JP2016148845A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 下引き層に酸化亜鉛粒子を含有させる場合において、明部電位変動の抑制と黒ポチの抑制を両立し、支持体の欠陥を隠蔽することが可能な電子写真感光体を提供する。【解決手段】 下引き層の体積抵抗率が、1×1010Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であり、下引き層が、(A)酸化亜鉛粒子と、(B)亜鉛、アルミニウム、フッ素、タングステン、ニオブ、タンタルまたはリンのいずれかの元素でドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子、酸素欠損型酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子からなる群より選択される少なくとも1つと、を含有し、(B)の含有量が、(A)の含有量に対して3質量%以上20質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体ならびに電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置に用いられる電子写真感光体としては、支持体上に下引き層および感光層をこの順に形成してなる電子写真感光体が用いられる。
下引き層中の電荷(例えば電子)の蓄積を抑える目的で、下引き層に金属酸化物粒子を含有させる技術がある。金属酸化物粒子の中でも、酸化亜鉛粒子は、体積抵抗率や誘電率などの電気特性の観点から下引き層に用いる金属酸化物粒子として好適である。特許文献1には、下引き層に酸化亜鉛粒子を含有させる技術が記載されている。
特開2013−137526号公報
しかし、下引き層に酸化亜鉛粒子を用いた場合、酸化亜鉛粒子自体の粉体抵抗の高さからゴーストや明部電位変動が生じやすいという課題がある。この課題の解決には、酸化亜鉛粒子の含有量を増やすことが考えられるが、そうするとクラックの発生が課題となる。また、酸化亜鉛粒子は、粒子自体の透明性の高さから支持体のスジや傷が透過してしまうという課題がある。支持体のスジや傷を隠蔽するため、酸化チタン粒子を含有させることが知られているが、酸化チタン粒子の粉体抵抗が高いことにより、電荷の蓄積が起こりやすく、明部電位の変動が大きくなりやすい。さらに、酸化チタン粒子へ電荷の流れにくくなることで、酸化亜鉛粒子の方へ局所的に過剰な電荷が流れやすく、黒ポチが発生しやすい。
本発明の目的は、下引き層に酸化亜鉛粒子を含有させる場合において、明部電位変動の抑制と黒ポチの抑制を両立し、支持体の欠陥を隠蔽することが可能な電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に下引き層、該下引き層上に感光層を有する電子写真感光体であって、
該下引き層の体積抵抗率が、1×1010Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であり、
該下引き層が、
(A)酸化亜鉛粒子と、
(B)亜鉛、アルミニウム、フッ素、タングステン、ニオブ、タンタルまたはリンのいずれかの元素でドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子、および酸素欠損型酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子からなる群より選択される少なくとも1つと
を含有し、
該下引き層における該(B)の含有量が、該(A)の含有量に対して3質量%以上20質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、下引き層に酸化亜鉛粒子を含有させる場合において、明部電位変動の抑制と黒ポチの抑制を両立し、支持体の欠陥を隠蔽することが可能な電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の一例を説明する図である。 下引き層の体積抵抗率の測定方法を説明するための図(上面図)である。 下引き層の体積抵抗率の測定方法を説明するための図(断面図)である。
本発明の電子写真感光体は、支持体、支持体上に下引き層、下引き層上に感光層を有する。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を単一の層に含有させた単層型感光層と、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光層とが挙げられる。好ましくは、積層型感光層である。
図2に、本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。図2(a)は単層型感光層であり、支持体101上に下引き層102、下引き層102上に感光層103が設けられる。また、図2(b)は積層型感光層であり、支持体101上に下引き層102、下引き層102上に電荷発生層104、電荷発生層104上に電荷輸送層105が設けられる。
本発明の下引き層は、以下の特徴を有する。下引き層の体積抵抗率が、1×1010Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下である。下引き層が、(A)酸化亜鉛粒子と、(B)亜鉛、アルミニウム、フッ素、タングステン、ニオブ、タンタルまたはリンのいずれかの元素でドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子、および酸素欠損型酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子からなる群より選択される少なくとも1つとを含有する。下引き層における上記(B)の含有量が、上記(A)の含有量に対して3質量%以上20質量%以下である。
本発明者らは、電子写真感光体が上記特徴を有することで、明部電位変動の抑制と黒ポチの抑制を両立し、支持体の欠陥を隠蔽することが可能である理由について以下のように推測している。
酸化チタンに酸化スズを被覆した粒子を用いることで、酸化亜鉛粒子に局所的に過剰な電荷が注入することが抑制され、黒ポチが抑制されると考えられる。さらに、酸化チタンに酸化スズを被覆することで導電性を向上させ、感光層の界面からの電荷の流れを良くする効果により、明部電位変動を抑制されると考えられる。また、酸化チタン粒子の酸化スズは、亜鉛、アルミニウム、フッ素、タングステン、ニオブ、タンタルまたはリンのいずれかの元素でドープされている、または、酸素欠損型の酸化スズという特徴を有する。これにより、さらに酸化亜鉛粒子に局所的に過剰な電荷が注入することが抑制されている。
下引き層の体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下である。下引き層の体積抵抗率が1×1010Ω・cmより小さいと、下引き層中に流れる電流量が増え、特に下引き層上に電荷発生層を形成する場合では、電荷注入が起きやすく、黒ポチが生じやすい。一方、下引き層の体積抵抗率が1×1013Ω・cmより大きい場合、下引き層中の電荷が流れにくく、下引き層中や界面に電荷滞留が起きやすく、明部電位変動が大きくなりやすい。
本発明において、下引き層における上記(B)の含有量が、上記(A)の含有量に対して3質量%以上20質量%以下である。3質量%未満であると、支持体の欠陥を隠蔽する効果を制御しにくい。一方、20質量%より多いと、下引き層中の(B)の粒子の方に優先的に電荷が流れ、局所的な黒ポチが発生しやすい。
図3および図4を用いて、下引き層の体積抵抗率を測定する方法を説明する。図3は、下引き層の体積抵抗率の測定方法を説明するための上面図であり、図4は、下引き層の体積抵抗率の測定方法を説明するための断面図である。
下引き層の体積抵抗率は、常温常湿(23℃/50%RH)環境下において測定する。下引き層202の表面に銅製テープ203(住友スリーエム(株)製、型番No.1181)を貼り、これを下引き層202の表面側の電極とする。また、支持体201を下引き層202の裏面側の電極とする。銅製テープ203と支持体201との間に電圧を印加するための電源206、および、銅製テープ203と支持体201との間を流れる電流を測定するための電流測定機器207をそれぞれ設置する。また、銅製テープ203に電圧を印加するため、銅製テープ203の上に銅線204を載せる。そして、銅線204が銅製テープ203からはみ出さないように銅線204の上から銅製テープ203と同様の銅製テープ205を貼り、銅製テープ203に銅線204を固定する。銅製テープ203には、銅線204を用いて電圧を印加する。
下記式(1)で表される値を下引き層202の体積抵抗率ρ(Ω・cm)とする。
ρ=1/(I−I)×S/d(Ω・cm)・・・(1)
式中、Iは、銅製テープ203と支持体201との間に電圧を印加しないときのバックグラウンド電流値(A)を示す。Iは、直流成分のみの電圧を1V印加したときの電流値(A)を示す。dは、下引き層202の膜厚(cm)を示す。Sは、下引き層202の表面側の電極(銅製テープ203)の面積(cm)を示す。
この測定では、1×10−6A以下という微小な電流量を測定するため、電流測定機器207としては、微小電流の測定が可能な機器を用いて行うことが好ましい。そのような機器としては、例えば、横河ヒューレットパッカード社製のpAメーター(商品名:4140B)などが挙げられる。
なお、下引き層の体積抵抗率は、支持体上に下引き層のみを形成した状態で測定しても、電子写真感光体から下引き層上の各層(感光層など)を剥離して支持体上に下引き層のみを残した状態で測定しても、同様の値を示す。
下引き層の体積抵抗率を上記範囲に収めるためには、粉体抵抗率(粉体比抵抗)が1.0×10Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下の上記(B)の粒子を用いることが好ましい。より好ましくは、1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であり、さらに好ましくは1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下である。上記(B)の粒子の粉体抵抗率を上述の範囲にすると、下引き層の体積抵抗率を上記範囲に制御しやすく、電子写真感光体の帯電能が維持しやすくなる。
上記(B)の粒子において、より好ましくは、アルミニウムでドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子、亜鉛でドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子、または酸素欠損型酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子である。これらの粒子であると、酸化亜鉛粒子に局所的に過剰な電荷が注入することをさらに抑制し、黒ポチの抑制に優れる。
上記(B)の粒子における酸化スズ(SnO)の割合(被覆率)は、(B)の粒子全体に対して10〜60質量%であることが好ましく、15〜55質量%であることがより好ましい。酸化スズの被覆率を制御するためには、(B)の粒子を製造するときに、酸化スズを生成するのに必要なスズ原材料を配合することが好ましい。例えば、スズ原材料である塩化スズ(SnCl)から生成される酸化スズの被覆率を考慮して塩化スズの添加量を決める。なお、本発明では、酸化スズの被覆率は、酸化スズにドープされている亜鉛、アルミニウム、フッ素、タングステン、ニオブ、タンタルまたはリンの質量を考慮に入れないこととする。酸化スズの被覆率が10〜60質量%であれば、上記(B)の粒子の被覆が均一になりやすい。
上記(B)の粒子が、亜鉛、アルミニウム、フッ素、タングステン、ニオブ、タンタルまたはリンのいずれかの元素でドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子である場合について説明する。酸化スズにドープされる亜鉛、アルミニウム、フッ素、タングステン、ニオブ、タンタルまたはリンの量(ドープ量)は、(B)の粒子中の酸化スズに対して0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。ドープ量がこの範囲であれば、黒ポチを抑制し、(B)の粒子の粉体抵抗率を1.0×10Ω・cm〜1.0×10Ω・cmの範囲に制御しやすくなる。
(B)の粒子の粉体抵抗率は、常温常湿(23℃/50%RH)環境下で、以下のように測定する。本発明においては、測定装置として、三菱化学(株)製の抵抗測定装置(商品名:ロレスタGP)を用いた。測定対象の(B)の粒子は、500kg/cmの圧力で固めて、ペレット状の測定用サンプルとする。印加電圧は100Vとする。
(B)の粒子の粉体抵抗率は、酸化スズに被覆量や焼成時間、焼成温度のよっても制御できる。
(B)の粒子の粉体抵抗率が、1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下とすると、黒ポチの抑制と明部電位変動の抑制がより優れる。
(B)の粒子の平均一次粒径は、100nm以上500nm以下とすることが、光透過性による支持体の傷隠蔽性と導電性粉体との量比をコントロールしやすい観点から好ましい。
酸化亜鉛粒子は、支持体から感光層側への電荷注入による黒ポチを抑制するため、シランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている粒子であってもよい。
シランカップリング剤としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径は、電子写真特性が得られるものであれば特に限定されるものではないが、導電性の観点から、10nm以上200nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。
酸化スズ被覆粒子((B)の粒子)の平均一次粒子径は、支持体の欠陥隠蔽性や電子写真特性が得られるものであれば特に限定されるものではないが、50nm以上300nm以下が好ましく、100nm以上200nm以下がより好ましい。
下引き層には、結着樹脂を含有することが好ましい。結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
これらの中でも、電位変動の環境依存性を抑制する観点から、硬化性樹脂が好ましい。硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂が挙げられる。
ウレタン樹脂は、イソシアネート化合物と、ポリオール樹脂との硬化物からなる。
イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソフォロンジイソシアネ―ト、IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDI−トリメチロールプロパンアダクト体、HDI−イソシアヌレート体、HDI−ビウレット体が上げられる。
これらのイソシアネート化合物の中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソフォロンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートは、架橋密度を高めることも容易で水分の吸着を抑制する点で特に好ましい。
下引き層用塗布液の液安定性の観点から、これらのイソシアネートはブロック剤でブロックされたブロックイソシアネートであることが好ましい。ブロック剤の例としては、ホルムアルデヒドオキシム、アセトアルドオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトンオキシム、メチルイソブチル、ケトオキシムなどのオキシム系化合物、メルドラム酸、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−ブチル、酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ジイソプロピルアミン、ジフェニルアニリン、アニリン、カルバゾールなどのアミン系化合物、エチレンイミン、ポリエチレンイミンなどのイミン系化合物、コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド系化合物、マロネート、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール系化合物、アセトアニリド、N−メチルアセトアミド、酢酸アミドなどの酸アミド系化合物、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物、尿素、チオ尿素、エチレン尿素などの尿素系化合物、重亜硫酸ソーダなどの亜硫酸塩、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、フェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾールなどのピラゾール系化合物、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系化合物、および、これらのブロック剤を1種または2種以上を組合せたものなどが挙げられる。
ポリオール樹脂の例としては、ポリビニルアセタール、ポリフェノール、ポリエチレンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオールなどが挙げられ、本発明では、ポリビニルアセタールが特に好ましい。
下引き層に有機酸金属を含有してもよく、有機酸ビスマス、有機酸亜鉛、有機酸コバルト、有機酸鉄が挙げられる。
具体的には、オクチル酸ビスマス、オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸鉄、ナフテン酸ビスマス、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄が好ましい。さらにはオクチル酸ビスマス、オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸鉄が好ましい。特にはオクチル酸ビスマス、オクチル酸亜鉛が好ましい。
下引き層における金属酸化物粒子(酸化亜鉛粒子と(B)の粒子との合計)と結着樹脂との含有比率は、金属酸化物粒子:樹脂が1:1〜4:1(質量比)であることが好ましい。質量比が1:1〜4:1であると、繰り返し使用時の明部電位変動が十分に抑制され、さらに、下引き層にクラック(ひび割れ)が発生することが十分抑制される。
有機酸金属(有機酸ビスマス、有機酸亜鉛、有機酸コバルト、有機酸鉄)と金属酸化物粒子との含有比率は、有機酸金属:金属酸化物粒子が1:200〜2:10(質量比)であることが好ましい。質量比が1:200〜2:10であると、繰り返し使用時の明部電位変動が十分に抑制され、さらに、繰り返し使用時における、常温常湿環境下での明部電位の変動と、高温高湿下での明部電位の変動の差が十分に抑制される。
〔支持体〕
支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、亜鉛などの金属製支持体または合金製支持体が挙げられる。アルミニウムやアルミニウム合金性の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨、湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることもできる。
また、金属製支持体、樹脂製支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金、または酸化インジウム−酸化スズ合金等の導電性材料の薄膜を形成したものも挙げられる。
支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などの施してもよい。
支持体と下引き層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆などを目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を加熱乾燥させることによって形成することができる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。導電層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、下引き層が設けられる。
下引き層は、酸化亜鉛粒子、上記(B)の粒子、および結着樹脂を溶剤と混合し、分散処理することによって調製された下引き層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、及び芳香族系溶剤等から任意に選択することができる。例えば、メチラール、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジオキサン等が適宜用いられる。
また、これらの下引き層用塗布液に用いる溶剤は、単独、あるいは2種以上のものを混合して用いることができる。
また、下引き層には、下引き層の表面粗さの調整、または下引き層のひび割れ軽減などを目的として、有機樹脂粒子や、レベリング剤をさらに含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、シリコーン粒子等の疎水性有機樹脂粒子や、架橋型ポリメタクリレート樹脂(PMMA)粒子等の親水性有機樹脂粒子を用いることができる。
下引き層には、電気特性の向上、膜形状安定性の向上、画質向上を目的として、添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、例えば、アルミニウム粉末及び銅粉末等の金属、及びカーボンブラック等の導電性物質、キノン化合物、フルオレノン化合物、オキサジアゾール系化合物、ジ
フェノキノン化合物、アリザリン化合物、ベンゾフェノン化合物等の電子輸送性物質、
多環縮合化合物、アゾ化合物等の電子輸送性顔料、金属キレート化合物、シランカップリング剤等の有機金属化合物等の公知の材料を含有させることができる。
下引き層の乾燥温度としては下引き層のクラックを抑制する観点と、下引き層の樹脂の膜強度の観点から、100℃以上190℃以下が好ましい。ウレタン樹脂を使用する場合には、下引き層の乾燥温度としては130℃以上170℃以下がクラックを抑制する観点と、硬化性の観点からより好ましい。また、乾燥時間は10分間以上120分間以下が好ましい。
下引き層の膜厚は、0.5μm以上40μm以下が好ましい。なお、上記導電層を設けない場合には、被覆性の観点から10μm以上40μm以下であることが好ましく、15μm以上35μm以下であることがより好ましい。上記導電層を設ける場合には、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
下引き層と感光層との間には、下引き層から感光層への電荷注入を阻止するために、電気的バリア性を付与すること目的として、中間層を設けてもよい。
中間層は、樹脂(結着樹脂)を含有する中間層用塗布液を下引き層上に塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
中間層に用いられる樹脂(結着樹脂)としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリグルタミン酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリグルタミン酸エステルなどが挙げられる。
中間層の膜厚は、0.1μm以上2μm以下であることが好ましい。
また、感光層から支持体への電荷の流れを向上させるため、中間層には、反応性官能基(重合性官能基)を有する電子輸送物質を含む組成物の重合物を含有させてもよい。これにより、中間層上に感光層を形成するときに、感光層用塗布液中の溶剤に対して、中間層の材料が溶出する抑制することが可能となる。
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物などが挙げられる。
反応性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基などが挙げられる。
中間層において、組成物中の反応性官能基を有する電子輸送物質の含有量は、30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。この組成物には、さらに、反応性官能基を有する電子輸送物質と反応可能な基を有する架橋剤や、重合性官能基を有する熱可塑性樹脂を含有させてもよい。反応可能な基を有する架橋剤としては、イソシアネート化合物などが挙げられる。
下引き層または中間層上には、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)が形成される。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素などが挙げられる。
これら電荷発生物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、感度の観点から、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
積層型感光層である場合、電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として、1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
電荷発生層上には、電荷輸送層が形成される。電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これら電荷輸送物質の中でも、電荷の移動度の観点から、トリアリールアミン化合物が好ましい。
積層型感光層である場合、電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として、1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷輸送層における電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、結着樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層のクラックを抑制する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分間以上60分間以下が好ましい。
電荷輸送層が1層である場合、その電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、8μm以上30μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層を積層構成とした場合、支持体側の電荷輸送層の膜厚は、5μm以上30μm以下であることが好ましく、表面側の電荷輸送層の膜厚は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
また、本発明においては、電荷輸送層上に、耐摩耗性向上、クリーニング性の向上などを目的として、保護層を設けてもよい。
保護層は、結着樹脂を有機溶剤によって溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
保護層に用いられる樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレ
タン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーなどが挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能を有するモノマー材料や高分子型の電荷輸送物質を種々の架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。好ましくは、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合または架橋させることによって硬化させた層を形成することである。
連鎖重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。硬化させる反応としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)、プラズマCVD法、光CVD法などが挙げられる。
さらに、保護層には、導電性粒子、紫外線吸収剤、耐摩耗性改良剤などを必要に応じて添加することもできる。導電性粒子としては、酸化スズ粒子などの金属酸化物が好ましい。耐摩耗性改良剤としては、ポリテトラフルオロエチレン粒子などのフッ素原子含有樹脂粒子、アルミナ、シリカなどが挙げられる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
保護層の膜厚は、0.5μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
<電子写真装置>
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、円筒状の本発明の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラなど)により、正または負の所定電位の均一に帯電される。次いで、原稿からの反射光であるスリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5内の現像剤に含まれるトナーで正規現像または反転現像により顕画化されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段6(転写ローラなど)からの転写バイアスによって、転写材Pに順次転写されていく。
ここで、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送される。また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。
トナー像の転写を受けた転写材P(最終転写材(紙やフィルムなど)の場合)は、電子写真感光体の表面から分離されて定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。転写材Pが中間転写体などの場合は、複数次の転写工程の後に定着処理を受けてプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7(クリーニングブレードなど)によって転写残りの現像剤(転写残トナー)などの付着物の除去を受けて清浄面化される。
近年、クリーナレスシステムも研究され、転写残トナーを直接、現像器などで回収することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。
そして、このプロセスカートリッジを、複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7の少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化してもよい。そして、装置本体のレールなどの案内手段10を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9とすることができる。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光である。あるいは、露光光4は、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適応可能である。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に示す「部」は「質量部」を意味する。
〔アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタンの製造例〕
アルミニウムでドープされた酸化スズで被覆された酸化チタン粒子は、以下のようにして製造可能である。実施例に合わせて、ドープ元素の種類、量、スズ酸ナトリウムの量は変更した。
酸化チタン粒子(平均一次粒径200nm)200gを、水に分散させた。その後、スズの含有量が41%であるスズ酸ナトリウム(NaSnO)208gを添加し溶解させて混合スラリーを調製した。この混合スラリーを循環させながら、20%希硫酸水溶液(質量基準)を添加してスズの中和を行った。希硫酸水溶液は、混合スラリーのpHが2.5になるまで添加した。中和後、塩化アルミニウム(Snに対して8mol%分)を混合スラリーに添加し、混合スラリーを撹拌した。これによって、目的とする粒子の前駆体を得た。この前駆体を、温水洗浄した後、脱水濾過を行い、固形物が得られた。得られた固形物を2体積%H/N雰囲気下で500℃、1時間還元焼成した。これによって目的とする導電性粒子を得た。アルムニウムのドープ量は、1.7質量%であった。
酸化スズに対するアルミニウムのドープ量(質量%)は、例えば、スペクトリス(株)製の波長分散型蛍光X線分析装置(商品名:Axios)を用いて測定することが可能である。測定対象としては、電子写真感光体の感光層、さらに必要に応じて下引き層を剥離し、下引き層を削り取り、その削り取った下引き層を使用することでも可能である。また、下引き層と同じ材料の粉末を使用することでも可能である。
ここでアルミニウムドープ量は、酸化スズの質量に対するアルミナ(Al)の質量より計算した値とする。
〔亜鉛ドープ酸化スズ被覆粒子の製造例〕
亜鉛でドープされた酸化スズで被覆された酸化チタン粒子は、以下のようにして製造可能である。実施例に合わせて、ドープ元素の量、スズ酸ナトリウムの量は変更した。
酸化チタン粒子(平均一次粒径200nm)200gを、水に分散させた。その後、スズの含有量が41%であるスズ酸ナトリウム(NaSnO)208gを添加し溶解させて混合スラリーを調製した。この混合スラリーを循環させながら、20%希硫酸水溶液(質量基準)を添加してスズの中和を行った。希硫酸水溶液は、混合スラリーのpHが2.5になるまで添加した。中和後、塩化亜鉛(II)(Snに対して1mol%分)を混合スラリーに添加し、混合スラリーを撹拌した。これによって、目的とする導電性粒子の前駆体を得た。この前駆体を、温水洗浄した後、脱水濾過を行い、固形物が得られた。得られた固形物を2体積%H/N雰囲気下で500℃、1時間還元焼成した。これによって目的とする導電性粒子を得た。酸化スズにドープされる亜鉛の質量比率は、1.7質量%であった。
酸化スズに対する亜鉛のドープ量(質量%)は、例えば、スペクトリス(株)製の波長分散型蛍光X線分析装置(商品名:Axios)を用いて測定することが可能である。測定対象としては、電子写真感光体の感光層、さらに必要に応じて中間層を剥離し、下引き層を削り取り、その削り取った下引き層を使用することでも可能である。また、下引き層と同じ材料の粉末を使用することでも可能である。
ここで亜鉛のドープ量は、酸化スズの質量に対する塩化亜鉛の質量より計算した値とする。
〔実施例1〕
支持体として、直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダー(導電性支持体)を用いた。
次に酸化亜鉛粒子(比表面積:15m/g、粉体抵抗:3.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合した。これにシランカップリング剤N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM603、信越化学社製)1.5部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、140℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:デスモジュール BL3175/1、住化バイエルンウレタン社製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶媒に溶解させて混合溶液を得た。この混合溶液に表面処理された酸化亜鉛粒子78部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)9部、アリザリン(東京化成社製)0.8部、オクチル酸亜鉛(商品名:ニッカオクチックス亜鉛 Zn 8%、日本化学産業株式会社製)0.81部を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。
分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール145、GE東芝シリコーン社製)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を得た。
この下引き層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間155℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶4部、下記式(A)で示される化合物0.04部を、シクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶解させた溶液に加えた。これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃の雰囲気下で1時間分散した。分散後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(B)で示されるアミン化合物50部(電荷輸送物質)、
下記式(C)で示されるアミン化合物50部(電荷輸送物質)、および、
ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)100部を、
クロロベンゼン650部およびジメトキシメタン150部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を1日間放置した後、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が21μmの電荷輸送層を形成した。
次に、下記式で示される化合物(D)36部、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)4部をn−プロピルアルコール60部に混合した後に超高圧分散機にて分散混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量8000Gyの条件で1.6秒間、支持体を回転させながら電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が130℃になる条件で3分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、塗膜が100℃になる条件で30分加熱処理を行い、膜厚が5μmである保護層を形成した。
このようにして、支持体上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有する電子写真感光体を製造した。次に、評価について説明する。
<繰り返し使用時の明部電位変動の評価>
評価装置としては、キヤノン(株)製の電子写真複写機(商品名:GP405、プロセススピードは300mm/secになるように改造、帯電手段は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧をローラ型の接触帯電部材(帯電ローラ)に印加する方式)を用いた。この評価装置のドラムカートリッジに上述の電子写真感光体をそれぞれ装着して以下のように評価した。
温度23℃/湿度50%RHの常温常湿環境下、および温度30℃/湿度85%RHの高温高湿環境下に上記評価装置を設置した。帯電条件としては、帯電ローラに印加する交流成分をピーク間電圧1500V、周波数1500Hzとし、直流成分を−850Vとした。また、露光条件としては、0.4μJ/cmとなるように露光条件を調整した。
電子写真感光体の表面電位は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック社製)を固定し、表面電位計(model344:トレック社製)を使用して測定した。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、電子写真感光体の軸方向の中央、電子写真感光体の表面からのギャップを3mmとした。
次に、評価について説明する。なお、各電子写真感光体において初期に設定した帯電条件および露光条件のもとで評価を行った。
電子写真感光体を温度23℃、湿度50%RHの環境下で24時間放置した後、電子写真感光体を装着した現像用カートリッジを上記評価装置に取り付け、50000枚の通紙による電子写真感光体の繰り返し使用を行った。50000枚の通紙による電子写真感光体の繰り返し使用を行うまえに、初期の明部電位(VlJa)を測定する。
50000枚通紙後、5分間放置し、現像用カートリッジを電位測定装置に付け替え、繰り返し使用後における明部電位(VlJb)を測定した。そして、繰り返し使用時の明部電位の変動量(ΔVlJ=|VlJb|−|VlJa|)を算出した。
VlJaは繰り返し使用前の初期明部電位である。また、|VlJb|および|VlJa|は、それぞれVlJbおよびVlJaの絶対値を表す。
<支持体の欠陥の隠蔽性の評価>
支持体の欠陥の隠蔽性を評価する方法としては、下引き層を透明フィルム上に膜厚20μmの厚さで形成し、その下引き層の透過率を測定した。透過率は、V−570(JASCO製)にフィルムホルダーを設置し、リファレンスには何も塗布されていない透明フィルムを設置した。波長800nmの光を用いて透過率を求め、以下のようにランク分けでした。
ランク1:透過率 0.5%以下
ランク2:透過率 0.5%より大きく0.8%未満
ランク3:透過率 0.8%以上
<黒ポチの評価>
黒ポチの評価は、電荷輸送層の膜厚を10μmとした電子写真感光体をそれぞれ作製し、上記GP405改造機でハーフトーン画像を出力した。ハーフトーン画像の出力結果から以下のようにランク分けをおこなった。
ランク1:感光体1周長の範囲に黒ポチが1つある。
ランク2:感光体1周長の範囲に黒ポチが2つある。
ランク3:感光体1周長の範囲に黒ポチが3つある。
ランク4:感光体1周長の範囲に黒ポチが4つある。
ランク5:感光体1周長の範囲に黒ポチが5つある。
〔比較例1〕
実施例1のアルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を含有させなかった以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔比較例2〕
実施例1のアルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を2.1部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔比較例3〕
実施例1の表面処理された酸化亜鉛粒子を105部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を2.4部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔比較例4〕
実施例1のアルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を33部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例2〕
実施例1のアルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を酸素欠損型酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)15部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例3〕
実施例1のアルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を酸素欠損型酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)15部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例4〕
実施例1のアルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をフッ素ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)15部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔比較例5〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を105部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をフッ素ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)36部に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔比較例6〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を60部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をフッ素ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)3部に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例5〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を81部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をタングステンドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)15部に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例6〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を78部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をニオブドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)12部に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例7〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を90部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をタンタルドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)12部に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例8〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を75部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をリンドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)15部に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例9〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を78部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率40%)9部に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例10〕
実施例1のアルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を15.6部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例11〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を90部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を15部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例12〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を75部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子を酸素欠損型酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω・、SnOの被覆率40%)15部に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔比較例7〕
実施例1の酸化亜鉛粒子を75部、アルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子をアンチモンドープ酸化スズ被覆酸化チタン粒子(粉体抵抗率:1×10Ω、SnOの被覆率40%)15部に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例13〕
実施例1の下引き層を以下に変更した。それ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:1.0×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌しながら混合した。これにシランカップリング剤(表面処理剤)1.0部を添加し、6時間攪拌しながら混合した。その後、トルエンを減圧留去して、6時間140℃で乾燥させることによって、シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。シランカップリング剤としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)を用いた。
次に、ポリオール樹脂としてのブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部、および
ブロック化イソシアネート樹脂(商品名:TPA−B80E、80%溶液、旭化成工業社)15部を、
メチルエチルケトン73.5部/シクロヘキサノン73.5部の混合溶剤に溶解させて溶液を得た。
この溶液に、上記シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子78部、およびアルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタン(粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率35%)9部、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部
を加え、これを分散媒体として平均粒径1.0mmのガラスビーズ180部を用いた縦型サンドミルに入れ、23±3℃雰囲気下において回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理した。
分散処理後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.01部、および、架橋型のポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMERSSX−102、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径:2.5μm)を5.6部加えて攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を、アルミニウムシリンダーに浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度170℃、30分間加熱乾燥をし、厚さ30μmの下引き層を形成した。
〔実施例14〕
実施例13のアルミニウムドープ酸化スズ被覆酸化チタンを亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン((粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率35%)に変更した。それ以外は、実施例13と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
〔実施例15〕
実施例14の亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン((粉体抵抗率:1×10Ω・cm、SnOの被覆率35%)を亜鉛ドープ酸化スズ被覆酸化チタン(粉体抵抗率1×10Ω・cm、SnOの被覆率20%)に変更した。それ以外は、実施例14と同様に電子写真感光体を作製し、評価をした。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (9)

  1. 支持体、該支持体上に下引き層、該下引き層上に感光層を有する電子写真感光体であって、
    該下引き層の体積抵抗率が、1×1010Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であり、
    該下引き層が、
    (A)酸化亜鉛粒子と、
    (B)亜鉛、アルミニウム、フッ素、タングステン、ニオブ、タンタルまたはリンのいずれかの元素でドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子、および酸素欠損型酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子からなる群より選択される少なくとも1つと
    を含有し、
    該下引き層における該(B)の含有量が、該(A)の含有量に対して3質量%以上20質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記(B)の粒子の粉体抵抗率が、1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記下引き層が、結着樹脂を含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記(B)の粒子のドープ量が、前記(B)の粒子中の酸化スズの質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記(B)の粒子が、アルミニウムでドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子である請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記(B)の粒子が、酸素欠損型酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子である請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記(B)の粒子が、亜鉛でドープされている酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子である請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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