JP2000292950A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JP2000292950A
JP2000292950A JP11101544A JP10154499A JP2000292950A JP 2000292950 A JP2000292950 A JP 2000292950A JP 11101544 A JP11101544 A JP 11101544A JP 10154499 A JP10154499 A JP 10154499A JP 2000292950 A JP2000292950 A JP 2000292950A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
general formula
embedded image
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11101544A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Suzuki
哲郎 鈴木
Hiroshi Tamura
宏 田村
Hidetoshi Kami
英利 紙
Hiroshi Ikuno
弘 生野
Shigeto Kojima
成人 小島
Eiji Kurimoto
鋭司 栗本
Hirota Sakon
洋太 左近
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP11101544A priority Critical patent/JP2000292950A/ja
Publication of JP2000292950A publication Critical patent/JP2000292950A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 この高性能、長寿命、高信頼性を高いレベル
で達成する有機系電子写真用感光体を提供することであ
り、特に画質再現性、耐摩耗性に優れ、耐久性及び光感
度に優れた有機系電子写真用感光体を提供すること。 【解決手段】 導電性基体21上に感光層23を有する
電子写真用感光体において、導電性基体より最も離れた
表面側から少なくとも1層に少なくとも高分子電荷輸送
物質を含有し、且つこの電荷輸送層に、少なくともフェ
ノール系化合物と炭素8以上の直鎖状アルキル構造を有
する硫黄系化合物を含有することを特徴とする電子写真
感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,有機系電子写真感
光体に関し、詳しくは、電子写真複写機、プリンタなど
に用いられる電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、レーザープリン
タ、ダイレクトデジタル製版機等に応用されている電子
写真感光体を用いた電子写真方法とは、少なくとも電子
写真感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画
像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び電
子写真感光体表面のクリーニングというプロセスよりな
る方法である。電子写真感光体が、この電子写真方法に
おいて要求される基本的な特性としては、暗所で適当
な電位に帯電できること、暗所に於いて電荷の散逸が
少ないこと、光照射によって速やかに電荷を散逸でき
ること、等が挙げられる。近年はこれらの特性に加え
て、 低コストであること、 低公害性であること、
高耐久性であること、が非常に強く要求されてい
る。
【0003】従来、電子写真方式に於いて使用される感
光体としては導電性支持体上にセレンないしセレン合金
を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛・硫化カ
ドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散さ
せたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの等が
一般的に知られているが、近年ではコストの低さ、感光
体設計の自由度の高さ、低公害性等から有機系電子写真
感光体が広く利用されるようになってきている。
【0004】有機系電子写真感光体には、ポリビニルカ
ルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、PV
K−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に
代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダ
ーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物
質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知
られており、特に機能分離型の感光体が注目されてい
る。この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメ
カニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透
明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質
により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体
を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電
によって生じている電界にしたがって電荷輸送層中を移
動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像
を形成するものである。機能分離型感光体においては、
主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に
吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが
知られており、上記基本特性を充分に満たすものが得ら
れている。
【0005】ところが、電子写真方法に用いられる有機
系電子写真用感光体の電荷輸送物質は多くが低分子化合
物として開発されているが、低分子化合物は単独で製膜
性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用
いられる。しかるに、低分子電荷輸送物質と不活性高分
子からなる電荷輸送層は一般に柔らかく、電子写真プロ
セスにおいて繰り返し使用された場合に現像システムや
クリーニングシステムによる機械的な感光体表面への負
荷により膜削れを生じやすいという耐摩耗性の低さが短
所として挙げられる。
【0006】更に、この構成の電荷輸送層は電荷移動度
に限界があり、電子写真プロセスの高速化あるいは小型
化の障害となっていた。これは通常低分子電荷輸送物質
の含有量が50重量%以下で使用されることに起因して
いる。即ち低分子電荷輸送物質の含有量を増すことで確
かに電荷移動度は上げられるが、このとき逆に製膜性や
耐摩耗性が劣化するためである。
【0007】この有機系感光体の特性を改善する技術と
して有機系感光体のバインダー樹脂を改良したもの(特
開平5−216250公報に記載)や高分子型の電荷輸
送物質(特開昭51−73888号公報、特開昭54−
8527号公報、特開昭54−11737号公報、特開
昭56−150749号公報、特開昭57−78402
号公報、特開昭63−285552号公報、特開平1−
1728号公報、特開平1−19049号公報、特開平
3−50555号公報、特開平4−225014公報、
特開平5−331238公報等に記載)が注目され開示
されている。また、電子写真用感光体は機械的な耐久性
以外に、コロナ放電、帯電ローラー等の各種帯電システ
ムから発生するオゾン、NOx及びその他の生成物等に
よって、感光体が劣化し、帯電性低下などによる画像劣
化が引き起こされるという問題を抱えている。
【0008】有機系感光体における本特性を改善する技
術として、電荷輸送層を含む最表面層に種々の酸化防止
効果を有する添加剤を含有させる方法(特公昭50−3
3857号公報、特公昭51−34736号公報、特開
昭56−130759号公報、特開昭57−12244
4号公報、特開昭62−105151号公報、特開平3
−278061号公報等に記載)が開示されている。本
発明者による検討結果より、高分子電荷輸送物質とフェ
ノール系酸化防止剤を組み合わせること(特開平9−3
19123号公報等)、高分子電荷輸送物質と硫黄系酸
化防止剤を組み合わせること(特開平9−319121
号公報等)により、耐摩耗性と画像特性の両立が図られ
ることが明らかとなった。しかしながら、高分子電荷輸
送物質に、低分子の酸化防止剤を含有させると、元来の
高分子電荷輸送物質の耐摩耗性を僅かながら低下させる
ことが判明した。
【0009】この様に、これまでの電子写真用感光体
は、電子写真エンジンが近年要求されている高性能、長
寿命、高信頼性を高いレベルで達成するためには不十分
であり、改良が強く望まれている。
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、この高性
能、長寿命、高信頼性を高いレベルで達成する有機系電
子写真用感光体を提供することであり、特に画質再現
性、耐摩耗性に優れ、耐久性及び光感度に優れた有機系
電子写真用感光体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電子写真
感光体が要求される画像特性、耐摩耗性を同時に実現さ
せるための手段を鋭意検討した結果、電子写真用感光体
を、導電性支持体から、最も離れた表面側から、少なく
とも1層中に高分子電荷輸送物質及びフェノール系化合
物と特定構造の硫黄系化合物を含有した電子写真感光体
とすることにより、上記目的を達成できることが明らか
となった。
【0012】これは、有機系感光層最表面側から、少な
くとも1層に高分子電荷輸送物質を含有する構成とする
と、電子写真プロセスにおける現像システムやクリーニ
ングシステムなどの機械的ハザード受けても、電荷移動
成分が高分子マトリクス中に化学結合により固定されて
いるため、摩耗に非常に強くなる。また特定構造の硫黄
系化合物は、高分子電荷輸送物質との相容性が非常に高
く、また、長鎖構造を持つことから、膜中での安定性も
高く、さらにフェノール系化合物と組み合わせることに
より、元来の高分子電荷輸送物質の耐摩耗性を損なうこ
となく、より一層酸化防止機能を高め、画像特性を長期
的に持続することができる。更に、感光体の光感度も高
分子電荷輸送物質を本発明の特定の構造とすることによ
り、非常に良好な物が得られ、各種電子写真方式画像形
成装置を設計する上で大きなメリットが得られることも
判明した。
【0013】次に、本発明に用いられる高分子電荷輸送
物質について述べる。高分子電荷輸送物質としては、一
般的な以下のような高分子物質を用いることができる。 (a)カルバゾール環を有する重合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−175337号
公報、特開平4−183719号公報、特開平6−23
4841号公報に記載の化合物等が例示される。 (b)ヒドラゾン構造を有する重合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−
20953号公報、特開昭61−296358号公報、
特開平1−134456号公報、特開平1−17916
4号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−
180852号公報、特開平3−50555号公報、特
開平5−310904号公報、特開平6−234840
号公報に記載の化合物等が例示される。 (c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−
88461、特開平4−264130、特開平4−26
4131、特開平4−264132、特開平4−264
133、特開平4−289867に記載の化合物等が例
示される。 (d)トリアリールアミン構造を有する重合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特
開平2−282264号公報、特開平2−304456
号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−1
33066号公報、特開平5−40350号公報、特開
平5−202135号公報に記載の化合物等が例示され
る。 (e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−
234837号公報に記載の化合物等が例示される。
【0014】本発明に使用される電子供与性基を有する
重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合
体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマ
ーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開
示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等
を用いることも可能である。また、本発明に用いられる
高分子電荷輸送物質として更に有用なトリアリールアミ
ン構造を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ
エステル、ポリエーテルとしては以下に記載の化合物が
例示される。例えば、特開昭64−1728号公報、特
開昭64−13061号公報、特開昭64−19049
号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−22
5014号公報、特開平4−230767号公報、特開
平4−320420号公報、特開平5−232727号
公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127
713号公報、特開平9−222740号公報、特開平
9−265197号公報、特開平9−211877号公
報、特開平9−304956号公報等がある。
【0015】また、本発明に用いられる高分子電荷輸送
物質としてより更に有用なトリアリールアミン構造分岐
鎖に有するポリカーボネートとしては以下のようなもの
が挙げられる。トリアリールアミン構造を分岐鎖に有す
るポリカーボネートとは、トリアリールアミン構造の一
つのアリール基が何らかの結合基を介して、又は介しな
いでポリカーボネートの主鎖から分岐している高分子構
造を指す。
【0016】本発明に用いられる高分子電荷輸送物質と
して、下記一般式1〜6で表されるトリアリールアミン
構造を分岐鎖に有するポリカーボネートが有効に用いら
れる。一般式1〜6で表わされる高分子電荷輸送物質を
以下に例示し、具体例を示す。
【0017】
【化9】 式中、R1、R2、R3 はそれぞれ独立して置換もしくは
無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子
又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5 、R6は置
換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ
独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦
k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5
〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂
肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表
す。
【0018】
【化10】 式中、R101、R102 は各々独立して置換もしくは無置
換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表
す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1
〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、
−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−
CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を
表す。)または、
【0019】
【化11】 (式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整
数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又は
アリール基を表す。)を表す。ここで、R101とR1 02
103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0020】一般式1の具体例 R1、R2、R3 はそれぞれ独立して置換もしくは無置換
のアルキル基又はハロゲン原子を表すが、その具体例と
しては以下のものを挙げることができ、同一であっても
異なってもよい。アルキル基として好ましくは、C1
12 とりわけC1〜 C8、さらに好ましくはC1〜 C4
の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアル
キル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、 C1
4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、
1〜 C4 のアルキル基もしくはC1〜 C4 のアルコキ
シ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロ
ピル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ブチル基、i-
ブチル基、トリフルオロメチル基、2-ヒドロキシエチル
基、2-シアノエチル基、2-エトキシエチル基、2-メトキ
シエチル基、ベンジル基、4-クロロベンジル基、4-メチ
ルベンジル基、4-メトキシベンジル基、4-フェニルベン
ジル基等が挙げられる。
【0021】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R4は水素
原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表すがその
アルキル基の具体例としては上記のR1、R2、R3と同
様のものが挙げられる。R5、 R6 は置換もしくは無置
換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のも
のを挙げることができ、同一であっても異なってもよ
い。芳香族炭化水素基。芳香族炭化水素基としては、フ
ェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、
2-フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル
基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル
基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H
−ジベンゾ [a,d]シクロヘプテニリデンフェニル
基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリ
ル基などが挙げられる。複素環基。複素環基としては、
チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラ
ニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0022】上述のアリール基は以下に示す基を置換基
として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、上記のR1
2、 R3 と同様のものが挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR105)。アルコキシ基(−
OR105)としては、R10 5は(2)で定義したアルキル
基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、
n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2
−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベン
ジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフル
オロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜 C4 のアルコキシ基、C1〜 C 4
アルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有して
も良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキ
シ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6
−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基と
しては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表
す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベ
ンジルアミノ基等が挙げられる。 (7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベン
ゾイル基等が挙げられる。
【0023】Xは下記一般式(A)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】一般式(B)のジオール化合物の具体例と
しては以下のものが挙げられる。1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、
1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2
−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族
ジオールや1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シク
ロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール等の環状脂肪族ジオールが挙げられる。
【0027】また、芳香環を有するジオールとしては、
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジッフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
フィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサン
テン、エチレングリコールービス(4−ヒドロキシベン
ゾエート)、ジエチレングリコールービス(4−ヒドロ
キシベンゾエート)、トリエチレングリコールービス
(4−ヒドロキシベンゾエート)1,3−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノー
ル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0028】
【化14】 式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基、A
1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表
す。 X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じで
ある。
【0029】一般式2の具体例 R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、
その具体例としては以下のものを挙げることができ、同
一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基。芳香
族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基として
ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−
ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アント
リル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレ
ニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ [a,d]シクロ
ヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェ
ニリル基、ターフェニリル基、または、
【0030】
【化15】 (ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO
2−、−CO− 及び以下の2価基を表す。)
【0031】
【化16】
【0032】
【化17】
【0033】
【化18】
【0034】
【化19】 で表される。
【0035】複素環基。複素環基としては、チエニル
基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、
カルバゾリル基などが挙げられる。また、 Ar1、Ar
2およびAr3で示されるアリレン基としてはR7 および
8 で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であ
っても異なってもよい。
【0036】上述のアリール基及びアリレン基は以下に
示す基を置換基として有してもよい。また、これら置換
基は上記一般式中のR106、 R107、 R108の具体例と
して表される。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜 C12 とりわけC 1〜 C18、さらに好ましくはC
1〜 C4 の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これ
らのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ
基、C1〜 C4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロ
ゲン原子、 C1〜 C4 のアルキル基もしくはC1〜 C4
のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても
良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2
−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキ
シエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−ク
ロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベ
ンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(− OR109)。アルコキシ基(−
OR109)としては、R 109は(2)で定義したアルキ
ル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ
基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ
基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、
ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリ
フルオロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜 C4 のアルコキシ基、C1〜 C 4
アルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有して
も良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキ
シ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6
−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0037】
【化20】 式中、R110及びR111は各々独立に(2)で定義したア
ルキル基またはアリール基を表し、アリール基としては
例えばフェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基が
挙げられ、これらはC1〜 C4 のアルコキシ基、 C1
4 のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として
含有しても良い。またアリール基上の炭素原子と共同で
環を形成しても良い。具体的には、ジエチルアミノ基、
N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニ
ルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベ
ンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリ
ジル基等が挙げられる。 (7)メチレンジオキシ基、またはメチレンジチオ基等
のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基、等
が挙げられる。
【0038】Xは下記一般式(C)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0039】
【化21】
【0040】
【化22】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが
挙げられる。
【0041】
【化23】 式中、R9、 R10は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar4 、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表
す。 X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じで
ある。
【0042】一般式3の具体例 R9、R10は置換もしくは無置換のアリール基を表す
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素
基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環
基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル
基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル
基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル
基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多
環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙
げられる。複素環基。複素環基としては、チエニル基、
ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カル
バゾリル基などが挙げられる。
【0043】また、 Ar4 、Ar5およびAr6で示さ
れるアリレン基としてはR9およびR 10で示したアリー
ル基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよ
い。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を
置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜 C12 とりわけC 1〜 C8 、さらに好ましくはC
1〜 C4 の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これ
らのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ
基、C1〜 C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロ
ゲン原子、 C1〜 C4 のアルキル基もしくはC1〜 C4
のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても
良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2
−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキ
シエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−ク
ロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベ
ンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR112)。アルコキシ基(−
OR112)としては、R11 2 は(2)で定義したアルキ
ル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ
基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ
基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、
ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリ
フルオロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、 C1〜 C4 のアルコキシ基、 C1〜C4
のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有し
ても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオ
キシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ
基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ
基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられ
る。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基と
しては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表
す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベ
ンジルアミノ基等が挙げられる。 (7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げら
れる。
【0044】Xは下記一般式(D)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0045】
【化24】
【0046】
【化25】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙
げられる。
【0047】
【化26】 式中、R11、 R12 は置換もしくは無置換のアリール
基、Ar7、 Ar8、 Ar 9は同一又は異なるアリレン
基、sは1〜5の整数を表す。 X、k、jおよびn
は、一般式1の場合と同じである。
【0048】一般式4の具体例 R11、R12 は置換もしくは無置換のアリール基を表す
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素
基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環
基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル
基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル
基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル
基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多
環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙
げられる。複素環基。複素環基としては、チエニル基、
ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カル
バゾリル基などが挙げられる。
【0049】また、Ar7、Ar8およびAr9で示され
るアリレン基としてはR11およびR12で示したアリール
基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよ
い。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を
置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜 C12 とりわけC 1〜 C8 、さらに好ましくはC
1〜 C4 の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これ
らのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ
基、C1〜 C4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロ
ゲン原子、 C1〜 C4 のアルキル基もしくはC1〜 C4
のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても
良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2
−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキ
シエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−ク
ロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベ
ンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR113 )。アルコキシ基(−
OR113 )としては、R 113は(2)で定義したアルキ
ル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ
基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ
基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、
ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリ
フルオロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜 C4 のアルコキシ基、C1〜 C 4
アルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有して
も良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキ
シ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6
−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基と
しては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表
す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベ
ンジルアミノ基等が挙げられる。 (7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベン
ゾイル基等が挙げられる。
【0050】Xは下記一般式(E)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが
挙げられる。
【0053】
【化29】 式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又
は異なるアリレン基、 Y1、Y2、Y3は単結合、置換も
しくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシ
クロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエ
ーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一
であっても異なってもよい。 X、k、jおよびnは、
一般式1の場合と同じである。
【0054】一般式5の具体例 R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリー
ル基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げる
ことができ、同一であっても異なってもよい。芳香族炭
化水素基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮
合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレ
ニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニ
ル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル
基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多
環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙
げられる。複素環基。複素環基としては、チエニル基、
ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カル
バゾリル基などが挙げられる。
【0055】また、Ar13、Ar14、Ar15および A
16で示されるアリレン基としては、R15、R16、R17
およびR18 で示した上記のアリール基の2価基が挙げ
られ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール
基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有して
もよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜 C12 とりわけC1〜 C8 、さらに好ましくはC1
〜 C4 の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これ
らのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ
基、 C1〜 C4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハ
ロゲン原子、C1〜 C4 のアルキル基もしくはC1〜 C
4 のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても
良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2
−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキ
シエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−ク
ロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベ
ンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR115)。アルコキシ基(−
OR115)としては、 R1 15は(2)で定義したアルキ
ル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ
基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ
基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、
ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリ
フルオロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜 C4 のアルコキシ基、C1〜 C 4
アルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有して
も良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキ
シ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6
−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0056】Y1、Y2、Y3 は単結合、置換もしくは無
置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアル
キレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル
基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基、を表し同一であ
っても異なってもよい。アルキレン基としては、上記
(2)で示したアルキル基より誘導される2価基を表
す。具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロ
ピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロ
ピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン
基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニル
メチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プ
ロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基
等を挙げることができる。シクロアルキレン基として
は、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロへキシレ
ン基、1,1−シクロオクチレン基等を挙げることができ
る。アルキレンエーテル基としては、ジメチレンエーテ
ル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテ
ル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメ
チレンエーテル基等が挙げられる。
【0057】Xは下記一般式(G)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0058】
【化30】
【0059】
【化31】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙
げられる。
【0060】
【化32】 式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28
は同一又は異なるアリレン基を表す。 X、k、jおよ
びnは、一般式1の場合と同じである。
【0061】一般式6の具体例 R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリー
ル基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げる
ことができ、同一であっても異なってもよい。芳香族炭
化水素基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮
合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレ
ニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニ
ル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル
基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多
環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙
げられる。複素環基。複素環基としては、チエニル基、
ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カル
バゾリル基などが挙げられる。
【0062】また、 Ar24、Ar25、Ar26、Ar27
およびAr28で示されるアリレン基としては、R22、R
23、R24 およびR25で示した上記のアリール基の2価
基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述の
アリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基とし
て有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、
1〜 C12 とりわけC 1〜 C8 、さらに好ましくはC
1〜 C4 の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これ
らのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ
基、C1〜 C4 のアルコキシ基、フェニル基、又はハロ
ゲン原子、C1〜 C4 のアルキル基もしくはC1〜 C4
のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良
い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2
−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキ
シエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−ク
ロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベ
ンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR118)。アルコキシ基(−
OR118)としては、R11 8は(2)で定義したアルキル
基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、
n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2
−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベン
ジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフル
オロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。これは、C1〜 C4 のアルコキシ基、C1〜 C 4
アルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有して
も良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキ
シ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、
4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6
−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基。置換メルカプト基またはアリ
ールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、
エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチ
オ基等が挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基と
しては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表
す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベ
ンジルアミノ基等が挙げられる。 (7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベン
ゾイル基等が挙げられる。
【0063】Xは下記一般式(L)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0064】
【化33】
【0065】
【化34】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが
挙げられる。
【0066】その他、トリアリールアミン構造を分岐鎖
に有するポリカーボネートとしては、特開平6−234
838号公報、特開平6−234839号公報、特開平
6−295077号公報、特開平7−325409号公
報、特開平9−297419号公報、特開平9−807
83号公報、特開平9−80784号公報、特開平9−
80772号公報、特開平9−265201号公報等に
記載の化合物が例示される。
【0067】次に、本発明に用いられる炭素数8以上の
直鎖状アルキル構造を有する硫黄系化合物の構造式の例
を、以下に示す。 (炭素数8以上のアルキル鎖を有する硫黄系化合物)
【0068】
【化35】 (n1、n2の少なくとも一方は7以上)
【0069】
【化36】 (n1は7以上)
【0070】
【化37】 (n1、n2の少なくとも一方は7以上)
【0071】
【化38】 (n1、n2の少なくとも一方は7以上)
【0072】
【化39】 (n1、n2、n3、n4の少なくとも一つは7以上)
【0073】
【化40】 (n1、n2の少なくとも一方は7以上)
【0074】また上記構造の硫黄系化合物と混合し用い
られるフェノール系化合物として、以下のようなものが
挙げられる。 (フェノール系化合物)2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−
ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メ
チレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−ト
リス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス
(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチ
リックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール
類など。本発明における化合物の添加量は、高分子電荷
輸送物質100重量部に対して0.1〜30重量部であ
る。
【0075】
【発明の実施の形態】以下図面に沿って本発明で用いら
れる電子写真感光体を詳細に説明する。導電性支持体
(21)としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示
すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニク
ロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸
化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリン
グによりフィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙
等に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウ
ム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを
D.I.,I.I.、押出し、引き抜きなどの工法で素
管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管な
どを使用することができる。
【0076】本発明における感光層(23)は、図1,
図2,図3に示されるように、単層型(この場合には感
光層(23)が基体より最も離れた表面層)でも積層型
でもよいが、ここでは説明の都合上、まず積層型につい
て述べる。はじめに、電荷発生層(31)について説明
する。電荷発生層(31)は、電荷発生物質を主成分と
する層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることも
ある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料
を用いることができる。無機系材料には、結晶セレン、
アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テル
ル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・
シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにお
いては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子
でタ−ミネ−トしたものや、ホウ素原子、リン原子等を
ド−プしたものが良好に用いられる。一方、有機系材料
としては、公知の材料を用いることができる。例えば、
金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタ
ロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリッ
ク酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、
トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニル
アミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格
を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔
料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチ
ルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ
ール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨
格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン
系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフ
ェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキ
ノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン
系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール
系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単
独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0077】電荷発生層(31)に必要に応じて用いら
れるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シ
リコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミ
ドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独
または2種以上の混合物として用いることができる。ま
た、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダ
ー樹脂の他に、先に記した一般式1〜10の高分子電荷
輸送物質が良好に用いられるが、その他の高分子電荷輸
送物質として以下のものが挙げられる。 (a)主鎖および/または側鎖にカルバゾール環を有す
る重合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−183719号
公報に記載の化合物等が例示される。 (b)主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有す
る重合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−5
0555号公報に記載の化合物等が例示される。 (c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−
19497号公報、特開平5−70595号公報に記載
の化合物等が例示される。 (d)主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有
する重合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開
平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、
特開平1−105260号公報、特開平2−16733
5号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−4
0350号公報に記載の化合物等が例示される。 (e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報に記載の化合物等が例示される。本発明に使用
される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけ
でなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グ
ラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平
3−109406号公報に開示されているような電子供
与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能であ
る。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加して
もよい。
【0078】電荷発生層(31)に併用できる低分子電
荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがあ
る。電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブ
ロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリ
ニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4
オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−
5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられ
る。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。正孔輸送物質として
は、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好
に用いられる。たとえば、オキサゾ−ル誘導体、オキサ
ジアゾ−ル誘導体、イミダゾ−ル誘導体、トリフェニル
アミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアン
トラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフ
ェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピ
ラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチル
ベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、
フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘
導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体な
どが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または
2種以上の混合物として用いることができる。
【0079】電荷発生層(31)を形成する方法には、
真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法と
が大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グ
ロー放電重合法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いら
れ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成でき
る。また、後述のキャスティング法によって電荷発生層
を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生
物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフ
ラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタ
ン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライタ
ー、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈し
て塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工
法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行な
うことができる。以上のようにして設けられる電荷発生
層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ま
しくは0.05〜2μmである。
【0080】次に、電荷輸送層(33)について説明す
る。電荷輸送層(33)は、高分子電荷輸送物質及び一
般式aを主成分とする層であり、高分子電荷輸送物質及
びフェノール系化合物と炭素数8以上の長鎖アルキル構
造を有する硫黄系化合物を適当な溶剤に溶解ないし分散
し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。高分
子電荷輸送物質は先述の公知材料を用いることができる
が、前記高分子電荷輸送物質が本発明の目的を達成する
ために特に良好に使用される。また、必要により高分子
電荷輸送物質及びフェノール系化合物と炭素数8以上の
長鎖アルキル構造を有する硫黄系化合物以外に適当なバ
インダー樹脂、低分子電荷輸送物質、可塑剤、フェノー
ル系化合物と炭素数8以上の長鎖アルキル構造を有する
硫黄系化合物構造以外の酸化防止剤、レベリング剤等を
適量添加することもできる。
【0081】電荷輸送層(33)に併用できるバインダ
ー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールA
タイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メ
タクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキ
ッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアク
リレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが
用いられる。これらのバインダーは、単独または2種以
上の混合物として用いることができる。電荷輸送層(3
3)に併用できる低分子電荷輸送物質は、電荷発生層
(31)の説明に記載したものと同じものを用いること
ができる。電荷輸送層(33)の膜厚は、5〜100μ
m程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度
が適当である。
【0082】本発明における電荷輸送層(33)中にフ
ェノール系化合物と炭素数8以上の長鎖アルキル構造を
有する硫黄系化合物以外に、ゴム、プラスチック、油脂
類などに用いられる他の酸化防止剤を添加していてもか
まわない。また、本発明においては、耐環境性の改善の
ため、とりわけ、感度低下、帯電性低下を防止する目的
で、電荷輸送層(33)中に可塑剤を添加することがで
きる。可塑剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加し
てもよいが、電荷輸送層に添加すると良好な結果が得ら
れる。
【0083】本発明に用いることができる可塑剤とし
て、下記のものが挙げられる。 リン酸エステル系可塑剤 リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
オクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロ
ルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチ
ル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェ
ニル。
【0084】フタル酸エステル系可塑剤 フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソ
ブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸
ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシク
ロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチル
ラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチル
デシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル。
【0085】芳香族カルボン酸エステル系可塑剤 トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n
−オクチル、オキシ安息香酸オクチル。
【0086】脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤 アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−
オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アジピン酸アルキル610、ア
ジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバ
シン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシ
ン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エト
キシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシ
ル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフ
タル酸ジ−n−オクチル。
【0087】脂肪酸エステル誘導体 オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステ
ル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトー
ルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、
トリアセチン、トリブチリン。
【0088】オキシ酸エステル系可塑剤 アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブ
チル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルク
エン酸トリブチル。
【0089】エポキシ可塑剤 エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステ
アリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキ
システアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジ
ル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキ
シヘキサヒドロフタル酸ジデシル。
【0090】二価アルコールエステル系可塑剤 ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレング
リコールジ−2−エチルブチラート。
【0091】含塩素可塑剤 塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メ
チル、メトキシ塩素化脂肪酸メチル。
【0092】ポリエステル系可塑剤 ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケー
ト、ポリエステル、アセチル化ポリエステル。
【0093】スルホン酸誘導体 p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンア
ミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエ
ンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチ
ルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシル
アミド。
【0094】クエン酸誘導体 クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、ク
エン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセ
チルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエ
ン酸−n−オクチルデシル。
【0095】その他 ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2
−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン
酸メチル。
【0096】本発明における可塑剤の添加量は、高分子
電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜30重量部
である。電荷輸送層(33)中にレベリング剤を添加し
てもかまわない。レベリング剤としては、ジメチルシリ
コーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシ
リコーンオイル類や、測鎖にパーフルオロアルキル基を
有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使
用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1
重量部が適当である。
【0097】次に、感光層(23)が単層構成の場合に
ついて述べる。キャスティング法で単層感光層を設ける
場合、多くは電荷発生物質と低分子ならびに高分子電荷
輸送物質及びフェノール系化合物と炭素数8以上の長鎖
アルキル構造を有する硫黄系化合物を適当な溶剤に溶解
ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成で
きる。電荷発生物質ならびに電荷輸送物質には、前出の
材料を用いることができる。また、必要により可塑剤を
添加することもできる。更に、必要に応じて用いること
のできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層(3
3)で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電
荷発生層(31)で挙げたバインダー樹脂を混合して用
いてもよい。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度
が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当
である。
【0098】本発明に用いられる電子写真感光体には、
導電性支持体(21)と感光層(23)(積層タイプの
場合には、電荷発生層(31))との間に下引き層(2
5)を設けることができる。下引き層(25)は、接着
性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を
改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられ
る。下引き層(25)は一般に樹脂を主成分とするが、
これらの樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布する
ことを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高
い樹脂であることが望ましい。このような樹脂として
は、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸
ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシ
メチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウ
レタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂な
どが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミ
ナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で
例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化
物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、
前術の感光層のごとく適当な溶媒、塗工法を用いて形成
することができる。
【0099】更に本発明の下引き層として、シランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリン
グ剤等を使用して、例えばゾルーゲル法等により形成し
た金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の下引
き層には Al23 を陽極酸化にて設けたものや、ポリ
パラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、S
nO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄
膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層
の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0100】図4は本発明の電子写真用感光体及びそれ
を用いた電子写真プロセスの模式断面図の一例である。
図中(101)は本発明の電子写真用感光体であり、ま
ず帯電チャージャー(102)により帯電された後、イ
メージ露光(103)を受け、現像ローラー(104)
を介して現像剤と接触し、トナー像を形成する。トナー
像は転写チャージャー(106)により紙などの転写部
材(105)へ転写され、定着ユニット(109)を通
過してハードコピー(11)となる。電子写真用感光体
(101)上の残留トナーはクリーニングユニット(1
07)により除去され、残留電荷は除電ランプ(10
8)で除かれて、次の電子写真サイクルに移る。ここで
イメージ露光(103)は、複写原稿の反射光をレンズ
やミラーを介して照射するアナログイメージ露光、また
はコンピュータ等からの電気信号あるいは、複写原稿を
CCD等の画像センサで読みとり変換した電気信号等
を、レーザー光やLEDアレイ等により光像として再現
するデジタルイメージ露光のいずれであってもかまわな
い。
【0101】
【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中使用する部は、すべて重量部を表わ
す。 〔実施例1〕φ30mmのアルミニウムドラム上に、下
記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷
輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.
5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、25μm
の電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感光体を得
た。
【0102】 〔下引き層用塗工液〕 アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、 大日本インキ化学工業製) 6部 メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、 大日本インキ化学工業製) 4部 酸化チタン 40部 メチルエチルケトン 200部 〔電荷発生層用塗工液〕 オキソチタニウムフタロシアニン顔料 5部 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 2部 テトラヒドロフラン 80部 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0103】
【化41】 下記構造の化合物 0.1部
【0104】
【化42】 下記構造の化合物 0.4部
【0105】
【化43】 テトラヒドロフラン 100部
【0106】〔実施例2〕実施例1における電荷輸送層
に用いた高分子電荷輸送物質と化合物を以下の構造のも
のに変えた以外は全く同様に作製した。 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0107】
【化44】 下記構造の化合物 0.1部
【0108】
【化45】 下記構造の化合物 0.4部
【0109】
【化46】
【0110】〔実施例3〕実施例1における電荷輸送層
に用いた高分子電荷輸送物質と化合物を以下の構造のも
のに変えた以外は全く同様に作製した。 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0111】
【化47】 下記構造の化合物 0.1部
【0112】
【化48】 下記構造の化合物 0.4部
【0113】
【化49】 〔実施例4〕実施例1における電荷輸送層に用いた高分
子電荷輸送物質と化合物を以下の構造のものに変えた以
外は全く同様に作製した。 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0114】
【化50】 下記構造の化合物 0.2部
【0115】
【化51】 下記構造の化合物 0.3部
【0116】
【化52】
【0117】〔実施例5〕実施例4における電荷輸送層
に用いた高分子電荷輸送物質と化合物を以下の構造のも
のに変えた以外は全く同様に作製した。 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0118】
【化53】 下記構造の化合物 0.05部
【0119】
【化54】 下記構造の化合物 0.25部
【0120】
【化55】
【0121】〔実施例6〕実施例4における電荷輸送層
に用いた高分子電荷輸送物質と化合物を以下の構造のも
のに変えた以外は全く同様に作製した。 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0122】
【化56】 下記構造の化合物 0.05部
【0123】
【化57】 下記構造の化合物 0.25部
【0124】
【化58】
【0125】〔実施例7〕実施例1における電荷輸送層
に用いた高分子電荷輸送物質と化合物を以下の構造のも
のに変えた以外は全く同様に作製した。 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0126】
【化59】 下記構造の化合物 0.2部
【0127】
【化60】 下記構造の化合物 0.3部
【0128】
【化61】
【0129】〔実施例8〕実施例7における電荷輸送層
に用いた高分子電荷輸送物質と化合物を以下の構造のも
のに変えた以外は全く同様に作製した。 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0130】
【化62】 下記構造の化合物 0.03部
【0131】
【化63】 下記構造の化合物 0.37部
【0132】
【化64】
【0133】〔実施例9〕実施例7における電荷輸送層
に用いた高分子電荷輸送物質と化合物を以下の構造のも
のに変えた以外は全く同様に作製した。 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0134】
【化65】 下記構造の化合物 0.05部
【0135】
【化66】 下記構造の化合物 0.25部
【0136】
【化67】
【0137】〔実施例10〕実施例1における電荷輸送
層に用いた高分子電荷輸送物質と化合物を以下の構造の
ものに変えた以外は全く同様に作製した。 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0138】
【化68】 下記構造の化合物 0.1部
【0139】
【化69】 下記構造の化合物 0.5部
【0140】
【化70】
【0141】〔比較例1〕実施例1における電荷輸送層
用塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例1と全
く同様に作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ビスフェーノルA型ポリカーボネート(帝人: パンライトC1400) 10部 下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
【0142】
【化71】 テトラヒドロフラン 100部
【0143】〔比較例2〕比較例1における電荷輸送層
用塗工液に実施例1に用いた化合物(実施例1と同量)
を入れた以外は、比較例1と全く同様に作製した。
【0144】〔比較例3〕比較例1における電荷輸送層
用塗工液に実施例4に用いた化合物(実施例4と同量)
を入れた以外は、比較例1と全く同様に作製した。
【0145】〔比較例4〕比較例1における電荷輸送層
用塗工液に実施例7に用いた化合物(実施例7と同量)
を入れた以外は、比較例1と全く同様に作製した。
【0146】〔比較例5〕比較例1における電荷輸送層
用塗工液に実施例10に用いた化合物(実施例10と同
量)を入れた以外は、比較例1と全く同様に作製した。
【0147】〔比較例6〕実施例1における電荷輸送層
用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例1と全く同
様に作製した。
【0148】〔比較例7〕実施例2における電荷輸送層
用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例2と全く同
様に作製した。
【0149】〔比較例8〕実施例3における電荷輸送層
用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例3と全く同
様に作製した。
【0150】〔比較例9〕実施例4における電荷輸送層
用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例4と全く同
様に作製した。
【0151】〔比較例10〕実施例5における電荷輸送
層用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例5と全く
同様に作製した。
【0152】〔比較例11〕実施例6における電荷輸送
層用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例6と全く
同様に作製した。
【0153】〔比較例12〕実施例7における電荷輸送
層用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例7と全く
同様に作製した。
【0154】〔比較例13〕実施例8における電荷輸送
層用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例8と全く
同様に作製した。
【0155】〔比較例14〕実施例9における電荷輸送
層用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例9と全く
同様に作製した。
【0156】〔比較例15〕実施例10における電荷輸
送層用塗工液に化合物を入れない以外は、実施例10と
全く同様に作製した。
【0157】〔比較例16〕実施例1の電荷輸送層用塗
工液の化合物を下記構造のものにする以外は、実施例1
と全く同様に作成した。 下記構造の化合物 0.05部
【0158】
【化72】 下記構造の化合物 0.25部
【0159】
【化73】
【0160】〔比較例17〕実施例2の電荷輸送層用塗
工液の化合物を比較例16の化合物にする以外は、実施
例2と全く同様に作成した。
【0161】〔比較例18〕実施例3の電荷輸送層用塗
工液の化合物を比較例16の化合物にする以外は、実施
例3と全く同様に作成した。
【0162】〔比較例19〕実施例4の電荷輸送層用塗
工液の化合物を比較例16の化合物にする以外は、実施
例4と全く同様に作成した。
【0163】〔比較例20〕実施例5の電荷輸送層用塗
工液の化合物を比較例16の化合物にする以外は、実施
例5と全く同様に作成した。
【0164】〔比較例21〕実施例6の電荷輸送層用塗
工液の化合物を比較例16の化合物にする以外は、実施
例6と全く同様に作成した。
【0165】〔比較例22〕実施例7の電荷輸送層用塗
工液の化合物を比較例16の化合物にする以外は、実施
例7と全く同様に作成した。
【0166】〔比較例23〕実施例8の電荷輸送層用塗
工液の化合物を下記構造のものにする以外は、実施例8
と全く同様に作成した。 下記構造の化合物 0.05部
【0167】
【化74】 下記構造の化合物 0.25部
【0168】
【化75】
【0169】〔比較例24〕実施例9の電荷輸送層用塗
工液の化合物を比較例23の化合物にする以外は、実施
例9と全く同様に作成した。
【0170】〔比較例25〕実施例10の電荷輸送層用
塗工液の化合物を比較例23の化合物にする以外は、実
施例10と全く同様に作成した。
【0171】〔比較例26〕実施例1における電荷輸送
層用塗工液に実施例1に用いた硫黄系化合物を入れなか
った以外は、実施例1と全く同様に作製した。
【0172】〔比較例27〕実施例4における電荷輸送
層用塗工液に実施例4に用いた硫黄系化合物を入れなか
った以外は、実施例4と全く同様に作製した。
【0173】〔比較例28〕実施例7における電荷輸送
層用塗工液に実施例7に用いた硫黄系化合物を入れなか
った以外は、実施例7と全く同様に作製した。
【0174】〔比較例29〕実施例10における電荷輸
送層用塗工液に実施例10に用いた硫黄系化合物を入れ
なかった以外は、実施例10と全く同様に作製した。
【0175】〔比較例30〕実施例1における電荷輸送
層用塗工液に実施例1に用いたフェノール系化合物を入
れなかった以外は、実施例1と全く同様に作製した。
【0176】〔比較例31〕実施例4における電荷輸送
層用塗工液に実施例4に用いたフェノール系化合物を入
れなかった以外は、実施例4と全く同様に作製した。
【0177】〔比較例32〕実施例7における電荷輸送
層用塗工液に実施例7に用いたフェノール系化合物を入
れなかった以外は、実施例7と全く同様に作製した。
【0178】〔比較例33〕実施例10における電荷輸
送層用塗工液に実施例10に用いたフェノール系化合物
を入れなかった以外は、実施例10と全く同様に作製し
た。
【0179】以上のように作製した実施例1〜10およ
び比較例1〜33の電子写真感光体を実装用にした後、
以下のようにして評価を行った。 [実機ランニング特性評価方法]市販電子写真複写機イ
マジオMF2200[(株)リコー製]により、それぞ
れの感光体について最高10万枚までの通紙試験を行っ
た。通紙試験中及び通紙試験後に感光体の画像品質特
性、感光層摩耗量の評価を適時行った。 画像品質:ベタ濃度、細線再現性、異常画像等総合的に
評価 摩耗量:実機ランニングによる感光層膜厚減少量 評価結果を表1に示す。
【0180】
【表1−1】
【0181】
【表1−2】 <画像品質> ◎;非常に良好、○:良好、△1:僅かに画像流れが発
生する、△2:細線再現性が劣る、×1:画像流れ発
生、×2:細線再現性不良
【0182】表1−1より明らかなように、本発明の特
許請求の範囲を満たす実施例1〜10の電子写真用感光
体は、画像特性の劣化が少なく、又感光層の摩耗も少な
く、高画質のハードコピーを長期間安定して得られるこ
とがわかる。
【0183】
【発明の効果】以上詳細かつ具体的な説明から明らかな
ように、本発明により光感度特性、耐摩耗性、画質安定
性に優れた電子写真用感光体を得ることができるという
極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の一構成例を示す断面
図。
【図2】本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断
面図。
【図3】本発明の電子写真感光体の更に別の構成例を示
す断面図。
【図4】本発明の電子写真プロセスの一例を示す模式
図。
【符号の説明】
21 導電性支持体 23 感光層 25 下引き層 31 電荷発生層 33 電荷輸送層 101 電子写真用感光体 102 帯電チャージャ 103 イメージ露光 104 現像ローラ 105 転写部材 106 転写チャージャ 107 クリーニングユニット 108 除電ランプ 109 定着ユニット 110 ハードコピー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 紙 英利 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 生野 弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小島 成人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 栗本 鋭司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 左近 洋太 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA16 AA20 BA12 BA60 BB23 BB25 BB29 BB32 BB40

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に感光層を有する電子写真
    用感光体において、導電性基体より最も離れた表面側か
    ら少なくとも1層に少なくとも高分子電荷輸送物質を含
    有し、且つこの電荷輸送層に、少なくともフェノール系
    化合物と炭素8以上の直鎖状アルキル構造を有する硫黄
    系化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 上記高分子電荷輸送物質がポリカーボネ
    ート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルの少
    なくともいずれか1つの重合体であることを特徴とする
    請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 上記高分子電荷輸送物質がトリアリール
    アミン構造を有する高分子化合物であることを特徴とす
    る請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 上記高分子電荷輸送物質がトリアリール
    アミン構造を有するポリカーボネートであることを特徴
    とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 上記高分子電荷輸送物質がトリアリール
    アミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光。
  6. 【請求項6】 上記高分子電荷輸送物質が、下記一般式
    1で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有する
    ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に記
    載の電子写真感光体。 【化1】 式中、R1、R2、R3 はそれぞれ独立して置換もしくは
    無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子
    又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5 、R6は置
    換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ
    独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦
    k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5
    〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂
    肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表
    す。 【化2】 式中、R101、R102 は各々独立して置換もしくは無置
    換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表
    す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1
    〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、
    −O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−
    CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を
    表す。)または、 【化3】 (式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整
    数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又は
    アリール基を表す。)を表す。ここで、 R101
    102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なっても
    よい。
  7. 【請求項7】 上記高分子電荷輸送物質が、下記一般式
    2で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有する
    ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に記
    載の電子写真感光体。 【化4】 式中、R7、 R8は置換もしくは無置換のアリール基、
    Ar1、 Ar2、 Ar3は同一又は異なるアリレン基を
    表す。 X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じ
    である。
  8. 【請求項8】 上記高分子電荷輸送物質が、下記一般式
    3で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有する
    ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に記
    載の電子写真感光体。 【化5】 式中、R9、 R10は置換もしくは無置換のアリール基、
    Ar4 、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表
    す。 X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じで
    ある。
  9. 【請求項9】 上記高分子電荷輸送物質が、下記一般式
    4で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有する
    ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に記
    載の電子写真感光体。 【化6】 式中、R11、 R12 は置換もしくは無置換のアリール
    基、Ar7、 Ar8、 Ar 9は同一又は異なるアリレン
    基、sは1〜5の整数を表す。 X、k、jおよびn
    は、一般式1の場合と同じである。
  10. 【請求項10】 上記高分子電荷輸送物質が、下記一般
    式5で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有す
    るポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に
    記載の電子写真感光体。 【化7】 式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換の
    アリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又
    は異なるアリレン基、 Y1、Y2、Y3は単結合、置換も
    しくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシ
    クロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエ
    ーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一
    であっても異なってもよい。 X、k、jおよびnは、
    一般式1の場合と同じである。
  11. 【請求項11】 上記高分子電荷輸送物質が、下記一般
    式6で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有す
    るポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に
    記載の電子写真感光体。 【化8】 式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換の
    アリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28
    は同一又は異なるアリレン基を表す。 X、k、jおよ
    びnは、一般式1の場合と同じである。
JP11101544A 1999-04-08 1999-04-08 電子写真感光体 Pending JP2000292950A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11101544A JP2000292950A (ja) 1999-04-08 1999-04-08 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11101544A JP2000292950A (ja) 1999-04-08 1999-04-08 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000292950A true JP2000292950A (ja) 2000-10-20

Family

ID=14303391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11101544A Pending JP2000292950A (ja) 1999-04-08 1999-04-08 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000292950A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007107005A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Xerox Corp フェノール系正孔輸送ポリマー、画像形成部材、及び画像形成方法
US7267914B2 (en) 2001-12-06 2007-09-11 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, process cartridge, image forming apparatus and image forming method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7267914B2 (en) 2001-12-06 2007-09-11 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, process cartridge, image forming apparatus and image forming method
US7348115B2 (en) 2001-12-06 2008-03-25 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, process cartridge, image forming apparatus and image forming method
JP2007107005A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Xerox Corp フェノール系正孔輸送ポリマー、画像形成部材、及び画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5716962B2 (ja) 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ
JPH11288113A (ja) 電子写真感光体
JP3852812B2 (ja) 電子写真感光体
JP2001201876A (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成方法
JP2000292950A (ja) 電子写真感光体
JP3990499B2 (ja) 電子写真用感光体
JP4003912B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置
JPH1083090A (ja) 電子写真感光体
JP2001265026A (ja) 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法並びに装置
JP2002131936A (ja) 電子写真感光体、これを用いた画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP3709068B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2000298365A (ja) 電子写真感光体及び画像形成方法
JP3558147B2 (ja) 電子写真プロセス
JP2001296681A (ja) 電子写真感光体、それを用いた電子写真方法、電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ
JP3643918B2 (ja) 電子写真プロセス
JP3831056B2 (ja) 電子写真プロセス
JPH11258843A (ja) 電子写真用感光体
JP3736697B2 (ja) 電子写真プロセス
JPH09319101A (ja) 電子写真感光体
JPH11344820A (ja) 電子写真感光体
JPH09319256A (ja) 電子写真プロセス
JP2001066810A (ja) 電子写真感光体
JPH11305470A (ja) 電子写真用感光体
JPH11295911A (ja) 電子写真用感光体
JPH11288109A (ja) 電子写真用感光体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070426