JP2001109195A - イエロートナー及びフルカラー画像形成方法 - Google Patents

イエロートナー及びフルカラー画像形成方法

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JP2001109195A
JP2001109195A JP28472499A JP28472499A JP2001109195A JP 2001109195 A JP2001109195 A JP 2001109195A JP 28472499 A JP28472499 A JP 28472499A JP 28472499 A JP28472499 A JP 28472499A JP 2001109195 A JP2001109195 A JP 2001109195A
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toner
yellow
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circularity
colorant
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Koji Inaba
功二 稲葉
Katsuyuki Nonaka
克之 野中
Tatsuya Nakamura
達哉 中村
Hiroaki Kawakami
宏明 川上
Tomohito Handa
智史 半田
Yuji Moriki
裕二 森木
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 OHP(オーバーヘッドプロジェクター)の
イエロー投影画像の透明性に優れ、高温高湿における帯
電量や画像濃度が安定であり、転写性が良好で、さらに
2次色以上の重ねあわせにおいて定着性に優れたイエロ
ートナーの提供。 【解決手段】 結着樹脂、着色剤、離型剤及び下記式
(1)で示されるヒドロキシカルボン酸と2価又は3価
の金属との化合物を含有するトナーであって、着色剤と
してC.I.Pigment Yellow 93単独
あるいは、C.I.Pigment Yellow 9
3とC.I.SolventYellow 162とを
含有しており、トナーの重量平均分子量が10000乃
至600000であり、平均円形度が0.920乃至
0.995であり、円形度標準偏差が0.040未満で
あることを特徴とする。 (式中、R1とR2は直鎖または分岐したアルキル基、ア
ルケニル基などの置換基を、m及びnは0乃至5の整数
を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法,静電
記録法,磁気記録法,トナージェット法に用いられるイ
エロートナー及びフルカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタルフルカラー複写機やプリ
ンターが実用化され、解像力・階調性はもとより色ムラ
のない色再現性に優れた高画質画像が得られるようにな
ってきた。
【0003】デジタルフルカラー複写機においては、色
画像原稿をB(ブルー)・G(グリーン)・R(レッ
ド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像
に対応した20〜70μmのドット径からなる潜像をY
(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・BK
(ブラック)の各色現像剤を用い減色混合作用を利用し
て現像するが、白黒複写機と比べ多量の現像剤を感光体
から転写材に転写させる必要があることや、将来の更な
る高画質化に対応すべく、より微小ドットに対応した現
像剤の微小粒径化の要求が予想される。
【0004】しかし高画質化の要求に伴いトナー粒径を
小さくすると、フルカラー画像の解像力や鮮映度は確か
に満足のいく方向となるが、微粒子化に伴って様々な影
響があることが分かってきた。
【0005】それは、トナー粒径を小さくするとそれだ
け着色剤の偏在により、帯電特性が影響を受けやすくな
るという問題が生じてくるということである。
【0006】また、近年複写装置は、単なる一般にいう
オリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機とい
うだけでなく、コンピュータの出力としてのプリンター
あるいは個人向けのパーソナルコピーという分野で使わ
れ始めた。
【0007】このようなレーザービームプリンターに代
表される分野以外にも、基本エンジンを応用した普通紙
ファックスヘの展開も急激に発展をとげつつある。
【0008】特に、今後急速な市場の伸びが考えられる
パーソナルコンピュータ用のカラープリンター、パーソ
ナルカラーコピーにおいてはより小型、より軽量、より
高速、より高画質、より高信頼性、中でも高速化に関す
る要求は強く、いかに高速印字において高信頼性を保つ
かが不可欠な課題である。高速にて連続通紙をした場
合、機内昇温は厳しくなる方向でそれに対するトナー特
性の向上も重要な課題である。
【0009】よって、従来以上にカラートナー各色の分
散を向上させることによる帯電特性の良好なトナーや、
連続通紙での温度上昇によるトナー劣化の少ないトナー
が要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の如き問題点を解決し得るイエロートナー及びフルカラ
ー画像形成方法を提供することにある。
【0011】本発明の目的は、OHP(オーバーヘッド
プロジェクター)のイエロー投影画像の透明性の優れた
画像の得られるイエロートナーを提供することにある。
【0012】本発明の更なる目的は、高温高湿における
帯電量、画像濃度が安定であるイエロートナー及びフル
カラー画像形成方法を提供することにある。
【0013】本発明の更なる目的は、高温高湿における
転写性が良好なイエロートナー及びフルカラー画像形成
方法を提供することにある。
【0014】本発明の更なる目的は、高温高湿における
レッド、ブルーにおける定着性に優れたイエロートナー
及びフルカラー画像形成方法を提供することにある。
【0015】本発明の更なる目的は、OHP(オーバー
ヘッドプロジェクター)のフルカラー投影画像の色空間
が広く、透明性の優れたイエロートナー及びフルカラー
画像形成方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂、着色剤、離型剤及び下記式(1)で示されるヒ
ドロキシカルボン酸と2価又は3価の金属との化合物を
含有するトナーであって、該着色剤としてC.I.Pi
gment Yellow 93単独あるいは、C.
I.Pigment Yellow 93とC.I.S
olvent Yellow 162とを含有してお
り、該トナーのテトラヒドロフラン(THF)の可溶成
分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)
における重量平均分子量が10000乃至600000
であり、フロー式粒子像測定装置で計測される該トナー
の平均円形度が0.920乃至0.995であり、円形
度標準偏差が0.040未満であることを特徴とするイ
エロートナーに関する。
【0017】
【化3】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
整数を示す。) また、本発明は、上記イエロートナーを用いたフルカラ
ー画像形成方法に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】従来、長期にわたる安定した帯電
量やOHPシートの透明性の改善を目的として、ヒドロ
キシカルボン酸誘導体を含有するトナーが出願されてい
る(特開平7−84409号公報、特開平8−2628
00号公報など)。しかしながら、C.I.Pigme
nt Yellow 12、14;C.I.Solve
ntYellow 21、77、114;C.I.Di
sperse Yellow164などを用いたイエロ
ー着色剤を用いた場合には、先に挙げた項目に関して必
ずしも満足のいくものではなかった。さらにフルカラー
画像形成においては、投影画像の鮮やかさの点でもまた
十分なものではなかった。
【0019】これに対して、本発明者らは鋭意検討をし
た結果、下記式(1)で示されるヒドロキシカルボン酸
と2価又は3価の金属との化合物と、上記組み合わせの
イエロー着色剤にすることで、従来公知例よりも透明性
を向上させることを見出した。
【0020】更に、上記組み合わせのイエロー着色剤、
マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を含有した各トナーの
円相当個数平均径、平均円形度及び円形度標準偏差をあ
る範囲内にすることで、上記問題点を改善できることを
見出した。
【0021】
【化4】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
整数を示す。)
【0022】上記の組み合わせにすることで、芳香族オ
キシカルボン酸と金属との化合物を用いた場合と同等の
帯電能力を保持できることに加えて、円形度標準偏差が
小さいため、現像転写される各トナー間の帯電量分布差
が小さいことによる環境変動に強いトナーを製造可能と
した。
【0023】これにより高温高湿での連続通紙における
帯電量が安定した。
【0024】また、上記のヒドロキシカルボン酸誘導体
と着色剤とを組み合わせることで、従来のカラートナー
用帯電制御剤よりも、結着樹脂に弱架橋性が持たせられ
た。これにテトラヒドロフラン(THF)の可溶分の重
量平均分子量、円形度及び円形度標準偏差の規定が加味
されることにより、連続通紙、特に高温高湿下での連続
通紙において、現像機内の現像剤パッキング部で発生し
易いトナー凝集物の発生が減少できた。さらに外添剤の
トナー表面への埋め込みも減少させることが可能となっ
た。このことから、高温高湿下での連続通紙における凝
集物由来の転写不良が大幅に改善され、且つ、安定した
画像濃度を維持することが可能となったのである。
【0025】本発明のヒドロキシカルボン酸と2価又は
3価の金属との化合物は、以下の構造が好ましい。
【0026】
【化5】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
整数を示す。) 2価又は3価の金属は特に制限を受けるものではない
が、好ましくは、B,Zn,Ni,Co,Mn,Alが
良い。さらに好ましくはZn,Alなどが帯電能力が高
く良い。
【0027】カウンターイオンは特に制約を受けるのも
ではなく、任意のものが使用できる。例えば、水素、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキ
ルアンモニウムなどがある。
【0028】本発明に用いられるヒドロキシカルボン酸
と2価又は3価の金属との化合物の製造方法としては、
例えば2価又は3価の金属としてアルミニウムを例にと
って説明すると、上記の如き未置換又は置換基を有する
ヒドロキシカルボン酸と硫酸アルミニウム(Al2(S
43)の如きアルミニウム塩とを所望のモル比で混合
し、アルカリ雰囲気下で加熱反応させ、得られた沈殿物
を濾別採取し、更に水洗い、乾燥することによって得る
ことができる。但し、本発明に係るヒドロキシカルボン
酸と2価又は3価の金属との化合物の製造方法は、これ
に限定されるものではない。
【0029】該金属化合物は、結着樹脂100質量部当
り0.01乃至10質量部、より好ましくは0.05乃
至5質量部使用するのが良い。
【0030】なお、ここで言う結着樹脂とは一般的な樹
脂なら何でも良く、より好ましくは、ビニル系樹脂が望
まれる。
【0031】添加量が0.01質量部未満の場合には、
帯電能が十分に出ず、初期画像の紙上のカブリが悪い。
10質量部を超える場合には、該金属化合物自身の分散
が悪く、それに伴い着色剤のトナー中での分散も不良に
なり、帯電不均一なトナーができてしまう。
【0032】本発明のトナーが仮に重合法の場合には、
水相、油相のどちらかに該金属化合物を含有しても良
い。
【0033】該着色剤のC.I.Solvent Ye
llow 162/C.I.Pigment Yell
ow 93の割合は0乃至3.0が好ましく、より好ま
しくは0.05乃至2.0が良い。割合が3.0を超え
る場合には、耐光性が必ずしも十分ではない。
【0034】本発明のフルカラー画像形成方法において
用いられるフルカラー用のマゼンタ着色剤は、キナクリ
ドン系及び/またはアゾ系であることが好ましく、より
好ましくはキナクリドン系の固溶体顔料であることが望
まれる。固溶体顔料は一般に顔料の製造過程の脱水工
程、顔料化工程の前の工程で2種以上のマゼンタ顔料を
混合した後、脱水し顔料化するという工程によって得ら
れる。固溶体の組み合わせとしては、その構造の安定性
や製造のし易さによりなるべく構造の近いものが組み合
わせて使用される。特に耐光性に優れ、着色力にも優れ
るという面より、下記に示す構造の置換キナクリドン顔
料と無置換キナクリドン顔料を組み合わせて使用する。
例えば、マゼンタ固溶体顔料(1):C.I.Pigm
ent Red 122とC.I.Pigment V
iolet 19との固溶体、マゼンタの固溶体顔料
(2):C.I.Pigment Red 202と
C.I.Pigment Violet 19との固溶
体である。
【0035】C.I.Pigment Violet
19はその結晶構造によって耐光性,着色力が変化しや
すいが、固溶体を形成することにより安定化する。さら
に、固溶体の色相はC.I.Pigment Viol
et 19の配合比や結晶化時の条件設定を変えること
により顔料の彩度,明度を損なうことなく固溶体の色相
空間を広げることが可能となる。固溶体顔料の彩度及び
着色力をより好ましい値にするためには、該固溶体顔料
中の置換キナクリドン顔料と無置換キナクリドン顔料の
配合化が85:15〜30:70であることが好まし
く、より好ましくは80:20〜50:50がよい。
【0036】本発明のフルカラー画像形成方法において
用いられるシアントナー用のシアン着色剤は、フタロシ
アニン系であることが好ましく、より好ましくは銅フタ
ロシアニン系のC.I.Pigment Blue 1
5が望まれる。
【0037】上述の金属化合物と該マゼンタ着色剤及び
該シアン着色剤とを組み合わせると、高温高湿における
トナー乗り量が多い場合の定着性が著しく良化する。理
由は現在のところ明確にはなっていないが、該金属化合
物の定着熱による昇華性が少ないことに起因していると
考えている。
【0038】上記着色剤は、結着樹脂100質量部当た
り1乃至15質量部含有されていることが好ましく、よ
り好ましくは2乃至10質量部が良い。1質量部未満の
場合には、画像濃度が十分出ず、貧弱な画像となる。1
5質量部を超える場合には、トナー中での分散が不十分
となり、帯電が不均一になる。さらに重合トナーの場合
には、造粒性に悪影響を与え、均一な粒度分布が得られ
ない。また、該着色剤は、表面処理されていてもいなく
ても構わない。
【0039】以下に本発明の好ましいトナー物性を記載
する。
【0040】フロー式粒子像測定装置で計測される該ト
ナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムに
おいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2
乃至10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
0.920乃至0.995で、円形度標準偏差が0.0
40未満が好ましい。より好ましくは平均円形度が0.
965乃至0.990で、円形度標準偏差が0.035
未満であることが良い。
【0041】前記フロー式粒子像測定装置で計測される
トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
において、該トナーが円形度0.950未満のトナー粒
子が15個数%以下であることが好ましい。
【0042】トナーの円相当個数平均径D1(μm)を
2乃至10μmと小粒径化することにより、画像の輪郭
部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性
が良好なものとなる。しかし、一般にトナー粒子を小粒
径化すると必然的に微小粒子のトナーの存在率が高くな
るため、トナーを均一に帯電させることが困難となり画
像カブリを生じるばかりか、静電潜像担持体表面やトナ
ー担持体への付着力が高くなり、結果として現像特性を
悪化させた。
【0043】しかし、本発明のトナーは、円形度標準偏
差が0.040未満、好ましくは0.035未満とする
ことにより、現像性に関する問題を大幅に改善すること
ができる。
【0044】その理由としては、本発明に係るヒドロキ
シカルボン酸と2価又は3価の金属との化合物を含有す
るトナーであって、該着色剤との組み合わせをすること
によって、トナー粒子に好ましい帯電特性を各々のトナ
ーに均一に与え、トナー層規制部材やトナー担持体から
良好な摩擦帯電付与とトナーの搬送力を受けることがで
きるため、トナー担持体上のトナー帯電量やトナーコー
ト量を適切なものとすることが可能となるからだと考え
ている。
【0045】また、トナー粒子の円形度頻度分布の平均
円形度を0.920乃至0.995、好ましくは0.9
50乃至0.995、より好ましくは0.965乃至
0.990とすることにより、従来では困難であった小
粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共
に、低電位潜像に対する現像能力も格段に向上する。特
に上記の如き傾向は、デジタル方式の微小スポット潜像
を現像する場合や中間転写体を用い多数回の転写を行う
フルカラーの画像形成の際に非常に有効で、画像形成装
置とのマッチングも良好なものとなる。
【0046】本発明におけるトナーの円相当径、円形度
及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的
に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明
ではフロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」
(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用い
て算出した。
【0047】
【数1】
【0048】ここで、「粒子投影面積」とは二値化され
たトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」
とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線
の長さと定義する。
【0049】本発明における円形度はトナー粒子の凹凸
の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の
場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円
形度は小さな値となる。
【0050】本発明において、トナーの個数基準の粒径
頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μ
m)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの
粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算
出される。
【0051】
【数2】
【0052】
【0053】
【数3】
【0054】具体的な測定方法としては、容器中に予め
不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意
し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を
0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段
としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテ
ー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着
したものを用い、5分間分散処理を用い、測定用の分散
液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上となら
ない様に適宜冷却する。
【0055】トナー粒子の形状測定には、前記フロー式
粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が30
00〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整
し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、こ
のデータを用いて、トナー粒子の円相当径や円形度頻度
分布等を求める。
【0056】該トナーのテトラヒドロフラン(THF)
の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ
(GPC)における重量平均分子量が10000乃至6
00000であり、より好ましくは重量平均分子量が5
0000乃至400000、さらに好ましくは重量平均
分子量が70000乃至400000であることが良
い。
【0057】重量平均分子量が10000未満の場合に
は、耐久によるトナーの劣化が大きく、転写性が著しく
悪化した。さらにオイルレス定着器にて定着をさせる
と、OHTシートの画像表面が荒れ、主にイエロートナ
ーの投影画像がくすむという不具合が生じる。
【0058】重量平均分子量が600000を超える場
合には、定着温度でのトナーの溶融が十分に行えず、イ
エローの投影画像がくすんでしまう。また、重合法にて
製造する際に、高分子量成分を作ろうとする工程で帯電
制御剤や着色剤のトナー中での分散が悪化し、結果とし
て帯電性が不安定になったり、画像濃度が落ちる弊害も
生じる。さらに低温定着性に関しても悪化させる方向に
働く。
【0059】トナーのTHF可溶分の分子量分布の測定
方法について説明する。
【0060】GPC測定用の試料は以下のようにして作
製する。トナーをテトラヒドロフラン(THF)中に入
れ、数時間放置した後、充分振とうしTHFを良く混ぜ
(試料の合一体がなくなるまで)、さらに12時間以上
静置する。この時THF中への放置時間が24時間以上
となるようにする。その後、サンプル処理フィルタ(ポ
アサイズ0.45μm〜0.5μm、例えば、マイショ
リディスクH−25−5,東ソー社製、エキクロディス
ク25CR,ゲルマン サイエンス ジャパン社製、な
どが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料と
する。また試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/m
lとなるように調整する。
【0061】該トナーのTHFの可溶成分のGPCによ
る分子量及び分子量分布は以下の方法で測定される。
【0062】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、T
HF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の
分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、
数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検
量線の対数内とカウント数との関係から算出した。検量
線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東
ソー社製或いは、昭和電工社製の分子量が1×102
107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準
ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出
器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとして
は、市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組合せるの
が良く、例えば昭和電工社製のshoudex GPC
KF−801,802,803,804,805,8
06,807,800Pの組合せや、東ソー社製のTS
K Gel G1000H(HXL),G2000H(H
XL),G3000H(HXL).G4000H(HXL),
G5000H(HXL),C6000H(HXL),G70
00H(HXL),TSK guardcolumnの組
み合わせを挙げることができる。特に、カラム構成は、
昭和電工社製A−801、802、803、804、8
05、806及び807を連結したものが好ましい。
【0063】該トナーのTHFの不溶成分が0乃至50
%であることが好ましい。より好ましくは、THFの不
溶成分が3乃至30%が良い。
【0064】THF不溶分の測定について説明する。
【0065】THF不溶分とは、トナー中のTHF溶媒
に対して不溶性の物質の重量割合を示す。THF不溶分
とは、以下のように測定された値をもって定義する。
【0066】トナーサンプル約1.0gを秤量し(W1
g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入
れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF10
0〜200mlを用いて6時間抽出し、THF溶媒によ
って抽出された可溶成分をエバポレートした後、100
℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量す
る(W2g)。トナー中のTHF不溶分は、下記式から
求められる。
【0067】
【数4】
【0068】該トナーの離型剤量は、結着樹脂100質
量部当たり1乃至40質量部が好ましい。より好ましく
は3乃至30質量部が良い。
【0069】離型剤量が1質量部未満の場合には、高温
側の定着性が悪化し、OHPシートの定着の際にシート
が定着ローラーに巻き付いてしまう。離型剤量が40質
量部を超える場合には、トナーの流動性が悪化し、現像
性及び転写性が急激に悪化する。
【0070】本発明のトナーのMELT INDEX値
(MI値;g/10min)は、0.1乃至100が好
ましい。より好ましくは1乃至80が良い。
【0071】MI値が0.1未満の場合では、定着温度
においてもトナーが十分に溶融せず、イエローの投影画
像の透明性が悪く、且つくすむ。MI値が100を超え
る場合には、現像機内の現像剤パッキング部でトナー凝
集物が発生し易く、且つ外添剤のトナー表面への埋め込
みも大きくことから耐久での転写性が悪化する。
【0072】本発明のトナーのMI値の測定方法は、メ
ルトインデクサーL203型(宝工業社製)を用いて、
サンプル4.0〜5.0gとし125℃で5分ホールド
後、10kgの荷重をかけ、2分溶出量を測定し、その
測定値を10分値に換算することによって求める。
【0073】本発明のトナーは、凝集度が1〜30%、
より好ましくは4〜20%であることが現像性の点で好
ましい。トナーの凝集度は、値が小さい場合にはトナー
の流動性が高く、値が大きい場合にはトナーの流動性が
低いと判断され得る。
【0074】トナーの凝集度は、以下の方法で測定され
る。
【0075】パウダーテスター(ホソカワミクロン社
製)の振動篩機を用い、振動台に400mesh,20
0mesh,100meshの篩を目開の狭い順に重な
る様に、即ち、100meshが最上位となる様に、4
00mesh,200mesh,100meshの篩の
順に重ねてセットする。このセットした100mesh
の篩上に試料を加え、振動台への入力電圧が15Vにな
る様にし、その際の振動台の振幅が60〜90μmの範
囲に入る様に調整し、約25秒間振動を加え、その後、
各篩上に残った試料の重量を測定し、下式に基づき凝集
度を得る。凝集度の値が小さい程、トナーの流動性は高
い。
【0076】
【数5】
【0077】本発明のトナーを製造する方法は、特に制
約を受けるものではないが、特公昭36−10231号
公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−6
1842号公報に述べられている懸濁重合法を用いて直
接トナーを生成する方法;単量体には可溶で水溶性重合
開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成する
ソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナ
ー粒子の製造が挙げられる。また、マイクロカプセル製
法のような界面重合法、in site重合法、コアセ
ルベーション法などの製造も挙げられる。さらに、特開
昭62−106473号公報や特開昭63−18625
3号公報に開示されている様な、少なくとも1種以上の
微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る界面会合法な
ども挙げられる。
【0078】小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁
重合方法が特に好ましい。さらに一旦得られた重合粒子
に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合
せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用すること
ができる。このとき、吸着せしめる単量体中に、極性を
有する化合物を分散あるいは溶解させて使用することも
可能である。トナー粒子の製造方法としては懸濁重合を
利用する場合には、以下の如き製造方法によって直接的
にトナー粒子を製造することが可能である。単量体中に
ワックスの如き低軟化点物質,着色剤,重合開始剤,架
橋剤,その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波
分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組
成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に通常の撹拌
機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せ
しめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー
粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、
造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状
態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌
を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜90
℃(好ましくは55〜85℃)の温度に設定して重合を
行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpH
変更しても良い。更に、トナーの定着時の臭いの原因と
なる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するため
に反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去し
ても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ
過により収集し、乾燥する。
【0079】造粒中の水系媒体中のpHは特に制限を受
けないが、好ましくは、pH4.5〜8.5、より好ま
しくはpH4.5〜6.0であることが良い。
【0080】以下に重合法トナーの材料に関して記載す
る。
【0081】本発明のトナーを重合方法で製造する際に
用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能
なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合
性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能
性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合
性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β
−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、
n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリ
レート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、
ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチル
フォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオ
キシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量
体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリ
レート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−
アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタ
クリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォ
スフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェ
ートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単
量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエー
テルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニ
ルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビ
ニルケトンが挙げられる。
【0082】多官能性重合性単量体としては、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ
クリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,
2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレー
ト、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニル
エーテル等が挙げられる。
【0083】本発明においては、上記した単官能性重合
性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、
上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体
を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋
剤として使用することも可能である。
【0084】また、本発明に用いられる重合開始剤とし
ては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられ
る。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス
−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如
きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパー
オキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、
デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオ
キサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロ
ヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロ
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメ
ンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤
が挙げられる。
【0085】水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−
ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−ア
ゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス
(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又
は過酸化水素が挙げられる。
【0086】本発明においては、重合性単量体の重合度
を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加
し用いることも可能である。
【0087】架橋剤としては、2個以上の重合可能な二
重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル
化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオール
ジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボ
ン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、
ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル
化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げ
られる。これらは単独もしくは混合物として用いられ
る。
【0088】本発明に用いられる分散安定剤としては、
リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アル
ミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシ
ウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化
アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウ
ム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,
ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。通常単量体組成
物100質量部に対して水300〜3000質量部を分
散媒体として使用するのが好ましい。
【0089】有機系化合物としては、例えばポリビニル
アルコール,ゼラチン,メチセルロース、メチルヒドロ
キシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキ
シメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が使用
される。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に
対して0.2〜2.0質量部を使用することが好まし
い。
【0090】本発明により好ましく用いられる分散安定
剤としては、硫酸,炭酸,燐酸,ピロ燐酸,ポリ燐酸の
離水溶性金属塩があり、これらは分散媒中で高速撹拌下
において酸アルカリ金属塩とハロゲン化金属塩との反応
によって調製されることが好ましい。
【0091】これら分散剤の微細化のため0.001〜
0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的に
は市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤
が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラ
デシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,
オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウ
リル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸
カルシウム等が好ましく用いられる。
【0092】本発明は縮合系化合物を添加しても良い。
【0093】該縮合系化合物は重量平均分子量(Mw)
が、6,000乃至100,000、好ましくは6,5
00乃至85,000が良い。さらに6,500乃至4
5,000がより良い。重量平均分子量が6,000未
満の場合、最適範囲内のものと比較すると、連続通紙に
おいてトナー粒子表面の外添剤が耐久によって埋没しや
すく、転写性の低下を招きやすくなる。重量平均分子量
が100,000を超える場合には、重合性単量体に縮
合系化合物を溶解するのに時間を多く費やしてしまう。
さらに、重合性単量体組成物の粘度が上昇し、粒径が小
さくかつ、粒度分布の揃ったトナー粒子が得にくくな
る。
【0094】該縮合系化合物は数平均分子量(Mn)
が、3,000乃至80,000、好ましくは3,50
0乃至60,000が良い。より好ましくは3,500
乃至12,000が良い。該縮合系化合物は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラム(GPC)における分子量
分布のメインピーク値(Mp)は、分子量4,500乃
至40,000、好ましくは6,000乃至30,00
0が良い。より好ましくは6,000乃至20,000
が良い。上記範囲外であると重量平均分子量の場合と同
様の傾向を示す。
【0095】該縮合系化合物はMw/Mnが1.2乃至
3.0、より好ましくは1.5乃至2.5が良い。Mw
/Mnが1.2未満の場合には、トナーの多数枚耐久性
及び耐オフセット性が低下し、3.0を超える場合に
は、低温定着性の面で、範囲内のものよりも、若干劣っ
てしまう。
【0096】該縮合系化合物はガラス転移点(Tg)
が、50乃至125℃、好ましくは50乃至95℃が良
い。より好ましくは55乃至90℃が良い。ガラス転移
点が50℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性
が低下する。ガラス転移点が125℃を超える場合に
は、トナーの耐低温オフセット性が低下する。
【0097】該縮合系化合物の酸価(mgKOH/g)
は、0.1乃至35、好ましくは3乃至35、より好ま
しくは4乃至35、さらに好ましくは5乃至30が好ま
しい。酸価が0.1未満の場合には、トナーの帯電量の
立ち上がりが遅く、カブリが生じやすくなる。酸価が3
5を超える場合には、高温高湿下に放置した後のトナー
の摩擦帯電特性が変動しやすく、連続通紙において画像
濃度が変動しやすい。さらに、極性樹脂の酸価が35を
超える場合には、極性樹脂のポリマー相互間の親和力が
強くなるために極性樹脂が重合性単量体に溶解しにくく
なり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間が
かかるようになる。
【0098】該縮合系化合物の水酸基価(mgKOH/
g)は、0.2乃至50、好ましくは5乃至50、より
好ましくは7乃至45であるのが良い。水酸基価が0.
2未満の場合には、最適範囲内のものと比較すると、水
系媒体中の重合性単量体組成物の粒子の表面に極性樹脂
の局在化が起こりにくくなる。水酸基価が50を超える
場合、最適範囲内のものと比較すると、高温高湿下にお
いて放置した後のトナーの帯電量特性が若干低くなる傾
向が見られ、連続通紙において画像濃度が変動しやす
い。
【0099】該縮合系化合物の分子量及び分子量分布は
以下の方法で測定される。
【0100】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100
μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたって
は、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチ
レン標準試料により作成された検量線の対数値とカウン
ト数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリス
チレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、
昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用
い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用
いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)
検出器を用いる。なおカラムとしては、市販のポリスチ
レンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、たと
えば昭和電工社製のshodex GPC KF−80
1,802,803,804,805,806,80
7,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKge
lG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3
000H(HXL),G4000H(HXL),G5000
H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(H
XL),TSKguardcolumnの組み合わせを挙
げることができる。
【0101】また、試料は以下のようにして作製する。
【0102】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がな
くなるまで)、更に12時間以上静置する。このときT
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45
〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25
−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマ
ン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通
過させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度
は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整
する。
【0103】該縮合系化合物のガラス転移点はDSC測
定により求められる。
【0104】DSC測定では、測定原理から、高精度の
内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好
ましい。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7が
利用できる。
【0105】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられる測定では、1回昇
温,降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/mi
nで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
【0106】縮合系化合物の酸価は以下のように求めら
れる。
【0107】樹脂サンプル2〜10gを200〜300
mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=
30:70の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解す
る。溶解性が悪いようであれば少量のアセトンを加えて
もよい。0.1%のブロムチモールブルーとフェノール
レッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/
10カセイカリのアルコール溶液で滴定し、アルコール
カリ液の消費量からつぎの計算で酸価を求める。
【0108】酸価=KOH(ml数)×f×56.1/
試料重量 (ただしfは N/10 KOHのファクター) 2回の測定値の平均値を採用する。
【0109】また、水酸基価は以下のように求められ
る。
【0110】200ml三角フラスコに試料6gを1m
g単位で精秤し、無水酢酸/ピリジン=1/4の混合溶
液を5mlホールピッペットで加え、更にピリジン25
mlをメスシリンダーで加える。三角フラスコに冷却器
を取り付け、100℃のオイルバス中で90分反応させ
る。蒸留水3mlを冷却部上部から加えてよく振とうし
10分間放置する。冷却器をつけたまま三角フラスコを
オイルバスから引き上げて放冷し、約30℃になれば冷
却器上部口から少量のアセトン(10ml程度)で冷却
器及びフラスコ口を洗浄する。THF50mlをメスシ
リンダーで加えフェノールフタレインのアルコール溶液
を指示薬としてN/2KOH−THF溶液で50ml
(目量0.1ml)のビュレットを用いて中和滴定す
る。中和終点直前に中性アルコール25ml(メタノー
ル/アセトン=1/1容量比)を加え溶液が微紅色を呈
するまで滴定を行う。同時に空試験も行う。
【0111】次いで下式に従って、水酸基価を求める。
【0112】
【数6】
【0113】本発明の該縮合系化合物は例えば、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げられる。より
好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。
【0114】該縮合系化合物及び離型剤の製造方法とし
ては、例えば、酸化反応による合成法、カルボン酸及び
その誘導体からの合成、マイケル不可反応に代表される
エステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化
合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化
物とアルコール化合物からの反応、エステル交換反応で
製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般
の酸性,アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛,チタン化合
物などでよい。また、その後、再結晶法,蒸留法などに
より高純度化させてもよい。
【0115】本発明の該該縮合系化合物及び離型剤の特
に好ましい製造方法は、原料の多用性,反応のしやすさ
からカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮
合反応である。
【0116】本発明に用いられる縮合系化合物の組成は
以下の通りである。
【0117】該縮合系化合物は、全成分中45〜55m
ol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が
酸成分であることが好ましい。
【0118】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式
(A)
【0119】
【化6】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,y
はそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は
2〜10を示す。)で示されるビスフェノール誘導体、
又は下記式(B)
【0120】
【化7】 で示されるジオール類の如きジオール類が挙げられる。
【0121】2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−
P・P′−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカル
ボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニ
ルメタン−P・P′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−
4,4′−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン
−P・P′−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸
類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きア
ルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素
数6〜18のアルキル基で置換されたこはく酸もしくは
その無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イ
タコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が
挙げられる。
【0122】本発明の実施上特に好ましい該縮合系化合
物のアルコール成分としては前記(A)式で示されるビ
スフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こは
く酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマ
ル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸
類が挙げられる。
【0123】該縮合系化合物は、2価のジカルボン酸及
び2価のジオールから合成することにより得ることが可
能である。場合により、3価以上のポリカルボン酸又は
ポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用
しても良い。
【0124】3価以上のポリカルボン酸類としては、例
えばトリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサン
トリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサン
トリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレ
ンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2
−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メ
チレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタ
ンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が使用できる。
【0125】また3価以上のポリオールとしては、例え
ばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、しょ糖、
1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチ
ルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタ
ントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン
が使用できる。
【0126】本発明は、上記以外のネガ性帯電制御剤が
ブレンドされていても構わない。化合物は特に制約を受
けるものではないが、例えばサリチル酸系の化合物、ナ
フトエ酸系の化合物、ダイカルボン酸系の化合物、スル
ホン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸を側鎖
に持つ高分子型化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カ
リークスアレーン等が利用できる。
【0127】離型剤としては、重量平均分子量(Mw)
が350乃至4000、数平均分子量(Mn)が200
乃至4000であることが好ましく、より好ましくはM
wが400乃至3500,Mnが250乃至3500で
あるものが良い。Mwが350未満であり、Mnが20
0未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下す
る。Mwが4000を超え、Mnが4000を超える場
合には、離型剤自体の結晶性が発現し、定着画像の透明
性が低下する。
【0128】離型剤の分子量分布はGPCにより次の条
件で測定される。
【0129】(GPC測定条件)装置:GPC−150
C(ウォーターズ社) カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0130】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0131】離型剤は、融点(温度20乃至200℃の
範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応す
る温度)が30乃至120℃、より好ましくは50乃至
90℃であるものが良い。
【0132】離型剤としては、室温で固体状態のワック
スが好ましく、特に融点40乃至100℃の固体ワック
スがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定
着性、耐オフセット性の点で良い。
【0133】ワックスとしては、パラフィンワックス、
ケトンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス
の如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂
肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらの
グラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げら
れ、これらは低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲線
の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。
【0134】好ましく用いられるワックスとしては、炭
素数10乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、
直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるい
は、モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスか
ら液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好
ましい。
【0135】さらに、好ましく用いられるワックスは、
アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチ
ーグラー触媒又は、その他の触媒を用いて重合した低分
子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリ
マーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキ
レンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマ
ーを分離精製したもの;一酸化炭素及び水素からなる合
成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの
蒸留残分から、あるいは、蒸留残分を水素添加して得ら
れる合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリ
メチレンワックスが挙げられる。これらワックスには酸
化防止剤が添加されていてもよい。
【0136】定着画像の透光性を向上させるためには、
固体エステルワックスが好ましく、該固体エステルワッ
クスとしては、融点40乃至100℃を有するものが特
に良い。
【0137】本発明に用いられるエステル系ワックス
は、下記一般式(I)乃至(V)で示される化合物から
形成され、融点40乃至100℃を有するものが用いら
れる。
【0138】
【化8】 (式中、a及びbは0〜4迄の整数であり、a+bは4
である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基であ
り、R1とR2との炭素数差が3以上である。m及びnは
0〜25の整数であり、mとnは同時に0になることは
ない)
【0139】
【化9】 (式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1〜
3である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基であ
り、R1とR2との炭素数差が3以上である。R3は水素
原子、炭素数が1以上の有機基である。但し、a+b=
2のとき、R3のどちらか一方は、炭素数が1以上の有
機基である。kは1〜3の整数である。m及びnは0〜
25の整数であり、mとnが同時に0になることはな
い)
【0140】
【化10】 (式中、R1及びR3は炭素数6〜32を有する有機基で
あり、R1とR3は同じものであってもなくても良い。R
2は炭素数1〜20を有する有機基を示す)
【0141】
【化11】 (式中、R1及びR2は炭素数6〜32を有する有機基で
あり、R1とR3は同じものであってもなくてもよい。R
2は−CH2CH2OC64OCH2CH2−、
【0142】
【化12】 (式中、aは0〜4の整数であり、bは1〜4の整数で
あり、a+bは4である。R1は炭素数が1〜40の有
機基である。m及びnは0〜25の整数であり、mとn
が同時に0になることはない)
【0143】エステル系ワックスの融点としては40〜
100℃が好ましい。融点が40℃未満ではトナーの耐
ブロッキング性及び保形性が不十分であり、100℃を
超えると離型効果が不十分となる。エステル化合物から
なる離型剤としてのエステルワックスとして以下のもの
が例示される。
【0144】
【化13】
【0145】
【化14】
【0146】該離型剤が、上記構造式を有するエステル
化合物を有するエステルワックスの場合、良好な透明性
を発現するとともに、トナー粒子中に含有せしめた場合
には良好な定着性を示すものである。この離型剤と例え
ば上記縮合系化合物とを、重合性単量体に溶解させた
後、水系媒体中で重合性単量体の重合反応を進めること
によって、得られたトナー粒子の帯電量が大きく、適正
帯電値に到達するまでの速度が速く、さらに多数枚耐久
において、摩擦帯電量の変動の少ない優れたトナーが得
られる。
【0147】重合性単量体組成物を使用して、水系媒体
中で直接的にトナー粒子を生成する場合には、離型剤は
重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部
(より好ましくは3〜30質量部)配合し、トナー粒子
に含有されるのが良い。
【0148】溶融混練粉砕法による乾式トナー製法に比
べ重合法によるトナー製法においては、トナー粒子内部
に極性樹脂に、より多量の離型剤を内包化させ易いの
で、乾式トナー製法と比較し、一般に多量の離型剤を用
いることが可能となり、定着時のオフセット防止効果に
は特に有効となる。
【0149】該離型剤の添加量が下限より少ないとオフ
セット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合では
耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影
響を与えやすく、トナーのドラム融着、トナーの現像ス
リーブ融着を起こしやすく、重合法によりトナー粒子を
生成する場合には粒度分布の広いトナー粒子が生成する
傾向にある。
【0150】本発明に使用される該離型剤は、SP値が
7.6〜10.5の範囲であることが好ましい。SP値
が7.6未満の値を示す離型剤は、用いる重合性単量体
又はバインダー樹脂との相溶性が乏しく結果的にバイン
ダー樹脂中への良好な分散が得られにくく、多数枚複写
時又はプリント時において該離型剤の現像スリーブヘの
付着が生じやすく、トナーの帯電量が変化しやすくな
る。更に地カブリ,トナー補給時のトナーの濃度変動も
起こしやすい。SP値が10.5を超える離型剤を用い
る場合には、トナーを長期保存した際にトナー粒子同士
のブロッキングが発生しやすい。更にバインダー樹脂と
の相溶性が良すぎるため定着時において定着部材とトナ
ーバインダー樹脂層間に十分な離型剤層が形成しにく
く、オフセット現象を起こしやすい。
【0151】溶解度パラメーター(SP)値は、原子団
の加成性を利用したFedorsの方法(Polym.
Eng.Sci.,14(2)147(1974))を
用いて算出する方法が挙げられる。
【0152】本発明に使用される離型剤は、135℃に
おける溶融粘度は1〜300cPsであることが好まし
く、更に好ましくは3〜50cPsを有する離型剤が特
に好ましい。1cPsより低い溶融粘度を有する場合
は、非磁性一成分現像方式で塗布ブレード等により現像
スリーブにトナー層を薄層コーティングする際、機械的
なズリ力によりスリーブ汚染を招きやすい。二成分現像
方法においてはキャリヤー粒子とトナーとを用いて静電
荷像を現像する際に、トナーとキャリヤー粒子間のズリ
力によりトナーがダメージを生じやすく、外添剤の埋没
やトナー粒子の破砕も生じやすい。300cPsを超え
る溶融粘度を有する場合には、重合方法を用いてトナー
粒子を製造する際、重合性単量体組成物の粘度が高くな
り、粒度分布のシャープな微小粒径のトナー粒子を得る
ことが容易でない。
【0153】離型剤の溶融粘度は、HAAKE社製VP
−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を
用い135℃にて測定する方法が挙げられる。
【0154】本発明に使用される離型剤の硬度は、ビッ
カース硬度で0.3〜5.0の範囲が好ましく、0.5
〜3.0が特に有効である。
【0155】ビッカース硬度が0.3より低い離型剤を
含有したトナーは、多数枚複写又はプリントにおいてク
リーニング工程で破砕されやすく、感光ドラム表面上に
トナー融着を起こしやすく結果的に画像上に黒筋が発生
しやすい。定着画像サンプルを多数枚重ねて保存した
際、裏面にトナーが転写し、裏写りが発生しやすい。
【0156】ビッカース硬度が5.0を超える離型剤を
含有したトナーは、加熱定着時に用いる定着器に必要以
上の加圧力を必要とし、定着器に必要以上の強度設計が
必要となり好ましくない。通常加圧力の定着器を用いた
なら耐オフセット性が低下しやすく好ましくない。
【0157】該離型剤の硬度測定は、例えば島津ダイナ
ミック超微小硬度計(DUH−200)を用いる測定法
が挙げられる。測定条件は、ビッカース圧子を用い0.
5g荷重下で9.67mg/秒の負荷速度にて10μm
変位させた後、12秒保持させサンプル上に付いた打痕
を解析することによりビッカース硬度を求める。サンプ
ルは直径20mmφの金型を用い予め溶融したサンプル
を5mm厚の円柱状に成型して用いる。
【0158】本発明のフルカラー画像形成方法のブラッ
クトナーに用いられる黒色着色剤としては、カーボンブ
ラックや磁性体などが利用され、特に制約を受けるもの
ではない。黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、
他の着色剤と異なり、樹脂100質量部当り40〜15
0の質量部が一般に用いられる。
【0159】トナーにおける各種の特性付与を目的とし
た添加剤としては、耐久性の点から、トナー粒子の体積
平均径の1/5以下の粒径であることが好ましい。この
添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表
面観察により求めたその平均粒径を意味する。これら特
性付与を目的とした添加剤としては、たとえば、以下の
ようなものが用いられる。
【0160】流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)カーボン
ブラック、フッ化カーボンなどが挙げられる。それぞ
れ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0161】研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ス
トロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素
など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げら
れる。
【0162】滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(フッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪
酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム
など)などが挙げられる。
【0163】荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸
化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウムなど)・カーボンブラックなどが挙げられる。
【0164】これら添加剤は、トナー粒子100質量部
に対し0.1〜10質量部が用いられ、好ましくは0.
1〜5質量部が用いられる。これら添加剤は、単独で用
いても、また、複数併用しても良い。
【0165】本発明のトナーは、非磁性一成分系現像剤
のトナーとして使用することも可能であり、キャリア粒
子を有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能
である。非磁性トナーを用いる場合には、ブレード又は
ローラを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しス
リーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方
法がある。
【0166】二成分系現像剤として用いる場合には、本
発明のトナーと共に、キャリアを用い現像剤として使用
する。磁性キャリアとしては、鉄,銅,亜鉛,ニッケ
ル,コバルト,マンガン,クロム元素からなる元素単独
又は複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの
形状として、球状,扁平又は不定形がある。更に磁性キ
ャリア粒子表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)
をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上
記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじ
め、磁性キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーテ
ィングする方法が用いられている。磁性キャリアのトナ
ーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂
を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方
法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物
を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリア
を得る方法も利用することが可能である。
【0167】上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆する
被覆キャリアは、特に好ましい。その方法としては、樹
脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリア
に付着せしめる方法、単に樹脂粉体とキャリア粒子とを
混合して付着させる方法が適用できる。
【0168】キャリア粒子表面への固着物質としてはト
ナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエ
チレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリ
フッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポ
リビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが挙
げられる。これらは単独或は複数で用いられる。
【0169】キャリアの磁性特性は以下のものが良い。
磁気的に飽和させた後の1000エルステッドにおける
磁化の強さ(σ1000)は30乃至300emu/cm3
であることが必要である。さらに高画質化を達成するた
めに、好ましくは100乃至250emu/cm3であ
ることがよい。300emu/cm3より大きい場合に
は、高画質なトナー画像が得られにくくなる。30em
u/cm3未満であると、磁気的な拘束力も減少するた
めにキャリア付着を生じやすい。
【0170】キャリア形状は丸さの度合いを示すSF−
1が180以下、凹凸の度合いを示すSF−2が250
以下であることが好ましい。なお、SF−1、SF−2
は以下の式にて定義され、ニレコ社製のLUZEX I
IIにて測定される。
【0171】
【数7】
【0172】本発明のトナーと磁性キャリアとを混合し
て二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤
中のトナー濃度として、2質量%〜15質量%、好まし
くは4質量%〜13質量%にすると通常良好な結果が得
られる。
【0173】トナーの摩擦帯電特性を安定化するために
荷電制御剤を更に加えても構わない。荷電制御剤として
は、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電
量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。重合阻
害性が無く水系媒体中への可溶化物の無い荷電制御剤が
特に好ましい。
【0174】具体的化合物としては、サリチル酸系の化
合物、ナフトエ酸系の化合物、ダイカルボン酸系の化合
物、スルホン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン
酸を側鎖に持つ高分子型化合物、尿素化合物、ケイ素化
合物、カリークスアレーン等が利用できる。
【0175】しかしながら、本発明において荷電制御剤
の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合に
おいては、キャリアと摩擦帯電を利用し、非磁性一成分
ブレードコーティング現像方法を用いた場合においても
ブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利
用することでトナー粒子中に必ずしも荷電制御剤を含む
必要はない。
【0176】本発明のトナーが適用可能な画像形成方法
を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0177】本発明のトナーは、磁性キャリアと混合
し、例えば図3に示すような現像手段37を用い現像を
行うことができる。具体的には交番電界を印加しつつ、
磁気ブラシが静電像保持体(例えば、感光体ドラム)3
3に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現
像剤担持体(現像スリーブ)31と感光体ドラム33の
距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmである
ことがキャリア付着防止及びドット再現性の向上におい
て良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不
十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μm
を超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの
密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを
拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。ト
ナー41は、逐次現像器へ供給され、撹拌手段35及び
36でキャリアと混合され、固定磁石34を内包してい
る現像スリーブ31まで搬送される。
【0178】交番電界のピーク間の電圧は500〜50
00Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、
好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロ
セスに適宜選択して用いることができる。この場合、波
形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty
比を変えた波形等種々選択して用いることができる。印
加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られ
にくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収する
ことができない場合がある。50000Vを超える場合
には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質
低下を招く場合がある。
【0179】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが150V以下、より好ま
しくは100V以下が良い。
【0180】コントラスト電位としては、十分画像濃度
がでるように200V〜500Vが好ましく用いられ
る。
【0181】周波数が500Hzより低いとプロセスス
ピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こる
ためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を
低下させる場合がある。10000Hzを超えると電界
に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0182】十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優
れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリ
ーブ1上の磁気ブラシの感光体ドラム33との接触幅
(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることで
ある。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度
とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8
mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作
を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑さえ
ることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、
現像剤規制部材32と現像スリーブ31との距離Aを調
整したり、現像スリーブ31と感光体ドラム33との距
離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0183】特にハーフトーンを重視するようなフルカ
ラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及び
イエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明の現
像剤及び現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した
現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響
がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実
に現像することが可能となる。転写工程においても本発
明トナーを用いることで高転写率が達成でき、したがっ
て、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0184】さらに初期の高画質化と併せて、本発明の
トナーを用いることで多数枚の複写においても画質低下
のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0185】静電像保持体33上のトナー画像は、コロ
ナ帯電器の如き転写手段43により転写材へ転写され、
転写材上のトナー画像は、加熱ローラ46及び加圧ロー
ラ45を有する加熱加圧定着手段によって定着される。
静電像保持体33上の転写残トナーは、クリーニングブ
レードの如きクリーニング手段44で静電像保持体33
から除去される。本発明のトナーは、転写工程での転写
効率が高く、転写残トナーが少ない上に、クリーニング
性に優れているので、静電像保持体上にフィルミングを
生じにくい。さらに、多数枚耐久試験を行っても従来の
トナーよりも、本発明のトナーは外添剤のトナー粒子表
面への埋没が少ないため、良好な画質を長期にわたって
維持し得る。
【0186】良好なフルカラー画像を得るためには好ま
しくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック
用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われるこ
とで引き締まった画像を呈することができる。
【0187】マルチカラー又はフルカラー画像形成方法
を良好に実施し得る画像形成装置の一例を図4を参照し
ながら説明する。
【0188】図4に示されるカラー電子写真装置は、装
置本体の右側から装置本体の略中央部にわたって設けら
れている転写材搬送系Iと、装置本体の略中央部に、上
記転写材搬送系Iを構成している転写ドラム415に近
接して設けられている潜像形成部IIと、上記潜像形成
部IIと近接して配設されている現像手段(すなわち回
転式現像装置)IIIとに大別される。
【0189】上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成と
なっている。上記装置本体の右壁(図4右側)に開口部
が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給用
トレイ402及び403が一部機外に突出して配設され
ている。該トレイ402及び403の略直上部には給紙
用ローラ404及び405が配設され、これら給紙用ロ
ーラ404及び405と左方に配された矢印A方向に回
転自在な転写ドラム405とを連係するように、給紙用
ローラ406及び給紙ガイド407及び408が設けら
れている。上記転写ドラム415の外周面近傍には回転
方向上流側から上流側に向かって当接用ローラ409、
グリッパ410、転写材分離用帯電器411、分離爪4
12が順次配設されている。
【0190】上記転写ドラム415の内周側には転写帯
電器413、転写材分離用帯電器414が配設されてい
る。転写ドラム415の転写材が巻き付く部分にはポリ
弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写
シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該
転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記
転写ドラム415の右側上部には上記分離爪412と近
接して搬送ベルト手段416が配設され、該搬送ベルト
手段416の転写材搬送方向終端(右側)には定着装置
418が配設されている。該定着装置418よりもさら
に搬送方向後流には装置本体401の外へと延在し、装
置本体401に対して着脱自在な排出用トレイ417が
配設されている。
【0191】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。図4矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ド
ラム(例えば、OPC感光ドラム)419が、外周面を
上記転写ドラム415の外周面と当接して配設されてい
る。上記感光ドラム419の上方でその外周面近傍に
は、該感光ドラム419の回転方向上流側から下流側に
向かって除電用帯電器420、クリーニング手段421
及び一次帯電器423が順次配設され、さらに上記感光
ドラム419の外周面上に静電潜像を形成するためのレ
ーザービームスキャナのごとき像露光手段424、及び
ミラーのごとき像露光反射手段425が配設されてい
る。
【0192】上記回転式現像装置IIIの構成は以下の
ごとくである。上記感光ドラム419の外周面と対向す
る位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)4
26が配設され、該回転体426中には四種類の現像装
置が周方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム419
の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現
像)するようになっている。上記四種類の現像装置は、
それぞれイエロー現像装置427Y、マゼンタ現像装置
427M、シアン現像装置427C及びブラック現像装
置427BKを有する。
【0193】上記したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。上述した感光ドラム419が図4矢印方向
に回転すると、該感光ドラム419は一次帯電器423
によって帯電される。図4の装置においては、感光ドラ
ム419の周速(以下、プロセススピードとする)は1
00mm/sec以上(例えば、130〜250mm/
sec)である。一次帯電器423による感光ドラム4
19に対する帯電が行われると、原稿428のイエロー
画像信号にて変調されたレーザー光Eにより画像露光が
行われ、感光ドラム419上に静電潜像が形成され、回
転体426の回転によりあらかじめ現像位置に定置され
たイエロー現像装置427Yによって上記静電潜像の現
像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0194】給紙ガイド407、給紙ローラ406、給
紙ガイド408を経由して搬送されてきた転写材は、所
定のタイミングにてグリッパ410により保持され、当
接用ローラ409と該当接用ローラ409と対向してい
る電極とによって静電的に転写ドラム415に巻き付け
られる。転写ドラム415は、感光ドラム419と同期
して図4矢印方向に回転しており、イエロー現像装置4
27Yにより形成されたイエロートナー画像は、上記感
光ドラム419の外周面と上記転写ドラム415の外周
面とが当接している部位にて転写帯電器413によって
転写材上に転写される。転写ドラム415はそのまま回
転を継続し、次の色(図4においてはマゼンタ)の転写
に備える。
【0195】感光ドラム419は、上記除電用帯電器4
20により除電され、クリーニングブレードによるクリ
ーニング手段421によってクリーニングされた後、再
び一次帯電器423によって帯電され、次のマゼンタ画
像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成され
る。上記回転式現像装置は、感光ドラム419上にマゼ
ンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される
間に回転して、マゼンタ現像装置427Mを上述した所
定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーによ
り現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスを
それぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四
色のトナー像の転写が終了すると、転写材上に形成され
た三色顕画像は各帯電器422及び414により除電さ
れ、上記グリッパ410による転写材の把持が解除され
ると共に、該転写材は、分離爪412によって転写ドラ
ム415より分離され、搬送ベルト416で定着装置4
18に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラ
ープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリ
ント画像が転写材の一方の面に形成される。
【0196】次に、図5を参照しながら、他の画像形成
方法をより具体的に説明する。
【0197】図5に示す装置システムにおいて、現像器
54−1、54−2、54−3、54−4に、それぞれ
シアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する
現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックト
ナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又
は非磁性一成分現像方式等によって感光体51に形成さ
れた静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体51上に
形成される。感光体51はa−Se、Cds、Zn
2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ
感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体51は図
示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。
【0198】感光体51としては、アモルファスシリコ
ン感光層、又は有機系感光層を有する感光体が好ましく
用いられる。
【0199】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、
単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成
分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体
上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されてい
る構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0200】有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写
性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体
へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにく
い。
【0201】帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光
体51とは非接触である方式と、ローラ等を用いる接触
型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的な均
一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図5に示
す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0202】帯電ローラ52は、中心の芯金52bとそ
の外周を形成した導電性弾性層52aとを基本構成とす
るものである。帯電ローラ52は、感光体51面に押圧
力をもって圧接され、感光体51の回転に伴い従動回転
する。
【0203】帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス
条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cm
で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時に
は、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50
Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVで
あり、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜
±5kVである。
【0204】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オ
ゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0205】接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その
表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能
である。
【0206】感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±
0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体55に
転写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレ
ード58を有するクリーニング手段59でクリーニング
される。
【0207】中間転写体55は、パイプ状の導電性芯金
55bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層45
aからなる。芯金55bは、プラスチックのパイプに導
電性メッキをほどこしたものでも良い。
【0208】中抵抗の弾性体層55aは、シリコンゴ
ム、テフロンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、
EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)
などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化
スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電
気抵抗値(体積抵抗率)を105〜1011Ω・cmの中
抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層であ
る。
【0209】中間転写体55は感光体51に対して並行
に軸受けさせて感光体51の下面部に接触させて配設し
てあり、感光体51と同じ周速度で矢印の反時計方向に
回転する。
【0210】感光体51の面に形成担持された第1色の
トナー像が、感光体51と中間転写体55とが接する転
写ニップ部を通過する過程で中間転写体55に対する印
加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によっ
て、中間転写体55の外面に対して順次に中間転写され
ていく。
【0211】必要により、着脱自在なクリーニング手段
500により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転
写体55の表面がクリーニングされる。中間転写体上に
トナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリー
ニング手段500は、中間転写体表面から離される。
【0212】中間転写体55に対して並行に軸受けさせ
て中間転写体55の下面部に接触させて転写手段が配設
され、転写手段57は例えば転写ローラ又は転写ベルト
であり、中間転写体55と同じ周速度で矢印の時計方向
に回転する。転写手段57は直接中間転写体55と接触
するように配設されていても良く、またベルト等が中間
転写体55と転写手段57との間に接触するように配置
されても良い。
【0213】転写ローラの場合、中心の芯金57bとそ
の外周を形成した導電性弾性層57aとを基本構成とす
るものである。
【0214】中間転写体及び転写ローラとしては、一般
的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性
層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固
有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印
加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成で
きると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止する
ことができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗
値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以
上であることが特に好ましい。
【0215】中間転写体及び転写ローラの硬度は、JI
S K−6301に準拠し測定される。本発明に用いら
れる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層
から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾
性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41
〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻
き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ロー
ラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成さ
れ、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0216】転写手段57は中間転写体55と等速度或
は周速度に差をつけて回転させる。転写材56は中間転
写体55と転写手段57との間に搬送されると同時に、
転写手段57にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイ
アスを転写バイアス手段から印加することによって中間
転写体55上のトナー像が転写材56の表面側に転写さ
れる。
【0217】転写用回転体の材質としては、帯電ローラ
と同様のものも用いることができ、好ましい転写のプロ
セス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/c
mで、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
【0218】例えば、転写ローラの導電性弾性層57b
はカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチ
レン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)
等の体積抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体でつく
られている。芯金57aには定電圧電源によりバイアス
が印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜
±10kVが好ましい。
【0219】次いで転写材56は、ハロゲンヒータ等の
発熱体を内蔵させた加熱ローラとこれと押圧力をもって
圧接された弾性体の加圧ローラとを基本構成とする定着
器501へ搬送され、加熱ローラと加圧ローラ間を通過
することによってトナー像が転写材に加熱加圧定着され
る。フィルムを介してヒータにより定着する方法を用い
ても良い。
【0220】次に、一成分系現像方法について説明す
る。
【0221】本発明のトナーは非磁性一成分現像方法の
如き一成分系現像方法に適用し得る。図6に、潜像保持
体上に形成された静電像を現像する装置を示す。65は
潜像保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロ
セス手段又は静電記録手段により成される。64は現像
スリーブであり、アルミニウムあるいはステンレス等か
らなる非磁性スリーブからなる。
【0222】現像スリーブ64はアルミニウム、ステン
レスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその
表面をガラスビーズ等を吹きつけて均一に荒したもの
や、鏡面処理したもの、あるいは樹脂等でコートしたも
のがよい。
【0223】トナーTはホッパー61に貯蔵されてお
り、供給部材62によって現像スリーブ(トナー担持
体)上へ供給される。供給部材62として、多孔質弾性
体、例えば軟質ポリウレタンフォーム等の発泡材より成
る供給ローラーが好ましく用いられる。該供給ローラー
を現像スリーブ64に対して、順または逆方向に0でな
い相対速度をもって回転させ、現像スリーブ64上への
トナー供給と共に、スリーブ上の現像後のトナー(未現
像トナー)のはぎ取りをも行う。この際、供給ローラー
62の現像スリーブへの当接幅(nip幅)は、トナー
の供給及びはぎ取りのバランスを考慮すると、2.0〜
10.0mmが好ましく、4.0〜6.0mmがより好
ましい。その一方で、トナーに対する過大なストレスを
余儀なくされ、トナーの劣化による凝集の増大、あるい
は現像スリーブ,供給ローラー等へトナーの融着・固着
が生じやすくなるが、本発明のトナーは、流動性,離型
性に優れ、耐久安定性を有しているので、図6に示す現
像器においても好ましく用いられる。また、供給部材と
して、ナイロン,レーヨン等の樹脂繊維より成るブラシ
部材を用いてもよい。尚、図6に示す現像方法は、非磁
性一成分トナーを使用する一成分現像方法において極め
て有効である。
【0224】現像スリーブ64上に供給されたトナーは
規制部材63によって薄層かつ均一に塗布される。トナ
ー薄層化規制部材63は、前述した磁性一成分現像に使
用したものに準ずる。弾性ブレード,弾性ローラー等で
現像スリーブ(トナー担持体)表面にトナーを圧接塗布
する方法は特に好ましい。弾性ブレード,弾性ローラー
は、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩擦帯電
系列の材質のものを用いることが好ましい。規制部材6
3は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴムなどが好適である。さらに、ポリアミド、ポ
リイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロ
ン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ア
クリル系樹脂等の有機樹脂層を規制部材63に設けても
良い。
【0225】該弾性ブレード又は弾性ローラーと現像ス
リーブとの当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧として
0.1〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/
mが有効であり、当接圧力を0.1〜25kg/mに調
整することで、トナーの凝集を効果的にほぐすことが可
能になり、またトナーの帯電量を瞬時に立ち上げること
が可能になる。
【0226】ブレードにより現像スリーブ64上にトナ
ーを薄層コートする系においては、特に非磁性一成分現
像方法においては、十分な画像濃度を得るために、現像
スリーブ64は潜像保持体65に対し、100〜300
%の周速で回転される。好ましくは120〜250%の
周速で回転される。
【0227】また、現像スリーブ上のトナー層の厚さを
現像スリーブと潜像保持体との対向空隙長よりも小さく
し、この空隙に交番電界を印加することが好ましい。す
なわち図6に示すバイアス電源66により現像スリーブ
64と潜像保持体65との間に交番電場または交番電場
に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することによ
り、現像スリーブ上から潜像保持体上へのトナーの移動
を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
【0228】次に、磁性一成分現像方法について、図7
をもとに説明する。
【0229】図7において、現像スリーブ73の略右半
周面はトナー容器74内のトナー溜りに常時接触してい
て、その現像スリーブ73面近傍のトナーが現像スリー
ブ面にスリーブ内の磁気発生手段75の磁力で及び/又
は静電気力により付着保持される。現像スリーブ73が
回転駆動されるとそのスリーブ面の磁性トナー層が規制
部材76の位置を通過する過程で各部略均一厚さの薄層
磁性トナーT1として整層化される。磁性トナーの帯電
は主として現像スリーブ73の回転に伴なうスリーブ面
とその近傍のトナー溜りの磁性トナーとの摩擦接触によ
りなされ、現像スリーブ73上の上記磁性トナー薄層面
は現像スリーブの回転に伴ない潜像保持体77側へ回転
し、潜像保持体77と現像スリーブ73の最接近部であ
る現像領域部Aを通過する。この通過過程で現像スリー
ブ73面側の磁性トナー薄層の磁性トナーが潜像保持体
77と現像スリーブ73間に印加した直流と交流電圧に
よる直流と交流電界により飛翔し、現像領域部Aの潜像
保持体77面と、現像スリーブ73面との間(間隙α)
を往復運動する。最終的には現像スリーブ73側の磁性
トナーが潜像保持体77面の表面に潜像の電位パターン
に応じて選択的に移行付着してトナー像T2が順次に形
成される。
【0230】現像領域部Aを通過して、磁性トナーが選
択的に消費された現像スリーブ面はホッパ74のトナー
溜りへ再回転することにより磁性トナーの再供給を受
け、現像領域部Aへ現像スリーブ73の磁性トナー薄層
1面が移送され、繰り返し現像工程が行われる。
【0231】図7において用いられるトナー薄層化手段
としての規制部材76は、スリーブと一定の間隙をおい
て配置される金属ブレード、磁性ブレード等のドクター
ブレードである。あるいは、ドクターブレードの代り
に、金属,樹脂,セラミック製のローラーを用いても良
い。さらにトナー薄層化規制部材として現像スリーブ
(トナー担持体)表面に弾性力で当接する弾性ブレー
ド、弾性ローラーを用いても良い。
【0232】弾性ブレード又は弾性ローラーを形成する
材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBR
の如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き
合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属
弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても
良い。好ましくは、スリーブ当接部分はゴム弾性体ある
いは樹脂弾性体がよい。
【0233】弾性ブレードを使用する場合の例を図8に
示す。
【0234】弾性ブレード80上辺部側である基部は現
像剤容器側に固定保持され、下辺部側をブレード80の
弾性に抗して現像スリーブ89の順方向或いは逆方向に
たわめ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外
面側)をスリーブ89表面に適度の弾性押圧をもって当
接させる。この様な装置によると、環境の変動に対して
もより安定に薄く、緻密なトナー層が得られる。
【0235】弾性ブレードを使用する場合、スリーブ,
ブレード表面にトナーが融着し易すいが、本発明のトナ
ーは離型性に優れ摩擦帯電性が安定しているので好まし
く用いられる。
【0236】磁性一成分現像方法の場合、ブレード80
とスリーブ89との当接圧力は、スリーブ母線方向の線
圧として、0.1kg/m以上、好ましくは0.3〜2
5kg/m、更に好ましくは0.5〜12kg/mが有
効である。潜像保持体88とスリーブ89との間隙α
は、例えば50〜500μmに設定される。スリーブ8
9上の磁性トナー層の層厚は、潜像保持体88とスリー
ブ89との間隙αよりも薄いことが最も好ましいが、場
合により磁性トナー層を構成する磁性トナーの多数の穂
のうち、一部は潜像保持体88に接する程度に磁性トナ
ー層の層厚を規制してもよい。
【0237】また現像スリーブ89は、潜像保持体88
に対し、100〜200%の周速で回転される。バイア
ス印加手段86による交番バイアス電圧は、ピークトゥ
ーピークで0.1kV以上、好ましくは0.2〜3.0
kV、更に好ましくは0.3〜2.0kVで用いるのが
良い。交番バイアス周波数は、0.5〜5.0kHz、
好ましくは1.0〜3.0kHz、更に好ましくは1.
5〜3.0kHzで用いられる。交番バイアス波形は、
矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波等の波形が適用
できる。また、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流
バイアスも利用できる。また直流バイアスを重畳するの
も好ましい。
【0238】トナーの各種物性及び現像、定着、画質の
評価方法について以下に説明する。
【0239】トナー帯電量の測定 本発明のトナー帯電量の測定は、ブローオフ法に基づ
き、以下の方法により測定する。
【0240】図1はトナーの二成分摩擦帯電量を測定す
る装置の説明図である。先ず、底に635メッシュのス
クリーン3のある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測
定しようとするトナーとキャリアの振とうされた混合物
を約0.2gを入れ金属製のフタ4をする。このときの
測定容器2全体の重量を秤りW1(g)とする。次に、
吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁
体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整
して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態
で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去
する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とす
る。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)と
する。吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)と
する。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下式の
如く計算される。
【0241】
【数8】
【0242】なお、トナーとキャリアの混合比は5:9
5とし、キャリアはアクリルコートされたフェライトキ
ャリアを用いた。なお、測定環境は、高温高湿環境(3
0℃/80%RH)とし、放置時間は12から18時間
とする。
【0243】・測定手順 (1)所定時間サンプルを放置した後、150回振とう
して帯電量を測定する。
【0244】(2)(1)のサンプルを3日間放置した
後、5回振とうして帯電量を測定する。 ○ :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が0以上7
mC/kg未満。 ○△:測定値(1)−測定値(2)の絶対値が7以上1
4mC/kg未満。 △ :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が14以上
20mC/kg未満。 × :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が20mC
/kg以上。
【0245】なお、実施例及び比較例記載のトナーの帯
電量測定値(1)は、全て−25から−35mC/kg
に入り、初期画像を出すには支障が無いものであった。
【0246】画像濃度 感光ドラム上あるいは中間転写体上でベタ部の濃度制御
設定をした実施例・比較例記載のマシンとオイル塗布機
能のない40mmφの熱ローラー外部定着器を用いて行
う。
【0247】なお、このときのローラー材質としては、
上部・下部ともに、フッ素系のものを使用し、転写材は
SK紙(日本製紙社製)を用いた。
【0248】・測定手順 (1)所定時間高温高湿環境に放置したトナーの充填さ
れた現像機を用いて画像比率4%画像を5枚連続通紙し
た後、1次色(トナー乗り量約0.6mg/cm2)で
かつ入射角75度の測定で光沢度10〜20の全ベタ部
の定着画像を出し、Macbeth RD918(マク
ベス社製)にて画像濃度を測定する。光沢度計はPG−
3G(日本電色工業社製;入射角75度)で測定した。
【0249】(2)(1)の条件で画像比率4%画像を
6500枚連続通紙した後、全ベタ部の定着画像濃度を
測定する。 ○ :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が0.00
以上0.07未満。 ○△:測定値(1)−測定値(2)の絶対値が0.07
以上0.14未満。 △ :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が0.14
以上0.20未満。 × :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が0.20
以上。
【0250】なお、実施例及び比較例記載のトナーの画
像濃度測定値(1)は、全て1.35から1.45に入
り、初期画像において支障が無いものであった。
【0251】転写性の測定 下記条件で画像を出した後に転写不良の痕跡数にて転写
性の判断をした。
【0252】・測定手順 (1)高温高湿環境下にトナーの充填された現像機を所
定時間放置した後、実施例あるいは比較例記載のマシン
を用いて、画像比率4%画像を5枚連続通紙した後、全
ベタを出力させ、A3画像中にある転写不良の痕跡数に
て判断をした。
【0253】(2)(1)の条件で画像比率4%画像を
6500枚連続通紙した後、全ベタを出力させ、A3画
像中にある転写不良の痕跡数にて判断をした。
【0254】(1),(2)の目視観察の結果より以下
のレベル分けを行った。 ○ ;転写不良の痕跡数が0から4 ○△;転写不良の痕跡数が5から9 △ ;転写不良の痕跡数が10から14 × ;転写不良の痕跡数が15以上
【0255】透明性の測定 トランスペアレンシーシート画像の透過率は以下の如く
評価する。
【0256】実施例あるいは比較例記載のマシンを用い
て、常温常湿環境下でトランスペアレンシーシート(C
G3700:3M製)上に、階調を有するイエロートナ
ーの未定着画像を得た。得られたものを定着ローラーの
表面がフッ素系樹脂である外部定着器(オイル塗布機能
なし、ローラー径40mm)にて、定着温度180℃,
プロセススピード35mm/secで、定着画像を得
た。得られた定着画像の画像濃度0.5〜0.6mg/
cm2の箇所の透過率を測定した。透過率の測定は、島
津自己分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使
用し測定した。そして、トランスペアレンシーシート単
独の透過率を100%とし、600nmでの最大吸収波
長における透過率を測定した。なお、下記の基準で評価
した。 ○ ;透過率が80%以上 ○△;透過率が65%以上80%未満 △ ;透過率が50%以上65%未満× ;透過率が5
0%未満
【0257】また、フルカラー画像の投影画像の色空間
測定については、得られたフルカラー画像をオーバーヘ
ッドプロジェクター(OHP:3M社製 9550)に
て透過画像とし、白色壁面に投影した画像を、分光放射
輝度計(フォトリサーチ社製PR650)にて測定し、
CIELAB表色系の明度L*、赤または緑の度合いを
表すa*、黄または青の度合いを表すb*の立体体積を
求めた。数値が大きい方が色空間が広く、小さいほど狭
いことを意味する。単位はLabの3乗。
【0258】定着性の測定 高温高湿環境下で、実施例あるいは比較例に記載のマシ
ンにて、レッド、ブルーの2次色が同時に撮れる画像パ
ターン(3cm×3cmの枠をA4の中央部と四隅に出
力するパターン)を100枚連続通紙し、100枚目の
画像の定着状態を目視にて観察した。なお、転写材はゼ
ロックス105g/m2のA4用紙を用い、この時の2
次色のトナー乗り量は1.0〜1.2mg/cm2とし
た。さらに定着条件としては、定着ローラー表面をフッ
素系樹脂とし(オイル塗布機能なし;ローラー径40m
m)、定着温度180℃,プロセススピード140mm
/secで定着画像を得た。
【0259】 ○ :ひぶくれ状の定着不良がないレベル。 ○△;直径2mm未満の小さいひぶくれ1個から5個あ
るレベル。 △ :直径2mm未満の小さいひぶくれが6個から10
個あるレベル。 × :直径2mm未満の小さいひぶくれが11個以上あ
るレベル。 あるいは直径2mm以上の大きいひぶくれがあるレベ
ル。
【0260】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これは、本発明をなんら限定するものではない。
なお、以下の配合における部数は、特に説明のない場合
は質量部である。
【0261】<実施例1>反応容器中のイオン交換水1
0000部に0.1M−Na3PO4水溶液100部なら
びに1M−HCl水溶液を85部投入し、N2パージし
ながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー
(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹
拌しながら、1.0M−CaCl2水溶液60部を一括
投入し、pH=6.5のリン酸カルシウム塩を含む水系
媒体を調製した。 ・スチレン 8部 ・n−ブチルアクリレート 20部 ・イエロー着色剤 7部 ・ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム化合物 1部 (ヒドロキシカルボン酸2分子とアルミニウム1原子とからなる化合物; カウンターイオン K+) ・縮合系化合物 10部 〔飽和ポリエステル(テレフタル酸−プロピレンオキサイド 変性ビスフェノールA、酸価9mgKOH/g、ピーク分子量6000)〕 ・エステルワックス(離型剤No.5) 15部 ・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.25部
【0262】別容器中で上記材料を65℃に保温し、T
K式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、120
00rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開
始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)4部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0263】反応容器中の前記水系媒体中に上記重合性
単量体組成物を投入し、65℃,N2パージ下におい
て、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分
間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パ
ドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに85℃
に昇温し、9時間反応させた後、85℃で蒸留を行っ
た。
【0264】重合反応終了後、反応容器を冷却し、塩酸
を加えリン酸カルシウム塩を溶解させた後、ろ過,水
洗,乾燥をして、イエロートナー粒子を得た。このイエ
ロートナー粒子の断面をTEMにより観測したところ、
図2に示すように離型剤が外殻樹脂で良好に内包化され
ていることが認識できた。
【0265】得られたイエロートナー粒子100部と、
BET法による比表面積が100m2/gである疎水性
酸化チタン微粉体1.5部とを混合し、負摩擦帯電性の
イエロートナーを得た。得られたイエロートナーの円相
当個数平均径D1は4.7μmであった。
【0266】このイエロートナー5部に対し、アクリル
コートされたフェライトキャリア95部を混合して現像
剤を調製し、図5に示すような中間転写体を搭載したフ
ルカラー複写機(クリエイティブプロセッサー660,
キヤノン製)の改造機を用いて、補給系のイエロートナ
ーの画出し試験を行った。
【0267】上記トナーの処方を表1に、トナーの物性
を表3に、評価結果を表5にそれぞれ示す。
【0268】<実施例2>lM−HCl水溶液を添加せ
ず、pH=10.2の水系媒体とする以外は実施例1と
同様にし、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを
製造した。表3にトナー物性を、表5にトナー評価結果
を示す。
【0269】<実施例3乃至5>表1に示すトナー処方
以外は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーを製
造し、表3にトナー物性を、表5にトナー評価結果を示
す。
【0270】<実施例6>造粒時温度を73℃にする以
外は実施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイ
エロートナーを製造した。表3にトナー物性を、表5に
トナー評価結果を示す。
【0271】<実施例7乃至11>表1に示すトナー処
方以外は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーを
製造し、表3にトナー物性を、表5にトナー評価結果を
示す。
【0272】<実施例12>1M−HCl水溶液を10
5部に変更し、pH=5.6の水系媒体とする以外は実
施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイエロー
トナーを製造した。表3にトナー物性を、表5にトナー
評価結果を示す。
【0273】<実施例13>0.1M−Na3PO4水溶
液の量を60部へ、1.0M−CaCl2水溶液の量を
35部へ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)の回
転数を7000rpmへと変更する以外は実施例1と同
様にし、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを製
造した。表3にトナー物性を、表5にトナー評価結果を
示す。
【0274】<実施例14>表2に示すトナー処方以外
は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーあるいは
マゼンタトナーあるいはシアントナーあるいはブラック
トナーを製造し、表4に記載のトナー物性を得た。得ら
れた4色のトナーは、実施例1と同様にして現像剤を調
製し、図3に示す二成分現像方法を用いて、図5に示す
中間転写体を搭載したフルカラー複写機(クリエイティ
ブプロセッサー660,キヤノン製)の改造機により、
フルカラー画像の画出し試験を行なった。評価結果を表
6にそれぞれ示す。
【0275】<実施例15>表2に示すトナー処方以外
は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーあるいは
マゼンタトナーあるいはシアントナーあるいはブラック
トナーを製造し、表4に記載のトナー物性を得た。得ら
れた4色のトナーは、図6に示す非磁性一成分現像方法
を用いて、図5に示す中間転写体を搭載したフルカラー
複写機(クリエイティブプロセッサー660,キヤノン
製)の改造機より、フルカラー画像の画出し試験を行っ
た。評価結果は表6に示す。
【0276】<比較例1乃至2>表1に示すトナー処方
以外は実施例1と同様な実験を行ないイエロートナーを
製造した。表3にトナー物性を、表5にトナー評価結果
を示す。
【0277】 <比較例3> ・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して 100部 得られたポリエステル樹脂 ・イエロー着色剤 6部 ・ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム化合物 4部 (ヒドロキシカルボン酸2分子とアルミニウム1原子とからなる化合物; カウンターイオン K+) ・エステルワックス(離型剤No.5) 2部
【0278】これ以外は表1に示すトナー処方を用い、
ヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、2軸式
押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約
1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式
による微粉砕機で微粉砕した。さらに分級してイエロー
トナー粒子を得た。得られたイエロートナーの円相当個
数平均径D15.5μmであった。表3にトナー物性
を、表5にトナー評価結果を示す。
【0279】<比較例4>比較例3のイエロトナーをT
g以上にて湿式加熱球形化処理をする以外は、比較例3
と同様にしてイエロートナーを製造した。表3にトナー
物性を、表5にトナー評価結果を示す。
【0280】<比較例5>1M−HCl水溶液を添加せ
ず、pH=10.2の水系媒体とすることと、ヒドロキ
シカルボン酸のアルミニウム化合物から、芳香族ヒドロ
キシカルボン酸のアルミニウム化合物へと変更する以外
は実施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイエ
ロートナーを製造した。表3にトナー物性を、表5にト
ナー評価結果を示す。
【0281】<比較例6>ヒドロキシカルボン酸のアル
ミニウム化合物から、芳香族ヒドロキシカルボン酸のチ
タニウム化合物へと変更する以外は実施例1と同様に
し、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを製造し
た。表3にトナー物性を、表5にトナー評価結果を示
す。
【0282】<比較例7>造粒時温度を55℃、重合開
始剤を2部にする以外は実施例1と同様にし、表1に示
すトナー処方にてイエロートナーを製造した。表3にト
ナー物性を、表5にトナー評価結果を示す。
【0283】<比較例8>表2に示すトナー処方以外は
実施例1と同様な実験を行いイエロートナーあるいはマ
ゼンタトナーあるいはシアントナーあるいはブラックト
ナーを製造し、表4に記載のトナー物性を得た。得られ
た4色のトナーは、実施例1と同様にして現像剤を調製
し、図3に示す二成分現像方法を用いて、図5に示す中
間転写体を搭載したフルカラー複写機(クリエイティブ
プロセッサー660,キヤノン製)の改造機により、フ
ルカラー画像の画出し試験を行なった。評価結果を表6
にそれぞれ示す。
【0284】<比較例9>表2に示すトナー処方以外は
実施例1と同様な実験を行いイエロートナーあるいはマ
ゼンタトナーあるいはシアントナーあるいはブラックト
ナーを製造し、表4に記載のトナー物性を得た。得られ
た4色のトナーは、図6に示す非磁性一成分現像方法を
用いて、図5に示す中間転写体を搭載したフルカラー複
写機(クリエイティブプロセッサー660,キヤノン
製)の改造機より、フルカラー画像の画出し試験を行っ
た。評価結果は表6に示す。
【0285】<比較例10>表2に示すトナー処方以外
は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーあるいは
マゼンタトナーあるいはシアントナーあるいはブラック
トナーを製造し、表4に記載のトナー物性を得た。得ら
れた4色のトナーは、実施例1と同様にして現像剤を調
製し、図3に示す二成分現像方法を用いて、図5に示す
中間転写体を搭載したフルカラー複写機(クリエイティ
ブプロセッサー660,キヤノン製)の改造機により、
フルカラー画像の画出し試験を行なった。評価結果を表
6にそれぞれ示す。
【0286】
【表1】
【0287】
【表2】
【0288】
【表3】
【0289】
【表4】
【0290】
【表5】
【0291】
【表6】
【0292】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を有していること
により、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)のイ
エロー投影画像の透明性に優れ、高温高湿における帯電
量や画像濃度が安定であり、転写性が良好で、さらに2
次色以上の重ねあわせにおいて定着性に優れ、OHPの
フルカラー投影画像の色空間が広く、透明性の優れた画
像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーのトリボ電荷量を測定する装置の概略的
説明図である。
【図2】離型剤が外殻樹脂に内包化されているトナー粒
子の断面の模式図である。
【図3】本発明のトナーが適用され得る現像装置の概略
図である。
【図4】フルカラー又はマルチカラーの画像形成方法を
説明するための概略図である。
【図5】中間転写体使用の画像形成方法の概略図であ
る。
【図6】非磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【図7】磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【図8】磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【符号の説明】
31 現像剤担持体(現像スリーブ) 32 現像剤規制部材 33 静電荷像保持体(感光ドラム) 45 加熱ローラ 46 加圧ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 達哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川上 宏明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 半田 智史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森木 裕二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA15 AA21 CA21 CA25 DA02 EA06 EA07 2H030 AD01 BB23 BB24

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及
    び下記式(1)で示されるヒドロキシカルボン酸と2価
    又は3価の金属との化合物を含有するトナーであって、
    該着色剤としてC.I.Pigment Yellow
    93単独あるいは、C.I.Pigment Yel
    low 93とC.I.Solvent Yellow
    162とを含有しており、該トナーのテトラヒドロフ
    ラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィ(GPC)における重量平均分子量が10
    000乃至600000であり、フロー式粒子像測定装
    置で計測される該トナーの平均円形度が0.920乃至
    0.995であり、円形度標準偏差が0.040未満で
    あることを特徴とするイエロートナー。 【化1】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
    く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
    基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
    ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
    整数を示す。)
  2. 【請求項2】 該着色剤のC.I.Solvent Y
    ellow 162/C.I.Pigment Yel
    low 93の割合が0乃至3.0であることを特徴と
    する請求項1に記載のイエロートナー。
  3. 【請求項3】 該着色剤のC.I.Solvent Y
    ellow 162/C.I.Pigment Yel
    low 93の割合が0.05乃至2.0であることを
    特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
  4. 【請求項4】 該着色剤が、該結着樹脂100質量部当
    たり1乃至15質量部含有されていることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載のイエロートナー。
  5. 【請求項5】 該着色剤が、該結着樹脂100質量部当
    たり2乃至10質量部含有されていることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載のイエロートナー。
  6. 【請求項6】 該トナーのフロー式粒子像測定装置で計
    測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    における円相当個数平均径D1(μm)が2乃至10μ
    mであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載のイエロートナー。
  7. 【請求項7】 該トナーのテトラヒドロフラン(TH
    F)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ
    ィ(GPC)における重量平均分子量が50000乃至
    400000であることを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれかに記載のイエロートナー。
  8. 【請求項8】 該離型剤が、該結着樹脂100質量部当
    たり1乃至40質量部含有されていることを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれかに記載のイエロートナー。
  9. 【請求項9】 該離型剤が、該結着樹脂100質量部当
    たり3乃至30質量部含有されていることを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれかに記載のイエロートナー。
  10. 【請求項10】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーの平均円形度が0.965乃至0.
    990で、円形度標準偏差が0.035未満であること
    を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のイエロ
    ートナー。
  11. 【請求項11】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーが円形度0.950未満のトナー粒
    子が15個数%以下であることを特徴とする請求項1乃
    至10のいずれかに記載のイエロートナー。
  12. 【請求項12】 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤
    及び下記式(1)で示されるヒドロキシカルボン酸と2
    価又は3価の金属との化合物を含有するトナーを用いる
    フルカラー画像形成方法において、該トナーのうち、イ
    エロートナー中のイエロー着色剤がC.I.Pigme
    nt Yellow 93単独あるいは、C.I.Pi
    gment Yellow93及びC.I.Solve
    nt Yellow 162の組み合わせであり、且
    つ、該トナーのテトラヒドロフラン(THF)の可溶成
    分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)
    における重量平均分子量が10000乃至600000
    であり、且つ、フロー式粒子像測定装置で計測される該
    トナーの平均円形度が0.920乃至0.995で、円
    形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする
    フルカラー画像形成方法。 【化2】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
    く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
    基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
    ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
    整数を示す。)
  13. 【請求項13】 該トナーのうち、マゼンタトナー中の
    マゼンタ着色剤がキナクリドン系及び/またはアゾ系で
    あり、シアントナー中のシアン着色剤がフタロシアニン
    系であり、且つ、該マゼンタトナー及びシアントナーの
    テトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミ
    エーションクロマトグラフィ(GPC)における重量平
    均分子量が10000乃至600000であり、且つ、
    フロー式粒子像測定装置で計測される該トナーの平均円
    形度が0.920乃至0.995で、円形度標準偏差が
    0.040未満であることを特徴とする請求項12に記
    載のフルカラー画像形成方法。
  14. 【請求項14】 該マゼンタ着色剤がキナクリドン系の
    固溶体顔料であり、シアン着色剤が銅フタロシアニンで
    あることを特徴とする請求項13に記載のフルカラー画
    像形成方法。
  15. 【請求項15】 該マゼンタ着色剤がC.I.Pigm
    ent Red122及びC.I.Pigment V
    iolet 19またはC.I.Pigment Re
    d 202及びC.I.Pigment Violet
    19の固溶体顔料であり、シアン着色剤がC.I.P
    igment Blue 15であることを特徴とする
    請求項13又は14に記載のフルカラー画像形成方法。
  16. 【請求項16】 該イエロートナーの着色剤において
    C.I.Solvent Yellow 162/C.
    I.Pigment Yellow 93の割合が0乃
    至3.0であることを特徴とする請求項12乃至15の
    いずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
  17. 【請求項17】 該イエロートナーの着色剤において
    C.I.Solvent Yellow 162/C.
    I.Pigment Yellow 93の割合が0.
    05乃至2.0であることを特徴とする請求項12乃至
    15のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
  18. 【請求項18】 該着色剤が、該結着樹脂100質量部
    当たり1乃至15質量部含有されていることを特徴とす
    る請求項12乃至17のいずれかに記載のフルカラー画
    像形成方法。
  19. 【請求項19】 該着色剤が、該結着樹脂100質量部
    当たり2乃至10質量部含有されていることを特徴とす
    る請求項12乃至17のいずれかに記載のフルカラー画
    像形成方法。
  20. 【請求項20】 該トナーのフロー式粒子像測定装置で
    計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラ
    ムにおける円相当個数平均径D1(μm)が2乃至10
    μmであることを特徴とする請求項12乃至19のいず
    れかに記載のフルカラー画像形成方法。
  21. 【請求項21】 該トナーのテトラヒドロフラン(TH
    F)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ
    ィ(GPC)における重量平均分子量が50000乃至
    400000であることを特徴とする請求項12乃至2
    0のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
  22. 【請求項22】 該離型剤が、該結着樹脂100質量部
    当たり1乃至40質量部含有されていることを特徴とす
    る請求項12乃至21のいずれかに記載のフルカラー画
    像形成方法。
  23. 【請求項23】 該離型剤が、該結着樹脂100質量部
    当たり3乃至30質量部含有されていることを特徴とす
    る請求項12乃至21のいずれかに記載のフルカラー画
    像形成方法。
  24. 【請求項24】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーの平均円形度が0.965乃至0.
    990で、円形度標準偏差が0.035未満であること
    を特徴とする請求項12乃至23のいずれかに記載のフ
    ルカラー画像形成方法。
  25. 【請求項25】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーが円形度0.950未満のトナー粒
    子が15個数%以下であることを特徴とする請求項12
    乃至24のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
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