JP6574673B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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近年、さらなる高画質化が求められており、有効な方法として正孔輸送層の薄膜化が挙げられる。これは、正孔輸送層を薄膜化することにより、静電潜像形成時の電荷の拡散を抑制できるからである。
また、ポジゴースト低減に関して、本発明者らの検討の結果、特許文献2、特許文献3に記載された技術では、ポジゴーストの抑制(低減)、特に連続画像出力前後でのポジゴーストレベルの変動分に関して、まだ改良の余地があるものであった。
該積層体が、支持体、該支持体上に形成された膜厚がd1(μm)である下引き層、該下引き層上に形成された膜厚がd2(μm)である電荷発生層を有し、
該正孔輸送層の膜厚が15μm以下であり、
該下引き層が、式(1)で示される電子輸送物質、架橋剤および重合性官能基を有する熱可塑性樹脂を含む組成物の重合物を有し、
Z1−X−Z2 (1)
(式(1)中、
Z1およびZ2は、電子輸送性を有する基を示す。
Xは連結基を示し、該連結基は置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換の複素環基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中のメチレン基をR1に置き換えて導かれる基を示す。R1は、酸素原子、硫黄原子、SO2、NR2、CO、または置換若しくは無置換のアリーレン基を示す。R2は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。
Z1、Z2、およびXの少なくとも1つが、重合性官能基を有し、該重合性官能基が、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基である。)
該積層体の該電荷発生層をコロナ帯電で帯電させてから1.0秒後の該電荷発生層の表面電位が、式(4):Vd1=−100×(d1+d2)
に基づいて決定されるVd1になるような帯電条件Cにて帯電を行った場合に、帯電から0.80秒後の該電荷発生層の表面電位Vd2が、
式(2):0.20≦|Vd2−Vd1|≦2.0
を満足し、かつ、
波長780nmのレーザー光を1マイクロ秒間露光してから0.04秒後の該積層体の該電子写真感光体の表面電位が、該Vd1(V)に対して20%減衰する値となるようにNDフィルターによって強度を調整した光を光Eとしたときに、
該光Eを表面電位がVd1(V)に帯電した該積層体の該電荷発生層の表面に露光し、該電荷発生層の表面電位の時間変化から求めた走行時間τ(ms)が、
式(3):τ≦10
を満足することを特徴とする電子写真感光体である。
該下引き層が、下記(i)または(ii)の重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
(i)式(11)で示される化合物の重合物、
(ii)式(11)で示される化合物および架橋剤を含有する組成物の重合物。
Yは、重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアルキレン基、または重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアリーレン基を示す。
R7およびR8は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基が酸素原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基が硫黄原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基がNR9に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換の複素環基、またはアルコキシカルボニル基を示す。R7およびR8は、重合性官能基を有してもよい。但し、前記酸素原子、硫黄原子、及びNR9は、R7およびR8が結合する窒素原子に直接結合しない。
本発明に係る第二の態様によれば、ポジゴーストが抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
そして、下引き層は、式(1)で示される電子輸送物質、架橋剤および重合性官能基を有する熱可塑性樹脂を含む組成物の重合物を有する。
Z1−X−Z2 (1)
(式(1)中、
Z1およびZ2は、電子輸送性を有する基を示す。
Xは連結基を示し、該連結基は置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換の複素環基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中のメチレン基をR1に置き換えて導かれる基を示す。R1は、酸素原子、硫黄原子、SO2、NR2、CO、または置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。R2は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。
Z1、Z2、およびXの少なくとも1つが、重合性官能基を有し、重合性官能基が、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基である。)
そして、積層体が、コロナ帯電で該電荷発生層を帯電させてから1.0秒後の該電荷発生層の表面電位をVd1とし、0.80秒後の該電荷発生層の表面電位をVd2としたとき、前記Vd1およびVd2が、式(2)および式(4)を満たすことを特徴とする。
0.20≦|Vd2−Vd1|≦2.0 (2)
Vd1=−100×(d1+d2) (4)
また、同時にτが式(3)を満たすことを特徴とする。
τ≦10 (3)
τは、露光してから0.04秒後の該電荷発生層の表面電位がVd1(V)に対して20%減衰するように強度を設定した光を表面電位がVd1(V)に帯電した該電荷発生層の表面に露光して、電荷発生層の表面電位の時間変化から求めた走行時間(ms)を示す。
本発明の判定法を行うときの温度および湿度条件は、電子写真感光体を有する電子写真装置を使用する環境下であればよい。好ましくは、常温常湿環境下(23±3℃、50±2%RH)環境下である。
上記測定法は、支持体、支持体上に形成された下引き層、および下引き層上に形成された電荷発生層を有する積層体を用いて行われる。
したがって、下引き層上に電荷発生層および正孔輸送層を形成した後に、正孔輸送層を剥離した下引き層および電荷発生層を有する積層体で判定することが必要である。
また、電子輸送物質が顔料として含有されている下引き層や、金属酸化物粒子が分散されている下引き層のような均一性の低い下引き層は、黒ポチが生じやすい。このように黒ポチが発生する下引き層は、本発明の判定法において、Vd1に帯電することができない場合がある。このことから、正孔輸送層を剥離した後の積層体をVd1に帯電可能であれば、黒ポチが抑制できると考えられる。
図3Aおよび図3Bは、式(2)および式(3)のVd1、Vd2、τを説明するための図である。
以下の帯電条件Cおよび光Eは、電子写真感光体が式(2)および(3)を満足するか否かを判定する前に決定する。
積層体の電荷発生層の表面を帯電する条件を以下ようにする。コロナ帯電器による帯電から1.00秒後の電荷発生層の表面の表面電位が式(4)で示されるVd1(V)となるように、コロナ帯電器に印加するグリッド電圧の値、放電ワイヤの電流の値を調整する。このグリッド電圧の値、放電ワイヤの電流の値を帯電条件Cとする。
Vd1=−100×(d1+d2) (4)
帯電条件Cによって、電荷発生層の表面電位を式(4)で示されるVd1(V)となるように電荷発生層の表面を帯電する。そして、波長780nmのレーザー光を1マイクロ秒間露光してから0.04秒後の電子写真感光体の表面電位がVd1(V)に対して20%減衰するように光の強度をNDフィルターによって調整する。この強度を設定した光を光Eとする。
以上のよう帯電条件Cおよび光Eの強度を設定することにより、Vd2とτの測定が可能となる。
0.2≦|Vd2−Vd1|≦2.0 (2)
単位膜厚あたり−100Vという表面電位は、正孔輸送層の薄膜化で生じる積層体にかかる電界の増加を想定した場合に、十分に強い電界である。
0.01≦τ≦2 (5)
(i)式(11)で示される化合物の重合物、
(ii)式(11)で示される化合物および架橋剤を含有する組成物の重合物。
Yは、重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアルキレン基、または重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアリーレン基を示す。
R7およびR8は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、置換若しくは無置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基のメチレン基が酸素原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基のメチレン基が硫黄原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基のメチレン基がNR9に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換の複素環基、またはアルコキシカルボニル基を示す。R7およびR8は、重合性官能基を有してもよい。但し、前記酸素原子、硫黄原子、及びNR9は、R7およびR8が結合する窒素原子に直接結合しない。
下引き層には、式(1)で示される電子輸送物質、架橋剤および重合性官能基を有する熱可塑性樹脂を含む組成物の重合物を有する。また該重合物は、式(1)で示される電子輸送物質が、上記(i)または(ii)の重合物を含んでも良い。
式(1)で示される電子輸送物質のZ1およびZ2において、電子輸送性を有する基は、電子輸送性を有する構造を有する基を意味する。電子輸送性を有する構造としては、例えば、キノン構造、イミド構造、ベンズイミダゾール構造、シクロペンタジエニリデン構造が挙げられる。
式(A1)〜(A10)中、R101〜R106、R201〜R210、R301〜R308、R401〜R408、R501〜R510、R601〜R606、R701〜R708、R801〜R810、R901〜R910、R1001〜R1008は、それぞれ独立に、単結合、式(A)で示される基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基、または置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中のメチレン基の1つがR3に置き換えて導かれる基を示す。R3は、酸素原子、硫黄原子、またはNR1101(R1101は、水素原子またはアルキル基)を示す。
置換のアルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、またはアルコキシカルボニル基である。置換のアリール基の置換基、置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、またはアルコキシ基である。
Z201、Z301、Z401及びZ501は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸素原子を示す。Z201が酸素原子である場合はR209及びR210は存在せず、Z201が窒素原子である場合はR210は存在しない。Z301が酸素原子である場合はR307及びR308は存在せず、Z301が窒素原子である場合はR308は存在しない。Z401が酸素原子である場合はR407及びR408は存在せず、Z401が窒素原子である場合はR408は存在しない。Z501が酸素原子である場合はR509及びR510は存在せず、Z501が窒素原子である場合はR510は存在しない。
αは、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中のメチレン基の1つをR4に置き換えて導かれる基、これらの基は、重合性官能基を有しても良い。R4は、酸素原子、硫黄原子、またはNR1102(R1102は、水素原子、又はアルキル基を示す。)を示す。該置換のアルキレン基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、またはフェニル基を示す。
βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン原子置換フェニレン基、又はアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これらの基は、重合性官能基を有しても良い。
γは、水素原子、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中のメチレン基の1つをR5に置き換えて導かれる基を示す。これらの基は、重合性官能基を有しても良い。該置換のアルキル基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基を示す。R5は、酸素原子、硫黄原子、またはNR1103(R1103は、水素原子又はアルキル基を示す。)を示す。
これらの反応で使用可能な化合物は、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)やおよびジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。
Yは、重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアルキレン基、または重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアリーレン基を示す。
R7およびR8は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基が酸素原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基が硫黄原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基がNR9に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアリール基、または置換若しくは無置換の複素環基、またはアルコキシカルボニル基を示す。R7およびR8は、重合性官能基を有してもよい。
但し、前記酸素原子、硫黄原子、及びNR9は、R7およびR8が結合する窒素原子に直接結合しない。
前記X1およびX2の置換基として、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げられる。また、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基等が挙げられるが、これらに限られない。また、前記アルキル基は前記ハロゲン原子または前記アリール基でさらに置換されていても良く、前記アリール基は前記ハロゲン原子または前記アルキル基でさらに置換されていても良い。さらに、前記X1およびX2には1又は2以上の置換基が置換していても良い。
前記Yの有する重合性官能基としては、活性水素基、不飽和炭化水素基やメトキシ基などが挙げられる。活性水素基としては、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アミノ基、およびチオール基が好ましく、中でもヒドロキシ基およびカルボキシル基がより好ましい。また、不飽和炭化水素基としては、アリーレン基に置換したエチレン基、並びにアクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基が好ましい。
前記Yの置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。式(11)で示される化合物において、前記Yの有する重合性官能基は、1つまたは2つ以上であっても良く、また1種または2種以上であっても良い。
前記アルキル基、アルキル基のメチレン基が酸素原子に置き換わって導かれる基、アルキル基のメチレン基が硫黄原子に置き換わって導かれる基、およびアルキル基のメチレン基がNR9に置き換わって導かれる基の置換基としては、例えば、ベンジル基などのアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基などのアリール基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基などの複素環基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、フェノキシル基などのアルコキシル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
前記アリール基、複素環基が有する置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、ベンジル基などのアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基などのアリール基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基などの複素環基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、フェノキシル基などのアルコキシル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
また、R7およびR8が重合性官能基を有する場合、該重合性官能基としては、前記Yの有する重合性官能基と同様の官能基が挙げられる。Yと同様に、R7およびR8が有する重合性官能基は、1つまたは2つ以上あっても良く、また1種または2種以上でであっても良い。
・質量分析
質量分析計(MALDI−TOF MS:ブルカー・ダルトニクス(株)製 ultraflex)を用い、加速電圧:20kV、モード:Reflector、分子量標準品:フラーレンC60の条件で、分子量を測定した。得られたピークトップ値で確認した。
(合成例)
室温下、窒素気流下300ml3つ口フラスコに、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物13.4g(50mmol)、ジメチルアセトアミド70mlを入れた。これに、4−ヘプチルアミン5.7g(50mmol)とジメチルアセトアミド30mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、50℃まで加熱した後、その温度下で2時間撹拌させた。さらに、3,3'−ジヒドロキシベンジジン5.4g(25mmol)、ジメチルアセトアミド30mlを入れ、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、例示化合物(E106)を2.4g得た。
下引き層に用いる架橋剤は、好ましくは、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、または−CH2−OR6(R6はアルキル基を示す)で示される基を2〜6個有する化合物である。具体的には、イソシアネート基、またはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、−CH2−OR6で示される基を有するアミン化合物である。イソシアネート基又はブロックイソシアネート基を2〜6個有しているイソシアネート化合物が好ましい。例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールとのアダクト変性体等が挙げられる。これらの中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体がより好ましい。
上述の多量体の重合度は、2以上100以下であることが好ましい。また、上述の多量体及び単量体は、2種以上混合して用いることもができる。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属又は合金製の支持体を用いることができる。ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属の薄膜を形成した支持体、又は酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成した支持体が挙げられる。
支持体の表面には、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング処理、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体と、積層体の下引き層との間には、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を樹脂に分散させた導電層用塗布液の塗膜を支持体上に形成し、乾燥させることで得られる。
導電性粒子としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
また、樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
積層体において、下引き層上には、感光層が設けられる。感光層は、電荷発生物質、および結着樹脂を含有する電荷発生層を含む。また、感光層は、電荷発生層と正孔輸送物質を含有する正孔輸送層とを有する積層型感光層であることが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体、インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、ビスベンズイミダゾール誘導体などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、およびフタロシアニン顔料からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、ポリビニルアセタールがより好ましい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との質量比率(電荷発生物質/結着樹脂)は、10/1〜1/10の範囲であることが好ましく、5/1〜1/5の範囲であることがより好ましい。電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。
電荷発生層上には正孔輸送層が形成される。正孔輸送層には、正孔輸送物質、および結着樹脂が含有する。
正孔輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミン、または、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマーが挙げられる。これらの中でもトリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、およびスチリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
正孔輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂が好ましい。また、これらの分子量としては、重量平均分子量(Mw)=10,000〜300,000の範囲が好ましい。
正孔輸送層において、正孔輸送物質と結着樹脂との比率(正孔輸送物質/結着樹脂)は、10/5〜5/10が好ましく、10/8〜6/10がより好ましい。
正孔輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
また、正孔輸送層上に表面保護層を形成してもよい。表面保護層は、導電性粒子または電荷輸送物質と結着樹脂とを含有する。また、表面保護層は、潤滑剤などの添加剤をさらに含有してもよい。また、保護層の結着樹脂自体に導電性や電荷輸送性を有させてもよく、その場合、保護層には、当該樹脂以外の導電性粒子や電荷輸送物質を含有させなくてもよい。また、保護層の結着樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱、光、放射線(電子線など)などにより重合させてなる硬化性樹脂であってもよい。
図7に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図7において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光11により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図7に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを選択して容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。この場合、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することが好ましい。図7では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子(粉体抵抗率:120Ω・cm、酸化スズの被覆率:40%)50部、
フェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、DIC(株)製、樹脂固形分:60%)40部、
溶剤(分散媒)としてのメトキシプロパノール50部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、3時間分散処理することによって、導電層用塗布液(分散液)を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱重合させることによって、膜厚が16μmの導電層を形成した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子の平均粒径を、(株)堀場製作所製の粒度分布計(商品名:CAPA700)を用い、テトラヒドロフランを分散媒とし、回転数5000rpmにて遠心沈降法で測定した。その結果、平均粒径は0.31μmであった。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は52質量%であった。
電子写真感光体をジメトキシメタン40部およびクロロベンゼン60部の混合溶剤に5分間浸漬させ、正孔輸送層を剥離した後、10分100℃で乾燥させることによって、積層体とした。FTIR−ATR法を用いて表面に正孔輸送層がないことを確認した。
次に、積層体を温度25℃、湿度50%RH環境下に24時間放置した後、上述の判定方法を用いて、上述のとおり、|Vd2−Vd1|(式(2))、走行時間τ(式(3))を算出した。測定結果を表18に示した。
上記レーザービームプリンターのプロセスカートリッジに、上述の電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、ベタ白画像を出力した。判定は目視で行った。
感度の評価は同一の光で照射したときの明部電位によって判定した。明部電位が低ければ感度が高く、明部電位が高ければ感度が低いと評価できる。暗減衰の評価は同一の印加電圧をかけたときの暗部電位によって判定した。暗部電位が低ければ暗減衰が大きく、暗部電位が高ければ暗減衰が小さいと判定した。評価はヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名:LaserJet P4510)を改造した装置に装着して行った。
改造としては、帯電は外部電源を用いてACのVppを1800V、周波数870Hzに、DCの印加電圧を−700Vに設定し、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにした。
電子写真感光体の表面電位は、評価機から、現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入し測定を行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、ドラム軸方向の中央とした。
まず、光を照射せずに暗部電位(Vd)を測定した結果−670Vであった。次に光Eを0.40μJ/cm2に設定し、明部電位(Vl)を測定した結果−180Vであった。
実施例1の電子輸送物質を(1−1)−1から表18に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
実施例1の樹脂(D1)から表18に示す樹脂に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
下引き層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
電子輸送物質(1−1)−10 5.2部、
架橋剤(B1、保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))5.6部、
樹脂(D1)0.9部、
ジオクチルスズラウリレート0.05部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.25μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は44質量%であった。
下引き層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
電子輸送物質(1−1)−1 5.9部、
イソシアネート化合物(B1、保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))5.4部、
樹脂(D1)0.5部、
ジオクチルスズラウリレート0.03部を、
ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.25μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は50質量%であった。
下引き層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
電子輸送物質(1−1)−1 6.7部、
イソシアネート化合物(B1、保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))4.3部、
樹脂(D1)0.3部、
ジオクチルスズラウリレート0.03部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.25μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は59質量%であった。
下引き層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
電子輸送物質(1−1)−4 6.8部、
アミノ化合物(C1−3)1.4部(架橋剤)、
樹脂(D1)1.8部、
触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.50μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は68質量%であった。
実施例23の電子輸送物質を(1−1)−4から表18に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例23と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
実施例23の樹脂(D1)から表18に示す樹脂に変更した以外は実施例23と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
下引き層を以下のように形成した以外は実施例23と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
電子輸送物質(1−1)−4 7.3部、
アミノ化合物(C1−3)1.3部、
樹脂(D1)1.4部、
触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.50μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は73質量%であった。
下引き層を以下のように形成した以外は実施例23と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
電子輸送物質(1−1)−4 7.8部、
アミノ化合物(C1−3)1.2部、
樹脂(D1)1.0部、
触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.50μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は78質量%であった。
下引き層を以下のように形成した以外は実施例23と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
電子輸送物質(1−1)−4 8.3部、
アミノ化合物(C1−3)1.0部、
樹脂(D1)0.5部、
触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.50μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は85質量%であった。
下引き層を以下のように形成した以外は実施例23と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
電子輸送物質(1−1)−4 8.8部、
アミノ化合物(C1−3)1.0部、
樹脂(D1)0.2部、
触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.50μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は88質量%であった。
実施例1の架橋剤(B1、保護基(H1))から表18に示す架橋剤に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
実施例23の架橋剤(C1−3)から表18に示す架橋剤に変更した以外は実施例23と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
実施例23の下引き層の膜厚を1.50μmから0.63μm(実施例55)、0.77μm(実施例56)、2.00μm(実施例57)、3.00μm(実施例58)、3.50μm(実施例59)に変更した。それ以外は実施例23と同様に電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
電荷発生層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
CuKαのX線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2゜)の9.0゜、14.2゜、23.9゜及び27.1゜にピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶を用意した。このオキシチタニウムフタロシアニン結晶10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学社製)を、シクロヘキサノン:水=97:3の混合溶媒に溶解し5質量%溶液としたものを166部用意した。この溶液と、シクロヘキサノン:水=97:3の混合溶媒を150部、それぞれ共に1mmφガラスビーズ400部を用いてサンドミル装置で4時間分散した後、シクロヘキサノン:水=97:3の混合溶媒を210部及びシクロヘキサノン260部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を80℃で10分間乾燥して膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
式(14)で表されるビスアゾ顔料の20部と、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学社製)10部とを、テトラヒドロフランの150部とともに混合分散させて、電荷発生層用塗布液を調製した。そして電荷発生層用塗布液を、下引き層上に、ディップコート法にて塗布し、110℃で30分間、加熱乾燥して、膜厚0.30μmの電荷発生層を形成した。
実施例1の式(12−1)で示される化合物(正孔輸送物質)から式(12−2)で示されるベンジジン化合物(正孔輸送物質)に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
実施例1の式(12−1)で示される化合物(正孔輸送物質)から式(12−3)で示されるスチリル化合物(正孔輸送物質)に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表18に示す。
比較例1の下引き層の膜厚を1.25μmから0.58μmに変更した以外は比較例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表19に示す。
下引き層を以下のように形成した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表19に示す。
式(15)で示される電子輸送物質4.0部、イソシアネート化合物(B1、保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))7.3部、樹脂(D1)0.9部、ジオクチルスズラウリレート0.05部を、を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.58μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は33質量%であった。
下引き層を以下のように形成した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表19に示す。
(1−6)−3で示される電子輸送物質3.6部、イソシアネート化合物(B1、保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))7.5部、樹脂(D1)1.1部、ジオクチルスズラウリレート0.05部を、を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.58μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は30質量%であった。
下引き層を以下のように形成した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表19に示す。
(1−6)−3で示される電子輸送物質9.0部、イソシアネート化合物(B1、保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))0.7部、樹脂(D1)0.3部、ジオクチルスズラウリレート0.05部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.25μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は90質量%であった。
下引き層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表19に示す。
(1−1)−3 で示される電子輸送物質10.0部、バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製:ユーピロンZ400)12.0部とを、テトラヒドロフラン(THF)80部に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.25μmの下引き層を形成した。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の全質量に対する電子輸送物質の含有量は45質量%であった。
実施例9の樹脂(D1)を下引き層に添加しなかった以外は実施例9と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表19に示す。
実施例23の下引き層の膜厚を1.50μmから2.50μm、正孔輸送層の膜厚を7μmから3μmに変更した以外は実施例23と同様に電子写真感光体を製造した。
感度の評価に際し、光Eを0.40μJ/cm2から0.62μJ/cm2に変更し、明部電位(Vl)を測定した以外は、実施例23と同様に評価した。結果を表20に示す。
実施例64の電子輸送物質を比較例1で使用した式(15)に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例64と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表20に示す。
実施例1の正孔輸送層の膜厚を7μmから5μmに変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。
感度の評価に際し、実施例1のVl電位と合せるため、光Eを0.40μJ/cm2から0.50μJ/cm2に変更し、明部電位(Vl)を測定した以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表20に示す。
実施例65の電子輸送物質を比較例1で使用した式(15)に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例65と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表20に示す。
実施例1の正孔輸送層の膜厚を7μmから10μmに変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。
感度の評価に際し、実施例1のVl電位と合せるため、光Eを0.40μJ/cm2から0.34μJ/cm2に変更し、明部電位(Vl)を測定した以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表20に示す。
実施例1の正孔輸送層の膜厚を7μmから15μmに変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。
感度の評価に際し、実施例23のVl電位と合せるため、光Eを0.40μJ/cm2から0.20μJ/cm2に変更し、明部電位(Vl)を測定した以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表20に示す。
実施例1の電子輸送物質を(1−1)−1から表21に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表21に示す。
実施例23の電子輸送物質を(1−1)−4から表21に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例23と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表21に示す。
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、
酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子(粉体抵抗率:120Ω・cm、酸化スズの被覆率:40%)50部、
フェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、DIC(株)製、樹脂固形分:60%)40部、
メトキシプロパノール55部を、
直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、3時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子の平均粒径を、(株)堀場製作所製の粒度分布計(商品名:CAPA700)を用い、テトラヒドロフランを分散媒とし、回転数5000rpmにて遠心沈降法で測定した。その結果、平均粒径は0.30μmであった。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間160℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が18μmの導電層を形成した。
式(11)で示される化合物として例示化合物(E101)4部、
ポリビニルブチラール樹脂(BX−1:積水化学工業株式会社製)1.5部、
触媒としてのジオクチルスズラウリレート0.0005部を、
ジメチルアセトアミド100部とテトラヒドロフラン100部の混合溶媒に溶解した。この溶液に、固形分8部相当のブロックイソシアネート樹脂(BL3175:住化バイエル製)を加え、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、硬化させることによって、膜厚が2.0μmの下引き層を形成した。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間95℃で乾燥させることによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
この正孔輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの正孔輸送層を形成した。
上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。そして、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。感光ドラムの表面電位は、初期暗部電位(Vd)が−600V、初期明部電位(Vl)が−150Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
続いて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、実施例で作製した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。まず、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力をおこなった。
ゴースト評価用画像は図9に示すように、画像の先頭部の白画像(21)中に四角のベタ画像(22)を出した後、図10に示す「1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像」を作製したものである。なお、図9中、ゴースト部(23)は、ベタ画像(22)に起因するゴースト(24)が出現し得る部分である。
ポジゴーストの評価は、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像の画像濃度と、ゴースト部の画像濃度との濃度差を測定することで行った。分光濃度計(商品名:X−Rite504/508、X−Rite(株)製)で、1枚のゴースト評価用画像中で濃度差を10点測定した。この操作をゴースト評価用画像10枚すべてでおこない、合計100点の平均を算出した。結果を表25に示す。上記濃度差(マクベス濃度の変化分)が大きいほど、ポジゴーストが強く生じていることになる。上記濃度差(マクベス濃度の変化分)が小さいほど、ポジゴーストが抑制されたことを意味する。
式(11)で示される化合物として例示化合物(E101)2部と例示化合物(E106)2部を用いた以外は実施例72と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表22に示す。
表22に示すように式(11)で示される化合物、架橋剤、樹脂の種類及び質量部を変更した以外は、実施例72と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表22に示す。
表22に示すように式(11)で示される化合物を変更し、樹脂を用いず、イソシアネート化合物を式(17)で示されるアクリル系架橋剤(A−TMPT:新中村工業社製)を用いた。さらに、触媒としてのジオクチルスズラウリレートの代わりにアゾイソブチロニトリル(AIBN)を用いた以外は、実施例72と同様に下引き層用塗布液を調製した。そして、下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を窒素気流下で加熱した以外は実施例72と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表22に示す。
導電層を形成せずに、アルミニウムシリンダーに対して、下記条件にて液体ホーニング処理を行い支持体とした事以外は、実施例72と同様に電子写真感光体を作製した。結果を表22に示す。
研磨剤砥粒=ジルコニアビーズ 粒径70〜125μm(商品名:ジルブラストB120 マテリアルサイエンス(株)製)
懸濁媒体=水
研磨剤/懸濁媒体=1/9(体積比)
ホーニング後のシリンダー表面粗さに関してJIS B 0601(1994)に準じ小坂研究所表面粗さ計サーフコーダSE3500を用い測定した。結果、最大高さ(RmaxD)=2.09μm、十点平均粗さ(Rz)=1.48μm、算術平均粗さ(Ra)=0.21μmであった。
実施例72、76、78、87、90、95の正孔輸送層の膜厚を15μmから20μmに変更した以外は、実施例72、76、78、87、90、95と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表22に示す。
以下の下引き層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。特開2010−145506号公報に記載の下記化合物(18)4質量部とポリカーボネートZ型樹脂(三菱瓦斯化学社製Z型ポリカーボネート、ユーピロンZ400)4.8質量部とジメチルアセトアミド100質量部とテトラヒドロフラン100質量部及を用いて下引き層用塗布液を調製した。結果を表22に示す。
式(11)に示される化合物の代わりに比較例11に記載の化合物(18)を用いた以外は実施例72と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表22に示す。
以下の下引き層用塗布液を用いた以外は、実施例72と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表22に示す。
式(19)で示される化合物10部、フェノール樹脂(PL−4804、群栄化学(株)製)5部をジメチルホルムアミド200部、ベンジルアルコール150部の混合溶媒に溶解し下引き層用塗布液を調製した。
式(11)に示される化合物の代わりに特開2003−330209号公報に記載の化合物(20)を使用した以外は、実施例122と同様に感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表22に示す。
Claims (23)
- 積層体、該積層体上に形成された正孔輸送層を有する電子写真感光体であって、
該積層体が、支持体、該支持体上に形成された膜厚がd1(μm)である下引き層、該下引き層上に形成された膜厚がd2(μm)である電荷発生層を有し、
該正孔輸送層の膜厚が15μm以下であり、
該下引き層が、式(1)で示される電子輸送物質、架橋剤および重合性官能基を有する熱可塑性樹脂を含む組成物の重合物を有し、
Z1−X−Z2 (1)
(式(1)中、
Z1およびZ2は、電子輸送性を有する基を示す。
Xは連結基を示し、該連結基は置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換の複素環基、または置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中のメチレン基をR1に置き換えて導かれる基である。前記R1は、酸素原子、硫黄原子、SO2、NR2、CO、または置換若しくは無置換のアリーレン基を示す。前記R2は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。
Z1、Z2、およびXの少なくとも1つが、重合性官能基を有し、該重合性官能基が、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基である。)
該積層体の該電荷発生層をコロナ帯電で帯電させてから1.0秒後の該電荷発生層の表面電位が、式(4):Vd1=−100×(d1+d2)
に基づいて決定されるVd1になるような帯電条件Cにて帯電を行った場合に、帯電から0.80秒後の該電荷発生層の表面電位Vd2が、
式(2):0.20≦|Vd2−Vd1|≦2.0
を満足し、かつ、
波長780nmのレーザー光を1マイクロ秒間露光してから0.04秒後の該積層体の該電子写真感光体の表面電位が、該Vd1(V)に対して20%減衰する値となるようにNDフィルターによって強度を調整した光を光Eとしたときに、
該光Eを表面電位がVd1(V)に帯電した該積層体の該電荷発生層の表面に露光し、該電荷発生層の表面電位の時間変化から求めた走行時間τ(ms)が、
式(3):τ≦10
を満足することを特徴とする電子写真感光体。 - 前記正孔輸送層の膜厚が3μm以上10μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記式(1)で示される電子輸送物質の含有量が、前記組成物の全質量に対して、50質量%以上85質量%以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層の膜厚d1が、0.7μm以上3.0μm以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記架橋剤が、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、または−CH2−OR6(R6はアルキル基を示す)で示される基を2〜6個有する請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記走行時間τ(ms)が、式(5)を満足する請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
0.01≦τ≦2 (5) - 前記式(1)で示される電子輸送物質が、式(11)で示される化合物である請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
Yは、重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアルキレン基、または重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアリーレン基を示す。
R7およびR8は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基が酸素原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基が硫黄原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基がNR9に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアリール基、または置換若しくは無置換の複素環基、またはアルコキシカルボニル基を示し、R7およびR8は、それぞれ独立に、重合性官能基を有してもよい。
該重合性官能基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基である。
但し、前記酸素原子、硫黄原子、及びNR9は、R7およびR8が結合する窒素原子に直接結合しない。) - 前記電荷発生層が、フタロシアニン顔料およびアゾ顔料からなる群より選択される少なくとも1種の電荷発生物質を含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記正孔輸送層が、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物およびスチリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種の正孔輸送物質を含有する請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 支持体、該支持体上に形成された下引き層、および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
該下引き層が、下記(i)または(ii)の重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体:
(i)式(11)で示される化合物の重合物、
(ii)式(11)で示される化合物および架橋剤を含有する組成物の重合物。
Yは、重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアルキレン基、または重合性官能基を有する置換若しくは無置換のアリーレン基を示す。
R7およびR8は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基が酸素原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基が硫黄原子に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアルキル基のメチレン基がNR9に置き換わって導かれる基、置換若しくは無置換のアリール基、または置換若しくは無置換の複素環基、またはアルコキシカルボニル基を示し、R7およびR8は、それぞれ独立に、重合性官能基を有してもよい。
但し、前記酸素原子、硫黄原子、及びNR9は、R7およびR8が結合する窒素原子に直接結合しない。) - R7およびR8において、
前記置換のアルキル基の置換基が、アリール基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子であり、
前記置換のアリール基の置換基及び前記置換の複素環基の置換基が、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基またはハロゲン化アルキル基である請求項10に記載の電子写真感光体。 - 前記重合性官能基がヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項10または11に記載の電子写真感光体。
- 前記重合性官能基が不飽和炭化水素基である請求項10または11に記載の電子写真感光体。
- 前記不飽和炭化水素基が、アクリロイルオキシ基、およびメタクリロイルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項13に記載の電子写真感光体。
- 前記式(11)で示される化合物の重合性官能基が2つ以上である請求項10から14のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記式(11)で示される化合物のYが、2つの重合性官能基を有する請求項10から15のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記式(11)で示される化合物のYにおいて、前記重合性官能基がヒドロキシ基である請求項10から16のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記式(11)で示される化合物のR7およびR8が、いずれも前記重合性官能基を有さない請求項10から18のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記式(11)中、R7およびR8が、重合性官能基を有し、
前記感光層が、電荷発生層、該電荷発生層上に形成された正孔輸送層を有し、
該正孔輸送層の膜厚が、15μmより大きいことを特徴とする請求項10から18のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 前記組成物における前記式(11)で示される化合物と前記架橋剤との質量比が、100:50以上100:500以下である請求項10から19のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1から21のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
- 請求項1から21のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、露光手段、帯電手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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