JP6391400B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、電子写真装置は、高い印刷画質の印刷物を大量に生産することが求められている。そこで、電子写真装置において繰り返し使用される電子写真感光体には、耐摩耗性に優れる表面層が求められる。
特許文献1には、電子写真感光体の表面層に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質を重合させて得られる重合物を含有させて、電子写真感光体の耐摩耗性を向上させる技術が開示されている。
一方、電子写真感光体の耐摩耗性が高くなるのに伴い、電子写真感光体の表面がリフレッシュされづらくなるため、繰り返し使用により放電生成物が電子写真感光体の表面に残りやすくなる。結果、高湿環境下において画像流れと呼ばれる画像欠陥の対策が求められる。
特許文献2には、電子写真感光体の表面層に特定のウレア化合物を重合させて得られる重合物を含有させて、電子写真感光体の画像流れ発生を抑制する技術が開示されている。
特開2000−066425号公報 特開2013−008013号公報
しかしながら、特許文献2で開示されている表面層であっても、電子写真プロセスによっては十分満足できるものではない場合があった。
したがって、本発明の目的は、画像流れが良好な電子写真感光体、およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、電子写真感光体の表面層に特許文献2で開示される化合物とは異なる特定のウレア化合物を重合させて得られる重合物を含有させることで、画像流れがより抑制できることを見出した。
本発明は、支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物、および連鎖重合性官能基を有するウレア化合物を含む組成物の重合物を含有し、該連鎖重合性官能基を有するウレア化合物が下記式(1)〜(3)のいずれかで示されるウレア化合物であることを特徴とする電子写真感光体である。
(式(1)〜(3)中、D11、D12、D21〜D26、およびD31〜D36は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンジル基、あるいは無置換のアルキル基を示す。D11およびD12の少なくとも1つ、並びにD21〜D26の少なくとも1つは置換もしくは無置換のベンジル基である。Ar11、Ar12、Ar21、Ar24、Ar31、およびAr32は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示す。Ar22およびAr23は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。Ar11およびAr12の少なくとも1つ、Ar21〜Ar24の少なくとも1つ、並びにAr31およびAr32の少なくとも1つは、下記式(4)で示される基を有する。Eは置換もしくは無置換の下記式(5)で示される基を示し、Rは、水素原子もしくはメチル基を示す。m、m、nはそれぞれ独立に0以上の整数を示し、m、mが2以上の整数の場合、カッコ内で示される構造は同一でも異なっていてもよい。)
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また、本発明は、前記電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、前記組成物を含有する表面層用塗布液を用いて塗膜を形成する工程、および、該塗膜に含有される前記組成物を重合させることによって表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
また、本発明は、前記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、前記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、画像流れが良好な電子写真感光体およびその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、そのような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明の電子写真感光体は、上記のとおり、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体である。そして、該電子写真感光体が、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物、および連鎖重合性官能基を有するウレア化合物を含む組成物を重合させて得られる重合物を含有する表面層を有し、該ウレア化合物が上記式(1)〜(3)のいずれかで示されるウレア化合物であることを特徴とする。なお、上記組成物に含まれる式(1)〜(3)で示されるウレア化合物は、1種類のみでもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
上記式(1)〜(3)中、D11、D12、D21〜D26、およびD31〜D36は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンジル基、あるいは無置換のアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ドデシル基等が挙げられる。そして、D11もしくはD12の少なくとも1つ、D21〜D26の少なくとも1つは置換もしくは無置換のベンジル基である。D11、D12、D21〜D26、D31〜D36は置換もしくは無置換のベンジル基であることが本発明の効果の点で好ましい。
上記式(1)〜(3)中、Ar11およびAr12、Ar21、Ar24、Ar31、Ar32は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基である。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基等が挙げられる。
上記式(2)中、Ar22およびAr23は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリーレン基である。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
上記式(3)中、Eは置換もしくは無置換の上記式(5)で示される基である。
本発明の効果の点で、上記式(1)〜(3)中、上記式(3)で示される構造であることが好ましい。
上記式(1)〜(3)中、Ar11もしくはAr12の少なくとも1つ、Ar21〜Ar24の少なくとも1つ、Ar31もしくはAr32の少なくとも1つは上記式(4)で示される基を有する。Ar11あるいはAr12のどちらか1つのみ、Ar21〜Ar24のいずれか1つのみ、Ar31あるいはAr32のどちらか1つのみが上記式(4)で示される基を有することが本発明の効果の点で好ましい。
11、D12、D21〜D26、D31〜D36、Ar11、Ar12、Ar21〜Ar24、Ar31、Ar32、および上記式(5)で示される基が有してもよい置換基としては、式(4)で示される基、アルキル基、ハロゲン原子置換アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、または、ハロゲン原子などが挙げられる。
式(4)中、Rは水素原子もしくはメチル基を示す。
上記式(2)および(3)中、m、m、nはそれぞれ0以上の整数を示し、mもしくはmが2以上の整数の場合、カッコ内で示される構造は同一でも異なって繰り返してもよい。mあるいはmが1以上2以下の整数であることが本発明の点で好ましい。また、nは1以上4以下の整数であることが好ましい。
ここで、本発明において、連鎖重合性官能基とは連鎖重合が可能な官能基を意味し、連鎖重合とは高分子物の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を指す。上記式(1)〜(3)で示されるウレア化合物において、式(4)で示される基が連鎖重合性官能基である。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、高い耐摩耗性を有し、画像流れが良好である。特に画像流れが良好である理由について、本発明者らは以下のように推測している。
特許文献2で開示されているとおり、従来のようなウレア化合物は、ウレア部位に隣接するアリール基が、放電プロセスで生成する硝酸などと比較的短寿命のイオン対を形成しやすいため、流れ抑制効果が得られることが知られている。本発明のウレア化合物は、上記のようにウレア部位に隣接するアリール基を有し、かつ、ベンジル基を有する特徴がある。このベンジル基はベンジルラジカルのような安定なラジカルを形成できるため、放電プロセスにより発生したオゾンのような画像流れを誘発するラジカル成分に作用し、オゾンを失活させることができる。したがって、従来のウレア化合物に対してより高い流れ抑制効果が得られるのではないかと推測している。
ベンジル基を多数有している点で、上記式(1)〜(3)中、D11、D12、D21〜D26、およびD31〜D36は置換もしくは無置換のベンジル基であることが本発明の効果の点で好ましい。
また、ベンジルラジカルを生成できる上記式(5)で示される基を有する点で、上記式(1)〜(3)中、上記式(3)で示されるウレア化合物であることが本発明の効果の点で好ましい。
ベンジル基を多数有している点で、上記式(2)〜(3)中、mあるいはmが1以上の整数であることが本発明の効果の点で好ましい。
重合物中でウレア化合物がある程度自由に配向できる点で、上記式(1)〜(3)中、Ar11あるいはAr12のどちらか1つのみ、Ar21〜Ar24のいずれか1つのみ、Ar31あるいはAr32のどちらか1つのみが上記式(4)で示される基を有することが本発明の効果の点で好ましい。
以下に、本発明の上記式(1)〜(3)で示されるウレア化合物の具体例(例示化合物)を挙げるが、本発明は、これらに限定されるわけではない。
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上記組成物に含まれる連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物の連鎖重合性官能基としては、例えば、式(4)で示される基等が挙げられる。また、電荷輸送性化合物としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物等が挙げられる。
本発明の電子写真感光体は、例えば、支持体、および該支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層、および該電荷輸送層上に形成された保護層を有する電子写真感光体である。この構成の場合は、電荷発生層と電荷輸送層と保護層とで感光層を構成し、保護層が表面層である。また、保護層を設けない場合は、電荷発生層と電荷輸送層とで感光層を構成し、電荷輸送層が表面層である。上述したように、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物と式(1)〜(3)で示されるウレア化合物とを含む組成物の重合物は、表面層に含有させる。以下、保護層を有し該保護層が表面層である電子写真感光体を例に、本発明の電子写真感光体をさらに説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図1中、101は支持体であり、102は電荷発生層であり、103は電荷輸送層であり、104は保護層である。
また、本発明においては、必要に応じて、支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層、保護層)との間に、後述の導電層や下引き層を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属(合金)製の支持体が挙げられる。アルミニウムまたはアルミニウム合金製の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨、湿式または乾式ホーニング処理した管を支持体として用いることもできる。また、金属製支持体、樹脂製支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などの導電材料の薄膜を形成したものも、支持体として用いることができる。
支持体の表面は、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を樹脂などに含浸させてなる支持体や、導電性樹脂製の支持体を用いることもできる。
支持体と感光層または後述の下引き層との間には、導電性粒子および結着樹脂を有する導電層を設けてもよい。
導電層は、導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる導電層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
導電層に用いられる導電性粒子としては、例えば、カーボンブラックや、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属の粒子や、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、ITOなどの金属酸化物の粒子などが挙げられる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネートなどが挙げられる。
導電層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
支持体または導電層と感光層との間には、下引き層を設けてもよい。
下引き層は、樹脂を含有する下引き層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥または硬化させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどが挙げられる。
下引き層には、上述の導電性粒子、半導電性粒子、電子輸送物質、電子受容性物質を含有させることもできる。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましく、0.1μm以上20μm以下であることがより好ましい。
支持体、導電層または下引き層上には、感光層(電荷発生層、電荷輸送層、保護層)が形成される。
本発明の電子写真感光体における電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜であってもよい。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、キノシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、ガリウムフタロシアニンが好ましい。さらには、高感度の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましく、その中でも、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。これらの樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合または共重合体として2種以上を併用してもよい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との割合は、電荷発生物質1質量部に対して、結着樹脂が0.3質量部以上4質量部以下であることが好ましい。
また、分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、必要に応じて、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを添加することもできる。
本発明の電子写真感光体における電荷輸送層は、電荷輸送性化合物および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送性化合物としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物などが挙げられる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらの樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合または共重合体として2種以上を併用してもよい。
電荷輸送性化合物の割合は、電荷輸送層の全質量に対して、電荷輸送性化合物が30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層には、必要に応じて、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを添加することもできる。
本発明の電子写真感光体における保護層は、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物、および上記式(1)〜(3)のいずれかで示されるウレア化合物を含む組成物を溶剤に溶解させることによって得られる保護層用塗布液(請求項の「表面層用塗布液」に相当する)を用いて塗膜を形成し、該組成物を重合させて3次元架橋物を得て形成することができる。該組成物中の上記式(1)〜(3)で示されるウレア化合物の割合は、組成物の全質量に対して、上記式(1)〜(3)で示されるウレア化合物が1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
保護層用塗布液に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−メトキシー2−プロパノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
保護層の膜厚は、2μm以上20μm以下であることが好ましい。
保護層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの劣化防止剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子やフッ化カーボンなどの潤滑剤、重合反応開始剤や重合反応停止剤などの重合制御剤、シリコーンオイルなどのレベリング剤、界面活性剤などが挙げられる。
本発明において、該組成物の重合は、熱、紫外線などの光、または、電子線などの放射線を用いて行うことができる。これらの中でも、放射線を用いた重合が好ましく、放射線の中でも電子線を用いた重合がより好ましい。
保護層の表面は、各種方法を用いて表面加工を施し、任意の形状を形成してもよい。
電子線を用いて重合させると、非常に緻密(高密度)な3次元架橋構造が得られ、高い耐久性を有する保護層が得られる。また、短時間でかつ効率的な重合反応となるため、生産性も高くなる。電子線を照射する場合、加速器としては、例えば、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型、ラミナー型などが挙げられる。
電子線を用いる場合、電子線の加速電圧は、重合効率を損なわずに電子線による材料特性劣化を抑制できる観点から、120kV以下であることが好ましい。また、保護層用塗布液の塗膜の表面での電子線吸収線量は、5kGy以上50kGy以下であることが好ましく、1kGy以上10kGy以下であることがより好ましい。
また、電子線を用いて該組成物を重合させる場合、酸素による重合阻害作用を抑制する目的で、不活性ガス雰囲気で電子線を照射した後、不活性ガス雰囲気で加熱することが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。
上記各層の塗布液を塗布する際は、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図2に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1は円筒状(ドラム状)の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)3により、その表面(周面)が正または負に帯電される。次いで、電子写真感光体1の表面には、露光手段(像露光手段)(不図示)から出力される露光光(像露光光)4が照射される。露光光4は、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調される。露光手段としては、スリット露光やレーザービーム走査露光などが挙げられる。こうして電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、トナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により転写材7に転写される。ここで、転写材7が紙である場合、給紙部(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写手段は、一次転写部材、中間転写体および二次転写部材を有する中間転写方式の転写手段であってもよい。
トナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離され、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によってクリーニングされ、転写残トナーなどの付着物が除去される。転写残トナーは、現像手段などで回収することもできる。さらに、必要に応じて、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10の照射により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などから選択される構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとしてもよい。また、プロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在とする構成であってもよい。例えば、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〈実施例1〉
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.64部、下記式(A)で示される化合物0.8部(東京化成工業(株)製)を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−102、積水化成品工業(株)社製、平均一次粒径2.5μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、この塗膜を40分間160℃で加熱乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
Figure 0006391400
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)11部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン130部を混合し、これに直径1mmのガラスビーズ500部を加えて、18℃の冷却水で冷却しつつ、1800rpmの条件で2時間分散処理した。分散処理後、酢酸エチル300部およびシクロヘキサノン160部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。なお、調製した電荷発生層用塗布液中のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径(メジアン)を、液相沈降法を原理とした遠心式粒度測定装置(商品名:CAPA700、(株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、0.18μmであった。
次に、下記式(B)で示される電荷輸送性化合物2部、下記式(C)で示される電荷輸送性化合物7部、下記式(D)で示される電荷輸送性化合物1部、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)10部、および下記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.002部を、モノクロロベンゼン70部およびジメトキシメタン30部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0006391400
次に、下記式(F)で示される連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物90部、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物10部、およびシロキサン変性アクリル化合物3.5部(BYK−3550、ビックケミー・ジャパン(株)製)を、n−プロパノール100部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)100部、4−メトキシフェノール(東京化成工業(株)製)0.01部を加えることによって、保護層用塗布液を調製した。この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を50℃で5分間加熱処理した。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量50000Gyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が130℃になる条件で25秒間加熱処理した。なお、電子線の照射から25秒間の加熱処理までの酸素濃度は18ppmであった。次に、大気中において、塗膜が115℃になる条件で12分間加熱処理することによって、膜厚が5μmの保護層を形成した。
このようにして、支持体、導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有する電子写真感光体を製造した。
Figure 0006391400
〈実施例2〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を例示化合物(2−5)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例3〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を例示化合物(1−9)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例4〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を例示化合物(3−6)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例5〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を例示化合物(3−7)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例6〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を例示化合物(2−7)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例7〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を例示化合物(3−8)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例8〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を例示化合物(3−4)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例9〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を例示化合物(3−3)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例10〉
実施例1において、上記式(F)で示される連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を下記式(G)で示される連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物に変更し、かつ、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を例示化合物(3−9)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006391400
〈実施例11〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物10部を、例示化合物(1−9)で示されるウレア化合物5部および例示化合物(3−6)で示されるウレア化合物5部に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈比較例1〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈比較例2〉
実施例1において、例示化合物(2−9)で示されるウレア化合物を下記式(H)で示されるウレア化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006391400
(評価)
実施例1〜11および比較例1〜2で製造した電子写真感光体の評価方法については、以下の通りである。
(画像流れの評価)
評価装置として、電子写真装置であるキヤノン(株)製の複写機iR AVD C5051(商品名)改造機を用いた。iR AVD C5051は、帯電手段として帯電ローラーを有している。改造点としては、複写機の外部から帯電ローラーに電力が供給できるように改造した。
帯電ローラー用の電力を複写機の外部から供給するための電源としては、高圧電源コントロールシステム(Model615−3、トレック社製)を用いた。そして、定電圧制御で放電電流量:100μAになるように帯電ローラーに印加する交流成分のピーク間電圧および周波数を設定した。さらに、電子写真感光体の初期暗部電位(Vd)が約−650[V]、初期明部電位(Vl)が約−200[V]になるように、帯電ローラーに印加する直流成分の電圧と、露光装置の露光光量の条件を設定した。今回の評価中は一貫して環境ヒーターへの給電はOFFの状態とした。
各例で製造した電子写真感光体をプロセスカートリッジに装着し、これを上記評価装置に装着した後、温度30℃、湿度80%RHの環境下で、画像比率3%の画像をA4縦サイズ紙にて10000枚出力した。10000枚の画像出力後、評価装置への給電を停止し、1日休止させた。1日休止後に再び評価装置に給電を開始し、A4縦サイズ紙にて、格子画像(4L40S)およびアルファベットのEの文字(フォント種:Times,フォントサイズ6ポイント)が繰り返された文字画像(E文字画像)を出力した。
つづいて、さらに同様の条件で90000枚出力した後(トータル100000枚出力)、同様の手順で格子画像およびE文字画像を出力した。
得られた画像について、以下の評価のランクに従って、画像欠陥を抑制する効果を評価した。ランクの数字が大きいほど良好であり、ランク5、4および3は、本発明の画像欠陥の抑制効果が得られているレベルであると判断した。一方、ランク1および2は、本発明の画像欠陥の抑制効果が得られていないレベルと判断した。
ランク5:格子画像、E文字画像、共に画像欠陥はみられない
ランク4:格子画像が一部かすんでいるが、E文字画像の画像欠陥はみられない
ランク3:格子画像が一部かすんでおり、E文字画像が一部薄くなる
ランク2:格子画像が部分的に消失しており、E文字画像が全面薄くなる
ランク1:格子画像が全面消失しており、E文字画像が全面薄くなる。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006391400
101 支持体
102 電荷発生層
103 電荷輸送層
104 保護層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (9)

  1. 支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
    該電子写真感光体の表面層が、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物、および連鎖重合性官能基を有するウレア化合物を含む組成物の重合物を含有し、該連鎖重合性官能基を有するウレア化合物が下記式(1)〜(3)のいずれかで示されるウレア化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
    (式(1)〜(3)中、D11、D12、D21〜D26、およびD31〜D36は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンジル基、あるいは無置換のアルキル基を示す。D11およびD12の少なくとも1つ、並びにD21〜D26の少なくとも1つは置換もしくは無置換のベンジル基である。Ar11、Ar12、Ar21、Ar24、Ar31、およびAr32は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示す。Ar22およびAr23は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。Ar11およびAr12の少なくとも1つ、Ar21〜Ar24の少なくとも1つ、並びにAr31およびAr32の少なくとも1つは、下記式(4)で示される基を有する。Eは置換もしくは無置換の下記式(5)で示される基を示し、Rは、水素原子もしくはメチル基を示す。m、m、nはそれぞれ独立に0以上の整数を示し、m、mが2以上の整数の場合、カッコ内で示される構造は同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0006391400
    Figure 0006391400
    Figure 0006391400
    Figure 0006391400
    Figure 0006391400
  2. 前記式(1)〜(3)において、D11、D12、D21〜D26、およびD31〜D36が置換もしくは無置換のベンジル基であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記連鎖重合性官能基を有するウレア化合物が前記式(3)で示されるウレア化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 前記式(2)および(3)において、mおよびmが1以上の整数であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. Ar11およびAr12のどちらか1つ、Ar21〜Ar24のいずれか1つ、並びにAr31およびAr32のどちらか1つが前記式(4)で示される基を1つ有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、前記組成物を含有する表面層用塗布液を用いて塗膜を形成する工程、および、該塗膜に含有される前記組成物を重合させることによって表面層を形
    成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記塗膜に電子線を照射することによって、前記組成物を重合させることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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