JPH09319107A - 電子写真感光体及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及び電子写真装置

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JPH09319107A
JPH09319107A JP13706596A JP13706596A JPH09319107A JP H09319107 A JPH09319107 A JP H09319107A JP 13706596 A JP13706596 A JP 13706596A JP 13706596 A JP13706596 A JP 13706596A JP H09319107 A JPH09319107 A JP H09319107A
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JP
Japan
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voltage
charging
photoconductor
charging member
surface layer
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Pending
Application number
JP13706596A
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English (en)
Inventor
Yosuke Morikawa
陽介 森川
Hiroyuki Tanaka
博幸 田中
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP13706596A priority Critical patent/JPH09319107A/ja
Publication of JPH09319107A publication Critical patent/JPH09319107A/ja
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電荷の注入安定性に優れた電子写真感光体、
及び該感光体及び帯電部材を有する電子写真装置を提供
する。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を有し、接触配
置された帯電部材からDC電圧のみを印加することによ
って帯電される電子写真感光体において、前記帯電部材
から前記感光体表面に印加するDC電圧Vdc(V)と
前記感光体の暗電位Vd(V)の関係が下記式(3)を
満足する時に、前記感光体の表面層のイオン化ポテンシ
ャル[Ip(感光体表層)]と前記帯電部材のイオン化
ポテンシャル[Ip(帯電部材)]の関係が下記式
(1)または(2)を満足する電子写真感光体、及び該
感光体及び帯電部材を有する電子写真装置。(−)帯電
時、Δ(- ) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≦
0.2…(1) (+)帯電時、Δ(+) =Ip(帯電
部材)−Ip(感光体表層)≧−0.2…(2) |
Vdc−Vd|≦200…(3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体及
び電子写真装置に関し、詳しくは電圧を接触帯電させる
電子写真感光体及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方法において、例えばセレン、
硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン及び
有機感光体(OPC)等の電子写真感光体に帯電、露
光、現像、転写、定着及びクリーニング等の基本的プロ
セスを行うことにより画像を得る際、帯電プロセスは従
来よりほとんど金属ワイヤーに高電圧(DC5〜8k
V)を印加し発生するコロナにより帯電を行っている。
しかし、この方法ではコロナ発生時にオゾンやNOx
のコロナ生成物により感光体表面を変質させ画像ボケや
劣化を進行させたり、ワイヤーの汚れが画像品質に影響
し、画像白抜けや黒スジを生じる等の問題があった。特
に、感光層が有機感光体を主体として構成される電子写
真感光体は、他のセレン感光体やアモルファスシリコン
感光体に比べて化学的安定性が低く、コロナ生成物にさ
らされると化学反応(主に酸化反応)が起こり劣化し易
い傾向にある。従って、コロナ帯電下で繰り返し使用し
た場合には前述の劣化による画像ボケや感度の低下によ
るコピー濃度薄が起こり耐印刷(耐複写)寿命が短くな
る傾向にあった。
【0003】また、コロナ帯電では電力的にも感光体に
向かう電流がその5〜30%に過ぎず、ほとんどがシー
ルド板に流れ帯電手段としては効率の悪いものであっ
た。
【0004】このような問題点を補うために、コロナ放
電器を利用しないで特開昭57−178267号公報、
特開昭56−104351号公報、特開昭58−405
66号公報、特開昭58−139156号公報及び特開
昭58−150975号公報等に開示されているよう
に、接触帯電させる方法が研究されている。
【0005】具体的には、感光体表面に1〜2kV程度
の直流電圧を外部より印加した導電性弾性ローラ等の帯
電部材を接触させることにより感光体表面を所定の電位
に帯電させるものである。
【0006】しかし、近年普及し始めている直接帯電方
法においては帯電の不均一性、及び直接電圧を印加する
ことによる感光体の放電絶縁破壊の発生が問題点として
挙げられた。帯電の不均一性により、被帯電面の移動方
向に対して直角な方向に、長さ2〜200mm、幅0.
5mm以下程度のスジ状の帯電ムラを生じてしまうもの
で、正現像方式の場合に起こる白スジ(ベタ黒またはハ
ーフトーン画像に白いスジが現れる現象)、または反転
現像方式の場合に起こる黒スジといった画像欠陥にな
る。
【0007】このような問題点を解決して帯電の均一性
を向上させるために、直流電圧に交流電圧を重畳して帯
電部材に印加する方法が提案されている(特開昭63−
149668号公報)。この帯電方法は、直流電圧(V
dc)に交流電圧(Vac)を重畳することによって脈
流電圧を印加して均一な帯電を行うものである。
【0008】この場合、帯電の均一性を保持して、正現
像方式における白ポチ、反転現像方式における黒ポチ、
かぶりといった画像欠陥を防ぐためには、重畳する交流
電圧が、放電開始電圧の2倍以上のピーク間電位差(V
pp)をもっていることが必要である。
【0009】しかし、画像欠陥を防ぐために、重畳する
交流電圧を上げていくと、脈流電圧の最大印加電圧によ
って、感光体内部のわずかな欠陥部位において放電絶縁
破壊が起こってしまう。特に、感光体が絶縁耐圧の低い
感光体の場合には、この絶縁破壊が著しい。この場合、
正現像方式においては接触部分の長手方向にわたって画
像が白ヌケし、反転現像方式においては黒オビが発生し
てしまう。更に、ピンホールがある場合、そこの部位が
導通路となって電流がリークして帯電部材に印加された
電圧が降下してしまうという問題点があった。
【0010】また、微小空隙における放電であるため、
感光体に与えるダメージが大きく、感光体の削れ量が大
きく耐久性が劣るという問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、放電
不均一によるスジ等の発生がなく、直接放電帯電による
感光体へのダメージも少なく、更に放電帯電によるNO
x 、オゾン等の発生もなく、感光体の耐複写寿命が長
く、高品質のコピー画像を安定して供給できる、つまり
電荷の直接注入の安定性が優れた電子写真感光体及び電
子写真装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点について検討を重ねた結果、感光体に帯電部材から接
触帯電する際に、放電による帯電を用いず、電荷を直接
感光体に注入することによる帯電を用いることにより、
問題を解決できることを見いだした。
【0013】更に、本発明者らは、この電荷の直接注入
をより安定して行える条件を見いだした。
【0014】即ち、本発明は、導電性支持体上に感光層
を有し、接触配置された帯電部材からDC電圧のみを印
加することによって帯電される電子写真感光体におい
て、前記帯電部材から前記感光体表面に印加するDC電
圧Vdc(V)と前記感光体の暗電位Vd(V)の関係
が下記式(3)を満足する時に、前記感光体の表面層の
イオン化ポテンシャル[Ip(感光体表層)]と前記帯
電部材のイオン化ポテンシャル[Ip(帯電部材)]の
関係が下記式(1)または(2)を満足することを特徴
とする電子写真感光体である。
【0015】 (−)帯電時、 Δ(-) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≦0.2 …(1) (+)帯電時、 Δ(+) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≧−0.2…(2) |Vdc−Vd|≦200 …(3) また、本発明は、導電性支持体上に感光層を有し、接触
配置された帯電部材からDC電圧にAC電圧を重畳した
電圧を印加することによって帯電される電子写真感光体
において、前記AC電圧のピーク間電圧Vpp(V)と
放電開始電圧Vth(V)の関係が下記式(4)を満足
する時に、前記感光体の暗電位Vd(V)と前記DC電
圧の印加電圧Vdc(V)、前記Vpp及びVthが下
記式(3)及び下記式(5)が成り立つ帯電方式であっ
て、前記感光体の表面層のイオン化ポテンシャル[Ip
(感光体表層)]と前記帯電部材のイオン化ポテンシャ
ル[Ip(帯電部材)]の関係が上記式(1)または
(2)を満足することを特徴とする電子写真感光体であ
る。
【0016】 |Vdc−Vd|≦200 …(3) Vth(放電開始電圧)=√(7737.3×D)+312+6.2×D D=L(感光層の膜厚μm)/K(感光層の比誘電率) 更に、本発明は、上記電子写真感光体を有する電子写真
装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】近年普及し始めている接触放電帯
電においては、放電により感光体を帯電させているた
め、パッシェンの空隙破壊の理論に従い、通常印加電圧
がDC電圧のみの場合は前記式(3)が350V以上と
なり、またDC電圧にAC電圧を重畳させる放電帯電で
は前記式(4)が成り立つ場合は帯電が不均一となり前
記式(3)または(5)が成り立たない。これらから、
本発明の帯電は放電のみによる帯電でないことがわか
る。
【0018】電子写真感光体に対し帯電部材を接触さ
せ、帯電を行う直接帯電法は、従来の感光体を用いた場
合は、感光体と帯電部材との接触部近傍の微小空間にお
ける放電によって行われる。
【0019】従って、直接帯電法においても帯電は空気
中の分子をイオン化し、このイオンが感光体表面に流れ
ることによって行われ、帯電部材から感光体表面への直
接の電荷注入は行われていない。このような帯電機構に
おける帯電は当然ながら帯電部材及び感光体の表面形状
によって大きく左右され、各々の表面の荒れによって帯
電ムラが生じる。
【0020】また、微小空隙における放電であるので、
強電界中をイオンが動くため、感光体に与えるダメージ
が大きく、削れ量が多くなり、耐久性が劣る。更に、コ
ロナ帯電に比べれば、放電による直接帯電法の場合桁違
いに少ないが、それでもオゾンやNOx 等の発生により
画像ボケが発生する。
【0021】これに対し、本発明者らは感光体の表面層
に導電性粒子を樹脂に分散させた層にすることや電荷の
注入が容易となる層を設けることにより、電荷の直接注
入が可能となり、これによって放電でみられた帯電ムラ
がなくなり、また感光体に与えるダメージが減少し耐久
性が向上した。
【0022】更に、オゾンやNOx 等の発生がほとんど
なく、画像ボケ等の発生もなくなり、問題点が大きく改
善された。
【0023】本発明は、電荷の注入をより安定させるた
めに、感光体の表面層のイオン化ポテンシャル[I
p (感光体表層)]と帯電部材のイオン化ポテンシャル
[Ip (帯電部材)]の関係が前記式(1)または
(2)を満足することにより、電荷の直接注入が安定し
て行えるものである。
【0024】即ち、(−)帯電時においては、Ip(帯
電部材)−Ip(感光体表層)の値が0.2以下、また
(+)帯電時においてはその値が−0.2以上にするこ
とにより、感光体への電荷の注入が安定して行えるよう
になる。
【0025】図1は本発明の電子写真装置の基本構成を
示す。帯電部材1は、電子写真感光体2と接触配置して
おり、接続されている外部電源3から印加される電圧に
より、感光体2に対して帯電を行う。2aは感光層、2
bは導電性支持体である。
【0026】本発明で使われる帯電部材1の形状として
は、図1に示すようなファーブラシの他、磁気ブラシ等
いずれの形状をとってもよく、電子写真装置の仕様や形
態に合わせて選択可能である。
【0027】また、このファーブラシの材質としては、
カーボン、硫化銅、金属または金属酸化物により導電処
理したポリマー等が用いられる。ポリマーの材質として
レーヨン、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、PE
T及びポリエチレン等が用いられる。
【0028】これらの導電処理されたファーを金属や他
の導電処理された芯金に巻きつけてロールブラシとし
た。
【0029】ファーブラシの抵抗測定は、実際使用され
るのと同じ条件で、感光体の代わりにアルミニウムシリ
ンダーを当接させ、100Vの電圧を印加したときに流
れる電流値から求めた。
【0030】また、磁気ブラシは、Zn −Cu フェライ
ト等各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを
支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包さ
れるマグネットロールによって構成される。
【0031】有機感光体としては、ポリビニルカルボゾ
ール等の有機光導電性ポリマーを用いたもの、あるいは
低分子量の有機光導電性物質を結着樹脂中に含有したも
の等がある。
【0032】図2の電子写真感光体は、導電性支持体1
0上に感光層11が設けられており、この感光層11
は、結着樹脂中に電荷発生物質(図示せず)を分散含有
した電荷発生層13と、電荷輸送物質(図示せず)を含
有した電荷輸送層14の積層構造である。この場合、電
荷輸送層14は、電荷発生層13の上に積層されてい
る。
【0033】図3の電子写真感光体は、図2の場合と異
なり、電荷輸送層14は、電荷発生層13の下に積層さ
れている。この場合、電荷発生層13中には電荷輸送物
質が含有されていてもよい。
【0034】図4の電子写真感光体は、導電性支持体1
0上に感光層11が設けられており、この感光層11
は、結着樹脂中に電荷発生物質12と電荷輸送物質(図
示せず)が含有されている。
【0035】また、図2,3,4の構成に加えて、図5
のようにオーバーコート層15を塗布することもでき
る。本発明者らの検討によって、オーバーコート層を導
電性粒子を樹脂中に分散させた層とすることや、電荷の
注入を容易とする結着樹脂を用いることにより電荷の直
接注入を大きく改善することができた。
【0036】導電性支持体10としては、アルミニウム
やステンレス等の金属、紙、プラスチック等の円筒状シ
リンダー、シートまたはフィルム等が用いられる。ま
た、これらの円筒状シリンダー、シートまたはフィルム
は、必要に応じて導電性ポリマー層あるいは酸化スズ、
酸化チタン及び銀粒子等の導電性粒子を含有する樹脂層
を有していてもよい。
【0037】また、導電性支持体と感光層の間には、バ
リアー機能と下引機能をもつ下引層(接着層)を設ける
ことができる。
【0038】下引層は感光層の接着性改良、塗工性改
良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体から
の電荷注入性改良、及び感光層の電気的破壊に対する保
護等のために形成される。その膜厚は0.2〜2μm程
度である。
【0039】電荷発生物質としては、ピリリウム、チオ
ピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアン
トロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラトロン顔
料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン系顔料、非
対称キノシアニン及びキノシアニン等を用いることがで
きる。
【0040】電荷輸送物質としては、ヒドラゾン系化合
物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、オキサゾ
ール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールメタ
ン系化合物及びポリアリールアルカン系化合物等を用い
ることができる。
【0041】電荷発生層13は、前記の電荷発生物質を
0.3〜4倍量の結着樹脂、及び溶剤と共に、ホモジナ
イザー、超音波、ボールミル、振動ボールミル、サンド
ミル、アトライター及びロールミル等の方法でよく分散
し、塗布、乾燥されて形成される。その厚みは5μm以
下、特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0042】電荷輸送層14は一般的には前記の電荷輸
送物質と結着樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。
電荷輸送物質と結着樹脂との混合割合は2:1〜1:2
程度である。溶剤としてはアセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類;酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステ
ル類;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ク
ロルベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素等の塩素系
炭化水素類等が用いられる。この溶液を塗布する際に
は、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法及びスピンナーコーティング法等のコーティング法を
用いることができ、乾燥は10℃〜200℃、好ましく
は20℃〜150℃の範囲の温度で5分〜5時間、より
好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥または静止
乾燥下で行うことができる。
【0043】電荷輸送層14を形成するのに用いられる
結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポ
リエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、
ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂等
から選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂として
は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂
及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
【0044】また、電荷発生層あるいは電荷輸送層に
は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤等種々の添加剤
を含有させることができる。
【0045】オーバーコート層15に用いられる導電性
粒子としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化
アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをド
ープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドー
プした酸化スズ、及び酸化ジルコニウム等の超微粒子を
用いることができる。これら金属酸化物は1種類もしく
は2種類以上を混合して用いる。2種類以上を混合した
場合には固溶体または融着の形をとってもよい。
【0046】また、表面層用の樹脂としては、市販のポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリ
ル、エポキシ、シリコーン、アルキド、フェノール及び
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を用いることもでき
る。更に、強度及び分散性を向上させるための検討を行
った結果、アクリロイル基を1分子中に2個以上もった
光硬化性アクリル系モノマー中に導電性粒子を分散さ
せ、これを感光体の感光層上に塗布、光硬化させること
によって形成した表面層を用いることで、膜強度及び導
電性粒子の分散性共に飛躍的に向上した。
【0047】更に、導電性粒子の代わりに、アクセプタ
ー、ドナー及び錯体等を添加し、導電性を得ることも可
能である。
【0048】イオン化ポテンシャルは、大気下光電子分
析法(理研計器(株)製、表面分析装置AC−1)で測
定した。光量は20nWで行った。
【0049】感光体電位の測定は、ジェンテック社製ド
ラム試験機を用いた。帯電部材は、ファーブラシと磁気
ブラシの2種類を用いた。
【0050】本発明の電子写真感光体を有する電子写真
装置の具体例を図6に示す。この装置は、電子写真感光
体2の周面上にファーブラシ帯電部材1、像露光手段
4、現像器5、転写帯電器6、クリーナー7及び前露光
手段8が配置されている。
【0051】帯電ブラシは感光体回転に対してカウンタ
ー方向に50%で回転させながら帯電を行う。
【0052】また、放電開始電圧以下のAC電圧を重畳
し、より安定に帯電させることもできる。画像形成の方
法は、まず、電子写真感光体2上に接触配置されている
帯電部材1に電圧を印加し、感光体2表面を帯電し、像
露光手段4によって原稿に対応した画像を感光体2に像
露光し、静電潜像を形成する。次に、現像器5中のトナ
ーを感光体2に付着させることにより感光体2上の静電
潜像を現像(可視像化)する。更に感光体2上に形成さ
れたトナー像を供給された紙等の転写材P上に転写帯電
器6によって転写し、クリーナー7によって、転写材に
転写されずに感光体2上に残った残トナーを回収する。
なお、感光体内部に残留電荷が残るような場合には、前
露光手段8によって感光体2に光を当て除電したほうが
よい。一方、トナー像が形成された転写材は搬送部(図
示せず)によって定着器9に送られてトナー像が定着さ
れる。
【0053】この画像形成装置において、像露光手段4
の光源はハロゲン光、蛍光灯及びレーザー光等を用いる
ことができる。また、必要に応じて他の補助プロセスを
加えてもよい。
【0054】また、クリーナーレス化も可能である。
【0055】図7は本発明の電子写真装置をファクシミ
リのプリンターとして使用する場合の1例をブロック図
で示したものである。
【0056】コントローラ111は画像読取部110と
プリンター119を制御する。コントローラ111の全
体はCPU117により制御されている。画像読取部1
10からの読取データは、送信回路113を通して相手
局に送信される。相手局から受けたデータは受信回路1
12を通してプリンター119に送られる。画像メモリ
116には所定の画像データが記憶される。プリンタコ
ントローラ118はプリンター119を制御している。
114は電話である。
【0057】回線115から受信された画像情報(回線
を介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、
受信回路112で復調された後、CPU117で復号処
理が行われ、順次画像メモリ116に格納される。そし
て、少なくとも1ページの画像情報がメモリ116に格
納されると、そのページの画像記録を行う。CPU11
7は、メモリ116より1ページの荷像情報を読み出
し、プリンタコントローラ118に復号化された1ペー
ジの画像情報を送出する。プリンタコントローラ118
は、CPU117からの1ページの画像情報を受け取る
とそのページの画像情報記録を行うべく、プリンター1
19を制御する。
【0058】尚、CPU117は、プリンター119に
よる記録中に、次のページの受信を行っている。
【0059】以上の様にして、画像の受信と記録が行わ
れる。
【0060】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及
びレーザー製版等電子写真応用分野にも広く用いること
ができる。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0062】〔実施例1〕φ30mm×260.5mm
のアルミニウムシリンダーを支持体として、これにポリ
アミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ
(株)製)の5重量%メタノール溶液を浸漬法で塗布
し、0.5μm厚の下引層を設けた。
【0063】次に、下記構造式
【0064】
【化1】 で示されCuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.
2°が9.0°、14.2°、23.9°及び27.1
°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニ
ン顔料4部(重量部、以下同様)、ポリビニルブチラー
ル樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業(株)製)2
部及びシクロヘキサノン80部をφ1mmガラスビーズ
を用いたサンドミル装置で4時間分散した。この分散液
に酢酸エチル100部を加えて、下引層上に塗布した。
【0065】次に、下記構造式
【0066】
【化2】 の化合物(2)10部及びビスフェノールZ型ポリカー
ボネート(商品名:Z−200、三菱瓦斯化学(株)
製)10部をモノクロロベンゼン100部に溶解した。
この溶液を前記電荷発生層上に塗布し、105℃で1時
間熱風乾燥して20μmの電荷輸送層を形成した。
【0067】次に、オーバーコート層として下記構造式
【0068】
【化3】 のアクリル系モノマー25部、下記構造式
【0069】
【化4】 の化合物で処理した(処理量7%)アンチモンドープ酸
化スズ超微粒子50部、エタノール150部を、サンド
ミルにて66時間かけて分散を行い、更に、ポリテトラ
フルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20
部を加えて分散を行った。その後、光重合開始剤として
2−メチルチオキサントン3部、下記構造式
【0070】
【化5】 の光重合開始剤9部を溶解し、調合液とした。
【0071】この調合液を用いて、先の電荷輸送層上に
浸漬塗布法により膜を形成し、高圧水銀灯にて160m
W/cm2 の光強度で60秒間光硬化を行い、その後に
120℃の温度で2時間熱風乾燥して表面層を得た。こ
の時、得られた表面層の膜厚は3μmであった。また、
表面層調合液の分散性は良好で、表面層表面は、ムラの
ない均一な面であった。
【0072】感光体電位の測定はジェンテック社製ドラ
ム試験機を用いた。帯電部材として、ポリエチレンテレ
フタレートとナイロン6から成るオレンジ型分割繊維
(フィラメント数8、平均繊維径1μm)とナイロン6
繊維(単一繊維、20μm)を使用して平織りシートを
作製した。これに高圧水流を噴射し分割繊維を開繊した
後、サンドペーパーで起毛処理した。
【0073】次に、起毛した繊維シートを濃度15重量
%の塩化第2鉄水溶液に1時間含浸させてから、ピロー
ルモノマー蒸気で満たされた密閉容器に入れ、3時間重
合反応を行い、繊維表面にポリピロールを形成させた。
反応後、純水とエタノールで十分に洗浄し100℃で乾
燥した。乾燥した繊維シートについて、起毛部を剛性ブ
ラシでブラッシングし毛並みを揃えた。
【0074】上記起毛繊維シートを1cm幅の短冊状に
加工し、Φ60mmのステンレス製芯金に形成された導
電性ウレタンスポンジローラー(外形Φ12)に巻き付
けた。このときの対アルミニウムでの100V印加時の
抵抗は5×106 Ωであった。
【0075】印加電圧は、DCのみで行い、DC電圧V
dcを−600V、ドラム回転数45RPMとした。感
光体暗電位の測定点は帯電部材から180°の位置で行
った。
【0076】〔実施例2〜3〕実施例1において、オー
バーコート層の調合液ににそれぞれアクセプターTCN
Qを1重量%(対固形分)、メチル・ブチルジフェノキ
ノンを1重量%(対固形分)添加した以外は、実施例1
と全く同様に行った。
【0077】〔比較例1〕実施例1におけるオーバーコ
ート層として、ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(商品名:Z800、三菱瓦斯化学(株)製)2部をモ
ノクロロベン50部及びジクロロメタン50部の混合溶
媒に溶解し、TCNQを0.02部を加えて、スプレー
塗布により膜厚1μmに成膜した以外は、実施例1と全
く同様に行った。
【0078】〔比較例2〕比較例1において、TCNQ
の代わりにメチル・ブチルジフェノキノンを用いた以外
は、比較例1と全く同様に行った。
【0079】〔実施例4〜6〕実施例1〜3においてそ
れぞれ、帯電部材をファーブラシの代わりに磁気ブラシ
を用いた以外は、実施例1〜3と全く同様に行った。
【0080】磁気ブラシに用いる磁性粒子の製造方法を
以下に示す。
【0081】エポキシエーテル化シリコーン樹脂1重量
部と導電材料として導電化処理を施した酸化チタン3重
量部をキシレン溶液16重量部に溶解させ、これをガラ
スビーズを入れたペイントシェイカーで2時間分散さ
せ、コート層用溶液を作成した。次に、この溶液を流動
床型の塗布機(スピラコータ、岡田精工社製)を用いて
平均粒径40μmの水素還元Zn−Cuフェライト粒子
200重量部に塗布した。
【0082】接触帯電部材は、上記で作成された被覆磁
性粒子及びこれを支持させるための非磁性の導電スリー
ブ、これに内包されるマグネットロールによって構成さ
れ、上記被覆磁性粒子をスリーブ上に厚さ1mmでコー
トして感光体との間に幅約5mmの帯電ニップを形成さ
せるようにした。該磁性粒子保持スリーブと感光体との
間隙は約500μmとした。また、マグネットロールは
固定し、スリーブ表面が感光体表面の周速に対して50
%の速さで逆方向に摺擦するように回転させ、感光体と
磁気ブラシが均一に接触するようにした。
【0083】この時の帯電部材の長さ1cm当たりの抵
抗は5×105 Ωであった。
【0084】〔比較例3、4〕実施例4において、オー
バーコート層としてそれぞれ比較例1、2で用いたもの
を塗布した以外は、実施例4と全く同様に行った。
【0085】〔実施例7〕実施例1において、電荷発生
層と電荷輸送層を逆に積層し、図3に示すような構成と
し、その上に実施例1と同様なオーバーコート層を塗布
した。更に、印加電圧Vdcを+600Vに代えた以外
は、実施例1と全く同様に行った。
【0086】〔実施例8、9〕実施例7において、オー
バーコート層としてそれぞれ実施例2、3で用いたもの
を塗布した以外は、実施例7と全く同様に行った。
【0087】〔比較例5〕実施例7において、電荷発生
材料として下記構造式
【0088】
【化6】 の化合物を用い、TNCQを1重量%(対固形分)を添
加した。また、オーバーコート層を成膜しない以外は、
実施例9と全く同様に行った。
【0089】〔比較例6〕比較例5において、TCNQ
の代わりにメチル−ブチルジフェノキノンを1重量%添
加した以外は、比較例5と全く同様に行った。
【0090】〔実施例10〕実施例1において、帯電部
材の印加電圧をDC電圧−600(V)にAC電圧を重
畳し、該AC電圧のVppを600(V)、周波数Fを
1kHzとした以外は、実施例1と全く同様に行った。
【0091】〔比較例7〕比較例1において、帯電部材
の印加電圧をDC電圧−600(V)にAC電圧を重畳
し、該AC電圧のVppを600(V)、周波数Fを1
kHzとした以外は、比較例1と全く同様に行った。
【0092】〔実施例11〕実施例4において、帯電部
材の印加電圧をDC電圧−600(V)にAC電圧を重
畳し、該AC電圧のVppを600(V)、周波数Fを
1kHzとした以外は、実施例4と全く同様に行った。
【0093】〔比較例8〕比較例3において、帯電部材
の印加電圧をDC電圧−600(V)にAC電圧を重畳
し、該AC電圧のVppを600(V)、周波数Fを1
kHzとした以外は、比較例3と全く同様に行った。
【0094】〔実施例12〕実施例7において、帯電部
材の印加電圧をDC電圧+600(V)にAC電圧を重
畳し、該AC電圧のVppを600(V)、周波数Fを
1kHzとした以外は、実施例7と全く同様に行った。
【0095】〔比較例9〕比較例5において、帯電部材
の印加電圧をDC電圧+600(V)にAC電圧を重畳
し、該AC電圧のVppを600(V)、周波数Fを1
kHzとした以外は、比較例5と全く同様に行った。
【0096】以上の結果を表1に示す。
【0097】
【表1】 その他、AC重畳系における(実施例10以下)式
(5)の右辺の値は、520V。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
感光体表層のイオン化ポテンシャルI p (感光体表層)
と帯電部材のイオン化ポテンシャルIp (帯電部材)の
関係が式(I)または(2)を満たすことにより電荷の
注入が安定して行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の基本構成を示す概略図
である。
【図2】本発明の電子写真感光体の基本構成を示す概略
図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の基本構成を示す概略
図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の基本構成を示す概略
図である。
【図5】本発明の電子写真感光体の基本構成を示す概略
図である。
【図6】本発明の電子写真装置の具体例を示す概略図で
ある。
【図7】本発明の電子写真装置をプリンターとして使用
したファクシミリのブロック図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有し、接触配
    置された帯電部材からDC電圧のみを印加することによ
    って帯電される電子写真感光体において、前記帯電部材
    から前記感光体表面に印加するDC電圧Vdc(V)と
    前記感光体の暗電位Vd(V)の関係が下記式(3)を
    満足する時に、前記感光体の表面層のイオン化ポテンシ
    ャル[Ip(感光体表層)]と前記帯電部材のイオン化
    ポテンシャル[Ip(帯電部材)]の関係が下記式
    (1)または(2)を満足することを特徴とする電子写
    真感光体。 (−)帯電時、 Δ(-) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≦0.2 …(1) (+)帯電時、 Δ(+) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≧−0.2…(2) |Vdc−Vd|≦200 …(3)
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に感光層を有し、接触配
    置された帯電部材からDC電圧にAC電圧を重畳した電
    圧を印加することによって帯電される電子写真感光体に
    おいて、前記AC電圧のピーク間電圧Vpp(V)と放
    電開始電圧Vth(V)の関係が下記式(4)を満足す
    る時に、前記感光体の暗電位Vd(V)と前記DC電圧
    の印加電圧Vdc(V)、前記Vpp及びVthが下記
    式(3)及び下記式(5)が成り立つ帯電方式であっ
    て、前記感光体の表面層のイオン化ポテンシャル[Ip
    (感光体表層)]と前記帯電部材のイオン化ポテンシャ
    ル[Ip(帯電部材)]の関係が下記式(1)または
    (2)を満足することを特徴とする電子写真感光体。 (−)帯電時、 Δ(-) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≦0.2 …(1) (+)帯電時、 Δ(+) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≧−0.2…(2) |Vdc−Vd|≦200 …(3) Vth(放電開始電圧)=√(7737.3×D)+312+6.2×D D=L(感光層の膜厚μm)/K(感光層の比誘電率)
  3. 【請求項3】 前記感光体は、電荷発生材料及び電荷輸
    送材料を含有し、該電荷発生材料及び電荷輸送材料が有
    機物質であり、更に前記感光層上にオーバーコート層を
    有する請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 電子写真感光体と該感光体に接触配置さ
    れた帯電部材を有し、前記感光体に前記帯電部材からD
    C電圧のみを印加することによって該感光体の表面に直
    接電荷を注入する帯電が支配的な電子写真装置におい
    て、前記帯電部材から前記感光体表面に印加するDC電
    圧Vdc(V)と前記感光体の暗電位Vd(V)の関係
    が下記式(3)を満足する時に、前記感光体の表面層の
    イオン化ポテンシャル[Ip(感光体表層)]と前記帯
    電部材のイオン化ポテンシャル[Ip(帯電部材)]の
    関係が下記式(1)または(2)を満足することを特徴
    とする電子写真装置。 (−)帯電時、 Δ(-) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≦0.2 …(1) (+)帯電時、 Δ(+) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≧−0.2…(2) |Vdc−Vd|≦200 …(3)
  5. 【請求項5】 電子写真感光体と該感光体に接触配置さ
    れた帯電部材を有し、前記感光体に前記帯電部材からD
    C電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加することによっ
    て該感光体の表面に直接電荷を注入する帯電が支配的な
    電子写真装置において、前記AC電圧のピーク間電圧V
    pp(V)と放電開始電圧Vth(V)の関係が下記式
    (4)を満足する時に、前記感光体の暗電位Vd(V)
    と前記DC電圧の印加電圧Vdc(V)、前記Vpp及
    びVthが下記式(3)及び下記式(5)が成り立つ帯
    電方式であって、前記感光体の表面層のイオン化ポテン
    シャル[Ip(感光体表層)]と前記帯電部材のイオン
    化ポテンシャル[Ip(帯電部材)]の関係が下記式
    (1)または(2)を満足することを特徴とする電子写
    真装置。 (−)帯電時、 Δ(-) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≦0.2 …(1) (+)帯電時、 Δ(+) =Ip(帯電部材)−Ip(感光体表層)≧−0.2…(2) |Vdc−Vd|≦200 …(3) Vpp<2Vth …(4) |Vd|>|Vpp/2|+|Vdc|−|Vth| …(5) Vth(放電開始電圧)=√(7737.3×D)+312+6.2×D D=L(感光層の膜厚μm)/K(感光層の比誘電率)
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