JP5409069B2 - 有機感光層を有する電子写真感光体の電荷発生層用塗工液およびその用途 - Google Patents
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一方、有機光導電性材料は、無機光導電性材料に比べて、感度、耐久性および環境に対する安定性などの点で若干劣るものの、毒性、製造コスト、材料設計の自由度などの観点から、近年では広く用いられている。
また、情報処理システムの進歩と相まって、近年従来の白色光の代わりにレーザー光を光源とする、高速化、高画質化、コンパクト化、高度なデジタル処理を長所とするレーザービームプリンターなどが広く普及するに至っている。
コンパクトディスク(CD)などで通常使用されている安価な半導体レーザーの発振波長は780nm前後であり、このような長波長光に対して高感度な特性を有する電荷発生物質としてフタロシアニン系顔料の開発が盛んに行われ、現在では感光体のほとんどにフタロシアニン系顔料が使用されるに至っている。
例えば、特開平8−29991号公報(特許文献1)および特開2000−330305号公報(特許文献2)には、分散溶媒として特定の有機溶剤を用いる方法、特開平9−304950号公報(特許文献3)には、加熱処理したバインダを溶剤に分散させる方法、特開平7−152167号公報(特許文献4)には、顔料分散工程の終了時にバインダを溶解しない溶剤で希釈するという方法が開示されている。
これら分散溶媒の最適化やバインダの改良は、高分散性の獲得、高電子写真特性の獲得に大いに寄与してきたが、いずれも溶剤として石油系溶剤を使用しているため、最近急速にクローズアップされてきた揮発性有機化合物(VOC)の低減やCO2削減などの環境負荷低減のため、これら石油系溶剤の削減が急務となっている。
そこで、このような湿度の影響を改善する方法として、特開平8−160643号公報(特許文献5)には、メラミン樹脂を用いて電荷発生層を熱硬化させる方法が開示されている。しかし、メラミン樹脂は、樹脂製造時にシックハウス症候群の原因物質の一つといわれ、現在大気汚染防止法における対象物質に挙げられているホルムアルデヒドが大量に使用される。そのため、樹脂内に製造時の未反応物が吸蔵され、感光体の中間層形成後の熱架橋処理過程においてホルムアルデヒドが発生するという問題がある。発生したホルムアルデヒドの大気放出を防ぐためには回収設備が必要であり、明らかに設備導入にはコストが掛かる。
前記電荷発生層が、上記の電荷発生層用塗工液から熱硬化を経て形成された層であることを特徴とする感光体が提供される。
また、水酸基やアミド基などのイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を有する樹脂を用いることにより、イソシアネート化合物と容易に熱硬化反応させることができる。
さらに、本発明では、イソシアネート基が、樹脂中の活性水素含有基に対して0.5以上1.5以下のモル比でブロックイソシアネート化合物中に存在することにより、緻密な硬化膜を形成することができ、感光体として優れた環境特性を実現することができる。
例えば、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、クマリン系顔料、多環キノン系色素などの多環縮合系顔料;無金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料;インジゴ系顔料、スクアリリウム色素、ピリリウム化合物、チオピリリウム化合物などの有機材料が挙げられる。
これらの電荷発生物質は1種を単独でまたは2種類以上を組み合わせ用いることができる。
電荷発生物質の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらに限定されない。
例えば、特開平1−200267号公報、特開平1−202757号公報、特開平1−319754号公報、特開平2−72372号公報、特開平2−254467号公報、特開平3−278063号公報、特開平4−96068号公報、特開平4−96069号公報、特開平4−147265号公報、特開平5−142841号公報、特開平5−303226号公報、特開平6−324504号公報、特開平7−168379号公報に記載の化合物が挙げられる。
これらのアゾ系顔料のカップラー成分は多岐にわたり、例えば、特開平2−110569号公報、特開平4−149448号公報、特開平6−27705号公報、特開平6−348047号公報に記載の化合物が挙げられる。
例えば、特開平1−88461号公報、特開平1−118143号公報、特開平1−118144号公報、特開平1−118145号公報、特開平1−118146号公報、特開平1−118147号公報、特開平1−159662号公報、特開平2−228670号公報、特開平2−228671号公報、特開平2−251858号公報、特開平3−1150号公報、特開平4−186363号公報、特開平4−186364号公報、特開平4−264451号公報、特開平5−6015号公報、特開平5−232726号公報、特開平5−249718号公報、特開平5−249719号公報、特開平6−32789号公報、特開平7−89962号公報、特開平7−319189号公報、特開2005−23322号公報に記載の化合物が挙げられる。
例えば、特開平1−219841号公報、特開平3−95562号公報、特開平5−23725号公報に記載の化合物が挙げられる。
例えば、特開平1−109352号公報、特開平5−2277号公報、特開平5−23725号公報、特開平6−222591号公報、特開平9−15888号公報、特開平9−152728号公報、特開2002−123015号公報に記載の化合物が挙げられる。
無機材料としては、例えば、セレン、CdS、非晶質シリコン、ポリシリコンなどが挙げられる。
これらの電荷発生物質の中でも、電荷発生層用塗工液の安定性、得られる感光体の安定性や感度の点で、アゾ系顔料、ペリレン系顔料およびクマリン系顔料から選択される多環縮合系顔料やフタロシアニン系色素が特に好ましい。
これらの有機ポリイソシアネートの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートベースの有機ポリイソシアネートは、水との親和性を持たせやすく、そのため水への溶解・分散が容易で、また架橋密度を高めることも容易なことから特に好ましい。
これらのブロック剤の中でも、汎用性、製造の簡易さ、作業性の点から、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系化合物およびε−カプロラクタムなどのラクタム系化合物は特に好ましい。
したがって、ブロックイソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートをオキシム系またはラクタム系のブロック剤でブロック化した構造を有するものが好ましい。
住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールBL5140、BL5235およびVPLS2310;
三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB−700WB−820およびWB−920;
日本ポリウレタン工業株式会社製、開発品名:BWD−102
旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1238、X1248およびX1258
などが挙げられる。
すなわち、硬化剤であるブロックイソシアネートと架橋構造を形成するために、ブロックイソシアネート化合物中の少なくとも2つのイソシアネート基と当量以上の、つまり少なくとも2つの水酸基またはアミド基を有する(1つの官能基しか有さない場合には架橋構造とはならず、高分子量となる)ポリオール樹脂やポリアミド樹脂が好適である。また、これらポリオール樹脂やポリアミド樹脂の構造を制御することにより、良好に水に分散および溶解させることができ、さらにこれらの樹脂は接着性が高く、感光体としたときの下層との接触不良による画像欠陥も効果的に防止できる。
日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD−457およびAQD−473、旭硝子株式会社製、製品名:エクセノール420および720、三洋化成工業株式会社製、製品名:サンニックスGP−400、GP−700およびSP−750などのポリエーテルポリオール系樹脂;
日立化成工業株式会社製、製品名:フタルキッドW2343、DIC株式会社製、製品名:ウォーターゾールS−118、CD−520およびBCD−3040、ハリマ化成株式会社製、製品名:ハリディップWH−1188などのポリエステルポリオール系樹脂;
DIC株式会社製、製品名:バーノックWE−300、WE−304およびWE−306、亜細亜工業株式会社製、製品名:WAP−473−FDおよびWAP−548、Nuplex Industries Ltd.製、製品名:SETAQUA6514などのポリアクリルポリオール系樹脂;
積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックKW−1およびKW−3などのポリビニルアセタール系樹脂;
信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH−50および65SH−400などの水溶性セルロースエーテルのようなセルロース;
ナガセケムテックス株式会社製、製品名:トレジンFS−350およびFS−500などの水溶性ナイロン(ポリアミド化合物系樹脂)
などが挙げられる。
このモル比(H/B)が0.5未満の場合または1.5を超える場合には、未反応の官能基が多く残存して、架橋密度が低くなり、形成された電荷発生層を有する感光体の環境安定性が低下するおそれがある。
電荷発生物質が10重量%未満の場合、感光体の感度が低下するおそれがある。
一方、電荷発生物質が99重量%を超える場合、電荷発生層の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大して、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなるおそれがある。
消泡剤の添加は、電荷発生層用塗工液にごく微量添加することによって泡を抑えることを目的としている。
本発明の電荷発生層用塗工液のように溶剤として水を使用し、また特に水溶性の樹脂を添加する場合には、調製時の分散や攪拌により発泡して分散や攪拌効率を低下させるだけでなく、塗布時に発泡して塗膜欠陥を引き起こすことがある。消泡剤はこれらの問題を抑制する。
消泡剤としては、例えば、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー444、470、485、PC(ポリエーテル系)、SNデフォーマー1311、1316(シリコーン系)、SNデフォーマー777、328、480、Hー2(オイルコンパウンド系);日硝産業株式会社製、製品名:TSA750(オイルコンパウンド系)、TSA770(エマルション系);東レ・ダウコーニング株式会社製:製品名:DK Q1−1247のようなシリコーン・エマルションなどが挙げられる。
消泡剤が0.05重量部を超える場合、感光体の電気特性を悪化させるおそれがあり、0.0005重量部未満の場合、有効な破泡効果が得られないおそれがある。
分散剤の添加は、電荷発生層用塗工液中での電荷発生物質の分散を安定させることを目的としている。
分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸系、ナフタレンスルホン酸系、リン酸塩系、ポリリン酸系、特殊カチオン系、界面活性剤系などが挙げられ、これらの中でも分散安定化効果の点でポリカルボン酸系およびナフタレンスルホン酸系が特に好ましい。
分散剤が0.02重量部を超える場合、感光体の電気特性を悪化させるおそれがあり、0.0005重量部未満の場合、有効な分散安定化効果が得られないおそれがある。
ホール輸送物質としては、後述するヒドラゾン誘導体、スチルベン系化合物、トリフェニルアミン系化合物およびそれらの変成体などが挙げられ、特に電荷輸送層に含有されている化合物と同じ構造を有する化合物が最適である。
電子輸送物質としては、後述するフルオレノン誘導体、ペリレン系色素類、キノン誘導体、シアノ化合物およびそれらの変成体などが挙げられ、特に中間層に含有される化合物と同じ構造を有する化合物が最適である。
光学増感剤としては、例えばキサンテン系色素、キノリン系顔料、銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料;エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料;メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料;カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料;シアニン染料;スチリル染料;ピリリウム塩染料およびチオピリリウム塩染料などが挙げられる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール:BHT)のようなヒンダードフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミンなどのアミン系酸化防止剤、ビタミンE、ハイドロキノン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄系化合物、有機燐系化合物などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の添加量が0.1重量部未満であると、塗工液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に充分な効果が得られないおそれがある。また、酸化防止剤の添加量が40重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
水性媒体は、水、水と低級アルコールなどの親水性有機溶剤との混合媒体を意味するが、本発明においては水のみが好ましい。
図1および2は、本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1は、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層(「機能分離型感光層」ともいう)である積層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図2は、感光層が電荷輸送層と電荷発生層とがこの順で積層された逆二層型の積層型感光層である積層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1および2の積層型感光層はいずれであってもよいが、図1の積層型感光層が好ましい。
図2の感光体は、導電性支持体1の表面に、中間層2と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層4と電荷発生物質を含有する電荷発生層3とがこの順で積層された逆二層型の積層型感光層5がこの順で形成されている。
なお、中間層2はあってもなくてもよい。
導電性支持体は、感光体の電極としての役割を果たすとともに、他の各層の支持部材としても機能する。
導電性支持体の構成材料は、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属および合金材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、セルロース、ポリ乳酸などの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる基体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料または合金材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム、カーボンブラックなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
電荷発生層3は、照射された光を吸収することにより電荷を発生する電荷発生能を有する電荷発生物質を主成分とし、前述のように公知の添加剤およびバインダ樹脂(結合剤)を含有する。
電荷発生層は、例えば、前述の電荷発生層用塗工液を導電性支持体表面または導電性支持体上に形成された後述する中間層表面に塗布し、得られた塗膜を硬化させることにより得られる。
電荷発生層用塗工液の塗布方法は、シートの場合にはベーカーアプリケーター法、バーコーター法(例えば、ワイヤーバーコーター法)、キャスティング法、スピンコート法、ロール法、ブレード法、ビード法、カーテン法など、ドラムの場合にはスプレー法、垂直リング法、浸漬塗工法、ロールコーティング法などが挙げられる。
塗布方法は、塗工液の物性や生産性などを考慮して最適な方法を選択すればよく、浸漬塗工法、ブレード法およびスプレー法が特に好ましい。
熱硬化は、熱風乾燥炉および遠赤外線乾燥炉などの公知の装置を用いて行うことができ、その条件は、用いるブロックイソシアネート化合物や樹脂の種類、配合割合などにより適宜設定すればよく、通常、温度110〜150℃、好ましくは130〜150℃で、時間10分間〜1時間程度である。
電荷輸送層は、電荷発生物質で発生した電荷を受け入れ、それを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、バインダ樹脂(結合剤)とを主成分として含有する。
具体的には、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質;
が挙げられる。これらの電荷輸送物質は1種を単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂;フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマールなどの熱硬化性樹脂、これらの樹脂の部分架橋物、これらの樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂)などが挙げられる。これらのバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
比率A/Bが10/25未満では、電荷輸送物質に対するバインダ樹脂の相対量比が高くなり、十分な感度が得られないおそれがある。
一方、比率E/Bが10/12を超えると、電荷輸送層の耐刷性や感光体の耐久性が低下するおそれがある。
酸化防止剤としては、電荷発生層に含まれるものと同様のものが挙げられ、これらの1種または2種以上を使用できる。
酸化防止剤の使用量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜50重量部程度である。
酸化防止剤の使用量が0.1重量%以上とすることで、塗工液の安定性および感光体の耐久性の更なる向上が期待できる。酸化防止剤の使用量が50重量%を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
可塑剤としては、例えば、フタル酸エステルのような二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーン、ジフェニルシリコーン、フェニルメチルシリコーンなどのシリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
無機化合物の微粒子としては、例えば、酸化チタン、シリコンなどの金属酸化物微粒子が挙げられ、有機化合物の微粒子としては、例えば、四フッ化エチレン重合体微粒子などのフッ素原子含有ポリマーの微粒子が挙げられる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
中間層は、導電性支持体から積層型感光層(有機感光層)への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、積層型感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
アルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどを共重合させた共重合ナイロン;N−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などが挙げられる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
金属酸化物粒子は、中間層の体積抵抗値を容易に調節でき、積層型感光層への電荷の注入をさらに抑制できると共に、各種環境下において感光体の電気特性を維持し、環境安定性を向上させることができる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ケイ素、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび酸化スズなどの粒子が挙げられる。
また、樹脂の重量Eと金属酸化物の重量Fとの比率E/Fは、90/10〜1/99、好ましくは70/30〜5/95である。
一方、中間層の膜厚が20μmを超えると、浸漬塗工法による中間層の形成が困難になると共に、中間層上に感光層を均一に形成することができず、感光体の感度が低下するおそれがある。
本発明の感光体は、積層型感光層5の表面に保護層(図示せず)を有していてもよい。
保護層は、感光層の摩耗性の改善やオゾン、窒素酸化物などによる化学的悪影響の防止の機能を有する。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
図3は、本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
図3の画像形成装置20は、本発明の感光体21(例えば、図1〜3の感光体のいずれか1つ)と、帯電手段(帯電器)24と、露光手段28と、現像手段(現像器)25と、転写手段(転写器)26と、クリーニング手段(クリーナ)27と、定着手段(定着器)31と、除電手段(図示せず、クリーニング手段27に併設される)を含んで構成される。図番30は転写紙を示す。
導電性支持体として、直径30mm×長さ300mm×厚さ0.8mmのアルミニウム製の円筒型導電性支持体を用いて、図1の感光体を作製した。
まず、金属酸化物微粒子としての、酸化アルミニウム(Al2O3)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)とで表面処理された樹枝状の酸化チタン(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1)6重量部と、樹脂としての共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製、製品名:アミランCM8000)4重量部とを、1,3−ジオキソラン50重量部とメタノール40重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカを用いて12時間分散処理して、中間層用塗工液(全量1kg)を調製した。
得られた中間層形成用塗工液を塗布槽に満たし、導電性支持体を浸漬した後引き上げ、自然乾燥させて、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
得られた電荷発生層用塗工液を、中間層と同様の浸漬塗工法で、先に形成した中間層上に塗布し、温度130℃で30分間乾燥・硬化させて、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
得られた電荷輸送層用塗工液を、中間層と同様の浸漬塗工法で、先に形成した電荷発生層上に塗布し、温度130℃で1時間乾燥させて、膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、実施例1の感光体を作製した。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の感光体を作製した。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):1.7重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):2.4重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
水:93重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の感光体を作製した。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):1.7重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):2.4重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40):0.008重量部
水:93重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の感光体を作製した。
電荷発生物質としての無金属フタロシアニン(DIC株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):1.7重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):2.4重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:SNディスパーサント5020):0.008重量部
水:93重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の感光体を作製した。
電荷発生物質としての、下記構造式(2)で示されるペリレン顔料:3重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):1.7重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):2.4重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
分散安定剤(三洋化成工業株式会社製、製品名:エレスタットAP−130):0.008重量部
水:93重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の感光体を作製した。
電荷発生物質としての、下記構造式(3)で示されるアゾ顔料:3.5重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):1.2重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):1.8重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
分散安定剤(三洋化成工業株式会社製、製品名:キャリボンL−400):0.009重量部
水:94重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して7/3の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の感光体を作製した。
電荷発生物質としての、下記構造式(4)で示されるクマリン系顔料:4重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):0.8重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):1.2重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40):0.01重量部
水:93重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して8/2の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の感光体を作製した。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としての水性ポリアクリルポリオール(固形分:45%、OH価:80、DIC株式会社製、製品名:バーノックWE−300):2.1重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:40%、NCO含有率:5.4%、三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB−920)::2.6重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.005重量部
分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:SNディスパーサント5468):0.008重量部
水:92重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の感光体を作製した。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD−473):3.6重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5%、日本ポリウレタン工業株式会社製、開発品名:BWD−102):1.8重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.005重量部
分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:SNディスパーサント2060):0.008重量部
水:92重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例10の感光体を作製した。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としての水溶性セルロース(OH価:360、信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH−50):0.27重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:4.3%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1458):2.5重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
分散安定剤(三洋化成工業株式会社製、製品名:サンスパールPS-2):0.008重量部
水:94重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例11の感光体を作製した。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としての水溶性ナイロン(固形分:20%、NH含有率:10%、ナガセケムテックス株式会社製、製品名:トレジンFS−350):2.2重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:45%、NCO含有率:7.0%、三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB−820):3.5重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー480):0.005重量部
分散安定剤(三洋化成工業株式会社製、製品名:キャリボンL-400):0.008重量部
水:91重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例12の感光体を作製した。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:960、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−1):0.49重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:37.5%、NCO含有率:3.7%、製品名:バイヒジュールVPLS2310、住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールVPLS2310):5.1重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40):0.008重量部
水:91重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例13の感光体を作製した。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):3.2重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):2.0重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40):0.008重量部
水:93重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して0.4のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例14の感光体を作製した。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):1.0重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):2.6重量部
消泡剤(オイルコンパウンド系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.005重量部
分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40):0.008重量部
水:93重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.6のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の感光体を作製した(有機溶剤系、硬化なし)。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製、製品名:エスレック BM−S):2重量部
有機溶剤としてのメチルエチルケトン:145重量部
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の感光体を作製した(有機溶剤系、硬化なし)。
電荷発生物質としての、上記構造式(2)で示されるペリレン顔料:3.5重量部
樹脂としてのポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製、製品名:エスレック BM−S):1.5重量部
有機溶剤としてのメチルエチルケトン:145重量部
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の感光体を作製した(水系、硬化なし)。
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):10重量部
水:87重量部
電荷発生層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例5の感光体を作製した(水系、ブロック型でないイソシアネート化合物(20℃、20時間でNCO基が完全に分解する)を使用)。
金属酸化物微粒子としての、酸化アルミニウム(Al2O3)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)とで表面処理された樹枝状の酸化チタン(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1):12重量部
電荷発生物質としてのオキソチタニウムフタロシアニン(オリエント化学工業株式会社製):3重量部
樹脂としてのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):2.8重量部
水分散型イソシアネート(非ブロック型、NCO含有率:16.5%、旭化成ケミカルズ株式会社製、製品名:デュラネートWB40−100):1.4重量部
消泡剤(ポリエーテル系、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.005重量部
分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40):0.008重量部
水:93重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、電荷発生物質(G)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(G/R)であった。
実施例1〜14および比較例1〜4において用いた材料および重量比G/Rを表1示す。
(1)感光体の電気特性および環境安定性
実施例1〜14および比較例1〜4において得られた感光体を、画像形成工程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(ジェンテック株式会社製、型式:CATE751)を設け、露光用の波長が異なる半導体レーザを設置できるように改造した、市販のデジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:AR-F330)にそれぞれ搭載し、各感光体の電気特性および環境安定性を評価した。
○:なし
△:僅かに観察される(実用可能)
×:はっきり観察される(実用不可)
得られた結果を表2に示す。
実施例1〜14および比較例1〜4において調製した電荷発生用塗工液を常温常湿(温度20℃、湿度50%)下で3ヶ月間保存した後、同様にして感光体を作成し、得られた感光体について、N/N環境下での残留電位VL(V)を測定し、上記(1)の初期残留電位VL(V)の値との差を、ポットライフの指標となる電位変動ΔVLP(V)として求めた。
得られた結果を表2に示す。
実施例1〜14および比較例4において調製した電荷発生用塗工液0.5gを、それぞれ寸法50mm×50mm×厚さ1.5mmのガラス板の表面に、ワイヤーバー法により均一に塗布し、得られた塗膜を温度130℃で30分間乾燥・硬化させてサンプルを得た。
得られたサンプルを、それぞれ温度20℃のアセトン中に回転数30rpmで攪拌しながら1日間浸漬し、下式から浸漬前の初期重量と浸漬後重量との重量差から硬化度(%)を求めた。
硬化度(%)=(1−(初期重量−浸漬後重量)/(初期重量))×100
また、(2)ポットライフ検討で作成した3ヶ月間保存した電荷発生用塗工液も上記と同様にサンプルを作成し、硬化度(%)を求めた。
なお、比較例1〜3の電荷発生用塗工液については、硬化樹脂ではないため硬化度を評価しなかった。
得られた結果を表2に示す。
(1)本発明の感光体(実施例1〜12)は、電荷発生層用塗工液の溶剤として水を用いているにもかかわらず、現在の感光体で多く用いられているブチラール系のバインダ樹脂を用いた有機溶剤系の比較例1および2の感光体と比較して、電気特性、画像特性、環境安定性、疲労特性および塗液安定性(ポットライフ)の全てにおいて同等以上の性能を有している。
一方、樹脂に対するブロックイソシアネート化合物の量が多い場合、すなわち樹脂中のOH基に対するNCO基が多い場合(実施例14)には、環境特性はそれほど低下しないが、疲労特性や塗液の保存性が低下する。これは、過剰に存在するイソシアネート基が水分と反応し電気特性に影響を及ぼすような不純物が生成したためと考えられる。
2 中間層(下引き層)
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 積層型感光層
22 回転軸線
23、29 矢符
24 帯電手段(帯電器)
24a 帯電ローラ
24b バイアス電源
25 現像手段(現像器)
25a 現像ローラ
25b ケーシング
26 転写手段(転写器)
27 クリーニング手段(クリーナ)
27a クリーニングブレード
27b 回収用ケーシング
28 露光手段
28a 光
30 転写紙(記録媒体)
31 定着手段(定着器)
31a 加熱ローラ
31b 加圧ローラ
Claims (10)
- 電荷発生物質と、ブロックイソシアネート化合物と、前記ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を有する樹脂と、水のみの媒体とを含むことを特徴とする有機感光層を有する電子写真感光体の電荷発生層用塗工液。
- 前記活性水素含有基が、水酸基またはアミド基である請求項1に記載の電荷発生層用塗工液。
- 前記イソシアネート基が、前記活性水素含有基に対して0.5以上1.5以下のモル比で前記ブロックイソシアネート化合物中に存在する請求項1または2に記載の電荷発生層用塗工液。
- 前記ブロックイソシアネート化合物が、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートをオキシム系またはラクタム系のブロック剤でブロック化した構造を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の電荷発生層用塗工液。
- 前記樹脂が、ポリエーテルポリオール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂、ポリアクリルポリオール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロースおよびポリアミド系樹脂から選択される請求項1〜4のいずれか1つに記載の電荷発生層用塗工液。
- 前記電荷発生物質が、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、クマリン系顔料またはフタロシアニン系顔料である請求項1〜5のいずれか1つに記載の電荷発生層用塗工液。
- 前記電荷発生層用塗工液が、消泡剤をさらに含む請求項1〜6のいずれか1つに記載の電荷発生層用塗工液。
- 前記電荷発生層用塗工液が、分散剤をさらに含む請求項1〜7のいずれか1つに記載の電荷発生層用塗工液。
- 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とがこの順または逆順で積層された有機感光層が積層されてなり、
前記電荷発生層が、請求項1〜8のいずれか1つに記載の電荷発生層用塗工液から熱硬化を経て形成された層であることを特徴とする電子写真感光体。 - 請求項9に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段と、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段と、前記電子写真感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段を少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置。
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