JP2014059459A - 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】分散剤を大量に添加することなく長期間の繰り返し使用に対しても、機械的/電気的耐久性に優れ、画像濃度の低下やキズに伴う白スジや黒スジ等の異常画像が発生しない高耐久な感光体およびそれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】導電性支持体上に感光層を有する積層型電子写真感光体において、該感光体の最外層が、照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射したフッ素系樹脂粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体により、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置に関する。より詳細には、本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる、優れた耐久性を有する電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置に関する。
有機感光体は、可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いことなどの利点がある反面、機械的強度や化学的な耐久性が低く、多数枚のプリント時に感光体の静電特性の劣化や表面の傷の発生などを起こし易いという欠点を有する。
すなわち、有機感光体の表面には、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段などにより、電気的および機械的な外力が直接加えられる。また、有機感光体は様々な材料劣化の条件に曝されるため、それらに対する耐久性が要求される。
具体的には、摩擦による感光体表面の摩耗や傷の発生、コロナ帯電時に発生するオゾンなどの活性酸素、チッソ酸化物による表面の劣化に対する耐久性が要求されるが、現状の感光体では不十分である。
上記のような耐久性の問題を解決するために、フッ素樹脂微粒子を含有した感光体が提案されている(例えば特許文献1および2)。
しかしながら、これらの耐摩耗性の改良技術は、画像形成を繰り返し、多数枚の複写画像を形成すると、画像濃度の低下やキズの発生に伴う白スジや黒スジが顕著にみられ、別の課題を発生させている。
すなわち、従来のフッ素樹脂微粒子を含有する感光体では、フッ素樹脂微粒子の凝集性が非常に強いため、フッ素樹脂微粒子の粗大粒子の存在を避けることは困難であった。そのため、クリーニングブレードで摩耗すると粗大粒子部分により感光体上にスジ状のキズが入り、画像上には白スジもしくは黒スジが発生しやすくなる。また、感光体を長期に亘って使用した場合、初期的には表面に粗大粒子が出ていなくても表面層が摩耗することでフッ素微粒子の粗大粒子が表面に出てくることがあり、この場合もスジ状欠陥が発生しやすくなる。また、このような粗大粒子は、分散剤を多く含有することで減らすことが出来るが、電気特性の悪化を引き起こし、画像濃度が低下しやすくなる。特に、繰り返し使用していると顕著に画像濃度が低下しやすくなる。
特開2005−275373号公報 特開2006−184745号公報
上記特許文献1および2に記載の方法によれば、フッ素系樹脂粒子の分散により表面層の摩擦係数を低下し、耐摩耗性や耐キズ性に対する耐久性が向上することが出来ると記載されている。しかしながら、長期に亘って繰り返し使用した場合、フッ素微粒子の分散性が悪いことに起因する感光体表面のキズが発生し、白スジや黒スジの異常画像が発生しやすい。
フッ素樹脂微粒子の分散性はフッ素化グラフトポリマー等の分散剤を大量に添加することで向上されるが、その場合は繰り返し使用時に電気特性悪化に伴う画像濃度の低下を引き起こしたりする。
したがって、本発明は、分散剤を大量に添加することなく長期間の繰り返し使用に対しても、機械的/電気的耐久性に優れ、画像濃度の低下やキズに伴う白スジや黒スジ等の異常画像が発生しない高耐久な感光体およびそれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、感光体の最外層に照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射したフッ素系樹脂粒子を含有させることにより、機械的/電気的耐久性に優れ、画像濃度の低下やキズに伴う白スジや黒スジ等の異常画像の発生がない高耐久な感光体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、導電性支持体上に感光層を有する積層型電子写真感光体において、該感光体の最外層が、照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射したフッ素系樹脂粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、上記の感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段と、前記感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段を少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、長期間の繰り返し使用に対しても、画像濃度の低下やキズに伴う白スジや黒スジ等の異常画像の発生がない高耐久な感光体およびそれを備えた画像形成装置を提供することができる。すなわち、本発明によれば、耐刷性に優れ、長期の使用にわたっても電気的安定性を保持し、画像上の劣化などが発生しない、安定した感光体およびそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射したフッ素系樹脂粒子を用いることで粗大粒子の凝集を防ぐことが出来るのは、電子線を照射することでフッ素系樹脂粒子の表面が改質したためと考えられる。凝集性が改善していることから、表面に酸素原子を含む官能基が生成していると推察される。
さらに、検討を進めたところ従来のフッ素樹脂微粒子が持つ摩擦係数低下効果に伴う耐摩耗性の向上性能は維持したままであることがわかった。これは、電子線は透過力が弱いため、フッ素系樹脂粒子の表面のみを改質することが出来たためと考えられる。
一方、特許文献2には、ガンマ線照射によるフッ素樹脂微粒子の改質が提案されているが、ガンマ線は透過力が強いためフッ素樹脂微粒子の内部まで改質してしまい結晶性の低下を引き起こすことが考えられる。このため、フッ素樹脂微粒子が持つ摩擦係数低下効果をなくしてしまうため、耐摩耗性が悪化すると推察される。
本発明の感光体の要部の構成を示す模式側面図の一例である。 本発明の感光体の要部の構成を示す模式側面図の一例である。 本発明の感光体の要部の構成を示す模式側面図の一例である。 本発明の画像形成装置の要部の構成を示す模式側面図である。
本発明のフッ素系樹脂は、分子内に炭素−フッ素結合を有する熱可塑性プラスチックであり、ポリオレフィンの水素原子のすべてあるいは大部分がフッ素原子によって、あるいはフッ素原子の一部がさらに塩素原子によって置換された構造を有する。
フッ素系樹脂としては、4フッ化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシ樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂及び2フッ化2塩化エチレン樹脂並びにこれらの共重合体から選ばれる1種または2種以上の樹脂からなるのが好ましい。特に電気特性の面から4フッ化エチレン樹脂が好ましい。
本発明の感光体は、該感光体の最外層に照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射したフッ素系樹脂粒子を含有することを特徴とする。
前記最外層は、電荷輸送層または表面保護層である。
本発明の感光体は、照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射した後、含水処理をしたフッ素系樹脂粒子を用いることで、より粗大粒子の発生を抑制することが出来る。これは、電子線照射した後、フッ素系樹脂粒子表面が改質されているが水に浸けることで酸素原子を含む官能基がより発生しやすくなっているからであると推察される。
本発明の感光体は、フッ素系樹脂粒子が4フッ化エチレン微粒子であることでさらに優れた耐刷性および耐傷性を良好にすることが出来る。
本発明の感光体は、フッ素系樹脂粒子が0.2〜1.0μmの平均一次粒径であることでさらに優れた耐刷性および耐傷性を良好にすることが出来る。
本発明の感光体は、最外層中に含まれるフッ素系樹脂粒子が、最外層の全固形分に対して4.0〜25.0重量%含有されていることでより良好な耐刷性、耐傷性および電気特性を得ることが出来る。
本発明の感光体は、分散剤としてフッ素系グラフトポリマーを含有することで、よりフッ素系樹脂粒子の粗大粒子の発生を抑制することが出来る。
さらに、本発明の感光体は、最外層に含まれるフッ素系樹脂粒子が溶剤と共に高圧状態に昇圧され、高圧の液衝突により粉砕及び分散されたものであることで、より粗大粒子の発生を抑制することが出来る。
最外層が含有するフッ素系樹脂粒子は、特に限定されず、後述する実施例で用いたような市販品を用いることができる。
フッ素系樹脂粒子への電子線照射は、電子線照射装置、例えば、関西電子ビーム株式会社製の10Mev電子線照射装置を用いて行うことができ、照射線量の調整は、一定時間照射して線量計で線量を確認する操作の繰り返し(パス回数)によって行われ得る。
電子線照射線量が100kGyより少ないと粗大粒子防止効果が見られず、10000kGyより多いとフッ素系樹脂粒子の結晶性が低下し、フッ素系樹脂粒子が持つ摩擦係数低下効果をなくしてしまうため、耐摩耗性が悪化する。
フッ素系樹脂粒子の平均一次粒径は、例えば、株式会社日立製作所社製、型式:H−7100FAのような透過型電子顕微鏡(TEM)などを用いて、粒子の粒径を測定する通常の方法で観察することにより確認することができる。
具体的には、常温硬化性のエポキシ樹脂中に粒子を充分分散させた後、包埋し、硬化させて、ブロック状の試料を作製する。作製したブロックをダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用いて、厚さ80〜200nmの薄片状に切り出して測定用試料を作製する。
次いで、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて10000倍に拡大し、粒子を写真撮影し、例えば、画像処理装置(ニコレ社製、製品名:ルーゼックスF)などを用いて、撮影された100個の粒子の画像情報を演算処理して、平均一次粒径を求める。
本発明のフッ素系樹脂粒子の好ましい平均一次粒径は、耐摩耗性および耐傷性の点で0.2〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.4μmである。0.2μmより小さいと耐摩耗性に対して十分な効果が得られず、1.0μmより大きいとキズの発生に伴う白スジや黒スジが発生する場合が出てくる。
本発明の感光体は、最外層に含まれるフッ素系樹脂粒子が、最外層の全固形分に対して4.0〜25.0重量%含有されてなるのが好ましい。
フッ素系樹脂粒子の最外層の全固形分に対する含有量が4.0重量%未満であれば、耐摩耗性の向上効果が少なく、一方、25.0重量%を超えると、残留電位の上昇、書き込み光透過率の低下に伴う画像濃度の低下が大きく問題となることがある。
最外層にはフッ素系樹脂粒子の分散剤が含有されることがさらに好ましい。分散剤を含有することで、よりフッ素系樹脂粒子の粗大粒子の発生を抑制することが出来る。分散剤としては、フッ素系クシ型グラフトポリマーを含むフッ素系グラフトポリマー及びフッ素系界面活性剤が挙げられる。これらのうち、フッ素系クシ型グラフトポリマーを用いることが好ましい。
分散剤の含有量については、フッ素系樹脂粒子の質量に対する割合が、1.0〜3.0重量%であることが好ましく、1.5〜2.0重量%であるとより好ましい。含有量が1.0重量%未満では分散性向上作用が見られず、3.0重量%を超えると、感光体の感度が悪化し、特に繰り返し使用時に大きく悪化する。
フッ素系樹脂粒子を最外層塗液中に分散させるために、ペイントシェーカ、ボールミル、サンドミル、高圧衝突タイプ等の分散機を用いることができる。
特に高圧衝突タイプの分散機が凝集防止という意味で好ましい。本発明における高圧状態に昇圧し、該高圧の液衝突により粉砕及び/又は分散させる(高圧液体衝突分散法)とは、例えば、微細な流路に流体を圧送し、該微細な流路の吐出口直後の高圧液同士の衝突、及び高圧液と装置の壁面との衝突により被分散物を粉砕及び/又は分散させることである。このための手段としては、高圧ポンプとこれに配管により接続された複数の小径のオリフィスを有する治具と、該オリフィスより液が吐出される際に液同士が衝突すべく加工された治具により構成される装置を用いることができる。
このような装置としては、スギノマシン(株)のスターバースト、吉田機械興業(株)のナノヴェイタ、マイクロフルイディックスのマイクロフルイダイザーが利用できる。衝突パス回数が増えると、液衝突の発熱が蓄積しやすいことから、分散回路に冷却装置をつけるのが望ましい。本発明でいうところの高圧とは、前記高圧ポンプの吐出量、吐出圧とオリフィス径及び長さ、更には溶媒及び被分散物の粘度によりおおむね決定され、10〜300MPaを好適とする。処理の圧力が10MPaより小さくなると、液同士の衝突エネルギーが足りなく、所望する粒径まで分散できない。一方、処理の圧力が300MPaより大きくなると、液同士の衝突エネルギーが高すぎて、分散物の劣化及び分散液の爆発等のおそれがある。もっと好ましいのは50〜150MPaである。
次に、本発明の感光体の構成について具体的に説明するが、本発明は以下の説明の形態により限定されるものではない。
図1、2および3は本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1の感光体は、導電性材料からなる導電性支持体11上に中間層18が形成され、その上に電荷発生物質12を含有する電荷発生層15と、電荷輸送物質13、フッ素系樹脂粒子20、バインダ樹脂17を含有する電荷輸送層16とが導電性支持体側からこの順で積層された感光層14が形成されてなる。
図2の感光体は、導電性材料からなる導電性支持体11上に中間層18が形成され、その上に電荷発生物質12を含有する電荷発生層15と、電荷輸送物質13、バインダ樹脂17を含有する電荷輸送層16、フッ素系樹脂粒子20を含有する表面保護層150とが導電性支持体側からこの順で積層された感光層14が形成されてなる。
図3の感光体は、図2のフッ素系樹脂粒子20を含有する表面保護層150が、さらに電荷輸送物質13を含有するものである。
以下に各層の構成について説明する。
[導電性支持体11]
導電性支持体は、感光体の電極としての機能と支持部材としての機能を有し、その構成材料は、当該技術分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、チタンなどの金属材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる支持体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。これらの中でも、JIS3003系、JIS5000系およびJIS6000系などのアルミニウム合金が特に好ましい。
導電性支持体の形状は、円筒状(ドラム状)に限定されず、シート状、円柱状、無端ベルト状などであってもよい。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
乱反射処理は、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスにおいて本発明による感光体を用いる場合に特に有効である。すなわち、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体の表面で反射されたレーザ光と感光体の内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像に現れて画像欠陥の発生することがある。そこで、導電性支持体の表面に乱反射処理を施すことにより、波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
[中間層(「下引き層」ともいう)18]
本発明の感光体は、導電性支持体11と感光層14を含む積層体との間に中間層18を有するのが好ましい。
中間層は、導電性支持体から感光層への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
また、導電性支持体の表面を被覆する中間層は、導電性支持体の表面の欠陥である凹凸の度合を軽減して表面を均一化し、感光層の成膜性を高め、導電性支持体と感光層との密着性を向上させることができる。
中間層は、例えば、樹脂材料を適当な溶剤に溶解させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体の表面に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成できる。
樹脂材料としては、後述する感光層に含まれるものと同様のバインダ樹脂に加えて、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどの天然高分子材料などが挙げられ、これらの1種または2種以上を使用できる。これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂が好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂およびピペラジン系化合物を含有したポリアミド樹脂が特に好ましい。
アルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロンおよび12−ナイロンなどを共重合させた、いわゆる共重合ナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などが挙げられる。
樹脂材料を溶解または分散させる溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、メチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのグライム類、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどの塩素系溶剤、アセトン、ジオキソラン、これらの溶剤を2種以上混合した混合溶剤などが挙げられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
また、中間層用塗布液は、金属酸化物粒子を含んでいてもよい。
金属酸化物粒子は、中間層の体積抵抗値を容易に調節でき、感光層への電荷の注入をさらに抑制できると共に、各種環境下において感光体の電気特性を維持できる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化スズなどが挙げられる。
中間層用塗布液におけるバインダ樹脂と金属酸化物粒子との合計重量と溶剤の重量との比率は、1/99〜40/60が好ましく、2/98〜30/70が特に好ましい。
また、バインダ樹脂の重量と金属酸化物粒子の重量との比率は、90/10〜1/99が好ましく、70/30〜5/95が特に好ましい。
中間層用塗布液の塗布方法は、塗布液の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を適宜選択すればよく、例えば、ディップコート法、スプレー法、ノズル法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などが挙げられる。
これらの塗布方法の中でも、浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体の製造に好適に用いることができる。浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置が設けられていてもよい。
塗膜の乾燥工程における温度は、使用した有機溶剤を除去し得る温度であれば特に限定されないが、50〜140℃が適当であり、80〜130℃が特に好ましい。
乾燥温度が50℃未満では、乾燥時間が長くなることがある。また、乾燥温度が140℃を超えると、感光体の繰返し使用時の電気的特性が悪化して、得られる画像が劣化するおそれがある。
このような感光層の製造における温度条件は、中間層のみならず後述する感光層などの層形成や他の処理においても共通する。
中間層の膜厚は特に限定されないが、0.01〜20μmが好ましく、0.05〜10μmが特に好ましい。
中間層の膜厚が0.01μm未満では、中間層として実質的に機能しなくなり、導電性支持体の欠陥を被覆して均一な表面性を得ることができず、導電性支持体からの感光層への電荷の注入を防止することができなくなるおそれがある。一方、中間層の膜厚が20μmを超えると、均一な中間層を形成し難く、また感光体の感度も低下するおそれがある。
なお、導電性支持体の構成材料がアルミニウムの場合には、アルマイトを含む層(アルマイト層)を形成し、中間層とすることができる。
[電荷発生層15]
電荷発生層は、画像形成装置などにおいて半導体レーザ光などの照射された光を吸収することによって電荷を発生する機能を有し、電荷発生物質を主成分とし、必要に応じてバインダ樹脂や添加剤を含有する。
電荷発生物質としては、当該分野で用いられる化合物を使用できる。
具体的には、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料;インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料;ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料;アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料;オキソチタニウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料;スクアリリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料;ならびにセレンおよび非晶質シリコンなどの無機光導電性材料などが挙げられ、露光波長域に感度を有するものを適宜選択して用いることができる。これらの電荷発生物質は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
電荷発生層は、結着性を向上させる目的でバインダ樹脂を含有していてもよい。
バインダ樹脂としては、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂を使用でき、電荷発生物質との相溶性に優れるものが好ましい。
具体的には、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、これらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などが挙げられる。共重合体樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などが挙げられる。バインダ樹脂はこれらに限定されるものではなく、この分野において一般に用いられる樹脂をバインダ樹脂として使用することができる。これらのバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
電荷発生物質とバインダ樹脂との配合比率は、電荷発生物質の割合が10〜99重量%の範囲にあることが好ましい。電荷発生物質の割合が10重量%未満であると、感度が低下することがある。また、電荷発生物質の割合が99重量%を超えると、電荷発生層の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大し、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少して画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像のかぶりが多くなることがある。
電荷発生層は、公知の乾式法および湿式法により形成することができる。
乾式法としては、例えば、電荷発生物質を導電性支持体上に形成された中間層の表面に真空蒸着する方法が挙げられる。
湿式法としては、例えば、電荷発生物質、必要に応じてバインダ樹脂および添加剤を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷発生層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体上または導電性支持体上に形成された中間層の表面に塗布し、次いで乾燥して溶剤を除去する方法が挙げられ、生産性の点で湿式法が好ましい。
溶剤としては、例えばジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル類;1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。これらの溶剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
バインダ樹脂溶液中に電荷発生物質を分散させる前に、電荷発生物質は、予め粉砕機によって粉砕処理されていてもよい。粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などが挙げられる。
電荷発生物質をバインダ樹脂溶液中に溶解または分散させるために、ペイントシェーカ、ボールミルおよびサンドミルなどの分散機を用いることができる。このとき、容器および分散機を構成する部材から摩耗などによって不純物が発生し、塗布液中に混入しないように、分散条件を適宜設定するのが好ましい。
その他の工程やその条件は、中間層の形成に準ずる。
電荷発生層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.1〜1μmである。
電荷発生層の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体の感度が低下するおそれがある。また、電荷発生層の膜厚が5μmを超える場合には、電荷発生層内部での電荷移動が感光層表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体の感度が低下するおそれがある。
[電荷輸送層16]
電荷輸送層は、電荷発生物質で発生した電荷を受入れ感光体表面まで輸送する機能を有し、電荷輸送物質およびバインダ樹脂、必要に応じて添加剤を含有する。
電荷輸送物質13としては、当該分野で用いられる化合物を使用できる。
具体的には、カルバゾール誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、エナミン誘導体、ベンジジン誘導体、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマー(ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリ−9−ビニルアントラセンなど)、ポリシランなどが挙げられる。これらの電荷輸送物質は1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
電荷輸送層に用いられるバインダ樹脂としては、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂を使用でき、電荷発生物質との相溶性に優れるものが好ましい。
具体的には、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体樹脂およびそれらの共重合体樹脂、ならびにポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂などの樹脂、これらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらのバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
電荷輸送物質とバインダ樹脂との重量比率は、好ましくは10/12〜10/30で用いられる。
この比率が10/30未満でありバインダ樹脂の比率が高くなると、浸漬塗布法によって電荷輸送層を形成する場合、塗布液の粘度が増大するので、塗布速度低下を招き生産性が著しく悪くなる。また塗布液の粘度の増大を抑えるために塗布液中の溶剤の量を多くすると、ブラッシング現象が発生し、形成された電荷輸送層に白濁が発生することがある。
一方、上記の比率が10/12を超えてバインダ樹脂の比率が低くなると、バインダ樹脂の比率が高いときに比べて耐刷性が低くなり、感光層の摩耗量が増加することがある。
電荷輸送層は、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させるために、必要に応じて、可塑剤またはレベリング剤などの添加剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
電荷輸送層は、電荷発生層と同様に、電荷輸送物質およびバインダ樹脂、必要に応じて添加剤を適当な有機溶剤中に溶解または分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体上に形成された電荷発生層の表面に塗布し、次いで乾燥して溶剤を除去する湿式法により形成することができる。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、THF、ジオキサンおよびジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。また必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶剤をさらに加えて使用することもできる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。これらの溶剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
電荷輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μmである。
電荷輸送層の膜厚が5μm未満であると、感光体表面の帯電保持能が低下することがある。また、電荷輸送層の膜厚が50μmを超えると、感光体の解像度が低下することがある。
[表面保護層]
図2および図3は、本発明による電子写真感光体のさらに他の例である構成を簡略化して示す概略断面図である。
図2および図3に示す感光体は、図1に示す電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
前記のように、図2および図3の電子写真感光体で注目すべきは、図1の感光体1の電荷輸送層16上に最外層として表面保護層150が設けられていることである。
該表面保護層は、上述のフッ素系樹脂粒子と任意に上述の電荷輸送物質とを含有することを特徴とする。
表面保護層150に使用されるバインダ樹脂としてはポリスチレン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂が有効に使用される。摩耗特性、電気的特性を考慮した場合、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。これらのバインダは、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、電気特性安定化のために、表面保護層に電荷輸送層と同一の電荷輸送物質を含有してもよい。
表面保護層150の膜厚は0.1〜10μm程度が適当である。さらに1.0〜8.0μmの範囲であることが好ましい。長期的に繰り返し使用される感光体は、機械的に耐久性が高く、摩耗しにくいものとする。しかし実機内では、帯電部材などから、オゾン及びNOxガスなどが発生し、感光体の表面に付着する。これらの付着物が存在すると、画像流れが発生する。この画像流れを防止するためには、感光層をある一定速度以上に摩耗する必要がある。そのためには、長期的な繰り返し使用を考慮した場合、表面保護層は少なくとも1.0μm以上の膜厚であることが好ましい。また表面保護層の膜厚が10μmよりも大きい場合は、残留電位上昇が発生する。
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、本発明の感光体と、感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段と、感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段と、感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段を少なくとも備えたことを特徴とする。
図面を用いて本発明の画像形成装置およびその動作について説明するが、以下の記載内容に限定されるものではない。
図4は、本発明の画像形成装置の要部の構成を示す模式側面図である。
図4の画像形成装置(レーザプリンタ)100は、本発明の感光体1と、露光手段(半導体レーザ)31と、帯電手段(帯電器)32と、現像手段(現像器)33と、転写手段(転写帯電器)34と、搬送ベルト(図示せず)と、定着手段(定着器)35、クリーニング手段(クリーナ)36とを含んで構成される。符号51は記録媒体(記録紙または転写紙)を示す。
感光体1は、図示しない画像形成装置100本体に回転自在に支持され、図示しない駆動手段によって回転軸線44回りに矢符41方向に回転駆動される。駆動手段は、例えば電動機と減速歯車とを含んで構成され、その駆動力を感光体1の芯体を構成する導電性支持体に伝えることによって、感光体1を所定の周速度で回転駆動させる。帯電手段(帯電器)32、露光手段(半導体レーザ)31、現像手段(現像器)33、転写手段(転写帯電器)34およびクリーニング手段(クリーナ)36は、この順序で、感光体1の外周面に沿って、矢符41で示される感光体1の回転方向上流側から下流側に向って設けられる。
帯電器32は、感光体1の外周面を均一に所定の電位に帯電させる帯電手段である。帯電器としては、非接触帯電方式としては例えばコロナ帯電方式、接触帯電方式としては帯電ローラーもしくは帯電ブラシによる方式が挙げられる。
露光手段31は、例えば、半導体レーザもしくはLEDを光源として備え、光源から出力される光を、帯電器32と現像器33との間の感光体1の表面に照射することによって、帯電された感光体1の外周面に対して画像情報に応じた露光を施す。光は、主走査方向である感光体1の回転軸線44の延びる方向に繰返し走査され、これらが結像して感光体1の表面に静電潜像が順次形成される。すなわち、帯電器32により均一に帯電された感光体1の帯電量が光の照射および非照射によって差異が生じて静電潜像が形成される。
現像器33は、露光によって感光体1の表面に形成される静電潜像を、現像剤(トナー)によって現像する現像手段であり、感光体1を臨んで設けられ、感光体1の外周面にトナーを供給する現像ローラ33aと、現像ローラ33aを感光体1の回転軸線44と平行な回転軸線まわりに回転可能に支持すると共にその内部空間にトナーを含む現像剤を収容するケーシング33bとを備える。
転写帯電器34は、現像によって感光体1の外周面に形成される可視像であるトナー像を、図示しない搬送手段によって矢符42方向から感光体1と転写帯電器34との間に供給される記録媒体である転写紙51上に転写させる転写手段である。転写帯電器34は、例えば、帯電手段を備え、転写紙51にトナーと逆極性の電荷を与えることによってトナー像を転写紙51上に転写させる接触式の転写手段である。
クリーナ36は、転写帯電器34による転写動作後に感光体1の外周面に残留するトナーを除去し回収する清掃手段であり、積層型感光体1の外周面に残留するトナーを剥離させるクリーニングブレード36aと、クリーニングブレード36aによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシング36bとを備える。また、このクリーナ36は、図示しない除電ランプと共に設けられる。
また、画像形成装置100には、感光体1と転写帯電器34との間を通過した転写紙51が搬送される下流側に、転写された画像を定着させる定着手段である定着器35が設けられる。定着器35は、図示しない加熱手段を有する加熱ローラ35aと、加熱ローラ35aに対向して設けられ、加熱ローラ35aに押圧されて当接部を形成する加圧ローラ35bとを備える。
また、符号37は転写紙と感光体を分離する分離手段、38は画像形成装置の各手段を収容するケーシング(ハウジング)を示す。
この画像形成装置100による画像形成動作は、次のようにして行われる。
まず、感光体1が駆動手段によって矢符41方向に回転駆動されると、露光手段31による光の結像点よりも感光体1の回転方向上流側に設けられる帯電器32によって、感光体1の表面が正の所定電位に均一に帯電される。
次いで、露光手段31から、感光体1の表面に対して画像情報に応じた光が照射される。感光体1は、この露光によって、光が照射された部分の表面電荷が除去され、光が照射された部分の表面電位と光が照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、静電潜像が形成される。
露光手段31による光の結像点よりも感光体1の回転方向下流側に設けられる現像器33から、静電潜像の形成された感光体1の表面にトナーが供給されて静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
感光体1に対する露光と同期して、感光体1と転写帯電器34との間に、転写紙51が供給される。転写帯電器34によって、供給された転写紙51にトナーと逆極性の電荷が与えられ、感光体1の表面に形成されたトナー像が、転写紙51上に転写される。
トナー像の転写された転写紙51は、搬送手段によって定着器35に搬送され、定着器35の加熱ローラ35aと加圧ローラ35bとの当接部を通過する際に加熱および加圧され、トナー像が転写紙51に定着されて堅牢な画像となる。このようにして画像が形成された転写紙51は、搬送手段によって画像形成装置100の外部へ排紙される。
一方、転写帯電器34によるトナー像の転写後も感光体1の表面上に残留するトナーは、クリーナ36によって積層型感光体1の表面から剥離されて回収される。その後、感光体1はさらに回転駆動され、再度帯電から始まる一連の動作が繰返されて連続的に画像が形成される。
以下に実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
電子線照射
関西電子ビーム株式会社製の10Mev電子線照射装置を用いて、ポリエチレン製500ml広角規格瓶にフッ素系樹脂粒子100gを線量計と共に入れ、前記装置にて照射する。照射線量の調整は、一定時間照射して線量計で線量を確認する操作の繰り返し(パス回数)によって行われ得る。なお、照射後、容器内にはフッ化水素ガスが発生しているため、注意してガスを抜く必要がある。
実施例1
酸化チタン(昭和電工株式会社製、商品名:TS−043)3重量部および共重合ポリアミド(ナイロン)(アルケマ株式会社製、商品名:M1276)2重量部を、メチルアルコール25重量部に加え、ペイントシェーカにて8時間分散処理して中間層用塗布液3リットルを調製した。
得られた中間層用塗布液を、導電性支持体として直径30mm、長さ357mmのアルミニウム製のドラム状支持体を浸漬した後引き上げ、得られた塗膜を自然乾燥させて、導電性支持体上に膜厚1μmの中間層を形成した。
予め、次のようにして電荷発生物質として使用する、下記構造式で示されるオキソチタニルフタロシアニンを得た。
ジイミノイソインドリン29.2gおよびスルホラン200mlを混合し、さらにチタニウムテトライソプロポキシド17.0gを加え、窒素雰囲気下、140℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を放冷した後、析出物を濾取し、クロロホルムおよび2%の塩酸水溶液で順次洗浄し、さらに水およびメタノールで順次洗浄し、乾燥させて青紫色の結晶物25.5gを得た。
得られた化合物の化学分析の結果、上記構造式で示されるオキソチタニルフタロシアニンであることを確認した(収率88.5%)。
得られたチタニルフタロシアニン1重量部およびブチラール樹脂(電気化学工業株式会社製、商品名:BM−2)1重量部を、メチルエチルケトン98重量部に加え、ペイントシェーカにて2時間分散処理して電荷発生層用塗布液3リットルを調製した。
得られた電荷発生層用塗布液を、中間層形成の場合と同様の浸漬法で、中間層上に塗布し、得られた塗膜を自然乾燥させて、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
次いで、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)55g、電荷輸送物質としての下記構造式で表されるトリフェニルアミン系化合物(TPD)(東京化成工業株式会社製、商品名:D2448)200g、Z型ポリカーボネート(帝人化成株式会社製、商品名:TS2050)300g、テトラヒドロフラン2400gに加え、混合し、ボールミルにて15時間攪拌処理を行った。得られた混合物を、粒子分散装置(マイクロフルイディックス社製、型式:M−110P)を用いて、1Pass分散処理して電荷輸送層用塗布液2.9gを調製した。
得られた電荷輸送層用塗布液を、中間層形成の場合と同様の浸漬法で、電荷発生層上に塗布し、得られた塗膜を130℃で1時間乾燥させて、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、図1に示す感光体を得た。
実施例2
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)に代えて、1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.2μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−5)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例3
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)に代えて、1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、三井・デュポンフロロケミカル製 商品名:TPL10F−1)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例4
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)に代えて、1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理したPFA微粒子(平均1次粒径:0.3μm、三井・デュポンフロロケミカル製 商品名:MPE−056)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例5
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)に代えて、照射線量100kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例6
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)に代えて、10000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例7
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)に代えて、10000kGyで電子線照射した後、純水に浸漬していない4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例8
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)55gを27.5gに代えたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例9
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)55gを110gに代えたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例10
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)55gを22gに代えたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例11
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)55gを137gに代えたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例12
電荷輸送層用塗布液の調製において、分散剤としてフッ素系クシ型グラフトポリマー(東亜合成製:GF400)を1.1g添加したこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例13
電荷輸送層用塗布液の調製において、電荷輸送物質としてのトリフェニルアミン系化合物(TPD)(東京化成工業株式会社製、商品名:D2448)を下記構造式のトリフェニルアミン系化合物(TPD)(高砂香料工業製)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例14
電荷輸送層用塗布液の調製において、電荷輸送物質としてのトリフェニルアミン系化合物(TPD)(東京化成工業株式会社製、商品名:D2448)を下記構造式のスチルベン化合物(高砂香料工業製)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例15
電荷輸送層用塗布液の調製において、Z型ポリカーボネート(帝人化成株式会社製、商品名:TS2050)を特殊ポリカーボネート(出光興産株式会社製、商品名:SH500)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例16
実施例1と同様に、中間層および電荷発生層を357mmのアルミニウム製のドラム状支持体を浸漬して形成した。次いで、電荷輸送物質として上述のトリフェニルアミン系化合物(TPD)(東京化成工業株式会社製、商品名:D2448)100g、ポリカーボネート樹脂(TS2050:帝人化成社製)150g、シリコンオイルSH200(東レ・ダウコーニング社製)0.02gを混合し、テトラヒドロフラン1050gを溶剤として電荷輸送層形成用塗工液を調製した。この電荷輸送層形成用塗工液を浸漬法で、先に設けた電荷発生層表面に塗布し、120℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次いで照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)88g、電荷輸送物質としての上述のトリフェニルアミン系化合物(TPD)(東京化成工業株式会社製、商品名:D2448)150g、Z型ポリカーボネート(帝人化成株式会社製、商品名:TS2050)350g、テトラヒドロフラン2400gに加え、混合し、ボールミルにて15時間攪拌処理を行った。得られた混合物を、粒子分散装置(マイクロフルイディックス社製、型式:M−110P)を用いて、1Pass分散処理して表面保護層用塗布液2.9gを調製した。
得られた表面保護層用塗布液を、中間層形成の場合と同様の浸漬法で、電荷輸送層上に塗布し、得られた塗膜を130℃で1時間乾燥させて、膜厚5μmの表面保護層を形成した。
比較例1
電荷輸送層用塗布液の調製において、電子線照射、純水への浸漬および熱処理をしていない4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
比較例2
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)に代えて、照射線量50kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
比較例3
電荷輸送層用塗布液の調製において、照射線量1000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)に代えて、照射線量20000kGyで電子線照射した後、純水に15分浸漬し、その後100℃で1時間熱処理した4フッ化エチレン微粒子(平均1次粒径:0.3μm、ダイキン工業製商品名:ルブロンL−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
[評価]
作製した実施例1〜16および比較例1〜3の各感光体を、試験用に改造したデジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−5111FN)の黒色用ユニットに装着し、30万枚画像形成することにより、以下のようにして、耐刷性、電気特性(感度)、キズに伴うスジ状不良を評価した。
[耐刷性]
デジタル複合機に備わるクリーニング器のクリーニングブレードが、感光体に接する圧力、いわゆるクリーニングブレード圧を21gf/cm(2.06×10-1N/cm:初期線圧)に調整した。N/N環境下で、文字テストチャート(ISO19752)を記録紙30万枚に印刷することで、耐刷試験を行なった。
耐刷試験開始時と3万枚画像形成後の感光層の厚みを、膜厚測定装置(フィルメトリックス社製、型式:F−20−EXR)を用いて測定した。
耐刷試験開始時の膜厚と30万枚画像形成後の膜厚との差から、感光体ドラム10万回転あたりの削れ量を求め、得られた削れ量から下記の基準で耐刷性を評価した。
なお、削れ量が多い程、耐刷性が悪いと評価した。
<判定基準>
A:削れ量<0.6μm/10万回転
B:0.6μm/10万回転≦削れ量<0.9μm/10万回転
C:0.9μm/10万回転≦削れ量
[電気特性評価]
試験用のデジタル複写機から現像器を取り外し、代わりに現像部位に表面電位計(トレック・ジャパン社製、型式:model 344)を取り付けた。この複写機を用いて、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−600Vに調整した。その状態でレーザ光により露光(0.4μJ/cm2)を施した場合の感光体の表面電位を露光電位VL(V)として測定した。
得られたVLから下記の基準で感度を評価した。この露光電位VLの絶対値が小さい程、高感度であると評価した。
<判定基準>
A:|VL|<100(V)
B:100(V)≦|VL|<130(V)
C:130(V)≦|VL|
[スジ状不良]
耐刷試験後の感光体のスジ状不良発生レベルを確認するために、30万枚画像形成後の感光体をデジタル複写機にセットし、A4用紙にハーフトーン画像を5枚出力しスジの発生度合いを以下の評価基準に基づいて評価した。
A:問題なし。
B:うっすら白スジ、黒スジが見られる(実使用では問題なし)。
C:白スジ、黒スジが見られる(実使用上問題あり)。
以上の評価結果を表2に示す。
表2の結果から、次のことがわかる。
(1)最外層に照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射したフッ素系樹脂粒子を含有する感光体(実施例1〜16)は、電子線を照射していないフッ素系樹脂微粒子を含有する感光体(比較例1)よりも、電気特性、耐刷性およびスジ状不良の全てが良好であることがわかる。
(2)電子線を照射していないフッ素樹脂微粒子を含有する感光体(比較例1)は、感光体上にキズによるスジ状不良が問題となることがわかる。
(3)電子線の照射線量が100kGy〜10000kGyにないフッ素系樹脂微粒子を含有した場合(比較例2および3)、耐刷性とスジ状不良の両立が出来ないことがわかる。
(4)最外層に照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射した後、含水処理しないフッ素系樹脂粒子を含有する感光体(実施例7)は、含水処理したものに比べスジ状不良が発生しやすいことがわかる。
(5)フッ素系樹脂粒子の含有量が最外層の全固形分に対して4.0〜25.0重量%であれば(実施例1〜16)、電気特性、耐刷性およびスジ状不良が高レベルであることがわかる。
(6)表面層の電荷輸送材料種やバインダ種によらず(実施例13〜15)、照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射したフッ素系樹脂粒子を含有することは、電気特性、耐刷性およびスジ状不良に対して有用な手段であることがわかる。
1、2、3 電子写真感光体
11 導電性支持体
12 電荷発生物質
13 電荷輸送物質
14 感光層(積層型感光層)
15 電荷発生層
16 電荷輸送層
17 バインダ樹脂(結着樹脂)
18 中間層(下引き層)
20 フッ素系樹脂粒子
31 露光手段(半導体レーザ)
32 帯電手段(コロナ帯電器)
33 現像手段(現像器)
33a 現像ローラ
33b ケーシング
34 転写手段(転写帯電器)
35 定着手段(定着器)
35a 加熱ローラ
35b 加圧ローラ
36 クリーニング手段(クリーナ)
36a クリーニングブレード
36b 回収用ケーシング
37 分離手段
38 ケーシング(ハウジング)
41、42 矢符
44 回転軸線
51 記録媒体(記録紙または転写紙)
100 画像形成装置(レーザプリンタ)
150 表面保護層

Claims (9)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する積層型電子写真感光体において、該感光体の最外層が、照射線量100kGy〜10000kGyの電子線で照射したフッ素系樹脂粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記最外層が電荷輸送層または表面保護層である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記フッ素系樹脂粒子が4フッ化エチレン微粒子である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記フッ素系樹脂粒子が平均一次粒径0.2〜1.0μmを有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記フッ素系樹脂粒子が、最外層の全固形分に対して4.0〜25.0重量%含有されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記最外層が、分散剤としてフッ素系グラフトポリマーを含有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 前記フッ素系樹脂粒子が溶剤と共に高圧状態に昇圧され、高圧の液衝突により粉砕及び分散されたものである請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  8. 前記フッ素系樹脂粒子が、照射線量100kGy〜10000kGyの電子線照射した後、含水処理をしたものである請求項1〜7のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段と、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段を少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置。
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