JP2019035844A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続画像出力前後での電位変動が抑制された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置の提供。
【解決手段】支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体であって、下引き層が、式(A1)〜(A11)の何れかで表される構造から選ばれた構造及び−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造(ポリカプロラクトン構造)を有する化合物を有する。
【選択図】なし
【解決手段】支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体であって、下引き層が、式(A1)〜(A11)の何れかで表される構造から選ばれた構造及び−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造(ポリカプロラクトン構造)を有する化合物を有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
プロセスカートリッジや電子写真装置に搭載される電子写真感光体として、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する電子写真感光体が主として用いられている。電子写真感光体は、一般的に、支持体および支持体上に形成された感光層を有し、さらに、支持体と感光層との間に下引き層が形成されることが多い。
近年、画像品質に対する要求は高まる一方である。例えば、色再現性に対する許容範囲が格段に厳しくなってきている。
色再現性には、電子写真用感光体の明部電位も重要な要因の一つである。特に多数枚出力時に電位が大きく変動すると、色再現性が変化し、画像品質が低下することになる。
フルカラー出力に限らず、白黒出力の際も、多数枚出力時に電位が大きく変動すると、ハーフトーン画像の濃度が変化する等、画像品質の低下につながる。
色再現性には、電子写真用感光体の明部電位も重要な要因の一つである。特に多数枚出力時に電位が大きく変動すると、色再現性が変化し、画像品質が低下することになる。
フルカラー出力に限らず、白黒出力の際も、多数枚出力時に電位が大きく変動すると、ハーフトーン画像の濃度が変化する等、画像品質の低下につながる。
このような多数枚出力時の電位変動を抑制(低減)する技術として、下引き層に電子輸送物質を含有させる技術が知られている。
例えば特許文献1、特許文献2および特許文献3には、下引き層にフルオレノン化合物誘導体、イミド化合物誘導体やアントラキノン誘導体等の電子輸送物質を含有させる技術が開示されている。
例えば特許文献1、特許文献2および特許文献3には、下引き層にフルオレノン化合物誘導体、イミド化合物誘導体やアントラキノン誘導体等の電子輸送物質を含有させる技術が開示されている。
本発明者らの検討の結果、この連続画像出力前後での電位変動(悪化)に関して、上記の従来技術には、まだ改良の余地があることがわかった。
本発明の目的は、連続画像出力前後での電位変動が抑制された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の構造を有する化合物の重合物を電子写真感光体の下引き層に含有させることで、連続画像出力前後での電位変動の抑制を高いレベルで達成することが可能になることを見出した。
すなわち、本発明は、支持体と、下引き層と、感光層と、をこの順に有する電子写真感光体において、下引き層が、下記式(A1)〜(A11)の何れかで表される構造及び−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造(ポリカプロラクトン構造)を有する化合物を有することを特徴とする電子写真感光体である。
上記式(A1)〜(A11)において、少なくともR11〜R16のうち1つ、R21〜R30のうち1つ、R31〜R38のうち1つ、R41〜R48のうち1つ、R51〜R60のうち1つ、R61〜R66のうち1つ、R71〜R78のうち1つ、R81〜R90のうち1つ、R91〜R98のうち1つ、R101〜R110のうち1つ、R111〜R120のうち1つは、単結合である。
単結合以外のR11〜R16、R21〜R30、R31〜R38、R41〜R48、R51〜R60、R61〜R66、R71〜R78、R81〜R90、R91〜R98、R101〜R110、R111〜R120は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換の複素環基を示す。アルキル基の主鎖中のCH2の1つがO、S、NH又はNR121(R121はアルキル基)で置き換わっていても良い。
置換のアルキル基、置換のアルコキシ基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基である。置換のアリール基の置換基、置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基である。
置換のアルキル基、置換のアルコキシ基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基である。置換のアリール基の置換基、置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基である。
Z21、Z31、Z41及びZ51は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸素原子を示す。Z21が酸素原子である場合はR29及びR30は存在せず、Z21が窒素原子である場合はR30は存在しない。Z31が酸素原子である場合はR37及びR38は存在せず、Z31が窒素原子である場合はR38は存在しない。Z41が酸素原子である場合はR47及びR48は存在せず、Z41が窒素原子である場合はR48は存在しない。Z51が酸素原子である場合はR59及びR60は存在せず、Z51が窒素原子である場合はR60は存在しない。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
さらにまた、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、連続画像出力前後での電位変動が抑制された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に支持体上に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体と各層について説明する。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に支持体上に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体と各層について説明する。
<支持体>
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなどの元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなどの元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体又は導電層の上に下引き層が設けられる。
下引き層は、下記式(A1)〜(A11)の何れかで表される構造から選ばれた構造(電子輸送物質)及び−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造(ポリカプロラクトン構造)を有する化合物を有する。さらに、下引き層は、式(A1)〜(A11)から選択される少なくとも1種の化合物と、X−((CO−(CH2)5−O)n)m´−Y(nは2〜100の整数、m´は2または3)で表される化合物と、を含有する組成物の重合物を有する。
本発明において、支持体又は導電層の上に下引き層が設けられる。
下引き層は、下記式(A1)〜(A11)の何れかで表される構造から選ばれた構造(電子輸送物質)及び−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造(ポリカプロラクトン構造)を有する化合物を有する。さらに、下引き層は、式(A1)〜(A11)から選択される少なくとも1種の化合物と、X−((CO−(CH2)5−O)n)m´−Y(nは2〜100の整数、m´は2または3)で表される化合物と、を含有する組成物の重合物を有する。
−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造は、電子輸送物質が有する官能基と架橋可能な官能基を有する架橋剤が有していても良く、また前記架橋剤が有する官能基と架橋可能な官能基を有する樹脂が有していても良い。
上記ポリカプロラクトン構造を有する化合物を使用することで、電子輸送能が向上し、電位変動が改善するメカニズムは明確ではないが、発明者は以下の様に考えている。
電子輸送物質は電子を受け取る際に分子のコンフォメーション変化が生じるが、電子輸送物質が膜中に架橋されると、コンフォメーション変化が妨げられ、電子輸送を阻害する方向に働く。
しかし、架橋構造内に、嵩高い剛直構造(芳香環)が無くペンチレン鎖がエステル基で挟まれた構造を持つカプロラクトン構造が複数繰り返された構造を有すると、電子を受け取る際のコンフォメーション変化を阻害せず、電子輸送の阻害を生じ難いのではないかと予想している。
電子輸送物質は電子を受け取る際に分子のコンフォメーション変化が生じるが、電子輸送物質が膜中に架橋されると、コンフォメーション変化が妨げられ、電子輸送を阻害する方向に働く。
しかし、架橋構造内に、嵩高い剛直構造(芳香環)が無くペンチレン鎖がエステル基で挟まれた構造を持つカプロラクトン構造が複数繰り返された構造を有すると、電子を受け取る際のコンフォメーション変化を阻害せず、電子輸送の阻害を生じ難いのではないかと予想している。
以下、電子輸送物質と架橋剤と樹脂とについてそれぞれ説明する。
(1)電子輸送物質
本発明において、下引き層における、電子輸送物質の含有量は、下引き層中の組成物の全質量に対して30質量%以上である必要がある。更には、70質量%以下が好ましい。70質量%より多いと、溶出が生じる場合があり、電位変動抑制効果が十分に得られない場合がある。
(1)電子輸送物質
本発明において、下引き層における、電子輸送物質の含有量は、下引き層中の組成物の全質量に対して30質量%以上である必要がある。更には、70質量%以下が好ましい。70質量%より多いと、溶出が生じる場合があり、電位変動抑制効果が十分に得られない場合がある。
電子輸送物質は、下記一般式(A1)〜(A11)で示される化合物から選択される少なくとも1種である。
一般式(A1)〜(A11)において、R11〜R16の少なくとも1つ、R21〜R30の少なくとも1つ、R31〜R38の少なくとも1つ、R41〜R48の少なくとも1つ、R51〜R60の少なくとも1つ、R61〜R66の少なくとも1つ、R71〜R78の少なくとも1つ、R81〜R90の少なくとも1つ、R91〜R98の少なくとも1つ、R101〜R110の少なくとも1つ、R111〜R120の少なくとも1つは、下記一般式(A)で示される1価の基であり、それ以外は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキル基、アリール基、複素環基、アルキル基の主鎖中のCH2の1つがO、S、NH又はNR121(R121はアルキル基)で置き換わった基である。アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基は、更に置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アリール基、複素環の置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基が挙げられる。
Z21、Z31、Z41及びZ51は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸素原子を示す。Z21が酸素原子である場合はR29及びR30は存在せず、Z21が窒素原子である場合はR30は存在しない。Z31が酸素原子である場合はR37及びR38は存在せず、Z31が窒素原子である場合はR38は存在しない。Z41が酸素原子である場合はR47及びR48は存在せず、Z41が窒素原子である場合はR48は存在しない。Z51が酸素原子である場合はR59及びR60は存在せず、Z51が窒素原子である場合はR60は存在しない。
Z21、Z31、Z41及びZ51は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸素原子を示す。Z21が酸素原子である場合はR29及びR30は存在せず、Z21が窒素原子である場合はR30は存在しない。Z31が酸素原子である場合はR37及びR38は存在せず、Z31が窒素原子である場合はR38は存在しない。Z41が酸素原子である場合はR47及びR48は存在せず、Z41が窒素原子である場合はR48は存在しない。Z51が酸素原子である場合はR59及びR60は存在せず、Z51が窒素原子である場合はR60は存在しない。
αは、主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の炭素数1〜6のアルキレン基、アルコキシカルボニル基で置換された主鎖の炭素数1〜6のアルキレン基、又はフェニル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。アルキレン基の主鎖中のCH2の1つは、O、S、NR122(式中、R122は、水素原子、又はアルキル基を示す。)で置き換わっても良い。
βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、又はアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
γは、水素原子、主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。アルキル基の主鎖中のCH2の1つは、O又はS又はNR123(式中、R123は、水素原子又はアルキル基を示す。)で置き換わっていても良い。
中でも特に、一般式(A1)で示される化合物又は一般式(A8)で示される化合物が好ましい。これらの化合物はスタッキングしやすい構造を有するため、密着性向上効果がより効果的に得られると考えている。尚、これらの化合物は、特開2015−143828号公報に記載されている方法で合成することが可能である。以下、表1、表2に一般式(A1)及び(A8)で示される化合物の具体例を示す。
(2)架橋剤
−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造を有する架橋剤としては、この構造と、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基と重合(硬化)することが可能な官能基を有していればよい。X−((CO−(CH2)5−O)n)m′−Y(m´は1〜3の整数)で示される構造を有している化合物がより望ましい。
−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造を有する架橋剤としては、この構造と、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基と重合(硬化)することが可能な官能基を有していればよい。X−((CO−(CH2)5−O)n)m′−Y(m´は1〜3の整数)で示される構造を有している化合物がより望ましい。
Xは、m´が2の場合は下記式(X1)〜(X3)で示される構造であり、m´が3の場合は下記式(X4)〜(X6)で示される構造であり、
−CH2−CH2−・・(X1)
−CH2−CH2−O−CH2−CH2−・・(X2)
−CH2−C(CH3)2−CH2−・・(X3)
Yは、下記式(Y1)〜(Y3)で示される構造であり、
CO−NH−Y11−NCO・・(Y1)、
CO−NH−Y21−NHCOY22・・(Y2)、
CH2−Y31−CH2−OY32・・(Y3)
Y11、Y21、Y31は、−NH−CO−NH−、主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、アリーレン基、炭素数1〜6のアルキル置換アリーレン基、又は置換もしくは無置換の複素環基であり、Y22は下記式(Y221)〜(Y226)のいずれかで示される基であり、
Y32は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
−CH2−CH2−・・(X1)
−CH2−CH2−O−CH2−CH2−・・(X2)
−CH2−C(CH3)2−CH2−・・(X3)
CO−NH−Y11−NCO・・(Y1)、
CO−NH−Y21−NHCOY22・・(Y2)、
CH2−Y31−CH2−OY32・・(Y3)
Y11、Y21、Y31は、−NH−CO−NH−、主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、アリーレン基、炭素数1〜6のアルキル置換アリーレン基、又は置換もしくは無置換の複素環基であり、Y22は下記式(Y221)〜(Y226)のいずれかで示される基であり、
表3に架橋剤の具体例を示す。
−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造を有さない架橋剤としては、公知の材料を何れも用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)に記載されている化合物などが挙げられる。本発明において、架橋剤は重合性官能基を有することが好ましい。
本発明において、架橋剤はイソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、メチロール化合物、アルキル化メチロール化合物であることが好ましい。
架橋剤として市販されているもので好ましいものは、例えば、デュラネートMFK−60B、SBA−70B(以上、旭化成製)、デスモジュールBL3175、BL3475(以上、住化バイエルウレタン製)、スーパーメラミNo.90(日本油脂製)、スーパーベッカミン(R)TD−139−60、L−105−60、L127−60、L110−60、J−820−60、G−821−60、L−148−55、13−535、L−145−60、TD−126(以上、DIC製)、ユーバン2020(三井化学製)、スミテックスレジンM−3(住友化学工業製)、ニカラックMW−30、MW−390、MX−750LM、BL−60、BX−4000、MX−280、MX−270、MX−290(以上、日本カーバイド製)などが挙げられる。
(3)樹脂
−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造を有する樹脂としては、この構造及びヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基を有する樹脂ならば何れでも良い。X−((CO−(CH2)5−O)n)m´−H(nは2〜100の整数、m´は2または3)で表される化合物がより好ましい。
Xは、m´が2の場合は下記式(X1)〜(X3)で示される構造であり、m´が3の場合は下記式(X4)〜(X6)で示される構造である。
−CH2−CH2−(X1)、
−CH2−CH2−O−CH2−CH2−(X2)、
−CH2−C(CH3)2−CH2−(X3)
−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造を有する樹脂としては、この構造及びヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基を有する樹脂ならば何れでも良い。X−((CO−(CH2)5−O)n)m´−H(nは2〜100の整数、m´は2または3)で表される化合物がより好ましい。
Xは、m´が2の場合は下記式(X1)〜(X3)で示される構造であり、m´が3の場合は下記式(X4)〜(X6)で示される構造である。
−CH2−CH2−(X1)、
−CH2−CH2−O−CH2−CH2−(X2)、
−CH2−C(CH3)2−CH2−(X3)
以下、表4にX−((CO−(CH2)5−O)n)m´−H(nは2〜100の整数、m´は2または3)で表される樹脂の具体例を示す。
−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造を有さない樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
更に、−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造を有さない樹脂は重合性官能基を有することが好ましい。重合性官能基としては、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、メトキシ基が挙げられる。即ち、樹脂は、下記一般式(b)で示される構造単位を有することが好ましい。
一般式(b)において、R1は、水素原子又はアルキル基を示し、Y1は、単結合、アルキレン基又はフェニレン基を示し、W1は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基を示す。
重合性官能基を有する熱可塑性樹脂として市販されているものは、例えば、
AQD−457、AQD−473(以上、日本ポリウレタン工業製)、GP−400、GP−700(以上、三洋化成工業製サンニックス製)などのポリエーテルポリオール系樹脂;
フタルキッドW2343(日立化成工業製)、ウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM(以上、DIC製)、ハリディップWH−1188(ハリマ化成製)、ES3604、ES6538(以上、日本ユピカ製)などのポリエステルポリオール系樹脂;
バーノックWE−300、WE−304(以上、DIC製)などのポリアクリルポリオール系樹脂;
クラレポバールPVA−203(クラレ製)などのポリビニルアルコール系樹脂;
BX−1、BM−1、KS−5(以上、積水化学工業製)などのポリビニルアセタール系樹脂;
トレジンFS−350(ナガセケムテックス製)などのポリアミド系樹脂;
アクアリック(日本触媒製)、ファインレックスSG2000(鉛市製)などのカルボキシル基含有樹脂;
ラッカマイド(DIC製)などのポリアミン樹脂;
QE−340M(東レ製)などのポリチオール樹脂などが挙げられる。これらの中でも重合性官能基を有するポリビニルアセタール系樹脂、重合性官能基を有するポリエステルポリオール系樹脂などが重合性、下引き層の均一性の観点からより好ましい。
AQD−457、AQD−473(以上、日本ポリウレタン工業製)、GP−400、GP−700(以上、三洋化成工業製サンニックス製)などのポリエーテルポリオール系樹脂;
フタルキッドW2343(日立化成工業製)、ウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM(以上、DIC製)、ハリディップWH−1188(ハリマ化成製)、ES3604、ES6538(以上、日本ユピカ製)などのポリエステルポリオール系樹脂;
バーノックWE−300、WE−304(以上、DIC製)などのポリアクリルポリオール系樹脂;
クラレポバールPVA−203(クラレ製)などのポリビニルアルコール系樹脂;
BX−1、BM−1、KS−5(以上、積水化学工業製)などのポリビニルアセタール系樹脂;
トレジンFS−350(ナガセケムテックス製)などのポリアミド系樹脂;
アクアリック(日本触媒製)、ファインレックスSG2000(鉛市製)などのカルボキシル基含有樹脂;
ラッカマイド(DIC製)などのポリアミン樹脂;
QE−340M(東レ製)などのポリチオール樹脂などが挙げられる。これらの中でも重合性官能基を有するポリビニルアセタール系樹脂、重合性官能基を有するポリエステルポリオール系樹脂などが重合性、下引き層の均一性の観点からより好ましい。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体又は導電層の上に形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
下引き層中に含まれる、−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造の割合が、15質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
さらに、下引き層中に含まれる、式(A1)〜(A11)で表される構造から選択される少なくとも1種の構造に対し、−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造が、30質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
さらに、下引き層中に含まれる、式(A1)〜(A11)で表される構造から選択される少なくとも1種の構造に対し、−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造が、30質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
さらにまた、下引き層中の−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造が、Ra−[O−(CO−(CH2)5−O)n−]3で示される構造(Raは、下記式Ra1〜Ra3で示される構造である。)の一部であることもこのましい。
さらにまた、下引き層中に、更に−C6H12−N(CO−NH−(CH2)5−NH−CO−)2で表される構造を有することも好ましい。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(1−2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を電荷発生層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
<保護層>
本発明において、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、導電性粒子及び/又は電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
本発明において、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、導電性粒子及び/又は電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
保護層は、上述の各材料及び溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。尚、図においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。尚、図においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、及び、これらの複合機などに用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
下引き層に含有される電子輸送物質の代表例として、式(A109)、(A804)で示される化合物の合成例を示す。
(合成例1)
室温下、窒素気流下500ml3つ口フラスコに、ナフタレン―1,4,5,8―テトラカルボン酸二無水物26.8g(100mmol)、ジメチルアセトアミド250mlを入れた。これに、2−アミノ―1,3−プロパンジオール9.2g(100mmol)を撹拌しながら滴下し、滴下終了後3時間撹拌した。
次いで、4−ヘプチルアミン11.6g(100mmol)、ジメチルアセトアミド50mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えた後濾過を行い、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶し、表1に示す式(A109)で表されるイミド化合物11.3gを得た。
この化合物をマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)で測定した所、ピークトップ値438を得た。
室温下、窒素気流下500ml3つ口フラスコに、ナフタレン―1,4,5,8―テトラカルボン酸二無水物26.8g(100mmol)、ジメチルアセトアミド250mlを入れた。これに、2−アミノ―1,3−プロパンジオール9.2g(100mmol)を撹拌しながら滴下し、滴下終了後3時間撹拌した。
次いで、4−ヘプチルアミン11.6g(100mmol)、ジメチルアセトアミド50mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えた後濾過を行い、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶し、表1に示す式(A109)で表されるイミド化合物11.3gを得た。
この化合物をマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)で測定した所、ピークトップ値438を得た。
(合成例2)
室温下、窒素気流下300ml3つ口フラスコに、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物39.2g(100mmol)、ジメチルアセトアミド150mlを入れた。これに、L―ロイシノール23.4g(200mmol)、ジメチルアセトアミド50mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えた後濾過を行い、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶し、表2に示す式(A804)で表されるイミド化合物16.0gを得た。
この化合物をMALDI−TOF MSで測定した所、ピークトップ値590を得た。
次に、電子写真感光体の作製および評価について示す。
室温下、窒素気流下300ml3つ口フラスコに、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物39.2g(100mmol)、ジメチルアセトアミド150mlを入れた。これに、L―ロイシノール23.4g(200mmol)、ジメチルアセトアミド50mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えた後濾過を行い、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶し、表2に示す式(A804)で表されるイミド化合物16.0gを得た。
この化合物をMALDI−TOF MSで測定した所、ピークトップ値590を得た。
次に、電子写真感光体の作製および評価について示す。
(実施例1)
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子(粉体抵抗率:120Ω・cm、酸化スズの被覆率:40%)50部、フェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、DIC(株)製、樹脂固形分:60%)40部、メトキシプロパノール55部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、3時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子の平均粒径を、(株)堀場製作所製の粒度分布計(商品名:CAPA700)を用い、テトラヒドロフランを分散媒とし、回転数5000rpmにて遠心沈降法で測定した。その結果、平均粒径は0.30μmであった。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間160℃で乾燥させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子の平均粒径を、(株)堀場製作所製の粒度分布計(商品名:CAPA700)を用い、テトラヒドロフランを分散媒とし、回転数5000rpmにて遠心沈降法で測定した。その結果、平均粒径は0.30μmであった。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間160℃で乾燥させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
次に、化合物(A109)47.5部、架橋剤(L6)22.4部、架橋剤(I1)17.7部、樹脂(B1)0.9部を、メトキシプロパノール60部とテトラヒドロフラン60部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。硬化膜中のポリカプロラクトン構造の割合は21%、A109に対する割合は37%である。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が0.85μmの下引き層を形成した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が0.85μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶8部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)4部およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、2時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間95℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間95℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(1)で示されるアミン化合物(正孔輸送物質)6部、(2)で示されるアミン化合物(正孔輸送物質)2部ならびに、下記式(3)および(4)で示される構造単位を5/5の割合で有している、重量平均分子量(Mw)が100,000であるポリエステル樹脂10部を、ジメトキシメタン40部およびクロロベンゼン60部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が22μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、支持体上に導電層、下引き層、電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を、15℃、10%RHの環境下にて、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機(一次帯電:ローラー接触DC帯電、プロセススピード180mm/秒、レーザー露光)に装着した。そして、初期及び20,000枚画像出力後の表面電位の評価および出力画像の評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
作製した電子写真感光体を、15℃、10%RHの環境下にて、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機(一次帯電:ローラー接触DC帯電、プロセススピード180mm/秒、レーザー露光)に装着した。そして、初期及び20,000枚画像出力後の表面電位の評価および出力画像の評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
(表面電位評価)
上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。次に、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して初期の表面電位を測定した。また、暗部電位(Vd)が−600V、明部電位(Vl)が−150Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
続いて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、20,000枚の画像を出力した。
画像出力終了後、再び電位プローブ及び電位計を使用し、電子写真感光体の中央部の表面電位の測定を行った。
上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。次に、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して初期の表面電位を測定した。また、暗部電位(Vd)が−600V、明部電位(Vl)が−150Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
続いて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、20,000枚の画像を出力した。
画像出力終了後、再び電位プローブ及び電位計を使用し、電子写真感光体の中央部の表面電位の測定を行った。
(実施例2〜36)
電子輸送材料、架橋剤、樹脂、の種類および質量部を表5に示した通りに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、同様に初期及び20,000枚画像出力後の表面電位の評価および出力画像の評価を行った。結果を表5に示す。また、使用した電子輸送材料の構造を以下に示す。
電子輸送材料、架橋剤、樹脂、の種類および質量部を表5に示した通りに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、同様に初期及び20,000枚画像出力後の表面電位の評価および出力画像の評価を行った。結果を表5に示す。また、使用した電子輸送材料の構造を以下に示す。
(電子輸送材料)
(架橋剤)
(樹脂)
(比較例1〜2)
表5に示した通りに電子輸送材料、架橋剤、樹脂の種類および質量部を変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、同様に初期及び20,000枚画像出力後の表面電位の評価および出力画像の評価を行った。結果を表5に示す。
表5に示した通りに電子輸送材料、架橋剤、樹脂の種類および質量部を変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、同様に初期及び20,000枚画像出力後の表面電位の評価および出力画像の評価を行った。結果を表5に示す。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (8)
- 支持体と、下引き層と、感光層と、をこの順に有する電子写真感光体において、
該下引き層が、
式(A1)〜(A11)で表される構造から選択される少なくとも1種の構造と、
−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される構造と、
を有する化合物を有することを特徴とする電子写真感光体。
単結合以外のR11〜R16、R21〜R30、R31〜R38、R41〜R48、R51〜R60、R61〜R66、R71〜R78、R81〜R90、R91〜R98、R101〜R110、R111〜R120は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換の複素環基を示す。アルキル基の主鎖中のCH2の1つがO、S、NH又はNR121(R121はアルキル基)で置き換わっていても良い。
置換のアルキル基、置換のアルコキシ基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基である。置換のアリール基の置換基、置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基である。
Z21、Z31、Z41及びZ51は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸素原子を示す。Z21が酸素原子である場合はR29及びR30は存在せず、Z21が窒素原子である場合はR30は存在しない。Z31が酸素原子である場合はR37及びR38は存在せず、Z31が窒素原子である場合はR38は存在しない。Z41が酸素原子である場合はR47及びR48は存在せず、Z41が窒素原子である場合はR48は存在しない。Z51が酸素原子である場合はR59及びR60は存在せず、Z51が窒素原子である場合はR60は存在しない。) - 前記下引き層中に含まれる、−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される前記構造の割合が、15質量%以上30質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層中に含まれる、前記式(A1)〜(A11)で表される構造から選択される少なくとも1種の構造に対し、−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される前記構造が、30質量%以上60質量%以下である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層中の−(CO−(CH2)5−O)n−(nは2〜100の整数)で表される前記構造が
Ra−[O−(CO−(CH2)5−O)n−]3で示される構造
(Raは、下記式Ra1〜Ra3で示される構造である。)
の一部である請求項1〜3の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層中に、更に−C6H12−N(CO−NH−(CH2)5−NH−CO−)2で表される構造を有する請求項1〜4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 支持体と、下引き層と、感光層と、をこの順に有する電子写真感光体において、
該下引き層が、
式(A1)〜(A11)から選択される少なくとも1種の化合物と、
X−((CO−(CH2)5−O)n)m´−Y(nは2〜100の整数、m´は2または3)で表される化合物と、
を含有する組成物の重合物を有することを特徴とする電子写真感光体。
置換のアルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基である。置換のアリール基の置換基、置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基である。Z21、Z31、Z41及びZ51は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸素原子を示す。Z21が酸素原子である場合はR29及びR30は存在せず、Z21が窒素原子である場合はR30は存在しない。Z31が酸素原子である場合はR37及びR38は存在せず、Z31が窒素原子である場合はR38は存在しない。Z41が酸素原子である場合はR47及びR48は存在せず、Z41が窒素原子である場合はR48は存在しない。Z51が酸素原子である場合はR59及びR60は存在せず、Z51が窒素原子である場合はR60は存在しない。
αは、主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の炭素数1〜6のアルキレン基、アルコキシカルボニル基で置換された主鎖の炭素数1〜6のアルキレン基、又はフェニル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。アルキレン基の主鎖中のCH2の1つは、O、S、NR122(式中、R122は、水素原子、又はアルキル基を示す。)で置き換わっても良い。
βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、又はアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
γは、水素原子、主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の炭素数が1〜6のアルキル基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。アルキル基の主鎖中のCH2の1つは、O又はS又はNR123(式中、R123は、水素原子又はアルキル基を示す。)で置き換わっていても良い。
X−((CO−(CH2)5−O)n)m´−Yにおいて、Xは、m´が2の場合は(X1)〜(X3)で示される構造であり、m´が3の場合は下記式(X4)〜(X6)で示される構造であり、
−CH2−CH2−(X1)
−CH2−CH2−O−CH2−CH2−(X2)
−CH2−C(CH3)2−CH2−(X3)
- 請求項1乃至6の何れか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至6の何れか1項に記載の電子写真感光体、並びに、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017156666A JP2019035844A (ja) | 2017-08-14 | 2017-08-14 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017156666A Pending JP2019035844A (ja) | 2017-08-14 | 2017-08-14 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
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