JP5352254B2 - 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、水を溶剤とした電子写真感光体の中間層用塗工液から形成された中間層と、成膜時に部分的な結晶化などの弊害を起こすことがなく、電荷移動度が高く、高感度で、充分な光応答性を示し、また耐久性に優れる電荷輸送物質として分子構造の対称性を崩した特定のエナミン構造を有する化合物を含有する感光層とを備えた電子写真感光体および画像形成装置に関する。
デジタル複合機、プリンタなどに多用されている電子写真方式の画像形成装置(「電子写真装置」ともいう)に用いられる電子写真感光体(以下「感光体」ともいう)は、導電性支持体上に光導電性材料を含む感光層が積層されてなり、光導電性材料として、従来からセレンなどの無機光導電性材料が用いられてきた。
一方、有機光導電性材料は、無機光導電性材料に比べて、感度、耐久性および環境に対する安定性などの点で若干劣るものの、毒性、製造コスト、材料設計の自由度などの観点から、近年では広く用いられている。
また、感光体の構成は、電荷発生物質と電荷輸送物質とをバインダ樹脂中に分散した単層型から、電荷発生層と電荷輸送層とを分離した機能分離型へと変遷し、その性能も向上してきている。
現在では、導電性支持体上に、中間層と、電荷発生層と電荷輸送層とがこの順で積層された積層型(機能分離型)感光層とがこの順で積層された構成が主流となっている。
中間層は、導電性支持体上の欠陥被覆などによる感光層の接着性向上や成膜性(塗工性)改善、導電性支持体からの不要な電荷注入の阻止、それに伴う帯電性改善などの機能を有する。
中間層は、樹脂単独からなるものと、顔料を含有させた樹脂からなるものに大別される。
中間層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼインなどの水溶性樹脂、共重合ナイロン樹脂などのアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂など三次元網目構造を形成する熱硬化型樹脂などが挙げられる。
しかしながら、水溶性樹脂やアルコール可溶性樹脂は、水分の吸着性、親和性に富むため、物性の環境依存性が非常に高くなり、湿度によって感光体特性が変化してしまうという問題がある。特に高湿では中間層が大量の水分を吸収するために、感光体を高温高湿や低温低湿で繰り返し使用するとその特性が大きく変動し、黒ポチや濃度低下などの異常画像が引き起こされる。
そこで、耐溶剤性、環境安定性に優れた三次元網目構造を形成する熱硬化型樹脂が採用された。
しかしながら、例えば、特許第3657138号公報(特許文献1)に開示されているメラミン樹脂、例えば、特許第2707341号公報(特許文献2)に開示されているフェノール樹脂およびメトキシメチル化ナイロンなどの樹脂は、樹脂製造時にシックハウス症候群の原因物質の一つといわれ、現在大気汚染防止法における対象物質に挙げられているホルムアルデヒドが大量に使用される。そのため、樹脂内に製造時の未反応物が吸蔵され、感光体の中間層形成後の熱架橋処理過程においてホルムアルデヒドが発生するという問題がある。発生したホルムアルデヒドの大気放出を防ぐためには回収設備が必要であり、明らかに設備導入にはコストがかかる。
また、例えば、特許第2790380号公報(特許文献3)に開示されているウレタン樹脂は、ポリオール化合物などの活性水素含有基と硬化剤であるイソシアネート化合物のイソシアネート基とが3次元網目状の架橋反応を開始して硬化膜が形成されるので、ホルムアルデヒドの発生はない。しかし、イソシアネート基の反応性が非常に高いために、これらを用いた塗工液のポットライフが非常に短いという問題がある。
そこで、イソシアネート基がオキシムなどのブロック剤で保護されたブロックイソシアネート化合物を用いる方法が報告され、有機溶剤を用いた塗工液のポットライフはかなり改善されている(例えば、特開2005-115351号公報(特許文献4)参照)。
近年、画像形成装置には、小型化、画像形成速度の高速化および長寿命化が要求されている。このような画像形成装置では、円筒状または円柱状の導電性支持体の外周面上に感光層を設けた感光体が一般に用いられており、画像形成装置の小型化のためには、感光体の小径化が必要である。しかしながら、径の小さい感光体では、露光位置から現像位置までの距離が短いので、画像形成速度を高速化するために高速で電子写真プロセスを行うと、露光から現像までの時間が短くなり、以下のような問題が生じる。例えば、応答性の低い感光体、すなわち露光後の表面電位の減衰速度が遅い感光体を用いると、露光によって消去されるべき部分の表面電位が充分に減衰していない状態で現像されることになるので、正規現像の場合には、画像の白地となるべき部分にトナーが付着する地汚れと呼ばれる現象が発生し、反転現像の場合には、画像濃度が低下する。
したがって、画像形成装置の小型化と画像形成速度の高速化とを両立させるためには、感光体の応答性の向上が求められる。また、画像形成装置の長寿命化のためには、感光体の長寿命化が求められる。
感光体の応答性は、電荷輸送物質の電荷移動度に大きく依存することが知られている。そこで、電荷移動度の高い電荷輸送物質を感光体に使用して応答性を向上させることによって、感光体の小径化と電子写真プロセスの速度向上とを図り、画像形成装置の小型化と画像形成速度の高速化とを実現する技術が提案されている(白井正治,「レーザ露光用新規OPC技術”IR−ST”」,富士ゼロックステクニカルレポート,第11号,[online],1996年,富士ゼロックス株式会社,[平成14年12月6日検索],インターネット<URL:http://www.fujixerox.co.jp/company/tr/tr96/Masaharu_Shirai/M_Shi101.html>(非特許文献1)参照)。
また、特定の電荷移動度を有する電荷輸送層を備えた感光体を用いることによって、画像形成装置の小型化と画像形成速度の高速化とを実現する技術が提案されている(例えば、特開平8−62862号公報(特許文献5)参照)。
特許第3657138号公報 特許第2707341号公報 特許第2790380号公報 特開2005-115351号公報 特開平8−62862号公報
白井正治,「レーザ露光用新規OPC技術"IR−ST"」,富士ゼロックステクニカルレポート,第11号,[online],1996年,富士ゼロックス株式会社,[平成14年12月6日検索],インターネット<URL:http://www.fujixerox.co.jp/company/tr/tr96/Masaharu_Shirai/M_Shi101.html>
本発明は、感光体製造プロセスにおける環境負荷の低減、生産安定性の向上を目指し、環境依存による感度の変動が少なく、低温低湿環境下においても高い応答性を示し、小型で画像形成速度が速く、低温低湿などの環境下においても高品質の画像を提供することのできる信頼性の高い電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、
ブロックイソシアネート化合物と、その化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上含有する樹脂を、主溶剤が水である水性媒体に溶解または分散させた感光体の中間層用塗工液が、従来の感光体製造プロセスよりも環境負荷が小さく、かつ生産においても液物性の経時安定性が優れていること、
上記の中間層用塗工液から熱硬化を経て形成された中間層が、湿度による体積抵抗の変化が小さいため、環境の変動による感度変化が小さく安定性に優れていること、
分子構造の対称性を崩した特定のエナミン構造を有する化合物が、成膜時に部分的な結晶化などの弊害を起こすことがなく、電荷輸送物質として電荷移動度が高く、高感度で、充分な光応答性を示し、また耐久性に優れること、および
上記の中間層と、上記の特定のエナミン構造を有する化合物を含有する電荷輸送層を備えた感光体が、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、導電性支持体と感光層との間に中間層を備えてなり、
前記中間層が、ブロックイソシアネート化合物と、前記ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する樹脂と、水性媒体とを含む中間層用塗工液から熱硬化を経て形成された層であり、
前記感光層が、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層、または電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順もしくは逆順で積層された積層型感光層であり、かつ
前記電荷輸送物質が、一般式(1):
(式中、
Ar1およびAr2は、同一または異なって、置換基を有してもよいアリール基または1価の複素環基であり;
Ar3およびAr6は、同一または異なって、置換基を有してもよいアリレン基または2価の複素環基であり、
Ar4およびAr5は、同一または異なって、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアラルキル基であり、但し、Ar4およびAr5が共に水素原子になることはなく、Ar4およびAr5は、それらが結合している炭素原子と一緒になって原子または原子団を含む環構造を形成してもよく;
1は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基であり;
2、R3およびR4は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアラルキル基であり;
nは、0〜3の整数であり、nが2または3のとき、複数のR2およびR3は同一でも異なっていてもよく、nが0のとき、Ar3は置換基を有してもよい複素環基である)
で示されるエナミン化合物であることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、上記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段と、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段と、前記電子写真感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段を少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
すなわち、本発明によれば、中間層用塗工液の溶剤として水性媒体を用いることにより、製造過程におけるVOCによる大気汚染の問題がなくなるだけでなく、従来使用されている石油系溶剤のようなCO2排出の問題がないため、地球温暖化の防止にも寄与し、さらに火災の危険性がないため、製造システムを簡略化でき、製造コストを低減することができる。
本発明によれば、環境依存による感度の変動が少なく、低温低湿環境下においても高い応答性を示し、小型で画像形成速度が速く、低温低湿などの環境下においても高品質の画像を提供することのできる信頼性の高い電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置を提供することができる。また、本発明によれば、感光体製造プロセスにおける環境負荷の低減、生産安定性の向上を図ることができる。
中間層用塗工液の溶剤として水性媒体を用いる場合には、水に親和性の高い樹脂を使用しなければならず、このような中間層用塗工液を用いて形成された中間層を有する感光体は耐湿特性に劣る。しかし、本発明では、樹脂をイソシアネート化合物と熱硬化反応させ、樹脂における親水性の官能基を減少させ、かつ硬化膜として塗膜を緻密化させるので、感光体の耐湿性が改善され、優れた環境安定性を得ることができる。
イソシアネート化合物のイソシアネート基は水と容易に反応する。しかし、本発明では、水中でも安定な保護基でイソシアネート基を保護したブロックイソシアネート化合物を用いるので、従来の有機溶剤系の塗工液と同等以上のポットライフを実現することができる。
また、水酸基やアミド基などのイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する樹脂を用いることにより、イソシアネート化合物と容易に熱硬化反応させることができる。
さらに、本発明では、イソシアネート基が、樹脂中の活性水素含有基に対して0.5以上1.5以下のモル比でブロックイソシアネート化合物中に存在することにより、緻密な硬化膜を形成することができ、感光体として優れた環境特性を実現することができる。
本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。 本発明の例示化合物No.28の1H−NMRスペクトルを示す線図である(製造例1−3)。 本発明の例示化合物No.28の通常測定による13C−NMRスペクトルを示す線図である(製造例1−3)。 図6の110〜150ppmの拡大図である。 本発明の例示化合物No.28のDEPT135測定による13C−NMRスペクトルを示す線図である(製造例1−3)。 図8の110〜150ppmの拡大図である。
本発明の感光体は、導電性支持体と感光層との間に中間層を備えてなり、前記中間層が、ブロックイソシアネート化合物と、前記ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する樹脂と、水性媒体とを含む中間層用塗工液から熱硬化を経て形成された層であり、前記感光層が、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層、または電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順もしくは逆順で積層された積層型感光層であり、かつ
前記電荷輸送物質が、一般式(1)で示されるエナミン化合物であることを特徴とする。
本発明の特徴である中間層用塗工液および電荷輸送物質について説明する。
[中間層用塗工液]
本発明の感光体の中間層用塗工液は、ブロックイソシアネート化合物と、前記ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する樹脂と、水性媒体とを含む。
水性媒体を水とすることにより、製造過程におけるVOCによる大気汚染をなくすことができ、従来使用していた石油系溶剤のようなCO2の排出には関係なく、地地球温暖化の防止にも寄与することができる。また、火災の危険性がなく、製造システムを簡略化でき、製造コストを低減できる。
また、中間層を、バインダー樹脂としてイソシアネート化合物とこれに反応するポリオールやポリアミドのような活性水素含有基を有する樹脂による硬化膜とすることにより、親水性の官能基を減少させ、かつ硬化膜を緻密化できるので、耐湿性も改善され、感光体として優れた環境安定性が得られる。さらにイソシアネート化合物は水と容易に反応してしまうが、水中でも安定な保護基がついたブロックイソシアネート化合物を用いることにより、塗工液のポットライフも十分に長くすることができる。よって、水を溶媒としても、長期間安定な塗工液を調製でき、かつ優れた耐湿性を有する中間層も形成できる。
(ブロックイソシアネート化合物および樹脂)
ブロックイソシアネート化合物は、水に溶解あるいは分散可能な水性イソシアネート化合物のイソシアネート基が、例えばオキシムなどのブロック剤で保護された化合物で、加熱により水酸基やアミド基などのイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を有する樹脂と付加反応を開始し、ブロック剤が外れて架橋反応が進む。すなわち、ブロックイソシアネート化合物は、樹脂の架橋剤となる。
水性イソシアネート化合物は、一分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを、ポリエチレンオキサイド、カルボキシル基またはスルホン酸基等の各種親水性基によって変性して溶解あるいは自己乳化型にした形態、または界面活性剤などによって強制乳化して水分散可能にした形態の化合物である。
上記有機ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート;および前記イソシアネートのビウレット変成体、ウレトジオン変成体、カルボジイミド変成体、イソシアヌレート変成体およびウレトンイミン変成体などが挙げられる。これらの有機ポリイソシアネートは1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
これらの有機ポリイソシアネートの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートベースの有機ポリイソシアネートは、水との親和性を持たせやすく、そのため水への溶解・分散が容易で、また架橋密度を高めることも容易なことから特に好ましい。
また、有機ポリイソシアネートから誘導される種々のプレポリマー類など、さらには、これらの有機ポリイソシアネート中のイソシアネート基をブロック化するブロック剤としては、酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドなどの酸アミド系化合物;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド系化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物;尿素、チオ尿素、エチレン尿素などの尿素系化合物;ホルムアミドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;ジフェニルアニリン、アニリン、カルバゾール、エチレンイミン、ポリエチレンイミンなどのアミン系化合物が挙げられ、これらのブロック剤は1種を単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
これらのブロック剤の中でも、汎用性、製造の簡易さ、作業性の点から、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系化合物およびε−カプロラクタムなどのラクタム系化合物は特に好ましい。
また、イソシアネート基は水とも容易に反応するため、塗膜中の水が揮発した後にブロック剤の解離が起こるように、解離温度が110℃以上のブロック剤を使用することが好ましい。
したがって、ブロックイソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートをオキシム系またはラクタム系のブロック剤でブロック化した構造を有するものが好ましい。
ブロックイソシアネート化合物としては、例えば、
住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールBL5140、BL5235およびVPLS2310;
三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB−700WB−820およびWB−920;
日本ポリウレタン工業株式会社製、開発品名:BWD−102
旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1238、X1248およびX1258
などが挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する樹脂における活性水素含有基は、イソシアネート基と高収率で反応可能な水酸基またはアミド基であるのが好ましい。
すなわち、硬化剤であるブロックイソシアネートと架橋構造を形成するために2つ以上の水酸基またはアミド基を有する(1つの官能基しか有さない場合には架橋構造とはならず、高分子量となる)ポリオール樹脂やポリアミド樹脂が好適である。また、これらポリオール樹脂やポリアミド樹脂の構造を制御することにより、良好に水に分散および溶解させることができ、さらにこれらの樹脂は基板との接着性が高く感光体とした時の基板との接触不良による画像欠陥も効果的に防止できる。
これらポリオール樹脂やポリアミド樹脂としては、例えば、
日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD−457およびAQD−473、旭硝子株式会社製、製品名:エクセノール420および720、三洋化成工業株式会社製、製品名:サンニックスGP−400、GP−700およびSP−750などのポリエーテルポリオール系樹脂;
日立化成工業株式会社製、製品名:フタルキッドW2343、DIC株式会社製、製品名:ウォーターゾールS−118、CD−520およびBCD−3040、ハリマ化成株式会社製、製品名:ハリディップWH−1188などのポリエステルポリオール系樹脂;
DIC株式会社製、製品名:バーノックWE−300、WE−304およびWE−306、亜細亜工業株式会社製、製品名:WAP−473−FDおよびWAP−548などのポリアクリルポリオール系樹脂;
株式会社クラレ製、製品名:クラレポバールPVA−203およびPVA−205などのポリビニルアルコール変性体のようなポリビニルアルコール系樹脂;
積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックK KW−1およびKW−3などのポリビニルアセタール系樹脂;
信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH−50および65SH−400などの水溶性セルロースエーテルのようなセルロース;
ナガセケムテックス株式会社製、製品名:トレジンFS−350およびFS−500などの水溶性ナイロン(ポリアミド化合物系樹脂)
などが挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して0.5以上1.5以下のモル比でブロックイソシアネート化合物中に存在するのが好ましい。そのモル比は、好ましくは0.5以上1.2以下、より好ましくは0.6以上1.1以下である。
このモル比(H/B)が0.5未満の場合または1.5を超える場合には、未反応の官能基が多く残存して、架橋密度が低くなり、形成された中間層を有する感光体の環境安定性が低下するおそれがある。
(無機酸化物微粒子)
本発明の中間層用塗工液は、無機酸化物微粒子を含んでいるのが好ましい。
無機酸化物微粒子は、感光体としたときの中間層の体積抵抗値を調節し、導電性支持体から感光層へのキャリアの注入を防止すると共に、各種環境下での感光体の電気特性を維持する機能を有する。
無機酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ケイ素、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウムなどが挙げられ、これらの中でも酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウムが好ましく、酸化チタンおよび酸化亜鉛が特に好ましい。
無機酸化物微粒子(P)は、バインダー樹脂(架橋剤としてのブロックイソシアネート化合物+樹脂)(R)との重量比率P/Rが5/5〜9/1の範囲で含有するのが好ましい。
重量比率P/Rが5/5未満の場合には、中間層の特性が結着樹脂の特性に左右され、特に温湿度の変化および繰り返し使用で感光体特性が大きく変化してしまうことがある。また、重量比率P/R比が9/1を越える場合には、無機酸化物微粒子の分散性が低下し、凝集体が生じる可能性が高くなると共に、導電性支持体との接着性が低下するため、黒ポチなどの画像欠陥が発生してしまうことがある。
本発明の中間層用塗工液は、消泡剤をさらに含んでいてもよい。
消泡剤は、中間層用塗工液にごく微量添加することによって泡を抑えることを目的としている。
本発明の中間層用塗工液のように溶剤として水を使用し、また特に水溶性の樹脂を添加する場合には、調製時の分散や攪拌により発泡して分散や攪拌効率を低下させるだけでなく、塗布時に発泡して塗膜欠陥を引き起こすことがある。消泡剤はこれらの問題を抑制する。
消泡剤としては、例えば、シリコーン系、界面活性剤系、ポリエーテル系、高級アルコール系、エマルション系、オイルコンパウンド系などが挙げられる。これらの中でも、破泡性の強いシリカ粉を含有しているオイルコンパウンド系が特に好ましい。
消泡剤としては、例えば、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー444、470、485、PC(ポリエーテル系)、SNデフォーマー1311、1316(シリコーン系)、SNデフォーマー777、328、480、Hー2(オイルコンパウンド系)、日硝産業株式会社製、製品名:TSA750(オイルコンパウンド系)、TSA770(エマルション系)、東レ・ダウコーニング株式会社製:製品名:DK Q1−1247のようなシリコーン・エマルションなどが挙げられる。
消泡剤は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)1重量部に対して0.05〜0.0005重量部であるのが好ましい。
消泡剤が0.05重量部を超える場合、感光体の電気特性を悪化させるおそれがあり、0.0005重量部未満の場合、有効な破泡効果が得られないおそれがある。
本発明の中間層用塗工液は、本発明の効果を阻害しない範囲で、粘弾性調整剤、防腐剤、硬化触媒などの添加剤を含んでいてもよい。
粘弾性調整剤としては、例えば、サンノプコ株式会社製、製品名:SNシックナー601、A816(ポリエーテル系)、SNシックナー607(ウレタン変性ポリエーテル系)、SNシックナー617(変性ポリアクリル酸系)、信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH−4000のような水溶性セルロースエーテルなどが挙げられる。
防腐剤としては、例えば、サンノプコ株式会社製、製品名:ノプコサイドSN−135Wのような有機窒素硫黄系化合物などが挙げられる。
硬化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン系化合物;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物が挙げられる。
また、本発明の中間層用塗工液は、導電性を調節するために電子輸送物質を含んでいてもよい。
電子輸送物質としては、例えば、ペリレン系色素類、ジフェノキノンやナフトキノンの誘導体などのキノン類、テトラシアノエチレンやテレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノンやアリザリンなどのアントラキノン類が挙げられる。
本発明の中間層用塗工液は、ブロックイソシアネート化合物、イソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する樹脂および任意の添加剤を、水性媒体に溶解または分散させることにより調製することができる。
水性媒体は、水、水と低級アルコールなどの親水性有機溶剤との混合媒体を意味するが、本発明においては水のみが好ましい。
中間層用塗工液の構成成分、特に無機酸化物微粒子を水に分散させるために、ペイントシェーカ、ボールミル、サンドミルなどの一般的な分散機、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などの一般的な粉砕機を用いてもよい。
また、この分散を安定させるために中間層用塗工液に分散安定剤を添加してもよい。
分散安定剤としては、例えば、株式会社三洋化成製、製品名:キャリボンL−400、エレスタットAP−130、サンスパールPS−8、PDN−173、イオネットS−85およびニューポールPE−61、サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40、ノブコサントRFA、SNディスパーサント2060、5020、5029、5468、7347CおよびSNウェットP、日信化学工業株式会社製、製品名:サーフィノール104EおよびオルフィンPD−003、花王株式会社製、製品名:ポイズ520、530、ホモゲノールL 100、第一工業製薬株式会社製、シャロールAN−103P、AH−144P、ディスコートN−14、東邦化学工業株式会社製、製品名:ディブロジンA−100、ネオスコープ30などが挙げられる。
[電荷輸送物質]
本発明の電荷輸送物質としての、分子構造の対称性を崩した特定のエナミン化合物は、一般式(1):
(式中、
Ar1およびAr2は、同一または異なって、置換基を有してもよいアリール基または1価の複素環基であり;
Ar3およびAr6は、同一または異なって、置換基を有してもよいアリレン基または2価の複素環基であり、
Ar4およびAr5は、同一または異なって、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアラルキル基であり、但し、Ar4およびAr5が共に水素原子になることはなく、Ar4およびAr5は、それらが結合している炭素原子と一緒になって原子または原子団を含む環構造を形成してもよく;
1は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基であり;
2、R3およびR4は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアラルキル基であり;
nは、0〜3の整数であり、nが2または3のとき、複数のR2およびR3は同一でも異なっていてもよく、nが0のとき、Ar3は置換基を有してもよい複素環基である)
で示される。
一般式(1)のエナミン化合物は、特に高い電荷移動度を有し、容易に製造できることから、副式(2):
(式中、
a、bおよびdは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基またはアリール基であり;
jおよびlは、同一または異なって、1〜5の整数であり、mは、1〜6の整数であり、i、kまたはjが2以上のとき、対応する複数のa、bまたはdはそれぞれ同一でも異なってもよくかつそれらに結合する原子または原子団を介して互いに結合して環構造を形成してもよく;
Ar3、Ar4およびAr5は、一般式(1)と同義である)
で示されるエナミン化合物が特に好ましい。
一般式(1)および副式(2)の置換基および係数について説明する。
Ar1およびAr2の置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよいアリール基が挙げられる。具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、メチルメトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ナフチル基、メトキシナフチル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
Ar1およびAr2の置換基を有してもよい複素環基としては、フリル基、チエニル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基およびN−メチルインドリル基などが挙げられる。
Ar3およびAr6の置換基を有してもよいアリレン基としては、p−フェニレン基、m−フェニレン基、メチル−p−フェニレン基、メトキシ−p−フェニレン基、α−ナフチレン基、β−ナフチレン基、ピレニレン基、ビフェニレン基、フェノキシフェニレン基およびフェニルチオフェニレン基などが挙げられる。
Ar3およびAr6の置換基を有してもよい2価複素環基としては、1,4−フリル基、1,4−チエニル基、1,4−チアゾリル基、2,5−ベンゾフリル基、2,5−ベンゾチオフェニル基、2,5−N−メチルインドリル基、2,5−ベンゾチアゾリル基、2,5−、ベンゾオキサゾリル基、3,6−N−エチルカルバゾリル基などが挙げられる。
Ar4およびAr5の置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、フルオロメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−チエニルメチル基などが挙げられる。
Ar4およびAr5の置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、ビフェニリル基、フェノキシフェニル基、p−(フェニルチオ)フェニル基、p−スチリルフェニル基などが挙げられる。
Ar4およびAr5の置換基を有してもよい1価の複素環基としては、フリル基、チエニル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、N−メチルインドリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、N−エチルカルバゾリル基などが挙げられる。
Ar4およびAr5の置換基を有してもよいアラルキル基としては、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、1−ナフチルメチル基などが挙げられる。
Ar4とAr5とを結合する原子としては、酸素原子および硫黄原子などが挙げられる。Ar4とAr5とが形成する原子団としては、アルキル基を有する窒素原子などの2価の原子団、ならびにメチレン、エチレンおよびメチルメチレンなどのアルキレン基、ビニレンおよびプロペニレンなどの不飽和アルキレン基、オキシメチレン(化学式:−O−CH2−)などのヘテロ原子を含むアルキレン基、チオビニレン(化学式:−S−CH=CH−)などのヘテロ原子を含む不飽和アルキレン基などの2価基などが挙げられる。
1のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
1の置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
2、R3およびR4の置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、2−チエニルメチル基などが挙げられる。
2、R3およびR4の置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
2、R3およびR4の置換基を有してもよい1価の複素環基としては、フリル基、チエニル基、チアゾリル基などが挙げられる。
2、R3およびR4の置換基を有してもよいアラルキル基としては、ベンジル基、p−メトキシベンジル基などが挙げられる。
a、bおよびdのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
a、bおよびdの置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、フルオロメチル基、1−メトキシエチル基などが挙げられる。
a、bおよびdの置換基を有してもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基などが挙げられる。
a、bおよびdの置換基を有してもよいジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基などが挙げられる。
a、bおよびdの置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチルなどが挙げられる。
一般式(1)で示される分子構造の対称性を崩したエナミン化合物は、成膜時に部分的な結晶化などの弊害を起こすことがなく、電荷移動度が高く、高感度で、充分な光応答性を示し、また耐久性に優れるので、このようなエナミン化合物を電荷輸送物質として含有した感光層を備えた感光体は、低温低湿環境下においても高い応答性を示し、耐摩耗性にも優れる。したがって、電子写真感光体を小型化し、高速の電子写真プロセスに用いた場合であっても、低温低湿環境下などの各種の環境下において高品質の画像を長期にわたって安定に提供することができる。
一般式(1)で示されるエナミン化合物の中でも、特性、原価および生産性などの観点から、Ar1およびAr2がフェニル基であり;Ar3がα−ナフチル基であり;Ar6がp−フェニレン基、メチル−p−フェニレン基、メトキシ−p−フェニレン基、1,4−ビフェニレン基または1,4−チエニル基であり;Ar4およびAr5の少なくともいずれか一方がフェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基、チエニル基またはチアゾリル基であり;R1,R2,R3およびR4が共に水素原子であり;nが1である化合物が特に好ましい。
一般式(1)で示されるエナミン系化合物の具体例(例示化合物1〜80)を表1−1〜1−16に示すが、本発明のエナミン系化合物はこれらの具体例により限定されるものではない。
これらの化合物の中でも、例示化合物1、5、28、30、36、46、60、61および72が特に好ましい。
なお、表1における置換基は、一般式(1)の置換基に対応する。
但し、Ar3およびAr6はそれらが結合する窒素原子と共に、R2およびR3はそれらが結合する炭素原子と共に示す。また、Ar4およびAr5が互いに結合して環構造を形成する場合には、Ar4からAr5の欄に渡って、Ar4およびAr5が結合する炭素−炭素二重結合の炭素原子と共にAr4およびAr5が形成する環構造を示す。
例えば、例示化合物28は、下式で示される。
一般式(1)で示されるエナミン化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、下記一般式(3)で示されるアルデヒド化合物またはケトン化合物と、下記一般式(4)で示される2級アミン化合物との脱水縮合反応により、下記一般式(5)で示されるエナミン中間体を得る。
(式中、Ar1、Ar2およびR1は、一般式(1)と同義である)
(式中、Ar3およびAr6は、一般式(1)と同義である)
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar6およびR1は、一般式(1)と同義である)
脱水縮合反応は、具体的には、略等モル量の一般式(3)で示されるアルデヒド化合物またはケトン化合物と、一般式(4)で示される2級アミン化合物とを溶剤に溶解させ、得られた溶液に酸触媒を加え、加熱下で反応させる。
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族系溶剤、ブタノールなどのアルコール類、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類などが挙げられる。
触媒としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ピリジニュウム−p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
触媒の添加量は、一般式(3)で示されるアルデヒド化合物またはケトン化合物に対して、10分の1(1/10)〜1000分の1(1/1000)モル当量、好ましくは25分の1(1/25)〜500分の1(1/500)モル当量、より好ましくは50分の1(1/50)〜200分の1(1/200)モル当量である。
脱水縮合反応において水が副成して反応を妨げるので、生成した水を溶剤と共沸させ系外に取り除くのが好ましい。これにより、一般式(5)で示されるエナミン中間体を高収率で得ることができる。
次いで、一般式(5)で示されるエナミン中間体に対して、ビルスマイヤー反応によるビスフォルミル化またはフリーデル−クラフト反応によるビスアシル化により、下記一般式(6)で示されるエナミン−ビスカルボニル中間体を得る。
ビルスマイヤー反応によるフォルミル化では、一般式(6)で示されるエナミン−ビスカルボニル中間体のうち、R5が水素原子であるエナミン−アルデヒド中間体を得ることができる。
また、フリーデル−クラフト反応によるアシル化では、一般式(6)で示されるエナミン−カルボニル中間体のうち、R5が水素原子以外の基であるエナミン−ビスケト中間体を得ることができる。
(式中、R5は、一般式(1)においてnが0のときR4を示し、nが1、2または3のときR2を示し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar6およびR1は、一般式(1)と同義である)
ビルスマイヤー反応は、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド(略称:DMF)または1,2−ジクロロエタンなどの溶剤中に、オキシ塩化リンとN,N−ジメチルホルムアミド、オキシ塩化リンとN−メチル−N−フェニルホルムアミド、またはオキシ塩化リンとN,N−ジフェニルホルムアミドとを加え、ビルスマイヤー試薬を調製する。
次いで、調製したビルスマイヤー試薬2.0当量〜2.3当量に、一般式(5)で示されるエナミン中間体1.0当量を加え、60〜110℃の加熱下で、2〜8時間撹拌する。その後、1〜8規定の水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液で加水分解を行い、一般式(6)で示されるエナミン−ビスカルボニル中間体のうち、R2が水素原子であるエナミン−アルデヒド中間体を高収率で得る。
また、フリーデル−クラフト反応は、具体的には、1,2−ジクロロエタンなどの溶剤中に、塩化アルミニウムと酸塩化物とによって調製した試薬2.0当量〜2.3当量と、一般式(5)で示されるエナミン中間体1.0当量とを加え、−40〜80℃で、2〜8時間撹拌し、場合によっては加熱する。その後、1〜8規定の水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液で加水分解を行い、一般式(6)で示されるエナミン−ビスカルボニル中間体のうち、R2が水素原子以外の基であるエナミン−ビスケト中間体を高収率で得る。
最後に、一般式(6)で示されるエナミン−ビスカルボニル中間体と下記一般式(7)で示されるウィッティッヒ試薬(Wittig試薬)とを塩基性条件下で反応させるウィッティッヒ−ホルナー(Wittig−Horner)反応により、本発明の有機光導電性材料(電荷輸送物質)である一般式(1)で示されるエナミン化合物を得る。
このとき、下記一般式(7−1)で示されるウィッティッヒ試薬を用いると、一般式(1)で示されるエナミン化合物のうち、nが0である化合物を得ることができ、下記一般式(7−2)で示されるウィッティッヒ試薬を用いると、一般式(1)で示されるエナミン化合物のうち、nが1、2または3である化合物を得ることができる。
(式中、R6は、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基であり、Ar4およびAr5は、一般式(1)と同義である)
ここで、R6の置換基を有してもよいアルキル基および置換基を有してもよいアリール基は、例えば、一般式(1)のAr4およびAr5に例示のものが挙げられる。
(式中、R6は、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基であり、nは1〜3の整数であり、Ar4、Ar5、R2、R3およびR4は、一般式(1)と同義である)
ここで、R6の置換基を有してもよいアルキル基および置換基を有してもよいアリール基は、例えば、一般式(1)のAr4およびAr5に例示のものが挙げられる。
ウィッティッヒ−ホルナー反応は、具体的には、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(略称:THF)、エチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドなどの溶剤中に、一般式(6)で示されるエナミン−カルボニル中間体1.0当量と、一般式(7−1)または(7−2)で示されるウィッティッヒ試薬2.0〜2.30当量と、カリウムt−ブトキサイド、ナトリウムエトキサイドまたはナトリウムメトキサイドなどの金属アルコキシド塩基2.0〜2.5当量とを加え、室温または30〜60℃の加熱下で、2〜8時間撹拌する。これにより、一般式(1)で示される分子構造の対称性を崩したエナミン化合物を高収率で得る。
次に本発明の感光体について図面を用いて具体的に説明する。
図1〜3は、本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1は、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層(「機能分離型感光層」ともいう)である積層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図2は、感光層が電荷輸送層と電荷発生層とがこの順で積層された逆二層型の積層型感光層である積層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図3は、感光層が一層からなる単層型感光層である単層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1および2の積層型感光層はいずれであってもよいが、図1の積層型感光層が好ましい。
図1の感光体は、導電性支持体1の表面に、中間層2と、電荷発生物質を含有する電荷発生層3と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層4とがこの順で積層された積層型感光層5がこの順で形成されている。
図2の感光体は、導電性支持体1の表面に、中間層2と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層4と電荷発生物質を含有する電荷発生層3とがこの順で積層された逆二層型の積層型感光層5がこの順で形成されている。図1および2の積層型感光層はいずれであってもよいが、図1の積層型感光層が好ましい
図3の感光体は、導電性支持体1の表面に、中間層2と、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層5’が形成されている。
[導電性支持体1]
導電性支持体は、感光体の電極としての役割を果たすとともに、他の各層の支持部材としても機能する。
導電性支持体の構成材料は、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属および合金材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、セルロース、ポリ乳酸などの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる基体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料または合金材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム、カーボンブラックなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性支持体の形状としては、シート状、円筒状、円柱状、無端ベルト(シームレスベルト)状などが挙げられる。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
乱反射処理は、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスにおいて本発明による感光体を用いる場合に特に有効である。すなわち、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体の表面で反射されたレーザ光と感光体の内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像に現れて画像欠陥の発生することがある。そこで、導電性支持体の表面に乱反射処理を施すことにより、波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
[中間層2]
中間層は、導電性支持体から単層型感光層または積層型感光層への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、単層型感光層または積層型感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
また、導電性支持体の表面を被覆する中間層は、導電性支持体の表面の欠陥である凹凸の度合を軽減して表面を均一化し、単層型感光層または積層型感光層の成膜性を高め、導電性支持体と単層型感光層または積層型感光層との密着性(接着性)を向上させることができる。
中間層は、前述の中間層用塗工液を導電性支持体上に塗布し、硬化させることにより得られる。
中間層用塗工液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、カーテンコーティング法などが挙げられる。これらの塗布方法のうち、塗工液の物性や生産性などを考慮して最適な方法を選択すればよく、浸漬コーティング法、ブレードコーティング法やスプレーコーティング法が特に好ましい。
塗膜の硬化は、ブロックイソシアネート化合物のブロック剤が外れて、ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する樹脂がイソシアネート化合物と付加反応を開始し、樹脂が架橋すればよく、熱硬化が好ましい。
熱硬化は、熱風乾燥炉および遠赤外線乾燥炉などの公知の装置を用いて行うことができ、その条件は、用いるブロックイソシアネート化合物や樹脂の種類、配合割合などにより適宜設定すればよく、通常、温度110〜150℃、好ましくは130〜150℃で、時間10分間〜1時間程度である。
中間層の膜厚の膜厚は特に限定されないが、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜10μmが特に好ましい。中間層の膜厚が0.1μm未満では、実質的に中間層として機能しなくなり、導電性支持体の欠陥を被覆して均一な表面性が得られず、導電性支持体からのキャリアの注入を防止することができなくなり、帯電性の低下が生じるおそれがある。一方、中間層の膜厚が20μmを超えると、均一な塗膜が形成し難くなり、感光体の感度が低下するおそれがある。
本発明の感光体における中間層は、単層だけでなく、複数層であってもよい。
例えば、導電性の無機酸化物微粒子を含有する膜厚2〜20μmの第1中間層(導電層)と無機酸化物微粒子を含有しない膜厚0.2〜1μmの第2中間層(絶縁層)との組み合わせ、無機酸化物微粒子を含有しない膜厚0.2〜1μmの第1中間層(絶縁層またはブロックング層)と電性の無機酸化物微粒子を含有する膜厚3〜10μmの第2中間層(モアレ防止層)と組み合わせなどが挙げられる。
[積層型感光層5]
積層型感光層5は、電荷発生層3と電荷輸送層4とからなる。このように電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の層に担わせることにより、各層を構成する最適な材料を独立して選択することができる。
以下の説明では、電荷発生層と電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層(図1)について説明するが、逆二層型の積層型感光層(図2)の場合には積層順が異なるだけで基本的に同様である。
[電荷発生層3]
電荷発生層は、照射された光を吸収することにより電荷を発生する電荷発生能を有する電荷発生物質を主成分とし、任意に公知の添加剤およびバインダ樹脂(結合剤)を含有する。
電荷発生物質としては、当該分野で用いられる化合物を使用できる。
具体的には、アゾ系顔料(カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有する、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料など)、ペリレン系顔料(ペリレンイミド、ペリレン酸無水物など)、多環キノン系顔料(キナクリドン、アントラキノン、ピレンキノンなど)、フタロシアニン系顔料(金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなど)、インジゴ系顔料(インジゴ、チオインジゴなど)、スクアリリウム色素、アズレニウム色素、チオピリリウム色素、ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機顔料または染料、さらにセレン、非晶質シリコンなどの無機材料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は1種を単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
これらの電荷発生物質の中でも、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ぺリレン系顔料は高感度を有することから特に好ましい。
電荷発生層は、本発明の好ましい特性が損なわれない範囲内で、化学増感剤、光学増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散安定剤、増感剤、レベリング剤、可塑剤、無機化合物もしくは有機化合物の微粒子などから選ばれる1種または2種以上の公知の添加剤を適量含有していてもよい。これらの添加剤は、後述する電荷輸送層に含有されてもよく、電荷発生層および電荷輸送層の両方に含有されてもよい
化学増感剤および光学増感剤は、感光体の感度を向上させ、繰返し使用による残留電位の上昇および疲労などを抑え、電気的耐久性を向上させる。
化学増感剤としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環もしくは複素環ニトロ化合物;ジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料およびこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどが挙げられる。
光学増感剤としては、例えばキサンテン系色素、キノリン系顔料、銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料;エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料;メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料;カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料;シアニン染料;スチリル染料;ピリリウム塩染料およびチオピリリウム塩染料などが挙げられる。
酸化防止剤は、長期にわたって感度安定性を維持させることができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のようなヒンダードフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミンなどのアミン系酸化防止剤、ビタミンE、ハイドロキノン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄系化合物、有機燐系化合物などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の添加量は、電荷発生物質100重量部に対して0.1〜40重量部が好ましく、0.5〜15重量部が特に好ましい。
酸化防止剤の添加量が0.1重量部未満であると、塗布液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に充分な効果が得られないおそれがある。また、酸化防止剤の添加量が40重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
レベリング剤および可塑剤は、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させることができる。
レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
無機化合物または有機化合物の微粒子は、機械的強度を増強し、電気特性を向上させることができる。このような微粒子としては、例えば、後述する中間層において例示する微粒子が挙げられる。
電荷発生層は、公知の乾式法および湿式法により形成することができる。
乾式法としては、例えば、電荷発生物質を導電性支持体の表面に真空蒸着する方法が挙げられる。
湿式法としては、例えば、電荷発生物質、必要に応じて添加剤およびバインダー樹脂を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基上に形成された中間層表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去する方法が挙げられる。
バインダ樹脂は、電荷発生層の機械的強度や耐久性、層間の結着性などを向上させることができ、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂を使用できる。
具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂;フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマールなどの熱硬化性樹脂、これらの樹脂の部分架橋物、これらの樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂)などが挙げられる。これらのバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
電荷発生物質とバインダ樹脂との配合比は特に限定されないが、通常、電荷発生物質が10〜99重量%程度である。
電荷発生物質が10重量%未満であると、感光体の感度が低下するおそれがある。
一方、電荷発生物質が99重量%を超えると、電荷発生層の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大することがある。そのため、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなるおそれがある。
有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロプロパンなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジベンジルエーテル、ジメトキシメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類;安息香酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジフェニルスルフィドなどの含イオウ溶剤;ヘキサフロオロイソプロパノールなどのフッ素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられ、これらは単独または混合溶剤として使用できる。また、このような溶剤に、アルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンを加えた混合溶剤を使用することもできる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶媒が好適に用いられる。
構成物質を樹脂溶液に溶解または分散させるに先立ち、電荷発生物質を予備粉砕してもよい。
予備粉砕は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などの一般的な粉砕機を用いて行うことができる。
構成物質の樹脂溶液への溶解または分散は、例えば、ペイントシェーカ、ボールミル、サンドミルなどの一般的な分散機を用いて行うことができる。このとき、容器および分散機を構成する部材から摩耗などによって不純物が発生し、塗布液中に混入しないように、分散条件を適宜設定するのが好ましい。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法は、シートの場合にはベーカーアプリケーター法、バーコーター法、キャスティング法、スピンコート法、ロール法、ブレード法など、ドラムの場合にはスプレー法、垂直リング法、浸漬塗工法などが挙げられる。
塗膜の乾燥工程における温度は、使用した有機溶剤を除去し得る温度であれば特に限定されないが、50〜140℃が適当であり、80〜130℃が特に好ましい。
乾燥温度が50℃未満では、乾燥時間が長くなることがある。また、乾燥温度が140℃を超えると、感光体の繰返し使用時の電気的特性が悪化して、得られる画像が劣化するおそれがある。
電荷発生層の膜厚は特に限定されないが、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。電荷発生層の膜厚が0.05μm未満では、光吸収の効率が低下し、感度が低下するおそれがあり、逆に電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層内部での電荷輸送が感光体表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感度が低下するおそれがある。
[電荷輸送層4]
電荷輸送層は、電荷発生物質で発生した電荷を受け入れ、それを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、バインダ樹脂(結合剤)とを主成分として含有する。
電荷輸送物質は、前述の一般式(1)で示される分子構造の対称性を崩した特定のエナミン化合物であり、例えば、表1−1〜1−16に示される例示化合物の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の効果を阻害しない範囲内で、公知の電荷輸送物質を併用してもよい。このような電荷輸送物質としては、一般式(1)に類似のエナミン化合物、その他のエナミン化合物、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン系化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合物、スチリル化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物およびスチルベン系化合物、ならびにこれらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有する重合体などの電子供与性物質などが挙げられる。
バインダ樹脂は、電荷発生層に含まれるものと同様のバインダ樹脂の1種または2種以上を使用できる。
これらの樹脂の中でも、ポリカーボネートを主成分とする樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリスチレン樹脂は、光化学的に安定で、電荷輸送物質との相溶性に優れ、さらに体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましい。
通常、電荷輸送物質(E)とバインダ樹脂(B)との重量比率E/Bは、10/12〜10/25、好ましくは10/16〜10/20である。
重量比率E/Bが10/25未満であると、電荷輸送物質に対するバインダ樹脂の相対量比が高くなり、十分な感度が得られないおそれがある。
一方、重量比率E/Bが10/12を超えると、電荷輸送層の耐刷性や感光体の耐久性が低下するおそれがある。
電荷輸送層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で必要に応じて、電荷発生層に含まれるものと同様の添加剤を適量含有していてもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質、バインダ樹脂および必要に応じて他の添加剤を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷輸送層形成用塗布液を調製し、この塗布液を電荷発生層の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去することによって形成できる。より具体的には、例えば、バインダ樹脂を有機溶剤に溶解してなる樹脂溶液に電荷輸送物質および必要に応じて他の添加剤を溶解または分散させることにより、電荷輸送層形成用塗布液を調製する。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
電荷輸送層の膜厚は特に限定されないが、10〜60μmが好ましく、10〜40μmが特に好ましい。電荷輸送層の膜厚が10μm未満であると、帯電保持能が低下するおそれがあり、逆に電荷輸送層の膜厚が60μmを超えると、鮮鋭性の低下や残留電位の上昇が発生し、著しく画像劣化が生じるおそれがある。
[単層型感光層5’]
単層型感光層は、電荷発生物質と、電荷輸送物質と、バインダ樹脂(結合剤)とを主成分として含有する。
単層型感光層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で必要に応じて、電荷発生層に含まれるものと同様の添加剤を適量含有していてもよい。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質および必要に応じて他の添加剤を適当な有機溶剤に溶解および/または分散して単層型感光層用塗工液を調製し、この塗工液を導電性支持体上に形成された中間層の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去することによって形成できる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
単層型感光層の膜厚特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、15〜50μmが特に好ましい。単層型感光層の膜厚が10μm未満であると、感光体表面の帯電保持能が低下するおそれがあり、単層型感光層の膜厚が100μmを超えると、生産性が低下するおそれがある。
[保護層(図示せず)]
本発明の感光体は、積層型感光層5および単層型感光層5’の表面に保護層(図示せず)を有していてもよい。
保護層は、感光層の摩耗性の改善やオゾン、窒素酸化物などによる化学的悪影響の防止の機能を有する。
保護層は、例えば、適当な有機溶剤にバインダ樹脂、必要に応じて酸化防止剤や紫外線吸収剤などの添加剤を溶解または分散させて保護層用塗工液を調製し、この保護層用塗工液を単層型感光層または積層型感光層の表面に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成できる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
保護層の膜厚は特に制限されないが、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmが特に好ましい。表面保護層5の膜厚が0.5μm未満では、感光体表面の耐擦過性が劣り、耐久性が不十分になるおそれがあり、逆に10μmを超えると、感光体の解像度が低下するおそれがある。
本発明の画像形成装置は、本発明の感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段と、前記感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段と、前記感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段を少なくとも備えたことを特徴とする。
図面を用いて本発明の画像形成装置について説明するが、以下の記載内容に限定されるものではない。
図4は、本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
図4の画像形成装置20は、本発明の感光体21(例えば、図1〜3の感光体のいずれか1つ)と、帯電手段(帯電器)24と、露光手段28と、現像手段(現像器)25と、転写手段(転写器)26と、クリーニング手段(クリーナ)27と、定着手段(定着器)31と、除電手段(図示せず、クリーニング手段27に併設される)を含んで構成される。図番30は転写紙を示す。
感光体21は、図示しない画像形成装置20本体に回転自在に支持され、図示しない駆動手段によって回転軸線22回りに矢符23方向に回転駆動される。駆動手段は、例えば電動機と減速歯車とを含んで構成され、その駆動力を感光体21の芯体を構成する導電性支持体に伝えることによって、感光体21を所定の周速度で回転駆動させる。帯電器24、露光手段28、現像器25、転写器26およびクリーナ27は、この順序で、感光体21の外周面に沿って、矢符23で示される感光体21の回転方向上流側から下流側に向って設けられる。
帯電器24は、感光体21の外周面を所定の電位に帯電させる帯電手段である。具体的には、例えば帯電器24は、接触式の帯電ローラ24aや帯電ブラシあるいはコロトロンやスコロトロンなどのチャージャーワイヤによって実現される。図番24bはバイアス電源を示す。
露光手段28は、例えば半導体レーザなどを光源として備え、光源から出力されるレーザビームなどの光28aを、感光体21の帯電器24と現像器25との間に照射することによって、帯電された感光体21の外周面に対して画像情報に応じた露光を施す。光28aは、主走査方向である感光体21の回転軸線22の延びる方向に繰返し走査され、これに伴って感光体21の表面に静電潜像が順次形成される。
現像器25は、露光によって感光体21の表面に形成される静電潜像を、現像剤によって現像する現像手段であり、感光体21を臨んで設けられ、感光体21の外周面にトナーを供給する現像ローラ25aと、現像ローラ25aを感光体21の回転軸線22と平行な回転軸線まわりに回転可能に支持すると共にその内部空間にトナーを含む現像剤を収容するケーシング25bとを備える。
転写器26は、現像によって感光体21の外周面に形成される可視像であるトナー像を、図示しない搬送手段によって矢符29方向から感光体21と転写器26との間に供給される記録媒体である転写紙30上に転写させる転写手段である。転写器26は、例えば、帯電手段を備え、転写紙30にトナーと逆極性の電荷を与えることによってトナー像を転写紙30上に転写させる非接触式の転写手段である。
クリーナ27は、転写器26による転写動作後に感光体21の外周面に残留するトナーを除去し回収する清掃手段であり、感光体21の外周面に残留するトナーを剥離させるクリーニングブレード27aと、クリーニングブレード27aによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシング27bとを備える。また、このクリーナ27は、図示しない除電ランプと共に設けられる。
また、画像形成装置20には、感光体21と転写器26との間を通過した転写紙30が搬送される下流側に、転写された画像を定着させる定着手段である定着器31が設けられる。定着器31は、図示しない加熱手段を有する加熱ローラ31aと、加熱ローラ31aに対向して設けられ、加熱ローラ31aに押圧されて当接部を形成する加圧ローラ31bとを備える。
この画像形成装置20による画像形成動作は、次のようにして行われる。まず、感光体21が駆動手段によって矢符23方向に回転駆動されると、露光手段28による光28aの結像点よりも感光体21の回転方向上流側に設けられる帯電器24によって、感光体21の表面が正または負の所定電位に均一に帯電される。
次いで、露光手段28から、感光体21の表面に対して画像情報に応じた光28aが照射される。感光体21は、この露光によって、光28aが照射された部分の表面電荷が除去され、光28aが照射された部分の表面電位と光28aが照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、静電潜像が形成される。
次いで、露光手段28による光28aの結像点よりも感光体21の回転方向下流側に設けられる現像器25から、静電潜像の形成された感光体21の表面にトナーが供給されて静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
感光体21に対する露光と同期して、感光体21と転写器26との間に、転写紙30が供給される。転写器26によって、供給された転写紙30にトナーと逆極性の電荷が与えられ、感光体21の表面に形成されたトナー像が、転写紙30上に転写される。
次いで、トナー像の転写された転写紙30は、搬送手段によって定着器31に搬送され、定着器31の加熱ローラ31aと加圧ローラ31bとの当接部を通過する際に加熱および加圧され、トナー像が転写紙30に定着されて堅牢な画像となる。このようにして画像が形成された転写紙30は、搬送手段によって画像形成装置20の外部へ排紙される。
一方、転写器26によるトナー像の転写後も感光体21の表面上に残留するトナーは、クリーナ27によって感光体21の表面から剥離されて回収される。このようにしてトナーが除去された感光体21の表面の電荷は、除電ランプからの光によって除去され、感光体21の表面上の静電潜像が消失する。その後、感光体21はさらに回転駆動され、再度帯電から始まる一連の動作が繰り返されて連続的に画像が形成される。
以下に製造例、比較製造例、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、これらの製造例および実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、製造例および比較製造例で得られた化合物の化学構造および純度を、以下の装置および条件により測定した。
(化学構造)
核磁気共鳴装置:NMR(ブルカー・バイオスピン社製、型式:DPX−200)
サンプル調整 約4mg試料/0.4m(CDCl3)
測定モード 1H(通常)、13C(通常、DPET−135)
(純度)
液体クロマトグラフィー−質量分析計:LC−MS(サーモフィッシャーサイエンスティフィック社製、フィネガン LCQ Deca マススペクトロメーターシステム)
LCカラム GL-Sciences Inertsil ODS-3 2.1×100mm
カラム温度 40℃
溶離液 メタノール:水=90:10
サンプル注入量 5μl
検出器 UV254nmおよびMS ESI
(製造例1)例示化合物No.28の製造
(製造例1−1)エナミン中間体の製造
トルエン100mlに、下記構造式(8)で示されるN−(p−トリル)−α−ナフチルアミン(N−フェニル−α−ナフチルアミン)21.9g(1.0当量)と、下記構造式(9)で示されるジフェニルアセトアルデヒド20.6g(1.05当量)と、DL−10−カンファースルホン酸0.23g(0.01当量)とを加えて加熱し、副生した水をトルエンと共沸させて系外に取り除きながら、6時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を10分の1(1/10)程度に濃縮し、激しく撹拌されているヘキサン100ml中に徐々に滴下し、結晶を生成させた。生成した結晶を濾別し、冷エタノールで洗浄することにより、淡黄色粉末状化合物34.9gを得た。
得られた化合物をLC−MSで分析した結果、下記構造式(10)で示されるエナミン中間体(分子量の計算値:397.18)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]+に相当するピークが398.4に観測されたことから、得られた化合物は下記構造式(10)で示されるエナミン中間体であることが判った(収率:88%)。また、LC−MSの分析結果から、得られたエナミン中間体の純度は99.1%であることが判った。
以上のように、2級アミン化合物である前記構造式(8)で示されるN−(p−トリル)−α−ナフチルアミンと、アルデヒド化合物である前記構造式(9)で示されるジフェニルアセトアルデヒドとの脱水縮合反応を行うことによって、前記構造式(10)で示されるエナミン中間体を得ることができた。
(製造例1−2)エナミン−ビスアルデヒド中間体の製造
無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100ml中に、氷冷下、オキシ塩化リン18.4g(2.4当量)を徐々に加え、約30分間攪拌し、ビルスマイヤー試薬を調製した。得られた溶液中に、氷冷下、製造例1−1で得られた前記構造式(10)で示されるエナミン中間体19.9g(1.0当量)を徐々に加えた。その後、徐々に加熱して反応温度を110℃まで上げ、110℃を保つように加熱しながら3時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を放冷し、冷却した4規定(4N)水酸化ナトリウム水溶液800ml中に徐々に加え、沈殿を生じさせた。生じた沈殿を濾別し、充分に水洗した後、エタノールと酢酸エチルとの混合溶剤で再結晶を行うことによって、黄色粉末状化合物19.2gを得た。
得られた化合物をLC−MSで分析した結果、下記構造式(11)で示されるエナミン−ビスアルデヒド中間体(分子量の計算値:453.17)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]+に相当するピークが454.1に観測されたことから、得られた化合物は下記構造式(11)で示されるエナミン−ビスアルデヒド中間体であることが判った(収率:85%)。また、LC−MSの分析結果から、得られたエナミン−ビスアルデヒド中間体の純度は99.2%であることが判った。
以上のように、前記構造式(10)で示されるエナミン中間体に対して、ビルスマイヤー(Vilsmeier)反応によるフォルミル化を行うことによって、前記構造式(11)で示されるエナミン−ビスアルデヒド中間体を得ることができた。
(製造例1−3)例示化合物No.28の製造
製造例1−2で得られた前記構造式(11)で示されるエナミン−ビスアルデヒド中間体9.08g(1.0当量)と、下記構造式(12)で示されるジエチルシンナミルホスホネート12.2g(2.4当量)とを、無水DMF80mlに溶解させ、その溶液中にカリウムt−ブトキシド5.6g(2.5当量)を0℃で徐々に加えた。その後、室温で1時間放置し、さらに50℃まで加熱し、50℃を保つように加熱しながら5時間撹拌した。反応混合物を放冷した後、過剰のメタノール中に注いだ。析出物を回収し、トルエンに溶解させてトルエン溶液とした。このトルエン溶液を分液ロートに移し、水洗した後、有機層を取出し、取出した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、固形物を取り除いた有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことによって、黄色結晶11.7gを得た。
得られた結晶をLC−MSで分析した結果、目的とする表1−6に示される例示化合物No.28のエナミン化合物(分子量の計算値:653.31)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]+に相当するピークが654.2に観測されたことから、得られた結晶は、例示化合物No.28のエナミン化合物であることが判った(収率:90%)。
また、得られた結晶の重クロロホルム(化学式:CDCl3)中におけるNMRスペクトルを測定したところ、例示化合物No.28のエナミン化合物の構造を支持するスペクトルが得られた(図5〜9参照)。また、LC−MSの分析結果から、得られた例示化合物No.28のエナミン化合物の純度は99.7%であることが判った。
図5は、製造例1−3において得られた結晶の1H−NMRスペクトルであり、図6はその通常測定による13C−NMRスペクトルであり、図7は、図6のスペクトル110〜150ppmの拡大図であり、図8はそのDEPT135測定による13C−NMRスペクトルであり、図9は、図8のスペクトル110〜150ppmの拡大図である。
なお、図5〜9における横軸は化学シフト値δ(ppm)を示し、図5におけるシグナルと横軸との間に記載されている値は、各シグナルの相対的な積分値を示す。
以上のように、前記構造式(11)で示されるエナミン−ビスアルデヒド中間体と、ウィッティッヒ(Wittig)試薬である前記構造式(12)で示されるジエチルシンナミルホスホネートとのウィッティッヒ−ホルナー(Wittig-Horner)反応を行うことによって、表1−6に示される例示化合物No.28のエナミン化合物を得ることができた。
(製造例2)例示化合物No.60の製造
前記構造式(8)で示されるN−(p−トリル)−α−ナフチルアミン23.3g(1.0当量)に代えて、N−(m−トリル)−α−ナフチルアミン4.59g(1.0当量)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして、脱水縮合反応を行うことによってエナミン中間体を得(収率:89%)、次いでビルスマイヤー反応を行うことによってエナミン−ビスアルデヒド中間体を得(収率:82%)、さらにウィッティッヒ−ホルナー反応を行うことによって、黄色粉末状化合物7.67gを得た。なお、各反応において使用した試薬と基質との当量関係は、製造例1で使用した試薬と基質との当量関係と同様である。
得られた化合物をLC−MSで分析した結果、目的とする表1−12に示す例示化合物No.60のエナミン化合物(分子量の計算値:667.32)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]+に相当するピークが668.1に観測されたことから、得られた結晶は、例示化合物No.60のエナミン化合物であることが判った(収率:99.1%)。
以上のように、脱水縮合反応、ビルスマイヤー反応およびウィッティッヒ−ホルナー反応の3段階の反応を行うことによって、3段階収率58.4%で、表に示す例示化合物No.60のエナミン化合物を得ることができた。
(製造例3)例示化合物No.46の製造
製造例1−2で得られた前記構造式(11)で示されるエナミン−ビスアルデヒド中間体2.06g(1.0当量)と、下記構造式(13)で示されるウィッティッヒ試薬3.06g(2.4当量)とを、無水DMF15mlに溶解させ、その溶液中にカリウムt−ブトキシド1.42g(2.5当量)を0℃で徐々に加えた。その後、室温で1時間放置し、さらに50℃まで加熱し、50℃を保つように加熱しながら5時間撹拌した。反応混合物を放冷した後、過剰のメタノール中に注いだ。析出物を回収し、トルエンに溶解させてトルエン溶液とした。このトルエン溶液を分液ロートに移し、水洗した後、有機層を取出し、取出した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、固形物を取り除いた有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことによって、黄色結晶2.69gを得た。
得られた結晶をLC−MSで分析した結果、目的とする表1−10に示す例示化合物No.46のエナミン化合物(分子量の計算値:705.34)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]+に相当するピークが706.2に観測されたことから、得られた結晶は、例示化合物No.46のエナミン化合物であることが判った(収率:84%)。
また、LC−MSの分析結果から、得られた例示化合物No.46のエナミン化合物の純度は99.8%であることが判った。
以上のように、前記構造式(11)で示されるエナミン−ビスアルデヒド中間体と前記構造式(13)で示されるウィッティッヒ試薬とのウィッティッヒ−ホルナー反応を行うことによって、表1−10に示される例示化合物No.46のエナミン化合物を得ることができた。
(比較製造例1)下記構造式(14)で示される化合物の製造
製造例1−2で得られた前記構造式(11)で示されるエナミン−ビスアルデヒド中間体2.0g(1.0当量)を無水THF15mlに溶解させ、その溶液中に、アリルブロマイドと金属マグネシウムとから調製したグリニャール試薬であるアリルマグネシウムブロマイドのTHF溶液(モル濃度:1.0mol/l)10.5ml(2.3当量)を0℃で徐々に加えた。その後、0℃で0.5時間撹拌した後、薄層クロマトグラフィーによって反応の進行状況を確認したところ、明確な反応生成物は確認できず、複数の生成物が確認された。常法により、後処理、抽出、濃縮を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことによって、反応混合物の分離、精製を行った。
しかしながら、目的とする下記構造式(14)で示される化合物を得ることはできなかった。
[電荷輸送物質の特性評価]
電荷輸送層中における電荷輸送物質の電荷移動度を測定するために、以下のようにして試料および比較試料を作製し、評価した。
<試料および比較試料の作製>
導電性支持体として、表面にアルミニウムを蒸着した膜厚80μmのポリエステルフィルムを用い、その蒸着面上に電荷発生層および電荷輸送層を順次形成して試料および比較試料とした。
(試料1)
電荷発生物質としての下記構造式(15)で示されるアゾ化合物1重量部を、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、製品名:PKHH)1重量部をTHF99重量部に溶解させた樹脂溶液に加えた後、ペイントシェーカを用いて2時間分散処理して電荷発生層用塗布液を調製した。
得られた電荷発生層用塗布液をベーカアプリケータ法で導電性支持体上に塗布し、得られた塗膜を自然乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質としての表1−1に示される例示化合物No.1のエナミン化合物8重量部と、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、製品名:C−1400)10重量部とをTHF80重量部に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。
得られた電荷輸送層用塗布液を、先に形成した電荷発生層上にベーカアプリケータ法で塗布し、得られた塗膜を自然乾燥させ、膜厚10μmの電荷輸送層を形成し、電荷移動度測定用試料を得た。
(試料2〜6)
電荷輸送物質としての例示化合物No.1に代えて、それぞれ表1−1に示される例示化合物No.3、表1−9に示される例示化合物No.61、表1−16に示される例示化合物No.106、表1−21に示される例示化合物No.146および表1−26に示される例示化合物No.177を用いたこと以外は、試料1と同様にして、5種類の電荷移動度測定用試料を得た。
(比較試料1)
電荷輸送物質としての例示化合物No.1に代えて、下記構造式(16)で示される比較化合物Aを用いたこと以外は、試料1と同様にして、電荷移動度測定用試料を得た。
(比較試料2)
電荷輸送物質としての例示化合物No.1に代えて、下記構造式(17)で示される比較化合物Bを用いたこと以外は、試料1と同様にして、電荷移動度測定用試料を得た。
(比較試料3)
電荷輸送物質としての例示化合物No.1に代えて、下記構造式(18)で示される比較化合物Cを用いたこと以外は、試料1と同様にして、電荷移動度測定用試料を得た。
(比較試料4)
電荷輸送物質としての例示化合物No.1に代えて、下記構造式(19)で示される比較化合物D(トリフェニルアミンダイマー、Triphenylamine dimer、略称:TPD)を用いたこと以外は、試料1と同様にして、電荷移動度測定用試料を得た。
<電荷移動度の測定>
得られた試料1〜6および比較試料1〜4の各電荷移動度測定用試料について、電荷輸送層の表面に金を蒸着し、室温(25℃)、減圧下(1×10-4〜1×10-3Pa)で、飛行時間(Time-of-Flight)法により、電界強度2.5×105V/cmのときの電荷輸送層中における電荷輸送物質の電荷移動度を測定した。
得られた結果を電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質およびイオン化ポテンシャル(eV)と共に表2に示す。
表2の結果から次のことが判る。
(1)一般式(1)で示されるような分子構造の対称性を崩したエナミン化合物(試料1〜6)は、従来公知の電荷輸送物質である比較化合物DのようなTPD(比較試料4)に比べて、2桁以上高い電荷移動度を有する。
(2)一般式(1)で示されるような分子構造の対称性を崩したエナミン化合物(試料1〜6)は、従来公知のエナミン化合物(比較試料1〜3)に比べて、1桁以上高い電荷移動度を有する。
[感光体の特性評価]
<感光体の作製>
厚さ0.8mm×直径30mm(φ)×長さ340mmのアルミニウム製の円筒型導電性支持体上に中間層および感光層をこの順で形成して感光体を作製し、その特性を評価した。
(実施例1)
無機酸化物微粒子としての、酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)とで表面処理された樹枝状の酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1)12重量部と、樹脂材料としての水性ポリアクリルポリオール(固形分:45%、OH価:80、DIC株式会社製、製品名:バーノックWE−300)8.4重量部と、ブロックイソシアネート化合物(固形分:40%、NCO含有率:5.4%、三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB−920)4.2重量部と、消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470)0.5重量部と、分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40)0.5重量部とを、水69重量部に加え、ペイントシェーカを用いて6時間分散処理して中間層用塗布液を調製した。
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
得られた中間層用塗布液を浸漬塗布装置の塗布槽に満たし、導電性支持体を浸漬した後引き上げ、得られた塗膜を温度150℃で30分間乾燥・硬化させて、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
次いで、電荷発生物質としてのY型オキソチタニウムフタロシアニン(山陽色素株式会社製)2重量部と、バインダー樹脂としてのポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックBM−S)1重量部と、有機溶剤としてのメチルエチルケトン97重量部とを混合し、ペイントシェーカを用いて分散処理して電荷発生層用塗布液を調製した。得られた電荷発生層用塗布液を、中間層と同様の浸漬塗布法で、先に形成した中間層上に塗布し、自然乾燥して膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質としての例示化合物No.1の10重量部と、バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、製品名:ユーピロンZ400)18重量部と、酸化防止剤としての2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.5重量部と、レベリング剤としてのジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、製品名:KF−96)0.004重量部とを、有機溶剤としてのテトラヒドロフラン(THF)110重量部に溶解させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、中間層と同様の浸漬塗布法で、先に形成した電荷発生層上に塗布した、温度130℃で1時間乾燥して膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、実施例1の電子写真感光体を作製した。
(実施例2〜7)
電荷輸送物質としての例示化合物No.1に代えて、それぞれ例示化合物No.5、例示化合物No.30、例示化合物No.36、例示化合物No.46、例示化合物No.61および例示化合物No.72を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6の6種類の感光体を作製した。
(実施例8)
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の感光体を作製した。
無機酸化物微粒子としての酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1):12重量部
樹脂としてのポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD−473):14.3重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5%、日本ポリウレタン工業株式会社製、開発品名:BWD−102):7.1重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.08重量部
水:67重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
(実施例9)
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の感光体を作製した。
無機酸化物微粒子としての酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1):12重量部
樹脂としての水性ポリオールのポリビニルアセタール系樹脂(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックK KW−3):3.2重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:37.5%、NCO含有率:3.7%、住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールVPLS2310):19.6重量部
消泡剤(ポリエーテル系、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.5重量部
水:65重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
(実施例10)
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例10の感光体を作製した。
無機酸化物微粒子としての酸化亜鉛微粒子(堺化学工業株式会社製、製品名:STR−60):12重量部
樹脂としての水溶性セルロースエーテル(OH価:360、信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH−400):3.2重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:37.5%、NCO含有率:3.7%、住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールVPLS2310):19.6重量部
消泡剤(ポリエーテル系、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.5重量部
水:65重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
(実施例11)
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例11の感光体を作製した。
無機酸化物微粒子としての酸化亜鉛微粒子(堺化学工業株式会社製、製品名:STR−60):12重量部
樹脂としての水溶性ナイロン(固形分:20%、NH含有率:10%、ナガセケムテックス株式会社製、製品名:トレジンFS−350):8.8重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:45%、水分散型、NCO含有率:7%、三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB−820):13.8重量部
消泡剤(ポリエーテル系、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.5重量部
分散安定剤分散安定剤(サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40):0.5重量部
水:65重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
(実施例12)
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例12の感光体を作製した。
無機酸化物微粒子としての酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1):12重量部
樹脂としてのポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD−473):18.4重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5%、日本ポリウレタン工業株式会社製、開発品名:BWD−102):3.7重量部
消泡剤(ポリエーテル系、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.5重量部
水:66重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して0.4のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
(実施例13)
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例13の感光体を作製した。
無機酸化物微粒子としての酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1):12重量部
樹脂としてのポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD−473):11.7重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5%、日本ポリウレタン工業株式会社製、開発品名:BWD−102):9.3重量部
消泡剤(ポリエーテル系、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.5重量部
水:67重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.6のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
(比較例1)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて前記構造式(19)で示される比較化合物Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の感光体を作製した。
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
(比較例2)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて下記構造式(20)で示される比較化合物Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の感光体を作製した。
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
(比較例3)
中間層用塗工液(有機溶剤系、硬化剤なし)を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の感光体を作製した。
無機酸化物微粒子としての酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1):6重量部
樹脂としての共重合ナイロン(東レ株式会社製、製品名:アミランCM8000):4重量部
メタノール:50重量部
1,3−ジオキソラン:40重量部
(比較例4)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて前記構造式(19)で示される比較化合物Dを用いたこと以外は、比較例3と同様にして比較例4の感光体を作製した(有機溶剤系、硬化なし)。
(比較例5)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて前記構造式(20)で示される比較化合物Eを用いたこと以外は、比較例3と同様にして比較例5の感光体を作製した(有機溶剤系、硬化なし)。
(比較例6)
中間層用塗工液(水系、硬化剤なし)を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例6の感光体を作製した。
無機酸化物微粒子としての酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1):6重量部
樹脂としての水性ポリオールのポリビニルアセタール系樹脂(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックK KW−3):20重量部
水:74重量部
(比較例7)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて前記構造式(19)で示される比較化合物Dを用いたこと以外は、比較例6と同様にして比較例7の感光体を作製した(水系、硬化なし)。
(比較例8)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて前記構造式(20)で示される比較化合物Eを用いたこと以外は、比較例6と同様にして比較例8の感光体を作製した(水系、硬化なし)。
(比較例9)
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例9の感光体を作製した(水系、ブロック型でないイソシアネート化合物(20℃、20時間でNCO基が完全に分解する)を使用)。
無機酸化物微粒子としての酸化チタン微粒子(石原産業株式会社製、製品名:TTO−D−1):12重量部
樹脂としての水性ポリオールのポリビニルアセタール系樹脂(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックK KW−3):11.2重量部
水分散型イソシアネート(非ブロック型、NCO含有率:16.5%、旭化成ケミカルズ株式会社製、製品名:デュラネートWB40−100):5.8重量部
消泡剤(ポリエーテル系、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー470):0.5重量部
水:71重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、無機酸化物微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
(比較例10)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて前記構造式(19)で示される比較化合物Dを用いたこと以外は、比較例9と同様にして比較例10の感光体を作製した(水系、ブロック型でないイソシアネート化合物(20℃、20時間でNCO基が完全に分解する)を使用)。
(比較例11)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて前記構造式(20)で示される比較化合物Eを用いたこと以外は、比較例9と同様にして比較例11の感光体を作製した(水系、ブロック型でないイソシアネート化合物(20℃、20時間でNCO基が完全に分解する)を使用)。
(比較例12)
中間層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例12の感光体を作製した。
(比較例13)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて前記構造式(19)で示される比較化合物Dを用いたこと以外は、比較例12と同様にして、比較例13の感光体を作製した。
(比較例14)
電荷輸送物質として例示化合物1に代えて前記構造式(20)で示される比較化合物Eを用いたこと以外は、比較例12と同様にして、比較例14の感光体を作製した。
<評価>
実施例1〜13および比較例1〜14で得られた各感光体を、以下のようにして評価した。
得られた結果を、中間層用塗工液の調製に用いた溶剤および用いた電荷輸送物質(電荷輸送材料)と共に表3−1および3−2に示す。
(1)電気特性(初期)
得られた感光体を、画像形成過程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(ジェンテック社製、型式:CATE751)を設けた、市販のデジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−450)にそれぞれ搭載し、各感光体の電気特性を評価した。
まず、温度22℃、相対湿度65%のN/N環境下において、帯電器による帯電動作直後の感光体の表面電位を帯電電位V0[V]として測定した。
また、レーザ光(波長:780nm)によって露光を施した直後の感光体の表面電位をN/N環境下における残留電位VL[V]として測定した。
(2)環境特性(環境安定)
さらに、N/N環境下と同様にして、温度25℃、相対湿度85%のN/H環境下および温度25℃、相対湿度5%のN/L環境下における残留電位VL[V]を測定し、これらの差を電位変動ΔVL[V](環境特性)として求めた。すなわち、電位変動ΔVLが小さい程、環境安定性に優れると評価できる。
(3)疲労特性
次いで、N/N環境下において、所定のパターンのテスト画像(ISO 19752に規定された文字テストチャート)を記録用紙10万枚に連続して複写させた後、初期と同様にして帯電動作直後の感光体の表面電位を帯電電位V0[V]と露光後の残留電位VL[V]を測定し、これらの差を電位変動ΔVLS[V]として求めた。すなわち、電位変動ΔVLSが小さい程、疲労特性に優れると評価できる。
(4)ポットライフ
実施例1〜13および比較例1〜11において調製した中間層用塗工液を常温常湿(温度20℃、湿度50%)下で3ヶ月間保存した後、同様にして感光体を作成し、得られた感光体について、N/N環境下で残留電位VL[V]を測定し、上記(1)の初期残留電位VL[V]との差を、ポットライフの評価指標となる電位変動ΔVLP[V]として求めた。
(5)中間層の硬化度
実施例1〜13および比較例1、2、9〜11において調製した中間層用塗工液0.5gを、それぞれ寸法50mm×50mmのガラス板の表面に、ワイヤーバー法により均一に塗布し、得られた塗膜を温度150℃で30分間乾燥・硬化させてサンプルを得た。
得られたサンプルを、それぞれ20℃のアセトン中に回転数30rpmで攪拌しながら1日間浸漬し、下式により浸漬前の初期重量と浸漬後重量との重量差から[%]硬化度を求めた。
硬化度(%)=(1−(初期重量−浸漬後重量)/(初期重量))×100
(6)感度
表面電位が600Vになるように感光体を正帯電させ、出力300Wのキセノンランプ光を干渉フィルターで分光し、波長400nm、NDフィルターで強度5μW/cm2に調整した光で、帯電された感光体の表面を露光し、静電紙試験装置(商品名:EPA−8200、株式会社川口電機製作所製)を用いて、感光体の表面電位を300Vまで半減させるのに要した露光量を半減露光量E1/2[μJ/cm2]として測定した。
(7)画像品質
得られた感光体を、正規現像ができ、かつ感光体への露光光量と感光体の回転周速とを変化させることができるように改造された、レーザを露光光源とする市販のデジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−450)にそれぞれ搭載し、各感光体の画像品質を評価した。
具体的には、温度25℃、相対湿度55%(55%RH)の常温常湿環境下および温度5℃、相対湿度20%(20%RH)の低温低湿環境下において、感光体の回転周速を変化させることにより感光体に対する露光の開始から現像の終了までの時間を50ミリ秒(50msec)、90ミリ秒(msec)および130ミリ秒(msec)に調整し、記録紙上に画像を形成し、得られた画像を目視観察し、その品質を評価した。
画像に地汚れの発生が認められた場合には、露光光量を増加させて再度画像を形成し、その品質を評価した。
露光光量を増加させることにより地汚れが発生しなくなった場合には、画質が良好であると評価し、地汚れが発生しているがその程度が露光光量を増加させる前よりも改善された場合には、再度露光光量を増加させて画像を形成した。これを地汚れの程度が改善されなくなるまで繰返し、最終的に得られた画像の品質を評価結果とした。
(8)耐刷性(膜減り量)
実施例1〜8および比較例1、2において作製した感光体を、プロセススピード117mm/secに設定した、市販のデジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−450)にそれぞれ搭載し、各感光体の耐刷性を評価した。
N/N環境下において、所定のパターンのテスト画像(ISO 19752に規定された文字テストチャート)を記録用紙4万枚に連続して複写させた後、感光層の膜厚d1を測定し、予め測定しておいた作製時の感光体の膜厚d0との差を、耐刷性の評価指標となる膜減り量Δd(=d0−d1)として求めた。
表3−1および3−2の結果から次のことがわかる。
(1)本発明の感光体(実施例1〜11)は、電荷移動度の低い電荷輸送物質を用いた感光体(比較例1、2)と比較して、半減露光量(E1/2)が小さく、感度に優れている。
(2)本発明の感光体(実施例1〜11)は、比較例2、3の感光体よりも、応答性に優れ、高速で画像を形成する場合や低温低湿環境下で画像を形成する場合にも、高品質の画像を提供することできる。
(3)本発明の感光体(実施例1〜11)は、中間層用塗工液の溶剤として水を用いているにもかかわらず、現在の感光体で多く用いられているポリアミド系のバインダー樹脂と有機溶剤を中間層用塗工液に用いた感光体(比較例3)と比較して、電気特性、環境安定性、疲労特性、ポットライフ(塗液安定性)、感度および画像品質の全てにおいて同等以上の性能を有している。
(4)比較例3と同様の系で、かつ電荷移動度の低い電荷輸送物質を用いた感光体(比較例4、5)は、比較例1、2の感光体と同様に感度が低く、本発明の感光体(実施例1〜11)と比較して、高速プロセスにおける画像品位が劣っている。
(5)樹脂に対するブロックイソシアネート化合物(硬化剤)が少ない場合、すなわち樹脂中のOH基に対するNCO基が少ない場合(実施例12)には、硬化度が低下し、中間層の膜中のOH基(親水基)の割合が高くなり、感光体の環境安定性が低下する。
一方、樹脂に対するブロックイソシアネート化合物(硬化剤)の量が多い場合、すなわち樹脂中のOH基に対するNCO基が多い場合(実施例13)には、環境特性はそれほど低下しないが、疲労特性や塗液の保存性が低下する。これは、過剰に存在するイソシアネート基が水分と反応し電気特性に影響を及ぼすような不純物が生成したためと考えられる。
(6)中間層形成用塗工液に硬化しない水系バインダー樹脂を用いた感光体(比較例6)は、環境特性が極めて低い。
(7)比較例6と同様の系で、かつ電荷移動度の低い電荷輸送物質を用いた感光体(比較例7、8)は、比較例6の感光体と同様に環境特性が極めて低く、感度が低く、本発明の感光体(実施例1〜11)と比較して、高速プロセスにおける画像品位が劣っている。
(8)硬化剤としてブロック型ではない水分散型のイソシアネート化合物を用いた中間層形成用塗工液(比較例9)は、その保存安定性が極めて低い。これは、メーカー資料によれば、イソシアネート化合物が20℃、20時間でNCO基が完全に分解することになっているので、中間層用塗工液の調製直後に作製した感光体はある程度の性能を示すが、約1日で硬化剤が分解し、3ヶ月間保存した中間層用塗工液では硬化が全く起こらず、これを用いて作製した感光体は、イソシアネート基の分解副成物によっても電気特性が悪化したためと考えられる。
(9)比較例9と同様の系で、かつ電荷移動度の低い電荷輸送物質を用いた感光体(比較例10、11)は、比較例9の感光体と同様に感度が低く、本発明の感光体(実施例1〜11)と比較して、高速プロセスにおける画像品位が劣っている。
(10)中間層を備えない感光体(比較例12〜14)では、導電性支持体からの電荷注入による点状の画像欠陥が発生し、電荷移動度には無関係に画像品位に劣る。
(11)本発明の感光体(実施例1〜8)は、電荷移動度の低い電荷輸送物質を用いた感光体(比較例1、2)と比較して、膜減り量Δdが小さく、耐刷性に優れている。
1 導電性支持体
2 中間層(下引き層)
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 積層型感光層
5’ 単層型感光層
20 画像形成装置
22 回転軸線
23、29 矢符
24 帯電手段(帯電器)
24a 帯電ローラ
24b バイアス電源
25 現像手段(現像器)
25a 現像ローラ
25b ケーシング
26 転写手段(転写器)
27 クリーニング手段(クリーナ)
27a クリーニングブレード
27b 回収用ケーシング
28 露光手段
28a 光
30 転写紙
31 定着手段(定着器)
31a 加熱ローラ
31b 加圧ローラ

Claims (8)

  1. 導電性支持体と感光層との間に中間層を備えてなり、
    前記中間層が、ブロックイソシアネート化合物と、前記ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2つ以上有する樹脂と、水とを含む中間層用塗工液から熱硬化を経て形成された層であり、
    前記感光層が、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層、または電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順もしくは逆順で積層された積層型感光層であり、かつ
    前記電荷輸送物質が、次式:
    から選択されるエナミン化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記活性水素含有基が、水酸基またはアミド基である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記イソシアネート基が、前記活性水素含有基に対して0.5以上1.5以下のモル比で前記ブロックイソシアネート化合物中に存在する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記ブロックイソシアネート化合物が、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートをオキシム系またはラクタム系のブロック剤でブロック化した構造を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記樹脂が、ポリエーテルポリオール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂、ポリアクリルポリオール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロースおよびポリアミド系樹脂から選択される請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記中間層用塗工液が、無機酸化物微粒子をさらに含む請求項1〜のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 前記無機酸化物微粒子が、酸化チタンまたは酸化亜鉛の微粒子である請求項に記載の電子写真感光体。
  8. 請求項1〜のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段と、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段と、前記電子写真感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段を少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置。
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