JP2008134425A - 電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な帯電性を有し、残留電位が低く、繰り返し安定性と環境特性に優れ、モアレやかぶりなどの画像欠陥のない感光体を提供することを課題とする。
【解決手段】導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、前記下引き層が針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]を含有し、針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]との配合比(重量)[A]/[B]が60/40〜90/10であることを特徴とする電子写真感光体により、上記の課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性支持体、下引き層および感光層からなる電子写真感光体の下引き層に関する。本発明の電子写真感光体は、反転現像プロセスによる画像を形成する画像形成装置に好適に用いられる。
光導電性の電子写真感光体(以下、「感光体」という)を用いた電子写真プロセスは、まず、感光体を暗所においてコロナ放電によりその表面を一様に帯電させた後、像露光を施して露光部の電荷を選択的に放電させて、非露光部に静電像(潜像)を形成させる。次いで、着色した荷電微粒子(トナー)を静電引力などで潜像に付着させて可視像とし、画像を形成することからなる。
このような一連のプロセスにおいて感光体は、次のような基本的な特性が要求される。
1)暗所において適当な電位に一様に帯電させることができること
2)暗所において高い電荷保持能を有し、電荷の放電が少ないこと
3)光感度に優れており、光照射によって速やかに電荷を放電すること
また、感光体は次のような特性も要求される。
4)容易に感光体の表面を除電させることができること
5)残留電位が少ないこと
6)機械的強度があり可撓性にすぐれていること
7)安定性がある、すなわち繰り返し使用する場合に電気的特性、特に帯電性、光感度および残留電位などが変動しないこと
8)耐久性に優れていること、すなわち熱、光、水分(湿度)およびオゾンなどに対する耐性を有すること
現在、実用化されている感光体は、導電性支持体の上に直接、感光層が形成されているので、導電性支持体からの電荷の注入が生じ易く、表面電荷が微視的にみて消失もしくは減少して画像欠陥が発生し易い。このような画像欠陥を防止し、かつ導電性支持体表面の欠陥の被覆、帯電性の改善、感光層の接着性の向上および塗工性の改善などを目的として、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることが行われている。
従来、下引き層を構成する材料としては、各種樹脂や樹脂に酸化チタン粉末などの金属酸化物を含有するものなどが検討されている。
単一層で下引き層を形成する樹脂は、感光層用塗布液の溶剤に難溶であることが望ましく、一般にアルコール可溶性または水溶性の樹脂が使用される。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミドなどの樹脂材料やこれらの繰り返し単位のうち2種以上を含む共重合体樹脂、さらに、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが知られ、これらのうちポリアミドが特に好ましいとされている(特開昭51−14132号公報:特許文献1、特開昭52−25638号公報:特許文献2)。しかし、ポリアミドなどの樹脂の単一層を下引き層とした感光体は、残留電位の蓄積が大きく、感度の低下や画像のカブリが発生するという欠点がある。このような傾向は、低温度の環境下で特に顕著になる。
そこで、画像欠陥の発生を防止し、残留電位の蓄積量を減少させるために、表面未処理の酸化チタン粉末を含有する下引き層(特開昭56−52757号公報:特許文献3)、表面にアルミナなどを被覆して分散性を改善させた酸化チタン微粒子を含有する下引き層(特開昭59−93453号公報:特許文献4、特開平2−181158号公報:特許文献5)などが提案されている。また、酸化チタン粉末とバインダー樹脂とを混合したものを下引き層として用い、酸化チタンの使用割合を最適化して感光体の長寿命化を図る検討も行われている(特開昭63−234261号公報:特許文献6、特開昭63−298251号公報:特許文献7)。
上記の先行技術においては、酸化チタン粉末を含有する下引き層としては、酸化チタン粉末として粒状のものが用いられている。
さらに、圧粉体での体積抵抗値が105〜1010Ω・cmである針状酸化チタンや非導電性酸化チタンを下引き層に用いることも提案されている(特開平7−84393号公報:特許文献8、特開平9−62021号公報:特許文献9)。
しかし、上記の先行技術においては、近年の高画質および高耐久化に対応する感光体の下引き層が得られていないのが現状である。
特開昭51−14132号公報 特開昭52−25638号公報 特開昭56−52757号公報 特開昭59−93453号公報 特開平2−181158号公報 特開昭63−234261号公報 特開昭63−298251号公報 特開平7−84393号公報 特開平9−62021号公報
下引き層に酸化チタン粉末を用いる場合、酸化チタン粉末の含有量が少なく、バインダー樹脂の含有量が多いと、下引き層の体積抵抗値が大きくなり、光照射時に生成した電荷(キャリア)の輸送が抑制阻止され、残留電位が上昇し、画像にカブリが生じ易くなる。また、長期間の繰り返し使用により、残留電位の蓄積や温湿度の影響が大きくなり、特に低温度の環境でこの傾向が顕著になるなど、安定性にも問題があり、十分な特性が得られないという問題があった。
酸化チタン粉末の含有量を増加させると、上記の問題は軽減されるが、長期間の繰り返し使用により、残留電位の蓄積傾向が現れ、特に低湿度の環境でこの傾向が著しくなり、長期安定性と環境特性の問題は完全に解消されない。また、酸化チタン粉末の含有量が増加し、バインダー樹脂の含有量がほとんどなくなると、下引き層の膜強度および下引き層と導電性支持体との接着性が低下し、長期間の繰り返し使用により、膜の破断などによる感度劣化や画像への影響が現れ、また急激に体積抵抗値が低下し帯電性が悪くなるという問題があった。
従来の下引き層に用いられている酸化チタン粉末は、電子顕微鏡観察によると、粒子径が0.01〜1μmで、そのアスペクト比の平均値が1〜1.3であり、表面にやや凹凸はあるものの、ほぼ球形に近い形の粒状である(以下、単に「粒状」と呼ぶ)。このような粒状の酸化チタンが下引き層中に分散されると、粒子間の接触が点接触に近く、接触面積が小さいために、酸化チタン粉末の含有量がある一定量を超えなければ、下引き層の抵抗値は非常に高い値を示し、感光体特性、特に感度および残留電位が悪化するという問題があった。
一方、針状の酸化チタン粉末は細長い形状のために、酸化チタン粒子間で接触し易く、接触面積が大きくなるために、粒状の酸化チタンを下引き層に使用する場合よりも感度や残留電位などの向上が期待できる。
しかし、針状の酸化チタンを下引き層に使用すると、繰り返し使用により、帯電性が悪化するという問題があった。この原因は未だ解明されていないが、特に低湿の環境下において顕著に起こることが確認されている。
本発明は、良好な帯電性を有し、残留電位が低く、繰り返し安定性と環境特性に優れ、モアレやかぶりなどの画像欠陥のない感光体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備えた感光体において、下引き層に針状酸化チタンと粒状酸化チタンを特定の配合比で含有させることにより、良好な帯電性を有し、残留電位が低く、繰り返し安定性と環境特性に優れ、モアレやかぶりなどの画像欠陥のない感光体を提供できることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、前記下引き層が針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]を含有し、針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]との配合比(重量)[A]/[B]が60/40〜90/10であることを特徴とする感光体が提供される。
本発明によれば、良好な帯電性を有し、残留電位が低く、繰り返し安定性と環境特性に優れ、モアレやかぶりなどの画像欠陥のない感光体を提供することができる。
本発明の感光体は、導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、前記下引き層が針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]を含有し、針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]との配合比(重量)[A]/[B]が60/40〜90/10であることを特徴とする。
すなわち、本発明の感光体は、導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、下引き層の構成に特徴を有する。
本発明の感光体を図面に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態である機能分離型の感光体の概略断面図である。
この感光体1は、導電性支持体11上に針状酸化チタン19、球状酸化チタン20およびバインダー樹脂A21を含む下引き層18が形成され、その上に電荷発生物質12とバインダー樹脂B22を含む電荷発生層15および電荷輸送物質13とバインダー樹脂C17を含む電荷輸送層16とからなる感光層14が積層された構造である。
本発明における下引き層18は、針状酸化チタン19[A]と球状酸化チタン20[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂A21[R]を含有する。
本発明の針状酸化チタンの「針状」とは、棒状、柱状および紡錘状などを含む細長い形状を意味し、通常、長軸の長さ[L]と短軸の長さ[S]の比[L]/[S]、すなわちアスペクト比が1.5以上のものを意味する。したがって、針状酸化チタンは必ずしも極端に細長くなくてもよく、先端が鋭く尖っている必要もない。
酸化チタンの大きさは、重量沈降法や光透過式粒度分布測定法などの公知の方法で測定できるが、針状のアスペクト比は、直接電子顕微鏡で測定するのが好ましい。
本発明における針状酸化チタンのアスペクト比の平均値は、1.5〜300の範囲が好ましく、2〜10の範囲が特に好ましい。この範囲よりも大きくても針状としての効果は変わらないが、小さければ針状としての効果が得られ難くなる。
また、本発明における針状酸化チタンは、長軸の長さ[L]が100μm以下、短軸の長さ[S]が1μm以下であるのが好ましく、長軸の長さ[L]が20μm以下、短軸の長さ[S]が0.5μm以下であるのが特に好ましい。
一方、本発明における球状酸化チタンの一次粒子径は、0.05μm以下が好ましく、
0.035μm以下が特に好ましい。球状酸化チタンの一次粒子径が0.05μmを超えると、感光体の帯電低下に対しての効果が得られ難い。
本発明における酸化チタン[P]中の針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]との配合比(重量)[A]/[B]は、60/40〜90/10が好ましく、70/30〜80/20が特に好ましい。
配合比(重量)[A]/[B]が上記の範囲であれば、良好な帯電性を有し、残留電位が低く、繰り返し安定性と環境特性に優れ、モアレやかぶりなどの画像欠陥のない感光体を得ることができる。
針状酸化チタンは細長い形状のために、酸化チタン粒子間で接触し易く、接触面積が大きくなるために、感度や残留電位などの向上を図ることができる。一方、球状酸化チタンは、低湿下における繰り返し疲労時の帯電低下を向上させることができる。
すなわち、針状酸化チタンのみでは、低湿下の繰り返し疲労時の帯電低下が大きく、球状酸化チタンのみでは、感度が悪いという欠点を、特定の配合割合で用いることにより解消することができる。
配合比(重量)[A]/[B]が60/40よりも小さい場合には、感光体特性への球状酸化チタンの影響が大きくなり低湿下の感度が悪化し易く、また配合比(重量)[A]/[B]が90/10より大きい場合には、感光体特性への針状酸化チタンの影響が大きくなり低湿下の繰り返し疲労時の帯電低下が大きくなり易く、ブレンドした効果が得られ難い。
酸化チタンの結晶系には、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型の3種類があるが、本発明の針状酸化チタンはいずれの結晶系であってもよく、またそれらの混合であってもよい。
本発明において、酸化チタンは、高抵抗であるのが好ましく、プレス圧力100kg/cm2の圧粉体で105〜1010Ω・cmの範囲の体積抵抗値を有するのが好ましい。以下、プレス圧力100kg/cm2の圧粉体での体積抵抗値を「粉体抵抗値」と称する。
酸化チタンの粉体抵抗値が105Ω・cmより小さくなると、下引き層としての抵抗値が低下し、下引き層が電荷ブロッキング層として機能し難い。例えば、アンチモンドープした酸化錫導電層などの導電処理を施した酸化チタンの粉体抵抗値は、100〜101Ω・cmと非常に低く、これを用いた下引き層は電気ブロッキング層として機能せず、感光体特性としての帯電性が悪化するので、使用することはできない。また、酸化チタンの粉体抵抗値が1010Ω・cm以上に大きくなると、すなわちバインダー樹脂の体積抵抗値と同等あるいはそれ以上になると、下引き層としての抵抗値が高過ぎて、光照射時に生成した電荷の輸送が抑制阻止され、残留電位が上昇し易い。
したがって、酸化チタンの粉体抵抗値が上記の範囲に維持される限り、針状酸化チタンの表面は、未処理であっても、分散性や表面平滑性を向上させるために、Al23、SiO2およびZnOなどの金属化合物もしくはその混合物で被覆処理が施されていてもよい。この被覆処理により、酸化チタンの分散性や表面平滑性が向上するので好ましい。また、メチル水素ポリシロキサンで被覆処理(表面処理)を施すと、下引き層の疎水性が増し、高温高湿下における体積抵抗値の低下が抑えられるので好ましい。
本発明において針状酸化チタンとして用いることができる酸化チタンとしては、例えば、表面未処理のルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60N)および表面未処理のルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−100L)などが挙げられる。
本発明において球状酸化チタンとして用いることができる酸化チタンとしては、例えば、表面未処理のルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:TTO−55N)、表面アルミナ処理されたルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:TTO−55A)および表面未処理のルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:PT−401M)などが挙げられる。
本発明における下引き層18に含有されるバインダー樹脂(結着性樹脂)A21としては、単一層で下引き層を形成する樹脂が挙げられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミドなどの樹脂材料やこれらの繰り返し単位のうち2種以上を含む共重合体樹脂、さらに、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられ、これらの中でもポリアミドが特に好ましい。
バインダー樹脂Aは、下引き層上に感光体層を形成する際に用いられる溶剤に対して溶解や膨潤などが起こらないことや、導電性支持体との接着性に優れ、可撓性を有することなどの特性が要求され、これらの条件にはポリアミドが適合する。
ポリアミド系樹脂の中でも、アルコール可溶性のポリアミドが好ましい。具体的には、6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどを共重合させた、いわゆる共重合ナイロンやN−アルコキシメチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させたタイプなどが挙げられる。
本発明において下引き層のバインダー樹脂Aとして用いることができる樹脂としては、例えば、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製、型番:CM8000)、メトキシメチル化ナイロン樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、型番:EF-30T)およびブチラール樹脂(電気化学工業株式会社製、型番:3000K)などが挙げられる。
本発明における下引き層中の酸化チタン[P]とバインダー樹脂[R]との配合比(重量)[P]/[R]は、30/70〜95/5が好ましく、50/50〜70/30が特に好ましい。
配合比(重量)[P]/[R]が30/70よりも小さい場合には、感光体の感度が低下し、下引き層中に電荷が蓄積されて残留電位が増大し、特に低温低湿下で顕著になる。また配合比(重量)[P]/[R]が95/5より大きい場合には、下引き層用塗布液の保存安定性が悪くなり、酸化チタン粒子が沈降し易くなる。
下引き層の形成方法としては、酸化チタンをバインダー樹脂の溶液中に分散して下引き層用塗布液を調製し、それを導電性支持体上に塗布して成膜する方法が挙げられる。例えば、上記の酸化チタンとポリアミドとを低級アルコールと有機溶剤の混合溶剤、好ましくは共沸組成溶剤中に分散し、得られた下引き層用塗布液を導電性支持体上に塗布し乾燥することにより下引き層を形成する。
低級アルコールに有機溶剤を混合することにより、酸化チタンとバインダー樹脂の分散性が改善され、塗布液の経時変化によるゲル化という問題点が解消される。
上記の低級アルコールとしては、炭素数1〜4の低級アルコールが好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールおよびn−ブチルアルコールなどが挙げられ、これら中でもメタノールが特に好ましい。
上記の有機溶剤としては、例えば、1,3−ジオキソランなどの環状エーテルなどが挙げられる。
下引き層用塗布液の分散方法としては、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、アトライター、振動ミルおよび超音波分散機などを用いた公知の方法が挙げられる。このときの分散条件は、塗布膜の物性および生産性などを考慮に入れ、用いる容器および分散機を構成する部材の摩耗などによる不純物の混入が起こらない条件を適宜選択すればよい。
また、下引き層用塗布液の塗布方法としては、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法、浸漬法などの公知の方法が挙げられる。これらの中でも浸漬法は、塗布液を満たした塗布槽に、導電性支持体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引き上げることにより塗布膜を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性およびコストの点で優れているために感光体を製造する場合に多く利用されている。塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために超音波発生装置などの塗布液分散装置を設けてもよい。
下引き層の膜厚は、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。下引き層の膜厚が0.01未満の場合には、基板からの注入に対し下引き層の効果が得られ難くなる傾向がある。また、下引き層の膜厚が10μmを超える場合には、残留電位が大きくなり、濃度低下を起こし実使用に耐えられ難くなる傾向がある。
次いで、本発明の感光体における他の構成について説明する。以下の内容は一般的な感光体における材料や形態、形成方法であるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
導電性支持体11を構成する導電性材料としては、通常、当該分野で用いられるもの、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼およびチタンなどの金属材料;ならびに基材表面を前記の金属材料で金属箔ラミネート処理や金属蒸着処理を施した複合材料、または基材表面に導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物を蒸着や塗布した複合材料などが挙げられる。基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンおよびポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙およびガラスなどが挙げられる。
導電性支持体11の形状は、図1の感光体1ではシート状であるが、これに限定されず、ドラム状、無端ベルト状などであってもよい。
導電性支持体の表面は、画質に影響のない範囲内で必要に応じて、陽極酸化皮膜処理、薬品または熱水などによる表面処理、着色処理、および表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。露光光源としてレーザを用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているために、入射するレーザ光と感光体内で反射された光とが干渉を起こし、干渉縞が画像上に現れて画像欠陥が発生することがある。前記の処理は、レーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
本発明における感光層14は、電荷発生物質12とバインダー樹脂B22を含む電荷発生層15および電荷輸送物質13とバインダー樹脂C17を含む電荷輸送層16とからなる。
本発明における電荷発生層15は、光を吸収することによって電荷を発生させる電荷発生物質12を主成分として含有する。
電荷発生物質12として有効な物質は、通常、当該分野で用いられるもの、例えばモノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素、ならびにセレンおよび非晶質シリコンなどの無機材料などが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの電荷発生物質の中でも、高い電荷発生効率と電荷注入効率とを有し、光を吸収することによって多量の電荷を発生させると共に、発生した電荷をその内部に蓄積することなく電荷輸送物質に効率よく注入できるオキソチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
また、電荷発生物質は、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどのトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどのアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどのチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどのオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などの増感染料と組み合わせて用いることができる。
バインダー樹脂(結着性樹脂)B22としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびポリビニルホルマール樹脂やこれらの繰り返し単位のうち2種以上を含む共重合体樹脂が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。共重合体樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。
電荷発生物質とバインダー樹脂Bとの配合比(重量)は、10/90〜99/1であるのが好ましい。配合比(重量)が10/90よりも小さい場合には、感光体の感度が低下する傾向がある。また、配合比(重量)が99/1より大きい場合には、電荷発生層15の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質12の分散性が低下して粗大粒子が増大し、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少して画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像のかぶりが多くなる傾向がある。
電荷発生層15の形成方法としては、真空蒸着により下引き層18上に電荷発生物質12の層を直接形成する方法、および電荷発生物質12をバインダー樹脂B22の溶液中に分散して得られる電荷発生層用塗布液を下引き層18上に塗布する方法があるが、一般に後者の方法が好ましい。塗布による形成の場合、バインダー樹脂の溶液中への電荷発生物質の混合・分散方法およびその塗布方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば下引き層と同様の方法が挙げられる。このような浸漬塗布法は、前述のように種々の点で優れており、電荷発生層の形成にも好適である。
バインダー樹脂の溶液中に電荷発生物質を分散させる前に、予め電荷発生物質を、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などの公知の粉砕機によって粉砕処理してもよい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えばジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン(THF)およびジオキサンなどのエーテル類、1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類、またはN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。地球環境に配慮すると、非ハロゲン溶剤を用いるのが好ましい。
電荷発生層15の膜厚は、0.05〜5μmの範囲が好ましく、0.1〜1μmの範囲がより好ましい。電荷発生層15の膜厚が0.05μm未満の場合には、感光体の光吸収効率が低下し、感度が低下し易くなる傾向がある。また、電荷発生層15の膜厚が5μmを超える場合には、電荷発生層内部での電荷移動が感光体表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感度が低下し易くなる傾向がある。
本発明における電荷輸送層16は、電荷発生物質12で発生した電荷を受入れ、輸送する能力を有する電荷輸送物質13を主成分として含有する。
電荷輸送物質13として有効な物質は、通常、当該分野で用いられるもの、例えばカルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体およびベンジジン誘導体、ならびにこれらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有するポリマー、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレンおよびポリ−9−ビニルアントラセンなどが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
バインダー樹脂(結着性樹脂)C17としては、電荷輸送物質13との相溶性に優れるものであれば特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂およびそれらの共重合体樹脂、ならびにポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノール樹脂、さらにこれらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂などが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗値が1013Ω以上であり電気絶縁性に優れ、また皮膜性および電位特性などにも優れているので特に好ましい。
電荷輸送物質とバインダー樹脂Cとの配合比(重量)は、25/75〜45/55であるのが好ましい。配合比(重量)が25/75よりも小さい場合には、浸漬塗布法によって電荷輸送層16を形成する場合に塗布液の粘度が増大して、塗布速度の低下を招き生産性が著しく悪くなる。そこで塗布液の粘度の増大を抑えるために塗布液中の溶剤の量を多くすると、ブラッシング現象が発生して形成された電荷輸送層16に白濁が発生する傾向がある。また、配合比(重量)が45/55より大きい場合には、バインダー樹脂Cの比率が高いときに比べて耐刷性が低くなり、感光層の摩耗量が増加する傾向がある。
電荷輸送層16は、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させるために、必要に応じて可塑剤およびレベリング剤などの添加剤を含んでいてもよい。可塑剤としては、例えば、二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
また、電荷輸送層16は、機械的強度の増強や電気的特性の向上させるために、必要に応じて、無機化合物または有機化合物の微粒子を含んでいてもよい。
電荷輸送層16の形成方法としては、例えば、電荷輸送物質13および必要に応じて添加剤をバインダー樹脂C17の溶液中に分散して得られる電荷輸送層用塗布液を電荷発生層15上に塗布する方法が挙げられる。バインダー樹脂の溶液中への電荷輸送物質の混合・分散方法およびその塗布方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば下引き層や電荷発生層と同様の方法が挙げられる。このような浸漬塗布法は、前述のように種々の点で優れており、電荷輸送層の形成にも好適である。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えばジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン(THF)、およびジメトキシメチルエーテルジオキサンなどのエーテル類、1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、またはN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。地球環境に配慮すると、非ハロゲン溶剤を用いるのが好ましい。これらの溶剤に必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶剤をさらに加えてもよい。
電荷輸送層16の膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲がより好ましい。電荷輸送層16の膜厚が5μm未満の場合には、感光体表面の帯電保持能が低下し易くなる傾向がある。また、電荷輸送層16の膜厚が50μmを超える場合には、感光体の解像度が低下し易くなる傾向がある。

感光体の感度の向上、残留電位や繰り返し使用時の疲労低減などを目的として、感光層に少なくとも1種類以上の電子受容性物質や色素を添加してもよい。
電子受容性物質としては。例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸および4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物、パラベンゾキノン、クロラニル、テトラクロロ1,2−ベンゾキノン、ハイドロキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、メチル1,4−ベンゾキノン、α−ナフトキノン、β−ナフトキノンなどのキノン系化合物、アントラキノンおよび1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、p−ニトロベンゾフェノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2−ニトロフルオレノンなどの多環もしくは複素環ニトロ化合物、テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリル、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)−2’,2’ジアノビニルベンゼン、4−(m−ニトロベンゾイルオキシ)−2’,2’ジシアノビニルベンゼンなどのシアノ化合物、ならびにジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料およびこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどが挙げられる。これらの中でも、フルオレノン系、キノン系化合物や、Cl、CN、NO2などの電子吸引性の置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
色素としては、例えば、キサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン系顔料および銅フタロシアニンなどの光学増感剤として機能する有機光導電性化合物が挙げられる。
また、感光層には、安息香酸、スチルベン化合物やその誘導体、トリアゾール化合物、イミダゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物およびその誘導体などの含窒素化合物類などのような紫外線吸収剤や酸化防止剤を添加してもよい。
上記のようにして本発明の機能分離型の感光体が得られるが、本発明の感光体は、電荷発生物質12と電荷輸送物質13とを共に含む感光層を有する単層型の感光体であってもよい。
図2は、本発明の一実施形態である単層型の感光体の概略断面図である。この感光体2は、導電性支持体11上に針状酸化チタン19、球状酸化チタン20およびバインダー樹脂A21を含む下引き層18が形成され、その上に電荷発生物質12、電荷輸送物質13およびバインダー樹脂C17を含む感光層140が積層された構造である。
感光層140の構成材料および形成方法は、機能分離型の感光体の下引き層および感光層と同様である。
この場合の感光層の膜厚は、5〜100μmの範囲が好ましく、10〜50μmの範囲がより好ましい。感光層の膜厚が5μm未満の場合には、感光体表面の帯電保持能が低下し易くなる傾向がある。また、100μmを超える場合には、感光体の生産性が低下し易くなる傾向がある。
また、本発明の感光体は、その表面を保護する目的で、表面保護層150が設けられていてもよい。
図3および図4は、それぞれ本発明の一実施形態である表面保護層を有する、機能分離型および単層型の感光体の概略断面図である。すなわち、前者の感光体3は図1の機能分離型の感光体における電荷発生層16上に、後者の感光体4は図2の単層型の感光体における感光層140上に表面保護層150が設けられている。なお、これらの感光体の基本構成は、図1および図2の感光体と同様である。
表面保護層150として有効な樹脂は、通常、当該分野で用いられるもの、例えばポリスチレン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、摩耗特性および電気的特性に優れたポリカーボネートおよびポリアリレートが特に好ましい。
表面保護層150には、耐摩耗性を向上させるために、必要に応じてフィラー材料を添加してもよい。
フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末などの有機性フィラー材料、ならびに銅、スズ、アルミニウムおよびインジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫および錫をドープした酸化インジウムなどの金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料などの無機性フィラー材料が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、フィラーの硬度の点から無機材料が特に好ましい。
フィラー材料は、樹脂への分散性を向上させるために、有機物または無機物で表面処理(撥水性処理)されていてもよい。有機物としては、例えばシランカップリング剤、フッ素系シランカップリング剤および高級脂肪酸が挙げられ、無機物としては、例えばアルミナ、ジルコニア、酸化スズおよびシリカなどが挙げられる。
フィラーの平均一次粒径は、表面保護層の光透過率や耐摩耗性の点から0.01〜0.5μmであるのが好ましい。
表面保護層中のフィラー材料の濃度は、通常、表面保護層の全固形分に対して50重量%以下が好ましく、30重量%以下が特に好ましい。フィラー材料の濃度が高いほど耐摩耗性が向上するが、高過ぎる場合には、残留電位が上昇し、表面保護層の書き込み光透過率が低下し易くなる傾向がある。
表面保護層は、上記のような電荷輸送物質、紫外線防止剤、酸化防止剤、金属酸化物などの無機材料、有機金属化合物および電子受容性材料などを含んでいてもよい。
また、表面保護層には、必要に応じて二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステルおよび塩素化パラフィンなどの可塑剤を混合して、加工性および可撓性を付与するような機械的物性の改良を施してもよく、シリコン樹脂などのレベリング剤を添加してもよい。
表面保護層は、公知の方法により形成することができ、その膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、1〜8μmの範囲がより好ましい。
長期的に繰り返し使用される感光体は、機械的に耐久性が高く、摩耗し難いものが好ましい。しかし実機内では、帯電部材などからオゾンおよびNOxガスなどが発生し、感光体表面に付着して画像流れが起こるので、これを防止するために、感光層をある一定速度以上に摩耗させる必要がある。したがって、感光体の長期的な繰り返し使用を考慮した場合には、表面保護層の膜厚は上記の範囲が好ましい。表面保護層の膜厚が8μmを超える場合には、残留電位が上昇したり微細ドットの再現性が低下し易くなる傾向がある。
本発明の感光体は、反転現像プロセスによる画像を形成する画像形成装置に好適に用いることができる。
このような画像形成装置では、画像欠陥のない優れた特性の画像を形成することができ、特に低湿下で連続使用した際にも、ガブリなどの画像不良のない画像を形成することができる。したがって、このような画像形成装置を他の画像処理装置、ファクシミリ装置およびプリンタなどと複合させることができる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例および比較例では、図1に示される機能分離型の感光体を作製し、得られた感光体を評価したが、これに限定されず、単層型の構造を用いても同様の効果が得られる。
図1は、本発明の一実施形態である機能分離型の感光体1の概略断面図である。この感光体1は、導電性支持体11上に針状酸化チタン19、球状酸化チタン20およびバインダー樹脂A21を含む下引き層18が形成され、その上に電荷発生物質12とバインダー樹脂B22を含む電荷発生層15および電荷輸送物質13とバインダー樹脂C17を含む電荷輸送層16とからなる感光層14が積層された構造である。
(実施例1)
針状酸化チタン19[A]として、表面処理なし、粉体抵抗値約9×105Ω・cm、長軸長さL=0.05μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比5の酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60N)7重量部および球状酸化チタン20[B]として、表面処理なし、粉体抵抗値約4.9×105Ω・cm、一次粒子径0.03μmの酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:TTO−55N)3重量部からなる酸化チタン[P]、およびバインダー樹脂A21[R]として、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製、型番:CM8000)10重量部を、メチルアルコール108重量部と1,3−ジオキソラン72重量部との混合溶剤に加えて混合し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理して、下引き層用塗布液を調製した。
次いで、得られた下引き層用塗布液を塗布槽(内径120mm×高さ400mm)に満たし、導電性支持体11としての直径80mm、長さ348mmのアルミニウム製のドラム状導電性基持体を浸漬して徐々に引き上げ、自然乾燥して膜厚1μmの下引き層18を得た。
次に、電荷発生物質12として、Cu−Kα特性X線(波長1.54Å)によるX線回折スペクトルが少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に明確な回折ピークを示す結晶型のオキソチタニルフタロシアニン結晶2重量部、バインダー樹脂B22として、ブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、型番:エスレックBM−2)1重量部およびメチルエチルケトン97重量部を混合し、ペイントシェーカーにて5時間分散して、電荷発生層用塗布液を調製した。
次いで、得られた電荷発生層用塗布液を、下引き層18の場合と同様の浸漬塗布法により下引き層18上に塗布し、自然乾燥して膜厚0.4μmの電荷発生層15を得た。
次に、電荷輸送物質13として、下記の化合物5.0重量部およびバインダー樹脂17として、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、型番:TS2050)8.0重量部を混合し、テトラヒドロフラン47重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調製した。
次いで、得られた電荷輸送層用塗布液を、下引き層18の場合と同様の浸漬塗布法により電荷発生層15上に塗布し、塗膜を120℃の熱風で1時間乾燥させて膜厚24μmの電荷輸送層16を得、図1に示す機能分離型の感光体を完成させた。
このようにして作製した感光体を試験用複写機(シャープ株式会社製、デジタル複写機、型番:AR−625S)に搭載して、現像部での感光体表面電位、具体的には帯電性をみるために露光プロセスを除いた暗中での感光体表面電位V0と、感度をみるために露光時の黒地部分の感光体表面電位VLとを測定した。これらの測定では、試験用複写機から現像器を取外し、代わりに現像部位に表面電位計(トレック・ジャパン株式会社製、型番:MODEL344)を設けた。これら感光体特性を初期および10万回繰り返し後(10万回疲労後)について、それぞれ5℃/10%RHの低温/低湿(以下「L/L」と略す)、25℃/60%RHの常温/常湿(以下「N/N」と略す)の環境下で測定した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
また、下引き層用塗布液を1週間室温で放置し、塗布液状態(沈殿、ゲル化)を確認した。得られた結果を表2に示す。
さらに、L/L環境下において、下記の測定方法および判定方法により、かぶりおよび画像濃度を評価し、感光体の総合評価を行った。得られた結果を表2に示す。
[かぶり]
初期および10万回繰り返し後(10万枚テスト後)に、COLOR MEASURING SYSTEM(日本電色工業株式会社製、型番:Z−Σ90)を用いて、白ベタ画像のかぶり量Wkを求め評価した。
上記の装置で三刺激値X、YおよびZを求め、Zの値を形成画像のかぶり量とし、その結果を次の基準で判定した。
◎:良好(Zが0.5未満)
○:実使用上問題なし(Zが0.5以上0.8未満)
×:実使用不可(Zが0.8以上)
[画像濃度]
初期および10万回繰り返し後(10万枚テスト後)に、マクベス反射濃度計(サカタインクス株式会社製、型番:Machbes RD918)を用いて、黒ベタ画像の反射濃度を測定し、画像濃度を評価した。
画像濃度を次の基準で判定した。
◎:良好(画像濃度が1.4以上)
○:実用上問題無し(画像濃度が1.25以上1.4未満)
×:実使用不可(画像濃度が1.25未満)
[総合判定]
かぶりおよび画像濃度の判定結果を次の基準で総合判定した。
◎:良好(かぶりおよび画像濃度の判定がすべて◎)
○:実使用上問題なし(かぶりおよび画像濃度の判定が◎または○)
×:実使用不可(かぶりおよび画像濃度の判定に×がある)
(実施例2)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの7重量部を9重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの3重量部を1重量部としたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例3)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの7重量部を6重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの3重量部を4重量部としたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例4)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約3×105Ω・cm、長軸長さL=1.68μm、短軸S=0.13μm、アスペクト比13の酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−100L)を用い、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの代わりに、表面アルミナ処理、粉体抵抗値約4.2×107Ω・cm、一次粒子径0.03μmの酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:TTO−55A)を用いたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例5)
針状酸化チタン[A]として、FTL−100Lの7重量部を9重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Aの3重量部を1重量部としたこと以外は、実施例4と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例6)
針状酸化チタン[A]として、FTL−100Lの7重量部を6重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Aの3重量部を4重量部としたこと以外は、実施例4と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例7)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの7重量部を4.2重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの3重量部を1.8重量部とし、バインダー樹脂A[R]として、CM8000の10重量部を14重量部としたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例8)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの7重量部を13.3重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの3重量部を5.7重量部とし、バインダー樹脂A[R]として、CM8000の10重量部を1重量部としたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例9)
バインダー樹脂A[R]として、CM8000の代わりに、メトキシメチル化ナイロン樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、型番:EF-30T)を用いたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例1)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの7重量部を10重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例2)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nを用いず、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの3重量部を10重量部としたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例3)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの7重量部を9.5重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの3重量部を0.5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例4)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの7重量部を5重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの3重量部を5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例5)
針状酸化チタン[A]として、FTL−100Lの7重量部を9.5重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Aの3重量部を0.5重量部としたこと以外は、実施例4と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例6)
針状酸化チタン[A]として、FTL−100Lの7重量部を5重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Aの3重量部を5重量部としたこと以外は、実施例4と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例10)
球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約6×105Ω・cm、一次粒子径0.07μmの酸化チタン(石原産業株式会社製、ルチル型番:PT−401M)を用いたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例11)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの7重量部を3.5重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの3重量部を1.5重量部とし、バインダー樹脂A[R]として、CM8000の10重量部を15重量部としたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例12)
針状酸化チタン[A]として、STR−60Nの7重量部を13.9重量部とし、球状酸化チタン[B]として、TTO−55Nの3重量部を5.9重量部とし、バインダー樹脂A[R]として、CM8000の10重量部を0.2重量部としたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例13)
バインダー樹脂A[R]として、CM8000の代わりに、ブチラール樹脂(電気化学工業株式会社製、型番:3000K)を用いたこと以外は、実施例1と同様にて感光体を作製し、評価した。
針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
Figure 2008134425
Figure 2008134425
表2の結果から次のことがわかる。
(1)針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]を含有し、配合比(重量)[A]/[B]が60/40〜90/10であり、バインダー樹脂[R]がアルコール可溶性のポリアミドである実施例1〜9の感光体は、良好な感光体特性および各環境における優れた繰り返し安定性を示し、かつ塗液の保存安定性および画像特性も良好である。
(2)球状酸化チタン[B]を含有しない比較例1の感光体は、L/L環境下の表面電位において10万回疲労後のV0の低下が非常に大きく、また画像特性において10万回疲労後のかぶりが非常に悪化する。
(3)針状酸化チタン[A]を含有しない比較例2の感光体は、L/L環境下の表面電位において初期のVLが非常に高く、また画像特性において初期および10万回疲労後の画像濃度に問題がある。
(4)酸化チタン[P]の配合比(重量)[A]/[B]が90/10より大きい比較例3および5の感光体は、L/L環境下の表面電位において10万回疲労後のV0低下が大きく、また画像特性において10万回疲労後のかぶりが非常に悪化する。
(5)酸化チタン[P]の配合比(重量)[A]/[B]が60/40より小さい比較例4および6の感光体は、L/L環境下の表面電位において初期のVLが非常に高く、また画像特性において10万回疲労後の画像濃度に問題がある。
(6)球状酸化チタン[B]の一次粒子径が0.05μmより大きい実施例10の感光体は、L/L環境下の表面電位において10万回疲労後のV0の低下が大きく、また画像特性において10万回疲労後のかぶりが実施例1〜9と比較して悪化するものの、実使用上は問題ないレベルである。
(7)酸化チタン[P]とバインダー樹脂[R]との配合比[P]/[R]が30/70より小さい実施例11の感光体は、L/L環境下の表面電位において初期のVLが非常に高くなり、また画像特性において初期および10万回疲労後のかぶりが実施例1〜9と比較して悪化するものの、実使用上は問題ないレベルである。
(8)酸化チタン[P]とバインダー樹脂[R]との配合比[P]/[R]が30/70より大きい実施例12の感光体は、表面電位および画像特性において特に問題はないが、塗液の保存安定性が悪く、1週間放置で沈殿が生じる。
(9)バインダー樹脂[R]がアルコール可溶性のポリアミドではなく、ブチラール樹脂である実施例13の感光体は、表面電位および画像特性において特に問題はないが、浸漬塗布による電荷発生層の形成時に、電荷発生層用塗布液の溶剤に下引き層が若干溶解し、電荷発生層の塗布膜にタレやムラが発生する。また塗布ムラに起因する画像ムラが生じる。
本発明の一実施形態である機能分離型の感光体の概略断面図である。 本発明の一実施形態である単層型の感光体の概略断面図である。 本発明の一実施形態である表面保護層を有する機能分離型の感光体の概略断面図である。 本発明の一実施形態である表面保護層を有する単層型の感光体の概略断面図である。
符号の説明
1、2、3、4 感光体
11 導電性支持体
12 電荷発生物質
13 電荷輸送物質
14、140 感光層
15 電荷発生層
16 電荷輸送層
17 バインダー樹脂C
18 下引き層
19 針状酸化チタン
20 球状酸化チタン
21 バインダー樹脂A
22 バインダー樹脂B
150 表面保護層

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、
    前記下引き層が針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]とからなる酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]を含有し、針状酸化チタン[A]と球状酸化チタン[B]との配合比(重量)[A]/[B]が60/40〜90/10であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記球状酸化チタン[B]の一次粒子径が、0.05μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記酸化チタン[P]とバインダー樹脂[R]との配合比(重量)[P]/[R]が、30/70〜95/5である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記バインダー樹脂[R]が、アルコールに可溶性のポリアミドである請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 反転現像プロセスにより画像を形成する画像形成装置に用いられる請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
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