JP3831056B2 - 電子写真プロセス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異常画像の少ない電子写真プロセスに関し、より詳しくは繰り返し使用においても長期的に異常画像の少ない電子写真プロセスに関する。
本発明の電子写真プロセスは、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用される。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法としては、カールソンプロセスやその他種々の変形プロセスなどが知られており、複写機やプリンタなどに広く使用されている。このような電子写真方法に用いられる感光体の中でも、有機系の感光材料を用いたものが、安価、大量生産性、無公害性などをメリットとして、近年使用されている。
【0003】
有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が注目されている。
【0004】
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界に沿って電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外線部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、且つ有用である。
【0005】
このような感光体を形成するための材料として、特定の電荷発生物質及びそれを用いた感光体が提案されている。(特開昭54−22834号公報、特開平5−32905号公報等)。これら電子写真感光体は、非常に高感度であり、電子写真用感光体用の電荷発生物質としては非常に有用なものであった。しかしながら、繰り返し使用後までは考慮されておらず、使用するプロセスの最適化を図る必要があった。
【0006】
また、光プリンタの光源としては、現在のところ小型で安価で信頼性の高い半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。ただ、現在よく使われているLEDの発光波長は660nmであり、一方LDの発光波長域は近赤外領域にある。このため、可視光領域から近赤外領域に高い感度を有する電子写真用感光体の開発が望まれている。ところが、電子写真用感光体の感光波長域は、感光体に使用される電荷発生物質(CGM)の感光波長域によってほぼ決まってしまう。そのため、従来から多くのCGMが開発されているが、未だ可視光域から近赤外光域に至る幅広い感光波長域で十分に高い感度を有する単一のCGMは開発されていない。
【0007】
そこで従来から、可視光に対して高い感度を有するCGM(短波長CGM)と近赤外光に感度を有するCGM(長波長CGM)とを混合して、感光波長域の広い感光体を設計することが、種々試みられている。例えば、(a)トリスアゾ顔料と(b)ペリノン顔料及びアンザンスロン顔料うち1種以上、および(c)電子供与性物質を含有させたことによる、白色光、ガスレーザ、LEDに感度を有する電子写真製版用印刷板(特開平3−146957号公報)、ジスアゾ顔料とオキソチタニウムフタロシアニンを併用することによる、白色光、赤外レーザに対して感度を有する電子写真感光体(特開平3−196049号公報)や、混合顔料を含有する電荷発生層中の結合剤としてスチレンブタジエン共重合体を使用した三方晶セレン粒子とフタロシアニン粒子の混合系からなる、可視光から赤外領域に光感度を有する感光体(特開平3−225346号公報)等が提案されている。
【0008】
しかしながら、これらの感光体は、複写機やプリンタのチャージャーから発生するオゾンやNOxガスに暴露されることによる帯電特性の劣化が起こり、十分な特性が得られていない。これらを満足させるため、特定のジスアゾ顔料と特定のトリスアゾ顔料を組み合わせた電子写真感光体が提案されている。
【0009】
一般に電子写真感光体は、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用されることにより疲労・劣化する。このため、帯電電位(ポジ−ポジ現像では画像部電位、ネガ−ポジ現像では地肌部電位)の低下、或いは露光部電位(ポジ−ポジ現像では地肌部電位、ネガ−ポジ現像では画像部電位)の上昇といった現象が生じる。具体的には、地肌汚れ或いは画像濃度低下といった異常画像として現れる。特に、露光後電位の上昇は、近年の低電位(低電界)現像に際しては、非常に大きな問題であり、この点の改良は強く望まれている。
【0010】
また、電荷輸送物質は多くが低分子化合物として開発されているが、低分子化合物は単独で製膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いられる。しかるに低分子電荷輸送物質と不活性高分子からなる電荷輸送層は一般に柔らかく、カールソンプロセスにおいては繰り返し使用による膜削れを生じやすいという欠点がある。このように感光層の膜削れを生じると、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化を起こし、その結果、感光体表面のキズなどによるスジなどの画像不良の他に、地汚れ或いは画像濃度低下といった不良画像が形成される。
【0011】
さらに、この構成の感光層(積層タイプの場合には電荷輸送層)は電荷移動度に限界があり、カールソンプロセスの高速化或いは小型化の障害となっていた。これは通常、低分子電荷輸送物質の含有量が50重量%以下で使用されることに起因している。即ち低分子電荷輸送物質の含有量を増すことで確かに電荷移動度は上げられるが、このとき逆に製膜性が劣化するためである。
【0012】
これらの点を克服するために高分子型の電荷輸送物質が注目され、例えば特開昭51−73888号公報、特開昭54−8527号公報、特開昭54−11737号公報、特開昭56−150749号公報、特開昭57−78402号公報、特開昭63−285552号公報、特開平1−1728号公報記載、特開平1−19049号公報、特開平3−50555号公報等に開示されている。
しかしながら、高分子電荷輸送物質を含有する感光層を用いた感光体の光感度は、上記の低分子電荷輸送物質を用いた場合に比べて著しく劣っており、この点の改良が強く望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子写真プロセスの繰り返し使用における感光体の露光部電位の上昇が少なく、それに伴った異常画像の発生の少ない電子写真プロセスを提供することにある。更に、繰り返し使用における感光体の膜削れに伴う異常画像の少ない電子写真プロセスを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題は、本発明の(1)「感光体の回りに、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段、及び光除電手段を具備した電子写真プロセスにおいて、該電子写真プロセスに用いられる電子写真感光体の感光層が電荷発生層と、電荷輸送層の積層構造からなり、該電荷発生層に少なくとも前記(1)式で表される電荷発生物質を含有し、かつ光除電に用いられる光が550nm以上の波長成分のみであることを特徴とする電子写真プロセス」、(2)「感光体の回りに、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段、及び光除電手段を具備した電子写真プロセスにおいて、該電子写真プロセスに用いられる電子写真感光体の感光層が電荷発生層と、電荷輸送層の積層構造からなり、該電荷発生層に少なくとも前記(1)式で表される電荷発生物質を含有し、かつ光除電に用いられる光が650nm以上の波長成分のみであることを特徴とする電子写真プロセス」、(3)「上記電荷発生物質におけるカップラー成分のCp、Cpが互いに異なるものであることを特徴とする前記(1)又は(2)項に記載の電子写真プロセス」、(4)「感光体の回りに、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段、及び光除電手段を具備した電子写真プロセスにおいて、該電子写真プロセスに用いられる電子写真感光体の感光層が電荷発生層と、電荷輸送層の積層構造からなり、該電荷発生層に少なくとも前記(1)式で表される電荷発生物質と前記(3)式で表される電荷発生物質同時に含有し、かつ光除電に用いられる光が650nm以上の波長成分のみであることを特徴とする電子写真プロセス」によって達成される。
【0016】
近年の電子写真プロセスにおいては、機械の小型化・高速化が念頭に置かれており、プロセスの高耐久化及びそれに用いられる感光体の高感度化が非常に要望されている。また、近年ではエコロジーなどの観点から感光体の部品化、或いはメンテナンスフリーが提唱されており、プロセス(感光体)の耐久性を高めることは非常に重要な意味を持っている。
【0017】
感光体の高感度化に関する前述の公知技術では、感光体の高感度化は図れるものの、繰り返し使用に関する耐久性に関しては、必ずしも考慮されておらず、また、感光体を含むプロセスの高耐久化はプロセス全体の観点から考える必要がある。この点に関して、電子写真プロセスの繰り返しサイクルのうち、光除電に用いる光の波長を特定することにより、プロセス(感光体)の繰り返し使用による露光部電位の上昇が低く抑えられ、結果としてこれによる異常画像発生の抑制が可能となる。
【0018】
また、別の公知技術では、良好な電子写真特性をもった感光体を達成するために、電荷発生層と電荷輸送層からなる機能分離型の積層タイプの電子写真感光体を用いることを提案している。ここで用いられる電荷輸送層は低分子電荷輸送材料をバインダー樹脂に分散した、いわゆる分子分散高分子からなるものである。この分子分散高分子からなる電荷輸送層は、設計の自由度の高さから多くの材料・構成のものが開発されているが、前述のとおり、カールソンプロセスのような感光体に当接する部材の多いプロセスでは、繰り返し使用時において膜削れを生じやすいという致命的な欠点を持っている。感光体の膜削れが生じると、感光体の静電特性が変化し様々な不具合点を生じ、結果として得られる画像品質が低下してしまうことは、前述のとおりである。
【0019】
更に、電荷輸送層に高分子電荷輸送物質を用いることで、感光体の機械特性(耐摩耗性)を向上する試みがなされているが、一般に繰り返し使用により低分子電荷輸送物質/バインダー樹脂(低分子分散)系に比べ静電特性が悪く、露光部電位上昇が大きい。この点に関しても、特定構造の高分子電荷輸送物質と組み合わせることにより、高耐摩耗性を維持したまま、プロセスの繰り返し使用における安定性を高めることができ、本発明を完成するに至った。
【0020】
本発明において、高分子電荷輸送物質を用いることの利点は以下のとおりである。
第1に、高分子電荷輸送物質の高い耐摩耗性が挙げられる。もちろん、材料にもよるが分子分散型電荷輸送層に比べ、数倍程度の耐摩耗性を得ることが可能である。第2に、電荷輸送サイトの高密度化が挙げられる。これは、分子分散型電荷輸送層では、その機械的強度の点から低分子電荷輸送物質をある濃度以上に添加することができないため(低分子電荷輸送物質濃度が高いほど耐摩耗性が低下する)であり、一方の高分子電荷輸送物質はそれ単独で製膜性があり、且つバインダー樹脂として使用できるほどの耐摩耗性を有しているので、電荷輸送サイト(例えばトリアリールアミン部位など)を限りなく高密度にすることができるためである。このため、光キャリアの拡散による“にじみ”現象は、電荷輸送サイト密度の低い低分子分散系に比べて押えられる。第3に、電荷輸送層が高分子物質だけ或いはほぼ高分子物質だけ(場合により各種添加剤は添加されるが、量的な観点から分子分散高分子の比ではない)で形成されるため、高硬度な感光体が形成できることが挙げられる。耐摩耗性の点とは別にプロセス内では感光体に圧力がかかる部位は多く、高硬度な感光体は非常に有利である。このような点から、本発明における電子写真感光体は、電子写真プロセス内に用いられる感光体としてはかなり優れたものである。
【0021】
次に、図面を用いて本発明の電子写真プロセスを説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の電子写真プロセスの1例を示す模式図である。感光体(1)の回りに帯電手段(2)、露光手段(3)、現像手段(4)、転写手段(5)、分離手段(6)、クリーニング手段(7)、光除電手段(8)を配備したごく一般的なプロセス概略図である。
【0022】
本発明の電子写真プロセスには、これら帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニングなどの各手段は、公知のいずれの手段も使用することができる。
例えば、帯電手段においては、コロナ帯電法に代表される非接触帯電方法、帯電ローラなどに代表される接触若しくは近接配置帯電法のいずれもが使用できる。特に、オゾンなどの発生量の少ないといわれている接触帯電法は良好に使用される。露光手段においては、解像度を向上するために光学系を改良した(例えばレーザビーム径を絞るなど)ものも良好に使用できる。現像手段においては、湿式現像法、乾式現像法のいずれもが良好に使用でき、特に湿式現像法が使用できることは高分子電荷輸送物質を感光層に含む感光体の大きなメリットの1つである。また、解像度を改良する目的で、トナーの改良(例えばトナーの粒径を小さくする、カプセルトナーを用いるなど)することも非常に有用である。転写手段においては、直接紙に転写する手段はもちろんのこと、転写ベルト、転写ローラなどの中間転写体を用いることも有用である。クリーニング手段として、ブレード法、ブラシ法などの公知の方法を用いることができる。また、転写効率及びクリーニング効率を向上するため、感光体の表面エネルギーを低減させるべく外添剤を感光体表面に具備できる装置を併用することは有用であり、良好に使用される。
【0023】
このほかに、一般的に耐摩耗性の高い感光体を用いた電子写真プロセスにおいては、感光体表面にコロナなどによって生成したイオン性の物質が堆積し、これが感光体表面の表面抵抗を下げ、画像の解像度を低下する、いわゆる“ボケ”と呼ばれる異常画像を発生することがある。このような耐摩耗性の高い感光体を用いた電子写真プロセス内の安定化方法として、感光体表面を水系の液体で洗浄する、これら液体をしみこませたもので拭き取る等の方法も併用することができる。また、イオン性物質の発生源である感光体表面近傍の相対湿度を低下する目的で、ドラムヒータ等を用いる技術もあるが、もちろんこれは良好に使用することができる。
光除電手段に関しては、任意の(希望する)特定波長の発光特性を示すLED、或いは蛍光灯・ハロゲンランプなどの白色光に適当なフィルターを用いて任意(希望する)特定波長の光を作り出したものが使用できる。
【0024】
次に、図面を用いて本発明で用いられる電子写真感光体を説明する。
図2は、本発明において用いられる電子写真感光体の断面図であり、導電性支持体(21)上に、感光層(23)が形成されたものである。
図3は、別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)上に電荷発生層(31)と電荷輸送層(33)からなる感光層(23)が形成されたものである。
図4は、更に別の構成を示す断面図であり、導電性支持体(21)と感光層(23)との間に下引き層(25)が形成されたものである。
【0025】
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、或るいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管等を使用することができる。
【0026】
本発明における感光層(23)は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは説明の都合上、まず積層型について述べる。
はじめに、電荷発生層(31)について説明する。電荷発生層(31)は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じて、バインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、下記(1)式で表わされる電荷発生物質が有効に用いられる。
【0027】
【化16】
Figure 0003831056
式中、Cp1、Cp2はカップラー残基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表わし、同一でも異なっていてもよい。また、Cp1、Cp2は下記(2)式で表わされ、
【0028】
【化17】
Figure 0003831056
式中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基を表わす。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表わし、Zは置換若しくは無置換の芳香族炭素環又は置換若しくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表わす。
また、電荷発生物質として下記(3)式で表わされるものを併用することは、分光感度域を広げる意味で非常に有用に用いられる。
【0029】
【化18】
Figure 0003831056
(但し、Cp3、Cp4、Cp5はカップラー残基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R209、R210、R211は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表わし、同一でも異なっていてもよい。)また、Cp3、Cp4、Cp5は前記(2)式と同じである。
【0030】
本発明の前記(1)式、(3)式で示されるアゾ化合物の中のCp1、Cp2、Cp3、Cp4、Cp5で表わされるカップラー残基としては、例えばフェノール類、ナフトール類などの水酸基を有する芳香族炭化水素化合物及び水酸基を有する複素環式化合物、アミノ基を有する芳香族炭化水素化合物及びアミノ基を有する複素環式化合物、アミノナフトール類などの水素基及びアミノ基を有する芳香族炭化水素化合物及び水素基およびアミノ基を有する複素環式化合物、脂肪族若しくは芳香族のフェノール性ケトン基を有する化合物(活性メチレン基を有する化合物)などから由来する残基である。1価のカップラー残基Cp1〜Cp5の好ましいものは、下記(A)〜(N)式で表わされるものである。
【0031】
【化19】
Figure 0003831056
【0032】
【化20】
Figure 0003831056
【0033】
【化21】
Figure 0003831056
【0034】
【化22】
Figure 0003831056
【0035】
上記(A)〜(D)式中、X、Y1、Z、l及びmはそれぞれ以下のものを表わす。
X:−OH、−N(R1)(R2)又は−NHSO4−R3
(R1及びR2は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を表わし、R3は置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表わす。)
1:水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、カルボキシ基、スルホン基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、−CON(R4)(Y2)又は−CONHCON(R4)(Y2)。[R4は水素原子、アルキル基若しくはその置換体又はフェニル基若しくはその置換体を表わし、Y2は炭化水素環基若しくはその置換体、複素環基若しくはその置換体、又は−N=C(R5)(R6)。(ただし、R5は炭化水素環基若しくはその置換体、複素環基若しくはその置換体又はスチリル基若しくはその置換体、R6は水素原子、アルキル基又はフェニル基若しくはその置換体を表わすか、或いはR5及びR6はそれらに結合する炭素原子と共に環を形成してもよい)を示す。]
Z:置換若しくは無置換の芳香族炭素環又は置換若しくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群。
l:1又は2の整数。
m:1又は2の整数。
【0036】
【化23】
Figure 0003831056
(上式中、R7は置換若しくは無置換の炭化水素基を表わし、Xは前記と同じである。)
【0037】
【化24】
Figure 0003831056
[上式中、Wは芳香族炭化水素の2価基又は窒素原子を環内に含む複素環の2価基を表わす(これらの環は置換若しくは無置換でよい。)。Xは前記と同じである。]
【0038】
【化25】
Figure 0003831056
(式中、R8はアルキル基、カルバモイル基、カルボキシ基、又はそのエステルを表わし、Ar5は炭化水素環基又はその置換体を表わし、Xは前記と同じである。)
【0039】
【化26】
Figure 0003831056
【0040】
【化27】
Figure 0003831056
[上記(H)式及び(J)式中、R9は水素原子又は置換若しくは無置換の炭化水素基を表わし、Ar6は炭化水素環基又はその置換体を表わす。]
【0041】
前記(A)式〜(D)式のZの炭化水素環としてはベンゼン環、ナフタレン環などが例示でき、また、複素環(置換基を持っていても良い)としては、インドール環、カルバゾール環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環などが例示できる。Zの環における置換基としては、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が例示できる。
2又はR5における炭化水素環基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基などが、また複素環基としては、ピリジル基、チエニル基、フリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基などが例示でき、更にR5及びR6が結合して形成する環としては、フルオレン環などが例示できる。また、Y2又はR5の炭化水素環基又は複素環基或いはR5及びR6によって形成される環における置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;トリフルオロメチル基などのハロメチル基;ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基又はそのエステル、水酸基、−SO3Naなどのスルホン酸塩基などが挙げられる。
4のフェニル基の置換体としては、塩素原子又は臭素原子などのハロゲン原子が例示できる。R7又はR9における炭化水素基の代表例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;フェニル基などのアリール基又はこれらの置換体が例示できる。また、R7又はR9における炭化水素基における置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;水酸基、ニトロ基などが例示できる。
Ar5又はAr6における炭化水素環基としては、フェニル基、ナフチル基などがその代表例であり、またこれらの基における置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;シアノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基などが例示できる。また、Xの中では特に水酸基が適当である。
【0042】
上記カップラー残基の中で好ましいものは上記(B)、(E)、(F)、(G)、(H)、(J)で示されるものであり、この中でも上記式におけるXが水酸基のものが好ましい。また、この中でも特に下記(K)式で表わされるカップラー残基が好ましく、更に好ましいものは(L)式で表わされるカップラー残基である。
【0043】
【化28】
Figure 0003831056
(Y1及びZは前記に同じである。)
【0044】
【化29】
Figure 0003831056
(Z、Y2及びR4は前記に同じである。)
さらにまた、上記好ましいカップラー残基の中でも、特に(M)式又は(N)式で表わされるものが好ましい。
【0045】
【化30】
Figure 0003831056
【0046】
【化31】
Figure 0003831056
(Z及びR4〜R6は前記に同じであり、またR10としては前記Y2の置換基が例示できる。)
【0047】
本発明において使用される前記(1)式及び(3)式のカップラーの具体例を以下に示す。
【0048】
【化32】
Figure 0003831056
【0049】
【表1−1】
Figure 0003831056
【0050】
【表1−2】
Figure 0003831056
【0051】
【化33】
Figure 0003831056
【0052】
【表2−1】
Figure 0003831056
【0053】
【表2−2】
Figure 0003831056
【0054】
【化34】
Figure 0003831056
【0055】
【表3】
Figure 0003831056
【0056】
【化35】
Figure 0003831056
【0057】
【表4−1】
Figure 0003831056
【0058】
【表4−2】
Figure 0003831056
【0059】
【化36】
Figure 0003831056
【0060】
【表5】
Figure 0003831056
【0061】
【化37】
Figure 0003831056
【0062】
【表6】
Figure 0003831056
【0063】
【化38】
Figure 0003831056
【0064】
【表7】
Figure 0003831056
【0065】
【化39】
Figure 0003831056
【0066】
【表8】
Figure 0003831056
【0067】
【化40】
Figure 0003831056
【0068】
【表9】
Figure 0003831056
【0069】
【化41】
Figure 0003831056
【0070】
【表10】
Figure 0003831056
【0071】
【化42】
Figure 0003831056
【0072】
【表11−1】
Figure 0003831056
【0073】
【表11−2】
Figure 0003831056
【0074】
【表11−3】
Figure 0003831056
【0075】
【表11−4】
Figure 0003831056
【0076】
【表11−5】
Figure 0003831056
【0077】
【化43】
Figure 0003831056
【0078】
【表12−1】
Figure 0003831056
【0079】
【表12−2】
Figure 0003831056
【0080】
【表12−3】
Figure 0003831056
【0081】
【表12−4】
Figure 0003831056
【0082】
【化44】
Figure 0003831056
【0083】
【表13】
Figure 0003831056
【0084】
【化45】
Figure 0003831056
【0085】
【表14】
Figure 0003831056
【0086】
(1)式と(3)式で表わされる電荷発生物質を同時に用いる感光体は、(3)式で表わされる電荷発生物質単独で用いた場合よりも、高感度で且つ耐ガス性に優れている。さらに、パンクロマチックな分光感度を示すため、あらゆる光源に対応できる感光体であり、電子写真プロセスのシステム設計の自由度が大きく非常に有用である。
【0087】
また、必要に応じて公知の他の電荷発生物質を併用することができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ、(1)式の電荷発生物質と併用することが可能である。
【0088】
本発明の電荷発生層(31)には、必要に応じてバインダー樹脂が併用されることもある。このバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、電荷発生物質のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、先述の高分子電荷輸送物質を用いることができる。更に必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
【0089】
電荷輸送層(31)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0090】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0091】
電荷発生層(31)を形成する方法には、真空薄膜作成法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した電荷発生物質を必要ならバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0092】
次に、電荷輸送層(33)について説明する。電荷輸送層は、高分子電荷輸送物質を主成分とするものであり、必要に応じて用いられるバインダー樹脂からなる層である。
電荷輸送層(33)に併用できる低分子電荷輸送物質は、電荷発生層(31)の説明に記載したものと同じものを用いることができる。電荷輸送層(33)に併用できるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダーは、単独又は2種類以上の混合物として用いることができる。
【0093】
また、電荷輸送層のバインダー樹脂として電荷輸送物質を兼用することのできる高分子電荷輸送物質を用いることができ、本発明の効果はより一層顕著なものとなる。(4)〜(13)式で表わされる高分子電荷輸送物質を以下に例示し、具体例を示す。
【0094】
【化46】
Figure 0003831056
式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換若しくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0095】
【化47】
Figure 0003831056
式中、R101、R102は各々独立して置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)又は、
【0096】
【化48】
Figure 0003831056
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0097】
(4)式の具体例
1、R2、R3はそれぞれ独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0098】
アルキル基として好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0099】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
4は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を表わすが、そのアルキル基の具体例としては上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
5、R6は置換若しくは無置換のアリール基(芳香族炭化水素基及び不飽和複素環基)を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0100】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0101】
上記のアリール基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
【0102】
(3)アルコキシ基(−OR105)。アルコキシ基(−OR105)としては、R105が上記(2)で定義したアルキル基であるものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェニノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0103】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が前記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0104】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xで表わされる構造部分は下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0105】
【化49】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオール等が挙げられる。
【0106】
また、芳香環を有するジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0107】
【化50】
Figure 0003831056
式中、R7、R8は置換若しくは無置換のアリール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、(4)式の場合と同じである。
【0108】
(5)式の具体例
7、R8は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、又は
【0109】
【化51】
Figure 0003831056
(ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−又は以下の2価基を表わす。)
【0110】
【化52】
Figure 0003831056
【0111】
【化53】
Figure 0003831056
【0112】
【化54】
Figure 0003831056
【0113】
【化55】
Figure 0003831056
が挙げられる。
【0114】
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar1、Ar2及びAr3で示されるアリレン基としてはR7及びR8で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基(1)〜基(7)を置換基として有してもよい。また、これら置換基は上記一般式中のR106、R107、R108と同じ意味を有する。
【0115】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくはC1〜C12とりわけC1〜C18さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0116】
(3)アルコキシ基(−OR109)。アルコキシ基(−OR109)としては、R109が(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0117】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)次式で表わされるアルキル置換アミノ基。
【0118】
【化56】
Figure 0003831056
式中、R110及びR111は各々独立に前記(2)で定義したアルキル基又はアリール基を表わす。アリール基としては例えばフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。またアリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。このアルキル置換アミノ基としては具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(pートリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
【0119】
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等。
【0120】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0121】
【化57】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物としては(4)式と同じものが挙げられる。
【0122】
【化58】
Figure 0003831056
式中、R9、R10は置換若しくは無置換のアリール基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、(4)式の場合と同じである。
【0123】
(6)式の具体例
9、R10は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0124】
また、Ar4、Ar5及びAr6で示されるアリレン基としてはR9及びR10で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0125】
(3)アルコキシ基(−OR112)。アルコキシ基(−OR112)としては、R112が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0126】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0127】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0128】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0129】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0130】
【化59】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物は(4)式と同じものが挙げられる。
【0131】
【化60】
Figure 0003831056
式中、R11、R12は置換若しくは無置換のアリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。X、k、j及びnは、(4)式の場合と同じである。
【0132】
(7)式の具体例
11、R12は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0133】
また、Ar7、Ar8及びAr9で示されるアリレン基としてはR11及びR12で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0134】
(3)アルコキシ基(−OR113)。アルコキシ基(−OR113)としては、R113が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0135】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0136】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0137】
【化61】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物は(4)式と同じものが挙げられる。
【0138】
【化62】
Figure 0003831056
式中、R13、R14は置換若しくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1、X2は置換若しくは無置換のエチレン基、又は置換若しくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、j及びnは、(4)式の場合と同じである。
【0139】
(8)式の具体例
13、R14は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0140】
また、Ar10、Ar11及びAr12で示されるアリレン基としてはR13及びR14で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0141】
(3)アルコキシ基(−OR114)。アルコキシ基(−OR114)としては、R114が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0142】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0143】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0144】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0145】
前記X1、X2の構造部分は置換若しくは無置換のエチレン基、置換若しくは無置換のビニレン基を表わし、この置換基としては、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、上記R13、R14のアリール基、上記(2)のアルキル基が挙げられる。
【0146】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(F)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0147】
【化63】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物は(4)式と同じものが挙げられる。
【0148】
【化64】
Figure 0003831056
【0149】
式中、R15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、(4)式の場合と同じである。
【0150】
(9)式の具体例
15、R16、R17、R18は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0151】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0152】
また、Ar13、Ar14、Ar15及びAr16で示されるアリレン基としてはR15、R16、R17、及びR18で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0153】
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0154】
(3)アルコキシ基(−OR115)。アルコキシ基(−OR115)としては、R115が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0155】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0156】
前記Y1、Y2、Y3の構造部分は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。
【0157】
このアルキレン基としては、上記(2)で示したアルキル基より誘導される2価基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基等を挙げることができる。
【0158】
同シクロアルキレン基としては、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0159】
同アルキレンエーテル基としては、ジメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
【0160】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0161】
【化65】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物は(4)式と同じものが挙げられる。
【0162】
【化66】
Figure 0003831056
式中、R19、R20は水素原子、置換若しくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、(4)式の場合と同じである。
【0163】
(10)式の具体例
19、R20は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0164】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0165】
また、R19、R20は環を形成する場合、9−フルオリニデン、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘブテニリデンなどが挙げられる。
また、Ar17、Ar18及びAr19で示されるアリレン基としてはR19及びR20で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0166】
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0167】
(3)アルコキシ基(−OR116)。アルコキシ基(−OR116)としては、R116が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0168】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0169】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0170】
前記Xの構造部分は下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xの構造部分は下記一般式(H)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0171】
【化67】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物は(4)式と同じものが挙げられる。
【0172】
【化68】
Figure 0003831056
式中、R21は置換若しくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、(4)式の場合と同じである。
【0173】
(11)式の具体例
21は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0174】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0175】
また、Ar20、Ar21、Ar22及びAr23で示されるアリレン基としてはR21で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
【0176】
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0177】
(3)アルコキシ基(−OR117)。アルコキシ基(−OR117)としては、R117が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0178】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0179】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0180】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものを表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0181】
前記Xの構造部分は下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(J)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0182】
【化69】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物は(4)式と同じものが挙げられる。
【0183】
【化70】
Figure 0003831056
式中、R22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、(4)式の場合と同じである。
【0184】
(12)式の具体例
22、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0185】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0186】
また、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、及びAr28で示されるアリレン基としては、R22、R23、R24、及びR25で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
【0187】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0188】
(3)アルコキシ基(−OR118)。アルコキシ基(−OR118)としては、R118が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0189】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0190】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0191】
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0192】
前記Xで表わされる構造部分は下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0193】
【化71】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物は(4)式と同じものが挙げられる。
【0194】
【化72】
Figure 0003831056
式中、R26、R27は置換若しくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、j及びnは、(4)式の場合と同じである。
【0195】
(13)式の具体例
26、R27は置換若しくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0196】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0197】
また、Ar29、Ar30、及びAr31で示されるアリレン基としては、R26及びR27で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
【0198】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、iープロピル基、tーブチル基、sーブチル基、nーブチル基、iーブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0199】
(3)アルコキシ基(−OR119)。アルコキシ基(−OR119)としては、R119が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、nープロポキシ基、iープロポキシ基、tーブトキシ基、nーブトキシ基、sーブトキシ基、iーブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0200】
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0201】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、pーメチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基が上記(2)で定義したアルキル基のものが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0202】
前記Xの構造部分は下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、この構造部分Xは下記一般式(M)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0203】
【化73】
Figure 0003831056
一般式(B)のジオール化合物は(4)式と同じものが挙げられる。
【0204】
また、本発明において電荷輸送層(33)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー或いはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
【0205】
次に、感光層(23)が単層構成の場合について述べる。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くは電荷発生物質と高分子電荷輸送物質を主成分とする機能分離型のものが挙げられる。即ち、電荷発生物質並びに電荷輸送物質には、前出の材料を用いることができる。
また、必要により可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層(33)で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層(31)で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
【0206】
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体(21)と感光層(23)[積層タイプの場合には、電荷発生層(33)]との間に下引き層(25)を設けることができる。下引き層(25)は、接着性を向上する、モワレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層(25)は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、或るいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の場合と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0207】
さらに、本発明における感光体の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾルーゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層にはAl23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0208】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
【0209】
モノフェノール系化合物
2,6−ジ−tーブチル−pークレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tーブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど。
【0210】
ビスフェノール系化合物
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tーブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tーブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tーブチルフェノール)など。
【0211】
高分子フェノール系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tーブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tーブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tーブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−tーブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
【0212】
パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−pーフェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−pーフェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−pーフェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−pーフェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブチル−pーフェニレンジアミンなど。
【0213】
ハイドロキノン類
2,5−ジ−tーオクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−tーオクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0214】
有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0215】
有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0216】
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品として容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0217】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、使用する部は全て重量部を表わす。
【0218】
実施例1
φ80mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感光体を得た。
【0219】
[下引き層用塗工液]
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
[電荷発生層用塗工液]
ポリビニルブチラール 0.5部
(積水化学工業:エスレックBL−1)
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
下記構造のジスアゾ顔料 2.5部
【0220】
【化74】
Figure 0003831056
[電荷輸送層用塗工液]
ポリカーボネート 10部
(帝人:パンライトK1300)
塩化メチレン 250部
下記構造の低分子電荷輸送物質 8部
【0221】
【化75】
Figure 0003831056
実施例1で作製した電子写真感光体を実装用にした後、図1に示す構成の装置に搭載し、3万サイクルのランニングテストを行った。この際、除電光の波長をハロゲンランプにフィルターを用いて550−650nmの光源とした。
【0222】
実施例2
実施例1で用いた除電光の波長を650−750nmとした以外は、全く同様に評価した。
比較例1
実施例1で用いた除電光の波長を450−550nmとした以外は、全く同様に評価した。
実施例1〜2、比較例1の評価は、3万サイクルランニング後の露光直後の画像部電位にて評価した。結果を表15に示す。
【0223】
【表15】
Figure 0003831056
【0224】
実施例3
φ80mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、0.3μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感光体を得た。
【0225】
[下引き層用塗工液]
アルコール可溶性ナイロン 3部
(東レ:CM8000)
メタノール 70部
ブタノール 30部
[電荷発生層用塗工液]
ポリビニルブチラール 1部
(UCC:XYHL)
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 100部
下記構造の電荷発生物質 3部
【0226】
【化76】
Figure 0003831056
[電荷輸送層用塗工液]
ポリカーボネート 10部
(三菱ガス化学:ユーピロンZ−200)
塩化メチレン 200部
下記構造の電荷輸送物質 9部
【0227】
【化77】
Figure 0003831056
実施例3で作製した電子写真感光体を実装用にした後、図1に示す構成の装置に搭載し、4万サイクルのランニングテストを行った。この際、除電光の波長をハロゲンランプにフィルターを用いて550−650nmの光源とした。
【0228】
実施例4
実施例3で用いた除電光の波長を650−750nmとした以外は、全く同様に評価した。
比較例2
実施例3で用いた除電光の波長を450−550nmとした以外は、全く同様に評価した。
実施例3〜4、比較例2の評価は、4万サイクルランニング後の現像手段位置での画像部電位にて評価した。結果を表16に示す。
【0229】
【表16】
Figure 0003831056
【0230】
実施例5
実施例3の電荷輸送層用塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例3と全く同様に作製した。
[電荷輸送層用塗工液]
塩化メチレン 150部
下記構造の電荷輸送物質 2部
【0231】
【化78】
Figure 0003831056
下記構造の電荷輸送物質 10部
【0232】
【化79】
Figure 0003831056
実施例5で作製した電子写真感光体を実装用にした後、図1に示す構成の装置に搭載し、5万サイクルのランニングテストを行った。この際、除電光の波長をハロゲンランプにフィルターを用いて550−650nmの光源とした。
【0233】
実施例6
実施例5で用いた除電光の波長を650−750nmとした以外は、全く同様に評価した。
比較例3
実施例5で用いた除電光の波長を450−550nmとした以外は、全く同様に評価した。
実施例5〜6、比較例3の評価は、5万サイクルランニング後の現像手段位置での画像部電位にて評価した。結果を表17に示す。
【0234】
【表17】
Figure 0003831056
【0235】
実施例7
実施例5における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製した。
【0236】
【化80】
Figure 0003831056
【0237】
実施例8
実施例5における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製した。
【0238】
【化81】
Figure 0003831056
【0239】
実施例9
実施例5における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製した。
【0240】
【化82】
Figure 0003831056
【0241】
実施例10
実施例5における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製した。
【0242】
【化83】
Figure 0003831056
【0243】
実施例11
実施例5における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製した。
【0244】
【化84】
Figure 0003831056
【0245】
実施例12
実施例5における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製した。
【0246】
【化85】
Figure 0003831056
【0247】
実施例13
実施例5における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製した。
【0248】
【化86】
Figure 0003831056
【0249】
実施例14
実施例5における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製した。
【0250】
【化87】
Figure 0003831056
【0251】
実施例15
実施例5における電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は全く同様に作製した。
【0252】
【化88】
Figure 0003831056
以上のように作製した実施例1、3、5、7〜15の電子写真感光体は実装用にした後、図1に示す構成の装置に搭載し、5万サイクルのランニングテストを行った。この際、除電光の波長をハロゲンランプにフィルターを用いて650−750nmの光源とした。、5万サイクルのランニングテストにおける膜厚減少量を評価した。結果を表18に示す。
【0253】
【表18】
Figure 0003831056
【0254】
実施例16
実施例1における電荷発生層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と全く同様に感光体を作製した。
[電荷発生層用塗工液]
ポリビニルブチラール 0.5部
(積水化学工業:エスレックBL−1)
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
下記構造のジスアゾ顔料 1.25部
【0255】
【化89】
Figure 0003831056
下記構造のトリスアゾ顔料 1.25部
【0256】
【化90】
Figure 0003831056
実施例15で作製した電子写真感光体を実装用にした後、図1に示す構成の装置に搭載し、3万サイクルのランニングテストを行った。この際、除電光の波長をハロゲンランプにフィルターを用いて650−750nmの光源とした。
【0257】
実施例16
実施例15で用いた除電光の波長を750−850nmとした以外は、全く同様に評価した。
比較例4
実施例15で用いた除電光の波長を450−550nmとした以外は、全く同様に評価した。
実施例15〜16、比較例4の評価は、3万サイクルランニング後の露光直後の画像部電位にて評価した。結果を表19に示す。
【0258】
【表19】
Figure 0003831056
【0259】
実施例17
実施例15における電荷輸送層用塗工液を実施例5の電荷輸送層用塗工液に変更した以外は実施例15と全く同様に感光体を作製した。
実施例17で作製した電子写真感光体を実装用にした後、図1に示す構成の装置に搭載し、3万サイクルのランニングテストを行った。この際、除電光の波長をハロゲンランプにフィルターを用いて650−750nmの光源とした。
【0260】
実施例18
実施例17で用いた除電光の波長を750−850nmとした以外は、全く同様に評価した。
比較例5
実施例17で用いた除電光の波長を450−550nmとした以外は、全く同様に評価した。
実施例17〜18、比較例5の評価は、3万サイクルランニング後の露光直後の画像部電位にて評価した。結果を表20に示す。
【0261】
【表20】
Figure 0003831056
【0262】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的に説明したように、本発明における電子写真感光体を用いた電子写真プロセスにより、繰り返し使用後の感光体の画像部電位の上昇の少ない、これに伴う異常画像の発生の少ない電子写真システムが提供される。また、本発明により繰り返し使用における感光体の膜削れの少ない電子写真プロセスが提供され、膜削れに伴う異常画像の発生の少ない電子写真プロセスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真プロセスの1例を示す模式図である。
【図2】本発明における電子写真感光体の構成を示す断面図である。
【図3】本発明における電子写真感光体の別の構成を示す断面図である。
【図4】本発明における電子写真感光体の更に別の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電手段
3 画像露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 分離手段
7 クリーニング手段
8 除電光手段
21 導電性支持体
23 感光層
25 下引き層
31 電荷発生層
33 電荷輸送層

Claims (4)

  1. 感光体の回りに、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段、及び光除電手段を具備した電子写真プロセスにおいて、該電子写真プロセスに用いられる電子写真感光体の感光層が電荷発生層と、電荷輸送層の積層構造からなり、該電荷発生層に少なくとも下記(1)式で表される電荷発生物質を含有し、かつ光除電に用いられる光が550nm以上の波長成分のみであることを特徴とする電子写真プロセス。
    Figure 0003831056
    式中、Cp、Cpはカップラー残基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表わし、同一でも異なっていてもよい。また、Cp、Cpは下記(2)式で表わされ、
    Figure 0003831056
    式中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基を表わす。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表わし、Zは置換若しくは無置換の芳香族炭素環又は置換若しくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表わす。
  2. 感光体の回りに、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段、及び光除電手段を具備した電子写真プロセスにおいて、該電子写真プロセスに用いられる電子写真感光体の感光層が電荷発生層と、電荷輸送層の積層構造からなり、該電荷発生層に少なくとも前記(1)式で表される電荷発生物質を含有し、かつ光除電に用いられる光が650nm以上の波長成分のみであることを特徴とする電子写真プロセス。
  3. 上記電荷発生物質におけるカップラー成分のCp、Cpが互いに異なるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真プロセス。
  4. 感光体の回りに、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段、及び光除電手段を具備した電子写真プロセスにおいて、該電子写真プロセスに用いられる電子写真感光体の感光層が電荷発生層と、電荷輸送層の積層構造からなり、該電荷発生層に少なくとも前記(1)式で表される電荷発生物質と下記(3)式で表される電荷発生物質同時に含有し、かつ光除電に用いられる光が650nm以上の波長成分のみであることを特徴とする電子写真プロセス。
    Figure 0003831056
    (但し、Cp、Cp、Cpはカップラー残基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R209、R210、R211は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表わし、同一でも異なっていてもよい。)また、Cp、Cp、Cpは前記(2)式と同じである。
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