JP5354925B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、転写部の下流側にトナー帯電装置を配置して現像同時クリーニングを行う画像形成装置、詳しくは像担持体に連れ回る転写残トナーが帯電部材に付着しにくくなる構成に関する。
像担持体に接触させた帯電部材に交流電圧を直流電圧に重畳した帯電電圧を印加することにより、像担持体の表面を直流電圧の電位まで帯電させる接触帯電方式の画像形成装置が広く用いられている。
また、記録材や中間転写体へ転写されることなく転写部を通過して像担持体上に残留した転写残トナーを現像装置へ戻して、静電像の現像に再利用する現像同時クリーニング方式の画像形成装置が実用化されている。
現像同時クリーニング方式の画像形成装置は、転写部と帯電部材との間で像担持体に接触するトナー帯電部材にトナー帯電電圧を印加して、像担持体の表面に付着した転写残トナーを正規極性に帯電させるトナー帯電装置を備えている。
特許文献1には、直流電圧に交流電圧を重畳した帯電電圧を帯電ローラに印加して、像担持体の表面を直流電圧の電位に帯電させる画像形成装置が示される。
特許文献2には、帯電部材を用いて接触帯電を行う現像同時クリーニング方式の画像形成部を、中間転写ベルトに沿って4つ配列したタンデム型中間転写方式の画像形成装置が示される。ここでは、トナー像の転写部と帯電部材との間にトナー帯電装置を配置して、像担持体上の逆極性に帯電したトナーや帯電量が不足したトナーを、現像に使用できる正規極性に帯電させている。
特許文献3には、トナー像の転写部とトナー帯電装置との間にトナー均一化装置を配置した画像形成装置が示される。ここでは、トナー帯電量、帯電極性、付着密度の異なるトナー粒子を分散・除電して、トナー帯電装置によるトナーの帯電結果のばらつきを抑制している。
特許文献4には、非画像形成時に、帯電ローラに印加するAC電圧を低下させることによって、帯電ローラに付着したトナーを像担持体に吐き出させる制御が示される。ここでは、帯電ローラにトナーが付着して帯電性能が低下すると、AC電圧を高低2段階に交互に切り替える制御によってトナーを像担持体側に戻して、帯電部材の帯電性能を回復させている。
特開昭63−149669号公報 特開2001−183905号公報 特開2001−215798号公報 特開2005−31325号公報
帯電部材に正規極性の直流電圧を含む帯電電圧が印加されている場合、トナー帯電装置によって正規極性に帯電された転写残トナーが、電界に逆らって帯電部材に付着することは少ない。トナー帯電部材に接触して帯電した像担持体の表面電位が正規極性側で帯電部材の電位を越えないように、トナー帯電部材に印加されるトナー帯電電圧が調整されているからである。
しかし、像担持体と帯電部材とは加圧状態で接触しているため、正規極性に帯電された転写残トナーの一部は、分子間引力や表面親和力によって帯電部材の表面に補足されてしまう。
そして、画像形成枚数の累積に伴って帯電部材の表面に転写残トナーが堆積すると、帯電部材の帯電性能が損なわれて、帯電不良や帯電ムラを発生して画像品質を低下させる可能性がある。
特に、フルカラー写真画像のようなトナー使用量の多い画像形成では、転写残トナーも多く発生するので、トナー帯電装置によって正規極性の十分な帯電量を転写残トナーのすべてに付与することが困難になる。
このため、フルカラー写真画像の画像形成が連続すると、帯電部材の表面における転写残トナーの堆積が急速に進行して、像担持体の帯電ムラや帯電不良を引き起し、かぶり画像や濃度ムラと言った画像不良が発生し易くなる。
そこで、特許文献4に示されるように、定期的に画像形成を中断して、像担持体と帯電部材との間に正規極性の大きな電位差を設定して、帯電部材に堆積したトナーを静電的に像担持体へ吐き出させる制御が提案された。
しかし、定期的に画像形成を中断するとダウンタイムが増えて画像形成装置の生産効率が低下する。
本発明は、転写残トナーの付着・堆積を定常的に回避して、帯電部材の帯電性能を適正に維持できる画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、回転可能な感光体と、トナーの正規極性と同極性の直流電圧に交流電圧を重畳した帯電電圧が印加され、前記感光体の表面を帯電する接触帯電方式の帯電装置と、前記帯電装置によって帯電された前記感光体に静電像を形成する静電像形成装置と、前記静電像が形成された前記感光体にトナーを供給して、前記静電像をトナー像に現像すると同時に前記感光体に付着した転写残トナーを回収する現像装置と、トナー像を転写媒体へ転写する転写装置と、前記感光体の回転方向における前記転写装置による転写部の下流であり、且つ、前記帯電装置の前記感光体への接触部の上流で、前記感光体に接触し、トナーの正規極性と同極性の電圧が印加されることで転写残トナーおよび感光体の表面を正規極性に帯電するトナー帯電装置と、前記感光体の回転方向における前記トナー帯電装置の前記感光体への接触部の下流であり、且つ、前記帯電装置の前記感光体への接触部の上流に配置され、露光することによって前記感光体の表面電位を低下させる感光体除電装置とを備えるものである。そして、前記感光体除電装置によって除電された前記感光体表面の電位Vsはトナーの正規極性と同極であり、前記帯電装置に印加される直流電圧の電位をVdcとするとき、0V≠|Vs|<|Vdc|であり、且つ前記トナー帯電装置によって帯電された後かつ前記感光体除電装置によって除電される前の前記感光体表面の電位の絶対値は前記Vdcの絶対値以上である。
本発明の画像形成装置では、トナー帯電部材に接触して帯電された像担持体の表面を、像担持体除電装置によって除電して、帯電部材と像担持体との間に大きな電位差を確保する。これにより、トナー帯電部材に接触して帯電された転写残トナーと像担持体との静電的な引力が高まって、転写残トナーが帯電部材へ移転しにくくなる。
従って、像担持体と転写部材との間に過剰な電位差を設定したり、ダウンタイムを発生したりすることなく、転写残トナーの付着・堆積を定常的に回避して、帯電部材の帯電性能を適正に維持できる。
以下、本発明のいくつかの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、帯電部材の上流側で像担持体の表面電位を低下させる限りにおいて、各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、現像色が異なる複数の像担持体を用いるタンデム型の画像形成装置のみならず、1個の像担持体を用いる1ドラム型の画像形成装置でも実施できる。転写媒体が中間転写ベルトである場合のみならず、転写媒体が記録材である場合や、記録材搬送ベルトに担持された記録材である場合も実施できる。
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1〜4に示される画像形成装置に関する一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。説明中、特許請求の範囲で用いた構成名に括弧を付して示した参照記号は、発明の理解を助けるための例示であって、実施形態の部材等に構成を限定する趣旨のものではない。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図、図2は画像形成部の構成の説明図である。
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト9の直線区間に、画像形成部PY、PM、PC、PKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラー複写機である。画像形成部PY、PM、PC、PKは、個別のプロセスカートリッジとして個別に交換が可能である。
画像形成部PYでは、感光ドラム1Yにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト9に一次転写される。画像形成部PMでは、感光ドラム1Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト9のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部PC、PKでは、それぞれ感光ドラム1C、1Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて同様に中間転写ベルト9に順次重ねて一次転写される。
中間転写ベルト9に一次転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて、二次転写部T2へ給送された記録材Pへ一括二次転写される。
二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置17で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に画像形成装置100の外部へ排出される。
転写媒体の一例である中間転写ベルト9は、テンションローラ12、駆動ローラ13、及び対向ローラ11に掛け渡して支持され、所定のプロセススピードで矢印R2方向に回転する。
中間転写ベルト9は、画像形成部PY、PM、PC、PKでの重ね合わせ誤差を減らすため、伸縮する材料は望ましくなく、樹脂系或いは、金属芯体入りのゴムベルト、樹脂+ゴムベルトが望ましい。第1実施形態では、PI(ポリイミド)にカーボン分散し、体積抵抗を10Ωcmオーダーに制御した樹脂ベルトを用いた。中間転写ベルト9の厚さは80μm、軸方向長さ(幅)は320mm、周長は900mmである。
レジストローラ15は、不図示の記録材収納カセットから1枚ずつ分離して給送された記録材Pを停止状態で受け入れて待機させ、中間転写ベルト9のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送り出す。
クリーニング装置16は、二次転写部T2を通過して中間転写ベルト9に残留した転写残トナーを除去する。
画像形成部PY、PM、PC、PKは、付設された現像装置4Y、4M、4C、4Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部PYについて説明し、他の画像形成部PM、PC、PKについては、説明中の符号末尾のYを、M、C、Kに読み替えて説明されるものとする。
図2に示すように、画像形成部PYは、感光ドラム1Yの周囲に、帯電装置2Y、露光装置3Y、現像装置4Y、一次転写装置5Y、トナー帯電装置7Yを配置する。
(像担持体)
感光ドラム1Yは、回転ドラム型の像担持体としての電子写真感光体である。感光ドラム1Yは、外径30mmの有機光導電体(OPC)ドラムであり、中心支軸を中心にして200mm/secのプロセススピード(周速度)で矢示R1方向に回転駆動されている。感光ドラム1Yは、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)の表面に、光の干渉を抑え、上層の接着性を向上させる下引き層と、光電荷発生層と、電荷輸送層(厚さ20μm)の3層を下(中心部側)から順に塗り重ねた構成をしている。
(帯電装置)
帯電部材として導電性の弾性ローラを用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という点から好ましい。ローラ帯電方式では、帯電ローラを感光ドラムに圧接して回転させ、直流電圧に交流電圧を重畳した帯電電圧を帯電ローラに印加することによって感光ドラムの表面を帯電させる。直流電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧を用いることで、交流電圧による表面電位のならし効果が発揮され、直流電圧だけを用いる場合よりも帯電電位の均一化を図ることができる。
帯電装置2Yは、帯電ローラ21を用いて感光ドラム1Yの表面を一様な負極性の暗部電位VDに帯電する。
帯電ローラ21の長手長さは320mmであり、直径6mmのステンレス丸棒を用いた芯金(支持部材)21aの周囲に、下層21b、中間層21c、表面層21dを順次積層した三層構成である。帯電ローラ21の外径は14mm、ローラ抵抗は10Ω〜10Ωとしている。下層21bは、帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、中間層21cは、帯電ローラ21全体として均一な抵抗を得るための抵抗層である。
表面層21dは、フッ素樹脂にカーボンを分散させた保護層であって、感光ドラム1Yにピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止する。
芯金21aの両端部は、不図示の軸受け部材によって回転自在に保持されるとともに、不図示の押し圧ばねによって感光ドラム1Yに向かって付勢される。これにより、帯電ローラ21は、感光ドラム1Yの表面に対して所定の押圧力をもって圧接し、感光ドラム1Yの回転に従動して回転する。
電源D2は、直流電圧Vdcに交流電圧Vacを重畳した振動電圧の帯電電圧を帯電ローラ21の芯金21aに印加して、回転する感光ドラム1Yの周面を一様な暗部電位VDに帯電させる。
第1実施形態では、直流電圧Vdcは−700V、交流電圧Vacは、周波数f=1270Hz、ピーク間電圧Vpp=1700Vの正弦波であって、暗部電位VD=−700Vである。
(静電像形成装置)
露光装置3Yは、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザビームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム1Yの表面に画像の静電像を書き込む。
露光装置3Yは、帯電装置2によって暗部電位VDまで一様に帯電処理された感光ドラム1Yの表面に画像露光を施して、フルカラー画像におけるイエロー成分像に対応した静電像を形成する。
露光装置3Yは、不図示の半導体レーザ光源、結像露光光学系、走査露光光学系を含む。半導体レーザ光源は、不図示の画像読取装置等のホスト装置から画像形成装置100側に送られた画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力する。走査露光光学系(レーザビームスキャナ)は、レーザビームを回転ミラーで走査して、感光ドラム1Yの一様に帯電処理された周面をレーザ走査露光(イメージ露光)する。
レーザ走査露光によって感光ドラム1のレーザ光照射領域の電位が明部電位VLまで低下することで、感光ドラム1には、走査露光した画像情報に対応した静電像が形成されていく。第1実施形態では、明部電位VLを−150Vとしている。
(現像装置)
現像装置4Yは、回転する現像剤担持体44に二成分現像剤を担持させて現像部cへ送り込む接触現像装置(磁気ブラシ現像装置)である。
現像容器41は、第1色であるイエローの非磁性トナーと磁性キャリアの混合物である二成分現像剤を収容する。現像剤攪拌部材42、43は、二成分現像剤を攪拌しつつ搬送して現像容器41内を循環させて、トナーと磁性キャリアとを相互摩擦させ、それぞれ負極性と正極性とに帯電させる。
現像剤担持体44は、外周面の一部を外部に露呈させて現像容器41内に回転可能に配設されている。現像剤担持体44は、内部に固定配置されたマグネットローラ45の周囲で回転する。
現像剤規制ブレード46は、現像剤担持体44から所定間隙を有して設けられ、現像剤担持体44の矢印R4方向の回転に伴って、現像剤担持体44上に現像剤薄層を形成する。
現像剤担持体44は、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgapと称する)を350μmに保たせて、感光ドラム1に近接させて対向配設される。感光ドラム1と現像剤担持体44との対向部が現像部cである。現像剤担持体44は、現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動され、現像剤担持体44上の現像剤薄層は、現像部cにおいて感光ドラム1に接触して適度に摺擦する。
電源D4は、直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧を現像剤担持体44に印加する。第1実施形態における現像電圧は、直流電圧Vdc(−550V)と交流電圧Vac(1800V、周波数:2540Hz)とを重畳した振動電圧である。
現像剤担持体44に薄層担持されて現像部cに搬送された二成分現像剤中のトナーは、直流電圧Vdcの電界によって、感光ドラム1の静電像へ選択的に付着して静電像をトナー像に現像する。第1実施形態では、感光ドラム1の明部電位VLの領域に負極性のトナーが付着して静電像が反転現像される。
現像部cを通過した現像剤担持体44上の現像剤薄層は、引き続く現像剤担持体44の回転に伴って現像容器41内の現像剤溜り部に戻される。
現像剤攪拌部材42の上流側壁面には、二成分現像剤の透磁率変化を検出して二成分現像剤中のトナー濃度を検知する不図示の透磁率センサが設けられ、透磁率センサの下流側にトナー補給開口47が設けられている。現像動作を行った後に二成分現像剤が透磁率センサに運ばれてトナー濃度を検知され、トナー濃度の検知結果に応じて現像剤供給ユニット6Yからトナーが補給されることにより、二成分現像剤中のトナー濃度が一定に維持される。現像剤供給ユニット6Yは、トナー補給開口47に配置された不図示のスクリューの回転により、トナー補給開口47を通して非磁性トナーを補給する。
現像剤攪拌部材42、43は、現像剤担持体44と同期して回転することにより、補給された非磁性トナーを二成分現像剤に攪拌混合しつつ、非磁性トナーに所定のトナー帯電量を与える。補給された非磁性トナーは、磁性キャリアと混ざり合って適度なトナー帯電量を付与された後に、現像剤担持体44近傍に運ばれ、現像剤担持体44上に担持されて薄層形成されて再び現像に供される。
第1実施形態における非磁性トナーは、平均粒径6μmのネガ帯電トナーを用いた。磁性キャリアとしては、飽和磁化が205emu/cm(1000ガウス(0.1T)当たりの磁化量56.9Am/Kg(但し、比重3.6g/cm))の平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。また、非磁性トナーと磁性キャリアを重量比6:94で混合したものを二成分現像剤として用いた。
そして、感光ドラム1上に現像されたトナー像のトナー帯電量は−25μC/gである。
現像装置4Yは、現像同時クリーニングを行う。転写部dを通過した感光ドラム1Yに付着した転写残トナーをトナー帯電装置7Yによって正規極性に帯電させて、次回以降の現像工程時に再利用する。静電像の現像工程時、現像剤担持体44に印加される直流電圧Vdcと感光ドラム1Yの暗部電位VDとの電位差であるかぶり取り電位差Vbackによって、感光ドラム1Yの非画像部に付着した転写残トナーが現像装置4Yに回収される。
現像同時クリーニングによれば、転写残トナーは、現像装置4Yに回収されて静電像の現像に再利用されるため、回収トナーのメンテナンスに手を煩わせることが無く、回収トナー容器が無いので画像形成部PYの小型化にも有利である。
(転写部)
一次転写装置5Yは、感光ドラム1Yと一次転写ローラ51との間に中間転写ベルト9を挟み込んで、感光ドラム1Yと中間転写ベルト9との間に転写部dを形成する。一次転写ローラ51は、導電性スポンジからなり、抵抗値は10Ω以下、外径は16mm、長手長さは315mmである。転写部dでは、中間転写ベルト9の裏側に一次転写ローラ51を所定の押圧力をもって圧接させている。
一次転写ローラ51には、画像形成部(PY、PM、PC、PK:図1)ごとの電源D5を配置して、個別独立に転写電圧を印加可能である。電源D5は、一次転写ローラ51に正極性の直流電圧を印加して、感光ドラム1Yに形成された負極性のトナー像を、転写部dを通過する中間転写ベルト9へ一次転写する。
第1実施形態では、明部電位VL(−150V)の領域に現像されたトナーに対する転写効率を考慮して、一次転写ローラ51に印加される転写電圧は、1色目〜4色目まですべて+350Vとした。
感光ドラム1Y上の転写残トナーが現像装置4Yの現像同時クリーニングにて除去・回収されるには、帯電部dを通過して現像部cに搬送される転写残トナーが正規極性の適正な帯電量に帯電している必要がある。帯電極性が反転した反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては、感光ドラム1Y上から現像装置4Yに除去・回収できず、記録材に転写されて不良画像の原因となってしまう。
そこで、第1実施形態では、帯電部dと帯電装置2Yとの間にトナー帯電装置7Yを設けて、帯電極性が反転した反転トナーや帯電量が適切でないトナーを正規極性の適正な帯電量に帯電させている。
(トナー帯電装置)
図3はトナー帯電後露光を行わない場合の帯電ローラにおけるトナー汚染の説明図である。
トナー帯電装置7Yは、転写部dと帯電ローラ21との間で感光ドラム1Yに接触するトナー帯電部材71にトナー帯電電圧を印加して、感光ドラム1Yの表面に付着した転写残トナーを帯電させる。
ドラムクリーニング装置が配置されるべき場所にトナー帯電装置7Yが配置されて、トナー帯電部材71を感光ドラム1に摺擦させている。第1実施形態では、トナー帯電部材71は、導電性の繊維からなるブラシ部材の毛先を感光ドラム1に当接させた状態で軸方向に長い電極板72に取り付けられている。電極板72は、プロセスカートリッジのフレーム22に固定されている。
トナー帯電部材71のブラシ部材は、レーヨン、アクリル、ポリエステル等の繊維にカーボンや金属粉を含ませて抵抗値を制御してある。ブラシ部材は、感光ドラム1Yの表面及び転写残トナーに均一に接触できるように、太さとしては30デニール以下、植毛密度としては1550〜77500本/cm(7500〜50万本/inch)以上が好ましい。
第1実施形態では、トナー帯電部材71のブラシ部は、繊維径が6デニール相当、植毛密度が15500本/cm(10万本/inch
)、毛体長さ5mmで、ブラシの抵抗は6×10Ω・cmとした。
トナー帯電部材71は、ブラシ部が感光ドラム1Yの表面に対して侵入量1mmとなるように感光ドラム1Yに当接させ、感光ドラム1Yとの当接ニップ部幅は5mmとした。
なお、第1実施形態では、フレーム22内のスペースの制約から、トナー帯電装置7Yを1段しか搭載していない。しかし、トナー帯電装置7Yは、感光ドラム1Yの回転方向に2段、3段、・・と多段に配置したほうが、転写残トナーに正規極性の適正範囲の電荷を付与する点において有利である。このため、トナー帯電装置7Yは、フレーム22内に多段に配置してもよい。
電源D7は、トナー帯電部材71に−900Vの直流電圧を印加して、感光ドラム1Yの表面に付着した転写残トナーを正規極性に帯電させる。
図2を参照して図3に示すように、帯電ローラ21に対向する帯電部aにて−700Vに帯電され、露光部bで露光を受けなかった感光ドラム1Yの表面は、現像部c、転写部dを経て−200Vまで電位が低下している。
そして、−200Vまで低下した感光ドラム1の表面に付着した転写残トナーは、トナー帯電部eに搬送されて、−900Vの電圧を印加されたトナー帯電部材71に接触して、正規極性の負極性に帯電する。
トナー帯電部材71に−900Vの直流電圧を印加した場合、−200Vに帯電した感光ドラム1Yの表面とトナー帯電部材71との間で700Vの電位差による放電が発生する。そして、感光ドラム1Yの表面からトナー帯電部材71へ向かって電流が流れる放電によって、トナー帯電部eを通過している転写残トナーが電子注入されて負極性に帯電される。
従って、トナー帯電部材71に印加する負極性の電圧を高くすればするほど、−200Vに帯電した感光ドラム1Yの表面との間の電位差が高まって放電量は多くなり、転写残トナーを効率的に帯電できる。
しかし、トナー転写部eを通過する過程で、感光ドラム1Yの表面もまた、トナー帯電部材71から電子注入を受けて負極性に帯電する。その結果、帯電部aにおいて、帯電ローラ21と感光ドラム1Yとの間の電位差が不足してしまい、感光ドラム1Yから帯電ローラ21へ転写残トナーが移転することを十分に阻止できなくなる。
感光ドラム1Yの表面電位が帯電ローラ21の表面電位よりも相対的に正極性側へ高いほど、負極性に帯電した転写残トナーを感光ドラム1Yの表面に押し止める効果が高いからである。感光ドラム1Yの表面電位が帯電ローラ21の表面電位よりも相対的に負極性側へ高いほど、負極性に帯電した転写残トナーが感光ドラム1Yの表面から帯電ローラ21の表面へ移転し易くなるからである。そして、帯電部aに到達する感光ドラム1Yの表面電位が−700Vよりも負極性側に高くなると、感光ドラム1Yに付着して負極性に帯電した転写残トナーは、帯電ローラ21へ静電的に移転してしまうからである。
画像形成部PYでは、実測結果によれば、トナー帯電部材71に印加する電圧が−900Vのとき、トナー帯電部eを通過した感光ドラム1Yの表面は−600Vにまで帯電されてしまう。
従って、このままの状態で感光ドラム1Yの表面が転写部aに到達して、−700Vの直流電圧Vdcを印加された転写ローラ21に接すると、転写残トナーを感光ドラム1Yの表面に押し止める電位差は100Vしか確保できない。従って、感光ドラム1Yに付着した転写残トナーが転写部aで帯電ローラ21に転移し易くなる。転写残トナーが帯電ローラ21に付着して堆積して表面に絶縁層を形成すると、帯電不良や帯電ムラを引き起し易くなる。
ここで、トナー帯電部材71に印加する直流電圧を下げれば、トナー帯電部eを通過した感光ドラム1Yの表面の帯電電位が低下して、負極性に帯電した転写残トナーを感光ドラム1Yの表面に止める電位差を十分に確保できる。
しかし、トナー帯電部材71に印加する直流電圧を下げると、肝心のトナー転写部eを通過する過程で転写残トナーを十分な正規極性の帯電量まで帯電できなくなる。その結果、極性反転したトナーや帯電量が不足したトナーが感光ドラム1Yに連れ回って、負極性の直流電圧が印加された帯電ローラ21に付着するようになり、帯電不良や帯電ムラの発生時期は逆に早まってしまう。極性反転したトナーや帯電量が不足したトナーは、現像装置4Yで回収・再利用されないため、記録材に転写されて汚れや色ムラを引き起し、画像品質を低下させてしまう。
従って、トナー帯電部材71に印加する電圧は、−900V以上としたいところであるが、−900V以上をトナー帯電部材71に印加することはクリーナレスシステムにおいては、好ましくない。そして、−900Vでさえも帯電ローラ21と感光ドラム1Yとの表面電位差が不足しているため、転写残トナーが帯電ローラ21に付着し易くなっている。
そこで、第1実施形態では、トナー帯電部材71と転写ローラ21との間に像担持体除電装置10を配置して感光ドラム1Yを非接触にて除電している。トナー帯電後露光器101を用いた露光によって感光ドラム1Yの感光層に電荷キャリアを発生させて表面電位を接地電位に放電させている。これにより、トナー帯電部材71に高い電圧を印加して転写残トナーを効率的に正規極性に帯電するとともに、帯電部aでは、感光ドラム1Yに転写残トナーを押し止めて帯電ローラ21への移転を阻止できる十分な電位差を確保している。
(像担持体除電装置、帯電前露光装置)
図4はトナー帯電後露光の実験結果の説明図、図5はトナー帯電後露光を行った場合の帯電ローラにおけるトナー汚染の説明図である。
図2に示すように、トナー帯電装置7Yと帯電装置2Yとの間に、非接触の像担持体除電装置としてトナー帯電後露光器101が設置されている。非接触の像担持体除電装置は帯電前露光装置には限らずコロナ放電器でもよい。
トナー帯電後露光器101は、感光ドラム1Yの軸方向に沿って多数の発光素子を線状に一列に並べたLEDアレイにより構成され、多数の発光ダイオードを感光ドラム1Yに向けた状態にて支持部材102に固定されている。
トナー帯電後露光器101は、多数の発光ダイオードをオンオフ制御することで、感光ドラム1Y上に光を照射して前回の静電像を消去する従来のクリーニング前露光装置に使われていたものと同じものである。
トナー帯電後露光器101のLEDアレイから発光される光の波長は、ドラムの分光感度を基に780nmのものを使用しているが、使用する感光ドラムの感度に合わせて様々な発光波長の素子を利用できる。
図2を参照して図4に示すように、トナー帯電部材71を用いて帯電させた感光ドラム1Yの表面をトナー帯電後露光器101で露光して、トナー帯電後露光器101の出力光量と感光ドラム1Yの表面電位との関係を調べた。一次転写ローラ51及び帯電ローラ21をフロート状態に保って、電源D7からトナー帯電部材71に出力させる電圧を変化させて、感光ドラム1Yの表面を−900V、−700V、−500Vの三段階に帯電させた。各帯電段階において、トナー帯電後露光器101の出力光量を0.1〜0.5μJ/cmに異ならせて感光ドラム1Yの表面電位を測定した。
これにより、トナー帯電後露光器101の露光量を0.2μJ/cmに設定すれば、トナー帯電装置7Yによって600Vに帯電された感光ドラム1Yの表面電位を300V以下に下げられることが判明した。転写残トナーを感光ドラム1Yの表面に押し止める電位差をVdc−Vs=700V−300V=400V確保して、感光ドラム1Yに付着した転写残トナーが帯電部aで帯電ローラ21に転移することを阻止できることが判明した。
図2を参照して図5に示すように、トナー帯電部材71に接触してトナー帯電部eを通過した感光ドラム1Yの表面電位−600Vは、トナー帯電後露光器101の露光によって一度キャンセルされる。そして、露光量0.2μJ/cmを設定したトナー帯電後露光器101を通過した感光ドラム1Yの表面電位は、実際にはほぼ−200Vに収束していた。
従って、帯電ローラ21の表面電位−700Vとの間に十分な電位差500Vを確保できるため、感光ドラム1Yの表面に付着して負極性に帯電した転写残トナーの移転を阻止して、帯電ローラ21のトナー汚染を減らせる。
また、プロセススピードの高速化やトナー使用量の多いフルカラー画像の画像形成に対応して、転写残トナーが多くなる場合も、トナー帯電部材71に印加する直流電圧を−900V以上に高めて対処できる。
<実施例1>
トナー帯電後露光器101の出力光量を調整してトナー帯電後露光器101通過後の感光ドラム1Yの表面電位を変化させ、各条件下で10万枚の連続画像形成を行って画像評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005354925
帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位Vsが−800V〜−400Vの場合は、帯電ローラ21にトナーが付着堆積して帯電不良に起因する画像不良が発生する。
帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位Vsが−300V〜−100Vの場合は、帯電ローラ21へのトナーの付着堆積が阻止されて画像不良が発生しない。
帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位Vsが0Vの場合は、露光量が過剰になって、帯電部aを通過した後の感光ドラム1Yの表面電位の暗減衰が深刻となり、帯電不良に起因する画像不良が発生する。
トナー帯電後露光器101を配置して帯電部aに到達する感光ドラム1Yの表面電位Vsを制御することによって、第1実施形態のクリーナレスシステムは実現している。
帯電ローラ21に印加される直流電圧Vdcが−700Vで、トナー帯電部材101に印加される直流電圧が−900Vのとき、図4に示すように、トナー帯電後露光器101の露光量は、0.2μJ/cmに設定される。これにより、帯電部aに到達する感光ドラム1Yの表面電位Vsが−300V以下に誘導されて、帯電ローラ21のトナー汚染による画像不良を阻止できる。−30〜−50μC/gのトナー帯電量を付与した転写残トナーに対して帯電ローラ21と感光ドラム1Yとの表面電位差が作用する静電的な力が、帯電ローラ21からの物理的な付着力や親和力を上回るからである。
トナー帯電後露光器101による露光量が過剰になると、露光によって感光層に発生した電荷キャリアが消滅する以前に帯電部aを通過してしまう。このため、−700Vに帯電された感光ドラム1Yの表面電位が帯電部aを通過後に−680Vまで低下して、現像部cで所定のかぶり取り電圧Vbackを確保できなくなり、白画像部にトナーが付着するかぶりが発生して画像不良となる。
第1実施形態では、帯電ローラ21の表面電位と帯電部a直前のドラム電位(Vs)の差を広げることが重要であり、トナー帯電部材71による帯電ムラを均すことや、前回の静電像を消去することは考えていない。
従って、トナー帯電後露光器101による感光ドラム1Yの露光量は、帯電ローラ21のトナー汚染を食い止められる最小限の値に設定している。
トナー帯電後露光器101の露光後に残った感光ドラム1Yの電位ムラは、帯電ローラ21に印加される交流電圧のピーク間電圧Vpp=1700Vを高めることで解消される。トナー帯電後露光器101による感光ドラム1Yの露光量を最小限に止めることで、今後のプロセススピードの高速化にも十分に対処できるクリーナレスシステムを実現できる。
<実施例2>
プロセススピードを実施例1の200mm/secから300mm/secに引き上げて実施例1と同様な実験と画像評価とを行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0005354925
帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位Vsが−800V〜−400Vの場合は、帯電ローラ21にトナーが付着堆積して帯電不良に起因する画像不良が発生する。
帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位Vsが−300V〜−200Vの場合は、帯電ローラ21へのトナーの付着堆積が阻止されて画像不良が発生しない。
帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位Vsが−100V〜0Vの場合は、露光量が過剰になって、帯電部aを通過した後の感光ドラム1Yの表面電位の暗減衰が深刻となり、帯電不良に起因する画像不良が発生する。
帯電電圧に含まれる直流電圧をVdcとし、トナー帯電部材71を通過した前記像担持体の表面電位をVcとするとき、|Vc|<|Vdc|である。
帯電ローラ21に到達する感光ドラム1Yの表面電位をVsとするとき、200V≦|Vs|≦300Vでもある。
すなわち、プロセススピードを実施例1の200mm/secから300mm/secに引き上げたため、トナー帯電後露光器101による露光量が帯電部aを通過した感光ドラム1Yの表面電位を低下させ易くなっている。
このため、実施例1では画像不良が発生しなかった感光ドラム1Yの表面電位Vsが−100Vの場合でも白画像部にトナーが付着するかぶりが発生して画像不良となる。露光によって感光層に形成されたキャリアが十分に解消される以前に感光ドラム1Yが帯電部aを通過して、帯電部aを通過した後に感光ドラム1Yの表面電位を低下させるからである。
プロセススピードが300mm/secという高いプロセススピードを用いる場合、転写残トナーがトナー帯電部材71を通過する時間が短くなって、トナー帯電部材71が転写残トナーを十分に帯電できなくなる。このため、トナー帯電部材71に印加する直流電圧を−900Vよりも高く設定しないと、転写残トナーが帯電ローラ21に付着堆積して上述した種々の画像不良を引き起す。
また、トナー使用量が多いフルカラー画像の場合、転写残トナーの総量が増えるため、トナー帯電部材71に印加する直流電圧を−900Vよりも高く設定しないと、転写残トナーが帯電ローラ21に付着堆積して上述した種々の画像不良を引き起す。
そこで、帯電ローラ21に印加する直流電圧を−700Vとし、転写残トナーに正規極性の適正な帯電量−30〜−50μC/gを付与するために、トナー帯電部材71に−1500Vを印加する場合を考える。
このとき、トナー帯電部材71を通過した感光ドラム1Yの表面電位は、−900V程度になるので、トナー帯電後露光器101による露光量を0.3μJ/cmに高める必要がある。これにより、帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位が−300Vとなって、帯電ローラ21のトナー汚染による画像不良を防止できる。
これは、トナー帯電部材71と帯電ローラ21との間にトナー帯電後露光器101を配置することで、初めて達成できる。
<第2実施形態>
図6は第2実施形態における画像形成部の構成の説明図、図7は第2実施形態におけるトナー帯電後露光の実験結果の説明図である。
第2実施形態では、図1に示す画像形成部PY、PM、PC、PKが、図6に示すように構成される。ここでもイエローの画像形成部PYにて説明を行い、画像形成部PM、PC、PKについては、符号末尾のYをM、C、Kに読み替えて理解されるものとする。また、図6中、第1実施形態と共通する構成には、図2と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
(トナー帯電前除電装置)
図6に示すように、画像形成部PYは、転写部dとトナー帯電部材71との間にトナー帯電前除電部材(トナー除電部材)81を配置している。
トナー除電装置8Yは、転写部dとトナー帯電部eとの間で感光ドラム1Yに接触するトナー帯電前除電部材81に正規極性と反対極性の直流電圧を印加して、感光ドラム1Yの表面に付着した転写残トナーを除電する。
トナー帯電前除電部材81は、導電性の繊維からなるブラシ部材を感光ドラム1Yに摺擦させ、ブラシ部材の毛先を感光ドラム1に当接させた状態で軸方向に長い電極板82に取り付けられている。電極板82は、プロセスカートリッジのフレーム22に固定してある。
トナー帯電前除電部材81のブラシ部材は、レーヨン、アクリル、ポリエステル等の繊維にカーボンや金属粉を含ませて抵抗値を制御してある。ブラシ部材は、繊維径が6デニール相当、植毛密度が15500本/cm、毛体長さ5mmで、ブラシの抵抗は6×10 Ω・cmとした。
トナー帯電前除電部材81は、感光ドラム1Yの表面に対して侵入量1mmとなるように感光ドラム1Yに当接させ、感光ドラム1Yとの当接ニップ部幅は5mmとした。
第2実施形態では、トナー帯電装置7Yの上流にトナー帯電前除電装置8Yを配置して二段構成としたので、転写残トナーに正規極性の適正範囲の帯電量を付与する点において第1実施形態よりも有利である。
電源D7は、トナー帯電部材71に−850Vの直流電圧を印加して、感光ドラム1Yの表面に付着した転写残トナーを正規極性に帯電させる。
電源D8は、トナー帯電部材81に+500Vの直流電圧を印加して、感光ドラム1Yの表面に付着した転写残トナーを除電させる。
これにより、転写残トナーに正規極性の適正な帯電量−30〜−50μC/gを付与しつつ、トナー帯電前除電部材81を通過した感光ドラム1Yの表面電位は−400Vに抑制される。つまり、トナー帯電後露光器101の露光が無い場合、第1実施形態の−600V(図3参照)よりも低い−400Vの表面電位Vsで、感光ドラム1Yが帯電部aに到達する。
図6を参照して図7に示すように、トナー帯電部材71及びトナー帯電前除電部材81を用いて帯電させた感光ドラム1Yの表面をトナー帯電後露光器101で露光して、トナー帯電後露光器101の出力光量と感光ドラム1Yの表面電位との関係を調べた。感光ドラム1Yの表面電位は、電源D7の出力を調整して、−700V、−500V、−300Vの三段階に帯電させた。
これにより、トナー帯電後露光器101の出力を0.1μJ/cmに設定すれば、トナー帯電部材71に接触して−400Vに帯電した感光ドラム1Yの表面電位を300Vに下げられることが判明した。転写残トナーを感光ドラム1Yの表面に押し止める電位差を700−300=400V確保して、感光ドラム1Yに付着した転写残トナーが転写部aで帯電ローラ21に転移することを阻止できることが判明した。
<実施例3>
トナー帯電後露光器101の出力光量を調整してトナー帯電後露光器101通過後の感光ドラム1Yの表面電位Vsを変化させ、各条件下で10万枚の連続画像形成を行って画像評価した。評価結果を表3に示す。プロセススピードは、300mm/secである。
Figure 0005354925
帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位Vsが−800V〜−400Vの場合は、帯電ローラ21にトナーが付着堆積して帯電不良に起因する画像不良が発生する。
帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位Vsが−300V〜−100Vの場合は、帯電ローラ21へのトナーの付着堆積が阻止されて画像不良が発生しない。
帯電部aに到達した感光ドラム1Yの表面電位Vsが0Vの場合は、露光量が過剰になって、帯電部aを通過した後の感光ドラム1Yの表面電位の暗減衰が深刻となり、帯電不良に起因する画像不良が発生する。
すなわち、トナー帯電装置7Y、トナー帯電前除電装置8Yを二段に配置して帯電部aに到達する感光ドラム1Yの表面電位Vsを−400Vに抑制したので、トナー帯電後露光器101の露光量は0.1μJ/cmあれば十分である。第2実施形態では、第1実施形態よりも少ないトナー帯電後露光器101の露光量にて、帯電部aに到達する感光ドラム1Yの表面電位Vsを−300Vに下げて帯電ローラ21のトナー汚染による画像不良を阻止できる。
そして、トナー帯電後露光器101の露光量を0.1μJ/cmに設定したことにより、帯電部aを通過した後の感光ドラム1Yの表面電位の暗減衰の影響は第1実施形態よりも軽減されている。
このため、プロセススピードが実施例2と等しい300mm/secにもかかわらず、実施例2で画像不良が発生した感光ドラム1Yの表面電位が−100Vの場合でも画像不良が発生しなかった。
トナー帯電後露光器101の露光量が少ないため、300mm/secのプロセススピードでも、感光ドラム1Yが帯電部aを通過するまでに、露光によって感光ドラム1Yの感光層に形成されたキャリアが十分に解消されるからである。
従って、第2実施形態は、第1実施形態よりも帯電ローラ21と感光ドラム1Yの表面電位差が広い系になり、プロセススピードを上げることに第1実施形態よりも対応し易くなっている。
第2実施形態は、上流側のトナー帯電前除電部材81を用いて感光ドラム1Yの表面電位を正極性側にシフトさせるため、下流側のトナー帯電部材71に印加する負極性の電圧が低くても十分な放電電流を発生して転写残トナーを効率良く正規極性に帯電できる。このため、第1実施形態よりもトナー帯電部材71に印加する負極性の電圧を高める余地が大きく、転写残トナーに対する帯電性能を上げることが容易である。
<実施形態の効果>
第1実施形態では、転写部dの下流にトナー帯電部材71を配置して転写残トナーを正規極性に帯電させて、現像装置4Yに回収して再利用する。しかし、転写残トナーを正規極性に帯電させるためにトナー帯電部材71に印加される直流電圧は、同時にトナー帯電部eを通過する感光ドラム1Yの表面電位も変化させる。このことは、帯電ローラ21と感光ドラム1Yとの表面電位差を減少させて、帯電ローラ21のトナー汚染の原因になっている。
現像装置4Yにて現像同時クリーニングを行う画像形成部PYでは、トナー帯電部材71が、転写残トナーの帯電量を、現像剤担持体44に担持されたトナーとほぼ等しい水準にまで高めている。このため、帯電部aでは、感光ドラム1Yに搬送される転写残トナーには、物理的な力と電気的な力とが働く。帯電ローラ21と感光ドラム1Yの表面電位差が小さい場合、電気的な力が弱くなって、転写残トナーが物理的な力によって帯電ローラ21表面側についてしまう。
転写残トナーは、感光ドラム1Yに何層かになって付着しており、内側の転写残トナーは鏡映力で感光ドラム1Yにしっかりついているが、外側の転写残トナーは、帯電ローラ21から接触力が働いて移動してしまう。このような理由から、帯電ローラ21のトナー汚染は抑えることが難しい。
しかし、近年のユーザニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高印字率な画像の連続印字動作や、カラー化に伴う感光体への多重現像方式が行われている。このため、一度に大量の転写残トナーが発生して帯電ローラ21のトナー汚染が更に助長される。
また、近年は、画像形成装置に高い生産性が要求されてプロセススピード(ドラム回転速度等)が高くなり、発生した転写残トナーがトナー帯電装置7Yを通過する時間が少なくなっている。このため、反転トナーや帯電量の少ないトナーがトナー帯電装置7Yを通過している間にトナーを正規極性の適正な帯電量まで帯電させることが困難になり、トナー帯電部材71に印加する直流電圧が高められる傾向にある。
また、コピー出力の高速化に伴い、ダウンタイムレスであることも求められている。従来、プロセススピード130mm/sec、毎分30枚処理の画像形成装置で画像比率5%の画像を連続画像形成すると、100枚の画像形成に1回の割合でトナーの吐き出し制御が入ってダウンタイムが発生する。そして、画像比率の高い画像の連続画像形成では50枚の画像形成に1回の割合でトナーの吐き出し制御が入ってダウンタイムが発生する。
従って、コピー出力の高速化やカラー化に対応した帯電ローラ21のトナー汚染をダウンタイムレスで防ぐことが必要不可欠である。
これに対して、第1実施形態の画像形成装置によれば、コピー出力の高速化やカラー化に対応し、帯電ローラ21のトナー汚染を減らすことができる。トナー帯電部材71と帯電ローラ21との間にトナー帯電後露光器101を配置して、帯電ローラ21と感光ドラム1Yの表面電位差を十分に確保して帯電ローラ21のトナー汚染を減らすことができる。そして、高印字高画質及び、生産性の高い製品においても安定した品質画像が得られる。
第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 画像形成部の構成の説明図である。 トナー帯電後露光を行わない場合の帯電ローラにおけるトナー汚染の説明図である。 トナー帯電後露光の実験結果の説明図である。 トナー帯電後露光を行った場合の帯電ローラにおけるトナー汚染の説明図である。 第2実施形態における画像形成部の構成の説明図である。 第2実施形態におけるトナー帯電後露光の実験結果の説明図である。
符号の説明
1Y 像担持体(感光ドラム)
2Y 帯電装置
3Y 静電像形成装置(露光装置)
4Y 現像装置
7Y トナー帯電装置
8Y トナー帯電前除電装置
9 転写媒体(中間転写ベルト)
10 像担持体除電装置
21 帯電部材(帯電ローラ)
71 トナー帯電部材
81 トナー帯電前除電部材
100 画像形成装置
101 帯電前露光装置(トナー帯電後露光器)

Claims (1)

  1. 回転可能な感光体と、
    トナーの正規極性と同極性の直流電圧に交流電圧を重畳した帯電電圧が印加され、前記感光体の表面を帯電する接触帯電方式の帯電装置と、
    前記帯電装置によって帯電された前記感光体に静電像を形成する静電像形成装置と、
    前記静電像が形成された前記感光体にトナーを供給して、前記静電像をトナー像に現像すると同時に前記感光体に付着した転写残トナーを回収する現像装置と、
    トナー像を転写媒体へ転写する転写装置と、
    前記感光体の回転方向における前記転写装置による転写部の下流であり、且つ、前記帯電装置の前記感光体への接触部の上流で、前記感光体に接触し、トナーの正規極性と同極性の電圧が印加されることで転写残トナーおよび感光体の表面を正規極性に帯電するトナー帯電装置と、
    前記感光体の回転方向における前記トナー帯電装置の前記感光体への接触部の下流であり、且つ、前記帯電装置の前記感光体への接触部の上流に配置され、露光することによって前記感光体の表面電位を低下させる感光体除電装置と、を備え、
    前記感光体除電装置によって除電された前記感光体表面の電位Vsはトナーの正規極性と同極であり、前記帯電装置に印加される直流電圧の電位をVdcとするとき、
    0V≠|Vs|<|Vdc|
    であり、且つ前記トナー帯電装置によって帯電された後かつ前記感光体除電装置によって除電される前の前記感光体表面の電位の絶対値は前記Vdcの絶対値以上であることを特徴とする画像形成装置。
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