JP6661347B2 - プロセスカートリッジ、画像形成方法および電子写真装置 - Google Patents

プロセスカートリッジ、画像形成方法および電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、プロセスカートリッジ、画像形成方法および電子写真装置に関する。
電子写真プロセスは、一般には電子写真感光体の表面を一様に帯電させ、露光によって潜像を形成し、次いで潜像をトナーで現像を行って可視像とし、紙等の転写材にトナー画像を転写した後、転写材上にトナー画像を定着して印刷物を得るものである。また、転写材上に転写されずに電子写真感光体上に残ったトナーは、クリーニング手段により電子写真感光体上より除去される。クリーニング手段としてはブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ローラクリーニング等が用いられている。
近年、電子写真装置の小型化やエコロジーの観点からクリーニング手段を有さずに、電子写真感光体上に残留したトナーを現像手段で回収するクリーナーレスシステムと呼ばれるシステムが望まれている。
クリーナーレスシステムとして、単にクリーニング手段を省いてしまうと、帯電部材の汚染による帯電不良を原因として、不良画像(いわゆるカブリ画像)が発生しやすい。帯電部材の汚染を抑制するため、特許文献1では、帯電部材の面を摺擦して帯電部材を清掃する清掃部材を設けることが提案されている。また、特許文献2および3には、第二の接触帯電部材を配置して転写残トナーの極性を制御することで、帯電部材の汚染を抑制することが提案されている。
特開2008−70518号公報 特開平10−207186号公報 特開平10−312102号公報
特許文献1から3の方法では、クリーナーレスシステムとすることに伴って、別の補助手段(清掃部材、第二の接触帯電部材)を有しており、電子写真装置の小型化が十分と言えるものではない。
さらに、本発明者らの検討の結果、クリーナーレスシステムにおいて、繰り返し画像形成を行うと、白地にトナー像が現像されてしまうカブリ画像が発生しやすいことがわかった。特に、電子写真感光体の外径を23mm以下にした場合、上記カブリ画像がより発生しやすくなる。
本発明の目的は、転写残トナーの回収を現像手段で行うクリーナーレスシステムにおいて、繰り返し画像形成してもカブリ画像が抑制されたプロセスカートリッジ、画像形成方法および電子写真装置を提供することにある。
本発明は、電子写真装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
円筒状の電子写真感光体、
前記電子写真感光体を帯電する帯電手段、および
前記電子写真感光体上にトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段を有し、前記電子写真感光体が、ポリアリレート樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含有する表面層を有し、
前記電子写真感光体の外径が20mm以下であり、
前記現像手段が、前記トナー画像を転写材に転写された後に、前記電子写真感光体上に残留した転写残トナーを回収するものであり、
前記トナーの重量平均粒径(D4)が、7.1μm以上10.0μm以下であり、
前記トナーの平均円形度が0.95以上であり、
前記トナーの平均アスペクト比が0.90以上であり、
前記帯電手段が帯電ローラであり、
前記プロセスカートリッジが、
前記電子写真感光体と前記帯電ローラとの当接部が同方向に移動するように回転可能な駆動力を伝達し、前記帯電ローラの周速が電子写真感光体の周速に対して速くなるように駆動力を伝達する駆動伝達手段を有する
ことを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明によれば、転写残トナーの回収を現像手段で行うクリーナーレスシステムにおいて、繰り返し画像形成してもカブリ画像が抑制されたプロセスカートリッジ、画像形成方法および電子写真装置を提供することが可能である。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の一例を説明する図である。 電子写真感光体と帯電ローラに駆動力を伝達する駆動力伝達手段を説明する図である。 帯電ローラの体積抵抗率の測定方法を説明する図である。
本発明は、電子写真感光体、帯電手段、現像手段を有するプロセスカートリッジにおいて、以下の3つの特徴を有する。1つ目は、電子写真感光体が、ポリアリレート樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含有する表面層を有し、電子写真感光体の外径が23mm以下であることである。2つ目は、現像手段が、トナー画像を転写材に転写された後に、電子写真感光体上に残留した転写残トナーを回収するクリーナーレスシステムを有することである。3つ目は、トナーの重量平均粒径(D4)が、7.1μm以上10.0μm以下であり、トナーの平均円形度が0.95以上であり、トナーの平均アスペクト比が0.90以上であることである。
上記特徴により、繰り返し画像形成してもカブリ画像が抑制される理由について、本発明者らは以下のように推測している。
繰り返し使用後の現像手段内のトナーを観察すると、外観が崩れた異型トナーの比率が高まっていることが明らかとなった。したがって、カブリ画像の発生は、帯電手段(帯電部材)を単に汚染してしまう帯電不良が原因のもの以外に、外観が崩れた異型トナーが十分な電荷量(トリボ)が付与されていないことによって、カブリ画像として現像されてしまうと推測される。異型トナーには2種類あると考えている。1つは使用開始前の現像剤にそもそも含まれてしまうものが、トリボが適正に付与できずにカブリ画像となるもの。もう1つは、異型トナーは応力がかかりやすいため、壊れやすく、壊れた異型トナーが十分にトリボを付与できずにカブリ画像になっていると考えられる。特に、電子写真感光体の外径が23mm以下であると曲率が大きくなるため、周囲に配置された部材(現像手段や帯電手段など)との線圧が上がり、この異型トナーの壊れたものが多くなってしまうと考えられる。これにより、カブリ画像が発生しやすくなる。
本発明は、外径が23mm以下の電子写真感光体を用いて、クリーナーレスシステムとすることで、異型トナーによるカブリ画像がより発生しやすくなることを抑制するため、上記3つ目の特徴を有するトナーを用いている。このようなトナーを用いることにより、異型トナーの比率を少なくすることができる。詳細な理由については、後で述べる。
本発明の電子写真装置に着脱可能なプロセスカートリッジについて図面を参照しながら以下に説明する。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電ローラ3により、正または負の所定電位に均一に帯電される(帯電工程)。次いで、電子写真感光体上にスリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(画像露光手段、不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1上に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく(静電潜像形成工程)。帯電ローラ3に印加する電圧は、直流電圧であっても、直流電圧と交流電圧を重畳したものでもよい。
電子写真感光体1上に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されてトナー画像となる(現像工程)。次いで、電子写真感光体1上に形成されたトナー画像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに転写される(転写工程)。転写材Pは、電子写真感光体1の回転と同期して転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送されてくる。なお、電子写真感光体1上に形成されたトナー画像を中間転写体(中間転写ベルト等)を介して、転写材Pに転写する構成としてもよい。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー画像転写後の電子写真感光体1の周面は、前露光手段(不図示)からの前露光光により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。転写工程後、電子写真感光体上に残存した転写残トナーは、次回以降の電子写真プロセスの現像手段で現像同時クリーニングにより回収される。
現像同時クリーニングとは、転写工程後に感光体上に残留したトナーの電位と現像手段の電位差を利用して回収される。このため、転写残トナーはネガ帯電している必要がある。前露光はトナー(転写残トナー)をネガ化させるためには有効な手段となる。
上述の電子写真感光体1、帯電ローラ3、および現像手段5を一体に支持してプロセスカートリッジとして構成する。そして、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱可能に構成する。
本発明では、電子写真感光体1と帯電ローラ3との間に周速差を有することが好ましい。これは前述の転写残トナーをネガ化させるのに有効な手段であるからである。この周速差を発生させる構成として、電子写真感光体と帯電ローラとを一体としている。そして、電子写真感光体と帯電ローラの当接部が同方向に移動するように回転可能な駆動力を伝達し、帯電ローラの周速が電子写真感光体の周速より速くなるように駆動力を伝達する駆動伝達手段を設けている。駆動伝達手段は、図3に示すように、電子写真感光体に保持された電子写真感光体ギヤ1aと、帯電ローラに保持された従動ギヤ2aを有する。そして、電子写真感光体ギヤ1aから従動ギヤ2aに至る歯車系列を介して帯電ローラを電子写真感光体に連動駆動させる構成としている。周速差を有するためには、歯車のギヤ比を調整することで実現している。
本発明で用いられるトナー及び円筒状の電子写真感光体について詳述する。
〔トナー〕
本発明では、トナーが以下の要件を満たすことを特徴とする。
トナーの重量平均粒径(D4)が7.1μm以上10.0μm以下であり、
トナーの平均円形度が0.95以上であり、
トナーの平均アスペクト比が0.90以上である。
トナーの重量平均粒径が7.1μm未満であると、転写物(紙や中間転写体)への接触面積や当接圧が十分でなく、転写効率が低下する。転写効率が低いと、クリーナーレスシステムである場合において、帯電手段の汚染につながりカブリ画像が発生しやすくなる。一方、10.0μmより大きい場合、適正な電荷が付与しづらく、使用開始初期からカブリ画像が発生しやすい。
平均円形度が高いことは、球形に近い形が保たれており、電子写真感光体との接点が小さくなるため、転写物(紙や中間転写体)に転写を行うときに電子写真感光体からの離型性に有利に作用する。本発明においては、トナーの平均円形度が0.95以上である。好ましくは、0.95以上0.99以下である。クリーナーレスシステムの場合は、前述の通り転写効率が低いと、帯電手段の汚染につながりよりカブリ画像が発生しやすくなる。
トナーの平均アスペクト比が0.90以上である。この平均アスペクト比と平均円形度によって異型トナーの存在率を表すことができる。ここでの異型トナーとは、特にトナー粒子が2つ合一して、1つになってしまった瓢箪形状のトナーを指す。この瓢箪形状のトナーは、球形トナーと違い、その形状から外圧を局所的に受けやすく、壊れやすいと考えられる。電子写真プロセスにおいて、トナーが現像手段、転写手段、帯電手段と多くの圧力を受けることで、この異型トナーが壊れやすい。壊れた異型トナーは、上述の通り、トリボが十分に付与されずにカブリ画像を発生させると考えている。より好ましいトナーの平均アスペクト比は、0.90以上0.95以下である。
平均円形度と平均アスペクト比の両方の規定を用いることで、異型トナーの存在率を表すことができる。これは、瓢箪形状のような異型トナーの存在比が多くなると、平均円形度が高く、平均アスペクト比が低くなる。2つの同一円の重なりを考えた時に、例えば、2つの同一円の10%の面積が重なった瓢箪形状の異型トナーがトナーの全体に対して15%個数混入した場合、このトナーの平均円形度は0.95、平均アスペクト比は、0.88となる。
本発明のトナーは、公知の粉砕法で製造され、熱球形化処理等の公知の表面処理方法を用いて得られたトナーであっても良く、公知の重合法で製造されたトナーであってもよい。上記の平均円形度および平均アスペクト比を達成するためには、後述する懸濁重合法が好ましく用いられる。
本発明のトナーは、造粒工程および重合工程を含むトナー粒子の製造方法を用いて得られるトナーであることが好ましい。造粒工程は、重合性単量体、着色剤およびポリエステル樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子を分散安定剤Aを含む第一水系媒体の中で形成する工程である。重合工程は、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合させてトナー粒子を得る工程である。そして、ポリエステル樹脂の酸価が0.3mgKOH/g以上1.5mgKOH/g以下であり、トナーが、重合性単量体組成物を基準として5.0質量%以上20質量%以下のポリエステル樹脂を含有する。また、第一水系媒体が、重合性単量体組成物を基準として、1.5質量%以上5.9質量%以下の塩化ナトリウムを含有する。
本発明のトナー粒子の製造方法は、ポリエステル樹脂の酸価が低酸価であること、且つ重合性単量体組成物を基準としたポリエステル樹脂の含有量が5.0質量%以上20質量%以下であることが、平均アスペクト比の高いトナーを得るために重要である。これは、低酸価のポリエステル樹脂を特定量に含有させることで、造粒工程及び重合工程における重合性単量体組成物中の着色剤の分散性が向上し、重合性単量体組成物の粒子が水系媒体中で安定化するものと考える。これにより、トナー粒子同士の合一トナー(瓢箪形状などの異型トナー)が抑制され、平均アスペクト比の高いトナーが得られるものと考える。
一方、高酸価のポリエステル樹脂を多量に含有させると、粒度分布がブロードとなりやすい。従来、重合性単量体に含まれる樹脂は、高酸価であることで、水相と油相の界面に配向しやすくなり、粒子を安定化させると考えてきた。しかし、高酸価な樹脂を多く含有させると、重合性単量体組成物中の着色剤の分散性を低下させ、液滴の安定性を損なってしまう場合がある。
低酸価のポリエステル樹脂の含有量は、重合性単量体組成物を基準として5.0質量%以上20質量%以下であることが好ましい。この範囲にすることで、トナーの平均アスペクト比を0.90以上に制御し、重合性単量体組成物の粘度上昇を抑制して製造安定性が維持される。
また、低酸価ポリエステルの含有量の制御とともに、水系媒体中に重合性単量体組成物を基準として、1.5質量%以上5.9質量%以下の塩化ナトリウムを含有することが、微小粒子を抑制するために重要である。水系媒体中に、特定量の塩化ナトリウムを含有することで、その塩析効果により、重合性単量体組成物の粒子中から重合性単量体のモノマーが水系媒体中に溶解することを抑制できる。重合性単量体のモノマーが水系媒体中に溶解すると、モノマーに分散安定剤が付着し、所謂乳化粒子といった微小粒子を生成してしまう。また、乳化粒子を起点として、所望の粒径を有する重合性単量体組成物の粒子同士を接着させて、合一粒子を発生してしまう場合もある。従来、分散安定剤は、水系媒体中で副生塩を生成する。しかし、この副生塩による塩析効果の発現と所望の粒径を有するトナー粒子の製造の両立は難しいものであった。塩化ナトリウムの含有量が1.5質量%以上5.9質量%以下であると、微小粒子の抑制とトナーの帯電性の低下が抑制され、好ましい。
上記トナー粒子の製造方法は、さらに、造粒工程で得られた重合性単量体組成物の粒子と第二水系媒体とを混合する工程を有し、第二水系媒体が、分散安定剤Aを基準として5.0質量%以上40質量%以下の分散安定剤Bを含有することが好ましい。第二水系媒体に上記含有量の分散安定剤Bを含有することで、造粒時に不足している分散安定剤を補填し、更に平均アスペクト比の高いトナーを得ることが可能となる。分散安定剤Bの含有量が5.0質量%以上40質量%以下であると、平均アスペクト比の高いトナーが得られ、分散安定剤Bが重合時の重合性単量体の揮発モノマーに付着して微小粒子を増加することが抑制される。
分散安定剤Aは、塩化カルシウム水溶液とリン酸ナトリウム水溶液とを混合することによって調製されたものであることが好ましい。塩化カルシウムとリン酸ナトリウムからは、下記式(1)に示すように、ヒドロキシアパタイトと副生塩である塩化ナトリウムが生成される。ヒドロキシアパタイトは、重合性単量体組成物の粒子を安定化させるために好ましい分散安定剤である。又、副生塩として塩化ナトリウムが生成されるので、微小粒子を抑制する塩析効果を発現するためにも、本発明では好ましく使用される。
6NaPo+10CaCl+2HO→[Ca(PO]3Ca(OH)+18NaCl+2HCl 式(1)
重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系モノマーが用いられる。ビニル系モノマーとしては、単官能性モノマー、多官能性モノマーなどが挙げられる。
単官能性モノマーとしては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。上記の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を含むことが好ましい。
多官能性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
単官能性モノマーを単独でまたは2種以上組み合わせて、または単官能性モノマーと多官能性モノマーを組み合わせて使用してもよい。多官能性モノマーは架橋剤として使用することも可能である。
重合性単量体を重合させるために重合開始剤を用いる。重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。重合反応時の反応温度における半減期が0.5〜30時間の重合開始剤が好ましい。また、重合開始剤の添加量が重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部で重合反応を行うと、通常、分子量1万〜10万の間に極大値を有する重合体が得られ、適当な強度と溶融特性を有するトナー粒子を得ることができるため好ましい。
重合開始剤としては、以下の、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
重合性単量体の重合度を制御するために、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明においては、重合性単量体組成物には、ポリエステル樹脂が含有されることが好ましい。ポリエステル樹脂には以下のようなものが挙げられる。ポリエステル樹脂は、2価の酸に由来する成分(構造)と2価のアルコールに由来する成分(構造)を有する。
2価の酸としては、以下のジカルボン酸又はその誘導体が上げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類またはその無水物またはその低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物またはその低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類またはアルキルコハク酸類、またはその無水物またはその低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類またはその無水物またはその低級アルキルエステル。
2価のアルコールとしては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、水素化ビスフェノールA、式(1)で表されるビスフェノール及びその誘導体:
(式中、Rは、エチレン基またはプロピレン基を示す。x、yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
ポリエステル樹脂には、上述の2価の酸に由来する成分および2価のアルコールに由来する成分以外の成分を含有してもよい。例えば、1価のカルボン酸に由来する成分、1価のアルコールに由来する成分、3価以上のカルボン酸に由来する成分、3価以上のアルコールに由来する成分などが挙げられる。
1価のカルボン酸としては、安息香酸、p−メチル安息香酸等の炭素数30以下の芳香族カルボン酸や、ステアリン酸、ベヘン酸等の炭素数30以下の脂肪族カルボン酸等が挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
また、1価のアルコールとしては、ベンジルアルコール等の炭素数30以下の芳香族アルコールや、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベへニルアルコール等の炭素数30以下の脂肪族アルコール等が挙げられる。3価以上のアルコールとしては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂の製造方法については、特に制限されるもではなく、公知の方法を用いることができる。
本発明においては、重合性単量体組成物に、離型剤であるワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、離型性の高さの観点から、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。必要に応じて、二種以上のワックスを併用してもかまわない。
ワックスとしては、具体的には以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋アドレ株式会社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)。
ワックスの添加量としては、結着樹脂に対して1質量部以上20質量部以下のワックスを含有することが好ましい。
トナー粒子は、磁性トナー粒子であっても非磁性トナー粒子であっても良い。
磁性トナー粒子として製造する場合は、磁性体として磁性酸化鉄を用いることが好ましい。磁性酸化鉄としては、マグネタイト,マグヘマタイト,フェライト等の酸化鉄が用いられる。トナーに含有される磁性酸化鉄の量は、結着樹脂100質量部に対して25質量部以上100質量部以下であることが好ましい。
非磁性トナー粒子を製造する場合には、着色剤としてカーボンブラックやその他、公知の顔料や染料を用いることができる。また、顔料や染料は一種のみ使用しても良いし、二種以上を併用することもできる。トナーに含有される着色剤は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上60質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上50質量部以下である。
懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法において、上述した材料に加えて、公知の帯電制御剤、導電性付与剤や滑剤、研磨剤等を添加してもよい。
トナー粒子を製造時には、これら添加材を、均一に溶解または分散させて重合性単量体組成物とする。その後、この重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散させ、そして必要に応じて、芳香族溶剤及び重合開始剤を添加して重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。
トナー粒子の重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により流動性向上剤としての無機微粉体を混合し表面に付着させることで、トナーを得ることができる。
無機微粉体としては、公知のものが使用可能である。好ましくは、チタニア微粒子、湿式製法シリカ、乾式製法シリカなどのシリカ微粒子、それらシリカ微粒子をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理を施した無機微粉体である。表面処理を施した無機微粉体は、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化度が30以上98以下であることが好ましい。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、次のようにして求める。すなわち、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
1.Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
2.ガラス製の100ml平底ビーカーに電解水溶液約30mlを入れる。さらに、分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
3.発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
4.前記2.のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
5.前記4.のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
6.サンプルスタンド内に設置した前記1.の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記5.の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
7.測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、各平均粒径を算出する。専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値画面の「算術径」が重量平均粒径D4、「50%D径」がD50である。又、個数平均粒径D1も同様にして算出を行う。
<アスペクト比及び小粒子率の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。さらに、測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.977μm以上39.54μm未満に限定し、トナーの平均アスペクト比及び小粒子率を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.977μm以上39.54μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<樹脂のTgの測定>
樹脂のTgは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度Tgとする。
<樹脂の軟化点の測定>
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行なう。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの試料を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
昇温速度:4℃/min
開始温度:50℃
到達温度:200℃
<樹脂の酸価の測定>
樹脂の酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、フェノールフタレイン溶液を数滴加え、水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した水酸化カリウム溶液の量から求める。0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
次に本発明で用いられる電子写真感光体について述べる。
電子写真感光体の外径が23mm以下である。好ましくは20mm以下であり、より好ましくは、10mm以上20mm以下である。本発明において、電子写真感光体の外径は、支持体の外径として求める。なお、支持体上の感光層や表面層などの塗膜は、数μm〜数十μmの膜厚で十分に薄い膜であるため、電子写真感光体の外径として考慮しない。
電子写真感光体の表面層は、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂からなる群より選択される少なくとも1つ含有する。
ポリアリレート樹脂は、下記式(B)で示される構造単位を有することが好ましい。
(式(B)中、R31〜R34は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。Yは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。)
(式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
以下に式(B)で示される構造単位の具体例を示す。
本発明において、電子写真感光体の外径は、23mm以下であり、必要枚数を印刷するのに電子写真感光体の回転数は多くなるため、摩耗量、耐傷性の観点からポリアリレート樹脂が好ましい。特に、クリーナーレスシステムの電子写真装置では、電子写真感光体の表面層の摩耗によって生じた削れ粉は、帯電部材の汚染につながりやすい。ポリアリレート樹脂を用いた場合は、帯電部材の汚染による帯電不良が発生しにくいため、好ましいと考えられる。
ポリカーボネート樹脂は、下記式(A)で示される構造単位を有することが好ましい。
(式(A)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。)
(式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
以下に式(A)で示される構造単位の具体例を示す。
さらに、表面層には、シロキサン構造を有する部位を有するポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂が含有されていると、転写残トナーが現像手段に回収されやすく好ましい。これは、帯電系列が関与していると考えられ、転写手段でポジ化されたトナーが帯電部材で摩擦を受けた際にネガ化されやすくなり、現像手段に回収されやすくなっていると考えられる。トナーをネガ化させる手段として、表面層に金属酸化物や樹脂粒子を含有させることも好ましい。
電子写真感光体は、支持体、支持体上に形成された下引き層、および、下引き層上に形成された感光層を有する。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を単一の層に含有させた単層型感光層と、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光層とが挙げられる。好ましくは、積層型感光層であり、上記表面層が、電荷輸送層であることが好ましい。
図2に、本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。図2(a)は、支持体101上に形成された下引き層102を有し、下引き層102上に感光層103を有し、感光層103が表面層である。また、図2(b)は、支持体101上に形成された下引き層102を有し、下引き層102上に電荷発生層104を有し、電荷発生層104上に電荷輸送層105を有し、電荷輸送層105が表面層である。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属または合金で形成されている金属製支持体を用いることができる。アルミニウムやアルミニウム合金を用いる場合は、押し出し工程および引き抜き工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管や、押し出し工程およびしごき工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管を用いることができる。
支持体と下引き層との間には、支持体の欠陥の被覆や干渉縞の抑制を目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子および金属酸化物などの導電性粒子を、結着樹脂中に分散して形成することができる。導電性粒子としては、金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物粒子は、支持体から感光層側への電荷注入による黒点状の画像欠陥を抑制するため、金属酸化物の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている粒子であってもよい。
シランカップリング剤としてはN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリプロピレンなどが挙げられる。これらの中でも、電位変動の環境依存性を抑制する観点から、吸湿性が低い、ウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。ウレタン樹脂は、イソシアネート化合物と、ポリオール樹脂との硬化物からなる。イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソフォロンジイソシアネ―ト、IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDI−トリメチロールプロパンアダクト体、HDI−イソシアヌレート体、HDI−ビウレット体が上げられる。これらのイソシアネート化合物の中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソフォロンジイソシアネ―トなどの脂肪族ジイソシアネートは、架橋密度を高めることが容易な点で特に好ましい。
液安定性の観点から、これらのイソシアネートはブロック剤でブロックされたブロックイソシアネートであることが好ましい。ブロック剤の例としては、ホルムアルデヒドオキシム、アセトアルドオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトンオキシム、メチルイソブチルケトオキシムなどのオキシム系化合物、メルドラム酸、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−ブチル、酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ジイソプロピルアミン、ジフェニルアニリン、アニリン、カルバゾールなどのアミン系化合物、エチレンイミン、ポリエチレンイミンなどのイミン系化合物、コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド系化合物、マロネート、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール系化合物、アセトアニリド、N−メチルアセトアミド、酢酸アミドなどの酸アミド系化合物、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物、尿素、チオ尿素、エチレン尿素などの尿素系化合物、重亜硫酸ソーダなどの亜硫酸塩、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、フェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾールなどのピラゾール系化合物、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系化合物、および、これらのブロック剤を1種または2種以上を組合せたものなどが挙げられる。
ポリオール樹脂の例としては、ポリビニルアセタール、ポリフェノール、ポリエチレンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオールなどが挙げられる。本発明では、ポリビニルアセタールが特に好ましい。
導電層に有機酸金属を含有してもよく、有機酸ビスマス、有機酸亜鉛、有機酸コバルト、有機酸鉄などが用いられる。具体的には、オクチル酸ビスマス、オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸鉄、ナフテン酸ビスマス、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、サリチル酸鉄などが挙げられる。より好ましくは、オクチル酸ビスマス、オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸鉄である。有機酸金属の含有比率は、有機酸金属:金属酸化物粒子が1:200〜2:10(質量比)であることが好ましい。
導電層において、金属酸化物粒子と樹脂との質量比が1:1〜4:1(金属酸化物粒子/樹脂)であることが好ましい。質量比が1:1〜4:1であると、繰り返し使用時の明部電位変動が十分に抑制され、さらに、導電層にクラック(ひび割れ)が発生することが十分抑制される。
導電層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。導電層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、下引き層が設けられる。
下引き層は、樹脂(結着樹脂)を含有する下引き層用塗布液を支持体または導電層上に塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂(結着樹脂)としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリグルタミン酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリグルタミン酸エステルなどが挙げられる。下引き層の膜厚は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。
また、感光層から支持体への電荷の流れを向上させるため、下引き層には、電子輸送物質や導電性粒子を含有させてもよい。特に、反応性官能基(重合性官能基)を有する電子輸送物質を含む組成物の重合物を含有させると電子の注入の面からも優れている。これにより、下引き層上に感光層を形成するときに、感光層用塗布液中の溶剤に対して、下引き層の材料が溶出する抑制することが可能となる。
クリーナーレスシステムにおいては、転写工程後、極性が揃っていないものが転写残トナーとなるため、前露光手段や帯電手段を用いて転写残トナーをネガ化させる手段が好ましい。しかしながら、この場合、電子写真感光体に電気的劣化を起こしやすく明部電位の上昇を起こしやすい。下引き層に電子輸送物質を含有させることにより、上記明部電位上昇の抑制に有効に作用する。
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物などが挙げられる。
反応性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基などが挙げられる。
下引き層において、組成物中の反応性官能基を有する電子輸送物質の含有量は、30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
以下に、反応性官能基を有する電子輸送物質の具体例を示す。
式(A1)〜(A9)中、R101〜R106、R201〜R210、R301〜R308、R401〜R408、R501〜R510、R601〜R606、R701〜R708、R801〜R810、R901〜R908は、それぞれ独立に、下記式(1)もしくは(2)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環を示す。前記置換のアルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボニル基である。前記置換のアリール基または前記置換の複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、カルボニル基である。Z201、Z301、Z401、およびZ501は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、または酸素原子を示す。Z201が酸素原子である場合はR209およびR210は存在せず、Z201が窒素原子である場合はR210は存在しない。Z301が酸素原子である場合はR307およびR308は存在せず、Z301が窒素原子である場合はR308は存在しない。Z401が酸素原子である場合はR407およびR408は存在せず、Z401が窒素原子である場合はR408は存在しない。Z501が酸素原子である場合はR509およびR510は存在せず、Z501が窒素原子である場合はR510は存在しない。
101〜R106の少なくとも1つ、R201〜R210の少なくとも1つ、R301〜R308の少なくとも1つ、R401〜R408の少なくとも1つ、R501〜R510の少なくとも1つ、R601〜R606の少なくとも1つ、R701〜R708の少なくとも1つ、R801〜R810の少なくとも1つ、R901〜R908の少なくとも1つは、下記式(1)または(2)で示される基である。
式(1)、(2)中、A、B、CおよびDの少なくとも1つは反応性官能基を有する基であり、前記反応性官能基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基である。lは、0または1である。
Aは、カルボキシル基、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の基、または置換もしくは無置換のアルキル基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の基を示す。Rは、水素原子または、アルキル基である。該置換のアルキル基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、フェニル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。
Bは、主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の基、または置換もしくは無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNRに置き換えて導かれる主鎖の原子数が1〜6の基を示す。Rは、水素原子または、アルキル基である。該置換のアルキレン基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。
Cは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル基置換フェニレン基、ニトロ基置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これら基は、反応性官能基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有しても良い。
Dは、水素原子、または主鎖の原子数が1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基を示す。該置換のアルキル基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。
以下に反応性官能基を有する電子輸送物質の具体例を示す。表1に、上記式(A1)で示される化合物の具体例を示す。
(A1)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成することが可能である。(A2)〜(A6)、(A9)のいずれか構造を有する誘導体(電子輸送物質の誘導体)は、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。(A7)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)またはシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なフェノール誘導体を原料として合成することが可能である。(A8)の構造を有する誘導体は、東京化成工業(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なペリレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成することが可能である。
(A1)〜(A9)のいずれかで示される化合物には、架橋剤と重合することが可能な反応性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基及びメトキシ基)を有する。(A1)〜(A9)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下2つの方法がある。1つ目の方法は、(A1)〜(A9)の構造を有する誘導体に直接、反応性官能基を導入する方法である。2つ目の方法は、(A1)〜(A9)の構造を有する誘導体に、反応性官能基または、反応性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法である。2つ目の方法としては、(A1)〜(A9)の構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、(A1)〜(A9)の構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法る方法がある。その他には、(A1)〜(A9)の構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法がある。
(架橋剤)
次に、架橋剤について説明する。
架橋剤としては、反応性官能基を有する電子輸送物質、および後述の反応性官能基を有する熱可塑性樹脂と重合または架橋する化合物を用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。
好ましい架橋剤としては、イソシアネート化合物が挙げられる。イソシアネート化合物は、分子量が200〜1300の範囲であるイソシアネート化合物を用いることが好ましい。さらに、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を2個以上有しているイソシアネート化合物が好ましい。より好ましくは、3〜6個である。例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールとのアダクト変性体等が挙げられる。これらの中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体がより好ましい。
ブロックイソシアネート基は、−NHCOX(Xは保護基)という構造を有する基である。Xは、イソシアネート基に導入可能な保護基であれば何れでも良いが、下記式(H1)〜(H7)で示される基がより好ましい。
以下に、イソシアネート化合物の具体例を示す。
反応性官能基を有する電子輸送物質、架橋剤を含有する組成物には、さらに、反応性官能基を有する熱可塑性樹脂を含有させても良い。反応性官能基を有する熱可塑性樹脂としては、下記式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
式(D)中、R61は、水素原子またはアルキル基を示す。Yは、単結合、アルキレン基またはフェニレン基を示す。Wは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基を示す。)
下記式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂は、さらに、ブチラール、オレフィン、エステル、エーテル、セルロース、ポリアミドなどの部位を有していることが好ましい。下記式(D)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、アセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。
また、樹脂Dは、一般的に購入することも可能である。購入可能な樹脂としては、例えば、日本ポリウレタン工業(株)製AQD−457、AQD−473、三洋化成工業(株)製サンニックスGP−400、GP−700などのポリエーテルポリオール系樹脂、日立化成工業(株)製フタルキッドW2343、DIC(株)製ウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM、ハリマ化成(株)製ハリディップWH−1188、日本ユピカ社製ES3604、ES6538などのポリエステルポリオール系樹脂、DIC(株)製、バーノックWE−300、WE−304などのポリアクリルポリオール系樹脂、(株)クラレ製クラレポバールPVA−203などのポリビニルアルコール系樹脂、積水化学工業(株)製BX−1、BM−1などのポリビニルアセタール系樹脂、ナガセケムテックス(株)製トレジンFS−350などのポリアミド系樹脂、日本触媒(株)製アクアリック、鉛市(株)製ファインレックスSG2000などのカルボキシル基含有樹脂、DIC(株)製、ラッカマイドなどのポリアミン樹脂、東レ(株)製QE−340Mなどのポリチオール樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂などがより好ましい。樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は5000〜300000の範囲であることがより好ましい。
〔感光層〕
支持体、導電層または下引き層上には、感光層が設けられる。感光層は、電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型感光層であることが好ましい。電荷発生層は、電荷発生物質と結着樹脂を含有する。
電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、キサンテン色、キノンイミン色素や、スチリル色素が挙げられる。これらの中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンが好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂とともに溶剤に分散させることによって得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ブチラール樹脂、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン、スチレン−ブタジエン共重合体、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生物質と結着樹脂との質量比率(電荷発生物質:結着樹脂)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。より好ましくは、5:1〜1:1であり、さらには、3:1〜1:1である。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質(アクセプターなどの電子受容性物質)を含有させてもよい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送層が表面層である場合は、結着樹脂として、上記ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂を用いる。
具体的な電荷輸送物質としては、例えば、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミン化合物が好ましい。
結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキド樹脂などが挙げられる。特には、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。これらは、単独、混合物または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送物質と結着樹脂との質量比率(電荷輸送物質:結着樹脂)は、2:1〜1:2の範囲が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンや、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルや、ジメトキシメタン、ジメトキシエタンなどのエーテルや、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、3μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
また、感光層上には、感光層を保護することを目的として、保護層(表面層)を設けてもよい。保護層は、樹脂(結着樹脂)を含有する保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
保護層に用いる結着樹脂は、上記ポリカーボネート樹脂、上記ポリアリレート樹脂である。
保護層の膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上8μm以下であることがより好ましい。
上記各層用の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法の塗布方法を用いることができる。
本発明の帯電手段について詳述する。
〔帯電手段〕
帯電手段としては、電子写真感光体と当接する帯電ローラであることが好ましい。帯電ローラは、芯金とその外周に設けられた弾性層とからなる単層構成であっても良く、弾性層上に表面層を設けた2層構成であってもよい。
帯電ローラの表面の十点平均粗さ(Rzjis)は、5.0μm以下であることが好ましい。帯電ローラの表面の十点平均粗さ(Rzjis)の測定は、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器(商品名:SE−3400)を用いて行う。
弾性層は、ゴム成分から形成されており、ゴム成分としては、特に限定されるものではなく、帯電部材の分野において公知のゴムを用いることができる。具体的には、エピクロルヒドリンホモポリマー、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の水素添加物、シリコーンゴム、アクリルゴム及びウレタンゴム等が挙げられる。
表面層は、帯電部材の分野において公知の樹脂を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン及びシリコーン樹脂が挙げられる。さらに、表面層には、カーボンブラック、グラファイト、及び酸化錫等の導電性を有する酸化物、銅、銀等の金属、酸化物や金属を粒子表面に被覆して導電性を付与した導電性粒子、第四級アンモニウム塩等のイオン交換性能を有するイオン導電剤を用いてもよい。
帯電ローラの体積抵抗率の目安としては、それぞれ1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下である。なかでも、1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下にすることがより好ましい。
帯電ローラの体積抵抗率を1×10Ω・cm以上にした場合、下流放電量の増加が顕著となる。その結果、帯電ローラ通過後の転写残トナーに対し、下流放電を利用することで転写残トナーのネガ帯電化が可能となり、より現像手段での転写残トナーの回収がしやすくなる。また、帯電ローラの体積抵抗率を1×10Ω・cm以下にすることで、電気抵抗の不足による画像弊害の発生をより抑制することが可能となる。
本発明の電子写真感光体と帯電ローラは、電子写真感光体と帯電ローラの当接部が同方向に移動するような方向に回転することが好ましい。同方向に移動するような方向で回転させた場合、転写残トナーが電子写真感光体と帯電ローラのニップ部を通過しやすくなり、電子写真感光体の表面に転写残トナーが残留することが抑制される。このことによって、転写残トナーが堆積することで生じる帯電不良が抑制される。
また、本発明では、電子写真感光体と帯電ローラとの間に周速差を設けることが好ましい。このことにより、転写残トナーが電子写真感光体と帯電ローラのニップ部を通過しやすくなるだけでなく、ニップ部を通過する際に帯電ローラに摺擦されることで転写残トナーがネガ帯電されやすくなる。転写残トナーをネガ帯電することで、転写残トナーが現像手段(現像ローラ)でより回収されやすくなる。さらに、電子写真感光体の周速より帯電ローラの周速を速くすることがより好ましい。このようにすることで、電子写真感光体に対向する帯電ローラの面がリフレッシュされ、より均一な放電が可能となる。
帯電ローラの硬度は、圧子を1μm押し込んだ時点での表面のユニバーサル硬度が1.0N/mm以上、10.0N/mm以下であることが好ましい。1.0N/mm以上とすることで、長期間静止状態で、帯電ローラと電子写真感光体とを当接させた場合に生じる帯電ローラの変形由来の画像弊害の発生を抑制できる。また、10.0N/mm以下にすることで帯電ローラと電子写真感光体間のニップを十分に確保できる。
なお、帯電ローラの表面のユニバーサル硬度として、例えば、ユニバーサル硬度計(商品名:超微小硬度計H−100V,Fisher社製)を用いて測定する。ユニバーサル硬度とは、圧子を、荷重をかけながら測定対象物に押し込むことにより求められる物性値であり、(試験荷重)/(試験荷重下での圧子の表面積)(N/mm)として求められる。四角錐などの圧子を、所定の比較的小さい試験荷重をかけながら被測定物に押し込み、所定の押し込み深さに達した時点でのその押し込み深さから圧子が接触している表面積を求め、上記式よりユニバーサル硬度を求める。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に示す「部」は「質量部」を意味する。
〔トナーの製造例〕
<磁性体1の製造例>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で0.15質量%となる量のP、鉄元素に対してケイ素元素換算で0.5質量%となる量のSiOを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。この水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に、アルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対して0.9から1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH7.6に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、撹拌すると共にスラリーを循環させながらピンミルにて再分散させ、再分散液のpHを約4.8に調整する。そして、撹拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を磁性酸化鉄100部に対し1.6部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、撹拌を行い、分散液のpHを8.6にして表面処理を行った。生成した疎水性磁性体をフィルタープレスにてろ過し、多量の水で洗浄した後に100℃で15分、90℃で30分乾燥し、得られた粒子を解砕処理して体積平均粒径が0.21μmの磁性体1を得た。
<ポリエステル樹脂B1の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表2に示す使用量のモノマーを入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100部に対して1.5部添加した。次いで、窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した後、180℃から210℃まで10℃/時間の速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、210℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、ポリエステル樹脂B1を得た。その際、得られるポリエステル樹脂B1の軟化点が表3の値(125℃)となるように重合時間を調整した。ポリエステル樹脂B1の物性を表3に示す。
表2中、「TPA」はテレフタル酸、「IPA」はイソフタル酸、「TMA」はトリメリット酸のことを意味する。また、「BPA−PO」は、ビスフェノールA−PO2mol付加物、「BPA−EO」は、ビスフェノールA−EO2mol付加物を意味する。
<トナー1の製造例>
下記の手順によってトナー粒子、およびトナーを製造した。
(第一水系媒体の調製)
イオン交換水342.8部にリン酸ナトリウム12水和物3.1部を投入してTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて撹拌しながら60℃に加温した。その後、イオン交換水12.7部に塩化カルシウム2水和物1.8部を添加した塩化カルシウム水溶液と、イオン交換水14.5部に塩化ナトリウム4.3部を添加した塩化ナトリウム水溶液を添加して撹拌を進め、分散安定剤Aを含む第一水系媒体を得た。
(重合性単量体組成物の調製)
・スチレン 74.0部
・n−ブチルアクリレート 26.0部
・1−6ヘキサンジオールジアクリレート 0.5部
・サリチル酸アルミニウム化合物(E−101:オリエント化学社製) 0.5部
・着色剤:磁性体1 65.0部
・ポリエステル樹脂B1 20.0部
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株)製)を用いて均一に分散混合した後、60℃に加温し、そこにパラフィンワックス(DSCピーク温度:80℃)15部を添加混合し、溶解して重合性単量体組成物を得た。
(第二水系媒体の調製)
イオン交換水164.7部にリン酸ナトリウム12水和物0.9部を投入してパドル撹拌翼を用いて撹拌しながら60℃に加温した。その後、イオン交換水3.8部に塩化カルシウム2水和物0.5部を添加した塩化カルシウム水溶液を添加して撹拌を進め、分散安定剤Bを含む第二水系媒体を得た。
(造粒)
第一水系媒体中に上記重合性単量体組成物と重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート7部を投入し、60℃、窒素雰囲気下においてTK式ホモミキサーにて12000rpmで10分間撹拌しながら造粒した。このようにして、重合性単量体組成物の液滴を含む造粒液を得た。
(重合/蒸留/乾燥/外添)
上記第二水系媒体中に上記造粒液を投入し、パドル撹拌翼で撹拌しながら74℃で3時間反応させた。反応終了後、98℃で3時間蒸留した後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて洗浄した。その後、濾過・乾燥して、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に対して、下記材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製FM−10型)で混合して、トナー1を得た。尚、ヘンシェルミキサーのジャケットを用いて、液温が45℃になるように温度調整を行った。得られたトナーの平均円形度は0.98、平均アスペクト比は0.92であった。得られたトナーの重量平均粒径は8.1μmであった。
・ヘキサメチルジシラザン25質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径20nmの疎水性シリカ微粒子 0.5部
・ヘキサメチルジシラザン15質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径110nmの疎水性シリカ微粒子 0.5部
<トナー2〜5、8、9の製造例>
トナー1の製造例から、第一水系媒体の調整のうち、リン酸ナトリウム12水和物3.1部と塩化カルシウム2水和物1.8部の添加量を調整した以外は、トナー1の製造例と同様に所望のトナーを得た。両物質とも、添加量を増やすとトナーの重量平均粒径はトナー1の8.1μmより小さくなり、0.5部より減らすとトナーの重量平均粒径はトナー1の8.1μmより大きくなる。トナー2、4、9の製造例では、両物質とも添加量をトナー1の製造例よりも増やした。トナー3、5、8の製造例では、両物質とも添加量を0.5部より減らした。
<トナー6の製造例>
トナー1の製造例において、第二水系媒体の調整のうち、塩化カルシウム2水和物0.5部を0.25部へ変更した以外は、トナー1の製造例と同様にトナーを得た。
<トナー7及び10の製造例>
トナー1の製造例において、第二水系媒体の調整のうち、塩化カルシウム2水和物0.5部を加えなかった。そして、ろ過乾燥したのち、分級を行った以外は、トナー1の製造例と同様にトナー7及び10を得た。
<トナー11の製造例>
トナー1の製造例において、第二水系媒体の調整のうち、塩化カルシウム2水和物0.5部を0.15部へ変更した以外は、トナー1の製造例と同様にトナーを得た。
<トナー12の製造例>
トナー1の製造例において、第二水系媒体の調整のうち、塩化カルシウム2水和物0.5部を加えなかった以外は、トナー1の製造例と同様にトナーを得た。
<トナー13の製造例>
・スチレンアクリル共重合体(スチレンとn−ブチルアクリレートの質量比が74.0:26.0、メインピーク分子量Mpが10000) 100部
・磁性体1 90部
・サリチル酸アルミニウム化合物(E−101:オリエント化学社製) 0.5部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度:80℃) 5部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、150℃に加熱された2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られたトナー粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))を用いて機械式粉砕(微粉砕)した。得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。
続いて熱球形化処理を行った。熱球形化処理はサーフュージングシステム(日本ニューマチック(株)製)を使用して行った。熱球形化装置の運転条件は、フィード量=5kg/hr、熱風温度C=260℃、熱風流量=6m/min、冷風温度E=5℃、冷風流量=4m/min、冷風絶対水分量=3g/m、ブロワー風量=20m/min、インジェクションエア流量=1m/min、拡散エア=0.3m/minとした。
上記の熱球形化処理によって、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に対して、下記材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製FM−10型)で混合して、トナー13を得た。尚、ヘンシェルミキサーのジャケットは、液温が45℃になるように温度調整を行った。
・ヘキサメチルジシラザン25質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径20nmの疎水性シリカ微粒子 0.5部
・ヘキサメチルジシラザン15質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径110nmの疎水性シリカ微粒子 0.5部
得られたトナーの平均円形度は0.96、平均アスペクト比は0.90であった。得られたトナーの重量平均粒径(D4)は8.0μmであった。
得られたトナー1〜13の物性一覧を下記表4に示す。
〔電子写真感光体の製造例〕
<電子写真感光体1の製造例>
酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:1.0×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌しながら混合した。これにシランカップリング剤(表面処理剤)1.5部を添加し、6時間攪拌しながら混合した。その後、トルエンを減圧留去して、6時間140℃で乾燥させることによって、シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。シランカップリング剤としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)を用いた。
次に、ポリオール樹脂としてのブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部、および
ブロック化イソシアネート樹脂(商品名:TPA−B80E、80%溶液、旭化成工業社)15部を、
メチルエチルケトン73.5部/シクロヘキサノン73.5部の混合溶剤に溶解させて溶液を得た。
この溶液に、上記シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子81部、および、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部
を加え、これを分散媒体として平均粒径1.0mmのガラスビーズ180部を用いた縦型サンドミルに入れ、23±3℃雰囲気下において回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理した。
分散処理後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.01部、および、
架橋型のポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMERSSX−102、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径:2.5μm)を5.6部加えて攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。
得られた導電層用塗布液を、外径19.9mm、長さ261mmのアルミニウムシリンダーに浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度170℃、30分間加熱乾燥をし、厚さ30μmの導電層を形成した。
次に、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部をシクロヘキサノン100部に溶解させた。この溶液に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部、および、下記式(A)で示される化合物0.04部を加えた。
これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理した。分散処理後、これに酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上記導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(B)で示されるアミン化合物90部(電荷輸送物質(正孔輸送物質))、
下記式(C)で示されるアミン化合物10部(電荷輸送物質(正孔輸送物質))、
および、下記式(D)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂110部(重量平均分子量Mw120,000)、
をクロロベンゼン650部/ジメトキシメタン150部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を1日間放置した後、この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間温度110℃で乾燥させることによって、膜厚が21μmの電荷輸送層を形成した。式(D)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂において、テレフタル酸構造とイソフタル酸構造のモル比(テレフタル酸骨格:イソフタル酸骨格)は5/5である。
このようにして電子写真感光体1を製造した。
<電子写真感光体2の製造例>
電子写真感光体1の製造例において、式(D)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂を下記に示す構造単位を有するポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)125部に変更した。それ以外は、電子写真感光体1の製造例と同様に電荷輸送層を形成し、電子写真感光体2を製造した。
<電子写真感光体3の製造例>
電子写真感光体1の導電層上に、以下のように下引き層を形成した以外は、電子写真感光体1の製造例と同様に電子写真感光体を製造した。
例示化合物A101を8部、
式(1)で示される基でブロックされたイソシアネート化合物(B1)10部、
オクチル酸亜鉛(II)0.1部、および、
ブチラール樹脂(KS−5,積水化学株式会社製)(2部)を、
ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間160℃で加熱し、硬化(重合)させることによって、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
<電子写真感光体4の製造例>
電子写真感光体1の導電層上に、以下のように下引き層を形成した以外は、電子写真感光体1の製造例と同様に電子写真感光体を製造した。
N−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部およびn−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
<電子写真感光体5の製造例>
電子写真感光体1の導電層を以下の導電層に変更し形成した以外は、電子写真感光体1の製造例と同様に電子写真感光体5を製造した。
酸化チタン粒子(一次粒子の平均粒径200nm)200gを、水3Lに分散させた後、スズの含有量が41%であるスズ酸ナトリウム(NaSnO)208gを添加し溶解させて混合スラリーを得た。この混合スラリーを循環させながら、超音波(40kHz、570W)を照射しつつ前記混合スラリーに20%希硫酸水溶液を添加してスズの中和を行った。希硫酸水溶液は、混合スラリーのpHが2.5になるまで98分間かけて添加した。中和の後、塩化アルミニウム(Snに対して8mol%分)を混合スラリーに添加し、前記混合スラリーを撹拌した。これによって、目的とする導電性粒子の前駆体を得た。この前駆体を、温水によって洗浄した後、脱水濾過を行った。濾過によって回収された前駆体のケーキを横型チューブ炉中に載置し、2体積%H/N雰囲気下で500℃、1時間還元焼成した。これによって目的とする導電性粒子3を得た。
次に、導電性粒子3を219部、
フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60%)146部、および、
溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール106部を、
直径1.0mmのガラスビーズ420部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を調製した。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。その後、分散液に表面粗し付与材としてシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、平均粒径2μm)23.7部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA)0.024部、メタノール6部、および、1−メトキシ−2−プロパノール6部を添加して攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。アルミシリンダー上に導電層用塗布液を浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度150℃、30分間加熱乾燥を行い、厚さ30μmの導電層を形成した。
<電子写真感光体6の製造例>
電子写真感光体1の製造例において、式(D)で示される構造単位を有するポリエステル樹脂を下記式で示される構造単位を有するポリエステル樹脂に変更した。それ以外は、電子写真感光体1の製造例と同様に電荷輸送層を形成し、電子写真感光体6を製造した。
<評価>
評価は、繰り返し使用時におけるカブリ画像について行った。
評価装置としては、ヒューレットパッカード(株)製HP Color LaserJet Enterprise CP4525n(プロセススピード 240mm/sec、前露光手段(除電手段)有)を用いた。この評価装置を外径19.9mmの電子写真感光体が入るように改造し、電子写真感光体に外部電源を用い、DCバイアスが印加できるように改造した。また、帯電ローラの当接部と電子写真感光体が同方向に移動するように、かつ、周速差は110%となるように改造した。プロセスカートリッジに作製した電子写真感光体を装着して、プロセスカートリッジのブラックステーションに装着し、評価は、温度30℃、湿度80%RH環境下で行った。なお、周速差110%とは、電子写真感光体に対する帯電ローラの周速の比率を意味する。
また、現像ローラを製造し、評価装置自身に用いられている現像ローラと同じ当接圧になるような膜厚に調整し、評価装置に配置した。
(帯電ローラAの用意)
〔帯電ローラAの作製〕
1.未加硫ゴム組成物の調整
下記の表5に示す種類と量の各材料を混合し未加硫ゴム組成物を調製した。
2.導電性弾性ローラの作製
快削鋼の表面に無電解ニッケルメッキ処理を施した全長252mm、外径6mmの丸棒を用意した。次に前記丸棒の両端部11mmずつを除く230mmの範囲に全周にわたって、接着剤を塗布した。接着剤は、導電性のホットメルトタイプのものを使用した。また、塗布にはロールコータ―を用いた。本実施例において、前記接着剤を塗布した丸棒を導電性の軸芯体として使用した。
次に、導電性の軸芯体の供給機構、未加硫ゴムローラの排出機構を有するクロスヘッド押出機を用意し、クロスヘッドには内径12.5mmのダイスを取付け、押出機とクロスヘッドを80℃に、導電性の軸芯体の搬送速度を60mm/secに調整した。この条件で、押出機より未加硫ゴム組成物を供給して、クロスヘッド内にて導電性の軸芯体に未加硫ゴム組成物を弾性層として被覆し、未加硫ゴムローラを得た。次に、170℃の熱風加硫炉中に前記未加硫ゴムローラを投入し、60分間加熱することで未研磨導電性弾性ローラを得た。その後、弾性層の端部を切除、除去した。最後に、弾性層の表面を回転砥石で研磨した。これによって、中央部から両端部側へ各90mmの位置における各直径が9.9mm、中央部直径が10.0mmの導電性弾性ローラを得た。
3.塗工液1の作製
帯電ローラの導電層を形成するバインダー樹脂の塗工液について以下の手法で作製した。
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR200 日本ポリウレタン工業社製)27部に対し、ポリエステルポリオール(商品名:P2010 クラレ株式会社製)100部を反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量4.3%のイソシアネート基末端プレポリマー1を得た。
(塗工液1の調整)
イソシアネート基末端プレポリマー1を54.9部に対して、同じくポリエステルポリオール(商品名:P2020 クラレ株式会社製)41.52部、カーボンブラック15部(トーカブラック#7360SB 東海カーボン社製)を撹拌混合した。
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトン(以下MEK)を加えた後、ペイントシェーカーにて12時間混合攪拌した。ついで、更に、MEKで粘度8cpsに調整して塗工液1を調製した。
4.帯電ローラの製造
上記3の手法で作製した塗工液1に、上記2で作製した導電性弾性ローラを1回ディッピングした。その後、23℃で30分間風乾し、次いで90℃に設定した熱風循環乾燥機中で1時間乾燥し、更に160℃に設定した熱風循環乾燥機中で1時間乾燥させて、導電性弾性ローラの外周面上に導電層を形成した。
5.特性評価
得られた導電性ローラAの体積抵抗率は3.3×1010Ω・cm、表面硬度は18.0N/mmであった。測定方法は以下に記述した。
5−1.帯電ローラの体積抵抗率測定
図4に抵抗測定装置の概略図を示した。帯電ローラ1の中央部には1.5cm幅のアルミシート31が帯電ローラと隙間なく密着するように巻きつけられている。この状態で、帯電ローラ1の芯金部分11に電源32を用いて直流電圧を印加し、31のアルミシートに直列に接続した抵抗33にかかる電圧から、帯電ローラの電気抵抗を測定した。帯電ローラの電気抵抗は、図4の装置を用い、芯金11とアルミシート31の間に直流200Vの電圧を印加して測定した。測定された電気抵抗の値(Ωd)から、ローラ外径10mm、アルミシート幅1.5cm、帯電ローラの厚みが2.0mmのため、以下の式(4)から体積抵抗率(Pd)を求めた。
Pd=(Ωd×1.0×π×1.5)/0.20・・・・(4)
5−2.帯電ローラの表面硬度の測定
帯電ローラの表面硬度をユニバーサル硬度計(商品名:超微小硬度計H−100V,Fisher社製)を用いて測定した。測定用の圧子としては、四角錐型ダイヤモンドを用いた。押し込み速度は下記式5の条件である。
dF/dt=1000mN/240s・・・・・(5)
上記式5において、Fは力、tは時間を表す。圧子の押し込み深さが1μmの時点での最大硬さを帯電ローラの表面硬度とした。
次に評価について説明する。まず、カブリ画像の評価を行った。
通紙時の画像出力は各色の印字率1%の文字画像を、A4サイズの普通紙でフルカラープリント操作を連続で10000枚行い、10000枚通紙後の画像を評価した。カブリ画像の評価は、一部を遮蔽した紙で、ベタ白画像を出力し、遮蔽部の元の紙の色と非遮蔽部の紙の色を反射濃度計で測定し、非遮蔽部濃度/遮蔽部濃度でカブリ率とした。カブリ率の値から以下の評価ランクつけをした。カブリ率15%より大きい場合は、本発明の効果が得られていないレベルと判断した。
カブリ率 5%以下 A
カブリ率 5%より大きく10%以下 B
カブリ率 10%より大きく15%以下 C
カブリ率 15%より大きい D
〔実施例1〜16、比較例1〜4〕
表6に電子写真感光体とトナーの組み合わせを示し、結果をまとめた。評価機は、実施例1に対して、実施例5は評価機の前露光手段を用いなかった。実施例15では、実施例1に対して、帯電手段と電子写真感光体に周速差を設けず、従動とした。
〔実施例17〕
実施例13において評価に用いた帯電ローラAの塗工液1に用いたポリエステルポリオール(商品名:P2020 クラレ株式会社製)をポリエステルポリオール(商品名:P2010 クラレ株式会社製)に変更した以外は同様に導電性ローラBを作製し、評価に用いた。得られた導電性ローラBの体積抵抗率は3.1×10Ω・cm、表面硬度は1.5N/mmであった。
〔参考例1〕
比較例1において、評価装置にクリーニングブレードを設置する改造をした以外は、比較例1と同様に評価をした。
また、この場合、トナーの重量平均粒径が7.1μm以上10.0μm以下で平均円形度0.95以上、アスペクト比0.90以上のトナーを用いた場合、カブリのない電子写真装置が提供できる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (8)

  1. 電子写真装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    円筒状の電子写真感光体、
    前記電子写真感光体を帯電する帯電手段、および
    前記電子写真感光体上にトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段を有し、前記電子写真感光体が、ポリアリレート樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含有する表面層を有し、
    前記電子写真感光体の外径が20mm以下であり、
    前記現像手段が、前記トナー画像を転写材に転写された後に、前記電子写真感光体上に残留した転写残トナーを回収するものであり、
    前記トナーの重量平均粒径(D4)が、7.1μm以上10.0μm以下であり、
    前記トナーの平均円形度が0.95以上であり、
    前記トナーの平均アスペクト比が0.90以上であり、
    前記帯電手段が帯電ローラであり、
    前記プロセスカートリッジが、
    前記電子写真感光体と前記帯電ローラとの当接部が同方向に移動するように回転可能な駆動力を伝達し、前記帯電ローラの周速が電子写真感光体の周速に対して速くなるように駆動力を伝達する駆動伝達手段を有する
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  2. 前記ポリアリレート樹脂が下記式(B)で示される構造単位を有する請求項1に記載のプロセスカートリッジ。

    (R31〜R34は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基を示す。Xは、単結合、下記式(C)で示される2価の基、またはシクロヘキシリデン基を示す。
    は、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。)

    (式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
  3. 前記ポリカーボネート樹脂が、下記式(A)で示される構造単位を有する請求項1に記載のプロセスカートリッジ。

    (式(A)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される2価の基を示す。)

    (式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
  4. 円筒状の電子写真感光体を帯電手段により帯電させる工程、
    帯電された前記電子写真感光体に静電潜像を形成させる静電潜像形成工程、
    前記電子写真感光体上に、トナーを前記静電潜像に現像してトナー画像を形成する現像工程、および
    前記電子写真感光体上に形成されたトナー画像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写させる転写工程を有する画像形成方法であって、
    前記電子写真感光体が、ポリアリレート樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含有する表面層を有し、
    前記電子写真感光体の外径が20mm以下であり、
    前記現像工程が、前記転写工程後に前記電子写真感光体上に残留した転写残トナーを回収するものであり、
    前記トナーの重量平均粒径(D4)が、7.1μm以上10.0μm以下であり、
    前記トナーの平均円形度が0.95以上であり、
    前記トナーの平均アスペクト比が0.90以上であり、
    前記帯電手段が帯電ローラであり、
    前記画像形成方法が、
    前記電子写真感光体と前記帯電ローラとの当接部が同方向に移動するように回転可能な駆動力を伝達し、前記帯電ローラの周速が電子写真感光体の周速周速に対して速くなるよう駆動力を伝達する工程を有する
    ことを特徴とする画像形成方法。
  5. 前記ポリアリレート樹脂が下記式(B)で示される構造単位を有する請求項4に記載の画像形成方法。

    (R31〜R34は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基を示す。Xは、単結合、下記式(C)で示される2価の基、またはシクロヘキシリデン基を示す。
    は、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。)

    (式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
  6. 前記ポリカーボネート樹脂が、下記式(A)で示される構造単位を有する請求項4に記載の画像形成方法。

    (式(A)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される2価の基を示す。)

    (式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
  7. 前記画像形成方法が、さらに除電工程を有する請求項4に記載の画像形成方法。
  8. 円筒状の電子写真感光体、
    前記電子写真感光体を帯電する帯電手段、および
    前記電子写真感光体上にトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段を有する電子写真装置であって、
    前記電子写真感光体が、ポリアリレート樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含有する表面層を有し、
    前記電子写真感光体の外径が20mm以下であり、
    前記現像手段が、前記トナー画像を転写材に転写された後に、前記電子写真感光体上に残留した転写残トナーを回収するものであり、
    前記トナーの重量平均粒径(D4)が、7.1μm以上10.0μm以下であり、
    前記トナーの平均円形度が0.95以上であり、
    前記トナーの平均アスペクト比が0.90以上であり、
    前記帯電手段が帯電ローラであり、
    前記電子写真装置が、
    前記電子写真感光体と前記帯電ローラとの当接部が同方向に移動するように回転可能な駆動力を伝達し、前記帯電ローラの周速が電子写真感光体の周速に対して速くなるように駆動力を伝達する駆動伝達手段を有する
    ことを特徴とする電子写真装置。
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