JP3584147B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDFInfo
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【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは電子写真感光体に接触配置された帯電部材により帯電される電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真感光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体に対して、帯電、露光、現像、転写、定着及びクリーニング等の電子写真プロセスを行うことにより画像を得る際、帯電手段としては従来よりほとんど金属ワイヤーに高電圧(DC5〜8kV)を印加するコロナ帯電を行っている。しかし、この方法ではオゾンやNOX 等のコロナ生成物により感光体表面を変質させ画像ボケや劣化を進行させたり、ワイヤーの汚れが画像品質に影響し、画像白抜けや黒スジを生じる等の問題があった。特に、有機光導電物質を用いた電子写真感光体は、他のセレン感光体やアモルファスシリコン感光体等の無機感光体に比べて化学的安定性が低く、コロナ生成物にさらされると化学反応(主に酸化反応)が起こり劣化し易い。従って、コロナ帯電下で繰り返し使用した場合には前述の劣化による画像ボケや感度の低下によるコピー濃度薄が起こり耐印刷(耐複写)寿命が短くなっていた。
【0003】
また、コロナ帯電では感光体に向かう電流が全体の5〜30%に過ぎず、ほとんどがシールド板に流れ帯電手段としては効率の悪いものであった。
【0004】
このような問題点を補うために、コロナ放電器を利用しないで特開昭57−178267号公報、特開昭56−104351号公報、特開昭58−40566号公報、特開昭58−139156号公報及び特開昭58−150975号公報等に開示されているように、電子写真感光体に接触配置された帯電部材を用いる方法が研究されている。
【0005】
具体的には、感光体表面に接触配置された導電性弾性ローラ等の帯電部材に1〜2kV程度の直流電圧を外部より印加することにより感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。
【0006】
しかしながら、接触帯電方法は帯電の不均一及び感光体の放電絶縁破壊が発生し易い。
【0007】
このような問題点を解決して帯電の均一性を向上させるために、直流電圧(VDC)に交流電圧(VAC)を重畳した電圧を帯電部材に印加する方法が提案されている(特開昭63−149668号公報)。
【0008】
この場合、帯電の均一性という効果を得るためには、重畳する交流電圧が、直流電圧の絶対値の2倍以上のピーク間電圧(Vpp)をもっていることが必要である。
【0009】
しかしながら、重畳する交流電圧を上げていくと、脈流電圧の最大印加電圧によって、感光体内部のわずかな欠陥部位においても放電絶縁破壊が起こり易くなる。特に、感光体が絶縁耐圧の低い感光体の場合には、この絶縁破壊が著しい。この場合、正規像方式においては接触部分の長手方向にわたって画像が白ヌケし、反転現像方法においては黒オビが発生してしまう。更に、ピンホールがある場合、そこの部位が導通路となって電流がリークして帯電部材に印加された電圧が降下してしまうという問題があった。
【0010】
また、感光体に流れる電流量も大きいため、感光体に与えるダメージが大きく、感光体の削れ量も大きくなり、耐久性が劣るという問題点があった。
【0011】
これらの問題を解決するために、放電を用いずに電荷を直接感光体の表面層に注入する帯電方法(注入帯電)が特開平6−3921号公報等に記載されている。
【0012】
この帯電方法は、導電性粒子を分散した表面層(電荷注入層)に帯電部材から直接電荷を注入するため、帯電部材に印加する電圧と感光体の表面電位の差が非常に小さく、またオゾン生成物も発生しないので、感光体に与えるダメージも極めて小さい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この帯電方法は、帯電部材の接触点でのみ電荷の注入が可能であるので、帯電が不均一になり易かった。更に、近年の高画質の要求に伴い、より高精細で、かつより均一な画像を得ることのできる電子写真感光体が検討されている。
【0014】
本発明の目的は、より高精細で、かつより均一な画像を得ることのできる注入帯電用の電子写真感光体を提供することにある。
【0015】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、支持体上に有機電荷発生材料及び有機電荷輸送材料を含有する感光層を有し、該感光層上に導電性粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体、該電子写真感光体に接触配置され、電圧を印加されることにより該電子写真感光体を注入帯電する帯電部材、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置であって、該帯電部材が磁性粒子からなる磁気ブラシであり、該現像手段が2成分現像の反転現像装置であり、該転写手段の下流側かつ該帯電部材の上流側の位置にクリーニング手段を有さず、該現像手段が実質的なクリーニング手段でもある電子写真装置において、
該電子写真感光体が該電子写真感光体1cm 2 当り130pF以上500pF以下の静電容量を有することを特徴とする電子写真装置である。
【0018】
本発明においては、感光体の1cm2 当りの静電容量Cを130pF以上にし、より多くの電荷を注入することにより、帯電を高密度でかつ均一にすることができたものと考えられる。
【0019】
静電容量を上記範囲に調節する方法としては、比誘電率の大きい材料を用いる方法や、支持体上に形成する層の厚さを薄くする方法等が挙げられる。
【0020】
本発明においては、支持体などからのキャリアの注入に起因する帯電の不均一という点からは、感光体の1cm2 当りの静電容量Cが500pF以下であることが好ましい。
【0021】
なお、本発明における静電容量の測定は、以下のようにして行った。
【0022】
即ち、まず、アルミニウムシリンダー上にアルミニウムシートを巻きつけ、その上に感光層及び表面層等の感光体の各層を実際と同条件で形成し、得られた層形成後のアルミニウムシートについて、インピーダンス測定器(横河ヒューレットパッカード社製、YHP 4192A)を用いて行った。
【0023】
【発明の実施の形態】
表面層に用いられる導電性粒子としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム等の粒子を用いることができる。これら金属酸化物は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。2種類以上を混合した場合には固溶体または融着の形をとってもよい。
【0024】
また、本発明の表面層は必要に応じて樹脂を含有するが、かかる樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。特に、アクリロイル基を1分子中に2個以上もった光硬化性アクリル系モノマー中に導電性粒子を分散した溶液を感光層上に塗布、乾燥後、光硬化することによって形成した表面層は、膜の強度及び導電性粒子の分散性共に非常に優れたものである。
【0025】
本発明の表面層の厚さは0.1〜10μmであることが好ましく、特には1〜5μmであることが好ましい。
【0026】
また、より効率の良い注入帯電を行うためには、本発明の表面層は1×109 〜1×1014Ω・cmの体積抵抗値を有することが好ましい。
【0027】
表面層の体積抵抗値の測定方法は、表面に白金を蒸着させたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に表面層を作成し、これを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140B pAMATER)にて23℃、50%RHの環境で、100Vの直流電圧を印加して測定するというものである。
【0028】
本発明における感光層は、有機電荷発生材料と有機電荷輸送材料を同一の層に含有する単層型でも、有機電荷発生材料を含有する電荷発生層と有機電荷輸送材料を含有する電荷輸送層を有する積層型でも良いが、積層型であることが好ましい。
【0029】
有機電荷発生材料としては、ピリリウム、チオピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン系顔料、非対称キノシアニン及びキノシアニン等が挙げられる。
【0030】
電荷発生層は、前記の電荷発生材料を0.3〜4倍量(重量)のベンザール樹脂やブチラール樹脂等の結着樹脂、及び溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の方法でよく分散した溶液を塗布し、乾燥することによって形成される。その厚さは5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜1μmであることが好ましい。
【0031】
有機電荷輸送材料としては、ヒドラゾン系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物及びポリアリールアルカン系化合物が挙げられる。
【0032】
電荷輸送層は、前記の電荷輸送材料と結着樹脂を溶剤に溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成される。電荷輸送材料と結着樹脂との混合割合は重量比で2:1〜1:2程度である。溶剤としてはアセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステル類;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;クロルベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素等の塩素系炭化水素類等が用いられる。この溶液を塗布する際には、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法及びスピンナーコーティング法等のコーティング法を用いることができる。乾燥温度は10℃〜200℃であることが好ましく、特には20℃〜150℃であることが好ましい。乾燥時間は5分〜5時間であることが好ましく、特には10分〜2時間であることが好ましく、送風乾燥または静止乾燥下で行うことができる。
【0033】
電荷輸送層を形成するのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂等が挙げられる。特に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。電荷輸送層の厚さは5〜20μmであることが好ましく、特には10〜18μmであることが好ましい。
【0034】
単層型の感光層は、上記電荷発生材料及び電荷輸送材料を上記結着樹脂に分散及び溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成される。
【0035】
感光層の厚さは、5〜20μmであることが好ましく、特には10〜18μmであることが好ましい。
【0036】
本発明の感光層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び、潤滑剤等種々の添加剤を添加することができる。
【0037】
支持体は導電性を有するものであれば良く、アルミニウムやステンレス等の金属、紙、プラスチック等の円筒状シリンダー、シートまたはフィルム等が用いられる。また、これらの円筒状シリンダー、シートまたはフィルムは、必要に応じて導電性ポリマー層あるいは酸化スズ、酸化チタン及び銀粒子等の導電性粒子を含有する樹脂層を有していてもよい。
【0038】
また、支持体と感光層の間には、バリアー機能と接着機能を有する下引層を設けることができる。その膜厚は0.2〜2μm程度であることが好ましい。
【0039】
なお、各層の厚さは、渦電流式膜厚測定器パーマスコープタイプE111(フィッシャー社製)を用いて測定することができる。
【0040】
本発明に用いられる帯電部材は、磁性粒子により構成される磁気ブラシ、ファーブラシ及び導電性のゴム層を有する帯電ローラー等が挙げられるが、感光体との接触点の多さの点では磁気ブラシが好ましい。
【0041】
磁気ブラシを構成する磁性粒子としては、Zn−Cuフェライト等の各種磁性粒子が挙げられる。磁気ブラシは、マグネットを内包する非磁性の導電スリーブ上に担持された状態で用いられる。
【0042】
また、ファーブラシとしては、カーボン、硫化銅、金属または金属酸化物により導電処理したポリマー等が挙げられる。かかるポリマーとしては、レーヨン、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、PET及びポリエチレン等が用いられる。ファーは金属や導電処理された芯金に担持された状態で用いられる。
【0043】
また、帯電ローラーは、芯金上に導電処理されたゴム層や樹脂層を有するものである。
【0044】
帯電部材は、1×104 〜1×109 Ωの抵抗値を有することが好ましい。
【0045】
帯電部材の抵抗は、実際使用されるのと同じ条件で、感光体の代わりにアルミニウムシリンダーを当接させ、100Vの直流電圧を印加したときに流れる電流値から求めた。
【0046】
本発明の帯電部材の印加電圧は、実質的に放電を生じない、即ち、注入帯電が支配的な帯電であるような範囲であれば特に限定されるものではない。
【0047】
この観点では、直流電圧(VDC)の絶対値は放電開始電圧(Vth)を超えないことが好ましく、帯電直後の感光体の表面電位(VD )との関係では|VDC−VD |≦200(V)であることが好ましい。
【0048】
本発明においては、より一層の帯電均一化を図るために、交流電圧(VAC)を重畳することが好ましい。但し、実質的に放電を生じさせない、即ち、注入帯電が支配的であるようにするためには、VACのピーク間電圧VppとVDCとVthとVD が下記式の関係を満たすことが必要である。
【0049】
|VDC−VD |≦200(V)
|Vpp|<2×|Vth|
|Vpp/2|+|VDC|−|VD |<|Vth|
【0050】
本発明に用いられる露光手段、現像手段及び転写手段は特に限定されるものではない。以下に具体例を挙げて本発明の電子写真装置を説明する。
【0051】
図1は本発明の電子写真装置の一例の概略構成図である。本例の電子写真装置はレーザービームプリンタである。
【0052】
1はドラム状の本発明の電子写真感光体である。以下感光ドラムと呼ぶ。本例では、矢印の時計方向に100mm/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動される。
【0053】
2は感光ドラム1に当接された導電磁気ブラシを用いた接触帯電手段であり、回転可能な非磁性の導電スリーブ21に帯電マグネット22の磁力により磁性粒子23が付着して構成している。この磁気ブラシには帯電バイアス印加電源S1から−500VのDC帯電バイアスが印加されていて、注入帯電によって感光ドラム1の外周面がほぼ−500Vに一様に帯電される。
【0054】
この感光ドラム1の帯電面に対してレーザーダイオードやポリゴンミラー等を含む不図示のレーザービームスキャナから出力される目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザビームによる走査露光Lがなされ、感光ドラム1表面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像は磁性一成分絶縁トナーを用いた反転現像装置3によりトナー像として現像される。3aはマグネット3bを内包する直径16mmの非磁性現像スリーブであり、この現像スリーブにトナーをコートし、感光ドラム1表面との距離を300μmに固定した状態で、感光ドラム1と等速で回転させ、スリーブ3aに現像バイアス電源S2より現像バイアス電圧を印加する。印加電圧は、−400VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳した電圧とし、スリーブ3aと感光ドラム1の間でジャンピング現像を行なわせる。
【0055】
一方、不図示の給紙部から記録材としての転写材Pが供給されて、感光ドラム1と、これに所定の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイミングにて導入される。転写ローラ4には転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加される。本例ではローラ抵抗値は5×108 Ωのものを用い、+2000VのDC電圧を印加して転写を行なった。
【0056】
転写部Tに導入された転写材Pはこの転写部Tを挟持搬送されて、その表面側に感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0057】
トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光ドラム1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置5へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリントあるいはコピー)として装置外へ排出される。
【0058】
また、転写材Pに対するトナー画像転写後の感光ドラム面はクリーニング装置6により残留トナー等の付着汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供される。
【0059】
本例の電子写真装置は、感光ドラム1、接触帯電手段2、現像装置3及びクリーニング装置6の4つのプロセス機器をカートリッジ20に包含させて電子写真装置本体に対して一括して着脱交換自在のカートリッジ方式の装置であるが、これに限るものではない。
【0060】
次に、本発明の電子写真装置の別の具体例について図2を用いて説明する。
【0061】
この例は、図1で示した電子写真装置のクリーニング手段6を持たない系であり、図1と同じ番号で示された部材は図1中の部材と同様のものを示す。
【0062】
図2に示された装置においては、転写後感光ドラム上に残留したトナーは、磁性粒子23で形成される磁気ブラシに一旦回収された後、適当な時期に感光ドラム上に排出され、あるいは磁気ブラシに回収されずにそのまますり抜け、最終的には現像装置3によって回収される。つまり、この系においては現像手段が実質的なクリーニング手段である。このときの現像装置3は2成分現像器であることが好ましい。
【0063】
以下、本発明を実施例により説明する。
【0064】
【実施例】
〔参考例1〕
φ30mm×260.5mmのアルミニウムシリンダー上に、酸化スズ被覆硫酸バリウム10部(重量部、以下同様)、酸化チタン2部、フェノール樹脂6部、シリコーンオイル0.001部、メタノール4部及びメトキシプロパノール16部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分熱硬化することによって、厚さ15μmの導電層を形成した。
【0065】
次に、得られた導電層上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5重量%メタノール溶液を浸漬コーティング法で塗布し、乾燥することによって、厚さ0.5μmの下引層を設けた。
【0066】
次に、CuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン顔料4部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業(株)製)2部及びシクロヘキサノン80部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。この分散液に酢酸エチル100部を加えて、下引層上に塗布し、乾燥することによって、厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0067】
次に、下記式
【0068】
【外1】
で示されるスチリル化合物10部及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱瓦斯化学(株)製)10部をモノクロロベンゼン100部に溶解した。この溶液を前記電荷発生層上に塗布し、105℃で1時間熱風乾燥することによって、厚さ13μmの電荷輸送層を形成した。
【0069】
次に、下記式
【0070】
【外2】
で示されるアクリル系モノマー25部、下記式
【0071】
【外3】
で示される化合物で処理した(処理量7%)アンチモンドープ酸化スズ粒子(数平均粒径0.03μm)50部及びエタノール150部を、サンドミルにて66時間かけて分散し、更に、ポリテトラフルオロエチレン粒子(数平均粒径0.18μm)20部を加えて分散を行った。その後、光重合開始剤として2−メチルチオキサントン3部及び下記式
【0072】
【外4】
で示される光重合開始剤9部を溶解し、表面層用溶液とした。
【0073】
この溶液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬コーティング法により塗布し、高圧水銀灯にて160mW/cm2 の光強度で60秒間光硬化を行い、その後に120℃の温度で2時間熱風乾燥して表面層を得た。得られた表面層の膜厚は3μmであった。また、表面層用溶液の分散性は良好で、表面層の表面は、ムラのない均一な面であった。
【0074】
なお、この表面層の体積抵抗値は1×1013Ω・cmであった。また、得られた感光体1cm2 当りの静電容量は196pFであった。
【0075】
この感光体を図1で示される電子写真装置を用いて評価した。なお、帯電部材用の磁性粒子としてはZn−Cuフェライト粒子を用い、磁気ブラシは感光体との接触点において感光体とは逆方向になるように、50mm/secの周速度で回転させた。帯電部材の抵抗値は1×106 Ωであった。また、帯電部材への印加電圧は、−500Vの直流電圧にVppが700Vである交流電圧を印加した脈流電圧にした。
【0076】
評価は、20℃、5%RH環境下で、2ドット2スペースのハーフトーン画像を出力し、初期の画像におけるスジ等の画像欠陥を目視で観察することによって、また、30℃、80%RH環境下で上記画像10,000枚出力後の画像におけるドットの再現性を顕微鏡で観察することによって行った。
【0077】
結果を表1に示す。
【0078】
〔参考例2及び3〕
電荷輸送層の厚さを15μm及び18μmとした以外は参考例1と同様にして感光体を作成し、評価した。
【0079】
結果を表1に示す。
【0091】
〔実施例1〜3〕
図2に示される電子写真装置を用いた以外は参考例1〜3と同様にして感光体を評価した。なお、現像は2成分現像とした。
【0092】
結果を表1に示す。
【0093】
〔比較例1〜3〕
電荷輸送層の厚さを22μm、25μm及び30μmとした以外は実施例1と同様にして感光体を作成し、評価した。
【0094】
結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、より高精細で、かつより均一な画像を得ることのできる注入帯電用の電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
Claims (7)
- 支持体上に有機電荷発生材料及び有機電荷輸送材料を含有する感光層を有し、該感光層上に導電性粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体、該電子写真感光体に接触配置され、電圧を印加されることにより該電子写真感光体を注入帯電する帯電部材、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置であって、該帯電部材が磁性粒子からなる磁気ブラシであり、該現像手段が2成分現像の反転現像装置であり、該転写手段の下流側かつ該帯電部材の上流側の位置にクリーニング手段を有さず、該現像手段が実質的なクリーニング手段でもある電子写真装置において、
該電子写真感光体が該電子写真感光体1cm2当り130pF以上500pF以下の静電容量を有することを特徴とする電子写真装置。 - 前記表面層が1×109〜1×1014Ω・cmの体積抵抗値を有する請求項1に記載の電子写真装置。
- 前記帯電部材が1×104〜1×109Ωの抵抗値を有する請求項1または2に記載の電子写真装置。
- 前記感光層が5〜20μmの厚さを有する請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真装置。
- 前記感光層が10〜18μmの厚さを有する請求項4に記載の電子写真装置。
- 前記帯電部材に印加される電圧が直流電圧(VDC)のみであり、該VDCと帯電直後の前記電子写真感光体の表面電位(VD)が以下の式を満足する請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真装置。
|VDC−VD|≦200(V) - 前記帯電部材に印加される電圧が直流電圧(VDC)に交流電圧を重畳した電圧であり、該VDCと該交流電圧が有するピーク間電圧(Vpp)と帯電直後の前記電子写真感光体の表面電位(VD)と放電開始電圧(Vth)が以下の式を満足する請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真装置。
|VDC−VD|≦200(V)
|Vpp|<2×|Vth|
|Vpp/2|+|VDC|−|VD|<|Vth|
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JP8-137066 | 1996-05-30 | ||
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