JP4065514B2 - トナーおよび画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体上に形成された潜像に現像剤を付着させて可視化する電子写真方式や静電記録方式などの複写機、プリンタ等の画像形成装置に使用されるトナーおよび画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法として多数の方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。一般には静電荷像担持体を光導電性物質により感光体とし、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写したのち、熱・圧力等により転写材上にトナー像を定着して複写物を得るものである。さらに感光体上に転写せずに残ったトナーは種々の方法によりクリーニングまたは回収して再利用され、上述の工程が繰り返される。
【0003】
近年は電子写真によるフルカラー画像形成装置が盛んに提案され、ニーズも高まっている。基本的にはイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及び必要に応じてブラックトナーとを組合せたものである(例えば、特許文献3参照。)。フルカラーコピー画像は、3色あるいはブラックを含めた4色のトナーが順次転写紙上に重ね合わされる様になっており、現像特性、帯電安定性、転写特性が画像品質を決定する重要な因子である。カラー複写機やカラーレーザープリンタ等画像形成装置が広く普及するに伴い、その用途も多種多様に拡がり、その画像品質や生産性への要求も厳しくなってきている。そこで、それら因子をさらに改善することが開発の最重要課題である。また、それは環境に負荷をかけない方法で達成することが必要である。
【0004】
例えば、トナー劣化防止の手段としては粒径の異なる2種類の外添剤を添加することが提案されている(例えば、特許文献4、5、6、7参照。)。しかしながら、それら提案をそのままカラー画像形成方法に応用しても、高画質や高耐久性といったニーズに応えられない場合がある。なぜなら、カラー画像の場合、複数色を重ね合わせることで形成されることから、僅かなトナー劣化や部材汚染が品質に悪影響を及ぼしやすいからである。特に、各プロセスの速度を高速化してプリントのスピードアップを図るときには、これまで以上の改良が必要である。例えば、プロセススピードを高速化するとき、静電荷像担持体の帯電均一性を保つため、帯電ACのVppを高める必要が生じたりするが、それは部材汚染に対して不利な方向であり、トナーの高速対応が必要になる。他の方法として、3種類以上の外添剤を添加することでトナー劣化を防止する提案がなされている(例えば、特許文献8、9、10、11、12参照。)。しかしながら、それによって必ずしも高速出力のカラー高画質化が図られるわけでなく、逆に部材汚染等の弊害が起きやすくなる場合がある。
【0005】
【特許文献1】
特公昭42−23910号公報
【特許文献2】
特公昭43−24748号公報
【特許文献3】
特公昭53−47176号公報
【特許文献4】
特公平2−45188号公報
【特許文献5】
特開平8−36316号公報
【特許文献6】
特開平11−095485号公報
【特許文献7】
特開平11−272008号公報
【特許文献8】
特開2000−3068号公報
【特許文献9】
特開2000−275900号公報
【特許文献10】
特開2000−321812号公報
【特許文献11】
特開2000−352837号公報
【特許文献12】
特開2001−209208号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記状況を鑑み、電子写真装置特にカラー電子写真装置において、高速プロセススピード対応、高画質、高耐久、優れた環境安定性を備えたトナーおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。
【0008】
すなわち、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有成分とするトナー母体粒子と、該母体粒子表面に付着した外添剤とで構成されたトナーにおいて、
該外添剤は、少なくとも2種類のシリカ微粒子と少なくとも1種類のチタニア微粒子であり、該シリカ微粒子のうちで最もBET比表面積の小さいシリカ微粒子(a)と、その次にBET比表面積の小さいシリカ微粒子(b)のBET比表面積の差が30m2/g以上であり、シリカ微粒子(a)と(b)それぞれ共にシランカップリング剤処理が施され、かつ共にシリコーンオイル処理が施されており、オイル処理量はそれぞれ未処理のシリカ微粒子母体100質量部に対して2質量部乃至40質量部であり、未処理時のシリカ微粒子母体のBET比表面積1m2当たりのオイル処理量について、シリカ微粒子(a)はシリカ微粒子(b)に対して0.7倍乃至90倍であり、トナー母体粒子100質量部当たりの(a)の添加質量部に対する(b)の添加質量部が、0.2倍乃至5.0倍であり、
該チタニア微粒子のうちで最もBET比表面積の大きいものは、少なくともカップリング処理が施されており、該チタニア微粒子のトナー母体粒子100質量部当たりの添加量が0.05乃至1.0質量部であり、
該トナーの重量粒子径分布から算出される平均粒子径が3乃至9μmであり、12.7μm以上の割合が2%以下であることを特徴とするトナーによって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有成分とするトナー母体粒子と、該母体粒子表面に付着した外添剤とで構成されたトナーにおいて、
該外添剤は、少なくとも2種類のシリカ微粒子と少なくとも1種類の酸化チタン微粒子であり、該シリカ微粒子のうちで最もBET比表面積の小さいシリカ微粒子(a)と、その次にBET比表面積の小さいシリカ微粒子(b)のBET比表面積の差が30m2/g以上であり、シリカ微粒子(a)と(b)それぞれ共にシランカップリング剤処理が施され、かつ共にシリコーンオイル処理が施されており、オイル処理量はそれぞれ未処理のシリカ微粒子母体100質量部に対して2質量部乃至40質量部であり、未処理時のシリカ微粒子母体のBET比表面積1m2当たりのオイル処理量について、シリカ微粒子(a)はシリカ微粒子(b)に対して0.7倍乃至90倍であり、トナー母体粒子100質量部当たりの(a)の添加質量部に対する(b)の添加質量部が、0.2倍乃至5.0倍であり、
該酸化チタン微粒子のうちで最もBET比表面積の大きいものは、少なくともカップリング処理が施されており、該酸化チタン微粒子のトナー母体粒子100質量部当たりの添加量が0.05乃至1.0質量部であり、
該トナーの重量粒子径分布から算出される平均粒子径が3乃至9μmであり、12.7μm以上の割合が2%以下であることを特徴とするトナー使用することで、高速および多数枚のプリントによるトナー劣化あるいは帯電部材汚れ等の部材汚染を効果的に抑制し、転写効率やベタ画像の均一性向上が図られ、さらに各種部材を長寿命化することができる。
【0010】
BET比表面積の異なる2種以上のシリカを用いることで、BETの小さなシリカがスペーサー粒子の働きをして劣化を防止し、BETの大きなシリカによって帯電コントロールと流動性付与という効果をトナーにもたらすことができる。しかし、そのようなトナーを接触帯電あるいは接触転写系のプロセスに適用する場合、さらにそれらを高速のプリンターや複写機に応用する場合には、トナー劣化防止や転写特性改善性を維持しつつ、汚染等の弊害を高度にコントロールしなければならない。そのことは、最大のBET比表面積のシリカ微粒子(a)と、その次にBET比表面積の大きいシリカ微粒子(b)のBET比表面積の差が、30m2/g以上であり、シリカ微粒子(a)と(b)それぞれ共にシランカップリング剤処理が施され、かつ共にシリコーンオイル処理が施されており、オイル処理量はそれぞれ未処理のシリカ微粒子母体100質量部に対して2質量部乃至40質量部であり、未処理時のシリカ微粒子母体のBET比表面積1m2当たりのオイル処理量について、シリカ微粒子(b)はシリカ微粒子(a)に対して0.7倍乃至90倍であり、トナー母体粒子100質量部当たりの(a)の添加質量部に対する(b)の添加質量部が、0.2乃至5.0倍であるような、2種以上のシリカ微粒子をトナーに外添することで達成される。
【0011】
共にシランカップリング処理することで、環境安定性と高耐久性を満足させ、さらに共にオイル処理を施すことで、オイルの離型作用によって耐部材汚染を達成する。共にシランカップリング処理のみの場合、高速プリントを実現するためにプロセススピードを高めるにつれて、接触部における汚染が顕著になる。あるいは共にオイル処理のみの場合、現像剤への負荷が大きくなるにつれて、劣化による環境変動が大きくなる。オイルの下層にも疎水下層を設けることで、高耐久性が達成されたものと思われる。部材汚染は、粒径が大きくBETの小さなシリカが特に顕著であることが検討により明らかとなったが、各プロセスが高速で作動する場合においては、BETの大きなシリカ微粒子についても部材付着が厳しくなることから、共にオイル処理をすることが必要となる。さらに優れた効果として、シリカ微粒子(a)と(b)それぞれ共にシランカップリング剤処理が施され、かつ共にシリコーンオイル処理が施された場合、ベタ画像の転写性改善の効果をもたらすことを発見した。特に、カラーにおける二次色以上のベタ画像、すなわち、2色以上のトナーを重ね合わせた画像を転写する際に、転写効率が向上して画像が均一となり、高画質なカラー画像が作れることを見出した。それは、初期から観察された現象なので、シリカ微粒子(a)と(b)それぞれ共にシランカップリング剤処理が施され、かつ共にシリコーンオイル処理が施された場合の新たな効果であると考えられる。
【0012】
シリカ微粒子(a)と(b)は、スペーサー粒子としての機能と流動性付与という働きを分離するため、BET比表面積の差が30m2/g以上必要である。
【0013】
オイル処理量はそれぞれ未処理のシリカ微粒子母体を基準とした100質量部に対して、2質量部乃至40質量部が適量である。オイル処理量が少なすぎると、離型効果が弱まるので部材汚染が発生しやすくなる。一方多すぎると、逆にオイルによる汚染が発生したり、転写性が悪化する。
【0014】
さらには、未処理時のシリカ微粒子母体のBET比表面積1m2当たりのオイル処理量について、シリカ微粒子(b)はシリカ微粒子(a)に対して0.7倍乃至90倍であるように設計する必要がある。
【0015】
それが0.7倍よりも小さいと、オイル処理量が2質量部乃至40質量部の範囲であっても、BETの小さいシリカ微粒子の接触帯電部材への付着が急激に増える現象が観察される。帯電バイアスは、交流に直流を重畳させることが一般的だが、交流の周波数やVppによって付着の程度が変化するので、ミクロな領域でのシリカに対する電気的な何らかの作用が、そのような現象を引き起こしているものと推測されるが、詳しいメカニズムはわかっていない。また、その現象は、プロセススピードが高速になるほど顕著になる。90倍を超えると、連続通紙によるトナー帯電性の変動が大きくなる現象が観察された。シリカ(a)と(b)の表面当たりのオイル量の差が大きすぎるので、現像剤への負荷が長時間続いたときに、シリカ微粒子の物性変動が大きくなってしまうことを予想している。
【0016】
シリカ微粒子の添加量については、スペーサー粒子としての機能と流動性付与という働きをそれぞれ明瞭に発揮させるために、トナー母体粒子100質量部当たりの(a)の添加質量部に対する(b)の添加質量部が、0.2乃至5.0倍であることが必要である。その範囲外であると、どちらかの微粒子の効果が埋没してしまう。
【0017】
上記シリカ2種に加えて、カップリング処理された酸化チタンを添加すると、静電荷像担持体であるドラム感光体や、中間転写ベルト等の各種部材の寿命が延びることが見出された。検討から、転写残トナーが重要であることがわかった。転写残トナーを回収する方法は種々提案されているが、いずれも回収しきれないごく僅かのトナーや外添剤が存在する。通常、未回収の転写残物質は弊害を起こす可能性のほうが高いが、上記シリカおよび酸化チタンがその回収されなかったものの中に含まれると、潤滑剤として作用して各種部材の削れや磨耗を抑制することを示唆する結果を得た。その効果はオイル処理されたシリカ微粒子と併用することで発現するので、シリカ表面のオイルも同様に各種部材に微量に塗布され、そこに酸化チタンが存在することで明瞭な潤滑性が現れるものと思われる。粒径の小さな、即ちBET比表面積の大きな酸化チタンほど潤滑効果が大きい。なお、2種以上の酸化チタン微粒子を併用する場合、最もBET比表面積の大きいものは、少なくともカップリング処理が施されていることが必要である。シランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって処理されていないと、潤滑効果が薄れるのみならず、部材汚染の原因にすらなり得る。潤滑効果を発揮させるには、トナー母体粒子100質量部当たり酸化チタン微粒子を0.05質量部以上添加する必要がある。酸化チタン微粒子添加量が1.0質量部を超えると、本発明の特徴のひとつである高速プリント時における高い転写性能が悪化し始める。
【0018】
さらに、トナーの重量粒子径分布から算出される平均粒子径が3乃至9μmであり、12.7μm以上の割合が2%以下であることで、転写効率がより高くなり、がさつきが改善する。12.7μm以上の割合が2%を超えると、がさつきが目立つ領域となり、また、添加した酸化チタンのトナーからの遊離が必要以上に起こり、画像欠陥を起こす場合がある。粒径が大きいと、質量あたりの帯電量が低くなる方向であるので、転写性やトナー母体−外添剤間の電気的相互作用に影響を及ぼすものと推測される。
【0019】
より好ましいシリカ微粒子の条件は、シリカ微粒子(a)のBET比表面積が15m2/g乃至150m2/gであり、シリカ微粒子(b)のBET比表面積が70m2/g乃至300m2/gである。それによって、それぞれのシリカがより効果的な役割を果たす。
【0020】
また、より好ましい上記酸化チタン微粒子のBET比表面積は、5m2/g乃至150m2/gである。150m2/gを超える酸化チタンを添加すると、印字比率の高い画像(例えば紙面積に対して90%以上)を連続して流すと、クリーニングの適正範囲が狭くなる現象が観察され、設計の柔軟性が減少する方向である。また、5m2/gを下回ると、潤滑作用が薄れていく。さらに好ましくは、50m2/g乃至130m2/gの範囲である。
【0021】
以上説明したシリカや酸化チタンのBET比表面積は、カップリング剤やオイルによって表面処理された、最終使用形態での値である。
【0022】
また、トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される平均円形度が0.950乃至1.000であり、円形度標準偏差が0.040未満である場合、帯電安定性、部材汚染、転写効率等がより良好となる。特に、高プロセススピードでの二次転写効率が良化し、がさつきの少ないベタおよびハーフトーン画像を効率よく出力することができる。また、トナー母体は、水系媒体で製造されるスチレン系重合トナーを用いることが、酸化チタンの潤滑効果を引き出すので、より好ましい。
【0023】
なお、帯電は該静電荷像担持体と接触するローラーで行われることが、生産性と環境安定性、さらに設計性の観点から好ましい。帯電ローラーの硬度としては、硬度が低過ぎると形状が安定しないために、被帯電体との接触によって永久変形して所望のローラー形状を確保できなくなり、高過ぎると被帯電体との間に均一な帯電接触部を確保できないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が悪くなる。このため、帯電ローラーの硬度としてはアスカーC硬度(高分子計器株式会社)で25度〜50度が好ましい範囲である。帯電ローラー材質は、弾性体の材料としてEPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、NBR、シリコーンゴム、IR、ウレタン等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材又はこれらを発泡させたものが用いられる。尚、特に導電性物質を分散しないで、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整することも可能である。帯電ローラーの当接圧は、5〜300N/mが好ましい範囲である。
【0024】
本発明においては、帯電を上記ローラーで行うことと、静電荷像担持体あるいはあるいは転写ベルトあるいは中間転写ベルトの少なくとも1ヶ所に、転写残トナーを回収するクリーニングブレードが具備されていることがさらに好ましい。クリーニングブレードや接触帯電ローラーは、基本的に被接触部材を磨耗する大きな要因である。しかし、その条件で本発明のトナーを用いると、転写効率がさらに向上することがわかった。磨耗は、本発明の潤滑効果で従来より抑制されるので、このような使い方によってトータルバランスの非常に優れたカラー電子写真装置が設計できるようになる。クリーニングブレードによってシリカ表面のオイルと酸化チタンとが、極微量であるがブレードの被接触部材に均一に塗布され、さらに接触帯電ローラーによって凹凸がならされ、その上にトナー画像が形成されていると、転写がスムーズに行われることを予想している。一次転写のみでメディア上へのトナー画像形成を行う場合、クリーニングブレードは感光体もしくはメディアを搬送する転写ベルトの少なくともどちらか一方に具備されていればよい。転写ベルトのみにクリーニングブレードが具備されてる場合でも、メディアが無い状態のときに転写ベルトと感光体が接触することで効果が得られる。二次転写を経てトナー画像形成を行う場合においても、同様の理由で感光体もしくは中間転写ベルトの少なくともどちらか一方にクリーニングブレードが具備されていればよい。
【0025】
本発明は、一成分現像および二成分現像いずれにも適用できるが、非磁性トナーおよび磁性キャリアとからなる現像剤によって行われることが、高速かつ高画質プリントを長期間維持することに有利に働くので好ましい。磁性キャリアとしては、鉄等の元素単独又は複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの形状として、球状、扁平又は不定形がある。更に磁性キャリア粒子表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ、磁性キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いられている。磁性キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリアを得る方法も利用することが可能である。本発明では、マグネタイト等の磁性無機酸化物等とモノマーなどの有機化合物とを混合し、水系媒体中で重合して作られた、磁性体分散型樹脂キャリアを使用することが特に好適である。形状が球形であることから、トナーにダメージを与え難く、本発明の効果が長期間持続するからである。
【0026】
本発明のトナーは、非磁性トナーおよび磁性キャリアとからなる二成分現像剤と補給用現像剤とからなる現像方式であって、該補給用現像剤中には磁性キャリアを含み、現像器中の劣化キャリアは順次回収されて、補給用現像剤のフレッシュなキャリアが順次補給されるオートリフレッシュ現像方式に好適である。オートリフレッシュ現像方式による長期安定性が、本発明のトナーによってより引き立つからである。例えば、印字比率の低いプリントが続いた後に印字比率の高いプリントがなされた際の急激な現像剤補給においても、トナー劣化抑制により帯電量変動を制御することができる。
【0027】
本発明において、トナーの平均粒子径は、コールターカウンタを用いて測定を実施した。即ち測定装置としては、コールターカウンタTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。それから本発明に関わる、個数分布から求めた5.04μm未満の割合を求めた。
【0028】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
【0029】
BET比表面積の測定は、脱ガス装置バキュプレップ061(マイクロメソティック社製)、BET測定装置ジェミニ2375(マイクロメソティック社製)等公知の装置を用いて行う。本発明におけるBET比表面積は、一点法BET比表面積の値である。具体的には、以下のような手順で行う。
【0030】
空のサンプルセルの重量を測定した後、測定試料を0.01±0.002gの間に入るように充填する。さらに、脱ガス装置に、試料が充填されたサンプルセルをセットし、室温で3時間脱ガスを行う。脱ガス終了後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。次に、BET測定装置のバランスポートおよび分析ポートに空のサンプルセルをセットする。所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに脱ガス調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量およびP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
【0031】
本発明におけるトナーの円相当径、円形度、及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
【0032】
【数1】
【0033】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0034】
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0035】
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0036】
【数2】
【0037】
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cと円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
【0038】
【数3】
【0039】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
【0040】
トナー粒子の形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなるように該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナー粒子の円相当径や円形度頻度分布等を求める。
【0041】
本発明のトナーを製造する方法は、公知の製造法を用いることができる。特に、本発明をより効果的なものとする球形トナーを容易に得ることができる、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー粒子の製造などが好適である。また、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in situ重合法、コアセルベーション法などの製造も挙げられる。さらに、特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている様な、少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望のトナーを得る界面会合法なども挙げられる。あるいは、粉砕法によって得られたトナーを、機械的衝撃力で球形化する方法などが挙げられる。
【0042】
中でも、小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合方法が特に好ましい。トナー粒子の製造方法として懸濁重合を利用する場合には、以下の如き製造方法によって直接的にトナー粒子を製造することが可能である。
【0043】
単量体中に着色剤,重合開始剤,架橋剤,その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に通常の攪拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように攪拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜90℃(好ましくは55〜85℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じPH変更しても良い。本発明では、更に、トナーの定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
【0044】
以下に重合法トナーの材料に関して記載する。
【0045】
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、主に単官能性重合性単量体を使用する。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
【0046】
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて使用する。
【0047】
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0048】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0049】
重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0050】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。通常単量体組成物100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒体として使用するのが好ましい。
【0051】
有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が使用される。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部を使用することが好ましい。
【0052】
その他好ましく用いられる分散安定剤としては、硫酸,炭酸,燐酸,ピロ燐酸,ポリ燐酸の難水溶性金属塩があり、これらは分散媒中で高速攪拌下において酸アルカリ金属塩とハロゲン化金属塩との反応によって調製されることが好ましい。
【0053】
これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0054】
本発明において縮合系化合物をトナー材料として用いる場合、その製造方法としては、例えば、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル付加反応に代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、エステル交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
【0055】
該縮合系化合物の特に好ましい製造方法は、原料の多用性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。この場合、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(I)
【0056】
【化1】
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は2〜10を示す。)
で示されるビスフェノール誘導体、又は下記式(II)
【0057】
【化2】
で示されるジオールの如きジオール類が挙げられる。
【0058】
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−P・P’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ジフェニルメタン−P・P’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸,1,2−ジフェノキシエタン−P・P’−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0059】
特に好ましい該縮合系化合物のアルコール成分としては前記(I)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。
【0060】
該縮合系化合物は、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能である。場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
【0061】
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
【0062】
3価以上のトリオールとしては、スルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
【0063】
水系媒体中で直接的にトナー粒子を生成する場合には、重合性単量体100質量部に対して1乃至30質量部(より好ましくは、2〜25質量部)極性樹脂を配合し、トナー粒子に含有されるのが良い。
【0064】
本発明において用いられるトナーの離型剤としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、ケトンワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体等の低軟化点物質が挙げられ、これらは低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。また、これら2種類以上のブレンドでも構わない。
【0065】
好ましく用いられるワックスとしては、炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいは、モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好ましい。
【0066】
さらに、好ましく用いられるワックスは、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又は、その他の触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキレンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離精製したもの、;一酸化炭素及び水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの蒸留残分から、あるいは、蒸留残分を水素添加して得られる合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリメチレンワックスが挙げられる。これらワックスには酸化防止剤が添加されていてもよい。定着画像の透光性を向上させるためには、固体エステルワックスが好ましい。水系媒体中で直接的にトナー粒子を生成する場合には、重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部(より好ましくは、3〜30質量部)配合し、トナー粒子に含有されるのが良い。
【0067】
本発明に用いられる着色剤は、カーボンブラックあるいは以下に示したような公知のイエロー/マゼンタ/シアン着色剤が利用される。
【0068】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168、180等が好適に用いられる。
【0069】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、146、166、150、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0070】
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用される。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐侯性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
【0071】
本発明のトナーは、荷電制御剤を含有しても良い。例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン等が挙げられる。
【0072】
あるいは、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
【0073】
シリカは、出発材料あるいは温度等の酸化の条件により、ある程度任意に、一次粒子の合一をコントロールできる。例えば、かかるシリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-の如き製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能である。
【0074】
シリカ微粒子の疎水化処理は、シランカップリング剤によって行われる。シランカップリング剤は、無機酸化物微粒子上の残存基あるいは吸着水と反応し均一な処理が達成され、トナーの帯電の安定化,流動性付与の点で好ましい。
【0075】
シランカップリング剤は、例えば下記一般式
Rm SiYn
R:アルコキシ基
m:1〜3の整数
Y:アルキル基
ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基
n:1〜3の整数
で表されるものが挙げられる。例えばビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,イソブチルトリメトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン,トリメチルメトキシシラン,ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン,フェニルトリメトキシシラン,n−ヘキサデシルトリメトキシシラン,n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0076】
より好ましくは、
CaH2a+1−Si(OCbH2b+1)3
a=4〜12、b=1〜3
である。ここで、一般式におけるaが4より小さいと、処理は容易となるが疎水性が十分に達成できない。またaが12より大きいと疎水性は十分になるが、粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下してしまう。bは3より大きいと反応性が低下して疎水化が十分に行われなくなってしまう。したがって上記一般式におけるaは4〜12、好ましくは4〜8、bは1〜3、好ましくは1〜2が良い。
【0077】
窒素元素を含むシランカップリング剤としては、反応制御のしやすさといったハンドリング性の見地から、また、帯電安定性の観点からヘキサメチルジシラザンが好ましい。
【0078】
その処理量は100質量部に対して1〜50質量部、粒子合一させずに均一に処理するためには3〜40質量部とするのが好ましい。
【0079】
本発明におけるシリカ微粒子に関しては、上記疎水化処理をしたシリカにさらにオイル処理を行う。オイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーンオイル、パラフィン、ミネラルオイル等が使用できるが、なかでも環境安定性に優れたジメチルポリシロキサンが好適である。
【0080】
シリカ微粒子は、トナー母体100質量部に対して、0.05質量部〜2.5質量部までの添加量が好ましい使用範囲である。
【0081】
酸化チタンの製法としては何ら制約はないが、ハロゲン化物あるいはアルコキシドを気相下で酸化する方法、あるいは水存在下で加水分解しながら生成する方法などが使用できる。例えば、アモルファス酸化チタンあるいはアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンなどを用いることができる。また、それら酸化チタン微粒子は、シリカ同様の疎水化処理を行うことができる。
【0082】
本発明のトナーにおいては、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤、酸化アルミニウム粉末の如きケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0083】
本発明が適用可能な画像形成方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0084】
図1の現像器4は、二成分接触現像装置(二成分磁気ブラシ現像装置)であり、マグネットローラを内包した現像スリーブ41上にキャリアとトナーからなる現像剤を保持している。現像スリーブ41には所定間隙を有して、現像剤規制ブレード42が設けられ、現像スリーブ41の矢印C方向に回転に伴い、現像スリーブ41上に現像剤薄層を形成する。現像スリーブ41は、感光ドラム1と所定間隙を有するように配置され、現像時においては、現像スリーブ41上に形成された現像剤薄層が、感光ドラム1に対して接触する状態で現像できるように設定されている。現像器4内には、現像剤攪拌用の撹拌スクリュー43、44があり、スリーブ回転と同期して回転し、補給されたトナーとキャリアを攪拌しトナーに所定のトリボを与える機能を有している。現像剤供給ユニット(以下T−CRG)5内には、トナー補給スクリュー51があり、回転数(回転時間)によりトナー補給量を制御している。
【0085】
図2は現像器4を上方から見た図であり、現像剤の循環状態と、長手配置を示している。スクリュー43、44の回転に伴い矢印方向に現像剤は循環する。現像器4のスクリュー44の上流側壁面には、現像剤の透磁率変化を検出して現像剤中のトナー濃度を検知するセンサー44を設けられており、そのセンサー44のやや下流側にトナー補給開口が設けられている。現像動作を行った後に現像剤がセンサー44部に運ばれここでトナー濃度を検知し、その検知結果に応じて現像剤中のトナー濃度を一定に維持するために、T−CRG5から現像器4の開口46を通してトナー補給が行われる。補給されたトナーは矢印方向にスクリュー44により搬送され、キャリアと混ざり合い適度なトリボを付与された後にスリーブ41近傍に運ばれ、現像スリーブ41上で薄層形成され現像に供される。
【0086】
図3に示すカラーレーザープリンタは、複数個のプロセスカートリッジ7を有し、一旦第2の画像担持体である中間転写ベルト8に連続的に多重転写し、フルカラープリント画像を得る4連ドラム方式(インライン)プリンタである。図3において無端状の中間転写ベルト8が、駆動ローラ8a、テンションローラ8b及び2次転写対向ローラ8cに懸架され、図中矢印の方向に回転している。
プロセスカートリッジ(以下P−CRG)7は、上記中間転写ベルト8に直列に各色に対応し4本配置されている。
【0087】
以下、P−CRG7について説明する。
【0088】
イエロートナーを現像するP−CRG7内に配置される、感光ドラム1はその回転過程で、1次帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の画像露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャンによる走査露光系等)による画像露光3を受けることにより目的のカラー画像の第1の色成分像(イエロー成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0089】
次いで、その静電潜像が第1現像器4(イエロー現像器)により第1色であるイエロートナーにより現像される。感光ドラム1上に形成されたイエロー画像は、中間転写ベルト8との1次転写ニップ部へ進入する。転写ニップ部では中間転写ベルト8の裏側にローラー状の電圧印加部材9を接触当接させている。電圧印加部材9には各ポートで独立にバイアス印加可能とするため、1次転写バイアス源9a〜9dを有している。中間転写ベルト8は1色目のポートでまずイエローを転写し、次いで先述した同様の工程を経た、各色に対応する感光ドラム1より順次マゼンタ、シアン、ブラックの各色を各ポートで多重転写する。中間転写ベルト8上で形成された4色フルカラー画像は、次いで2次転写ローラー10により、転写材Pに一括転写され、不図示の定着装置によって溶融定着されカラープリント画像を得る。
【0090】
図4は、転写残トナー回収を兼ねる現像手段を用いたカラーレーザープリンタの一例である。図4に示すカラーレーザープリンタは、複数の第一の静電荷像担持体である感光体ドラム411を有し、順次、第2の像担持体である中間転写ベルト466に連続的に多重転写し、フルカラープリント画像を得る4連ドラム方式(タンデム方式)プリンタである。
【0091】
図4において無端状の中間転写ベルト466が、駆動ローラ466a、テンションローラ466b及び2次転写対向ローラ466cに懸架され、図中矢印の方向に回転している。
【0092】
感光体ドラム411は、上記中間転写ベルト466の移動方向に、直列に各色に対応し4本配置されている。
【0093】
イエロー現像器を有する感光体ドラム1は回転過程で、1次帯電ローラ422により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の画像露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャンによる走査露光系等)による画像露光433を受けることにより目的のカラー画像の第1の色成分像(イエロー成分像)に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像が第1現像器444(イエロー現像器)により第1色であるイエロートナーにより現像される。
【0094】
感光体ドラム1上に形成されたイエロー画像は、中間転写ベルト466との1次転写ニップ部へ進入する。転写ニップ部では中間転写ベルト466の裏側に電圧印加部材477を接触当接させている。電圧印加部材477には各ポートで独立にバイアス印加可能とするため、1次転写バイアス源477a〜477dを有している。中間転写ベルト466は1色目のポートでまずイエローを転写し、次いで先述した工程を経た、各色に対応する感光体ドラム1より順次マゼンタ、シアン、ブラックの各色を各ポートで多重転写する。感光ドラム1上に残されたトナーは一次帯電ローラ422により、再帯電され、現像部にて回収され、トナーリサイクルを可能としたり、または、現像部を通過させ、中間転写ベルトの非画像領域において、それらのトナーを再び中間転写ベルト上へ戻し、中間転写ベルト周辺に配置するクリーナ装置499にて、回収される。中間転写ベルト466上で形成された4色フルカラー画像は、次いで2次転写ローラ488により、転写材Pに一括転写され、不図示の定着装置によって溶融定着されカラープリント画像を得る。
【0095】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは、本発明を何ら限定するものではない。
【0096】
(トナーの製造例1)
下記のようにして、水系分散媒及び重合性単量体組成物を夫々調製した。
【0097】
水系分散媒の調製
内容積200リットルの容器中で、下記の成分を混合し、60℃に加温した後、高速回転剪断撹拌機を用いて回転数55s-1で撹拌した。
・水 950質量部
・0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液 450質量部
【0098】
次に、容器内を窒素置換すると共に、これに1.0モル/リットルのCaCl2水溶液68質量部を添加して反応させ、リン酸カルシウム塩の微粒子を含む水系分散媒を得た。
【0099】
重合性単量体組成物の調製
・スチレン 100質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・ジビニルベンゼン 0.3質量部
・着色剤(C.I.ピグメントイエロー180) 6質量部
・ジ‐t−ブチルサリチル酸金属化合物 2質量部
・ポリエステル樹脂(酸価20mgKOH/g) 15質量部
・エステル系ワックス(融点60℃) 20質量部
上記した成分のうち、ポリエステル樹脂およびエステルワックスを除いた各成分を混合し、アトライター(三井三池工業(株)製)を用い3時間分散させた後、ポリエステル樹脂およびエステルワックスを加えて60℃に加温して1時間混合し、重合性単量体組成物とした。
【0100】
上記で調製した水系分散媒が入っている高速回転剪断撹拌機の回転数を55s-1とし、この中に、上記で調製した重合性単量体組成物を投入して造粒を開始した。造粒開始3分後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部を、スチレン30質量部に溶解したものを添加し、添加終了と同時に攪拌機の回転数を58s-1とし、さらに8分間造粒を続けた。次に、プロペラ撹拌羽根を備えた撹拌機の容器内に移し、回転数を0.83s-1回転にし、内温62℃で反応を継続させた。6時間後、反応温度を80℃に昇温し、加熱撹拌を5時間継続して重合を完了した。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、希塩酸を添加して分散剤を溶解し、固液分離、水洗、ろ過、乾燥することによりイエロートナー粒子を得た。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。重量平均粒径は、コールターカウンタTA−II型によって求めた。
【0101】
(トナーの製造例2)
トナーの製造例1において、着色剤をC.I.ピグメントレッド150に変更し、重合開始剤添加後の造粒時間を10分とした以外は、トナーの製造例1と同様にしてマゼンタトナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0102】
(トナーの製造例3)
トナーの製造例1において、着色剤をC.I.ピグメントブルー15:3に変更し、重合開始剤添加後の造粒時間を15分とした以外は、トナーの製造例1と同様にしてシアントナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1中に示す。
【0103】
(トナーの製造例4)
トナーの製造例1において、高速回転剪断撹拌機の造粒開始時の回転数を45s-1とし、着色剤をカーボンブラックに変更し、その添加量を10質量部とした以外は、トナーの製造例1と同様にしてブラックトナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0104】
(トナーの製造例5)
トナーの製造例1において、0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液の代わりに、0.18モル/リットル−Na3PO4水溶液を用いて、また、1.0モル/リットルのCaCl2水溶液の添加量を130質量部に変更した以外は、トナーの製造例1と同様にしてイエロートナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0105】
(トナーの製造例6)
トナーの製造例5において、着色剤をC.I.ピグメントレッド150に変更した以外は、トナーの製造例5と同様にしてマゼンタトナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0106】
(トナーの製造例7)
トナーの製造例5において、着色剤をC.I.ピグメントブルー15:3に変更した以外は、トナーの製造例5と同様にしてシアントナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0107】
(トナーの製造例8)
トナーの製造例5において、高速回転剪断撹拌機の造粒開始時の回転数を45s-1とし、着色剤をカーボンブラックに変更した以外は、トナーの製造例5と同様にしてブラックトナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0108】
(トナーの製造例9)
トナーの製造例1において、重合開始剤添加後の造粒時間を20分とした以外は、トナーの製造例1と同様にしてイエロートナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0109】
(トナーの製造例10)
トナーの製造例9において、着色剤をC.I.ピグメントレッド150に変更した以外は、トナーの製造例9と同様にしてマゼンタトナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0110】
(トナーの製造例11)
トナーの製造例9において、着色剤をC.I.ピグメントブルー15:3に変更した以外は、トナーの製造例9と同様にしてシアントナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0111】
(トナーの製造例12)
トナーの製造例9において、高速回転剪断撹拌機の造粒開始時の回転数を45s-1とし、着色剤をカーボンブラックに変更した以外は、トナーの製造例9と同様にしてブラックトナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0112】
(トナーの製造例13)
・スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100質量部
・C.I.ピグメントイエロー180 6質量部
・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 4質量部
・エステルワックス 2質量部
上記材料を、ヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、2軸式押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに分級してイエロートナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0113】
(トナーの製造例14)
トナーの製造例1において、着色剤をC.I.ピグメントレッド150に変更した以外は、トナーの製造例13と同様にしてマゼンタトナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0114】
(トナーの製造例15)
トナーの製造例1において、着色剤をC.I.ピグメントブルー15:3に変更した以外は、トナーの製造例13と同様にしてシアントナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0115】
(トナーの製造例16)
トナーの製造例1において、着色剤をカーボンブラックに変更し、その添加量を10質量部とし、微粉砕の粉砕力を5%弱めた以外は、トナーの製造例13と同様にしてブラックトナー粒子を製造した。得られたトナーの諸物性を、表1に示す。
【0116】
ここで用いたマグネタイト及びα−Fe2O3の親油化処理は、マグネタイト99質量部及びα−Fe2O399質量部のそれぞれに対して1.0質量部のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加え、ヘンシェルミキサー内で100℃で30分間、予備混合撹拌することによって行った。
【0117】
上記材料および水11質量部を40℃に保ちながら、1時間混合を行った。このスラリーに塩基性触媒として28質量%アンモニア水2.0質量部、および水11質量部をフラスコに入れ、撹拌・混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応させ、フェノール樹脂を生成し硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に180℃で乾燥して、フェノール樹脂を結着樹脂としたマグネタイト微粒子含有球状の磁性キャリアコア粒子を得た。
【0118】
この粒子を60メッシュ及び100メッシュの篩によって、粗大粒子の除去を行ない、次いでコアンダ効果を利用した多分割風力分級機(エッポジェットラボEJ−L−3、日鉄鉱業社製)を使用して微粉除去及び粗粉除去をおこない、体積平均50%粒径35μmのキャリアコア粒子を得た。得られたキャリアコアは、比抵抗が2.2×1012Ω・cmであり、水分量が0.15質量%であった。
【0119】
得られたキャリアコア粒子をコーター内に投入し、加湿窒素を流入させ水分量0.3質量%に調整した。その後、トルエン溶媒を用いて希釈したγ−アミノプロピルトリメトキシシラン3質量%を剪断応力を連続して印加しつつ、コア表面に処理した。またその際、40℃,100torr,乾燥窒素気流下で溶媒を揮発させながら行なった。引き続き、置換基がすべてメチル基であるストレートシリコーン樹脂0.5質量%及び、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.015質量%の混合物をトルエンを溶媒として被覆した。その際、40℃,500torr,乾燥窒素気流下で溶媒を揮発させながら行なった。
【0120】
さらに、この磁性コートキャリアを140℃で焼き付け、100メッシュの篩で、凝集した粗大粒子をカットし、次いで多分割風力分級機で微粉及び粗粉を除去して粒度分布を調整した。その後23℃,60%内で保たれたホッパー内で100時間調湿して磁性体分散型樹脂キャリアを得た。
【0121】
(静電荷像担持体の製造例)
Alシリンダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸せき法で塗布し140℃、30分熱硬化して15μmの導電層を形成した。
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10質量部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2質量部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6質量部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001質量部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール(0.2/0.8) 20質量部
【0122】
次にこの上に、Nメトキシメチル化ナイロン4.5質量部および共重合ナイロン1.5質量部をメタノール65質量部、nブタノール30質量部の混合溶媒に溶解した溶液を浸せき法で塗布し0.6μmの中間層を形成した。
【0123】
次にCuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニルフタロシアニン(TiOPc)3.24質量部、下記構造式(1)のアゾ顔料0.36質量部及びポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)3質量部をシクロヘキサノン110質量部に溶解させた後に高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散したあと、(2)の硫黄系添加剤0.66部及びエチルアセテート250質量部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸せき法で塗布し0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0124】
【化3】
【0125】
次に下記構造式(3)
【0126】
【化4】
の電荷輸送材9質量部および、結着樹脂として下記構造式(4)で表されるポリアリレート樹脂(重量平均分子量Mw=11万、nは重合度を表す)10質量部をジメトキシメタン33質量部、モノクロロベンゼン60質量部の混合溶媒に溶解させて電荷輸送層用塗布液とした。
【0127】
【化5】
【0128】
この塗料で浸せき法で塗布(塗布速度一定)し、120℃で1時間乾燥し20μm(中心付近)の表面層となる電荷輸送層を形成し、感光体を作製した。
【0129】
[実施例1]
トナーの製造例1、トナーの製造例2、トナーの製造例3およびトナーの製造例4において得られたイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックトナー母体それぞれについて、シリカ微粒子をトナー粒子100質量部に対して表2に示した外添処方1に基づき、ヘンシェルミキサー10B(三井三池化工機社製)において、回転数3000rpm、攪拌時間4分間の条件下で混合し、負摩擦帯電性のカラートナーを得た。このとき、加える各外添剤は、それぞれ別個にトナーに投入するのではなく、使用するすべての外添剤を1つの容器に一度投入して攪拌した後に、トナー母体を投入した状態のヘンシェルミキサーに加えた。
【0130】
このトナー8質量部に対し、キャリアの製造例で作製された磁性体分散型樹脂キャリア92質量部を混合して現像剤を調製した。
【0131】
以上のトナー、現像剤および静電荷像担持体の製造例で作製した感光体を用いて、図1、図2および図3に示した画像形成装置により、15℃/10%RHの低温低湿環境および20℃/55%RHの中温中湿環境および30℃/80%RHの高温高湿環境下において、以下の評価方法に基づき、図3に示したフルカラー画像形成装置によって、プロセススピード190mm/s、帯電Vpp=2000V、プリント速度をA4横43枚/分、現像剤担持体の回転速度はプロセススピードの150%、紙面積に対するプリント比率4%での、75g/m2A4普通紙7万枚連続プリント試験を行った。その結果、いずれの評価においても良好な結果が得られた。評価結果を表3に示す。また、シリカ微粒子の種類は表7に、酸化チタン微粒子の種類は表8に示す。
【0132】
なお、すべての実施例について、以下の評価方法に基づいたプリント初期の評価結果は、すべて良好であった。
【0133】
<評価方法>
(1)二次色およびブラック全ベタがさつき
7万枚連続プリント試験終了後、試験環境において十分調湿されたA3サイズの75g/m2紙において、グリーン、レッド、ブルーの各二次色およびブラックの全べた画像をプリントし、以下の基準から目視評価を行った。
A:均一な全ベタ画像がプリントされる
B:光にかざして見ると、ややがさついた不均一なベタ画像であることが確認できる
C:ややがさついた不均一なベタ画像である
D:がさついた不均一なベタ画像である
【0134】
(2)ハーフトーンがさつき
7万枚連続プリント試験終了後、試験環境において十分調湿されたA3サイズの75g/m2紙において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック単色およびレッド、グリーン、ブルーの二次色ハーフトーン画像をプリントし、以下の基準から目視評価を行った。
A:均一なハーフトーン画像がプリントされる
B:光にかざして見ると、ややがさついた不均一なハーフトーン画像であることが確認できる
C:ややがさついた不均一なハーフトーン画像である
D:がさついた不均一なハーフトーン画像である
【0135】
(3)トナー感光ドラム融着
7万枚連続プリント試験終了後、使用した感光ドラムに対して、エアブローにてドラム上に残っている弱い付着物を取り除いた後にマイクロスコープ観察を行い、以下の基準で評価を行った。
A:ドラム中央および画像形成領域の両端部からそれぞれ約5cmの位置において、50倍のマイクロスコープ観察を行ったとき、トナー融着が確認されない
B:ドラム中央および画像形成領域の両端部からそれぞれ約5cmの位置において、50倍のマイクロスコープ観察を行ったとき、トナー融着が確認されるが、融着起因の画像抜けは発生しない。
C:マイクロスコープ観察を行ったとき、トナー融着が確認され、融着起因の画像抜けがドラム1周当たり3個以下。
D:マイクロスコープ観察を行ったとき、トナー融着が確認され、融着起因の画像抜けがドラム1周当たり4個以上。
【0136】
(4)帯電部材汚れ
7万枚連続プリント試験終了後、試験環境において十分調湿されたA3サイズの75g/m2紙において、各色の全白画像をプリントし、以下の基準から目視評価を行った。
A:部分的なプリントが確認されない。帯電部材にも局所的な汚れが見られない。
B:部分的なプリントが確認されない。帯電部材には局所的な汚れが若干見られる。使用した帯電部材を新品の帯電部材と交換すると、それが消失する
C:極薄い部分的なプリントが見られる。帯電部材には局所的な汚れが見られる。使用した帯電部材を新品の帯電部材と交換すると、それが消失する
D:部分的なプリントが確認される。帯電部材には局所的なひどい汚れが見られる。使用した帯電部材を新品の帯電部材と交換すると、それが消失する
【0137】
(5)転写効率最大値
初期及び7万枚連続プリント試験終了後、各色の単色全ベタ画像における、単位面積当たりのトナー質量を基準にした転写効率を、一次転写、二次転写それぞれにおいて測定した。その際、転写電流を1μA刻みで変えて、最大の転写効率を示したところで評価した。
【0138】
(6)感光体削れ量
膜厚計(パ−マスコ−プEC、Kett社製)を用いて、中温中湿環境における耐久試験前後の感光体の膜厚を測定することにより、感光体表面の削れ量を求めた。
【0139】
[実施例2〜12]
表2に示した外添処方に従い、実施例1と同様の検討を行った。評価結果を表3及び4に示す。
【0140】
[実施例13]
実施例1において、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックトナー母体を、トナーの製造例5、トナーの製造例6、トナーの製造例7およびトナーの製造例8で得られた物に変更する以外は、実施例1と同様の検討を行った。評価結果を表4に示す。
【0141】
[実施例14]
実施例1において、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックトナー母体を、トナーの製造例13、トナーの製造例14、トナーの製造例15およびトナーの製造例16で得られた物に変更する以外は、実施例1と同様の検討を行った。評価結果を表4に示す。
【0142】
[実施例15]
感光体にクリーニングブレードを具備しない、図4に示した画像形成装置によって、実施例1と同様の検討を行った。評価結果を表4に示す。
【0143】
[実施例16]
実施例1において、用いた画像形成層値の帯電方式を、ワイヤーによるコロナ帯電に変更し、ワイヤーに流す電流値を700μAとして、検討を行った。評価結果を表4に示す。
【0144】
[実施例17]
実施例1で使用したトナーおよび現像剤を用い、図1、図2および図3に示した画像形成装置において、オートリフレッシュ現像方式が適用できるように機構を変更し、T−CRG中の補給用現像剤には15質量%の磁性キャリアを含有させ、15℃/10%RHの低温低湿環境および20℃/55%RHの中温中湿環境および30℃/80%RHの高温高湿環境下において、プロセススピード235mm/s、プリント速度をA4横50枚/分、現像剤担持体の回転速度はプロセススピードの150%、紙面積に対するプリント比率4%での、75g/m2A4普通紙7万枚連続プリント試験を行った。その結果を表3に示す。さらにその後、プリント比率1%の画像を1000枚印字した後にプリント比率100%の画像を20枚印字させ、その直後に各色ごとに単色全べた画像を出力し、前述の普通紙7万枚連続プリント試験直後の単色全べた画像中央の画像濃度(反射濃度計RD918(マクベス社製)での測定)との差を調べた。その結果、各環境各色いずれもその差は0.1以内であった。
【0145】
[比較例1乃至14]
表2に示した外添処方に従い、実施例1と同様の検討を行った。評価結果を表5及び6に示す。なお、比較例9〜12においては、全環境において、初期画像から若干のハーフトーンがさつきが観察された。
【0146】
[比較例15]
実施例1において、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックトナー母体を、トナーの製造例9、トナーの製造例10、トナーの製造例11およびトナーの製造例12で得られた物に変更する以外は、実施例1と同様の検討を行った。評価結果を表6に示す。
【0147】
[参考例1]
実施例1において、酸化チタンを使用せずに同様の検討を行ったところ、画像欠陥や部材汚染等実用上問題となる現象は発生しなかった。感光体削れ量を測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれ、9.4μm、9.4μm、9.5μmおよび9.2μmであった。
【0148】
[参考例2]
すべての実施例および比較例において、用いた画像形成装置について、プロセススピード100mm/s、帯電Vpp=1200V、プリント速度をA4横17枚/分に変更して、紙面積に対するプリント比率4%での5万枚通紙時点での全べたがさつき、ハーフトーンがさつき、感光ドラム汚染および帯電部材汚れの評価を各環境で行った。その結果、表3〜6の本検討結果表と比較して、比較例13は何ら改善が見られず、比較例1は2ランクの改善が見られた。比較例2乃至12および比較例14においては、全べたがさつきおよびハーフトーンがさつきは2ランク改善され、感光ドラム汚染および帯電部材汚れはすべてAランクであった。
【0149】
比較例13を除き、さらに続けて2万枚通紙したところ、比較例1は2ランクの改善が維持されたままであった。比較例2乃至12および比較例14においては、全べたがさつきおよびハーフトーンがさつきは、表5と6の本検討結果表と比べて1ランク改善された結果となった。
【0150】
なお、この検討での比較例9〜12においては、初期画像のハーフトーンがさつきは各環境ともランクAであった。
【0151】
すべての実施例は、この条件の検討ではすべてAランクだった。
【0152】
【表1】
【0153】
【表2】
【0154】
【表3】
【0155】
【表4】
【0156】
【表5】
【0157】
【表6】
【0158】
【表7】
【0159】
【表8】
【0160】
【発明の効果】
高速、高画質、高耐久、低環境負荷、および高環境安定性を満足するトナーおよび画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な画像形成方法の説明図である。
【図2】図1の現像器を上方から見た図である。
【図3】カラーレーザープリンタの説明図である。
【図4】カラーレーザープリンタの他の実施態様の説明図である。
【符号の説明】
1:感光ドラム
2:帯電ローラ
3:レーザ光
4:現像装置
5:現像剤供給ユニット(補給用トナーキット)
6:クリーナ
7:プロセスカートリッジ(プロセストナーキット)
8:中間転写ベルト、
9:1次転写電極、
10:2次転写ローラ
11:中間転写ベルトクリーナ
12:レジストローラ
20:強誘電体不揮発メモリ(FeRAM)
41:現像スリーブ
42:ブレード
43および44:現像剤攪拌スクリュー
45:トナー濃度検知センサー
46:現像器補給開口
51;スクリュー
411:感光ドラム
422:帯電ローラ
433:レーザ光
444:現像装置
466:中間転写ベルト、
477:1次転写ローラ
477a〜477d:1次転写電極
488:2次転写ローラ
499:中間転写ベルトクリーナ
Claims (6)
- 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有成分とするトナー母体粒子と、該母体粒子表面に付着した外添剤とで構成されたトナーにおいて、
該外添剤は、少なくとも2種類のシリカ微粒子と少なくとも1種類の酸化チタン微粒子であり、該シリカ微粒子のうちで最もBET比表面積の小さいシリカ微粒子(a)と、その次にBET比表面積の小さいシリカ微粒子(b)のBET比表面積の差が30m2/g以上であり、シリカ微粒子(a)と(b)それぞれ共にシランカップリング剤処理が施され、かつ共にシリコーンオイル処理が施されており、オイル処理量はそれぞれ未処理のシリカ微粒子母体100質量部に対して2質量部乃至40質量部であり、未処理時のシリカ微粒子母体のBET比表面積1m2当たりのオイル処理量について、シリカ微粒子(a)はシリカ微粒子(b)に対して0.7倍乃至90倍であり、トナー母体粒子100質量部当たりの(a)の添加質量部に対する(b)の添加質量部が、0.2倍乃至5.0倍であり、
該酸化チタン微粒子のうちで最もBET比表面積の大きいものは、少なくともカップリング処理が施されており、該酸化チタン微粒子のトナー母体粒子100質量部当たりの添加量が0.05乃至1.0質量部であり、
該トナーの重量粒子径分布から算出される平均粒子径が3乃至9μmであり、12.7μm以上の割合が2%以下であることを特徴とするトナー。 - シリカ微粒子(a)のBET比表面積が15m2/g乃至150m2/gであり、シリカ微粒子(b)のBET比表面積が70m2/g乃至300m2/gであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 該酸化チタン微粒子のBET比表面積が5m2/g乃至150m2/gであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
- 該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される平均円形度が0.950乃至1.000であり、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
- 静電荷像を担持するための静電荷像担持体を接触する部材で帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、現像手段が有するトナーによって静電荷像を現像してトナー像を形成し、静電荷像担持体上のトナー像を中間転写体を介して又は介さずに転写材へ転写し、転写材上のトナー画像を定着手段によって定着する画像形成方法であって、
該外添剤は、少なくとも2種類のシリカ微粒子と少なくとも1種類の酸化チタン微粒子であり、該シリカ微粒子のうちで最もBET比表面積の小さいシリカ微粒子(a)と、その次にBET比表面積の小さいシリカ微粒子(b)のBET比表面積の差が30m2/g以上であり、シリカ微粒子(a)と(b)それぞれ共にシランカップリング剤処理が施され、かつ共にシリコーンオイル処理が施されており、オイル処理量はそれぞれ未処理のシリカ微粒子母体100質量部に対して2質量部乃至40質量部であり、未処理時のシリカ微粒子母体のBET比表面積1m2当たりのオイル処理量について、シリカ微粒子(a)はシリカ微粒子(b)に対して0.7倍乃至90倍であり、トナー母体粒子100質量部当たりの(a)の添加質量部に対する(b)の添加質量部が、0.2倍乃至5.0倍であり、
該酸化チタン微粒子のうちで最もBET比表面積の大きいものは、少なくともカップリング処理が施されており、該酸化チタン微粒子のトナー母体粒子100質量部当たりの添加量が0.05乃至1.0質量部であり、
該トナーの重量粒子径分布から算出される平均粒子径が3乃至9μmであり、12.7μm以上の割合が2%以下であり、かつ、
該帯電は静電荷像担持体に接触するローラによって行われ、かつ、該静電荷像担持体あるいは転写ベルトあるいは中間転写ベルトの少なくとも1ヶ所に、転写残トナーを回収するクリーニングブレードが具備されていることを特徴とする画像形成方法。 - 補給用現像剤中に少なくとも非磁性トナーと磁性キャリアを含み、現像手段は二成分現像剤を有し、該現像手段で使用された劣化キャリアを順次回収し、補給用現像剤中のフレッシュなキャリアを補給していく現像方式(オートリフレッシュ現像方式)に対応させた請求5に記載の画像形成方法。
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