JP3565463B2 - 電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置に関し、特に帯電手段等としてのコロナ放電により感光体上に生成する硝酸イオンやアンモニウムイオン等のイオンを除去し、画像流れを防止するようにした電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法としては、カールソンプロセスやその種々の変形プロセスなどが知られており、複写機やプリンタなどに広く使用されている。このような電子写真方法に用いられる感光体の中でも、有機系の感光材料を用いたものが、安価、大量生産性、無公害性などをメリットとして、近年使用され始めている。
【0003】
これらの電子写真感光体において、電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料は、多くが低分子化合物として開発されているが、低分子化合物は単独では成膜性がないため、通常不活性高分子に分散・混合して用いられる。しかるに、低分子電荷輸送材料と不活性高分子からなる電荷輸送層は一般に柔らかく、カールソンプロセスにおいては繰り返し使用による膜削れを生じやすい。更にこの構成の電荷輸送層は、電荷移動度に限界があり、カールソンプロセスの高速化或いは小型化の障害となっていた。これは、低分子電荷輸送材料の含有量比に限りがあり、通常、低分子電荷輸送材料の含有量が50重量%以下で使用されることに起因している。低分子電荷輸送材料の含有量を増すことで確かに電荷移動度は上げられるが、このとき逆に成膜性は劣化する。
【0004】
一方、高分子型の電荷輸送材料は、例えば、特開昭50−82056号公報、特開昭51−73888号公報、特開昭54−8527号公報、特開昭54−11737号公報、特開昭56−150749号公報、特開昭57−78402号公報、特開昭63−285552号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−19049号公報及び特開平3−50555号公報などに開示されている。これらの高分子型の電荷輸送材料は、電荷輸送層が高分子だけで構成されるため、高い機械的強度が期待される。また、成膜性を損なうことなく電荷輸送を担う官能基を高密度に含有することが可能であり、高速応答性が期待される。
【0005】
電子写真プロセスでのコロナ放電、特に帯電器からのコロナ放電では、硝酸イオンやアンモニウムイオン等の放電生成物が発生する。これらのイオンは、例えば放電で生成したオゾンが空気中の窒素を酸化してNOxを発生し、NOxが感光体上の吸着水と反応して硝酸イオンとなること等により発生する。硝酸イオン、アンモニウムイオン等が感光体の表面に吸着し、大気中の水分を吸湿すると、感光体の表面電気抵抗は低下し、感光体は、静電潜像を維持できなくなり、画像流れが発生する。この現象は、低分子電荷輸送材料を不活性高分子に分散・混合して用いられる感光体では、感光体表面の膜削れの方が顕著であることより顕在化していなかった。
【0006】
しかしながら、高分子型の電荷輸送材料を用いた感光体は長寿命化にともない感光体表面に硝酸イオンやアンモニウムイオン等の放電生成物が蓄積し画像流れが発生してしまい、この点の改良が強く望まれていた。
【0007】
画像流れの防止のため、特開昭51−65941号公報、特開昭52−129434号公報、特開昭53−32744号公報等で開示の技術においては、ヒータにより感光体を加熱し、吸着水を蒸発させることを提案している。ヒータによる感光体の加熱は一般に用いられている手段であるが、この方法では感光体表面へのトナーの固着が生じるという問題がある。また、ヒータで感光体を加熱することは、電子写真装置の消費電力を著しく増加させ、更に冷間からの使用開始時の待ち時間を延長させることになる。
【0008】
特開昭61−112153号公報、特開昭62−119567号公報、特開昭63−60477号公報においては、研磨剤により放電生成物イオンを除去することを提案している。しかしながら研磨剤を用いることは感光体表面を傷つけ、研磨剤をトナーに混合する場合には現像特性を低下させる。
【0009】
特開平2−293884号公報、特開平2−293885号公報は、水や多価アルコール、或いはその誘導体を用いて、該感光体表面に付着した放電生成物を除去することを提案している。しかし乾式のプロセスに湿式のプロセスを持ち込むことは、乾式の利点を損ない、電子写真装置を複雑化し、好ましくない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術における問題点を解決し、感光体表面に吸着した硝酸イオン、アンモニウムイオン等の放電生成物を複雑な手段を用いることなく簡単に除去し、電子写真装置の画像流れを防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題は本発明に係る、導電性支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有された電子写真感光体の周囲に、帯電手段と露光手段現像手段、転写手段、及び残留トナーのクリーナーを配置した電子写真装置であって、前記帯電手段とクリーナーとの間に前記感光体の表面を空拭きするように、帯電手段でのコロナ放電に伴う放電生成物イオンを除去するための、クリーナーを設け、感光体に接触させるようにしたことを特徴とする電子写真装置、により解決される。
【0012】
また、前記課題は本発明に係る、前記帯電手段とトナークリーナーとの間に、感光体表面を空拭きするように、帯電手段でのコロナ放電に伴う放電生成物イオンを除去するためのクリーナーと、該クリーナーを感光体に接触する位置と感光体から離れた位置との間で移動させる機構とを設け、前記クリーナーを間欠的に感光体に接触させて空拭きするようにしたことを特徴とする電子写真装置、により解決される。
【0013】
以下、図面を用いて本発明の電子写真装置を詳細に説明する。図1は、本発明における電子写真装置の1例を示す概略構成図である。(11)は導電性支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有された電子写真感光体で、(12)は帯電手段(帯電器)、(13)は露光手段としての露光ビーム、(14)は現像手段としての現像機、(15)は転写手段の1例としての転写チャージャー、(16)はトナークリーナーである。(17)は、放電生成物除去クリーナーで、(18)は例えば空気圧シリンダー、(19)は空気圧ポンプ、(1A)はカウンターで、このカウンター(1A)により、感光体(11)の使用回数をカウントし、例えば100枚〜5万枚毎にシリンダー(18)を作動させて、所定の圧力で放電生成物除去クリーナー(17)を感光体(11)の表面に押しつける。空気圧シリンダー(18)に替え、バネやモーター等の任意のクリーナー移動手段を用い得る。(1B)は光除電ランプである。
【0014】
放電生成物除去クリーナー(17)の形状や種類、材質は任意である。放電生成物除去クリーナーとしてはブレードクリーナー、繊維クリーナー等、公知のものを使用することができる。このクリーナーの形状としては、織布状や不織布状、フェルト状、筆状、パッド状、タオル地状、或るいは紙状等の任意のものを用いることができ、材質には、綿、麻、紙、脱脂綿等の植物性繊維、羊や兎、馬等の獣毛、或るいはナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成樹脂繊維、放電生成物に対する吸着能を有する活性炭素繊維や活性炭等をそのまま或いは他の材料と混合して用いることができる。図5〜図7にこのクリーナーの変形例を示す。
【0015】
図5の放電生成物除去クリーナーでは、プラスチックの芯材(51)の周囲に繊維布(52)を貼り付けクリーナーとする。芯材(51)は移動手段(53)により前方の感光体方向に、好ましくは間欠的に、移動させられ芯材(51)周囲の繊維布(52)を感光体(11)の最表面に押しつける。図6の放電生成物除去クリーナーでは、ローラ(61)、(63)、(64)を利用して、布(62)を送る。ローラ(64)は移動手段(65)により間欠的に前方に移動させられ、布(62)をその都度感光体(11)の最表面に押しつける。図7の放電生成物除去クリーナーでは、ローラ(71)の周囲に巻き付けた布(72)を用いて、放電生成物イオンの拭き取りを行なう。(73)はローラ(71)の移動手段である。
【0016】
このクリーナーは常時感光体表面に接触させてもよいが、繊維屑の発生や、クリーナーのへこみによる拭き取り能力の低下を防止するため、好ましくは間欠的に感光体表面に接触させる。拭き取りの頻度は、例えば複写100枚毎に1回〜5万枚毎に1回とする。
【0017】
次に、図面を用いて本発明で用いられる電子写真感光体を詳細に説明する。図2は、本発明において用いられる電子写真感光体の1構成例の断面図であり、導電性支持体(21)上に、感光層(23)が形成されたものである。
【0018】
図3は、別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)上に、電荷発生層(31)と電荷輸送層(33)からなる感光層(23)が形成されたものである。図4は、更に別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)と感光層(23)との間に下引き層(25)が形成されたものである。
【0019】
次に、本発明に用いられる高分子電荷輸送物質について説明する。本発明に用いられる高分子電荷輸送物質としては、公知の高分子型の電荷輸送材料を用いることができる。
【0020】
例えば、
(a)主鎖及び/又は側鎖にカルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールの重合体、特開昭50−82056号公報開示のN−アクリルアミドメチルカルバゾールの重合体、特開昭54−9632号公報記載のハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭54−11737号公報記載のポリ−N−アクリルアミドメチルカルバゾール及びポリ−N−アクリルアミドメチルカルバモイルアルキルカルバゾール、特開平4−183719号公報に記載のカルバゾール構造を有する特定のジヒドロキシ化合物即ちビス[N−ヒドロキシアリール(又は−ヒドロキシヘテロ)−N−アリール]アミノ置換カルバゾールを或いはこれとビスフェノール化合物とを炭酸エステル形成性化合物と反応させることにより得られるカルバゾール系ポリカーボネート、化合物等が例示される。
(b)主鎖及び/又は側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報記載の、クロルメチル化ポリスチレンと4−ヒドロキシベンジリデンベンジルフェニルヒドラゾンとの脱塩酸縮合により生成されるヒドラゾン構造を有するポリスチレン、特開平3−50555号公報に記載のポリ(4−ホルミルスチレン)と1,1−ジアリールヒドラジンとの脱水縮合により生成される4−ヒドラゾン側鎖構造を有するポリスチレン化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報記載のポリ(メチルフェニルシリレン)、ポリ(nープロピルメチルシリレン)−1−メチルフェニルシリレン又はポリ(nープロピルメチルシリレン)、特開平5−19497号公報記載の−(Si(R1)(R2))−、又は
【0021】
【化30】
の繰り返し単位を有するポリシラン化合物(R1、R2、R3、R4はH、ハロゲン、エーテル基、置換アルキル基等)の化合物等が例示される。
(d)主鎖及び/又は側鎖に第3級アミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、及び特開平1−19049号公報記載の一般式
【0022】
【化31】
を有するアリールアミン樹脂化合物
(ここでAr、Ar’はアリール、Zはカルバゾール−4,7−ジイル基、フルオレニン基、フェニレン基、ピレンジイル基、4,4’−ビフェニレン基等の2価の不飽和環式基、R及びR’は個々に−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−及び−(CH2)4−、R”は−CO−又は−CO−O−C6H4−Y−C6H4−O−CO−(Yは−O−、−CH2−、−S−、−C(Me)2−等)、mは0又は1、nは5〜5000を表わす。)、特開平1−1728号公報記載の
R−[O−A−O−CH2−CH(OR)−CH2−O−B−O−CH2−CH(OR)−CH2]m−(RはH、−Me、−Et、mは4〜1000、Aは−Ar−N(Ar’)−[Z]−[N(Ar’)−Ar]n−(Zはカルバゾール−4,7−ジイル基、フルオニレン基、フェニレン基、ピレンジイル基、4,4’−ビフェニレン基等の2価の不飽和環式基、Ar、Ar’はアリール基)、BはAと同じ意味か又は−Ar−V−Ar(Vは−CH2−、−O−、−S−、−C(Me)2−等)を表わす。)を有するアリールアミン含有ポリヒドロキシエーテル樹脂、特開平5−66598号公報記載の
【0023】
【化32】
(n1は1〜10、n2は0〜4、n3は0〜5、mは0〜1)の構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの(共)重合体、特開平5−40350号公報に記載の、構造単位
【0024】
【化33】
(R1、R2はアルキル、アリール、アラルキル、Ar1、Ar2、Ar3は2価の芳香族残基、lは0以上の整数、mは1以上の整数、nは2以上の整数、pは3〜6の整数)を有する化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報記載の、6−ビニルインドロ[2,3−b]キノキサリン誘導体の重合物、特開昭56−150749号公報に記載の、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパンのホルムアルデヒド縮合樹脂化合物等が例示される。
【0025】
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、又、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような、
【0026】
【化34】
電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
【0027】
また本発明における高分子電荷輸送物質として、主鎖及び/又は側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが有効に使用される。更に、下記一般式1〜10で表わされる高分子電荷輸送物質を用いることにより、本発明の効果はよりいっそう顕著なものとなる。一般式1〜10で表わされる高分子電荷輸送物質を以下に例示し、具体例を示す。
【0028】
【化35】
式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換若しくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0029】
【化36】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R 103 、R 104 は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R 101 とR 102 、R 103 とR 104 は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0030】
一般式1の具体例
R 1 、R 2 、R 3 はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0031】
アルキル基として好ましくは、C 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 8 、さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0032】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R 4 は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を表わすが、そのアルキル基の具体例としては上記のR 1 、R 2 、R 3 と同様のものが挙げられる。R 5 、R 6 は置換若しくは無置換のアリール基(芳香族炭化水素基及び不飽和複素環基)を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0033】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮 合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0034】
上記のアリール基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、上記のR 1 、R 2 、R 3 と同様のものが挙げられる。
【0035】
(3)アルコキシ基(−OR 105 )。アルコキシ基(−OR 105 )としては、R 105 が上記(2)で定義したアルキル基であるものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェニノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0036】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が前記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0037】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xで表わされる構造部分は下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0038】
【化37】
一般式(B)のジオール化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチ レンエーテルグリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオール等が挙げられる。
【0039】
また、芳香環を有するジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0040】
【化38】
式中、R 7 、R 8 は置換若しくは無置換のアリール基、Ar 1 、Ar 2 、Ar 3 は同一又は異なるアリレン基を表わす。k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0041】
【化39】
式中、R 101 、R 102 は各々独立して置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO 2 −、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0042】
【化40】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R 103 、R 104 は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R 101 とR 102 、R 103 とR 104 は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0043】
一般式2の具体例
R 7 、R 8 は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、又は
【0044】
【化41】
(ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO 2 −、−CO−又は以下の2価基を表わす。)
【0045】
【化42】
【0046】
【化43】
【0047】
【化44】
【0048】
【化45】
を表わす。
【0049】
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar 1 、Ar 2 及びAr 3 で示されるアリレン基としてはR 7 及びR 8 で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基(1)〜基(7)を置換基として有してもよい。また、これら置換基は上記一般式中のR 106 、R 107 、R 108 と同じ意味を有する。
【0050】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくはC 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 18 さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0051】
(3)アルコキシ基(−OR 109 )。アルコキシ基(−OR 109 )としては、R 109 が(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニ ル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0052】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)次式で表わされるアルキル置換アミノ基。
【0053】
【化46】
式中、R 110 及びR 111 は各々独立に前記(2)で定義したアルキル基又はアリール基を表わす。アリール基としては例えばフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基が挙げられ、これらはC 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。またアリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。このアルキル置換アミノ基としては具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(pートリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
【0054】
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等。
【0055】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0056】
【化47】
一般式(B)のジオール化合物としては一般式1と同じものが挙げられる。
【0057】
【化48】
式中、R 9 、R 10 は置換若しくは無置換のアリール基、Ar 4 、Ar 5 、Ar 6 は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0058】
一般式3の具体例
R 9 、R 10 は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0059】
また、Ar 4 、Ar 5 及びAr 6 で示されるアリレン基としてはR 9 及びR 10 で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 8 、さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0060】
(3)アルコキシ基(−OR 112 )。アルコキシ基(−OR 112 )としては、R 112 が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0061】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0062】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0063】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0064】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0065】
【化49】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0066】
【化50】
式中、R 11 、R 12 は置換若しくは無置換のアリール基、Ar 7 、Ar 8 、Ar 9 は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0067】
一般式4の具体例
R 11 、R 12 は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0068】
また、Ar 7 、Ar 8 及びAr 9 で示されるアリレン基としてはR 11 及びR 12 で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 8 、さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0069】
(3)アルコキシ基(−OR 113 )。アルコキシ基(−OR 113 )としては、R 113 が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0070】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジ ルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0071】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0072】
【化51】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0073】
【化52】
式中、R 13 、R 14 は置換若しくは無置換のアリール基、Ar 10 、Ar 11 、Ar 12 は同一又は異なるアリレン基、X 1 、X 2 は置換若しくは無置換のエチレン基、又は置換若しくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0074】
一般式5の具体例
R 13 、R 14 は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0075】
また、Ar 10 、Ar 11 及びAr 12 で示されるアリレン基としてはR 13 及びR 14 で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。 上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有して もよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 8 、さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0076】
(3)アルコキシ基(−OR 114 )。アルコキシ基(−OR 114 )としては、R 114 が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0077】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0078】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル チオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0079】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0080】
前記X 1 、X 2 の構造部分は置換若しくは無置換のエチレン基、置換若しくは無置換のビニレン基を表わし、この置換基としては、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、上記R 13 、R 14 のアリール基、上記(2)のアルキル基が挙げられる。
【0081】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0082】
【化53】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0083】
【化54】
【0084】
式中、R 15 、R 16 、R 17 、R 18 は置換若しくは無置換のアリール基、Ar 13 、Ar 14 、Ar 15 、Ar 16 は同一又は異なるアリレン基、Y 1 、Y 2 、Y 3 は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0085】
一般式6の具体例
R 15 、R 16 、R 17 、R 18 は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0086】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0087】
また、Ar 13 、Ar 14 、Ar 15 及びAr 16 で示されるアリレン基としてはR 15 、R 16 、R 17 、及びR 18 で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0088】
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 8 、さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0089】
(3)アルコキシ基(−OR 115 )。アルコキシ基(−OR 115 )としては、R 115 が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0090】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0091】
前記Y 1 、Y 2 、Y 3 の構造部分は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。
【0092】
このアルキレン基としては、上記(2)で示したアルキル基より誘導される2価基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基等を挙げることができる。
【0093】
同シクロアルキレン基としては、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0094】
同アルキレンエーテル基としては、ジメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
【0095】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0096】
【化55】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0097】
【化56】
式中、R 19 、R 20 は水素原子、置換若しくは無置換のアリール基を表わし、R 19 とR 20 は環を形成していてもよい。Ar 17 、Ar 18 、Ar 19 は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0098】
一般式7の具体例
R 19 、R 20 は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0099】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0100】
また、R 19 、R 20 は環を形成する場合、9−フルオリニデン、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘブテニリデンなどが挙げられる。また、Ar 17 、Ar 18 及びAr 19 で示されるアリレン基としてはR 19 及びR 20 で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0101】
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 8 、さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0102】
(3)アルコキシ基(−OR 116 )。アルコキシ基(−OR 116 )としては、R 116 が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0103】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、 6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0104】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0105】
前記Xの構造部分は下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0106】
【化57】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0107】
【化58】
式中、R 21 は置換若しくは無置換のアリール基、Ar 20 、Ar 21 、Ar 22 、Ar 23 は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0108】
一般式8の具体例
R 21 は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0109】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0110】
また、Ar 20 、Ar 21 、Ar 22 及びAr 23 で示されるアリレン基としてはR 21 で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有しても よい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
【0111】
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 8 、さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0112】
(3)アルコキシ基(−OR 117 )。アルコキシ基(−OR 117 )としては、R 117 が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0113】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0114】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリ ールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0115】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものを表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0116】
前記Xの構造部分は下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0117】
【化59】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0118】
【化60】
式中、R 22 、R 23 、R 24 、R 25 は置換若しくは無置換のアリール基、Ar 24 、Ar 25 、Ar 26 、Ar 27 、Ar 28 は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0119】
一般式9の具体例
R 22 、R 23 、R 24 、R 25 は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0120】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0121】
また、Ar 24 、Ar 25 、Ar 26 、Ar 27 、及びAr 28 で示されるアリレン基としては、R 22 、R 23 、R 24 、及びR 25 で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
【0122】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 8 、さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0123】
(3)アルコキシ基(−OR 118 )。アルコキシ基(−OR 118 )としては、R 118 が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0124】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4 −メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0125】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0126】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0127】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0128】
【化61】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0129】
【化62】
式中、R 26 、R 27 は置換若しくは無置換のアリール基、Ar 29 、Ar 30 、Ar 31 は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、一般式2の場合と同じである。
【0130】
一般式10の具体例
R 26 、R 27 は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0131】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0132】
また、Ar 29 、Ar 30 、及びAr 31 で示されるアリレン基としては、R 26 及びR 27 で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
【0133】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C 1 〜C 12 とりわけC 1 〜C 8 、さらに好ましくはC 1 〜C 4 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C 1 〜C 4 のアルキル基若しくはC 1 〜C 4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0134】
(3)アルコキシ基(−OR 119 )。アルコキシ基(−OR 119 )としては、R 119 が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ 基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0135】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C 1 〜C 4 のアルコキシ基、C 1 〜C 4 のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0136】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0137】
前記Xの構造部分は下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0138】
【化63】
一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙げられる。
【0139】
導電性支持体(21)としては、体積抵抗10 10 Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を蒸着又はスパッタリングによりフィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、或るいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを使用することができる。
【0140】
本発明における感光層(23)は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは説明の都合上、まず積層型について述べる。
はじめに、電荷発生層(31)について説明する。電荷発生層(31)は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0141】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属 フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0142】
電荷発生層(31)に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、先述の高分子電荷輸送物質を用いることができる。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
【0143】
電荷発生層(31)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
【0144】
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4オン、1,3,7−ト リニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0145】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(pージエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0146】
電荷発生層(31)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
【0147】
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系若しくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0148】
次に、電荷輸送層(33)について説明する。電荷輸送層(33)は、高分子電荷輸送物質を主成分とする層であり、高分子電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。高分子電荷輸送物質は3×10 5 V/cmの電界下で1×10 −5 cm 2 /V・sec以上の移動度を有する高分子電荷輸送物質ならば、いずれの公知材料を用いることができるが、主鎖及び/又は側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが有効に使用される。前記一般式1〜10の高分子電荷輸送物質が特に良好に使用される。また、必要により適当なバインダー樹脂、低分子電荷輸送物質、可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。
【0149】
電荷輸送層(33)に併用できるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダーは、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0150】
電荷輸送層(33)に併用できる低分子電荷輸送物質は、電荷発生層(31)の説明において記載したものと同じものを用いることができる。電荷輸送層(33)の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。また、本発明において電荷輸送層(33)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。
【0151】
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシ リコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー或いはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
【0152】
次に、感光層(23)が単層構成の場合について述べる。キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くは電荷発生物質と低分子並びに高分子電荷輸送物質よりなる機能分離型のものが挙げられる。即ち、電荷発生物質並びに電荷輸送物質には、前出の材料を用いることができる。また、必要により可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層(33)で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層(31)で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0153】
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体(21)と感光層(23)[積層タイプの場合には、電荷発生層(31)]との間に下引き層(25)を設けることができる。下引き層(25)は、接着性を向上する、モワレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層(25)は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、或るいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の場合と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0154】
さらに、本発明における感光体の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾルーゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の下引き層にはAl2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO 2 、TiO 2 、ITO、CeO 2 等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0155】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
【0156】
モノフェノール系化合物
2,6−ジ−tーブチル−pークレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tーブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど。
【0157】
ビスフェノール系化合物
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tーブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tーブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tーブチルフェノール)など。
【0158】
高分子フェノール系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tーブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tーブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−( 3’,5’−ジ−tーブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−tーブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
【0159】
パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−pーフェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−pーフェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−pーフェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−pーフェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブチル−pーフェニレンジアミンなど。
【0160】
ハイドロキノン類
2,5−ジ−tーオクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−tーオクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0161】
有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0162】
有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0163】
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品として容易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは2〜3 0重量部である。
【0164】
発明の作用
本発明では、導電性支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有された感光体の表面に、クリーナーを接触させ、硝酸イオンやアンモニウムイオン等の放電生成物イオンを拭き取る。ここでの拭き取りの機構は、理論により本発明を拘束するつもりはないが、クリーナーと感光体表面との摩擦による帯電で電界を発生させ、放電生成物をクリーナーに移動させるものと考えられる。また、クリーナーに用いる繊維は、極性の高い基を含んでおり、かつ親水性基を含み空気中の水分を吸湿しているため、感光体表面からクリーナーに容易に放電生成物イオンが移動するのである。本発明では、感光体が硬質で、長寿命の導電性支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有された感光体を用いる。この感光体は硬質で、感光体表面が高分子電荷輸送物質で構成されているため、硬度が高く、クリーナーで強い圧力で擦り付けても摩耗することが少ない。逆に硬度が低く低寿命の低分子電荷輸送材料を不活性高分子に分散・混合して用いられる感光体では、膜削れによる感光体の損傷の方が顕著であることにより、イオンの蓄積自体があまり問題とはならない。
【0165】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、使用する部は全て重量部を表わし、使用された高分子電荷輸送物質の繰り返し単位nは、いずれの例においても、重量平均分子量から算出して100±20の範囲であった。
【0166】
実施例1
φ80mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感光体を得た。
【0167】
[下引き層用塗工液]
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
【0168】
[電荷発生層用塗工液]
下記構造のトリスアゾ顔料 2.5部
【0169】
【化64】
ポリビニルブチラール(UCC社製:XYHL) 0.25部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
【0170】
[電荷輸送層用塗工液]
下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0171】
【化65】
塩化メチレン 100部
【0172】
以上のように作成した電子写真感光体を実装用にした後、繊維ブラシで感光体ドラムを擦り付け、放電生成物を摩擦帯電によりブラシに移動させて除去するように改造した複写機(リコー製:イマジオMF530)に搭載し、32℃、相対湿度85%の環境で5万枚のランニングテストを行った。クリーナー(17)には、綿布のソフトパッドを用い、1kg/cm 2 の圧力で感光体表面を擦った。
その際、1枚目及び5万枚目の画像を評価した。更に5万枚複写における感光体の膜厚減少量(摩耗量)を測定した。
【0173】
実施例2
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製し、実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0174】
【化66】
【0175】
実施例3
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製し、実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0176】
【化67】
【0177】
実施例4
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製し、実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0178】
【化68】
【0179】
実施例5
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製し、実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0180】
【化69】
【0181】
実施例6
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製し、実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0182】
【化70】
【0183】
実施例7
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製し、実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0184】
【化71】
【0185】
実施例8
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製し、実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0186】
【化72】
【0187】
実施例9
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製し、実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0188】
【化73】
【0189】
実施例10
実施例1における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製し、実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0190】
【化74】
【0191】
比較例1〜10
実施例1〜10と全く同様にして作成した電子写真感光体を実装用にした後、実施例1で使用した複写機(リコー製:イマジオMF530)に搭載し、繊維ブラシが感光体表面を擦らないようクリーナーを作動させずに32℃、相対湿度85%の環境で5万枚のランニングテストを行った。その際、1枚目及び5万枚目の画像を評価した。更に5万枚複写における感光体の膜厚減少量(摩耗量)を測定した。
【0192】
比較例11
実施例1における電荷発生層塗工液を下記組成のものに変えた以外は、全く同様に作製した。
[電荷輸送層用塗工液]
ビスフェノールA型ポリカーボネート 10部
(帝人:パンライトK1300)
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
【0193】
【化75】
塩化メチレン 100部
以上のように作成した比較例11の電子写真感光体を実装用にした後、実施例1と同様にして複写テストを行った。これらの結果は表1にまとめて示される。
【0194】
【表1】
表1から明らかなように、クリーナーで感光体表面を拭き取ることにより、画像流れを防止できる。
【0195】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的に説明したように、本発明によれば、高分子型の電荷輸送材料を最表層に用いた感光体を搭載した電子写真装置における欠点である画像流れの発生を非常に簡易的な方法にて除去され、また、画像流れの主要因である放電生成物を布、綿等により拭き取り除去し長時間使用しても、さらに、高湿中でも、画像流れを防止できる。感光体には表面高度の高い高分子型の電荷輸送材料を用いるので、拭き取り時の圧力による感光体表面の損傷は少ない。本発明は上記の構成を有する結果、長時間にわたって安定した画像が得られる。さらにクリーナーを間欠的に、感光体に接触させるようにすれば、繊維屑の発生を防止し、かつクリーナーのへこみによる拭き取り効率の低下を防止できるという極めて優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の電子写真装置に用いる電子写真感光体の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の電子写真装置に用いる電子写真感光体の別の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の電子写真装置に用いる電子写真感光体の更に別の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の電子写真装置に用いるクリーナーの側面図である。
【図6】本発明の電子写真装置に用いるクリーナーの別の側面図である。
【図7】本発明の電子写真装置に用いるクリーナーの更に別の側面図である。
【符号の説明】
11 感光体
12 帯電器
13 露光ビーム
14 現像器
15 転写器
16 トナークリーナー
17 クリーナー
18 空気シリンダー
19 空気圧ポンプ
21 導電性支持体
23 感光層
25 下引き層
31 電荷発生層
33 電荷輸送層
51 芯材
52 布
53 移動手段
61 ローラ
62 布
63 ローラ
64 ローラ
65 移動手段
71 ローラ
72 布
73 移動手段
1A カウンター
1B 光除電ランプ
Claims (10)
- 導電性支持体から最も離れた最表層に高分子電荷輸送物質が含有された電子写真感光体の周囲に、帯電手段と露光手段、現像手段、転写手段、及び残留トナーのクリーナーを配置した電子写真装置において、前記帯電手段とクリーナーとの間に、前記感光体表面を空拭きするように、帯電手段でのコロナ放電に伴う放電生成物イオンを除去するための第2のクリーナーと、該第2のクリーナーを感光体に接触する位置と感光体から離れた位置との間で移動させる機構とを設け、前記第2のクリーナーを間欠的に感光体に接触させて空拭きするようにした電子写真装置であって、電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、下記一般式1で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする電子写真装置。
- 電子写真装置で使用される電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、上記一般式1に代わる下記一般式2で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
- 電子写真装置で使用される電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、上記一般式1に代わる下記一般式3で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
- 電子写真装置で使用される電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、上記一般式1に代わる下記一般式4で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
- 電子写真装置で使用される電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、上記一般式1に代わる下記一般式5で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
- 電子写真装置で使用される電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、上記一般式1に代わる下記一般式6で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
- 電子写真装置で使用される電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、上記一般式1に代わる下記一般式7で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
- 電子写真装置で使用される電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、上記一般式1に代わる下記一般式8で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
- 電子写真装置で使用される電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、上記一般式1に代わる下記一般式9で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
- 電子写真装置で使用される電子写真感光体に含有される高分子電荷輸送物質が、上記一般式1に代わる下記一般式10で表わされる高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
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