JP6273786B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる静電潜像現像用トナーに関し、更に詳しくは、温湿度環境の変動に対しても帯電性が安定し、出力画像濃度が安定した静電潜像現像用トナーに関する。
電子写真方式の画像形成方法を用いたデジタル印刷の普及に伴い、高画質化や省エネルギー化、また画像品質の高い安定性が益々要求されるようになってきている。静電潜像現像用トナー(以下単に「トナー」ともういう。)の分野では、省エネルギーの観点から少ないエネルギーで定着できる低温定着トナーの開発が進められている。トナーの定着温度を下げるためには、結着樹脂の溶融温度や溶融粘度を下げることが必要である。
ポリエステル樹脂は、従来トナー用結着樹脂として広く使用されてきたスチレン−アクリル系樹脂と比較して、高いガラス転移点を維持したまま低軟化点設計が容易に行えるという利点があり、低温定着性及び耐熱保管性の良好なトナーを得ることができる。一方で、ポリエステル樹脂を使用したトナーは、スチレン−アクリル樹脂を使用したトナーに比べて負帯電性が非常に高く、特に低温低湿環境では過剰帯電しやすい傾向にある。帯電量が高すぎると静電的な付着力が高まり、必要量のトナーを現像するのに過剰な電界が必要となり、また転写工程においても十分に転写しきれずに転写残トナーが発生し、結果として出力画像濃度の低下を引き起こすという問題があった。
これらの問題に対して、トナー粒子表面に外添剤として存在する酸化チタン粒子とシリカ粒子の遊離率を規定し、かつ酸化チタン粒子の遊離率がシリカ粒子よりも高い関係にあるトナーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、酸化チタン粒子はキャリアへ移行した場合、高温高湿環境下では帯電量が大きく低下し、使用環境による差や、長期間の使用に対する安定性の維持が困難である。これは酸化チタン粒子の持つ電気抵抗が高温高湿環境下では大きく低下し、キャリアの電気抵抗自体に大きな変動与えてしまうことが主な原因と考えられる。
また、酸化チタン粒子とシリカ粒子の遊離率を0.5〜20%に抑えたトナーが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながらシリカ粒子がトナー母体粒子表面に強く付着した状態で存在すると、低温低湿環境下ではむしろ過剰帯電しやすい傾向にある。これはシリカ粒子自体の負帯電性が非常に高いためと考えられる。
さらに、シリカ粒子の遊離率と、体積平均粒子径が50nm以上120nm以下で、アスペクト比が3以上10未満のシラン化合物処理されたメタチタン酸粒子の遊離率を規定したトナーが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、メタチタン酸粒子の粒子径が大きいために、トナー母体粒子に十分に付着することができず、長期間の使用において、メタチタン酸粒子がキャリアへ移行してしまうため、高温高湿環境下においては帯電量の低下が大きいという問題があった。
特開2002−72544号公報 特開2004−240459号公報 特開2011−154278号公報
本発明は上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、温湿度環境の変動に対しても、帯電性が安定し、出力画像濃度が安定した静電潜像現像用トナーを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、トナー母体粒子の表面に、外添剤が付着したトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、トナー粒子が、トナー母体粒子表面に結着樹脂として、ポリエステル樹脂を含有し、外添剤が、少なくともシリカ粒子と、酸化チタン又はメタチタン酸粒子とを含有し、トナー粒子表面におけるチタン原子存在比率及びトナーを超音波分散処理した後のシリカ粒子の残存率と、酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の残存率が特定の範囲内にある静電潜像現像用トナーとすることにより、上記課題が解決できることを見いだし本発明に至った。すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー母体粒子の表面に、外添剤が付着したトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、
当該トナー母体粒子が結着樹脂として、ポリエステル樹脂を含有し、
当該外添剤が、少なくとも個数平均一次粒子径が70〜130nmの範囲内のシリカ粒子と、個数平均一次粒子径が5〜50nmの範囲内の酸化チタン粒子を含有し、
当該静電潜像現像用トナーのX線電子分光測定において、当該トナー粒子表面におけるチタン原子存在比率が、下記条件A1を満たし、
かつ、前記静電潜像現像用トナーを水中で超音波分散処理した後の、前記トナー粒子表面における前記シリカ粒子の残存率と、前記酸化チタン粒子の残存率が下記条件B1を満たすことを特徴とする静電潜像現像用トナー。
条件A1:0.30atom%≦チタン原子存在比率(Ti/(C+O+Si+Ti))≦1.20atom%
(ここで、チタン原子存在比率とは、X線光電子分光分析装置を用いてトナー粒子表面の原子の定量分析を行うことによって求めた値を表す。)
条件B1:80%≦Ti残存率(US3分)≦100%
40%≦Si残存率(US1分)≦65%
かつ、0.6≦Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)≦1.0
(ここで、Ti残存率とは、トナー中のチタン原子の残存率を表し、Si残存率とは、トナー中のケイ素原子の残存率を表す。残存率(US1分)とは、超音波分散処理1分後の残存率を表し、残存率(US3分)とは、超音波分散処理3分後の残存率を表す。測定法としては、トナー3gをポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2質量%水溶液40gに湿潤し、超音波式ホモジナイザーを用いて超音波エネルギー50Wで1分間又は3分間超音波分散処理した後、目開き1μmのフィルターを使用して濾過を行い、60mlの純水を用いて洗浄し、乾燥した後、シリカ粒子及び酸化チタン粒子の残存率をそれぞれ蛍光X線により算出する。)
2.前記条件A1及び条件B1が、下記条件A2及びB2の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の静電潜像現像用トナー。
条件A2:0.70atom%≦チタン原子存在比率(Ti/(C+O+Si+Ti))≦1.20atom%
(ここで、チタン原子存在比率とは、X線光電子分光分析装置を用いてトナー粒子表面の原子の定量分析を行うことによって求めた値を表す。)
条件B2:90%≦Ti残存率(US3分)≦100%
40%≦Si残存率(US1分)≦60%
かつ、0.8≦Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)≦1.0
(ここで、Ti残存率とは、トナー中のチタン原子の残存率を表し、Si残存率とは、トナー中のケイ素原子の残存率を表す。残存率(US1分)とは、超音波分散処理1分後の残存率を表し、残存率(US3分)とは、超音波分散処理3分後の残存率を表す。測定法としては、トナー3gをポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2質量%水溶液40gに湿潤し、超音波式ホモジナイザーを用いて超音波エネルギー50Wで1分間又は3分間超音波分散処理した後、目開き1μmのフィルターを使用して濾過を行い、60mlの純水を用いて洗浄し、乾燥した後、シリカ粒子及び酸化チタン粒子の残存率をそれぞれ蛍光X線により算出する。)
3.前記シリカ粒子が、ゾル・ゲル法で作製されたシリカ粒子を含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の静電潜像現像用トナー。
本発明の上記手段により、温湿度環境の変動に対しても、帯電性が安定し、出力画像濃度が安定した静電潜像現像用トナーを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
トナー母体粒子表面にポリエステル樹脂を含有するトナー粒子においては、スチレン−アクリル樹脂を使用したトナーに比べて負帯電性が高く、特に低温低湿環境ではマイナス側へ過剰帯電しやすい傾向にある。帯電量が高すぎるとキャリア粒子への静電的な付着力が高まり、必要量のトナーを現像するのに過剰な電界が必要となる。また、感光体上に現像されたトナーは感光体表面への付着力が高いので転写工程においても十分に転写しきれずに転写残トナーが発生し、結果として出力画像濃度の低下を引き起こす。
シリカ粒子は、ポリエステル樹脂よりもマイナス帯電性が高いので、トナー母体粒子にシリカ粒子を添加し、現像剤中で、これを積極的にキャリア側へ一定量移行させることで、トナー粒子の過剰帯電を抑制することができる。
シリカ粒子のキャリアへの移行量は、シリカ粒子のトナー母体粒子への付着強度を制御することで可能となる。
また帯電安定性は、トナー母体粒子表面に存在する酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の量とトナー母体粒子に対する酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の付着強度とで制御することが可能である。すなわち、シリカ粒子はトナー母体粒子側からキャリア粒子側へ積極的に移行させるのに対して、酸化チタン粒子及びメタチタン酸粒子は、トナー母体粒子への付着強度を強くし、キャリア側に移行しにくい状態を作ることで、高温高湿環境での帯電量低下を抑制し、かつ低温低湿環境での過剰帯電も抑制することができる。
酸化チタン粒子及びメタチタン酸粒子は、弱負帯電性を有している。また、酸化チタン粒子及びメタチタン酸粒子はトナー粒子に対して、過剰帯電抑制の効果及び帯電の立ち上がりを速くする効果を有している。
トナー母体粒子表面における酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の存在比率が少ないと、温湿度環境の変動による帯電量変動が大きくなり、多いと高い付着強度を維持することができないため一部がキャリア側へ移行する。またトナー帯電量の絶対値が低くなりすぎるなどの不具合が発生する。
トナー母体粒子への酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の付着強度を上げるためには、酸化チタン又はメタチタン酸粒子の粒子径を小さくすることによって可能となる。すなわち、粒子径を小さく、具体的には、個数平均一時粒子径を5〜50nmの範囲内にすることによって、少ないエネルギーでトナー母体粒子表面に埋没させることができるのでトナー母体粒子に強固に付着させることができるようになる。
これらを実現することで、トナーのマイナス側への過剰帯電を抑制し、温湿度環境の変動に対しても、帯電量レベルをある程度一定に保ち、出力画像濃度を安定化することが可能となるものと考えられる。
本発明の静電潜像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー母体粒子の表面に、外添剤が付着したトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、当該トナー母体粒子が結着樹脂として、ポリエステル樹脂を含有し、当該外添剤が、少なくとも個数平均一次粒子径が70〜130nmの範囲内のシリカ粒子と、個数平均一次粒子径が5〜50nmの範囲内の酸化チタン粒子を含有し、当該静電潜像現像用トナーのX線電子分光測定において、当該トナー粒子表面におけるチタン原子存在比率が、前記条件A1を満たし、かつ、前記静電潜像現像用トナーを水中で超音波分散処理した後の、前記トナー粒子表面における前記シリカ粒子の残存率と、前記酸化チタン粒子の残存率が前記条件B1を満たすことを特徴とする。この特徴は、本実施形態に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様として、本発明の効果発現の観点から、前記条件A1と前記条件B1が、前記条件A2と前記条件B2の範囲内であることが好ましい。前記条件A1と前記条件B1が、前記条件A2と前記条件B2の範囲内であると温湿度環境の変動に対してもトナー粒子の帯電性が安定し、出力画像濃度が安定化する効果が得られる。
また、前記シリカ粒子が、ゾル・ゲル法で作製されたシリカ粒子を含有し、当該シリカ粒子の個数平均一次粒子径が、70〜130nmの範囲内であることが好ましい。ゾル・ゲル法で作製されたシリカ粒子であると、粒子径分布が狭いために付着強度のバラツキを抑制する効果を有し、また個数平均一次粒子径が、上記範囲内であるとシリカ粒子をキャリア側へ適度に移行させることができる。
以下、本発明の構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で用いる。
≪静電潜像現像用トナー≫
本発明の静電潜像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー母体粒子の表面に、外添剤が付着したトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、当該トナー母体粒子が結着樹脂として、ポリエステル樹脂を含有し、当該外添剤が、少なくともシリカ粒子と、個数平均一次粒子径が5〜50nmの範囲内の酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子とを含有し、当該静電潜像現像用トナーのX線電子分光測定において、トナー粒子表面におけるチタン原子存在比率が、下記条件A1を満たし、かつ、前記静電潜像現像用トナーを水中で超音波分散処理した後の、トナー粒子表面における前記シリカ粒子の残存率と、前記酸化チタン粒子又は前記メタチタン酸粒子の残存率が下記条件B1を満たすことを特徴とする。
条件A1:0.30atom%≦チタン原子存在比率(Ti/(C+O+Si+Ti))≦1.20atom%
ここで、チタン原子存在比率とは、X線光電子分光分析装置を用いてトナー粒子表面の原子の定量分析を行うことによって求めた値を表す。
条件B1:80%≦Ti残存率(US3分)≦100%
40%≦Si残存率(US1分)≦65%
かつ、0.6≦Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)≦1.0
また、前記条件A1及び条件B1が、下記条件A2及び条件B2の範囲内であることが好ましい。
条件A2:0.70atom%≦チタン原子存在比率(Ti/(C+O+Si+Ti))≦1.20atom%
ここで、チタン原子存在比率とは、X線光電子分光分析装置を用いてトナー粒子表面の原子の定量分析を行うことによって求めた値を表す。
条件B2:90%≦Ti残存率(US3分)≦100%
40%≦Si残存率(US1分)≦60%
かつ、0.8≦Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)≦1.0
ここで、Ti残存率とは、トナーを界面活性剤の水溶液中で、超音波分散処理した後の酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の残存率を表し、Si残存率とは、同様に超音波分散処理した後のシリカ粒子の残存率を表す。残存率(US1分)とは、超音波分散処理1分後の残存率を表し、残存率(US3分)とは、超音波分散処理3分後の残存率を表す。
酸化チタン粒子及びメタチタン酸粒子の個数平均一次粒子径は、5〜50nmの範囲内である。この範囲内であるとトナー母体粒子に適度に埋没し、強固に付着することができるので、キャリアへの移行が抑制され、その効果を長く維持することができる。外添剤は、粒子径が小さいほど埋没しやすい傾向があり、5nm未満では、余りにも埋没しやすいため、過剰帯電抑制の効果及び帯電の立ち上がり速くする効果を安定して発現できなくなる。50nmを超えると付着強度が小さくなりキャリアへ移行しやすくなってしまう。トナー粒子中での酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の存在率は、以下のトナー粒子表面における「チタン原子存在比率」で表すことができる。
<チタン原子存在比率>
本発明において、チタン原子存在比率とは、トナー粒子表面におけるチタン原子の存在比率を表したもので、X線光電子分光装置を用いてトナー粒子表面のチタン、ケイ素、炭素及び酸素の定量分析を行い、各々の原子ピーク面積から相対感度因子を用いてトナー粒子表面の各原子濃度を算出し、下記式(1)によって表される値である。ここで、「トナー粒子表面」とは、X線光電子分光装置を用いて後述する条件で測定したときのトナー粒子の最表面及び最表面から深さ3nm以内の範囲内をいう。
式(1):
チタン原子存在比率=Ti/(C+O+Si+Ti)
本発明においては、このトナー粒子表面におけるチタン原子存在率が、
条件A1:0.30atom%≦チタン原子存在率≦1.20atom%
の範囲内であり、好ましくは、
条件A2:0.70atom%≦チタン原子存在率≦1.20atom%
の範囲内である。
チタン原子存在比率が、この範囲内であると温湿度環境の変動に対してもトナーの帯電量を安定化する効果が得られる。0.30atom%未満では、温湿度環境の変動による帯電量の変動が大きくなり、1.20atom%を超えると、トナー母体粒子への付着強度を維持することができず、キャリアへ外添剤が移行してしまう。そのため、トナーの帯電量の絶対値が低くなって、かぶりの発生等の不具合が生じる。
チタン原子存在比率の測定法については後述する。
<Ti残存率>
本発明において、Ti残存率とは、トナー粒子表面における酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の付着強度を表す尺度で、トナーを界面活性剤の水溶液中で一定時間超音波分散した後のトナー粒子表面に残存する酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の割合を表す。
例えば、Ti残存率(US3分)とは、超音波分散処理3分後のチタン粒子又はメタチタン酸粒子の付着量を超音波分散前の付着量を100として求めた値である。
本発明においては、このTi残存率は、
条件B1:80%≦Ti残存率(US3分)≦100%
の範囲内であり、好ましくは、
条件B2:90%≦Ti残存率(US3分)≦100%
の範囲内である。
この範囲内であると温湿度環境の変動に対してもトナーの帯電量を安定化させる効果が得られる。80%より少ないと低温低湿環境化で帯電量が高くなりすぎ、高温高湿環境下で帯電量が低くなりすぎてしまうため出力画像濃度の変動が大きくなってしまう。
すなわち、酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子は、トナーの帯電性を安定化させる効果を有する。トナーの帯電量を安定化させるためには、酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の付着強度を強くして、すなわち、Ti残存率を上記範囲内に制御してキャリア粒子側へ移行しにくくすることが必要である。
酸化チタン粒子及びメタチタン酸粒子は、電気抵抗が比較的小さいので、キャリア側へ移行すると帯電量を低下させる効果を有するので、トナー母体粒子への付着強度を高くし、キャリア側への移行量を抑制することが必要である。一方、キャリアと混合したときに帯電量の立ち上がりが早いという特性を有しており、特にプリントスピードの速い高速機等で、印字率の高い原稿を連続でプリントするときでも新たに補給されたトナーが瞬時に必要な帯電量まで帯電されるので、かぶりの発生がなく画像濃度の高い高画質の画像を得ることができる。
<Si残存率>
本発明において、Si残存率とは、同様にトナー粒子表面におけるシリカ粒子の付着強度を表す尺度で、トナーを界面活性剤の水溶液中で一定時間超音波分散した後のトナー粒子表面に残存するシリカ粒子の割合を表す。
例えば、Si残存率(US1分)とは、超音波分散処理1分後のシリカ粒子の付着量を超音波分散前の付着量を100として求めた値である。同様に、Si残存率(US3分)とは、超音波分散処理3分後のシリカ粒子の付着量を超音波分散前の付着量を100として求めた値である。
シリカ粒子は、ポリエステル樹脂よりも相対的に負帯電性が高いため、トナー母体粒子にシリカ粒子を添加し、現像剤中でキャリア粒子側に適度に移行させることで、トナーの過剰帯電を抑制することができる。したがって、シリカ粒子は、トナー母体粒子に対して付着強度が弱い方が好ましい。
本発明においては、上述したようにシリカ粒子は、キャリア側へ一定量移行させることで、トナー母体粒子の過剰帯電を抑制する。そのためには、酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子より付着強度が小さくなるように制御する。この付着強度は、条件B1の範囲内であることが必要である。
ここでは、付着強度はSi残存率で表され、Si残存率(US1分)が、
条件B1:40%≦Si残存率(US1分)≦65%
の範囲内であり、かつ、「Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)」が、
0.6≦Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)≦1.0
の範囲内である。好ましくは、
条件B2:40%≦Si残存率(US1分)≦60%
の範囲内であり、かつ、「Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)」が、
0.8≦Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)≦1.0
の範囲内である。
Si残存率(US1分)が上記範囲内であるとは、シリカ粒子の付着力が比較的弱いことを意味し、シリカ粒子が適度にキャリアへ移行することができるので、トナーの過剰帯電を抑制することができる。また、Si残存率(US3分)とSi残存率(US1分)との差は小さい方がよい。
Si残存率(US1分)が、40%より少ないと、シリカ粒子の付着力が弱すぎてキャリアへの移行量が多く、帯電量が低くなりすぎてしまう。また、65%より大きいとシリカ粒子のキャリアへの移行量が少なすぎて過剰帯電の防止効果が小さくなってしまう。
また、「Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)」が、0.6より小さいと、プリント数の増加による帯電量の変動が大きくなってしまうので出力画像の濃度がプリント数の増加に従い変動してしまう。
本発明においては、チタン原子存在比率は、前記条件A1を満たし、Ti残存率とSi残存率が、前記条件B1を満たすものである。なお、Ti残存率及びSi残存率の測定法については後述する。
≪測定方法≫
<チタン原子表面存在比率の測定>
X線光電子分光分析装置「K−Alpha」(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、下記の分析条件によってチタンとケイ素、炭素及び酸素の定量分析を行い、各々の原子ピーク面積から相対感度因子を用いて、トナー粒子最表面及び最表面から3nm以内のトナー粒子の表面元素濃度を算出する。
(測定条件)
X線 :Alモノクロ線源
加速 :12kV、6mA
分解能 :50eV
ビーム系 :400μm
パスエネルギー:50eV
ステップサイズ:0.1eV
<外添剤の付着強度の測定>
トナー母体粒子に対するシリカ粒子及び酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の付着強度は、Si残存率及びTi残存率として、トナーを界面活性剤水溶液中で所定時間超音波分散処理した前後のケイ素原子量又はチタン原子量を以下のようにして測定することにより行う。
(測定法)
トナー3gを100mlのプラスチックカップ中で、ポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2質量%水溶液40gに湿潤し、超音波式ホモジナイザー「US−1200」(日本製機社製)にて、超音波エネルギーを本体装置に附属の振動指示値を示す電流計の値が60μA(50W)を示すように調整し1分間又は3分間印加した後、目開き1μmのフィルターを使用して濾過を行い、60mlの純水を用いて洗浄し、乾燥した後、シリカ粒子及び酸化チタン粒子若しくはメタチタン酸粒子の残存率をそれぞれ蛍光X線により算出し付着強度とする。
なお、トナー中のチタン原子量とケイ素原子量の測定には、波長分散型蛍光X線分析装置「XRF−1700」((株)島津製作所製)を用いて測定を行う。具体的な測定方法としては、サンプルのトナー2gを加圧してペレット化し、定性分析にて下記条件で測定を行う。なお、測定には2θテーブルより測定したい元素のKαピーク角度を決定して用いる。
分光計条件
スリット :標準
アッテネータ:なし
分光結晶 :Ti=LiF
Si=PET
検出器 :Ti=SC
Si=FPC
Ti残存率(US3分)は、上記の超音波分散3分間処理のTiKα分析線のNet強度の値を、超音波分散未処理のトナーのNet強度の値で割った値として算出する。Si残存率についても同様にして測定する。
≪トナー母体粒子≫
本発明で用いられるトナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる粒子で、電子写真方式の画像形成に使用されるトナー粒子の母体を構成するもので、一般に、母体粒子あるいは着色粒子と呼ばれるものである。本発明において、トナー母体粒子は、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有している。
本発明においては、トナー母体粒子が結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有していることによって生じるマイナス側への過剰帯電を、チタン原子表面存在率並びにチタン原子残存率及びケイ素原子残存率を前記条件A1及び条件B1の範囲内とすることによって抑制するものである。
トナー母体粒子中におけるポリエステル樹脂の存在形態としては、トナー母体粒子を構成する結着樹脂がポリエステル樹脂を含有するものであれば、その形態は特に限定されない。例えば、トナー母体粒子を構成する結着樹脂が100%ポリエステル樹脂で構成されていてもよいし、他の樹脂との併用であってもよい。また、コア・シェル構造を有するトナー母体粒子であってもよい。この場合、ポリエステル樹脂はシェルの結着樹脂に含有される。また、トナー母体粒子が、ドメイン・マトリクス構造を有していてもよく、この場合、ポリエステル樹脂は、ドメインを構成する結着樹脂に含有されていてもよいし、あるいはマトリクスを構成する結着樹脂に含有されていてもよい。本発明においては、トナー母体粒子は、シェルの結着樹脂にポリエステル樹脂を含有するコア・シェル構造を有することが好ましい。
なお、トナー母体粒子を外添剤で処理したものをトナー粒子といい、トナー粒子の集合体をトナーと呼ぶ。
また、トナー母体粒子の粒径は、体積基準メディアン径(D50)で3μm以上10μm以下のものであることが好ましい。体積基準メディアン径を上記範囲とすることにより、例えば、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することも可能になる。
(トナー母体粒子の粒径の測定)
トナー母体粒子の体積基準メディアン径(D50)は、例えば、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。測定手順としては、トナー粒子0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を作製する。このトナー母体粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は100μmのものを使用する。測定範囲1〜30μmの範囲を256分割しての頻度数を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径(D50)とする。
(トナー母体粒子の平均円形度の測定)
本発明で用いられるトナー母体粒子の平均円形度は0.850以上0.990以下が好ましい。ここで、トナー母体粒子の平均円形度はフロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナー母体粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行い、分散した後、「FPIA−2100」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある測定値が得られる。円形度は下記式(2)で計算される。
式(2):
円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
トナー粒子の粒径及び平均円形度は、トナー母体粒子の粒径及び平均円形度とほぼ同じであり、トナー母体粒子と同様にして測定することができる。
<結着樹脂>
本発明で用いられるトナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、結着樹脂としてトナー母体粒子が少なくともポリエステル樹脂を含有してなる粒子である。
トナー母体粒子は結着樹脂としてポリエステル樹脂のみから構成されていてもよいが、その他の樹脂、例えばスチレン−アクリル樹脂と併用してもよい。
(ポリエステル樹脂)
本発明に係るポリエステル樹脂は、多価カルボン酸モノマー(誘導体)及び多価アルコールモノマー(誘導体)を原料として適宜の触媒の存在下で重縮合反応によって製造されたものである。
多価カルボン酸モノマー誘導体としては、多価カルボン酸モノマーのアルキルエステル、酸無水物及び酸塩化物を用いることができ、多価アルコールモノマー誘導体としては、多価アルコールモノマーのエステル化合物及びヒドロキシカルボン酸を用いることができる。多価カルボン酸モノマーとしては、例えばシュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p′−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸などの2価のカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、及びピレンテトラカルボン酸などの3価以上のカルボン酸などを挙げることができる。多価カルボン酸モノマーとしては、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、特に、上記一般式(A)で表される不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましい。また、本発明においては無水マレイン酸などのジカルボン酸の無水物を用いることもできる。
多価アルコールモノマーとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの2価のアルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン及びテトラエチロールベンゾグアナミンなどの3価以上のポリオールなどを挙げることができる。
(その他の樹脂)
その他は特に限定されるものではなく、公知の結晶性樹脂や非晶性樹脂を併用することもできる。トナーの機械的強度や、ワックスとの親和性の観点から、スチレン−アクリル樹脂を用いることが好ましい。
スチレン−アクリル系樹脂に用いられる重合性モノマーとしては、芳香族系ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸エステル系モノマーであり、ラジカル重合を行うことができるエチレン性不飽和結合を有するものが好ましい。例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレンなど及びその誘導体が挙げられる。これらの芳香族系ビニルモノマーは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、及びメタクリル酸ジエチルアミノエチルなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステル系モノマーは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でもスチレン系モノマーとアクリル酸エステル系モノマー又はメタクリル酸エステル系モノマーとを組み合わせて使用することが好ましい。
重合性モノマーとしては、第三のビニル系モノマーを使用することもできる。第三のビニル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、ビニル酢酸等の酸モノマー、及びアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブチレン塩化ビニル、N−ビニルピロリドン、及びブタジエン等が挙げられる。重合性モノマーとしては、さらに多官能ビニルモノマーを使用してもよい。多官能ビニルモノマーとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のジアクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三級以上のアルコールのジメタクリレート及びトリメタクリレート等が挙げられる。
本発明に係るトナー母体粒子は結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有し、その他にスチレン−アクリル樹脂を含有することが好ましい。シェル層にポリエステル樹脂を含有しコア粒子にスチレン−アクリル樹脂を含有するコア・シェル構造のトナー母体粒子を乳化凝集法で作製する場合、ポリエステル樹脂は、スチレン−アクリル重合セグメントとポリエステル樹脂セグメントが結合した複合樹脂(「スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂」ともいう。)であることが好ましい。ポリエステル樹脂が、スチレン−アクリル重合セグメントとポリエステル重合セグメントが結合した複合樹脂であるとシェルを構成するポリエステル樹脂とコアを構成するスチレン−アクリル樹脂との親和性が高まり表面が平滑で均一かつ薄層のシェル層を形成することができるので好ましい。
また、ポリエステル樹脂をドメインとし、スチレン−アクリル樹脂をマトリクスとするドメイン・マトリクス構造のトナー母体粒子を乳化凝集法で作製する場合も同様にポリエステル樹脂が、スチレン−アクリル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合した複合樹脂であるとマトリクス中にドメインが均一に分散したドメイン・マトリクス構造を有するトナー母体粒子とすることができるので好ましい。
スチレン−アクリル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合した複合樹脂において、スチレン−アクリル重合セグメントの割合は、複合樹脂中5〜30質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲内であるとコア粒子若しくはマトリクスを構成するスチレン−アクリル樹脂と複合樹脂との親和性が良好に保たれるので好ましい。
<着色剤>
トナー粒子に含有される着色剤としては、例えば、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。磁性体としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性体金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金(例えば、マンガン−銅−アルミニウム及びマンガン−銅−スズなどのホイスラー合金、二酸化クロムなど)などが挙げられる。染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して4〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜8質量部である。
<その他の添加剤>
(ワックス)
本発明のトナーにはワックスを含有させることができる。ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、及びクエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ワックスの含有割合は、トナー母体粒子全質量の2〜20質量%、好ましくは3〜18質量%、更に好ましくは4〜15質量%である。また、ワックスの融点としては、電子写真におけるトナーの低温定着性と離型性との観点から、50〜95℃であることが好ましい。
(荷電制御剤)
本発明のトナーには、トナー粒子の帯電性を制御する目的で、荷電制御剤粒子を添加することができる。荷電制御剤粒子を構成する荷電制御剤としては種々の公知のもので、かつ水系媒体中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩、あるいはその金属錯体などが挙げられる。この荷電制御剤粒子は、分散した状態で個数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
≪トナー母体粒子の製造方法≫
本発明に係るトナー母体粒子を製造する方法としては、例えば、懸濁重合法、乳化凝集法、その他の公知の方法などを挙げることができるが、乳化凝集法を用いることが好ましい。この乳化凝集法によれば、製造コスト及び形状や粒径のそろったトナー母体粒子を作製する上で有利である。ここに、乳化凝集法とは、乳化によって製造された結着樹脂の微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、必要に応じて、着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)の分散液と混合し、所望のトナー粒子径となるまで凝集させ、さらに結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー母体粒子を製造する方法である。ここで、結着樹脂の粒子は、任意に離型剤、荷電制御剤などを含有していてもよい。トナー母体粒子の製造方法として、乳化凝集法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)水系媒体中に着色剤微粒子が分散されてなる着色剤微粒子分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる結着樹脂微粒子分散液を調製する工程
(3)着色剤微粒子の分散液と結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、着色剤微粒子及び結着樹脂微粒子を凝集、融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(4)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(5)トナー母体粒子を乾燥する工程
(6)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
上記(2)の工程において結着樹脂微粒子を分散する手法としては、乳化重合により得られる乳化重合微粒子分散液を用いることが好ましい。また、結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよい。このような構成の結着樹脂微粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)によって樹脂微粒子の分散液を調製し、この分散液に重合開始剤と重合性モノマーとを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する手法によって得ることができる。また、必要に応じて、さらに重合開始剤と重合性モノマーを加えて、第3段重合を行い3層構成とすることもできる。
また、乳化凝集法においては、コア・シェル構造を有するトナー母体粒子を得ることもできる。具体的には、コア・シェル構造を有するトナー母体粒子は、先ず、コア粒子用の結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを凝集、融着させてコア粒子の分散液を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル用の結着樹脂微粒子の分散液を添加してコア粒子表面にシェル用の結着樹脂微粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。
本発明において、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
≪トナー粒子≫
本発明のトナーは上記トナー母体粒子にシリカ粒子と、酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子を外添剤として添加し、トナー粒子とすることによって得ることができる。また、必要に応じて、その他の外添剤を添加することができる。
<外添剤>
一般に、トナー母体粒子には、流動性や帯電性を制御する目的で、外添剤が添加されることが好ましい。
本発明のトナーは外添剤として、シリカ粒子と、酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子を含有する。その他にトナーの流動性や帯電性を制御する目的で、外添剤として他の金属酸化物粒子を含有してもよい。金属酸化物粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、例えば、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、酸化亜鉛粒子、酸化クロム粒子、酸化セリウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化タングステン粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化マンガン粒子及び酸化ホウ素粒子等が挙げられる。
(シリカ粒子)
シリカ粒子としては、気相法、溶融法、ゾル・ゲル法等により作製されたシリカ粒子が使用できるが、これらの中で、ゾル・ゲル法により作製されたシリカ粒子が好ましい。ゾル・ゲル法で作製されたシリカ粒子は、粒子径分布が狭いという特徴を有しているので、付着強度のバラツキを抑制する点で好ましい。本発明においては、シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、70〜130nmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であるとトナー母体粒子に強固に固着せず現像剤中で撹拌混合されることにより適度にキャリア側に移行することができる。
また、個数平均一次粒子径が上記範囲内にあるシリカ粒子は他の外添剤に比べて粒子径が大きいのでスペーサーとしての役割を有し、酸化チタン粒子、メタチタン酸粒子及びその他の粒子径の小さい外添剤が現像器中で撹拌混合されることによってトナー母体粒子中に更に埋め込まれるのを防止する効果を有し、また、トナー母体粒子同士が融着するのを防止する効果を有している。
本発明においては、外添剤として、粒子径や製法の異なる2種以上のシリカ粒子を併用してもよい。粒子径の小さいシリカ粒子としては、個数平均一次粒子径が10〜50nmの範囲内のシリカ粒子が好ましい。2種以上のシリカ粒子を併用する場合は、Si残存率はこれらの合計で表される。
(酸化チタン粒子、メタチタン酸粒子)
酸化チタン粒子及びメタチタン酸粒子としては、特に限定されず公知の酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子を用いることができる。
メタチタン酸粒子とは、チタン化合物の一種であり、一般的には酸化チタンの前駆体である。製造方法は、湿式硫酸法及び湿式塩酸法が挙げられる。メタチタン酸粒子の特徴としては、表面処理剤との反応性及び反応量が通常の酸化チタンよりも良好なことである。また、製造過程において焼成工程が無いため、粒子は小さく、一次粒子として存在しやすいことが挙げられる。
酸化チタン粒子及びメタチタン酸粒子の個数平均一次粒子径は、5〜50nmの範囲内である。個数平均一次粒子径が、上記範囲内であるとトナー母体粒子に埋め込まれ強固に付着することができるので、現像剤中においてキャリア側への移行を抑制することができる。5nmより小さいと余りにも埋没しやすいため、過剰帯電抑制の効果及び帯電の立ち上がりを速くする効果を安定して発現できなくなり、50nmより大きいとトナー母体粒子への付着力が低下してしまう。
酸化チタン粒子及びメタチタン酸粒子は、それぞれ粒子径や製法の異なる2種以上を併用してもよい。
また、シリカ粒子、酸化チタン粒子及びメタチタン酸粒子は、その性能を阻害しない範囲で他の成分を含有してもよい。
(表面処理)
本発明に使用可能な外添剤は、カップリング剤等の公知の表面処理剤により表面の疎水化処理が施されているものが好ましく、本発明に用いられる表面処理剤は、特に好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルの具体例としては、例えば、オルガノシロキサンオリゴマー、オクタメチルシクロテトラシロキサン、又はデカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状化合物や、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンを挙げることができる。また、側鎖又は片末端や両末端や側鎖片末端や側鎖両末端などに変性基を導入した反応性の高い、少なくとも末端を変性したシリコーンオイルを用いても良い。変性基の種類としては、アルコキシ、カルボキシル、カルビノール、高級脂肪酸変性、フェノール、エポキシ、メタクリル、アミノなどが挙げられるが特に限定されるものではない。また、例えば、アミノ/アルコキシ変性など数種の変性基を有するシリコーンオイルであっても良い。
また、ジメチルシリコーンオイルとこれら変性シリコーンオイル、さらには他の表面処理剤とを混合処理若しくは併用処理しても構わない。併用する処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、各種シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物、ロジン酸等を例示することができる。
これら外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。より好ましくは1.0〜3.0質量%である。
上記外添剤が、シランカップリング剤又はチタンカップリング剤で処理された場合、前述のTi原子表面存在率、Ti残存率及びSi残存率は、これらを含めた値として求められる。
なお、外添剤の疎水化度は以下のようにして求めることができる。
<疎水化度の測定法>
容積250mlのビーカー中に蒸留水50mlを入れた後、0.2gに秤量された外添剤を添加し、先端が液体中に浸漬されているビュレットからメタノールを滴下し、ゆっくり撹拌した状態で試料の全体が濡れて全部が沈降するまでに必要とされるメタノールの量をa(ml)として、下記式(3)により求める。
式(3):
疎水化度(%)={a/(a+50)}×100
(滑材)
本発明に係るトナー粒子は、上記外添剤の他に脂肪酸金属塩等の滑剤を含有してもよい。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム又はステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
<外添剤の添加・混合>
トナー母体粒子に対する外添剤の外添混合処理は、機械式混合装置を用いることができる。機械式混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、タービュラーミキサー等が使用できる。これらの中で、ヘンシェルミキサーのように処理される粒子に剪断力を付与できる混合装置を用いて、混合時間を長くする又は撹拌羽根の回転周速を上げる等の混合処理を行えばよい。また、複数種類の外添剤を使用する場合、トナー粒子に対して全ての外添剤を一括で混合処理するか、あるいは外添剤に応じて複数回に分けて分割して混合処理してもよい。
(外添剤混合方法:外添剤付着強度の制御)
外添剤の混合方法は、上記機械式混合装置を用いて、混合強度、すなわち撹拌羽根の周速、混合時間、あるいは、混合温度等を制御することによって付着強度を制御することができる。また、同じ混合条件で比較した場合では、外添剤粒子の粒径が小さいほどトナー母体粒子に埋め込まれるので付着強度を高くすることができる。また、これらの条件は、混合装置の形状や大きさ、撹拌羽根の形状、添加するトナー母体粒子の量によっても変化する。
本発明においては、酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子はトナー母体粒子に対する付着強度が高い方がよく、酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子の個数平均一次粒子径は、5〜50nmの範囲内であるものを使用し、撹拌強度を高くすることによって、付着強度を高くすることができる。一方、シリカ粒子は、現像剤中で混合されることによって、一定量キャリア側へ移行させる。そのためには、トナー母体粒子に対する付着強度を弱くすることが好ましい。付着強度を弱くするには、粒子径の大きいシリカ粒子とすることによって、付着強度を小さくすることができる。また、付着強度を弱くするには、撹拌強度を小さくする(回転数を小さくする)、混合時間を短くする、温度を低めに制御する等が挙げられる。また、酸化チタン粒子又はメタチタン酸粒子とシリカ粒子を同時に添加混合するのでなく、複数回に分けて添加混合することによって、それぞれに合った条件を選択し、両者の付着強度を制御することもできる。
外添剤をトナー母体粒子へ付着させる方法は、上記機械式混合機、例えばヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製FMミキサー)を用いて外添剤とトナー母体粒子を混合する方法が好ましい。
≪現像剤≫
本発明のトナーは、キャリアと混合した二成分現像剤として用いられる。キャリアとトナーの混合割合は、現像剤中トナー濃度5〜10質量%の範囲内が好ましい。キャリアとトナーの混合は、タービュラーミキサー(グレン・ミルズ(Glen Mills)社製)、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)、ナウターミキサー又はV型混合機等を用いることができる。
<キャリア>
本発明のトナーを二成分現像剤として使用する際に使用されるキャリアは、例えば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の公知の磁性粒子を使用することが可能であり、これらの中ではフェライトが好ましい。また、前述の磁性粒子表面を樹脂等で被覆した構造のコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散させた樹脂分散型キャリア等の樹脂を用いたキャリアを使用することも可能である。キャリアの体積平均粒径は25〜50μmが好ましい。
≪トナーの作製≫
<トナー母体粒子1の作製>
(1)着色剤微粒子分散液(1)の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解させた溶液を撹拌させており、当該溶液中に銅フタロシアニン24.5質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメディアン径が126nmである「着色剤微粒子分散液(1)」を調製した。
(2)スチレン−アクリル樹脂微粒子分散液(A)の調製
第1段重合「樹脂微粒子(a)」の分散液
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器にあらかじめアニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に重合開始剤「過硫酸カリウム(KPS)」9.0質量部を添加し、内温を78℃とさせた後、
モノマー溶液(1)
スチレン 540質量部
n−ブチルアクリレート 270質量部
メタクリル酸 65質量部
n−オクチルメルカプタン 17質量部
からなるモノマー溶液(1)を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱・撹拌することで重合(第1段重合)を行い「樹脂微粒子(a)」の分散液を調製した。
第2段重合:中間層の形成(「樹脂微粒子(b)」分散液の調製)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、
スチレン 94質量部
n−ブチルアクリレート 60質量部
メタクリル酸 11質量部
n−オクチルメルカプタン 5質量部
からなるモノマー溶液に、離型剤としてパラフィンワックス(融点:73℃)51質量部を添加し、85℃に加温して溶解させてモノマー溶液(2)を調製した。
一方、アニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、この界面活性剤溶液に「樹脂微粒子(a)」の分散液を、「樹脂微粒子(a)」の固形分換算で28質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)により、前記モノマー溶液(2)を4時間混合・分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を90℃において2時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第2段重合)を行って「樹脂微粒子(b)」の分散液を調製した。
第3段重合:外層の形成(「スチレンア−クリル樹脂粒子分散液」の調製)
上記の「樹脂微粒子(b)」の分散液に、重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、 モノマー溶液(3)
スチレン 220質量部
n−ブチルアクリレート 110質量部
メタクリル酸 15質量部
n−オクチルメルカプタン 5.2質量部
からなるモノマー溶液(3)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第3段重合)を行った。その後、28℃まで冷却し、「スチレン−アクリル樹脂微粒子分散液(A)」を調製した。
(3)スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂(B)の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 500質量部
テレフタル酸 117質量部
フマル酸 82質量部
エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2質量部
を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、
アクリル酸 10質量部
スチレン 63質量部
n−ブチルアクリレート 16質量部
重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 10質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、アクリル酸、スチレン、ブチルアクリレートを除去することにより、スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂(B)を得た。このスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂(B)のガラス転移点は60℃、軟化点は105℃であった。
(4)スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂微粒子分散液(B)の調製
得られたスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂(B)100質量部を、「ランデルミル 形式:RM」(徳寿工作所社製)で粉砕し、あらかじめ作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散し、体積基準のメディアン径(D50)が250nmであるスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂(B)が分散された「スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂微粒子分散液(B)」を作製した。
(5)凝集・融着工程
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、「スチレン−アクリル樹脂微粒子分散液(A)」を固形分換算で300質量部、イオン交換水2000質量部を投入後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。その後、「着色剤微粒子分散液(1)」を固形分換算で40質量部投入した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μmになった時点で、「スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂微粒子分散液(B)」を固形分換算で30質量部を30分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(シスメックス(Sysmex)社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.945になった時点で30℃に冷却し、「トナー母体粒子の分散液(1)」を調製した。
(6)洗浄・乾燥工程
凝集・融着工程にて生成したトナー母体粒子の分散液(1)を遠心分離機で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」((株)セイシン企業製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して粒子径が6.4μmの「トナー母体粒子1」を作製した。
<トナー1の作製>
(外添剤処理工程)
上記のようにして作製した「トナー母体粒子1」に、ゾルゲルシリカ(シリカ(2):HMDS処理、疎水化度72%、個数平均一次粒子径100nm)1.15質量%をヘンシェルミキサー型式「FM20C/I」(日本コークス工業(株)製)に添加し、羽根先端周速が40m/sとなるようにして回転数を設定して5分間撹拌した。次いで、疎水性シリカ(シリカ(1):HMDS処理、疎水化度72%、個数平均一次粒子径=40nm)2.00質量%及び疎水性酸化チタン(HMDS処理、疎水化度55%、個数平均一次粒子径=5nm)0.05質量%を添加し、同条件で20分間混合して、トナー粒子1からなる「トナー1」を作製した。また、外添混合時の品温は40℃±1℃となるように設定し、41℃になった場合は、ヘンシェルミキサーの外浴に冷却水を5L/分の流量で冷却水を流し、39℃になった場合は、1L/分となるように冷却水を流すことでヘンシェルミキサー内部の温度制御を実施した。
<トナー2〜27の作製>
外添剤の種類、添加量及び混合条件を表1のようにした他はトナー1と同様にして、トナー2〜27を作製した。同様に、羽根先端周速が40m/sとなるようにして回転数を設定し、外添混合時の品温は40℃±1℃となるように設定し、41℃になった場合は、ヘンシェルミキサーの外浴に冷却水を5L/分の流量で冷却水を流し、39℃になった場合は、1L/分となるように冷却水を流すことでヘンシェルミキサー内部の温度制御を実施した。
外添剤の混合時間は、それぞれ表1に記載の時間になるようにして2回又は3回に分けて添加した。
また、トナー1〜6及び24〜27は、粒子径の異なる酸化チタン粒子、メタチタン酸粒子及びシリカ粒子を下記式(4)を用いて被覆率換算から同じ被覆率になるようにして添加量を計算して添加した。
ここで、トナー1〜5、トナー8〜10、12、13、16〜18、20〜22、25及び26は、本発明のトナーであり、トナー6、7、11、14、15、19、23、24及び27は、比較例のトナーである。
Figure 0006273786
Figure 0006273786
da:外添剤(シリカ粒子)の質量平均粒子径
dt:トナー粒子の質量平均粒子径
ρa:外添剤の真比重
ρt:トナー粒子の真比重
C :外添剤質量/トナー粒子の質量
上記のようにして作製したトナー1〜27について、チタン原子表面存在比率、Si残存率及びTi残存率を測定した。結果を表2に示した。
Figure 0006273786
<現像剤の作製>
上記のようにして作製したトナー1〜27について、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合樹脂(モノマー質量比=1:1)を被覆した体積平均粒子径30μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が6質量%となるようにして混合し現像剤1〜25を作製し以下の評価を行った。混合機は、V型混合機を用いて、30分間混合した。
≪評価方法≫
評価装置として、市販のデジタルフルカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ(株)製)を用い、上記で作製したトナー1〜27と現像剤1〜27をそれぞれ順次装填し、低温低湿(10℃・20%RH)環境、高温高湿(30℃・80%RH)環境で、それぞれ印字率5%の文字画像を1万枚プリントした。
<帯電量測定>
初期と1万枚印刷後に現像剤を採取しトナー帯電量を測定した。帯電量の測定は、ブローオフ式帯電量測定機「TB−200」(東芝ケミカル(株)製)を用いた。結果を表3に示した。
(判定基準)
なお、低温低湿環境と高温高湿環境での初期帯電量と1万枚印刷後の帯電量における最大値と最小値の差を変動幅Δとして評価した。
◎:0μC/g以上10μC/g未満
○:10μC/g以上15μC/g未満
×:15μC/g以上21μC/g未満
××:21μC/g以上
<画像濃度測定>
また上記実写評価にて初期と印字率5%の文字画像を1万枚プリント後に、10cm角のベタ画像をプリントし、画像濃度を反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」でランダムに10か所測定し、その平均濃度で評価した。結果を表4に示した。
(判定基準)
なお、低温低湿環境と高温高湿環境での初期画像濃度と1万枚印刷後の画像濃度における最大値と最小値の差を変動幅Δとして評価した。
◎:0以上0.10未満
○:0.10以上0.15未満
×:0.15以上0.20未満
××:0.20以上。
Figure 0006273786
Figure 0006273786
表3及び表4の結果から明らかなように、本発明のトナーは、比較例のトナーに比べて温湿度環境の変動に対しても、帯電性が安定し、出力画像濃度が安定した画像を得ることができる。

Claims (3)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー母体粒子の表面に、外添剤が付着したトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、
    当該トナー母体粒子が結着樹脂として、ポリエステル樹脂を含有し、
    当該外添剤が、少なくとも個数平均一次粒子径が70〜130nmの範囲内のシリカ粒子と、個数平均一次粒子径が5〜50nmの範囲内の酸化チタン粒子を含有し、
    当該静電潜像現像用トナーのX線電子分光測定において、当該トナー粒子表面におけるチタン原子存在比率が、下記条件A1を満たし、
    かつ、前記静電潜像現像用トナーを水中で超音波分散処理した後の、前記トナー粒子表面における前記シリカ粒子の残存率と、前記酸化チタン粒子の残存率が下記条件B1を満たすことを特徴とする静電潜像現像用トナー。
    条件A1:0.30atom%≦チタン原子存在比率(Ti/(C+O+Si+Ti))≦1.20atom%
    (ここで、チタン原子存在比率とは、X線光電子分光分析装置を用いてトナー粒子表面の原子の定量分析を行うことによって求めた値を表す。)
    条件B1:80%≦Ti残存率(US3分)≦100%
    40%≦Si残存率(US1分)≦65%
    かつ、0.6≦Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)≦1.0
    (ここで、Ti残存率とは、トナー中のチタン原子の残存率を表し、Si残存率とは、トナー中のケイ素原子の残存率を表す。残存率(US1分)とは、超音波分散処理1分後の残存率を表し、残存率(US3分)とは、超音波分散処理3分後の残存率を表す。測定法としては、トナー3gをポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2質量%水溶液40gに湿潤し、超音波式ホモジナイザーを用いて超音波エネルギー50Wで1分間又は3分間超音波分散処理した後、目開き1μmのフィルターを使用して濾過を行い、60mlの純水を用いて洗浄し、乾燥した後、シリカ粒子及び酸化チタン粒子の残存率をそれぞれ蛍光X線により算出する。)
  2. 前記条件A1及び条件B1が、下記条件A2及びB2の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
    条件A2:0.70atom%≦チタン原子存在比率(Ti/(C+O+Si+Ti))≦1.20atom%
    (ここで、チタン原子存在比率とは、X線光電子分光分析装置を用いてトナー粒子表面の原子の定量分析を行うことによって求めた値を表す。)
    条件B2:90%≦Ti残存率(US3分)≦100%
    40%≦Si残存率(US1分)≦60%
    かつ、0.8≦Si残存率(US3分)/Si残存率(US1分)≦1.0
    (ここで、Ti残存率とは、トナー中のチタン原子の残存率を表し、Si残存率とは、トナー中のケイ素原子の残存率を表す。残存率(US1分)とは、超音波分散処理1分後の残存率を表し、残存率(US3分)とは、超音波分散処理3分後の残存率を表す。測定法としては、トナー3gをポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2質量%水溶液40gに湿潤し、超音波式ホモジナイザーを用いて超音波エネルギー50Wで1分間又は3分間超音波分散処理した後、目開き1μmのフィルターを使用して濾過を行い、60mlの純水を用いて洗浄し、乾燥した後、シリカ粒子及び酸化チタン粒子の残存率をそれぞれ蛍光X線により算出する。)
  3. 前記シリカ粒子が、ゾル・ゲル法で作製されたシリカ粒子を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナー。
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