JP7319858B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
A≦2% (1)
10×B<C (2)
電子写真感光体の初期感度は、感光層中の電荷発生物質での電荷の発生量が多くなる程高くなることが知られている。電子写真感光体の感光層に入射した像露光光は、感光層に入射した際に電荷発生物質に吸収され、電荷を発生させる。更に、像露光光は、感光層を通過した先の層で反射して、再度感光層に入射した際にも電荷発生物質に吸収されて電荷を発生させる。よって、像露光光が感光層を通過した先の層でどれだけ反射されるかは、電子写真感光体の初期感度と関連する。
A≦2% (1)
10×B<C (2)
一般的に、酸化チタン粒子は、還元雰囲気下で高温に加熱することにより、酸化チタン粒子を構成する酸素を欠損させ、酸素欠損率を高くすることが可能である。酸化チタン粒子の酸素の欠損が進むにつれて酸化チタン粒子の着色が進み、明度が低下する。酸素欠損率が高い酸化チタン粒子は、酸素欠損率が低い酸化チタン粒子に対して、より高い導電性能を有する一方、より明度が低くなる。酸素欠損率が高くなり、高い導電性能を有するようになった酸化チタン粒子は、一般的に黒色である。
また、本発明の金属酸化物粒子は、粒子全体としては酸素欠損率が2%以下である。
即ち、本発明の金属酸化物粒子は、酸素欠損がなされている被覆層によって粒子全体として高い導電性能を得る一方で、芯材の酸素欠損率を低く抑えることで、粒子全体としての明度を高いまま保っているものと考えている。
本発明の電子写真感光体は、支持体と、導電層と、感光層とをこの順に有することを特徴とする。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、センタレス研磨処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
本発明において、導電層は、支持体の上に形成され、結着材料、及び、酸化チタンを含有する芯材と、該芯材を被覆し、かつ、酸化チタンを含有する被覆層と、を有する金属酸化物粒子を含有する。このとき、該金属酸化物粒子の酸素欠損率をA、該芯材の酸素欠損率をB、該被覆層の酸素欠損率をCとしたときに下記式(1)および式(2)を満足する。
A≦2% (1)
10×B<C (2)
上記式(1)および式(2)を満足することで、金属酸化物粒子の明度を高く保ちつつ、高い導電性能を得ることが可能となる。
本発明では、金属酸化物粒子の酸素欠損率を、熱重量測定装置(商品名:Q5000IR、ティー・エイ・インスツルメント製)を用いて測定した。測定時の昇温レートは10℃/分であり、酸素気流下で測定を行った。300℃から900℃の範囲で、質量が増加に転じた温度での質量を最小質量とし、最小質量とその後の加熱の中での最大質量から、酸素欠損率Aを求めた。
本発明では、金属酸化物粒子断面に対するSEM-EDX分析により、金属酸化物粒子の芯材の酸素欠損率と被覆層の酸素欠損率との比率を測定した。
10×B<C (2)
即ち、金属酸化物粒子の芯材の酸素欠損率Bに対する金属酸化物粒子の被覆層の酸素欠損率Cの比率、C/Bは10以上である。
本発明の金属酸化物粒子において、導電性能は、主に金属酸化物粒子の被覆層によって発現しているものと考えられる。被覆層の酸素欠損率が高い程、つまり、C/Bの値が大きい程、被覆層がより選択的に酸素欠損していることを表している。よって、導電性能の点からは、C/Bの値が大きいことがより好ましい。導電性能の点からは、金属酸化物粒子の芯材は全く酸素欠損されていなくても構わない。また、粒子の明度の観点からは、金属酸化物粒子の芯材の酸素欠損率は低ければ低い程好ましい。
高温高湿環境では、被覆層の表面にニオブまたはタンタル元素が存在する部分では、ニオブまたはタンタル元素が存在しない部分と比較して、水分が吸着し、保持されやすいものと本発明者らは考えている。また、被覆層の表面に過剰に吸着した水分は、電荷の移動を妨げるものと推定している。このことから、被覆層のニオブまたはタンタルの含有量が低いと、被覆層の表面に水分が過剰に吸着されないため、高温高湿環境において、繰り返し使用時の明部電位の変動が抑えられるものと推定している。
また、導電層は、更に、電子受容性物質を含有しても良い。電子受容性物質を含有することで、繰り返し使用時の明部電位の変動を更に抑制することが可能である。
電子受容性物質としては、キノン化合物、アントラキノン化合物、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、トリフェニルメタン化合物、などが挙げられる。
また、導電層は、サリチル酸誘導体などの添加剤を更に含有しても良い。
本発明では、分光濃度計(X-Rite社製、X-Rite939)を用いてL*a*b*表色系(CIE:1976)における明度L*を測定した。
本発明において、導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
本発明において、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。尚、図においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
(金属酸化物粒子1)
芯材の二酸化チタンは公知の硫酸法で製造することができる。即ち、硫酸チタン、硫酸チタニルを含む溶液を加熱して加水分解させメタチタン酸スラリーを作製し、該メタチタン酸スラリーを脱水焼成して得られる。
金属酸化物粒子1の製造において、用いる芯材及び被覆時の条件を表1に示すように変更した以外は金属酸化物粒子1と同様にして、表1に示すように金属酸化物粒子2~23およびC4~C8の粉末を得た。
(導電層用塗布液1)
結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ-325、DIC製、樹脂固形分:60%、硬化後の密度:1.3g/cm2)80部を、溶剤としての1-メトキシ-2-プロパノール60部に溶解させて溶液を得た。
この溶液に金属酸化物粒子1を100部加え、これを分散媒体として平均粒径1.0mmのガラスビーズ200部を用いた縦型サンドミルに入れ、分散液温度23±3℃、回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で2時間分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液を、PTFE濾紙(商品名:PF060、アドバンテック東洋製)を用いて加圧ろ過した。加圧ろ過後の分散液に、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング製)0.015部、及び、表面粗さ付与材としてシリコーン樹脂粒子(商品名:KMP-590、信越化学工業製、平均粒径:2μm、密度:1.3g/cm3)15部を添加して攪拌することによって、導電層用塗布液1を調製した。
導電層用塗布液1の調製の際に用いた金属酸化物粒子の種類、量(部数)を、それぞれ表2に示すようにした以外は、導電層用塗布液1の調製と同様の操作で、導電層用塗布液2~18、23~26、28、30~32およびC4~C8を調製した。
導電層用塗布液1の調製の際に、回転数1000rpmの条件で1時間分散処理を行った以外は、導電層用塗布液1の調製と同様の操作で、導電層用塗布液19を調製した。
導電層用塗布液1の調製の際に、回転数2000rpmの条件で3時間分散処理を行った以外は、導電層用塗布液1の調製と同様の操作で、導電層用塗布液20を調製した。
導電層用塗布液1の調製の際に、回転数2000rpmの条件で6時間分散処理を行った以外は、導電層用塗布液1の調製と同様の操作で、導電層用塗布液21を調製した。
導電層用塗布液1の調製の際に、回転数2000rpmの条件で10時間分散処理を行った以外は、導電層用塗布液1の調製と同様の操作で、導電層用塗布液22を調製した。
導電層用塗布液1の調製の際に、表面粗さ付与材を添加しなかった以外は、導電層用塗布液1の調製と同様の操作で、導電層用塗布液27を調製した。
結着材料としてのとしてのブチラール樹脂(商品名:BM-1、積水化学工業製)15部、及び、ブロック化イソシアネート樹脂(商品名:TPA-B80E、80%溶液、旭化成製)15部を、メチルエチルケトン45部/1-ブタノール85部の混合溶剤に溶解させて溶液を得た。この溶液に金属酸化物粒子1を70部加え、これを分散媒体として平均粒径1.0mmのガラスビーズ120部を用いた縦型サンドミルに入れ、分散液温度23±3℃、回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液を、PTFE濾紙(商品名:PF060、アドバンテック東洋製)を用いて加圧ろ過した。加圧ろ過後の分散液に、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28 PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング製)0.015部、及び、表面粗さ付与材として架橋型のポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(商品名:テクポリマーSSX-102、積水化成品工業製、平均一次粒径:2.5μm、密度:1.2g/cm2)5部を添加して攪拌することによって、導電層用塗布液29を調製した。
導電層用塗布液29の調製の際に用いた金属酸化物粒子の種類を、金属酸化物粒子16とした以外は、導電層用塗布液29の調製と同様の操作で、導電層用塗布液33を調製した。
導電層用塗布液33の調製の際に、金属酸化物粒子16と共にアリザリン(東京化成工業(株)製)1部を加えた以外は、導電層用塗布液29の調製と同様の操作で、導電層用塗布液34を調製した。
導電層用塗布液33の調製の際に、金属酸化物粒子16と共に2-ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)1部を加えた以外は、導電層用塗布液29の調製と同様の操作で、導電層用塗布液35を調製した。
(電子写真感光体1)
押し出し工程及び引き抜き工程を含む製造方法により製造された、長さ257mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を支持体とした。
電子写真感光体の製造の際に用いた導電層用塗布液を、導電層用塗布液1から、それぞれ導電層用塗布液2~25、27~32、34~36およびC4~C8に変更し、更に、導電層の膜厚を表3に示すように変更した以外は、電子写真感光体1の製造と同様の操作で、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体2~25、27~32、34~36およびC4~C8を製造した。導電層の体積抵抗率は、電子写真感光体1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
電子写真感光体の製造において、下引き層を有さなかった以外は、電子写真感光体1の製造と同様の操作で、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体26を製造した。
導電層の体積抵抗率は、電子写真感光体1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
電子写真感光体の製造の際に用いた導電層用塗布液を、導電層用塗布液1から、それぞれ導電層用塗布液29および33~35に変更した。また、塗膜の乾燥及び熱硬化の温度を170℃に変更した以外は、電子写真感光体1の製造と同様の操作で、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体33および38~40を製造した。導電層の体積抵抗率は、電子写真感光体1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
電子写真感光体の製造において、下引き層を有さなかった以外は、電子写真感光体16の製造と同様の操作で、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体37を製造した。
導電層の体積抵抗率は、電子写真感光体1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
電子写真感光体の製造において、電荷発生層に用いる電荷発生物質を、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の27.3°にピークを有するY型オキシチタニウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、電子写真感光体38の製造と同様の操作で、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体41を製造した。
導電層の体積抵抗率は、電子写真感光体1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
電子写真感光体の製造において、電荷発生層に用いる電荷発生物質を、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の27.3°にピークを有するY型オキシチタニウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、電子写真感光体39の製造と同様の操作で、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体42を製造した。
導電層の体積抵抗率は、電子写真感光体1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
電子写真感光体の製造において、電荷発生層に用いる電荷発生物質を、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の27.3°にピークを有するY型オキシチタニウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、電子写真感光体40の製造と同様の操作で、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体43を製造した。
導電層の体積抵抗率は、電子写真感光体1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
電子写真感光体の製造において、下引き層の製造を、以下のように変更した以外は、電子写真感光体1の製造と同様の操作で、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体44を製造した。
平均一次粒子径50nmのルチル型酸化チタン粒子100部をトルエン500部と攪拌混合し、ビニルトリメトキシシラン35部を添加し、8時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、ビニルトリメトキシシランで表面処理されたルチル型酸化チタン粒子を得た。
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部、上記手順で得たビニルトリメトキシシランで表面処理されたルチル型酸化チタン粒子18部、メタノール65部、n-ブタノール30部に、直径1mmのガラスビーズ120部を加え、6時間ペイントシェーカーを用いて分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除き、PTFE濾紙(商品名:PF060、アドバンテック東洋製)を用いて加圧ろ過することによって、下引き層用塗布液2を調整した。この下引き層用塗布液2を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が2.0μmの下引き層を形成した。
導電層の体積抵抗率は、電子写真感光体1と同様にして測定した。結果を表3に示す。
上記で製造した電子写真感光体から、5mm四方の切片を5つ切り出し、その後、それぞれの切片の電荷輸送層及び電荷発生層をクロロベンゼン、メチルエチルケトン及びメタノールで拭き取り、導電層を露出させた。このようにして、観察用サンプル片を各電子写真感光体につき5つずつ用意した。
分析用試料加工:FIB法
加工及び観察装置:SII/Zeiss製NVision40
スライス間隔:10nm
観察条件:
加速電圧:1.0kV
試料傾斜:54°
WD:5mm
検出器:BSE検出器
アパーチャー:60μm、high current
ABC:ON
画像解像度:1.25nm/pixel
(初期感度の評価、および、繰り返し使用時の明部電位の変動の抑制効果の評価)
上記で製造した電子写真感光体をそれぞれヒューレットパッカード製のレーザービームプリンターColor LaserJet Enterprise M552に装着して、温度23℃/相対湿度50%の環境下にて通紙耐久試験を行った。通紙耐久試験では、印字率2%の文字画像をレター紙に1枚ずつ出力する間欠モードでプリント操作を行い、10,000枚の画像出力を行った。そして、通紙耐久試験開始時並びに10,000枚画像出力終了に、露光時の電位(明部電位)を測定した。電位測定は、黒ベタ画像を1枚用い、帯電電位(暗部電位)が-500V、像露光光量が電子写真感光体表面で0.4μJ/cm2となるようにプリンターを改造して行った。初期(通紙耐久試験開始時)の明部電位(初期感度)をVL、10,000枚画像出力終了後の明部電位をVL’とした。そして、10,000枚画像出力終了後の明部電位VL’と初期の明部電位VLとの差である明部電位変動量ΔVL(=|VL’|-|VL|)を求めた。結果を表4に示す。
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (11)
- 支持体と、導電層と、感光層と、をこの順に有する電子写真感光体であって、
該導電層が、結着材料及び金属酸化物粒子を含有し、
該金属酸化物粒子が、酸化チタンを含有する芯材と、該芯材を被覆し酸化チタンを含有する被覆層とを有し、
該金属酸化物粒子の酸素欠損率をA、該芯材の酸素欠損率をB、該被覆層の酸素欠損率をCとしたときに下記式(1)および式(2)を満足することを特徴とする電子写真感光体。
A≦2% (1)
10×B<C (2) - 前記芯材に含まれる金属元素のうち、98原子%以上がチタン元素である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物粒子に含まれる金属元素のうち、90原子%以上がチタン元素である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記導電層の明度が60以上である請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記導電層の体積抵抗率が、1.0×108Ω・cm以上1.0×1013Ω・cm以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記導電層の全体積に占める、前記金属酸化物粒子の含有量が、20体積%以上50体積%以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記芯材の平均一次粒径が、前記被覆層の平均層厚に対して、1倍以上50倍以下である請求項1乃至6の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記被覆層に含まれる金属元素のうち、ニオブ元素又はタンタル元素の含有量が0.5原子%以下である請求項1乃至7の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記導電層において、更に電子受容性物質を含有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至9の何れか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至9の何れか1項に記載の電子写真感光体、並びに、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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