルデヒド〔1〕3.39g(12.5ミリモル)を加えて30分間攪拌したのち、不溶物をろ別した溶液に、0.212モル/リットル濃度のエトキシリチウムエタノール溶液59ミリリットルを加え、室温で一夜攪拌した。生成した淡黄色固体をろ取し、エタノールから再結晶することにより、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)純度99.3%の淡黄色固体3.1gが得られた。このものの融点は234〜235.5℃であった。
この化合物を質量分析(FD−MS)したところ、BTPAEに由来するm/z=514(z=1)のみのピークが得られたことにより、目的物のBTPAEであることが確認された。
【0086】
製造例2
4,4’−ビス〔2−{4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル〕ビフェニル(DPAVBi)の製造
以下に示す反応式に従って製造した。
【0087】
【化37】
Figure 0003724833
【0088】
200ミリリットルの三つ口フラスコに,4,4’−ビス〔(ジエチルホスホリル)メチル〕ビフェニル〔2〕1.91g(0.0042モル)と、N,N−ジフェニル−4−アミノベンズアルデヒド〔1〕2.98g(0.011モル)を入れ、モレキュラ−シーブで乾燥させたジメチルスルホキシド50ミリリットルに溶解させた。これをアルゴンガス雰囲気下、室温(20℃)にてマグネチックスターラーにて攪拌しながら、カリウムt−ブトキシド(関東化学社製)1.04g(0.0093モル)を粉末の状態で少量ずつ加えた。
反応液はただちに赤黒色を呈し、やがて退色し、緑黄色後に黄土色の析出物を得た。反応は発熱を伴うので、20℃前後を保つように氷冷した。反応物は、室温のままさらに3時間攪拌した。一晩放置後、80wt%メタノール水溶液50ミリリットルを除々に加えたのち、生成した黄色沈殿をろ取し、80wt%メタノール水溶液50ミリリットルにて2回洗浄し、さらにメタノール50ミリリットルにて2回洗浄した。これを50℃にて3時間真空乾燥を行ったところ、黄色粉末2.8gが得られた。
【0089】
次に、シリカゲル(富士デヴィンソン化学社製、BW−820MH)140gをトルエンにて充填したカラムに、上記黄色粉末をトルエンにて展開した。最初に展開する画分を集めた。TLC(展開溶媒トルエン:n−ヘキサン=2:1V/V,シリカゲル薄層)では、Rf=0.8であった。目的物の含まれる画分を集め、溶媒をエバポレーターにて留去し、乾固させた。
次に、このようにして得られた黄色粉末をトルエン60ミリリットルに熱溶解させ、不溶解物はメンブランフィルター(ADVANTEC,1μm,25mm)にてろ去した。このトルエン溶液を室温にて放置し、得られた析出物をろ取し、50℃で2時間乾燥することにより、黄色粉末2.36g(収率81%)を得た。このものの融点は224〜226℃であった。
この化合物を質量分析(FD−MS)したところ、DPAVBiに由来するm/z=692(z=1),m/z=346(z=2)のみのピークが得られたことにより、目的物のDPAVBiであることが確認された。
【0090】
製造例3 DPAVBEの製造
以下に示す反応式に従って、DPAVBEを製造した。
【0091】
【化38】
Figure 0003724833
【0092】
製造例2において4,4’−ビス〔(ジエチルホスホリル)メチル〕ビフェニルの代わりに4,4’−ビス〔(ジエチルホスホリル)メチル〕ビフェニルエチレン〔2〕2.6g(0.0042モル)を用いた以外は、製造例2と同様に操作し、黄色粉末2.0g(収率55%)を得た。このものの融点は300℃以上であった。
この化合物を質量分析(FD−MS)したところ、DPAVBEに由来するm/z=870(z=1),m/z=435(z=2)のみのピークが得られたことにより、DPAVBEであることが確認された。
【0093】
実施例1
25mm×75mm×1.1mmのガラス基板(HOYA社製,NA40)上に、ITOを蒸着法にて100nmの厚さで製膜したもの(HOYA製)を透明支持基板とした。なお、この基板は、イソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄後、窒素を吹きつけて乾燥し、UVオゾン洗浄(UV300,サムコインターナショナル社製)を10分間行ったものである。
この透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)製)の基板ホルダーに固定し、モリブデン製抵抗加熱ボートにN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)を200mg入れ、他のモリブデン製抵抗加熱ボートに4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を200mgを入れ、さらに他の2つのモリブデン製抵抗加熱ボートに発光層ドープ剤として、それぞれ製造例1で得られたBTPAE200mg及び製造例2で得られたDPAVBi200mgを入れ、真空槽を1×10-4Paまで減圧した。その後TPDの入った前記ボートを215〜220℃まで加熱し、蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着して、膜厚45nmの正孔輸送層を製膜させた。このとき、基板の温度は室温であった。これを真空槽より取り出すことなく、正孔輸送層にDPVBiをホスト材料として55nm積層した。このとき同時にBTPAE及びDPAVBiのボートを加熱し、発光層にBTPAE及びDPAVBiを混合した。このときの蒸着速度はDPVBiの蒸着速度(第1表に示す(B))に対して、BTPAE及びDPAVBiの蒸着速度を(C)(第1表に示す)とした。したがって、混合比〔ホスト材料に対するBTPAE及びDPAVBiの割合〕は(D)(第1表に示す)となった。
【0094】
その後、真空槽を大気圧に戻し、新たにモリブデン製抵抗加熱ボートに接着層の材料である8−ヒドロキシキノリン・アルミニウム錯体を入れ、さらにモリブデン製抵抗加熱ボートにマグネシウムリボン1gを入れタングステン製バスケットに銀ワイヤーを500mg入れて、真空槽を1×10-4Paまで減圧した。
次いで、蒸着速度0.01〜0.03nm/秒で8−ヒドロキシキノリン・アルミニウム錯体を蒸着し接着層を20nm形成した。さらに、銀を蒸着速度0.1nm/秒,マグネシウムを蒸着速度1.4nm/秒で同時蒸着して銀:マグネシウム混合電極を陰極とした。膜厚は150nmであった。
得られた素子に、第1表に示す電圧を印加し、電流量,素子の輝度を測定して発光効率を算出した。得られた結果を第1表に示す。
【0098】
比較例1
実施例1において、発光層ドープ剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
【0099】
比較例2
実施例1において、発光層ドープ剤として、製造例1で得られたBTPAEのみを用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
【0100】
比較例3
実施例1において、発光層ドープ剤として、製造例2で得られたDPAVBiのみを用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
【0101】
比較例4
実施例1において、発光層ドープ剤として、製造例3で得られたDPAVBEのみを用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
【0102】
【表1】
Figure 0003724833
【0103】
【表2】
Figure 0003724833
【0104】
第1表から明らかなように、比較例2及び3のように発光層に単一ドープした場合の効率に比べて、実施例1で示されるように、発光層に混合ドープした場合の方が、発光効率は向上し、またEL発光もより青色味が強くなった。
このように、単一ドープに比較して、二種以上の化合物をドープすることにより、発光効率が向上するとともに、より青色に近い(短波長化した)EL発光が得られた。
【0105】
実施例
25mm×75mm×1.1mmのガラス基板(HOYA社製,NA40)上に、ITOを蒸着法にて100nmの厚さで製膜したもの(HOYA製)を透明支持基板とした。なお、この基板は、イソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄後、窒素を吹きつけて乾燥し、UVオゾン洗浄(UV300,サムコインターナショナル社製)を10分間行ったものである。
この透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)製)の基板ホルダーに固定し、モリブデン製抵抗加熱ボートにN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)を200mg入れ、また、他の2つのモリブテン製抵抗加熱ボートに、正孔輸送層ドープ剤として、それぞれ製造例1で得られたBTPAE200mg及び製造例2で得られたDPAVBi200mgを入れ、さらに他のモリブデン製抵抗加熱ボートに4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)200mgを入れ、真空槽を1×10-4Paまで減圧した。その後TPDの入った前記ボートを215〜220℃まで加熱して蒸着速度1〜3nm/秒で透明支持基板上に蒸着し、このとき同時にBTPAE及びDPAVBiのボートを加熱して、正孔輸送槽のTPDにBTPAE及びDPAVBiを混合した。このときの蒸着速度は、TPDの蒸着速度(第2表に示すB)に対し、BTPAE及びDPAVBiの蒸着速度を(C)(第2表に示す)とした。したがって、混合比はD(第2表に示す)となった。最終的に膜厚45nmの正孔輸送槽を製膜した。次に発光層として、DPVBiを50nm積層した。
【0106】
その後、真空槽を大気圧に戻し、新たにモリブデン製抵抗加熱ボートに接着層の材料である8−ヒドロキシキノリン・アルミニウム錯体を入れ、さらにモリブデン製抵抗加熱ボートにマグネシウムリボン1gを入れタングステン製バスケットに銀ワイヤーを500mg入れて、真空槽を1×10-4Paまで減圧した。
次いで、蒸着速度0.01〜0.03nm/秒で8−ヒドロキシキノリン・アルミニウム錯体を蒸着し接着層を20nm形成した。さらに、銀を蒸着速度0.1nm/秒,マグネシウムを蒸着速度1.4nm/秒で同時蒸着して銀:マグネシウム混合電極を陰極とした。膜厚は150nmであった。
得られた素子に、第2表に示す電圧を印加し、電流量,素子の輝度を測定して発光効率を算出した。得られた結果を第2表に示す。
【0107】
比較例5
実施例において、正孔輸送層ドープ剤を用いなかったこと以外は、実施例と同様にして実施した。結果を第2表に示す。
【0108】
比較例6
実施例において、正孔輸送層ドープ剤として、製造例2で得られたDPAVBiのみを用いた以外は、実施例と同様に実施した。結果を第2表に示す。
【0109】
【表3】
Figure 0003724833
【0110】
【表4】
Figure 0003724833
【0111】
第2表から分かるように、正孔輸送層へ二種の化合物をドープした実施例は、正孔輸送層へ無ドープの比較例5及び正孔輸送層へ一種の化合物をドープした比較例6に比べて、発光効率が向上した。
【0112】
【発明の効果】
本発明の有機EL素子は、電荷注入性スチリル化合物を二種以上組み合わせて、発光層や正孔輸送層などの同一機能層へ含有させたものであって、発光効率が高く、かつ色純度の高い青色光を発するなどの特徴を有し、各種表示装置の発光素子として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 一対の電極の間に、少なくとも発光層を含む有機機能層を挟持する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(I)で表される電子供与性スチリルアミン化合物の中から選ばれた少なくとも二種を組み合わせ、ドープ剤として同一機能層に含有させたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0003724833
    〔式中のR 1 〜R 12 は、それぞれ独立に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜18のアリールオキシ基,フェニル基,アミノ基,置換アミノ基,水酸基,又は一般式( II
    Figure 0003724833
    で表される芳香環に置換基を有していてもよいスチリル基を示し、その中の隣接する2つがたがいに結合して飽和若しくは不飽和の5員環又は6員環を形成してもよい。Z 1 ,Z 2 及びEは、それぞれ独立に水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,置換基を有する若しくは有しない炭素数6〜20のアリール基,置換基を有する若しくは有しない炭素数7〜20のアラルキル基又は隣接するベンゼン環に結合する結合手を示し、Arは置換基を有する若しくは有しない炭素数6〜20のアリーレン基,炭素数4〜20の2価の芳香族性複素環式基又は置換基を有する若しくは有しない2価のトリアリールアミノ基を示す。また、該置換基とは炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜18のアリールオキシ基,フェニル基,アミノ基,水酸基又はハロゲン原子を示し、これらの置換基は単一でも複数置換されていてもよい。点線1,2及び3はそれぞれ連結することにより複素環構造をとりうることを示す。nは0又は1を示す。〕
  2. 有機機能層が、発光層と、正孔輸送層及び/又は電子注入層とからなるものである請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 同一機能層が、正孔輸送層である請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 同一機能層が、発光層である請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 青色発光する請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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