JP2001235884A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2001235884A
JP2001235884A JP2000047792A JP2000047792A JP2001235884A JP 2001235884 A JP2001235884 A JP 2001235884A JP 2000047792 A JP2000047792 A JP 2000047792A JP 2000047792 A JP2000047792 A JP 2000047792A JP 2001235884 A JP2001235884 A JP 2001235884A
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JP2000047792A
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English (en)
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Katsuichi Ota
勝一 大田
Hidetoshi Kami
英利 紙
Hiroshi Tamura
宏 田村
Tetsuo Suzuki
哲郎 鈴木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、且つ高感
度で光減衰曲線の裾切れが良好で、また繰り返し使用時
の感度変動が少なく、長期にわたり安定した画像が得ら
れる電子写真感光体を提供すること、更には、耐クラッ
ク性に優れ、繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、且つ高
感度で光減衰曲線の裾切れが良好で、また繰り返し使用
時の感度変動が少なく、長期にわたり安定した画像が得
られるベルト状電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物
質と高分子電荷輸送物質からなる感光層を設けた電子写
真感光体において、上記感光層にトリフェニルメタン化
合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機系電子写真感光
体に関し、詳しくは、電子写真複写機、プリンタなどに
用いられる電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、レーザープリン
タ、ダイレクトデジタル製版機等に応用されている電子
写真感光体を用いた電子写真方法とは、少なくとも電子
写真感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画
像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び電
子写真感光体表面のクリーニングというプロセスよりな
る方法である。
【0003】電子写真感光体が、この電子写真方法にお
いて要求される基本的な特性としては、 暗所で適当な電位に帯電できること 暗所において電荷の散逸が少ないこと 光照射によって速やかに電荷を散逸できること 等が挙げられる。近年はこれらの特性に加えて、 低コストであること 低公害性であること 長期にわたり地汚れや画像欠陥の生じない安定した
画像が得られること が非常に強く要求されている。
【0004】従来、電子写真方式において使用される感
光体としては、導電性支持体上にセレンないしセレン合
金を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛・硫化
カドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散
させたもの、及び非晶質シリコーン系材料を用いたもの
等が一般的に知られているが、近年ではコストの低さ、
感光体設計の自由度の高さ、低公害性等から有機系電子
写真感光体が広く利用されるようになってきている。
【0005】しかしながら、近年、電子写真感光体の長
寿命化に対する期待が高まる中で、かかる有機系電子写
真感光体においても、特に耐久性においては必ずしも満
足できるものではない。感光体の耐久性を低下させる要
因の一つに感光層の摩耗がある。電子写真方式において
は、感光体は現像剤、クリーニング部材、画像保持体
(転写紙、フィルム、布等)等種々の画像形成部材と接
触し、摺擦により感光層表面の摩耗が発生する。感光層
の摩耗により感光体は帯電性の低下、感度の低下が起こ
る。電子写真感光体の帯電性低下は、正規現像方式の場
合は画像濃度低下を引き起こし、反転現像方式を用いる
電子写真プロセスでは非画像部の汚れ(地汚れ)を発生
する等の画像品質の低下を引き起こす。また、感光体の
感度低下は、正規現像方式では地汚れ、反転現像では画
像濃度低下を引き起こし、ついには使用不能になってし
まう。
【0006】これらの問題を改善するため多くの提案が
なされているが、特に有機系電子写真感光体の耐摩耗性
を改善することにより画像品質の低下を抑え、感光体の
耐久性を高める技術として、高分子型の電荷輸送物質
(特開昭51−73888号公報、特開昭54−852
7号公報、特開昭54−11737号公報、特開昭56
−150749号公報、特開昭57−78402号公
報、特開昭63−285552号公報、特開昭64−1
728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭
64−19049号公報、特開平3−50555号公
報、特開平4−175337号公報、特開平4−225
014号公報、特開平4−230767号公報、特開平
5−232727号公報、特開平5−310904号公
報等)が注目されている。
【0007】しかしながら、電荷発生物質と高分子電荷
輸送物質とを組み合わせて用いる電子写真感光体は、低
分子電荷輸送物質を用いた場合に比べて光感度が劣って
おり、特に表面電位の光照射減衰に電界強度依存性があ
り、光減衰曲線の裾切れが悪く、更には繰り返し使用に
おいて、残留電位が上昇し、光感度低下が起こるという
欠点がある。
【0008】更にまた、近年、電子写真方式を用いた画
像形成装置は小型化が望まれており、そのために装置内
での感光体の占有容積を小さくする必要がある。ドラム
形状の感光体の場合はドラム径を小さくすることで、装
置内での感光体占有容積を小さくすることができるが、
そのために、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手
段、クリーニング手段などの画像形成手段を配置するス
ペースが狭くなり、画像形成プロセスの設計余裕度が小
さくなる。有機系感光体の特徴であるフレキシビリテイ
ーを利用したエンドレスベルト状感光体は小径の支持、
搬送ローラーを用いて設計することで、画像形成手段を
配置するスペースをそれほど狭くすることなく、画像形
成装置内での感光体の占有容積を縮小することができ
る。
【0009】しかしながら、ベルト状感光体には感光体
駆動時や、画像形成装置が長時間停止している場合、搬
送ローラー上の感光層に局部的に強い引っ張り張力がか
かり、そのために従来ベルト状感光体は感光層にクラッ
クが発生してしまうという欠点を有していた。特に、電
荷輸送物質として高分子電荷輸送物質を感光層に用いた
感光体は、感光体作成時に感光層内部に発生する応力が
強く、絶縁性の高分子樹脂と低分子電荷輸送物質を用い
た感光体に較べて、作成時に感光層に発生する応力が強
く、ベルト状感光体にした場合、感光層にクラックが発
生してしまう欠点を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、繰り返し使用時の耐摩耗性
に優れ、且つ高感度で光減衰曲線の裾切れが良好で、ま
た繰り返し使用時の感度変動が少なく、長期にわたり安
定した画像が得られる電子写真感光体を提供することに
ある。更には、耐クラック性に優れ、繰り返し使用時の
耐摩耗性に優れ、且つ高感度で光減衰曲線の裾切れが良
好で、また繰り返し使用時の感度変動が少なく、長期に
わたり安定した画像が得られるベルト状電子写真感光体
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題に
対し鋭意検討を重ねた結果、導電性支持体上に少なくと
も電荷発生物質と高分子電荷輸送性物質からなる感光層
を有する電子写真感光体において、高分子電荷輸送物質
と共にトリフェニルメタン化合物を含有させることによ
り、高感度で、繰り返し使用による感度低下を飛躍的に
抑制することが可能であること、更には感光体作成時に
発生する感光の内部応力を少なくし、ベルト状感光体と
して使用した場合に耐クラック性に優れていることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明に用いられるトリフェニルメタン化
合物とは、無色で化学構造中に極性基を有しない下記一
般式(A)に表わされる化合物である。
【0013】
【化1】 1からR15は水素原子、無置換アルキル基を示す。
【0014】一例を挙げれば、例えば以下の化合物が使
用可能である。トリフェニルメタン、ジフェニル−オル
ト−トリルメタン、ジフェニル−パラ−トリルメタン、
ジフェニル−メタ−トリルメタン、ジフェニル−(4−
プロピル−フェニル)−メタン、ジフェニル−(4−イ
ソプロピル−フェニル)−メタン、ジフェニル−(4−
エチル−フェニル)−パラ−トリル−メタン、トリ−オ
ルト−トリル−メタン、トリ−メタ−トリル−メタン、
メタ−トリル−ジ−パラ−トリル−メタン、トリ−パラ
−トリル−メタン、トリス−(2、4−ジメチル−フェ
ニル)−メタン、トリス−(2、5−ジメチル−フェニ
ル)−メタン、トリス−(3、5−ジメチル−フェニ
ル)−メタン、ビス−(4−ターシャル−ブチル−フェ
ニル)−オルト−トリル−メタン、ビス−(4−ターシ
ャル−ブチル−フェニル)−マタ−トリル−メタン、ビ
ス−(4−ターシャル−ブチル−フェニル)−パラ−ト
リル−メタン、トリス−(4−プロピル−フェニル)−
メタン、トリス−(4−イソプロピル−フェニル)−メ
タン、フェニル−ビス−(4−ターシャル−ペンチル−
フェニル)−メタン、トリス−(4−ブチル−フェニ
ル)−メタン、トリス−(4−タ−シャル−ブチル−フ
ェニル)−メタン、トリス−(4−タ−シャル−ペンチ
ル−フェニル)−メタン。
【0015】次に、本発明に用いられる高分子電荷輸送
物質について述べる。高分子電荷輸送物質としては、一
般的に以下のような高分子物質を用いることができる。 (a)カルバゾール環を有する重合体 例えば、特開昭50−82056号公報記載のN−アク
リルアミドメチルカルバゾール、特開昭54−9632
号公報記載のハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、特開昭54−11737号公報記載のN−アクリル
アミドアルケロイルアミノメチルカルバゾール、特開平
4−175337号公報、特開平4−183719号公
報記載のジ(N−アリル−N−アリロイル)−カルバゾ
ールを縮合して得られるカルバゾール系ポリカーボネー
ト等が例示される。
【0016】(b)ヒドラゾン構造を有する重合体 例えば、特開昭57−78402号公報記載の−C64
−CH2O−C64−p−CH=N−N(C65)−C
2−C65基をペンダントとして有するポリスチレン
誘導体、特開昭61−20953号公報記載のヒドラゾ
ン構造を有する重合体、特開昭61−296358号公
報記載のCR2=N−N(R3)R4基を有するナフタレ
ン環基、インドール環基またはキノリン環基をペンダン
トとして有するビニルナフタレン、N−ビニルインドー
ルまたはN−ビニルキノリンの重合体、特開平1−13
4456号公報、特開平1−179164号公報、特開
平3−180851号公報及び特開平3−180852
号公報にそれぞれ記載の置換ヒドラジン基を有するビニ
ル芳香族性多環化合物の重合体、特開平3−50555
号公報記載の−CH2−CH(C64−p−CH=N−
N(C64R)2)−構造を有するヒドラゾン側錯基の
付いたポリスチレン化合物の重合体、特開平5−310
904号公報、特開平6−234840号公報記載の
N’,N’−ジ置換ヒドラジ化合物等が例示される。
【0017】(c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報記載のアルキ
ル基、アルコキシ基又はアリール基含有のポリシリレン
正孔移送化合物、特開平1−88461号公報、特開平
4−264130号公報、特開平4−264131号公
報、特開平4−264132号公報、特開平4−264
133号公報、特開平4−289867号公報に記載の
ポリシリレン化合物等が例示される。
【0018】(d)トリアリールアミン構造を有する重
合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特
開平2−282264号公報、特開平2−304456
号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−1
33066号公報記載のトリアリールアミン構造を有す
る重合体、特開平5−40350号公報記載のアリール
置換されたトリアリールアミン機能を有する重合体、特
開平5−202135号公報に記載のトリアリールアミ
ン構造を有する重合体化合物等が例示される。
【0019】(e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報記載の6−ビニルインドロ
〔2,3−b〕キノキサリン誘導体部分を含む重合体、
特開昭56−150749号公報記載の1,1−ビス
(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパンのホルムア
ルデヒド縮合樹脂、特開平6−234836号公報、特
開平6−234837号公報に記載の重合体化合物等が
例示される。
【0020】本発明に使用される電子供与性基を有する
重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合
体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマ
ーや、また例えば特開平3−109406号公報に開示
されているような電子供与性基を有する架橋ポリスチレ
ン系共重合体等を用いることも可能である。
【0021】また、本発明に用いられる高分子電荷輸送
物質として更に有用なトリアリールアミン構造を有する
ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ
エーテルとしては以下に記載の化合物が例示される。例
えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13
061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平
4−11627号公報、特開平4−225014号公
報、特開平4−230767号公報、特開平4−320
420号公報、特開平5−232727号公報、特開平
7−56374号公報、特開平9−127713号公
報、特開平9−222740号公報、特開平9−265
197号公報、特開平9−211877号公報、特開平
9−304956号公報等がある。
【0022】また、本発明に用いられる高分子電荷輸送
物質として、より更に有用なトリアリールアミン構造分
岐鎖に有するポリカーボネートとしては、以下のような
ものが挙げられる。トリアリールアミン構造を分岐鎖に
有するポリカーボネートとは、トリアリールアミン構造
の一つのアリール基が何らかの結合基を介して、又は介
しないでポリカーボネートの主鎖から分岐している高分
子構造を指す。
【0023】本発明に用いられる高分子電荷輸送物質と
して、下記一般式(1)〜(6)で表わされるトリアリ
ールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートが有
効に用いられる。一般式(1)〜(6)で表わされる高
分子電荷輸送物質を以下に例示し、具体例を示す。
【0024】
【化2】 式中、R1,R2,R3はそれぞれ独立して置換もしくは
無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子
又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5,R 6は置換
もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ独
立して0〜4の整数、k,jは組成を表わし、0.1≦
k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わ
し、5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、
環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2
価基を表わす。
【0025】
【化3】 式中、R101,R102は各々独立して置換もしくは無置換
のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わ
す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1
〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、
−O−,−S−,−SO−,−SO2−,−CO−,−
CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を
表わす。)または、
【0026】
【化4】 (式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整
数、R103,R104は置換または無置換のアルキル基又は
アリール基を表わす。)を表わす。ここで、R10 1とR
102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよ
い。
【0027】一般式(1)の具体例 R1,R2,R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換
のアルキル基又はハロゲン原子を表わすが、その具体例
としては以下のものを挙げることができ、同一であって
も異なってもよい。アルキル基として好ましくは、C1
〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4
直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキ
ル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4
のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1
〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で
置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチ
ル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−
メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル
基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4
−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0028】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0029】R4は水素原子又は置換もしくは無置換の
アルキル基を表わすが、そのアルキル基の具体例として
は上記のR1,R2,R3と同様のものが挙げられる。
5,R6は置換もしくは無置換のアリール基を表わす
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。
【0030】芳香族炭化水素基。芳香族炭化水素基とし
ては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレ
ニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−
フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフ
ェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニ
ル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデン
フェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ター
フェニリル基などが挙げられる。
【0031】複素環基。複素環基としては、チエニル
基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、
カルバゾリル基などが挙げられる。
【0032】上述のアリール基は以下に示す基を置換基
として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、上記のR1
2,R3と同様のものが挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR105)。アルコキシ基(−
OR105)としては、R10 5は(2)で定義したアルキル
基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、
n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2
−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベン
ジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフル
オロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアル
キル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよ
い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ
基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、
6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基と
しては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表
わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベ
ンジルアミノ基等が挙げられる。 (7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベン
ゾイル基等が挙げられる。
【0033】Xは下記一般式(B)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(C)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(B)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(C)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても、繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】一般式(C)のジオール化合物の具体例と
しては以下のものが挙げられる。1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール等の脂肪族ジオールや、1,4−シクロヘキ
サンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シク
ロヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオ
ールが挙げられる。
【0037】また、芳香環を有するジオールとしては、
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,
2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメ
チル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテ
ン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾ
エート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキ
シベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4
−ヒドロキシベンゾエート)1,3−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノー
ル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0038】
【化7】 式中、R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基、A
1,Ar2,Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わ
す。X,k,jおよびnは、一般式(1)の場合と同じ
である。
【0039】一般式(2)の具体例 R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基を表わす
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。
【0040】芳香族炭化水素基。芳香族炭化水素基とし
ては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレ
ニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−
フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフ
ェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニ
ル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデン
フェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ター
フェニリル基、または、
【0041】
【化8】 ここで、Wは−O−,−S−,−SO−,−SO2−,
−CO−及び以下の2価基を表わす。
【0042】
【化9】 cは1〜12の整数
【0043】
【化10】 dは1〜3の整数
【0044】
【化11】 eは1〜3の整数
【0045】
【化12】 fは1〜3の整数 で表わされる。
【0046】複素環基。複素環基としては、チエニル
基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、
カルバゾリル基などが挙げられる。
【0047】また、Ar1,Ar2およびAr3で示され
るアリレン基としてはR7およびR8で示したアリール基
の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換
基として有してもよい。また、これら置換基は上記一般
式中のR106,R107,R108の具体例として表わされ
る。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜C12とりわけC1〜C18、さらに好ましくはC1
4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらの
アルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C
1〜 C4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原
子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキ
シ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル
基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベ
ンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR109)。アルコキシ基(−
OR109)としては、R10 9は(2)で定義したアルキル
基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、
n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2
−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベン
ジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフル
オロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアル
キル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよ
い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ
基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、
6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6)
【0048】
【化13】 式中、R110及びR111は各々独立に(2)で定義したア
ルキル基またはアリール基を表わし、アリール基として
は例えばフェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基
が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1
4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含
有してもよい。またアリール基上の炭素原子と共同で環
を形成してもよい。具体的には、ジエチルアミノ基、N
−メチル-N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニル
アミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベン
ジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジ
ル基等が挙げられる。 (7)メチレンジオキシ基、またはメチレンジチオ基等
のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基等が
挙げられる。
【0049】Xは下記一般式(D)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(C)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(C)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】 一般式(C)のジオール化合物は一般式(1)と同じも
のが挙げられる。
【0052】
【化16】 式中、R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar4,Ar5,Ar6は同一又は異なるアリレン基を表
わす。X,k,jおよびnは、一般式(1)の場合と同
じである。
【0053】一般式(3)の具体例 R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基を表わす
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素
基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環
基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル
基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニ
ル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル
基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多
環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙
げられる。
【0054】複素環基。複素環基としては、チエニル
基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、
カルバゾリル基などが挙げられる。
【0055】また、Ar4,Ar5およびAr6で示され
るアリレン基としてはR9およびR10で示したアリール
基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよ
い。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を
置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C
4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのア
ルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1
〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原
子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキ
シ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル
基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベ
ンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR112)。アルコキシ基(−
OR112)としては、R11 2は(2)で定義したアルキル
基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、
n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2
−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベン
ジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフル
オロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアル
キル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよ
い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ
基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、
6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基と
しては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表
わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベ
ンジルアミノ基等が挙げられる。 (7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げら
れる。
【0056】Xは下記一般式(E)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(C)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(C)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても、繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0057】
【化17】
【0058】
【化18】 一般式(C)のジオール化合物は一般式(1)と同じも
のが挙げられる。
【0059】
【化19】 式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar7,Ar8,Ar9は同一又は異なるアリレン基、s
は1〜5の整数を表わす。X,k,jおよびnは、一般
式(1)の場合と同じである。
【0060】一般式(4)の具体例 R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基を表わす
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素
基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環
基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル
基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニ
ル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル
基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多
環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙
げられる。
【0061】複素環基。複素環基としては、チエニル
基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、
カルバゾリル基などが挙げられる。
【0062】また、Ar7,Ar8およびAr9で示され
るアリレン基としてはR11およびR12で示したアリール
基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよ
い。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を
置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C
4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのア
ルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1
〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原
子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキ
シ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル
基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベ
ンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR113)。アルコキシ基(−
OR113)としては、R11 3は(2)で定義したアルキル
基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、
n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2
−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベン
ジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフル
オロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアル
キル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよ
い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ
基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、
6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基と
しては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表
わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベ
ンジルアミノ基等が挙げられる。 (7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベン
ゾイル基等が挙げられる。
【0063】Xは下記一般式(F)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(C)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(C)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても、繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0064】
【化20】
【0065】
【化21】 一般式(C)のジオール化合物は一般式(1)と同じも
のが挙げられる。
【0066】
【化22】 式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又
は異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換も
しくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシ
クロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエ
ーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同
一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、
一般式(1)の場合と同じである。
【0067】一般式(5)の具体例 R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリー
ル基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げ
ることができ、同一であっても異なってもよい。芳香族
炭化水素基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、
縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオ
レニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、ア
ズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリ
セニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合
多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが
挙げられる。
【0068】複素環基。複素環基としては、チエニル
基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、
カルバゾリル基などが挙げられる。
【0069】また、Ar13,Ar14,Ar15および A
16で示されるアリレン基としては、R15,R16,R17
およびR18 で示した上記のアリール基の2価基が挙げ
られ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール
基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有して
もよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C
4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのア
ルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1
〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原
子、C1〜 C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコ
キシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体
的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロ
キシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチ
ル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロ
ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベン
ジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR115)。アルコキシ基(−
OR115)としては、R11 5は(2)で定義したアルキル
基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、
n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2
−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベン
ジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフル
オロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアル
キル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよ
い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ
基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、
6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0070】Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無
置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアル
キレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル
基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一で
あっても異なってもよい。
【0071】アルキレン基としては、上記(2)で示し
たアルキル基より誘導される2価基を表わす。具体的に
は、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、
1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン
基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シ
アノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレ
ン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピ
レン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基等
を挙げることができる。
【0072】シクロアルキレン基としては、1,1−シ
クロペンチレン基、1,1−シクロへキシレン基、1,
1−シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0073】アルキレンエーテル基としては、ジメチレ
ンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレ
ンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリ
テトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
【0074】Xは下記一般式(G)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(C)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(C)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても、繰り返し単位中に導
入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交
互共重合体となる。
【0075】
【化23】
【0076】
【化24】 一般式(C)のジオール化合物は一般式(1)と同じも
のが挙げられる。
【0077】
【化25】 式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28
は同一又は異なるアリレン基を表わす。 X,k,jお
よびnは、一般式(1)の場合と同じである。
【0078】一般式(6)の具体例R22,R23,R24
25は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、そ
の具体例としては以下のものを挙げることができ、同一
であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基。芳香族
炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナ
フチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−
ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アント
リル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレ
ニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロ
ヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェ
ニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
【0079】複素環基。複素環基としては、チエニル
基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、
カルバゾリル基などが挙げられる。
【0080】また、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27
よびAr28で示されるアリレン基としては、R22
23,R24およびR25で示した上記のアリール基の2価
基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述の
アリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基とし
て有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C
4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのア
ルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1
〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原
子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキ
シ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル
基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベ
ンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR118)。アルコキシ基(−
OR118)としては、R11 8は(2)で定義したアルキル
基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、
n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2
−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベン
ジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフル
オロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアル
キル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよ
い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ
基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、
6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基と
しては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表
わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベ
ンジルアミノ基等が挙げられる。 (7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベン
ゾイル基等が挙げられる。
【0081】Xは下記一般式(L)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(C)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(C)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0082】
【化26】
【0083】
【化27】 一般式(C)のジオール化合物は一般式(1)と同じも
のが挙げられる。
【0084】その他、トリアリールアミン構造を分岐鎖
に有するポリカーボネートとしては、特開平6−234
838号公報、特開平6−234839号公報、特開平
6−295077号公報、特開平7−325409号公
報、特開平9−297419号公報、特開平9−807
83号公報、特開平9−80784号公報、特開平9−
80772号公報、特開平9−265201号公報等に
記載の化合物が例示される。
【0085】本発明におけるトリフェニルメタン化合物
の添加量は、添加量が少なすぎると光減衰の裾切れの改
良に対する大きな効果が得られにくいことから高分子電
荷輸送物質100重量部に対して0.1重量部以上であ
ることが好ましい。又、添加量が少ないと感光層を形成
する際に感光層内部に発生する応力を緩和する効果が少
なくなり、感光体の耐クラック性に対する効果が得られ
にくいことから、ベルト状感光体として使用する場合の
トリフェニルメタン化合物の添加量は、高分子電荷輸送
物質100重量部に対して1重量部以上であることが好
ましい。一方、添加量が多すぎると感光層の機械的強度
を低下させ、実使用時に感光層膜の摩耗が激しくなり、
感光体の寿命を短くするため、高分子電荷輸送物質10
0重量部に対して50重量部以下の添加が好ましく、更
に好ましくは30重量部以下が適当である。
【0086】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って本発明で用い
られる電子写真感光体を電荷発生層と電荷輸送層から形
成される機能分離型感光体を例にして詳細に説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の一例を模式的に示す
断面図であり、導電性支持体(21)上に電荷発生層
(22)と電荷輸送層(23)との積層からなる感光層
(24)が設けられている。図2は、他の構成の電子写
真感光体を模式的に示す断面図であり、導電性支持体
(21)と感光層(24)の間に下引き層(25)が設
けられている。図3は、別の構成の電子写真感光体を模
式的に示す断面図であり、感光層(24)上に保護層
(26)が設けられている。図4は、さらに別の構成の
電子写真感光体を模式的に示す断面図であり、導電性支
持体(21)と感光層(24)の間に下引き層(25)
が設けられ、感光層(24)の上に保護層(26)が設
けられている。
【0087】導電性支持体(21)としては、体積抵抗
1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミ
ニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白
金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸
化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状も
しくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あ
るいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ス
テンレスなどの板およびそれらをD.I.,I.I.,
押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上
げ、研磨などで表面処理した管などを使用することがで
きる。
【0088】次に、電荷発生層(22)について説明す
る。電荷発生層(22)は、電荷発生物質を主成分とす
る層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもあ
る。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を
用いることができる。無機系材料には、結晶セレン、ア
モルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル
−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シ
リコーン等が挙げられる。アモルファス・シリコーンに
おいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原
子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等
をドープしたものが良好に用いられる。
【0089】一方、有機系材料としては、公知の材料を
用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
【0090】電荷発生層(22)に必要に応じて用いら
れるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シ
リコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミ
ドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独
または2種以上の混合物として用いることができる。ま
た、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダ
ー樹脂の他に、先述の高分子電荷輸送物質を用いること
ができる。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添
加してもよい。
【0091】電荷発生層(22)に併用できる低分子電
荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがあ
る。電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブ
ロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリ
ニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4
−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−
5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられ
る。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
【0092】正孔輸送物質としては、以下に表わされる
電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえ
ば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1
−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、
スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニル
ヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ
ール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、
アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダ
ゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。こ
れらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物と
して用いることができる。
【0093】電荷発生層(22)を形成する方法には、
真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法と
が大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グ
ロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いら
れ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成でき
る。また、後述のキャスティング法によって電荷発生層
を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生
物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフ
ラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタ
ン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライタ
ー、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈し
て塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工
法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行な
うことができる。以上のようにして設けられる電荷発生
層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ま
しくは0.05〜2μmである。
【0094】次に、電荷輸送層(23)について説明す
る。電荷輸送層(23)は、高分子電荷輸送物質とトリ
フェニルメタン化合物を有する層であり、高分子電荷輸
送物質と上記化合物を適当な溶剤に溶解ないし分散し、
これを塗布、乾燥することにより形成できる。高分子電
荷輸送物質、および上記化合物は前述の化合物が使用さ
れる。また、必要により適当な低分子電荷輸送物質やレ
ベリング剤を添加することもできる。
【0095】電荷輸送層(23)に併用できる低分子電
荷輸送物質は、電荷発生層(22)の説明に記載したも
のと同じものを用いることができる。低分子電荷輸送物
質の使用量は、高分子電荷輸送物質100重量部に対し
て0〜50重量部程度が適当である。
【0096】電荷輸送層(23)に併用できるレベリン
グ剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェ
ニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖
にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオ
リゴマーが使用され、その使用量は、バインダ−樹脂1
00重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。電
荷輸送層23の膜厚は、5〜100μm程度が適当であ
り、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0097】本発明に用いられる電子写真感光体には、
導電性支持体(21)と感光層(24)との間に下引き
層(25)を設けることができ、下引き層(25)は、
接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工
性を改良する、残留電位を低減する、導電性支持体から
の電荷注入を防止するなどの目的で設けられる。下引き
層(25)は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹
脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、
一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であること
が望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアル
コール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶
性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等
のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹
脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次
元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。ま
た、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウ
ム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化
物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加
えてもよい。これらの下引き層(25)は、前術の感光
層のごとく適当な溶媒、塗工法を用いて形成することが
できる。更に本発明の下引き層(25)として、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップ
リング剤等を使用して、例えばゾルーゲル法等により形
成した金属酸化物層も有用である。
【0098】この他に、本発明の下引き層(25)には
Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリ
レン(パリレン)等の有機物や、SiO,SnO2,T
iO2,ITO,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法に
て設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0
〜5μmが適当である。
【0099】本発明の電子写真感光体には、感光層保護
の目的で、保護層(26)が感光層(24)の上に設け
られることもある。これに使用される材料としては、A
BS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共
重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール
樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチ
レン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメ
チルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリスルホン、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポ
リウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エ
ポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。保護層にはその他、
耐摩耗性を向上する目的で、ポリテトラフルオロエチレ
ンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂およびこれら樹脂
に酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム等の無機材
料を分散したもの等を添加することができる。保護層
(26)の形成法としては、通常の塗布法が採用され
る。なお、保護層の厚さは、0.5〜10μm程度が適
当である。また、以上のほかに真空薄膜作製法にて形成
したi−C,a−SiCなど公知の材料も保護層として
用いることができる。
【0100】また、本発明においては、耐環境性の改善
のため、とりわけ感度低下、残留電位の上昇を防止する
目的で酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤
は有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電
荷輸送層に添加すると良好な結果が得られる。
【0101】本発明に用いることができる酸化防止剤と
して、下記のものが挙げられる。 (a)フェノ−ル系化合物 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒ
ドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノ−ル、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−
エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−チオ
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、
4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノ−ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−
t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−
ト]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ
−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]ク
リコ−ルエステル、トコフェロ−ル類など。
【0102】(b)パラフェニレンジアミン類 N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−
フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p
−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’
−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0103】(c)ハイドロキノン類 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジ
ドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t
−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オ
クタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0104】(d)有機硫黄化合物類 ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステ
アリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデ
シル−3,3’−チオジプロピオネ−トなど。
【0105】(e)有機燐化合物類 トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリク
レジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキ
シ)ホスフィンなど。
【0106】これら化合物は、ゴム、プラスチック、油
脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容
易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加量
は、高分子電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜
30重量部である。
【0107】本発明の高感度化、光減衰曲線の裾切れが
良好となる理由は現在のところ、明確にはなっていない
が、次のように考えられる。高感度化の要因としては、
電荷発生物質から電荷輸送物質への電荷注入性の向上と
電荷注入後の電荷輸送物質間の電荷移動性の向上があ
る。従来の電子写真感光体に含有されている低分子電荷
輸送材料は、自らがカチオンラジカルになることにより
正孔を移動させており、この中性分子からカチオンラジ
カルになるときに立体構造上の変化が生じている。本発
明に用いられている高分子電荷輸送材料の場合、電荷輸
送を請け負うユニットが高分子鎖中に結合されているた
め、前記したような構造変化にはより大きなエネルギー
が必要とされる。このため高分子電荷輸送材料を用いた
感光体では、低電界状態において電荷移動が遅くなり、
結果として光減衰の裾切れ低下、低感度が招かれる。本
発明では、高分子電荷輸送材料からなる感光層に、トリ
フェニルメタン化合物を添加することで、感光層に可塑
化効果を生じ、高分子電荷輸送材料の熱運動性が向上す
る。これに伴い、高分子鎖中の電荷輸送を請け負うユニ
ット(トリアリールアミノ基)の構造変化に必要なエネ
ルギーが低下し、低電界状態での電荷移動が上昇し光減
衰の裾切れの改善、感度向上、更には電荷トラップの低
減により繰り返し使用時の残留電位の減少が達成された
と推測される。
【0108】図6には本発明の画像形成装置で用いられ
る無端ベルト状の感光体(32)の一例が示されてい
る。この感光体(32)はシート状体を超音波溶接によ
り接合した接合部(34)を有し、3本のベルト支持搬
送ローラ(33)(33)(33)間に回転可能に懸架
され、該感光体(32)の周囲には帯電手段、像露光手
段、現像手段、トナー像転写手段、除電手段、クリーニ
ング手段等の所要の画像処理手段が配置される。
【0109】
【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表
わす。 (実施例1)アルミニウム板上に、メタノールとブタノ
ールとの混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−8
000、東レ社製)溶液をドクターブレードで塗布し、
自然乾燥させて厚さ0.3μmの中間層を設けた。つい
で電荷発生物質として下記構造式で表わされるビスアゾ
化合物を、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとの
混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得られた分散液
を中間層上にドクターブレードで塗布し、自然乾燥させ
て厚さ約1μmの電荷発生層を形成した。次に、下記繰
り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−1)
100重量部とトリフェニルメタン化合物(東京化成社
製)20重量部とをジクロロメタンに溶解し、この溶液
を電荷発生層上にドクターブレードで塗布し自然乾燥さ
せ、ついで120℃で20分間乾燥させて厚さ約20μ
mの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0110】
【化28】
【0111】
【化29】
【0112】(実施例2)実施例1におけるポリカーボ
ネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位を有するポ
リカーボネート樹脂(PC−2)に代えた以外は実施例
1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0113】
【化30】
【0114】(実施例3)実施例1におけるポリカーボ
ネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位を有するポ
リカーボネート樹脂(PC−3)に代えた以外は実施例
1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0115】
【化31】
【0116】(実施例4)実施例1におけるポリカーボ
ネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位を有するポ
リカーボネート樹脂(PC−4)に代えた以外は実施例
1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0117】
【化32】
【0118】(実施例5)実施例1におけるポリカーボ
ネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位を有するポ
リカーボネート樹脂(PC−5)に代えた以外は実施例
1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0119】
【化33】
【0120】(実施例6)実施例1におけるポリカーボ
ネート樹脂(PC−1)を下記繰り返し単位を有するポ
リカーボネート樹脂(PC−6)に代えた以外は実施例
1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0121】
【化34】
【0122】(比較例1)実施例1において、ポリカー
ボネート樹脂(PC−1)100重量部をジクロロメタ
ンに溶解し、この溶液を電荷発生層上にドクターブレー
ドで塗布し自然乾燥させ、ついで120℃で20分間乾
燥させて、厚さ約20μmの電荷輸送層(トリフェニル
メタン化合物が添加されていない電荷輸送層)を形成し
た以外は、実施例1と同様にして比較例1の電子写真感
光体を作成した。
【0123】(比較例2〜6)比較例1におけるポリカ
ーボネート樹脂(PC−1)を上記実施例において示し
た(PC−2)〜(PC−6)のそれぞれに代え、トリ
フェニルメタン化合物を添加しない以外は比較例1と同
様にして比較例2〜比較例6の電子写真感光体を作成し
た。
【0124】このようにして得られた実施例1〜実施例
6の電子写真感光体、および比較例1〜比較例6の電子
写真感光体について、静電複写紙試験装置(川口電機製
作所製、SP428型)を用い、暗所で感光体に−6K
Vのコロナ放電を行ない、表面電位が−800Vになっ
たところで感光体表面に照度2ルックスのタングステン
ランプ光を照射し、表面電位が−80Vになるのに必要
な露光量E1/10(lux・sec)を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0125】
【表1】 表1から明らかなように、トリアリールアミノ基を主鎖
または側鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成分と
し、トリフェニルメタン化合物を含有させた電荷輸送層
を有する実施例の電子写真感光体は、トリフェニルメタ
ン化合物を含有していない電荷輸送層を有する比較例の
電子写真感光体に比べ、光減曲線の裾切れが良好で高感
度である。
【0126】(実施例7〜10)実施例1において、ト
リフェニルメタン化合物をポリカーボネート樹脂(PC
−1)100重量部に対して各々、0.2、1、10、
50重量部添加した以外は実施例1と同様にして感光体
を作成し、感度評価を行なった。結果を表2に示す。
【0127】(比較例7、8)実施例1において、トリ
フェニルメタン化合物をポリカーボネート樹脂(PC−
1)100重量部に対して各々、0.05、0.1重量
部添加した以外は実施例1と同様にして感光体を作成
し、感度評価を行なった。結果を表2に示す。
【0128】
【表2】 表2から明らかなように、トリフェニルメタン化合物は
感光層中に高分子電荷輸送物質100重量部に対して
0.2重量部以上含有させれば、充分な増感効果をしめ
す。
【0129】(実施例11)メタノールとブタノールと
の混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−800
0、東レ社製)溶液を用い、浸漬塗布法によりアルミ素
管上に厚さ0.3μmの中間層を設けた。ついで実施例
1におけるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンとメチル
エチルケトンとの混合溶媒中でボールミルにより粉砕
し、得られた分散液を用いて浸漬塗布法により中間層上
に厚さ0.5μmの電荷発生層を形成した。次にポリカ
ーボネート樹脂(PC−1)100重量部とトリフェニ
ルメタン化合物(東京化成社製)20重量部とをジクロ
ロメタンに溶解し、この溶液を浸漬塗布法により電荷発
生層上に塗布し自然乾燥させ、ついで120℃で20分
間乾燥させて厚さ約30μmの電荷輸送層を形成し、電
子写真感光体を作成した。
【0130】(比較例9)電荷輸送層にトリフェニルメ
タン化合物を添加しなかった以外は実施例11と同様に
してアルミ素管上に中間層および電荷発生層、電荷輸送
層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0131】(実施例12)電荷輸送層のポリカーボネ
ート樹脂をPC−2に代えた以外は実施例11と同様に
感光体を作成した。
【0132】(比較例10)電荷輸送層にトリフェニル
メタン化合物を添加しなかった以外は実施例12と同様
にして、電子写真感光体を作成した。以上のように作製
した実施例11、12および比較例9、10の電子写真
感光体を以下のように評価を行なった。
【0133】[実機ランニング特性評価方法]書き込み
光源として、635nm波長光(出力:5mW)発振レ
ーザを搭載し、反転現像用現像で現像可能に改良した電
子写真複写機(imagio DA355 リコー社
製)に搭載し、それぞれの感光体について5000枚ま
での通紙試験を行なった。通紙試験中及び通紙試験後に
感光体の電位特性、画像品質特性の評価を適時行なっ
た。 暗部電位:一次帯電の後、現像部位置まで移動した際の
感光体表面電位 明部電位:一次帯電後、画像露光(ベタ露光)を受け、現
像部位置まで移動した際の感光体表面電位 画像品質:ベタ濃度、細線再現性、異常画像等総合的に
評価
【0134】評価結果を表3に示す。トリフェニルメタ
ン化合物を含有しない比較例9、10の感光体は、繰り
返し使用で明部電位が上昇し、画像濃度の低下、細線画
像の再現性が低下するが、トリフェニルメタン化合物を
含有した実施例11、12の感光体は繰り返し使用での
暗部電位、明部電位が安定し、良好な画像が得られた。
実施例11、12の感光体を5万枚まで通紙テストを続
行したが、5万枚目の明部電位は実施例11の感光体は
250v、20の感光体は230vであり、いずれも細
線画像細りのない良好な画像が得られた。
【0135】
【表3】 以上のように、本発明のトリフェニルメタン化合物を含
有した電子写真感光体は、光減衰曲線の裾引きが少ない
ため光感度が高く、且つ繰り返し使用による明部電位の
変動を少なく、且つ帯電安定性が極めて優れており、高
画質のハードコピーを長期間安定して得られることが判
る。
【0136】(実施例12)アルミニウム板上に、メタ
ノールとブタノールとの混合溶媒に溶解したポリアミド
樹脂(CM−8000、東レ社製)溶液をドクターブレ
ードで塗布し、自然乾燥させて厚さ0.3μmの中間層
を設けた。ついで電荷発生物質として下記構造式で表わ
されるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンとメチルエチ
ルケトンとの混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得
られた分散液を中間層上にドクターブレードで塗布し、
自然乾燥させて厚さ約1μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂
(PC−1)100重量部とジフェニル−(4−プロピ
ル−フェニル)−メタン20重量部とをジクロロメタン
に溶解し、この溶液を電荷発生層上にドクターブレード
で塗布し自然乾燥させ、ついで120℃で20分間乾燥
させて厚さ約20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真
感光体を作成した。
【0137】
【化35】
【0138】
【化36】
【0139】(比較例11)このようにして得られた実
施例12の電子写真感光体、および前記比較例1の電子
写真感光体について、静電複写紙試験装置(川口電機製
作所製、SP428型)を用い、暗所で感光体に−6K
Vのコロナ放電を行ない、表面電位が−800Vになっ
たところで感光体表面に照度2ルックスのタングステン
ランプ光を照射し、表面電位が−80Vになるのに必要
な露光量E1/10(lux・sec)を測定した。そ
の結果を表4に示す。
【0140】
【表4】 表4から明らかなように、トリアリールアミノ基を主鎖
または側鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成分と
し、トリフェニルメタン化合物を含有させた電荷輸送層
を有する実施例の電子写真感光体は、トリフェニルメタ
ン化合物を含有していない電荷輸送層を有する比較例の
電子写真感光体に比べ、光減曲線の裾切れが良好で高感
度である。
【0141】(実施例13)0.1μm厚みのアルミ蒸
着層を設けた75μm厚みのポリエチレンテレフタレー
トフィルムのアルミ蒸着層上に、メタノールとブタノー
ルとの混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−80
00、東レ社製)溶液をドクターブレードで塗布し、自
然乾燥させて厚さ0.3μmの下引き層を設けた。つい
で電荷発生物質として下記構造式で表わされるビスアゾ
化合物をシクロヘキサノンとメチルエチルケトンとの混
合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得られた分散液を
下引き層上にドクターブレードで塗布し、自然乾燥させ
て厚さ約1μmの電荷発生層を形成した。次に、下記繰
り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−4)
100重量部とトリフェニルメタン(東京化成社製)2
0重量部とをジクロロメタンに溶解し、この溶液を電荷
発生層上にブレード塗布装置で塗布し自然乾燥させ、つ
いで120℃で20分間乾燥させて、厚さ約20μmの
電荷輸送層を形成し、感光体シートを作成した。
【0142】
【化37】
【0143】
【化38】 この感光体シートの感光層表面端部に画像形成時の接地
用にカーボンブラック分散の導電性塗料層を設け、感光
体裏面に幅5mm、厚さ0.5mmのベルトの寄り止め
用ゴムを両面テープで図5の如く張り付けた。次に、こ
の感光体シートを切断、端部を超音波接合し、図6の如
きエンドレスベルト状感光体を作成した。
【0144】(実施例14)トリフェニルメタン化合物
としてジフェニル−(4−プロピル−フェニル)−メタ
ンを用いた以外は、実施例13と同様にベルト状感光体
を作成した。
【0145】(比較例12)トリフェニルメタン化合物
を電荷輸送層に添加しなかった以外は、実施例12と同
様に感光体を作成した。
【0146】実施例13,14、比較例12の感光体を
リコー社製ファクシミリ機(RIFAX 2000)の
感光体マガジンに入れ、光源を635nm発振のレーザ
ーにしてRIFAX2000(リコー社製)を改良した
ベルト状感光体試験装置に、上記エンドレスベルト状感
光体マガジンをセットして、 常温常湿(22−25℃、40−60%RH)環境下
で正規現像による10000枚の画像評価 感光体マガジンを常温常湿環境下に1ヶ月放置後、感
光体の耐クラック性評価、及び画像評価 感光体マガジンを30℃、85%環境下に2週間放置
後、感光体の耐クラック性評価、及び画像評価 を行なった。表5に見られるように、高分子電荷輸送物
質に対してトリフェニルメタン化合物を添加した感光層
を有するベルト状光体は、クラックの発生のない良好な
結果を示した。
【0147】
【表5】
【0148】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明により高感度で、繰り返し使用によっ
て感度低下が少ない、帯電安定性に優れた長寿命、高信
頼性の電子写真感光体を得ることができ、又、耐クラッ
ク性に優れたベルト状感光体を提供することができ、更
には、高画質のハードコピーを長期間安定して得られる
画像形成装置を提供できるという優れた効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構成を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の電子写真感光体の構成を示す別の断面
図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の構成を示す更に別の
断面図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の構成を示すまた更に
別の断面図である。
【図5】本発明の電子写真感光体の構成を示す図であ
る。
【図6】本発明による画像形成装置の要部の1例を簡略
化して示す図である。
【符号の説明】
21 導電性支持体 22 電荷発生層感光層 23 電荷輸送層下引き層 24 感光層 25 下引き層 26 保護層 27 電荷輸送層 28 電荷発生層 29 アルミ蒸着ポリエステルフィルム 30 導電性塗料層 31 寄り止め樹脂層 32 ベルト感光体 33 ベルト支持、搬送ローラ 34 超音波溶接での接合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴木 哲郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA20 AA34 AA35 AA55 BA12 BB44 FA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物
    質と高分子電荷輸送物質からなる感光層を設けた電子写
    真感光体において、上記感光層にトリフェニルメタン化
    合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 上記感光層が電荷発生物質を含有する電
    荷発生層と高分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と
    からなることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感
    光体。
  3. 【請求項3】 上記高分子電荷輸送物質がポリカーボネ
    ート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルの少
    なくともいずれか1つの重合体である請求項1に記載の
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 上記高分子電荷輸送物質がトリアリール
    アミン構造を有する高分子化合物である請求項1に記載
    の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 上記高分子電荷輸送物質がトリアリール
    アミン構造を有するポリカーボネートである請求項1に
    記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 上記高分子電荷輸送物質がトリアリール
    アミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートである請
    求項1に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 感光層に含有するトリフェニルメタン化
    合物が上記高分子電荷輸送物質100重量部に対して
    0.2重量部から50重量部の範囲で含有されることを
    特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物
    質と高分子電荷輸送物質からなる感光層を設けた電子写
    真感光体において、上記感光層がトリフェニルメタン化
    合物を含有し、感光体形状がエンドレスベルト状である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記感光体を搭載したことを特徴とする
    請求項1乃至8の何れか1に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008040507A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Xerox Corp 電子写真画像形成部材、電子写真画像形成部材を形成する方法、及び電子写真画像現像装置

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JP2008040507A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Xerox Corp 電子写真画像形成部材、電子写真画像形成部材を形成する方法、及び電子写真画像現像装置

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