JP3862527B2 - フルカラー画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法やトナージェット法に用いられるトナー及びフルカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルフルカラー複写機やプリンターが実用化され、解像力・階調性はもとより色ムラのない色再現性に優れた高画質画像が得られるようになってきた。
【0003】
デジタルフルカラー複写機においては、色画像原稿をB(ブルー)・G(グリーン)・R(レッド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像に対応した20〜70μmのドット径からなる潜像をY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・BK(ブラック)の各色現像剤を用い減色混合作用を利用して現像するが、白黒複写機と較べ多量の現像剤を感光体から転写材に転写させる必要があることや、将来の更なる高画質化に対応すべく、より微小ドットに対応した現像剤の微小粒径化の要求が予想される。
【0004】
しかし、高画質化の要求に伴いトナー粒径を小さくするとフルカラー画像の解像力や鮮映度は確かに満足のいく方向となるが、微粒子化に伴って様々な影響があることが分かってきた。
【0005】
それは、トナー粒径を小さくするとそれだけ着色剤の偏在により、帯電特性が影響を受けやすくなるという問題が生じてくるということである。
【0006】
また、近年複写装置は、単なる一般にいうオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機というだけでなく、コンピュータの出力としてのプリンターあるいは個人向けのパーソナルコピーという分野で使われ始めた。
【0007】
このようなレーザービームプリンターに代表される分野以外にも、基本エンジンを応用した普通紙ファックスヘの展開も急激に発展をとげつつある。
【0008】
特に、今後急速な市場の伸びが考えられるパーソナルコンピュータ用のカラープリンター、パーソナルカラーコピーにおいてはより小型、より軽量、より高速、より高画質、より高信頼性、中でも高速化に関する要求は強く、いかに高速印字において高信頼性を保つかが不可欠な課題である。高速にて連続通紙をした場合、機内昇温は厳しくなる方向でそれに対するトナー特性の向上も重要な課題である。
【0009】
よって、従来以上にカラートナー各色の分散を向上させることによる帯電特性の良好なトナーや、連続通紙での温度上昇によるトナー劣化の少ないトナーが要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述の如き問題点を解決し得るトナー及びフルカラー画像形成方法を提供することにある。
【0011】
本発明の目的はOHP(オーバーヘッドプロジェクター)のイエロー投影画像の透明性の優れたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0012】
本発明の更なる目的は、高温高湿における転写材上へのカブリが少なく、トナー飛散の少ないトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0013】
本発明の更なる目的は、高温高湿における転写性が良好なトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0014】
本発明の更なる目的は、高温高湿におけるレッド、ブルーにおける定着性に優れたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0015】
本発明の更なる目的は、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)のフルカラー投影画像の色空間が広く、透明性の優れたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、及び下記式(I)で示されるヒドロキシカルボン酸と2価又は3価の金属との化合物を含有するイエロートナーと、マゼンタトナー及びシアントナーを用いるフルカラー画像形成方法において、
該イエロートナー中のイエロー着色剤が、C.I.Pigment Yellow 180単独あるいは、C.I.Pigment Yellow 180及びC.I.Solvent Yellow 162の組み合わせであり、
該マゼンタトナー中のマゼンタ着色剤がキナクリドン系の固溶体顔料であり、
該シアントナー中のシアン着色剤が銅フタロシアニンであり、
該イエロートナーのテトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量が10000乃至600000であり、且つ、フロー式粒子像測定装置で計測される該イエロートナーの平均円形度が0.920乃至0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とするフルカラー画像形成方法に関する。
【0017】
【化3】
(式中、R1とR2は、同一であっても異なっていても良く、各々、水素原子、直鎖又は分岐したアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグループから選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の整数を示す。)
【0019】
【発明の実施の形態】
従来、長期にわたる安定した帯電量やOHPシートの透明性の改善を目的として、ヒドロキシカルボン酸誘導体を含有するトナーの出願がなされている(特開平07−084409、特開平08−262800など)。しかしながらC.I.Pigment Yellow12.14、C.I.Solvent Yellow 21.77.114、C.I.Disperse Yellow 164などを用いたイエロー着色剤を用いた場合には、先に挙げた項目に関して必ずしも満足のいくものではなかった。さらにフルカラー画像形成においては、投影画像の鮮やかさの点でもまだ十分なものではなかった。
【0020】
これに対して、本発明者らは鋭意検討をした結果、下記式(I)で示されるヒドロキシカルボン酸と2価又は3価の金属との化合物と、上記組み合わせのイエロー着色剤にすることで、従来公知例よりも透明性を向上させることを見出した。
【0021】
更に、上記組み合わせのイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を含有したトナーの、円相当個数平均径、平均円形度及び円形度標準偏差をある範囲内にすることで、上記問題点を改善できることを見出した。
【0022】
【化4】
(式中、R1とR2は、同一であっても異なっていても良く、各々、水素原子、直鎖又は分岐したアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグループから選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の整数を示す。)
【0023】
上記の如き組み合わせにすることで、芳香族オキシカルボン酸と金属との化合物を用いた場合と同等の帯電能力を保持できることに加えて、円形度標準偏差が小さいため、現像転写される各トナー間の帯電量分布差が小さいことによる環境変動に強いトナーを製造可能とした。これにより高温高湿での連続通紙における紙上へのカブリが少なくなり、かつトナー飛散が公知技術のものより改善された。
【0024】
また、上記のヒドロキシカルボン酸誘導体と着色剤とを組み合わせをすることで、従来のカラートナー用帯電制御剤よりも、結着樹脂に弱架橋性が持たせられた。これに加えてテトロヒドロフラン(THF)の可溶分の重量平均分子量、円形度及び円形度標準偏差の規定が加味されることにより、連続通紙、特に高温高湿下での連続通紙において、現像機内の現像剤パッキング部で発生し易いトナー凝集物の発生が減少できた。さらに外添剤のトナー表面への埋め込みも減少させることが可能となった。このことから、高温高湿下での連続通紙における凝集物由来の転写不良が大幅に改善されることが可能となったのである。
【0025】
本発明のヒドロキシカルボン酸と2価又は3価の金属との化合物のヒドロキシカルボン酸(無置換の、又は置換基を有するベンジル酸)は、下記構造を有する。
【0026】
【化5】
(式中、R1とR2は、同一であっても異なっていても良く、各々、水素原子、直鎖又は分岐したアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグループから選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の整数を示す。)
【0027】
2価又は3価の金属は特に制限を受けるものではないが、好ましくは、B、Zn、Ni、Co、Mn、Alが良い。さらに好ましくはZn、Alなどが帯電能力が高く良い。
【0028】
カウンターイオンは特に制約を受けるのもではなく、任意のものが使用できる。例えば、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムなどがある。
【0029】
該金属化合物は、結着樹脂100質量部当り、0.01乃至10質量部、より好ましくは0.05乃至5質量部使用するのが良い。なお、ここで言う結着樹脂とは一般的な樹脂なら何でも良く、より好ましくは、ビニル系樹脂が望まれる。
【0030】
添加量が0.01質量部未満の場合には、帯電能が十分に出ず、初期画像の紙上のカブリが悪い。10質量部を超える場合には、該金属化合物自身の分散が悪くそれに伴い着色剤のトナー中での分散も不良になり、帯電不均一なトナーができてしまう。
【0031】
本発明のトナーが重合法トナーの場合には、水相、油相のどちらに該金属化合物を含有しても良い。
【0032】
着色剤のC.I.Solvent Yellow 162/C.I.Pigment Yellow 180の割合は0乃至3.0が好ましく、より好ましくは0乃至2.0が良い。割合が3.0を超える場合には、耐光性が必ずしも十分ではない。
【0033】
本発明の画像形成方法に用いられるマゼンタ着色剤は、キナクリドン系及び/またはアゾ系であることが好ましく、より好ましくはキナクリドン系の固溶体顔料であることが望まれる。固溶体顔料は一般に、顔料の製造過程の脱水工程、顔料化工程の前の工程で2種類以上のマゼンタ顔料を混合した場合、脱水し顔料化するという工程によって得られる。
【0034】
固溶体の組み合わせとしては、その構造の安定性や製造のし易さによりなるべく構造の近いものが組み合わされて使用される。特に耐光性に優れ、着色力にも優れるという面より、下記に示す置換キナクリドン顔料と無置換キナクリドン顔料を組み合わせて使用する。
マゼンタ固溶体顔料(1):C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19との固溶体
マゼンタの固溶体顔料(2):C.I.Pigment Red 202とC.I.Pigment Violet 19との固溶体
【0035】
C.I.Pigment Violet 19はその結晶構造によって耐光性や着色力が変化しやすいが、固溶体を形成することにより安定化する。さらに、固溶体の色相はC.I.Pigment Violet 19の配合比や結晶化時の条件設定を変えることにより顔料の彩度、明度を損なうことなく固溶体の色相空間を広げることが可能となる。固溶体顔料の彩度及び着色力をより好ましい値にするためには、該固溶体顔料中の置換キナクリドン顔料と無置換キナクリドン顔料の配合比が85:15〜30:70であることが好ましく、より好ましくは80:20〜50:50がよい。
【0036】
本発明の画像形成方法に用いられるシアン着色剤は、フタロシアニン系であることが好ましく、より好ましくは銅フタロシアニン系のC.I.Pigment
Blue 15が望まれる。
【0037】
該金属化合物と該マゼンタ着色剤及び該シアン着色剤とを組み合わせると、高温高湿におけるトナー乗り量が多い場合の定着性が著しく良化する。理由は現在のところ明確にはなっていないが、該金属化合物の定着熱による昇華性が少ないことに起因していると考えている。
【0038】
該着色剤が、該結着樹脂100質量部当たり1乃至15質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは2乃至10質量部が良い。1質量部未満の場合には、画像濃度が十分出ず、貧弱な画像となる。15質量部を超える場合には、トナー中での分散が不十分となり、帯電が不均一になる。さらに重合トナーの場合には、造粒性に悪影響を与え、均一な粒度分布が得られない。また、該着色剤は、表面処理されていてもいなくても構わない。
【0039】
以下に本発明の好ましいトナー物性を記載する。
【0040】
フロー式粒子像測定装置で計測される該トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2乃至10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920乃至0.995で、円形度標準偏差が0.040未満が好ましい。より好ましくは平均円形度が0.965乃至0.990で、円形度標準偏差が0.035未満であることが良い。
【0041】
前記フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のトナー粒子が15個数%以下であることが好ましい。
【0042】
トナーの円相当個数平均径D1(μm)を2乃至10μmと小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。しかし、一般にトナー粒子を小粒径化すると必然的に微小粒子のトナーの存在率が高くなるため、トナーを均一に帯電させることが困難となり画像カブリを生じるばかりか、静電潜像担持体表面やトナー担持体への付着力が高くなり、結果として現像特性を悪化させた。
【0043】
しかし、本発明のトナーは、円形度標準偏差が0.040未満、好ましくは0.035未満とすることにより、現像性に関する問題を大幅に改善することが出来る。
【0044】
その理由としては、本発明に係るヒドロキシカルボン酸と2価又は3価の金属との化合物を含有するトナーであって、該着色剤との組み合わせをすることによって、トナー粒子に好ましい帯電特性を各々のトナーに均一に与え、トナー層規制部材やトナー担持体から良好な摩擦帯電付与とトナーの搬送力を受けることが出来るため、トナー担持体上のトナー帯電量やトナーコート量を適切なものとすることが可能となるからだと考えている。
【0045】
また、トナー粒子の円形度頻度分布の平均円形度を0.920乃至0.995、好ましくは0.950乃至0.995、より好ましくは0.965乃至0.990とすることにより、従来では困難であった小粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共に低電位潜像に対する現像能力も格段に向上する。特に上記の如き傾向は、デジタル方式の微小スポット潜像を現像する場合や中間転写体を用い多数回の転写を行うフルカラーの画像形成の際に非常に有効で、画像形成装置とのマッチングも良好なものとなる。
【0046】
本発明におけるトナーの円相当個数平均径、円形度及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
【0047】
【数1】
【0048】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0049】
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0050】
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0051】
【数2】
【0052】
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度と円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
【0053】
【数3】
【0054】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、1〜5分間分散処理を用い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
【0055】
トナー粒子の形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナーの円相当個数平均径や円形度頻度分布等を求める。
【0056】
該トナーのテトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量が10000乃至600000であり、好ましくは重量平均分子量が50000乃至400000、さらに好ましくは重量平均分子量が70000乃至400000であることが良い。
【0057】
重量平均分子量が10000未満の場合には、耐久によるトナーの劣化が大きく、転写性が著しく悪化した。さらにオイルレス定着器にて定着をさせると、OHTシートの画像表面が荒れ、主にイエロートナーの投影画像がくすむという不具合が生じる。
【0058】
重量平均分子量が600000を超える場合には、定着温度でのトナーの溶融が十分に行えず、イエローの投影画像がくすんでしまう。また、重合法にて製造する際に、高分子量成分を作ろうとする工程で帯電制御剤や着色剤のトナー中での分散が悪化し、結果としてカブリや、トナーの機内飛散という弊害が生じる。さらに低温定着性に関しても悪化させる方向に働く。
【0059】
トナーのTHF可溶分の分子量分布の測定方法について説明する。
【0060】
GPC測定用の試料は以下のようにして作製する。トナーをテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−5東ソー社製、エキクロディスク25CRゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。
【0061】
トナー濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0062】
トナーのTHF可溶成分のGPCによる分子量及び分子量分布は以下の方法で測定される。40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリエステル試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,808Pの組み合わせ以東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL)TSKguardcolumnの組み合わせが挙げられる。特に、カラム構成は、昭和電工社製A−801、802、803、804、805、806及び807を連結したものが好ましい。
【0063】
トナーのTHFの不溶成分は0乃至50%であることが好ましく、より好ましくは3乃至30%が良い。
【0064】
THF不溶分の測定について説明する。
【0065】
THF不溶分とは、トナー中のTHF溶媒に対して不溶性の物質の質量割合を示す。THF不溶分とは、以下のように測定された値をもって定義する。
【0066】
トナーサンプル約1.0gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200mlを用いて6時間抽出し、THF溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー中のTHF不溶分は、下記式から求められる。
【0067】
【数4】
【0068】
トナーの離型剤量は、結着樹脂100質量部当たり1乃至40質量部が好ましく、より好ましくは3乃至30質量部が良い。
【0069】
離型剤量が1質量部未満の場合には、高温側の定着性が悪化し、OHPシートの定着の際にシートが定着ローラーに巻き付いてしまう。離型剤量が40質量部を超える場合には、トナーの流動性が悪化し、現像性及び転写性が急激に悪化する。
【0070】
本発明のトナーのMELT INDEX値(MI値;g/10min)は、0.1乃至100が好ましい。より好ましくは1乃至80が良い。
【0071】
MI値が0.1未満の場合では定着温度においてもトナーが十分に溶融せず、イエローの投影画像の透明性が悪く、且つくすむ。MI値が100を超える場合には、現像機内の現像剤パッキング部でトナー凝集物が発生し易く、且つ外添剤のトナー表面への埋め込みも大きいことから耐久での転写性が悪化する。
【0072】
本発明のトナーのMI値の測定方法は、JIS規格K7210のA法にのっとって行われる。その後測定値を10分値に換算する。
【0073】
本発明のトナーは、凝集度が1〜30%、より好ましくは4〜20%であることが現像性の点で好ましい。トナーの凝集度は、値が小さい場合にはトナーの流動性が高く、値が大きい場合にはトナーの流動性が低いと判断され得る。
【0074】
トナーの凝集度は、以下の方法で測定される。
【0075】
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)の振動篩機を用い、振動台に400mesh、200mesh、100meshの篩を目開の狭い順に重なる様に、即ち、100meshが最上位となる様に、400mesh、200mesh、100meshの篩の順に重ねてセットする。このセットした100meshの篩上に試料を加え、振動台への入力電圧が15Vになる様にし、その際の振動台の振幅が60〜90μmの範囲に入る様に調整し、約25秒間振動を加え、その後、各篩上に残った試料の質量を測定し、下式に基づき凝集度を得る。凝集度の値が小さい程、トナーの流動性は高い。
【0076】
【数5】
【0077】
本発明のトナーを製造する方法は、特に制約を受けるものではないが、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー粒子の製造が挙げられる。また、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in situ重合法、コアセルベーション法などの製造も挙げられる。さらに、特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている様な、少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る界面会合法なども挙げられる。
【0078】
小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合方法が特に好ましい。さらに一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。このとき、吸着せしめる単量体中に、極性を有する化合物を分散あるいは溶解させて使用することも可能である。トナー粒子の製造方法としては懸濁重合を利用する場合には、以下の如き製造方法によって直接的にトナー粒子を製造することが可能である。単量体中にワックスの如き低軟化点物質,着色剤,重合開始剤,架橋剤,その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜90℃(好ましくは55〜85℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpH変更しても良い。更に、トナーの定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
【0079】
造粒中の水系媒体中のpHは特に制限を受けないが、好ましくはpH4.5〜8.5、より好ましくはpH4.5〜6.0であることが良い。
【0080】
以下に重合法トナーの材料に関して記載する。
【0081】
本発明のトナーに用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
【0082】
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
【0083】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
【0084】
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
【0085】
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤が好ましく用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0086】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0087】
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御するために、連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0088】
架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
【0089】
本発明に用いられる分散安定剤としては、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。通常単量体組成物100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒体として使用するのが好ましい。
【0090】
有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が使用されてる。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部を使用することが好ましい。
【0091】
本発明により好ましく用いられる分散安定剤としては、硫酸,炭酸,燐酸,ピロ燐酸,ポリ燐酸の難水溶性金属塩があり、これらは分散媒中で高速撹拌下において酸アルカリ金属塩とハロゲン化金属塩との反応によって調製されることが好ましい。
【0092】
これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0093】
本発明は縮合系化合物を添加しても良い。
【0094】
該縮合系化合物は重量平均分子量(Mw)が6,000乃至100,000、好ましくは6,500乃至85,000が良い。さらに6,500乃至45,000がより良い。重量平均分子量が6,000未満の場合、最適範囲内のものと比較すると、連続通紙においてトナー粒子表面の外添剤が耐久によって埋没しやすく、転写性の低下を招きやすくなる。重量平均分子量が100,000を超える場合には、重合性単量体に縮合系化合物を溶解するのに時間を多く費やしてしまう。さらに、重合性単量体組成物の粘度が上昇し、粒径が小さくかつ、粒度分布の揃ったトナー粒子が得にくくなる。
【0095】
該縮合系化合物は数平均分子量(Mn)が、3,000乃至80,000、好ましくは3,500乃至60,000が良い。より好ましくは3,500乃至12,000が良い。該縮合系化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)における分子量分布のメインピーク値(Mp)は、分子量4,500乃至40,000、好ましくは6,000乃至30,000が良い。より好ましくは6,000乃至20,000が良い。上記範囲外であると重量平均分子量の場合と同様に傾向を示す。
【0096】
該縮合系化合物はMw/Mnが1.2乃至3.0、より好ましくは1.5乃至2.5が良い。Mw/Mnが1.2未満の場合には、トナーの多数枚耐久性及び耐オフセット性が低下し、3.0を超える場合には、低温定着性の面で、範囲内のものよりも、若干劣ってしまう。
【0097】
該縮合系化合物はガラス転移点(Tg)が、50乃至125℃、好ましくは50乃至95℃が良い。より好ましくは55乃至90℃が良い。ガラス転移点が50℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する。ガラス転移点が125℃を超える場合には、トナーの耐低温オフセット性が低下する。
【0098】
該縮合系化合物の酸価(mgKOH/g)は、0.1乃至35、好ましくは3乃至35、より好ましくは4乃至35、さらに好ましくは5乃至30が好ましい。酸価が0.1未満の場合には、トナーの帯電量の立ち上がりが遅く、カブリが生じやすくなる。酸価が35を超える場合には、高温高湿下に放置した後のトナーの摩擦帯電特性が変動しやすく、連続通紙において画像濃度が変動しやすい。さらに、極性樹脂の酸価が35を超える場合には、極性樹脂のポリマー相互間の親和力が強くなるために極性樹脂が重合性単量体に溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間がかかるようになる。
【0099】
該縮合系化合物の水酸基価(mgKOH/g)は、0.2乃至50、好ましくは5乃至50、より好ましくは7乃至45であるのが良い。水酸基価が0.2未満の場合には、最適範囲内のものと比較すると、水系媒体中の重合性単量体組成物の粒子の表面に極性樹脂の局在化が起こりにくくなる。水酸基価が50を超える場合、最適範囲内のものと比較すると、高温高湿下において放置した後のトナーの帯電量特性が若干低くなる傾向が見られ、連続通紙において画像濃度が変動しやすい。
【0100】
該縮合系化合物のGPCによる分子量及び分子量分布は以下の方法で測定される。40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,808Pの組み合わせ以東ソー社製のTsk gelG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL),TSKguardcolumnの組み合わせが挙げられる。
【0101】
試料は以下のようにして作製する。
【0102】
試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−5東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマンサイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0103】
該縮合系化合物のガラス転移点はDSC測定により求めらる。
【0104】
DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7が利用できる。
【0105】
測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。測定は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
【0106】
該縮合系化合物の酸価は以下のように求められる。
【0107】
基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
【0108】
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、次によって試験を行う。
【0109】
(1)試薬
(a)溶剤エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)で、これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬としてN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)N/10水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
【0110】
(2)操作 試料1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これをN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
【0111】
(3)計算式 つぎの式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価
B:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
【0112】
該縮合系化合物の水酸基価は以下のように求められる。
【0113】
基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
【0114】
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、操作および計算式によって試験を行う。
【0115】
(1)試薬
(a)アセチル化試薬 無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。(場合によっては、ピリジンを追加しても良い)。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)N/2水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日間放置後ろ過する。標定はJIS K 8006によって行う。
【0116】
(2)操作 試料0.5〜2.0gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけで温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬としてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。場合によっては、指示薬としてKOH−THF溶液にしても構わない。
【0117】
(3)計算式 つぎの式によって水酸基価を算出する。
A=(B−C)×f×28.05/S+D
A:水酸基価
B:空試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
C:本試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
D:酸価
【0118】
本発明の該縮合系化合物は例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げられる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。
【0119】
該縮合系化合物及び該離型剤の製造方法としては、例えば、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル不可反応に代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、エステル交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
【0120】
該縮合系化合物及び該離型剤の特に好ましい製造方法は、原料の多用性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。
【0121】
本発明に用いられる縮合系化合物の組成について以下に説明する。
【0122】
縮合系化合物は、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
【0123】
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、
下記式(イ)
【0124】
【化6】
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は2〜10を示す。)
で示されるビスフェノール誘導体、又は下記式(ロ)
【0125】
【化7】
で示されるジオールの如きジオール類が挙げられる。
【0126】
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−P・P’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−P・P’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−P・P’−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0127】
本発明の実施上特に好ましい該縮合系化合物のアルコール成分としては前記(イ)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。
【0128】
該縮合系化合物は、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能である。場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
【0129】
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
【0130】
3価以上のポリオールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
【0131】
本発明は、上記以外のネガ性帯電制御剤がブレンドされていても構わない。化合物は特に制約を受けるものではないが、例えばサリチル酸系の化合物、ナフトエ酸系の化合物、ダイカルボン酸系の化合物、スルホン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用できる。
【0132】
離型剤としては、重量平均分子量(Mw)が350乃至4000、数平均分子量(Mn)が200乃至4000であることが好ましく、より好ましくはMwが400乃至3500、Mnが250乃至3500であるものが良い。Mwが350未満であり、Mnが200未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する。Mwが4000を超え、Mnが4000を超える場合には、離型剤自体の結晶性が発現し、定着画像の透明性が低下する。
【0133】
離型剤の分子量及び分子量分布はGPCにより次の条件で測定される。
【0134】
(GPC測定条件)
装 置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温 度:135℃
溶 媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流 速:1.0ml/min
試 料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0135】
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0136】
離型剤は、融点(温度20乃至200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30乃至120℃、より好ましくは50乃至90℃であるものが良い。離型剤としては、室温で固体の固体ワックスが好ましく、特に融点50乃至90℃の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
【0137】
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、ケトンワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられ、これらは低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。また、これら2種類以上のブレンドでも構わない。
【0138】
好ましく用いられるワックスとしては、炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいは、モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好ましい。
【0139】
さらに、好ましく用いられるワックスは、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又は、その他の触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキレンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離精製したもの、;一酸化炭素及び水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの蒸留残分から、あるいは、蒸留残分を水素添加して得られる合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリメチレンワックスが挙げられる。これらワックスには酸化防止剤が添加されていてもよい。
【0140】
定着画像の透光性を向上させるためには、固体エステルワックスが好ましく、該固体エステルワックスとしては、融点50乃至90℃を有するものが特に良い。
【0141】
エステルワックスとしては、下記式(A)乃至(F)で示される化合物から形成されているものが挙げられる。
【0142】
【化8】
(式中、a及びbは0〜4迄の整数であり、a+bは4である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基であり、R1とR2との炭素数差が3以上である。m及びnは0〜25の整数であり、mとnは同時に0になることはない。)
【0143】
【化9】
(式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1〜3である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基であり、R1とR2との炭素数差が3以上である。R3は水素原子、炭素数が1以上の有機基である。但し、a+b=2のとき、R3のどちらか一方は、炭素数が1以上の有機基である。kは1〜3の整数である。m及びnは0〜25の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
【0144】
【化10】
(式中、R1及びR3は炭素数6〜32を有する有機基であり、R1とR3は同じものであってもなくても良い。R2は炭素数1〜20を有する有機基を示す。)
【0145】
【化11】
【0146】
【化12】
(式中、aは0〜4の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+bは4である。R1は炭素数が1〜40の有機基である。m及びnは0〜25の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
【0147】
【化13】
(式中、R1及びR2は同一又は異なる炭素数15〜45の炭化水素基を示す。)
【0148】
エステル化合物からなる離型剤としてのエステルワックスとして以下のものが例示される。
【0149】
【化14】
【0150】
【化15】
【0151】
該離型剤が、上記構造式を有するエステル化合物を有するエステルワックスの場合、良好な透明性を発現するとともに、トナー粒子中に含有せしめた場合には良好な定着性を示すものである。このワックスと上記極性樹脂を、重合性単量体に溶解させた後、水系媒体中で重合性単量体の重合反応を進めることによって、得られたトナー粒子の帯電量が大きく、適正帯電値に到達するまでの速度が速く、さらに多数枚耐久において、摩擦帯電量の変動の少ない優れたトナーが得られる。
【0152】
重合性単量体組成物を使用して、水系媒体中で直接的にトナー粒子を生成する場合には、重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部(より好ましくは3〜30質量部)配合し、トナー粒子に含有されるのが良い。
【0153】
溶融混練粉砕法による乾式トナー製法に比べ重合法によるトナー製法においては、トナー粒子内部に極性樹脂により多量の離型剤を内包化させ易いので乾式トナー製法と比較し、一般に多量の離型剤を用いることが可能となり、定着時のオフセット防止効果には特に有効となる。
【0154】
該離型剤の添加量が下限より少ないとオフセット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合では耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響を与えやすく、トナーのドラム融着、トナーの現像スリーブ融着を起こしやすく、重合法によりトナー粒子を生成する場合には粒度分布の広いトナー粒子が生成する傾向にある。
【0155】
本発明に使用される該離型剤は(SP)値が、7.6〜10.5の範囲であることが好ましい。SP値が7.6未満の値を示す離型剤は、用いる重合性単量体又はバインダー樹脂との相溶性が乏しく結果的にバインダー樹脂中への良好な分散が得られにくく、多数枚複写時又はプリント時において該離型剤の現像スリーブヘの付着が生じやすく、トナーの帯電量が変化しやすくなる。更に地カブリ,トナー補給時のトナーの濃度変動も起こしやすい。SP値が10.5を超える離型剤を用いる場合には、トナーを長期保存した際にトナー粒子同士のブロッキングが発生しやすい。更にバインダー樹脂との相溶性が良すぎるため定着時において定着部材とトナーバインダー樹脂層間に十分な離型性層が形成しにくく、オフセット現象を起こしやすい。
【0156】
溶解度パラメーター(SP)値は、原子団の加成性を利用したFedorsの方法(Polym.Eng.Sci.,14(2)147(1974))を用いて算出する方法が挙げられる。
【0157】
本発明に使用される離型剤は、135℃における溶融粘度は1〜300cPsであることが好ましく、更に好ましくは3〜50cPsを有する離型剤が特に好ましい。1cPsより低い溶融粘度を有する場合は、非磁性一成分現像方式で塗布ブレード等により現像スリーブにトナー層を薄層コーティングする際、機械的なズリカによりスリーブ汚染を招きやすい。二成分現像方法においてはキャリア粒子とトナーとを用いて静電荷像を現像する際に、トナーとキャリア粒子のズリ力によりトナーがダメージを生じやすく、外添剤の埋没,トナー粒子の破砕も生じやすい。300cPsを超える溶融粘度を有する場合には、重合方法を用いてトナー粒子を製造する際、重合性単量体組成物の粘度が高くなり、粒度分布のシャープな微小粒径のトナー粒子を得ることが容易でない。
【0158】
離型剤の溶融粘度は、HAAKE社製VP−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を用い135℃にて測定する方法が挙げられる。
【0159】
本発明に使用される離型剤の硬度は0.3〜5.0の範囲が好ましく、更に好ましいビッカース硬度は0.5〜3.0が特に有効である。
【0160】
ビッカース硬度が0.3より低い離型剤を含有したトナーは、多数枚複写又はプリントにおいてクリーニング工程で破砕されやすく、感光ドラム表面上にトナー融着を起こしやすく結果的に画像上に黒筋が発生しやすい。定着画像サンプルを多数枚重ねて保存した際、裏面にトナーが転写し、裏写りが発生しやすい。
【0161】
ビッカース硬度が5.0を超える離型剤を含有したトナーは、加熱定着時に用いる定着器に必要以上の加圧力を必要とし、定着器に必要以上の強度設計が必要となり好ましくない。通常加圧力の定着器を用いたなら耐オフセット性が低下しやすく好ましくない。
【0162】
該離型剤の硬度測定は、例えば島津ダイナミック超微小硬度計(DUH−200)を用いる測定法が挙げられる。測定条件は、ビッカース圧子を用い0.5g加重下で9.67mg/秒の負荷速度にて10μm変位させた後、12秒保持させサンプル上に付いた打痕を解析することによりビッカース硬度を求める。サンプルは直径20mmφの金型を用い予め溶融したサンプルを5mm厚の円柱状に成型して用いる。
【0163】
トナーにおける各種の特性付与を目的とした添加剤としては、耐久性の点から、トナー粒子の体積平均径の1/5以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添加剤としては、たとえば、以下のようなものが用いられる。
【0164】
流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)カーボンブラック、フッ化カーボンなどが挙げられる。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0165】
研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げられる。
【0166】
滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
【0167】
荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)・カーボンブラックなどが挙げられる。
【0168】
これら添加剤は、トナー粒子100質量部に対し0.1〜10質量部が用いられ、好ましくは0.1〜5質量部が用いられる。これら添加剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良い。
【0169】
本発明のトナーは、非磁性一成分系現像剤のトナーとして使用することも可能であり、キャリア粒子を有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能である。非磁性トナーを用いる場合には、ブレード又はローラを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
【0170】
二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーと共に、キャリアを用い現像剤として使用する。磁性キャリアとしては、鉄,銅,亜鉛,ニッケル,コバルト,マンガン,クロム元素からなる元素単独又は複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの形状として、球状,扁平又は不定形がある。更に磁性キャリア粒子表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ、磁性キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いられている。磁性キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリアを得る方法も利用することが可能である。
【0171】
上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆する被覆キャリアは、特に好ましい。その方法としては、樹脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に樹脂粉体とキャリア粒子とを混合して付着させる方法が適用できる。
【0172】
キャリア粒子表面への固着物質としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが挙げられる。これらは単独或は複数で用いられる。
【0173】
キャリアの磁性特性は以下のものが良い。磁気的に飽和させた後の79.6kA/m(1000エルステッド)における磁化の強さ(σ79.6)は3.77乃至37.7μWb/cm3であることが必要である。さらに高画質化を達成するために、好ましくは12.6乃至31.4Wb/cm3であることがよい。37.7μWb/cm3より大きい場合には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。3.77Wb/cm3未満であると、磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやすい。
【0174】
キャリア形状は丸さの度合いを示すSF−1が180以下、凹凸の度合いを示すSF−2が250以下であることが好ましい。SF−1,SF−2は以下の式にて定義され、ニレコ社製のLUZEX IIIにて測定される。
【0175】
【数6】
【0176】
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。
【0177】
本発明の画像形成方法に用いられる黒色着色剤としてはカーボンブラック,磁性体などが利用され、特に制約を受けるものではない。黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部当り40〜150質量部が一般に用いられる。
【0178】
トナーの摩擦帯電特性を安定化するために荷電制御剤を更に加えても構わない。荷電制御剤としては、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。重合阻害性が無く水系媒体中への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。
【0179】
具体的化合物としては、サリチル酸系の化合物、ナフトエ酸系の化合物、ダイカルボン酸系の化合物、スルホン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸を側鎖に持っ高分子型化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用できる。
【0180】
しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリアと摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においてもブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー粒子中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0181】
本発明のトナーが適用可能な画像形成方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0182】
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合し、例えば図2に示すような現像手段17を用い現像を行うことができる。具体的には交番電界を印加しつつ、磁気ブラシが静電像保持体(例えば、感光体ドラム)13に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)11と感光体ドラム13の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。トナー21は、逐次現像器へ供給され、撹拌手段15及び16でキャリアと混合され、固定磁石14を内包している現像スリーブ11まで搬送される。
【0183】
交番電界のピーク間の電圧は500〜5000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形等種々選択して用いることができる。
【0184】
印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0185】
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが150V以下、より好ましくは100V以下が良い。
【0186】
コントラスト電位としては、十分画像濃度がでるように200V〜500Vが好ましく用いられる。
【0187】
周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こるためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。10000Hzを超えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0188】
十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ11上の磁気ブラシの感光体ドラム13との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑さえることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材12と現像スリーブ11との距離Aを調整したり、現像スリーブ11と感光体ドラム13との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0189】
特にハーフトーンを重視するようなフルカラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及びイエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明の現像剤及び現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転写工程においても本発明トナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0190】
さらに初期の高画質化と併せて、本発明のトナーを用いることで多数枚の複写においても画質低下のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0191】
静電像保持体13上のトナー画像は、コロナ帯電器の如き転写手段23により転写材へ転写され、転写材上のトナー画像は、加熱ローラ26及び加圧ローラ25を有する加熱加圧定着手段によって定着される。静電像保持体13上の転写残トナーは、クリーニングブレードの如きクリーニング手段24で静電像保持体13から除去される。本発明のトナーは、転写工程での転写効率が高く、転写残トナーが少ない上に、クリーニング性に優れているので、静電像保持体上にフィルミングを生じにくい。さらに、多数枚耐久試験を行っても従来のトナーよりも、本発明のトナーは外添剤のトナー粒子表面への埋没が少ないため、良好な画質を長期にわたって維持し得る。
【0192】
良好なフルカラー画像を得るためには好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われることで引き締まった画像を呈することができる。
【0193】
マルチカラー又はフルカラー画像形成方法を良好に実施し得る画像形成装置の一例を図3を参照しながら説明する。
【0194】
図3に示されるカラー電子写真装置は、装置本体の右側から装置本体の略中央部にわたって設けられている転写材搬送系Iと、装置本体の略中央部に、上記転写材搬送系Iを構成している転写ドラム315に近接して設けられている潜像形成部IIと、上記潜像形成部IIと近接して配設されている現像手段(すなわち回転式現像装置)IIIとに大別される。
【0195】
上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成となっている。上記装置本体の右壁(図3右側)に開口部が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給用トレイ302及び303が一部機外に突出して配設されている。該トレイ302及び303の略直上部には給紙用ローラ304及び305が配設され、これら給紙用ローラ304及び305と左方に配された矢印A方向に回転自在な転写ドラム305とを連係するように、給紙用ローラ306及び給紙ガイド307及び308が設けられている。上記転写ドラム315の外周面近傍には回転方向上流側から上流側に向かって当接用ローラ309、グリッパ310、転写材分離用帯電器311、分離爪312が順次配設されている。
【0196】
上記転写ドラム315の内周側には転写帯電器313、転写材分離用帯電器314が配設されている。転写ドラム315の転写材が巻き付く部分にはポリ弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記転写ドラム315の右側上部には上記分離爪312と近接して搬送ベルト手段316が配設され、該搬送ベルト手段316の転写材搬送方向終端(右側)には定着装置318が配設されている。該定着装置318よりもさらに搬送方向後流には装置本体301の外へと延在し、装置本体301に対して着脱自在な排出用トレイ317が配設されている。
【0197】
次に、上記潜像形成部IIの構成を説明する。図3矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ドラム(例えば、OPC感光ドラム)319が、外周面を上記転写ドラム315の外周面と当接して配設されている。上記感光ドラム319の上方でその外周面近傍には、該感光ドラム319の回転方向上流側から下流側に向かって除電用帯電器320、クリーニング手段321及び一次帯電器323が順次配設され、さらに上記感光ドラム319の外周面上に静電潜像を形成するためのレーザービームスキャナのごとき像露光手段324、及びミラーのごとき像露光反射手段325が配設されている。
【0198】
上記回転式現像装置IIIの構成は以下のごとくである。上記感光ドラム319の外周面と対向する位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)326が配設され、該回転体326中には四種類の現像装置が周方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム319の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現像)するようになっている。上記四種類の現像装置は、それぞれイエロー現像装置327Y、マゼンタ現像装置327M、シアン現像装置327C及びブラック現像装置327BKを有する。
【0199】
上記したごとき構成の画像形成装置全体のシーケンスについて、フルカラーモードの場合を例として説明する。上述した感光ドラム319が図4矢印方向に回転すると、該感光ドラム319は一次帯電器323によって帯電される。図3の装置においては、感光ドラム319の周速(以下、プロセススピードとする)は100mm/sec以上(例えば、130〜250mm/sec)である。一次帯電器323による感光ドラム319に対する帯電が行われると、原稿328のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光Eにより画像露光が行われ、感光ドラム319上に静電潜像が形成され、回転体326の回転によりあらかじめ現像位置に定置されたイエロー現像装置327Yによって上記静電潜像の現像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0200】
給紙ガイド307、給紙ローラ306、給紙ガイド308を経由して搬送されてきた転写材は、所定のタイミングにてグリッパ310により保持され、当接用ローラ309と該当接用ローラ309と対向している電極とによって静電的に転写ドラム315に巻き付けられる。転写ドラム315は、感光ドラム319と同期して図3矢印方向に回転しており、イエロー現像装置327Yにより形成されたイエロートナー画像は、上記感光ドラム319の外周面と上記転写ドラム315の外周面とが当接している部位にて転写帯電器313によって転写材上に転写される。転写ドラム315はそのまま回転を継続し、次の色(図3においてはマゼンタ)の転写に備える。
【0201】
感光ドラム319は、上記除電用帯電器320により除電され、クリーニングブレードによるクリーニング手段321によってクリーニングされた後、再び一次帯電器323によって帯電され、次のマゼンタ画像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成される。上記回転式現像装置は、感光ドラム319上にマゼンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される間に回転して、マゼンタ現像装置327Mを上述した所定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーにより現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四色のトナー像の転写が終了すると、転写材上に形成された三色顕画像は各帯電器322及び314により除電され、上記グリッパ310による転写材の把持が解除されると共に、該転写材は、分離爪312によって転写ドラム315より分離され、搬送ベルト316で定着装置318に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリント画像が転写材の一方の面に形成される。
【0202】
次に、図4を参照しながら、他の画像形成方法をより具体的に説明する。
【0203】
図4に示す装置システムにおいて、現像器44−1、44−2、44−3、44−4に、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又は非磁性一成分現像方式等によって感光体41に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体41上に形成される。感光体41はa−Se、Cds、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体41は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。
【0204】
感光体41としては、アモルファスシリコン感光層、又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0205】
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0206】
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0207】
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体41とは非接触である方式と、ローラ等を用いる接触型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図4に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0208】
帯電ローラ42は、中心の芯金42bとその外周を形成した導電性弾性層42aとを基本構成とするものである。帯電ローラ42は、感光体41面に押圧力をもって圧接され、感光体41の回転に伴い従動回転する。
【0209】
帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が4.9〜490N/m(5〜500g/cm)で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
【0210】
この他の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0211】
接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
【0212】
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体45に転写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレード48を有するクリーニング手段49でクリーニングされる。
【0213】
中間転写体45は、パイプ状の導電性芯金45bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層45aからなる。芯金45bは、プラスチックのパイプに導電性メッキをほどこしたものでも良い。
【0214】
中抵抗の弾性体層45aは、シリコンゴム、フッ素系ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を105〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0215】
中間転写体45は感光体41に対して並行に軸受けさせて感光体41の下面部に接触させて配設してあり、感光体41と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
【0216】
感光体41の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体41と中間転写体45とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写体45に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写体45の外面に対して順次に中間転写されていく。
【0217】
必要により、着脱自在なクリーニング手段400により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写体45の表面がクリーニングされる。中間転写体上にトナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段400は、中間転写体表面から離される。
【0218】
中間転写体45に対して並行に軸受けさせて中間転写体45の下面部に接触させて転写手段が配設され、転写手段47は例えば転写ローラ又は転写ベルトであり、中間転写体45と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段47は直接中間転写体45と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体45と転写手段47との間に接触するように配置されても良い。
【0219】
転写ローラの場合、中心の芯金47bとその外周を形成した導電性弾性層47aとを基本構成とするものである。
【0220】
中間転写体及び転写ローラとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
【0221】
中間転写体及び転写ローラの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ローラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成され、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0222】
転写手段47は中間転写体45と等速度或は周速度に差をつけて回転させる。転写材46は中間転写体45と転写手段47との間に搬送されると同時に、転写手段47にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加することによって中間転写体45上のトナー像が転写材46の表面側に転写される。
【0223】
転写用回転体の材質としては、帯電ローラと同様のものも用いることができ、好ましい転写のプロセス条件としては、ローラの当接圧が4.9〜490N/m(5〜500g/cm)で、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
【0224】
例えば、転写ローラの導電性弾性層47bはカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体でつくられている。芯金47aには定電圧電源によりバイアスが印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜±10kVが好ましい。
【0225】
次いで転写材46は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵させた加熱ローラとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラとを基本構成とする定着器401へ搬送され、加熱ローラと加圧ローラ間を通過することによってトナー像が転写材に加熱加圧定着される。フィルムを介してヒータにより定着する方法を用いても良い。
【0226】
次に、一成分系現像方法について説明する。本発明のトナーは、非磁性一成分現像方法の如き一成分現像方法に適用し得る。
【0227】
非磁性一成分現像を行なう場合の現像方法の一例を図5を参照しながら説明する。
【0228】
55は潜像保持体であり、潜像形成は、図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段により成される。54は現像スリーブであり、アルミニウムあるいはステンレスの如き非磁性スリーブからなる。現像スリーブ54はアルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズの如き球形粒子を吹きつけて均一に粗したものや、鏡面処理したもの、あるいは樹脂でコートしたものがよい。トナーTはホッパー51に貯蔵されており、トナー塗布ローラ52によって現像スリーブ(トナー担持体)54上へ供給される。トナー塗布ローラ52として、多孔質弾性体(例えば軟質ポリウレタンフォーム等)の発泡材より成るローラーが好ましく用いられる。該ローラーを現像スリーブ54に対して、順または逆方向に0でない相対速度をもって回転させ、現像スリーブ54上へのトナー供給と共に、現像スリーブ54上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りをも行う。この際、トナー塗布ローラー52の現像スリーブ54への当接幅(nip幅)は、トナーの供給及びはぎ取りのバランスを考慮すると、2.0〜10.0mmが好ましく、4.0〜6.0mmがより好ましい。トナーに対しストレスが付与され、トナーの劣化による凝集の増大、あるいは現像スリーブ54、トナー塗布ローラ52へトナーの融着、固着が生じやすくなるが、本発明トナーは、流動性、離型性に優れ、耐久安定性を有しているので、図5に示す現像器においても好ましく用いられる。また、トナー塗布ローラ52のかわりに、ナイロン、レーヨンの如き樹脂繊維より成るブラシローラを用いてもよい。図5に示す現像方法は、非磁性一成分トナーを使用する一成分現像方法において極めて有効である。現像スリーブ54上に供給されたトナーは規制部材53によって薄層かつ均一に塗布される。トナー規制部材53は、弾性ブレード又は弾性ローラーで現像スリーブ54表面にトナーを圧接塗布する方法は特に好ましい。弾性ブレード又は弾性ローラは、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。規制部材53は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂の如き有機樹脂層を規制部材53に設けても良い。
【0229】
該弾性ブレード又は弾性ローラと現像スリーブ54との当接圧は、スリーブ母線方向の線圧として、0.98〜245N/m(1〜250g/cm)、好ましくは4.9〜118N/m(5〜120g/cm)が有効であり、当接圧力を0.98〜245N/mに調整することで、トナーの凝集を効果的にほぐすことが可能になり、またトナーの摩擦帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。ブレードにより現像スリーブ54上にトナーを薄層コートする系においては、特に非磁性一成分現像方法においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ54は潜像保持体55に対し、100〜300%の周速で回転される。好ましくは120〜250%の周速で回転される。
【0230】
現像スリーブ54上のトナー層の厚さを現像スリーブ54と潜像保持体55との対向空隙長よりも小さくし、この空隙に交番電界を形成することが好ましい。バイアス電源56により現像スリーブ54に交番電場または交番電場を直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ54上から潜像保持体55上へのトナーの移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
【0231】
次に、磁性一成分現像方法について、図6をもとに説明する。
【0232】
図6において、現像スリーブ63の略右半周面はトナー容器64内のトナー溜りに常時接触していて、その現像スリーブ63面近傍のトナーが現像スリーブ面にスリーブ内の磁気発生手段65の磁力で及び/又は静電気力により付着保持される。現像スリーブ63が回転駆動されるとそのスリーブ面の磁性トナー層が規制部材66の位置を通過する過程で各部略均一厚さの薄層磁性トナーT1として整層化される。磁性トナーの帯電は主として現像スリーブ63の回転に伴なうスリーブ面とその近傍のトナー溜りの磁性トナーとの摩擦接触によりなされ、現像スリーブ63上の上記磁性トナー薄層面は現像スリーブの回転に伴ない潜像保持体67側へ回転し、潜像保持体67と現像スリーブ63の最接近部である現像領域部Aを通過する。この通過過程で現像スリーブ63面側の磁性トナー薄層の磁性トナーが潜像保持体67と現像スリーブ63間に印加した直流と交流電圧による直流と交流電界により飛翔し、現像領域部Aの潜像保持体67面と、現像スリーブ63面との間(間隙α)を往復運動する。最終的には現像スリーブ63側の磁性トナーが潜像保持体67面の表面に潜像の電位パターンに応じて選択的に移行付着してトナー像T2が順次に形成される。
【0233】
現像領域部Aを通過して、磁性トナーが選択的に消費された現像スリーブ面はホッパ64のトナー溜りへ再回転することにより磁性トナーの再供給を受け、現像領域部Aへ現像スリーブ63の磁性トナー薄層T1面が移送され、繰り返し現像工程が行われる。
【0234】
図6において用いられるトナー薄層化手段としての規制部材66は、スリーブと一定の間隙をおいて配置される金属ブレード、磁性ブレード等のドクターブレードである。あるいは、ドクターブレードの代りに、金属,樹脂,セラミック製のローラーを用いても良い。さらにトナー薄層化規制部材として現像スリーブ(トナー担持体)表面に弾性力で当接する弾性ブレード、弾性ローラーを用いても良い。
【0235】
弾性ブレード又は弾性ローラーを形成する材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。好ましくは、スリーブ当接部分はゴム弾性体あるいは樹脂弾性体がよい。
【0236】
弾性ブレードを使用する場合の例を図7に示す。
【0237】
弾性ブレード70上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺部側をブレード70の弾性に抗して現像スリーブ79の順方向或いは逆方向にたわめ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ79表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。この様な装置によると、環境の変動に対してもより安定に薄く、緻密なトナー層が得られる。
【0238】
弾性ブレードを使用する場合、スリーブ,ブレード表面にトナーが融着し易すいが、本発明のトナーは離型性に優れ摩擦帯電性が安定しているので好ましく用いられる。
【0239】
磁性一成分現像方法の場合、ブレード70とスリーブ79との当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧として、0.98N/m(1g/cm)以上、好ましくは2.9〜245N/m(3〜250g/cm)、更に好ましくは4.9〜118N/m(5〜120g/cm)が有効である。潜像保持体78とスリーブ79との間隙αは、例えば50〜500μmに設定される。スリーブ79上の磁性トナー層の層厚は、潜像保持体78とスリーブ79との間隙αよりも薄いことが最も好ましいが、場合により磁性トナー層を構成する磁性トナーの多数の穂のうち、一部は潜像保持体78に接する程度に磁性トナー層の層厚を規制してもよい。
【0240】
また現像スリーブ79は、潜像保持体78に対し、100〜200%の周速で回転される。バイアス印加手段76による交番バイアス電圧は、ピークトゥーピークで0.1kV以上、好ましくは0.2〜3.0kV、更に好ましくは0.3〜2.0kVで用いるのが良い。交番バイアス周波数は、0.5〜5.0kHz、好ましくは1.0〜3.0kHz、更に好ましくは1.5〜3.0kHzで用いられる。交番バイアス波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波等の波形が適用できる。また、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バイアスも利用できる。また直流バイアスを重畳するのも好ましい。
【0241】
トナーの各物性及び現像、定着、画質の評価方法について以下に説明する。後述の実施例もこれらの評価方法に従っている。
【0242】
カブリの測定
評機はREFLECTOMETER MODEL TC−6DS(東京電色社製)により測定した転写紙の白色度と、ベタ白をプリント後の転写紙の白色度との比較からカブリを求めた。イエロートナー画像ではブルーフィルター、フルカラー画像ではグリーンフィルターを使用し下記式により算出した。カブリ値は少ない方が良好である。
【0243】
【0244】
測定手順
(1)高温高湿(30℃,80%RH)環境下にトナーの充填された現像機を所定時間放置した後、実施例あるいは比較例記載のマシンを用いて、画像比率4%画像を5枚連続通紙した後、ベタ白を出力させ、その時の転写紙上のカブリを測定する。
(2)(1)の条件で画像比率4%画像を6000枚連続通紙した後、ベタ白を出力させ、その時の転写紙上のカブリを測定する。
【0245】
二成分現像方式の場合
○ :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が0.4%以下
○△:測定値(1)−測定値(2)の絶対値が0.4%を超え0.8%以下
△ :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が0.8%を超え1.2%以下
× :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が1.2%を超える
【0246】
非磁性一成分の場合
○ :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が1.0%以下
○△:測定値(1)−測定値(2)の絶対値が1.0%を超え1.7%以下
△ :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が1.7%を超え2.5%以下
× :測定値(1)−測定値(2)の絶対値が2.5%を超える
【0247】
尚、実施例及び比較例記載のトナーのカブリ測定値(1)は、全て0から0.02に入り、初期画像において支障が無いものであった。
【0248】
トナー飛散の測定
下記条件で画像を出した後に現像機周辺のトナー飛散を目視にて確認した。
【0249】
測定手順
(1)高温高湿環境下にトナーの充填された現像機を所定時間放置した後、実施例あるいは比較例記載のマシンを用いて、画像比率4%画像を5枚連続通紙した後、現像機周辺のトナー飛散を目視にて確認する。
(2)(1)の条件で画像比率4%画像を6000枚連続通紙した後、現像機周辺のトナー飛散を目視にて確認する。
(1),(2)の目視観察の結果より以下のレベル分げを行った。
○ :トナー飛散がなくきれい。
○△:少しトナー飛散があるがきれい。
△ :トナー飛散があり少し汚い。
× :トナー飛散があり汚い。
【0250】
転写性の測定
下記条件で画像を出した後に転写不良の痕跡数にて転写性の判断をした。
【0251】
測定手順
(1)高温高湿環境下にトナーの充填された現像機を所定時間放置した後、実施例あるいは比較例記載のマシンを用いて、画像比率4%画像を5枚連続通紙した後、全ベタを出力させ、A3画像中にある転写不良の痕跡数にて判断をした。
(2)(1)の条件で画像比率4%画像を6000枚連続通紙した後、全ベタを出力させ、A3画像中にある転写不良の痕跡数にて判断をした。
(1),(2)の目視観察の結果より以下のレベル分けを行った。
○ :転写不良の痕跡数が0から4
○△:転写不良の痕跡数が5から9
△ :転写不良の痕跡数が10から14
× :転写不良の痕跡数が15以上
【0252】
透明性の測定
トランスペアレンシーシート画像の透過率は以下の如く評価する。
【0253】
実施例あるいは比較例記載のマシンを用いて、常温常湿(20℃,60%RH)環境下でトランスペアレンシーシート上(CG3700:3M製)に、階調を有するイエロートナーの未定着画像を得た。得られたものを定着ローラーの表面がフッ素系樹脂である外部定着器(オイル塗布機能なし;ローラー直径40mm)にて、定着温度180℃、プロセススピード40mm/secで、定着画像を得た。得られた定着画像の画像濃度0.5〜0.6mg/cm2の箇所の透過率を測定した。透過率の測定は、島津自己分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使用し測定した。そして、トランスペアレンシーシート単独の透過率を100%とし、600nmでの最大吸収波長における透過率を測定した。
【0254】
なお、下記の基準で評価した。
○ :透過率が、80%以上
○△:透過率が、65%以上80%未満
△ :透過率が、50%以上65%未満
× :透過率が、50%未満
【0255】
また、フルカラー画像の投影画像の色空間測定については、得られたフルカラー画像をオーバーヘッドプロジェクター(OHP:3M社製9550)にて透過画像とし、白色壁面に投影した画像を、分光放射輝度計(フォトリサーチ社製PR650)にて測定し、CIELAB表色系の明度L*、赤または緑の度合いを表すa*、黄または青の度合いを表すb*の立体体積を求めた。数値が大きい方が色空間が広く、小さいほど狭いことを意味する。単位はLabの3乗。
【0256】
定着性の測定
高温高湿環境下で、実施例あるいは比較例に記載のマシンにて、レッド、ブルーの2次色が同時に撮れる画像パターン(3cm×3cmの枠をA4の中央部と四隅に出力するパターン)を100枚連続通紙し、100枚目の画像の定着状態を目視にて観察した。なお、転写材はゼロックス105g/m2のA4用紙を用い、この時の2次色のトナー乗り量は1.0〜1.2mg/cm2とした。さらに定着条件としては、定着ローラー表面をフッ素系樹脂とし(オイル塗布機能なし;ローラー直径40mm)、定着温度180℃、プロセススピード140mm/secで、定着画像を得た。
○ :ひぶくれ状の定着不良がないレベル
○△:直径2mm未満の小さいひぶくれ1個から5個あるレベル
△ :直径2mm未満の小さいひぶくれが6個から10個あるレベル
× :直径2mm未満の小さいひぶくれが11個以上あるレベル
あるいは直径2mm以上のの大きいひぶくれがあるレベル
【0257】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは、本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は、特に説明のない場合は質量部である。
【0258】
<実施例1>
反応容器中のイオン交換水10000部に、0.1M−Na3PO4水溶液100部ならびに1M−HCl水溶液を85部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、1.0M−CaCl2水溶液60部を一括投入し、pH=6.5のリン酸カルシウム塩を含む水系媒体を調製した。
・スチレン 80部
・n−ブチルアクリレート 20部
・イエロー着色剤 7部
・ヒドロキシカルボン酸とAlとの化合物 0.8部
(カウンターイオンK+)
・縮合系化合物 10部
(〔飽和ポリエステル(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノー
ルA、酸価9、ピーク分子量6000)〕
・エステルワックス(離型剤No.5) 15部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.25部
【0259】
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK方式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分解した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0260】
反応容器中の前記水系媒体中に上記重合性単量体系組成物を投入し、65℃,N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに85℃に昇温し、9時間反応させた後、85℃で蒸留を行った。
【0261】
重合反応終了後、反応容器を冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウム塩を溶解させた後、ろ過,水洗,乾燥をして、イエロートナー粒子を得た。このイエロートナー粒子の断面をTEMにより観測したところ、図1に示すように離型剤が外殻樹脂で良好に内包化されていることが確認できた。
【0262】
得られたイエロートナー粒子100部とBET法による比表面積が100m2/gである疎水性酸化チタン微粉体1.5部とを混合し負摩擦帯電性のイエロートナーを得た。得られたイエロートナーの円相当個数平均径D1は4.8μmであった。
【0263】
このイエロートナー5部に対し、アクリルコートされたフェライトキャリア95部を混合して現像剤を調製し、図4に示すような中間転写体を搭載したフルカラー複写機(クリエイティブプロセッサー660,キヤノン製)の改造機を用いて補給系のイエロートナーの画出し試験を行った。
【0264】
上記トナーの処方を表1に、トナーの物性を表2に、測定結果を表3にそれぞれ示す。
【0265】
<実施例2>
1M−HCl水溶液を添加せず、pH=10.2の水系媒体とする以外は実施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを製造した。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0266】
<実施例3乃至5>
表1に示す以外は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーを製造し、表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0267】
<実施例6>
造粒時温度を73℃にする以外は実施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを製造した。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0268】
<実施例7乃至11>
表1に示すトナー処方以外は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーを製造し、表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0269】
<実施例12>
1M−HCl水溶液を105部に変更し、pH=5.6の水系媒体とする以外は実施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを製造した。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0270】
<実施例13>
0.1M−Na3PO4水溶液の量を60部へ、1.0M−CaCl2水溶液の量を35部へ、TK方式ホモミキサー(特殊機化工業製)の回転数を7000rpmへと変更する以外は実施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを製造した。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0271】
<比較例1乃至2>
表1に示すトナー処方以外は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーを製造した。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0272】
<比較例3>
・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を
縮合して得られたポリエステル樹脂 100部
・イエロー着色剤 6部
・ヒドロキシカルボン酸とAlとの化合物 4部
(カウンターイオンK+)
・エステルワックス(離型剤No.5) 2部
【0273】
これ以外は表1に示すトナー処方を用い、ヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、2軸式押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに分級してイエロートナー粒子を得た。得られたイエロートナーの円相当個数平均径D15.6μmであった。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0274】
<比較例4>
比較例3のイエロートナーをTg以上にて湿式加熱球形化処理をする以外は、比較例3と同様にしてイエロートナーを製造した。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0275】
<比較例5>
1M−HCl水溶液を添加せず、pH=10.2の水系媒体とすることと、ヒドロキシカルボン酸とAl化合物から、芳香族ヒドロキシカルボン酸とAl化合物へと変更する以外は実施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを製造した。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0276】
<比較例6>
ヒドロキシカルボン酸とAl化合物から、芳香族ヒドロキシカルボン酸とTi化合物へと変更する以外は実施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを製造した。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0277】
<比較例7>
造粒時温度を55℃、重合開始剤を2部にする以外は実施例1と同様にし、表1に示すトナー処方にてイエロートナーを製造した。表2にトナー物性を、表3にトナー測定結果を示す。
【0278】
【表1】
【0279】
【表2】
【0280】
【表3】
【0281】
<実施例14>
表4に示すトナー処方以外は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーあるいはマゼンタトナーあるいはシアントナーあるいはブラックトナーを製造し、表5に記載のトナー物性を得た。得られた4色のトナーは、実施例1と同様にして現像剤を調製し図2に示す二成分現像方法を用いて、図4に示す中間転写体を搭載したフルカラー複写機(クリエイティブプロセッサー660,キヤノン製)の改造機により、フルカラー画像の画出し試験を行った。測定結果を表6にそれぞれ示す。
【0282】
<実施例15>
表4に示すトナー処方以外は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーあるいはマゼンタトナーあるいはシアントナーあるいはブラックトナーを製造し、表5に記載のトナー物性を得た。得られた4色のトナーは、図5に示す非磁性一成分現像方法を用いて、図4に示す中間転写体を搭載したフルカラー複写機(クリエイティブプロセッサー660,キヤノン製)の改造機により、フルカラー画像の画出し試験を行った。測定結果は表6に示す。
【0283】
<比較例8>
表4に示すトナー処方以外は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーあるいはマゼンタトナーあるいはシアントナーあるいはブラックトナーを製造し、表5に記載のトナー物性を得た。得られた4色のトナーは、実施例1と同様にして現像剤を調製し図2に示す二成分現像方法を用いて、図4に示す中間転写体を搭載したフルカラー複写機(クリエイティブプロセッサー660,キヤノン製)の改造機により、フルカラー画像の画出し試験を行った。測定結果を表6にそれぞれ示す。
【0284】
<比較例10>
表4に示すトナー処方以外は実施例1と同様な実験を行いイエロートナーあるいはマゼンタトナーあるいはシアントナーあるいはブラックトナーを製造し、表5に記載のトナー物性を得た。得られた4色のトナーは、図5に示す非磁性一成分現像方法を用いて、図4に示す中間転写体を搭載したフルカラー複写機(クリエイティブプロセッサー660,キヤノン製)の改造機より、フルカラー画像の画出し試験を行った。測定結果は表6に示す。
【0285】
【表4】
【0286】
【表5】
【0287】
【表6】
【0288】
【発明の効果】
本発明によれば、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)のイエロー投影画像の透明性の優れ、高温高湿における転写材上へのカブリやトナー飛散が少なく転写性が良好で、さらに2次色以上の重ねあわせにおいて定着性に優れ、OHPのフルカラー投影画像の色空間が広く、透明性の優れたトナーおよび画像形成方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】離型剤が外殻樹脂に内包化されているトナー粒子の断面の模式図である。
【図2】本発明のトナーが適用され得る現像装置の概略図である。
【図3】フルカラー又はマルチカラーの画像形成方法を説明するための概略図である。
【図4】中間転写体使用の画像形成方法の概略図である。
【図5】非磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【図6】磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【図7】磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【符号の説明】
11 制現像剤担持体(現像スリーブ)
12 現像剤規制部材
13 静電荷像保持体(感光ドラム)
25 加圧ローラ
26 加熱ローラ
Claims (12)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、及び下記式(I)で示されるヒドロキシカルボン酸と2価又は3価の金属との化合物を含有するイエロートナーと、マゼンタトナー及びシアントナーを用いるフルカラー画像形成方法において、
該イエロートナー中のイエロー着色剤が、C.I.Pigment Yellow 180単独あるいは、C.I.Pigment Yellow 180及びC.I.Solvent Yellow 162の組み合わせであり、
該マゼンタトナー中のマゼンタ着色剤がキナクリドン系の固溶体顔料であり、
該シアントナー中のシアン着色剤が銅フタロシアニンであり、
該イエロートナーのテトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量が10000乃至600000であり、且つ、フロー式粒子像測定装置で計測される該イエロートナーの平均円形度が0.920乃至0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
- 該着色剤においてマゼンタ着色剤がC.I.Pigment Red 122及びC.I.Pigment Violet 19またはC.I.Pigment Red 202及びC.I.Pigment Violet 19の固溶体顔料であり、シアン着色剤がC.I.Pigment Blue 15であることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー画像形成方法。
- 該イエロートナーの着色剤においてC.I.Solvent Yellow 162/C.I.Pigment Yellow 180の割合が0乃至3.0であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフルカラー画像形成方法。
- 該イエロートナーの着色剤においてC.I.Solvent Yellow 162/C.I.Pigment Yellow 180の割合が0乃至2.0であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフルカラー画像形成方法。
- 該着色剤が、該結着樹脂100質量部当たり1乃至15質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 該着色剤が、該結着樹脂100質量部当たり2乃至10質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円相当個数平均径D1(μm)が2乃至10μmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 該トナーのテトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量が50000乃至400000であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 該離型剤が、該結着樹脂100質量部当たり1乃至40質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 該離型剤が、該結着樹脂100質量部当たり3乃至30質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 該トナーの平均円形度が0.965乃至0.990で、円形度標準偏差が0.035未満であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 前記フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のトナー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
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