JP2010160229A - トナー、画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents

トナー、画像形成方法、画像形成装置 Download PDF

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康弘 橋本
Tomohito Handa
智史 半田
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克之 野中
Koji Abe
浩次 阿部
Naoya Isono
直也 磯野
Susumu Sugiyama
享 杉山
Yuhei Terui
雄平 照井
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Abstract

【課題】長期使用および高温高湿環境下での使用においてもカブリや濃度薄、画像ムラ、フィルミング、部材汚染、クリーニング不良といった問題の発生がなく、転写効率および低温定着性、耐オフセット性に優れた画像が得られるトナーを提供することにある。
【解決手段】結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に、脂肪酸金属塩を外添させたトナーにおいて、
前記トナー粒子の重量基準平均粒径D4(μm)、前記脂肪酸金属塩の体積基準平均粒径Dv(μm)としたとき、0.02≦Dv/D4≦0.20、4.0≦D4≦9.0、0.15≦Dv≦0.90の関係を満たし、
前記トナー粒子の帯電量Q1(mC/kg)、前記脂肪酸金属塩の帯電量Q2(mC/kg)としたとき、+20≦Q1≦+150、15≦|Q1−Q2|≦200の関係を満たすことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真法、静電記録法またはトナージェット法の如き記録方法に用いられるトナーと該トナーを用いた画像形成方法、およびそれに用いられる画像形成装置に関する。
近年、電子写真業界において、プリンター装置等の画像解像度は、1200、2400dpiというように高解像度化してきている。従ってプリンター装置の現像方式もこれにともなって、より高精細が要求されてきている。また、複写機においても高機能化、デジタル化、フルカラー化が進み、プリンター装置同様、高解像度化、高精細が要求されてきている。
更に、電子写真法を用いた複写機あるいはプリンターは、一般家庭等を含めてその普及が進むにつれ、複写機あるいはプリンターを、安価でかつ小型なものにしたいという要望が強まっている。
上記の如き要求に対し、より簡素な構成要素での設計を可能にすることを要求されるようになってきている。
より簡素な構成要素での設計においても長期間の使用においても高画質であることが求められる。
このような要求に対して、重合法により粒径分布をシャープにすることで良好な解像度と諧調性を持つ画像を得る方法がある。重合法によりトナーを得る方法としては懸濁重合や乳化凝集法などが存在するがいずれも極めてシャープな粒度分布を持つ重合トナーを高収率にて得られる。また、この重合トナーは粉砕法によるトナーと比較して形状が球形であり、良好な現像性、転写性を示す。
更に、トナー中にワックスなどの離型剤を含有させ、且つトナー中での分散状態を制御することが容易なため、現像性と定着性の両立が容易であり、定着装置の簡素化にも対応しやすいというメリットが生じる。
また、重合開始剤の分子量および重合反応温度を一定の範囲にすることで、初期の印字品質を良好にし、連続印字での画質の安定性に優れ、感光体に対するフィルミングの発生を抑えられる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら近年、複写機やプリンターの普及により使用環境や用途が多岐にわたる事となった。そのため、長期間での使用においても安定した画像特性、環境特性が求められることとなり、この方法では、それらの要求を満足させるには不十分であった。特に高温高湿環境下において長期間にわたって低印字率の画像を印刷した場合に、現像剤担持体や現像ブレードにトナーが融着し、低温低湿環境下において特に低濃度のハーフトーン画像において濃度ムラが生じるという問題が発生した。
また、帯電制御樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を溶解する有機溶剤で混合し、水系分散媒体中で重合してトナーを得ることで転写性や透過性に優れ、カブリが少なく、十分な印字濃度が得られる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この方法で得られたトナーでは、長期間にわたって使用した際には転写性、カブリの面で不十分であり、更に現像剤担持体や現像ブレードにトナーが融着するといった問題が発生する。また、帯電分布がブロードになるため帯電ムラによる画像ムラが発生するといった問題が生じる。
更に、トナーが特定の円形度分布及び特定の重量平均粒径を有し、且つ含有する外添剤のトナー粒子上での平均粒径及び形状係数を特定の範囲にすることで、微小ドットを忠実に再現させる報告がある(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、上記の先行技術は、接触現像を行なう場合に、カブリの抑制の点でより改良すべき点を有している。また、低温での定着性と耐ストレス性を両立させる場合には若干の課題を有している。
また、負帯電性トナーとしては、球形のトナー母粒子に小粒径の負帯電性シリカ微粒子、大粒径負帯電性球形シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、α型アルミナ微粒子及び金属石鹸粒子を外添し、トナー母粒子とアルミナ微粒子と酸化チタン微粒子の仕事関数が特定の関係を有するトナーを用いることで長時間連続使用してもカブリ、トナー飛散、トナー漏れが無く、転写効率の低下やクリーニングトナー量の増大をもたらすことが無いという報告がある(例えば特許文献4参照)。
しかしながら、上記の先行技術は、低印字率での長期間での使用や低温低湿環境下や高温高湿環境下での使用において、若干の課題を有している。また、トナー担持体や規制部材へのトナーの融着の点で若干の課題を有している。更には高速印刷時において定着性の点で若干の課題を有している。また、正帯電性トナーとして効果はほとんど認められなかった。
また、トナー母粒子に外添剤を多段処理により添加し、該多段処理の最終段階において長鎖脂肪酸またはその塩でなる粒子を添加することでシリカ粒子あるいは酸化チタン微粒子の遊離を制御し、均一帯電性を長期に維持し、流動性にも優れたトナーが得られるという報告がある(例えば特許文献5参照)。
しかしながら、上記の先行技術は、低印字率での長期間での使用や低温低湿環境下や高温高湿環境下での使用において、若干の課題を有している。また、トナー担持体や規制部材へのトナーの融着の点で若干の課題を有している。
また、特定の酸価を有するバインダー樹脂を含有したトナー粒子と流動性向上剤と特定の粒度分布を有する脂肪酸金属塩粒子からなるトナーを用いることで、該脂肪酸金属塩の減耗作用の他にトナー粒子の帯電性を高め、帯電量分布の逆極性部分を減らし、帯電性の長期安定性をも改善する効果により常温常湿環境下、高温高湿環境下、低温低湿環境下の何れにおいても画像中抜け、画像濃度、カブリなどの画質に優れ、トナー飛散やクリーニング不良やOPC上での現像剤粒子の融着現象が見られないという報告がある(例えば特許文献6参照)。
しかしながら、上記の先行技術は、低印字率での長期間での使用や間欠耐久などの使用において、若干の課題を有している。また、トナー担持体や規制部材へのトナーの融着の点で若干の課題を有している。また、正帯電性トナーとして効果は不十分であった。
また、トナーに脂肪酸及び/または脂肪酸金属塩により処理された無機微粉末を含有させることで、転写体と感光体間でのトナーに掛かるストレスが低減することや、トナーの凝集を防止したり、帯電安定性が得られることから、低溶融性のシャープメルト樹脂を使用したとしても、高透光性と耐オフセット性を両立し、高濃度、低地カブリで感光体へのフィルミングを抑制し、トナー担持体やトナー層規制部材へのトナーの融着や転写不良や画像乱れを防ぐという報告がある(例えば特許文献7参照)。
しかしながら、上記の先行技術は、低印字率での長期間での使用や高温高湿環境下での使用において、若干の課題を有している。また、正帯電性トナーとして効果は不十分であった。
特開平10−20548号公報(第2頁) 特開2002−108011号公報(第2頁) EP 886187A1(第3頁) 特開2007−148198号公報(第2頁) 特開2004−246257号公報(第2頁) 特許第03605983号(第2頁) 特開2003−043733号公報(第2頁)
本発明の目的は、上記の如き問題点を解決したトナーおよび該トナーを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、長期使用および高温高湿環境下での使用においてもカブリや濃度薄、画像ムラ、フィルミングおよびトナーや無機微粉体の潜像担持体および現像剤担持体表面への融着や層厚規制部材への融着等、部材汚染、クリーニング不良といった問題の発生がなく、転写効率および低温定着性、耐オフセット性に優れた画像が得られるトナー、画像形成方法および画像形成装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に、少なくとも脂肪酸金属塩を外添させたトナーにおいて、
前記トナー粒子の前記トナー粒子の重量基準平均粒径(D4)をDt(μm)、前記脂肪酸金属塩の体積基準のメジアン径(D50)をDf(μm)としたとき、
0.02≦Df/Dt≦0.20
4.0≦Dt≦9.0
0.15≦Df≦0.90
の関係を満たし、
前記トナー粒子の帯電量Q1(mC/kg)、前記脂肪酸金属塩の帯電量Q2(mC/kg)としたとき、
+20≦Q1≦+150
15≦|Q1−Q2|≦200
の関係を満たすことを特徴とするトナーに関する。
また、本発明は、トナー供給部材によりトナー担持体にトナーを供給し、トナー担持体上に薄層を形成させるための規制部材によりトナー層を形成し、感光体に非接触もしくは接触して現像するトナー担持体によりトナーを現像して感光体上にトナー像を得る画像形成方法において、上記構成のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法及び画像形成装置に関する。
更に、本発明は、トナーを収容するための現像剤容器と、該現像剤容器の開口部に設けられたトナー担持体と、該トナー担持体とニップを形成し該トナー担持体上に担持されているトナーの層厚を規制し、且つ該トナーを摩擦帯電させるためのトナー規制部材と、該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材とを有する現像ユニットにおいて、上記構成のトナーを用いることを特徴とする現像ユニットに関する。
本発明のトナー、画像形成方法および画像形成装置は、該トナー粒子および該トナー粒子に外添する脂肪酸金属塩の、粒子径及び帯電性を特定の範囲して製造することで、長期使用および高温高湿環境下での使用においてもカブリや濃度薄、画像ムラ、フィルミングおよびトナーや無機微粉体の潜像担持体および現像剤担持体表面への融着や層厚規制部材への融着等、部材汚染、クリーニング不良といった問題の発生が抑制され、転写効率および低温定着性、耐オフセット性に優れた画像が得られるトナー、画像形成方法および画像形成装置を提供することができる。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、長期使用および高温高湿環境下での使用においてもカブリや濃度薄、画像ムラ、フィルミングおよびトナーや無機微粉体の潜像担持体および現像剤担持体表面への融着や層厚規制部材への融着等、部材汚染、クリーニング不良といった問題の発生がなく、転写効率および低温定着性、耐オフセット性に優れた画像を得るという課題を達成するためには、
少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に、少なくとも脂肪酸金属塩を外添させたトナーにおいて、
前記トナー粒子の前記トナー粒子の重量基準平均粒径(D4)をDt(μm)、前記脂肪酸金属塩の体積基準のメジアン径(D50)をDf(μm)とした時、
0.02≦Df/Dt≦0.20
4.0≦Dt≦9.0
0.15≦Df≦0.90
の関係を満たし、
前記トナー粒子の帯電量Q1(mC/kg)、前記脂肪酸金属塩の帯電量Q2(mC/kg)としたとき、
+20≦Q1≦+150
15≦|Q1−Q2|≦200
の関係を満たすことが重要であることを見出し本発明を完成するに至ったものである。
以下に詳細について説明する。
本発明のトナー、画像形成方法および画像形成装置は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に、少なくとも脂肪酸金属塩を外添させたトナーにおいて、
前記トナー粒子の重量基準平均粒径(D4)をDt(μm)、前記脂肪酸金属塩の体積基準のメジアン径(D50)をDf(μm)としたとき、
0.02≦Df/Dt≦0.20
4.0≦Dt≦9.0
0.15≦Df≦0.90
の関係を満たし、
前記トナー粒子の帯電量Q1(mC/kg)、前記脂肪酸金属塩の帯電量Q2(mC/kg)としたとき、
+20≦Q1≦+150
15≦|Q1−Q2|≦200
の関係を満たすことにより以下の効果が得られる。
脂肪酸金属塩を含有するトナーにおいて、一般的に脂肪酸金属塩の粒子径が小さいほどトナー粒子から遊離しにくい。しかし、小さすぎるとトナー粒子表面に埋没してしまい、効果を発揮しない。但し、実際にはトナー粒子と脂肪酸金属塩の付着性はトナー粒子と脂肪酸金属塩の互いの粒子径だけでなく帯電性の影響をも受けている。つまり、脂肪酸金属塩の粒子径はトナー粒子の粒子径に対してある一定の比率を有する粒子径でなければならず、且つトナー粒子と脂肪酸金属塩が強固な静電付着力を発揮できるためにトナー粒子と脂肪酸金属塩の帯電性の差がある範囲である必要がある。これにより、長期間の使用や高温高湿環境下での使用において優れた画像品質を維持することが可能となる。また、高画質を達成するためにはトナー粒子の粒子径はある程度小さい方が良く、また、トナーとしての帯電性が正帯電性の画像形成において使用されるためトナー粒子の帯電性はある範囲の正帯電性を有している必要がある。
具体的に説明すると、高画質を達成するためにはDt≦9.0であれば良い。但し、Dt<4.0であるとトナーの比表面積が大きく、接触面積が大きいことから耐ストレス性の点で脂肪酸金属塩の効能をもってしても不十分となる。
また、トナーの帯電性としては+20≦Q1≦+150でかつ、15≦|Q1−Q2|≦200であれば、Q2<0であっても正帯電性トナーとして十分な帯電性を有することとなる。
脂肪酸金属塩とトナー粒子の付着性に影響を与える因子のうち粒子径の因子としては4.0≦Dt≦9.0に対して0.15≦Df≦0.90且つ、0.02≦Df/Dt≦0.20であると、長期使用においてトナーが受けるストレスに対して、曲率の観点からトナー粒子表面から脂肪酸金属塩が遊離しにくい。且つ、トナー粒子表面に脂肪酸金属塩が埋没することも無く、本発明の効果を得られる。Df<0.15や、Df/Dt<0.02であると脂肪酸金属塩がトナー表面に埋め込まれてしまうため効果を発揮できず望ましくない。
脂肪酸金属塩とトナー粒子の付着性に影響を与える因子のうち帯電性の因子としては次の通りである。前述の粒子径の関係を満たしている条件下では、+20≦Q1≦+150でかつ、15≦|Q1−Q2|≦200であるとトナー粒子と脂肪酸金属塩が互いの帯電性の差から静電的に付着することとなり、かつトナーは十分な帯電量を得られる。
次に脂肪酸金属塩とトナー粒子の付着性が本発明のトナーの効果にどのように影響を与えているかを以下に説明する。
従来の脂肪酸金属塩の作用効果として、滑剤としての作用がある。この効果を効率よく得る方法としてトナー母粒子に外添剤を多段処理により添加し、該多段処理の最終段階において長鎖脂肪酸またはその塩でなる粒子を添加する方法がある。しかし実際には長鎖脂肪酸またはその塩でなる粒子がトナー粒子から遊離してしまい効果が不十分となる。別の方法としてトナーに脂肪酸及び/または脂肪酸金属塩により処理された無機微粉末を含有させる方法があるが、脂肪酸及び/または脂肪酸金属塩が長期使用において無機微粉末から剥離してしまい効果が不十分となる。滑剤としての作用はトナーから脂肪酸金属塩から遊離していてもトナーと接触していれば滑剤としての効果を発揮する。
しかし、遊離した脂肪酸金属塩と脂肪酸金属塩が付着したトナーと脂肪酸金属塩が付着していないトナーが混在していると、それぞれの帯電性および流動性に差があるため、摩擦帯電された場合、トナーの帯電分布がブロードになる。更に流動性にムラが生じる。そのため,短期間での使用や通常環境での使用ではトナーの耐久劣化も顕著ではないため差は顕著ではないが、耐久劣化の影響が大きくなる長期間での使用や帯電性の影響が大きくなる高温高湿環境下での使用において望ましくない結果を生じるためである。
また、画像形成においてトナーが消費されていく過程で、遊離した脂肪酸金属塩は帯電性や流動性の差からトナーと同じ速度では消費されない。そのため、長期使用に際しては、使用初期と使用後期で現像容器内における遊離した脂肪酸金属塩を含めトナーの組成が変化することになる。これによりトナーの帯電性及び流動性が初期と後期で変化するため長期使用に際して画質が安定しないため望ましくない。
従って、脂肪酸金属塩とトナー粒子の付着性に優れた本発明のトナーを用いることによって、長期間での使用や高温高湿環境下での使用において本発明の効果を得られる。
更には、トナーの流動性、帯電性を考えた場合、影響を与える因子としてトナー粒子の粒子径分布がある。一般的に粒子径の小さいトナーは帯電性が高く、粒子径の大きいトナーは帯電性が低い。そのため、帯電分布のシャープなトナーを得るためには粒子径の小さい側のトナーの帯電性を低く、粒子径の大きい側のトナーの帯電性を高める必要がある。粒子径の大きい側のトナーの帯電性が低い理由は比表面積が小さく、流動性が悪いためであり、長期使用に際しては、特にトナー表面が平滑ではないものが多くなっているためである。これに対して、本発明のトナーにおいては脂肪酸金属塩がトナー粒子に遊離せずに付着しているため、粒子径の大きく、トナー表面が平滑ではないものであっても脂肪酸金属塩の滑剤作用によって流動性が向上する。更に本発明で用いられる脂肪酸金属塩はトナーの帯電性を阻害することがないため、本発明のトナーは十分な帯電性能を有することとなる。そのため長期使用に際しても帯電性の低いトナーが少なくなる。これによりトナーの帯電分布がシャープのまま維持されるため、望ましい。特に非磁性一成分現像系ではトナー同士の摩擦によってもトナーが帯電するため、帯電性の低いトナーが減少することは、帯電性の低いトナーと摩擦帯電するトナーが減少することになる。通常、非磁性一成分現像系では低帯電性のトナーと摩擦帯電したトナーは高帯電性を有することとなる。従って、帯電性の低いトナーの減少により、高帯電性のトナーも減少することとなる。これによって高帯電側、低帯電側双方のトナーが減少し、トナーの帯電分布がシャープになる効果が顕著となるため特に望ましい。本発明のトナーは脂肪酸金属塩のトナー粒子からの遊離が少ないため長期間にわたってトナーの帯電分布がシャープなまま維持されるため望ましい。また、ネガ帯電性トナーを用いた現像システムにおいて同様の脂肪酸金属塩を使用した場合よりポジ帯電性トナーを用いた現像システムにおいての方が効果が大きい。これは、ポジ帯電性トナーが帯電した状態はネガ帯電性トナー場合より電子の数が減少する方向であるのでトナー表面における電子雲の厚みが小さいため極性の強さとしてはネガ帯電性トナーよりポジ帯電性トナーは弱く、結果としてトナーの帯電性及び帯電維持能力においてネガ帯電性トナーよりポジ帯電性トナーの方が低くなるためである。そのため、ネガ帯電性トナーで用いる場合よりポジ帯電性トナーである本発明のトナーにおいて特にトナーの帯電性及び帯電分布の面において大きな効果を得ることができる。
|Q1−Q2|<15であると、トナー粒子と脂肪酸金属塩の静電的付着力が弱いため脂肪酸金属塩がトナー粒子から遊離しやすく望ましくない。|Q1−Q2|>200であると、トナー粒子間を脂肪酸金属塩がブリッジするようにしてトナーが静電凝集してしまうためトナーの流動性が低下し望ましくない。
その際、Q1<+20であるとトナーが十分な帯電量を得られず、カブリ等の点で不十分となる。Q1>+150であるとトナーが過帯電となり、トナー担持体やトナー規制部材に対して融着するという点で望ましくない。
15≦Q1≦150であると望ましいが、30≦Q1≦150であるとより望ましく、30≦Q1≦120であると更に望ましく、35≦Q1≦110であると特に望ましい。これは、トナー粒子の帯電性がある程度以上大きい方がカブリや画像濃度の点で望ましいからである。
15≦|Q1−Q2|≦200であると望ましいが、30≦|Q1−Q2|≦200であるとより望ましく、60≦|Q1−Q2|≦180であると更に望ましく、−160≦Q1−Q2≦−60であると特に望ましい。
これは、トナー粒子と脂肪酸金属塩の帯電性の差がある程度以上大きい方が静電的な付着力が大きくなるためであり、且つQ2>0である方が脂肪酸金属塩の帯電性がトナーの帯電性と同極性であるためトナーの帯電性という点で望ましいからである。
トナー粒子の飽和摩擦帯電量および本発明で用いられる、該脂肪酸金属塩の帯電性は以下の方法により測定を行った。図1は摩擦帯電量測定装置の説明図である。23℃,60%RH環境下、キャリアとして日本画像学界標準キャリア「P−01」を用い、キャリア19.6gに現像剤0.4gを加えた混合物を50ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ150回手で震盪する。次いで、底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に前記混合物0.4乃至0.5gを入れ、金属製のフタ4をする。この時の測定容器2全体の質量を秤り、W1gとする。次に吸引機(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調節して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で一分間吸引を行ない現像剤を吸引除去する。この時の電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また吸引後の測定機全体の質量を秤りW2(g)とする。この現像剤の摩擦帯電量(μC/g)は、下式の如く計算される。
摩擦帯電量(μC/g)=CV/(W1−W2)
0.15≦Df≦0.90であると望ましいが、0.15≦Df≦0.65であるとより望ましく、0.30≦Df≦0.60であると特に望ましい。
前記脂肪酸金属塩の体積基準のメジアン径(D50)Dfの変動係数が50以下であると望ましく、2以上35以下であると寄り望ましい。また、前記脂肪酸金属塩は体積基準における5%積算径をD5s、50%積算径をD50s、95%積算径をD95sとした時、(D95s−D5s)/D50s≦1.55であると望ましい。
これは、脂肪酸金属塩の粒径が小さい方がトナー粒子との付着性の点で望ましいためであり、粒子径が小さすぎるとトナー粒子表面に埋没しやすいためである。そのため粒子径分布のシャープな、ある一定の大きさの脂肪酸金属塩が望ましい。
<脂肪酸金属塩の体積基準のメジアン径(D50)及び粒度分布の測定方法>
本発明で用いられる脂肪酸金属塩の体積基準のメジアン径(D50)の測定は、JIS Z8825−1(2001年)に準じて測定されるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows(登録商標) WET(LA−920) Ver.2.02」を用いる。また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。
測定手順は、以下の通りである。
(1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
(2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、ファイル「110A000I」(相対屈折率1.10)を選択する。
(5)「表示条件設定」画面において、粒子径基準を体積基準とする。
(6)1時間以上の暖気運転を行なった後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行なう。
(7)ガラス製の100ml平底ビーカーに約60mlのイオン交換水を入れる。この中に分散剤として、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(9)前記(7)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(10)前記(9)のビーカー内の水溶液に超音波を照射した状態で、約1mgの脂肪酸金属塩を少量ずつ前記ビーカー内の水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、この際に脂肪酸金属塩が固まりとなって液面に浮く場合があるが、その場合はビーカーを揺り動かすことで固まりを水中に沈めてから60秒間の超音波分散を行なう。また、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(11)前記(10)で調製した脂肪酸金属塩が分散した水溶液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%乃至95%となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、体積基準のメジアン径(D50)、変動係数、及び(D95)/(D5)を算出する。
また、ここでいう変動係数は下記式で求められる算術標準偏差を体積平均粒径(Df)で割った値である。
Figure 2010160229
J :粒子径分割番号(固定間隔では1乃至80)
q(J):頻度分布値(%)
X(J):J番目の粒子径範囲の代表径(μm)
本発明のトナーが|Q1−Q2|≧1400×(Dv/D4)−120の関係式を満たすと望ましく、|Q1−Q2|≧1400×(Dv/D4)−100であると更に望ましい。これはDf/Dtの値が大きいほど脂肪酸金属塩はトナー表面より遊離しやすくなるため、静電的付着力が強くする方がその分脂肪酸金属塩のトナー粒子からの遊離を抑制できるため望ましいからである。
前記トナーは、前記脂肪酸金属塩の遊離率が1.0%以上30.0%以下であると望ましく、1.0%以上25.0%以下であるとより望ましく、2.0%以上20.0%以下であると特に望ましい。
これは、前記脂肪酸金属塩の遊離率が1.0%未満であるようなトナーを作製しようとすると、トナー粒子に前記脂肪酸金属塩を付着させるために強い力を加えねばならない。結果としてトナーがダメージを受け、耐ストレス性が低下するため望ましくないからである。特に前記トナーはフローテスターにおける100℃時の粘度が65000Pa・s以下である場合は、その影響が顕著となる。また、仮にトナー作製時にトナーにダメージを与えることなく前記脂肪酸金属塩の遊離率が1.0%未満にできたとしても、前記脂肪酸金属塩の遊離率が1.0%以上である方が望ましい。これは遊離した前記脂肪酸金属塩が潜像担持体に適度に付着することで、潜像担持体のトナー担持体やクリーニング部材との摩擦による発熱を抑えるためである。それにより長期使用におけるトナーへの熱的ダメージを抑制でき、長期間安定した画質が得られる。前記脂肪酸金属塩の遊離率が30.0%超であると本発明の効果が得られないため望ましくない。
<脂肪酸金属塩の遊離率>
本発明におけるトナー中の脂肪酸金属塩の遊離率は、デジタル振動計(デジバイブロ MODEL 1332)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)と、蛍光X線分析装置 Axios(PANalytical製)及び測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いて蛍光X線の強度差により脂肪酸金属塩の遊離率を求めた。
具体的な測定法としては、パウダーテスターの振動台にこの目開き25μm(635メッシュ)篩をセットする。この目開き25μm(635メッシュ)篩上に正確に秤量した試料5gを加え、デジタル振動計の振幅が約0.60mmになるように調整し、約2分間振動を加える。上記作業を更に2回繰り返し、試料を25μm(635メッシュ)篩に計3回とおす。次に、得られた試料を直径40mmのアルミリングに約4g載せ、プレス機にて150kNで圧縮しサンプルを作製する。得られたサンプルを蛍光X線分析装置(Axios)で測定した。尚、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
本発明における脂肪酸金属塩の遊離率は、篩前後の脂肪酸金属塩の金属元素のKα線ネット強度(KCPS)を測定して、下記式より求めた。
{(篩前の脂肪酸金属塩の金属元素のKα線ネット強度)−(篩後の脂肪酸金属塩の金属元素のKα線ネット強度)}/(篩前の脂肪酸金属塩の金属元素のKα線ネット強度)
前記脂肪酸金属塩は炭素数が12以上の脂肪酸を有すると望ましく、炭素数が18以上の脂肪酸を有するとより望ましい。これは、前記脂肪酸金属塩は炭素数が12以上の脂肪酸を有する方が前記脂肪酸金属塩の帯電性が高く、静電的な付着効果が高いためであり、炭素数が18以上の脂肪酸を有するとその効果は更に大きくなるためである。特に前記脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩であると帯電の立ち上がりが迅速となり効果が大きく望ましい。
前記脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛またはステアリン酸カルシウムであるとその効果は一層顕著となり、望ましい。また、炭素数12以上の脂肪酸を用いると遊離脂肪酸を抑え易く好ましく用いられる。
前記脂肪酸金属塩は遊離脂肪酸が0.20%以下であると望ましい。これは、遊離脂肪酸が0.20%超であると、脂肪酸金属塩の効果が低下するためである。
<脂肪酸金属塩の遊離脂肪酸量>
本発明における脂肪酸金属塩の遊離脂肪酸量は試料1gを精秤し、エタノールとエチルエーテルの1:1混合液に溶解し、フェノールフタレインを指示薬として、水酸化カリウム水溶液で中和滴定して、遊離脂肪酸の含有量をステアリン酸の質量百分率で表した。
前記脂肪酸金属塩が非イオン性界面活性剤を含有すると望ましく、エーテル型の界面活性剤であるとより望ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであると更に望ましい。これは、脂肪酸金属塩粒度の安定性、脂肪酸金属塩の帯電特性において、前記脂肪酸金属塩が非イオン性界面活性剤を含有する方が優れていたためである。また、種々の界面活性剤を検討したところ、使用する界面活性剤の種類により得られる脂肪酸金属塩粒度の安定性及び脂肪酸金属塩の帯電特性に顕著な差が生じることがわかった。エーテル型の界面活性剤であるとより安定性に優れ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであると更に優れていたためである。
非イオン性界面活性剤の例について以下に具体的に説明する。
非イオン性界面活性剤とは、具体的には経済産業省による雑貨工業品品質表示規程によって分類された非イオン系(ノニオン系)界面活性剤に属する物質の総称である。他に、陰イオン(アニオン)、陽イオン(カチオン)、両性界面活性剤、その他の界面活性剤の分類が存在する。
非イオン系(ノニオン系)界面活性剤は、更に、脂肪酸系、高級アルコール系、アルキルフェノール系に分類されるものである。
本願の脂肪酸金属塩表面に存在する界面活性剤として好ましい群は、高級アルコール系またはアルキルフェノール系の界面活性剤である。
上記以外に分類される界面活性剤、具体的にはカチオン系、及びアニオン系の界面活性剤がある。
カチオン、及びアニオン系の界面活性剤について検討したところ、本願で必要とする粒径の脂肪酸金属塩の安定的な粒子形成が困難であり、本願の脂肪酸金属塩への使用に適さないことがわかった。
次に電子写真への適合性を確認するために、合成したサンプルの環境での帯電特性について検討を行ったところ、イオン系の界面活性剤で合成した脂肪酸金属塩は、いずれも帯電特性の環境変動が激しくなることが明らかになった。このような帯電特性の環境変動が激しい材料は、トナーの帯電特性を阻害し、高湿環境下でのカブリやトナーボタ漏れといった問題を生じ易いために好ましくない。
このような帯電特性の環境変化が生じる理由としては、脂肪酸金属塩酸中の分極部分に水分が吸着されやすく、この吸着水の影響で帯電が部分的に保持できなくなるためであると推定している。
従って、非イオン系の界面活性剤について更なる検討を行なったろころ、本願の脂肪酸金属塩に対して以下の界面活性剤が好適に使用できる。
非イオン性界面活性剤の好ましい例として、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのアルキルフェニルポリオキシエチレンエーテルが挙げられる。
これらの中でも、ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加エーテル、オレイルアルコールエチレンオキサイド付加エーテル、マッコールアルコールエチレンオキサイド付加エーテル、ノニルフェノールアルコールエチレンオキサイド付加エーテルが好ましい。
前記非イオン性界面活性剤のHLB値が5.0以上15.0以下の範囲にあると望ましく、特にHLB値が5.0以上15.0以下の範囲にあるポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであるとより望ましい。これは、効果的に脂肪酸金属塩を生成することのできる界面活性剤種とHLB値のグループがあることを見出したためであり、脂肪酸金属塩を分散安定化する上で好適なHLB値は5.0乃至15.0であるためである。更に、HLB値が5.0以上15.0以下の範囲にあるポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであると生成される脂肪酸金属塩がより一層分散安定化される。
好ましいHLB値を満たす非イオン性界面活性剤は、界面活性剤中のアルコール成分とエチレンオキサイド付加成分を制御することで達成が可能である。より具体的には、
ラウリルアルコールエチレンオキサイド 5モル付加物 :HLB値10.8
ラウリルアルコールエチレンオキサイド 10モル付加物 : 〃 14.1
ラウリルアルコールエチレンオキサイド 23モル付加物 : 〃 16.9
オレイルアルコールエチレンオキサイド 10モル付加物 : 〃 12.4
オレイルアルコールエチレンオキサイド 20モル付加物 : 〃 15.3
マッコールアルコールエチレンオキサイド 5モル付加物 : 〃 9.3
マッコールアルコールエチレンオキサイド 7モル付加物 : 〃 10.8
マッコールアルコールエチレンオキサイド 11モル付加物 : 〃 13.2
マッコールアルコールエチレンオキサイド 14モル付加物 : 〃 14.2
ノニルフェノールアルコールエチレンオキサイド 4モル付加物 : 〃 8.9
ノニルフェノールアルコールエチレンオキサイド 6モル付加物 : 〃 10.9
ノニルフェノールアルコールエチレンオキサイド 7モル付加物 : 〃 11.7
ノニルフェノールアルコールエチレンオキサイド 10モル付加物 : 〃 13.3
ノニルフェノールアルコールエチレンオキサイド 12モル付加物 : 〃 14.1
ノニルフェノールアルコールエチレンオキサイド 14モル付加物 : 〃 14.8
が挙げられる。
なお、本発明に用いる界面活性剤成分のHLBの算出式としては下記のようなGriffinによるHLB値−数方式を用いる。
(1)多価アルコール脂肪酸エステルの場合
HLB値=20(1−S/A)
S:エステル鹸化価 A:脂肪酸の中和価
(2)トール油、松脂、密蝋、ラウリン多価アルコール誘導体の場合
HLB値=(E+P)/5
E:構成分子中のエチレンオキサイド含量(質量%)
P:構成分子中の多価アルコール含量(質量%)
(3)親水基がエチレンオキサイドのみである場合
HLB値=E/5
E:構成分子中のエチレンオキサイド含量(質量%)
本発明での脂肪酸金属塩中の好ましい非イオン性界面活性剤の含有量は、脂肪酸金属塩中の10ppm以上500ppm以下であり、さらに、15ppm以上300ppm以下であることがより好ましい。非イオン性界面活性剤の含有量が10ppm未満では、従来トナー同様にトナーの消費される粒度が選択的になり易い。これはトナー中の微粒子の帯電量が過剰になり現像で消費されないことが原因である。
こうしてトナー中の微粒子が過剰に帯電し、現像されることなくトナー担持体表面で連続的に摺擦を受け続ける結果、トナー担持体表面にトナーが融着する。トナー担持体表面にトナーが融着すると、トナーの帯電性が阻害され、画像カブリやスジ画像を生じるといった問題を生じる。また、トナー中の微粒子が過剰に帯電した状態で耐久することにより、容器内のトナー粒度が粗粒化し、耐久後半のハーフトーン画像ががさつくといった画質の劣化を生じるために好ましくない。
また、非イオン性界面活性剤の含有量が500ppmを超える場合は、高湿環境下での帯電特性が悪化し、耐久後半で環境中に放置した時の画像カブリを生じるために好ましくない。従って、脂肪酸金属塩を合成するときに使用する界面活性剤は脂肪酸金属塩粒子の帯電特性に影響を与え、その結果、トナーの性能に大きく係ることがわかった。
<非イオン性界面活性剤の定量方法>
脂肪酸金属塩中の非イオン性界面活性剤の含有量は、以下の方法が使用可能である。
具体的には、脂肪酸金属塩を加熱して得られる加熱脱着する有機性の揮発物を、質量分析装置付ガスクロマトグラフィを用いて分析することにより行なうことが可能である。好ましい測定装置としては、例えばTRACE2000GC/MS(ThermoQuest社製)にヘッドスペースサンプラーを組み合わせたものが使用可能である。
条件としては以下を使用した。
抽出条件 120.0℃
試料量 1.0g
カラム 0.32mm キャピラリーカラム
チャートから不明物質を特定する方法は、ピークが現われている物質についてマススペクトルチャートからライブラリ検索することで行なうことが可能である。物質を特定できたら、各々の物質のうちで非イオン界面活性剤に由来するピークを界面活性剤ピークとした。なお、定量化は合成時に使用した界面活性剤や、マススペクトルチャートから定性した物質の標準試薬で検量線を作成し、この検量線を元に分析物の定量化を行った。
前記脂肪酸金属塩の融点が122.0℃以上130.0℃未満であると望ましい。これは、脂肪酸金属塩の融点が122.0℃未満では、現像容器内のトナー撹拌翼や現像ローラの軸受け近傍へのトナー付着や、製造時の混合翼への脂肪酸金属塩の融着を生じ易いために問題がある。一般的にこのような融点が低い脂肪酸金属塩は、その脂肪酸を構成する脂肪酸原材料の純度が低く、他の低分子成分を不純物として含有する。一方、脂肪酸金属塩の融点が130.0℃以上では、トナー搬送部材へのトナーフィルミングを発生するために好ましくない。
<融点の測定方法>
なお、融点の測定は、示差熱分析装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTMD3418−82法に準じ測定した。
脂肪酸の融点は、得られた測定結果の吸熱ピーク温度をもって融点とした。
なお、測定は1STススキャンにより行った。
前記脂肪酸金属塩のトナー粒子100質量部に対する添加量が0.02質量部以上1.00質量部以下使用することが好ましく、0.05質量部以上0.50質量部以下であることがより好ましい。
これは脂肪酸金属塩の量が0.02質量部未満ではトナー搬送部材へのトナーフィルミング防止効果が得られないためである。また、脂肪酸金属塩の量が1.00質量部以上では現像容器内でトナーがボタ落ちを起こしやすくなり、問題がある。
脂肪酸金属塩組成物における脂肪酸としては、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びモンタン酸等の一価の飽和脂肪酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸等の多価の飽和脂肪酸、クロトン酸及びオレイン酸等の一価の不飽和脂肪酸、並びにマレイン酸及びシトラコン酸等の多価の不飽和脂肪酸が挙げられる。
好ましくは8乃至35個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の脂肪酸である。中でもステアリン酸を主成分とする酸であることが好ましい。
自然界に存在する脂肪酸は、炭素数の異なる酸成分を混合物として存在するものが多い。天然物で得られるステアリン酸を例に説明すると、炭素数18のステアリン酸を主成分として、さらに炭素数14、炭素数16、炭素数20、炭素数22等の脂肪酸成分を微量に含むものである。通常は、ある程度精製工程を経て、上記の脂肪酸成分の純度を高めたものが工業的に流通している。さらに、高純度品としては日本薬局方グレード品なども存在するが、これらを使用することも効果を得る上で好ましい。脂肪酸としてステアリン酸を用いる場合、ステアリン酸の純度は、好ましくは全体の90.0質量%以上、より好ましくは99.9質量%以上95.0質量%以下含有するものである。
ステアリン酸の純度が90.0質量%未満では、ステアリン酸金属塩の粒子の耐熱性が悪化し製造時に原材料容器内での固化や、ハンドリングが困難になるために好ましくない。また、ステアリン酸の純度を99.9質量%以上にすることは精製コストがかかるために好ましくない。
なお、ここでの脂肪酸の純度とはステアリン酸成分としての純度であり、炭素数18以外の炭素数を有する脂肪酸、及び、その他の有機物、無機物は不純物と考える。
塩を形成する主たる金属種は、リチウム、ナトリウム、カリウム、銅、ルビニウム、銀、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケルなどが使用可能である。更に、耐久を通してトナーの帯電性を適切な範囲に保つために、亜鉛、カルシウムを用いることが好ましい。
また、主たる金属種と合わせて、他の金属種が含まれるものも良い。このとき、主たる金属種と、他の金属種群の元素比率(全体に占める他の金属比率)は、30%未満であることが好ましい。
脂肪酸金属塩組成物として最も好ましいものはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムである。
<脂肪酸金属塩の製造方法>
現在行われている代表的な脂肪酸金属塩の製造方法の例としては、脂肪酸のアルカリ金属塩の溶液に、無機金属化合物の溶液を滴下して反応する方法(複分解法)、あるいは、脂肪酸と無機金属化合物を高温下で混練して反応する方法(溶融法)が挙げられる。
本発明で用いられる脂肪酸金属塩は、非イオン性の界面活性剤を含有すると望ましい。脂肪酸金属塩の粒子間でばらつき少なく界面活性剤を含有させるために好ましい製造方法は湿式法であり、中でも複分解法が好ましい。
その製造工程は脂肪酸のアルカリ金属塩の溶液に、無機金属化合物の溶液を滴下し、脂肪酸のアルカリ金属を無機金属化合物の金属と置換する工程を含むものである。
但し一般的な複分解法による脂肪酸金属塩の合成では、平均粒径が7.0μmよりも大きく、かつ10μm以上の粒径を有する脂肪酸金属塩の含有量が多くなり易い傾向がある。
そこで、安定的に脂肪酸粒子を微粒子化するためには、水系媒体中での合成時に水系に分散安定化作用のある物質を添加し、生成する脂肪酸金属塩と分散媒との界面エネルギーを変化させることが良い。
界面エネルギーを変化させるための一つの手段として、界面活性剤を使用するのが望ましい。
次に、脂肪酸金属塩組成物の好適な製造方法について具体的に説明する。
装置としては、例えば、図6に示す連続反応装置が好適に使用できる。
図中の001は原材料成分の(a)界面活性剤を含む脂肪酸塩水溶液を保持するタンク、002は原材料成分の(b)界面活性剤を含む無機金属塩を保持するタンクである。003は反応装置、007は解砕装置、008は脂肪酸金属塩組成物のスラリータンクである。
反応装置003としては、(a)成分及び(b)成分を別々に混合機内に供給し混合できるものが好ましく、特に(a)成分と(b)成分とを別々にできる限り高速に混合機内に供給し混合できることが好適である。例えば、各原料溶液(あるいは分散液)をそれぞれ別方向から混合層に注入して各溶液(あるいは分散液)を混合するのと同時に、混合槽から混合物を系外に排出するのが有利であり、この操作における装置としては、効率よく(a)成分及び(b)成分を混合できるものがよい。
これらの装置としては、フロージェットミキサー、ラインホモジナイザー及びサンドミルのようなラインミル等を用いるのが好ましい。
(a)成分と(b)成分は、70℃乃至90℃に温度制御した状態で反応を行なう。
また、(a)成分と(b)成分の反応後において、未反応の脂肪酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が残存する場合は次のように反応を行なう。混合槽から(a)成分と(b)成分が排出された後に、0.001乃至15.0質量%の無機金属塩を含有する水溶液又は分散液を混合することで完全に未反応の脂肪酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を脂肪酸金属塩組成物に反応させる。
反応を終えた脂肪酸金属塩組成物を含む反応スラリーは、解砕機007を経て反応スラリーとしてタンク008に保持され、次工程へと送られる。
なお、反応スラリーは解砕機007へと戻され、脂肪酸金属塩組成物を含む反応スラリーとともに再度解砕され分級工程へ循環される。
ここでの解砕機として使用可能な装置は特に限定するものではないが、例えば、マイルダーLシリーズ(太平洋機工社製)、プロシェアミキサー(太平洋機工社製)等が使用可能である。好ましくは、マイルダーLシリーズのゼネレータを歯の形状に改造したものが使用可能である。
このようにして得られた脂肪酸金属塩組成物スラリーは、一般的に用いられる濾過装置を使用して脂肪酸金属塩組成物ケーキと濾液に分離する。この脂肪酸金属塩組成物ケーキは、不純物量を低下させるために、温水などで充分に洗浄した後、乾燥処理する事により、脂肪酸金属塩組成物粒子が得られる。
このときの洗浄水は、50μジーメンス/m以下に調整したイオン交換水が好ましく使用できる。
洗浄後の脂肪酸金属塩組成物ケーキは次工程で乾燥処理を行なう。乾燥処理は、少量ならトレー状の容器に薄層になるよう脂肪酸金属塩組成物ケーキを広げ、所定の温度に設定した乾燥オーブン中で乾燥させることも可能であるが、量が多い場合は気流中で乾燥を行なう流動層乾燥機(大河原製作所製)などが好適に用いられる。
具体的な乾燥温度は、得られる脂肪酸金属塩組成物の種類により異なるが、例えばステアリン酸亜鉛の場合40℃以上90℃以下である。90℃よりも高い温度で乾燥処理すると、微細粒子同士の凝集が起こり、平均粒子径が大きくなるおそれがある。また、乾燥温度が40℃未満では、脂肪酸金属塩組成物中の水分乾燥に時間がかかるために好ましくない。
脂肪酸金属塩組成物ケーキの乾燥処理は、常圧で行ってもよいが、効率的に乾燥するために、場合により、減圧乾燥や真空乾燥を行ってもよく、あるいは低沸点溶剤などで脂肪酸金属塩組成物ケーキを洗浄処理した後、得られた脂肪酸金属塩組成物ケーキを乾燥してもよい。この際用いられる低沸点溶剤としては、脂肪酸金属塩組成物から水を効率よく除去しうるものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、アセトン及び塩化メチレンなどが挙げられる。
次に、脂肪酸金属塩組成物を製造するときに使用する原材料について説明する。
原料成分として、(a)界面活性剤を有する脂肪酸塩水溶液と(b)界面活性剤を有する無機金属塩の水溶液又は分散液が用いられる。
上記(a)成分の脂肪酸塩水溶液の調製に用いられる脂肪酸塩としては、前述の好ましい脂肪酸、あるいは脂肪酸の金属塩が使用可能である。
具体的には、脂肪酸及び脂肪酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。
炭素数3以下の脂肪酸のアルカリ金属塩やアンモニウム塩を用いた場合、選られる脂肪酸金属塩の水に対する溶解度が高いので、収率が低下する。一方、炭素数31以上の脂肪酸のアルカリ金属塩やアンモニウム塩を用いた場合、水に対する溶解度が低すぎて、水溶液濃度が低くなり、生産効率が低下する。
(a)成分である脂肪酸塩水溶液中の上記脂肪酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の含有量は0.001乃至20質量%の範囲で選定される。この含有量が0.001質量%未満では、得られる脂肪酸金属塩組成物量が反応液量に対して著しく低くなるため、生産効率が悪く、現実的ではない。また、20質量%を超えると、得られる脂肪酸金属塩組成物粒子の平均粒径が大きくなるおそれがある。得られる脂肪酸金属塩組成物の量及びその粒径などを考慮すると、水溶液中の上記脂肪酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の好ましい含有量は、0.5乃至15質量%の範囲である。
また、(a)成分の水系中に非イオン性の界面活性剤を添加する。このときの界面活性剤としては先に例示した非イオン性界面活性剤群より選ばれた1種類、あるいは副数種類の併用でも良い。使用する非イオン性の界面活性剤の量は(a)成分の水系に対して0.1質量%乃至10.0質量%である。非イオン性界面活性剤の添加量が0.1質量%未満では、中心粒度を下げることが困難であり、電子写真特性に効果のある粒度分布が形成できない。また、10.0質量%以上では、得られる脂肪酸金属塩組成物の帯電特性が悪化することに加え、廃水処理への負荷が大きくなり経済的でない。
(b)成分の無機金属塩の水溶液又は分散液の調製に用いられる無機金属塩の例としては、カルシウム、バリウム及びマグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩あるいは燐酸塩など、あるいは、チタン、亜鉛、銅、マンガン、カドミウム、水銀、ジルコニウム、鉛、鉄、アルミニウム、コバルト、ニッケル及び銀などの金属の塩化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩あるいは燐酸塩などを挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)成分である無機金属塩の水溶液又は分散液中の上記無機金属塩の含有量は0.001乃至20質量%の範囲で選定される。この含有量が0.001質量%未満では、得られる脂肪酸金属塩組成物量が反応液量に対して著しく低くなるため、生産効率が悪く、実用的ではない。また、20質量%を超えると、得られる脂肪酸金属塩組成物粒子の平均粒径が大きくなるおそれがある。得られる脂肪酸金属塩組成物の量及びその粒径などを考慮すると、水溶液又は分散液中の上記無機金属塩の好ましい含有量は、0.01乃至10質量%の範囲である。
(b)成分に対しても、前記(a)成分同様に界面活性剤を使用することが良い。なお、界面活性剤の種類及び量については、前記(a)成分中の水に対する含有量同等でもよいが、種類を変更して複数の界面活性剤を使用しても良い。また、(b)成分に対して、前記(a)成分と同一の界面活性剤で量を調整することも好ましい。
前記(a)成分及び(b)成分の調製に用いられる水としては一般的に使用されるものを用いても良いが、イオン交換水、精製水、又は蒸留水などのように、金属イオンなどの不純物の少ないものが好ましい。
前記(a)成分と(b)成分との混合割合は、特に制限はなく、状況に応じて適宜選定すればよい。通常は(b)成分中の無機金属塩に対する(a)成分中の脂肪酸塩の当量比が1.00乃至1.10の範囲になるように選ぶことが好ましい。その当量比が上記範囲を逸脱すると未反応原料が多く残存し、その除去工程が必要となる場合がある。特に塩成分の残存不純物を少なくするためには、該当量比は1.00乃至1.05の範囲が好ましい。
以上のようにして、2つの成分を混合し反応させることで界面活性剤を含有する脂肪酸金属塩組成物が得られる。
該トナーはフローテスターによる測定において100℃での粘度が6000Pa・s以上65000Pa・s以下であると望ましく、6000Pa・s以上45000Pa・s以下であるとより望ましい。100℃での粘度が15000Pa・s以上42000Pa・s以下であると更に望ましく、100℃での粘度が20000Pa・s以上42000Pa・s以下であると一層望ましい。
100℃での粘度が6000Pa・s以上であると保存安定性の点で優れる。且つ、トナー供給部材やトナー規制部材にトナーが融着、固着するなどによる汚染が抑えられるため、長期使用においてもトナーに対して十分に摩擦帯電がなされる点で望ましい。更に、無機微粉体がトナー粒子に埋没しにくくなるため本発明の効果が十分得られるために望ましい。65000Pa・s以下であると低温での定着性に優れるため望ましい。更に、トナー供給部材およびトナー規制部材およびトナー同士での摩擦帯電において、トナー粒子から無機微粉体が剥離しにくいため本発明の効果が十分得られ、且つ無機微粉体によるトナー供給部材およびトナー規制部材、潜像担持体の汚染を抑制できるため望ましい。
トナーの粘度は以下のように求められる。
<トナーの100℃における粘度の測定方法>
トナーの100℃における粘度の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行なう。尚、本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際の温度とピストンの降下量との関係を計測する。
本発明においては、50℃から200℃までの測定を行い、100℃において算出された見かけの粘度を、トナーの100℃における粘度(Pa・s)とする。
100℃における見かけの粘度η(Pa・s)は次のようにして算出する。まず、下式(1)よりフローレートQ(cm3/s)を計算する。式中、ピストンの断面積をA(cm2)、100℃時点におけるピストンの位置に対して上下0.10mm(間隔としては0.20mm)の間をピストンが降下するのに要した時間をΔt(秒)とする。
Q=(0.20×A)/(10×Δt) ・・・ (1)
そして、得られたフローレートQを用いて、下式(2)より100℃における見かけの粘度ηを算出する。式中、ピストン荷重をP(Pa)、ダイの穴の直径をB(mm)、ダイの長さをL(mm)とする。
η=(π×B4×P)/(128000×L×Q) ・・・ (2)
測定試料は、約1.0gのトナーを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。 CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
該トナーの平均円形度は0.950以上0.995以下であると使用可能であるが、0.960以上0.995以下であると望ましく、0.970以上0.990以下であると特に望ましい。これは、該トナーの平均円形度が0.950未満であるとトナーの帯電性および流動性に劣り、0.995超であるとクリーニング性に劣るためである。また特に、0.970以上であると高画質な画像が得られるため望ましい。
トナーの平均円形度の測定
フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
Figure 2010160229
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
具体的な測定方法としては、まず、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意する。その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させた。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26乃至27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行った。
トナーの円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー濃度が3000乃至1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナーを1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナーの平均円形度を求めた。
この値はトナーがどれだけ球状に近いかを表し、1.0が真球状、それより小さい値は徐々に凸凹な不定形になっていくことを表す。
該トナーの2.0μm以下のトナーの割合が2.0乃至20.0個数%であると望ましく、2.0乃至10.0個数%であると更に望ましく、且つ該トナーの1.0μm以下のトナーの割合が1.0乃至6.0個数%であると望ましい。これは、トナー担持体やトナー規制部材への汚染、融着といった点で望ましく、長期間の使用においてより高画質な画像が得られるためである。
該トナーの平均円形度の制御方法としては水系媒体中で製造を行なう手法が本発明において望ましい。特に懸濁重合による製造が望ましい。
その際トナー製造時に極性樹脂を含有させ、該極性樹脂の酸価や組成、含有量を調整すると本発明のトナーにおいては特に望ましい。
該トナー及びトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が4.0μm以上9.0μm以下であると望ましく、4.0μm以上7.8μm以下であると更に望ましく、5.0μm以上6.5μm以下であると特に望ましい。これは重量平均粒径が4.0μm未満であるとトナーの比表面積が大きいため長期使用において耐久性や耐熱性において問題が発生しやすく、重量平均粒径が9.0μmを超える場合はトナーの着色力及び画像の解像度の点で劣るため望ましくない。
また、該トナーは4μm以下の粒子が10乃至40個数%であると望ましい。これは、4μm以下の粒子が10個数%以上であるとトナーの着色力及び画像の解像度の点で望ましく、40個数%以下であると長期使用において耐久性や耐熱性において望ましい。
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
次に、本発明に用いられるトナーが結晶性ポリエステルを含有すると望ましい。これは、結晶性ポリエステルのシャープメルト性により、定着性と耐久性の両立が高いレベルで達成されるからである。
該結晶性ポリエステルは2価以上の多価カルボン酸とジオールの反応により得ることができる。その中でも、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を主成分とするポリエステルが、結晶化度が高く好ましい。結晶性ポリエステルは、1種類のみを用いても、複数種を併用しても良い。更に、結晶性ポリエステルの他に非晶質のポリエステルをトナーに含有させても良い。
本発明において結晶性ポリエステルとは、示差走査熱量測定(DSC)において昇温時に吸熱ピークがあり、降温時に発熱ピークを有するポリエステルを指し、その測定は「ASTM D 3417−99」に準じて行なう。
このような結晶性ポリエステルを得るためのアルコール単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタジエングリコールその他が挙げられる。
また、本発明においては上記の如きアルコール単量体が主成分として用いられるが、上記成分の他に、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の二価のアルコール、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の三価のアルコール等を用いても良い。
上記結晶性ポリエステルを得るためのカルボン酸単量体としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、n−ドデシルコハク酸、n−デドセニルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの酸の無水物又は低級アルキルエステル等が挙げられる。
また、本発明においては上記の如きカルボン酸単量体を主成分として用いるが、上記の成分の他に三価以上の多価カルボン酸を用いても良い。
三価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、及びこれらの酸無水物又は低級アルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。
特に好ましい結晶性ポリエステルとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステル、テトラメチレングリコール及びエチレングリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステル、ヘキサメチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、テトラメチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、ジエチレングリコールとデカンジカルボン酸とを反応して得られるポリエステルを挙げることができる。該結晶性ポリエステルは飽和ポリエステルであると一層望ましい。該結晶性ポリエステルが不飽和部分を有する場合と比較して、重合開始剤との反応で架橋反応が起こらないため、該結晶性ポリエステルの溶解性の点で有利なためである。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル合成法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸成分とジアルコ−ル成分をエステル化反応、又はエステル交換反応せしめた後、減圧下又は窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることによって得ることができる。
エステル化又はエステル交換反応の時には、必要に応じて硫酸、ターシャリーブチルチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等の通常のエステル化触媒又はエステル交換触媒を用いることができる。また、重合に関しては、通常の重合触媒例えば、ターシャリーブチルチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の公知のものを使用することができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、必要に応じて任意に選択すればよい。
該触媒としてはチタン触媒を用いると望ましく、キレート型チタン触媒であると更に望ましい。これはチタン触媒の反応性が適当であり、本発明において望ましい分子量分布のポリエステルが得られるためであり、また、チタン触媒を用いて作製された結晶性ポリエステルの方が作成中にポリエステル内部に取り込まれたチタンもしくはチタン触媒がトナーの帯電性の点で優れるためである。キレート型チタン触媒であるとそれらの効果が大きく、トナーの耐久性も向上するためである。
結晶性ポリエステルの酸価と水酸価の関係を調整するためには、アルコール単量体の使用量によってこの関係を調整することができる。
すなわち、前記アルコール単量体と前記カルボン酸単量体との比率をモル比で1.01乃至1.10:1と、アルコール単量体を多めに使用することで調整することが可能である。酸価自体の調整については、反応を経時で追跡し、酸価が適当な範囲内になった時点でポリエステル化を終了すればよい。
結晶性ポリエステルの融点としては、60乃至110℃であることが好ましい。結晶性ポリエステルの融点が60℃より低い場合は、トナーのブロッキングが生じやすくなり、保存性が低下する可能性がある。一方、結晶性ポリエステルの融点が110℃よりも高いと低温定着性が損なわれるため好ましくない。また、本発明において好適なトナーの製造方法である懸濁重合法によりトナーを得る場合においては、結晶性ポリエステルの重合性単量体への溶解性が悪化し易く、着色剤や結晶性ポリエステル等のトナー構成材料の分散性が悪化するため、カブリの増加を生じる。
結晶性ポリエステルの融点が、60乃至110℃であると、保存性、定着性が維持でき、かつ重合法によりトナー粒子を製造する場合に重合性単量体への溶解性が高くなり、好ましい。結晶性ポリエステルの融点は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定することができる。また結晶性ポリエステルの融点は、使用するアルコール単量体やカルボン酸単量体の種類、重合度等によって調整することができる。
結晶性ポリエステルの数平均分子量は2,000乃至10,000であることが好ましい。2,000〜10,000の範囲に数平均分子量を有する結晶性ポリエステルによれば、得られるトナー粒子において、結晶性ポリエステルの分散性が向上され、耐久安定性が向上するため望ましい。
結晶性ポリエステルの数平均分子量が2,000未満の場合では、結晶性ポリエステルの密度が低くなり、耐久安定性は向上しないことがある。一方、結晶性ポリエステルの数平均分子量が10,000を超える場合には、結晶性ポリエステルの溶融に時間がかかり、分散状態が不均一になるために、現像安定性の向上効果が低くなってしまうことがある。結晶性ポリエステルの数平均分子量は、使用するアルコール単量体やカルボン酸単量体の種類、重合時間や重合温度等によって調整することができる。
結晶性ポリエステルの酸価(AV)は0.0乃至20.0mgKOH/gであることが好ましく、0.1乃至20.0mgKOH/gであるとより望ましく、1.0乃至20.0mgKOH/gであると特に望ましい。酸価を下げることにより、画像形成時におけるトナーと紙との接着性は向上する。また重合法によりトナー粒子を製造する場合、結晶性ポリエステルの酸価(AV)が20.0mgKOH/g以下であると、トナー粒子同士の凝集が起こりにくくなる傾向にあり、また、トナー中における該結晶性ポリエステルの分布状態に偏りが出にくくなるため、帯電安定性及び耐久安定性が向上するため望ましい。また、特に該結晶性ポリエステルの酸価が1.0以上であるとトナー中における該結晶性ポリエステルの分布がコア部に集中せず、中間および表層近傍にもある一定割合以上分布するため低温定着性、耐オフセット性およびカブリ、転写性、トナー層規制部材やトナー担持体への融着といった点で望ましい。
結晶性ポリエステルの酸価の測定方法は、特に限定されるものではないが、例えばJIS K0070−1992に示される方法を挙げることができる。また上記の方法によって結晶化ポリエステルの水酸基価を測定することができる。
該結晶性ポリエステルのキシレン不溶分は0.1乃至5.0質量%であると望ましく、0.1乃至2.0質量%であるとより望ましい。これは0.1質量%以上であると耐久性、耐熱性の点で望ましく、5.0質量%以下であると溶解性の点で望ましいからである。
該結晶性ポリエステル樹脂中のキシレン不溶分の割合の測定方法は以下の通りである。
サンプル作製としては、樹脂10.00gをキシレン1000.0gに分散し、72時間静置したものを遠心分離機により、遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧乾燥し、キシレン不溶分を得た。
該結晶性ポリエステル樹脂中のキシレン不溶分の割合=(得られたキシレン不溶分の質量/10.00)×100(質量%)
として算出した。
遠心分離の条件は以下の通りである。
・遠心分離条件
遠心分離機:H−9R(株式会社コクサン製)
回転速度:15000rpm
回転時間:10分
温度 :15℃
本発明のトナーは、結着樹脂に対して結晶性ポリエステルを3.0乃至30.0質量%含有することが好ましく、3.0乃至25.0質量%含有することがより好ましく、3.0乃至20.0質量%含有することが特に好ましい。結晶性ポリエステルの含有量が3.0質量%以上では、定着性がより良好であり、こすり濃度の低下を抑制する点でもより望ましい。また、結晶性ポリエステルは吸湿し易いため、その含有量が結着樹脂に対して30質量%よりも多いとトナーの帯電の均一性が損なわれ易く、カブリの増加等を招くので好ましくない。特に20質量%以下であるとトナーの帯電性に関して望ましい。
一方、結晶性ポリエステルの含有量が30質量%より大きくなる場合には、過剰な結晶性ポリエステルの存在による結着樹脂への相溶が起こりやすくなり、溶融粘度の低下が起こるためにオフセットが発生し易くなる問題がある。さらに、重合トナーでは、トナー粒子の表面形状の平滑性が低下することから、帯電特性が低下し、画像濃度が低下することがあるため望ましくない。
該トナーのBET比表面積は1.5乃至3.5(m2/g)であると望ましく、1.7乃至3.5(m2/g)であると更に望ましく、1.7乃至3.0(m2/g)であると特に望ましい。これは、BET比表面積が1.5(m2/g)以上であるとトナーが長期間にわたって十分な流動性を得られ、3.5(m2/g)以下であるとトナー規制部材や潜像担持体の汚染、クリーニング不良に対して優れた性能を有することになるためである。
BET比表面積の測定方法
トナーのBETの実測は次のようにして行なう。
BET比表面積は、湯浅アイオニクス(株)製、全自動ガス吸着量測定装置:オートソーブ1を使用し、吸着ガスに窒素を用い、BET多点法により求める。なお、サンプルの前処理としては、温度50℃で10時間の脱気を行なう。
非磁性一成分現像に用いられる場合はより本発明の効果が顕著となり望ましい。これは二成分現像と違い、キャリアの助けがないため、トナーの粉体特性や画像形成方法の影響を大きく受けるためである。また、磁性トナーと違い、トナー中に磁性体を含有しないため、耐久性の点で磁性体の機械的強度、磁気拘束力および帯電性への助けが無いためである。特に非磁性一成分接触現像に用いられる場合は、潜像担持体からトナー担持体への熱の伝導の影響が強いため、トナー規制部材へのトナーの融着を抑制する点で効果が顕著であり望ましい。
該トナーは極性樹脂を有し、該極性樹脂は少なくともチタン触媒を使用して重合した非晶性ポリエステル樹脂であると望ましい。
これは、トナーの帯電性、及び耐久性の点で優れているためである。特にキレート型チタン触媒を用いて製造したポリエステル樹脂は耐熱性の点で優れるためである。
特に水系媒体中でトナーを製造する場合は、該非晶性ポリエステル樹脂の含有量は0.50乃至20.0質量%が望ましい。より望ましくは0.50乃至15.0質量%、更に望ましくは1.0乃至10.0質量部であり、1.0乃至8.0質量部であると特に望ましい。0.50質量%以上では該非晶性ポリエステル層が十分な厚みを持ってトナー表面全域を覆え、特に機械的特性、帯電性の点で効果が大きく、望ましい。また、ワックスの内包化が十分なため現像性、耐久性に優れるため望ましい。20.0質量%以下の場合、トナーの低温定着性の点で優れ、更にワックスによる迅速な離型層の形成がなされるため、耐オフセット性の点でも望ましい。更には粒径分布がシャープになり、帯電分布もシャープになること、加えて湿度のトナーへの影響が小さく、トナーの帯電安定性に優れるため望ましい。
また、該非晶性ポリエステル樹脂の酸価は3.0乃至25.0mgKOH/gであると望ましい。4.0乃至20.0mgKOH/gであると更に望ましく、4.0乃至15.0mgKOH/gであるとより一層望ましく、4.0乃至10.0mgKOH/gであると特に望ましい。酸価が3.0mgKOH/g以上では該非晶性ポリエステルはトナー表面に均一な層を形成する点で望ましく、25.0mgKOH/g以下ではトナー化した際に湿度の影響を受けにくく帯電安定性の点で望ましい。
加えて、該非晶性ポリエステル樹脂はトナーと水系媒体との中間の極性を持つことでトナー粒子製造時において分散安定成分としての作用が得られるが、酸価が3.0mgKOH/g以上25.0mgKOH/g以下では、トナー表層に安定した状態で均一に分布するため効果が大きく、異形粒子発生が抑えられ、トナーの帯電分布において均一となり、望ましい。
本発明のトナーにおいては該非晶質ポリエステルの酸価は該結晶性ポリエステルの酸価より高いことが望ましい。これは結晶性ポリエステルの酸価が非晶性ポリエステルの酸価より高い場合は該結晶性ポリエステルとワックスとの相互作用が低下する為である。
ポリエステル樹脂の酸価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070−1992に準ずる。
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、次によって試験を行なう。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した結着樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行なう。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
該非晶性ポリエステル樹脂中のキシレン不溶分が5.00質量%以下であると望ましく、2.50質量%であると更に望ましい。これは、キシレン不溶分が5.00質量%以下であると異形粒子を生成しにくく、帯電性や耐久性の点で望ましい。特にカブリ、フィルミングの発生といった点で望ましい。
該非晶性ポリエステル樹脂中のキシレン不溶分の割合の測定方法は以下の通りである。
サンプル作製としては、樹脂10.00gをキシレン1000.0gに分散し、72時間静置したものを遠心分離機により、遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧乾燥し、キシレン不溶分を得た。
該ポリエステル樹脂中のキシレン不溶分の割合=(得られたキシレン不溶分の質量/10.00)×100(質量%)
として算出した。
遠心分離の条件は以下の通りである。
・遠心分離条件
遠心分離機:H−9R(株式会社コクサン製)
回転速度:15000rpm
回転時間:10分
温度 :15℃
該非晶性ポリエステル樹脂はガラス転移点(Tg)が、50乃至80℃、好ましくは60乃至80℃が良い。より好ましくは65乃至80℃が良い。更に好ましくは70乃至76℃が良い。特に好ましくは73乃至76℃が良い。ガラス転移点が50℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性、耐久性が低下する。ガラス転移点が80℃を超える場合には、トナーの低温での定着性、耐低温オフセット性が低下する。なお、Tgは中点法により求められる値を示す。
該非晶性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が6,000乃至100,000であることが好ましく、より好ましくは6,500乃至85,000、更に好ましくは6,500乃至45,000である。
該非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が6,000未満の場合、連続画像出力においてトナー表面の外添剤が耐久によって埋没しやすく、転写性の低下を招きやすくなる。逆に、重量平均分子量が100,000を超える場合には、重合性単量体に該非晶性ポリエステル樹脂を溶解するのに時間を多く費やしてしまう。さらに、重合性単量体組成物の粘度が上昇し、粒径が小さくかつ、粒度分布の揃ったトナーが得にくくなる。
該非晶性ポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が3,000乃至80,000であることが好ましく、より好ましくは3,500乃至60,000、更に好ましくは3,500乃至12,000である。該非晶性ポリエステル樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)における分子量分布のメインピーク値(Mp)が、分子量4,500乃至40,000の領域、より好ましくは分子量6,000乃至30,000の領域に存在することが良い。より好ましくは分子量6,000乃至20,000の領域である。上記範囲外であると重量平均分子量の場合と同様の傾向を示す。
該非晶性ポリエステル樹脂はMw/Mnが1.2乃至3.0、より好ましくは1.5乃至2.5が良い。Mw/Mnが1.2以上の場合には、トナーの多数枚耐久性及び耐オフセット性の点で望ましく、3.0以下の場合には、低温定着性の面で望ましい。
該非晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、エステル交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。好ましくはチタン化合物を用いるのが良い。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
特に好ましい製造方法は、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。
縮合系樹脂としてポリエステルを用いる際のポリエステルの組成について以下に説明する。
ポリエステルは、全成分中43乃至57mol%がアルコール成分であり、57乃至43mol%が酸成分であることが好ましい。
アルコール成分としては、エチルグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(I)
Figure 2010160229
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は2〜10を示す。)
で示されるビスフェノー誘導体、又は下記式(II)
Figure 2010160229
で示されるジオールの如きジオール類が挙げられる。
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−P・P’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ジフェニルメタン−P・P’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸,1,2−ジフェノキシエタン−P・P’−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
特に好ましいアルコール成分としては前記(I)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。
該ポリエステルユニットは、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、スルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
該非晶性ポリエステル樹脂は芳香族系飽和ポリエステルであると望ましい。これは、該トナーの帯電性、耐久性、定着性に優れ、該トナー及び該ポリエステルの物性の制御が容易であるためである。特に芳香族の有するπ電子の相互作用により帯電性に優れる。また、不飽和ポリエステルを含有していると、トナーを作製する際に不飽和部が反応し、架橋することでトナーが硬くなるため、特に定着性において劣るため望ましくない。
また、下記一般式(1)
Figure 2010160229
[R1:H,CH3
2,R3:置換または未置換のアルキル基(好ましくはC1〜C4)]
で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いると望ましい。
上記式(1)で表わされるモノマーとの共重合体のガラス転移温度が50乃至100℃、より好ましくは50乃至80℃であると望ましい。これはガラス転移温度が100℃以上であるとトナーの定着性が低下してしまうためであり、50℃未満では保存安定性が悪く、また画像形成の過程において部材汚染を引き起こし易いため望ましくない。
好ましい上記式(1)で表わされるモノマーとの共重合体としては、上記式(1)で表わされるモノマー含有単位0.5乃至35質量%と、その他の単位99.5乃至65質量%とからなるものが挙げられる。上記式(1)で表わされるモノマー含有単位が0.5質量%未満では、この共重合体を正電荷制御剤として使用してトナーに含有させた場合、結着樹脂への相溶性は向上するものの、正電荷制御剤としての帯電性が不十分となる傾向がある。一方、35質量%を超えると、結着樹脂への相溶性が低下するとともに、耐湿性も不十分となる傾向がある。より好ましい下記式(1)で表わされるモノマー単位の含有量は2乃至20質量%である。
また、下記式(1)で表わされるモノマーとの共重合体の分子量は、重量平均分子量(Mw)が500乃至100000が好ましい。より好ましくは1000乃至70000であり、さらに好ましくは5000乃至50000である。重量平均分子量(Mw)が500未満の場合には、部材汚染を生じやすく、重量平均分子量(Mw)が100000を超える場合には、単量体への溶解に時間がかかることに加え、相溶性の低下からトナー中において均一に分散せず、トナーの帯電性において効果が十分に得られず、更には顔料の分散性を向上させる効果が小さくなり、トナーの着色力が低下してしまう。
下記式(1)で表わされるモノマーとの共重合体は、結着樹脂100質量部当り0.01乃至15質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部が良い。
本発明に用いられるトナーは4級アンモニウム塩基を有する樹脂を含有していると望ましい。これは、長期使用において、トナーの帯電性が安定するためである。
更に4級アンモニウム塩基を有する樹脂のガラス転移温度が50乃至100℃、より好ましくは50乃至80℃であると望ましい。これはガラス転移温度が100℃以上であるとトナーの定着性が低下してしまうためであり、50℃未満では保存安定性が悪く、また画像形成の過程において部材汚染を引き起こし易いため望ましくない。
上記式(1)で表わされるモノマーとの共重合体や4級アンモニウム塩基を有する樹脂、トナー、ポリエステル樹脂のガラス転移点及びワックスの融点はDSC測定により求められる。
DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7やTAインスツルメンツジャパン社製のDSC−2920が利用できる。
本発明ではTAインスツルメンツジャパン社製DSC−2920を用いて測定を行なう。
測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行なう。測定試料は10mgを精秤する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行なう。この昇温過程で温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。この時の比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、ガラス転移点とする。また、得られた昇温時のDSC曲線からワックス成分の最大吸熱ピーク温度を得る。
4級アンモニウム塩基を有する樹脂は、4級アンモニウム塩基含有単位と、その他の単位とから構成されるものであって、好ましい4級アンモニウム塩基含有単位としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから後述する方法で第4級化の工程を経て誘導される、下記式(2)で示される単位が挙げられる。
Figure 2010160229
(式(2)中、R5は水素原子またはメチル基であり、R6はアルキレン基であり、R7〜R9はそれぞれアルキル基である。)
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレートが好適である。
一方、その他の単位としては、4級アンモニウム塩基含有単位とともに共重合体を構成できるものであれば特に制限はないが、スチレン系単量体および/または(メタ)アクリル系単量体から主に構成される単位が好ましい。
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられ、(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸の他、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの単量体については、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、少なくともスチレン系単量体を使用すると、得られる4級アンモニウム塩基を有する樹脂の透明性が高く、また、トナーに使用する際に、結着樹脂への相溶性も優れるため好ましい。
また、その他の単位としては、スチレン系単量体および/または(メタ)アクリル系単量体から構成される単位とともに、下記式(3)で示される単位を含んでいてもよい。式(3)で示される単位は、その他の単位中、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10乃至15質量%の範囲である。このような範囲で式(3)の単位が含まれると、4級アンモニウム塩基を有する樹脂を正電荷制御剤としてトナーに含有させた場合、結着樹脂への相溶性が一層向上する。
Figure 2010160229
(式(3)中、R10は水素原子またはメチル基であり、R11はアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、n−またはiso−プロピル基、n−またはiso−ブチル基、2−エチルヘキシル基のいずれかである。)
好ましい4級アンモニウム塩基を有する樹脂としては、4級アンモニウム塩基含有単位0.5乃至35質量%と、その他の単位99.5乃至65質量%とからなるものが挙げられる。4級アンモニウム塩基含有単位が0.5質量%未満では、この共重合体を正電荷制御剤として使用してトナーに含有させた場合、結着樹脂への相溶性は向上するものの、正電荷制御剤としての帯電性が不十分となる傾向がある。一方、35質量%を超えると、結着樹脂への相溶性が低下するとともに、耐湿性も不十分となる傾向がある。より好ましい4級アンモニウム塩基含有単位の含有量は2乃至20質量%である。
4級アンモニウム塩基を有する樹脂を製造する方法としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートと、スチレン系単量体などその他の単位を構成する単量体とを、重合開始剤の存在下に共重合させ、生成した共重合体を、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸プロピルなどのパラトルエンスルホン酸アルキルエステルで第4級化する方法がある。この方法によれば、ハロゲン化水素の副生が少なく好ましい。
また、その他の方法としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを常法にしたがって、あらかじめメチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、プロピルクロライド、プロピルブロマイド、ブチルクロライド、ブチルブロマイドなどのアルキルハライドで第4級アンモニウムハライドに変え、得られた第4級アンモニウムハライドとその他の単位を構成する単量体と共重合させ、生成した共重合体をパラトルエンスルホン酸と反応させる方法でもよい。
ここで共重合に使用する重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2−フェニルアゾ(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)などのアゾ系開始剤が挙げられる。重合開始剤は、使用する単量体の混合物の合計質量を100質量部とした時、これに対して、0.5乃至10質量部の範囲で用いるのが好ましい。
また、共重合法としては、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合など、いずれの方法を用いてもよく、制限はないが、得られる共重合体の質量平均分子量の制御が比較的容易であること、また、得られた共重合体をパラトルエンスルホン酸またはそのアルキルエステルと反応させる操作が容易であることなどから、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、イソブチルケトンなどの有機溶剤、または、これら有機溶剤とメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコールとの混合溶剤中で、単量体の混合物を共重合させる溶液重合法が特に好ましい。
生成した共重合体とパラトルエンスルホン酸アルキルエステルまたはパラトルエンスルホン酸との反応は、共重合体の溶液にパラトルエンスルホン酸アルキルエステルまたはパラトルエンスルホン酸を加え、65乃至95℃の温度に加熱することにより進行し、その結果、4級アンモニウム塩基含有共重合体が得られる。パラトルエンスルホン酸アルキルエステルまたはパラトルエンスルホン酸の使用量は、これと反応させる共重合体中に含まれるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートまたはその第4級アンモニウムハライドの単位1モル当り、通常0.8乃至1モル、好ましくは0.9乃至1モルの範囲とする。
なお、このようにして得られた4級アンモニウム塩基を有する樹脂においては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの一部が第4級化されずに未反応のまま、あるいは中間体のアンモニウムハライドの形で共重合体中に導入されている場合もあるが、特に問題はない。ただし、このような未反応の単位が存在すると、後のトナーの製造工程中の熱履歴によっては、アミン臭を発生することがあるので、このような単位は4級アンモニウム塩基含有共重合体中3.5質量%以下、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下にまで抑えることが好ましい。
また、該4級アンモニウム塩基を有する樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)が500乃至100000が好ましい。より好ましくは1000乃至70000であり、さらに好ましくは5000乃至50000である。重量平均分子量(Mw)が500未満の場合には、部材汚染を生じやすく、重量平均分子量(Mw)が100000を超える場合には、単量体への溶解に時間がかかることに加え、相溶性の低下からトナー中において均一に分散せず、トナーの帯電性において効果が十分に得られず、更には顔料の分散性を向上させる効果が小さくなり、トナーの着色力が低下してしまう。
該4級アンモニウム塩基を有する樹脂は、イオン性基および非イオン性の電子供与基および電子吸引基を置換基に有しない芳香族を側鎖に有するモノマーユニットを0.01乃至10質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.10乃至5.0質量%含有するとトナー中における分散状態がより良好となり好ましい。特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル系のモノマーユニットの場合その効果が大きい。
該4級アンモニウム塩基を有する樹脂は、結着樹脂100質量部当り0.01乃至15質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部が良い。
トナー中の該4級アンモニウム塩基を有する樹脂の含有量は、X線光電子分光分析等の任意の方法により測定される。また、キャピラリー電気泳動法などを用いて測定することもできる。
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、該4級アンモニウム塩基を有する樹脂のトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量(Mw)において、2000〜5000の間に少なくともピークまたはショルダーを有していることが望ましい。これはトナーの低温定着性、耐オフセット性、耐久性において優れるためである。
トナー、下記式(1)で表わされるモノマーとの共重合体や該4級アンモニウム塩基を有する樹脂の分子量及び分子量分布はGPCにより次の条件で測定される。
結着樹脂、下記式(1)で表わされるモノマーとの共重合体や該4級アンモニウム塩基を有する樹脂のGPCによる分子量及び分子量分布は以下の方法で測定される。
GPC測定装置(HLC−8120GPC 東ソー(株)社製)を用いて、下記の測定条件で測定することができる。
<測定条件>
・カラム(昭和電工株式会社製):Shodex GPC KF−801,Shodex GPC KF−802,Shodex GPC KF−803,Shodex GPC KF−804,Shodex GPC KF−805,Shodex GPC KF−806,Shodex GPC KF−807(直径8.0mm、長さ30cm)の7連
・温度:40℃
・流速:0.6ml/min
・検出器:RI
・サンプル濃度:0.1質量%の試料を10μl
検量線は、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。
試料は以下のようにして作製する。
試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。
ワックスとしては、重量平均分子量(Mw)が350乃至4000、数平均分子量(Mn)が200乃至4000であることが好ましく、より好ましくはMwが400乃至3500、Mnが250乃至3500である。Mwが350未満、Mnが200未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する傾向にある。Mwが4000を超え、Mnが4000を超える場合には、ワックス自体の結晶性が高まり、OHP定着画像の透明性が低下する傾向にある。
ワックスの分子量及び分子量分布はGPCにより次の条件で測定される。
(GPC測定条件)
装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
本発明のトナーには、必要に応じて低軟化点物質、いわゆるワックスを用いることができる。
本発明で用いるワックスの少なくとも1つは、融点(温度20乃至200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30乃至120℃、好ましくは50乃至100℃であるものが良い。また、室温で固体の固体ワックスが好ましく、特に融点50乃至100℃の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
本発明のトナーに用いられる離型剤として機能するワックス成分としては、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックスなどの植物系ワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、ケトン、エーテル、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体などが挙げられ、これらは低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。
また、これらワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好ましい。
また、これらワックスが適度な防湿性を有していると高温高湿環境下での使用において更に望ましい。
好ましく用いられるワックスとしては、トナー中への内包化に有利で、遊離ワックスがほぼ発生しないため、トナーの現像性を阻害しないことから、少なくとも1つはパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックスやエステルワックスが挙げられる。特に望ましくはフィッシャートロプシュワックスである。本発明のトナーにおいては、特にフィッシャートロプシュワックスや多官能エステルワックスであると効果が顕著である。
これらのなかでも、融点が60乃至100℃の範囲内のものが好ましい。離型剤としては、通常のワックス類を使用することができるが、3官能以上の多価アルコールとカルボン酸とから形成された多官能エステル化合物が、より好ましい。
3官能以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ペンタグリセロールなどの脂肪族アルコール;フロログルシトール、クエルシトール、イノシトールなどの脂環式アルコール;トリス(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどの芳香族アルコール;D−エリトロース、L−アラビノース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ラムノース、サッカロース、マルトース、ラクトース等の糖;エリトリット、D−トレイット、L−アラビット、アドニット、キシリットなどの糖アルコール;などを挙げることができる。これらの中でも、ペンタエリスリトールが好適である。
カルボン酸としては、例えば、酢酸、酪酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸、アラキジン酸、セロチン酸、メリキシン酸、エリカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘニル酸、テトロル酸、キシメニン酸などの脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸などの脂環式カルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸、トリメリト酸、ヘミメリト酸などの芳香族カルボン酸;などを挙げることができる。これらの中でも、炭素原子数が好ましくは10〜30個、より好ましくは13〜25個のカルボン酸が好適であり、該炭素原子数の脂肪族カルボン酸がより好ましい。脂肪族カルボン酸の中でも、ステアリン酸及びミリスチン酸が特に好ましい。多官能エステル化合物としては、式(I)
Figure 2010160229
(ただし、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立にアルキル基またはフェニル基であり、アルキル基またはフェニル基の炭素原子数は、好ましくは10〜30個、より好ましくは13〜25個である。)
で表される化合物が好ましい。
多官能エステル化合物の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラステアレート〔式(I)中、R1、R2、R3、及びR4のいずれもがCH3(CH216基である化合物〕、ペンタエリスリトールテトラミリステート〔式(I)中、R1、R2、R3、及びR4のいずれもがCH3(CH212基である化合物〕、グリセロールトリアラキン酸などを挙げることができる。多官能エステル化合物は、重合性単量体に容易に溶解するものが好ましい。
多官能エステル化合物の中でも、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールエステル;ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等のジペンタエリスリトールエステルが、重合安定性、重合トナーの保存時の耐ブロッキング性、低温定着性が優れることから、が特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合法により、トナーを生成する場合には、ワックスは、重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部(より好ましくは、10乃至30質量部)配合することが好ましく、トナーとしては、結着樹脂100質量部当りワックス1乃至40質量部(より好ましくは、10乃至30質量部)含有されるのが良い。
溶融混練粉砕法による乾式トナー製法に比べ、重合法によるトナー製法においては、極性樹脂によりトナー内部に多量のワックスを内包化させ易いので乾式トナー製法と比較し、一般に多量のワックスを用いることが可能となり、定着時のオフセット防止効果は更に優れたものとなる。
該ワックスの添加量が下限より少ないとオフセット防止効果が低下しやすい。逆に上限を超える場合では耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響を与えやすいばかりでなく、トナーのドラム融着、トナーの現像スリーブ融着を起こしやすく、重合法によりトナーを生成する場合には粒度分布の広いトナーが生成する傾向にある。
本発明に使用されるワックスは、135℃における溶融粘度は1乃至300cPsであることが好ましく、更に好ましくは3乃至50cPsを有するワックスが特に好ましい。1cPsより低い溶融粘度を有する場合は、非磁性一成分現像方式で塗布ブレード等により現像スリーブにトナー層を薄層コーティングする際、機械的なズリカによりスリーブ汚染を招きやすい。300cPsを超える溶融粘度を有する場合には、重合法を用いてトナーを製造する際、重合性単量体組成物の粘度が高くなり、粒度分布のシャープな微小粒径のトナーを得ることが困難となる。
ワックスの溶融粘度は、HAAKE社製VP−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を用いて測定することができる。
また、ワックスの針入度は、14以下、好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下が望ましい。針入度が14を超える場合には、感光ドラム表面上にフィルミングを発生し易くなる。尚、針入度の測定は、JIS−K2235に準ずる。
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、ワックスのトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
一例を挙げると、所定量のトナーをトルエンにてソックスレー抽出し、得られたトルエン可溶分から溶剤を除去した後、クロロホルム不溶分を得る。
その後、IR法などにより同定分析をする。
また、定量に関しては、DSCなどにより定量分析を行なう。
固体エステルワックスを用いる場合、好ましくはエステル基が1乃至6個であるエステルワックスが良く、更に好ましくは、エステル基が1乃至4個であるエステルワックスが良い。
エステルワックスとしては、好ましくは、下記(I)から(V)に属するエステルワックスである。
Figure 2010160229
(式中、a及びbは0乃至4の整数であり、a+bは4である。R1及びR2は炭素数が1乃至40の有機基である。m及びnは0乃至40の整数であり、mとnは同時に0になることはない。)
Figure 2010160229
(式中、a及びbは0乃至3の整数であり、a+bは1乃至3である。R1及びR2は炭素数が1乃至40の有機基である。R3は水素原子または炭素数が1以上の有機基である。kは1乃至3の整数であり、a+b+k=4である。m及びnは0乃至40の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
Figure 2010160229
(式中、R1及びR3は炭素数1乃至40の有機基であり、R1とR3は同じものであっても異なっていても良い。R2は炭素数1乃至40の有機基を示す。)
Figure 2010160229
(式中、R1及びR3は炭素数1乃至40の有機基であり、R1とR3は同じものであってもなくてもよい。R2は炭素数1乃至40の有機基を示す。)
Figure 2010160229
(式中、aは0乃至4の整数であり、bは1乃至4の整数であり、a+bは4である。R1は炭素数1乃至40の有機基である。m及びnは0乃至40の整数であり、mとnが同時に0になることはない)
具体的には、以下のものが例示される。尚、以下に示す離型剤は、例示した構造式で表される化合物を50質量%以上含むものである。
Figure 2010160229
Figure 2010160229
更には、トータルの炭素数が同一のエステル化合物を50〜95質量%(ワックス基準)含有しているエステルワックスが中でも好ましい。トータルの炭素数が同一のエステル化合物の含有量は、下記に説明するガスクロマトグラフィー法(GC法)によって測定することができる。
ガスクロマトグラフィー法(GC法)による炭素数が同一のエステル化合物の含有量の測定には、GC−17A(島津製作所製)が用いられる。試料は、予めトルエンに1質量%濃度で溶解させた溶液1μlをオンカラムインジェクターを備えたGC装置に注入する。カラムは、0.5mm径×10m長のUltraAlloy−1(HT)を用いる。カラムは初め40℃から40℃/min.の昇温スピードで200℃迄昇温させ、更に15℃/min.で、350℃迄昇温させ、次に7℃/min.の昇温スピードで450℃迄昇温させる。キャリアガスは、Heガスを50kPaの圧力条件で流す。化合物種の同定は、別途炭素数が既知のアルカンを注入し同一の流出時間同士を比較したり、ガス化成分をマススペクトマトグラフィーに導入することで構造を同定する。エステル化合物の含有量はクロマトグラムの総ピーク面積に対するピーク面積の比を求めることで算出する。
本発明のトナーは、荷電制御剤を使用しても良い。
トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、下記の物質がある。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
特に四級アンモニウム塩の中でも構造式(A)−1,−2,構造式(B)−1で表わされる正荷電制御剤を使用することが、環境依存の少ない良好な帯電性を示すことから好ましい。
Figure 2010160229
荷電制御剤は、トナー中の結着樹脂100質量部当り、0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部となる様に含有させるのが良い。
本発明に用いられる結着樹脂としては、特に制限されるものではなく、トナー用樹脂として一般に用いられている樹脂が使用できる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックスなどが挙げられる。これらは、単独あるいは混合して使用できる。
特に本発明のトナーにおいては2000≦Mw≦6000の樹脂を含有させることで該トナーのフローテスターで測定した場合の粘度を所望の範囲にしても良く、その際には優れた定着性および耐久性を両立させやすいため望ましい。
本発明のトナーは、着色剤を含有している。黒色着色剤としては、カーボンブラック、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.PigmentYellow 3,7,10,12,13,14,15,17,23,24,60,62,74,75,83,93,94,95,99,100,101,104,108,109,110,111,117,123,128,129,138,139,147,148,150,166,168,169,177,179,180,181,183,185,191:1,191,192,193,199が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.l.solventYellow33,56,79,82,93,112,162,163、C.I.disperse Yellow42.64.201.211が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し1乃至20質量部となる様に添加して用いられる。
本発明における重合法を用いてトナーを得る場合、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。好ましくは、着色剤の表面改質、例えば、重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。特に、染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。着色剤を表面処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら着色剤の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体組成物に添加するのが好ましい。また、カーボンブラックについては、上記着色剤と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等でグラフト処理を行ってもよい。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーを製造する方法としては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法によるトナー化;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー化;マイクロカプセル製法のような界面重合法、in situ重合法によるトナー化;コアセルベーション法によるトナー化;特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている様な少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る会合重合法によるトナー化;単分散を特徴とする分散重合法によるトナー化;非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後水中でトナー化する乳化分散法によりトナーを得る方法が挙げられる。
中でも、懸濁重合法、会合重合法、乳化分散法によるトナーの製造が好ましい。
より一層好ましくは小粒径のトナーが容易に得られる懸濁重合方法が望まれる。さらに一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。このとき、吸着せしめる単量体中に、極性を有する化合物を分散あるいは溶解させて使用することも可能である。
トナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、以下の如き製造方法によって直接的にトナーを製造することが可能である。単量体中に離型剤、着色剤、重合開始剤、架橋剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を有する水系媒体中に通常の撹拌機またはホモミキサー、ホモジナイザーにより分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナーのサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行なえば良い。重合温度は40℃以上、通常50乃至95℃(好ましくは55乃至85℃)の温度に設定して重合を行なう。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpHを変更しても良い。更に、定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
本発明の場合、重合反応終了後、用いられる結晶性ポリエステルのDSCにおける吸熱のピークトップの温度+0℃乃至+10℃の温度で保持し、その後短時間で室温あたりまで冷却する工程を経た後、洗浄・ろ過を行なうと望ましい。これは、該結晶性ポリエステルのトナー中における分散状態を最適に制御できるためである。
造粒中の水系媒体中のpHは特に制約は受けないが、好ましくはpH4.5乃至13.0、更に好ましくは4.5乃至12.0、特に好ましくは4.5乃至11.0、最も好ましくは4.5乃至7.5である。pHが4.5未満の場合は分散安定剤の一部に溶解がおこり、分散安定化が困難になり、造粒出来なくなることがある。またpHが13.0を超える場合はトナー中に添加されている成分が分解されてしまうことがあり、十分な帯電能力が発揮出来なくなることがある。造粒を酸性領域で行った場合には、分散安定剤に由来する金属のトナー中における含有量が過剰となるのを抑制することができ、本発明の規定を満たすようなトナーが得られやすくなる。
また、トナー粒子の洗浄をpH3以下、より好ましくは、pH1.5以下の酸を用いて行なうことが好ましい。トナー粒子の洗浄を酸で行なうことにより、トナー粒子表面に存在する分散安定剤を低減することができる。洗浄に用いる酸としては、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸の如き無機酸を用いることができる。これによりトナー粒子の帯電性を所望の範囲に調整することも可能である。
本発明に用いられる分散安定剤としては、例えばリン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイドなどが挙げられる。
又、分散安定剤としては、少なくともマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、燐のいずれかが含まれているものが用いられるが、好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、燐のいずれかが含まれていることが望まれる。
上記分散安定剤に有機系化合物、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンを併用しても構わない。
これら分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01乃至2.00質量部を使用することが好ましい。
さらに、これら分散安定剤の微細化のため0.001乃至0.100質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
本発明のトナーを重合法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。
該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテルが挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。更にこれらにマクロモノマーを組み合わせて使用することも可能である。
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、本発明で用いられるもの以外にも本発明の効果を阻害しない範囲であれば油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が適宜用いることが可能である。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジt−ブチルパーオキシイソフタレート、ジt−ブチルパーオキサイドの如き過酸化物などが挙げられる。
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}、塩酸塩硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
また本発明においては、架橋剤を用いて架橋を有する樹脂とすることもでき、架橋剤として、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いることができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
本発明のトナー粒子の形状係数を制御する方法としては、例えば、乳化重合、懸濁重合、分散重合などによる重合法によりトナー粒子を製造する際の重合条件をコントロールしてトナーを製造する方法が挙げられる。
具体的にはトナー粒子を製造する際の分散安定剤の種類及び量、撹拌条件、水層のpH及び重合条件、添加剤の分子量をコントロールすることにより、トナー粒子の形状係数を調整することができる。
更には生成したトナー粒子を乾燥させた後、分級や篩いなどの手段を用いることで所望の粒度、粒度分布、円形度のトナー粒子を得ることも可能である。
また、懸濁重合法を用いてトナー粒子を得る方法においては、重合単量体の重合反応を阻害無く行わせしめるという観点からも、極性樹脂を同時に添加することが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,スチレンと不飽和カルボン酸エステル等との共重合体、アクリロニトリル等のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量体、アクリル酸或はメタクリル酸等の不飽和カルボン酸、その他不飽和二塩基酸及び不飽和二塩基酸無水物、ニトロ系単量体等の重合体若しくはこれらの単量体とスチレン系単量体等との共重合体、マレイン酸共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。これらの極性重合体及び/又は共重合体の添加量としては、重合性単量体の0.1乃至30質量%が好ましく、0.5乃至20質量%であると特に好ましい。
本発明のトナーにおいては各種特性付与を目的として様々な無機、有機の添加剤を用いることが可能である。用いる添加剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、走査型電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば、以下のようなものが用いられるが、特に何ら限定するものではない。
1)流動性付与剤としては:金属酸化物(シリカ、疎水性シリカ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)、カーボンブラック、フッ化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理を行ったものがより好ましい。
2)研磨剤としては:金属酸化物(チタン酸ストロチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)、窒化物(窒化ケイ素など)、炭化物(炭化ケイ素など)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)などが好ましい。
3)滑剤としては:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)などが好ましい。
4)荷電制御性粒子としては:金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)、カーボンブラックなどが好ましい。
また他にも、有機微粒子としては、例えば乳化重合法やスプレードライ法による、スチレン、アクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートの如きトナー用結着樹脂に用いられるモノマー成分の単独重合体あるいは共重合体を適宜用いることが出来る。
これら添加剤は、トナー100質量部に対し、0.01乃至5質量部(好ましくは0.02乃至3質量部)が用いられるのが良い。これらの添加剤は単独で用いても、複数併用しても良い。
これらの添加剤のうち無機微粒子は疎水化処理されていると望ましい。疎水化度の範囲としては20%以上99%以下が望ましく、より望ましくは40%以上99%以下であり、特にシリカの場合は80%以上が望ましい。
無機微粉体の疎水化度の測定方法
メタノール滴定試験は、疎水化された表面を有する無機微粉体の疎水化度を確認する実験的試験である。
処理された無機微粉体の疎水化度を評価するための“メタノール滴定試験”は次の如く行なう。供試無機微粉体0.2gを容器中の水50mlに添加する。メタノールをビュレットから無機微粉体の全量が湿潤されるまで滴定する。この際、容器内の溶液はマグネチックスターラーで常時撹拌する。その終点は無機微粉体の全量が液体中に懸濁されることによって観察され、疎水化度は、終点に達した際のメタノール及び水の液状混合物中のメタノールの百分率として表わされる。
該無機微粒子の疎水化処理方法としては、従来公知の方法が使用される。例えば具体的には、あらかじめ上記の酸化チタン微粒子を真空下で100乃至150℃に加熱し、デシケーター中に貯蔵することによって処理し、水を除去しておく。例えば、脱水処理した酸化チタン微粒子とシランカップリング剤とを、トルエン中で反応させ、酸化チタン表面のOH基を疎水化処理する方法(溶剤湿式処理法)が挙げられる。その他にも溶剤乾式噴霧法、水系エマルジョン処理法、水系加水分解法などが挙げられる。
無機微粒子の疎水化処理を行なう疎水性処理剤としては以下のようにシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどが利用できる。
シランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ポリエチレンイミン含有シラン等が挙げられる。好ましくはアミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランであり、更に好ましくはジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミンである。
チタンカップリング剤としては、例えばビス〔ジオクチルパイロホスフェート〕オキシアセテートチタネート、ビス〔ジオクチルパイロホスフェート〕エチレンチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート等が挙げられる。特に好ましくはビス〔ジオクチルパイロホスフェート〕エチレンチタネートである。
更に、トナー粒子にシリコーンオイル処理されているシリカ微粉体を外添すると望ましい。
本発明に用いられる無機微粉体は疎水性であることが好ましく、シランカップリング剤、チタンカップリング剤など各種カップリング剤を用いることが可能であるが、シリコーンオイルで疎水化度を高くすることで、高湿下での無機微粉体の水分吸着を抑制し、更には規制部材や帯電部材などの汚染が抑制されるため高品位の画像が得られるためより好ましい。
シリコーンオイルとしては例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロロフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられ、特にクロロフェニルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイルのごとき芳香族を含有する官能基を有するものやアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルが好ましいが、上記のものに限定されるわけではない。
上記シリコーンオイルは温度25℃における粘度が50乃至1000mm2/sの物が好ましい。50mm2/s未満では熱が加わることにより一部揮発し、帯電特性が劣化しやすい。1000mm2/sを超える場合では、処理作業上取扱いが困難となる。シリコーンオイル処理の方法としては、公知技術が使用できる。例えば、ケイ酸微粉体とシリコーンオイルとを混合機を用い、混合する。ケイ酸微粉体中にシリコーンオイルを噴霧器を用い、噴霧する。或いは溶剤中にシリコーンオイルを溶解させた後、ケイ酸微粉体を混合する方法が挙げられる。処理方法としてはこれに限定されるものではない。
次に本発明のトナーは、例えば次のような画像形成方法、現像ユニット、プロセスカートリッジ及び現像装置に適応できる。以下に詳細について説明する。
まず、図1は本発明に適用される非磁性一成分接触現像方式での画像形成方法および現像装置の具体例である。図1において、現像装置13は、一成分現像剤として非磁性トナー17を収容した現像剤容器23と、現像剤容器23内の長手方向に延在する開口部に位置し潜像担持体(感光ドラム)10と対向設置されたトナー担持体14とを備え、潜像担持体10上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。感光体接触帯電部材11は潜像担持体10に当接している。感光体接触帯電部材11のバイアスは電源12により印加されている。
トナー担持体14は、上記開口部にて図に示す右略半周面を現像容器23内に突入し、左略半周面を現像剤容器23外に露出して横設されている。この現像容器23外へ露出した面は、図1のように現像装置13の図中左方に位置する潜像担持体10に当接している。
トナー担持体14は矢印B方向に回転駆動され、またその表面は、トナー17との摺擦確率を高くし、かつ、トナー17の搬送を良好に行うための適度な凹凸を有している。トナー担持体14は、図1のようにトナー担持体14を潜像担持体10に当接させて用いる場合は、一例として、NBRの基層にエーテルウレタンを表層コートした、直径14乃至25mm、表面粗さRzが3乃至15μm、抵抗が104乃至108Ωの弾性ローラーを用いることができる。潜像担持体10の周速は50乃至170mm/s、トナー担持体14の周速は潜像担持体10の周速に対して1〜2倍の周速で回転させている。
トナー担持体14の上方位置には、SUS等の金属板や、ウレタン、シリコーン等のゴム材料または、バネ弾性を有するSUSまたはリン青銅の金属薄板を基体とし、トナー担持体14への当接面側にゴム材料を接着したもの等からなる規制部材16が、ブレード支持板金24に支持され、自由端側の先端近傍をトナー担持体14の外周面に面接触にて当接するように設けられており、その当接方向としては、当接部に対して先端側がトナー担持体14の回転方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。トナー規制部材の一例としては、厚さ1.0乃至1.5mmの板状のウレタンゴム等をブレード支持板金24の当接部分もしくは全面に接着した構成で、トナー担持体14に対する当接圧を、適宜設定したものである。なお、線圧の測定は、摩擦係数が既知の金属薄板を3枚当接部に挿入し、中央の1枚をばねばかりで引き抜いた値から換算した。また、規制部材16についてはL字型形状の金属板を用い、L字の曲がり角に相当する部分をトナー担持体14に当接する方式を用いても良い。
弾性ローラー15は、トナー規制部材16のトナー担持体14表面との当接部に対しトナー担持体14の回転方向上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。この構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、トナー担持体14へのトナー17の供給および未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましく、弾性ローラーの一例としては、芯金15a上にポリウレタンフォームを設けた直径12〜18mmの弾性ローラー15を用いた。この弾性ローラー15のトナー担持体14に対する当接幅としては、0.5乃至8mmが有効で、またトナー担持体14に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。
トナー帯電ローラー29は本発明のトナーに必須のものではないが、設置されているとより好ましい。トナー帯電ローラー29はNBR、シリコーンゴム等の弾性体であり、抑圧部材30に取り付けられている。そしてこの抑圧部材30によるトナー帯電ローラー29のトナー担持体14への当接荷重は0.49〜4.9Nに設定した。トナー帯電ローラー29の当接により、トナー担持体14上のトナー層は細密充填され均一コートされる。弾性ブレード16とトナー帯電ローラー29の長手位置関係は、トナー帯電ローラー29がトナー担持体14上の弾性ブレード16当接全域を確実に覆うことができるように配置されるのが好ましい。
またトナー帯電ローラー29の駆動については、トナー担持体14との間は従動または同周速が必須であり、トナー帯電ローラー29、トナー担持体14間に周速差が生じるとトナーコートが不均一になり、画像上にムラが発生するため好ましくない。
トナー帯電ローラー29のバイアスは、電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に直流で(図1の27)印加されており、トナー担持体14上のトナー17はトナー帯電ローラー29より、放電によって電荷付与を受ける。
トナー帯電ローラー29のバイアスは、トナーと同極性の放電開始電圧以上のバイアスであり、トナー担持体14に対して1000乃至2000Vの電位差が生じるように設定される。
トナー帯電ローラー29による帯電付与を受けた後、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、一様に潜像担持体10との対向部である現像部へ搬送される。
この現像部において、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、図1に示すように、電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に印加された直流バイアスによって、潜像担持体10上の静電潜像にトナー像として現像される。
なお、以上は現像方法および画像形成装置本体に着脱可能な現像装置からなるプロセスカートリッジに適用した場合について説明したが、画像形成装置本体内に固定され、トナーのみを補給するような構成の現像装置に適用してもよい。また、少なくとも上記現像装置を備え、必要に応じ感光ドラム、クリーニングブレード、廃トナー収容容器、帯電装置の全てを、あるいはいくつかを一体で形成し画像形成装置本体に対し着脱可能なプロセスカートリッジに適用してもよい。
更に、ブレード状のクリーニング部材を感光体に圧接配置するなどして転写されずに感光体上に残留したトナーをクリーニングする工程が存在する場合、クリーニング工程の前段階においてはクリーニングを容易にするために感光体表面を除電する除電工程を付加することが望ましい。
更に非磁性一成分系現像剤を用いる非磁性一成分非接触現像による画像形成方法および現像装置について図3に示す概略構成図に基づいて説明する。
現像装置170は、非磁性トナーとしての非磁性一成分系現像剤176を収容する現像容器171、現像容器171に収容されている一成分系非磁性現像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体172、現像剤担持体上に一成分系非磁性現像剤を供給するための供給ローラー173、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174、現像容器171内の一成分系非磁性現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を有している。
169は静電潜像を担持するための潜像担持体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段または静電記録手段によりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリーブであり、アルミニウムあるいはステンレスからなる非磁性スリーブからなる。
現像スリーブは、アルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズで吹きつけて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、あるいは樹脂でコートしたものがよい。なかでも、スリーブ表面を樹脂でコートする方法は、樹脂中に各種粒子を分散させることで、スリーブ表面荒さや導電性を調整することや、スリーブ表面に滑性を付与することが簡便に行なえるため、好適に用いられる。
スリーブ表面をコートするのに用いられる樹脂および樹脂に添加される各種粒子については特に限定されるものではないが、樹脂としてはステンレス系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂及びポリイミド樹脂等の熱或いは光硬化性樹脂が好適に用いられる。
また、添加する各種粒子としてはPMMA、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子;ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化すず、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化アンチモン及び酸化インジウム等の金属酸化物;アルミニウム、銅、銀及びニッケル等の金属、グラファイト、金属繊維及び炭素繊維等の無機系充填剤が好適に用いられる。
一成分系非磁性現像剤176は現像容器171に貯蔵されており、供給ローラー173によって現像剤担持体172上へ供給される。供給ローラー173はポリウレタンフォームの如き発泡材より成っており、現像剤担持体に対して、順または逆方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)のはぎ取りも行っている。現像剤担持体172上に供給された一成分系非磁性現像剤は現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174によって均一かつ薄層に塗布される。
弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3乃至25kg/m、好ましくは0.5乃至12kg/mが有効である。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、一成分系非磁性現像剤の均一塗布が困難となり、一成分系非磁性現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、一成分系非磁性現像剤に大きな圧力がかかり、一成分系非磁性現像剤が劣化するため、一成分系非磁性現像剤の凝集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を0.3乃至25kg/mに調整することで、本発明のトナーを用いた一成分系非磁性現像剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに一成分系非磁性現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
弾性ブレードとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドの如きエラストマー;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用でき、さらにそれらの複合体であっても使用できる。好ましくは、バネ弾性を有するSUSまたはリン青銅の金属薄板上にウレタン、シリコーン等のゴム材料やポリアミドエラストマー等の各種エラストマーを射出成型して設けたものが良い。
この非磁性一成分現像方法において、ブレードにより現像スリーブ上に一成分系非磁性現像剤を薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ上の一成分系非磁性現像剤層の厚さを現像スリーブと潜像担持体との対抗間隙αよりも小さくし、この間隙に交番電場を印加することが好ましい。すなわち図4に示すバイアス電源により、現像スリーブ172と潜像担持体169との間に交番電場または交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ上から像担持体上への一成分系非磁性現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
本発明においては、潜像担持体と現像剤担持体との間隙αは、例えば50乃至500μmに設定され、現像剤担持体上に担持される現像剤層の層厚は、例えば40乃至400μmに設定されることが好ましい。
現像スリーブは潜像担持体に対し、100乃至200%の周速で回転される。交番バイアス電圧は、ピークトゥーピークで0.1kV以上、好ましくは0.2乃至3.0kV、更に好ましくは0.3乃至2.0kVで用いるのが良い。交番バイアス周波数は、1.0乃至5.0kHz、好ましくは1.0乃至3.0kHz、更に好ましくは1.5乃至3.0kHzで用いられる。交番バイアス波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波の如き波形が適用できる。さらに、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バイアスも利用できる。直流バイアスを重畳するのも好ましい。
次に非磁性トナーとしての本発明のトナーとキャリアとから構成される二成分現像剤を用いる現像方法を図3に示す概略構成図に基づいて説明する。
現像装置120は、二成分系現像剤128を収納する現像容器126、現像容器126に収納されている二成分系現像剤128を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体としての現像スリーブ121、現像スリーブ121上に形成される現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制手段としての現像ブレード127を有している。
現像スリーブ121は、非磁性のスリーブ基体122内にマグネット123を内包している。
現像容器126の内部は、隔壁130によって現像室(第1室)R1と撹拌室(第2室)R2と区画され、撹拌室R2の上方には隔壁130を隔ててトナー貯蔵室R3が形成されている。現像室R1及び撹拌室R2内には現像剤128が収容されており、トナー貯蔵室R3内には補給用トナー(非磁性トナー)129が収容されている。なお、トナー貯蔵室R3には補給口131が設けられ、補給口131を経て消費されたトナーに見合った量の補給用トナー129が撹拌室R2内に落下補給される。
現像室R1内には搬送スクリュー124が設けられており、この搬送スクリュー124の回転駆動によって現像室R1内の現像剤128は、現像スリーブ121の長手方向に向けて搬送される。同様に、貯蔵室R2内には搬送スクリュー125が設けられ、搬送スクリュー125の回転によって、補給口131からの撹拌室R2内に落下したトナーを現像スリーブ121の長手方向に沿って搬送する。
現像剤128は、非磁性トナーと磁性キャリアとを有した二成分系現像剤である。
現像容器126の感光ドラム119に近接する部位には開口部が設けられ、該開口部から現像スリーブ121が外部に突出し、現像スリーブ121と感光ドラム119との間には間隙が設けられている。非磁性材にて形成される現像スリーブ121には、バイアスを印加するためのバイアス印加手段132が配置されている。
スリーブ基体122に固定された磁界発生手段としてのマグネットローラー、即ち磁石123は、上述したように、現像磁極S1とその下流に位置する磁極N3と、現像剤128を搬送するための磁極N2、S2、N1とを有する。磁石123は、現像磁極S1が感光体ドラム119に対向するようにスリーブ基体122内に配置されている。現像磁極S1は、現像スリーブ121と感光ドラム119との間の現像部の近傍に磁界を形成し、該磁界によって磁気ブラシが形成される。
現像スリーブ121の上方に配置され、現像スリーブ121上の現像剤128の層厚を規制する現像剤層規制ブレード127は、アルミニウム、SUS316の如き非磁性材料で作製される。非磁性ブレード127の端部と現像スリーブ121面との距離Aは300乃至1000μm、好ましくは400乃至900μmである。この距離Aが300μmより小さいと、磁性キャリアがこの間につまり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行なうのに必要な現像剤を塗布することができず濃度の薄いムラの多い現像画像しか得られないという問題点がある。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためには、400μm以上が好ましい。距離Aが1000μmより大きいと現像スリーブ121上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行なえず、感光ドラム119への磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循環、非磁性の現像剤層及び規制ブレード127による現像剤規制力が弱まりトナーのトリボが不足しカブリやすくなるという問題点がある。
この二成分系現像装置120の現像は、交番電界を印加しつつ、トナーと磁性キャリアとにより、構成される磁気ブラシを像担持体(例えば、感光体ドラム)119に接触している状態で現像を行なう。この磁気ブラシと像担持体とが接触することによって、転写後、像担持体上に担持されている転写残トナーは、磁気ブラシに取り込まれ現像室R1に回収される。現像剤担持体(現像スリーブ)121と感光体ドラム119の距離(S−D間距離)Bは100乃至1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを越えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣り、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
交番電界のピーク間の電圧は500乃至5000Vが好ましく、周波数は500乃至10000Hz、好ましくは500乃至3000Hzであり、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形から選択して用いることができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。印加電圧が5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが150V以下、より好ましくは100V以下が良い。
コントラスト電位としては、十分画像濃度が出るように200V乃至500Vが好ましく用いられる。
周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こるためキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。周波数が10000Hzを超えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行なうために、現像スリーブ121上の磁気ブラシの感光体ドラム119との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3乃至8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまう。またキャリア付着を十分に押さえることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材127と現像スリーブ121との距離Aを調整したり、現像スリープ121と感光ドラム119との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
上記のいずれの現像方式においても、転写後に感光体ドラム上に残存する転写残トナーを、転写工程における転写部と帯電工程における帯電部との間及び帯電部と現像工程における現像部との間に、感光体ドラムの表面に当接するクリーニング部材を設けずに、現像工程において現像装置が回収する現像同時クリーニングを行なうことができる。
現像同時クリーニング方式においては、潜像担持体の移動方向に対して、現像部、転写部及び帯電部の順で位置しており、転写部と帯電部との間及び帯電部と現像部との間に、潜像担持体の表面に当接して潜像担持体の表面に存在する転写残トナーを除去するためのクリーニング部材を有していない。
現像同時クリーニング方式を用いた画像形成方法について、現像工程において、トナーの帯電極性と潜像担持体の静電潜像の帯電極性が同極性で現像を行なう反転現像を例に挙げて説明すると、プラス帯電性の感光体及びプラス帯電性のトナーを用いた場合、その転写工程において、マイナス極性の転写部材によって可視化された像を転写材に転写することになるが、転写材の種類(厚み、抵抗、誘電率の違い)と画像面積の関係により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナスまで変動する。しかし、プラス帯電性の感光体を帯電する際のプラス極性の帯電部材により、感光体表面と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてマイナス極性に振れていたとしても、一様にプラス側へ帯電極性を揃えることが出来る。それゆえ、現像時に一様にプラス極性に帯電したトナー粒子が感光体表面に存在していても、現像方法として反転現像を用いた場合、プラスに帯電された転写残余のトナーは、トナーの現像されるべき明部電位部には残り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には残らず、現像電界の関係上、現像剤の磁気ブラシ又は現像剤担持体の方に引き寄せられ、残留しない。また、現像同時クリーニングではないが、別の方法としては、プラス帯電性の感光体を帯電する際のプラス極性の帯電部材により、感光体表面と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてマイナス極性に振れていたとしても、一様にプラス側へ帯電極性を揃える工程までは現像同時クリーニング方式と同じである方法がある。転写残トナーを一様にプラス側へ帯電極性を揃えた後、プラス帯電性の感光体を帯電する際のプラス極性の帯電部材とは別の帯電部材を感光体に当接し、その別の帯電部材をマイナスに帯電することでプラス側へ帯電極性を揃えた転写残トナーを一度回収する。その後、非印刷時に転写残トナーを回収した帯電部材をプラスに帯電させることで、回収していた転写残トナーを転写残トナー回収容器に吐き出させたり、転写残トナーを回収した帯電部材に対してゴムブレードなどを当接して転写残トナーをはぎ落とす方法がある。これらのクリーニング方法は感光体に直接クリーニングブレードなどを当接しないため感光体が磨耗するなどのダメージを受けないため長期使用の際望ましい。
上記いずれの画像形成方法および画像形成装置の場合においても、本発明のトナーを用いる場合は、該トナーが中間転写体を介して被転写体に転写される画像形成方法および画像形成装置であると、本発明のトナーの優れた転写効率およびクリーニング性のため望ましい。
これは、トナー中における結晶性ポリエステル、着色剤、ワックスなどの原材料の分散状態が均一であり、帯電性が高く、且つ帯電分布がシャープであるため、また、耐熱性、耐久性に優れるため長期間の使用および高温高湿環境下や低温低湿環境下での使用に際しても、転写効率が高く、且つ中間転写体へのトナーの融着なども抑制されるためであり、望ましい。
図5は、中間転写ドラムを用い中間転写ドラム上に一次転写された4色のカラートナー画像を記録材に一括して二次転写する際の二次転写手段として、転写ベルトを用いた画像形成装置の説明図である。
図5に示す装置システムにおいて、現像器244−1、244−2、244−3、244−4に、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が導入され、感光体241に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体241上に形成される。感光体241はa−Se、Cds、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体241は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。
感光体241としては、アモルファスシリコン感光層、又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、単一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体241とは非接触である方式と、ローラー等を用いる接触型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図5に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
帯電ローラー242は、中心の芯金242bとその外周を形成した導電性弾性層242aとを基本構成とするものである。帯電ローラー242は、感光体241面に押圧力をもって圧接され、感光体241の回転に伴い従動回転する。
帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧が4.9乃至490N/m(5乃至500g/cm)で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5乃至5kVpp、交流周波数=50Hz乃至5kHz、直流電圧=±0.2乃至±1.5kVであり、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2乃至±5kVである。
この他の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1乃至±5kV)が印加されている中間転写ドラム245に転写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレード248を有するクリーニング手段249でクリーニングされる。
中間転写ドラム245は、パイプ状の導電性芯金245bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層245aからなる。芯金245bは、プラスチックのパイプに導電性メッキをほどこしたものでも良い。
中抵抗の弾性体層245aは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を105乃至1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
中間転写ドラム245は感光体241に対して並行に軸受けさせて感光体241の下面部に接触させて配設してあり、感光体241と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
感光体241の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体241と中間転写ドラム245とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写ドラム245に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写ドラム245の外面に対して順次に中間転写されていく。
必要により、着脱自在なクリーニング手段280により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写ドラム245の表面がクリーニングされる。中間転写ドラム上にトナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段280は、中間転写体表面から離される。
中間転写ドラム245に対して並行に軸受けさせて中間転写ドラム245の下面部に接触させて転写手段が配設され、転写手段247は例えば転写ローラー又は転写ベルトであり、中間転写ドラムと同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段は直接中間転写ドラムと接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写ドラムと転写手段との間に接触するように配置されても良い。
転写ローラーの場合、中心に芯金とその外周を形成した導電性弾性層とを基本構成とするものである。
中間転写ドラム及び転写ローラーとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写ドラムの弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラーへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
中間転写ドラム及び転写ローラーの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写ドラムは、10乃至40度の範囲に属する弾性層から構成されることが好ましい。一方、転写ローラーの弾性層の硬度は、中間転写ドラムの弾性層の硬度より硬く41乃至80度の値を有するものが中間転写ドラムへの転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写ドラムと転写ローラーの硬度が逆になると、転写ローラー側に凹部が形成され、中間転写ドラムへの転写材の巻き付きが発生しやすい。
図5では中間転写ドラム245の下方には、転写ベルト247が配置されている。転写ベルト247は、中間転写ドラム245の軸に対して並行に配置された2本のローラー、すなわちバイアスローラー247aとテンションローラー247cに掛け渡されており、駆動手段(不図示)によって駆動される。転写ベルト247は、テンションローラー247c側を中心にしてバイアスローラー247a側が矢印方向に移動可能に構成されていることにより、中間転写ドラム245に対して下方から矢印方向に接離することができる。バイアスローラー247aには、二次転写バイアス源247dによって所望の二次転写バイアスが印加されており、一方、テンションローラー247cは接地されている。
次に、転写ベルト247であるが、本実施の形態では、熱硬化性ウレタンエラストマーにカーボンを分散させ厚さ約300μm、体積抵抗率108乃至1012Ω・cm(1kV印加時)に制御した上に、フッ素ゴム20μm、体積抵抗率1015Ω・cm(1kV印加時)に制御したゴムベルトを用いた。その外径寸法は周長80×幅300mmのチューブ形状である。
上述の転写ベルト247は、前述のバイアスローラー247aとテンションローラー247cによって約5%延ばす張力印加がなされている。
転写手段247は中間転写ドラム245と等速度或は周速度に差をつけて回転させる。転写材246は中間転写ドラム245と転写手段247との間に搬送されると同時に、転写手段247にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを二次転写バイアス源247dから印加することによって、中間転写ドラム245上のトナー像が転写材246の表面側に転写される。
転写用回転体の材質としては、帯電ローラーと同様のものも用いることができ、好ましい転写のプロセス条件としては、ローラーの当接圧が4乃至490N/m(5乃至500g/cm)で、直流電圧が±0.2乃至±10kVである。
例えば、バイアスローラー247aの導電性弾性層247a1はカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗106乃至1010Ω・cm程度の弾性体でつくられている。芯金247a2には定電圧電源によりバイアスが印加されている。バイアス条件としては、±0.2乃至±10kVが好ましい。
次いで転写材246は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵させた加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラーとを基本構成とする定着器281へ搬送され、加熱ローラーと加圧ローラー間を通過することによってトナー像が転写材に加熱加圧定着される。フィルムを介してヒータにより定着する方法を用いても良い。
本発明において、図1に示す画像形成装置を構成する部材としては例えば次のようなものが用いられる。現像ローラーとして使用できる材料としては、弾性ローラーの構成としては、導電性基体上に弾性層、及び好ましくは比較的高抵抗層を設けたものが用いられる。ローラー弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムなどのゴム又はスポンジや、スチレン−ブタジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢酸ビニルサーモプラスチックエラストマー等のサーモプラスチックエラストマーなどで形成することができ、導電層としては、体積抵抗率が109Ωcm以下で、望ましくは103Ωcm以上である。
導電性を制御する手段としては、カーボン・アルミニウム・ニッケル・酸化チタンなどの導電性粒子を分散する方法、4級アンモニウム塩・過塩素酸リチウムなどを含有させイオン導電性を利用する方法が挙げられる。
比較的高抵抗層としては、例えば、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素系樹脂、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、シリコーンアクリルなどのシリコーン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−12、ナイロン−46、アラミド類などのポリアミド系樹脂、PETなどのポリエステル系樹脂、PEやPPなどのポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、メラミン系樹脂、スチロール系樹脂、ポリメタクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、フェノール系樹脂などが適宜抵抗調整の上使用できる。
本発明に用いられる電子写真感光体の感光層は、単層または積層構造を有する。単層構造の場合、感光層はキャリアを生成する電荷発生材料とキャリアを輸送する電荷輸送材料とを共に含有する。積層構造の場合、キャリアを生成する電荷発生材料を含有する電荷発生層と、キャリアを輸送する電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とが積層されて感光層が構成される。表面層を形成するのは電荷発生層または電荷輸送層どちらの場合もある。
単層感光層は5乃至100μmの厚さが好ましく、特には10乃至60μmであることが好ましい。また、電荷発生材料や電荷輸送材料を層の全質量に対し20乃至80質量%含有することが好ましく、特には30乃至70質量%であることが好ましい。単層感光層は、前記電荷発生材料、電荷輸送材料以外にバインダー樹脂を含有し、必要に応じて紫外線吸収剤や酸化防止剤、その他の添加剤等を含有することができる。
積層感光層においては、電荷発生層の膜厚は0.001乃至6μmであることが好ましく、特には0.01乃至2μmであることが好ましい。電荷発生材料の含有量は層の全質量に対し10乃至100質量%であることが好ましく、特には40乃至100質量%であることが好ましい。電荷発生層は電荷発生材料のみで構成される場合もあるが、それ以外の場合には上記バインダー樹脂等を含有することができる。電荷輸送層の膜厚は5乃至100μmであることが好ましく、特には5乃至19μmであることが好ましい。電荷輸送材料の含有量は20乃至80質量%であることが好ましく、特には30乃至70質量%であることが好ましい。電荷輸送層は電荷輸送材料以外にバインダー樹脂を含有し、上記同様のその他任意成分を含有することができる。
本発明に用いられる電子写真感光体は、上述の様に感光層の上に保護層を積層してもよい。保護層の膜厚は、0.01乃至20μmであることが好ましく、特には0.1乃至10μmであることが好ましい。保護層は通常バインダー樹脂に電荷発生材料または電荷輸送材料や、金属およびその酸化物、窒化物、塩、合金、更にはカーボン等の導電材料等が分散された構成を有する。保護層に用いるバインダー樹脂、電荷発生材料、電荷輸送材料としては、上記感光層に用いられる材料と同様のものが挙げられる。
本発明に用いられる電子写真感光体に用いられる導電性支持体は、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、スズ、アンチモン、インジウム、鉛、亜鉛、金および銀等の金属や合金、あるいはそれらの酸化物やカーボン、導電性樹脂等が使用可能である。形状は円筒形、ベルト状やシート状のものがある。また、前記導電性材料は、成型加工される場合もあるが、塗料として塗布したり、蒸着してもよい。なお、本例に用いられている導電性支持体は、直径約30mmの円筒形のものである。
また、上述の様に導電性支持体と感光層との間に、下引層を設けてもよい。下引層は主にバインダー樹脂からなるが、前記導電性材料やアクセプター性の化合物を含有してもよい。下引層を形成するバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ボリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂およびブチラール樹脂等が挙げられる。
さらに、上述の様に導電性支持体と感光層との間に、導電層を設けてもよい。感光体が下引層と導電層を共に有する場合には、通常、導電性支持体、導電層、下引層、感光層の順に積層される。導電層は、一般的には、上記下引層に用いられるのと同様なバインダー樹脂に前記導電性材料が分散された構成を有する。
本発明に用いられる電子写真感光体を製造する方法としては、通常、導電性支持体上に下引層、感光層および保護層等を、蒸着や塗布等で積層する方法が用いられる。塗布にはバーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、アトライター、スプレー、浸漬塗布、静電塗布および粉体塗布等が用いられる。また、上記下引層、感光層および保護層等を塗布法により形成させるには、各層毎にその構成成分を、有機溶媒等に溶解、分散させた溶液、分散液等を上記の方法により塗布した後、溶媒を乾燥等によって除去すればよい。あるいは、反応硬化型のバインダー樹脂を用いる場合には、各層の構成成分を樹脂原料成分および必要に応じて添加される適当な有機溶媒等に溶解、分散させた溶液、分散液等を上記の方法により塗布した後、例えば、熱や光等により樹脂原料を反応硬化させ、さらに必要に応じて溶媒を乾燥等によって除去すればよい。
感光体接触帯電部材としては、ローラーまたはブレードの場合は、導電性基体として、鉄、銅、ステンレス等の金属、カーボン分散樹脂、金属あるいは金属酸化物分散樹脂などが用いられ、その形状としては棒状、板状等が使用できる。例えば、弾性ローラーの構成としては、導電性基体上に弾性層、導電層、抵抗層を設けたものが用いられ、ローラー弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、ブチルゴムなどのゴム又はスポンジや、スチレン−ブタジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢ビサーモプラスチックエラストマー等のサーモプラスチックエラストマーなどで形成することができ、導電層としては、体積抵抗率を107Ω・cm以下、望ましくは106Ω・cm以下である。例えば、金属蒸着膜、導電性粒子分散樹脂、導電性樹脂等が用いられ、具体例としては、アルミニウム、インジウム、ニッケル、銅、鉄等の蒸着膜、導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウム、ニッケル、酸化チタンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散したものなどが挙げられる。導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。抵抗層は、例えば、体積抵抗率が106乃至1012Ω・cmの層であり、半導性樹脂、導電性粒子分散絶縁樹脂等を用いることができる。半導性樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリビニルヒドリン、カゼイン等の樹脂が用いられる。導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウム、酸化インジウム、酸化チタンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の絶縁性樹脂中に少量分散したものなどが挙げられる。
帯電部材としてのブラシは、一般に用いられている繊維に導電材を分散させて抵抗調整されたものが用いられる。繊維としては、一般に知られている繊維が使用可能であり、例えばナイロン、アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。また導電材としては、これも一般に知られている導電材が使用可能であり、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、金、銀等の金属あるいは酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン等の金属酸化物、さらにはカーボンブラック等の導電粉が挙げられる。なおこれら導電粉は必要に応じ疎水化、抵抗調整の目的で表面処理が施されていてもよい。使用に際しては、繊維との分散性や生産性を考慮して選択して用いる。ブラシの形状としては、繊維の太さが1乃至20デニール(繊維径10乃至500μm程度)、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万乃至30万本(1平方メートル当り1.5×107乃至4.5×108本程度)のものが好ましく用いられる。
本発明の画像形成方法においては感光体接触帯電部材としてはローラーであると帯電の均一性に優れているので望ましい。
以下、発明を実施例により具体的に説明するがこれは本発明をなんら限定するものではない。
なお、以下の実施例等における「部」は「質量部」である。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例1〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・セバシン酸:230部
・フマル酸:30部
・1,4−シクロヘキサンジメタノール:140部
・ジブチル錫オキサイド:0.80部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行い、その後210℃で1.5時間反応してポリエステル樹脂1を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例2〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・セバシン酸:230部
・1,4−シクロヘキサンジメタノール:145部
・トリメリット酸:5部
・ジブチル錫オキサイド:0.80部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行い、その後220℃で1.5時間反応してポリエステル樹脂2を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例3〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・セバシン酸:240部
・1,4−シクロヘキサンジメタノール:145部
・テトラブチルチタネート:0.85部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行い、その後220℃で1.5時間反応してポリエステル樹脂3を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例4〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・セバシン酸:240部
・1,4−シクロヘキサンジメタノール:145部
・トリメリット酸:5部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.80部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行い、その後220℃で1.5時間反応してポリエステル樹脂4を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例5〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・セバシン酸ジメチル:200部
・セバシン酸:50部
・1,4−シクロヘキサンジメタノール:145部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.45部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で8時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で3.5時間反応してポリエステル樹脂5を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例6〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・アジピン酸:240部
・トリエチレングリコール:155部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.70部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で6時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で1.0時間反応してポリエステル樹脂6を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例7〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・コハク酸:140部
・ヘキサメチレングリコール:120部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.70部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で6時間反応を行い、その後更に10〜20mmHgの減圧下で220℃で1.0時間反応してポリエステル樹脂7を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例8〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・1,10−デカンジカルボン酸:245部
・トリエチレングリコール:155部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.85部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で6時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で1.0時間反応してポリエステル樹脂8を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例9〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・1,10−デカンジカルボン酸:210部
・1,10−デカンジカルボン酸ジメチル:50部
・トリエチレングリコール:155部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.40部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で6時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で1.5時間反応してポリエステル樹脂9を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例10〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・コハク酸:105部
・アジピン酸:30部
・トリエチレングリコール:155部
・トリメリット酸:5部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.70部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で6時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で1.5時間反応してポリエステル樹脂10を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例11〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・コハク酸ジメチル:50部
・コハク酸:95部
・トリエチレングリコール:75部
・テトラメチレングリコール:60部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.65部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で7時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で2.0時間反応してポリエステル樹脂11を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例12〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・セバシン酸:240部
・1,4−シクロヘキサンジメタノール:145部
・トリメリット酸:2部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.80部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で0.5時間反応してポリエステル樹脂12を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例13〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・セバシン酸:200部
・アジピン酸:35部
・1,4−シクロヘキサンジメタノール:110部
・ジエチレングリコール:35部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.75部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で1.5時間反応してポリエステル樹脂13を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例14〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・セバシン酸:210部
・コハク酸ジメチル:15部
・1,10−デカンジカルボン酸:25部
・トリエチレングリコール:120部
・ジエチレングリコール:35部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.60部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で1.5時間反応してポリエステル樹脂14を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔結晶性ポリエステル樹脂製造例15〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・セバシン酸ジメチル:250部
・1,4−シクロヘキサンジメタノール:145部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.45部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で8時間反応を行い、その後更に10乃至20mmHgの減圧下で220℃で3.5時間反応してポリエステル樹脂15を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表1に示す。
〔非晶性ポリエステル樹脂製造例1〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・テレフタレート:20部
・イソフタレート:20部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:59部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物:37部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.025部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で220℃で22時間反応を行い、更に10乃至20mmHgの減圧下で2時間反応させた。その後、190℃に降温し、無水トリメリット酸を1.5部添加して、190℃で1.5時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂1を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表2に示す。
〔非晶性ポリエステル樹脂製造例2〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・テレフタル酸:21部
・イソフタル酸:21部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:87.5部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物:25.5部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.030部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で220℃で18時間反応を行い、更に10乃至20mmHgの減圧下で1時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂2を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表2に示す。
〔非晶性ポリエステル樹脂製造例3〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・テレフタル酸:21部
・イソフタル酸:21部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:89.5部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物:23.0部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.030部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で220℃で15時間反応を行い、更に10乃至20mmHgの減圧下で1時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂3を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表2に示す。
〔非晶性ポリエステル樹脂製造例4〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・テレフタル酸:24部
・イソフタル酸:24部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:87.5部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物:20.5部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物:2.5部
・ネオペンチルグリコール:1部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.035部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で210℃で23時間反応を行い、その後シュウ酸チタン酸カリウムを0.005部追加し、220℃で1.0時間反応させ、更に10乃至20mmHgの減圧下で1.5時間反応させた。その後、180℃に降温し、無水トリメリット酸を0.10部添加して、180℃で1.5時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂4を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表2に示す。
〔非晶性ポリエステル樹脂製造例5〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・テレフタル酸:21部
・イソフタル酸:21部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:120部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.030部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で220℃で15時間反応を行い、更に10乃至20mmHgの減圧下で0.5時間反応させ、その後、180℃に降温し、無水トリメリット酸を0.01部添加して、180℃で1.5時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂5を得た。得られたポリエステル樹脂の物性は表2に示す。
Figure 2010160229
Figure 2010160229
〔正帯電性荷電制御樹脂製造例1〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコにトルエン100部、メタノール350部、スチレン470部、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、撹拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄後、40℃で96時間減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。正帯電性荷電制御樹脂1を製造した。得られた樹脂の物性は、Mw=24000、Tg=67℃、残存モノマー=350ppmであった。
〔正帯電性荷電制御樹脂製造例2〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコにトルエン300部、メタノール150部、スチレン470部、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド7部仕込み、撹拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。正帯電性荷電制御樹脂2を製造した。得られた樹脂の物性は、Mw=40000、樹脂Tg=68℃、残存モノマー=380ppmであった。
〔正帯電性荷電制御樹脂製造例3〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコにトルエン100部、メタノール350部、スチレン470部、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート50部、アクリル酸−2−エチルヘキシル60部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、撹拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄後、40℃で96時間減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。正帯電性荷電制御樹脂3を製造した。得られた樹脂の物性は、Mw=20000、Tg=66℃、残存モノマー=360ppmであった。
〔疎水性シリカ製造例1〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をγ−(2−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリメトキシシラン10部で処理して疎水性シリカ1を得た。一次粒子径は12nm、疎水化度=70であった。
〔疎水性シリカ製造例2〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をアミノ変性シリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ2を得た。一次粒子径は12nm、疎水化度=97であった。
〔疎水性シリカ製造例3〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン10部で処理して疎水性シリカ3を得た。一次粒子径は12nm、疎水化度=70であった。
〔疎水性シリカ製造例4〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン10部およびアミノ変性シリコーンオイル15部で処理して疎水性シリカ4を得た。一次粒子径は12nm、疎水化度=97であった。
〔疎水性シリカ製造例5〕
シリカ(AEROSIL 380、日本アエロジル製)をジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン20部で処理して疎水性シリカ5を得た。一次粒子径は7nm、疎水化度=70であった。
〔疎水性酸化チタン製造例1〕
酸化チタン(P25、日本アエロジル製)をトルエン中においてジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン20部で処理した後濾過、乾燥して疎水性酸化チタン1を得た。一次粒子径は25nm、疎水化度=60であった。
次に、本発明で用いる脂肪酸金属塩の製造例について述べる。
<脂肪酸金属塩1の製造>
撹拌装置付きの受け容器を用意し、撹拌機を350rpmで回転させた。この受け容器に0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液500部と投入し、液温を85℃に調整した。次に、この受け容器に0.2質量%硫酸亜鉛水溶液525部を、15分かけて滴下した。全量仕込み終了後、反応時の温度状態で10分間熟成し、反応を終結した。
次に、このようにして得られた脂肪酸金属塩スラリーを濾過洗浄した。得られた洗浄後の脂肪酸金属塩ケーキを粗砕後、連続瞬間気流乾燥機を用いて105℃で乾燥した。その後、ナノグラインディングミル〔NJ−300〕(サンレックス社製)にて風量6.0m3/min、処理速度80kg/hの条件で粉砕した後、リスラリーして湿式遠心分級機を用いて微粒子、粗粒子の除去を行った後、連続瞬間気流乾燥機を用いて80℃で乾燥して金属石鹸微粒子1を得た。得られた金属石鹸微粒子1の体積基準のメジアン径(D50)は0.45μm、変動係数は32、個数平均粒径(D1)は0.31μmであった。金属石鹸微粒子1の物性を表3、粒度分布を図7に示す。
<脂肪酸金属塩2の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を0.25質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液に、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.15質量%硫酸亜鉛水溶液に変更すること以外は金属石鹸微粒子1と同様にして、金属石鹸微粒子2を得た。得られた金属石鹸微粒子2の体積基準のメジアン径(D50)は0.33μm、変動係数は28、個数平均粒径(D1)は0.25μmであった。金属石鹸微粒子2の物性を表3、粒度分布を図8に示す。
<脂肪酸金属塩3の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を2.0質量%ステアリン酸ナトリウムに変更し、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を1.0質量%塩化カルシウム水溶液に変更した。また、5分間の熟成で反応を終結させた。それ以外の工程は金属石鹸微粒子1と同様にして、金属石鹸微粒子3を得た。得られた金属石鹸微粒子3の体積基準のメジアン径(D50)は0.60μm、変動係数は42、個数平均粒径(D1)は0.41μmであった。金属石鹸微粒子3の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩4の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を0.25質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液に、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.15質量%硫酸亜鉛水溶液に、また、粉砕の条件を風量10.0m3/min、にし、粉砕工程を3回行なうように変更した。得られた金属石鹸微粒子4の体積基準のメジアン径(D50)は0.18μm、変動係数は39、個数平均粒径(D1)は0.09μmであった。金属石鹸微粒子4の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩5の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を0.7質量%ステアリン酸ナトリウムに変更し、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.3質量%硫酸亜鉛水溶液に変更した。また、粉砕の条件を風量4.0m3/min、処理速度50kg/hとした。それ以外の工程は金属石鹸微粒子1と同様にして、金属石鹸微粒子5を得た。得られた金属石鹸微粒子4の体積基準のメジアン径(D50)は0.64μm、変動係数は33、個数平均粒径(D1)は0.44μmであった。金属石鹸微粒子5の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩6の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を1.0質量%ステアリン酸ナトリウムに変更し、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.7塩化カルシウム水溶液に変更した。また、5分間の熟成で反応を終結させた。粉砕の条件を風量5.0m3/minに変更し粉砕後は風力式の分級機で微粗粉を取り除き、金属石鹸微粒子6を得た。得られた金属石鹸微粒子6の体積基準のメジアン径(D50)は0.58μm、変動係数は48、個数平均粒径(D1)は0.39μmであった。金属石鹸微粒子6の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩7の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を0.5質量%ラウリン酸ナトリウムに変更した以外、金属石鹸微粒子1と同様にして、金属石鹸微粒子7を得た。得られた金属石鹸微粒子7の体積基準のメジアン径(D50)は0.62μm、変動係数は35、個数平均粒径(D1)は0.40μmであった。金属石鹸微粒子7の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩8の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.3質量%塩化リチウム水溶液に変更した。それ以外は金属石鹸微粒子1と同様にして、金属石鹸微粒子8を得た。得られた金属石鹸微粒子8の体積基準のメジアン径(D50)は0.33μm、変動係数は30、個数平均粒径(D1)は0.22μmであった。金属石鹸微粒子8の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩9の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を1.0質量%ステアリン酸ナトリウムに変更し、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.4質量%硫酸亜鉛水溶液に変更した。また、15分間の熟成で反応を終結させた。また、粉砕の条件を風量4.0m3/min、にした。それ以外の工程は金属石鹸微粒子1と同様にして、金属石鹸微粒子9を得た。得られた金属石鹸微粒子10の体積基準のメジアン径(D50)は0.72μm、変動係数は38、個数平均粒径(D1)は0.59μmであった。金属石鹸微粒子9の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩10の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を1.1質量%ステアリン酸ナトリウムに変更し、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.45質量%硫酸亜鉛水溶液に変更した。また、15分間の熟成で反応を終結させた。また、粉砕の条件を風量3.5m3/min、にした。それ以外の工程は金属石鹸微粒子1と同様にして、金属石鹸微粒子10を得た。得られた金属石鹸微粒子10の体積基準のメジアン径(D50)は0.87μm、変動係数は48、個数平均粒径(D1)は0.62μmであった。金属石鹸微粒子10の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩11の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を1.0質量%ステアリン酸ナトリウムに変更し、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.4質量%硫酸亜鉛水溶液に変更した。また、粉砕工程を行った後の分級工程は行なわず金属石鹸微粒子11を得た。得られた金属石鹸微粒子11の体積基準のメジアン径(D50)は0.63μm、変動係数57、個数平均粒径(D1)は0.42μmであった。金属石鹸微粒子11の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩12の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を0.05質量%ステアリン酸ナトリウムに変更し、また0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.02質量%硫酸亜鉛水溶液に変更した。また、粉砕の条件を風量10.0m3/min、にし、3回粉砕工程を施した。その後、分級工程は行なわず、メッシュ通しにより粗粒を除去し、金属石鹸微粒子12を得た。得られた金属石鹸微粒子12の体積基準のメジアン径(D50)は0.12μm、変動係数は53、個数平均粒径(D1)は0.07μmであった。金属石鹸微粒子12の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩13の製造>
金属石鹸微粒子1において、0.5質量%ステアリン酸ナトリウム水溶液を1.2質量%ステアリン酸ナトリウムに変更し、0.2質量%硫酸亜鉛水溶液を0.5質量%硫酸亜鉛水溶液に変更した。また、15分間の熟成で反応を終結させた。また、粉砕の条件を風量3.3m3/min、にした。それ以外の工程は金属石鹸微粒子1と同様にして、金属石鹸微粒子13を得た。得られた金属石鹸微粒子13の体積基準のメジアン径(D50)は1.02μm、変動係数は54、個数平均粒径(D1)は0.65μmであった。金属石鹸微粒子13の物性を表3に示す。
<脂肪酸金属塩14>
市販されているステアリン酸亜鉛(MZ2 日本油脂製)を脂肪酸金属塩14とする。体積基準のメジアン径(D50)は1.29μm、変動係数は44であった。脂肪酸金属塩14の物性を表3に示す。粒度分布を図9に示す。
<脂肪酸金属塩15>
市販されているステアリン酸亜鉛(SZ2000 堺化学工業製)を脂肪酸金属塩15とする。体積基準のメジアン径(D50)は5.30μm、変動係数は59であった。脂肪酸金属塩15の物性を表3に示す。粒度分布を図10に示す。
Figure 2010160229
組成物の製造例
脂肪酸金属塩組成物の具体的な製造例について、以下に説明する。
本製造例では、非イオン性の界面活性剤存在下で脂肪酸のアルカリ金属塩の溶液に、無機金属化合物の溶液を滴下して反応する方法(複分解法)により合成した。
脂肪酸金属塩組成物の製造装置例(16)
図6に示す湿式分級装置を有する連続反応装置を用いた。定量ポンプにて(a)成分及び(b)成分を別々に供給混合可能なフロージェットミキサー、及び直径6cmのタービン羽根を有する撹拌装置付きの10Lの受け容器を用意し、タービン羽根を400rpmで回転させた。ここへ、あらかじめ温度を80℃に調整した(a)成分及び(b)成分を各々液流量が3.0L/minになるよう定量ポンプにて調整し、別方向から同時にフロージェットミキサー内に投入した。
フロージェットミキサーから排出された混合溶液を受け容器に投入した。各溶液の流量は各溶液が同時に送液終了するように定量ポンプにて調整した。全量仕込み終了後、反応時の温度に保持したまま10分間熟成して反応を終結させた。
反応を終えた脂肪酸金属塩組成物を含む反応スラリーは、解砕機007;ゼネレータを歯の形状に改造したマイルダーLを経て粗大粒子を除去した。反応完了後の脂肪酸金属塩組成物を含む反応スラリーはタンク008に保持され、次工程へと送られる。
上記の(a)成分と(b)成分として、下記のものを使用した。
表5に示す(a)成分として下記成分を混合し、ディスパー翼を具備した撹拌装置にて液中の粉体が均一に分散されるまで混合した。
・脂肪酸A−1:ステアリン酸ナトリウム1級(岸田化学社製)を2.0部
・非イオン系界面活性剤:活性剤(1)を0.010部
・水100部
この(a)成分を図6中の001原材料(a)の保持タンクに導入した。
また、(b)成分として下記成分を混合し、ディスパー翼を具備した撹拌装置にて液中の粉体が均一に分散されるまで混合した。
・無機金属塩B−1:硫酸亜鉛1級(岸田化学社製)を2.2部
・非イオン系界面活性剤:活性剤(1)を0.010部
・水100部
この(b)成分を図6中の002原材料(b)の保持タンクに導入した。
脂肪酸金属塩組成物が乾燥後に5kgになるよう(a)成分の総量を調整した。また、フロージェットミキサーへの(a)成分、(b)成分の導入量が同じ流速になるように各々の量を定量ポンプ004でコントロールし、混合及び反応を行った。
次に、このようにして得られた脂肪酸金属塩組成物スラリーを濾過し、得られた脂肪酸金属塩組成物ケーキを20μS/m以下に調整したイオン交換水を用いて4回水洗した。得られた洗浄後の脂肪酸金属塩組成物ケーキを、乾燥窒素を導入した流動層乾燥機(大河原製作所製)にて50℃以下で乾燥した。得られた脂肪酸金属塩組成物中の粗大粒子除去を目的に、開口35μmの網で篩い分けを行ない、脂肪酸金属塩組成物SA−1を得た。
なお、006は熱交換器であり、反応スラリーを湿式分級に適する温度である40℃前後に調整する。また、湿式分級器内では粗粉成分は再び熱交換器006を介して解砕機007へと戻され、脂肪酸金属塩を含む反応スラリーとともに再度解砕され分級工程へ循環される。
次に、このようにして得られた脂肪酸金属塩スラリーを濾過し、得られた脂肪酸金属塩ケーキを20μS/m以下に調整したイオン交換水を用いて4回水洗した。得られた洗浄後の脂肪酸金属塩ケーキを、乾燥窒素を導入した流動層乾燥機(大河原製作所製)にて50℃以下で乾燥した。得られた脂肪酸金属塩中の粗大粒子除去を目的に、開口35μmの網で篩い分けを行ない行ない、脂肪酸金属塩を得ることができる。
脂肪酸金属塩組成物の製造例(17)〜(32)
表4に示す活性剤と、表5に示す原材料A及び原材料Bを表6に示す組合せで調整し、(a)成分及び(b)成分を各々調整した。
次いで、製造例(16)と同様にフロージェットミキサーへの(a)成分、(b)成分の導入量が同じ流速になるように各々の量を定量ポンプ004でコントロールし、混合及び反応を行ない、脂肪酸金属塩組成物(SA−2)〜(SA−18)を得た。
なお、製造例(19)、製造例(20)、製造例(21)については、工程中の脂肪酸金属塩組成物ケーキ水洗回数を10回とした。また、製造例(29)、製造例(30)については、工程中の脂肪酸金属塩組成物ケーキ水洗回数を2回とした。
使用した界面活性剤の種類について表4に示す。
Figure 2010160229
使用した原材料A;脂肪酸、原材料B;無機金属塩について表5に示す。
Figure 2010160229
脂肪酸金属塩組成物の製造例(17)〜(32)で使用した(a)成分及び(b)成分を構成する原材料とこれらの組合せを表6にまとめる。
Figure 2010160229
更に、上述の合成品以外で、上市品で入手可能な脂肪酸金属塩組成物の中から以下のサンプルを使用した。
なお、これらは何れも非イオン性界面活性剤を含有していない。
脂肪酸金属塩組成物脂肪酸金属塩(SA−19):日本油脂社製 ステアリン酸亜鉛 MZ−2
日本油脂社製
脂肪酸金属塩組成物脂肪酸金属塩(SA−20):堺化学工業社製 12ヒドロキシステアリン酸亜鉛 SZ−120HF
堺化学工業社製
脂肪酸金属塩組成物脂肪酸金属塩(SA−21):堺化学工業社製 ステアリルリン酸亜鉛 LBT−1830F
堺化学工業社製
以上、得られた脂肪酸金属塩、SA−1〜17の特性について表7に示した。
(トナー粒子製造例1)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に7.8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 48部
着色剤(C.I.ピグメントレッド 122/C.I.ピグメントレッド 57=1/1) 7部
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01) 0.20部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、
・スチレン 16部
・n−ブチルアクリレート 20部
・ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(融点=66℃、分子量1514)
9.0部
・荷電制御剤[構造式A−(2)] 0.20部
・ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亞合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃) 0.20部
を加えた。
別容器中で上記材料を66℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)3.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.8で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、冷却し、その後10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、減圧乾燥し、その後風力分級し、トナー粒子1を得た。
(トナー粒子製造例2)
着色剤をC.I.C.I.ピグメントブルー15:3に変更した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子2を得た。
(トナー粒子製造例3)
着色剤をC.I.ピグメントイエロー17に変更した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子3を得た。
(トナー粒子製造例4)
着色剤をカーボンブラックに変更した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子4を得た。
(トナー粒子製造例5)
分散媒をリン酸ナトリウム10.4部ならびに10%塩酸を3.3部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に5.8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子5を得た。
(トナー粒子製造例6)
分散媒をリン酸ナトリウム11.5部ならびに10%塩酸を3.7部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に6.4部の塩化カルシウムを溶解した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子6を得た。
(トナー粒子製造例7)
分散媒をリン酸ナトリウム12.7部ならびに10%塩酸を4.1部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に7.1部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子7を得た。
(トナー粒子製造例8)
分散媒をリン酸ナトリウム15.3部ならびに10%塩酸を4.9部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に8.5部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子8を得た。
(トナー粒子製造例9)
分散媒をリン酸ナトリウム18.1部ならびに10%塩酸を5.8部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に10.1部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子9を得た。
(トナー粒子製造例10)
分散媒をリン酸ナトリウム20.6部ならびに10%塩酸を6.6部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に11.5部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子10を得た。
(トナー粒子製造例11)
分散媒をリン酸ナトリウム23.3部ならびに10%塩酸を7.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に13.0部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子11を得た。
(トナー粒子製造例12)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.10部にした以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子12を得た。
(トナー粒子製造例13)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.10部にした以外はトナー粒子5と同様にして、トナー粒子13を得た。
(トナー粒子製造例14)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.10部にした以外はトナー粒子6と同様にして、トナー粒子14を得た。
(トナー粒子製造例15)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.10部にした以外はトナー粒子7と同様にして、トナー粒子15を得た。
(トナー粒子製造例16)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.10部にした以外はトナー粒子8と同様にして、トナー粒子16を得た。
(トナー粒子製造例17)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.10部にした以外はトナー粒子9と同様にして、トナー粒子17を得た。
(トナー粒子製造例18)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.10部にした以外はトナー粒子10と同様にして、トナー粒子18を得た。
(トナー粒子製造例19)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.10部にした以外はトナー粒子11と同様にして、トナー粒子19を得た。
(トナー粒子製造例20)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.30部にした以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子20を得た。
(トナー粒子製造例21)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.30部にした以外はトナー粒子5と同様にして、トナー粒子21を得た。
(トナー粒子製造例22)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.30部にした以外はトナー粒子6と同様にして、トナー粒子22を得た。
(トナー粒子製造例23)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.30部にした以外はトナー粒子7と同様にして、トナー粒子23を得た。
(トナー粒子製造例24)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.30部にした以外はトナー粒子8と同様にして、トナー粒子24を得た。
(トナー粒子製造例25)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.30部にした以外はトナー粒子9と同様にして、トナー粒子25を得た。
(トナー粒子製造例26)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.30部にした以外はトナー粒子10と同様にして、トナー粒子26を得た。
(トナー粒子製造例27)
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01)を0.30部にした以外はトナー粒子11と同様にして、トナー粒子27を得た。
(トナー粒子製造例28)
−−樹脂粒子分散液1の調製−−
・スチレン 75部
・nブチルアクリレート 25部
・アクリル酸 3部
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)2.2部をイオン交換水120部に溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム1.5部を溶解したイオン交換水10部を投入し、窒素置換を行った後、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート(日本油脂社製、商品名「パーシクロND−40E」、分子量:313、10時間半減期温度:41.4℃、活性酸素量:2.05%)1.0部を5分間ゆっくり撹拌しながら更に添加した。その後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が0.29μmである樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液1を調製した。
−−樹脂粒子分散液2の調製−−
・スチレン 40部
・nブチルアクリレート 58部
・ジビニルベンゼン 0.03部
・アクリル酸 3部
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)2.2部をイオン交換水120部に溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム0.9部を溶解したイオン交換水10部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が0.31μmである樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液2を調製した。
−−樹脂粒子分散液3の調製−−
・スチレン 73部
・nブチルアクリレート 25部
・ジビニルベンゼン 0.25部
・アクリル酸 3部
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)2.2部をイオン交換水120部に溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム0.9部を溶解したイオン交換水10部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が0.31μmである樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液2を調製した。
−−着色剤粒子分散液1の調製−−
・C.I.ピグメントレッド122 20部
・アニオン性界面活性剤 3部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 78部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この着色剤粒子分散液1における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
−−離型剤粒子分散液の調製−−
・離型剤 No.5(融点=70℃) 50部
・アニオン性界面活性剤 7部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が0.5μmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液を調製した。
−−帯電制御粒子分散液の調製−−
・ジ−アルキル−サリチル酸の金属化合物 5部
(帯電制御剤、ボントロンN−01、オリエント化学工業社製)
・アニオン性界面活性剤 3部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 78部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この帯電制御粒子分散液1における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる帯電制御粒子の平均粒径は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
<混合液調製>
・樹脂粒子分散液1 280部
・樹脂粒子分散液2 100部
・着色剤分散液1 40部
・離型剤分散液 70部
以上を、撹拌装置,冷却管,温度計を装着した1リットルのセパラブルフラスコに投入し撹拌した。この混合液を1N−水酸化カリウムを用いてpH=5.2に調整した。
<凝集粒子形成>
この混合液に凝集剤として、8%塩化ナトリウム水溶液150部を滴下し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら55℃まで加熱した。この温度の時、樹脂粒子分散液3を3部と帯電制御剤粒子分散液を10部とを加えた。55℃で2時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約3.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
<融着工程>
その後、ここにアニオン製界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3部を追加した後、ステンレス製フラスコ中で磁力シールを用いて撹拌を継続しながら95℃まで加熱し、4.5時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、45℃で流動層乾燥を行い、スプレードライヤーで200〜300℃の気相中に分散させることより形状を調整し、トナー粒子28を得た。
(トナー粒子製造例29)
トナーバインダーの合成
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物660部,ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物100部、テレフタル酸290部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れ、常圧で220℃で12時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で6.5時間反応した後、190℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート180部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次いでプレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量65000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物624部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物100部、テレフタル酸138部、イソフタル酸138部を常圧下、230℃で5時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5.5時間反応して、ピーク分子量6300の変性されていないポリエステル(a)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)250部と変性されていないポリエステル(a)750部とをテトラヒドロフラン溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(1)のテトラヒドロフラン溶液を得た。
トナーの作製
ビーカー内に前記のトナーバインダー(1)のテトラヒドロフラン溶液240部、C.I.ピグメントレッド122顔料4部、帯電制御剤(ボントロンN−01、オリエント化学工業社製)3部、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート(日本油脂社製、商品名「パーシクロND」、分子量:313、10時間半減期温度:41.4℃、活性酸素量:3.58%)1.0部を入れ、55℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.17部を入れ均一に溶解した。ついで55℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに撹拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー粒子29を得た。
(トナー粒子製造例30)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に7.8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 48部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド 122/C.I.ピグメントレッド 57=1/1) 7部
・荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01) 0.20部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、
・スチレン 16部
・n−ブチルアクリレート 20部
・結晶性ポリエステル樹脂1 2.5部
・ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(融点=66℃、分子量1514)
9.0部
・荷電制御剤[構造式A−(2)] 0.20部
・ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亞合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃) 0.20部
を加えた。
別容器中で上記材料を66℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)3.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.8で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、冷却し、その後10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、減圧乾燥し、その後風力分級し、トナー粒子30を得た。
(トナー粒子製造例31)
結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂5に変更し、重合反応終了後、95℃まで1時間で冷却し、95℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷した以外はトナー粒子30と同様にして、トナー粒子31を得た。
(トナー粒子製造例32)
結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂15に変更し、重合反応終了後、95℃まで1時間で冷却し、95℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷した以外はトナー粒子30と同様にして、トナー粒子32を得た。
(トナー粒子製造例33)
結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂6に変更し、重合反応終了後、63.1℃まで1時間で冷却し、63.1℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷した以外はトナー粒子30と同様にして、トナー粒子33を得た。
(トナー粒子製造例34)
結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂7に変更し、重合反応終了後、95℃まで1時間で冷却し、95℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷した以外はトナー粒子30と同様にして、トナー粒子34を得た。
(トナー粒子製造例35)
結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂8に変更し、重合反応終了後、91.7℃まで1時間で冷却し、91.7℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷した以外はトナー製造例30と同様にして、トナー粒子35を得た。
(トナー粒子製造例36)
結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂9に変更し、重合反応終了後、94.3℃まで1時間で冷却し、94.3℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷した以外はトナー粒子30と同様にして、トナー粒子36を得た。
(トナー粒子製造例37)
結晶性ポリエステル樹脂の添加量を25部に変更した以外はトナー粒子34と同様にして、トナー粒子37を得た。
(トナー粒子製造例38)
結晶性ポリエステル樹脂の添加量を19部に変更した以外はトナー粒子34と同様にして、トナー粒子38を得た。
(トナー粒子製造例39)
結晶性ポリエステル樹脂の添加量を4部に変更した以外はトナー粒子37と同様にして、トナー粒子39を得た。
(トナー粒子製造例40)
結晶性ポリエステル樹脂7の添加量を10部に、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(融点=66℃、分子量1514)の添加量を6部にし、重合反応終了後、96.7℃まで1時間で冷却し、96.7℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷するように変更した以外はトナー粒子34と同様にして、トナー粒子40を得た。
(トナー粒子製造例41)
結晶性ポリエステル樹脂7を結晶性ポリエステル樹脂11に変更し、重合反応終了後、95℃まで1時間で冷却し、95℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷した以外はトナー粒子40と同様にして、トナー粒子41を得た。
(トナー粒子製造例42)
結晶性ポリエステル樹脂7を結晶性ポリエステル樹脂12に変更し、重合反応終了後、66.8℃まで1時間で冷却し、66.8℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷したした以外はトナー粒子40と同様にして、トナー粒子42を得た。
(トナー粒子製造例43)
結晶性ポリエステル樹脂7を結晶性ポリエステル樹脂13に変更し、重合反応終了後、73.9℃まで1時間で冷却し、73.9℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷したした以外はトナー粒子40と同様にして、トナー粒子43を得た。
(トナー粒子製造例44)
ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(融点=66℃、分子量1514)を植物蝋(株式会社 加藤洋行製、商品名=「カルナウバ1号」、融点=83℃)に変更した以外はトナー粒子40と同様にして、トナー粒子44を得た。
(トナー粒子製造例45)
ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(融点=66℃、分子量1514)を合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルA2」、融点=101℃)に変更した以外はトナー粒子44と同様にして、トナー粒子45を得た。
(トナー粒子製造例46)
ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(融点=66℃、分子量1514)をパラフィンワックス(日本精鑞社製、商品名=「HNP−9」、融点=76℃)に変更した以外はトナー粒子43と同様にして、トナー粒子46を得た。
(トナー粒子製造例47)
ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(融点=66℃、分子量1514)を合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃)に変更した以外はトナー粒子43と同様にして、トナー粒子47を得た。
(トナー粒子製造例48)
ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(融点=66℃、分子量1514)を白蝋(エヌエスケミカル有限会社製、商品名=「精製白蝋A」、融点=53.3℃)に変更した以外はトナー粒子43と同様にして、トナー粒子48を得た。
(トナー粒子製造例49)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム18部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に10.1部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 48部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド 122/C.I.ピグメントレッド 57=1/1) 7部
・荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01) 0.15部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、
・スチレン 16部
・n−ブチルアクリレート 20部
・結晶性ポリエステル樹脂14 10部
・合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃) 6部
・荷電制御剤[構造式A−(2)] 0.2部
・正帯電性荷電制御樹脂1 1.0部
を加えた。
別容器中で上記材料を66℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)3.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.8で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、87.8℃まで1時間で冷却し、87.8℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷し、その後10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、減圧乾燥し、その後風力分級し、トナー粒子49を得た。
(トナー粒子製造例50)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム18部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に10.1部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 48部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド 122/C.I.ピグメントレッド 57=1/1) 7部
・荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01) 0.15部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、
・スチレン 16部
・n−ブチルアクリレート 20部
・結晶性ポリエステル樹脂14 10部
・非晶性ポリエステル樹脂1 2.5部
・合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃) 6部
・荷電制御剤[構造式A−(2)] 0.2部
・正帯電性荷電制御樹脂2 1.0部
を加えた。
別容器中で上記材料を66℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)3.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.8で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、87.8℃まで1時間で冷却し、87.8℃で1時間保持した後、室温まで反応容器を急冷し、その後10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、減圧乾燥し、その後風力分級し、トナー粒子50を得た。
(トナー粒子製造例51及び52)
非晶性ポリエステル樹脂1を表3に記載された通りにポリエステル樹脂1乃至3にした以外はトナー粒子50と同様にして、トナー粒子51及び52を得た。
(トナー粒子製造例53乃至55)
正帯電性荷電制御樹脂2を正帯電性荷電制御樹脂3に変え、且つ非晶性ポリエステル樹脂1を表3に記載された通りにポリエステル樹脂1乃至3にした以外はトナー粒子50と同様にして、トナー粒子53乃至55を得た。
(トナー粒子製造例56)
非晶性ポリエステル樹脂2を非晶性ポリエステル樹脂4に変えた以外は実施例50と同様にして、トナー粒子56を得た。
(トナー粒子製造例57)
非晶性ポリエステル樹脂2を非晶性ポリエステル樹脂5に変えた以外はトナー粒子50と同様にして、トナー粒子57を得た。
(トナー粒子製造例58)
重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)の添加量3.0部を2.0部に変えた以外はトナー粒子57と同様にして、トナー粒子58を得た。
(トナー粒子製造例59)
重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)の添加量3.0部を2.5部に変えた以外はトナー粒子57と同様にして、トナー粒子59を得た。
(トナー粒子製造例60)
重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)の添加量3.0部を3.5部に変えた以外はトナー粒子57と同様にして、トナー粒子60を得た。
(トナー粒子製造例61)
重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)の添加量3.0部を4.0部に変えた以外はトナー粒子57と同様にして、トナー粒子61を得た。
(トナー粒子製造例62)
スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体 100部
(Tg59.1℃,分子量:Mw57000)
着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
5部
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01) 0.5部
ポリプロピレンワックス(m.p.115℃) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合した後、125℃で二軸混練押出機によって溶融混練を行い、混練物を室温まで徐々に冷却後、カッターミルで粗粉砕、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、風力分級することで、トナー粒子62を得た。
(トナー粒子製造例63)
スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体 100部
(Tg59.1℃,分子量:Mw57000)
着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
5部
荷電制御剤(オリエント:ボントロンN−01) 2.5部
ポリプロピレンワックス(m.p.115℃) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合した後、125℃で二軸混練押出機によって溶融混練を行い、混練物を室温まで徐々に冷却後、カッターミルで粗粉砕、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、風力分級することで、トナー粒子63を得た。
<実施例1>
100部のトナー粒子に、まず疎水性酸化チタン1を0.3部加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、次に疎水性シリカ5を2.0部、脂肪酸金属塩11を0.1部加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー1を得た。得られたトナー1の物性等については表9−1に記載した。
<実施例2乃至92>
表9−1および表9−2に記載されている通り、疎水性シリカや脂肪酸金属塩の種類及び量変更した以外はトナー1と同様にして外添剤を有するトナー2乃至92を得た。得られたトナー2〜92の物性等については表9−1乃至表9−4に記載した。
<比較例1乃至16>
表9−2に記載されている通り、疎水性シリカや脂肪酸金属塩の種類及び量変更した以外はトナー1と同様にして外添剤を有するトナー94乃至109を得た。得られたトナー94乃至109の物性等については表9−4に記載した。
(評価方法)
市販のHL−4040CN(ブラザー株式会社製)のプロセススピードを150mm/sに改造し、評価機とした。また、その市販の1.5Kマゼンタトナーカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明のトナーを80g充填し評価を行った。各評価項目の評価方法及び評価基準は下記の通りであり、実施例1乃至92及び比較例1乃至16についての評価結果を表10−1乃至10−4、11−1、11−2、12−1及び12−2に示す。
カブリの測定は、画像形成装置として後述の評価機を用い、常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)および低温低湿環境下(L/L:温度10℃、湿度10%RH)にて印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久10000枚印字後に各環境下において6日間放置し、その後の1枚目の画像サンプルのカブリ量を東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して測定し、下記式より算出した。数値が小さい程、カブリが少ない。カブリ量が2%以下を実用上問題無しとした。耐久試験に用いた転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
カブリ量(%)=(プリントアウト前の白色度)−(プリント後の記録材の非画像形成部(白地部)の白色度)
ボタ落ちは常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久10000枚印字後、各環境下に6日間放置し、その後1枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:全く発生せず
B:画像上に1つ存在
C:画像上に2〜3つ存在するが実用上問題無し
D:発生し、実用上問題あり
画像濃度低下は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久5000枚目及び8000枚目の画像サンプルについて東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定し、その濃度差を評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:濃度低下なし
B:濃度低下が0.02以下
C:濃度低下が0.03以上0.05以下
D:濃度低下が0.06以上0.07以下
E:濃度低下が0.08以上0.10以下
F:濃度低下が0.11以上
ベタ画像均一性は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて連続印字で耐久試験を行い、10枚目と4000枚目の画像を印字した直後および4000枚印字後7日間各環境下に放置した後に、それぞれ全面ベタチャートを1枚印字し、画像評価を行った。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。画像サンプルについて以下のように評価した。
A:全面が均一にトナーが転写され着色されている
B:画像先端から50mm以降において濃度の薄い個所が部分的に存在する
C:画像先端から50mm以降においてトナーが紙に転写されておらず紙の地肌が露出している箇所が存在する
画像ムラは常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)および低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて連続印字で6000枚印字後、2日間各環境下にて放置し、その後の1枚目のハーフトーン画像について評価を行った。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
評価画像としては、全面に50%濃度のハーフトーン画像を印字している画像を用いた。画像サンプルについて以下のように評価した。
A:画像上にムラは全く無い
B:画像上に軽微にムラが存在するが、実用上問題ない
C:画像上にムラが存在し、実用上問題あり
初期画像濃度は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて連続印字で耐久試験を行い、耐久試験前および耐久試験10枚目、100枚目の画像を印字した直後において、それぞれ全面ベタチャートを1枚印字し、各画像の画像濃度を測定した。画像サンプルの濃度については東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定した。画像濃度が1.20以上の場合を実用上問題無しとした。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:濃度1.30以上
B:濃度1.25以上1.29以下
C:濃度1.20以上1.24以下
D:濃度1.15以上1.19以下
E:濃度1.14以下
定着性は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)にて後述の評価機を用い、マシンおよびトナーを充填したカートリッジが環境になじんだ状態(該環境下に24時間放置後)から電源を入れウェイトアップ直後に200μm幅の横線パターン(横幅200μm、間隔200μm)をプリントアウトし、50枚目のプリント画像を定着性の評価に用いた。定着性の評価は画像をシルボン紙で5往復100g荷重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)の平均で評価した。
評価には表面平滑度10〔sec〕以下のボンド紙を用いた。以下に評価基準を示す。
A…濃度低下率3%未満
B…濃度低下率3%以上5%未満
C…濃度低下率5%以上10%未満
D…濃度低下率10%以上15%未満
E…濃度低下率15%以上20%未満
耐オフセット性は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)にて後述の評価機を用い、マシンおよびトナーを充填したカートリッジが環境になじんだ状態(該環境下に24時間放置後)から電源を入れウェイトアップ直後に全面ベタ画像を100枚プリントアウトし、その画像サンプルについて評価を行った。
評価にはOHPフィルム(CG3700、住友スリーエム株式会社製)を用いた。以下に評価基準を示す。
定着性
A…オフセットは全く発生せず
B…オフセットは極軽微に発生したが実用上問題無し(かつ発生枚数1枚)
C…オフセットは極軽微に発生したが実用上問題無し(かつ発生枚数2枚)
D…オフセットは極軽微に発生したが実用上問題無し(かつ発生枚数3乃至4枚)
E…オフセットが発生し、実用上問題あり
現像ローラーおよびトナー層規制部材へのトナーの融着や固着は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久8000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:全く発生せず
B:軽微に発生したが実用上問題無し
C:発生し、実用上問題あり
フィルミングは常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて連続印字にて耐久試験を行い、初期から耐久2000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:全く発生せず
B:極軽微に発生したが実用上問題無し
C:軽微に発生したが実用上問題無し
D:発生し、実用上問題あり
クリーニング性は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率2%で連続4000枚プリントアウトし、クリーニング性と画質を目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。(クリーニングが良好なものはA、不良なもの、即ち、ブレードの弾性が低下し、トナーがすり抜けることにより画像に黒い横スジが軽微に発生したが、実用上問題の無いものはB、発生し、実用上問題のあるものはCで示した。)
転写効率は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久10000枚印字後、各環境下において2日間放置した後において潜像担持体から中間転写体(1次転写)および中間転写体から転写材(2次転写)への転写効率を測定した。
転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。転写効率の算出方法は以下の通りである。
[転写効率]
10cm2のベタ画像を感光体上に形成し、感光体上のトナーの量(W1)と、転写後の紙上のトナーの量(W2)を用い、両者の比:W2/W1×100(%)より算出した。
耐久試験終了後に、画像面積比5%の帯状ベタ画像の画像形成を行い、その際の転写前のトナー画像におけるトナー量(単位面積あたり)と、転写後のトナー量(単位面積あたり)を測定し、その値から以下のようにして転写効率を算出した。尚、画像形成は、1次転写評価用と2次転写評価用として、それぞれ1枚ずつ行った。
1次転写効率(%)
={(中間転写体上のトナー量)/(感光体上の転写前のトナー量)}×100
A:92%以上
B:88%〜92%未満
C:84%〜88%未満
D:84%未満
Figure 2010160229
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非磁性一成分接触現像をおこなう画像形成装置の概略図である。 非磁性一成分接触現像をおこなう画像形成装置の概略図である。 非磁性一成分非接触現像をおこなう画像形成装置の概略図である。 非磁性一成分非接触現像をおこなう画像形成装置の概略図である。 中間転写ドラムを用い中間転写ドラム上に一次転写された4色のカラートナー画像を記録材に一括して二次転写する際の二次転写手段として、転写ベルトを用いた画像形成装置の概略図である。 脂肪酸金属塩組成物の合成に使用可能な連続反応装置の概略図である。 本発明の実施例に使用した脂肪酸金属塩1の粒度分布である 本発明の実施例に使用した脂肪酸金属塩2の粒度分布である。 本発明の比較例に使用した脂肪酸金属塩14(日本油脂製)の粒度分布である。 本発明の比較例に使用した脂肪酸金属塩15(堺化学製)の粒度分布である。
001 原材料(a)の保持タンク
002 原材料(b)の保持タンク
003 反応装置
007 解砕装置
008 スラリータンク
9 電源
10 潜像担持体(感光ドラム)
11 感光体接触帯電部材(弾性ローラー)
12 電源
13 現像装置
14 トナー担持体
15 弾性ローラ
16 弾性ブレード(規制部材)
17 トナー
24 ブレード支持板金
25 撹拌手段
26 トナー漏れ防止部材
27 電源
29 トナー帯電ローラ(圧接弾性部材)
30 抑圧部材
119 感光ドラム
120 現像装置
121 現像スリーブ
122 非磁性のスリーブ基体
123 マグネット
124 搬送スクリュー
125 搬送スクリュー
126 現像容器
127 現像ブレード
128 二成分系現像剤
129 補給用トナー(非磁性トナー)
130 隔壁
131 補給口
132 バイアス印加手段
R1 現像室
R2 撹拌室
R3 トナー貯蔵室
169 潜像担持体
170 現像装置
171 現像容器
172 現像剤担持
173 供給ローラー
174 現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード
175 撹拌部材
176 非磁性一成分系現像剤
241 感光体
242 帯電ローラー
244 現像器
245 中間転写ドラム
246 転写材
247 転写ベルト
248 クリーニングブレード
249 クリーニング手段
280 クリーニング手段
281 定着器

Claims (36)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に、少なくとも脂肪酸金属塩を外添させたトナーにおいて、
    前記トナー粒子の重量基準平均粒径(D4)をDt(μm)、前記脂肪酸金属塩の体積基準のメジアン径(D50)をDf(μm)としたとき、
    0.02≦Df/Dt≦0.20
    4.0≦Dt≦9.0
    0.15≦Df≦0.90
    の関係を満たし、
    前記トナー粒子の帯電量Q1(mC/kg)、前記脂肪酸金属塩の帯電量Q2(mC/kg)としたとき、
    +20≦Q1≦+150
    15≦|Q1−Q2|≦200
    の関係を満たすことを特徴とするトナー。
  2. 前記Q1−Q2が30≦|Q1−Q2|≦200の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記Q1−Q2が60≦|Q1−Q2|≦180の関係を満たすことを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のトナー。
  4. 前記Q1−Q2が−160≦Q1−Q2≦−60の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記Dfが0.15≦Df≦0.65の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 前記Dfが0.30≦Df≦0.60であり、Dfの変動係数が50以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 前記Dfの変動係数が2以上35以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 前記脂肪酸金属塩は体積基準における5%積算径をD5s、50%積算径をD50s、95%積算径をD95sとした時、(D95s−D5s)/D50s≦1.55であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 下記関係式を満たすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
    |Q1−Q2|≧1400×(Dv/D4)−120
  10. 前記トナーは、前記脂肪酸金属塩の遊離率が1.0%以上25.0%以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  11. 前記トナーは、前記脂肪酸金属塩の遊離率が2.0%以上20.0%以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナー。
  12. 前記脂肪酸金属塩は炭素数が12以上の脂肪酸を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 前記脂肪酸金属塩はステアリン酸金属塩を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
  14. 前記脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 前記脂肪酸金属塩は遊離脂肪酸が0.20%以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  16. 前記脂肪酸金属塩が少なくとも非イオン性界面活性剤を含有するとこを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  17. 前記非イオン性界面活性剤がエーテル型の界面活性剤であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のトナー。
  18. 前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のトナー。
  19. 前記非イオン性界面活性剤のHLB値が5.0以上15.0以下の範囲にあるポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載のトナー。
  20. 前記脂肪酸金属塩中の前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの含有量が10ppm以上500ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のトナー。
  21. 前記脂肪酸金属塩の融点が122.0℃以上130.0℃未満であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載のトナー。
  22. 前記脂肪酸金属塩のトナー粒子100質量部に対する添加量が0.05質量部以上0.50質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載のトナー。
  23. 前記トナーはフローテスターにおける100℃時の粘度が6000Pa・s以上65000Pa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載のトナー。
  24. 前記トナーのフロー式粒子像分析装置による平均円形度が0.960以上0.995以下であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー。
  25. 前記トナー粒子は、少なくとも重合性単量体、着色剤、極性樹脂及び離型剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して造粒し、重合性単量体を重合させることにより生成されたトナー粒子であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載のトナー。
  26. 該トナー粒子は懸濁重合で製造されることを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載のトナー。
  27. 前記トナーが非磁性一成分現像剤であることを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載のトナー。
  28. 該トナーが正帯電性荷電制御樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載のトナー。
  29. トナー供給部材によりトナー担持体にトナーを供給し、トナー担持体上に薄層を形成させるための規制部材によりトナー層を形成し、感光体に非接触もしくは接触して現像するトナー担持体によりトナーを現像して感光体上にトナー像を得る画像形成方法において、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に、少なくとも脂肪酸金属塩を外添させたトナーであって、
    前記トナー粒子の重量基準平均粒径(D4)をDt(μm)、前記体積基準のメジアン径(D50)をDf(μm)としたとき、
    0.02≦Df/Dt≦0.20
    4.0≦Dt≦9.0
    0.15≦Df≦0.90
    の関係を満たし、
    前記トナー粒子の帯電量Q1(mC/kg)、前記脂肪酸金属塩の帯電量Q2(mC/kg)としたとき、
    +20≦Q1≦+150
    15≦|Q1−Q2|≦200
    の関係を満たすことを特徴とする画像形成方法。
  30. 感光体上のトナー画像を中間転写体を介して転写材上にトナー画像を転写される工程を有することを特徴とする請求項29に記載の画像形成方法。
  31. 該トナーは、請求項2乃至28のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする請求項29又は30に記載の画像形成方法。
  32. トナー供給部材によりトナー担持体にトナーを供給し、トナー担持体上に薄層を形成させるための規制部材によりトナー層を形成し、感光体に非接触もしくは接触して現像するトナー担持体によりトナーを現像して感光体上にトナー像を得、該トナー像を転写材に転写することにより画像を形成させる画像形成装置において、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に、少なくとも脂肪酸金属塩を外添させたトナーであって、
    前記トナー粒子の重量基準平均粒径(D4)をDt(μm)、前記体積基準のメジアン径(D50)をDf(μm)としたとき、
    0.02≦Df/Dt≦0.20
    4.0≦Dt≦9.0
    0.15≦Df≦0.90
    の関係を満たし、
    前記トナー粒子の帯電量Q1(mC/kg)、前記脂肪酸金属塩の帯電量Q2(mC/kg)としたとき、
    +20≦Q1≦+150
    15≦|Q1−Q2|≦200
    の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  33. 該画像形成装置が中間転写体を有することを特徴とする請求項32に記載の画像形成装置。
  34. 該トナーは、請求項2乃至28のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする請求項32又は33に記載の画像形成装置。
  35. トナーを収容するための現像剤容器と、該現像剤容器の開口部に設けられたトナー担持体と、該トナー担持体とニップを形成し該トナー担持体上に担持されているトナーの層厚を規制し、且つ該トナーを摩擦帯電させるためのトナー規制部材と、該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材とを有する現像ユニットにおいて、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に、少なくとも脂肪酸金属塩を外添させたトナーであって、
    前記トナー粒子の重量基準平均粒径(D4)をDt(μm)、前記体積基準のメジアン径(D50)をDf(μm)としたとき、
    0.02≦Df/Dt≦0.20
    4.0≦Dt≦9.0
    0.15≦Df≦0.90
    の関係を満たし、
    前記トナー粒子の帯電量Q1(mC/kg)、前記脂肪酸金属塩の帯電量Q2(mC/kg)としたとき、
    +20≦Q1≦+150
    15≦|Q1−Q2|≦200
    の関係を満たすことを特徴とする現像ユニット。
  36. 該トナーは、請求項2乃至28のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする請求項35に記載の現像ユニット。
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