JP5409115B2 - 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体及び該感光体を用いた電子写真画像形成装置に関する。
現在では、電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも呼ぶ)は、導電性支持体上に、中間層(「下引き層」とも呼ばれる)と光導電性材料を含む感光層とが積層された構成が主流となっている。
中間層は、導電性支持体上の欠陥被覆などによる感光層の接着性向上や成膜性(塗布性)改善、導電性支持体からの不要な電荷注入の阻止、それに伴う帯電性改善などの機能を有する。
中間層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼインなどの水溶性樹脂、共重合ナイロン樹脂などのアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂など三次元網目構造を形成する熱硬化型樹脂などが挙げられる。
特許第3657138号明細書(特許文献1)に記載されたメラミン樹脂、特許第2707341号明細書(特許文献2)に記載されたフェノール樹脂及びメトキシメチル化ナイロンなどの樹脂は、製造時に大量に使用されるホルムアルデヒドの一部を未反応物として内部に吸蔵しており、中間層形成時の熱架橋処理過程においてこのホルムアルデヒドを放出してしまう。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質の一つといわれ、現在大気汚染防止法における対象物質に挙げられており、発生したホルムアルデヒドの大気放出を防ぐためには回収設備が必要であり、コストがかかる。
ところで、近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置及び電子写真製版機などの電子写真方式の画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」とも呼ぶ)には、小型化、画像形成速度の高速化及び長寿命化が要求されるようになっている。このような画像形成装置では、円筒状又は円柱状の導電性支持体の外周面上に感光層を設けた電子写真感光体が一般に用いられており、画像形成装置の小型化のためには、感光体の小径化が必要である。
しかしながら、径の小さい感光体では、露光位置から現像位置までの距離が短いので、画像形成速度を高速化するために高速で電子写真プロセスを行うと、露光から現像までの時間が短くなり、以下のような問題が生じる。
例えば、応答性の低い感光体、すなわち露光後の表面電位の減衰速度が遅い感光体を用いると、露光によって消去されるべき部分の表面電位が充分に減衰していない状態で現像されることになる。その結果、正規現像の場合には、画像の白地となるべき部分にトナーが付着する、地汚れと呼ばれる現象が発生し、反転現像の場合には、画像濃度が低下することになる。
したがって、画像形成装置の小型化と画像形成速度の高速化とを両立させるためには、感光体の応答性の向上が求められる。
感光体の応答性は、電荷輸送物質の電荷移動度に大きく依存することが知られている。そこで、電荷移動度の高い電荷輸送物質を感光体に使用して応答性を向上させることによって、感光体の小径化と電子写真プロセスの速度向上とを図り、画像形成装置の小型化と画像形成速度の高速化とを実現する技術が提案されている(非特許文献1参照)。
また、特定の電荷移動度を有する電荷輸送層を備える感光体を用いることによって、画像形成装置の小型化と画像形成速度の高速化とを実現する技術が提案されている(特開平8−62862号公報(特許文献3)参照)。
特許第3657138号明細書 特許第2707341号明細書 特開平8−62862号公報
白井正治、「レーザ露光用新規OPC技術"IR−ST"」、富士ゼロックステクニカルレポート、第11号、[online]、1996年、富士ゼロックス株式会社、インターネット<URL:http://www.fujixerox.co.jp/company/tr/tr96/Masaharu_Shirai/M_Shi101.html>
揮発性有機化合物(VOC)を生じさせず、かつ火災の危険性をなくすためには、中間層を水に親和性の高い樹脂で形成することも考えられるが、水溶性樹脂やアルコール可溶性樹脂は、水分の吸着性、親和性に富むため、物性の環境依存性が非常に高く、このような中間層を備えた感光体の特性は湿度によって変化してしまうという問題がある。特に高湿では中間層が大量の水分を吸収するために、感光体を高温高湿や低温低湿で繰り返し使用するとその特性が大きく変動し、黒ポチや濃度低下などの異常画像が引き起こされる。
一方、感光体の小径化と電子写真プロセスの速度向上に寄与し得る高い電荷移動度を有するN-N'ビスエナミン構造の化合物は、高湿下においては湿度依存性があり、環境依存による感度の変動を起こしやすいという欠点がある。このような感度の変動は、実際の画像に対して地汚れなどの画像欠陥として現れるので、感光体には優れた耐湿特性が求められる。
そこで、本発明は、中間層が水に親和性の高い樹脂で構成される一方で、環境依存による感度の変動が少なく、低温低湿環境下でも高品質の画像が得られる高信頼性の電子写真感光体を提供することを目的とした。
かくして、本発明は、導電性支持体上に少なくとも中間層と感光層とをこの順で有し、前記中間層が、前記導電性支持体上に、少なくとも水性ブロックイソシアネート化合物及びイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する水性樹脂を水に溶解又は分散させてなる中間層形成用塗工液を塗布した後に熱硬化処理することによって得られ、前記感光層が電荷輸送物質として下記一般式(1)
Figure 0005409115
(式中、Aは、置換基を有してもよいアリレン基、置換基を有してもよい二価の複素環基、置換基を有してもよいアルキレン基、又は基-Ar3-W-Ar4-(ここで、Ar3及びAr4は、独立して、置換基を有してもよいアリレン基又は置換基を有してもよい二価の複素環基であり、Wは、結合手、置換基を有してもよいシクロアルキリデン基又は置換基を有してもよい二価の鎖式炭化水素基である)であり、Ar1は、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい一価の複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよい複素環アルキル基を示し、Ar2は、置換基を有してもよいアリール基又は二価の複素環基を示し、ZはAr2と共に環を形成するために必要な原子群を示す。)
で示されるN,N'-ビスエナミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体を提供する。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着して画像を形成する定着手段と、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段と、前記電子写真感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段を少なくとも備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明によれば、低温低湿環境下にも高い応答性を示し、環境依存による感度の変動が少なく、したがって低温低湿環境下などの各種環境下においても高品質の画像を提供することができる高信頼性の電子写真感光体が提供される。
また、本発明の電子写真感光体を備える画像形成装置によれば、小型で画像形成速度が速く、かつ低温低湿環境下などの各種環境下でも高品質の画像を提供でき、耐久性にも優れた信頼性の高い画像形成装置を実現することができる。
本発明の感光体の一形態の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の一形態の構成を示す模式側面図である。
電子写真感光体
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも中間層と感光層とをこの順で有し、前記中間層が、前記導電性支持体上に、少なくとも水性ブロックイソシアネート化合物及びイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する水性樹脂を水性媒体に溶解又は分散させてなる中間層形成用塗工液を塗布した後に熱硬化処理することによって得られ、前記感光層が電荷輸送物質として下記一般式(1)
Figure 0005409115
(式中、A、Ar1、Ar2及びZは上記と同義)
で示されるN,N'-ビスエナミン化合物を含有することを特徴とする。
本発明の感光体において、中間層は、導電性支持体上に、少なくとも水性ブロックイソシアネート化合物及びイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する水性樹脂を水性媒体に溶解又は分散させてなる中間層形成用塗工液を塗布した後に熱硬化処理することによって得られる中間層である。
一般には、水に親和性の高い水性樹脂で形成された中間層を有する感光体は耐湿特性に劣るが、本発明では、水性樹脂をイソシアネート化合物と熱硬化反応させ、水性樹脂中の親水性官能基を減少させ、かつ硬化膜として塗膜を緻密化させるので、感光体の耐湿性が改善され、優れた環境安定性を得ることができる。
また、上記のような中間層と、一般式(1)で示される特定構造のエナミン化合物を含有してなる感光層とを組み合わせることによって、本発明の感光体は、高感度で耐湿性が高く、環境依存による感度の変動が少ない、高品質の画像を提供することができる。
以下、本発明の感光体について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の感光体の3つの形態の要部の構成を示す模式断面図である。
図1(a)は、感光層が電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で積層してなる積層型感光層(「機能分離型感光層」ともいう)である積層型感光体の要部の構成を示す。
この型の感光体は、導電性支持体1上に中間層2と積層型感光層5とをこの順で有し、積層型感光層5は、電荷発生物質を含有する電荷発生層3と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層4とがこの順で形成されている。
図1(b)は、感光層が電荷輸送層及び電荷発生層をこの順で積層してなる逆二層型の積層型感光層である積層型感光体の要部の構成を示す。
この型の感光体は、導電性支持体1上に中間層2と積層型感光層5とをこの順で有し、積層型感光層5は、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層4と電荷発生物質を含有する電荷発生層3とがこの順で形成されている。
図1(c)は、感光層が一層からなる単層型感光層である単層型感光体の要部の構成を示す。
この型の感光体は、導電性支持体1上に中間層2と電荷発生物質及び電荷輸送物質を含有する単層型感光層5'とをこの順で有する。
[導電性支持体]
導電性支持体1は、感光体の電極としての役割を果たすとともに、他の各層(少なくとも、中間層2及び感光層5、5')の支持部材としても機能し得るものであれば任意のものが使用できる。
具体例としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属及び合金材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、セルロース、ポリ乳酸などの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる基体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料又は合金材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム、カーボンブラックなどの導電性化合物の層を蒸着若しくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性支持体の形状としては、シート状、円筒状、円柱状、無端ベルト(シームレスベルト)状などが挙げられる。この内、直径が10〜180mmの円筒状又は円柱状の導電性支持体が好ましい。
導電性支持体の表面には、画質を向上させるために、必要に応じて、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
乱反射処理は、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスにおいて本発明による感光体を用いる場合に特に有効である。すなわち、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体の表面で反射されたレーザ光と感光体の内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像に現れて画像欠陥の発生することがある。そこで、導電性支持体の表面に乱反射処理を施すことにより、波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
[中間層]
中間層2は、導電性支持体1から積層型感光層5又は単層型感光層5'への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、積層型感光層又は単層型感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
また、導電性支持体1の表面を被覆する中間層2は、導電性支持体の表面の欠陥である凹凸の度合を軽減して表面を均一化し、積層型感光層又は単層型感光層の成膜性を高め、導電性支持体と積層型感光層又は単層型感光層との密着性(接着性)を向上させることができる。
本発明においては、中間層2は、導電性支持体1上に、少なくとも水性ブロックイソシアネート化合物及びイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する水性樹脂を水性媒体に溶解又は分散させてなる中間層形成用塗工液を塗布した後に熱硬化処理することによって形成される。
本発明において「水性ブロックイソシアネート化合物」は、一分子中に複数個のイソシアネート基を有する水溶性又は水分散性の化合物(以下、「水性イソシアネート化合物」とも呼ぶ)であって、そのイソシアネート基がブロック剤(保護基)で保護されており、加熱によりブロック剤が外れるものである。水性ブロックイソシアネート化合物は、本発明において、イソシアネート基と反応可能な活性水素含有基(以下、単に「活性水素含有基」とも呼ぶ)を2つ以上有する水性樹脂(以下、単に「活性水素含有基を有する水性樹脂」とも呼ぶ)の架橋剤(又は硬化剤)として働き得る。すなわち、加熱によりブロック剤が外れたイソシアネート化合物中の複数のイソシアネート基が前記水性樹脂中の複数の活性水素含有基と付加反応することにより該水性樹脂が架橋される。
水性イソシアネート化合物は、有機イソシアネートを、ポリエチレンオキサイド、カルボキシル基又はスルホン酸基等の各種親水性基により変性させた水溶性形態若しくは自己乳化型形態、又は界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤やアニオン界面活性)などにより強制乳化した水分散可能形態の化合物である。
界面活性剤の例としては、三洋化成工業株式会社製のナロアクティーCL、イオネットM、イオネットT、エマルミン、ニューポールPF(以上、非イオン界面活性剤)やサンデット、サンモリンOT−70(以上、アニオン界面活性剤)などが挙げられる。
水性イソシアネート化合物を得ることができる有機イソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート;及び前記イソシアネートのビウレット変成体、ウレトジオン変成体、カルボジイミド変成体、イソシアヌレート変成体及びウレタンイミン変成体などが挙げられる。
これらの有機イソシアネートの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートベースのイソシアネートは、水との親和性を持たせやすく(そのため、水性イソシアネート化合物とすることが容易であり)、また架橋密度を高めることも容易なことから特に好ましい。
水性ブロックイソシアネート化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
イソシアネート基をブロック(保護)するブロック剤としては、酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドなどの酸アミド系化合物;ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド系化合物;イミダゾール、2-メチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物;尿素、チオ尿素、エチレン尿素などの尿素系化合物;ホルムアミドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;ジフェニルアニリン、アニリン、カルバゾール、エチレンイミン、ポリエチレンイミンなどのアミン系化合物が挙げられ、これらのブロック剤は1種を単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
これらのブロック剤の中でも、汎用性、製造の簡易さ、作業性の点から、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系化合物及びε-カプロラクタムなどのラクタム系化合物は特に好ましい。
また、イソシアネート基は水とも容易に反応するため、導電性支持体上に中間層形成用塗工液を塗布して形成される塗膜中の水が揮発した後にブロック剤の脱離が起こるように、脱離温度が110℃以上のブロック剤を使用することが好ましい。
したがって、水性ブロックイソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートをオキシム系又はラクタム系のブロック剤でブロック化した構造を有するものが好ましい。
水性ブロックイソシアネート化合物としては、例えば、
住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールBL 5140、BL 5235及びVP LS 2310);
三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB-700、WB-820及びWB-920;
日本ポリウレタン工業株式会社製、開発品名:BWD-102
旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1238、X1248及びX1258
などが挙げられる。
イソシアネート基と反応可能な活性水素含有基は、イソシアネート基と高効率で反応可能な水酸基又はアミド基であることが好ましい。
すなわち、活性水素含有基を有する水性樹脂は、脱保護したイソシアネート化合物と架橋構造を形成するために2つ以上の水酸基又はアミド基を有する(1つの官能基しか有さない場合には架橋構造とはならず、高分子量となる)水性樹脂が好ましい。ここで、「水性樹脂」とは、水溶性又は水分散性の樹脂をいう。
2つ以上の水酸基又はアミド基を有する水性樹脂としては、ポリオール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂やポリアミド樹脂が好適である。これら樹脂は、構造を制御することにより、良好に水に分散又は溶解させることができる。また、これら樹脂は基板との接着性が高く、中間層を導電性支持体上に良好に接着した状態で形成できるので、感光体としたとき、導電性支持体との接触不良による画像欠陥も効果的に防止できる。
活性水素含有基を2つ以上有する水性樹脂としては、例えば、
日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD-457及びAQD-473、旭硝子株式会社製、製品名:エクセノール420及び720、三洋化成工業株式会社製、製品名:サンニックスGP-400、GP-700及びSP-750などのポリエーテルポリオール系樹脂(ポリオール化合物系樹脂);
日立化成工業株式会社製、製品名:フタルキッドW2343、DIC株式会社製、製品名:ウォーターゾールS-118、CD-520及びBCD-3040、ハリマ化成株式会社製、製品名:ハリディップWH-1188などのポリエステルポリオール系樹脂;
DIC株式会社製、製品名:バーノックWE-300、WE-304及びWE-306、亜細亜工業株式会社製、製品名:WAP-473-FD及びWAP-548などのポリアクリルポリオール系樹脂(ポリオール化合物系樹脂);
株式会社クラレ製、製品名:クラレポバールPVA-203及びPVA-205などのポリビニルアルコール変性体のようなポリビニルアルコール系樹脂;
積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックK KW-1及びKW-3などのポリビニルアセタール系樹脂;
信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH-50及び65SH-400などの水溶性セルロースエーテルのようなセルロース;
ナガセケムテックス株式会社製、製品名:トレジンFS-350及びFS-500などの水溶性ナイロン(ポリアミド化合物系樹脂)
などが挙げられる。
本発明において、中間層形成用塗工液中の水性ブロックイソシアネート化合物中のブロックイソシアネート基(H)と活性水素含有基を有する水性樹脂中の活性水素含有基(B)とのモル比(H/B)は、好ましくは0.5以上1.5以下、より好ましくは0.5以上1.2以下、更に好ましくは0.6以上1.1以下である。
モル比H/Bが0.5未満の場合又は1.5を超える場合には、熱処理後の塗膜(中間層)中に未反応の官能基が多く残存して架橋密度が低くなり、このような中間層を有する感光体は環境安定性が低下することがある。
中間層は、無機酸化物微粒子を更に含んでいてもよい。
無機酸化物微粒子は、形成される中間層の体積抵抗値を調節し、導電性支持体から感光層へのキャリアの注入を防止すると共に、各種環境下での感光体の電気特性を維持する機能を有する。
無機酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ケイ素、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム及び硫酸バリウムなどの微粒子が挙げられる。これらの中でも誘電率の点で酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化アルミニウムの微粒子が好ましく、酸化チタン及び酸化亜鉛の微粒子が特に好ましい。
無機酸化物微粒子の形状は、樹枝状、針状及び粒状のいずれであってもよい。
また、無機酸化物微粒子の数平均一次粒径は、20〜500nm程度が好ましい。
無機酸化物微粒子としては、例えば、
石原産業株式会社製、製品名:TTO-55D(形状:粒状、平均一次粒径:30〜50nm)、TTO-D-1(形状:樹枝状、平均一次粒径:短軸40〜70nm、長軸200〜300nm)、ST−21(形状:粒状、平均一次粒径(X線により測定):20nm)、PT−401M(形状:粒状、平均一次粒径:70nm)及びCR-EL(形状:粒状、平均一次粒径:250nm)、
堺化学工業株式会社製、製品名:GTR100(形状:粒状、平均一次粒径:260nm)、
テイカ株式会社製、製品名:MT-500SAS(形状:粒状、平均一次粒径:35nm)及びJR−603(形状:粒状、平均一次粒径:280nm)
などの酸化チタンの微粒子;
石原産業株式会社製、製品名:FZO−50(形状:粒状、平均一次粒径:21nm)、
堺化学工業株式会社製、製品名:FINEX30(形状:粒状、平均一次粒径:35nm)、STR-60(形状:針状)、
テイカ株式会社製、製品名:MZ−300(形状:粒状、平均一次粒径:30〜40nm)
ハクスイテック株式会社製、製品名:F−2(形状:棒状、平均一次粒径:65nm)
などの酸化亜鉛の微粒子が挙げられる。
無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(水性ブロックイソシアネート化合物及び活性水素含有基を有する樹脂の合計R)に対して1/1〜9/1の範囲の重量比(P/R)であることが好ましい。
重量比P/Rが1/1未満の場合、中間層の特性が架橋樹脂の特性に依存し、特に温湿度の変化及び繰り返し使用において感光体特性が大きく変化することがある。一方、重量比P/Rが9/1を超える場合、無機酸化物微粒子の分散性が低下して凝集体が生じる可能性が高くなると共に、導電性支持体との接着性が低下して黒ポチなどの画像欠陥が発生することがある。
中間層はまた、該中間層の導電性を調節するために電子輸送物質を含んでいてもよい。
電子輸送物質としては、例えば、ペリレン系色素類、ジフェノキノンやナフトキノンの誘導体などのキノン類、テトラシアノエチレンやテレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4-ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノンやアリザリンなどのアントラキノン類が挙げられる。
中間層形成用塗工液は、水性ブロックイソシアネート化合物及び活性水素含有基を有する水性樹脂、所望により上記のような添加剤を水性媒体に溶解又は分散させることにより調製することができる。
水性媒体は、水、水と低級アルコール(例えば、C1〜C4アルコール)などの親水性有機溶剤との混合媒体を意味するが、本発明においては水のみが好ましい。
中間層形成用塗工液の構成成分、特に無機酸化物微粒子を水性媒体に分散させるために、ペイントシェーカ、超音波分散機、ボールミル、サンドミルなどの一般的な分散機を用いてもよい。
また、分散状態を安定させるために中間層形成用塗工液に分散安定剤を添加してもよい。
分散安定剤としては、例えば、株式会社三洋化成製、製品名:キャリボンL-400、エレスタットAP 130、サンスパールPS 8、PDN-173、イオネットS-85及びニューポールPE-61、サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA-40、ノブコサントRFA、SNディスパーサント2060、5020、5029、5468、7347C及びSNウェットP、日信化学工業株式会社製、製品名:サーフィノール104E及びオルフィンPD-003、花王株式会社製、製品名:ポイズ520、530、ホモゲノールL 100、第一工業製薬株式会社製、シャロールAN-103P、AH-144P、ディスコートN-14、東邦化学工業株式会社製、製品名:ディブロジンA-100、ネオスコープ30などが挙げられる。
中間層形成用塗工液は、本発明の効果を阻害しない範囲で、消泡剤、粘弾性調整剤、防腐剤、硬化触媒などの添加剤を更に含んでいてもよい。
消泡剤は、中間層形成用塗工液に泡が発生することを抑える目的で添加する。よって、添加量は、この目的を達成できる量であり、通常ごく微量である。水性媒体に水性樹脂を添加する場合、調製時の分散や攪拌により発泡して分散や攪拌効率を低下させるだけでなく、塗布時に発泡して塗膜欠陥を引き起こすことがある。消泡剤はこのような問題を生じるおそれのある発泡を抑制する。
消泡剤としては、例えば、ポリエーテル系、シリコーン系、オイルコンパウンド系、エマルション系などの消泡剤が挙げられる。具体例としては、例えば、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー444、470、485、PC(ポリエーテル系)、SNデフォーマー1311、1316(シリコーン系)、SNデフォーマー777、328、480、H2(オイルコンパウンド系)、日硝産業株式会社製、製品名:TSA750(オイルコンパウンド系)、TSA770(エマルション系)、東レ・ダウコーニング株式会社製:製品名:DK Q1-1247のようなシリコーン・エマルションなどが挙げられる。
粘弾性調整剤としては、ポリエーテル系、ウレタン変性ポリエーテル系、変性ポリアクリル酸系、水溶性セルロースエーテルなどのような粘弾性調整剤が挙げられる。具体例としては、例えば、サンノプコ株式会社製、製品名:SNシックナー601、A816(ポリエーテル系)、SNシックナー607(ウレタン変性ポリエーテル系)、SNシックナー617(変性ポリアクリル酸系)、信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH-4000のような水溶性セルロースエーテルなどが挙げられる。
粘弾性調整剤の添加量は、架橋樹脂(R)に対する重量比で、例えば0.001〜0.2、好ましくは0.005〜0.1、より好ましくは0.005〜0.5である。
防腐剤としては、例えば、サンノプコ株式会社製、製品名:ノプコサイドSN-135Wのような有機窒素硫黄系化合物などが挙げられる。
防腐剤の添加量は、架橋樹脂(R)に対する重量比で、例えば0.0001〜0.1、好ましくは0.0005〜0.05、より好ましくは0.001〜0.03である。
硬化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン系化合物;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物が挙げられる。
硬化触媒の添加量は、架橋樹脂(R)に対する重量比で、例えば0.00001〜0.005、好ましくは0.00001〜0.001、より好ましくは0.00005〜0.0005である。
中間層形成用塗工液の塗布方法は、任意の塗布方法であり得、例えば、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、カーテンコーティング法などの方法である。これらの塗布方法のうち、塗工液の物性や生産性などを考慮して最適な方法を選択することができる。特に、浸漬コーティング法、ブレードコーティング法やスプレーコーティング法が好適である。
塗布に用いる装置には、塗工液の分散性を安定させるために超音波発生装置に代表される塗工液分散装置を設けてもよい。
浸漬コーティング法は、塗工液を満たした塗工槽に導電性支持体を浸漬した後、一定速度又は逐次変化する速度で引上げることによって導電性支持体上に層を形成する方法である。この方法は比較的簡単で、生産性及び原価の点で優れているので、感光体を製造する場合に一般的に使用されている。
熱硬化処理は、熱風乾燥炉及び遠赤外線乾燥炉などの公知の装置を用いて行うことができ、その条件は、用いる水性ブロックイソシアネート化合物や活性水素含有基を有する水性樹脂の種類及び配合割合などにより適宜設定すればよく、通常110〜150℃、好ましくは130〜150℃の温度で、10分間〜1時間程度の時間である。
中間層の膜厚(複数層として形成される場合には合計の膜厚)は特に限定されないが、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜10μmが特に好ましい。中間層の膜厚が0.1μm未満では、導電性支持体の欠陥を被覆して均一な表面性が得られないことがあり、また導電性支持体からのキャリアの注入を防止することができなくなって帯電性の低下が生じ、実質的に中間層として機能しないことがある。一方、中間層の膜厚が20μmを超えると、均一な塗膜を形成し難くなり、感光体の感度が低下することがある。
本発明の感光体における中間層は、単層であっても、複数層であってもよい。
複数層の中間層としては、例えば、導電性の無機酸化物微粒子を含有する第1中間層(導電層)(例えば、膜厚2〜20μm)と無機酸化物微粒子を含有しない第2中間層(絶縁層)(例えば、膜厚0.2〜1μm)との組み合わせ、無機酸化物微粒子を含有しない第1中間層(絶縁層又はブロックング層)(例えば、膜厚0.2〜1μm)とその上部にモアレ防止のための導電性無機酸化物微粒子(例えば、粒子径400〜800nm)を含有する第2中間層(モアレ防止層)(例えば膜厚3〜10μm)と組み合わせなどが挙げられる。
[感光層]
感光層5、5'は、電荷輸送物質として上記一般式(1)
Figure 0005409115
(式中、A、Ar1、Ar2及びZは上記と同義。詳細は下記で説明する。)
で示されるN,N'-ビスエナミン化合物を含有する限り、積層型感光層5であっても、単層型感光層5'であってもよい。
一般式(1)で示されるビスエナミン化合物は高い電荷移動度を有する。このように高い電荷移動度を有するビスエナミン化合物を電荷輸送物質として感光層に含有させることによって、低温低湿環境下においても高い応答性を示す電子写真感光体を得ることができる。
したがって、感光体を小型化し、高速の電子写真プロセスに用いた場合であっても、低温低湿環境下などの各種の環境下において高品質の画像を提供することが可能である。
またこのような感光体を用いることによって、小型で画像形成速度が速く、かつ低温低湿環境下などの各種の環境下において高品質の画像を提供することのできる信頼性の高い画像形成装置を実現することができる。
上記式(1)において、
Aは、置換基を有してもよいアリレン基、置換基を有してもよい二価の複素環基、置換基を有してもよいアルキレン基、又は基-Ar3-W-Ar4-(ここで、Ar3及びAr4は、独立して、置換基を有してもよいアリレン基又は置換基を有してもよい二価の複素環基であり、Wは、結合手、置換基を有してもよいシクロアルキリデン基又は置換基を有してもよい二価の鎖式炭化水素基である)を示す。
Aのアリレン基としては、例えば、o-フェニレン、m-フェニレン、p-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,5-ナフチレン、2,6-ナフチレン、9,10-アントラセニレン、フルオニレンを挙げることができる。
Aのアリレン基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルキル基(これらは更に1以上のハロゲン原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖アルキル基で置換されていてもよい)、炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(これらは更に1以上のハロゲン原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖アルキル基で置換されていてもよい)、炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基(これらは更に1以上のハロゲン原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖アルキル基で置換されていてもよい)、フェニル基(これは更に1以上のハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖アルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖アルコキシ基、又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖アルキルチオ基で置換されていてもよい)、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が挙げられるがこれらに限定されない。
置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ、iso-プロピルチオ、モノ-、ジ-又はトリフルオロメチル基、フェニル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、トリフルオロメチル基、フェニル基である。
Aの二価の複素環基としては、例えば、フリレン、チエニレン、ピロリレン、ベンゾフリレン、ベンゾチエニレン、インドリレン、カルバゾリレンなどの二価複素環基を挙げることができる。Aの二価の複素環基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基はアリレン基と同様である。
Aのアルキレン基は、例えばC1〜C12(好ましくはC1〜C8)のアルキレン基であり、例として、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基を挙げることができる。Aのアルキレン基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルキル基(これらは更に1以上のハロゲン原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖アルキル基で置換されていてもよい)、炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(これらは更に1以上のハロゲン原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖アルキル基で置換されていてもよい)、炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基(これらは更に1以上のハロゲン原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖アルキル基で置換されていてもよい)、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が挙げられるがこれらに限定されない。
置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ、iso-プロピルチオ、モノ-、ジ-又はトリフルオロメチル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、トリフルオロメチル基である。
Ar3及びAr4は、基-Ar3-W-Ar4-において、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
Ar3及びAr4のアリレン基としては、例えば、m-フェニレン、p-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,5-ナフチレン、2,6-ナフチレンを挙げることができる。Ar3及びAr4のアリレン基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基はAのアリレン基と同様である。
Ar3及びAr4の二価の複素環基としては、例えば、フリレン、チエニレン、ピロリレン、ベンゾフリレン、ベンゾチエニレン、インドリレン、カルバゾリレンなどの二価複素環基を挙げることができる。Ar3及びAr4の二価複素環基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基はAのアリレン基と同様である。
Wのシクロアルキリデン基は、例えばC3〜C8のシクロアルキリデン基であり、例としてはシクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基が挙げられる。Wのシクロアルキリデン基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基はAのアルキレン基と同様である。
Wの二価の鎖式炭化水素基としては、例えばC1〜C4(好ましくはC1〜C3)の二価鎖式炭化水素基を挙げることができ、これらは飽和炭化水素基であっても、可能な場合には不飽和炭化水素基であってもよい。より具体的にはメチレン基、エチレン基、ビニレン基を挙げることができる。Wの二価鎖式炭化水素基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基はAのアルキレン基と同様である。
Wは結合手であり得る。
Aの具体例としては、p-フェニレン、2,5-ジメチル-p-フェニレン、m-フェニレン、o-フェニレン、1,5-ナフチレン、1,4-ナフチレン、2,6-ナフチレン、ビフェニレン、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレン、3,3'-ジエチル-4,4'-ビフェニレン、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ビフェニレン、3,3'-ジメチルチオ-4,4'-ビフェニレン、4,4'-ジメトキシ-3,3'-ビフェニレン、9,10-アントラセニレン、3,3'-ジメチル-4,4'-スチルベニレン、2-p-フェニレン-ベンゾフラン-5-イル、2-p-フェニレン-ベンゾチオフェン-5-イル、2-p-フェニレン-N-メチルインドール-5-イル、2,7-(N-メチルカルバゾール)レン、4,4'-スチルベニレン、ヘキサメチレン、
Figure 0005409115
等が挙げられる。
Ar1は、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい一価の複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよい複素環アルキル基を示す。
Ar1のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、ピレニルを挙げることができる。なかでも、フェニル、ナフチルが好ましい。Ar1のアリール基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基はAのアリレン基と同様である。
Ar1の一価複素環基としては、例えば、フリル、チエニル、チアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリルを挙げることができる。Ar1の一価複素環基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基はAのアリレン基と同様である。
Ar1のアラルキル基としては、アルキル部分が例えばC1〜C6(好ましくはC1〜C4、より好ましくはC1〜C2)アルキルであるアラルキル基を挙げることができ、より具体的にはベンジル、フェネチルを挙げることができる。Ar1のアラルキル基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基は、アリール部分についてはAのアリレン基と同様であり、アルキル部分についてはAのアルキレン基と同様である。
Ar1の複素環アルキル基としては、アルキル部分が例えばC1〜C6(好ましくはC1〜C4、より好ましくはC1〜C2)アルキルである複素環アルキル基を挙げることができ、より具体的にはチエニルメチルを挙げることができる。Ar1の複素環アルキル基は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基は、複素環部分についてはAのアリレン基と同様であり、アルキル部分についてはAのアルキレン基と同様である。
Ar1の具体例としては、フェニル、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,4-キシリル、3,4-キシリル、3,5-キシリル、p-メトキシフェニル、p-メチルチオフェニル、3-メチル-4-メトキシフェニル、ナフチル、ビフェニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、N-エチルカルバゾリル、ベンジル、メチルベンジル、メトキシベンジル、2-チエニルメチルを挙げることができる。
Ar2は、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい二価の複素環基を示す。
Ar2のアリレン基としては、例えば、フェニレン、ナフチレンを挙げることができる。
Ar2の二価複素環基としては、例えば、ピリジン、フラン、チオフェンを挙げることができる。
Zは、Ar2と共に環を形成するために必要な原子群を示し、例えば、エーテル(-O-)、チオエーテル(-S-)、アミノ(-NH-)又はシリル(-SiH2-)結合を鎖中に含むか又は末端に有してもよいアルキレン基(好ましくはC2〜C4)であり得る。Zの具体例としては、エチレン-(CH2)2-、トリメチレン-(CH2)3-、テトラメチレン-(CH2)4-、エチレンオキシ-(CH2)2-O-、エチレンチオ-(CH2)2-S-、エチレンアミノ-(CH2)2-NH-、エチレンシリル-(CH2)2-SiH2-を挙げることができる。
Ar2とZとが一緒になって形成する部分構造(環構造)
Figure 0005409115
は、例えば、単環式又は多環式の炭素環又は複素環であり、例としては、ベンゼン環−シクロヘキサン環で縮合環を形成する構造、フラン環−シクロヘキサン環で縮合環を形成する構造、チオフェン環−シクロヘキサン環で縮合環を形成する構造、ナフタレン環-シクロヘキサン環で縮合環を形成する構造、ベンゼン環−シクロペンタン環で縮合環を形成する構造、ベンゼン環−シクロヘプタン環で縮合環を形成する構造、ピリジン環−シクロヘキサン環で縮合環を形成する構造、ベンゼン環−スピロビシクロヘキサン環で縮合環を形成する構造、ベンゼン環−ピペリジン環で縮合環を形成する構造、ベンゼン環−テトラヒドロピランで縮合環を形成する構造、ベンゼン環−テトラヒドロチアピランで縮合環を形成する構造が挙げられる。
上記式で示す環構造は、任意に1又はそれ以上の置換基を有していてもよい。置換基は、Aのアリレン基と同様である。
具体例としては、
Figure 0005409115
が挙げられる。
一般式(1)で示されるN,N'-ビスエナミン化合物のうち、Aが、2,5-ジメチル-p-フェニレン、3,3'-ジメチルビフェニレン又は3,3'-ジメトキシビフェニレンであり、Ar1がm-トリル基、2,4-キシリル基又は3,4-キシリル基であり、(−Ar2−Z−)=−がベンゼン環−シクロヘキサン環で縮合環を形成する構造であるものが、電子写真特性、コスト、及び製造等の観点から特に優れた化合物として挙げられる
一般式(1)で示されるN,N'-ビスエナミン化合物の具体例を表1に示す。しかし、一般式(1)で示されるビスエナミン化合物は、表1に記載の例示化合物に限定されるものではない。
Figure 0005409115
Figure 0005409115
Figure 0005409115
一般式(1)で示されるビスエナミン化合物は、種々の方法で合成することができ、例えば、以下の合成過程で合成できる。すなわち、下記式(II)で示されるN,N'-ジ置換アミン化合物と下記式(III)で示されるアルデヒド誘導体2当量をベンゼン等の溶媒中で加熱し、脱水縮合させることにより一般式(1)で示されるビスエナミン化合物(I)が得られる。
Figure 0005409115
<積層型感光層>
積層型感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とからなる。このように電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の層に担わせることにより、各層を構成する最適な材料を独立して選択することができる。
感光層が積層型である場合、電荷輸送層が、電荷輸送物質として、一般式(1)で示されるN,N'-ビスエナミン化合物を含有する。
電荷発生層と電荷輸送層は、中間層上にこの順又は逆順のいずれで形成されてもよいが、この順で形成されていることが好ましい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、電荷発生層中の電荷発生物質で発生した電荷を受け入れ、それを輸送する能力を有する電荷輸送物質とバインダー樹脂(結合剤)とを主成分として含有する。
本発明において、電荷輸送層は、電荷輸送物質として、一般式(1)で示される1種又は2種以上のビスエナミン化合物を含有する。電荷輸送層は、一般式(1)で示されるビスエナミン化合物以外の1種又は2種以上の電荷輸送物質を含有してもよいが、好ましくは、一般式(1)で示されるビスエナミン化合物が電荷輸送層中の電荷輸送物質の主成分として含有される。ここで、「主成分」とは50重量%以上を意味する。
一般式(1)で示されるビスエナミン化合物と組み合わせ得る他の電荷輸送物質として、例えば、スチリル化合物(例えば、β-フェニル-〔4-(ジベンジルアミノ)〕スチルベン、β-フェニル-〔4-(N-エチル-N-フェニルアミノ)〕スチルベン、1,1-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)-4,4-ジフェニルブタジエン)、ヒドラゾン化合物(例えば4-(ジベンジルアミノ)ベンズアルデヒド-N,N-ジフェニルヒドラゾン、4-(エチルフェニルアミノ)ベンズアルデヒド-N,N-ジフェニルヒドラゾン、3,3-ビス〔(4'-ジエチルアミノ)フェニル〕アクロレイン-N,N-ジフェニルヒドラゾン)又はトリフェニルアミン化合物(例えば4-メトキシ-4'-(4-メトキシスチリル)トリフェニルアミン、4-メトキシ-4'-スチリルトリフェニルアミン)などが挙げられる。
バインダー樹脂は、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂を使用できる。
具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂;フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマールなどの熱硬化性樹脂、これらの樹脂の部分架橋物、これらの樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂)などが挙げられる。これらのバインダー樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
なかでも、ポリカーボネートを主成分とする樹脂、ポリアリレート樹脂及びポリスチレン樹脂は、光化学的に安定で、電荷輸送物質との相溶性に優れ、加えて体積抵抗値が1013Ω以上と電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましい。
電荷輸送物質の重量Eとバインダー樹脂の重量Bとの比率E/Bは、通常10/12〜10/25、好ましくは10/16〜10/20である。比率E/Bが10/25未満であると、電荷輸送物質に対するバインダー樹脂の相対量比が高くなり、十分な感度が得られないことがある。一方、比率E/Bが10/12を超えると、電荷輸送層の耐刷性や感光体の耐久性が低下することがある。
電荷輸送層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、所望により、化学増感剤、光学増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散安定剤、増感剤、レベリング剤、可塑剤、無機化合物又は有機化合物の微粒子などから選ばれる1種又は2種以上の添加剤を含有してもよい。
なお、これらの添加剤は、後述する電荷発生層に含有されてもよく、電荷輸送層及び電荷発生層の両方に含有されてもよい。
化学増感剤及び光学増感剤は、感光体の感度を向上させ、繰返し使用による残留電位の上昇及び疲労などを抑え、電気的耐久性を向上させる。
化学増感剤としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4-クロルナフタル酸無水物などの酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4-ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;アントラキノン、1-ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロフルオレノンなどの多環又は複素環ニトロ化合物;ジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料及びこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどが挙げられる。
光学増感剤としては、例えば、キサンテン系色素、キノリン系顔料、銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー及びビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料;エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ及びフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料;メチレンブルー及びメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料;カプリブルー及びメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料;シアニン染料;スチリル染料;ピリリウム塩染料及びチオピリリウム塩染料などが挙げられる。
酸化防止剤は、長期にわたって感度安定性を維持させることができる。
酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール:BHT)のようなヒンダードフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミンなどのアミン系酸化防止剤、ビタミンE、ハイドロキノン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン及びそれらの誘導体、有機硫黄系化合物、有機燐系化合物などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜40重量部が好ましく、0.5〜15重量部が特に好ましい。
酸化防止剤の添加量が0.1重量部未満であると、塗工液の安定性の向上及び感光体の耐久性の向上に充分な効果が得られないことがある。また、酸化防止剤の添加量が40重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすことがある。
レベリング剤及び可塑剤は、成膜性、可撓性及び表面平滑性を向上させることができる。
レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィン及びエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
無機化合物又は有機化合物の微粒子は、機械的強度を増強し、電気特性を向上させることができる。このような微粒子としては、例えば、中間層に関して上述した微粒子が挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質、バインダー樹脂及び必要に応じて上記のような添加剤を適当な有機溶剤に溶解又は分散して電荷輸送層形成用塗工液を調製し、この塗工液を電荷発生層又は中間層(逆二層型の場合)の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去することによって形成できる。より具体的には、例えば、バインダー樹脂を有機溶剤に溶解してなる樹脂溶液に電荷輸送物質及び必要に応じて添加剤を溶解又は分散させることにより、電荷輸送層形成用塗工液を調製する。
有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロプロパンなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジベンジルエーテル、ジメトキシメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタンなどのエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類;安息香酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジフェニルスルフィドなどの含イオウ溶剤;ヘキサフロオロイソプロパノールなどのフッ素系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられ、これらは単独又は混合溶剤として使用できる。また、このような溶剤に、アルコール類、アセトニトリル又はメチルエチルケトンを加えた混合溶剤を使用することもできる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
構成物質を樹脂溶液に溶解又は分散させるに先立ち、電荷輸送物質を予備粉砕してもよい。
予備粉砕は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などの一般的な粉砕機を用いて行うことができる。
構成物質の樹脂溶液への溶解又は分散は、例えば、ペイントシェーカ、ボールミル、サンドミルなどの一般的な分散機を用いて行うことができる。このとき、容器及び分散機を構成する部材から摩耗などによって不純物が発生し、塗工液中に混入しないように、分散条件を適宜設定するのが好ましい。
電荷輸送層形成用塗工液の塗布方法は、シートの場合にはベーカアプリケータ法、バーコーター法、キャスティング法、スピンコート法、ロール法、ブレード法など、ドラムの場合にはスプレー法、垂直リング法、浸漬塗布法などが挙げられる。
塗膜の乾燥工程における温度は、使用した有機溶剤を除去し得る温度であれば特に限定されず、自然乾燥でも問題ないが、乾燥時間の観点から50〜140℃が適当であり、80〜130℃が特に好ましい。乾燥温度が140℃を超えると、感光体の繰返し使用時の電気的特性が悪化して、得られる画像が劣化することがある。
電荷輸送層の膜厚は特に限定されないが、10〜60μmが好ましく、10〜40μmが特に好ましい。電荷輸送層の膜厚が10μm未満であると、帯電保持能が低下することがあり、逆に電荷輸送層の膜厚が60μmを超えると、鮮鋭性の低下や残留電位の上昇が発生し、著しく画像劣化が生じることがある。
(電荷発生層)
電荷発生層は、照射された光を吸収することにより電荷を発生する電荷発生能を有する電荷発生物質を主成分として含有し、任意にバインダー樹脂(結合剤)及び/又は添加剤を含有してもよい。
電荷発生物質の具体例としては、アゾ系顔料(カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格又はジスチリルカルバゾール骨格を有する、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料など)、ペリレン系顔料(ペリレンイミド、ペリレン酸無水物など)、多環キノン系顔料(キナクリドン、アントラキノン、ピレンキノンなど)、フタロシアニン系顔料(金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなど)、インジゴ系顔料(インジゴ、チオインジゴなど)、スクアリリウム色素、アズレニウム色素、チオピリリウム色素、ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機顔料又は染料、さらにセレン、非晶質シリコンなどの無機材料などが挙げられる。
なかでも、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ぺリレン系顔料は高感度を有することから特に好ましい。
電荷発生物質は1種を単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
電荷発生層は、本発明の好ましい特性が損なわれない範囲内で、所望により、電荷輸送層に関して述べた添加剤を適量含有していてもよい。
電荷発生層は、公知の乾式法及び湿式法により形成することができる。
乾式法としては、例えば、電荷発生物質を導電性支持体上の中間層表面に真空蒸着する方法が挙げられる。
湿式法としては、例えば、電荷発生物質、必要に応じて添加剤及び/又はバインダー樹脂を適当な有機溶剤に溶解又は分散して電荷発生層形成用塗工液を調製し、この塗工液を導電性支持体上に形成された中間層又は電荷輸送層(逆二層型の場合)の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去する方法が挙げられる。
バインダー樹脂の使用は、電荷発生層の機械的強度や耐久性、層間の結着性などを向上させることができるので好ましい。
バインダー樹脂としては、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂、例えば電荷輸送層に関して述べたバインダー樹脂の1種又は2種以上を使用できる。
電荷発生物質とバインダー樹脂との配合比は特に限定されないが、通常、電荷発生物質が10〜99重量%程度である。
電荷発生物質が10重量%未満であると、感光体の感度が低下することがある。
一方、電荷発生物質が99重量%を超えると、電荷発生層の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大することがある。そのため、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなることがある。
電荷発生層の膜厚は特に限定されないが、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。電荷発生層の膜厚が0.05μm未満では、光吸収の効率が低下し、感度が低下することがある。一方、電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層内部での電荷輸送が感光体表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感度が低下することがある。
その他の工程及び条件は、電荷輸送層の形成に準ずる。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質とバインダー樹脂(結合剤)とを主成分として含有する。
単層型感光層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で必要に応じて、電荷輸送層について言及したような添加剤を適量含有していてもよい。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂及び必要に応じて添加剤を適当な有機溶剤に溶解及び/又は分散して単層型感光層形成用塗工液を調製し、この塗工液を導電性支持体上に形成された中間層の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去することによって形成できる。
単層型感光層の膜厚特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、15〜50μmが特に好ましい。単層型感光層の膜厚が10μm未満であると、感光体表面の帯電保持能が低下するおそれがあり、単層型感光層の膜厚が100μmを超えると、生産性が低下するおそれがある。
その他の工程及びその条件は、電荷輸送層の形成に準ずる。
[保護層]
図示されていないが、本発明の感光体は、感光層の表面に保護層を有していてもよい。
保護層は、感光層の摩耗性の改善やオゾン、窒素酸化物などによる化学的悪影響の防止の機能を有する。
保護層は、例えば、適当な有機溶剤にバインダー樹脂(例えば、電荷輸送層に関して言及したもの)、必要に応じて酸化防止剤や紫外線吸収剤などの添加剤を溶解又は分散させて保護層形成用塗工液を調製し、この保護層形成用塗工液を単層型感光層又は積層型感光層の表面に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成できる。
保護層の膜厚は特に制限されないが、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmが特に好ましい。表面保護層5の膜厚が0.5μm未満では、感光体表面の耐擦過性が劣り、耐久性が不十分になることがあり、逆に10μmを超えると、感光体の解像度が低下することがある。
その他の工程及びその条件は、電荷輸送層の形成に準ずる。
電子写真画像形成装置
本発明の画像形成装置は、本発明の製造方法によって得られた電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記感光体に対して露光を施して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着して画像を形成する定着手段と、前記感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段と、前記感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段を少なくとも備えている。
本発明の画像形成装置は、モノクロ、カラーを問わず、電子写真プロセスを利用する種々のプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機などであり得る。
図面を参照して本発明の画像形成装置について説明するが、本発明の画像形成装置は、以下の記載内容に限定されるものではなく、感光体として上記で説明した本発明の製造方法により得られる電子写真感光体を備える限り、他の構成要素については任意のものを採用し得る。
図2は、本発明の画像形成装置の一形態の構成を示す模式側面図である。
図2の画像形成装置20は、本発明に係る感光体21(例えば、図1に示されるいずれかの形態の感光体)と、帯電手段(帯電器)24と、露光手段28と、現像手段(現像器)25と、転写手段(転写器)26と、クリーニング手段(クリーナ)27と、定着手段(定着器)31とを含んで構成される。参照符号30は転写紙を示す。
感光体21は、図示しない画像形成装置20本体に回転自在に支持され、図示しない駆動手段によって回転軸線22回りに矢符23方向に回転駆動される。駆動手段は、例えば電動機と減速歯車とを含んで構成され、その駆動力を感光体の芯体を構成する導電性支持体に伝えることによって、感光体21を所定の周速度で回転駆動させる。
感光体21の外周面に沿って、帯電器24、露光手段28、現像器25、転写器26及びクリーナ27が、この順序で、矢符23で示される感光体21の回転方向上流側から下流側に向って設けられる。
帯電器24は、感光体21の外周面を所定の電位に帯電させる帯電手段である。図において、帯電器24は接触式の帯電ローラ24aとして示されているが、帯電ブラシ又はコロトロンやスコロトロンなどのチャージャーワイヤであってもよい。参照番号24bはバイアス電源を示す。
露光手段28は、例えば半導体レーザなどを光源として備え、光源から画像情報に応じて出力されるレーザビームなどの光28aを、感光体21の帯電器24と現像器25との間に照射することによって、帯電された感光体の外周面に対して画像情報に応じた露光を施す。光28aは、主走査方向である感光体の回転軸線22方向に繰返し走査され、これに伴って感光体21の表面に画像情報に対応する静電潜像が順次形成される。
現像器25は、露光によって感光体21の表面に形成される静電潜像を、現像剤によって現像する現像手段であり、感光体を臨んで設けられ、感光体の外周面にトナーを供給する現像ローラ25aと、現像ローラ25aを感光体の回転軸線22と平行な回転軸線まわりに回転可能に支持すると共にその内部空間にトナーを含む現像剤を収容するケーシング25bとを備える。
転写器26は、現像によって感光体21の外周面に形成される可視像であるトナー像を、図示しない搬送手段によって矢符29方向から感光体と転写器との間に供給される記録媒体である転写紙30上に転写させる転写手段である。転写器26は、例えば、帯電手段を備え、転写紙にトナーと逆極性の電荷を与えることによってトナー像を転写紙30上に転写させる非接触式の転写手段である。
クリーナ27は、転写器26による転写動作後に感光体21の外周面に残留するトナーを除去し回収する清掃手段であり、感光体の外周面に残留するトナーを剥離させるクリーニングブレード27aと、クリーニングブレード27aによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシング27bとを備える。クリーナ27は、図示しない除電ランプと共に設けられ得る。
また、画像形成装置20には、感光体21と転写器26との間を通過した転写紙30が搬送される下流側に、転写された画像を定着させる定着手段である定着器31が設けられる。定着器31は、図示しない加熱手段を有する加熱ローラ31aと、加熱ローラに対向して設けられ、加熱ローラに押圧されて当接部を形成する加圧ローラ31bとを備える。
この画像形成装置20による画像形成動作は、次のようにして行われる。
まず、感光体21が駆動手段によって矢符23方向に回転駆動されると、露光手段28からの露光光28aの結像点よりも感光体の回転方向上流側に設けられる帯電器24によって、感光体21の表面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。
次いで、露光手段28から、感光体21の表面に対して画像情報に応じた光28aが照射される。感光体21は、この露光によって、光28aが照射された部分の表面電荷が除去され、光が照射された部分の表面電位と光が照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、静電潜像が形成される。
露光手段28からの光28aの結像点よりも感光体21の回転方向下流側に設けられる現像器25から、静電潜像の形成された感光体21の表面にトナーが供給されて静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
感光体の露光と同期して、感光体21と転写器26との間に、転写紙30が供給される。転写器26によって、供給された転写紙にトナーと逆極性の電荷が与えられ、感光体の表面に形成されたトナー像が、転写紙30上に転写される。
トナー像の転写された転写紙30は、搬送手段によって定着器31に搬送され、定着器31の加熱ローラ31aと加圧ローラ31bとの当接部を通過する際に加熱及び加圧され、トナー像が転写紙30に定着されて堅牢な画像となる。このようにして画像が形成された転写紙30は、搬送手段によって画像形成装置20の外部へ排紙される。
一方、転写器26によるトナー像の転写後も感光体21の表面上に残留するトナーは、クリーナ27によって感光体の表面から剥離されて回収される。このようにしてトナーが除去された感光体の表面電荷は、除電ランプからの光によって除去され、感光体の表面上の静電潜像が消失する。その後、感光体21は更に回転駆動され、再度帯電から始まる一連の動作が繰り返されて連続的に画像が形成される。
以下に実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
導電性支持体として、直径30mm×長さ300mm×厚さ0.8mmのアルミニウム製の円筒型支持体を用いて、図1の感光体を作製した。
まず、下記の成分を水69重量部に加え、ペイントシェーカを用いて6時間分散処理して、中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:40%、NCO含有率:5.4%、三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB-920) 4.2重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、ポリアクリルポリオール(固形分:45%、OH価:80、DIC株式会社製、製品名:バーノックWE-300) 8.4重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)とで表面処理された樹枝状の酸化チタン微粒子(数平均一次粒径:短軸40〜70nm、長軸200〜300nm、石原産業株式会社製、製品名:TTO-D-1) 12重量部
・消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、水性ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基(H)と活性水素含有基を有する水性樹脂中の活性水素含有基(B)とのモル比(H/B)は1.0であり、架橋樹脂(水性ブロックイソシアネート化合物及び活性水素含有基を有する水性樹脂の合計R)に対する無機酸化物微粒子(P)の重量比(P/R)は6/4であった。
得られた中間層形成用塗工液を塗工槽に満たし、上記導電性支持体を浸漬した後引き上げ、得られた塗膜を温度150℃で30分間乾燥・硬化させて、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
次いで、下記成分を有機溶剤であるメチルエチルケトン97重量部と混合し、ペイントシェーカを用いて分散処理して電荷発生層形成用塗工液(全量1kg)を調製した。
・電荷発生物質として、Y型オキソチタニウムフタロシアニン(山陽色素株式会社製) 2重量部
・バインダー樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックB BM-S) 1重量部
得られた電荷発生層形成用塗工液を、中間層と同様の浸漬塗布法で、先に形成した中間層上に塗布し、自然乾燥して膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
次いで、下記の成分を有機溶剤であるテトラヒドロフラン(THF)110重量部に溶解させて電荷輸送層形成用塗工液(全量1kg)を調製した。
・電荷輸送物質として、表1に例示化合物1として示されるビスエナミン化合物 10重量部
・バインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、製品名:ユーピロンZ400) 18重量部
・酸化防止剤として、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール 0.5重量部
・レベリング剤として、ジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、製品名:KF-96) 0.004重量部
得られた電荷輸送層形成用塗工液を、中間層と同様の浸漬塗布法で、先に形成した電荷発生層上に塗布し、温度130℃で1時間乾燥させて、膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、実施例1の感光体を作製した。
(実施例2〜6)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて、それぞれ例示化合物11、14、23、27、48のビスエナミン化合物を用いること以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6の感光体を作製した。
(実施例7)
下記の成分を水67重量部に加えて中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の感光体を作製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:BWD-102) 7.1重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、ポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD-473) 14.3重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO-D-1) 12重量部
・消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート基と活性水素含有基とのモル比(H/B)は1.0であり、架橋樹脂に対する無機酸化物微粒子の重量比(P/R)は6/4であった。
(実施例8)
下記の成分を水65重量部に加えて中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の感光体を作製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:37.5%、NCO含有率:3.7、住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールVP LS 2310) 19.6重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、ポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW-3) 3.2重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO-D-1) 12重量部
・消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート基と活性水素含有基とのモル比(H/B)は1.0であり、架橋樹脂に対する無機酸化物微粒子の重量比(P/R)は6/4であった。
(実施例9)
下記の成分を水65重量部に加えて中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の感光体を作製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:37.5%、NCO含有率:3.7、住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールVP LS 2310) 19.6重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、水溶性セルロース(OH価:360、信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH-400) 3.2重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化亜鉛微粒子(堺化学工業株式会社製、製品名:STR-60) 12重量部
・消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート基と活性水素含有基とのモル比(H/B)は1.0であり、架橋樹脂に対する無機酸化物微粒子の重量比(P/R)は6/4であった。
(実施例10)
下記の成分を水65重量部に加えて中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例10の感光体を作製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:45%、NCO含有率:7、三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB-820) 13.8重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、水溶性ナイロン(固形分:20%、NH含有率:10、ナガセケムテックス株式会社製、製品名:トレジンFS-350) 8.8重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化亜鉛微粒子(堺化学工業株式会社製、製品名:STR-60) 12重量部
・消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート基と活性水素含有基とのモル比(H/B)は1.0であり、架橋樹脂に対する無機酸化物微粒子の重量比(P/R)は6/4であった。
(実施例11)
下記の成分を水65重量部に加えて中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例11の感光体を作製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:40%、NCO含有率:5.4%、三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB-920) 4.2重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、水性ポリアクリルポリオール(固形分:45%、OH価:80、DIC株式会社製、製品名:バーノックWE-300) 8.4重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化スズ微粒子(三菱マテリアル株式会社製、製品名:S-2000) 12重量部
・消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート基と活性水素含有基とのモル比(H/B)は1.0であり、架橋樹脂に対する無機酸化物微粒子の重量比(P/R)は6/4であった。
(実施例12)
下記の成分を水67重量部に加えて中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例12の感光体を作製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:BWD-102) 7.1重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、ポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD-473) 14.3重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO-D-1) 12重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート基と活性水素含有基とのモル比(H/B)は0.4であり、架橋樹脂に対する無機酸化物微粒子の重量比(P/R)は6/4であった。
(実施例13)
下記の成分を水67重量部に加えて中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例13の感光体を作製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:BWD-102) 7.1重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、ポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD-473) 14.3重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO-D-1) 12重量部
・消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート基(H)と活性水素含有基とのモル比(H/B)は1.6であり、架橋樹脂に対する無機酸化物微粒子の重量比(P/R)は6/4であった。
(実施例14)
下記の成分を水67重量部に加えて中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例14の感光体を作製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:BWD-102) 7.1重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、ポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD-473) 14.3重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO-D-1) 12重量部
・消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート基(H)と活性水素含有基とのモル比(H/B)は0.7であり、架橋樹脂に対する無機酸化物微粒子の重量比(P/R)は6/4であった。
(実施例15)
下記の成分を水67重量部に加えて中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例15の感光体を作製した。
・水性ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:BWD-102) 7.1重量部
・活性水素含有基を有する水性樹脂として、ポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD-473) 14.3重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO-D-1) 12重量部
・消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470) 0.5重量部
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート基と活性水素含有基とのモル比(H/B)は1.3であり、架橋樹脂に対する無機酸化物微粒子の重量比(P/R)は6/4であった。
(比較例1)
電荷輸送物質として、例示化合物1に代えて、構造式(2)で示される化合物Cを用いること以外は、実施例1と同様にして比較例1の感光体を作製した(中間層形成用塗工液において、H/B=1.0、P/R=6/4)。
Figure 0005409115
(比較例2)
電荷輸送物質として、例示化合物に代えて、構造式(3)で示される化合物Eを用いること以外は、実施例1と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した(中間層形成用塗工液において、H/B=1.0、P/R=6/4)。
Figure 0005409115
(比較例3)
下記の成分を混合有機溶剤(メタノール50重量部及び1,3-ジオキソラン40重量部)に加えて調製した中間層形成用塗工液(全量1kg)を用い、硬化なしの中間層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の感光体を作製した。
・樹脂として、共重合ナイロン(東レ株式会社製、製品名:アミランCM8000) 4重量部
・無機酸化物微粒子として、酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO-D-1):6重量部
(比較例4)
下記の成分
・無機酸化物微粒子として、酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、製品名:STR−60) 12重量部
・樹脂として、ブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、製品名BM−1;固形) 3.7重量部
・イソシアネート化合物(固形分:65%、NCO含有率:10.4%、住友バイエルウレタン株式会社製、製品名デスモジュールE3265) 6.7重量部
をメチルエチルケトン78重量部に加え、ペイントシェーカを用いて6時間分散処理して、中間層形成用塗工液(全量1kg)を調製した。この塗工液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の電子写真感光体を作製した。
上記のように調製した中間層形成用塗工液において、イソシアネート化合物中のイソシアネート基(H)と活性水素含有基を有する樹脂中の活性水素含有基(B)とのモル比(H/B)は1.0であり、架橋樹脂(イソシアネート化合物及び活性水素含有基を有する樹脂の合計R)に対する無機酸化物微粒子(P)の重量比(P/R)は6/4であった。
[評価]
(1)感光体の電気特性及び環境安定性
実施例1〜15及び比較例1〜4の感光体を、表面電位計(ジェンテック株式会社製、型式:CATE751)を設けた市販のデジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:AR-F330)にそれぞれ搭載し、画像形成工程における表面電位を測定することによって、各感光体の電気特性及び環境安定性を評価した。
まず、温度22℃、相対湿度65%の常温/常湿(N/N)環境下において、帯電器による帯電動作直後及びレーザ光(波長:780nm)による露光直後の感光体の表面電位(それぞれ、帯電電位V0(V)及び残留電位VL(V))を測定した。
また、N/N環境下と同様にして、温度25℃、相対湿度85%の常温/高湿(N/H)環境下及び温度25℃、相対湿度5%の常温/低湿(N/L)環境下における残留電位VL(V)を測定し、差を電位変動ΔVL(V)として求めた。すなわち、電位変動ΔVL(V)が小さい程、環境安定性(環境特性)に優れると評価できる。
次いで、N/N環境下において、所定のパターンのテスト画像(ISO 19752に規定された文字テストチャート)を記録用紙10万枚に連続して複写させた後、初期と同様にして帯電動作直後の帯電電位V0(V)及び残留電位VL(V)を測定し、初期の残留電位との差を、疲労特性の指標となる電位変動ΔVLS(V)として求めた。
さらに、実施例1〜15及び比較例1〜4の感光体の作製に使用した中間層形成用塗工液をN/N環境下で3ヶ月間保存した後、同様にして感光体を作成し、N/N環境下で残留電位VL[V]を測定したときの値と上記の初期残留電位VLの値との差を電位変動ΔVLPとして求めた。
(2)硬化度
実施例1〜15及び比較例1、2、4の感光体の作製に使用した中間層形成用塗工液0.5gをそれぞれ、寸法50mm×50mm×厚さ1.5mmのガラス板の表面に、ワイヤーバー法により均一に塗布し、得られた塗膜を温度150℃で30分間乾燥・硬化させてサンプルを得た。
得られたサンプルをそれぞれ、温度20℃のアセトン中に回転数30rpmで攪拌しながら1日間浸漬し、下式によって硬化度(%)を求めた。
硬化度(%)=(1−(浸漬前の重量−浸漬後の重量)/(浸漬前の重量))×100
また、得られたサンプルを3ヶ月間アセトンに浸漬した後で、上記と同様にして硬化度(%)を求めた。
(3)画像品質
感光体を用いて形成される画像の品質評価は以下のように行った。
レーザを露光光源とする市販のレーザビームプリンタ(シャープ株式会社製:DM4501)を正規現像ができ、また感光体への露光光量と感光体の回転周速を変化させることができるように改造した装置に、実施例1〜15及び比較例1〜4の各感光体をそれぞれ搭載した。
感光体の回転周速を変化させることにより露光開始から現像終了までの時間を50ミリ秒(50msec)、90ミリ秒(msec)又は130ミリ秒(msec)に調整し、各設定時間で画像を記録紙上に形成した。
得られた画像の品質を目視観察で評価した。
画像に地汚れの発生が認められない場合、画質は良好であると評価した。
画像に地汚れの発生が認められた場合であっても、露光光量を増加させて再度形成した画像に地汚れが認められないときは画質は良好であると評価した。
再度形成させた画像において、地汚れは発生しているけれどもその程度が露光光量を増加させる前よりも改善されているときは、改善が観察されなくなるまで露光光量を増加させ、得られた画像の品質(地汚れの有無)を評価結果とした。
この評価は、温度25℃、相対湿度55%(55%RH)の常温常湿環境下と、温度5℃、相対湿度20%(20%RH)の低温低湿(L/L)環境下とにおいて行った。
(4)耐刷性
感光体の耐刷性を以下のようにして評価した。実施例1〜6および比較例1、2の感光体を、プロセススピードが117mm/secのデジタル複写機(シャープ株式会社製:MX−450)にそれぞれ搭載した。画像形成を40,000枚行った後、感光層の膜厚d1を測定し、この値と作製時の感光層の膜厚d0との差を膜減り量Δd(=d0−d1)として求め、耐刷性の評価指標とした。
[結果]
評価結果を表2に示す。
Figure 0005409115
表2に示すとおり、実施例1〜15の感光体は、比較例1及び2の感光体よりも、半減露光量(E1/2)が小さく、感度に優れている。また、実施例1〜15の感光体の方が、比較例1及び2の感光体よりも、応答性に優れ、高速で画像を形成する場合や低温低湿環境下で画像を形成する場合にも、高品質の画像を提供することが確認できた。
また、実施例の感光体は、塗工液の溶剤として水を用いたにもかかわらず、現在の感光体で多く用いられているポリアミド系の樹脂を用いた有機溶剤系の比較例3と比較して、電気特性、環境安定性、疲労特性、塗液安定性、画像品質の特性全てで同等以上の性能を有することが確認できた。
また、実施例12のように硬化剤の量が少ないと(H/Bが0.5未満であると)、硬化度が低くなり、そのため膜中の親水基の割合が高くなり、環境安定性が悪化することがわかる。反対に実施例13のように硬化剤の量が多いと(H/Bが1.5を超えると)、環境特性はそれほど悪化しないが、疲労特性や塗液の保存性が悪化した。これは、架橋反応に関与せず残存したイソシアネート基が水分と反応し電気特性に影響を及ぼすような不純物が生成したためと推察される。
また、耐刷性においても実施例1〜6の感光体は、比較例1及び2の感光体よりも膜減り量Δdが小さく、耐刷性が高いことが判った。
1 導電性支持体
2 中間層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 積層型感光層
5' 単層型感光層
20 画像形成装置
21 感光体
22 感光体21の回転軸線
23 感光体21の回転方向を示す矢符
24 帯電手段(帯電器)
24a 帯電ローラ
24b バイアス電源
25 現像手段(現像器)
25a 現像ローラ
25b ケーシング
26 転写手段(転写器)
27 クリーニング手段(クリーナ)
27a クリーニングブレード
27b 回収用ケーシング
28 露光手段
28a 露光光
29 転写紙30の搬送方向を示す矢符
30 転写紙
31 定着手段(定着器)
31a 加熱ローラ
31b 加圧ローラ

Claims (6)

  1. 導電性支持体上に少なくとも中間層と感光層とをこの順で有し、
    前記中間層が、前記導電性支持体上に、少なくとも水性ブロックイソシアネート化合物及びイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する水性樹脂を水に溶解又は分散させてなる中間層形成用塗工液を塗布した後に熱硬化処理することによって得られ、
    前記感光層が電荷輸送物質として下記一般式(1)
    Figure 0005409115
    (式中、Aは、置換基を有してもよいアリレン基、置換基を有してもよい二価の複素環基、置換基を有してもよいアルキレン基、又は基-Ar3-W-Ar4-(ここで、Ar3及びAr4は、独立して、置換基を有してもよいアリレン基又は置換基を有してもよい二価の複素環基であり、Wは、結合手、置換基を有してもよいシクロアルキリデン基又は置換基を有してもよい二価の鎖式炭化水素基である)であり、Ar1は、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい一価の複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよい複素環アルキル基を示し、Ar2は、置換基を有してもよいアリール基又は二価の複素環基を示し、ZはAr2と共に環を形成するために必要な原子群を示す。)
    で示されるN,N'-ビスエナミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記中間層が無機酸化物微粒子を更に含んでなる請求項1に記載の感光体。
  3. 前記無機酸化物微粒子が酸化チタン又は酸化亜鉛の微粒子である請求項2に記載の感光体。
  4. 前記水性樹脂が、ポリオール化合物系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリアミド化合物系樹脂から選択される請求項1〜3のいずれか1つに記載の感光体。
  5. 前記中間層形成用塗工液において、前記水性ブロックイソシアネート化合物中のブッロクイソシアネート基(H)と前記水性樹脂中の活性水素含有基(B)とのモル比が0.5以上1.5以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載の感光体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着して画像を形成する定着手段と、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段と、前記電子写真感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段を少なくとも備えることを特徴とする画像形成装置。
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