以下、参考例と本発明に係る実施例を図面に則して更に詳しく説明する。
[参考例1]
(1)画像形成部
図1は摺擦装置を帯電ローラの清掃手段として適用した画像形成装置の一例の概略構成図である。この画像形成装置は、無端状のベルトを用いた中間転写方式を採用した、電子写真方式のフルカラーレーザビームプリンタである。
UY・UM・UC・UBkは、第1〜第4の4つの画像形成ユニットであり、図面上左側から右側にタンデムに配置してある。各画像形成ユニットは、ほぼ同様の構成の電子写真プロセス機構であるが、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の色トナー像を形成する点で異なる。図2は1つの画像形成ユニット部分の拡大図である。
ここでは、プリンタの全体構成の概略を説明する。図1と図2を参照して、各画像形成ユニットUY・UM・UC・UBkは、それぞれ、矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(回転可能な像担持体:以下、ドラムと記す)1を有する。また、ドラム1を所定の極性・電位に一様に帯電する帯電装置2(帯電手段)、ドラム1の一様帯電面をレーザ光Lで走査露光して静電潜像(静電像)を形成する情報書き込み手段としてのレーザ露光装置3(露光手段)、ドラム面の静電潜像をトナー像として可視化する現像装置4(現像手段)を有する。第1の画像形成ユニットUYの現像装置4にはイエロートナーを含む現像剤を収容してある。第2の画像形成ユニットUMにはマゼンタトナーを含む現像剤を収容してある。第3の画像形成ユニットUCの現像装置4にはシアントナーを含む現像剤を収容してある。第4の画像形成ユニットUBkの現像装置4にはブラックトナーを含む現像剤を収容してある。
そして、プリンタの制御ユニットに入力したフルカラー画像の色分解画像信号に基いて、第1の画像形成ユニットUYは、ドラム1の面にイエロートナー像を所定の制御タイミングで形成するように制御される。第2の画像形成ユニットUMは、ドラム1の面にマゼンタトナー像を所定の制御タイミングで形成するように制御される。第3の画像形成ユニットUCは、ドラム1の面にシアントナー像を所定の制御タイミングで形成するように制御される。第4の画像形成ユニットUBkは、ドラム1の面にブラックトナー像を所定の制御タイミングで形成するように制御される。
各画像形成ユニットのドラム面に形成される上記の色トナー像はそれぞれ1次転写部T1において1次転写ローラ5によって、矢印の時計方向に回転駆動される無端状の中間転写ベルト(第一の記録媒体)6の面に対して順次に重畳転写される。1次転写ローラ5には所定の制御タイミングで所定の1次転写バイアス電圧が印加される。これにより、中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)6の面に上記イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4つの色トナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。各画像形成ユニットにおいて、ベルト6に転写されずにドラム1上に残されたトナーはドラムクリーニング装置7で除去される。
ベルト6の面に合成形成された未定着のフルカラートナー像は、引き続くベルト6の回転により2次転写部T2へ至る。2次転写部T2は、2次転写対向ローラ9に対してベルト6を挟ませて2次転写ローラ11を圧接させて形成してある。2次転写ローラ11とベルト6とのニップ部が2次転写部T2である。この2次転写部T2に対して、所定の制御タイミングにて給紙カセット12側から給紙されたシート状の記録材(第二の記録媒体:転写材)Pが導入されることで、記録材Pの面にベルト6面の未定着のフルカラートナー像が順次に一括して2次転写される。2次転写ローラ11にはトナー像の2次転写時に所定の2次転写バイアス電圧が印加される。
記録材Pは給紙カセット12内に積載収納されており、給紙手段13の動作により1枚分離給紙されて、搬送路14によりレジストローラ対15まで搬送される。その時、レジストローラ対15は回転を停止しており、記録材Pの先端はニップ部に突き当たる。その後、ベルト6に対する未定着のフルカラートナー像の形成とタイミングに合わせてレジストローラ対15の回転駆動が開始される。このレジストローラ15の回転開始のタイミングは、記録材Pの先端部と、ベルト6上に形成された未定着のフルカラートナー像の先端部が、2次転写部T2において一致するように設定されている。
2次転写部T2を通った記録材Pはベルト6面から分離されて、搬送路16を通って定着装置17へ導入される。定着装置17は例えば熱ローラ定着装置であり、記録材Pは加熱と加圧によるトナー像の定着処理を受けて画像形成物(プリント、コピー)として出力される。
一方、記録材分離後のベルト6面上に残留する転写残トナーは、ベルトクリーニング装置18で除去される。
なお、各画像形成ユニットUY・UM・UC・UBkにおいて、ドラム1、帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置7は、ユーザーがプリンタ本体に対して一括して簡単に装着・脱着することが可能なカートリッジとしてある。
(2)ドラム1
像担持体であるドラム1は、本参考例においては、外径30mmの負帯電性の有機光導電体(OPC)であり、中心支軸を中心に100mm/secのプロセススピード(周速度)をもって矢示の反時計方向に回転駆動される。
このドラム1は、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)の表面に、光の干渉を抑え、上層の接着性を向上させる下引き層と、光電荷発生層と、電荷輸送層の3層を下から順に塗り重ねた構成をしている。
(3)帯電装置2
本参考例において、帯電装置2は、帯電部材として帯電ローラ2aを用いた接触帯電装置である。
帯電ローラ2aは、芯金と、この芯金の外周りに同心一体に設けた導電性弾性層と、を基本構成とする導電性ローラである。帯電ローラ2aは、芯金の両端部をそれぞれ回転自在に軸受保持させてドラム1に対してほぼ並行に配列すると共に、両端側軸受部をそれぞれ押し圧ばねによってドラム方向に付勢してドラム表面に所定の押圧力をもって圧接させてある。押圧力は、本参考例の場合、両端部側それぞれ500gf(=4.9N))としている。帯電ローラ2aは、ドラム1の回転に従動して回転する。ドラム1と帯電ローラ2aとの圧接部が帯電部(帯電ニップ部)である。
この帯電ローラ2aの芯金には電源より所定の帯電バイアス電圧が印加される。これにより、回転するドラム1の周面が帯電ローラ2aで所定の極性・電位に接触帯電処理される。本参考例において、帯電ローラ2aに対する帯電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧;−500Vと、交流電圧;周波数f1kHz、ピーク間電圧Vpp1.5kV、正弦波と、を重畳した振動電圧であり、ドラム1の周面は−500(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
この帯電ローラ2aの表面をクリーニングする清掃手段として、本発明に従う摺擦装置20を具備させてある。この摺擦装置20については(7)項で詳述する。
(4)レーザ露光装置3
情報書き込み手段としてのレーザ露光装置3は、本参考例においては、半導体レーザを用いたレーザビームスキャナである。不図示の画像読み取り装置等のホスト装置からプリンタの制御ユニットに送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光Lを出力して、回転するドラム1の一様帯電処理面を露光位置において走査露光(イメージ露光)する。ドラム面のレーザ光で照射されたところの電位が低下することで、ドラム面には走査露光した画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
(5)現像装置4
現像装置4はドラム上の静電潜像に現像剤(トナー)を供給し静電潜像を可視化するものであり、本参考例では、二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置である。図2を参照して、4aは現像容器である。4bは非磁性の現像スリーブであり、その外周面の一部を外部に露呈させて現像容器4a内に回転可能に配置してある。4cは現像スリーブ4b内に挿設したマグネットローラであり、非回転に固定して配設してある。4dは現像剤コーティングブレード、4eは現像容器4a内の底部側に配設した現像剤攪拌部材である。
現像容器4a内の二成分現像剤はトナーと磁性キャリアの混合物であり、現像剤攪拌部材4eにより攪拌される。本参考例において磁性キャリアの抵抗は約1013Ωcm、粒径は40μmである。トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
現像スリーブ4bは、ドラム1との最近接距離(S−Dgap)を350μmに保持してドラム1に近接対向させて配設してある。このドラム1と現像スリーブ4aとの対向部が現像部である。この現像スリーブ4bの外周面に該スリーブ内のマグネットローラ4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤の一部が磁気ブラシ層として吸着保持される。そして、該スリーブ4bの回転に伴い回転搬送されて、現像剤コーティングブレード4bにより所定の薄層に整層され、現像部においてドラム1の面に対して接触してドラム面を適度に摺擦する。現像スリーブ4bには電源から所定の現像バイアスが印加される。本参考例において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧;−350Vと、交流電圧;周波数f8.0kHz、ピーク間電圧1.8kV、矩形波と、を重畳した振動電圧である。
而して、回転する現像スリーブ4bの面に薄層としてコーティングされ、現像部に搬送された現像剤中のトナー分が現像バイアスによる電界によってドラム1面に静電潜像に対応して選択的に付着することで静電潜像がトナー像として現像される。本参考例の場合はドラム1面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
現像部を通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は引き続く現像スリーブの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
(6)ドラムクリーニング装置7
ドラムクリーニング装置7は、ウレタンゴムなどからなる板状部材であるクリーニングブレード7aを支持部材によって取り付けている。クリーニングブレード7aは、そのエッジ部をドラム1表面に進行方向に対してカウンターになるように当接しており、ドラム1上の転写残トナーがエッジ部に達すると掻き落とされる。
ここで、クリーニングブレード7aをドラム表面に当接する設定条件としては、自由長10mm、板厚2mmのクリーニングブレード7aをばねを用いて当接圧500gf(=4.9N)、当接角30°となるように設定している。
(7)中間転写ベルト6
本参考例において、中間転写ベルト6は、ポリエチレンテレフタレート,ポリイミドなどの樹脂にカーボンを分散して抵抗を調整したものである。ベルト6の長手方向の長さは340mmである。ベルト6は、駆動ローラ8、2次転写対向ローラ9、テンションローラ10との間に懸回張設してある。駆動ローラ8は、ドラム1の回転方向に対してベルト6が同じ方向にほぼ同じ速度で回転するように駆動される。テンションローラ10は、ベルト6を一定のテンションで維持するように調整されている。
1次転写ローラ5はベルト6を挟んでドラム1の下面に圧接させてあり、ベルト6の回転に従動して回転する。
各画像形成ユニットUY・UM・UC・UBkの1次転写ローラ5は、ベルト6を挟んでドラム1に所定の押圧力をもって圧接させてあり、ドラム1とベルト6の圧接ニップ部が1次転写部である。本参考例において、1次転写ローラ5の押圧力は、500gf(=4.9N)である。ドラム1上のトナー像が1次転写部に到達している間、1次転写ローラ5に電源からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の1次転写バイアスが印加される。これにより、ベルト6上にドラム1上のトナー像が静電転写される。本参考例では、1次転写バイアスを+500Vとした。
2次転写ローラ11は、ベルト6を挟んで2次転写対向ローラ9に所定の押圧力をもって圧接させてあり、ベルト6と2次転写ローラ11との圧接ニップ部が2次転写部である。本参考例において2次転写ローラ11の押圧力は、1000gf(=9.8N)である。
2次転写部に搬送された記録材Pは、ベルト6と2次転写ローラ11の間に挟持されて搬送され、その間、2次転写ローラ11に電源からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の2次転写バイアスが印加される。これにより、記録材P上にベルト6上の4色重なったトナー像が一括して静電転写される。本参考例では、2次転写バイアスを+1.5kVとした。
(7)帯電ローラ2aの摺擦装置20
帯電ローラ2aの清掃手段としての摺擦装置20は、図3のように、被清掃体(被摺擦体)である帯電ローラ2aに当接して回転可能な清掃ブラシローラ21を有する。また、この清掃ブラシローラ21の周面に、清掃ブラシローラ21のブラシ21bに対して所定量侵入させて配設され、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを起毛処理する起毛ブラシ部材22を有する。
(7−1)清掃ブラシローラ21
帯電ローラ2aの表面は、プリンタの画像形成動作時に、クリーニングブレード7aをすり抜けたドラム1上の転写残トナーや外添剤などが帯電ニップ部に到達し、その一部が移着することで汚れる。またプリンタ内に飛散するトナーなどの異物が付着することで汚れる。この汚れが蓄積すると、ドラム1の帯電ムラや帯電不良が発生し、形成されるトナー像の画質が低下する。
清掃ブラシローラ21は、帯電ローラ2aの表面を摺擦して、ローラ表面に付着した転写残トナーや外添剤等の異物を除去する役割を担っている。
清掃ブラシローラ21は、芯金21aの両端部をそれぞれ回転可能に軸受保持させ、帯電ローラの鉛直方向上方において帯電ローラ2aに対して並行させて配設してあり、自重(200gf(=1.96N))により帯電ローラに当接させてある。清掃ブラシローラ21は、帯電ローラ2aの回転に伴って従動回転して帯電ローラ面を摺擦して付着異物を掻き取る或いは掻き落とすことで帯電ローラ2aの表面を清掃する。
清掃ブラシローラ21のブラシ21bを帯電ローラ2aに一定量侵入させると共に、駆動手段を用いて独自に回転させても構わない。装置を大型化や複雑化させない点においては従動回転させる方が好ましい。
清掃ブラシローラ21としては、例えば、1)平板状の基布に対してブラシ21bを形成する繊維(糸)を織り込み、その後適当な大きさにカットし、スパイラル状に芯金21aに巻きつけてローラ形状に仕上げる織物型のものを用いることができる。2)芯金21aに予め接着剤を塗布しておき、最終的にブラシローラを形成するブラシ21bの長とほぼ同じ程度の大きさにカッティングした繊維(糸)を静電気力により芯金21aに突き刺してブラシ21bを形成する静電植毛型のものを用いることができる。
1)と2)はそれぞれに長所・短所はあるものの、帯電ローラ表面への清掃能力としては大差が無いためどちらを選択しても構わない。本参考例では前者1)の織物型の清掃ブラシローラを選択した。
清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)の材質としては、ナイロン,ポリエチレンテレフタレート,ポリイミド,レーヨン,トリアセテート,キュプラなど様々な種類がある。
帯電ローラ表面への清掃能力としては、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の種類に関わらず大差が無いためどれを選択しても構わない。本参考例ではコストなどの面からナイロンを選択した。
また、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の長さとしては特に規定されるものではないが、1.0mmから5.0mmの範囲が好ましく、本参考例では3.0mmのものを選択した。
図4は、ブラシ2bを形成する繊維(糸)の太さによる、帯電ローラ表面に付着した汚染物の蓄積量の耐久性について示した関係図である。横軸はコピー枚数の積算量、縦軸は帯電ローラ表面に付着・蓄積した外添剤量を、蛍光X線検査装置で計測して算出した汚染指数をそれぞれ表記している。関係図中に示した画像許容上限レベルとは、帯電ローラ上に付着した汚染物起因の帯電ムラ、延いては濃度ムラ画像となって現われる汚染指数レベルを示している。
ブラシを形成する繊維(糸)の太さが3.0デニール(植毛密度30000本/cm2)のもをAとし、0.4デニール(植毛密度230000本/cm2)のものをB、や12.0デニール(植毛密度7500本/cm2)のものをCとする。
Aに比較して、BやCのものでは、比較的少ないコピー枚数の時点(Cではコピー枚数が9k枚,Bではコピー枚数が18k枚)で帯電ローラ表面が外添剤で汚染されることによる濃度ムラが発生してしまった。この原因としては以下のことが考えられる。
1)まず、ブラシを形成する繊維(糸)の太さが12.0デニールといった比較的太い繊維(糸)を使った場合には、帯電ローラ表面に対して清掃ブラシローラ21のブラシ21bが十分に追従できない。そのため、清掃ブラシローラ21の回転が不安定になってしまったことが原因であると考えられる。
2)また、ブラシを形成する繊維(糸)の太さが12.0デニールといった比較的太い繊維(糸)を使った場合には、清掃ブラシローラ21のブラシ21bが帯電ローラ表面を傷つけ、その傷部に汚染物が埋め込まれてしまったことが原因であると考えられる。
3)一方、ブラシを形成する繊維(糸)の太さが0.4デニールといった比較的細い繊維(糸)を使った場合には、初期的には清掃能力が維持されているものの、ブラシ21bの繊維(糸)間に汚染物を溜め込みやすい。その結果、清掃ブラシローラ21が一定量以上の汚染物を溜め込んだ時点で清掃能力が大幅に低下してしまったことが原因であると考えられる。
以上の結果等から、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)の太さとしては、1.0デニールから5.0デニールの範囲が最適であることがわかった。
本参考例ではブラシ21bを形成する繊維(糸)の太さが3.0デニールのものを選択した。
図5は、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の植毛密度による、帯電ローラ表面に付着した汚染物の蓄積量の耐久性について示した関係図である。ブラシ21bを形成する繊維(糸)の太さは全て3.0デニールである。横軸と縦軸は図4と同じである。
ブラシを形成する繊維(糸)の植毛密度が30000本/cm2のものをD、植毛密度7500本/cm2のものをE、植毛密度60000本/cm2のものをFとする。
Dのものに比較して、EやFのものでは、比較的少ないコピー枚数(Eではコピー枚数が12k枚、Fではコピー枚数が22k枚)の時点で帯電ローラ表面が外添剤で汚染されることによる濃度ムラが発生してしまった。この原因としては以下のことが考えられる。
1)まず、ブラシを形成する繊維(糸)の植毛密度が7500本/cm2といった比較的少ない植毛密度のブラシを使った場合には、清掃ブラシローラ21を形成するブラシ21bが繊維(糸)の密な部分と疎な部分ができてしまう。そのため、密な部分では比較的良好な清掃能力を示すものの、疎な部分では十分な清掃能力を維持できないことが原因であると考えられる。
2)また、ブラシを形成する繊維(糸)の植毛密度が7500本/cm2といった比較的少ない植毛密度のブラシを使った場合には、ブラシ状で繊維(糸)の粗密ができているがゆえに、後述するブラシを形成する繊維(糸)の毛倒れが発生しやすい。そのために清掃能力の低下を招いてしまったことが原因であると考えられる。
3)一方、植毛密度が60000本/cm2といった比較的多い植毛密度のブラシを使った場合には、前述(図4)した繊維(糸)の太さが0.4デニールといった比較的細い繊維(糸)からなるブラシを用いた時と同様に、初期的には清掃能力が維持されている。しかし、清掃ブラシローラ21のブラシ21bの繊維(糸)間に汚染物を溜め込みやすく、その結果、清掃ブラシローラ21が一定量以上の汚染物を溜め込んだ時点で清掃能力が大幅に低下してしまったことが原因であると考えられる。
以上の結果等から、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)の植毛密度としては、繊維(糸)の太さが3.0デニールの場合に、22500本/cm2から37500本/cm2の範囲が最適であることがわかった。
本参考例ではブラシ21bを形成する繊維(糸)の植毛密度が30000本/cm2のものを選択した。
ここで、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の植毛密度は、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の太さにより適宜調整されるものである。
本発明者の検討の結果、繊維(糸)の太さと繊維(糸)の植毛密度の積が67500から112500の範囲に収まるように設計することが好ましい。
図6は、本参考例で用いた繊維(糸)の太さが3.0デニール,植毛密度が30000本/cm2のブラシ21bからなる清掃ブラシローラ21の有無による、帯電ローラ表面に付着した汚染物の蓄積量の耐久性について示した関係図である。横軸と縦軸は図4と同じである。
この結果から、清掃ブラシローラ21を有さない場合には、コピー枚数が9k枚を越えた時点で帯電ローラ表面が外添剤で汚染されることによる濃度ムラが発生した。これに対し、清掃ブラシローラ21を有する場合には、コピー枚数が30k枚に達するまで帯電ローラ表面が外添剤で汚染されることによる濃度ムラは発生しなかった。ただし、清掃ブラシローラ21を有する場合でも、コピー枚数が30k枚を超えた後には急激に帯電ローラ表面が外添剤で汚染されていることがわかる。これは、前述したように清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)が、コピー枚数の増加に伴い毛倒れすることを原因とする清掃能力の低下によるものと考えられる。
図7に清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)の毛倒れの様子を表す模型図を示す。(a)のように、清掃ブラシローラ21が初期の時点では、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の方向が揃っていると共に帯電ローラ表面にほとんどが接触している。コピー枚数が進むに従って、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の先端が帯電ローラ表面との間で働く摩擦力の影響により、主に帯電ローラの進行(回転)方向に毛倒れ(永久変形)してしまう。その結果、(b)のように、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の方向がばらばらになると共に帯電ローラ表面に接触しないものが発生する。更にコピー枚数が進むと、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の毛倒れ(永久変形)は大きくなる。その結果、(c)のように、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の方向が更にばらばらになると共に帯電ローラ表面に接触しないものが多数発生する。
以上説明したようなブラシ21bを形成する繊維(糸)の毛倒れ(永久変形)により、帯電ローラ2aに接触する繊維(毛)の数が少なくなり、清掃能力が大幅に低下すると考えられる。
(7−2)起毛ブラシ部材22
そこで、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)の毛倒れを抑制するために、本参考例では図3に示すような起毛ブラシ部材22を設けた。
起毛ブラシ部材22としては、板状の金属基材22a上に接着剤によりステンレス鋼などの金属の針を多数接着した金属ブラシ(複数の突起)22bを用いた。
ここで、起毛ブラシ部材22のブラシ22bは金属ブラシに限定されるものではない。その他、例えば、炭素繊維が練りこまれた樹脂ブラシなどのように、ブラシ22bの針が使用に伴い永久変形しない程度のヤング率を有するものであれば何でも構わない。本参考例では、コスト、摩耗などの耐久性の観点から最も優れる金属ブラシを用いた。起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の材質としては、十分な弾性を有する材料に限定されるわけではない。
起毛ブラシ部材22は、清掃ブラシローラ21のブラシ21bに起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bの針が一定量侵入するように清掃ブラシローラ21の周面に配設されている。更には、清掃ブラシローラ21の接平面と、起毛ブラシ部材22の金属基材22a面が略平行になるように配設されている。
図8は、起毛ブラシ部材22の作用効果について示した模型図である。清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)が毛倒れした状態で起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22との接触部に突入する。そうすると、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)と起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針が絡み合い、繊維(糸)と金属ブラシの針との摩擦力により起毛される。
このときに起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを設計する上での重要事項は、
1)繊維(糸)と金属ブラシの針が効率よく絡まること
2)繊維(糸)が金属ブラシの針によって起毛された後、繊維(糸)が金属ブラシの針から素早く離れること
である。
前者1)は、繊維(糸)と金属ブラシの針が効率よく絡まらなければ、繊維(糸)が十分に延ばされない虞があるためである。後者2)は、繊維(糸)と金属ブラシの針が起毛後も絡まっていると、繊維(糸)の逆方向への毛倒れを招く虞があり、更には清掃ブラシローラ21のブラシ21bから繊維(糸)が離脱(繊維(糸)が抜ける)する虞があるためである。
図9及び図10には、上記の事項を踏まえ、起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の断面形状を最適化する上で検討を実施したものの一例を示す。
図9の(a)は、金属ブラシ22bの針の断面形状が円形形状のものである。(b)は針の断面形状が三角形状のものである。ここで、図中に清掃ブラシローラ21のブラシ21bの進行(回転)方向を矢印で示しており、ブラシ21bを形成する繊維(糸)は、金属ブラシ22bを形成する三角形状の針の頂点部及び2辺に最初に接触するように金属ブラシ22bが形成されている。(c)は金属ブラシ22bの針の断面形状が半円形状のものである。ここで、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)は、金属ブラシ22bを形成する半円形状の針の円弧部に最初に接触するように金属ブラシ22bが形成されている。
これら3種類(a)・(b)・(c)の断面形状をもった起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針を選択した理由としては以下の2点がある。
まず、1点目としては、清掃ブラシローラ21のブラシ22を形成する繊維(糸)が起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針に最初に接触する面の面積を極力大きくしてやり、繊維(糸)と針が絡みやすくするためである。
次に、2点目としては、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)が起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針と離れる面(好ましくはエッジ)の面積を極力小さくしてやり、起毛された繊維(糸)が針から離れやすくするためである。
上記3種類(a)・(b)・(c)の断面形状をもった起毛ブラシ部材22の金属ブラ22bを形成する針を比較した結果を、図10の(d)の表に示す。(a)の円形形状のものでは繊維(糸)と針が絡みやすいが離れにくく、(b)の三角形状のものでは繊維(糸)と針が離れやすいが絡みにくいという結果になった。一方(a)及び(b)の良い部分を反映させた(c)の半円形状のものでは、絡みやすさ・離れやすさ共に良好な結果を得ることができた。そこで、本参考例では、起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の断面形状が(c)に示す半円形状のものを選択した。
図11は、起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の太さによる清掃ブラシローラ21の起毛効果をみたものである。すなわち、様々な太さの針からなる起毛ブラシ部材22を清掃ブラシローラ21のブラシ21bに接触させた場合の、帯電ローラ表面に付着した汚染物の蓄積量の耐久性について示した関係図である。
ここで、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)の太さは3.0デニール(約20μm)であり、起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の太さは清掃ブラシローラ21のブラシを形成する繊維(糸)の太さとの比率で表記した。横軸と縦軸は図4と同じである。
金属ブラシを形成する針の太さが50.0倍(約1.0mm)のものをG、5.0倍(約0.1mm)のものをH、150.0倍(約3.0mm)のものをIとする。
Gに比較して、HやIのものでは、比較的少ないコピー枚数(Hのものではコピー枚数が45k枚、Iのものではコピー枚数が31k枚)の時点で帯電ローラ表面が外添剤で汚染されることによる濃度ムラが発生してしまった。この原因としては以下のことが考えられる。
1)まず、金属ブラシ22bを形成する針の太さが5.0倍(約0.1mm)といった比較的細い針を使った場合には、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)と針が必要以上に絡まりあう。そのため、清掃ブラシローラ21と起毛ブラシ部材22の摩擦力が増大するため、帯電ローラ表面に対して清掃ブラシローラ21のブラシ21bが十分に追従できておらず、清掃ブラシローラ21の回転が不安定になってしまったことが原因であると考えられる。
2)更には、清掃ブラシローラ21のブラ21bから繊維(糸)が離脱(繊維(糸)が抜ける)してしまったことが原因であると考えられる。
3)一方、金属ブラシ22bを形成する針の太さが150.0倍(約3.0mm)といった比較的太い針を使った場合には、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)と針22bが十分に絡まりあわない。そのために、十分な起毛効果が現われなかったことが原因であると考えられる。
以上の結果等から、起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の太さとしては清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)の太さの25.0倍(約0.5mm)から100.0倍(約2.0mm)の範囲が最適であることがわかった。
本参考例では、起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の太さが、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)の太さ(3.0デニール)の50倍(約1.0mm)となるものを選択した。
また、起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の密度は、金属基板22aの面積に対して約20%から約40%であることが好ましい。この理由としても、金属ブラシ22bを形成する針と清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)が、起毛可能な程度に絡まりあい、かつ清掃ブラシローラ21の回転の阻害やブラシ21bからの繊維(糸)の離脱が発生しないことが条件となる。本参考例では金属基板22aの面積に対する金属ブラシ22bを形成する針の密度を30%とした。
図12は、清掃ブラシローラ21のブラシ21bに対する起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の侵入量による清掃ブラシローラ21の起毛効果をみたものである。すなわち、様々な侵入量で起毛ブラシ部材22を清掃ブラシローラ21に接触させた場合の、帯電ローラ表面に付着した汚染物の蓄積量の耐久性について示した関係図である。ここで、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)の長さは3.0mmであり、清掃ブラシローラ21のブラシ21bに対する金属ブラシ22bを形成する針の侵入量を、ブラシ21bを形成する繊維(糸)の長さとの比率で表記した。横軸と縦軸は図4と同じである。
金属ブラシ22bを形成する針の侵入量が0.5倍(1.5mm)のものをJ、0.15倍(0.45mm)のものをK、0.85倍(2.55mm)のものをLとする。
Jに比較して、KやLでは、比較的少ないコピー枚数(Kはコピー枚数が31k枚、Lはコピー枚数が49k枚)の時点で帯電ローラ表面が外添剤で汚染されることによる濃度ムラが発生してしまった。この原因としては以下のことが考えられる。
1)まず、金属ブラシ22bを形成する針の侵入量が0.15倍(0.45mm)といった比較的少ない侵入量の場合には、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)と針が十分に絡まりあわない。そのため、十分な起毛効果が現われなかったことが原因であると考えられる。
2)一方、金属ブラシ22bを形成する針の侵入量が0.85倍(2.55mm)といった比較的多い侵入量の場合には、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)と針が必要以上に絡まりあう。そのため、清掃ブラシローラ21と起毛ブラシ部材22の摩擦力が増大するため、帯電ローラ表面に対して清掃ブラシローラ21のブラシが十分に追従できない。そのため、清掃ブラシローラ21の回転が不安定になってしまったことが原因であると考えられる。
3)更には、金属ブラシ22bを形成する針の侵入量が0.85倍(2.55mm)といった比較的多い侵入量の場合には、清掃ブラシローラ21のブラシ21bから繊維(糸)が離脱(繊維(糸)が抜ける)してしまったことが原因であると考えられる。
以上の結果等から、清掃ブラシローラ21のブラシ21bに対する起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の侵入量としては、清掃ブラシローラ21のブラシを形成する繊維(糸)の長さの0.25倍から0.75倍の範囲が最適であることがわかった。
本参考例では、清掃ブラシローラ21のブラシ21bに対する起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の侵入量が、0.5倍(1.5mm)となるものを選択した。
図13は、以上説明した起毛ブラシ部材22を清掃ブラシローラ21に接触させた場合と、接触させない場合の、帯電ローラ表面に付着した汚染物の蓄積量の耐久性について示した関係図である。横軸と縦軸は図4と同じである。
接触させない場合(清掃ブラシローラのみ)には、コピー枚数が29k枚の時点で帯電ローラ表面が外添剤で汚染されることによる濃度ムラが発生する。これに対し、接触させた場合(清掃ブラシローラ+起毛ブラシ部材)には、コピー枚数が50k枚を超えても帯電ローラ上にはほとんど外添剤が蓄積していない。これにより、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)を起毛ブラシ部材22で十分に起毛することで、清掃ブラシローラ21の清掃能力が維持できていることがわかる。
以上説明したように、参考例1による画像形成装置によって、帯電ローラ2aの表面に付着するトナーや外添剤などの汚染物を清掃する清掃ブラシローラ21の清掃能力を長期にわたり維持することが可能となる。かつ帯電ローラ2aの表面に付着するトナーや外添剤などの汚染物に起因した帯電ムラ・濃度ムラなどの画像不良の発生を防止すると共に、省スペース・低コストな画像形成装置を提供することが可能となる。
[参考例2]
本参考例では、図14のように、清掃ブラシローラ21の接平面に対して起毛ブラシ部材22の金属基材22aの面を傾けて配設していることを特徴としている。
起毛ブラシ部材22の清掃ブラシローラ21の回転方向上流側では、清掃ブラシローラ21のブラシ21bに対する起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の侵入量を大きく(本参考例では2.0mm)する。一方、起毛ブラシ部材22の清掃ブラシローラ21の回転方向下流側では、清掃ブラシローラ21のブラシ21bに対する起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針の侵入量を小さく(本参考例では1.0mm)した(中央部の侵入量は1.5mm)。即ち、ブラシローラ21の回転方向上流側のブラシ部分に対する金属ブラシ22の侵入量は、ブラシローラ21の回転方向下流側のブラシ部分に対する金属ブラシ22の侵入量よりも大きい。
これは、清掃ブラシローラ21のブラシ21bを形成する繊維(糸)が、起毛ブラシ部材22との接触部に到達したときに、起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針とより絡みやすくするためである。また、これとともに、起毛された後に起毛ブラシ部材22との接触部を抜けるときに、起毛ブラシ部材22の金属ブラシ22bを形成する針とより離れやすくするためである。
本参考例2による画像形成装置によって、帯電ローラ表面に付着するトナーや外添剤などの汚染物を清掃する清掃ブラシローラ21の清掃能力を参考例1以上の長期にわたり維持することが可能となる。かつ、帯電ローラ21表面に付着するトナーや外添剤などの汚染物に起因した帯電ムラ・濃度ムラなどの画像不良の発生を防止すると共に、省スペース・低コストナー像形成装置を提供することが可能となる。
[参考例3]
起毛ブラシ部材22の形状は参考例1や2で示した板状のものに限定されるものではない。
本参考例では、起毛ブラシ部材22を、図15のように、芯金22cの外周面に金属ブラシ等の起毛用ブラシ22bを具備させた円筒形(円柱形)の回転ブラシの形態にした。この起毛ブラシ部材22を駆動手段により清掃ブラシローラ21と逆方向に回転駆動している。
このような円筒形の起毛ブラシ部材22を用いることで、清掃ブラシ部材21のブラシ21bを形成する繊維(糸)に対する起毛効果は更に向上する。
[参考例4]
本参考例は、摺擦装置30をドラム1のクリーニング手段として適用したものであり、摺擦装置30を、図16のように、クリーニングブレード7aよりもドラム回転方向上流側に配設してある。従って、本参考例では、ドラム1は、先ずこの摺擦装置30によるクリーニングと、次いでクリーニングブレード7aによるクリーニングの二段階クリーニングを受ける。
このドラムクリーニング手段としての摺擦装置30は、被清掃体(被摺擦体)であるドラム1に当接して回転可能なクリーニングブラシローラ31を有する。また、このクリーニングブラシローラ31の周面に、クリーニングブラシローラ31のブラシ31bに対して所定量侵入させて配設され、クリーニングブラシローラ31のブラシ31bを起毛処理する起毛ブラシ部材32を有する。
クリーニングブラシローラ31は、参考例1の清掃ブラシローラ21と同様の構成のものを用いることができる。芯金31aの両端部をそれぞれ回転可能に軸受保持させ、ドラム1に対して並行させて、ドラム1に当接させて配設してある。このクリーニングブラシローラ31はドラム1の回転に従動して回転、あるいは駆動手段により回転駆動されて、ドラム面を摺擦してドラム1上の転写残トナーなどのクリーニングを行なう。
起毛ブラシ部材32は、例えば、参考例1の起毛ブラシ部材22と同様に、板状の金属基材32a上に接着剤によりステンレス鋼などの金属の針を多数接着した金属ブラシ32bを用いることができる。起毛ブラシ部材32は、参考例2や参考例3のような構成形態にすることもできる。
起毛ブラシ部材32によりクリーニングブラシローラ31のブラシ31bを形成する繊維(糸)を起毛させることで、安定した転写残トナーのクリーニング性を実現することが可能となる。
[実施例1]
本実施例は、本発明に従う摺擦装置を、クリーナーレスシステムを採用した画像形成装置における帯電補助手段として適用したものである。
図17は、クリーナーレスシステムを採用した画像形成ユニットに摺擦装置40を帯電補助手段として配設した例である。
転写後のドラム1上の転写残トナーを除去する専用のドラムクリーニング装置は配設していない。転写後のドラム1上の転写残トナーは引き続くドラム1の回転で現像部に至り、現像スリーブ4bにより現像同時クリーニング作用でドラム1上から除去されて再用される。
帯電補助手段は、このクリーナーレスシステムを効果的に実行させるために、転写部T1よりもドラム回転方向下流側で、帯電部よりも上流側の間に配設されて、ドラム上の転写残トナーの帯電量の制御あるいはドラム1の表面電位の制御を実施するものである。
この帯電補助手段としての摺擦装置40は、図17のように、転写ローラ5(転写手段)よりもドラム回転方向下流側(像担持体回転方向下流)で帯電ローラ2a(帯電手段)よりもドラム回転方向上流側(像担持体回転方向上流)に配設してある。摺擦装置40は、被摺擦体であるドラム1に当接して回転可能な導電ブラシローラ41(像担持体を摺擦して像担持体上の転写残トナーの帯電量を制御する回転可能なブラシローラ)を有する。また、この導電ブラシローラ31の周面に、導電ブラシローラ41の導電ブラシ41bに対して所定量侵入させて配設され、導電ブラシローラ41の導電ブラシ41bを起毛処理する起毛ブラシ部材42を有する。
導電ブラシローラ41は、参考例1の清掃ブラシローラ21と同様の構成のものを用いることができる。ただしブラシ41bは導電性にする。芯金41aの両端部をそれぞれ回転可能に軸受保持させ、ドラム1に対して並行させて、ドラム1に当接させて配設してある。この導電ブラシローラ41はドラム1の回転に従動して回転、あるいは駆動手段により回転駆動されて、ドラム面を摺擦する。また、この導電ブラシローラ41には電源から所定の帯電補助バイアス電圧が印加される。これにより、ドラム上の転写残トナーの帯電量の制御あるいはドラム1の表面電位の制御が所定になされて、クリーナーレスシステムが効果的に実行される。
起毛ブラシ部材42は、例えば、参考例1の起毛ブラシ部材22と同様に、板状の金属基材42a上に接着剤によりステンレス鋼などの金属の針を多数接着した金属ブラシ42bを用いることができる。起毛ブラシ部材42は、参考例2のような構成形態にする。
起毛ブラシ部材42により導電ブラシローラ41のブラシ41bを形成する繊維(糸)を起毛させることで、安定したクリーナーレスシステムを実現することが可能となる。
[特記事項]
(1)参考例1〜4、実施例1の摺擦装置構成を適宜組み合わせたものにすることもできる。
(2)接触帯電部材である帯電ローラ2aは、被帯電材であるドラム1に対して必ずしも圧接されて接触していなくてもよい。帯電ローラ2aとドラム1との間に、ギャップ間電圧と補正パッシェンカーブで決まる放電可能領域が保証されていていれば、例えば数10μmの微小隙間をあけ、感光体ドラム1に対して非接触状態で近接配置され、回転される構成であってもよい(近接帯電)。
(3)参考例1〜4では、摺擦装置を適用する被摺擦体として帯電ローラ2aとドラム1を中心に説明を行ったが、被摺擦体は、現像手段、転写手段等他のプロセス機器の構成部材であってもよいことは勿論である。また、摺擦装置を適用する被摺擦体は、画像形成装置の構成部材に限られるものではないことは勿論である。
(4)像担持体が電子写真感光体である場合の情報書き込み手段は実施例のレーザスキャナに限られなない。LEDアレイ、蛍光灯等の光源と液晶シャッターとの組み合わせ当の他のデジタル露光手段であってもよいし、原稿画像を結像投影するアナログ露光手段であってもよい。